説明

ホットスポット装置

ホットスポット装置は、組込み型処理モジュール、ネットワーク接続モジュール、端末接続モジュールを含む。組込み型処理モジュールはネットワーク接続モジュールをインターネットに接続するように制御し、ネットワーク接続モジュールを端末接続モジュールと通信するように制御する。端末接続モジュールはSTAチップ、第1のアンテナを含む。STAチップは組込み型処理モジュールによってネットワーク接続モジュールを介してインターネットから取得されたデータ情報を組込み型処理モジュールから受信し、データ情報を処理し、第1のアンテナを介して特定のエリア内にデータ情報を放射し、第1のアンテナからWLAN機器によって放射されたデータ情報を受信し、データ情報を処理し、処理されたデータ情報を組込み型処理モジュールに入力し、処理されたデータ情報を組込み型処理モジュール及びネットワーク接続モジュールを介してインターネットに送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術の分野に関し、より詳細には、ホットスポット装置に関する。
【0002】
本願は、2009年5月12日に出願した中国特許出願第200910141039.4号の優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
科学が進歩し続けていることにより、インターネットは、人々にとって不可欠な情報通信プラットフォームのうちの1つになっている。
【0004】
ホットスポット装置は、特定のエリア内でインターネットの無線信号到達範囲を実現できる電子装置である。インターネットの無線信号到達範囲が実現されるエリアでは、携帯電話、パームトップコンピュータおよびノート型コンピュータなど、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN: wireless local area network)機器(WLANハンドヘルド機器とも呼ばれる)は、ホットスポット装置と通信することができ、ホットスポット装置を介してインターネットに接続可能であり、それによってインターネットアクセス機能が実現される。
【0005】
現在、一般的なホットスポット装置は主として、図1に示されるような無線ルーティングゲートウェイ1であり、この無線ルーティングゲートウェイは、ネットワーク接続モジュールと、ルータチップと、端末接続モジュールと、外部電源とを含む。ルータチップは、コンピュータ2などの外部情報処理装置がインターネットに接続されるように、ネットワーク接続モジュールを、ネットワークケーブル3(ブロードバンド)を介してインターネットに接続するように制御し、端末接続モジュールを、コンピュータ2などの外部情報処理装置と通信するように制御できる。外部電源は、外部電源アダプタ4を介してネットワーク接続モジュール、ルータチップおよび端末接続モジュールに電気エネルギーを供給する。
【0006】
ホットスポット装置は、図1に示されたように、ネットワークケーブル3を介してコンピュータ2などの外部情報処理装置に接続されてよく、無線信号到達エリア内の他のコンピュータ2がホットスポット装置を介してインターネットに接続されるように、端末接続モジュールを介して特定のエリア内でインターネットの無線信号到達範囲を実現することもできる。
【0007】
無線ルーティングゲートウェイは通常、インターネットをサーフィンするユーザに近い位置で固定配置される。インターネットに接続された無線ルーティングゲートウェイは、インターネットをサーフィンするユーザによって必要とされるエリア内でインターネットの無線信号到達範囲を実現することができる。無線ルーティングゲートウェイから10メートルから100メートル離れた範囲で、ユーザは、インターネットにアクセスするために、無線信号をサポートするノート型コンピュータまたは携帯情報端末(PDA: personal digital assistant)をエリア内にもって行き、インターネットに接続する必要があるにすぎない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実現において、発明者は、従来技術のホットスポット装置は、特定のエリア内でインターネットの無線信号到達範囲をある程度までは実現可能であるが、少なくとも以下の問題が存在すると考える。
【0009】
従来技術のルータチップが比較的高い電力消費および大きい体積を有するので、無線ルーティングゲートウェイは、通常、外部電源を必要とし、従って、インターネットをサーフィンするユーザに近い位置に固定的に配置できるのみであり、かつ、従来技術のルータチップは比較的高コストである。
【0010】
本発明は、従来技術のホットスポット装置に採用されたルータチップが比較的高い電力消費、比較的大きい体積および比較的高いコストを有するという技術的な問題を解決できるホットスポット装置を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の技術的解決策を提供する。
