説明

ホース

【課題】ホースが、流体の運搬中に周方向応力に耐えること。また低温貯蔵の流体を輸送するため、補強層の強化を図らなければならない。
【解決手段】軟質材料の管状本体12を含むホース10は、らせん巻きの内外ワイヤ22,24の間に配置される。ホース10はさらに管状本体12が軸方向の張力を受けたときに、管状本体12の変形を減少させるために適応された軸強化手段20を含み、この軸強化手段20は、軸強化手段20軸方向に張力を受けたときに管状本体12の少なくとも一部に放射状の内向きの力を働かせるように適応されている。また補強層14、16は、合成ポリマーで製作される。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明はホースに関し、特に、改善された軸方向の強さを有するホースに関する。本発明は、特に、低温貯蔵条件において使用され得るホースに関する。本発明はまた、ホースのための端末部品(end fitting)およびホースの製造方法に関する。
【0002】
ホースの典型的な適用は、圧力下での流体貯蔵所からの流体の汲み出しを含む。例えば、ボイラーへの家庭用の暖房用オイルまたはLPGの供給、固定された、または浮遊する製造プラットフォームから船の貨物倉への、または船の貨物倉から陸上基地の貯蔵ユニットへの生産された油田液体および/またはガスの輸送、特に、フォーミュラワンでの燃料補給の間のレーシングカーへの燃料の補給、および、硫酸のような腐食性の液体の運搬を含む。
【0003】
低温での液化ガスのような液体の輸送のために、ホースを使用することは良く知られている。そのようなホースは、一般に、液化天然ガス(LNG)および液化プロパンガス(LPG)のような液化ガスを輸送するために使用される。
【0004】
ホースは、十分に柔軟でなければならないために、与えられた長さのいくらかは、少なくとも一部が軟質材料、すなわち、非硬質材料(non−rigid material)で構成されていなければならない。
【0005】
そのようなホースの構造は、一般的に、内側および外側のらせん状に巻かれた保持ワイヤ(retaining wire)の間に配置された軟質材料の管状本体(tubular body)を含む。この2本のワイヤは、従来では同じピッチに巻かれてもよいし、互いにピッチ幅の半分だけ、ずらして巻かれてもよい。管状本体は、典型的に、中間の封止層(sealing layer)を有する内側および外側の層を含む。内側および外側の層は、その構造に、その中の液体を輸送するための強度を提供する。従来、管状本体の内側と外側の層は、ポリエチレンテレフタラートのようなポリエステルから形成された布(fabric)の層を含む。中間の封止層は、液体がホースを浸透するのを防ぐための封止を提供し、典型的にはポリマーフィルムである。
【0006】
保持ワイヤは、典型的には、管状本体の内側および外側の表面の周囲に、張力下で適用される。保持ワイヤは、主に、管状本体の外形を保護する働きをする。さらに、外ワイヤは、高圧下で、ホースのフープ変形(hoop deformation)を抑制する働きをし得る。内ワイヤおよび外ワイヤはまた、ホースの潰れに抵抗する働きもし得る。
【0007】
この一般的なタイプのホースは、ヨーロッパ特許第0076540A1号公報に記載されている。この明細書に記載されているホースは、二軸延伸ポリプロピレンの中間層を含み、これは、繰り返しの屈曲が原因である疲労に耐えるホースの性能を改善すると言われている。
【0008】
もう一つのホースは、GB−2223817Aに記載されている。この公報に記載されているホースは、1つの内側のらせん状の金属コア、このコアに巻きつけられたプラスチック材料の繊維およびフィルムの多数の層、互いに隣接して配置され、またプラスチック材料に巻きつけられた少なくとも1層のガラス織布の層および少なくとも1層のアルミニウム箔、および外側のらせん状の金属のフォーマー(former)を含む多層ホースである。このホースは、可燃性の燃料および油を輸送するのに好適であると言われている。
【0009】
もう一つのホースは、GB−1034956Aに記載されている。この出願に記載されているホースは、電気ホースまたは導管であり、すなわち、流体の輸送のためというよりもむしろ電線を運搬することが意図されている。この結果として、このホースの設計に含まれる考慮すべき点は、EP−0076540A1およびGB−2223817Aに記載されているホースに含まれる考慮すべき点とは完全に異なる。GB−1034956Aに記載されているホースは、以下を含む。すなわち、
(i)内部に配置されたらせん巻きワイヤ、
(ii)内部のワイヤを囲む押出しネオプレンホース、
(iii)ネオプレンホースを囲む編みこまれた金属外筒(sheath)、
(iv)外筒にらせん状に適用されたナイロンコード、
(v)ナイロンコードおよび外筒のまわりのキャンバス包装、および、
(vi)キャンバス包装の周囲に設けられたらせん巻き外ワイヤである。
【0010】
編みこまれた金属外筒は、ホースの製造の間に、外筒の周囲にさらなるワイヤを一時的に巻きつけることにより内ワイヤの回旋(convolutions)に従って作られる。
【0011】
ホースの多くの適用には、ホースがその長さに沿って支持されることを必要とする。これは、特に、上記した生成された液体および/またはガスの輸送に適用する。付加的な支持なしで、従来のホースは、しばしばそれ自身の重量、またはその中に含まれる液体の重量を支持することができない。
【0012】
我々は、ホース、特に、EP−0076540A1に記載されているタイプのホースの負荷容量(load carrying capabilities)を改善する方法を見出し、これにより、これは、まったく支持を必要とせずに、あるいは、より減少された支持の必要性だけで、液体を運搬するために使用され得る。このホースは、低温貯蔵および非低温貯蔵(non−cryogenic)の適用の両方に好適である。
【0013】
我々はまた、上記したタイプのホースにおける封止層を改善する方法をも見出した。
【0014】
EP0076540A1に記載されているタイプのホースにおいて、ワイヤは、正しい位置に維持されることが重要である。一般に、らせん状の内ワイヤおよび外ワイヤは、ピッチ長さの約半分と等しい距離に互いに関して長手方向にずらされている。この配列は、最良の構造完全性(structural integrity)を提供することが見出された。しかしながら、この種のホースの問題のうちの1つは、繰り返しの屈曲が、ワイヤのコイルが適切な配列から外れる原因となり得ることである。
【0015】
本発明はまた、上述したホースのタイプの外側の部分、すなわち、管状本体のホース外部の部分に対する改良に関する。
【0016】
EP0076540A1に記載されているホースのタイプは、通常、以下の技術により形成される。すなわち、内ワイヤを管状のマンドレルの周囲に巻きつけ、内側のコイルを形成し、内側の補強層を管状のマンドレルおよび内側のコイルの周囲に巻きつけ、封止層を内側の補強層に巻きつけ、外側の補強層を封止層の周囲に巻きつけ、外ワイヤを外側の補強層の周囲に巻きつけ、外側のコイルを形成し、ホース端末を圧着することにより固定し、そして、ホースをマンドレルから取り外す。
【0017】
本発明はまた、ホース端末の終結の改良にも関する。
【0018】
広くは、ホースに軸強化手段を提供し、これにより、ホースは、ホースの他の性能を損なうことなく、以前に可能であったよりも、より大きな軸方向の張力に耐えることができる。
【0019】
本発明の第1の面においては、内側と外側のグリップ部材(gripping members)の間に配置された軟質材料の管状本体を含むホースが提供され、ここで、ホースはさらに、管状本体が軸方向の張力を受けるときに、管状本体の変形を減らすために適応された軸強化手段をも含み、また、軸強化手段はさらに、軸強化手段が軸方向の伸びを受けたときに、管状本体の少なくとも一部に放射状の内向きの力を働かせるように適応される。
【0020】
特に好ましい実施形態において、管状本体および軸強化手段の破断歪みは、1%から10%の範囲内にある。より好ましくは、破断歪みは、外界温度および低温貯蔵温度において、5%を超える。
【0021】
この配列により、軸強化手段は、軸方向の応力に対抗するホースの性能を改善し、同時に、管状本体の少なくとも一部を押すことにより、軸方向に伸張している間のホースの構造完全性に寄与することができる。加えて、管状本体および軸強化手段の材料は、好都合にも適合しているため、運用時に、それらはそれぞれ同様に機能し、このため、どの構成要素も単独で過度の応力および歪みを受けることがない。これは、管状本体および軸強化手段の材料が、同様に歪みに反応することを意味する。少なくとも3%の曲げ歪み(円柱状成分に対する)は、一般的に、本発明により第一に想定されているホースの適用のタイプのために必要とされる。層間のずれ(slip)およびらせん状に配向された(oriented)成分のくせ取り(straightening)が、このずれのうちのいくつかの原因となるが、ホース壁の構造部品に作用する1%オーダーの合成歪みもあり得る。これは、金属における通常の0.2%降伏歪みに対応するものである。
