説明

ホルムアルデヒドフリーのダクトライナー

実質的にホルムアルデヒドフリーのダクトライナー(10)は、少なくとも1種の非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーとブレンドされた鉱物繊維または有機繊維であり得る繊維成分から製造される。繊維成分は、バージンの織物用ガラス繊維、バージンのロータリーガラス繊維、有機繊維または天然繊維であり得る。非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーは、プラスチック含有結合繊維、粉末バインダーまたはそれらの混合物であり得る。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
発明の分野
本発明は、繊維絶縁に係り、より具体的には、無機または有機繊維を含む実質的にホルムアルデヒドフリーのダクトライナーに、好ましくはプラスチック含有結合繊維がバインダー材料であるところのホルムアルデヒドフリーのプラスチック含有結合繊維に関する。
【0002】
発明の背景
ダクトおよび導管は、ビルの加熱、換気およびエアコンディショニング(HVAC)システムにおいて空気を運ぶために使用されている。多くの用途、特に商業的および工業的建造物において、ダクトは、フレキシブルな熱および音絶縁材料でライニングされている。ライニングは、ダクトの仕事の熱効率を増大させ、ダクトの中を通る空気の動きにまつわるノイズを減少させる。ダクトライナーは、いずれもの好適な有機または無機材料、例えばガラス繊維絶縁のような鉱物材料から構成することができる。典型的なガラス繊維ダクトライナーは、例えば、立方フィート当り(pcf)約1.5〜3ポンドの密度と約0.5〜2インチの厚さを有するガラス繊維マットとして構成される。
【0003】
空気の流れによる繊維の腐食を防止するために、絶縁は、その内側もしくは「空気流」表面にコーティングもしくは上張り層(facing layer)を含むことができる。絶縁の空気流表面は、ダクトを通じて空気を運ぶ表面であり、最終ダクトアセンブリ中のダクトシート金属と接触する表面とは反対側にある。そのようなダクトライナーの例は、米国特許第3861425号および第4101700号に与えられている。幾つかの絶縁ダクトライナーが、タフガード(登録商標)という商品表示でPA、バリー・フォージのサーテンティード社により、エーロフレックス(登録商標)およびエーロマット(登録商標)という商品表示でOH、トレドのオーウェンス・コーニング・ファイバーグラス社により、パーマコート(登録商標)およびポリコースティク(登録商標)という商品表示でCO、デンバーのジョンズ・マンビル社により市場にだされている。
【0004】
塗布ダクトライナーに対する代替として、サーテンティード社およびナウフ・ファイバー・グラスGmbHのような製造者は、製品の空気流表面を規定する不織上張り材料の層で覆われたガラス繊維絶縁を有するダクトライナーを提供している。上張り材料は、空気ダクトを繊維腐食から保護する耐久性の表面を作り出している。
【0005】
伝統的なダクトライナーでは、繊維を互いに結合するために、粉末フェノール樹脂バインダーが使用されている。フェノール−ホルムアルデヒドのようなこれらの樹脂バインダーは、一般に、ホルムアルデヒドを含有する。ホルムアルデヒド含有バインダーを用いた伝統的なガラス繊維ダクトライナーについて健康危険はないものの、高濃度のホルムアルデヒドは、皮膚刺激と皮膚敏感を生じさせ得る。このような関心事を考慮して、絶縁製品の製造者は、ダクトライナー等の伝統的な絶縁製品に対する代替を消費者に提供するために、ホルムアルデヒドフリーの製品を提供することを開始した。
【0006】
これらの現存するホルムアルデヒドフリーの絶縁製品は、粉末フェノールバインダーの代わりに、ホルムアルデヒドフリーである水溶性アクリルバインダーを用いている。そのような用途に使用されているホルムアルデヒドフリーのバインダーのいくつかの例は、米国特許第5932665号および第6331350号に見いだすことができる。しかしながら、これらのアクリルバインダーは、水性形態で適用されるので、一般に、乾燥形態にあるバインダーと比較して製造プロセスでの使用がより困難である。従って、ダクトライナーの製造製および性能特性について妥協することなく乾燥ホルムアルデヒドフリーのバインダーを用いて製造されるホルムアルデヒドフリーのダクトライナーに対する要求が存在する。
【0007】
発明の概要
本発明の1つの側面によると、実質的にホルムアルデヒドフリーのダクトライナー、およびそのダクトライナーの製造方法が開示される。本発明の1つの態様によるダクトライナーは、バージンの織物用ガラス繊維であり得る少なくとも1種の繊維成分と、これにブレンドされた、繊維成分の少なくとも一部を結合して、その体積にわたって実質的に均一な密度を有するホルムアルデヒドフリーのダクトライナーを生成させる非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーを含む。
【0008】
本発明の1つの態様において、非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーは、ダクトライナーに使用される実質的に唯一のバインダーである。
【0009】
本発明の他の態様において、実質的にホルムアルデヒドフリーのダクトライナーの繊維成分は、織物用ガラス繊維、ロータリーガラス繊維、木材繊維、麻繊維およびセルロース繊維のような有機繊維もしくは天然繊維等、またはそれらの組合せを含み得る。好ましくはこれらの繊維は、ホルムアルデヒド含有バインダーのようなホルムアルデヒド含有化学物質で事前に処理あるいは処置されていないバージンの繊維である。ホルムアルデヒドフリーのダクトライナー用の配合物にこれら繊維の1種またはそれ以上を採用することにより、ダクトライナーの最終特性を注文仕立てすることができる。
【0010】
非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーは、プラスチック含有結合繊維、粉末バインダーまたはそれらの混合物であり得る。プラスチック含有結合繊維は、熱可塑性ポリマー繊維、加熱および/または硬化前の熱硬化性ポリマー繊維またはそれらの組合せであり得る。それらは、また、一成分、二成分またはそれらの組合せであり得る。一成分ポリマー繊維は、単一のポリマー材料の中実またはチューブ状繊維である。二成分ポリマー繊維は、シース材料がコア材料よりも低い融点を有するシース−コア構造のものであり得る。二成分ポリマー繊維は、他の構造であってもよい。例えば、二成分は、断面において、サイドバイサイドまたはセグメント化パイ(segmented pie)構造を有し得る。熱可塑性樹脂サイズ処理もしくは熱硬化性プラスチック塗布ガラス繊維のようなプラスチック塗布無機繊維も使用することができる。
【0011】
