説明

ベルトの製造方法、ベルト搬送装置および画像形成装置

【課題】パターン列が形成された搬送ベルトの製造に要する時間と手間を軽減できる製造方法を提供する。
【解決手段】載置された記録紙Sを搬送するための搬送ベルト15の製造方法は、位置に関する情報を示すパターン32,34が連続したパターン列30を、一の方向に沿って板状のベルト基材20に形成する形成工程と、前記一の方向と交差し、それぞれが対向する前記ベルト基材20の対向する一方の端部と他方の端部を接合する接合工程と、を備え、前記形成工程は、前記接合工程よりも前に実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ベルトの製造方法、ベルト搬送装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
載置された対象物を搬送する搬送ベルトとして、無端状の平ベルトが使用されている。このような搬送ベルトの製造方法としては、シート状フィルムを熱溶着でつなぎ合わせる方法やブロー成形法等が知られている。また、近年では、電子写真方式のプリンタや複写機、及びインクジェット方式のプリンタ等の画像形成装置における用紙の搬送手段として搬送ベルトが使われている。このような搬送ベルトにより対象物を搬送する際に、搬送ベルトの位置を精度良く取得するべく、下記特許文献1に示すように、搬送ベルトの側縁部に、光学式エンコーダや磁気式エンコーダが読み取り可能なパターンを形成し、これらのエンコーダがパターンを読み取って信号処理することにより、搬送ベルトに載置された対象物の位置を精度良く検出する方法が開示されている。
また、ベルトにパターンを形成する方法としては、下記特許文献2に示すように、ベルトの基材を円筒状に加工してベルトを形成し、形成したベルトに対して磁気パターンや光学スリットを形成する方法が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開平11−245383号公報
【特許文献2】特開2006−189491号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ベルトに磁気パターンや光学スリットを形成するためには、円筒状に形成されたベルトを移送して塗装や乾燥等の各加工機械に給材し、加工した後、除材して次の工程に移送する必要があり、移送や給除材の際に、ベルトに傷、しわ、折込等が発生しないように注意して扱う必要があるため、このようなベルトの製造に多くの時間と手間がかかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]
本適用例にかかるベルトの製造方法は、位置に関する情報を示すパターンが連続したパターン列を、所定の方向に沿ってベルト基材に形成する形成工程と、前記所定の方向で対向する前記ベルト基材の一方の端部と他方の端部を接合する接合工程と、を備え、前記形成工程は、前記接合工程よりも前に実行することを特徴とする。
【0007】
このような方法によれば、ベルト基材の対向する2つの端部を接合してベルトを形成する前のベルト基材にパターン列を形成することから、パターン列を形成する際のベルト基材の給除材や移送が、ベルト状である場合と比較して容易になると共に、ベルト基材を接合する前の非環状な状態では、ベルト基材に傷やしわ等を発生させることなく移送することが容易になり、ベルトの製造に要する時間と手間を軽減できる。
【0008】
[適用例2]
上記適用例にかかるベルトの製造方法において、前記形成工程と前記接合工程の間に、前記ベルト基材を矩形状に整形する整形工程を更に備えることが好ましい。
このような方法によれば、ベルト基材にパターン列を形成した後に、ベルト基材を矩形状に整形できる。
[適用例3]
上記適用例にかかるベルトの製造方法において、前記接合工程で接合された接合部を平滑にする平滑化工程を更に備えることが好ましい。
このような方法によれば、接合部が平滑化された無端状のベルトを製造できる。
【0009】
[適用例4]
上記適用例にかかるベルトの製造方法において、前記形成工程は、前記ベルト基材の側縁部に前記パターン列を形成しても良い。
[適用例5]
上記適用例にかかるベルトの製造方法において、前記接合工程は、前記一方の端部と前記他方の端部の間に透明部材を介在させて接合することが好ましい。
このような方法によれば、透明部材の位置をベルトの位置の基準位置とすることができる。
【0010】
[適用例6]
上記適用例にかかるベルトの製造方法において、前記形成工程は、前記パターンを順次検出することで、前記ベルトの位置に関する情報が取得できるように、前記パターン列を形成することが好ましい。
このような方法によれば、パターン列のパターンを順次検出することで、ベルトの位置に関する情報を取得できる。
[適用例7]
