説明

ホログラム転写フィルムを用いた部分塗装方法及び塗装用組成物の製造方法とそれに使用される装置

本発明は、部分塗装方法に関し、より詳細には、透明塗装を行った基材面にホログラムなどの模様が印刷された転写フィルムを貼った後、熱処理して印刷層を転写した後に基材フィルムを除去することにより、基材面に印刷層が完全に転写されることを特徴とする塗装方法に関し、本発明の転写された表面は、印刷層が完全に転写されて透明塗装内に含浸されるので、段差が発生せず、溶剤によって消せないという特徴がある。
また、本発明は、ホログラム転写フィルムを用いて塗装用組成物を製造する方法及び塗装用組成物を用いた塗装方法に関する。より詳細には、ホログラム薄膜が形成された転写フィルムの基材フィルムを除く他の部分をスクラッチしてバインダー溶液と混合して使用することで、比較的簡単な方法で立体効果のあるホログラムパターンをコーティングできる塗装用組成物の製造方法及び塗装用組成物と、その製造に使用されるホログラム粒子製造装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホログラム転写フィルム(transfer film)を用いた部分塗装方法及びそれを用いて塗装に使用される組成物を製造する方法と、塗装用組成物を製造するための装置に関する。
【0002】
より詳細には、透明塗装を施した基材面にホログラム転写フィルムを付着した後、熱処理して印刷部分を転写してから基材フィルムを除去することにより、印刷模様が完全に転写されて透明塗装内に含浸されるので、段差の発生がなく、屈曲面にも簡単に付着可能であり、さらに、完全に接着されて溶剤によっても消えない特徴を有する部分塗装方法に関するものである。
【0003】
また、本発明は、基材フィルム、保護層、ホログラム薄膜層、熱接着層からなるホログラム転写フィルムにおいて基材フィルムを除いた部分をスクラッチ装置を利用してスクラッチして収去し後、バインダー溶液と混合した塗装用組成物及びその製造方法とそれに使用される装置に関するものである。
【背景技術】
【0004】
ホログラムフィルムまたはステッカーは、光沢性を有していて高級装飾品として使用されており、長時間使用しても耐久性に優れているので、最近その需要が増加している。
【0005】
自動車の塗装は、ベース塗装、顔料塗装、クリアー塗装の3段階で構成される。この中でクリアー塗装は、車体表面の外観上の光沢のために行なう塗装であって、埃や汚染物から車体を保護する役割もする。
【0006】
近年、自動車の外観を美しくするために転写フィルムを貼ったり、ステッカーを貼ったりするが、従来の転写フィルムを使用する場合、常温で粘着性があるため、転写した後に物理的な力を加えたり溶剤を使用すると、剥がれてしまうなど、耐久性に乏しいという問題点があった。また、一般的なステッカーを貼る場合には、段差が発生して異物が入ったり、離脱し易く、耐久性が低いという問題があり、多様化及び規格化された一定の模様や文字を塗装することは不可能であった。
【0007】
そして、自動車のような基材面にホログラム模様を形成することは難しく、市販の金属粉末を使用する場合、表面が粗く、金属粉末の不透明な特性のためメタリック色となり、光の角度によって色が変わるという効果は得られなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、ホログラム転写フィルムを使用して自動車などの基材面に塗膜を形成するもので、基材面に透明塗装を行った後、ホログラム転写フィルムを接着し熱処理する方法により、段差の発生がなく、基材面に完全に含浸する新規な塗装方法を提供することである。
【0009】
また、本発明は、ホログラム転写フィルムの基材フィルムを除いてホログラムパターンが形成された部分を、本発明によるホログラム粒子の製造装置によりスクラッチしてバインダー溶液と混合して使用することにより、ホログラム粒子の板状を維持する特徴を有し、簡単な方法としては、ホログラムを塗装できる塗装用組成物を提供し、それを用いた塗装方法を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、光のないところではホログラムが現れないが、光を受けると角度によって異なる色を示し、コーティングする方法及び回数によって薄い、様々な大きさ及び模様のホログラムパターンを簡単に塗装できる塗装用組成物の製造方法及び塗装組成物を用いた塗装方法を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、簡単な方法によりホログラムパターンを形成することができ、高級塗装の可能な塗装用組成物及び塗装方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、ホログラム転写フィルムからホログラム粒子を連続的にスクラッチするためのホログラム粒子製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、ホログラムを用いた塗装方法に関し、より詳細には、ホログラム模様が印刷された転写フィルム(transfer film)を利用し、透明塗装を行った基材面に貼った後、熱処理して印刷層を転写し、基材フィルムを除去することにより、基材面に印刷層が完全に転写されるようにする部分塗装方法と、ホログラム転写フィルムの基材フィルムを除いた他の部分をスクラッチしてホログラム粒子を得た後、それをバインダー溶液と混合して塗装用組成物として製造する方法、及びスクラッチに用いられる装置に関するものである。
【0014】
本発明による部分塗装方法は、印刷層が基材面に完全に転写されて透明塗装内に含浸するので、段差の発生がなく、溶剤によっても消えないという特徴を有する。本発明において、前記基材面は、金属面、木材面、プラスチック面から選択されるいずれか1つであり、前記金属面は、自動車の外装、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、空気調節装置、スチール家具、アルミニウム製品、エレベータから選択することができるが、これに制限されるわけではない。
【0015】
また、本発明によるホログラム転写フィルムを用いた塗装用組成物の製造方法は、本発明によるホログラム粒子の製造装置を用いてホログラム転写紙を連続的にスクラッチしてホログラム粒子を製造した後、それをバインダー溶液と混合して製造するもので、連続的かつ比較的簡単な方法により塗装用組成物を製造することができ、基材面に塗装する場合、塗装回数によってホログラムパターンを形成することができ、このように塗装された基材面は、光を受けると角度によって色が違って見えるホログラム効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明による部分塗装方法によれば、印刷層が透明塗装を行った基材面に完全に転写されて含浸されるので、段差の発生がなく、屈曲面にも簡単に転写することができ、また、溶剤によっても消えない特徴を有する新規な部分塗装を行うことができる。