プラスチック含有結合繊維を非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーとして用いる場合、繊維成分とプラスチック含有結合繊維は均一にブレンドし、プラスチック含有結合繊維のプラスチックの部分により互いに結合させる。
【0012】
一般に、ダクトライナーの本体を構成する繊維マットの少なくとも一方の側面に上張り層を適用することができる。上張り層は、一般に、ダクトライナーの「空気流」表面に適用される。上張り層は、典型的には、不織スクリムである。
【0013】
実質的にホルムアルデヒドフリーであることに加えて、プラスチック含有結合繊維は、一般に、ダクトライナーの繊維マット本体と上張り層との間に、プラスチック含有結合繊維の発根効果のために、より強い接着をもたらす。発根効果とは、上張り層に結合する繊維マットの表面近傍のプラスチック含有結合繊維が、繊維マットのバルク中に延出することをいう。これらの結合繊維は、繊維マット内の他の繊維(ガラス繊維、および他の結合繊維)にも結合されるので、土中の木の根と同様、上張り層を繊維マットにしっかりと結合させる。さらに、二成分ポリマー繊維を用いることにより、プラスチック含有結合繊維は、また、ダクトライナーに強化をもたらす。
【0014】
粉末バインダーは、熱可塑性または熱硬化性樹脂のようないずれもの好適なホルムアルデヒドフリーの熱可塑性または熱硬化性粉末バインダーであり得る。粉末バインダーは、単独で、またはプラスチック含有結合繊維と組み合わせて用いることができ、ダクトライナーの繊維成分とブレンドされ得る。
【0015】
これらのホルムアルデヒドフリーのバインダーの使用は、ダクトライナーの製造プロセスをドライのままで行わせることを可能とし、これは、ホルムアルデヒドフリーのバインダーとして液体のアクリルバインダーを用いるよりも簡単である。気化させる水がないので、本方法は、より少ないエネルギーを消費する。ダクトライナーおよび/または上張り層は、カビまたはバクテリアの成長に抗するために、抗微生物剤で処理することができる。
【0016】
発明の詳細な説明
本発明の1つの側面によると、実質的にホルムアルデヒドフリーのダクトライナーは、少なくとも1種の繊維成分を少なくとも1種の非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーとブレンドすることによって形成される。ホルムアルデヒドフリーのバインダーは、プラスチック含有結合繊維であるか、フェノール−ホルムアルデヒドタイプのバインダー以外の粉末バインダーであり得る。最終製品におけるプラスチック含有結合繊維もしくは他のバインダーまたはそれらの組合せは、最終製品の約10〜30重量%、好ましくは12〜25重量%、より好ましくは約15〜20重量%である。
【0017】
図1は、第1の側面21、第2の側面22および第1の側面21に結合した不織スクリム上張り層を有する最終の繊維マット20を備える、例示的な実質的にホルムアルデヒドフリーのダクトライナー10の断面図である。最終繊維マット20は、したがってダクトライナー10は、約16〜56kg/m3、好ましくは約24〜48kg/m3の密度を有する。ダクトライナーの坪量(gram weight)は、約50〜350gm/m2、好ましくは約65〜310gm/m2の範囲内にある。ダクトライナーの厚さは、約0.6〜25.4cm、好ましくは約1.3〜20.3cmの範囲内にあり得る。
【0018】
本発明の1つの態様において、実質的にホルムアルデヒドフリーのダクトライナーの繊維成分は、織物用ガラス繊維、ロータリーガラス繊維、木材繊維、麻繊維およびセルロース繊維のような有機繊維もしくは天然繊維等、またはそれらの組合せを含み得る。ダクトライナー用の配合物にこれら繊維の1種またはそれ以上を採用することにより、ダクトライナーの最終特性を注文仕立てすることができる。
【0019】
本発明の好ましい態様によると、実質的にホルムアルデヒドフリーのダクトライナーの繊維成分は、織物用ガラス繊維であり得る。本発明のダクトライナー製品に使用される織物用ガラス繊維は、1マイクロメートルを超え、20マイクロメートルまでの、より好ましくは約5マイクロメートル〜約16マイクロメートルまでの直径を有し得、それらは、約1〜20cm、好ましくは約2.5〜12.5cmの平均長さを有する繊維セグメントに予め切断される。
【0020】
本発明の他の態様において、実質的にホルムアルデヒドフリーのダクトライナーの繊維成分は、ロータリーガラス繊維であり得る。ロータリーガラス繊維は、一般的に、回転する紡績機の側壁中の小さな開口を介して溶融ガラスもしくはポリマーを押出すために遠心力を用いる紡績機により作られる。ロータリー繊維は、一般に、織物用ガラス繊維よりも径が小さく、約2〜5μmの範囲内にあり得る。ロータリー繊維は、約12.7cm(5インチ)までの平均長を有する。織物用ガラス繊維とロータリー繊維は、最終マット20を形成するために、組み合わせて用いることができる。
【0021】
本発明の他の態様において、上述した織物用ガラス繊維とロータリー繊維は、ホルムアルデヒドフリーのダクトライナーの繊維成分として組み合わせて用いることができる。本発明の他の態様において、木材繊維、麻繊維およびセルロース繊維等のような有機繊維もしくは天然繊維を用いることができる。これらの繊維は、ダクトライナーの繊維成分としていかなる組合せにおいても用いることができる。
【0022】
本発明の実質的にホルムアルデヒドフリーのダクトライナーにおけるバインダーとして用いられるプラスチック含有結合繊維は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂またはそれらの双方を含み得る。プラスチック含有結合繊維は、二成分タイプのポリマー繊維、一成分タイプのポリマー繊維、熱可塑性プラスチック塗布ガラス繊維のようなプラスチック塗布鉱物繊維、またはそれらの組合せであり得る。二成分ポリマー繊維は、普通、その繊維断面構造により、サイドバイサイド、シース−コア、海島、およびセグメント化パイ断面タイプに分類される。本発明の好ましい態様においては、シース−コアタイプの二成分ポリマー繊維が使用される。
【0023】
最終製品により高い強度を望む場合、同心タイプのシース−コア二成分ポリマー繊維を用いることができる。最終製品に嵩高さを望む場合、偏心タイプのシース−コア二成分ポリマー繊維を用いることができる。
【0024】