上記適用例にかかるベルトの製造方法において、前記形成工程は、前記情報に基いて光の透過率、反射率および磁気方向の何れかが異なる前記パターンを並べることにより、前記パターン列を形成しても良い。
【0011】
[適用例8]
本適用例にかかるベルト搬送装置は、上記したベルトの製造方法により製造されたベルトを備えても良い。
[適用例9]
本適用例にかかる画像形成装置は、画像を媒体上に形成する画像形成装置であって、前記媒体を搬送する上記したベルト搬送装置と、前記ベルト搬送装置により搬送される前記媒体の位置に応じてインク滴を前記媒体に吐出するインク滴吐出装置と、を備えても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、ベルト搬送装置と、このベルト搬送装置を適用したインクジェットプリンタについて図面を参照して説明する。
【0013】
(実施形態)
図1は、ベルト搬送装置10の外観図である。このベルト搬送装置10は、駆動ローラ40、従動ローラ42および搬送ベルト15を備える。駆動ローラ40には、伝達装置(図示は略す。)を介して、DCモータ等の電動モータ(図示は略す。)が接続されており、電動モータの回転が伝達されることで、駆動ローラ40が図面視、左周りに回転し、搬送ベルト15上に載置された対象物は、図面視、右方から左方に搬送される。本実施形態では、対象物として印刷媒体としての記録紙Sを想定し、この記録紙Sは、搬送ベルト15上の所定の位置に精度良く載置される。また、ベルト搬送装置10の上方であって、搬送ベルト15と接しない位置に、記録紙Sの移動位置を検出するための検出装置60と、この検出装置60が検出する移動位置に応じて記録紙Sにインク滴を吐出することにより、記録紙S上に画像を形成するインク滴吐出装置5とが設置されている。
搬送ベルト15は平ベルトであり、この搬送ベルト15の側縁部には、位置に関する情報を示す2値のパターン(図4の32,34)が連続したパターン列30が、所定の方向、即ち、搬送物を搬送する方向に沿って形成されている。このパターン列30は、例えば、光学式エンコーダや磁気式エンコーダがパターン32,34の反射率や透過率および磁束変化を検出することにより、搬送ベルト15の位置や移動量を相対的に検出できるように形成される。本実施形態では、検出装置60は、パターン列30を識別可能な位置に固定されており、搬送ベルト15の移動に伴い検出装置60を通過するそれぞれのパターン32,34を計数することにより、搬送ベルト15上の所定位置に載置された記録紙Sの位置を精度良く検出できる。
【0014】
図2は搬送ベルト15の製造方法の流れを示すフローチャートであり、以下、このフローチャートに従い、搬送ベルト15の製造方法について説明する。尚、本実施形態で使用するベルト基材20は、検出装置60として光の透過による光学式エンコーダを使用する場合、厚さが75μmから200μm程度のポリカーボネード(PC)やポリエチレンテレフタレート(PET)等の薄肉樹脂フィルムを採用できる。また、検出装置60として光の反射による光学式エンコーダや、磁気式エンコーダを使用する場合、ベルト基材20は、上記のPCやPETに加えて、ポリイミド、ポリウレタンおよびシリコーン等を採用できる。
【0015】
最初に、図3に示す長尺な板状のベルト基材20の側縁部の所定位置に、パターン列30を形成する形成工程を実行する(ステップS200)。この場合、ベルト基材20は、長尺なシート状、もしくは、ロール状で供給され、パターン列30は、ベルト基材20が搬送ベルト15として形成された場合に、対象物が搬送される方向に沿って形成される。図4は、パターン列30を拡大した図であり、光の反射率や透過率および磁気方向が異なる2つのパターン32,34が交互かつ連続して繰り返される。例えば、レーザやLED等を備える発光部と、フォトダイオード等を備える受光部とを有する光学式エンコーダであって、透過型の光学式エンコーダを使用する場合、一方のパターン34は光を透過し、他方のパターン32は光を透過しない。また、反射型の光学式エンコーダを使用する場合、一方のパターン34は光を反射し、他方のパターン32は光を反射しない。また、磁気式エンコーダを使用する場合、一方のパターン34はN極の特性を有し、他方のパターン32はS極の特性を有し、磁気式エンコーダが有するMR素子(磁気抵抗素子)が磁気方向を検出する。
【0016】
これらのパターン32,34の形成方法は、光学式エンコーダと磁気式エンコーダでは異なる。最初に、光学式エンコーダの場合、図5(a)に示すように、例えば、ロール状のベルト基材20に対して、オフセット印刷等によりラダーパターン等のパターン30Aを印刷しても良い。また、光学式エンコーダの場合、図5(b)に示すように、予め感光層36を形成したベルト基材20上に、フォトマスクとレーザ露光による露光、現像、定着処理(所謂フォトリソ処理)により、ラダーパターン等のパターン30Bを形成しても良い。
