説明

ベース装置、無線通信チャンネル切り替え方法および無線通信チャンネル切り替えプログラム

【課題】適宜のタイミングにおいて、最適なワイヤレスチャンネルを検索し、通信に影響を及ぼすことがないように、迅速にワイヤレスチャンネルの切り替えを行えるようにする。
【解決手段】通信手段や選局手段を備えるRFユニット104、105を設ける。起動時においては、制御部106の制御により、一方のRFユニットを端末装置との通信用とし、他方を最適な無線通信チャンネルの検索用とする。検索用のRFユニットにより、利用可能な複数の無線通信チャンネルについての受信信号のレベルとワイヤレスLAN信号の有無の判別結果とに基づいて、最適な無線通信チャンネルを検索し、現在用いている無線通信チャンネルよりも、良好な無線通信チャンネルが検出された場合には、制御部106によって、RFユニットごと無線通信チャンネルを切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、ワイヤレス(無線)LAN(Local Area Network)システムのアクセスポイントとして用いられる装置、この装置で用いられる無線通信チャンネルを切り替える方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭内においても、種々の電子機器間を無線により接続するようにしたワイヤレスLANシステム(無線LANシステム)が構築されるようになってきている。ワイヤレスLANシステムの場合、LANケーブルを引き回さなくてもすむので、LANケーブルが屋内に露出して美観を損なうことも無く、また、機器の設置位置も柔軟に対応することができる。
【0003】
ワイヤレスLANシステムにおいては、通常、複数のワイヤレスチャンネル(無線通信チャンネル)を使用することができるようにされており、通信に用いるワイヤレスチャンネルを選択したり、変更したりする場合がある。ここで、図9に示す従来のワイヤレスLANシステム300におけるワイヤレスチャンネルの変更について説明する。
【0004】
図9に示すワイヤレスLANシステム300は、実質的にワイヤレスチャンネルの選択、変更を行うベース装置301と、端末装置401とにより構成されている。ベース装置301、端末装置401は、例えば、ノート型パーソナルコンピュータ(以下、単にノートパソコンという。)に装填されるワイヤレスLANカードや、ワイヤレスLANシステムに接続されるパーソナルコンピュータなどの各種の電子機器に内蔵されるワイヤレスLANモジュール部分に相当する。
【0005】
したがって、ベース装置301、端末装置401には、これらに送信すべきデータを供給したり、これらを通じて受信したデータを受け付けて処理したりするノートパソコンなどの電子機器であって、ベース装置301、端末装置401の上位に位置する機器であるホスト装置(図においてはHOSTと記載。)が接続される。
【0006】
そして、図9に示したような従来の一般的なワイヤレスLANシステムでは、ワイヤレスチャンネルの変更は、大きく分けると「(1)端末装置401のホスト装置からのリクエストによる指定ワイヤレスチャンネルへの変更」、もしくは「(2)ベース装置301にあるハードスイッチ309による指定ワイヤレスチャンネルへの変更」の2通りがある。以下、そのそれぞれについて説明する。
【0007】
まず、端末装置401のホスト装置からのリクエストによる場合であるが、通信中に、例えば、端末装置401のホスト装置に対して、使用者(ユーザー)からのチャンネル変更指示があった場合などにおいて、端末装置401のホスト装置から、指定ワイヤレスチャンネル変更リクエスト信号422が信号処理部406に供給される。指定ワイヤレスチャンネル変更リクエスト信号422は、送信データとして変復調部405に供給され、IF送信信号にアップコンバートされる。
【0008】
変調部405においてアップコンバートされて形成されたIF送信信号は、周波数変換部404に供給され、ここでRF送信信号にアップコンバートされた後、RF送受信部403にて増幅され、アンテナ402より送信される。送信されたRF信号は、ベース装置301のアンテナ302で受信され、ベース装置301の受信系の回路部分を通過して、ワイヤレスチャンネル変更リクエスト信号として、制御部307へ供給される。
【0009】
ここで、制御部307は端末装置401との通信を一旦、中断し、ワイヤレスチャンネルを変更するための制御信号を周波数シンセサイザ部308に供給する。周波数シンセサイザ部308はRFローカル信号を端末装置401からのリクエストに合うように周波数変更し、ベース装置301のワイヤレスチャンネルを変更する。このようにして、端末装置401側のホスト装置からの要求に応じてワイヤレスチャンネルの変更が行われる。
【0010】
指定ワイヤレスチャンネル変更のもう一つの方法は、ベース装置301に設けられたハードスイッチ部309を通じて行うようにするものである。ハードスイッチ部309を指定のワイヤレスチャンネルになるように設定することによって、指定ワイヤレスチャンネル変更リクエスト信号がハードスイッチ部309から制御部307へ供給される。
【0011】
制御部307は、ワイヤレスチャンネルを変更するための制御信号を周波数シンセサイザ部308に供給する。周波数シンセサイザ部308はRFローカル信号をハードスイッチ部309の設定に合うように周波数変更し、ベース装置301のワイヤレスチャンネルを変更する。このようにして、ベース装置301の使用者(ユーザー)によって、ハードスイッチ部309の設定を変更することにより、使用者の意図するワイヤレスチャンネルへの変更が行われる。
【0012】
しかし、上述した従来の一般的なワイヤレスLANシステムにおけるチャンネル変更では、使用者が使用環境の電波状況を把握していなければ、ワイヤレスチャンネル選択の指針がなく、常にワイヤレスチャンネルの最適な選択をすることができないために、常時適正な通信状態を維持することができない場合が発生する。
【0013】
このような問題点に対応するため、特許文献1には、ワイヤレスLANシステムのベース装置の起動時、あるいは、ワイヤレスLANシステムの端末装置からのワイヤレスチャンネルの切り替え替要求受付時において、ベース装置が利用可能な複数のワイヤレスチャンネルの中から、通信に最適なワイヤレスチャンネルを検出し、この検出したワイヤレスチャンネルを、表示装置を通じてユーザーに通知したり、検出したワイヤレスチャンネルに自動的に切り替えたりすることを可能にする技術が開示されている。
【0014】
この特許文献1に記載の技術を用いることにより、ベース装置の起動時や端末装置からのワイヤレスチャンネルの切り替え要求受付時において、ベース装置と端末装置との間に最適なワイヤレスチャンネルを通じて通信を行うことができるようにされる。
【0015】
なお、上述の特許文献1は以下の通りである。
【特許文献1】特開2004−96595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、特許文献1に開示された技術の場合、その構成上、最適なワイヤレスチャンネルが設定されてベース装置および端末装置間においてワイヤレスLAN接続が確立された後においては、他のクリアなワイヤレスチャンネルを検索することはできない。なぜなら現在設定されているワイヤレスチャンネル以外のワイヤレスチャンネルの電波状況を調べるためにはベース装置が自身のアンテナの周波数を変更しなければならないからである。
【0017】
電波状況(電波環境)は時々刻々と変化するものであり、ある時点でクリアなワイヤレスチャンネルであったとしても常にそうであるとは限らない。したがって,常に最適なワイヤレスチャンネルを選択するには周期的にクリアなワイヤレスチャンネルを検索することが不可欠である。しかし、特許文献1に開示された技術の場合には、ワイヤレスチャンネルの接続後においては、通信を中断して、接続したチャンネルを解放しない限り、最適なワイヤレスチャンネルの検出処理を行うことができない。
【0018】
また、図9に示した従来のワイヤレスLANシステムや特許文献1に記載されたワイヤレスLANシステムにおいて、通信に用いるワイヤレスチャンネルを変更する場合には、ワイヤレスチャンネルの変更処理が行われる間、ベース装置および端末装置間のワイヤレスLAN接続が切断され、両者間のデータ送受信は一時停止することになる。
【0019】
特に、従来のワイヤレスチャンネル変更処理においては、ベース装置におけるワイヤレスシステム301全体の再起動を伴うのが一般的であり、この再起動処理には一般に数秒オーダの時間を要する。このため,例えば映像データなどのリアルタイム性が要求されるデータの送受信を行っていた場合には、映像が数秒間停止するなど視聴者の利便性が損なわれるといった問題点がある。
【0020】
以上のことにかんがみ、この発明は、ワイヤレスLANシステムにおいて、適宜のタイミングにおいて、最適なワイヤレスチャンネルを検索し、通信に影響を及ぼすことがないように、迅速にワイヤレスチャンネルの切り替えを行うことをできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明のワイヤレスLANシステムのベース装置は、
無線通信チャンネルを通じて端末装置との間で通信を行うための通信手段と、
前記通信手段が用いる前記無線通信チャンネルの選局を行うようにする選局手段と、
前記通信手段を通じて受信したノイズ信号の受信レベルを検出する検出手段と、
前記受信手段を通じて受信した信号が他のシステムの無線LAN信号か否かを判別する判別手段と
を有する少なくとも2つ以上の無線ユニットと、
起動時において、前記2つ以上の無線ユニットの内の1つを前記端末装置との通信用の無線ユニットに設定し、他の1つを最適な無線通信チャンネルの検索用の無線ユニットに設定するユニット設定手段と、
前記通信用の無線ユニットについて、通信に用いる無線通信チャンネルを選択し設定するチャンネル設定手段と、
前記通信用の無線ユニットを用いて前記端末装置との間で通信回線を接続した後において、所定のタイミング毎に、前記通信用の無線ユニットの前記検出手段からの検出出力と前記判別手段からの判別出力とに基づいて、通信に用いている無線通信チャンネルの通信状態を検出する状態検出手段と、
前記通信用の無線ユニットを用いて前記端末装置との間で通信回線を接続した後において、前記所定のタイミング毎に、前記検索用の無線ユニットにおいて、前記選局手段を制御して通信に用いている無線通信チャンネル以外の利用可能な無線通信チャンネルを変更しながら、前記検出手段からの検出出力と前記判別手段からの判別出力とに基づいて、最適な無線通信チャンネルを検索する検索手段と、
前記検索用の無線ユニットについて、前記検索手段により検索された前記最適な無線通信チャンネルを通信に用いる無線通信チャンネルの候補として設定する候補チャンネル設定手段と、
前記検索手段によって検索された前記候補としての無線通信チャンネルの方が、既に通信に用いられている無線通信チャンネルよりも通信状態が良好である場合に、前記通信用の無線ユニットに代えて、前記検索用の無線ユニットを端末装置との通信用の無線ユニットに切り替えるとともに、新たに通信用の無線ユニット以外の無線ユニットを最適な無線通信チャンネルの検索用の無線ユニットに切り替える切り替え制御手段と
を備えることを特徴とする。
【0022】
この請求項1に記載の発明のベース装置によれば、通信手段や選局手段を備える無線ユニットは少なくとも2系統が設けられる。そして、起動時においては、設定手段により、1つの無線ユニットが端末装置との通信用とされ、他の1つの無線ユニットが、最適な無線通信チャンネルの検索用とされる。所定のタイミング毎に、検索用とされた無線ユニットの検出手段と判別手段とからの利用可能な複数の無線通信チャンネルについての受信信号のレベルとワイヤレスLAN信号(無線LAN信号)が存在するか否かの判別結果とに基づいて、検索手段により、最適な無線通信チャンネルが検索される。
【0023】
検索手段により検出された最適な無線通信チャンネルは、例えば、信号レベルが所定値以上であるノイズがなく、他のワイヤレスLANシステムのワイヤレスLAN信号がなく、通信を適正に行うことが可能なものである。検索手段により、現在用いている無線通信チャンネルよりも、良好な無線通信チャンネルが検出された場合には、切り替え制御手段によって、無線ユニットごと無線通信チャンネルが切り替えられるように制御される。
【0024】
これにより、無線通信チャンネルを接続して、実際に通信を行っている場合であっても、ユーザーの手を一切煩わせることなく、現在行われている通信を長時間にわたって切断してしまうなどの不都合を発生させることなく、迅速にチャンネルの状態の良好な無線通信チャンネルに切り替えて、通信を続行させることができるようにされる。