【0022】
軸強化手段は、非金属の材料、特に、プラスチック材料から作られることが特に好ましく、適した材料は、後に詳述する。これは、金属材料が、所望の歪み特性を有する見込みがないからである。
【0023】
管状本体および軸強化手段は、同じ材料を含むことが好ましく、さらに、後にさらに詳述する超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)を含むことが最も好ましい。
【0024】
管状本体は、好ましくは、少なくとも1層の補強層および少なくとも1層の封止層を含む。より好ましくは、それらの間に挟まれた封止層を有する少なくとも2層の補強層がある。
【0025】
好ましくは、さらなる補強層が、外側のグリップ部材と軸強化手段との間に提供される。
補強層の破壊強さは、直径8インチ(200mm)のホースに対して100kNから700kNの間にあることが好ましい。補強層の破断曲げ歪みは、2%から15%の範囲にあることが好ましい。望ましくは、さらなる補強層が、軸強化手段と同じ材料であり、さらに、UHMWPEであることが最も好ましい。
【0026】
軸強化手段は、管状形状にされた材料のシートから形成される一般的な管状外筒を含むことが好ましく、これにより、外筒は、軸方向の張力を受けたときに、その管状の形状の完全性を維持することができる。ホースは、軸方向の張力の下でのホースの処理能力をさらに改善するために、2つまたはそれ以上の管状外筒が提供されてもよい。
【0027】
特に有利な実施形態において、軸強化手段は、一般的に管状の組みひも(braid)の形態が提供される。この明細書において、「組みひも」という用語は、細長い構造体を形成するために絡み合わされた2本またはそれ以上の繊維またはより糸から形成される材料を指し示す。組みひもの特徴は、軸方向の張力を受けたときに、伸張することができることである。組みひものさらなる特徴は、管状の形態が与えられた場合、組みひもが軸方向の張力を受けたときに、その直径が、減少し得ることである。このように、管状本体のまわりに、または、管状本体の構造内に、管状の組みひもが提供されることにより、組みひもは、軸方向の張力を受けたときに、管状本体の少なくとも一部分に放射状の内向きの力を働かせ得る。
【0028】
全ての管状外筒が、組みひもの形態で提供されることが好ましい。しかしながら、管状外筒の長さの1部分またはそれ以上の部分だけが、組みひもの形態で提供されることもまた可能である。
【0029】
さらにまた、組みひもは、管状外筒の外周のまわりにずっと拡がっていることが好ましい。しかしながら、管状外筒の外周の一部分だけが、組みひもの形態で提供されることもまた可能である。
【0030】
組みひもは、二軸の形態(すなわち、組みひもが、2本だけの絡み合った繊維またはより糸から形成されている)、または、3軸の形態(すなわち、増加された軸方向の強度のために、長手方向に伸張する繊維またはより糸がある)で提供されてもよい。
【0031】
組みひもの形態にある軸強化手段を提供することが好ましいが、上記した機能的な要求を満たすその他の形態で提供されてもよい。このように、軸強化手段は、管状本体のまわりにらせん状に巻きつけられたコードまたはロープの好適な配列としても提供され得る。
【0032】
ホースの構成材料は、ホースが、意図された環境で機能しうるように選択されるべきである。このように、ホースを、ホース壁を通る流体の漏出なしに、その中を圧力が加えられた流体を輸送することができるようにする必要がある。ホースにはまた、繰り返し曲げに耐え、かつ、ホースと流体の自重の組み合わせにより生ずる軸方向応力に耐える必要がある。また、ホースが低温貯蔵の流体を輸送するために使用することが意図されている場合、材料は、性能を著しく低下させることなく、極低温下で操作できるものであるべきである。
【0033】
補強層または各補強層の主な目的は、ホースが、その中を通る流体の運搬中に受ける周方向応力に耐えることである。このように、要求される柔軟度を有し、また、必要な応力に耐えることができる補強層が適している。また、ホースが、低温貯蔵の流体を輸送することが意図されている場合、補強層または各補強層は、低温貯蔵に耐えることができなければならない。
【0034】
補強層または各補強層は、らせん状にシート材料を巻くことにより、管状の形態に曲げられる材料のシートから形成されることが望ましい。これは、補強層または各補強層が、軸方向力の負荷が巻きを引き離してばらばらに引っ張る傾向があるときに、軸方向の張力に対する抵抗力をいくらも保持しないことを意味する。補強層または各補強層は、シート材料の単一の連続する層を含んでもよいし、または、シート材料の2層またはそれ以上の連続する層を含んでもよい。しかしながら、より通常(また、ホースの長さに従って)、シート材料の層または各層は、ホースの長さに沿って配置される複数の分割された長さのシート材料から形成され得る。
【0035】
好適な実施形態においては、各補強層は布を含み、最も好ましくは織布を含む。補強層または各補強層は、天然または合成材料のいずれでもよい。補強層または各補強層は、ポリエステル、ポリアミドまたはポリオレフィンのような合成ポリマーで形成されるのが都合がよい。合成ポリマーは、そこから布が作製される繊維またはより糸の形態で提供してもよい。
【0036】
補強層または各補強層が、ポリエステルを含むとき、それがポリエチレンテレフタラートであることが好ましい。
【0037】
補強層または各補強層が、ポリアミドを含むとき、それがナイロンのような脂肪族ポリアミドであってもよいし、または、アラミド化合物のような芳香族ポリアミドであってもよい。例えば、補強層または各補強層は、ケブラー(KEVLAR;登録商標)のようなポリ−(p−フェニレンテレフタルアミド)であってもよい。
【0038】
補強層または各補強層が、ポリオレフィンを含むとき、それは、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリブチレンホモポリマー、またはそれらの共重合体もしくはターポリマーであり得、好ましくは、一軸または二軸に配向されている。より好ましくは、ポリオレフィンはポリエチレンであり、さらに、最も好ましくは、ポリエチレンは、高分子量ポリエチレン、特に、UHMWPEである。
【0039】
本発明において用いられるUHMWPEは、一般的には、400,000を超える、典型的には、800,000を超える、通常は、1,000,000を超える平均分子量を有し得る。平均分子量は、通常は、約15,000,000を上回らないであろう。UHMWPEは、好ましくは、約1,000,000から6,000,000までの分子量によって特徴付けられる。本発明において最も有用なUHMWPEは、高度に配向され、また、通常の場合は、ある特定の1つの方向において少なくとも2〜5回、その他の方向において少なくとも10〜15回延伸され得る。
【0040】
本発明において最も有用なUHMWPEは、一般的に、80%を超え、より通常は、90%を超え、好ましくは、95%を超える平行な配向(parallel orientation)を持たせる。結晶化度は、一般的には、50%を超え、より通常は、70%を超えさせる。85〜90%までに及ぶ結晶化度とすることが可能である。
【0041】
UHMWPEは、例えば、US−A−4344908、US−A−4411845、US−A−4422993、US−A−4430383、US−A−4436689、EP−A−183285、EP−A−0438831、およびEP−A−0215507に記載されている。
【0042】
特に有用であるのは、補強層または各補強層が、DYNEEMAという商品名を用いるDSMハイパフォーマンスファイバーBV(DSM High Performance Fibers BV)(ネイザーランドカンパニー)(Netherlands company)から入手することができるような、または、SPECTRAという商品名を用いるUSコーポレーションアライドシグナル社(corporation AlliedSignal Inc.)から入手することができるような高度に配向されたUHMWPEを含むことである。
【0043】
DYNEEMAについてのさらなる詳細は、DSMハイパフォーマンスファイバーBVから発行されている02/98版「DYNEEMA;ザトップパフォーマンスインファイバー;プロパティーアンドアプリケーション(DYNEEMA;the top performance in fibers;properties and application)」という表題の商品パンフレットに開示されている。SPECTRAについてのさらなる詳細は、アライドシグナル社から発行されている5/96版「スペクトラパフォーマンスマテリアル(Spectra Performance Materials)」という表題の商品パンフレットに開示されている。これらの材料は、1980年代から利用可能となっている。
【0044】