二成分ポリマー繊維は、コア材料よりも低い融点を有するシース材料に覆われたコア材料を有する。コアおよびシース材料の両者は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、アクリル、フルオロカーボン、ポリウレタンもしくは他の熱可塑性のような熱可塑性ポリマーまたは熱硬化性ポリマーであり得る。コアおよびシース材料は、それぞれ、異なる熱可塑性もしくは熱硬化性ポリマーで作るか、または同じ熱可塑性もしくは熱硬化性ポリマーであるが、シース材料がコア材料よりも低い融点を有するように異なる配合物から作ることができる。典型的に、シース材料の融点は、摂氏約110°〜180°である。コア材料の竜点は、典型的に、摂氏約260°である。本発明のダクトライナーに使用される二成分ポリマー繊維は、約10〜20μm、好ましくは約16μmの平均繊維径を有し得る。二成分プラスチック含有結合繊維の平均長は、約0.63〜12.7cm、好ましくは約5.1〜10.2cmである。
【0025】
本発明の他の態様において、非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーは、いずれもの好適な熱可塑性粉末バインダーまたは熱硬化性樹脂粉末バインダーであり得る。粉末バインダーは、単独で、またはプラスチック含有結合繊維と組み合わせて用いることができ、ダクトライナーの繊維成分とブレンドすることができる。熱可塑性粉末バインダーの一例は、バッカー−ヒーミーGmbHから入手できるビネックス(登録商標)ポリマー粉末バインダーである。プラスチック含有結合繊維との混合は、プラスチック含有結合繊維が二成分ポリマー繊維であるときに特に有益である。二成分ポリマー繊維のコア成分は繊維の形態のままにあってダクトライナーに強化を提供し、ダクトの製造中の現場での取り扱いのためにダクトライナーを非常に強固なものとするからである。二成分ポリマー繊維と粉末バインダーとの種々の割合の混合物を用いることにより、切断が容易になるようにダクトライナーの靭性を制御することができる。
【0026】
実質的にホルムアルデヒドフリーのダクトライナーのこの例示的態様において、上張り層30は、繊維マット20の第1の側面に結合される。他の態様において、上張り層は、必要により、繊維マット20の第1の側面21と第2の側面22の双方に結合させることができる。ダクトライナーの2つの側面のうちの少なくとも一方は、一般に、空気流表面と表示される上張り30を有する。上張り層30は、好ましくは、接着剤または溶融結合により結合されたランダムに配向されたガラスもしくは樹脂繊維で作られた結合された不織スクリムである。この用途のための不織スクリムのための好ましい材料には、ホルムアルデヒドフリーの樹脂質バインダー中のガラス繊維が含まれる。より好ましい材料には、ランダムなパターンに配向され、好ましくはマット20中の繊維を結合するために使用されるバインダーと同じ組成であるが相容性樹脂でもあり得るホルムアルデヒドフリーのバインダーで結合されたサイズ処理されたガラス繊維を有する薄い、結合された不織ガラス繊維マットが含まれる。
【0027】
一例の不織スクリム層は、ランダムに配向された無機繊維、好ましい態様ではランダムに配向されたガラス繊維を含む不織材料のシートから形成することができる。不織材料は、しばしばバインダーによりシートの形態に保持された、ポリオレフィン、ポリアミド(すなわち、ナイロン)、ポリエステルまたはレーヨンのようなランダムに配向された天然もしくは合成繊維またはガラスのシートである。不織材料に典型的に使用されるバインダーは、アクリル樹脂、ビニル−アクリル樹脂等のポリマー材料に基づく。本発明のホルムアルデヒドフリーのダクトライナーの製造に使用するためには、不織材料も、ホルムアルデヒドフリーのバインダーを用いて作らなければならない。例示的態様において、例えば不織層91は、ライダル・インダストリアル・サーマル・ソリューションズ社からマンニグラス(登録商標)1900またはマンニグラス1908として入手できるガラス繊維不織材料である。これらの不織材料は、ホルムアルデヒドフリーのバインダーを用いて作られている。一般に、より薄いスクリム材料が好ましい。それらは不織スクリム30を繊維マット20に結合させるバインダー材料のより良好な浸透を可能とするからである。
【0028】
本発明のホルムアルデヒドフリーのダクトライナーは、当該分野で一般的に知られている空気気流加工(air laid processing)工程に従って製造される。しかしながら、使用する製造装置の個々の構成は、繊維成分のために使用する繊維の数および種類並びに使用するホルムアルデヒドフリーのバインダーの数および種類に依存して変わり得る。
【0029】
一例として、本発明の1つの態様によりダクトライナーを製造する際に使用することのできる空気気流法を説明する。本発明のダクトライナーを製造する好ましい方法において、DOA(ドクター・オットー・アングライトナーG.m.b.H&Co. KG,A−4600ウエルズ、ダフィンガーシュトラッセ10、オーストリア)から入手できる空気気流方式不織プロセス装置、すなわち図2〜5に示される装置100を用いることができる。この例において、本発明のホルムアルデヒドフリーのダクトライナーは、織物用ガラス繊維をバインダーとしての二成分ポリマー繊維とブレンドすることにより形成される。図2に示すように、装置100は、それぞれのタイプの繊維について1つであるベールオープナー200および300を備える。織物用ガラス繊維は、ベールオープナー200により開繊され、二成分ポリマー繊維は、ベールオープナー300により開繊される。
【0030】
図3aは、ベールオープナー200の詳細図である。織物用ガラス繊維は、バルク形態でベール60として提供される。ベール60は、一般的に粗オープナー210と細オープナー250を備えるベールオープナーに供給される。ベール60中の繊維は、開繊プロセスを促進するために、1〜20cm、より好ましくは約2.5〜12.5cmの長さのセグメントに予め裁断または切断することができる。粗オープナー210により開繊した後、織物用ガラス繊維をオープナーのコンベヤスケール230により重量測定する。オープナーのコンベヤスケール230は、開繊された織物用ガラス繊維が運ばれる際、開繊された織物用繊維62の供給量を連続的に秤量することにより当該プロセスに供給される開繊された織物用ガラス繊維の量をモニターする。次に、粗く開繊された織物用ガラス繊維を、細オープナーのピッカー255により微細に開繊する。開繊プロセスは、繊維を毛羽立て、ベール中の団塊繊維塊を解きほぐし、繊維同士の分離を促進させる。
【0031】
図3bは、ベールオープナー300の詳細図である。二成分ポリマー繊維は、バルク形態でベール70として提供される。ベール70は、ベールオープナー300に供給される。ポリマー繊維は、まず、粗オープナー310により開繊され、オープナーのコンベヤスケール330により重量測定される。オープナーのコンベヤスケール330は、開繊されたポリマー繊維72の供給量を連続的に秤量することにより当該プロセスに供給される開繊されたプラスチック含有結合繊維の量をモニターする。次に、粗く開繊されたポリマー繊維を、細オープナー350およびそのピッカー355により微細に開繊する。例示目的のために、細オープナー350は、複数のピッカー355を有するものとして示されている。ピッカーの実際の数および形態は、開繊された繊維の個々の繊維への分離の所望の程度に依存する。上述の部材を含むベールオープナー200および300は、例えば、DOAのベール・オープナー・モデル920/920TSにより提供することができる。