【0012】
ホットスポット装置が提供され、このホットスポット装置は、組込み型処理モジュールと、ネットワーク接続モジュールと、端末接続モジュールとを含む。
【0013】
組込み型処理モジュールは、ネットワーク接続モジュールをインターネットに接続するように制御し、ネットワーク接続モジュールを端末接続モジュールと通信するように制御するように構成される。
【0014】
端末接続モジュールは、局(STA: station)チップと、第1のアンテナとを含む。
【0015】
STAチップは、特定のエリア内でインターネットの無線信号到達範囲を実現するために、組込み型処理モジュールによってネットワーク接続モジュールを介してインターネットから取得されたデータ情報を組込み型処理モジュールから受信し、データ情報を処理し、第1のアンテナを介して特定のエリア内でデータ情報を放射するように構成される。
【0016】
STAチップはさらに、第1のアンテナから無線信号到達範囲のエリア内で無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)機器によって放射された無線信号形式のデータ情報を受信し、データ情報を処理し、処理されたデータ情報を組込み型処理モジュールに入力し、処理されたデータ情報を組込み型処理モジュールおよびネットワーク接続モジュールを介してインターネットに送信するように構成される。
【0017】
従来技術と比べて、本発明で提供された技術的解決策は、下記の技術的効果を有する。
【0018】
本発明では、組込み型処理モジュールおよびSTAチップは、従来技術のルータチップの機能を実現するために採用される。組込み型処理モジュールおよびSTAチップは、比較的低いコストおよびかなり小さい体積を有する。さらに、従来技術のホットスポット装置に採用されたルータチップが比較的高い電力消費、比較的大きい体積および比較的高いコストを有するという技術的問題を解決するために、この組込み型処理モジュールおよびSTAチップは、低い電力消費を有し、電力を節約するという利点をも有する。
【0019】
一方、本発明は上記利点を有するので、ホットスポット装置の携帯性が向上するように、本発明によるホットスポット装置に電気エネルギーを供給するために、携帯型電源を採用することもできる。
【0020】
本発明の実施形態による、または従来技術の技術的解決策をより明確に示すために、諸実施形態または従来技術について表すための添付の図面について、下記に簡潔に述べる。明らかに、下記の説明において添付の図面は、本明細書の一部の実施形態にすぎず、創造的な取組みなしに当業者には、添付の図面から他の図面が導出されよう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来技術のホットスポット装置とコンピュータとWLAN機器との間の接続関係を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施形態によるホットスポット装置の内部構造を示す概略図である。
【図3】本発明の一実施形態によるホットスポット装置の実装のやり方を示す概略図である。
【図4】本発明の一実施形態によるホットスポット装置の別の実装のやり方を示す概略図である。
【図5】主制御モジュール内のすべてのモジュールの接続関係、前記諸モジュールと、本発明の一実施形態によるホットスポット装置内の無線ネットワーク接続モジュール、端末接続モジュールおよび外部情報処理装置との間の接続関係を示す概略図である。
【図6】本発明の一実施形態によるホットスポット装置がWLAN機器間の通信だけをサポートする場合の、動作状態のすべての内部モジュールを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の技術的解決策について、添付の図面を参照して下記に明確かつ十分に述べる。述べられる諸実施形態は、本発明の実施形態のすべてではなく一部にすぎないことは明らかである。創造的な取組みなしに、本明細書中の諸実施形態に基づいて当業者によって得られる他のすべて実施形態は、本発明の保護の範囲に含まれるものである。
【0023】
本発明は、いつでもどこでもインターネットをサーフィンするユーザによって必要とされるエリア内で無線信号到達範囲を実現できる携帯型かつ電力節約型のホットスポット装置を提供する。
【0024】
図2および図3を参照すると、本発明の一実施形態によるホットスポット装置が、組込み型処理モジュール5と、ネットワーク接続モジュール6と、端末接続モジュール7とを含んでいる。
【0025】
組込み型処理モジュール5は、ネットワーク接続モジュール6をインターネット8に接続するように制御し、ネットワーク接続モジュール6を端末接続モジュール7と通信するように制御するように構成される。
【0026】
端末接続モジュール7は、STAチップ71と、第1のアンテナ72とを含む。
