説明

ホトレジスト組成物及びその使用方法

優れたホトリトグラフ性能を示すホトレジスト組成物、及び溶媒に対し優れた抵抗性を示し、金属の電着中、メッキ下で優れた抵抗性を有し、優れたレジストストリッピング特性を示す硬化レジストフイルム。本発明によるこれらのホトレジスト組成物は、MEMS及びマイクロ機械装置の製造での用途に非常によく適している。本発明によるこれらのホトレジスト組成物は、一種類以上のエポキシド置換ポリカルボン酸樹脂成分(A)、一種類以上のホトアシッド発生剤成分(B)、及び一種類以上の溶媒(C)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MEMS(マイクロ電気機械装置)部品、マイクロ機械部品、マイクロ流体工学部品、μ−TAS(マイクロ全分析装置)部品、インクジェット・プリンター部品、マイクロ反応器部品、電気伝導性層、金属バンプ(bymp)接続部、LIGA部品、マイクロ射出成形及びマイクロ圧印加工のための鋳型及び押型、精密印刷用スクリーン又はステンシル、MEMS及び半導体パッケージ用部品、及び紫外線(UV)リトグラフにより処理することができるプリント配線基板の製造で用いるのに適したホトレジスト組成物、その硬化形態のもの、及びそれから形成された金属パターンに関する。
【背景技術】
【0002】
光影像形成性被覆は、現在極めて多種類の半導体及びマイクロ機械加工用途で用いられている。そのような用途では、光影像形成は、基体上の被覆をパターン化放射線に露出し、それにより、露光又は露光されていない領域を適当な現像剤組成物で処理することにより選択的に除去することができるように、その被覆中に溶解度の変化を起こさせることにより達成される。光影像形成性被覆(ホトレジスト)は、ポジ型又はネガ型にすることができ、放射線への露出により、現像剤に対する溶解度を夫々増大するか又は減少する。高アスペクト比(形成された像の形状の高さ対幅比として定義されている)を有するはんだバンプを必要とする最新のパッケージ形成用途、又はマイクロ電気機械装置(MEMS)の製造を含む用途では、10μより大きな厚さを有するフイルム中に垂直側壁の輪郭を有する高アスペクト比像及び均一に回転被覆されたフイルムを生成することができる光影像形成性組成物を屡々必要としている。
【0003】
マイクロ機械部材、無線周波部材を含めた電子回路、及び光学的部材が組立られた機器は、MEMS(マイクロ電気機械装置)又はマイクロ機械と呼ばれている。これらの多くの用途が研究されてきており、それらは実際に使用されてきている〔マイクロ機械(会社)工業技術サービスセンター(Micromachine (Ltd.) Industrial Technology Sermece Center)により発行された2002年度版参照〕。半導体技術に基づくこれらの機器は小さいが、それらは複雑であり、この名前は高次機能を有する機器に一般に与えられており、センサー、プリンターヘッド、ディスクヘッド、通信光スイッチ、及びバイオチップの種々の型のような装置の鍵となる重要な部品を構成する基本的技術を表している。
【0004】
ジアゾナフタキノン・ノボラック化学に基づく従来のポジ型ホトレジストは、約50μより大きなフイルム厚さを必要とする用途には余り適さない。この厚さの限界は、ホトレジストを照射するのに典型的に用いられている光学的スペクトルの近紫外領域(350〜450nm)中に入る波長で、ジアゾナフタキノン型(DNQ)光活性化合物の光学的吸光度が比較的大きいために引き起こされる。また、DNQ型ホトレジストは、露光ホトレジスト対非露光ホトレジストのコントラスト、即ち現像剤容器中での溶解度差に限界を与える。光学的吸収は、フイルムの上から下へ縦断する間に放射線強度を必然的に減少し、光学的吸収が余りにも大きくなると、フイルムの底部では頂部に比較して露出不足になり、現像され像の輪郭を傾斜するか、さもなければ歪んだものにするであろう。それにも拘わらず、DNQレジスト配合物は、100μまでのフイルム厚さで使用するのには有効であるが、必要な照射線量を著しく増大してのことである。
【0005】
化学的に増感された種類のもので、350〜450nmの範囲の波長で光学的吸光度非常に低い、ネガ型光影像形成性をもつ回転被覆された厚膜組成物が、文献〔N.ラビアンカ(LaBianca)及びJ.D.ゲローム(Gelorme)、「厚膜用途のための高アスペクト比レジスト」(High Aspect Ratio Resist for Thick Film Applications)、Proc. SPIE, vol. 2438, p. 846 (1995)〕に記載されている。高アスペクト比(>10:1)の光影像形成が、200μ厚の膜で実証されている。このレジストは、レゾリューション・パーフォーマンス・プロダクツ(Resolution Performance Products)からの高度に分岐した8官能性エポキシ・ノボラック樹脂、エポン(EPON)(登録商標名)SU−8の注型用溶媒中に入れた溶液、及びダウ・ケミカル(Dow Chemical)からの、ヘキサフルオロアンチモン酸アリールスルホニウム塩混合物からなるシラキュアー(CYRACURE)(登録商標名)UVI 6974のようなホトアシッド(photoacid)発生剤(generator)(PAG)を含んでいる。得られたホトレジスト配合物は、種々の基体上へ回転被覆又はカーテン被覆し、予め焼成(bake)して溶媒を蒸発させ、100μ以上の厚さを有する固体ホトレジスト被覆を残し、それを接触、近接、又は投影露出法を用いて、パターン化されたホトマスクを通して近紫外線に露出することにより光影像形成することができる。影像形成した層を次に現像剤溶媒中に浸漬し、非露光領域を溶解除去し、高解像力をもつネガ型ホトマスクのレリーフ像をフイルム中に残す。
【0006】
エポンSU−8樹脂は、厚膜中に高アスペクト比の光影像を形成するために有利なものにする幾つかの特徴を有する低分子量エポキシ官能性オリゴマーである:(1)それは、大きな平均エポキシド官能基(8つ)を有し、(2)高度の分岐性を有し、(3)350〜450nmの波長での大きな透明性有し、そして(4)分子量が充分な低く、固体含有量の大きな被覆組成物の調製を可能にしている。大きな官能性及び分岐性は、強酸触媒の影響下で充分な架橋を与え、同時に大きな透明性により、厚膜を通して均一な照射を可能にし、レジストを、100μより大きなフイルム厚さで、10:1より大きなアスペクト比を有する像を形成することができるようにする結果を与える。実際、大きなエポキシ官能性及び高度の分岐性によってのみ、真っすぐな側壁を有する高アスペクト比構造体が与えられるであろう。
【0007】
スルホニウム又はヨードニウム塩に基づく適当なホトアシッド発生剤はよく知られており、文献に広く論じられている〔例えば、クリベロ(Crivello)その他、「トリアリールスルホニウム塩による光開始陽イオン性重合」(Photoinitiated Cationic Polymerization with Triarylslfonium Salts)、Journal of Polymer Science: Polymer Chemistry Edition, vol. 17, pp. 977-999 (1979)参照〕。適当な吸光度を有する他の有用なPAGには、米国特許第5,502,083号及び第6,368,769号明細書に記載されているような、カルボニル−p−フェニレンチオエーテルが含まれている。更に、2−アルキル9,10−ジメトキシアントラセン又は種々のナフタレン、ペリル(peryl)又はペリル化合物のような増感剤を、米国特許第5,102,772号明細書に記載されているように、PAG中へ配合するか、又は配合物中へ添加することができる。回転被覆するのに適した上で開示した組成物に基づくネガ型ホトレジストは、米国マサチューセッツ州ニュートンのマイクロケム社(MicroChem Corp.)により販売されており、商業的に、特にMEMS機器の製造に用いられている。例えば、マイクロケムにより典型的に提供されている製品、「SU−8 50」は、1000〜3000rpmで回転被覆し、30〜100μの範囲の厚さのフイルムを生成させることができ、それを露出及び溶媒現像した後、100μより大きなフイルム厚で10:1より大きなアスペクト比を有する像を生ずることができる。固体含有量を一層多いか又は少なくすることにより、1回の被覆工程で得ることができるフイルムの厚さ範囲を、1μ未満〜200μ以上に拡大する。溶液の注型により、1〜2mm以上のフイルムを与えることができる。米国特許第4,882,245号明細書にも、マイラー(Mylar)フイルムのようなキャリヤー媒体上に被覆した場合、乾燥フイルムホトレジストとしてこれらの材料を使用できることが記載されている。
【0008】
X線リトグラフに基づき、「LIGA法」と呼ばれているパターン形成法が、MEMS機器を製造する方法で屡々用いられている〔高分子、High Polymers, 43, p. 564 (1994)〕。「LIGA」は、ドイツ用語であり、リトグラフィー(Lithographie)(リトグラフ)ガルバノフォームング(Galvanoformung)(電着)アブフォームング(Abformung)(成形)の省略記号である。この方法は、PMMAホトレジストのようなX線ホトレジスト、X線照射工程、溶媒現像工程、金属メッキ工程、及びレジストパターン除去、即ち、「ストリッピング」工程の適用を含んでいる。X線リトグラフが用いられているアルカリ現像可能なメッキレジストが、特願平9−90609号公報(1997)に開示されているように、提案されている。
【0009】