【0032】
図2には、ベールオープナー200および300からの開繊された繊維を装置100の下流の処理ステーションに運ぶための空気式輸送システム400が示されている。空気式輸送システム400は、一次空気ブロワ405、開繊された繊維が中でブレンドされる第1の輸送導管410、二次空気ブロワ420、およびブレンドされた繊維を繊維コンデンサ500まで運ぶための第2の輸送導管430を備える。
【0033】
図3cは、それぞれの細オープナー250および350から第1の輸送導管410中に排出されている開繊された織物用ガラス繊維64と、開繊された二成分ポリマー繊維74を示している。一次空気ブロワ405により発生された第1の輸送導管410内の空気流は、矢印444で示されている。開繊された繊維64と74は、その空気流に入り、互いにブレンドされてブレンド繊維80となる。織物用ガラス繊維と二成分ポリマー繊維との比は、オープナーのコンベヤスケール230および330からの重量情報を用いて、ベールオープナーにより開繊され排出される繊維の量を制御することにより、維持され、制御される。上に述べたように、コンベヤスケール230、330は、この目的のために、開繊された繊維の供給量を連続的に重量測定する。この例において、繊維は、約15〜20重量%のプラスチック含有結合繊維を含有する最終ダクトライナーを製造するための所定の比でブレンドされる。
【0034】
この例示方法においては、1つの繊維成分について1つのオープナーを示しているが、それぞれの方法で用いられるバールオープナーの実際の数は、個々の要求に依存して変わり得る。例えば、各繊維成分につき、1またはそれ以上のベールオープナーを用いることができる。
【0035】
ブレンドされた繊維80は、空気式輸送システム400中の空気流により、第2の輸送導管430を介して繊維コンデンサ500に運ばれる。図4を参照すると、繊維コンデンサ500は、ブレンドされた繊維80を圧縮し、より密な繊維ブレンド82とする。この圧縮プロセスは、ブレンドされた繊維の均一性(または均質性)を損なうことなく、ブレンドから空気を分離する。ついで、繊維ブレンド82を、供給機550により、熱可塑性樹脂結合剤を用いたかかまたは熱硬化性樹脂結合剤を用いたかに依存してなお結合または硬化させなければならないマット83の連続シートに成形する。この時点で、マット83は、任意に、マット83中の繊維の開繊度を調節するために、シーブドラムを通して処理することができる。ついで、マット83を他のコンベヤスケール700二運び、その間、繊維コンデンサ500およびシート形成機を通るブレンドされた繊維の流量が所望の流量にあることを確保するために、マット83を連続的に重量測定する。コンベヤスケール700は、ベールオープナーの第1の組のコンベヤスケール230と330と連通している。このフィードバックループ設定を通して、コンベヤスケール230および330で測定された開繊繊維の重量が、コンベヤスケール700で測定されたマット83の重量と比較され、当該プロセスにフロントエンドで供給されている開繊繊維の量が、マットが供給機550で形成されているその速度とマッチしているかどうかを決定する。かくして、フィードバックループ設定は、開繊繊維の流量と、供給機550を通るブレンドされた繊維の流量とを効果的に比較し、ベールオープナーの速度と、ベールがオープナーに供給されている速度を調節する。このことは、ベールオープナーが下流加工処理の要求に適合するように適切な速度で操作されることを確保するものである。このフィードバック設定は、マット83の坪量を決定する主要な変数である、開繊繊維の供給速度とコンベヤスケール700のライン速度を制御し、調節する。空気気流方式不織プロセス装置100は、上記フィードバック機能を含む該装置の操作を管理するコンピュータのような適切な制御システム(図示せず)を備えることができる。
【0036】
プラスチック含有結合繊維ではなくホルムアルデヒドフリーの粉末バインダーを用いる本発明の態様において、粉末バインダー90をマット83に適用するために、粉末バインダー供給機800を設けることができる。粉末バインダー供給機800は、マットがコンベヤスケール700を出る際にマット83上に均一に粉末バインダー90を得起用するように配置される。
【0037】
マット83を硬化または過熱する前に、繊維の開繊度をさらに調節し、粉末バインダー(使用する場合)とブレンドするために、第2のシーブドラムシート形成機850が用いられる。ついで、コンベヤ750がマット83を硬化または加熱オーブン900に運ぶ(図2)。例えば、コンデンサ500、供給機550、シーブドラムシート形成機600、コンベヤスケール700、粉末バインダー供給機800および第2のシーブドラムシート形成機850は、DOAのエーロダイナミック・シート・フォーミング・マシーンモデル番号1048を用いることにより提供することができる。
【0038】
本発明の1つの態様において、ガラス繊維の不織上張り層91は、ロール191から分配することができ、マット83が硬化または加熱オーブン900に入る前に、マット83の2つの主側面の少なくとも一方に適用される。不織上張り層91は、ダクトライナーの空気流表面であることが意図されたマット83の主側面に適用される。図2に示す例示方法において、不織上張り層91は、マットが硬化または加熱オーブンイ入る際にマット83の頂側面である主側面に適用されるが、作製プロセスの組み立てにおける個々の要求および好みに依存して、不織上張り層91は、マット83の底側面に適用することができる。本発明の他の態様において、不織上張り層は、マット83の両側面に適用することができる。
【0039】
不織層91を適用した後、マット83を硬化もしくは加熱オーブン900に供給して、プラスチック含有結合繊維を硬化または加熱する。このプロセス工程が硬化工程であるか、または加熱工程であるかは、用いた結合剤、すなわちプラスチック含有結合繊維が熱可塑性タイプのポリマーであるか、熱硬化性タイプのポリマーであるかに依存する。硬化または加熱オーブン900は、ベルト炉タイプである。硬化または加熱温度は、一般的に、繊維材料の硬化または溶融温度よりも高い温度に設定される。この例では、硬化または加熱オーブン900は、二成分ポリマー繊維のシース材料の融点よりも高いが、二成分ポリマー繊維のコア材料の融点よりも低い温度に設定される。この例では、用いる二成分ポリマー繊維は、ノース・カロライナ、ソールズベリーのコサから入手できるセルボンドタイプ254であり、そのシースは110℃の融点を有する。そして、硬化または加熱オーブン温度は、好ましくは、シース材料の融点よりも幾分高く、約145℃に設定される。シース成分は、溶融し、織物用ガラス繊維と二成分ポリマー繊維の残りのコアとを互いに結合し、体積にわたって実質的に均一な密度を有する最終マット88とする。プラスチック含有結合繊維は、不織総91をマットに結合させるために十分な量でマット83中に存在する。最終マット88中の二成分ポリマー繊維のコア成分は、得られるダクトライナーに強化を与える。