【0027】
STAチップ71は、特定のエリア内でインターネット8の無線信号到達範囲を実現するために、組込み型処理モジュール5によってネットワーク接続モジュール6を介してインターネット8から取得されたデータ情報を組込み型処理モジュール5から受信し、データ情報を処理し、第1のアンテナ72を介して特定のエリア内で、処理されたデータ情報を放射するように構成される。
【0028】
STAチップ71はさらに、第1のアンテナ72から無線信号到達範囲のエリア内で無線ローカルエリアネットワークWLAN機器11によって放射された無線信号形式のデータ情報を受信し、データ情報を処理し、処理されたデータ情報を組込み型処理モジュール5に入力し、組込み型処理モジュール5およびネットワーク接続モジュール6を介してインターネット8にデータ情報を送信するように構成される。
【0029】
本発明では、組込み型処理モジュール5およびSTAチップ71は、従来技術のルータチップの機能を実現するために採用される。従来技術のホットスポット装置に採用されたルータチップが高い電力消費、大きい体積および高いコストを有するという技術的問題を解決するために、組込み型処理モジュール5およびSTAチップ71は、比較的低いコストおよびかなり小さい体積を有しており、電力消費が低く、電力を節約するという利点をも有する。
【0030】
一方、本発明の実施形態は上記利点を有するので、本発明によるホットスポット装置の携帯性を向上させるため、本発明によるホットスポット装置に電気エネルギーを供給するために携帯型電源12を採用することもできる。
【0031】
この実施形態では、組込み型処理モジュール5は、第3世代(3G: 3rd generation)ベースバンドチップであってよく、第1のアンテナ72はWLANアンテナであってよい。
【0032】
図6を参照すると、少なくとも2つのWLAN機器11が存在する。組込み型処理モジュールは、WLAN機器11間の通信を実現するために、端末接続モジュールを、WLAN機器11間でデータを送信するように制御するようにさらに構成される。WLAN機器11間の通信は、インターネット8なしに実現することができ、WLAN機器11間のデータ伝送は、端末接続モジュール7を介して直接実現することができる。
【0033】
ネットワーク接続モジュール6は、無線ネットワーク接続モジュール60および/または有線ネットワーク接続モジュールであってよい。
【0034】
無線ネットワーク接続モジュール60は、無線信号を介してインターネット基地局80と通信し、インターネット基地局80を介してインターネット8に接続するように構成される。
【0035】
有線ネットワーク接続モジュールは、ブロードバンドまたは電話回線を介してインターネット8に接続するように構成される。
【0036】
この実施形態では、ネットワーク接続モジュール6は、無線信号によってインターネット8に接続されてよく、ブロードバンドまたは電話回線を介してインターネット8に接続されてもよい。
【0037】
無線ネットワーク接続モジュール60は、無線チップ61と、第2のアンテナ62とを含む。
【0038】
第2のアンテナ62は、無線信号形式のデータ情報を放射または受信することによってインターネット基地局80と通信する。
【0039】
無線チップ61は、組込み型処理モジュール5からデータ情報を受信し、データ情報を処理し、第2のアンテナ62を介してインターネット基地局80にデータ情報を放射し、第2のアンテナ62からインターネット基地局80によって放射された無線信号形式のデータ情報を受信し、データ情報を処理し、処理されたデータ情報を組込み型処理モジュール5に入力するように構成される。
【0040】
無線チップ61は、無線システムの基盤である。無線チップ61は、データ情報を無線信号形式のデータ情報へと処理し、アンテナモジュール62を介してインターネット基地局80にデータ情報を放射できる。無線チップ61は、無線信号形式データ情報を、組込み型処理モジュール5によって識別可能な形式へと処理し、データ情報を組込み型処理モジュール5に入力することもできる。
【0041】
この実施形態では、第2のアンテナ62は、3Gアンテナであってよい。当業者に知られているように、3Gアンテナは、単純な周波数計画および所望のデータ送信能力を有する。
【0042】
ホットスポット装置はさらに、ソフトアクセスポイント(ソフトAP)ソフトウェアプログラムを格納するように構成された記憶モジュール14を含む。組込み型処理モジュール5は、記憶モジュール14内のソフトAPソフトウェアプログラムをSTAチップ71にロードし、ソフトAPソフトウェアプログラムを介してSTAチップ71を駆動するように構成される。従来技術のSTAチップ71は、複数個のWLAN機器11自体と通信できず、複数個のWLAN機器11の接続を同時にはサポートできない。本発明の実施形態では、ソフトAPソフトウェアは、STAチップ71がソフトAPソフトウェアプログラムを介して駆動されるように、STAチップ71にダウンロードまたはロードされる。STAチップ71が駆動された後、STAチップ71は、複数個のWLAN機器11と通信し、複数個のWLAN機器11の接続を同時にサポートできる。