X線リトグラフを用いた「LIGA」法は、高価なX線装置を必要とし、X線照射が長い時間かかり、現像時間が長いと言う欠点を有する。X線LIGA法は、資源の節約、作業性の向上、生産性の増大と言った最近の討論の話題になっている要求を満足することができないので、一層安価で高生産性の紫外線リトグラフシステムを用いたLIGA法が望まれている。UVリトグラフで用いられている多くのメッキレジストが、プリント回路基板で用いるために開発されてきている。それらは比較的小さなアスペクト比を有するので、MEMS及びマイクロ機械製造に適した特徴を有する新規なホトレジストが要求されてきている。
【0010】
特開平5−45880号公報(1993)、特開平6−204150号公報(1993)、及び特開平11−315384号公報(1999)に開示されているホトレジストは、UVリトグラフで処理することができる電気メッキのためのホトレジストとして引用されている。
【0011】
開示されているSU−8樹脂に基づく組成物は、非常に大きな解像力及びアスペクト比を与えることができるが、硬化された樹脂は脆い傾向を有し、屡々現像剤で誘発される微細なひび割れ/亀裂、応力誘発亀裂形成を受け、或る基体に対しては接着性が低く、基体からの被覆の剥離を時々起こしている。これらの問題は、全て材料が重合を受けた場合に起きる収縮誘発応力により悪化し、被覆の収縮が基体の曲げ(そり)を誘発した場合に基体の曲がりとして現れる。更に、SU−8に基づくホトレジストは、有機溶媒混合物で現像しなければならず、影像が形成されたレジストは影像形成後非常に高度に架橋され、そのため通常の剥離剤又は他の除去法でその影像形成されたホトレジストを除去することは実質的に不可能である。
【0012】
種々のエポキシを用いた多くの組成物を含めた種々の光影像形成性組成物が他の多くの従来法で提案されてきている。これらの例は、米国特許第5,264,325号明細書に言及されているものとして見出すことができる。そこでは、ホトレジスト材料が、或るレオロジー性を必要とする被覆法、例えば、回転被覆法により適用できるように配合されなければならないことが更に教示されている。更に、その組成物は、フイルムの厚みを通して光開始剤を光分解するように照射放射線の充分な透過を与える性質をもたなければならず、ホトレジストが、顕著な劣化又は接着性の低下を起こすことなく、電気メッキのような用途に耐える適当な物理的及び化学的性質、又はエッチング抵抗性を持たなければならない。
【0013】
有機及び無機塩基の水溶液を用いて現像することができる潜像を与えるホトレジスト組成物は、有機溶媒よりも環境的に一層許容することができる化学物質を用いた電子工業での関心により特に重要なものである。米国特許第4,994,346号、第5,079,129号、及び第5,397,685号明細書には、塩基水溶液で現像することができるネガ型エポキシド含有はんだマスク組成物が記載されている。米国特許第5,120,633号明細書には、光化学的に生成した酸の作用により塩基水溶液中で可溶性にされる酸不安定性保護基を有する重合体に基づくホトレジスト組成物が記載されている。
【0014】
しかし、種々の必要条件の全てを満足する特定の種類のエポキシ樹脂は見出されていない。しかし、種々のエポキシ樹脂の多くの異なった組合せ又は混合物が開示されてきている。注目した特許の全てが、光硬化性組成物で用いられる種々の樹脂及び光開始剤を記載しており、それらの多くは永久的用途で光影像形成性層として有用である。しかし、それらの中で本発明の現像可能で容易に剥離することができる水性塩基組成物を教示又は示唆しているものは一つもなく、それらは目的とする用途に適さない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って、SU−8に基づくホトレジスト配合物の良好な解像力、高アスペクト比及び真っすぐな側壁を維持しながら光感応性陽イオン性開始剤を用いて硬化することができるが、同時に典型的な水性アルカリ系ホトレジスト現像剤でホトレジストを現像できるようにし、後影像処理を行なった後パターン化ホトレジストを容易に除去することができるようにする、同じ樹脂中にエポキシド基と水性アルカリ性可溶性官能基の両方を含む光影像形成性配合物を与えることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、メッキするためのホトレジスト及びその硬化形態のものを与え、それを用いて、紫外線リトグラフを用いてパターン形成が容易に達成されるが、それは、そのホトレジストが特定の構造を持つエポキシ樹脂及び陽イオン性光重合開始剤を含み、MEMS、マイクロ機械、バンプ接続部、又は他のマイクロ電子メッキ及びエッチング用途に適した性質を有することの結果によるものである。
【0017】
本発明の一つの態様は、一種類以上の陽イオン性重合可能な樹脂成分(A)で、それらの構造中にエポキシド基及びカルボン酸基を有する成分;一種類以上のホトアシッド発生剤化合物(B);及び一種類以上の溶媒(C)を含み、然も、前記樹脂成分(A)が次の式1:
【0018】
【化1】

【0019】
(式中、Zは、H又は−COR″COOHであり;そして基R、R′、及びR″は、個々に、モノマー、オリゴマー、又はポリマー有機架橋基からなる群から選択される。)
により記述される、ホトレジスト組成物に関する。
【0020】
これらの架橋基には、好ましくは脂肪族、脂環式、アリール、ポリアリール、アルキル・アリール、融合脂環式、融合アリール、及び融合アルキル・アリール基が含まれるが、それらに限定されるものではない。
【0021】
本発明の別の態様は、このホトレジスト組成物から作られた乾燥フイルムホトレジスト材料に関する。
【0022】
本発明の更に別の態様は、このホトレジスト組成物から金属パターンを形成する方法に関する。
【0023】
本発明の詳細な記述
本発明のホトレジスト組成物は、構造の中にエポキシ基及びカルボン酸基を有する一種類以上の陽イオン性重合可能な樹脂成分(A);一種類以上のホトアシッド発生剤成分(B);及び一種類以上の溶媒(C)からなる。
【0024】
樹脂成分Aは、大きいなアスペクト比、垂直な側壁構造、水性現像剤中での処理性、及び現在緊急なMEMS及びマイクロ電子用途で要求されるストリッピングし易さを与えるように特別に設計され、最適化されている。本発明により、樹脂成分Aは、エポキシド及びカルボン酸基の両方を含む。樹脂成分Aのエポキシド当量は、100g/当量〜1000g/当量にすることができ、酸価は滴定測定で決定され、10〜200mgKOH/gにすべきである。樹脂成分(A)に結合したエポキシド基は、強酸の作用により重合し、非架橋材料が溶解する溶媒中で不溶性の生成物を生ずることができる。樹脂成分(A)の酸を触媒とした又は陽イオン性重合は、ホトアシッド発生剤化合物(B)により適当な波長の放射線エネルギーが吸収されることにより誘導されるホトアシッド発生剤化合物(B)の反応により生成した強酸により開始することができる。ホトレジスト組成物の乾燥フイルムをマスクを通して像状に照射することにより、マスクの像をフイルムへ転写することができる。樹脂中に存在する正しい量のカルボン酸基は、アルカリ性現像水溶液中で樹脂成分(A)に対し良好な可溶性を与える。樹脂成分(A)の架橋した生成物は、アルカリ性現像水溶液には溶解しないので、この性質は、アルカリ性現像剤水溶液で非露光材料を溶解することにより、レジスト中にネガ型レリーフ像を発展させる手段を与える。更に、組成物の架橋生成物は、樹脂成分(A)が溶解する選択された有機溶媒に溶解せず、この属性は、レリーフ像を発展させるための付加的手段として、有機溶媒又は有機溶媒混合物中で像を現像する能力を与える。
【0025】
樹脂成分(A)を製造する一般的方法は、次の通りである。一つの分子中に少なくとも二つ以上のエポキシド基を含む適当に選択された樹脂成分(I)と、一つのカルボン酸基及び少なくとも一つのヒドロキシル基を含むカルボン酸化合物(II)との触媒を用いた又は用いない反応によりエポキシド基及びヒドロキシル基を含む生成物樹脂(III)を与える。第二の反応で、そのヒドロキシル基含有エポキシド樹脂(III)を、少なくとも一つの環式二塩基無水物基を含む化合物(IV)と反応させ、溶液中の反応生成物として樹脂成分(A)を与える。樹脂成分(A)を製造する一般的方式は、方式1に示す一般的構造体により例示される。
【0026】
【化2】

【0027】
方式1に示された基R、R′、及びR″は、脂肪族、脂環式、アリール、ポリアリール、アルキル・アリール、融合脂環式、融合アリール、及び融合アルキル・アリールを含めたどのような適当なオリゴマー又はポリマー有機架橋基であってもよいが、それらに限定されるものではない。樹脂成分(I)に含まれるエポキシ基は、重合体鎖の長手方向に沿って反復構造単位に結合していてもよく、末端基として存在してもよい。
【0028】