【0025】
つまり、ユーザー自身は何もしなくても、通信状況の変化に応じて、最も良好に通信を行うことが可能なクリアな無線通信チャンネルを周期的に検出すると共に、無線通信チャンネルの切り替えを数秒から数十秒などというように、比較的に長い時間に渡って、通信を中断させてしまうなどの不都合を生じさせることなく、切り替えることができるようにされる。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、通信中であっても、周期的に最適な無線通信チャンネルを検索することができる。また、最適な無線通信チャンネルが検出された場合には、通信を中断させることなく、迅速に無線通信チャンネルの変更(切り替え)を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図を参照しながら、この発明による装置、方法、プログラムの一実施の形態について説明する。
【0028】
[ワイヤレスLANシステムの概要について]
図1は、この発明の一実施の形態が適用されたベース装置を用いて構成したワイヤレスLANシステム(無線LANシステム)の一例を説明するためのブロック図である。図1に示すように、この実施の形態のワイヤレスLANシステム100は、アクセスポイントであるベース装置101と、ステーション端末装置(以下、単に端末装置という。)201とから構成される。ベース装置101および端末装置201は共にノートパソコンに装填されるワイヤレスLANカードや、ワイヤレスLANシステムに接続されるパーソナルコンピュータなどの各種電子機器に内蔵されるワイヤレスLANモジュール部分に相当する。
【0029】
したがって、ベース装置101、端末装置201には、これらに対して送信データを供給したり、また、これらを通じて受信した受信データの供給を受けて処理したりする電子機器であるパーソナルコンピュータなどのホスト装置(図1においてはホストと記載。)が、それぞれインターフェース107、209を通じて接続される。ホスト装置は、ベース装置101、端末装置201の上位に位置するものである。
【0030】
なお、ベース装置100と端末装置201との間においては、種々のワイヤレス通信プロトコル(無線通信プロトコル)を用いて接続可能である。しかし、この実施の形態において、ベース装置101と端末装置201とは、ワイヤレスLANにおけるいわば国際標準規格のプロトコルであるIEEE(Institute Electrical and Electronics Engineers)802.11にしたがってワイヤレス通信を行うものとして説明する。
【0031】
図1に示すように、この実施の形態のベース装置は、アンテナ102が接続されたRFユニット104と、アンテナ103が接続されたRFユニット105と、これら2つのRFユニット104、105を制御する制御部106とを備えたものである。すなわち、この実施の形態のベース装置101は、アンテナ102とRFユニット104とからなる第1の通信系と、アンテナ103とRFユニット105とからなる第2の通信系との2系統の通信系を備えたものである。
【0032】
ここで、制御部106は、CPU(Central Processing Unit)1061、ROM(Read Only Memory)1062、RAM(Random Access Memory)1063がCPUバスによって接続されて構成されたマイクロコンピュータであり、このベース装置101の各部を制御するものである。また、この制御部106は、タイマ(時計回路)1064を備え、適宜の時間を計測する機能を備えたものである。
【0033】
他方、端末装置201は、ワイヤレスLANシステムで用いられる一般的なものであり、アンテナ202と、RF送受信部203と、周波数変換部204と、変復調部205と、信号処理部206と、制御部207と、周波数シンセサイザ部208とを備えたものである。制御部207は、図示しないが、ベース装置101の制御部106と同様に、CPU、ROM、RAMなどを備えたマイクロコンピュータであり、この端末装置201の各部を制御するものである。
【0034】
これらベース装置101と端末装置201とは、所定のワイヤレスチャンネル(無線通信チャンネル)を通じて通信回線を接続することにより、相互に通信を行うことができるものである。そして、この実施の形態のワイヤレスLANシステム100においては、ベース装置101が、常時、最適なワイヤレスチャンネルを用いるようにしながら、例えば、動画像データや音声データを途切れることなく送信し、これを端末装置201が途切れることなく受信して利用することができるようにしている。
【0035】
[ベース装置101の構成と基本的な動作について]
次に、ベース装置101のより詳細な構成と基本的な動作について説明する。図1に示したように、この実施の形態のベース装置101は、RFユニット104とRFユニット105との2つのRFユニットを備えたものである。図2は、これらRFユニット104、105の構成を説明するためのブロック図である。すなわち、この実施の形態のベース装置101が備えるRFユニット104、105のそれぞれは、ともに図2に示した構成を有するものである。
【0036】
RFユニット104、105は、図2に示すように、RF送受信部301、周波数変換部302、変復調部303、信号処理部304、周波数シンセサイザ部305を備えたものである。また、変復調部303は、受信信号レベル検出部306を備え、信号処理部304は、復調データ判定部307を備えたものである。
【0037】
RFユニット104、105のそれぞれは、制御部106からの制御に応じて、所定のワイヤレスチャンネルを通じて端末装置201との間で通信回線を接続してデータの送受信を行う通信機能と、ワイヤレスチャンネルの状態を検出する状態検出機能と、利用可能な複数のワイヤレスチャンネルの中からノイズなどの少ない最適なワイヤレスチャンネルを検索する検索機能とを実現することができるものである。
【0038】
以下に、RFユニット104、105のそれぞれにおいて、通信機能、状態検出信号、検索機能の各機能が用いられる場合の具体的な動作について説明する。なお、以下においては説明を簡単にするため、RFユニット104の場合を例にして、通信機能、状態検出信号、検索機能の各機能が用いられる場合の具体的な動作について説明する。
【0039】
[通信機能が用いられる場合の動作]
RFユニット104において通信機能が用いるようにされる場合には、RF送受信部301、周波数変換部302、変復調部303、信号処理部304のそれぞれが、制御部10からの送受信切替制御信号SWによって送信処理を行う状態と受信処理を行う状態とが交互に切り替えられ、その両方を適切に行って通信を行うことができるようにされる。
【0040】
そして、ベース装置101側から送信するデータSDDTは、制御部106を通じて信号処理部304に供給される。信号処理部304は、制御部106からのデータSDDTをパケット化するなどして、ベースバンド信号である送信データSDTを形成し、これを変復調部303に供給する。
【0041】
変復調部303は、制御部106の制御に応じて動作する周波数シンセサイザ部305からのIFローカル信号IFLを用いて、送信データSDTを中間周波信号にアップコンバートしてIF送信信号IFSを形成し、これを周波数変換部302に供給する。周波数変換部302は、制御部106の制御に応じて動作する周波数シンセサイザ部305からのRFローカル信号RFLを用いて、IF送信信号IFSを高周波信号にアップコンバートしてRF送信信号RFSを形成し、これをRF送受信部301に供給する。
【0042】
RF送受信部301は、周波数変換部302からのRF送信信号RFSを増幅するなどの処理を行って、実際に送信する送信信号を形成し、これを対応するアンテナ102を通じて送信する。このようにして、ベース装置101は、通信の相手先の端末装置に対して、所定のワイヤレスチャンネルを通じてデータを送信することができるようにされる。
【0043】
一方、対応するアンテナ102を通じて受信した信号は、RFユニット104のRF送受信部301に供給される。RF送受信部301は、アンテナ103からの信号について帯域制限のためのフィルタリング処理や増幅処理を行って、高周波信号であるRF受信信号RFRを得て、これを周波数変換部302に供給する。
【0044】
周波数変換部302は、RF受信信号RFRを周波数シンセサイザ部305からのRFローカル信号RFLを用いてダウンコンバートし、中間周波信号のIF受信信号IFRを形成して、これを変復調部303に供給する。変復調部303は、周波数変換部302からのIF受信信号を周波数シンセサイザ部305からのIFローカル信号IFLを用いてダウンコンバートしてベースバンド信号RDTを形成し、これを信号処理部304に供給する。
【0045】
信号処理部304は、パケット化されているベースバンド信号RDTを復号して、この結果得られた受信データを制御部106に供給する。これにより、ベース装置101の制御部106は、端末装置201から送信されたデータの提供を受けて、これに応じた処理等を行うことができるようにされる。このようにして、この例の場合、通信機能が用いられるようにされたRFユニット104を通じて、データの送受信を行うことができるようにされる。
【0046】
[状態検出機能が用いられる場合の動作]
また、RFユニット104において状態検出機能が用いるようにされる場合、RF送受信部301、周波数変換部302、変復調部303、信号処理部304のそれぞれは、制御部106からの送受信切替制御信号SWによって、受信処理を行うように切り替えられた状態にあるときに、通信に用いているワイヤレスチャンネルの状態をチェックする。すなわち、上述した受信時の処理の場合と同様に、通信に用いられているワイヤレスチャンネルの信号を、アンテナを通じて受信して、これがRF送受信部301に供給される。
【0047】
RF送受信部301は、上述もしたように、アンテナ102からの信号について帯域制限のためのフィルタリング処理や増幅処理を行って、高周波信号であるRF受信信号RFRを得て、これを周波数変換部302に供給する。周波数変換部302は、RF受信信号RFRを周波数シンセサイザ部305からのRFローカル信号RFLを用いてダウンコンバートし、中間周波信号のIF受信信号IFRを形成して、これを変復調部303に供給する。
【0048】
変復調部303は、受信信号レベル検出部306を機能させ、周波数変換部302からのIF受信信号の受信レベルLVを検出し、これを制御部106に供給する。また変復調部303は、周波数変換部302からのIF受信信号IFRを周波数シンセサイザ部305からのIFローカル信号IFLを用いてダウンコンバートしてベースバンド信号RDTを形成し、これを信号処理部304に供給する。信号処理部304は、パケット化されているベースバンド信号RDTを復号し、復調データ判定部307を機能させて、復調した受信データがワイヤレスLANを通じて送受される所定の形式のデータか否かを判定し、その判定結果ASを制御部106に通知する。
【0049】
このように、RFユニット104は、通信に用いているワイヤレスチャンネルに、信号レベルの高いノイズがないか、また、他のワイヤレスLANシステムの信号が存在しないかなどの通信に用いているワイヤレスチャンネルの状態を検出することができるようにされる。
【0050】
[検索機能が用いられる場合の動作]
また、RFユニット104において通信に用いるワイヤレスチャンネルの検索機能が用いるようにされる場合には、通信に利用可能なワイヤレスチャンネルとして予め定められている複数のワイヤレスチャンネルのそれぞれに対して、上述した状態検出機能の場合と同様にして、各ワイヤレスチャンネルの状態を検出し、各ワイヤレスチャンネルについての検出結果に基づいて、通信に最も適したワイヤレスチャンネルを選択する。
【0051】
具体的には、制御部106は、制御信号CTによって周波数シンセサイザ部305を制御し、RFローカル信号RFL、IFローカル信号IFLを変更し、利用可能なワイヤレスチャンネルとして決められている複数のワイヤレスチャンネルのそれぞれについて、上述したように、変復調部303の受信信号レベル検出部306による受信信号レベルの検出と、信号処理部304の復調データ判定部307による受信信号の形式判定とを行う。
【0052】
これにより、制御部106は、利用可能なワイヤレスチャンネルとして決められた複数のワイヤレスチャンネルのそれぞれについて、受信信号レベルLVと、受信信号の形式の判定結果(復調判定信号)ASとを得て、信号レベルの高いノイズがなく、他のワイヤレスLANシステムの信号もない通信に適したワイヤレスチャンネルの検索を行うことが可能となる。