磁気式エンコーダの場合、最初に、例えば、ロール状のベルト基材20上に磁性層と成る磁性塗料をスプレー、バーコートおよびローラコート等で塗布し、乾燥および焼成を行う。この場合、一連の工程を、送り出しローラから送り出した後、塗布、乾燥、焼成を行い、巻き取りロールで巻き取っても良い。次に、ベルト基材20上に書き込み用の磁気ヘッドを用いて、図5(c)に示すように、所定のピッチで極性(N極およびS極)を交互に書き込むことにより磁性層のパターン30Cを形成する。この場合、一連の工程を、送り出しローラから送り出した後、着磁を行い、巻き取りロールで巻き取っても良い。尚、磁性塗料を塗布した後、磁性層を保護するための保護層を磁性層上に形成しても良い。
以上の処理により、ロール状のベルト基材20上の所定位置にパターン列30が形成される。本実施形態では、図3に示すように、ベルト基材20上のパターン列30は、搬送ベルト15の長さに応じた所定の長さを有して不連続に形成されるが、これには限定されず、ロール状のベルト基材20の全面に渡り連続するパターン列30であっても良い。
【0017】
続いて、図3に示すように、ベルト基材20を切断線C1,C2で切断することにより、搬送ベルト15の長さに応じた所定の長さのシート状にする整形工程を実行する(ステップS210)。この場合、一方の切断線C1近傍に、丸穴22と幅方向の矩形穴24を型抜きにより形成し、他方の切断線C2近傍に、長手方向の矩形穴26A,26Bを型抜きにより形成する。
次に、図6に示すように、シート状に形成したベルト基材20において、パターン列30を形成した方向に対向する2つの端部、即ち、一方の切断面E1と他方の切断面E2とを繋ぎ合わせて接合する接合工程を実行する(ステップS220)。この場合、それぞれの切断面E1,E2の近傍に形成した種々の穴に合わせて適切な冶具(図示は略す。)を用いることにより、2つの切断面E1,E2を高精度に位置決めすることができる。この状態で、最初に、図6(a)および(b)に示すように、ベルト基材20の内側、即ち、パターン列30が形成されていない側から、2つの切断面E1,E2間に透明な裏打ち材P1を荷重Wで裏打ちすることにより、2つの切断面E1,E2を溶着させる。
続いて、図6(c)に示すように、ベルト基材20面との間で生じる裏打ち材P1の段差およびバリを、適切な冶具と研磨パッドで除去することにより、裏打ち材P1をベルト基材20に合わせて平滑にする平滑化工程を実行する(ステップS230)。
【0018】
次に、反対側の面も同様な処理を施す。即ち、図6(d)および(e)に示すように、ベルト基材20を反転させ、ベルト基材20の外側、即ち、パターン列30が形成されている側から、2つの切断面E1,E2間に透明な裏打ち材P2を荷重Wで裏打ちすることにより、2つの切断面E1,E2を溶着させる。
続いて、図6(f)に示すように、ベルト基材20面との間で生じる裏打ち材P2の段差およびバリを、適切な冶具と研磨パッドで除去する。以上の処理により、透明な接合部50が形成され、ベルト基材20が環状に接合される。
上述した工程により、ベルト基材20と接合部50とから成る無端状の搬送ベルト15が作製できる。ここで、続けて搬送ベルト15を作製する場合(ステップS240でNo)、整形工程(ステップS210)に戻り、搬送ベルト15の製造を継続する。他方で、搬送ベルト15の作製を終了する場合(ステップS240でYes)、一連の処理を終了する。このようにして作製された搬送ベルト15は、図7に示すように、駆動ローラ40および従動ローラ42間に張着されることで無限軌道を形成する。
【0019】
また、図7に示すベルト搬送装置10は、2台の検出装置60A,60Bを備える。これは、2台の検出装置60A,60Bにより、接合部50においてパターン列30が形成されないため、記録紙Sの位置検出ができなくなることを回避するためである。即ち、一方の検出装置60Aが接合部50によりパターン列30を検出できない場合であっても、他方の検出装置60Bがパターン列30を検出し、2台の検出装置60A,60Bの何れかが常にパターン列30を検出できるように、パターン列30の長手方向の離間距離を置いて2台の検出装置60A,60Bが配置されている。この結果、2台の検出装置60A,60Bの少なくとも1台は、記録紙Sの位置を検出できる。
また、2台の検出装置60A,60Bは、パターン32,34の検出箇所を別けるべく、搬送ベルト15の幅方向に所定の離間距離を設けて配置されている。これにより、パターン32,34上の欠陥等により検出できない部分が生じた場合でも、何れか一方は検出できる。
また、このようなベルト搬送装置10には、基準位置を示したり、パターン列30に生じたパターン欠陥の場所を特定したりするために、インデックスホールが搬送ベルト15上に設けられる。本実施形態では、透明な部材で形成された接合部50をインデックスホールとして適用しても良い。