本発明で用いることができる、少なくとも二つ以上のエポキシ基を一つの分子の中に有する樹脂成分(I)の特定の例には、エポキシ・ノボラック樹脂を含む一般的群が含まれる。エポキシ・ノボラック樹脂は、ノボラック樹脂と、エピクロロヒドリン及び/又はメチルエピクロロヒドリンとの反応により製造される。エポキシ・ノボラック樹脂の商業的例には、日本の日本化薬株式会社により製造されているEOCN−103、EOCN−104S、EOCN−102、EOCN−1027、EOCN−4400H、EPPN−201、及びBREN−S;米国ミシガン州ミドランドのダウ・ケミカル社により製造されているDEN−431及びDEN−439;及び日本の大日本インキ化学工業株式会社により製造されているN−730、N−770、N−865、N−665、N−673、及びVH−4150が含まれる。樹脂成分(I)の更に別の特別な例は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、及びテトラブロモビスフェノールAのようなビスフェノールと、エピクロロヒドリン及び/又はメチルエピクロロヒドリンとの重縮合により製造されるビスフェノールエポキシ樹脂、又はビスフェノールA、ビスフェノールF、及び前記ビスフェノールのグリシジルエーテルと、エピクロロヒドリン及び/又はメチルエピクロロヒドリンとの重縮合を反応させることにより得られる物質を含む一般的群である。樹脂成分(I)として用いることができるビスフェノールエポキシ樹脂の商業的例には、日本のジャパン・エポキシ・レジン株式会社(Japan Epoxy Resin, Co. Ltd.)により製造されているエピコート(Epicote)1004、エピコート1002、エピコート4002、及びエピコート4004が含まれる。樹脂成分(I)の更に別の特別の例は、トリス−フェノールメタン又はトリス−クレゾールメタンと、エピクロロヒドリン及び/又はメチルエピクロロヒドリンとを反応させることにより製造されたトリス−フェノールメタンエポキシ樹脂を含む一般的グループである。トリス−フェノールメタンエポキシ樹脂グループの商業的例には、日本の日本化薬株式会社により製造されているEPPN−501、及びEPPN−502;日本の日産化学株式会社により製造されているトリス−(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート;日本のジャパン・エポキシ・レジン株式会社により製造されているビフェニルジグリシジルエーテル;日本のダイセル化学工業株式会社により製造されているセロキシド(Celoxide)2021及びEHPE3150;樹脂成分(I)として用いるのに適したエポキシ樹脂の別の例には、日本の三井石油化学工業株式会社により製造されているエポミック(Epomik)VG−3101;日本のジャパン・エポキシ・レジン株式会社により製造されている樹脂成分(I)に属するE−1031S;日本の日本曹達株式会社により製造されているEPB−13及びEPB−27のような脂肪族エポキシ樹脂、日本の日本油脂株式会社により製造されている例えば、CP−50M、CP−50Sを含めた共重合体エポキシ樹脂で、それらはグリシジルメタクリレート、スチレン、及びメチルスチレンの共重合体であるか、又はグリシジルメタクリレート及びシクロヘキシルマレイミドの共重合体であるか、特定の構造を有するエポキシ樹脂である。樹脂成分(I)として用いるのに特に望ましいエポキシ樹脂は、エポキシクレゾール・ノボラック樹脂及びエポキシフェノール・ノボラック樹脂である。
【0029】
次に方式Iに従い、本発明で用いることができる、少なくとも一つのヒドロキシル基及び一つのカルボキシル基を一つの分子中に有する前述の化合物(II)の例には、二つのヒドロキシル基を含むモノカルボン酸が含まれ、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酢酸、ジメチロール酪酸、ジメチロールバレリアン酸、ジメチロールカプロン酸を特別な例として引用することができる。化合物(II)として有用な物質の更に別の例は、一つのヒドロキシル基を有するモノカルボン酸であり、ヒドロキシピバル酸及びp−ヒドロキシ安息香酸を特別な例として引用することができる。化合物(II)に相当する物質は、単独で、又は二種類以上の混合物として用いることができる。ジメチロールプロピオン酸は、化合物(II)として用いるのに特に好ましい。
【0030】
樹脂成分(I)と化合物(II)との反応では、樹脂成分(I)エポキシド基の1当量当たり0.01〜0.5モル、好ましくは0.1〜0.3モルのカルボン酸基が存在すべきである。エポキシド基の当量は、ここではエポキシド当量又はEEWとして言及され、滴定測定法を用いて決定され、エポキシ基の分子量を43原子質量単位であるとして、エポキシド1モル当たりの樹脂のグラム単位数を有する。
【0031】
樹脂成分(A)を製造する間、反応物を溶解し、樹脂成分(A)溶液の、反応が完了した後の固体含有量及び粘度を調節するために有機溶媒を用いてもよい。この目的に適した溶媒には、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、及びシクロヘキサノンのようなケトン;テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、及び1,4−ジオキサンのようなエーテル;ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテルのようなグリコールエーテル;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ブチルセロソルブ、及び酢酸カルビトールのようなエステル;トルエン、キシレン、及びテトラメチルベンゼンのような芳香族炭化水素;オクタン及びデカンのような脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水素化石油ナフサ、及び溶媒ナフサのような石油溶媒;が含まれる。これらの溶媒は、用途及び特定の反応物の溶解度についての必要性に応じ、単独で、又は二種類以上の混合物として用いることができる。これらの反応溶媒は、本発明の溶媒成分(C)の全部でも一部分でもよい。好ましい溶媒は、樹脂成分(A)を沈澱せず、或はさもなければ、本発明の操作に困難を起こさないものである。
【0032】
樹脂成分(I)と化合物(II)の反応を促進するため、触媒を用いてもよい。適当な触媒の例には、トリフェニルホスフィン、ベンジルジメチルアミン、塩化メチルトリエチルアンモニウム、トリフェニルスチビン、及びオクタンサン酸クロムが含まれる。触媒の使用量は、原料反応混合物に対し、0.1〜10重量%にすべきである。反応温度は60〜150℃、反応時間は5〜30時間にすべきである。本発明の或る態様については、反応が完了した後、用いた触媒を、有機過酸化物を添加することにより酸化処理にかけることによりその触媒の活性を本質的に不活性化するのが好ましいであろう。触媒を不活性化するのに用いることができる有機過酸化物の例には、テトラメチルブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、及びt−ブチルヒドロペルオキシドが含まれる。触媒不活性化のための酸化剤として、t−ブチルヒドロペルオキシドが特に好ましい。
【0033】
方式1で化合物(IV)として用いるのに適し、反応生成物IIIと反応することができる二塩基酸無水物の例には、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、シス、エンド−ノルボルナン二カルボン酸無水物、シス、エンド−ノルボルネン二カルボン酸無水物、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、及びトリメリト酸が含まれる。二塩基酸無水物(IV)は、前記反応生成物(II)中のヒドロキシル基に対しヒドロキシル基1当量当たり0.1〜1.0当量の酸の中で反応させるべきであり、この場合ヒドロキシル基の含有量は計算により決定される。反応温度は60〜150℃、反応時間は1〜10時間にすべきである。
【0034】
紫外線等のような活性光線によって照射した時、プロトン性酸を生ずる化合物は、本発明で用いられるホトアシッド発生剤化合物(B)として好ましい。それらの例として、芳香族ヨードニウム錯体塩及び芳香族スルホニウム錯体塩が引用される。ジ−(t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフラート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジフェニルヨードニウム、ヘキサフルオロ燐酸ジフェニルヨードニウム、ヘキサフルオロアンチモン酸ジフェニルヨードニウム、ヘキサフルオロ燐酸ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウム、ヘキサフルオロアンチモン酸[4−(オチクルオキシ)フェニル]フェニルヨードニウム等を、用いることができる芳香族ヨードニウム錯体塩の特別な例として引用する。更に、トリフェニルスルホニウムトリフラート、ヘキサフルオロ燐酸トリフェニルスルホニウム、ヘキサフルオロアンチン酸トリフェニルスルホニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルスルホニウム、ビス−ヘキサフルオロ燐酸4,4′−ビス[ジフェニルスルホニウム]ジフェニルスルフィド、ビス−ヘキサフルオロアンチモン酸4,4′−ビス[ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニウム]ジフェニルスルフィド、ビスヘキサフルオロ燐酸4,4′−ビス[ジ(β−ヒドロキシエトキシ)(フェニルスルホニウム)ジフェニルスルフィド、ヘキサフルオロ燐酸7−[ジ(p−トリル)スルホニウム]−2−イソプロピルチオキサントン、ヘキサフルオロアンチモン酸7−[ジ(p−トリル)スルホニオ]−2−イソプロピルチオキサントン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸7−[ジ(p−トリル)スルホニウム]−2−イソプロピル、ヘキサフルオロ燐酸フェニルカルボニル−4′−ジフェニルスルホニウムジフェニルスルフィド、ヘキサフルオロアンチモン酸フェニルカルボニル−4′−ジフェニルスルホニウムジフェニルスルフィド、ヘキサフルオロ燐酸4−t−ブチルフェニルカルボニル−4′−ジフェニルスルホニウムジフェニルスルフィド、ヘキサフルオロアンチモン酸4−t−ブチルフェニルカルボニル−4′−ジフェニルスルホニウムジフェニルスルフィド、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸4−t−ブチルフェニルカルボニル−4′−ジフェニルスルホニウムジフェニルスルフィド、ヘキサフルオロアンチモン酸ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウム等を、用いることができる芳香族スルホネート錯体塩の特別な例として引用することができる。イルガキュアー(Irgacure)261〔チバ・スペシャルティー・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)〕のような或るフェロセン化合物も用いることができる。これらのホトアシッド発生剤化合物(B)は、単独で、又は二種類以上の化合物の混合物として用いることができる。本発明で用いるのに適したホトアシッド発生剤化合物(B)の更に別な例は、米国特許第6,558,871号、第5,260,349号、及び第5,554,664号明細書及びそこに引用された文献に記載されている。