【0017】
また、本発明による転写フィルムは、透明塗装面に完全に転写される特徴を有し、ホログラムなどによる立体効果を与えることができる。
【0018】
また、本発明による塗装用組成物を使用すれば、転写方法に比べて簡単、かつ、容易な方法でホログラムの立体的なパターンを形成した塗装を提供することができる。
【0019】
また、本発明は、薄く広く、多様な大きさのホログラムパターンを簡単に塗装できる塗装用組成物の製造方法及び塗装組成物を用いた塗装方法を提供することができる。
【0020】
また、本発明による塗装方法により塗装を行うことにより、塗装面が光を受けると、見る角度によって色が変わるホログラム効果を与えることができ、耐久性に優れ、表面が美麗な効果がある。
【0021】
また、本発明によるホログラム粒子製造装置を使用することにより、連続的に簡単にホログラム粒子を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明による転写フィルムを用いて基材面に塗装する様々な方法について説明する。
【0023】
まず、本発明によるホログラム転写フィルムを用いて段差が発生しないように部分塗装する方法を説明する。
【0024】
A)基材面に透明塗装を行い、予備乾燥させる段階と;
【0025】
B)前記予備乾燥の後、転写フィルムを貼る前に塗装面を40〜70℃で加熱するか、有機溶剤をスプレーする段階と;
【0026】
C)下部から基材フィルム、保護層、ホログラム薄膜層、熱接着層の順に積層されたホログラム転写フィルムの熱接着層を前記透明塗装面に付着させる段階と;
【0027】
D)前記付着された転写フィルムと透明塗装面をともに50〜200℃で熱処理する段階と;
【0028】
E)転写フィルムと透明塗装面を冷却した後、前記転写フィルムの基材フィルム層を除去する段階と;を含む。
【0029】
本発明において、前記A)の予備乾燥段階は、透明塗装の塗装面が粘つかない程度に乾燥させることを意味し、一般的に、速乾型塗装の場合は30分以上、遅乾型塗装の場合は2時間以上乾燥させることが好ましい。前記予備乾燥段階では、粘つかない程度に乾燥させるもので、完全に硬化させることではないので、薄い厚さの転写フィルムを接着剤なしでも簡単に貼ることができ、凹凸面にも貼り易い。
【0030】
また、前記透明塗装を行った後、予備乾燥段階で長時間経過した場合は、転写フィルムを貼ることが難しいことから、B)段階として前記塗装面を40〜70℃で加熱するか、あるいは、有機溶剤をスプレーする段階を追加し、転写フィルムを基材面に貼り易い状態とすることが好ましい。透明塗装を行った後、長時間が経過した場合、基材面が硬化した状態で基材面が金属面である場合は、転写フィルムを貼った後、ゴム磁石板またはゴム板を付着してから加熱することも可能であるが、金属面でない場合は、上記のように、加熱するか有機溶剤をスプレーして透明塗装面が粘性を有するようにして転写フィルムを貼ることが好ましい。
【0031】
このような有機溶剤としては、エタノール、メタノール、イソプロパノールのようなアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブのようなエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、トルエン、クシレンのような芳香族炭化水素類から選択されるいずれか1つ以上の有機溶剤を使用することができる。また、一般的に使用される希釈剤であるシンナーを使用することも可能である。
【0032】
上記のような本発明は、透明塗装面に基材フィルムを貼った後、熱処理する場合、透明塗装が硬化して熱接着層、ホログラム薄膜層、及び保護層が透明塗装面に含浸されるので、冷却した後、付着面上部の基材フィルムを除去する場合、簡単に除去できる。
本発明において、透明塗装は、熱により硬化する熱硬化性樹脂を使用することが好ましく、アミノアルキド樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂から選択されるいずれか1つ以上を使用可能であるが、これらの例示に限定されるものではない。
【0033】
前記熱硬化性アクリル樹脂は、アクリル及びメタクリル酸エステル、スチレン、ニビルトルエンなど、共重合鎖の骨格に各種活性作用基をペンダントグループとした構造を有しており、前記ペンダントグループが熱または触媒の存在によりアクリル樹脂どうしまたは他の塗料用樹脂と反応し、無限分子量の3次元網目構造を形成する。
【0034】
また、本発明において、透明塗装は、基材面が自動車の外観である場合はクリア塗装を意味し、自動車クリア塗装に使用される塗料としては、アミノアルキド系、熱硬化性アクリル系が一般的に使用される。この他にも、該当分野で通常使用されるものであれば特に制限されない。
【0035】
また、前記透明塗装は、顔料をさらに追加して色相を実現することも可能である。ここで使用される顔料としては、タルク、炭酸カルシウムのような体質顔料、クロム酸亜鉛、亜鉛粉末、硫酸バリウムのような防錆顔料、酸化チタン、酸化鉄、岩石のような無機顔料、フタロシアニンブルー、キナクリドンレッドのような有機顔料、この他の着色顔料から選択されるいずれか1つ以上を使用する。
【0036】
本発明において、前記D)段階の熱処理時、ゴム磁石板またはゴム板を転写フィルムの一部または全面を収容するように貼り付けた後、間接加熱する方法を提供する。
【0037】
このように、ゴム磁石板またはゴム板を貼り付けて加熱する場合、熱が均一に伝達されるので、転写後に基材フィルムを除去する際に印刷面が均一に付着される効果があり、直接加熱する場合、温度が高すぎると基材フィルムが溶融する現象が発生することもあるが、ゴム磁石板またはゴム板を貼り付けて加熱することで、そのような現象を防止でき、安全かつ均一に熱を加えることができる。
【0038】
前記加熱温度は50〜200℃が好ましく、これは、透明塗装面が硬化する温度で、転写フィルムの印刷面が転写される温度を意味し、組成物によってその温度を選択することが可能である。
【0039】
また、本発明において、前記E)段階の後に、透明塗装をさらに行うことも可能である。上記のように、基材フィルムを除去した後で完成するようにしても転写が行われて好ましいが、より好ましくは、転写した後で透明塗装を行って処理すると、より綺麗に仕上げることができる。
【0040】