【0040】
本発明の他の態様において、硬化または加熱オーブン900は、二成分ポリマー繊維のコア成分のほぼ融点または融点よりも高く設定することができる。これは、二成分繊維を完全にあるいはほぼ完全に溶融させ、強化繊維を設ける必要なく一般にバインダーとして作用させる。溶融プラスチック繊維の高い流動性故に、ガラス繊維マットは、より良好に被覆され、結合される。かくして、より少ないプラスチック含有結合繊維を用いることができる。
【0041】
本発明の他の態様において、二成分ポリマー繊維ではなくて、一成分ポリマー繊維をバイダートして用いることができる。この目的で使用する一成分ポリマー繊維は、二成分ポリマー繊維と同じ熱可塑性ポリマーから作ることができる。種々の一成分ポリマー繊維の融点は異なり、所望の硬化または加熱温度要求に適合するように個々の一成分ポリマー繊維を選ぶことができる。一般に、一成分ポリマー繊維は、硬化または加熱プロセス中に完全にあるいはほぼ完全に溶融し、織物用ガラス繊維を結合する。
【0042】
本発明の他の態様において、プラスチック含有結合繊維ではなくて、粉末バインダーを用いることができる。硬化または加熱オーブン900は、粉末バインダーを硬化させるために適切な温度に設定される。粉末バインダーとプラスチック含有結合繊維を組み合わせて使用する態様において、好ましくは、粉末バインダーは、硬化または加熱オーブン900中に1回の通過で繊維マットを硬化させるか最終マットに形成するために、プラスチック含有結合繊維の融点とマッチする硬化または溶融温度を有するように選択される。
【0043】
硬化または加熱工程後、一連の仕上げ操作により最終マット88をダクトライナーに変換する。硬化または加熱オーブン900を出る最終マット88を、冷却セクション(図示せず)中で冷却した後、マットの端縁を切断して、所望の幅のマットを形成する。次いで、その端縁および不織スクリムを、ダクトライナーを耐水浸透性にする耐水性エポキシフォームで塗布する。ついで、塗布したマットを乾燥し、冷却し、所望の長さに作り、派ケージする。ダクトライナーおよび/または上張り層は、カビまたはバクテリアの成長に抗するために、抗微生物剤でさらに処理することができる。
【0044】
図5は、例示プロセスのフローチャートダイアグラムである。
【0045】
工程1000において、ダクトライナーの少なくとも1種の繊維成分のベールを開繊する。バインダーとしてプラスチック含有結合繊維を用いた場合には、その結合繊維もこの工程で開繊される。
【0046】
工程1010において、プロセスに供給される各繊維の量を制御し、適切な比率の繊維がブレンドされることを確保するように、開繊された繊維を、1またはそれ以上のコンベヤスケールにより、連続的に重量測定する。
【0047】
工程1020において、開繊された繊維をブレンドし、開繊された繊維を導管を介して空気流中でブレンドし輸送する空気輸送システムにより繊維コンデンサに運ぶ。
【0048】
工程1030において、開繊された繊維を圧縮してよりコンパクトな繊維ブレンドとし、フィーダーにより連続的に供給するマットのシートに成形する。
【0049】
任意工程1040において、マット中の繊維ブレンドの開繊度を調節するために、シーブドラムシート成形機を用いることができる。
【0050】
工程1050において、繊維コンデンサおよびシート成形機を通るブレンドされた繊維の流量が所望の速度にあることを確保するために、マットを、コンベヤスケールにより連続的に重量測定する。このコンベヤスケールからの情報は、ベールオープナーの操作を制御するために、ベールオープナーに付随するコンベヤスケールの第1の組にフィードバックされる。コンベヤスケールは、適切な供給および需要関係が、ベールオープナーと繊維コンデンサおよびシート成形機との間で維持されることを確保する。
【0051】
任意の工程1055において、粉末バインダーを、連続的に供給されるマットがコンベヤスケールを出る際に、マットに適用することができる。
【0052】
工程1060において、第2のシーブドラムシートフォーマーが、粉末バインダー(用いた場合)をマットの繊維マトリックス中に混入させ、繊維の開繊度を所望のレベルに調節する。
【0053】
工程1070において、硬化および/または加熱工程の前に、不織スクリム上張りを、マットの少なくとも一方の側面に適用することができる。
【0054】
工程1080において、マットを、ベルト炉タイプの硬化もしくは加熱オーブン中で硬化および/または加熱することにより、最終マットに変換する。硬化もしくは加熱オーブンは、使用する個々のホルムアルデヒドフリーのバインダーの硬化もしくは熱硬化温度よりも高い温度に設定される。
【0055】
工程1090において、最終マットを冷却する。
【0056】
工程1092において、最終マットと不織スクリム上張りの端縁を、最終ダクトライナーに耐水性表面を提供するためにエポキシフォームで塗布し、冷却する。
【0057】
工程1094において、塗布された最終マットを所望のサイズに切断し、貯蔵もしくは輸送のためにパッケージする。この工程で、ダクトライナーおよび/または上張り層は、カビもしくはバクテリアの成長に抗するために、抗微生物剤で処理することができる。
【0058】
本発明の他の態様によると、不織ガラスシートの強化層を、追加の機械的支持を提供するために、本発明のダクトライナーのためのベース層として用いることができる。この不織シートは、マット83の底部でマット83に適用し、互いに加熱もしくは硬化させることができる。後の硬化もしくは加熱工程における高められた温度でのプラスチック含有結合繊維の結合作用は、不織シートをマット83に結合させる。
【0059】
最終製品におけるプラスチック含有結合繊維もしくは他のバインダーまたはそれらの組合せは、約10〜30重量%、好ましくは12〜25重量%、より好ましくは約15〜20重量%であり得る。
【0060】
ホルムアルデヒドフリーのバインダーとしてのプラスチック含有結合繊維の使用は、ダクトライナーの製造プロセスをドライのままで行わせることを可能とし、これは、ホルムアルデヒドフリーのバインダーとして液体のアクリルバインダーを用いるよりも簡単である。また、プラスチック含有結合繊維の硬化もしくは溶融温度は通常のフェノール樹脂バインダーよりも低いので、ホルムアルデヒドフリーのガラス繊維ダクトライナーに関する製造プロセスはより少ないエネルギーを消費する。例えば、上述の製造プロセスに使用される硬化もしくは加熱オーブンは、フェノール樹脂バインダーに典型的に要求される約205℃以上というよりも、約200℃未満、好ましくは約145℃未満に設定される。また、製造プロセス中にバインダー材料から放出されるホルムアルデヒドが存在しないので、硬化もしくは加熱オーブン排気ガスからホルムアルデヒドを除去するための特別な空気処理装置は必要でない。これらの利点は、より低い製造コストおよびより少ない大気汚染をもたらす。