【0035】
本発明の溶媒成分(C)は、樹脂成分(A)の製造で用いることができる同じ溶媒であってもよい。樹脂成分(A)に添加することができる溶媒(C)の例には、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、及びシクロヘキサノンのようなケトン;テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、及び1,4−ジオキサンのようなエーテル;ジプロピレングリコールジメチルエーテルジプロピレン、グリコールジエチルエーテルのようなグリコールエーテル;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ブチルセロソルブ、及び酢酸カルビトールのようなエステル;トルエン、キシレン、及びテトラメチルベンゼンのような芳香族炭化水素;オクタン及びデカンのような脂肪族炭化水素;及び石油エーテル、石油ナフサ、水素化石油ナフサ及び溶媒ナフサのような石油溶媒;が含まれる。これらの溶媒は、用途及び組成物の特定の成分の溶解度についての必要性に基づき、単独で又は二種類以上の混合物として用いることができる。更に、樹脂成分(A)を製造する時に存在していた溶媒以外の一種類以上の溶媒(C)を、樹脂製造(A)の溶液に添加し、それにより溶液(C)の引用した例から選択された二種類以上の溶媒を含む組成物を与えるようにしてもよい。本発明による組成物を与えるために樹脂成分(A)に添加することができる好ましい溶媒は、組成物の成分を沈澱させないか、さもなければ本発明の操作を妨害しない溶媒である。
【0036】
場合により、一種類以上の反応性単量体(D)を、本発明で用いることができる。組成物中に反応性単量体を含有させることは、組成物の架橋程度を増大するか、又は一層可撓性のフイルムを与えることにより、或る態様では本発明の操作を改良するであろう。本発明に有用な反応性単量体には、二種類以上のエポキシ基又は陽イオン性重合又は架橋行うことができる他の官能基を有する化合物が含まれる。二官能性及び多官能性グリシジルエーテルは反応性単量体(D)の例であり、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリトリトールテトラグリシジルエーテル等を例として引用する。これらのグリシジルエーテル(D)は、個々に又は二種類以上の混合物として用いることができる。脂環式エポキシ化合物も本発明の反応性単量体(D)として用いることができ、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート及び3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートを、例として引用しても良いであろう。単官能性及び/又は多官能性脂肪族及び芳香族オキセタン化合物は、本発明で用いることができる更に別の反応性単量体(D)の例である。本発明で用いることができる単官能性及び/又は多官能性オキセタンの特別な例には、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−フェノキシメタンオキセタン、キシリレンジオキセタン、及びビス−(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテルが含まれる。更に、反応性単量体(D)の例として引用した化合物のどのような組合せでも、二種類以上の混合物として用いることができることは理解されるべきである。
【0037】
本発明を適切に働かせるためには、光開始剤による紫外線の吸収を必要とし、場合により、ホトアシッド発生剤化合物(B)により生ずる酸の量を、増感剤を存在させずに与えられたエネルギー照射量で生ずるであろう量よりも増大する目的で、光増感剤化合物(E)を用いてもよい。本発明で用いることができる光増感剤(E)化合物には、アントラセン環の9及び10位置にアルコキシ基を有するアントラセン化合物が含まれる。アルコキシ基は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、又はプロポキシ基のようなC〜Cアルコキシ基にすることができる。9,10−ジアルコキシアントラセン誘導体は、更に置換基を持っていてもよい。置換基は、例えば、フッ素、塩素、臭素、及び沃素のようなハロゲン原子、メチル、エチル、及びプロピル基のようなC〜Cアルキル基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、及びカルボン酸アルキルエステル基にすることができる。スルホン酸アルキルエステル基及びカルボン酸アルキルエステル基中のアルキル基は、例えば、メチル、エチル、及びプロピル基にすることができる。置換基の好ましい置換位置は、アントラセン環系の2位置である。本発明で用いることができる9,10−ジアルコキシアントラセン誘導体の特別な例には、例えば、9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ジメトキシ−2−エチルアントラセン、9,10−ジエトキシ−2−エチルアントラセン、9,10−ジプロポキシ−2−エチルアントラセン、9,10−ジメトキシ−2−クロロアントラセン、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホン酸、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホン酸メチルエステル、9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホン酸メチルエステル、及び9,10−ジメトキシアントラセン−2−カルボン酸メチルエステルが含まれる。
【0038】
本発明では、場合により、逆台形型(inverse tapered shape)に形成されるパターンの形を制御するため、365nmで15/cm・g/lより大きいな吸収を示す染料化合物(F)を用いることができる。本発明で用いることができる化合物(F)の特別な例には、例えば;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン及び2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノンのようなベンゾフェノン化合物;サリチル酸フェニル及びサリチル酸4−t−ブチルフェニルのようなサリチル酸化合物;エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート及び2′−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートのようなフェニルアクリレート化合物;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール及び2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾールのようなベンゾトリアゾール化合物;4−メチル−7−ジエチルアミノ−1−クマリンのようなクマリン化合物;スーダン・オレンジのようなアゾ染料;ジエチルチオキサントンのようなチオキサントン化合物;のみならずスチルベン化合物及びナフタル酸化合物;が含まれる。これらの染料化合物(F)は、個々に、又は二種類以上の化合物の混合物として用いることができる。
【0039】
本発明で、場合により、現像剤溶液中にホトレジストフイルムが溶解する速度を変化させるため、溶解速度調節剤(G)を用いることができる。用いることができる溶解調節剤の例には、フェノール、置換フェノール、ビスフェノール、ビスフェノール・ノボラック樹脂、ポリ(ヒドロキシスチレン)のようなフェノールヒドロキシル基を含有する化合物、フェノール基を含む前記化合物のいずれかのエーテル及びエステル誘導体、及びヒドロキシスチレンとアクリル酸及びメタクリル酸及びそれらのエステルとの共重合体が含まれる。溶解調節剤の更に別の例は、アクリル酸及びメタクリル酸と、アクリル酸及びメタクリル酸及びそれらのエステルとの共重合体である。
【0040】