好ましい実施形態において、補強層または各補強層は、横糸および縦糸方向に配置された繊維から形成された織布を含む。我々は、補強層または各補強層が、ホースの軸方向に対して布の縦糸方向が20°未満の角度となるように配置された場合、特に有用であることを見出した。この角度はまた、5°よりも大きいことが好ましい。好ましい実施形態において、補強層または各補強層は、布の縦糸の角度が、ホースの軸方向に対して10°から20°、より好ましくは約15°の角度となるように配置される。
【0045】
封止層の目的は、主に、管状本体を通って輸送される流体の漏出を防ぐことにある。このため封止層は、所要の柔軟度(degree of flexibility)を有し、かつ所要の封止機能を発揮することができるものとする。また、ホースが低温貯蔵の流体を輸送することが意図されている場合、封止層は低温貯蔵温度に耐えることができるものとすべきである。
【0046】
封止層は、補強層または各補強層と同じ基本材料から作られてもよい。選択肢として、封止層は、ポリテトラフルオロエチレン(PFTE)のようなふっ素重合体、テフロン(登録商標)FEPという商品名を用いるデュポンフルオロプロダクト(DuPont Fluoroproducts)から入手可能なヘキサフルオロプロピレンおよびテトラフルオロエチレンの共重合体のようなフッ素化エチレンプロピレン共重合体、または、テフロン(登録商標)PFAという商品名を用いるデュポンフルオロプロダクトから入手可能なフッ素化ハイドロカーボン−ペルフルオルアルコキシ(perfluoralkoxy)であってもよい。これらのフィルムは、押出し成形またはブローイング成形(blowing)のいずれを用いてつくってもよい。
【0047】
封止層は、らせん状(helical manner)にシート材料を巻くことにより管状の形態に曲げられた材料のシートから形成されることが好ましい。補強層と同様に、これは、封止層または各封止層が、軸方向力の負荷が巻きを引き離してばらばらに引っ張る傾向があるときに、軸方向の張力に対する抵抗力をいくらも保持しないことを意味する。封止層は、シート材料の1つの単一の連続する層を含んでもよく、または、シート材料の2層またはそれ以上の単一の連続する層を含んでもよい。しかしながら、より通常は(また、ホースの長さに従って)、シート材料の層または各層は、ホースの長さに沿って並ぶ複数の分割された長さのシート材料で形成される。所望により、封止層は、内側の補強層の上に配置される1つまたはそれ以上の熱収縮可能な封止スリーブ(すなわち、管状の形態にある)を含んでもよい。
【0048】
封止層は、複数のフィルムの重なり合う層を含むことが好ましい。好ましくは、少なくとも2層、より好ましくは、少なくとも5層、さらに好ましくは、少なくとも10層あることが好ましい。実際には、封止層は、20層、30層、40層、50層またはそれ以上のフィルムの層を含んでもよい。層の数の上限値は、ホースの全体の大きさに依存するが、100層を超えて必要とされることはあり得ない。通常は、多くて50層あれば十分とする。フィルムの各層の厚さは、典型的には、50マイクロメータから100マイクロメータの範囲にあればよい。
【0049】
もちろん、1層よりも多くの封止層を設けてもよい。
封止層の特に好ましい実施形態は、後に説明する。
【0050】
軸強化手段はまた、補強層または各補強層と同じ材料で形成してもよい。従って、軸強化手段、補強層または各補強層、および封止層は、全て同じ基本化合物で形成してもよいことは明らかである。しかしながら、その化合物の形態は、所要の機能を提供するために異なったものとすべきである。例えば、軸強化手段は軸方向に補強する機能を提供し、補強層または各補強層は周方向応力に対する補強を提供し、また、封止層は封止機能を提供する。我々は、UHMWPE材料、特にDYNEEMAおよびSPECTRA製品が最適であることを見出した。これらの材料はまた、低温貯蔵条件において、よく働くことも見出された。補強層に関して上述されたUHMWPEの好ましいパラメータ(分子量の範囲等)はまた、軸強化手段にも適当である。しかしながら、この点において注意しなければならないのは、軸強化手段に使用されるUHMWPEのパラメータは、補強層に使用されるUHMWPEのパラメータと同じである必要はないということである。
【0051】
軸強化手段を管状本体の層内に設けることも可能である。しかしながら、軸強化手段は、管状本体と外側のグリップ部材との間に配置されることが好ましい。さらにもう一つの好ましい実施形態として、軸強化手段を管状本体の層内に設け、さらに軸強化手段を管状本体と外側のグリップ部材との間に設けてもよい。
【0052】
ホースが、低温貯蔵の適用が意図されているときには、管状本体の上に絶縁材を設けることが望ましい。絶縁材は、外ワイヤと管状外筒との間および/または外ワイヤの外側に設けることができる。絶縁材は、合成発泡材のような従来から低温貯蔵設備に絶縁材として使用されてきた材料を含んでもよい。軸強化手段はまた、絶縁層を加圧し、それらの構造完全性を維持するために絶縁層の周囲に設けることが好ましい。絶縁層の周囲の軸強化手段は、外側のグリップ部材と管状本体との間の軸強化手段に追加して設けることが好ましい。絶縁材の特に好適な形態は、後のさらなる詳細で提供される。
【0053】
本発明のもう一つの面においては、内側と外側のグリップ部材の間に配置された軟質材料の管状本体を含むホースが提供され、ここで、管状本体は、少なくとも1層の横糸と縦糸方向に配列された繊維から形成された織布の補強層を含み、補強層または各補強層は、布の縦糸が、ホースの軸方向に対して20°未満、より好ましくは15°未満、最も好ましくは10°未満の角度となるように配置されていることを特徴とする。本発明のこの面に従うホースは、本発明の第1の面に従うホースに関して記述した付加的な特徴のいかなる所望の組み合わせをも提供され得る。
【0054】
本発明のもう一つの面においては、以下を含むホースの製造方法が提供される。すなわち、
(a)内側のコイルを形成するために、管状のマンドレルの周囲にワイヤを巻きつけ、
(b)シート材料で形成された管状本体を提供するために、管状のマンドレルおよび内側のコイルの周囲にシート材料を巻きつけ、
(c)マンドレルが軸強化外筒の中に拡がるようにマンドレルの自由端(free end)に管状の軸強化外筒を被せ、そして、マンドレルに沿って軸強化外筒を引っ張って、少なくとも管状本体の一部を覆い、
(d)軸強化外筒の周囲にワイヤを巻き付け、外側のコイルを形成し、
(e)(d)工程で製造されたホース端末を固定し、そして、
(f)マンドレルからホースを取り外す。
【0055】
好ましくは、コイルおよびシート材料は、ホースに優れた構造完全性をもたせるために張力下で適用される。
【0056】
好ましくは、(b)工程のシート材料は、上述したように封止層を挟む2層の補強層を含む。好ましい実施形態では、シートの形態にある内側の補強層が、内側のコイルおよびマンドレルの周囲にらせん状に巻き付けられ、その後、シートの形態にある封止層が、内側の補強層の周囲に巻き付けられ、その後、シートの形態にある外側の補強層が、封止層の周囲に巻き付けられる。通常は、複数の封止層を用いる。
【0057】
管状の軸強化外筒は、上述した軸強化外筒と同じもとしてもよく、好ましくは、組みひもとする。
【0058】
好ましくは、内側と外側のコイルは、同じピッチを有するらせん形の配置に適用され、外側のコイルのコイル位置は、内側のコイルのコイル位置からピッチ長さの半分の長さにオフセットされる。
【0059】
本発明のもう一つの面においては、内側と外側のグリップ部材の間に配置された軟質材料の管状本体を含むホースが提供され、この管状本体は、ホースを通る流体を輸送するため、また、本体を通る流体の漏出を防ぐ役割を有し、ホースはさらに、管状本体の周囲に設けられた一般的に管状の組みひもを含むことを特徴とする。
【0060】
本発明のもう一つの面においては、内側と外側のグリップ部材の間に配置された軟質材料の管状本体を含むホースが提供され、この管状本体は、内側と外側の補強層の間に挟まれた封止層を含み、封止層は、少なくとも2層の高分子フィルムを含み、そのフィルムのうちの一方は、第1のポリマーでつくられ、もう一方のフィルムは、第1のポリマーとは異なる第2のポリマーでつくられることを特徴とする。
【0061】
特に有利な実施形態では、高分子フィルムのうちの1つは、他のフィルムよりも硬く、これにより使用(運転)温度および圧力での材料特性に異なる降伏歪みが現れる。好ましくは、外側のフィルムを内側のフィルムより硬くする。この効果は、ホース破裂の望ましくない事態が発生した場合に、より延性のあるポリマーが、限定時間に内圧を保持している間により硬い外側のポリマーが破損するように封止層の制御された破壊であり、圧力を徐々に逃がすことにある。
【0062】
好ましい実施形態では、最大破断歪みは、より延性のある層において外界温度で100%を超え、他の層において少なくとも20%未満である。
【0063】
封止層の各高分子フィルムは、好ましくはポリアミド、ポリオレフィンまたはふっ素重合体である。
封止層の高分子フィルムがポリアミドを含むとき、それはナイロンのような脂肪族ポリアミドであってもよく、または、アラミド化合物のような芳香族ポリアミドであってもよい。
【0064】