【0061】
また、プラスチック含有結合繊維の使用は、プラスチック含有結合繊維がガラス繊維マット不織上張り材料との間のより強固な接着を提供するので、ダクトライナーの耐久性を改善する。さらに、硬化したとき硬くて脆い熱硬化性のフェノール樹脂とは異なり、プラスチック含有結合繊維は、熱可塑性ポリマーであり、より柔軟であり、取り扱い中にクラックが発生したり、ダストが発生したりする傾向がより少ない。すなわち、ダクトライナーの製造中、並びにダクトライナーを金属ダクトに適用する仕事場において、より少ないダストが発生する。
【0062】
上述の方法により製造された基礎のダクトライナーマットの色は、一般に、白である。この色は、染料または有色顔料のような適切な着色剤を添加することにより容易に注文仕立てとすることができる。
【0063】

以下の非限定的な例は、本発明をさらに説明するものである。本発明の1つの態様に従って作られた1.5pcfの密度を有するホルムアルデヒドフリーのガラス繊維ダクトライナーの1インチ厚の試料が作られた。
【0064】
本発明を上述の態様に関して説明したが、本発明の精神から逸脱することなく種々の変更および変形を行うことができる。従って、そのような変更および変形の全ては、添付の請求の範囲内にあるものとみなされる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の1つの側面によるダクトライナーの例示態様の断面図。
【図2】本発明のダクトライナーを形成するための装置の概略図。
【図3a】図2の装置のベールオープナーの詳細概略図。
【図3b】図2の装置のベールオープナーの詳細概略図。
【図3c】図2の装置のベールオープナーの詳細概略図。
【図4】図2の装置の他の部位の詳細概略図。
【図5】図1の例示ダクトライナーを形成するための方法のフローチャートダイアグラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的にホルムアルデヒドフリーのダクトライナー(10)であって、
繊維成分(60、62)、および
前記繊維成分(60、62)の少なくとも一部を互いに結合する非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダー(70、72)を含み、該ダクトライナー(10)は、その体積に渡って実質的に均一な密度を有するダクトライナー。
【請求項2】
前記非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダー(70、72)が、前記ダクトライナー(10)における実質的に唯一のバインダーである請求項1に記載のダクトライナー(10)。
【請求項3】
前記繊維成分(60、62)が、バージン織物用ガラス繊維を含む請求項1に記載のダクトライナー(10)。
【請求項4】
前記繊維成分(60、62)が、バージン織物用ガラス繊維、バージンロータリーガラス繊維、木材繊維、麻繊維、セルロース繊維、またはそれらの組合せを含む請求項1または2に記載のダクトライナー(10)。
【請求項5】
前記織物用ガラス繊維が、約1〜20マイクロメートルの平均繊維径を有する請求項3または4に記載のダクトライナー(10)。
【請求項6】
前記織物用ガラス繊維が、約5〜16マイクロメートルの平均繊維径を有する請求項3〜5に記載のダクトライナー。
【請求項7】
前記織物用ガラス繊維が、約1〜20cmの平均繊維長を有する請求項3〜6に記載のダクトライナー。
【請求項8】
前記織物用ガラス繊維が、約2.5〜12.5cmの平均繊維長を有する請求項3〜7に記載のダクトライナー。
【請求項9】
前記非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーが、前記ダクトライナーの約10〜30重量%である請求項1〜8のダクトライナー。
【請求項10】
前記非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーが、前記ダクトライナーの約12〜25重量%である請求項1〜9のダクトライナー。
【請求項11】
前記非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーが、前記ダクトライナーの約15〜20重量%である請求項1〜10のダクトライナー。
【請求項12】
前記非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーが、プラスチック含有結合繊維を含み、前記繊維成分および前記プラスチック含有結合繊維が、均一にブレンドされ、前記プラスチック含有結合繊維のプラスチックの一部により互いに結合されている請求項1〜11のダクトライナー。
【請求項13】
前記プラスチック含有結合繊維が、二成分ポリマー繊維を含む請求項12に記載のダクトライナー。
【請求項14】
前記プラスチック含有結合繊維が、一成分ポリマー繊維を含む請求項12または13に記載のダクトライナー。
【請求項15】
前記プラスチック含有結合繊維が、プラスチック塗布鉱物繊維を含む請求項12または14に記載のダクトライナー。
【請求項16】
前記非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーが、熱可塑性または熱硬化性粉末バインダーを含む請求項1〜15に記載のダクトライナー。
【請求項17】
前記ダクトライナーが、約16〜56kg/m3の密度を有する請求項1〜16に記載のダクトライナー。
【請求項18】
前記ダクトライナーが、約24〜48kg/m3の密度を有する請求項1〜17に記載のダクトライナー。
【請求項19】
前記ダクトライナーが、約50〜350gm/m2の坪量を有する請求項1〜18に記載のダクトライナー。
【請求項20】
前記ダクトライナーが、約65〜310gm/m2の坪量を有する請求項1〜19に記載のダクトライナー。
【請求項21】
前記ダクトライナーが、第1の側面と第2の側面を有するとともに、該両側面の少なくとも一方に結合した上張り層をさらに含む請求項1〜20に記載のダクトライナー。
【請求項22】
前記上張り層が、ランダムに配向した天然もしくは合成繊維の不織スクリムシートである請求項21に記載のダクトライナー。
【請求項23】
前記不織スクリムが、ガラス、ポリオレフィン、ポリイミド、ポリエステルまたはレーヨンの繊維から作られる請求項22に記載のダクトライナー。
【請求項24】
前記ダクトライナーおよび前記上張り層の少なくとも一方が、エポキシフォーム、アクリルまたはアスファルトからなる耐水性添加剤で処理されている請求項21〜23に記載のダクトライナー。
