説明

ベンゾジチオフェン化合物

【課題】有機エレクトロニクス用のπ共役系高分子を製造するための、公知の反応を利用して様々なπ共役系高分子に誘導できる反応性官能基を含有する新規な製造中間体(原料)を提供することを目的とする。
【解決手段】下記一般式(I)で表されることを特徴とするリン化合物を主たる構成にする。


(式中、Zは−PO(OR')2(式中R'は低級アルキル基)または−P+R''3Y‐(式中R''はフェニル基あるいはアルキル基、Yはハロゲン原子)を表し、R1〜R8は、水素原子、置換または無置換のアルキル基またはアルコキシ基、置換或いは無置換の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応性官能基を有する新規な製造中間体(中間原料体)に関するものであり、特に、π共役系高分子製造のための中間体で、得られるπ共役系高分子が有機エレクトロニクス用素材として極めて有用であるベンゾジチオフェン化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
有機材料の発光特性や電荷輸送特性を利用して、有機エレクトロルミネッセンス素子や、有機トランジスタ素子が提案されている。これらの素子に有機材料を用いることにより、軽量、安価、低製造コスト、フレキシブル等の利点が期待される。
【0003】
従来では、有機薄膜EL素子用の材料として、低分子系および高分子系の様々な材料が報告されている。低分子系においては、種々の積層構造の採用により高効率化の実現が、またドーピング法をうまくコントロールすることにより耐久性の向上が報告されている。しかし、低分子集合体の場合には、長時間における経時による膜状態の変化が生じることが報告されており、膜の安定性に関して本質的な問題点を抱えている。
【0004】
一方、高分子系材料においては、これまで、主にPPV(poly−p−phenylenevinylene)系列やpoly−thiophene等のπ共役系高分子について精力的に検討が行われてきた。
【0005】
しかしながら、これらの材料系は純度を上げることが困難であることや、本質的に蛍光量子収率が低いことが問題点として挙げられ、高性能なEL素子は得られていないのが現状である。またπ共役高分子主鎖中にベンゾジチオフェン部位を含む高分子材料も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
高分子材料は本質的にガラス状態が安定であることを考慮すると、高蛍光量子効率を付与することができれば優れたEL素子の構築が可能となるため、この分野でさらなる改良が行われている。
【0007】
一方、有機薄膜トランジスタ素子においても、低分子系および高分子系の様々な材料が報告されている。例えば低分子材料ではペンタセン、フタロシアニン、フラーレン、アントラジチオフェン、チオフェンオリゴマー、ビスジチエノチオフェンなどが、また高分子材料ではポリチオフェン(例えば、非特許文献1参照)、ポリチエニレンビニレン(例えば、非特許文献2参照)などの幾つかの材料が挙げられる。
しかし、上記の材料においても、低分子系では膜の安定性に関する問題が、高分子系では純度に起因する低性能の問題があり、さらなる改良が望まれている。
【特許文献1】特開2003−221579号公報
【非特許文献1】Appl.Phys.Lett.,69,4108,1996.
【非特許文献2】Appl.Phys.Lett.,63,1372,1993.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来技術の実状に鑑みてなされたものであって、有機エレクトロニクス用のπ共役系高分子を製造するための、公知の反応を利用して様々なπ共役系高分子に誘導できる反応性官能基を含有する新規な製造中間体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは鋭意検討した結果、π共役系高分子を製造するための反応性官能基をもつベンゾジチオフェン構造を有する製造中間体を用いることにより、上記課題が解決されることを見出し本発明を完成するに至った。
【0010】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、下記式(I)で表されることを特徴とするベンゾジチオフェン化合物を提供する。
【0011】
【化1】

(上記式(I)中、Zは−PO(OR’)2(式中R’は低級アルキル基を表す)または−P+R’’3Y−(式中R’’はフェニル基あるいはアルキル基を、Yはハロゲン原子を表す)を表し、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基またはアルコキシ基、置換或いは無置換の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す。)
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、下記式(II)で表されるベンゾジチオフェン化合物であることを特徴とする。
【0013】
【化2】

(式(II)中、Yはハロゲン原子を表し、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基またはアルコキシ基、置換或いは無置換の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す。)
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、本発明における請求項1または2の構成により、新規なアリレンビニレン型ベンゾジチオフェン重合体の製造やベンゾジチオフェンへの更なる機能性官能基による修飾が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の化合物を実施形態により、詳細に説明する。
まず本発明のベンゾジチオフェン誘導体の製造方法について説明する。
【0016】
【化3】