封止層の高分子フィルムのうちの一方がポリオレフィンであり、封止層の高分子フィルムのうちのもう一方がふっ素重合体であるであることが好ましい。
【0065】
好適なポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリブチレンホモポリマー、またはそれらの共重合体もしくはターポリマーを含む。好ましくは、ポリオレフィンフィルムは一軸または二軸に配向される。より好ましくは、ポリオレフィンはポリエチレンであり、最も好ましくは、ポリエチレンは、高分子量ポリエチレン、特に、より詳細に上述したUHMWPEである。補強層に関して上記したUHMWPEの好ましいパラメータ(分子量の範囲等)はまた、封止層にも適している。しかしながら、この点に関して注意しなければならないのは、封止層に使用されるUHMWPEのパラメータが、補強層に使用されるUHMWPEのパラメータと同じである必要がないことである。
【0066】
封止層は封止機能を提供するように意図されているため、封止層は、輸送される流体に対して実質的に不浸透性であるフィルムの形態で提供されるべきである。このように、高度に配向されたUHMWPEは、十分な封止機能を有する形態で提供することが必要である。これらの製品は、通常は、所望の形態にある材料を得るために、さらに処理され得る固体のブロックの形態で提供される。フィルムは、固体のブロックの表面から薄いフィルムを削ることにより製造してもよい。あるいは、フィルムは、UHMWPEの吹込フィルム(blown films)であってもよい。
【0067】
好適なふっ素重合体は、ポリテトラフルオロエチレン(PFTE)、テフロン(登録商標)FEPという商品名を用いるデュポンフルオロプロダクトから入手可能なヘキサフルオロプロピレンおよびテトラフルオロエチレン(テトラフルオロエチレン−ペルフルオロプロピレン)の共重合体のようなフッ素化エチレンプロピレン共重合体、または、テフロン(登録商標)PFAという商品名を用いるデュポンフルオロプロダクトから入手可能なフッ素化ハイドロカーボン−ペルフルオルアルコキシを含む。これらのフィルムは、押出し成形またはブローイング成形のいずれでつくってもよい。
【0068】
好ましくは、封止層は、各々の高分子フィルムの複数の層を含む。実施形態において、この層は、第1および第2のポリマーを、封止層の厚さにまで互い違いになるように配置してよい。しかしながら、これは唯一の可能な配置というわけではない。もう一つの配列において、第1のポリマーの全ての層は、第2のポリマーの全ての層で囲まれていてもよいし、または、その逆であってもよい。
【0069】
封止層の高分子フィルムは、らせん状にシート材料を巻くことにより、管状の形態に曲げられた材料のシートから形成されることが好ましい。各々の高分子フィルムは、ホースの一端から他端まで内側の補強層の周囲に巻きつけられる単一の連続するシートを含み得る。しかしながら、より通常は(ホースの長さに従って)、複数の分割された長さの高分子フィルムが、内側の補強層のまわりに巻き付けられてもよく、各フィルムの長さは、ホースの長さの一部を覆う。所望により、封止層は、内側の補強層の上に配置される少なくとも2つの熱収縮可能な封止スリーブ(すなわち、管状の形態)を含んでもよい。少なくとも2つのスリーブは、異なる材料で作られる。
【0070】
封止層は、少なくとも2層の異なるフィルムを含み、これらは好ましくは、重なり合う関係に配置される。封止層は、少なくとも5層重なる層、より好ましくは少なくとも10層重なる層を含むことが好ましい。実際には、封止層は、20層、30層、40層、50層、またはそれ以上重なるフィルムの層を含んでもよい。層の数の上限値は、ホースの全体の大きさに依存するが、しかし、100層を超えて必要とされることはあり得ない。通常は、最高でも50層あれば十分であろう。各フィルムの層の厚さは、典型的には、50マイクロメータから100マイクロメータの範囲にあればよい。この層は、少なくとも2つの異なるタイプの高分子フィルムで作られ得る。
当然、1層より多くの封止層を設けてよいことも認められる。
【0071】
好ましくは、封止層はさらに、部分的にまたは全体的に金属、金属酸化物またはその混合物を含む層を少なくとも1層含む。本明細書中において、特に言及しなくとも、金属含有フィルムという表示は、金属酸化物含有フィルムをも含む。このように、金属層は、金属フィルムの層(すなわち、実質的に全体が金属、金属酸化物またはそれらの混合物からなる別々の層)、または、ポリマーで被覆された金属フィルムの層または金属被覆されたポリマーフィルムの層であってもよい。金属層は、ポリマーで被覆された金属フィルムであることが好ましい。金属は、例えば、酸化アルミニウムでもよい。ポリマーは、例えば、ポリエステルでもよい。
【0072】
好適なポリマーで被覆された金属フィルムは、MEX505、MET800、MET800B、MET852という商品名を用いるイングランド、スティーヴェネッジ(Stevenage)のHiFiインダストリアルフィルム(HiFi Industrial Film)から入手可能なフィルムを含むが、MET800Bが好ましい。
【0073】
さらなる金属層が、封止層の表面上に配置されてもよい。好ましくは、さらなる金属層は、管状本体と外側のグリップ部材との間に配置される。岩綿層がまた、断熱を改善するために、ここに設けられてもよく、好ましくは、封止層と外側の金属層との間に設ける。この目的は、2つの金属層の間に熱環(thermal annulus)を生じさせるためである。
【0074】
本発明のもう一つの面において、内側と外側のグリップ部材の間に配置された軟質材料の管状本体を含むホースが提供され、この管状本体は、内側と外側の補強層の間に挟まれた封止層を含み、この封止層は、UHMWPEを含むことに特徴付けられる。補強層に関して上記したUHMWPEの好ましいパラメータ(分子量の範囲等)が、封止層にもまた適している。しかしながら、この点に関して注意しなければならないのは、封止層に使用されるUHMWPEのパラメータが、補強層に使用されるUHMWPEのパラメータと同じである必要がないことである。
【0075】
本発明のこの面において、封止層が、熱収縮可能なスリーブで形成される場合、スリーブが異なる材料で作られることは重要なことではなく、それらはUHMWPEで作られるであろう。
【0076】
本発明の最も有利な実施形態において、封止層が、少なくとも2層の異なる材料の高分子フィルムを含み、また、そのフィルムの少なくとも1層は、超高分子量ポリエチレンを含む。
【0077】
好ましくは、封止層はさらに、少なくとも1層のポリマーで被覆された金属フィルムまたは金属被覆されたポリマーフィルムを含む。
【0078】
本発明のもう一つの面において、内側と外側のグリップ部材の間に配置された軟質材料の管状本体を含むホースが提供され、この管状本体は、内側と外側の補強層の間に挟まれた封止層を含み、この封止層は、少なくとも1層の金属フィルム(すなわち、実質的に全体が金属、金属酸化物またはそれらの混合物からなる別々の層)、または、ポリマーで被覆された金属フィルムの層または金属被覆されたポリマーフィルムの層を含むことに特徴付けられる。
【0079】
金属含有フィルムは、反射するため、熱損失または熱増加(heat gain)を減らし、これは、特に、低温貯蔵の適用のために有用である。加えて、金属含有フィルムは、優れたバリヤ特性を提供し、このため、蒸気伝達(vapour transmission)を減らし、これは、材料が輸送するガスを損失するのを防ぐために有用である。
【0080】
ホースが、低温用途を意図するものであるときは、管状本体の上に断熱材を設けることが望ましい。絶縁材は、外ワイヤと管状部材との間および/または外ワイヤの外側に設けてもよい。絶縁材は、合成発泡材のような、従来から、低温貯蔵設備に用いてきた絶縁材であった材料を含み得る。1つの特に好適な絶縁材の形態は後述する。
【0081】
本発明の一つの面は、ホースの柔軟性能を改善することに関する。本発明は、広くは、ホースの柔軟性能を損なうことなく、適所に外ワイヤを保持するための手段を設けることを含む。
【0082】
本発明のもう一つの面において、管状本体の周囲に設けられた硬化された樹脂基材(resin matrix)に特徴付けられる、内側と外側のグリップ部材の間に配置された軟質材料の管状本体を含むホースを提供し、ここで、外側のグリップ部材は、外側のグリップ部材とホースの残りの部分との間での相対的な動きを制限するために、少なくとも一部が、樹脂基材に埋設されている。
【0083】
硬化された樹脂基材は、ホースに、ホースの特異的な適用のために必要とされる範囲にまで屈曲させることができる十分な柔軟性を有すべきである。明らかに、いくつかの適用は、その他よりもより柔軟性を要求してもよい。
【0084】
樹脂基材は、好ましくは、ポリウレタンのような合成ポリマーを含む。特に、樹脂基材は、硬化する前に、ホースに液体の形態で適用することが可能な材料から作られることが好ましい。一般的に、未硬化の樹脂は、噴霧(spraying)、注入(pouring)、または塗布(painting)によりホースに適用され得る。これは、未硬化の樹脂が、管状本体および外側のグリップ部材の外表の上に適用され、そして、そこでそのまま固体となり、柔軟なコーティングを形成するように硬化する。硬化の機構は、光、水分等のいずれでもよい。