次に、本発明によるホログラム転写フィルムの構成を図1を参照して詳細に説明する。
本発明によるホログラム転写フィルムは、図1に示すように、下部から基材フィルム1、保護層2、ホログラム薄膜層3、熱接着層4の順に積層されている。
【0041】
前記基材フィルム1としては、透明な樹脂フィルムを使用することが好ましい。例えば、ポリエステルフィルム、ポリビニルクロライドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどが使用され、好ましくは、ポリプロピレンフィルムが使用される。
【0042】
前記保護層2は、前記印刷層3と前記基材フィルム1とを分離し易くする離形剤の役割をし、転写される場合、印刷層の外側に位置して印刷層の表面を保護し、引っかかれるのを防止し、また、スクラッチされて塗料組成物として使用される場合には、ホログラム粒子が維持されるようにする役割をし、本発明において選択的に使用することができる。例えば、アミノアルキド系、熱硬化性アクリル系、ポリウレタン、ポリエステル、ポリプロピレン、パラピンワックス、エチレンビニルアセテート、エポキシから選択されるいずれか1つ以上の樹脂を使用することが好ましい。前記熱硬化性アクリル系樹脂は、アクリル及びメタクリル酸エステル、スチレン、ビニルトルエンなど共重合体の骨格に各種活性作用基をペンダントグループとした構造を有しており、前記ペンダントグループが熱または触媒の存在によりアクリル樹脂どうしまたは他の塗料用樹脂と反応して無限大分子量の3次元網目構造を形成する。
【0043】
前記ホログラム薄膜層3は、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、クロム、チタニウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸亜鉛、硫酸バリウムから選択されるいずれか1つ以上の金属パウダー、レインボー、繊維パウダー、パールシートチップ、蛍光顔料チップ、反射シートチップ、シェルパウダーから選択されるいずれか1つ以上の光沢を有する粒子と、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルクロライド、スチレン系共重合樹脂、メタクリル酸またはアクリル酸とエチレンとの共重合体であるイオノマー樹脂から選択されるいずれか1つ以上の透明樹脂を混合して前記保護層の上部に塗布した後、グラビアまたはロータリスクリーン印刷方法などでホログラムパターンを形成したもので、結合剤をさらに使用することも可能である。
【0044】
前記結合剤は、金属パウダーが基材に接着するようにする機能をし、例えば、Visprox社のV2000、TCI8700シリーズ、TCP9900シリーズなどが使用される。
【0045】
このようなホログラム薄膜層は、立体模様及び角度によって違う色を出す効果がある。このとき、ホログラムの模様及びパターンは、前記グラビアやロータリスクリーン印刷方法以外にも、ホログラムパターンを形成できる通常の方法により金属膜を加工できるので、これに制限されない。
【0046】
本発明において、前記ホログラム薄膜層3に使用される前記組成物は、通常、当業者が使用する水準の組成比を使用しているが、使用者が必要に応じて変更可能である。
【0047】
前記ホログラム薄膜層を形成するために使用される透明樹脂のうち、ポリエステルとしては、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸などのような脂肪族ポリエステル、ポリエチレンテレフタレートグリコールなどのような無定形ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのよう芳香族ポリエステルなどが挙げられる。
【0048】
前記ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド6/6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6/10などような結晶性脂肪族ポリアミド、テレフタル酸及びイソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとの共重合体などのような無定形コポリアミド、ポリメタキシレンアジパミドなどのような芳香族ポリエステルなどが挙げられる。
【0049】
前記スチレン系樹脂としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、スチレン−アクリロニトリル(SAN)、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン系(MBS)共重合樹脂から選択されるいずれか1つ以上を使用する。
【0050】
前記メタクリル酸またはアクリル酸とエチレンとの共重合体であるイオノマは、酸含量が3〜20重量%、全体酸の20〜80重量%がリチウムイオン(Li)、ナトリウムイオン(Na)、亜鉛イオン(Zn)、マグネシウムイオン(Mg)などで中和されたもので、溶融指数が0.5〜10g/10分であるものが好ましい。例えば、ナトリウムイオンで中和されたメタクリル酸とエチレンとの共重合体構造を有するイオノマである米国Dupont社のSurlyn8920、ナトリウムイオンで中和されたアクリル酸とエチレンとの共重合体構造を有するイオノマである米国ExxonMobil社のIotek3110などがある。特に、前記イオノマを使用してホログラム薄膜を形成する場合、強度及び耐衝撃性に優れており、スクラッチする場合にもホログラムパターンが維持されるので好ましい。
【0051】
本発明において、前記ホログラム薄膜層3は、0.1〜150μm厚みの薄いホイルで形成することが段差の発生が無く、透明塗装面に含浸するので好ましい。
【0052】
前記熱接着層4は、接着面であって常温で粘着性を持つ一般の接着層とは異なり、熱を加えれば粘着性を持つことが好ましい。一般的に、転写フィルムにおいて転写される基材面に熱を加えて接着する樹脂であればどのようなものでもよいが、ホットメルト樹脂を使用することも可能であり、より好ましくは、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ、アクリル、アクリルウレタンから選択されるいずれか1つ以上の樹脂を使用する。
【0053】
本発明は、上記のようにホログラム薄膜層が形成された印刷層3が熱接着層4と保護層2の間に形成されているので、スクラッチする場合にも、前記層によりホログラムパターンがそのまま維持され、薄くて広い模様のホログラムパターンがそのまま維持される。
【0054】
