説明

ベルノニア属抽出物の使用

本発明は、皮膚の状態を改善するための、より具体的には、真皮表皮接合部を強化することによる、かつ/または、真皮の線維芽細胞合成および細胞外マトリックスの化合物を活性化することによる、化粧品、医薬および食物サプリメントにおけるマダガスカル原産のベルノニア属の植物の抽出物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚の状態を改善するための、より具体的には、真皮表皮接合部を強化することによる、かつ/または、真皮の線維芽細胞合成および細胞外マトリックスの化合物を活性化することによる、化粧品、医薬および食物サプリメントにおけるマダガスカル原産のベルノニア属の植物の抽出物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ベルノニア科はキク科に属し、それは、1600属22800種を含むように、被子植物の最も重要な科である。W. Vernon に捧げられたベルノニア属は、アメリカ、アフリカおよび東南アジアに広く分布する500ないし1000種を含む。
【0003】
ベルノニア・アッペンディキュラタ(appendiculata)は、マダガスカルで採集でき、そこではアンビアティ(Ambiaty)と呼ばれる。この植物は、4mに達する低木であり、ほぼ一年中緑色であるが、乾期には羽毛状になり得る。葉は、羽状の葉脈を有する互生であり、枝の先端で集まっている:葉身は、歯状、有毛であり、表面は緑色、裏は白色である。9月および10月に豊かなすみれ色または白色の花を咲かせる。果実は痩果であり、2つの冠毛を有する。マダガスカルでは、この植物は日当たりのよい乾燥した地域で、ハイプラトー(High plateaus)地帯(高度800−1500m、局所的気候)の川沿いや村落周辺に見られる。アンビアティは、伝統的に、例えば、創傷治癒、解熱(マラリア)、胃痛に使用され、また、新しい葉は食糧として調理され得る。
【0004】
ベルノニア属の種は、また、肥満および体重減少にも使用され(WO01/15716)、ベルノニア・シネレア(cinerea)由来のナトリウム利尿ペプチドは、痩身特性を有することが特許請求されている(WO01/54659)。ベルノニア・シネレアは、そのスーパーオキシドジスムターゼ様活性およびフリーラジカル捕捉活性のために、その抗酸化特性のためにも使用される(EP1352640)。ベルノニア・アンテリミンティカ(anthelmintica)は、チロシナーゼの活性化およびメラニン合成の加速による白斑の処置のための経口使用で特許請求されている(CN1089861、CN1141183)。EP1854452は、ベルノニア・スブルテア(sublutea)の抽出物を、皮膚科および美容分野での抗炎症的使用について記載している。WO2007/113851は、毛の障害を処置するためのベルノニア属の種の有効成分を含有する組成物を記載している。WO01/15716は、体重増加および肥満を制御するための、ベルノニア属、セイシカズラ属およびブリランタシア属(Brillantasia)を含む植物抽出物の混合物を記載している。
【0005】
クロロゲン酸(3−カフェオイルキナ酸)およびイソクロロゲン酸(3,5−ジカフェオイルキナ酸)は、ジヒドロキシ桂皮酸化合物であり、それは、フェノール性化合物である。
クロロゲン酸:
【化1】

イソクロロゲン酸:
【化2】

【発明の概要】
【0006】
本発明は、皮膚の状態を改善するための、より具体的には、真皮表皮接合部を強化することによる、かつ/または、真皮の線維芽細胞合成および細胞外マトリックスの化合物を活性化することによる、マダガスカル原産のベルノニア属の植物の抽出物の使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
(該当する記載なし。)
【発明を実施するための形態】
【0008】
真皮表皮接合部(DEJ)は、2層(透明板および緻密板)および多数の接合部からなる:この独特な構成が、典型的なDEJ機能を導く。
DEJは、第一に、表皮の支持体である:基底のケラチノサイトは、ヘミデスモソームおよび透明板でケラチノサイトアクチン細胞骨格を固定するサイトケラチン14タンパク質により、透明板(DEJの上部)に連結する。
DEJは、また、皮膚を構造化し、緻密板のコラーゲンIVの高い含有量が機械的耐性に関係し、典型的な表皮突稜パターンが表皮と真皮の間の交換表面を増やす。
DEJは、例えば、網状層(これは、また、真皮網状層とも呼ばれ、実際に真皮乳頭層の上部であり、高い細胞および血管の含有量を特徴とする)での溶質の供給および濾過により、皮膚の情報交換に関わる。