【0085】
樹脂基材は、外側のグリップ部材の下の層、およびまた、樹脂基材の外側表面の上に設けられるいかなる層にも接着し得る。硬化した樹脂基材に隣接する層のうちの少なくとも1層は、低温貯蔵温度に耐えることができ、そのため、低温貯蔵温度が原因で樹脂基材に亀裂が入った場合、隣接する層が、樹脂基材と隣接する層との間の接着によって、ともに樹脂基材を保持する。最も安定な構造は、樹脂基材の両側に隣接する層が接着される場合に達成される。
【0086】
我々はまた、ある材料が、特に、低温貯蔵温度での特別優れた断熱性をホースに提供し得ることを見出し、特に、我々は、玄武岩質の繊維から形成される布が、特に優れた断熱性を提供することを見出した。
【0087】
このように、本発明のもう一つの面において、内側と内側のグリップ部材の間に配置された軟質材料の管状本体および管状本体の周囲に設けられた断熱層を含むホースを提供し、断熱層は、玄武岩質の繊維から形成された布を含むことに特徴付けられる。
【0088】
好適な玄武岩質の繊維布は、BT−5、BT−8、BT−10、BT−11、およびBT−13という商品名を用いるスダグラスファイバー社(Sudaglass Fiber Company)から入手可能である。布の好ましい厚さは、約0.1mmから約0.3mmまでである。所望により、玄武岩質の布の複数の層を用いてもよい。
【0089】
我々はまた、加圧下、玄武岩質の布の断熱性能が改善するのを見出し、それゆえ、玄武岩質の層を加圧する役割を有する玄武岩質の布の周囲に加圧層を設けることが好ましい。
【0090】
絶縁層はさらに、玄武岩質の布の層(複数の層)に加えて、ポリマーフォームのような他の絶縁材料でできている層を含んでもよい。
【0091】
絶縁層はさらに、少なくとも一層の強化層(reinforcement layer)を含むことが好ましい。強化層は、ポリエステル、ポリアミドまたはポリオレフィンのような合成ポリマーを含み得る。強化層は、上述した管状本体の内側と外側の補強層と同じ材料でつくってもよい。特に、断熱層の強化層は、上述したDYNEEMAまたはSPCTRAのような超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)であることが好ましい。
【0092】
管状本体は、好ましくは、少なくとも一層の補強層と、少なくとも一層の封止層とを含む。より好ましくは、その間に挟まれた封止層を有する少なくとも2層の補強層がある。管状本体は、好ましくは、上記した管状本体と同じ特徴を有する。
【0093】
管状本体はさらに、従来の絶縁材料で作られる、および/または、上述した玄武岩質の繊維布で作られる1層またはそれ以上の断熱層を含んでもよい。
【0094】
ホースはまた、上述した軸強化手段が提供されることが好ましい。
【0095】
本発明のもう一つの面では、以下を含むホースの製造方法が提供される。すなわち、
(a)内側のコイルを形成するために、管状のマンドレルの周囲にワイヤを巻きつけ、
(b)シート材料で形成された管状本体を提供するために、管状のマンドレルおよび内側のコイルの周囲にシート材料を巻きつけ、
(c)管状本体の周囲にワイヤを巻きつけ、外側のコイルを形成し、
(d)管状本体および外ワイヤの外側の表面上に硬化性の液状樹脂を適用し、
(e)樹脂を硬化させ、
(f)(e)工程で製造されたホース端末を固定し、そして、
(g)マンドレルからホースを取り外す。
【0096】
好ましくは、この方法はさらに、硬化した樹脂の上に断熱層を適用することも含む。絶縁層は、好ましくは、上述したように、玄武岩質の繊維から形成される布を含む。
【0097】
(c)工程において、管状本体は、上述したような管状本体を含み得る。特に、管状本体は、従来の絶縁材料で作られた、および/または、上述した玄武岩質の繊維布で作られた1層またはそれ以上の断熱層を含んでもよい。
【0098】
硬化は、被覆されたホースを空気中に単に放置することによっても起こり得、または、加熱するといったような積極的な手段によりもたらされ、もしくは、促進され得る。
硬化した樹脂基材は、後述するようにガス気泡を含有し得る。
【0099】
本発明のもう一つの面は、ホースの耐熱性および/または浮力を改善することに関する。これは、広くは、その中に注入されるガス気泡を有するプラスチック材料を含む層の利用を含む。
【0100】
本発明のもう一つの面では、内側と外側のグリップ部材の間に配置される軟質材料の管状本体を含むホースを提供し、これは、管状部材の周囲のプラスチック材料の層に特徴付けられ、プラスチック材料は、その中にガス気泡を含有する。
【0101】
プラスチック材料は、好ましくはポリウレタンである。プラスチック材料は、管状本体の表面上に、液体の形態で、プラスチック材料を噴霧し、その後、放置して硬化させることにより管状本体に適用されることが好ましい。また、硬化は、被覆されたホースを空気中に単に放置することによっても起こり得、または、加熱するといったような積極的な手段によりもたらされ、もしくは、促進され得る。
【0102】
ガス気泡は、それが液体の形態にある間に、噴霧する前に、プラスチック材料にガスを注入することにより、取り込まれるようにしてもよい。
【0103】
ガス含有プラスチック材料の結果として生ずる層は、プラスチック材料自身の、すぐれた摩耗抵抗および圧縮抵抗といった有益な構造的性質をいくらか有するだけでなく、実質的に改善された断熱性をも有する。これはまた、ガスの存在により改善された浮力を有し、また、水に浮くことができ、その長さに沿って均一に分布された浮力を有するホースを製造するために使用され得る。
【0104】
好ましくは、ガス含有プラスチック材料は、プラスチック材料のさらなる層により被覆され、このプラスチック材料は、ガス気泡を少しも含有しない。好ましくは、このプラスチック材料のさらなる層は、ガス含有層にしっかりと接着される。プラスチック材料のさらなる層は、ガス含有層と同じプラスチック材料であってもよい。好ましくは、プラスチック材料のさらなる層は、ポリウレタンを含む。
【0105】
プラスチック材料の両層は、注入、塗布、または押出し成形のような噴霧とは異なる技術により適用することができる。
空気、チッ素または不活性ガスを含むいかなる好適なガスをも、気泡を形成するために使用してよい。
ポリウレタンの比重は、エアレーションの前で、好ましくは1.2程度である。
【0106】
ホースは、典型的には、ガス含有層なしでは、約1.8の比重を有する。好ましくは、ホースは、ガス含有層の適用後には、1未満、好ましくは、0.8未満の全体の比重を有する。PU塗膜の厚さは、例えば、約4〜8mm、好ましくは約6mmであり得る。ガス気泡は、好ましくは、直径で約2mm未満である。
【0107】
ガス気泡含有層は、上述したホースの実施形態においても用いてよい。特に、本発明は、ガス含有層に加えて、上述したように、硬化樹脂基材を含む層を含み得る。この構成においては、ガス含有層は、典型的には、硬化樹脂基材の表面上に配置され得る。ガス含有層は、硬化樹脂基材に置き換えることもでき、これにより、ガス含有層がここに埋設されるグリップ部材を保持し、外側のグリップ部材の相対的な移動を制限する。
【0108】
本発明のもう一つの面では、以下を含むホースの製造方法が提供される。すなわち、
(a)内側のコイルを形成するために、管状のマンドレルの周囲にワイヤを巻きつけ、
(b)シート材料で形成された管状本体を提供するために、管状のマンドレルおよび内側のコイルの周囲にシート材料を巻きつけ、
(c)管状本体の周囲にワイヤを巻きつけ、外側のコイルを形成し、
(d)管状本体および外ワイヤの外側表面上に硬化性の通気性(aerated)の液体樹脂を適用し、
(e)樹脂を硬化させ、その中にガス気泡を含有する固体プラスチックコーティングを形成し、
(f)(e)工程で製造されたホース端末を固定し、そして、
(g)マンドレルからホースを取り外す。
【0109】
通気性という用語は、樹脂にガスが充填され、これにより、硬化とともに、樹脂が、その中にガス気泡を含有する固体材料を形成することを意味するために使用される。上述したように、ガスは、空気であってもよいが、必ずしも空気である必要はない。
【0110】
本発明のもう一つの面では、らせん状の内ワイヤと外ワイヤとの間に配置された軟質材料の管状本体を含むホース端末を終結させるための端末部品(end fitting)が提供され、この端末部品は、すなわち、少なくとも部分的にホースの中に配置されるように適応された内側部材、封止部材と内側部材との間の管状本体の少なくとも一部を封止するように適応された封止部材、そして、封止部材と内側部材との間のホース上の軸方向の負荷を減少させる、または、除去するための封止部材の周囲のホースに適用された軸方向の負荷を移すために適応された別々の負荷移送手段(load transferring means)を含むことに特徴付けられる。
【0111】
好ましくは、封止部材は、封止部材と内側部材との間の周囲を全周にわたって取り囲む管状本体の少なくとも一部を封止するために適応される。
【0112】