【0053】
ここでは、RFユニット104において各機能が用いるようにされた場合を例にして説明したが、上述もしたように、RFユニット105においても、通信機能、状態確認機能、検索機能のそれぞれを用いることが可能であり、上述したRFユニット104の場合と同様に動作することができるようにされている。
【0054】
[各機能の具体的な利用態様]
上述した各機能の利用が可能なRFユニット104、105のそれぞれは、制御部106によって別々に制御することができるようにされている。そして、詳しくは後述もするように、制御部106は、いずれか一方のRFユニットを端末装置201との間でLAN接続可能な状態である有効状態とし、他方のRFユニットを端末装置201との間でLAN接続あえて行わないようにする状態である待機状態とする。
【0055】
さらに、制御部106は、RFユニット104、105のそれぞれを制御し、有効状態とされたRFユニットについては、まず、上述した検索機能を用いて通信に適したワイヤレスチャンネルを選択する。そして、その選択したワイヤレスチャンネルを通じて周期的にビーコン(BEACON)信号を送出してワイヤレスチャンネルを開設したことを端末装置201に通知するようにすると共に、端末装置201からの802.11アソシエーション(ASSOCIATION)信号を受信するようにし、端末装置201との間で通信回線の接続が可能な状態とする。
【0056】
この場合において、端末装置201との間で通信回線が接続されるまでの間においては、制御部106は有効状態としたRFユニットの検索機能を用い、選択したワイヤレスチャンネルも含めて利用可能な複数のワイヤレスチャンネルを検索対象として、レベルの大きなノイズがなく、かつ、他のワイヤレスLANシステムの信号がない通信に最も適したワイヤレスチャンネルを検索するようにし、先に選択したチャンネルよりも通信に適したワイヤレスチャンネルが検出できたときには、通信に用いるワイヤレスチャンネルを変更する。
【0057】
そして、端末装置201との間に通信回線を接続した後においては、制御部106は、当該有効状態とされているRFユニットを制御し、上述した通信機能を用いて、端末装置201との間で相互に通信ができるようにすると共に、状態検出機能を用いるようにして、端末装置201との通信に用いるようにしている選択したワイヤレスチャンネルの状態を把握する。
【0058】
さらに、制御部106は、待機状態としている他のRFユニットを制御し、待機状態の当該他のRFユニットの検索機能を用いて、利用可能とされた複数のワイヤレスチャンネルのうち、通信に用いるチャンネルとして選択されているワイヤレスチャンネルを除く各チャンネルの中から通信に適したワイヤレスチャンネルを検索するようにする。
【0059】
そして、制御部106は、検索したワイヤレスチャンネルの状態と、有効状態とされたRFユニットの状態検出機能により検出された現在通信に用いているワイヤレスチャンネルの状態とを比較し、選択されて通信に用いられているワイヤレスチャンネルの状態よりも、新たに検索した他のワイヤレスチャンネルの状態の方が良好である場合には、制御部106は、通信に用いているワイヤレスチャンネルの変更を行う。
【0060】
この通信に用いているワイヤレスチャンネルの変更は、有効状態としたRFユニットを待機状態とし、待機状態としていたRFユニットを有効状態にして、当該有効状態とされたRFユニットが待機状態にあるときに検出した通信に適したワイヤレスチャンネルを通じて通信を続行するようにする。
【0061】
そして、新たに有効状態とされたRFユニットにおいては、通信機能が用いられて、端末装置201との間で通信が行われるともに、状態検出機能が用いられて通信に用いているワイヤレスチャンネルの状態が検出するようにされる。また、新たに待機状態とされたRFユニットにおいては、検索機能が用いられて通信に適したワイヤレスチャンネルの検索が行われ、通信を切断することなく、より通信に適したワイヤレスチャンネルに変更することができるようにされる。
【0062】
このように、2つのRFユニット104、105を別々に制御して使い分けることにより、行われている通信処理を実質的に中断することなく、通信に用いるワイヤレスチャンネルを切り替える(変更する)ことができると共に、最適なワイヤレスチャンネルの検索処理をも続行し、時々刻々と変化する通信環境に柔軟に対応し、常時適正に通信を行うことができるようにしている。
【0063】
なお、上述したように、最適なワイヤレスチャンネルの検索やワイヤレスチャンネルの切り替えを行う機能は、主にベース装置101の内部動作によって行われる。したがって、端末装置201としては、IEEE802.11で規定されるワイヤレスLAN国際標準規格に従って動作を行うものであれば種々のものを用いることがでる。そして、端末装置201は、この発明が適用されたベース装置101と協働することによって、この発明の効果を十分に発揮させるようにすることが可能である。
【0064】
また、この実施の形態の端末装置201は、図1に示した端末装置201部分の構成と、図2に示したRFユニット104、105の構成とを比較すると分かるように、受信信号レベル検出部306や復調データ判定部307を備えていない点を除き、RFユニット104、105と同じ構成を有している。そして、端末装置201は、ベース装置101のRFユニット104、105と同様に通信機能を実現し、ホスト装置からのデータを変調してベース装置101に送信したり、また、ベース装置101からのデータを受信して復調し、ホスト装置に供給したりすることができるものである。
【0065】
このように、この実施の形態のワイヤレスLANシステム100において、ベース装置101の制御部106は、RFユニット104とRFユニット105を別々に制御し、RFユニット104とRFユニット105において用いる機能をも別個に制御できるようにしている点に大きな特徴を有している。
【0066】
[ベース装置101の動作(処理)の詳細について]
次に、この実施の形態のベース装置101の動作について詳細に説明する。まず、ベース装置101において行われる処理の全体について、図3、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。この図3、図4に示すフローチャートの処理は、ベース装置101に電源が投入された場合や再立ち上げ処理が行われた場合などにおいて、主に制御部106によって行われる処理である。
【0067】
ベース装置101が起動されると、制御部106は、図3、図4に示す処理を実効し、インターフェース部107を通じて供給されるホスト装置からの制御信号により、制御部106自身と、RF104、105と、これらに付随するアンテナについての初期化を行う(ステップS101)。
【0068】
そして、制御部106は、ホスト装置からの終了制御信号の供給を受けるなどして、ワイヤレスLANシステムとしての処理を終了することが指示されたか否かを判断し(ステップS102)、終了が指示されたと判断した時には、この図3、図4に示す処理を終了する。ステップS102の判断処理において、システムの終了は指示されていないと判断したときには、制御部106は、自己が備えるタイマ1064をリセットしておく(ステップS103)。
【0069】
そして、制御部106は、自己の動作状態や自己が制御するRFユニット104、105の動作状態に基づいて、有効状態となるように制御したRFユニットが存在するか否か(有効状態RFユニットが存在するか否か)を判断する(ステップS104)。後述もするが、制御部106は、例えばRAM1063に自己の動作状態や自己が制御するRFユニット104、105の動作状態を示す情報を記憶保持するようにしている。
【0070】
ステップS104の判断処理において、有効状態のRFユニットがまだ存在していないと判断した場合には、制御部106は、有効状態する任意のRFユニットを1つ選択し(ステップS105)、ステップS107の処理に進む。また、ステップS104の判断処理において、有効状態のRFユニットが既に存在すると判断した場合には、制御部106は、有効状態のRFユニットが端末装置201との間で通信回線を接続させ通信を行うようにしている状態にあるか否かを判断する(ステップS106)。
【0071】
このステップS106の判断処理において、端末装置201との間に通信回線を接続していないと判断した場合、あるいは、上述したステップS105の処理において有効状態とする任意のRFユニットを選択した場合には、制御部106は、予め用意している変数である処理判別フラグFLAGに値0(ゼロ)をセットする(ステップS107)。この処理判別フラグFLAGは、後述する受信信号検出・判別処理ルーチンにおいて、処理状態を判別するために用いられる。
【0072】
そして、制御部106は、ステップS105において有効状態にするものとして選択されたRFユニットを制御し、あるいは、既に有効状態とされているものの、まだ、端末装置201との間で通信回線を接続していないRFユニットを制御し、詳しくは後述もするが、受信信号検出・判別処理を実行し(ステップS108)、利用可能な複数のワイヤレスチャンネルのそれぞれの状態を検出し、その結果を用いて通信に用いる最適なワイヤレスチャンネルを選択する処理を行う(ステップS109)。なお、これらステップS108、ステップS109の処理により、上述した検索機能が実現される。
【0073】
この後、制御部106は、図4に示すステップS110の処理に進み、制御対象のRFユニットは、既に有効状態になっているか否かを確認し(ステップS110)、有効状態になっていないと判断したときには、制御の対象となっているRFユニットを有効状態に設定する(ステップS111)。
【0074】
この設定処理は、具体的には、制御の対象とっているRFユニットを有効状態にしたことを示す情報を制御部106のRAMに更新し、当該RFユニットに対して切り替え信号SWを用いて送信状態と受信状態とを交互に切り替え、上述もしたように、送信状態にあるときには、ビーコン信号を送出し、受信状態にあるときには端末装置201からのアソシエーション信号を受信するようにする動作を行うようにする。また、他のRFユニットは、待機状態のままとされ、どのRFユニットが待機状態であるかも制御部106のRAM1063に更新することにより管理できるようにされる。
【0075】
ステップS111の設定処理の後、又は、ステップS110の判断処理において、制御対象のRFユニットは既に有効状態になっていると判断した場合には、タイマを起動し(ステップS112)、タイマ切れとなるまで待って(ステップS113)、図3に示した処理のステップS102からの処理を繰り返す。すなわち、ステップS112、ステップS113のタイマ処理は、所定周期でこの図3、図4に示す処理を繰り返すようにするための処理である。
【0076】
このように、制御部106および各RFユニット104、105の初期化後は、各RFユニット104、105のいずれか一つを任意に選択し、後述する受信信号検出・判別処理および最適ワイヤレスチャンネル選択処理を行い、当該RFユニットを有効状態に設定し、端末装置201とのワイヤレスLAN接続が可能な状態へ移行するようにしている。
【0077】
また、図3に示したステップS106の判断処理において、有効状態とされたRFユニットが端末装置201との間で通信回線を接続して通信を行うようにしている状態にあると判断したときには、制御部106は、図4に示すステップS114からの処理に進む。このステップS114からステップS121までの処理は、この実施の形態のベース装置101が備えるすべてのRFユニットに対して、順次に行うようにされる。
【0078】
なお、この実施の形態のベース装置101の場合には、図1にも示したように、RFユニットは、RFユニット104(RFユニット(0))とRFユニット105(RFユニット(1))の2つである。したがって、この実施の形態のベース装置101の場合には、RFユニット104とRFユニット105のそれぞれについて、ステップS114〜ステップS121までの処理が行われることになる。
【0079】
具体的には、制御部106は、まず、処理対象としたRFユニットが有効状態とされているRFユニットか否かを判断する(ステップS115)。この判断は、ステップS111の処理においても説明したように、有効状態とされたRFユニットの場合には既に設定処理がなされているので、この設定処理の情報を見ることにより、有効状態のRFユニットか否かを判断することができる。
【0080】