【0017】
(式(I)中、Zは−PO(OR’)2(式中R’は低級アルキル基を表す)または
−P+R’’3Y−(式中R’’はフェニル基あるいはアルキル基を、Yはハロゲン原子を表す)を表し、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基またはアルコキシ基、置換或いは無置換の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す。)
および、
【0018】
【化4】

(式(II)中、Yはハロゲン原子を表し、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基またはアルコキシ基、置換或いは無置換の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す。)
【0019】
式(II)で表されるベンゾジチオフェン誘導体は、ベンゾジチオフェンから容易に誘導可能である。例えばJournal of Organic Chemistry,32,3093,1967.等に記載されている下記方法に従って式(1)により、ベンゾジチオフェンを合成した後、
【0020】
【化5】

【0021】
例えば下記式(2)Vilsmeier反応、
【0022】
【化6】

【0023】
あるいは、アリールリチウム化合物(Ar−H)と、DMF(ジメチルホルムアミド)、N−ホルミルモルホリン、N−ホルミルピペリジン等をはじめとするカルボニル化剤とを、式(3)で示す反応、
【0024】
【化7】

【0025】
あるいは、下記式(4)に示すGatterman反応、
【0026】
【化8】

【0027】
等の下記式(5)に示す反応を用いて下記のようにジカルボニル化合物を合成する。
【0028】
【化9】

【0029】
さらにこのジカルボニル化合物を水素化ホウ素ナトリウムや水素化リチウムアルミニウム等をはじめとする還元試薬を用いてアルコールへ誘導する(式(6)参照)。
【0030】
【化10】

【0031】
さらに該アルコールの水酸基を塩化チオニルや臭化リン等をはじめとするハロゲン化試薬によりハロゲンに置換する(式(7)参照)。
【0032】
【化11】

【0033】
これにより、式(II)で表されるベンゾジチオフェン誘導体を得る事ができる。或いはパラホルムアルデヒドとハロゲン化水素等を用いて直接ベンゾジチオフェンをハロメチル化する方法などによっても得る事ができる(式(8)参照)。
【0034】
【化12】

【0035】
または、Journal of Organic Chemistry, 32, 3093, 1967. 等に記載されている下記方法に従ってメチル基を有するベンゾジチオフェンを合成した後(式(9)参照)、
【0036】
【化13】

【0037】
過酸化物と、例えばN−ブロモサクシンイミドやN−クロロサクシンイミドなどのハロゲン化試薬により、ラジカル的にメチル基をハロゲン化する事によっても合成できる(式(10)参照)。
【0038】
【化14】

【0039】
次に、式(I)で表されるベンゾジチオフェンのリン化合物について説明する。
式(I)で表されるベンゾジチオフェンのリン化合物は、上記で得られた式(II)で表されるベンゾジチオフェンのハロメチル体から容易に誘導する事が可能である。
例えばMichaelis−Arbuzov反応として知られるトリアルキルホスホン酸エステル(P(OR)3中Rは低級アルキル基を表す)との反応(式(11)参照)
【0040】
【化15】

【0041】
あるいは、前記ヒドロキシメチル化合物からもトリアルキルホスホン酸エステル(式:P(OR)3中、Rは低級アルキル基を表す。)と、ヨウ化物を用いて同様に式(I)で表されるベンゾジチオフェンのリン化合物を合成する事ができる(式(12)参照)。
【0042】
【化16】

【0043】
式(I)で示される化合物のうち、Zが−P+R’’3Y−(式中R’’はフェニル基あるいはアルキル基を、Yはハロゲン原子を表す)で示される化合物でも、上記で得られた式(II)で表されるベンゾジチオフェンのハロメチル体から容易に誘導する事が可能である。この場合、上記で得られた式(I)をホスフィン化合物(ホスフィン化合物PR3中、Rはフェニル基またはアルキル基をあらわす。)と反応させればよく、これはいわゆるWitting試薬の調製として知られている(式(13)参照)。
【0044】
【化17】

【0045】
またはホスホン酸エステルの場合同様に、前記ヒドロキシメチル化合物からも合成する事ができる(式(14)参照)。
【0046】
【化18】

【0047】
本発明における式(I)或いは(II)で表される化合物を用いる事により、有機エレクトロニクス用途に有用である新規なπ共役系重合体を容易に得る事ができる。
【0048】
例えば式(II)で表される化合物に、溶媒中、2倍モルの塩基を作用させると容易に重合反応が進行し、アリレンビニレンタイプの重合体を得る事が可能である。これはGILCH重合と呼ばれ、その詳細は例えばMacromolecules,1999,32,4295−4932.等に記載されている(式(15)参照)。
【0049】
【化19】