ホトアシッド発生剤化合物(B)の含有量は、樹脂成分(A)、ホトアシッド発生剤(B)、反応性単量体(D)、光増感剤成分(E)、染料成分(F)、及び場合により他の全ての固体化合物、樹脂、又は添加剤の合計量を固体成分として、全固体成分に対し、0.10重量%〜10重量%、好ましくは1.0重量%〜7.5重量%にすることができる。もし反応性単量体(D)を用いるならば、その含有量は、樹脂成分(A)の100重量部当たり、0.1〜80重量部、好ましくは0.5〜50重量部にすることができる。もし光増感剤化合物(E)を用いるならば、その含有量は、ホトアシッド発生剤成分(B)に対するモル比として、0.1〜6、好ましくは0.2〜4にすることができる。もし染料成分(F)を用いるならば、その含有量は、成分A、B、D、及びEの全含有量に対し、0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.1重量%〜5重量%にすることができる。溶媒(C)の量は、全ホトアシッド組成物に対し、1〜99重量%、好ましくは10〜90重量%にすることができる。もし溶解速度調節剤(G)を用いるならば、その含有量は、樹脂成分(A)の量の0.5〜50重量%にすることができる。
【0041】
本発明の組成物に、場合により他の成分を添加してもよい。例えば、樹脂成分(I)エポキシ樹脂、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールA・ホルムアルデヒドノボラックエポキシ樹脂、フェノール・ノボラックエポキシ樹脂、クレゾール・ノボラックエポキシ樹脂、及びトリスフェノールメタンエポキシ樹脂のいずれでも含む群からの一種類以上のエポキシ樹脂、及び/又はペンタエリトリトールテトラメタクリレート及びペンタエリトリトールペンタ−及びヘキサ−メタクリレート及びエポキシメタクリレート、ウレタンメタクリレート、及びポリエステルポリ(メタクリレート)のようなメタクリレートオリゴマーを含む群から選択された一種類以上のメタクリレート化合物を用いることができる。場合により用いることができるこれら成分の量は、樹脂成分(A)と反応性単量体(D)との合計100重量部当たり0〜50重量部である。
【0042】
本発明の組成物に添加することができる、場合による更に別の成分には、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化珪素、無定形シリカ、タルク、粘土、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、及び雲母粉末を含む群から選択された一種類以上の無機充填剤が含まれる。充填剤材料の含有比は、樹脂成分(A)と、ホトアシッド発生剤化合物(B)と、溶媒(C)と、場合による成分(D)、(E)、及び(F)の合計との全重量の0.1〜60重量%にすることができる。
【0043】
更に、必要に応じ、架橋剤、熱可塑性樹脂、着色剤、濃化剤、表面レベリング剤、消泡剤、接着促進剤のような種々の他の添加剤を、場合により本発明で用いることができる。架橋剤には、例えば、メトキシル化メラミン、ブトキシル化メラミン、及びアルコキシル化グリコウリル(glycouril)化合物が含まれる。ニュージャージー州ウエストパターソンのサイティック工業(Cytec Industries)からのサイメル(Cymel)(登録商標名)は、適当なメトキシル化メラミン化合物の特別な例である。パウダーリンク(Powderlink)(登録商標名)は、アルコキシル化グリコウリル化合物の特別な例はである。熱可塑性樹脂には、例えば、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン及びポリカーボネートが含まれる。着色剤には、例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アイオダイングリーン、クリスタルバイオレッド、酸化チタン、カーボンブラック、及びナフタレンブラックが含まれる。濃化剤には、例えば、オルベン(orben)、ベントン(benton)、及びモンモリロナイトが含まれる。適当な表面レベリング剤には、FC171、FC430、又はFC4430(3M社)のようなフルオロ脂肪族エステル、ポリフォックス(PolyFoy)PF−636及びPF−5620〔オムノバ・ソリューションズ(Omnova Solutions)〕のようなヒドロキシル末端フッ素化ポリエーテル、バイシロン(Baysilone)3739〔バイエル(Bayer)〕のようなシリコーン、フルオルN(FluorN)−561及び562〔サイトニクス社(Cytonix Corporation)〕のようなフッ素化エチレングリコール重合体、モダフロー(Modaflow)〔サーフェス・スペシャルティーズ社(Surface Specialties, Inc.)〕のようなアクリル重合体レベリング剤等量が含まれる。消泡剤には、例えば、珪素及び/又はフッ素含有消泡剤が含まれる。接着促進剤には、例えば、種々の型のレベリング剤及びシランカップリング剤が含まれる。場合による添加剤の量は、0.5〜30重量%が暫定的基準であるが、適当な使用目的により、調節することができる。
【0044】
本発明のホトレジスト組成物は、成分(A)、(B)、及び(C)、及び場合により成分(D)〜(G)、及び必要な場合、無機充填剤及び他の添加剤を、好ましくは上記比率に従い、一緒に配合し、それらを均一に混合することにより製造し、溶液又は分散物としてホトレジスト組成物を与えることができる。配合は、回転ミルで混合物される密封部容器を用い、或は機械的混合機を具えた混合タンク、或は配合技術で既知の同様な装置を用いて行うことができる。本発明によるレジスト組成物は、その組成物の使用目的に適切な値までその組成物の粘度を調節するため、溶媒成分(C)を用いて希釈するのが特に好ましい。
【0045】
本発明によるホトレジストを使用するため、100nm〜1000μmの範囲の厚さで組成物の被覆を基体に適用する。次にその被覆した基体を、60〜140℃で5〜60分間加熱し、溶媒を除去し、基体上に実質的に乾燥した被覆を与える。次にその乾燥した被覆を10〜30,000mJ/cmの照射量でマスクを通して像状に活性輻射線で照射し、被覆中にパターンを与える。照射後の焼成として当分野で知られている熱処理工程を、次に3〜30分間50〜150℃で行い、然る後、光に露出しなかった部分を、現像溶液で1〜30分間被覆基体を処理することにより溶解する。現像された像を、適当な濯ぎ溶液で濯ぎ、残留する現像剤を除去する。或る態様で必要になることがあるが、パターン化層を硬化するため、パターン化レジスト層を、100〜200℃で1〜60分間熱処理し、次に銅、ニッケル、金、又ははんだの電解又は非電解メッキを行う。メッキに続き、ストリッピング溶液を用いて基体からレジストパターンを除去し、その手段により、目的とする用途の種々の必要条件を満足する金属パターンが基体上に得られる。
【0046】
本発明のレジスト組成物を用いる場合、ホトレジスト溶液を、回転被覆により基体に適用してもよく、それは基体上に液体レジストを施し、その基体を一定の回転速度に加速し、その回転速度を一定に維持して希望の被覆厚さを達成することからなる。回転被覆は、最終的被覆の厚さを調節するため変動可能な回転速度を用いて行うことができる。浸漬被覆、噴霧被覆、カーテン被覆、グラビア被覆、押出し被覆、スロット被覆、ワイヤーロッド被覆、溶媒生成被覆を基体に適用する分野で既知の他の方法を含めた他の被覆方法を用いてもよい。回転被覆、スロット被覆、及びグラビア被覆は好ましい被覆方法であり、回転被覆が最も好ましい被覆方法である。
【0047】
用いることができる基体材料には、珪素、二酸化珪素、窒化珪素、アルミナ、ガラス、ガラス・セラミックス、砒化ガリウム、燐化インジウム、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、鋼、銅・珪素合金、インジウム・錫酸化物被覆ガラス、プリント配線基板、有機フイルム、例えば、ポリイミド及びポリエステル、パターン化金属領域を有する基体、半導体、及び絶縁性材料等量が含まれるが、それらに限定されるものではない。基体の特別な前処理は、本発明の操作では不必要である。場合により、焼成工程は、レジスト被覆を適用する前に、吸収されていた水分を除去するために基体に対し行なってもよい。電気メッキが用いられる場合、基体をホトレジスト組成物で被覆する前に伝導性層で被覆してもよい。
【0048】
本発明によるホトレジスト層を照射するのに適切な活性光線は、紫外(UV)線、X線、及び電子ビーム輻射線である。紫外線及びX線が好ましい活性光線であり、365、405、及び436nmの波長の水銀放電ランプから放射される紫外線が最も好ましい活性光線である。マスクを通して一つの波長の照明を与えるために、適当な光学的フィルターを用いてもよい。用いることができるホトリトグラフ露出装置には、接触、近接、投影、及び反復焼付工具が含まれる。
【0049】
本発明による組成物の樹脂成分(A)は、カルボン酸基を含むので、ホトレジストフイルムの露光されていない、従って、架橋していない領域は、アルカリ性水溶液に可溶性であり、従って、アルカリ性現像用水溶液を用いて像を現像することによりネガ型レリーフ像を形成することができる。
【0050】
本発明で用るのに適したアルカリ性現像用水溶液は、アルカリ性溶液を与える物質の0.5〜5重量%水溶液からなる群から選択することができ、これらの物質は、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム、炭酸ナトリウム又はカリウム、メタ珪酸ナトリウム又はカリウム、或は水酸化ナトリウム又はカリウムでもよい。アルカリ性現像用水溶液は、更に表面活性剤及び水混和性有機化合物、例えば、アルコール、アミン、及びアルカノールアミンを含めた添加剤を含んでいてもよい。水酸化テトラメチルアンモニウムの水溶液が特に好ましい。
【0051】
本発明による組成物の樹脂成分(A)がエポキシ基を含み、これらのエポキシ基が露出及び露出後焼成工程中に陽イオン性重合をするので、ホトレジストフイルムの露光した領域は、多くの有機溶媒に不溶性であるが、フイルムの露光していない、従って架橋していない領域は、有機溶媒に可溶性である。従って、一種類以上の有機溶媒を含む現像用溶液を用いて像を現像することにより、ネガ型レリーフ像を形成することができる。