また、本発明に用いられる転写フィルムは、その厚さが薄く、一般の粘着層と異なり、常温では粘着性がないが、熱を加えれば透明塗装が硬化すると同時に印刷層とともに透明塗装面に完全に転写されて含浸される。これにより、本発明の転写フィルムを用いて部分塗装を行う場合、物理的な力を加えても印刷面が剥がれないという特徴があり、溶剤などによっても消せない新規な塗装方法を提供できる。
【0055】
以下、本発明による塗装方法のまた他の態様について説明する。
【0056】
以下に説明する本発明のまた他の塗装方法は、ホログラム転写フィルムからホログラム粒子を分離した後、ホログラム粒子とバインダー溶液を混合して塗装用組成物を製造し、それを塗装に使用する。
【0057】
本発明による塗装用組成物を用いて基材面に塗装を行う方法について説明する。
【0058】
1)基材面に透明塗装を行い、乾燥させる段階と;
【0059】
2)ホログラム転写フィルムからスクラッチされて粒子の大きさ別に分離されたホログラム粒子とバインダー溶液を混合した塗装用組成物を前記基材面にコーティングする段階と;
【0060】
3)前記組成物を乾燥した後、透明塗装を行う段階;
により基材面にホログラムを形成し、塗装膜が耐久性を有するようにするため、透明塗装をさらに1回行う。
【0061】
ここで、前記コーティング方法は、ホログラム粒子の大きさに応じて塗装用スプレー、筆など様々なものを選択することができる。
【0062】
本発明において、前記2)段階でスクラッチされたホログラム粒子とバインダー溶液を混合した後、長期間経過する場合、熱接着層及び保護層がバインダー溶液に溶解されてホログラムパターンが消えてしまう場合があるため、使用する直前、あるいは、1日〜1週間前、より好ましくは、使用する1〜24時間前に混合することが好ましい。すなわち、ホログラム転写フィルムにおいて基材フィルムを除く他の層に物理的な力によってスクラッチされた粒子とバインダー溶液を使用する1〜24時間前に混合し、基材面にコーティングする塗装方法を使用することが最も好ましい。
【0063】
次に、基材面にホログラム粒子の板状を維持すると同時に、様々な大きさの薄いパターンを形成するための塗装用組成物の製造方法及び塗装用組成物を用いた塗装方法を提示する。
【0064】
塗装用組成物を製造する方法は、
【0065】
a)下部から基材フィルム、保護層、ホログラム薄膜層、熱接着層の順に積層されるホログラム転写フィルムにおいて、基材フィルムを除く他の層に物理的な力を加えてホログラム薄膜の板状形態が維持されるようにスクラッチする段階と;
【0066】
b)前記熱接着層と保護層により板状形態が維持されたホログラム粒子とバインダー溶液を混合する段階と;
【0067】
を含んでホログラム粒子の板状が維持されることを特徴とする塗装用組成物を製造する。
【0068】
また、本発明は、前記a)段階でスクラッチされた粒子を大きさ別に分級して使用することがより好ましい。このとき、前記分級は、フィルターを使用して平均粒径によって分けるか、風による粒子の重量で分けて使用することも可能である。また、本発明は、以下に説明する装置により粒子の大きさ別に分離して製造することもできる。
【0069】
本発明はさらに、選択的に前記b)段階で分散剤をさらに使用することができ、前記分散剤としては、ポリカルボン酸系アニオン界面活性剤、エチレンオキサイド化合物、ポリオキシエチレングリコール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(polyoxyethylenealkylether)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(polyoxyethylenealkyphenylether)から選択されるいずれか1つ以上の非イオン系界面活性剤、モノリン酸エステル、ポリリン酸エステル、アクリレート共重合体、変性シリコン系、ヘキサメタリン酸ソーダ(sodium hexametaphosphophate)から選択されるいずれか1つ以上を使用することができる。
【0070】
前記分散剤は、塗膜の耐水性、耐磨耗性、付着性、耐薬品性と塗装用組成物の保存安定性及びホログラム粒子の分散安定性を確保するために使用されるもので、必要に応じて選択的に使用する。
【0071】
本発明において、前記バインダー溶液は、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ、アクリル、アクリルウレタンから選択されるいずれか1つ以上の樹脂が有機溶媒に分散されたものを使用することが好ましい。しかし、前記樹脂に制限されることなく、一般的に使用されるペイントと混合して使用することも可能である。より好ましくは、バインダー溶液を前記熱接着層及び保護層と同じまたは類似する樹脂を使用することにより、ホログラムパターンが破れたり、壊れることなく分散され易くすることにその特徴がある。
【0072】
また、選択的に前記b)段階で遅乾性溶剤または有機溶剤をさらに追加して使用することも可能である。
【0073】
前記遅乾性溶剤は、塗装時に塗膜の乾燥速度を調節するために使用するもので、エチルセルロースを使用することが好ましく、季節の温度により該含量を調節することが好ましい。冬季よりも夏季に多くの量を使用することが良い。前記有機溶剤は、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、トルエンから選択されるいずれか1つ以上を使用することが好ましいが、これらに制限されない。
【0074】
本発明で使用されるホログラム転写フィルムは、市販されているものを使用することができるが、より好ましくは、本発明の製造方法により製造されるものを使用し、ホログラム粒子の板状を維持するとともに、バインダー溶液との混合を容易にすることが良い。
【0075】
本発明者がホログラムが転写された転写フィルムまたはフィルムを選択した理由は、一般的に市販されているホログラム型板状粒子を使用してホログラムパターンを形成することも可能であるが、ホログラム型板状粒子を使用する場合、粒子の大きさが制限され、表面の厚さが厚くなったり、滑らかな表面が得られないという短所があるためである。
【0076】
そのため、ホログラムが形成された転写フィルムを使用するようになり、転写フィルムとしては、熱接着層、ホログラム薄膜層、保護層、基材フィルムの層で構成されたものを使用した。また、転写フィルムにグラビアなどの印刷方法で形成されたホログラム薄膜は、その厚さが薄くてコーティングの厚さが厚くならず、複数回コーティングする場合、独特の形態のホログラムパターンを提供できるという効果がある。
【0077】
本発明の塗装用組成物の製造時に使用されるホログラム転写フィルムは、前記部分塗装方法において記載されたものと同様のホログラム転写フィルムを使用するので、詳細な説明は省略する。