【請求項25】
前記ダクトライナーおよび前記上張り層の少なくとも一方が、抗微生物剤で処理されている請求項21〜24に記載のダクトライナー。
【請求項26】
前記二成分ポリマー繊維が、
コア材料、および
シース材料
を含み、前記シース材料が、前記コア材料の融点温度よりも低い融点温度を有する請求項13に記載のダクトライナー。
【請求項27】
前記二成分ポリマー繊維が、熱可塑性または熱硬化性ポリマーから作られる請求項26に記載のダクトライナー。
【請求項28】
前記シース材料と前記コア材料が、前記シースおよび前記コアについて異なる融点を有するように調製された熱可塑性もしくは熱硬化性ポリマーで作られる請求項27に記載のダクトライナー。
【請求項29】
前記コア材料が鉱物であり、シース材料が熱可塑性もしくは熱硬化性ポリマーである請求項26に記載のダクトライナー。
【請求項30】
前記非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーが、プラスチック含有結合繊維と、少なくとも1種の実質的にホルムアルデヒドフリーの粉末バインダーとの混合物である請求項1〜29に記載のダクトライナー。
【請求項31】
前記プラスチック含有結合繊維が、前記実質的に非液体のホルムアルデヒドフリーのバインダーの約20〜100重量%を構成する請求項30に記載のダクトライナー。
【請求項32】
実質的にホルムアルデヒドフリーのダクトライナーであって、
第1の側面および第2の側面を有する最終マットを備え、前記マットが、
繊維成分と、
前記繊維成分の少なくとも一部を互いに結合させる非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーと、
前記2つの側面の少なくとも一方に結合した上張り層を含み、前記ダクトライナーは、その体積にわたって実質的に均一な密度を有するダクトライナー。
【請求項33】
前記非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーが、前記ダクトライナーにおける実質的に唯一のバインダーである請求項32に記載のダクトライナー。
【請求項34】
前記繊維成分が、バージン織物用ガラス繊維を含む請求項32または33に記載のダクトライナー。
【請求項35】
前記繊維成分が、バージン織物用ガラス繊維、バージンロータリーガラス繊維、木材繊維、麻繊維、セルロース繊維、またはそれらの組合せを含む請求項32〜34に記載のダクトライナー。
【請求項36】
前記織物用ガラス繊維が、約1〜20マイクロメートルの平均繊維径を有する請求項34〜35に記載のダクトライナー。
【請求項37】
前記織物用ガラス繊維が、約5〜16マイクロメートルの平均繊維径を有する請求項34〜36に記載のダクトライナー。
【請求項38】
前記織物用ガラス繊維が、約1〜20cmの平均繊維長を有する請求項34〜37に記載のダクトライナー。
【請求項39】
前記織物用ガラス繊維が、約2.5〜12.5cmの平均繊維長を有する請求項34〜38に記載のダクトライナー。
【請求項40】
前記非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーが、前記ダクトライナーの約10〜30重量%である請求項32〜39のダクトライナー。
【請求項41】
前記非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーが、前記ダクトライナーの約12〜25重量%である請求項32〜40のダクトライナー。
【請求項42】
前記非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーが、前記ダクトライナーの約15〜20重量%である請求項32〜41のダクトライナー。
【請求項43】
前記非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーが、プラスチック含有結合繊維を含み、前記繊維成分および前記プラスチック含有結合繊維が、均一にブレンドされ、前記プラスチック含有結合繊維のプラスチックの一部により互いに結合されている請求項32〜42のダクトライナー。
【請求項44】
前記プラスチック含有結合繊維が、二成分ポリマー繊維を含む請求項43に記載のダクトライナー。
【請求項45】
前記プラスチック含有結合繊維が、一成分ポリマー繊維を含む請求項43に記載のダクトライナー。
【請求項46】
前記プラスチック含有結合繊維が、プラスチック塗布鉱物繊維を含む請求項43に記載のダクトライナー。
【請求項47】
前記非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーが、熱可塑性または熱硬化性粉末バインダーを含む請求項32に記載のダクトライナー。
【請求項48】
前記ダクトライナーが、約16〜56 52.5kg/m3の密度を有する請求項32〜47に記載のダクトライナー。
【請求項49】
前記ダクトライナーが、約24〜48kg/m3の密度を有する請求項32〜47に記載のダクトライナー。
【請求項50】
前記ダクトライナーが、約50〜350gm/m2の坪量を有する請求項32〜49に記載のダクトライナー。
【請求項51】
前記ダクトライナーが、約65〜310gm/m2の坪量を有する請求項32〜50に記載のダクトライナー。
【請求項52】
前記上張り層が、ランダムに配向した天然もしくは合成繊維の不織スクリムシートである請求項32〜51に記載のダクトライナー。
【請求項53】
前記不織スクリムが、ガラス、ポリオレフィン、ポリイミド、ポリエステルまたはレーヨンの繊維から作られる請求項52に記載のダクトライナー。
【請求項54】
前記ダクトライナーおよび前記上張り層の少なくとも一方が、エポキシフォーム、アクリルまたはアスファルトからなる耐水性添加剤で処理されている請求項32〜53に記載のダクトライナー。
【請求項55】
前記ダクトライナーおよび前記上張り層の少なくとも一方が、抗微生物剤で処理されている請求項32〜54に記載のダクトライナー。
【請求項56】
前記二成分ポリマー繊維が、
コア材料、および
シース材料
を含み、前記シース材料が、前記コア材料の融点温度よりも低い融点温度を有する請求項44に記載のダクトライナー。
【請求項57】
前記二成分ポリマー繊維が、熱可塑性または熱硬化性ポリマーから作られる請求項56に記載のダクトライナー。
【請求項58】
前記シース材料と前記コア材料が、前記シースおよび前記コアについて異なる融点を有するように調製された熱可塑性もしくは熱硬化性ポリマーで作られる請求項57に記載のダクトライナー。
【請求項59】
前記コア材料が鉱物であり、シース材料が熱可塑性もしくは熱硬化性ポリマーである請求項56に記載のダクトライナー。
【請求項60】