【0052】
本発明で用いたのに適した一種類以上の有機溶媒を含む現像用溶液は、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、アセトン、シクロペンタノン、ジアセトンアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、1−メチル−2−ピロリジノン、アニソール、及び酪酸エチルを含む群から選択された一種類以上の溶媒を含んでいてもよいが、それらに限定されるものではない。現像剤溶媒は、単独でも、混合物としても用いることができる。プロピレングリコールメチルエーテルアセテートは、有機溶媒現像剤として特に好ましい。なぜなら、それが、非露光レジスト成分に対する良好な溶媒性を有し、その値段が比較的低いためである。
【0053】
現像剤溶媒は、被覆した基体を現像剤中に撹拌しながら浸漬するか、又は霧状にするスプレーノズル又は微細シャワーヘッド型スプレーノズルを用いて噴霧することにより適用することができる。像を現像する更に別の方法は、ホトレジスト技術でパドル(puddle)法として知られている所のものを用いて現像剤を適用することを含んでいる。その場合、現像すべき基体を回転工具ヘッド上に置き、次に全基体領域上に存続する層又は水たまりを形成するのに充分な量の現像剤を基体上に施し、決められた時間放置する。この時間の後、基体を加速して回転し、使用済み現像剤を飛ばし、次に回転が停止するまで減速する。この過程を明瞭なレリーフ像が得られるまで繰り返し、2回〜4回の溶媒パドルが形成される方法を用いるのが一般的である。
【0054】
適当な濯ぎ溶媒を用いる場合、それらには水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及び水アルコール混合物が含まれる。アルカリ性現像用水溶液を用いた場合には、水にが好ましい濯ぎ溶媒であり、現像用有機溶媒溶液が用いられた場合には、イソプロパノールが好ましい濯ぎ溶媒である。
【0055】
本発明で用いるのに適したストリッピング溶媒及び溶液には、1−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリジノンと一種類以上の付加的有機溶媒との混合物、1−メチル−2−ピロリジノンとジメチルスルホキシドとの混合物、1−メチル−2−ピロリジノン及び/又はジメチルスルホキシドと、エタノールアミン、ジエタノールアミン等のようなアルカノールアミンとの混合物、及び1−メチル−2−ピロリジノン及び/又はジメチルスルホキシド中に入れた水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又は水酸化テトラメチルアンモニウムの溶液が含まれる。1−メチル−2−ピロリジノンとジメチルスルホキシドとの混合物が好ましいストリッピング溶媒である。
【0056】
レリーフパターンの解像力は、像の形状のアスペクト比により述べることができる。アスペクト比は、ここでは、その像の形状の幅を、その形状が形成されているホトレジストの厚さで割ったものとして定義される。本発明によれば、アスペクト比は、1〜100、好ましくは2〜50であるべきである。
【0057】
本発明のレジスト組成物を用いて、乾燥フイルムホトレジストを製造することができる。乾燥フイルムホトレジストを製造するためには、本発明によるレジスト組成物を基礎フイルム材料に、ローラー被覆、ドクター棒被覆、スロット被覆、浸漬被覆、回転被覆、グラビア被覆等のような被覆方法を用いて適用する。次に被覆した基礎フイルムを60〜160℃に設定した乾燥炉中で、希望の量の溶媒を除去するのに充分な時間乾燥する。次に被覆したフイルムのレジスト側に、そのフイルムを損傷から保護し、被覆材料のシートが互いに粘着しないようにカバーフイルムを適用する。基礎フイルムの上のレジストの厚さは、溶媒、レジスト固体含有量、及び被覆パラメーターの適切な選択により、10〜500μmに調節することができる。ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、及びポリイミドのような有機重合体フイルム材料を、基礎フイルムとして用いることができる・ポリエチレン及びポリプロピレンのような有機重合体を、カバーシート材料として用いることができる。
【0058】
乾燥フイルムホトレジストは、レジスト層から保護カバーシートを先ず剥がし、その乾燥フイルムを基体上に、レジスト側が基体と接触するようにして配置し、積層装置を用いて熱及び圧力を適用することによりレジストを基体に積層し、次にレジストから基礎フイルムを剥がすことにより用いる。これらの操作により基体上にホトレジスト層を形成する結果になり、それを次にここに記載した方法を用いて像状に処理することができる。
【0059】
上に記載した方法により得られた本発明の樹脂組成物の硬化した形態のものを、MEMS又はマイクロ機械のような部品のための非永久的レジストとして用いる。
【0060】
例えば、ホトレジスト組成物及びそれらを用いて形成した金属パターンを用いて、前の特願平12−343463号公報に記載されているようなマイクロ機械、特願平13−10068号公報に記載されているインクジェット・ヘッドのためのオリフィス部品、特願平13−71299号公報に記載されているような磁気アクチュエーター(MEMS)の部品、特願平13−157855号公報に記載されているような電気泳動カップリング(μ−TAS)のためのマイクロチップ部品、及び更にマイクロ反応器部品、電気伝導性層、及び金属バンプ接続部のための部品を製造することができる。
【0061】
本発明のホトレジスト組成物は、米国特許第5,206,983号、第5,378,583号、及び第6,280,090号明細書、カナダ特許第2,247,777号明細書、及びシャウ(Shaw)その他による「光学的リトグラフのためのネガ型ホトレジスト」(Negative Photoresists for Optical Lithography)、IBM Journal of Research and Develpment, vol. 41 (1997)に記載されているようなLIGA法の一部として用いることができる。
【0062】
本発明を、更に次の実施例及び比較例により詳細に記述する。全ての部及び%は重量により、全ての温度は、明らかに別に述べていない限り、℃である。
【実施例】
【0063】
カルボン酸及びエポキシ基を含有する樹脂成分(A)の合成例
合成例1.樹脂溶液A−1の調製
日本の日本化薬株式会社により製造されたクレゾール・ノボラックエポキシ樹脂、EOCN−4400H(軟化点、60℃;エポキシド当量、190g/当量)1900g(10当量)、201g(1.5モル)のジメチロールプロピオン酸、及び900gのシクロペンタノンを樹脂フラスコ中に入れ、得られた混合物を機械撹拌しながら90℃に加熱し、反応混合物を溶解させた。次にその反応溶液を60℃へ冷却し、9.0g(0.03モル)のトリフェニルホスフィンを添加した。反応溶液の温度を100℃へ上昇させ、滴定測定酸価が0.5mgKOH/gより小さくなるまで約5時間反応を行なった。次に、反応混合物を50℃へ冷却し、2.7g(0.03モル)のt−ブチルヒドロペルオキシドを添加し、反応を約1時間継続した。反応触媒であるトリフェニルホスフィンを酸化物し、その触媒活性を消失させた。
【0064】
次に、492g(3.2モル)の無水テトラヒドロフタル酸及び211gのシクロペンタノンを入れ、反応を90℃で5時間行い、樹脂溶液A−1を生成させた。その生成物の固体に基づくエポキシド当量は、305g/当量であり、酸価は70mgKOH/gであった。
【0065】
合成例1による反応生成物は、式1Aに示した構造を持つと考えられ、この場合、x+yは1〜20の範囲の実数であり、xは0〜10の範囲の実数であり、yは1〜10の範囲の実数である。
【0066】
【化3】

【0067】
方式1に示したラジカルR、R′、及びR″に関し、合成例1(式1A)の生成物は、次のラジカル構造を有する:
【0068】
【化4】

【0069】
合成例2.樹脂溶液A−2の調製
日本の日本化薬株式会社により製造されたクレゾール・ノボラックエポキシ樹脂、EOCN−4400H(軟化点、60℃;エポキシド当量、190g/当量)1900g(10当量)、201g(1.5モル)のジメチロールプロピオン酸、及び900gのシクロペンタノン(1.5モル)を樹脂フラスコ中に入れ、得られた混合物を機械撹拌しながら90℃に加熱し、反応混合物を溶解させた。次にその反応溶液を60℃へ冷却し、9.0g(0.03モル)のトリフェニルホスフィンを添加した。反応溶液の温度を100℃へ上昇させ、滴定測定酸価が0.5mgKOH/gより小さくなるまで約5時間反応を行なった。次に、混合物を50℃へ冷却し、2.7g(0.03モル)のt−ブチルヒドロペルオキシドを添加し、反応を約1時間継続した。反応触媒であるトリフェニルホスフィンを酸化し、その触媒活性を消失させた。
【0070】
次に、450g(3.0モル)の無水テトラヒドロフタル酸及び193gのシクロペンタノンを入れ、反応を90℃で5時間行い、樹脂溶液A−2を生成させた。その生成物樹脂のエポキシド当量は、300g/当量であり、酸価は65mgKOH/gであった。
【0071】
合成例2による反応生成物は、式1Bに示した構造を持つと考えられ、この場合、x+yは1〜20の範囲の実数であり、xは0〜10の範囲の実数であり、yは1〜10の範囲の実数である。
【0072】
【化5】

【0073】
方式1に示したラジカルR、R′、及びR″に関し、合成例2(式1B)の生成物は、次のラジカル構造を有する:
【0074】