【0078】
また、本発明において前記ホログラム粒子をスクラッチする方法は、広い板状の道具を用いて物理的な力を加える方法を使用することも可能であるが、ロールスクラッチ方法により連続的にスクラッチすることができる。前記ホログラム転写フィルムから、次に説明する装置(図2〜図11参照)を用いてスクラッチする場合、ホログラム薄膜層を含む熱接着層、保護層が同時に基材フィルムから分離されることが分かり、これをバインダー溶液を混合して使用する場合、簡単にホログラムパターンが形成できることを見出した。
【0079】
次に、本発明においてホログラム転写フィルムを用いてホログラム粒子を製造するホログラム粒子製造装置について説明する。このホログラム粒子製造装置は、図2〜図11に示されている。以下、図面を参照して詳細に説明する。
【0080】
図2は、本発明のホログラム粒子製造装置の概略図であり、本発明の装置は、ホログラム転写フィルムをスクラッチしてホログラム粒子を製造するためのロールブラシ及びコンテナを備える本体100と、前記コンテナの一側に連結され、ホログラム粒子を大きさ別に分級したり、一定の大きさに粉砕するための分級器200と、前記分級器に連結され、大きさ別に分離されたホログラム粒子を貯蔵する吸入貯蔵タンク300と、前記吸入貯蔵タンクに連結され、前記ホログラム粒子の排出を容易に調節する排出器400と、前記本体100、分級器200、吸入貯蔵タンク300、及び排出器400の吸入口または排出口とホースによって連結され、空気圧を加えてホログラム粒子が移動するようにする真空ポンプ500とを含んで構成される。
【0081】
次に、本発明の前記ロールスクラッチ方法で使用される装置について図3〜図5を参照して説明する。図3は、本発明のホログラム粒子製造装置に使用される本体100の一例を示す斜視図である。図4は、本体100の作動を示す斜視図である。図5は、本体100の断面図である。
【0082】
まず、本発明における前記本体100を図5を参照して説明する。
【0083】
基材フィルム106にホログラムが積層されたホログラム転写フィルム102が巻かれたホログラム転写フィルム巻きロール101と、前記ホログラム転写フィルム巻きロール101から供給されるホログラム転写フィルム102に前記基材フィルム106を除くその他の部分をスクラッチするロールブラシ105と、前記ホログラム転写フィルム102が引張されてスクラッチされるようにロールブラシで案内するガイドロール103と、前記ロールブラシ105によりスクラッチされて落下した粒子を収納するホログラム粒子コンテナ109と、前記ロールブラシ105によりスクラッチされ、残っている基材フィルム106が再び巻かれる基材フィルム巻きロール107と、前記ロールブラシ105と前記基材フィルム巻きロール107を駆動するためのモータ108とを含む。
【0084】
本発明は、前記装置を使用することにより効率的にホログラム粒子をスクラッチすることができ、前記スクラッチされたホログラム粒子は、引き出し式のホログラム粒子コンテナ109に捕集される。
【0085】
前記装置によるロールスクラッチ方法は、ホログラム転写フィルムの巻きローラ101に巻かれたホログラム転写フィルム102が解除され、ガイドロール103を通過しながら引張され、基材フィルムの厚さだけ離れてガイドロール103の方向に形成されたロールブラシ105を通過しながら基材フィルム106から保護層、ホログラム薄膜層、熱接着層をスクラッチするもので、スクラッチされた保護層、ホログラム薄膜層、熱接着層は、粒子104化して落下し、ガイドロール103に沿って基材フィルム106だけ移動し、基材フィルム巻きロール107に巻かれるものである。ここで、ロールスクラッチ方法を用いる場合、連続的にスクラッチしてホログラム粒子104を製造することができる。
【0086】
前記スクラッチされたホログラム粒子104は、フィルターを使ったり、風により大きさ別に分級して使用者が望むパターンを形成するのに適した粒子の大きさを選択的に使用して容易に塗装を行うことができる。また、前記スクラッチされた粒子を粉砕してより微細な超微粒粉体に製造して使用することも可能である。
【0087】
次に、フィルターを使って粒子の大きさ別に分級することができる本発明のまた他の装置を図6〜図8を参照して説明する。図6は、本体100のまた他の例を示す斜視図であり、図7は、反対面を示す斜視図であり、図8は、断面図である。
【0088】
本発明のまた他の態様である前記本体100は、基材フィルムにホログラムが積層されたホログラム転写フィルム102が巻かれたホログラム転写フィルム巻きロール101と、前記ホログラム転写フィルム巻きロール101から供給されるホログラム転写フィルム102に前記基材フィルム106を除く他の部分をスクラッチする1つ以上のロールブラシ105と、前記ホログラム転写フィルム102が引張されてスクラッチされるようにロールブラシ105に案内する1つ以上のガイドロール103と、前記ロールブラシ105によりスクラッチされて落下したホログラム粒子104を収納するホログラム粒子コンテナ109と、前記ロールブラシ105によりスクラッチされ、残っている基材フィルム106が再び巻かれる基材フィルム巻きロール107と、前記ロールブラシ105と前記基材フィルム巻きロール101を駆動するためのモータ108と、を備える。
【0089】
本発明において、前記ガイドロール103は、図示するように、ブラシを備えたブラシ形態のものが摩擦によって効果的にスクラッチすることができる。
【0090】
また、前記本体100は、上部にホログラム粒子が空気中に流失することを防止するためのカバー110をさらに備えることが好ましい。
【0091】
また、前記本体100のコンテナ109には、前記真空ポンプ500により前記分級器200に連結されるホログラム粒子排出口111が備えられ、その上部の前記ロールブラシ105を備える部分には、真空ポンプ500から排出される空気が流入するようにする空気流入口112が備えられ、ホログラム粒子の流動を円滑にする。
【0092】
また、前記本体は、電源供給部113及びスイッチ部114を備えることができる。
【0093】
図8を参照して詳細に説明すると、ロールブラシ105を複数個備えて基材フィルムに残留するものがないように完全にスクラッチすることが好ましい。また、ロールブラシ105とホログラム転写フィルム102が噛み合うようにロールブラシと同一形態のガイドロール103を備えることが好ましい。本発明に使用されるホログラム転写フィルムは、厚さの薄いフィルム形態であるので、ガイドロール103がブラシ形態であることが噛み合う面積を増加させるので、効果的にスクラッチすることができる。前記ロールブラシ105とガイドロール103によりスクラッチされたホログラム粒子104は、コンテナ109に落下し、このとき、真空ポンプ500から排出された空気が流入する空気流入部112から流入する風により、積層されることなく円滑に流動し、下端に備えられたホログラム粒子排出口111に円滑に排出される。また、スクラッチされた基材フィルム106は、再び基材フィルム巻きロール107に巻かれる。