ステップS115の判断処理において、処理対象のRFユニットが、既に有効状態とされたものであると判断したときには、予め用意されている処理判別フラグFLAGに値1をセットし(ステップS116)、この後、詳しくは後述する受信信号検出・判別処理を実行する(ステップS117)。このように、処理対象が有効状態とされたRFユニットの場合には、フラグ設定の後、状態検出機能を用い、現在、通信に使用しているワイヤレスチャンネルの状態を検出する処理を行うようにしている。すなわち、このステップS107の処理により、状態検出機能が実現される。
【0081】
また、ステップS115の判断処理において、処理対象のRFユニットは有効状態とされていないと判断したときには、当該RFユニットは待機状態であるので、まず、処理判別フラグFLAGに値0(ゼロ)をセットし(ステップS118)、詳しくは後述する受信信号検出・判別処理を実行し(ステップS119)、詳しくは後述する最適ワイヤレスチャンネル選択処理を実行する(ステップS120)。したがって、このステップS119、ステップS120の処理によっても検索機能が実現される。
【0082】
そして、ステップS114からステップS121までの処理がすべてのRFユニットについて終了すると、制御部106は、詳しくは後述もするが、有効状態RFユニットの切り替え判定・切り替え処理を実行し(ステップS122)、この後、図4に示したステップS112からの処理を行うようにして、所定周期で、図3に示したステップS102からの処理を繰り返す。
【0083】
なお、RFユニット104、105のそれぞれは、制御部106からの制御信号CSにより有効状態(端末装置201がワイヤレスLAN接続可能な状態)と待機状態(端末装置201がワイヤレスLAN接続できない状態)のいずれかの状態となるようにされるが、図3に示したステップS101の初期化時においては、すべてのRFユニットが待機状態となるようにしている。
【0084】
また、上述もしたように、有効状態は例えば有効状態とするRFユニット制御部のアンテナから周期的にビーコン(BEACON)信号を送出し、802.11アソシエーション(ASSOCIATION)信号を受け付けることで実現する。他方、待機状態は待機状態とするRFユニット制御部のアンテナからのビーコン信号を停止させ,802.11アソシエーション信号を一切受け付けなくすることで実現する。また、有効状態となるRFユニットはベース装置101のシステム全体で唯一つである。
【0085】
このように、端末装置201が有効状態にあるアンテナ及びRFユニットとワイヤレスLAN接続していないときは、制御部106が持つタイマがリセットされるタイミングで周期的に有効状態にあるRFユニットのみにおいて使用可能なワイヤレスチャンネルにおける受信信号の検出・判別処理および最適なワイヤレスチャンネルの選択処理が実行される。これにより端末装置201からのワイヤレスLAN接続待ちである有効状態アンテナのワイヤレスチャンネルは常に最適なチャンネルに更新されることになる。
【0086】
また、端末装置201が有効状態にあるアンテナ及びRFユニットとワイヤレスLAN接続している場合は、有効状態のRFユニットに対しては受信信号の検出・判別処理のみが実行される。ただし、この場合、当該有効状態のRFユニットに対しては、そのワイヤレスチャンネルを順次切り替えることは行わず、端末装置201とのワイヤレスLAN接続で使用しているワイヤレスチャンネルにおいてのみ受信信号の検出・判別処理が実行される。
【0087】
他方、待機状態にあるアンテナ及びRFユニットに対しては、使用可能な各ワイヤレスチャンネルにおける受信信号の検出・判別処理,および有効状態アンテナで設定されているワイヤレスチャンネル以外のチャンネルの中で最適と判定できる最適ワイヤレスチャンネル候補CHCDを検出する処理が実行される。
【0088】
そして、端末装置201とワイヤレスLAN接続している有効状態のアンテナ及びRFユニットから得られる受信信号の検出・判別処理結果および待機状態にあるアンテナ及びRFユニットから得られる最適ワイヤレスチャンネル候補検出結果とから、端末装置201とのワイヤレスLAN接続に使用しているワイヤレスチャンネル(現チャンネル)とそれ以外のワイヤレスチャンネルの中から最適と判断されたワイヤレスチャンネル(候補チャンネル)の二つを比較し,現チャンネルよりも候補チャンネルの方が通信に最適であると判定された場合、後述する有効状態RFユニットの切り替え処理を行う。
【0089】
以上の有効状態のアンテナ及びRFユニット、待機状態のアンテナ及びRFユニットのそれぞれで実行される処理は、いずれも制御部106のタイマ1064がリセットされるタイミングで周期的に行われる。以上の処理により、端末装置201とワイヤレスLAN接続状態にあってもその接続に使用しているワイヤレスチャンネル以外のワイヤレスチャンネルからさらに通信に最適なワイヤレスチャンネルを選択することができるようにしている。
【0090】
[受信信号検出・判別処理について]
次に、図3に示した処理のステップS108、図4に示した処理のステップS117、ステップS119のそれぞれにおいて実行される受信信号検出・判別処理について説明する。図5は、上記の各ステップにおいて実行される受信信号検出・判別処理を説明するためのフローチャートである。
【0091】
この受信信号検出・判別処理においては、制御部106は、まず、処理判別FLAGの値を判別し(ステップS201)、処理判別FLAGの値が0(ゼロ)であるときには、制御対象のRFユニットが有効状態には設定されていない(待機状態のRFユニットである)ので、利用可能なものとして予め決められているすべてのワイヤレスチャンネルを処理対象とするように設定し(ステップS202)、すべてのワイヤレスチャンネルについて、ワイヤレスチャンネル毎に、以下のステップS203〜ステップS208までの処理を実行する。
【0092】
なお、この処理において、ワイヤレスチャンネル(M)における文字Mは、1〜ワイヤレスチャンネル総数の範囲の値となるものであり、ステップS203〜ステップS208の一連の処理は、M=1からワイヤレスチャンネル総数まで、1ずつカウントアップすることにより決まる各ワイヤレスチャンネルのそれぞれについて行われる。
【0093】
また、この場合、制御部106は、周波数シンセサイザ部等を制御して、目的とするワイヤレスチャンネルを選局する(ステップS204)。具体的には、制御部106は、送受信切替制御信号SWでRF送受信部301、周波数変換部302、変復調部303、信号処理部304のすべての回路を受信状態に切り替える。そして、周波数シンセサイザ制御信号CTで周波数シンセサイザ部305を制御し、RFローカル信号RFLを周波数変換部302へ、IFローカル信号IFLを変復調部303へ供給する。これらのローカル信号RFL、IFLは供給先の回路部においてダウンコンバート用のミキサへ供給され、目的とするワイヤレスチャンネルの信号が選局される。
【0094】
このようにして目的とするワイヤレスチャンネルを選局して、その選局したワイヤレスチャンネルを通じて伝送するようにされているRF信号を、制御対象のアンテナ及びRFユニットの機能により受信する。そして、当該RFユニットの変復調部303に設けられている受信信号レベル検出部306を用いて受信信号レベルLVを検出(計測)し、この受診信号レベルLVを制御部106に通知する(ステップS205)。この受診信号レベルLVは、制御部106のRAMなどのメモリに記憶保持される。
【0095】
次に、制御部106は、当該RFユニットの信号処理部304に設けられている復調データ判定部307を用いて、受信信号のデータ形式に基づいて、受信信号がワイヤレスLAN信号か否かを判定し、その判定結果ASを制御部106に通知する(ステップS206)。この受信信号がワイヤレスLAN信号か否かの判定結果ASもまた、制御部106のRAM1063などのメモリに記憶保持される。
【0096】
そして、処理判別フラグFLAGの値を確認し(ステップS207)、処理判別FLAGが値0(ゼロ)である場合には、次に処理対象となるワイヤレスチャンネル(M)に対して、ステップS203〜ステップS208までの処理を繰り返す。すなわち、制御対象のRFユニットが待機状態のRFユニットである場合には、上述した検索機能を用いて通信に最適なワイヤレスチャンネルを特定するために、利用可能な複数のワイヤレスチャンネルのすべてについて、ノイズの有無や他のワイヤレスLANシステムの信号の有無を検出し、制御部106のRAMなどのメモリに記憶保持する。利用可能な複数のワイヤレスチャンネルのすべてについて処理を行った場合には、この図5に示す処理を終了する。
【0097】
また、ステップS201の判断処理において、処理判別FLGの値が1であると判断した場合には、制御部107は、処理対象ワイヤレスチャンネルを、現在、通信に用いている設定ワイヤレスチャンネルに固定し(ステップS209)、この固定されたワイヤレスチャンネルについて、上述したステップS205、ステップS206の処理を行い、受信信号レベルLVと、受信信号によるワイヤレスLAN信号か否かの判断結果ASとを制御部106に通知し(ステップS205、ステップS206)、これらの情報を制御部106のRAMなどのメモリに記憶保持するようにした後に、この図5に示す処理を終了する。
【0098】
このように、図3、図4に示した処理の過程において、事前に設定するようにされた処理判別FLAGの値を検査し、この値が0(ゼロ)であり、待機状態とされているRFユニットにおいては、ステップS202からステップ208の処理が、選択可能とされたワイヤレスチャンネルのそれぞれにおいて、選択設定された複数のワイヤレスチャンネルのそれぞれの状態を検出して制御部106に通知し検索機能を実現するようにするのに対して、有効状態として指定されたRFユニットについては、ワイヤレスLAN通信に用いているワイヤレスチャンネルの状態を示す情報だけを検出して制御部106に通し状態検出機能が実現するようにされる。
【0099】
これにより、制御部106においては、ステップS205、ステップS206においての機能により集めた情報を用いて、ノイズが少なく、他のワイヤレスLANシステムの送受信信号等の不要な信号が存在しないワイヤレスチャンネルであって、通信に適したワイヤレスチャンネルを選択することができるようにされる。
【0100】
[最適ワイヤレスチャンネル選択処理]
次に、図3に示した処理のステップS109において実行される最適ワイヤレスチャンネル選択処理について説明する。図6は、図3に示したステップS109において実行される最適ワイヤレスチャンネル選択処理を説明するためのフローチャートである。
【0101】
この最適ワイヤレスチャンネル選択処理は、図5を用いて説明した受信信号検出・判別処理により制御部106のRAMなどのメモリに記憶保持されている各ワイヤレスチャンネルにおける受信信号レベルLV及びワイヤレスLAN信号の有無の判別結果ASを用いて、端末装置201との間で通信回線を接続するのに最も適したワイヤレスチャンネルを選択する。
【0102】
制御部106は、まず、前準備として、選択ワイヤレスチャンネルを特定するための変数CHに0(ゼロ)をセットし(ステップS301)、受信信号レベルの最小値を示す変数LVMINに予め決められた値、ここでは十分大きな値を初期値としてセットする(ステップS302)。
【0103】
そして、制御部106は、利用可能な複数のワイヤレスチャンネルのそれぞれについて、ステップS303〜ステップS307までの処理を行う。この処理においても、ワイヤレスチャンネル(M)における文字Mは、1〜ワイヤレスチャンネル総数の範囲の値となるものである。
【0104】
すなわち、制御部106は、自己のRAMに記憶保持している情報のうち、現在、この処理の対象になっているチャンネル、すなわち、ワイヤレスチャンネル(M)についてのワイヤレスLAN信号の有無の判定結果ASを参照して、ワイヤレスLAN信号を受信したか否かを判断する(ステップS304)。
【0105】
ステップS304の判断処理において、ワイヤレスLAN信号を受信していないと判断したときには、制御部106は、自己のRAMに記憶保持している当該ワイヤレスチャンネル(M)についての受信信号レベルLVを参照し、受信信号レベルLVが、受信信号レベル最小値LVMINより小さいか否かを判断する(ステップS305)。
【0106】
ステップS305の判断処理において、受信信号レベルLVが、受信信号レベル最小値LVMINより小さいと判断したときには、制御部106は、選択ワイヤレスチャンネルを特定するための変数CHに、現在の処理対象のワイヤレスチャンネル(M)を示す値Mをセットし、また、受信信号レベル最小値LVMINに、現在の処理対象のワイヤレスチャンネル(M)の受信信号レベルLVをセットする(ステップS306)。
【0107】