内側部材は、好ましくは、実質的に円筒状であり、封止部材は、好ましくは、その中に内側部材を受容するために適応されるリング形状にあり、これにより、管状本体は、内側部材の外側表面とリングの内側表面との間に固定され得る。
【0113】
封止部材と内側部材との間の封止は、多くの方法で達成され得る。例えば、一つの実施形態において、封止部材は、適した封止を提供するために締付けられ得る割りリングの形態で提供されてもよい。もう一つの実施形態においては、封止部材は、内側部材を有する締り嵌めである封止リングだけを含んでもよい。
【0114】
しかしながら、好ましい実施形態において、封止部材は、封止リングを管状本体および内側部材と嵌め合わせるために締付けられ得る内側の封止リングと外側の割りリングとを含む。この実施形態において、封止リングは、封止をさらに改善するために、内側部材を有する締り嵌めであることが好ましい。
【0115】
内側部材、封止リングおよび割りリングは、いかなる好適な材料であってもよい。典型的には、内側部材および割りリングは、ステンレス鋼で作られ得る。封止リングは、ステンレス鋼でできていてもよいが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で作られることが好ましい。
【0116】
封止部材は、好ましくは、この後に記載する封止部材の特徴を有する。
【0117】
負荷移送手段は、好ましくは、ホース係合部材(hose engaging member)、負荷伝達部材(load transmitting member)および内側部材に固定される端末部材(end member)を含む。配置は、封止部材が、負荷伝達部材と端末部材との間に配置され、ホース係合部材と端末部材とが、負荷伝達部材を通して接続されるようになっている。
【0118】
ホース係合部材は、ホースの中の軸方向力の少なくとも一部が、ホースからホース結合部材へと伝達されるような方法でホースを係合するように適応される。ホース係合部材は、これらの力を負荷移送部材へと伝達し、負荷移送部材は、これらの力を端末部材へと伝達する。このように、ホースの中の軸方向力の少なくとも一部は、封止部材へと迂回し、これにより、封止部材により提供される封止の信頼度を改善する。
【0119】
内側部材および負荷移送手段は、ホースのワイヤを受容するために構成された部分を含むことが好ましい。内側部材は、その中に内ワイヤの受容に応じるらせん形の凹部を設けることができ、また、負荷移送手段は、その中に外ワイヤの受容に応じるらせん形の凹部を設けることができる。好ましくは、それは、らせん形の凹部を備えた負荷移送手段のホース係合化部材である。
【0120】
負荷移送部材は、好ましくは、負荷移送プレートを含み、これは、典型的には、ディスク形状であり、その中を通るホースを受容するために適応された開口部を有し、プレートは、ホース係合化部材を係合することができる表面を有し、これにより、負荷は、ホース係合化部材からプレートへと伝達され得る。負荷移送部材は、好ましくはさらに、負荷をプレートから端末部材に移すためにプレートと端末部材との間に固定された負荷移送ロッドを含む。ナットのような締結部材をロッドに設けることができる。
【0121】
内側部材は、好ましくは、ホースの端末部に拡がるように適応されたホース端末、およびホース端末から離れた末尾部(tail end)を有する。端末部材は、末尾部に隣接して、封止部材の片側に配置され、また、ホース係合化部材は、ホース端末に隣接して封止部材のもう一方の側に配置される。
【0122】
好ましくは、内側部材の外側の表面は、その上に、封止リングの下に、管状部材の前記部分(part)の係合に適した少なくとも1つの構成物(formation)を備えている。この構成物または各構成物は、管状部材の封止を改善し、また、管状部材が、内側部材と封止リングとの間から引っ張られるのをより困難にするために働く。その構成物または各構成物は、内側部材の外側の表面の周囲に、外周に延び出す突起を含むことが好ましい。2つまたは3つの前記構成物があることが望ましい。
【0123】
本発明のもう一つの面では、以下を含むホースを製造する方法が提供される。
【0124】
すなわち、
(a)内側のコイルを形成するために、管状のマンドレルの周囲にワイヤを巻きつけ、
(b)シート材料で形成された管状本体を提供するために管状のマンドレルおよび内側のコイルの周囲にシート材料を巻きつけ、
(c)管状本体の周囲にワイヤを巻きつけ、外側のコイルを形成し、そして、
(d)マンドレルからホースを取り外す。そして、以下の工程に特徴付けられる。すなわち、
(e)内側部材をホースの開口端(open end)に配置し、
(f)負荷移送手段をホースの外側の表面に固定し、そして、
(g)管状本体の外側の表面に封止部材を固定する。
【0125】
好ましくは、この方法はさらに、工程(b)と工程(c)との間に、以下の工程を含む。すなわち、
(h)マンドレルが軸強化部材の中に拡がるようにマンドレルの自由端から管状の軸強化部材を被せ、そして、マンドレルに沿って軸強化部材を引っ張り、これにより、これは少なくとも管状本体の一部を被覆する。
【0126】
好ましくは、軸強化部材は、負荷移送手段によって固定され、そして、この方法はさらに、工程(f)の後に以下の工程を含む。すなわち、
(i)負荷移送手段の一部分に管状の軸強化部材を折り返す。
【0127】
好ましくは、コイルおよびシート材料は、ホースに優れた構造完全性を提供するために張力下で適用される。
【0128】
好ましくは、工程(b)におけるシート材料は、上述したように、封止層を挟む2層の補強層を含む。好ましい実施形態において、シートの形態にある内側の補強層は、内側のコイルとマンドレルの周囲にらせん状に巻きつけられ、その後、シートの形態にある封止層が、内側の補強層の周囲にらせん状に巻きつけられ、その後、シートの形態にある外側の補強層が、封止層の周囲に巻きつけられる。通常は、複数の封止層が用いられる。
【0129】
好ましくは、内側および外側のコイルは、同じピッチを有するらせん構造に適用され、また、外側のコイルのコイル位置は、内側のコイルのコイル位置からピッチ長さの半分の長さにオフセットされる。
【0130】
ホースは、端末部品がその中に配置される前に、マンドレルから取り外すことも可能である。その代わりに、端末部品は、内側のマンドレルをそこに沿ってホース端末にまで摺動させ、その後、端末部品およびホースの残部がマンドレル上に残っている間に、ホースの残部を端末部品に固定させることにより、ホースの残部内に取り付けることができる。
【0131】
別々の端末部品が、当然、ホースの各末端に適用されてもよい。
本発明は、ホース端末の封止の改良に関する。
【0132】
本発明のもう一つの面では、らせん巻き内ワイヤと外ワイヤとの間に配置された軟質材料の管状本体を含むホース端末を封止するための端末部品が提供され、これは端末部品が、少なくとも部分的にホースの中に配置されるように適応された内側部材、および、封止リングと内側部材との間の管状本体の少なくとも一部を封止するために適応される封止リングを含むことに特徴付けられ、ここで、封止部材は、封止リング、および、封止リングを管状本体の前記成分との封止係合部分(sealing engagement)に加圧するための加圧部材(compression member)を含み、そして、加圧部材は、封止部材に対する加圧部材の圧縮力を選択的に増加させ、または、減少させるために封止部材に対して締付けることが可能である。
【0133】
一つの特に有用な実施形態において、加圧部材は、封止部材に対する加圧部材の圧縮力を選択的に増加または減少させるために封止部材に対して締付けることが可能である。
もう一つの特に有用な実施形態において、加圧部材および封止リングは、ホースに移動可能に固定される。
【0134】
このように、本発明に従えば、端末部品の構成部分に回復不可能な塑性変形はない。
好ましくは、加圧部材は、全方向に等しく封止リングを圧縮するように応じる。
【0135】
好ましくは、加圧部材は、調節可能な直径であり、さらに、力を適用して、加圧部材の直径を減少させることができる締結部材(tightening member)を含み、これにより、加圧部材の中の封止リングを加圧する。加圧部材は、割りリングまたはジュービリークリップ(jubilee clip)を含むことが好ましい。
【0136】
特に好ましい実施形態において、加圧部材は、冷却されたときに、封止リングよりも収縮しない材料から作られる。これは、後述するように、ホースの製造の有利な方法を提供する。封止リングおよび加圧部材は、いかなる好適な材料であってもよい。冷却下の収縮において、所望の差異を有する多くの材料がある。加圧部材は、ステンレス鋼であり、また、封止リングが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であることが好ましい。より好ましくは、封止リングは、これがクリープを防ぐのに役立つように、ガラス充填(glass filled)PTFEのような強化(reinforced)PTFEを含む。封止リングは、好ましくは、10質量%から20質量%のガラス充填物を含む。
【0137】