【0043】
この実施形態では、記憶モジュール14は、マルチチップパッケージ(MCP: multi chip package)チップであってよい。MCPは、比較的高い整合性を有しており、フラッシュをランダムアクセスメモリ(RAM: random-access memory)と統合できる。
【0044】
図5を参照すると、組込み型処理モジュール5が、無線データ転送モジュール53と、ルーティングモジュール51と、共有メモリモジュール54とを含んでいる。
【0045】
共有メモリモジュール54は、無線データ転送モジュール53とルーティングモジュール51の間で交信されたデータを格納するように構成される。
【0046】
無線データ転送モジュール53は、共有メモリモジュール54を介して無線チップとルーティングモジュールの間でデータ転送経路を確立するように構成される。
【0047】
ルーティングモジュール51は、STAチップ71と通信するように構成されるだけでなく、共有メモリモジュール54を介して無線チップ61と通信するように構成される。
【0048】
この実施形態では、組込み型処理モジュール5は、デュアルコアチップであってよい。無線データ転送モジュール53およびルーティングモジュール51は、デュアルコアチップの2つの異なるプロセッサコア上に別々に配置されてよい。明らかに、この実施形態では、組込み型処理モジュール5は、シングルコアとすることもできる。
【0049】
共有メモリモジュール54は、仮想デュアルポートRAM型の共有メモリを採用してよい。仮想デュアルポートRAM型の共有メモリは、ソフトウェアを介して実現できる。ハードウェアを省くデュアルポートRAMは、コストが低くなる。明らかに、この実施形態では、共有メモリモジュール54は、ハードウェアデュアルポートRAMを採用することもできる。
【0050】
図5を参照すると、ルーティングモジュール51およびSTAチップ71は、セキュアデジタル入出力(SDIO: secure digital input output)インタフェース16を介して互いに通信する。SDIOインタフェース16は、SD規格に基づいて定義された周辺インタフェースである。SDIOインタフェース16は、より低い電力消費を有し、電力を節約する。明らかに、組込み型処理モジュール5およびSTAチップ71は、ユニバーサルシリアルバス(USB: universal serial bus)インタフェースまた他のデータ伝送インタフェースを介して互いに通信することもできる。
【0051】
ルーティングモジュール51は、低レベルドライバモジュール514と、インターネットプロトコル(IP)モジュール513と、ネットワークアドレス変換(NAT: network address translation)モジュール510と、ルート(route)モジュール520と、転送制御プロトコル(TCP: transfer control protocol)/ユーザデータグラムプロトコル(UDP: user datagram protocol)モジュール512と、ダイアルアップモジュール511と、共有メモリデータ送信モジュール50とを含む。
【0052】
低レベルドライバモジュール514は、IPモジュール513とSTAチップ71の間でデータを送信するための物理インタフェースを駆動するように構成される。
【0053】
IPモジュール513は、低レベルドライバモジュール514を介してSTAチップ71からデータを受信し、データをIPパッケージ形式にカプセル化し、IPパッケージをルートモジュール520に送信できる。あるいは、IPモジュール513は、ルートモジュール520からIPパッケージ形式のデータを取得し、低レベルドライバモジュール514によって識別可能な形式にデータを変換し、低レベルドライバモジュール514を介してSTAチップ71にデータを送信することもできる。
【0054】
NATモジュール510は、WLAN機器11のアドレスとインターネット8のアドレスの間の変換を実行するように構成される。
【0055】
ルートモジュール520は、IPモジュール513から受信したIPパッケージ形式のデータのルーティング構造によるIPパッケージ形式のデータのアドレスと、NATモジュール510によって割り当てられたアドレスとを照合し、データを転送する。
【0056】
TCP/UDPモジュール512は、STAチップ71と通信するWLAN機器11が必要とするデータを識別し、WLAN機器11に対応するデータ伝送アドレスを識別するためにNATモジュール510と協働するように構成される。
【0057】
ダイアルアップモジュール511は、ダイアルアップ方式でルートモジュール520とインターネット基地局80の間でデータ伝送路を確立するように構成される。
【0058】