前記非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーが、プラスチック含有結合繊維と、少なくとも1種の実質的にホルムアルデヒドフリーの粉末バインダーとの混合物である請求項1〜29に記載のダクトライナー。
【請求項61】
前記プラスチック含有結合繊維が、前記実質的に非液体のホルムアルデヒドフリーのバインダーの約20〜100重量%を構成する請求項60に記載のダクトライナー。
【請求項62】
実質的にホルムアルデヒドフリーのダクトライナーを製造する方法であって、
バルクの繊維成分を開繊する工程、
前記ダクトライナーの前記開繊された繊維成分と、非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーとをブレンドして繊維ブレンドとする工程、
前記繊維ブレンドを、第1の側面と第2の側面を有するマットに成形する工程、
前記第1の側面および第2の側面の少なくとも一方に上張り層を適用する工程、
前記マットと前記上張り層とを加熱して実質的にホルムアルデヒドフリーのダクトライナーを形成する工程
を含む方法。
【請求項63】
前記繊維成分の開繊工程が、前記開繊された繊維成分の供給速度をモニターするために、前記開繊された繊維を重量測定する工程をさらに含む請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記繊維ブレンドをマットに成形する工程が、
前記ブレンドされた繊維の流量が所望の速度にあることを確保するために、前記マットを連続的に重量測定する
ことをさらに含む請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記開繊工程の速度を制御するために、フィードバックループにおいて前記開繊された繊維の供給速度と、前記ブレンドされた繊維の流量とを比較する工程をさらに含む請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記加熱工程が、前記マットを約200℃未満の温度で加熱することを含む請求項62に記載の方法。
【請求項67】
前記上張り層を前記マットの第1の側面および第2の側面の少なくとも一方に適用する前に、前記マット上にホルムアルデヒドフリーの粉末バインダーを適用する工程をさらに含む請求項62に記載の方法。
【請求項68】
前記繊維成分が、織物用ガラス繊維を含む請求項62に記載の方法。
【請求項69】
前記織物用ガラス繊維が、約1〜20マイクロメートルの平均繊維径を有する請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記織物用ガラス繊維が、約5〜16マイクロメートルの平均繊維径を有する請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記織物用ガラス繊維が、約1〜20cmの平均繊維長を有する請求項68に記載の方法。
【請求項72】
前記織物用ガラス繊維が、約2.5〜12.5cmの平均繊維長を有する請求項68に記載の方法。
【請求項73】
前記繊維成分が、バージン織物用ガラス繊維、バージンロータリーガラス繊維、木材繊維、麻繊維、セルロース繊維、またはそれらの組合せを含む請求項62に記載の方法。
【請求項74】
前記非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーが、前記ダクトライナーの約10〜30重量%である請求項62に記載の方法。
【請求項75】
前記非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーが、前記ダクトライナーの約12〜25重量%である請求項62に記載の方法。
【請求項76】
前記非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーが、前記ダクトライナーの約15〜20重量%である請求項62に記載の方法。
【請求項77】
前記非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーが、プラスチック含有結合繊維を含む請求項62に記載の方法。
【請求項78】
前記プラスチック含有結合繊維が、二成分ポリマー繊維を含む請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記プラスチック含有結合繊維が、一成分ポリマー繊維を含む請求項77に記載の方法。
【請求項80】
前記非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーが、熱可塑性または熱硬化性粉末バインダーを含む請求項62に記載の方法。
【請求項81】
前記ダクトライナーが、約16〜56kg/m3の密度を有する請求項62に記載の方法。
【請求項82】
前記ダクトライナーが、約24〜48kg/m3の密度を有する請求項62に記載の方法。
【請求項83】
前記ダクトライナーが、約50〜350gm/m2の坪量を有する請求項62に記載の方法。
【請求項84】
前記ダクトライナーが、約65〜310gm/m2の坪量を有する請求項62に記載の方法。
【請求項85】
前記二成分ポリマー繊維が、
コア材料、および
シース材料
を含み、前記シース材料が、前記コア材料の融点温度よりも低い融点温度を有する請求項78に記載の方法。
【請求項86】
前記二成分ポリマー繊維が、熱可塑性または熱硬化性ポリマーから作られる請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記非液体の実質的にホルムアルデヒドフリーのバインダーが、プラスチック含有結合繊維と、少なくとも1種の粉末バインダーとの混合物である請求項85に記載の方法。
【請求項88】
前記プラスチック含有結合繊維が、前記実質的に非液体のホルムアルデヒドフリーのバインダーの約20〜100重量%を構成する請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記プラスチック含有結合繊維が、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂またはその双方を含む請求項87に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−523270(P2007−523270A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553563(P2006−553563)
【出願日】平成17年2月21日(2005.2.21)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001783
【国際公開番号】WO2005/080855
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(501085706)サン−ゴバン・イソベール (46)
【Fターム(参考)】