DEJは、特に、ラミニンV糖タンパク質(透明板および緻密板に分布する接着フィラメント)またはコラーゲンVII(緻密板に入り込み、真皮乳頭層を通って伸びる、曲がった原線維)により、表皮と真皮の間の皮膚の接着に必須である。
【0009】
本発明の抽出物は、例えば、真皮表皮接合部を強化することにより、かつ/または、真皮の線維芽細胞合成および細胞外マトリックスの化合物を活性化することにより、皮膚の状態を改善するために使用できる。それは、例えば、ラミニンV合成の活性化、コラーゲンIV合成の活性化、サイトケラチン14合成の活性化、または、グルコサミノグリカン合成の活性化により達成できる。従って、本発明の化合物、混合物および抽出物は、皮膚の抗老化、皮膚の緻密化および堅固化、皮膚の輝度(radiance)、表皮真皮接合部の接着の改善、皮膚の構造化の改善、表皮と真皮の間の機能的接合面の保護(情報交換、栄養…)、生命必須要素の循環、皮膚の水分含有量、線維芽細胞の移動性および/または真皮ネットワークにおける線維の分布のためにも使用できる。
【0010】
さらに、本発明の抽出物は、RDEB(劣性栄養障害性表皮水泡症)、表皮下水疱症(sub-epidermic dermatosis bullosa)、類天疱瘡(水疱性など)、エリテマトーデスの処置、並びに、創傷の治癒、ECM再生、フィブロリシス(fibrolysis)の処置および線維の細網化(fibrous reticulation)(グリケーションなど)の処置に使用できる。
【0011】
ベルノニア属抽出物の使用は、適切かつ安全な皮膚の処置方法である。
本発明によるベルノニア属抽出物は、ベルノニア・アッペンディキュラタ、ベルノニア・チャペリエリ(chapelieri)、ベルノニア・ジベルシフォリア(diversifolia)、ベルノニア・スブルテア、ベルノニア・トリネルビス(trinervis)、ベルノニア・トリコデルマ(trichoderma)、ベルノニア・ペクトラリス(pectoralis)、ベルノニア・モキノイデス(moquinoides)およびベルノニア・エリオフィラ(eryophylla)を含むがこれらに限定されない、マダガスカル原産のベルノニア科の植物の抽出物である。好ましいのは、ベルノニア・アッペンディキュラタである。
【0012】
抽出は、植物の全ての部分で実施できる。好ましくは、ベルノニア・アッペンディキュラタの葉を抽出する。
抽出は、標準的抽出方法により行うことができる。好ましくは、抽出に適用できる極性溶媒を用いて抽出を実施する。葉を最初に極性溶媒で、場合により数回、抽出する。次いで、得られる溶液を混合し、非極性溶媒、例えばヘプタンで抽出し、蝋、精油、色素および非極性分子の殆どを除去する。相分離後、植物性抽出物含有量を、グリセリン−水配合物1:1中、最低10重量%の乾燥抽出物に調節するために、グリセリンを水性溶液に添加する。
【0013】
本発明による抽出物は、通常、溶液中の抽出物である。それにも拘わらず、抽出物は、乾燥抽出物(例えば凍結乾燥後)としても使用できるか、または、さらにカプセル化工程において使用できる。
【0014】
抽出に使用される極性溶媒は、好ましくはアルコールまたは水とアルコールの混合物であり、ここで、アルコールは、好ましくはエタノールである。水とアルコールの体積比は、50:50ないし90:10、好ましくは70:30であり得る。
【0015】
乾燥植物抽出物は、クロロゲン酸および/またはイソクロロゲン酸を、全量で全抽出物またはその溶液の5重量%超で含有できる。最も好ましくは、植物抽出物は、ベルノニア・アッペンディキュラタの抽出物である。
【0016】
本発明の抽出物は、例えば、経口、非経腸、経腸、静脈内、腹腔内、局所、経皮(例えば、任意の標準的なパッチを使用する)、眼部、鼻腔、局所、非経口、例えばエアロゾル、吸入、皮下、筋肉内、頬側、舌下、直腸、経膣、動脈内およびくも膜下腔内などを含む任意の有効な経路により、任意の形態で投与できる。それらは、単体で、または、活性または非活性の任意の成分と組み合わせて、投与できる。好ましいのは、局所投与である。
【0017】
本発明の抽出物は、既知方法で、美容用または医薬用組成物または食物サプリメントとして使用される組成物などの通常の製剤に変換できる。これらは、液体または固体製剤、例えば、非限定的に、通常および腸溶性被覆錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、液剤、懸濁剤、坐剤、シロップ剤、固体および液体エアロゾル剤、乳剤、ペースト、クリーム、軟膏、ミルク、ジェル、膏薬、美容液(serums)、フォーム、シャンプー、スティックまたはローションであり得る。