【0094】
本発明の装置において、ホログラム粒子を大きさ別に分類して使用するための構成として、分級器200、吸入貯蔵タンク300、及び排出器400を備えている。
【0095】
本発明における前記分級器200は、図9に示すように、前記本体100のホログラム粒子排出口111とホースによって連結されるホログラム粒子吸入口201と、中央にモータ202に連結された軸203と、前記軸203の方向に垂直に備えられ、ホログラム粒子を大きさ別に分級するため、下端に行くほど細かいメッシュ網からなる1つ以上の隔膜204と、前記軸203に固定され、メッシュ網と接触されて前記モータ202により回転する1つ以上のブラシ205と、ホログラム粒子排出口206を備え、前記モータ202により回転するブラシ205によってホログラム粒子が粉砕され、下端に行くほど微細な粒子を製造することができる。
【0096】
前記隔膜204に使用されるメッシュ網は、下端に行くほどその大きさが細かいものを使用することにより、下端に行くほど微細な粒子を製造することができ、このとき、ブラシ105を備えてメッシュ網と摩擦するようにすることで、ホログラム粒子を下端に円滑に排出させると同時に、ホログラム粒子を微細に粉砕することができる。
【0097】
この際、前記モータ202を駆動しない場合は、ブラシ205とメッシュ網である隔膜204の摩擦がないので、ホログラム粒子が粉砕されずに本体100に備えられたロールブラシにより粉砕された状態で各大きさ別に真空ポンプ500の真空によって下部に流動し、メッシュ網により大きさの大きな粒子はそのまま上部に残るようになり、粒子を大きさ別に分離することができる。このようにすることで、粗い粒子、細かい粒子、微細粒子などに分けて必要に応じて選択して使用できる。
【0098】
なお、前記分級器200の側面には、各々の隔膜204からなる層ごとに排出口207を形成し、ホログラム粒子の大きさ別に別途排出されるようにすることが好ましい。
本発明における前記吸入貯蔵タンク300は、図10に示すように、前記分級器200のホログラム粒子排出口206に連結されるホログラム粒子吸入口301と、真空ポンプに連結された空気排出口302と、前記空気排出口302に連結されて空気を吸入し、微細粒子は吸入しないパック形態のフィルター303と、前記フィルタ303の外部に補集されたホログラム粒子を排出するためのホログラム粒子排出口304と、掃除を容易にするためのカバー部305とを備える。
【0099】
ここで、前記吸入貯蔵タンク300のホログラム粒子排出口304を塞いで装置を動作させた後、ホログラム粒子が集まるとホログラム粒子排出口304を再び開けて動作させ、ホログラム粒子を排出器400に移動させることも可能である。
本発明における前記排出器400は、図11に示すように、前記吸入貯蔵タンク300のホログラム粒子排出口304に連結されたホログラム粒子吸入口401と、前記吸入口401に連結されたパック形態のフィルター402と、前記フィルター402の下端から排出器400の下端を貫通して外部に形成された排出管403と、前記排出管403の下部に備えられ、ホログラム粒子の排出を誘導するバルブ404と、真空ポンプ500に連結された空気排出口405とを備える。このとき、前記排出器400のフィルター402の内部にホログラム粒子が捕集され、排出管403を通じて下部に流出し、バルブ404により流出を調節できる。このような構造の排出器400を使用してどのような形態の包装容器にも適正量を調節して排出できるので製品化が容易である。
【0100】
本発明において、前記吸入貯蔵タンク300と排出器400に使用されるパック形態のフィルターは、空気の流入が可能であるが、微細粒子の流入は不可能な微細な膜からなるフィルターであって、一般的には真空掃除機のフィルターなどに使用されるものであれば使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の部分塗装に使用される転写フィルムの例を示す断面図である。
【図2】本発明のホログラム粒子製造装置の概略図である。
【図3】本発明のホログラム粒子製造装置に使用される本体の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明のホログラム粒子製造装置に使用される本体の動作を示す斜視図である。
【図5】本発明のホログラム粒子製造装置に使用される本体の断面図である。
【図6】本発明のホログラム粒子製造装置に使用される本体のまた他の例を示す斜視図である。
【図7】本発明のホログラム粒子製造装置に使用される本体の反対面を示す斜視図である。
【図8】本発明のホログラム粒子製造装置に使用される本体の断面図である。
【図9】本発明のホログラム粒子製造装置に使用される分級器を示す断面図である。
【図10】本発明のホログラム粒子製造装置に使用される吸入貯蔵タンクの斜視図である。
【図11】本発明のホログラム粒子製造装置に使用される排出器の斜視図である。
【符号の説明】
【0102】
1 基材フィルム
2 保護層
3 ホログラム薄膜層
4 熱接着層
100 本体
200 分級器
300 吸入貯蔵タンク
400 排出器
500 真空ポンプ
101 ホログラム転写フィルム巻きロール
102 ホログラム転写フィルム
103 ガイドロール
104 ホログラム粒子
105 ロールブラシ
106 基材フィルム
107 基材フィルム巻きロール
108 モータ
109 ホログラム粒子コンテナ
110 カバー
111 ホログラム粒子排出口
112 空気吸入口
113 電源供給部
114 スイッチ
201 ホログラム粒子吸入口
202 モータ
203 軸
204 隔膜
205 ブラシ
206 ホログラム粒子排出口
207 ホログラム粒子排出口
301 ホログラム粒子吸入口
302 空気排出口
303 フィルタ
304 ホログラム粒子排出口
305 カバー部
401 ホログラム粒子吸入口
402 フィルター
403 排出管
404 バルブ
405 空気排出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)基材面に透明塗装を行い、予備乾燥させる段階と;
B)前記予備乾燥の後、転写フィルムを貼る前に塗装面を40〜70℃で加熱するか、有機溶剤をスプレーする段階と;