【0020】
次に、図8は、ベルト搬送装置10とインク滴吐出装置5を備える画像形成装置の一形態であるインクジェットプリンタ110の概略構成を示す図である。このベルト搬送装置10は、駆動ローラ40と従動ローラ42に加え、駆動ローラ40と従動ローラ42間の略中間位置かつやや下側に配置されたテンションローラ45を有している。また、搬送ベルト15は、各ローラ40,42,45に渡って巻き掛けられている。
【0021】
ベルト搬送装置10の上流側には給紙部118が設けられ、給紙部118に積載された記録紙Sは給紙ローラ119により一枚ずつ給送される。給紙部118とベルト搬送装置10との間には、ゲートローラ120が設けられ、記録紙Sはゲートローラ120の回転により搬送ベルト15上へ給送される。尚、ゲートローラ120は、記録紙Sをローラ面に突き当てることで記録紙Sのスキューを補正し、またゲートローラ120の駆動開始タイミングを図ることで、記録紙Sを搬送ベルト15上の目標位置に載せるようにタイミングを合わせて記録紙Sを送り出す。
【0022】
従動ローラ42の下側には、帯電ローラ121がバネ122により従動ローラ42側へ付勢されて搬送ベルト15に接触して転動可能な状態に配置されている。帯電ローラ121は電源123に接続されて搬送ベルト15を帯電させることが可能であり、搬送ベルト15上に記録紙Sが静電気により吸着されるようになっている。尚、記録紙Sのベルト吸着方式は、静電吸着方式に限定されず、例えば搬送ベルト15上に形成された吸引孔から負圧により吸引気流を発生させて記録紙Sを吸着する負圧吸着方式も採用できる。尚、ベルト搬送装置10の下流側には、搬送ベルト15上からの印刷後の記録紙Sの排出先となる排紙部124が設けられている。
【0023】
搬送ベルト15の搬送方向中間位置上方には、インク滴吐出装置5が設置されている。このインク滴吐出装置5には、長尺状をなすラインヘッド方式の記録ヘッド125が搬送ベルト15の幅方向と各々の長手方向が平行となる向きで搬送方向に沿って複数配置されている。記録ヘッド125は、インクジェットプリンタ110が印刷できる最大幅の記録紙Sの幅方向全域より少し広い範囲に渡り、多数のノズルが一定のノズルピッチで配列されてなるノズル列を下面(ノズル形成面)に複数列有している。従って、用紙搬送速度に合わせたタイミングでノズルからインク滴を順次吐出することで、搬送中の記録紙Sに画像等の印刷が行える。本実施形態では、各記録ヘッド125はインク供給チューブを通じて図示しないインクカートリッジと接続されており、それぞれ対応するインクカートリッジから供給されたインクを吐出する。また、本実施形態では、各記録ヘッド125は、黒、シアン、マゼンタ、イエローの4色に対応するインク滴をそれぞれ吐出する。
【0024】
また、インクジェットプリンタ110には制御手段としてのコントローラ(図示は略す)が設けられている。このコントローラは、駆動ローラ40を駆動する電動モータ(図示は略す。)を駆動制御するとともに、検出装置60A,60Bから入力した信号(エンコーダパルス)を基に内部回路で生成した印字基準信号(吐出タイミング信号)に基づき、用紙搬送速度(用紙搬送位置)に合わせた適切なタイミングでインク滴の吐出制御を行うことにより、記録紙S上に所望の画像を印刷できる。尚、記録紙Sを搬送ベルト15で搬送しつつ印刷するインクジェットプリンタ110の詳細については、例えば、特開2000−272110号公報に記載されている。
【0025】
以上述べた実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
(1)長尺な状態のベルト基材20に、磁気式エンコーダが読み取り可能な磁性層や、光学式エンコーダが読み取り可能なパターン32,34を連続して形成できるため、搬送ベルト15の作製に要する時間を短縮できることに加え、安定した品質で搬送ベルト15を製造できる。
(2)光学式エンコーダが読み取り可能なパターン32,34を、ベルト基材20にフォト工程により形成することから、高精度なパターン32,34を形成できるため、記録紙Sに位置を精度良く取得でき、高品質な画像を記録紙Sに印刷できる。
(3)ベルト基材20にパターン列30を形成した後、接合してベルトの様態とするため、接合までのハンドリングが容易になり、ベルトに傷、しわ、折込等が発生しにくくなることから、搬送ベルト15の製造歩留まりが向上すると共に、製造コストを低減できる。
(4)ベルト基材20を接合した後、接合する部分を平滑化するため、搬送ベルト15の厚さが均一化されることから、搬送ベルト15による搬送速度が安定すると共に、搬送ベルト15のばたつきを抑制し、エンコーダによる位置を安定かつ正確に検出できる。