なお、ステップS304において、ワイヤレスLAN信号を受信したと判断した場合、又は、ステップS305の判断処理において、受信信号レベルLVが、受信信号レベル最小値LVMIXより大きいと判断した場合には、ステップS306の変数CH、LVMINの変更は行わないようにしている。
【0108】
このようにして行われるステップS303〜ステップS307までの一連の処理が、上述もしたように、ワイヤレスチャンネル(M)として示したワイヤレスチャンネルが、M=1からワイヤレスチャンネル総数まで、1ずつカウントアップすることにより決まる各ワイヤレスチャンネルのそれぞれについて行われる。
【0109】
そして、利用可能な複数のワイヤレスチャンネルの全部について、ステップS303〜ステップS307までの処理を終了すると、制御部106は、ワイヤレスチャンネルを示す変数CHの値が0(ゼロ)又は受信信号レベル最小値LVMINの値が予め決められた閾値よりも大きいか否かを判断する(ステップS308)。
【0110】
ここで、選択ワイヤレスチャンネを特定する変数CHが0(ゼロ)のままであれば、利用可能とされた複数のワイヤレスチャンネルの全てについて、他のワイヤレスLANシステムのRF信号が存在しているか、通信の障害になるほど信号レベルの大きなノイズが存在していると判断することができる。また、受信信号レベル最小値LVMINが所定の閾値以上である場合にも、利用可能とされた複数のワイヤレスチャンネルの全てについて、通信の障害になるほど信号レベルの大きなノイズが存在していると判断することができる。
【0111】
このステップS308の判断処理において、ワイヤレスチャンネルを示す変数CHの値が0(ゼロ)ではなく、又は、受信信号レベル最小値LVMINの値が予め決められた閾値よりも大きくないと判断した場合には、制御の対象となっているRFユニットが通信に用いるワイヤレスチャンネルとして、変数CHにより特定されるワイヤレスチャンネル(選択ワイヤレスチャンネル)を設定(選択)し(ステップS309)、この図6に示す処理を終了する。
【0112】
ステップS308の判断処理において、ワイヤレスチャンネルを示す変数CHの値が0(ゼロ)又は受信信号レベル最小値LVMINの値が予め決められた閾値よりも大きいと判断した場合には、上述もしたように、利用可能とされた複数のワイヤレスチャンネルの全てについて、他のワイヤレスLANシステムのRF信号が存在しているか、通信の障害になるほど信号レベルの大きなノイズが存在している状態にあるので、ステップS310からの処理を実行し、その中でも受信信号レベルLVが最も低いワイヤレスチャンネルを選択する処理を行う。
【0113】
すなわち、制御部106は、受信信号レベル最小値LVMINに十分大きな値をセットする(ステップS310)。そして、制御部106は、利用可能な複数のワイヤレスチャンネルのそれぞれについて、ステップS311〜ステップS314までの処理を行う。この処理においても、上述もしたように、ワイヤレスチャンネル(M)における文字Mは、1〜ワイヤレスチャンネル総数の範囲の値となるものである。
【0114】
したがって、制御部106は、自己のRAMに記憶保持している当該ワイヤレスチャンネル(M)についての受信信号レベルLVを参照し、受信信号レベルLVが、受信信号レベル最小値LVMINより小さいか否かを判断する(ステップS312)。このステップS312の判断処理において、受信信号レベルLVが、受信信号レベル最小値LVMINより小さくないと判断したときには、制御部106は、次のワイヤレスチャンネルについて、ステップS311〜ステップS314の処理を行うようにする。
【0115】
ステップS312の判断処理において、受信信号レベルLVが、受信信号レベル最小値LVMINより小さいと判断したときには、制御部106は、選択ワイヤレスチャンネルを特定するための変数CHに、現在の処理対象のワイヤレスチャンネル(M)を示す値Mをセットし、また、受信信号レベル最小値LVMINに、現在の処理対象のワイヤレスチャンネル(M)の受信信号レベルLVをセットする(ステップS313)。そして、次のワイヤレスチャンネルについて、ステップS311〜ステップS314の処理を行うようにする。
【0116】
利用可能なすべてのワイヤレスチャンネルについて、ステップS311〜ステップS314までの処理が終了した場合には、制御部106は、制御の対象となっているRFユニットが通信に用いるワイヤレスチャンネルとして、変数CHにより特定されるワイヤレスチャンネル(選択ワイヤレスチャンネル)を設定(選択)し(ステップS309)、この図6に示す処理を終了する。
【0117】
このように、最適ワイヤレスチャンネル選択処理においては、制御部106は、RAMなどのメモリに保持されている各ワイヤレスチャンネルの復調判定信号ASを読み出して比較し、ワイヤレスLAN信号が受信されたワイヤレスチャンネルは選択候補から削除するようにする。そして、残りのワイヤレスチャンネルのうち受信信号レベルLVが最も低いワイヤレスチャンネルを判別し、これを最適なワイヤレスチャンネルとして当該RFユニット制御部アンテナのワイヤレスチャンネルに設定するようにしている。
【0118】
なお、すべてのチャンネルにワイヤレスLAN信号が検出された場合には、または、前記判別処理で選択されたワイヤレスチャンネルの受信信号レベルLVがある閾値よりも大きい場合には、受信信号レベルLVが最も低いワイヤレスチャンネルをすべてのワイヤレスチャンネルの中から判別し、これを最適なワイヤレスチャンネルとして当該RFユニット制御部アンテナのワイヤレスチャンネルに設定するようにしている。
【0119】
また、ステップS309における選択ワイヤレスチャンネルの設定完了後、設定された当該ワイヤレスチャンネルの情報は、復調判定データASおよび受信信号レベルLVと共に制御部106のRAMなどのメモリに保持される。アンテナのワイヤレスチャンネル設定は、制御部106が当該アンテナの周波数シンセサイザ部305に対して制御信号CTを供給し、周波数シンセサイザ部305から周波数変換部302に供給するRFローカル信号RFRを固定することで行うようにしている。
【0120】
[最適ワイヤレスチャンネル候補検出処理]
次に、図4に示した処理のステップS120において実行される最適ワイヤレスチャンネル候補検出処理について説明する。図7は、図4に示したステップS120において実行される最適ワイヤレスチャンネル候補検出処理を説明するためのフローチャートである。この図7に示す処理は、図4を用いて説明したように、待機状態にあるRFユニット制御部のみを対象として行う。
【0121】
この最適ワイヤレスチャンネル候補検出処理もまた、図5を用いて説明した受信信号検出・判別処理により制御部106のRAMなどのメモリに記憶保持されている各ワイヤレスチャンネルにおける受信信号レベルLV及びワイヤレスLAN信号の有無の判別結果ASを用いて、端末装置201との間で通信回線を接続するのに最も適したワイヤレスチャンネルの候補を検出する。
【0122】
制御部106は、まず、前準備として、選択ワイヤレスチャンネルを特定するための変数CHCDに0(ゼロ)をセットし(ステップS401)、受信信号レベルの最小値を示す変数LVMINに予め決められた値、ここでは十分大きな値を初期値としてセットする(ステップS402)。
【0123】
そして、制御部106は、利用可能な複数のワイヤレスチャンネルのそれぞれについて、ステップS403〜ステップS408までの処理を行う。この処理においても、ワイヤレスチャンネル(M)における文字Mは、1〜ワイヤレスチャンネル総数の範囲の値となるものである。
【0124】
そして、制御部106は、有効状態のRFユニットにおいて通信で用いるワイヤレスチャンネルの設定情報を参照し、現在、この処理の対象になっているチャンネル、すなわち、ワイヤレスチャンネル(M)は、有効状態のRFユニットにおいて、通信に用いられているワイヤレスチャンネルか否かを判断する(ステップS404)。
【0125】
ステップS404において、有効状態のRFユニットにおいて、通信に用いられているワイヤレスチャンネルではないと判断したときには、制御部106は、自己のRAMに記憶保持している情報のうち、現在、この処理の対象になっているチャンネル、すなわち、ワイヤレスチャンネル(M)についてのワイヤレスLAN信号の有無の判定結果ASを参照して、ワイヤレスLAN信号を受信したか否かを判断する(ステップS405)。
【0126】
ステップS405の判断処理において、ワイヤレスLAN信号を受信していないと判断したときには、制御部106は、自己のRAMに記憶保持している当該ワイヤレスチャンネル(M)についての受信信号レベルLVを参照し、受信信号レベルLVが、受信信号レベル最小値LVMINより小さいか否かを判断する(ステップS406)。
【0127】
ステップS406の判断処理において、受信信号レベルLVが、受信信号レベル最小値LVMINより小さいと判断したときには、制御部106は、選択ワイヤレスチャンネルを特定するための変数CHCDに、現在の処理対象のワイヤレスチャンネル(M)を示す値Mをセットし、また、受信信号レベル最小値LVMINに、現在の処理対象のワイヤレスチャンネル(M)の受信信号レベルLVをセットする(ステップS407)。
【0128】
なお、ステップS404において、現在、この処理の対象になっているチャンネルは、有効状態のRFユニットにおいて、通信に用いられているものであると判断した場合、ステップS405において、ワイヤレスLAN信号を受信したと判断した場合、又は、ステップS406の判断処理において、受信信号レベルLVが、受信信号レベル最小値LVMINより大きいと判断した場合には、ステップS407の変数CH、LVMINの変更は行わないようにしている。
【0129】
このようにして行われるステップS403〜ステップS408までの一連の処理が、上述もしたように、ワイヤレスチャンネル(M)として示したワイヤレスチャンネルが、M=1からワイヤレスチャンネル総数まで、1ずつカウントアップすることにより決まる各ワイヤレスチャンネルのそれぞれについて行われる。
【0130】
そして、利用可能な複数のワイヤレスチャンネルの全部について、ステップS403〜ステップS408までの処理を終了すると、制御部106は、ワイヤレスチャンネルを示す変数CHCDの値が0(ゼロ)又は受信信号レベル最小値LVMINの値が予め決められた閾値よりも大きいか否かを判断する(ステップS409)。
【0131】
ここで、選択ワイヤレスチャンネを特定する変数CHが0(ゼロ)のままであれば、利用可能とされた複数のワイヤレスチャンネルの全てについて、他のワイヤレスLANシステムのRF信号が存在しているか、通信の障害になるほど信号レベルの大きなノイズが存在していると判断することができる。また、受信信号レベル最小値LVMINが所定の閾値以上である場合にも、利用可能とされた複数のワイヤレスチャンネルの全てについて、通信の障害になるほど信号レベルの大きなノイズが存在していると判断することができる。
【0132】
このステップS409の判断処理において、ワイヤレスチャンネルを特定する変数CHCDの値が0(ゼロ)ではなく、又は、受信信号レベル最小値LVMINの値が予め決められた閾値よりも大きくないと判断した場合には、制御の対象となっているRFユニットが通信に用いるワイヤレスチャンネルとして、変数CHCDにより特定されるワイヤレスチャンネル(選択ワイヤレスチャンネル)を設定(選択)し(ステップS410)、この図7に示す処理を終了する。
【0133】
ステップS409の判断処理において、ワイヤレスチャンネルを特定する変数CHCDの値が0(ゼロ)又は受信信号レベル最小値LVMINの値が予め決められた閾値よりも大きいと判断した場合には、上述もしたように、利用可能とされた複数のワイヤレスチャンネルの全てについて、他のワイヤレスLANシステムのRF信号が存在しているか、通信の障害になるほど信号レベルの大きなノイズが存在している状態にあるので、ステップS411からの処理を実行し、利用可能な複数のワイヤレスチャンネルの中でも受信信号レベルLVが最も低いワイヤレスチャンネルを選択する処理を行う。
【0134】
すなわち、制御部106は、受信信号レベル最小値LVMINに十分大きな値をセットする(ステップS411)。そして、制御部106は、利用可能な複数のワイヤレスチャンネルのそれぞれについて、ステップS412〜ステップS416までの処理を行う。この処理においても、上述もしたように、ワイヤレスチャンネル(M)における文字Mは、1〜ワイヤレスチャンネル総数の範囲の値となるものである。
【0135】
したがって、制御部106は、有効状態のRFユニットにおいて通信で用いるワイヤレスチャンネルの設定情報を参照し、現在、この処理の対象になっているチャンネル、すなわち、ワイヤレスチャンネル(M)は、有効状態のRFユニットにおいて、通信に用いられているワイヤレスチャンネルか否かを判断する(ステップS413)。