【0018】
好ましいのは、水性液剤、白色または着色クリーム、軟膏、ミルク、ジェル、膏薬、美容液、フォーム、シャンプー、スティック、クリーム、ペーストまたはローションの形態の、美容用組成物である。
【0019】
本発明の抽出物は、さらに、任意の他の適する添加物または医薬的に許容し得る担体と、組み合わせることができる。そのような添加物には、既に言及された物質のいずれも、および、常套に使用されるもののいずれも、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy (Gennaro and Gennaro, eds, 20th edition, Lippincott Williams & Wilkins, 2000); Theory and Practice of Industrial Pharmacy (Lachman et al., eds., 3rd edition, Lippincott Williams & Wilkins, 1986); Encyclopedia of Pharmaceutical Technology (Swarbrick and Boylan, eds., 2nd edition, Marcel Dekker, 2002) に記載のものが含まれる。これらは、本明細書において、それらが活性薬物と組み合わせられ、治療目的で安全に対象に投与できることを示すために、「医薬的または美容的に許容し得る担体」と呼ばれ得る。
【0020】
本発明の抽出物の投与量は、所望の治療活性を提供するために、他のものおよび/または疾患のタイプおよび/または疾患の状態を考慮して選択できる。これらの量は、特定の患者のために日常的に決定でき、ここで、様々なパラメーターを利用して適切な投与量を選択するか(例えば、疾患のタイプ、患者の年齢、疾患の状態、患者の健康状態、体重など)、または、それらの量は、比較的標準的であり得る。
【0021】
投与される抽出物の量は、特定の化合物および用いる投薬単位、投与の様式および時間、処置期間、年齢、性別、並びに、処置される患者の全般的状態、処置される症状の性質および程度、薬物代謝および排出の速度、可能な薬物の組合せおよび薬物−薬物相互作用などの考慮事項に応じて、広範囲にわたり得る。
【0022】
好ましいのは、本発明の乾燥抽出物を、全組成物の重量の0.01%ないし5%、好ましくは0.1ないし1%の量で含む組成物である。
好ましいのは、本発明による抽出物の溶液、好ましくは水をベースとする溶液を、全組成物の重量の0.1%ないし10%、好ましくは1%ないし7%の量で含有する組成物である。
【0023】
本発明による組成物は、1日に1回またはそれ以上、好ましくは3回まで、より好ましくは2回まで投与する。好ましいのは、局所投与である。
【0024】
それにも拘わらず、体重、有効成分に対する個体の挙動、製剤のタイプおよび投与を実施する時間または間隔に応じて、特定された量から逸脱することが有利な場合があり得る。例えば、上述の最低量より少なくても十分な場合があり得、一方、特定された上限を超えなければならない場合もある。比較的大量の投与の場合、1日にわたり、これらをいくつかの個別用量に分割するのが望ましいことがある。
【0025】
本発明の抽出物は、少なくとも1種のさらなる活性物質または植物抽出物、例えば、皮膚科または美容的な使用に通常用いられる物質または植物抽出物と組み合わせることもできる。
【0026】
さらなる活性物質には、剥離性および/または加湿性物質、UVフィルタリングまたは遮断物質、色素除去または着色促進(propigmenting)物質、抗糖化剤、抗炎症剤、抗菌剤、真皮、表皮、毛または爪の高分子の合成を刺激する物質および/またはそれらの分解を防止する物質、ケラチノサイトの分化を刺激する物質、筋弛緩剤、抗汚染(antipollution)および/または抗フリーラジカル剤、痩身剤(slimming agents)、微小循環に作用する物質、細胞のエネルギー代謝に作用する物質、引き締める物質、毛の喪失を防止するか、または、成育を刺激する物質、灰色または白色の毛を防止する物質、またはこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、組合せは、局所用の皮膚科用または美容用組成物に含有される。
【実施例】
【0027】
実施例
実施例1:ベルノニア・アッペンディキュラタ抽出物