【0050】
或いは式(I)で表されるリン化合物を等モルのジカルボニル化合物共存下、塩基を作用させる事によっても重合体が得られる。本反応はWittig反応、あるいはWittig−Horner反応として知られ、本法によりアリレンビニレンタイプの共重合体を得る事が可能である。特に式(I)で表されるリン化合物を用いたWittig−Horner反応やWittig反応は反応操作の簡便さから非常に有効である。Wittig−Horner反応を用いた本発明における重合体の製造方法について、さらに詳細に説明する。
【0051】
Wittig−Horner反応を用いて重合体を合成する場合、下記の式で示されるように、式(I)で示されるホスホン酸エステル化合物と、アルデヒド化合物とが、化学量論的にほぼ等モル量で存在する溶液と、その2倍モル量以上の塩基を混合させることにより重合反応が進行し、重合体を得ることができる(式(16)参照)。
【0052】
【化20】

【0053】
得られる重合体はビニレン単位によって結合した共役ポリマーである。このため、得られたポリマーは発光特性、電荷輸送特性等に優れた有機エレクトロニクス材料として非常に有用な材料を得る事ができる。なお、本反応による重合体の製造の詳細は特開2004−18831号公報に記載されている。
【0054】
また本発明により、上記Wittig反応、あるいはWittig−Horner反応等を利用して、ベンゾジチオフェンにさらに新たな官能基を導入する事が容易に可能である。
【0055】
次に本発明の式(I)及び(II)で表される化合物についてさらに詳細に説明する。
本発明において、「芳香族炭素水素あるいは芳香族複素環基」としては単環基、多環基(縮合多環基、非縮合多環基)の何れでもよく、一例としてベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、ターフェニル、ピレン、フルオレン、9,9−ジメチルフルオレン、アズレン、アントラセン、トリフェニレン、クリセン、9−ベンジリデンフルオレン、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン、トリフェニルアミン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ジチエニルベンゼン、フラン、ベンゾフラン、カルバゾール、等の一価基または二価基が挙げられ、これらは置換もしくは無置換のアルキル基またはアルコキシ基を置換基として有していてもよい。
【0056】
本明細書中、置換もしくは無置換のアルキル基とは、炭素数が1〜25の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基であり、これらのアルキル基は更にハロゲン原子(特にフッ素原子)、シアノ基、フェニル基又は、直鎖あるいは分岐したアルキル基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−エチルヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
また、置換もしくは無置換のアルコキシ基である場合は、上記アルキル基の結合位に酸素原子を挿入してアルコキシ基としたものが具体例として挙げられる。
【0057】
これら置換基は同一のものを複数導入してもよく、また、異なる複数の基を導入してもよい。また、これらのアルキル基、及びアルコキシ基はさらにハロゲン原子、シアノ基、アリール基、ヒドロキシル基、カルボキシル基または、炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基、アルコキシ基あるいはアルキルチオ基で置換されたアリール基を含有していてもよい。
【0058】
以下に実施例により、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって制限されるものではない。
【実施例1】
【0059】
(化合物1の合成)
ヘキシルベンゾジチオフェン(Journal of Organic Chemistry,32,3093,1967.に従って合成した)11.00g(40.08mmol)を1Lの四つ口フラスコに入れ系内を窒素置換した後、乾燥ジエチルエーテル440mlを入れ、0℃に冷却した。ここにn-ブチルリチウム1.56Minヘキサン 77ml(120.2mmol)をゆっくりと滴下し、滴下終了後室温で1.5時間撹拌した。再び0℃に冷却し、乾燥DMF29.3ml(400mmol)を加えて0.5時間撹拌した。反応溶液を希塩酸、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、ジアルデヒドを10.01g(30.28mmol)得た(収率76%、融点82−83℃)。
【0060】
上記操作で得られたジアルデヒド7.01g(21.20mmol)を容量500mlの四つ口フラスコに入れ、系内を窒素置換した。エタノール150ml及びTHF70mlを入れた後、0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム2.01g(53mmol)を少しずつ加えた。全量を加えた後、室温で20分撹拌した。再び0℃に冷却し、1Mの塩酸およそ60mlをゆっくりと加えた。エタノールを減圧留去した後、酢酸エチルを加え、水、飽和食塩水の順で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し、目的のビスヒドロキシメチル体6.96g(20.81mmol)を得た(収率99%、融点125−127℃)。この式を下記式(17)に示す。
【0061】
【化21】