【0136】
ステップS413において、有効状態のRFユニットにおいて、通信に用いられているワイヤレスチャンネルではないと判断したときには、制御部106は、自己のRAMに記憶保持している当該ワイヤレスチャンネル(M)についての受信信号レベルLVを参照し、受信信号レベルLVが、受信信号レベル最小値LVMINより小さいか否かを判断する(ステップS414)。
【0137】
ステップS413において、有効状態のRFユニットにおいて、通信に用いられているワイヤレスチャンネルであると判断した場合、又は、ステップS414の判断処理において、受信信号レベルLVが、受信信号レベル最小値LVMINより小さくないと判断したときには、制御部106は、次のワイヤレスチャンネルについて、ステップS412〜ステップS416の処理を行うようにする。
【0138】
ステップS414の判断処理において、受信信号レベルLVが、受信信号レベル最小値LVMINより小さいと判断したときには、制御部106は、選択ワイヤレスチャンネルを特定するための変数CHCDに、現在の処理対象のワイヤレスチャンネル(M)を示す値Mをセットし、また、受信信号レベル最小値LVMINに、現在の処理対象のワイヤレスチャンネル(M)の受信信号レベルLVをセットする(ステップS415)。そして、次のワイヤレスチャンネルについて、ステップS412〜ステップS416の処理を行うようにする。
【0139】
利用可能なすべてのワイヤレスチャンネルについて、ステップS412〜ステップS416までの処理が終了した場合には、制御部106は、制御の対象となっているRFユニットが通信に用いるワイヤレスチャンネルとして、変数CHCDにより特定されるワイヤレスチャンネル(選択ワイヤレスチャンネル)を設定(選択)し(ステップS410)、この図7に示す処理を終了する。
【0140】
このように、最適ワイヤレスチャンネル候補検出処理は、待機状態にある各RFユニットにおいて、受信信号の検出・判別処理を行った後、制御部106はRAMなどのメモリに保持されている現在有効状態にあるRFユニットのアンテナで設定されているワイヤレスチャンネル以外の各ワイヤレスチャンネルについて、それぞれ復調判定信号ASを読み出して比較し、ワイヤレスLAN信号が受信されたワイヤレスチャンネルは選択候補から削除する。そして、残りのワイヤレスチャンネルのうち受信信号レベルLVが最も低いワイヤレスチャンネルを判別し、これを最適なワイヤレスチャンネルの候補CHCDとして当該RFユニットのワイヤレスチャンネルに設定するようにしている。
【0141】
なお、すべてのチャンネルにワイヤレスLAN信号が検出された場合には、または、前記判別処理で選択されたワイヤレスチャンネルの受信信号レベルLVがある閾値よりも大きい場合には、各チャンネルの受信信号レベルデータLVを用いて、現在有効状態にあるRF制御ユニット制御部のアンテナで設定されているワイヤレスチャンネル以外のすべてのワイヤレスチャンネルのうち受信信号レベルが最も低いワイヤレスチャンネルを判別し、これを最適なワイヤレスチャンネル候補CHCDとして当該RFユニットのワイヤレスチャンネルに設定するようにしている。
【0142】
また、設定完了後、設定された当該ワイヤレスチャンネル情報は、復調判定データASおよび受信信号レベルLVと共に、制御部106のRAMなどのメモリに保持される。アンテナのワイヤレスチャンネル設定は、制御部106が当該アンテナの周波数シンセサイザ部305に対して制御信号CTを供給し、周波数シンセサイザ部305から周波数変換部302に供給するRFローカル信号RFRを固定することで行うようにしている。
【0143】
[RFユニット切替判定および切替処理]
次に、図4に示した処理のステップS122において実行されるRFユニット切替判定および切替処理について説明する。図8は、図4に示したステップS122において実行されるRFユニット切替判定および切替処理を説明するためのフローチャートである。この図8に示す処理は、2系統用意されているRFユニット104、105を切り替えることにより、通信に用いるワイヤレスチャンネルを切り替えて、常時、状態のよいワイヤレスチャンネルを通じて通信を行うことができるようにするための最終段階の処理である。
【0144】
まず、制御部106は、自己のメモリに記憶保持している、各ワイヤレスチャンネルについての設定状態やその他の情報を参照し、現在、有効状態とされているRFユニットにおいて通信に用いるチャンネルとして選択されているワイヤレスチャンネルCHに、他のワイヤレスLAN信号が存在するか否かを判断する(ステップS501)。
【0145】
ステップS501の判断処理において、他のワイヤレスLAN信号が存在しないと判断したときには、当該ワイヤレスチャンネルCHの受信信号レベルLVが予め決められた閾値より小さいか否かを判断する(ステップS502)。ステップS502の判断処理において、通信に用いられるように選択されている当該ワイヤレスチャンネルCHに閾値より大きな信号も存在しないと判断したときには、通信に用いるワイヤレスチャンネルを変更スル必要はないので、この図8に示す処理を終了する。
【0146】
ステップS501の判断処理において、通信に用いるように選択した当該ワイヤレスチャンネルCHに他のワイヤレスLAN信号が存在する判断した場合、または、ステップS502の判断処理において、通信に用いるように選択した当該ワイヤレスチャンネルCHに閾値よりも大きなレベルの信号(ノイズ)が存在すると判断した場合には、制御部106は、通信に用いるワイヤレスチャンネルの候補としたワイヤレスチャンネルCHCDに、他のワイヤレスLAN信号が存在するか否かを判断する(ステップS503)。
【0147】
ステップS503の判断処理において、候補の当該ワイヤレスチャンネルCHCDに他のワイヤレスLAN信号が存在すると判断したときには、制御部106は、候補の当該ワイヤレスチャンネルCHCDの信号の受信信号レベルが、通信に用いるチャンネルとして選択されているワイヤレスチャンネルCHの信号の受信信号レベルよりも低いか否かを判断する(ステップS504)。
【0148】
ステップS504の判断処理において、候補の当該ワイヤレスチャンネルCHCDの信号の受信信号レベルが、通信に用いるチャンネルとして既に選択されているワイヤレスチャンネルCHの信号の受信信号レベルよりも高い場合には、チャンネル変更をすることにより却って通信状態を悪化させてしまうので、何もせずにこの図8に示す処理を終了する。
【0149】
ステップS503の判断処理において、通信に用いるワイヤレスチャンネルの候補としたワイヤレスチャンネルCHCDに、他のワイヤレスLAN信号が存在しないと判断した場合、又は、ステップS504の判断処理において、候補の当該ワイヤレスチャンネルCHCDの信号の受信信号レベルが、通信に用いるチャンネルとして選択されているワイヤレスチャンネルCHの信号の受信信号レベルよりも低いと判断した場合には、制御部106は、有効状態とするRFユニットの切り替え処理を実行し(ステップS505)、この図8に示す処理を終了する。
【0150】
なお、ステップS505において実行される有効状態とするRFユニットの切り替え処理は、図8にも示したように、制御部106は、その時点において有効状態とされているRFユニットを制御し、端末装置201に対してワイヤレスLAN接続切断信号を送信して、接続していた通信回線を切断するようにする(ステップS601)。
【0151】
次に、その時点において、有効状態とされていたRFユニットを待機状態とするように設定し(ステップS602)、次に、待機上体のRFユニットであって、通信に用いるワイヤレスチャンネルの候補が設定されているRFユニットを有効状態となるように設定して(ステップS603)、有効状態のRFユニットの切り替え処理を終了する。
【0152】
これにより、端末装置201との間において通信回線が接続され、通信を行っている場合であっても、信号レベルの高いノイズの混入や他のワイヤレスLANシステムからの信号の混入などより、通信に用いているワイヤレスチャンネルの状態が悪くなった場合には、より通信に適したワイヤレスチャンネルを選択し、自動的に切り替えることができる。
【0153】
この場合、通信に最適なワイヤレスチャンネルの検索処理は、端末装置201との通信で用いているRFユニットとは別のRFユニットを通じて行うため、現状、接続されているワイヤレスチャンネルを切断することなく、常時、最適なワイヤレスチャンネルの検索を行うことができる。しかも、ワイヤレスチャンネルの切り替えは、上述したように、ベース装置101のRFユニットの切り替えとして行うので、通信が比較的に長時間にわたって中断してしまうなどの不都合を生じさせることなく、迅速な切り替えが可能となる。
【0154】
この図8に示した処理についてまとめる。図3、図4を用いて説明したように、この図8に示したRFユニット切替判定および切替処理の前段階においては、有効状態のRFユニットによる、端末装置201とのワイヤレスLAN接続に使用しているワイヤレスチャンネルにおける受信信号検出・判別処理、および待機状態のRFユニットによる最適なワイヤレスチャンネル候補検出処理があり、これらの結果がすべて制御部106のRAMなどに保持されている。
【0155】
このため、有効状態のRFユニットで通信に用いるチャンネルとして設定されているワイヤレスチャンネルCHにワイヤレスLAN信号が検出された場合には、別途選択される最適候補ワイヤレスチャンネルCHCDにワイヤレスLAN信号が検出されなければ直ちに有効状態RFユニット切替処理を行いう。
【0156】
また、最適候補ワイヤレスチャンネルCHCDにもワイヤレスLAN信号が検出されていれば、ワイヤレスチャンネルCHおよび最適候補ワイヤレスチャンネルCHCDで得られたそれぞれの受信信号レベルLVの比較を行って最適候補ワイヤレスチャンネルCHCDの受信信号レベルが低ければ有効状態RFユニット切替処理を行う。
【0157】
通信に用いるチャンネルとして設定されているワイヤレスチャンネルCHで得られた受信信号レベルの方が低ければ有効状態RFユニット切替処理を行わず処理を終了する。また、ワイヤレスチャンネルCHにワイヤレスLAN信号が検出されなかった場合、ワイヤレスチャンネルCHで得られた受信信号レベルとある閾値を比較し、閾値よりも小さければ有効状態RFユニット制御部切替処理を行わず処理を終了するが、閾値よりも大きければ上述したように、最適候補ワイヤレスチャンネルCHCDの受信信号レベルとの比較・判定を行うことなる。
【0158】
そして、ベース装置101の有効状態RFユニット切替処理は、図8のステップS503に示したように、ワイヤレスLAN接続の切断→有効状態RFユニットの待機状態への変更→待機状態RFユニットの有効状態への変更というように行われることになる。この切替処理は、図8に示したように,まず、有効状態RFユニットのアンテナを通じて端末装置201に対してワイヤレスLAN接続を明示的に切断する信号(DISASSOCIATEフレーム)を送信して端末装置201とのワイヤレスLAN接続を切断し、当該RFユニットを待機状態に設定する。
【0159】
次に,それまで待機状態にあったRFユニットを有効状態に設定する。このとき新たに有効状態となったRFユニット制御部のアンテナを通じて送信されるビーコン信号に含まれるワイヤレスネットワークを識別するためのESSID(Extended Service Set Identifier)は、それまで有効状態であったRFユニットのアンテナを通じて送信されていたビーコン信号に含まれるESSIDと同一のものを使用する。
【0160】
通常、ワイヤレスLANシステムの端末装置は、アクセスポイントであるベース装置とのワイヤレスLAN接続が切断されると、当該ワイヤレスLAN接続のESSIDを含むビーコン信号を使用可能なワイヤレスチャンネルをスキャンすることで検索を行う。したがって、端末装置201は、ベース装置101とのワイヤレスLAN接続が切断された後、ベース装置101の新たに有効状態となったRFユニットのアンテナを通じて送信されるビーコン信号を迅速に発見することができる。したがって、当該アンテナを通じて新たに有効状態とされたRFユニットを通じてワイヤレスLANの接続を行うことができる。
【0161】
すなわち、ワイヤレスLANシステムにおいて、一度切断した通信回線を、迅速に別のワイヤレスチャンネルを通じて回復することができるようにされる。換言すれば、ベース装置101のワイヤレスLAN接続で使用可能な有効状態RFユニットおよびアンテナを切り替えることで、見かけ上端末装置201とのワイヤレスLAN接続に使用するワイヤレスチャンネルの切り替えを行うようにすることができる。
【0162】