乾燥させたベルノニア・アッペンディキュラタの葉を、最初にヘプタンで抽出し、その後エタノールで浸出する。次いで、脂肪の除去を、ヘプタンを用いる液体−液体抽出により達成する。水相への濃縮の後、グリセリンを添加し、水−グリセリン配合物中の10%w/vの植物性抽出物に溶液を調節する。その結果、最終生成物は液体形態である。
組成物をHPLCにより試験でき、(乾燥)植物性抽出物の典型的な組成物は、全抽出物の重量の5%を超えるクロロゲン酸およびイソクロロゲン酸を含有する。
【0028】
実施例2:抗老化クリーム
【表1】

【0029】
実施例3:グルコサミノグリカン類、サイトケラチン14およびラミニンV活性化のエクスビボ評価
このエクスビボ実験では、腹部形成手術からの生検を使用する。それらを特別な生存用移植片培地:BEM(BIO-EC's Explants Medium)中で培養する。
【0030】
実施例1による抽出物7%を含有する製剤2mgを、以下の時間で皮膚条片に適用する:0日目、1日目、2日目、4日目、6日目および8日目。結果を処置しない皮膚条片と比較する。
【0031】
6日目と10日目に組織学的研究を実施する。形態学的分析のために、移植片を脱水およびパラフィン包埋の後にブアン固定液で固定する。次いで、それらを切片にし、マッソン(Masson)・トリコーム染色により染色する。冷凍したクライオスタット切断組織に特異的染色および免疫標識を実施する。
【0032】
a−グルコサミノグリカン(GAG)類の評価:
モウリー(Mowry)染色法(アルシアンブルー染色)によりGAGの特異的免疫染色を実施し、真皮乳頭層中および真皮表皮接合部(DEJ)に沿って存在するGAGを、桃色−すみれ色の染色により可視化する。
【0033】
6日目のGAGの観察:
全ての生検について、真皮乳頭層中に存在する酸GAGの活性化はない。非処置皮膚条片に関して、中性GAGは、不規則な薄いバンドの中程度の染色で、DEJに沿って存在する。ベルノニア・アッペンディキュラタ抽出物で処置した移植片について、中性GAGは、DEJに沿って明確に標識され、規則的な薄いバンドを形成する(図1)。標識の増幅は、ベルノニア・アッペンディキュラタ抽出物による処置が、真皮のGAG含有量を高めることを示す。
【0034】
b−サイトケラチン14の評価:
モノクローナル抗体の抗−ケラチン14(Progen ref RCK107)によりサイトケラチン14の特異的免疫標識を実施し、FITCにより解明する。次いで、細胞核をヨウ化プロポジウム(propodium)で染色する。次いで、真皮表皮接合部領域で蛍光標識によりケラチン14を観察できる。
【0035】
10日目のサイトケラチン14の観察:
非処置皮膚条片に関して、基底ケラチノサイト層で標識は明確であり、おおよそ規則的である。それは第2細胞層では薄い。ベルノニア・アッペンディキュラタ抽出物で処置した移植片について、標識は基底ケラチノサイト層で非常に明確かつ規則的であり、第2細胞層で中程度である(図2)。
ベルノニア・アッペンディキュラタ抽出物による処置は、表皮におけるサイトケラチン14放出の上方調節を助ける。
【0036】
c−ラミニンVの評価:
モノクローナル抗体の抗ラミニンV(Santa Cruz ref sc 13587)によりラミニンVの特異的免疫標識を実施し、FITCにより解明する。次いで、細胞核をヨウ化プロポジウムで染色する。次いで、真皮表皮接合部領域で蛍光標識によりラミニンVを観察できる。
【0037】
ラミニンV合成の観察:
標識は、非処置生検の細胞膜でかなり明確であり、おおよそ規則的であるが、ベルノニア・アッペンディキュラタ抽出物による処置後に、非常に明確かつ非常に規則的である(図3)。
ベルノニア・アッペンディキュラタ抽出物による処置は、ラミニンV含有量の上方調節を助ける。
【0038】
実施例4:コラーゲンIV活性化のエクスビボ評価
このエクスビボ実験では、腹部形成手術からの生検を使用する。それらを特別な生存用移植片培地:BEM(BIO-EC's Explants Medium)中で培養する。
【0039】
実施例1による抽出物1%を含有する製剤2mgを、以下の時間で皮膚パンチ生検材料に適用する:0日目、1日目、2日目、4日目、6日目および8日目。結果を対照製剤(活性化合物を含まない賦形剤)および参照製剤(レチノールを含有する市販の製剤)と比較する。
【0040】
6日目と10日目に組織学的研究を実施する。
形態学的分析のために、移植片を脱水およびパラフィン包埋の後にブアン固定液で固定する。次いで、それらを切片にし、マッソン・トリコームにより染色する。
冷凍したクライオスタット切断組織に、モノクローナル抗体の抗コラーゲンIV(SBA)によりコラーゲンIVの特異的免疫標識を実施し、FITCにより解明する。次いで、細胞核をヨウ化プロポジウムで染色する。次いで、真皮表皮接合部領域および上部の真皮乳頭層で蛍光標識によりコラーゲンIVを観察できる。