【0062】
得られたビスヒドロキシメチル体の1H NMRスペクトル(400MHz,CDCl3,TMS)を図1に、IRスペクトル(窓材としてKBr使用)を図2に、それぞれ示す。
【実施例2】
【0063】
(化合物2の合成)
実施例1で得られたビスヒドロキシメチル体6.95g(20.78mmol)を容量200mlの四つ口フラスコに入れ、系内を窒素置換した。1,4−ジオキサン30ml及び塩化チオニル4.2ml(58.18mmol)を加えた後、50℃に加熱して4.5時間撹拌した。0℃に冷却した後、少量のジエチルエーテルを加えて希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を発泡しなくなるまでゆっくりと加えた。ジエチルエーテルで抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、目的のビスクロロメチル体を7.64g(20.57mmol)得た(収率99% 黄色粘稠液体)。この式を(18)に示す。
【0064】
【化22】

【0065】
得られた化合物の1H NMRスペクトル(400MHz,CDCL3,TMS)を図3に、IRスペクトル(KBr)を図4に、それぞれ示す。
【実施例3】
【0066】
実施例2で得られたビスクロロメチル体7.00g(18.85mmol)及び、亜リン酸トリエチル14.3mlを300ml四つ口フラスコに入れ、135℃に加熱した。135℃で5時間撹拌した後、亜りん酸トリエチルを減圧留去した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的のリン化合物を3.04g(5.29mmol)得た。(収率28%、黄色粘稠液体)。この式を(19))に示す。
【0067】
【化23】

【0068】
得られた化合物の1H NMRスペクトル(400MHz,CDCl3,TMS)を図5に、IRスペクトル(neat,NaCl)を図6に、それぞれ示す。
【0069】
[重合体の合成例]
実施例3で得られたリン化合物1.522g(2.648mmol)及び、上記ジアルデヒド0.848g(2.648mmol)を、容量200mlの四つ口フラスコに入れ、系内を窒素置換した。乾燥THF80ml及び、ベンズアルデヒド14.05mg(0.132mmol)を加えた。この溶液にカリウム−ブトキシドの1M THF溶液8mlを滴下し、滴下終了後2時間攪拌した。さらに、ベンジルホスホン酸ジエチル60.5mg(0.265mmol)を加えて1時間攪拌した。反応溶液を水に注ぎ、析出した固体を濾過し、1.107gの重合体1を得た。粗収量率71%。さらにジクロロメタン及びメタノールから3回再沈精製し、赤色の粉末として0.624gの重合体1を得た(収率40%)。この式を下記式(20)に示す。
【0070】
【化24】

【0071】
得られた重合体の元素分析値を下記表1に示し、またこのIRスペクトル(NaClキャスト膜)を図7に示す。
【0072】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明によって、有機重合体型の半導体の原料を提供でき、この原料の提供によって、CVDなどの真空系での重合体の合成の可能性あるいは成膜化による薄膜化の可能性も生まれ、有機EL素子分野など多方面に渡る有機(半導体)デバイス応用研究を加速させる素材を提供可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明のベンゾジチオフェン化合物(実施例1)の1H NMRスペクトルである。この図において、横軸はppmを、縦軸はシグナル強度(arb.)を示す。
【図2】本発明のベンゾジチオフェン化合物(実施例1)の赤外吸収スペクトルである。この図において、横軸は波数(cm-1)を、横軸は吸光度(T%)を示す。
【図3】本発明のベンゾジチオフェン化合物(実施例2)の1H NMRスペクトルである。この図において、横軸はppmを、縦軸はシグナル強度(arb.)を示す。
【図4】本発明のベンゾジチオフェン化合物(実施例2)の赤外吸収スペクトルである。この図において、横軸は波数(cm-1)を、横軸は吸光度(T%)を示す。
【図5】本発明のベンゾジチオフェン化合物(実施例3)の1H NMRスペクトルである。この図において、横軸はppmを、縦軸はシグナル強度(arb.)を示す。
【図6】本発明のベンゾジチオフェン化合物(実施例3)の赤外吸収スペクトルである。この図において、横軸は波数(cm-1)を、横軸は吸光度(T%)を示す。
【図7】本発明のベンゾジチオフェン化合物(応用例1)の赤外吸収スペクトルである。この図において、横軸は波数(cm-1)を、横軸は吸光度(T%)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で表されることを特徴とするベンゾジチオフェン化合物。
【化1】

(但し、式(I)中、Zは−PO(OR')2(式中R'は低級アルキル基を表す)または−P+R''3Y‐(式中R''はフェニル基あるいはアルキル基を、Yはハロゲン原子を表す)を表し、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基またはアルコキシ基、置換或いは無置換の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す。)
【請求項2】
下記一般式(II)で表されることを特徴とするベンゾジチオフェン化合物。
【化2】

(但し、式(II)中、Yはハロゲン原子を表し、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基またはアルコキシ基、置換或いは無置換の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を表す。)

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−99736(P2007−99736A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−294967(P2005−294967)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】