この場合、ベース装置101では使用する(有効状態とする)RFユニットおよびアンテナの切り替えを行うのみであり、これは実際には有効状態RFユニットを待機状態に、待機状態RFユニットを有効状態に設定するという処理だけで済むことから、一般に数秒オーダの時間を要するワイヤレスLANシステムの再起動処理を行う必要がない。これにより従来技術のような使用ワイヤレスチャンネルの切り替えよりも高速にワイヤレスチャンネルを切り替えることが可能となる。
【0163】
このように、この実施の形態においては、アクセスポイントであるベース装置と1つ以上のステーション端末装置とがワイヤレスLAN接続されてデータ送受信を行っているワイヤレスLANシステムにおいて、データ送受信を行いながら同時に他のワイヤレスLANシステムが送出する電波の影響がないクリアなワイヤレスチャンネルを効率良く発見し,他のワイヤレスLANシステムとの電波混信によるデータ送受信の安定性低下を防止することができるようにしている。
【0164】
また、RFユニットの切り替えによって、用いるワイヤレスチャンネルの切り替えを行うようにすることにより、ワイヤレスLANシステムのワイヤレスチャンネル切替処理を高速化し,ベース装置およびステーション端末装置間で生じるデータ送受信の一時停止時間を短縮することでユーザーの利便性を向上することができるようにしている。
【0165】
そして、上述の説明からわかるように、この実施の形態においては、ワイヤレスLANシステムのベース装置自身がステーション端末装置とワイヤレスLAN接続を確立しているか否かに関わらず常に他のワイヤレスLAN機器による信号や一定の出力レベル以上のワイヤレスLAN以外の信号を妨害信号として認識することができる。
【0166】
また、前記妨害信号を検知後使用可能なワイヤレスチャンネルの中から自動で通信に最も適するワイヤレスチャンネルを選択し,そのワイヤレスチャンネルへ切り替えることができる。
【0167】
以上により、この発明によるワイヤレスLANシステムの使用者は使用環境の電波状況を意識することなく常に最適なワイヤレスチャンネルで通信することが可能であるのと同時に、他のワイヤレスLANシステムやワイヤレスLAN以外の信号が存在するワイヤレスチャンネルを積極的に回避することで混信を低減することができ、周辺ワイヤレス環境の使用効率を向上させることができることがわかる。
【0168】
また、この発明によって、ワイヤレスLANシステムのベース装置およびステーション端末装置がワイヤレスLAN接続している際のワイヤレスチャンネル切り替え処理が従来技術と比較して高速化され、これによりワイヤレスチャンネル切り替え中のベース装置およびステーション端末装置間のデータ送受信停止時間を短縮することが可能であり、使用者の利便性を向上させることができる。
【0169】
なお、上述した実施の形態においては、無線ユニットの機能はRFユニットが実現している。そして、無線ユニットにおける通信手段は主にRF送受信部301が実現し、選局手段は主に周波数シンセサイザ部305が実現し、検出手段は受信信号レベル検出部306が実現し、判別手段は復調データ判定部307が実現し、ユニット設定手段、チャンネル設定手段、候補チャンネル設定手段、切り替え制御手段は主に制御部106が実現し、状態検出手段と、検索手段とは、受信信号レベル検出部306と、復調データ判定部307と、制御手段とが協働して実現するようにしている。
【0170】
[他の例]
上述した実施の形態においては、ベース装置101におけるRFユニットと切り替えのみによりワイヤレスチャンネルの切り替えを実現するようにし、端末装置側においては、なんらの機能の変更や追加の必要がないものとして説明した。しかし、RFユニットの切り替えにより迅速に端末装置が対応できるようにするために、例えば、RFユニットの切り替えに先立ち、新たに用いるワイヤレスチャンネルを特定する情報を端末装置201に通知し、端末装置201側において、新たなワイヤレスチャンネルのサーチ(検索)処理を行うことなくワイヤレスチャンネルの切り替えを実現するようにすることも可能である。
【0171】
この場合、端末装置201側において、ベース装置101側からの新たなワイヤレスチャンネルを通知する情報を受信したときには、ワイヤレスチャンネルのサーチ処理を行うことなく通知されたワイヤレスチャンネルに切り替えるようにする処理プログラムを追加するだけで対応することが可能である。
【0172】
また、上述した実施の形態においては、RFユニットが2つの場合を例にして説明したが、これに限るものではない。RFユニットを2つ以上の複数個設け、これを順次に切り替えて用いるようにすることも可能である。また、近年においては、異なるLAN通信プロトコルに対応するため、異なるプロトコルに対応する2つのRFユニットを用いることも考えられている。
【0173】
このような場合において、異なるプロトコル毎に1つのRFユニットを備えるのではなく、上述した実施の形態にように、異なるプロトコル毎に、複数のRFユニットを用意するようにし、有効状態のRFユニットと待機状態のRFユニットとを切り替えて用いるようにすることによって、複数のプロトコルに対応する必要のあるベース装置においても、この発明を適用することができる。
【0174】
また、上述した実施の形態においては、ベース装置101と接続可能な端末装置が1台だけの場合を例にして説明したが、これに限るものではない。端末装置が複数台存在するワイヤレスLANシステムにもこの発明を適用することが可能である。
【0175】
また、上述した実施の形態においては、ベース装置101や端末装置201は、例えば、ノートパソコンに装填されるワイヤレスLANカードや、ワイヤレスLANシステムに接続されるパーソナルコンピュータなどの各種電子機器に内蔵されるワイヤレスLANモジュール部分に相当するものとして説明した。しかしこれに限るものではない。
【0176】
近年においては、ベース装置とモニタ装置とをワイヤレスLANにより接続することも行われている。この場合、ベース装置は、テレビ放送の受信機能やインターネットへの接続機能、さらには、VTR(Video Tape Recorder)やDVD(Digital Versatile Disc)プレーヤなどの外部機器の接続機能を備え、受信したテレビ放送信号やインターネットを通じて得た情報、外部機器からのAV(Audio/Visual)データなどの画像情報や音声情報などをLAN信号として送出することができるものである。また、この場合のモニタ装置は、当該ベース装置からのLAN信号を受信して処理し、画像情報については自機が備えるLCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置に表示し、音声情報については自機が備えるスピーカなどから放音したりすることが可能なものである。
【0177】
このような、ベース装置と端末装置として位置付けられるモニタ装置とをワイヤレスLANによって接続する場合においてもこの発明を適用することができる。特に、この場合、テレビ放送番組やDVDに記録された映画コンテンツなど、動画像情報と音声情報とからなるいわゆるAVデータが送受の対象データであり、通信環境が急に変化しても、動画像情報や音声情報を途切れることなく送受することができるので、適用して有効な技術であるといえる。
【0178】
したがって、この発明は、ワイヤレスLANシステムを構成し、アクセスポイントとしてのベース装置として機能する種々の電子機器に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0179】
【図1】この発明の一実施の形態が適用されたベース装置を用いて構成したワイヤレスLANシステム(無線LANシステム)の一例を説明するためのブロック図である。
【図2】ベース装置101のRFユニット104、105の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】ベース装置101において行われる処理の全体を説明するためのフローチャートである。
【図4】図3に続くフローチャートである。
【図5】受信信号検出・判別処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】最適なワイヤレスチャンネル選択処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】最適なワイヤレスチャンネル候補検出処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】RFユニット切替判定および切替処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】従来のワイヤレスLANシステムの一例を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
【0180】
100…ワイヤレスLANシステム、101…ベース装置、102、103…アンテナ、104、105…RFユニット、106…制御部、301…RF送受信部、302…周波数変換部、303…変復調部、304…信号処理部、305…周波数シンセサイザ部、306…受信信号レベル検出部、307…復調データ判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信チャンネルを通じて端末装置との間で通信を行うための通信手段と、
前記通信手段が用いる前記無線通信チャンネルの選局を行うようにする選局手段と、
前記通信手段を通じて受信したノイズ信号の受信レベルを検出する検出手段と、
前記受信手段を通じて受信した信号が他のシステムの無線LAN信号か否かを判別する判別手段と
を有する少なくとも2つ以上の無線ユニットと、
起動時において、前記2つ以上の無線ユニットの内の1つを前記端末装置との通信用の無線ユニットに設定し、他の1つを最適な無線通信チャンネルの検索用の無線ユニットに設定するユニット設定手段と、
前記通信用の無線ユニットについて、通信に用いる無線通信チャンネルを選択し設定するチャンネル設定手段と、
前記通信用の無線ユニットを用いて前記端末装置との間で通信回線を接続した後において、所定のタイミング毎に、前記通信用の無線ユニットの前記検出手段からの検出出力と前記判別手段からの判別出力とに基づいて、通信に用いている無線通信チャンネルの通信状態を検出する状態検出手段と、
前記通信用の無線ユニットを用いて前記端末装置との間で通信回線を接続した後において、前記所定のタイミング毎に、前記検索用の無線ユニットにおいて、前記選局手段を制御して通信に用いている無線通信チャンネル以外の利用可能な無線通信チャンネルを変更しながら、前記検出手段からの検出出力と前記判別手段からの判別出力とに基づいて、最適な無線通信チャンネルを検索する検索手段と、
前記検索用の無線ユニットについて、前記検索手段により検索された前記最適な無線通信チャンネルを通信に用いる無線通信チャンネルの候補として設定する候補チャンネル設定手段と、
前記検索手段によって検索された前記候補としての無線通信チャンネルの方が、既に通信に用いられている無線通信チャンネルよりも通信状態が良好である場合に、前記通信用の無線ユニットに代えて、前記検索用の無線ユニットを端末装置との通信用の無線ユニットに切り替えるとともに、新たに通信用の無線ユニット以外の無線ユニットを最適な無線通信チャンネルの検索用の無線ユニットに切り替える切り替え制御手段と
を備えることを特徴とするワイヤレスLANシステムのベース装置。
【請求項2】
無線通信チャンネルを通じて端末装置との間で通信を行うための通信手段と、前記通信手段が用いる前記無線通信チャンネルの選局を行うようにする選局手段と、前記通信手段を通じて受信したノイズ信号の受信レベルを検出する検出手段と、前記受信手段を通じて受信した信号が他のシステムの無線LAN信号か否かを判別する判別手段とを有する少なくとも2つ以上の無線ユニットを用いた無線通信チャンネルの切り替え方法であって、
起動時において、前記2つ以上の無線ユニットの内の1つを前記端末装置との通信用の無線ユニットに設定するとともに、他の1つを最適な無線通信チャンネルの検索用の無線ユニットに設定し、
前記通信用の無線ユニットについて、通信に用いる無線通信チャンネルを選択して設定し、
前記通信用の無線ユニットを用いて前記端末装置との間で通信回線を接続した後において、所定のタイミング毎に、前記通信用の無線ユニットの前記検出手段からの検出出力と前記判別手段からの判別出力とに基づいて、通信に用いている無線通信チャンネルの通信状態を検出し、
前記通信用の無線ユニットを用いて前記端末装置との間で通信回線を接続した後において、前記所定のタイミング毎に、前記検索用の無線ユニットにおいて、前記選局手段を制御して通信に用いている無線通信チャンネル以外の利用可能な無線通信チャンネルを変更しながら、前記検出手段からの検出出力と前記判別手段からの判別出力とに基づいて、最適な無線通信チャンネルを検索し、