【0041】
画像分析によるコラーゲンIVの評価
画像のデジタル化の後に画像分析を実施し、染色に占められる表面を評価する。コラーゲンIVにより占められる表面の百分率は、ベルノニア・アッペンディキュラタ抽出物で処置した生検について、非処置の切除された皮膚または賦形剤で処置されたものよりも大きい:賦形剤に対して+23.4%、非処置に対して+24.8%。これらの値は、レチノール製剤で得られる結果に匹敵する。
【図1】

【図2】

【図3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚の状態を改善するための組成物を製造するための、マダガスカル原産のベルノニア属の植物の抽出物の使用。
【請求項2】
ベルノニア属の植物が、ベルノニア・アッペンディキュラタ、ベルノニア・チャペリエリ、ベルノニア・ジベルシフォリア、ベルノニア・トリネルビス、ベルノニア・トリコデルマ、ベルノニア・ペクトラリス、ベルノニア・モキノイデスおよびベルノニア・エリオフィラからなる群から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
真皮表皮接合部を強化することにより、かつ/または、真皮の線維芽細胞合成および細胞外マトリックスの化合物を活性化することにより、皮膚の状態を改善するための、請求項1ないし請求項2のいずれかに記載の使用。
【請求項4】
ラミニンV合成の活性化、コラーゲンIV合成の活性化、サイトケラチン14合成の活性化、および/または、グルコサミノグリカン合成の活性化により、皮膚の状態を改善するための、請求項1ないし請求項2のいずれかに記載の使用。
【請求項5】
皮膚の抗老化、皮膚の緻密化および堅固化、皮膚の輝度、表皮真皮接合部の接着の改善、皮膚の構造化の改善、表皮と真皮の間の機能的接合面の保護、生命必須要素の循環、皮膚の水分含有量、線維芽細胞の移動性および/または真皮ネットワークにおける線維の分布のための、請求項1ないし請求項2のいずれかに記載の使用。
【請求項6】
抽出物が、ベルノニア・アッペンディキュラタの抽出物である、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の使用。
【請求項7】
抽出物が葉の抽出物である、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の使用。
【請求項8】
抽出物が、少なくとも1種のさらなる活性物質または植物抽出物と組み合わされる、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の使用。
【請求項9】
抽出物が、皮膚科的または美容的な使用に通常用いられる少なくとも1種のさらなる活性物質または植物抽出物と組み合わされる、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
局所投与のための、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の抽出物を含有する皮膚科用または美容用組成物の使用。
【請求項11】
組成物が、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の抽出物の溶液を、全組成物の重量の0.1%ないし10%の量で含有する、請求項11に記載の使用。
【請求項12】
有効量の請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の抽出物または組成物を投与することを含む、皮膚の状態の改善方法。

【公表番号】特表2010−524868(P2010−524868A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503376(P2010−503376)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【国際出願番号】PCT/EP2008/002689
【国際公開番号】WO2008/125237
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(506161290)バイエル・コンシューマー・ケア・アクチェンゲゼルシャフト (7)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Consumer Care AG
【Fターム(参考)】