内側部材は、冷却されるとき、封止リングよりも収縮しない材料から作られることが好ましい。この特徴は、端末部品が冷却されたときに、封止リングが、内側部材よりも収縮し、これにより、封止リングのグリップを内側部材に締付け、そして、封止を改善するという効果を有する。内側部材は、いかなる適切な材料で作られてもよい。ステンレス鋼が、特に好適であることが見出されている。
【0138】
好ましくは、内側部材の外側の表面には、封止リングの下に、管状部材の前記成分を係合させるためにその上に適応される少なくとも一つの構成物が提供される。その構成物または各構成物は、フィルムを伸ばし、これは、管状部材の封止を改善し、管状部材が、内側部材と封止リングとの間から引っ張られるのをより困難にするように働き、この延伸は、封止の下でフィルムの表面をより平らに、より滑らかにする。その構成物または各構成物は、内側部材の外側の表面の周囲に、外周に延び出す突起を含むことが好ましい。2つまたは3つの前記構成物があることが望ましい。
【0139】
封止リングは、内側部材を有する締り嵌めであることが好ましい。
好ましい実施形態において、端末部品はさらに、上述した負荷移送手段をも含む。
【0140】
本発明のもう一つの面では、らせん巻きの内ワイヤと外ワイヤとの間に配置された軟質材料の管状本体を含むホースが提供され、この管状本体は、ホースの中を流体を移動させる役割を有し、また、本体を通る流体の漏出を防ぐ役割を有し、ホースはさらに、上述したように端末部品を含むことを特徴とする。
【0141】
ホース係合化部材は、ホースとホース係合化部材との間の摩擦力だけで、ホースから負荷を移し得る。しかしながら、ホース係合化部材は、ホース係合化部材の外側部分に折り返されるホース部分を固定するために適応されることが好ましい。この配置は、ホースの折り返された部分が、負荷をホース係合化部材に伝達することを可能にする。ホースの折り返された部分は、管状本体の部分であってもよいが、後述するように、組みひもの形態にある軸強化手段であることが好ましい。
【0142】
管状本体は、好ましくは、少なくとも1層の補強層、および、少なくとも1層の封止層を含む。その間に挟まれた封止層を有する少なくとも2層の補強層があることがより好ましい。管状本体は、好ましくは、上記した管状本体と同じ特徴を有する。
【0143】
管状本体はさらに、従来の絶縁材料でできた、および/または、上述した玄武岩質の繊維布でできた1層またはそれ以上の絶縁層を含んでもよい。
ホースはまた、上述した軸強化手段が提供されることが好ましい。
【0144】
本発明のもう一つの面では、以下を含むホースの製造方法が提供される。すなわち、
(a)内側のコイルを形成するために、管状のマンドレルの周囲にワイヤを巻きつけ、
(b)シート材料で形成された管状本体を提供するために管状のマンドレルおよび内側のコイルの周囲にシート材料を巻きつけ、
(c)管状本体の周囲にワイヤを巻きつけ、外側のコイルを形成し、そして、
(d)マンドレルからホースを取り外す。これは、以下の工程により特徴付けられる。すなわち、
(e)ホースの開口端に内側部材を取り付け、
(f)管状本体の外側の表面の上に封止リングを被せ、そして、
(g)封止リング上に加圧部材を被せ、そして、封止部材を、加圧部材を用いて管状部材と内側部材との封止係合部分に加圧する。
【0145】
好ましくは、加圧部材は、冷却された時に、封止リングよりも収縮しない材料から作られる。好ましくは、また、加圧部材は、封止リングに適用される圧縮力を調整するための手段を含み、割りリングは、特に加圧部材としての用途に好適である。この配置は、特に好ましい製造プロセスを可能にする。
【0146】
このプロセスにおいて、加圧部材は、封止リングに適用されて、締められ、その後、加圧部材および封止リングは少なくとも1回の冷却サイクルを受ける。これにより、封止部材は、加圧部材と関連して収縮し、これにより、加圧部材により適用される圧縮力は減少する。冷却が保持されている間は、加圧部材により適用される圧縮力が、冷却前とほぼ同じレベルまでそれを戻すように再調整され、その後、温度が上昇する。このサイクルは、所望により何度も適用される。冷却サイクルは、少なくとも2回または3回適用され、そして、各回とも、端末部品は、意図されるホースの操作温度よりも少なくとも5℃低い温度まで冷却されることが好ましい。この技術は、3つの重要な利点を有する。
【0147】
第一に、ホースが冷却温度よりも上の温度で操作される場合、封止リングは、冷却が停止された後に、起こり得る封止部材の熱膨張によって加圧部材から付加的な圧縮を受け得る。
【0148】
第二に、ホースは、少なくとも冷却温度と同じレベルの低い温度において、実質的な封止活発化(seal energisation)を有し得る。これは特に、ホースが低温貯蔵適用で使用されるときに、有用である。このように、ホースが冷却される温度が、好ましくは、それが意図される使用中に、ホースが受け得る温度と同じレベルの低い温度であることが好ましい。一般に、冷却温度は、好ましくは−50℃以下、より好ましくは−100℃以下、さらに好ましくは−150℃以下であることを好ましい。好ましくは、冷却は、液体窒素により実行され、これにより、冷却温度が約−196℃と同じレベルの低温にされ得る。
【0149】
第三に、クリープ損傷の可能性は、加圧部材により提供される静水圧応力を利用することにより、大幅に低減されるか、または、取り除かれさえする。
【0150】
内側部材は、冷却されたときに封止リングよりも収縮しない材料で作られることが好ましい。これは、端末部品を冷却することにより、封止リングは、よりきつく内側部材をつかみ、これにより、ホースが低温で操作されるときに端末部品の封止を改善させる効果を有する。
【0151】
好ましくは、コイルおよびシート材料は、ホースに優れた構造的完全性を提供するために張力の下で適用される。
【0152】
好ましくは、工程(b)におけるシート材料は、上述したように、封止層を挟む2層の補強層を含む。好適な実施形態において、シートの形態にある内側の補強層は、内側のコイルおよびマンドレルの周囲にらせん状に巻きつけられ、その後、シートの形態にある封止層が、内側の補強層の周囲にらせん状に巻きつけられ、その後、シートの形態にある外側の補強層が、封止層の周囲に巻きつけられる。通常は、複数の封止層が適用される。
【0153】
好ましくは、内側と外側のコイルは、同じピッチを有するらせん形構造に適用され、そして、外側のコイルのコイル位置は、内側のコイルのコイル位置からピッチ長さの半分の長さにオフセットされる。
【0154】
ホースは、端末部品がそこに配置される前に、マンドレルから取り除かれることが可能である。その代わりに、端末部品は、内側のマンドレルをそれに沿ってホース端末にまで摺動させ、その後、端末部品およびホースの残部がマンドレル上に残っている間に、ホースの残部を端末部品に固定させることにより、ホースの残部内に取り付けることができる。
【0155】
上記した本発明の面では、グリップ部材は、典型的には、らせん状に曲げられたワイヤを各々含む。ワイヤのらせんは、典型的には、それらが互いにらせんのピッチの半分に相当する距離でオフセットになるように配置される。ワイヤの目的は、管状本体を、その間にしっかりとつかみ、管状本体の層をそのままに維持し、ホースに構造完全性を提供することである。内ワイヤおよび外ワイヤは、例えば、軟鋼、オーステナイト系ステンレス鋼またはアルミニウムであり得る。所望により、ワイヤは、亜鉛めっきまたはポリマーで被覆されてもよい。
【0156】
グリップ部材を構成するワイヤが、大きな引っ張り強さを有し得るにもかかわらず、グリップ部材が、比較的小さな軸方向の張力を受けたときに変形し得るコイル形状のワイヤの配列が認められ得る。コイルのいかなる有意な変形も、ホースの構造完全性を短時間で破壊する。
【0157】
本発明に従うホースは、100℃を超える温度、0℃から100℃までの温度、および0℃を下回る温度といった広範囲の様々な条件での使用に提供することができる。材料の好適な選択により、ホースは、−20℃を下回る温度、−50℃を下回る温度、または−100℃を下回る温度でさえ使用され得る。例えば、LNGの輸送のために、ホースは、−170℃、またはそれよりも低い温度でも使用しなければならない場合がある。さらにまた、ホースは、液体酸素(bp−183℃)または液体窒素(bp−196℃)の輸送に使用され得ることが予期され、この場合、ホースは、−200℃またはそれよりも低い温度で使用しなければならない場合がある。
【0158】
本発明に従うホースはまた、種々の異なる役割においての使用のために提供され得る。典型的には、ホースの内径は、約2インチ(51mm)から約24インチ(610mm)までの範囲であり、より典型的には、約8インチ(203mm)から約16インチ(406mm)までの範囲にわたり得る。一般に、ホースの使用(運転)圧力は、約500kPaゲージ圧から約2000kPaゲージ圧までの範囲にあり、または、約2500kPaゲージ圧までに至る場合もあり得る。これらの圧力は、ホースの使用圧力に関連があり、破裂圧(これは、複数回より大きくなければならない)には関連はない。流量は、液状媒体、圧力および内径に依存する。流速は、1000m3/hから12000m3/hまでであるのが典型的である。