【0026】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明したが、具体的な構成は、この実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、光学式エンコーダや磁気式エンコーダは、相対位置を検出するインクリメンタル方式に限定されるものでは無く、絶対位置を検出するアブソリュート方式であっても良い。更に、光の反射、透過および磁気方向により位置を検出する方法に限定されず、光の回折や干渉、および光磁気を用いた位置検出のためのパターンであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態に係るベルト搬送装置の外観図。
【図2】本発明の実施形態に係るベルトの製造方法の流れを示すフローチャート。
【図3】切断前のベルト基材を示す図。
【図4】パターン列の一部を拡大した図。
【図5】ベルト基材に形成したパターン列を示す断面図。
【図6】ベルト基材の接合工程を説明する図。
【図7】2台の検出装置を配置したベルト搬送装置の外観図。
【図8】ベルト搬送装置を適用したインクジェットプリンタの概略構成を示す図。
【符号の説明】
【0028】
5…インク滴吐出装置、10…ベルト搬送装置、15…搬送ベルト、20…ベルト基材、22…丸穴、24…幅方向の矩形穴、26A,26B…長手方向の矩形穴、30,30A,30B,30C…パターン列、32,34…パターン、36…感光層、40…駆動ローラ、42…従動ローラ、45…テンションローラ、50…接合部、60,60A,60B…検出装置、110…インクジェットプリンタ、118…給紙部、119…給紙ローラ、120…ゲートローラ、121…帯電ローラ、122…バネ、123…電源、124…排紙部、125…記録ヘッド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置に関する情報を示すパターンが連続したパターン列を、所定の方向に沿ってベルト基材に形成する形成工程と、
前記所定の方向で対向する前記ベルト基材の一方の端部と他方の端部を接合する接合工程と、を備え、
前記形成工程は、前記接合工程よりも前に実行することを特徴とするベルトの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のベルトの製造方法において、
前記形成工程と前記接合工程の間に、前記ベルト基材を矩形状に整形する整形工程を更に備えることを特徴とするベルトの製造方法。
【請求項3】
請求項1乃至2のいずれかに記載のベルトの製造方法において、
前記接合工程で接合された接合部を平滑にする平滑化工程を更に備えることを特徴とするベルトの製造方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のベルトの製造方法において、
前記形成工程は、前記ベルト基材の側縁部に前記パターン列を形成することを特徴とするベルトの製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のベルトの製造方法において、
前記接合工程は、前記一方の端部と前記他方の端部の間に透明部材を介在させて接合することを特徴とするベルトの製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のベルトの製造方法において、
前記形成工程は、前記パターンを順次検出することで、前記ベルトの位置に関する情報が取得できるように、前記パターン列を形成することを特徴とするベルトの製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のベルトの製造方法において、
前記形成工程は、前記情報に基いて光の透過率、反射率および磁気方向の何れかが異なる前記パターンを並べることにより、前記パターン列を形成することを特徴とするベルトの製造方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のベルトの製造方法により製造されたベルトを備えることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項9】
画像を媒体上に形成する画像形成装置であって、
前記媒体を搬送する請求項8に記載のベルト搬送装置と、
前記ベルト搬送装置により搬送される前記媒体の位置に応じてインク滴を前記媒体に吐出するインク滴吐出装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−58271(P2010−58271A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−223137(P2008−223137)
【出願日】平成20年9月1日(2008.9.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】