共有メモリデータ送信モジュール50は、共有メモリモジュール54を介して無線データ転送モジュール53にデータ情報を送信し、共有メモリモジュール54を介して無線データ転送モジュール53からデータ情報を読み出し、ルートモジュール520にデータ情報を入力するように構成される。
【0059】
この実施形態では、共有メモリデータ送信モジュール50は、共有メモリデータ経路モジュール502と、制御モジュール501と、診断モジュール503とを含む。
【0060】
共有メモリデータ経路モジュール502は、共有メモリモジュール54とルートモジュール520の間でデータを送信するように構成される。
【0061】
制御モジュール501は、共有メモリデータ経路モジュール502上でデータ伝送路を確立し維持するように構成される。
【0062】
診断モジュール503は、共有メモリモジュール54から、無線データ転送モジュール53に関する情報を受信し、無線データ転送モジュール53が正常に働くかどうかテストし、USBモジュール519を介して外部情報処理装置13にテスト結果を送信するように構成される。
【0063】
外部情報処理装置13は、診断ソフトウェアで構成され、この診断ソフトウェアは、USBモジュール519から送信されたテストデータを読み出し、オペレータに通知するためにウィンドウ上にテストデータを表示するように構成される。
【0064】
本発明の実施形態によるホットスポット装置はさらに、USBモジュール519を含む。USBモジュール519は、プラグ差込みにより外部情報処理装置13に電気的に接続される。ルーティングモジュール51はさらに、USBモジュール519を介して外部情報処理装置13と通信するように構成される。USBモジュール519は、外部情報処理装置13とルーティングモジュール51の間でデータを送信できる。明らかに、この実施形態では、ルーティングモジュール51は、他のハードウェアを介して外部情報処理装置13に電気的に接続されてもよい。
【0065】
図4を共に参照すると、ホットスポット装置はさらに、電源管理モジュール9を含む。電源管理モジュール9は、ネットワーク接続モジュール6、組込み型処理モジュール5および端末接続モジュール7に適した電圧および/または電流の電力エネルギーを供給するように電源12を制御するように構成される。
【0066】
電源12は、携帯型電源とすることができ、好ましくは充電式電池である。電源管理モジュール9はさらに、USBモジュール519を、外部情報処理装置13から電気エネルギーを取得し、電源12を充電するように制御するように構成される。
【0067】
本発明の実施形態によるホットスポット装置が外部情報処理装置13に接続される場合、電源管理モジュール9は、USBモジュール519を、外部情報処理装置13から電気エネルギーを取得し、電源12を充電するように制御するように構成される。ここで、電源12または外部情報処理装置13は、ネットワーク接続モジュール6、組込み型処理モジュール5および端末接続モジュール7に電気エネルギーを供給できる。
【0068】
この実施形態では、外部情報処理装置13は、ノート型コンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワイヤレスフィデリティ(WiFi: wireless fidelity)機器、またはWLAN認証/プライバシー基盤(WAPI: WLAN authentication and privacy infrastructure)機器であってよい。一般的なWiFi機器には、スマートフォン、Wi-Fi機能を備えたデジタルカメラ、プレイステーションポータブル(PSP: play station portable)などの携帯型電子ゲームプレーヤー、ならびにiPod touch(iPodプレーヤー)などのMP3(MPEG(moving picture expert group) Audio Layer 3)またはMP4プレーヤーが含まれる。
【0069】
ノート型コンピュータおよびWiFi機器は、本発明によるホットスポット装置と一緒に容易に持ち運べるので、本発明によるホットスポット装置と一緒にノート型コンピュータおよびWiFi機器を使用するのがより便利である。
【0070】
上記内容は、本発明の単に特定の実施形態であるが、本発明の範囲を限定するものではない。当業者に容易に想到される任意の変形物および置換物、ならびに本発明の範囲を逸脱せずに実施形態の様々な技術的特徴を組み換えることによって形成される実施形態は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0071】
1 無線ルーティングゲートウェイ
2 コンピュータ
3 ネットワークケーブル
4 外部電源アダプタ
5 組込み型処理モジュール
6 ネットワーク接続モジュール
7 端末接続モジュール
8 インターネット
9 電源管理モジュール
11 WLAN機器
12 電源
13 外部情報処理装置
14 記憶モジュール