前記検索用の無線ユニットについて、前記検索手段により検索された前記最適な無線通信チャンネルを通信に用いる無線通信チャンネルの候補として設定し、
前記検索手段によって検索された前記候補としての無線通信チャンネルの方が、既に通信に用いられている無線通信チャンネルよりも通信状態が良好である場合に、前記通信用の無線ユニットに代えて、前記検索用の無線ユニットを端末装置との通信用の無線ユニットに切り替えるとともに、新たに通信用の無線ユニット以外の無線ユニットを最適な無線通信チャンネルの検索用の無線ユニットに切り替える
ことを特徴とする無線通信チャンネル切り替え方法。
【請求項3】
無線通信チャンネルを通じて端末装置との間で通信を行うための通信手段と、前記通信手段が用いる前記無線通信チャンネルの選局を行うようにする選局手段と、前記通信手段を通じて受信したノイズ信号の受信レベルを検出する検出手段と、前記受信手段を通じて受信した信号が他のシステムの無線LAN信号か否かを判別する判別手段とを有する少なくとも2つ以上の無線ユニットが搭載されたワイヤレスLANシステムのベース装置のコンピュータに、
起動時において、前記2つ以上の無線ユニットの内の1つを前記端末装置との通信用の無線ユニットに設定し、他の1つを最適な無線通信チャンネルの検索用の無線ユニットに設定するユニット設定ステップと、
前記通信用の無線ユニットについて、通信に用いる無線通信チャンネルを選択し設定するチャンネル設定ステップと、
前記通信用の無線ユニットを用いて前記端末装置との間で通信回線を接続した後において、所定のタイミング毎に、前記通信用の無線ユニットの前記検出手段からの検出出力と前記判別手段からの判別出力とに基づいて、通信に用いている無線通信チャンネルの通信状態を検出する状態検出ステップと、
前記通信用の無線ユニットを用いて前記端末装置との間で通信回線を接続した後において、前記所定のタイミング毎に、前記検索用の無線ユニットにおいて、前記選局手段を制御して通信に用いている無線通信チャンネル以外の利用可能な無線通信チャンネルを変更しながら、前記検出手段からの検出出力と前記判別手段からの判別出力とに基づいて、最適な無線通信チャンネルを検索する検索ステップと、
前記検索用の無線ユニットについて、前記検索手段により検索された前記最適な無線通信チャンネルを通信に用いる無線通信チャンネルの候補として設定する候補チャンネル設定ステップと、
前記検索手段によって検索された前記候補としての無線通信チャンネルの方が、既に通信に用いられている無線通信チャンネルよりも通信状態が良好である場合に、前記通信用の無線ユニットに代えて、前記検索用の無線ユニットを端末装置との通信用の無線ユニットに切り替えるとともに、新たに通信用の無線ユニット以外の無線ユニットを最適な無線通信チャンネルの検索用の無線ユニットに切り替える切り替え制御ステップと
を実行させることを特徴とする無線通信チャンネル切り替えプログラム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信チャンネルを通じて端末装置との間で通信を行うための通信手段と、
前記通信手段が用いる前記無線通信チャンネルの選局を行うようにする選局手段と、
前記通信手段を通じて受信したノイズ信号の受信レベルを検出する検出手段と、
前記通信手段を通じて受信した信号が他のシステムの無線LAN信号か否かを判別する判別手段と
を有する少なくとも2つ以上の無線ユニットと、
起動時において、前記2つ以上の無線ユニットの内の1つを前記端末装置との通信用の無線ユニットに設定し、他の1つを最適な無線通信チャンネルの検索用の無線ユニットに設定するユニット設定手段と、
前記通信用の無線ユニットについて、通信に用いる無線通信チャンネルを選択し設定するチャンネル設定手段と、
前記通信用の無線ユニットを用いて前記端末装置との間で通信回線を接続した後において、所定のタイミング毎に、前記通信用の無線ユニットの前記検出手段からの検出出力と前記判別手段からの判別出力とに基づいて、通信に用いている無線通信チャンネルの通信状態を検出する状態検出手段と、
前記通信用の無線ユニットを用いて前記端末装置との間で通信回線を接続した後において、前記所定のタイミング毎に、前記検索用の無線ユニットにおいて、前記選局手段を制御して通信に用いている無線通信チャンネル以外の利用可能な無線通信チャンネルを変更しながら、前記検出手段からの検出出力と前記判別手段からの判別出力とに基づいて、最適な無線通信チャンネルを検索する検索手段と、
前記検索用の無線ユニットについて、前記検索手段により検索された前記最適な無線通信チャンネルを通信に用いる無線通信チャンネルの候補として設定する候補チャンネル設定手段と、
前記検索手段によって検索された前記候補としての無線通信チャンネルの方が、既に通信に用いられている無線通信チャンネルよりも通信状態が良好である場合に、前記通信用の無線ユニットに代えて、前記検索用の無線ユニットを端末装置との通信用の無線ユニットに切り替えるとともに、新たに通信用の無線ユニット以外の無線ユニットを最適な無線通信チャンネルの検索用の無線ユニットに切り替える切り替え制御手段と
を備えることを特徴とするワイヤレスLANシステムのベース装置。
【請求項2】
ワイヤレスLANカード又はワイヤレスLANモジュールとして電子機器に内蔵されることを特徴とする請求項1に記載のワイヤレスLANシステムのベース装置。
【請求項3】
無線通信チャンネルを通じて端末装置との間で通信を行うための通信手段と、前記通信手段が用いる前記無線通信チャンネルの選局を行うようにする選局手段と、前記通信手段を通じて受信したノイズ信号の受信レベルを検出する検出手段と、前記通信手段を通じて受信した信号が他のシステムの無線LAN信号か否かを判別する判別手段とを有する少なくとも2つ以上の無線ユニットを用いた無線通信チャンネルの切り替え方法であって、
起動時において、前記2つ以上の無線ユニットの内の1つを前記端末装置との通信用の無線ユニットに設定するとともに、他の1つを最適な無線通信チャンネルの検索用の無線ユニットに設定し、
前記通信用の無線ユニットについて、通信に用いる無線通信チャンネルを選択して設定し、
前記通信用の無線ユニットを用いて前記端末装置との間で通信回線を接続した後において、所定のタイミング毎に、前記通信用の無線ユニットの前記検出手段からの検出出力と前記判別手段からの判別出力とに基づいて、通信に用いている無線通信チャンネルの通信状態を検出し、
前記通信用の無線ユニットを用いて前記端末装置との間で通信回線を接続した後において、前記所定のタイミング毎に、前記検索用の無線ユニットにおいて、前記選局手段を制御して通信に用いている無線通信チャンネル以外の利用可能な無線通信チャンネルを変更しながら、前記検出手段からの検出出力と前記判別手段からの判別出力とに基づいて、最適な無線通信チャンネルを検索し、
前記検索用の無線ユニットについて、前記検索手段により検索された前記最適な無線通信チャンネルを通信に用いる無線通信チャンネルの候補として設定し、
前記検索手段によって検索された前記候補としての無線通信チャンネルの方が、既に通信に用いられている無線通信チャンネルよりも通信状態が良好である場合に、前記通信用の無線ユニットに代えて、前記検索用の無線ユニットを端末装置との通信用の無線ユニットに切り替えるとともに、新たに通信用の無線ユニット以外の無線ユニットを最適な無線通信チャンネルの検索用の無線ユニットに切り替える
ことを特徴とする無線通信チャンネル切り替え方法。
【請求項4】
無線通信チャンネルを通じて端末装置との間で通信を行うための通信手段と、前記通信手段が用いる前記無線通信チャンネルの選局を行うようにする選局手段と、前記通信手段を通じて受信したノイズ信号の受信レベルを検出する検出手段と、前記通信手段を通じて受信した信号が他のシステムの無線LAN信号か否かを判別する判別手段とを有する少なくとも2つ以上の無線ユニットが搭載されたワイヤレスLANシステムのベース装置のコンピュータに、
起動時において、前記2つ以上の無線ユニットの内の1つを前記端末装置との通信用の無線ユニットに設定し、他の1つを最適な無線通信チャンネルの検索用の無線ユニットに設定するユニット設定ステップと、
前記通信用の無線ユニットについて、通信に用いる無線通信チャンネルを選択し設定するチャンネル設定ステップと、
前記通信用の無線ユニットを用いて前記端末装置との間で通信回線を接続した後において、所定のタイミング毎に、前記通信用の無線ユニットの前記検出手段からの検出出力と前記判別手段からの判別出力とに基づいて、通信に用いている無線通信チャンネルの通信状態を検出する状態検出ステップと、
前記通信用の無線ユニットを用いて前記端末装置との間で通信回線を接続した後において、前記所定のタイミング毎に、前記検索用の無線ユニットにおいて、前記選局手段を制御して通信に用いている無線通信チャンネル以外の利用可能な無線通信チャンネルを変更しながら、前記検出手段からの検出出力と前記判別手段からの判別出力とに基づいて、最適な無線通信チャンネルを検索する検索ステップと、
前記検索用の無線ユニットについて、前記検索手段により検索された前記最適な無線通信チャンネルを通信に用いる無線通信チャンネルの候補として設定する候補チャンネル設定ステップと、
前記検索手段によって検索された前記候補としての無線通信チャンネルの方が、既に通信に用いられている無線通信チャンネルよりも通信状態が良好である場合に、前記通信用の無線ユニットに代えて、前記検索用の無線ユニットを端末装置との通信用の無線ユニットに切り替えるとともに、新たに通信用の無線ユニット以外の無線ユニットを最適な無線通信チャンネルの検索用の無線ユニットに切り替える切り替え制御ステップと
を実行させることを特徴とする無線通信チャンネル切り替えプログラム。
【請求項5】
無線通信チャンネルを通じて端末装置との間で通信を行うための通信手段と、前記通信手段が用いる前記無線通信チャンネルの選局を行うようにする選局手段と、前記通信手段を通じて受信したノイズ信号の受信レベルを検出する検出手段と、前記通信手段を通じて受信した信号が他のシステムの無線LAN信号か否かを判別する判別手段とを有する少なくとも2つ以上の無線ユニットが搭載されたワイヤレスLANシステムのベース装置のコンピュータに、
起動時において、前記2つ以上の無線ユニットの内の1つを前記端末装置との通信用の無線ユニットに設定し、他の1つを最適な無線通信チャンネルの検索用の無線ユニットに設定するユニット設定ステップと、
前記通信用の無線ユニットについて、通信に用いる無線通信チャンネルを選択し設定するチャンネル設定ステップと、
前記通信用の無線ユニットを用いて前記端末装置との間で通信回線を接続した後において、所定のタイミング毎に、前記通信用の無線ユニットの前記検出手段からの検出出力と前記判別手段からの判別出力とに基づいて、通信に用いている無線通信チャンネルの通信状態を検出する状態検出ステップと、
前記通信用の無線ユニットを用いて前記端末装置との間で通信回線を接続した後において、前記所定のタイミング毎に、前記検索用の無線ユニットにおいて、前記選局手段を制御して通信に用いている無線通信チャンネル以外の利用可能な無線通信チャンネルを変更しながら、前記検出手段からの検出出力と前記判別手段からの判別出力とに基づいて、最適な無線通信チャンネルを検索する検索ステップと、
前記検索用の無線ユニットについて、前記検索手段により検索された前記最適な無線通信チャンネルを通信に用いる無線通信チャンネルの候補として設定する候補チャンネル設定ステップと、
前記検索手段によって検索された前記候補としての無線通信チャンネルの方が、既に通信に用いられている無線通信チャンネルよりも通信状態が良好である場合に、前記通信用の無線ユニットに代えて、前記検索用の無線ユニットを端末装置との通信用の無線ユニットに切り替えるとともに、新たに通信用の無線ユニット以外の無線ユニットを最適な無線通信チャンネルの検索用の無線ユニットに切り替える切り替え制御ステップと
を含むことをことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な無線通信チャンネル切り替えプログラムが記録された記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−345193(P2006−345193A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−168536(P2005−168536)
【出願日】平成17年6月8日(2005.6.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】