【化6】

【0075】
合成例3.樹脂溶液A−3の調製
日本の日本化薬株式会社により製造されたクレゾール・ノボラックエポキシ樹脂、EOCN−4400H(軟化点、60℃;エポキシド当量、190当量/g)1900g(10当量)、134g(1.0モル)のジメチロールプロピオン酸、及び872gのシクロペンタノンを樹脂フラスコ中に入れ、得られた混合物を機械撹拌しながら90℃に加熱し、反応混合物を溶解させた。次にその反応溶液を60℃へ冷却し、9.0g(0.03モル)のトリフェニルホスフィンを添加した。反応溶液の温度を100℃へ上昇させ、滴定測定酸価が0.5mgKOH/gより小さくなるまで約5時間反応を行なった。次に、反応溶液を50℃へ冷却し、2.7g(0.03モル)のt−ブチルヒドロペルオキシドを添加し、反応を約1時間継続した。反応触媒であるトリフェニルホスフィンを酸化し、その触媒活性を消失させた。
【0076】
次に、267g(2.7モル)の無水コハク酸及び114gのシクロペンタノンを入れ、反応を90℃で5時間行い、樹脂溶液A−3を生成させた。その生成物の固体に基づくエポキシド当量は、255g/当量であり、酸価は65mgKOH/gであった。
【0077】
合成例3による反応生成物は、式1Cに示した構造を持つと考えられ、この場合、x+yは1〜20の範囲の実数であり、xは0〜10の範囲の実数であり、yは1〜10の範囲の実数である。
【0078】
【化7】

【0079】
方式1に示したラジカルR、R′、及びR″に関し、合成例3(式1C)の生成物は、次のラジカル構造を有する:
【0080】
【化8】

【0081】
合成例4.樹脂溶液A−4の調製
日本の日本化薬株式会社により製造されたクレゾール・ノボラックエポキシ樹脂、EOCN−4400H(軟化点、60℃;エポキシド当量、190当量/g)1900g(10当量)、295g(2.2モル)のジメチロールプロピオン酸、及び941gのシクロペンタノンを樹脂フラスコ中に入れ、得られた混合物を90℃に加熱し、反応混合物を溶解させた。反応溶液の温度を140℃へ上昇させ、滴定測定酸価が0.5mgKOH/gより小さくなるまで窒素雰囲気中で約10時間反応を継続した。
【0082】
次に、560g(3.7モル)の無水テトラヒドロフタル酸及び240gのシクロペンタノンを入れ、反応を95℃で5時間行い、固体に基づき70%のエポキシド基を有する樹脂溶液A−4を生成させた。その生成物の固体に基づくエポキシド当量は、353g/当量であり、酸価は75mgKOH/gであった。
【0083】
合成例4による反応生成物は、式1Aに示した構造を持つと考えられ、この場合、x+yは1〜20の範囲の実数であり、xは0〜10の範囲の実数であり、yは1〜10の範囲の実数である。
【0084】
ホトレジスト配合例1〜10
ボールミル上の密封コハク色丸型瓶中でホトレジスト成分を周囲室温で1時間混合し、表1に示すような本発明の粘稠な液体ホトレジスト組成物を与えた。表中数値は重量部である。ホトレジスト組成物を金をスパッターした珪素ウエーハ基体上に60μmの厚さに適用した。被覆したウエーハを、次に95℃で20分間乾燥し、次に室温へ冷却した。次に、ネガ型ホトマスクを被覆ウエーハと接触させ、得られた組立を超高圧水銀ランプからの紫外線に1000mJ/cmの照射量で像状に露出した。次に、その露出したウエーハを10分間95℃に加熱することにより、熱処理、即ち、露出後の焼成を行なった。次にそのウエーハを水酸化テトラメチルアンモニウムの2.38%水溶液中に10分間浸漬することによりレリーフ像を発現させ、次に水で濯ぎ、空気中で乾燥した。最終工程として、現像したウエーハを100℃に5分間加熱し、レジストを硬化した。
【0085】
例1〜10のリトグラフによるパターン形成、電解金属メッキ、及びストリッピング性能を、一連の試験を用いて評価した。これらの試験を、更に次の通り記述する:
【0086】
パターン形成特性試験
パターンのアスペクト比を決定した。アスペクト比は、次の式により定義されるパターンの厚さ対パターンの幅の比を計算することにより決定した:
アスペクト比=(形成されたパターンの厚さ)÷(パターンの幅)
この試験の結果を次の記号を用いて表1の行13に記載する:
O−6以上のアスペクト比を持つパターンが形成された。
X−2以下のアスペクト比
【0087】
耐溶媒性試験
硬化剤したレジストフイルムをアセトン中に30分間浸漬し、その硬化レジストフイルムにセロファンテープを固定し、次にそのテープをフイルムから剥がすことにより接着性試験を行なった。接着性試験の結果は、光学顕微鏡を用いて検査することにより得られた。結果を次の記号及び判断基準を用いて表1、行14に記載する:
O−硬化したレジストフイルムに異常性、ブリスター発生、或は剥離は観察されなかった。
X−硬化レジストフイルムにブリスター又は剥離が観察された。
【0088】
メッキ抵抗性試験
電解金属メッキ後のメッキされた金属構造体の外観を、光学顕微鏡を用いて観察し、次の判断基準により評価した:
O−レジストに異常性が存在せず、レジストフイルムにブリスター又は接着性の低下は見られなかった。
X−レジストフイルムにブリスターの発生及び接着性の低下が起きた。
メッキ抵抗性は、例10から得られたレジストフイルムを、ニッケル、銅、鉛・錫はんだ、及び金メッキ浴の作用に曝すことにより決定した。用いたメッキ浴の詳細は次の通りである:
【0089】
電解ニッケルメッキ浴: ニッケルメッキ浴は、スルファミン酸ニッケル(400g/l)、塩化ニッケル(30g/l)、及び硼酸(20g/l)を含む水溶液であった。ニッケルメッキは、このニッケルメッキ溶液を55℃で用い、5A/dmの電流密度、及び50分のメッキ時間を用いて行なった。これらの条件を用いて、厚さが50μmのニッケル構造体が得られた。この試験の結果を表面1、行15に要約する。
【0090】
電解銅メッキ浴:銅メッキを、市販の銅メッキ溶液(日本の荏原ユージーライト株式会社により製造されているCU−BRITE BU)を22℃で用い、3A/dmの電流密度及び合計75分のメッキ時間を用いて行なった。この処理で、ホトレジストパターンの開口領域中に50μm厚の銅パターンを形成した。ホトレジストの剥離、或はホトレジストパターンのアンダーメッキは観察されなかった。この試験の結果を、表1、行16に要約する。
【0091】
電解錫・鉛はんだ浴:市販のはんだメッキ溶液(日本の石原薬品株式会社により製造されているMX M03069.574A1)を用い、20℃で、4A/dmの電流密度及び30分の全メッキ時間を用いて行なった。この処理により、ホトレジストパターンの開口領域に30μm厚のはんだ金属構造体を形成した。ホトレジストの剥離、或はホトレジストパターンのアンダーメッキは観察されなかった。この試験の結果を、表面1、行17に要約する。
【0092】
電解金浴:市販の金メッキ溶液(日本の日本高純度化学株式会社)により製造されているEX3000〕を用いて行なった。この試験の結果を、表1、行18に要約する。
【0093】
レジストストリッピング特性
メッキしたレジスト構造体を、50部のジメチルスルホキシド及び50部の1−メチル−2−ピロリジノンを含有するストリッピング溶液の作用に80℃で2時間かけた。レジストストリッピング後、構造体の外観を観察し、次の判断基準で評価を行なった:
O−ウエーハから全レジストが剥離除去された。
x−ウエーハにレジストが付着していた。
各ホトレジスト組成物についての結果を、表1、行19に要約する。
【0094】
例11.一緒にしたニッケル層と金層の電解メッキ
ニッケルメッキ溶液は、スルファミン酸ニッケル(400g/l)、塩化ニッケル(30g/l)、及び硼酸(20g/l)を含有する水溶液であった。このニッケルメッキ溶液を55℃で用い、5A/dmの電流密度及び30分の全メッキ時間を用いてニッケルメッキを行なった。30μm厚のメッキしたニッケル構造体が得られ、ホトレジストの剥離又はホトレジスト構造体のアンダーメッキは観察されなかった。次にそのメッキしたニッケル構造体を、市販の金メッキ溶液(日本の日本高純度化学株式会社により製造されているEX3000)を50℃で用い、0.8A/dmの電流密度及び6分の全メッキ時間を用いて金をその上にメッキした。得られたメッキ金属構造体は、30μm厚のニッケル構造体の上に6μm厚の金被覆を有するものからなっていた。ホトレジストの剥離、或はホトレジストパターンのアンダーメッキは観察されなかった。
【0095】
【表1】

【0096】
【表2】

【0097】
例12.電子ビーム放射線を用いたホトレジストのパターン化
配合例10のホトレジスト組成物100gに、11gのシクロペンタノンを添加した。得られたホトレジスト組成物を、珪素ウエーハ基体上に1μmの厚さに適用した。次にそのウエーハを、95℃で3分間乾燥し、市販の電子ビームリトグラフ装置〔日本、東京のエリオニクス株式会社(ELIONIX Co., Ltd.)により製造されているELS−3700〕を用いて電子ビーム放射線で像状に照射した。ビーム照射線量は、30kVの加速電圧で5μC/cmであった。次に照射したウエーハを、90℃で5分間焼成した。塩化テトラメチルアンモニウムの2.38重量%水溶液中にウエーハを浸漬することにより像を発現させ、次に水で濯ぎ、空気乾燥した。得られたレジストレリーフパターンは、1μmのパターン形状の解像力を示していた。
【0098】
例13:乾燥フイルムレジストの製造及び処理