16 SDIOインタフェース
50 共有メモリデータ送信モジュール
51 ルーティングモジュール
53 無線データ転送モジュール
54 共有メモリモジュール
60 無線ネットワーク接続モジュール
61 無線チップ
62 第2のアンテナ
71 STAチップ
72 第1のアンテナ
80 インターネット基地局
501 制御モジュール
502 共有メモリデータ経路モジュール
503 診断モジュール
510 NATモジュール
511 ダイアルアップモジュール
512 TCP/UDPモジュール
513 IPモジュール
514 低レベルドライバモジュール
519 USBモジュール
520 ルートモジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組込み型処理モジュールと、ネットワーク接続モジュールと、端末接続モジュールとを備えるホットスポット装置であって、
前記組込み型処理モジュールが、前記ネットワーク接続モジュールをインターネットに接続するように制御し、前記ネットワーク接続モジュールを前記端末接続モジュールと通信するように制御するように構成され、
前記端末接続モジュールが、局(STA)チップと、第1のアンテナとを備え、
前記STAチップが、特定のエリア内でインターネット無線信号到達範囲を実現するために、前記組込み型処理モジュールによって前記ネットワーク接続モジュールを介してインターネットから取得されたデータ情報を前記組込み型処理モジュールから受信し、前記データ情報を処理し、前記第1のアンテナを介して特定のエリア内で前記データ情報を放射するように構成され、
前記STAチップが、前記第1のアンテナから前記無線信号到達範囲の前記エリア内で無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)機器によって放射された無線信号形式のデータ情報を受信し、前記データ情報を処理し、前記データ情報を前記組込み型処理モジュールに入力し、前記データ情報を前記組込み型処理モジュールおよび前記ネットワーク接続モジュールを介してインターネットに送信するようにさらに構成されるホットスポット装置。
【請求項2】
少なくとも2つのWLAN機器が存在し、前記組込み型処理モジュールが、前記WLAN機器間の通信を実現するために、前記端末接続モジュールを前記WLAN機器間でデータを送信するように制御するようにさらに構成される請求項1に記載のホットスポット装置。
【請求項3】
前記ネットワーク接続モジュールが、無線ネットワーク接続モジュールおよび/または有線ネットワーク接続モジュールを備え、
前記無線ネットワーク接続モジュールが、無線信号を介してインターネット基地局と通信するように構成され、前記インターネット基地局を介してインターネットに接続され、
前記有線ネットワーク接続モジュールが、ブロードバンドまたは電話回線を介してインターネットに接続するように構成される請求項1に記載のホットスポット装置。
【請求項4】
前記無線ネットワーク接続モジュールが、無線チップと第2のアンテナとを備え、
前記第2のアンテナが、前記無線信号形式のデータ情報を放射または受信することによって前記インターネット基地局と通信し、
前記無線チップが、前記組込み型処理モジュールから前記データ情報を受信し、前記データ情報を処理し、前記第2のアンテナを介して前記インターネット基地局に前記データ情報を放射し、前記インターネット基地局によって前記第2のアンテナから放射された前記無線信号形式のデータ情報を受信し、前記データ情報を処理し、前記データ情報を前記組込み型処理モジュールに入力するように構成される請求項3に記載のホットスポット装置。
【請求項5】
ソフトアクセスポイント(ソフトAP)ソフトウェアプログラムを格納するように構成された記憶モジュールをさらに備え、前記組込み型処理モジュールが、前記記憶モジュール内の前記ソフトAPソフトウェアプログラムを前記STAチップにロードし、前記ソフトAPソフトウェアプログラムによって前記STAチップを駆動するようにさらに構成される請求項1から4のいずれか一項に記載のホットスポット装置。
【請求項6】
前記記憶モジュールがマルチチップパッケージ(MCP)チップである請求項5に記載のホットスポット装置。
【請求項7】
前記組込み型処理モジュールが、無線データ転送モジュールと、ルーティングモジュールと共有メモリモジュールとを備え、
前記共有メモリモジュールが、前記無線データ転送モジュールと前記ルーティングモジュールの間で交信されたデータを格納するように構成され、
前記無線データ転送モジュールが、前記共有メモリモジュールを介して前記無線チップと前記ルーティングモジュールの間でデータ転送経路を確立するように構成され、
前記ルーティングモジュールが、前記STAチップと通信し、前記共有メモリモジュールを介して前記無線チップと通信するように構成される請求項1に記載のホットスポット装置。
【請求項8】