C)下部から基材フィルム、保護層、ホログラム薄膜層、熱接着層の順に積層されたホログラム転写フィルムの熱接着層を前記透明塗装面に付着させる段階と;
D)前記付着された転写フィルムと透明塗装面をともに50〜200℃で熱処理する段階と;
E)転写フィルムと透明塗装面を冷却した後、前記転写フィルムの基材フィルム層を除去する段階とを含むことを特徴とする部分塗装方法。
【請求項2】
前記基材面は、金属面、木材面、プラスチック面から選択されるいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載の部分塗装方法。
【請求項3】
前記金属面は、自動車外装、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、空気調節装置、スチール家具、アルミニウム製品、エレベータから選択されるいずれか1つであることを特徴とする請求項2に記載の部分塗装方法。
【請求項4】
前記透明塗装は、アミノアルキド樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂から選択されるいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の部分塗装方法。
【請求項5】
前記透明塗装に顔料をさらに添加することを特徴とする請求項4に記載の部分塗装方法。
【請求項6】
前記D)段階の熱処理時、ゴム磁石板またはゴム板を転写フィルムの一部または全面を収容するように貼り付けた後、間接加熱することを特徴とする請求項1に記載の部分塗装方法。
【請求項7】
前記(E)段階の後に、透明塗装をさらに行うことを特徴とする請求項1に記載の部分塗装方法。
【請求項8】
前記基材フィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリビニルクロライドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムから選択されるいずれか1つ以上を使用することを特徴とする請求項1に記載の部分塗装方法。
【請求項9】
前記保護層としては、アミノアルキド系、熱硬化性アクリル系、ポリウレタン、ポリエステル、ポリプロピレン、パラピンワックス、エチレンビニルアセテート、エポキシから選択されるいずれか1つ以上の樹脂を使用することを特徴とする請求項1に記載の部分塗装方法。
【請求項10】
前記ホログラム薄膜層は、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、クロム、チタニウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸亜鉛、硫酸バリウムから選択されるいずれか1つ以上の金属パウダー、レインボー、繊維パウダー、パールシートチップ、蛍光顔料チップ、反射シートチップ、シェルパウダーから選択されるいずれか1つ以上の光沢を有する粒子と、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルクロライド、スチレン系共重合樹脂、メタクリル酸またはアクリル酸とエチレンとの共重合体であるイオノマー樹脂から選択されるいずれか1つ以上の透明樹脂を混合して前記保護層の上部に塗布した後、グラビアまたはロータリスクリーン印刷方法などでホログラムパターンを形成することを特徴とする請求項1に記載の部分塗装方法。
【請求項11】
前記熱接着層としては、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ、アクリル、アクリルウレタンから選択されるいずれか1つ以上を使用することを特徴とする請求項1に記載の部分塗装方法。
【請求項12】
a)下部から基材フィルム、保護層、ホログラム薄膜層、熱接着層の順に積層されるホログラム転写フィルムにおいて、基材フィルムを除く他の層に物理的な力を加えてホログラム薄膜の板状形態が維持されるようにスクラッチする段階と;
b)前記熱接着層と保護層によって板状形態が維持されるホログラム粒子とバインダー溶液を混合する段階と;
を含んでホログラム粒子の板状が維持されることを特徴とする塗装用組成物の製造方法。
【請求項13】
前記基材フィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリビニルクロライドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムから選択されるいずれか1つ以上を使用することを特徴とする請求項12に記載の塗装用組成物の製造方法。
【請求項14】
前記保護層としては、アミノアルキド系、熱硬化性アクリル系、ポリウレタン、ポリエステル、ポリプロピレン、パラピンワックス、エチレンビニルアセテート、エポキシから選択されるいずれか1つ以上の樹脂を使用することを特徴とする請求項12に記載の塗装用組成物の製造方法。
【請求項15】
前記ホログラム薄膜層は、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、クロム、チタニウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸亜鉛、硫酸バリウムから選択されるいずれか1つ以上の金属パウダー、レインボー、繊維パウダー、パールシートチップ、蛍光顔料チップ、反射シートチップ、シェルパウダーから選択されるいずれか1つ以上の光沢を有する粒子と、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルクロライド、スチレン系共重合樹脂、メタクリル酸またはアクリル酸とエチレンとの共重合体であるイオノマー樹脂から選択されるいずれか1つ以上の透明樹脂を混合して前記保護層の上部に塗布した後、グラビアまたはロータリスクリーン印刷方法などでホログラムパターンを形成することを特徴とする請求項12に記載の塗装用組成物の製造方法。
【請求項16】
前記熱接着層としては、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ、アクリル、アクリルウレタンから選択されるいずれか1つ以上を使用することを特徴とする請求項12に記載の塗装用組成物の製造方法。
【請求項17】
前記バインダー溶液は、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ、アクリル、アクリルウレタンから選択されるいずれか1つ以上の樹脂が有機溶媒に分散されたことを特徴とする請求項12に記載の塗装用組成物の製造方法。
【請求項18】
前記a)段階でスクラッチされた粒子を大きさ別に分級して使用することを特徴とする請求項12〜請求項17のいずれか一項に記載の塗装用組成物の製造方法。