合成例4の方法に従って製造された樹脂溶液475.9gと、1.33gのFC−171(3M社)表面活性剤とを一緒にすることにより樹脂ストック溶液を調製し、赤外加熱ランプを作用させながら1時間ロール混合した。次にそのストック溶液を、ワットマン(Whatman)5μポリキャップ(Ploycap)(商標名)36HDカプセルフィルターに20psiの空気圧力を適用して通すことにより濾過した。80gのストック樹脂溶液と、3.92gの予め濾過されたシラキュアー(Cyracure)UVI−6974PAG、及び21.1gの予め濾過したシクロペンタノン溶媒を一緒にすることによりホトレジスト組成物を調製した。シラキュアーUVI6974PAG及びシクロペンタノン溶媒は、0.45μのワットマン注入器フィルターを用いて予め濾過した。得られたホトレジスト組成物を、赤外加熱ランプを作用させながら回転ミルで1時間混合物した。この時間の後、ランプを消し、混合を一晩継続した。
【0099】
#20メイヤー(Mayer)棒を具えたオートドロー(Autodraw)III被覆機械を用いて3ミル厚のキャプトン(Kapton)(登録商標名)フイルム基体上に上記ホトレジスト組成物を5ml被覆することにより、乾燥フイルムホトレジスト物品を製造した。得られた被覆をアルミニウム支持シート上に置き、次に機械的対流炉中で90℃で15分間乾燥した。乾燥したホトレジストの厚さを、ONOソッキ・デジタル・リニアー・ゲージ(ONO Sokki Digital linear gauge)を用いて決定し、名目上13μであった。
【0100】
上で製造した乾燥フイルムホトレジスト物品の4インチ平方の試料片を切断し、リストン(Riston)(登録商標名)積層機械を用いて100mm直径の珪素ウエーハ上に二工程積層法を用いて積層した。第一工程ではその試料片を予熱し、その乾燥フイルムレジストを、珪素ウエーハ上にレジスト側を下にして置き、その組立体を85℃のローラー温度、0psiの印加圧力、及び0.2m/分のローラー速度を用いて積層機械に通し、その構造体を予熱した。第二工程では、予熱した構造体を、次に直ちに85℃のローラー温度、55psiの印加圧力、及び0.2m/分のローラー速度を用いて積層機械に通した。得られた積層構造体を冷却し、次に手でキャプトン基体を剥がし、珪素ウエーハ上にホトレジストの滑らかな被覆を与えた。その被覆に1枚の事務用テープを適用し、そのテープを引き剥がすことにより、ウエーハへのホトレジストの接着性を試験した。被覆の損傷はなく、事務用テープへ接着するホトレジストが全く無いことにより証明されるように、接着性の低下はなかった。積層フイルムの厚さは名目上14μmであり、SCI・フイルム・テク(SCI Film Tek)厚さゲージを用いて光学的に測定した。次にホトレジストを、AB−M水銀アークランプ光源を用い、360nmロング・パス・カットオフ・フィルターを用いて、420mJ/cmの照射エネルギーでホトマスクを通り像状に露出した。露出したレジストを、100℃のホットプレート上で1分間ウエーハを加熱することにより、露出後の焼成処理を施した。マイクロポジット(Microposit)(登録商標名)CD26ホトレジスト現像剤中にウエーハを4分間浸漬することにより、レリーフ像を発現した。形状による10μmの良好な解像力を持つ明瞭なレリーフ像が得られた。
【0101】
例14.インクジェット・プリンターのインクとの相容性
例1のレジスト組成物を用いて形成したニッケルパターンを、インクジェット・プリンターで使用するために黒色インク中に浸漬し、50℃で24時間放置した。適用したフイルムの外観には異常なものはなく、ブリスター或は剥離はなかった。
【0102】
例15.はんだカラムの形成
15μmの直径を有する円状形態を有するホトレジストレリーフパターンを、例1のレジスト組成物を用いて形成し、厚さ50μmの電解はんだメッキを行い、然る後、レジストパターンを剥がした。これを行なった時、直径15μm及び高さ50μmの円柱状はんだバンプを形成した。
【0103】
表1に要約した評価結果から明らかなように、本発明のホトレジスト組成物は優れたパターン化性能を示し、その硬化した形態のものは、溶媒及びメッキ用化学物質に対し優れた抵抗性を示し、ストリップ用溶液を用いてメッキ金属構造体から容易に除去される。更に、本発明のホトレジスト組成物は、例14で示したように、インクジェット・プリンターで用いられているインクに対する抵抗性を有するので、それらはインクジェットのインクに対する良好な抵抗性を示し、インクジェット・プリンターヘッドのために用いることができ、例15で示したように、それら組成物は、はんだバンプを形成するための電気メッキ法で用いることができる。メッキした金属パターンは、5より大きなアスペクト比を有するので、本発明のホトレジストは、MEMS及び他のマイクロ機械部品を製造するのに非常に適している。
【0104】
本発明を、その特別な態様に関連して上に記述してきたが、ここに開示した発明の概念から離れることなく、多くの変化、修正、及び変更を行うことができることは明らかである。従って、添付の特許請求の範囲の本質及び広い範囲内に入るそのような変化、修正、及び変更は、全て包含されるものである。ここに引用した全ての特許出願、特許、及び他の刊行物は、参考のため全体的に組込まれている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一種類以上の陽イオン性重合可能な樹脂成分(A)で、それらの構造中にエポキシド基及びカルボン酸基を有し、次の式1:
【化1】


(式中、Zは、H又は−COR″COOHであり;そして
基R、R′、及びR″は、個々に、モノマー、オリゴマー、又はポリマー有機架橋基からなる群から選択される。)
により記載される樹脂成分(A)と、一種類以上のホトアシッド発生剤化合物(B)、及び一種類以上の溶媒(C)を含むホトレジスト組成物。
【請求項2】
樹脂成分(A)のエポキシ当量が、100〜1000であり、酸価が、10〜200mgKOH/gである、請求項1に記載のホトレジスト組成物。
【請求項3】
更に、反応性単量体成分(D)を含む、請求項2に記載のホトレジスト組成物。
【請求項4】
更に、光増感剤成分(E)を含む、請求項2に記載のホトレジスト組成物。
【請求項5】
更に、光増感剤成分(E)を含む、請求項3に記載のホトレジスト組成物。
【請求項6】
更に、365nmで、15/cm・g/l以上の光学的吸収性を有する染料成分(F)を含む、請求項1に記載のホトレジスト組成物。
【請求項7】
更に、溶解速度調節剤(G)を含む、請求項1に記載のホトレジスト組成物。
【請求項8】
請求項1に記載の組成物から製造された乾燥フイルムホトレジスト。
【請求項9】
請求項1に記載のホトレジスト組成物を基体上に適用する工程、加熱することにより溶媒の殆どを蒸発させることにより、基礎材料の上に、前記組成物のフイルムを形成する工程、マスクを通して活性光線を照射する工程、照射された領域を加熱して架橋を行わせる工程、フイルムを現像して、硬化ホトレジストの像を形成させる工程、電解又は非電解メッキにより金属パターンを形成する工程、及び非永久的レジストパターンを剥離除去する工程を含む、金属パターン形成方法。
【請求項10】
請求項7に記載の乾燥フイルムホトレジストを基体に適用する工程、マスクを通して活性光線を照射する工程、照射された領域を加熱して架橋を行わせる工程、フイルムを現像してホトレジスト中にレリーフ像を形成する工程、電解又は非電解メッキにより金属パターンを形成する工程、及びホトレジストパターンを除去する工程を含む、金属パターン形成方法。
【請求項11】
活性光線が、紫外線、近紫外線、X線、又は電子ビーム放射線である、請求項8に記載のレジストパターン形成方法。
【請求項12】
活性光線が、紫外線、近紫外線、X線、又は電子ビーム放射線である、請求項9に記載のレジストパターン形成方法。
【請求項13】
請求項1に記載のホトレジスト組成物の硬化した形態のもの。
【請求項14】
請求項7に記載の乾燥フイルムホトレジストの硬化した形態のもの。
【請求項15】
アスペクト比が1〜100である、請求項12に記載のホトレジストの硬化した形態のもの。
【請求項16】
アスペクト比が1〜100である、請求項13に記載のホトレジストの硬化した形態のもの。
【請求項17】
請求項8に記載の金属パターン形成方法により形成された金属パターン。
【請求項18】
請求項9に記載の金属パターン形成方法により形成された金属パターン。
【請求項19】
電子部品で使用するための、請求項8に記載された金属パターン。
【請求項20】
電子部品で使用するための、請求項9に記載された金属パターン。
【請求項21】
電子部品が、MEMS部品、マイクロ機械部品、μ−TAS部品、又はマイクロ反応器部品である、請求項8に記載の金属パターン。
【請求項22】
電子部品が、電気伝導性層、又は金属バンプ接続部である、請求項9に記載の金属パターン。
【請求項23】
電子部品が、インクジェット・プリンター・ヘッドである、請求項8に記載の金属パターン。
【請求項24】
電子部品が、インクジェット・プリンター・ヘッドである、請求項9に記載の金属パターン。
【請求項25】
基、R、R′、及びR″が、脂肪族、脂環式、アリール、ポリアリール、アルキル・アリール、融合脂環式、融合アリール、及び融合アルキル・アリール架橋基からなる群から個々に選択されている、請求項1に記載のホトレジスト組成物。

【公表番号】特表2007−518121(P2007−518121A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−547620(P2006−547620)
【出願日】平成17年1月5日(2005.1.5)
【国際出願番号】PCT/US2005/000156
【国際公開番号】WO2005/067567
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(506230068)マイクロケム コーポレイション (13)
【出願人】(000004086)日本化薬株式会社 (921)
【Fターム(参考)】