前記共有メモリモジュールが、仮想デュアルポートランダムアクセスメモリ(RAM)型の共有メモリである請求項7に記載のホットスポット装置。
【請求項9】
前記ルーティングモジュールと前記STAチップが、セキュアデジタル入出力(SDIO)インタフェースを介して互いに通信する請求項7に記載のホットスポット装置。
【請求項10】
前記ルーティングモジュールが、低レベルドライバモジュールと、インタフェースプロトコル(IP)モジュールと、ネットワークアドレス変換(NAT)モジュールと、ルートモジュールと、転送制御プロトコル(TCP)/ユーザデータグラムプロトコル(UDP)モジュールと、ダイアルアップモジュールと、共有メモリデータ送信モジュールとを備え、
前記低レベルドライバモジュールが、前記IPモジュールと前記STAチップの間でデータを送信するための物理インタフェースを駆動するように構成され、
前記IPモジュールが、前記低レベルドライバモジュールを介して前記STAチップからデータを受信し、前記データをIPパッケージ形式にカプセル化し、前記IPパッケージを前記ルートモジュールに送信し、前記ルートモジュールから前記IPパッケージ形式のデータを取得し、前記低レベルドライバモジュールによって識別可能な形式に前記IPパッケージ形式を変換し、前記低レベルドライバモジュールを介して前記STAチップに前記形式のデータを送信するように構成され、
前記NATモジュールが、前記WLAN機器のアドレスとインターネットのアドレスの間の変換を実行するように構成され、
前記ルートモジュールが、前記IPモジュールから受信した前記IPパッケージ形式のデータのルーティング構造による前記IPパッケージ形式のデータのアドレスと、前記NATモジュールによって割り当てられたアドレスとを照合し、前記データを転送するように構成され、
前記TCP/UDPモジュールが、前記STAチップと通信するWLAN機器が必要とするデータを識別し、前記WLAN機器に対応するデータ伝送アドレスを識別するために前記NATモジュールと協働するように構成され、
前記ダイアルアップモジュールが、前記ルートモジュールと前記インターネット基地局の間のデータ伝送路をダイアルアップ方式で確立するように構成され、
前記共有メモリデータ送信モジュールが、前記共有メモリモジュールを介して前記無線データ転送モジュールに前記データ情報を送信し、前記共有メモリモジュールを介して前記無線データ転送モジュールから前記データ情報を読み出し、前記ルートモジュールに前記データ情報を入力するように構成される請求項7から9のいずれか一項に記載のホットスポット装置。
【請求項11】
前記共有メモリデータ送信モジュールが、共有メモリデータ経路モジュールと、制御モジュールと、診断モジュールとを備え、
前記共有メモリデータ経路モジュールが、前記共有メモリモジュールと前記ルートモジュールの間で前記データを送信するように構成され、
前記制御モジュールが、前記共有メモリデータ経路モジュール上でデータ伝送路を確立し維持するように構成され、
前記診断モジュールが、前記共有メモリモジュールから前記無線データ転送モジュールに関する情報を受信し、前記無線データ転送モジュールが正常に働くかどうかテストし、ユニバーサルシリアルバス(USB)モジュールを介して外部情報処理装置にテスト結果を送信するように構成される請求項10に記載のホットスポット装置。
【請求項12】
USBモジュールをさらに備え、前記USBモジュールが、プラグ差込みにより外部情報処理装置に電気的に接続され、前記ルーティングモジュールが、前記USBモジュールを介して前記外部情報処理装置と通信するようにさらに構成される請求項7に記載のホットスポット装置。
【請求項13】
電源管理モジュールをさらに備え、電源が充電可能バッテリであり、前記電源管理モジュールが、前記無線ネットワーク接続モジュール、前記組込み型処理モジュールおよび前記端末接続モジュールに適した電圧および/または電流の電力エネルギーを供給するように前記電源を制御するように構成され、
前記電源管理モジュールが、前記USBモジュールを、前記外部情報処理装置から電気エネルギーを取得し、前記電源を充電するように制御するようにさらに構成される請求項12に記載のホットスポット装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−523839(P2011−523839A)
【公表日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512823(P2011−512823)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【国際出願番号】PCT/CN2010/071510
【国際公開番号】WO2010/130168
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(509296306)▲華▼▲為▼▲終▼端有限公司 (44)
【Fターム(参考)】