【請求項19】
前記b)段階において、ポリカルボン酸系アニオン界面活性剤、エチレンオキサイド化合物、ポリオキシエチレングリコール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(polyoxyethylenealkylether)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(polyoxyethylenealkyphenylether)から選択されるいずれか1つ以上の非イオン系界面活性剤、モノリン酸エステル、ポリリン酸エステル、アクリレート共重合体、変性シリコン系、ヘキサメタリン酸ソーダ(sodium hexametaphosphophate)から選択されるいずれか1つ以上の分散剤をさらに追加して使用することを特徴とする請求項18に記載の塗装用組成物の製造方法。
【請求項20】
前記b)段階において、遅乾性溶剤または有機溶剤をさらに追加して使用することを特徴とする請求項19に記載の塗装用組成物の製造方法。
【請求項21】
前記遅乾性溶剤は、エチルセルロースであり、前記有機溶剤は、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、トルエンから選択されるいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項20に記載の塗装用組成物の製造方法。
【請求項22】
請求項18に記載の製造方法により製造されることを特徴とするホログラム粒子の板状が維持される塗装用組成物。
【請求項23】
請求項19〜請求項21から選択されるいずれか一項の製造方法により製造されることを特徴とするホログラム粒子の板状が維持される塗装用組成物。
【請求項24】
ホログラム転写フィルムにおいて基材フィルムを除く他の層に物理的な力によってスクラッチされたホログラム粒子とバインダー溶液を、使用する1〜24時間前に混合して基材面にコーティングすることを特徴とするホログラム薄膜を用いた塗装方法。
【請求項25】
ホログラム転写フィルムをスクラッチしてホログラム粒子を製造するためのロールブラシ及びコンテナを備える本体と、
前記コンテナの一側に連結され、ホログラム粒子を大きさ別に分級したり、一定の大きさに粉砕するための分級器と、
前記分級器に連結され、大きさ別に分離されたホログラム粒子を貯蔵する吸入貯蔵タンクと、
前記吸入貯蔵タンクに連結され、前記ホログラム粒子の排出を容易に調節する排出器と、
前記本体、分級器、吸入貯蔵タンク、及び排出器の吸入口または排出口とホースにより連結され、空気圧を加えてホログラム粒子が移動するようにする真空ポンプとを含んで構成されることを特徴とするホログラム粒子製造装置。
【請求項26】
前記本体は、基材フィルムにホログラムが積層されたホログラム転写フィルムが巻かれたホログラム転写フィルム巻きロールと、
前記ホログラム転写フィルム巻きロールから供給されるホログラム転写フィルムに前記基材フィルムを除くその他の部分をスクラッチする1つ以上のロールブラシと、
前記ホログラム転写フィルムが引張されてスクラッチされるようにロールブラシで案内するガイドロールと、
前記ロールブラシによりスクラッチされて落下した粒子を収納するホログラム粒子コンテナと、
前記ロールブラシによりスクラッチされ、残っている基材フィルムが再び巻かれる基材フィルム巻きロールと、
前記ロールブラシと前記基材フィルム巻きローラを駆動するためのモータとを含んで構成される請求項25に記載のホログラム粒子製造装置。
【請求項27】
前記ガイドロールは、ブラシを備えることを特徴とする請求項26に記載のホログラム粒子製造装置。
【請求項28】
前記本体は、上部にホログラム粒子が空気中に流失することを防止するためのカバーをさらに備えることを特徴とする請求項26に記載のホログラム粒子製造装置。
【請求項29】
前記本体のコンテナには、前記真空ポンプにより前記分級器に連結されるホログラム粒子排出口が備えられ、その上部の前記ロールブラシを備えた部分には、真空ポンプから排出される空気が流入するようにする空気流入口が備えられ、ホログラム粒子の流動を円滑にすることを特徴とする請求項26に記載のホログラム粒子製造装置。
【請求項30】
前記分級器は、前記本体のホログラム粒子排出口に連結されるホログラム粒子吸入口と、中央にモータに連結された軸と、前記軸方向に垂直に備えられ、ホログラム粒子を大きさ別に分級するため、下端に行くほど細かいメッシュ網からなる1つ以上の隔膜と、前記軸に固定され、メッシュ網と接触されて前記モータにより回転する1つ以上のブラシと、ホログラム粒子排出口とを備え、前記モータによって回転するブラシによりホログラム粒子が粉砕され、下端に行くほど微細な粒子が製造されることを特徴とする請求項25に記載のホログラム粒子製造装置。
【請求項31】
前記分級器の側面に各々の隔膜からなる層ごとに排出口を形成することで、ホログラム粒子の大きさ別に別途排出されるようにすることを特徴とする請求項30に記載のホログラム粒子製造装置。
【請求項32】
前記吸入貯蔵タンクは、前記分級器のホログラム粒子排出口に連結されるホログラム粒子吸入口と、真空ポンプに連結された空気排出口と、前記空気排出口に連結されて空気を吸入し、微細粒子は吸入しないパック形態のフィルターと、前記フィルタの外部に補集されたホログラム粒子を排出するためのホログラム粒子排出口と、掃除を容易にするためのカバー部とを備えることを特徴とする請求項25に記載のホログラム粒子製造装置。
【請求項33】
前記排出器は、前記吸入貯蔵タンクのホログラム粒子排出口に連結されたホログラム粒子吸入口と、前記吸入口に連結されたパック形態のフィルターと、前記フィルターの下端から排出器の下端を貫通して外部に形成された排出管と、前記排出管の下部に備えられ、ホログラム粒子の排出を誘導するバルブと、真空ポンプに連結された空気排出口とを備えることを特徴とする請求項25に記載のホログラム粒子製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2008−545549(P2008−545549A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512215(P2008−512215)
【出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【国際出願番号】PCT/KR2006/001813
【国際公開番号】WO2006/123880
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(507375731)
【Fターム(参考)】