【0159】
本発明に従うホースはまた、強酸のような腐蝕性物質に対する使用のためにも提供され得る。
【0160】
図1は、ホースHが使用中に標準的に受ける応力を示す。周方向応力は、矢印HSで示され、これは、ホースHの周囲の接線に沿って働く応力である。軸方向応力は、矢印ASで示され、これは、ホースHの長さに沿って軸方向に働く応力である。曲げ応力(flexing stress)は、FSで示され、これは、ホースHが曲げられたときに、ホースHの長手軸に対して横方向に働く応力である。ねじり応力は、TSで示され、これは、ホースの長手軸について働くねじり応力である。圧縮応力は、CSで示され、これは、ホースHの外面に放射状(radially)に適用された負荷から生ずる。
【0161】
周方向応力HSは、ホースH内の液体の圧力により発生される。軸方向応力ASは、ホース内の液体の圧力により、およびまた、ホースH内の液体の自重の組み合わせにより、およびホースH自身の自重により発生される。曲げ応力FSは、ホースHを適切な位置にするために、ホースHを曲げる必要性により、および使用中のホースHの移動により生ずる。ねじり応力TSは、ホースのねじりにより生ずる。先行技術のホースは、一般的に、周方向応力HS、曲げ応力FSおよびねじり応力TSに耐えることはできるが、しかし、軸方向応力ASにはそれほど耐えることができない。このため、先行技術のホースが大きな軸方向応力ASを受けたとき、それらは一般的に、軸方向応力ASを最小化するために、補助されなければならない。
【0162】
軸方向応力ASに耐えることの問題は、本発明により解決される。図2において、本発明に従うホースは、一般的に符号10で示される。明瞭化のために、図2およびその他の図において、種々の層の巻きは示されていない。
【0163】
ホース10は、内側の補強層14、外側の補強層16および層14と層16との間に挟まれた封止層18を含む管状本体12を含む。一般的に、管状外筒20は、軸方向の強化を提供し、外側の補強層16の外表面の周りに配置される。
【0164】
管状本体12および管状外筒20は、らせん巻き内ワイヤ22とらせん巻き外ワイヤ24との間に配置される。内ワイヤ22および外ワイヤ24は、それらが、コイルのらせんのピッチ長さの半分に相当する距離だけ、互いからオフセットに配置される。
【0165】
絶縁層26は、外ワイヤ24のまわりに配置される。絶縁層は、プラスチックフォームのような従来の絶縁材料であってもよいし、あるいは、図7に関して後述する材料であってもよい。
【0166】
補強層14,16は、UHMWPEまたはアラミド繊維のような合成材料の織布を含む。図3は、内側の補強層14を図示し、これから、内側の補強層14が、縦糸方向Wに配置された繊維14a、および、横糸方向Fに配置された繊維14bを含むことが明らかとなろう。図3において、明瞭化のために、層14のみが示されている。我々は、ホース10の軸方向強さは、縦糸方向Wが、ホース10の長手軸に対して、20°未満、典型的には15°程度の低い角度となるように内側の補強層14を配置することにより改善され得ることを予想外にも発見した。この角度は、図3において、記号αにより示されている。外側の補強層16の構造および配向は、内側の補強層14と実質的に同一であり、外側の補強層16についての角度αは、内側の補強層14についての角度αと同じでもよいし、あるいは、異なってもよい。
【0167】
封止層18は、内側の補強層14の外表面の周囲に巻きつけられて、内側の補強層14と外側の補強層16との間に、流体密閉封止(fluid tight seal)を提供するプラスチックフィルムの複数の層を含む。
【0168】
ホース10はさらに、外筒20と外ワイヤ24との間に配置された補強層21を含む。補強層21は、外筒20および管状本体12と同様の特徴を有し得る。
【0169】
管状外筒20は、管状の組みひもを形成するために編みこまれた2組の繊維20a,20bから形成される。これは、図4Aおよび図4Bに示され、これらの図において、明瞭化のために、管状外筒20だけが示されている。繊維20a,20bの組の間にはスペース28があり、これにより、管状外筒20が軸方向に引っ張られたときに、繊維20a,20bがスペース28の方へ収縮し得る。これは、管状外筒20の直径を減らそうとする方向に働き、管状本体12の周囲を締付けさせ、これによりホース10の構造完全性および破裂耐圧が増加する。図4Bは、締付けられた状態にある管状外筒20を示す。
【0170】
封止層18は、図6においてさらに詳細に示される。封止層18の提供は、曲げ応力FSおよび周方向応力HSに対するホースの抵抗力を改善する。
【0171】
図6に示すように、封止層18は、複数の第2のポリマー(PFTEまたはFEP)からできたフィルムの層18bと交互に配置された複数の第1のポリマー(高度に配向されたUHMWPE)からできたフィルムの層18aを含み、この2つのポリマーは異なる硬さ(stiffness)を有する。層18a,18bは、内側の補強層14の外表面の周囲に巻きつけられ、内側の補強層14と外側の補強層16との間に流体密閉封止を提供する。上記したように、層18a,18bは、必ずしも互い違いに配置されなければならないというわけではない。例えば、全ての層18aが同じもの同士で配列されてもよいし、全ての層18bが同じもの同士で配列されてもよい。
【0172】
絶縁層26は、図7においてさらに詳細に示され、これは、絶縁層26のさらなる詳細を示す。絶縁層は、主に、曲げ応力FSに対するホースの抵抗力を改善すること、および、ホースを絶縁することに関する。
【0173】
絶縁層26は、管状本体12および外ワイヤ24の上に、噴霧、注入、またはその他の方法で適用されたポリウレタンで形成される内側の層26aを含む。硬化後、ポリウレタン層26aは、その中に外ワイヤ24が埋設された固体基材を形成する。これは、固定された外ワイヤ24を適当な位置に維持するのに役立つ。好ましい実施形態において、内側の層26aは、その中に気泡が提供される。
【0174】
絶縁層26は、層26aの上の層26bを含む。層26bは、玄武岩質の繊維から形成された布を含む。層26bは、ホース10の絶縁性のうちの大部分を提供する。
【0175】
絶縁層26はさらに、層26bの上の層26cを含む。層26cは、DYNEEMAまたはSPECTRAのようなUHMWPEを含む。層26cの目的は、主に周方向応力および曲げ応力に対する強化を提供することにある。
【0176】
絶縁層26はさらに、加圧層26dを含む。加圧層26dの目的は、我々が、玄武岩質の布層26bの絶縁性は加圧下で非常に改善されることを見出したように、層26bを加圧することにある。加圧層26dは、例えば、層26cの周囲にしっかりと巻きつけられたロープまたはコードを含んでもよい。好ましくは、加圧層26dは、上述した外筒20のように、軸強化外筒を含む。
【0177】
ガス気泡を含有するさらなるポリウレタン層(図示せず)を、ホース10の絶縁性および浮力をさらに改善するために、層26dの上に設けてもよい。ガス気泡を含有しないさらなるポリウレタン層(図示せず)を、ガス含有ポリウレタン層の上に設けてもよい。さらなるポリウレタン層を層26dの中に、付加的に、または代わりに設けてもよい。また、層26a自身が、ガス気泡を含有することも可能である。
【0178】
ホース10は、以下の工法により製造され得る。第一工程として、所望のピッチを有するらせん形の配置を提供するために、内ワイヤ22が、支持マンドレル(図示せず)の周囲に巻きつけられる。支持マンドレルの直径は、ホース10の所望の内径に相当する。その後、内側の補強層14は、縦糸方向Wが所望の角度αに設定されるように、内ワイヤ22および支持マンドレルの周囲に巻きつけられる。
【0179】
その後、封止層18を構成するプラスチックフィルム18a,18bの複数の層が、内側の補強層14の外表面の周囲に巻きつけられる。通常、フィルム18a,18bは、ホース10の長さよりも実質的に短い長さを有し、このため、複数の分割された長さのフィルム18a,18bが、内側の層14の周囲に巻きつけられなければならない。これらのフィルム18a,18bは、好ましくは、封止層18の厚さにまで交互に配置される。封止層の厚さまでは、5層に分かれたフィルム18a,18bの層とするのが一般的である。
【0180】
その後、縦糸方向Wが、所望の角度(αであってもよいし、または、αに近いその他の角度であってもよい)に設定されるように、外側の補強層16が、封止層18の周囲に巻きつけられる。管状の軸強化外筒20が、外側の補強層16の外表上に引っ張り上げられる。その後、さらなる補強層21が、外筒20の周囲に巻きつけられる。
【0181】
その後、所望のピッチを有するらせん形の配列を提供するために、外ワイヤ24が、さらなる補強層21の周囲に巻きつけられる。外ワイヤ24のピッチは、標準的には、内ワイヤ22のピッチと同じにし、ワイヤ24の位置は、標準的には、ワイヤ24のコイルが、ピッチ長さの半分に相当する距離だけワイヤ22のコイルからオフセットである。これは、図2に図示され、ここでは、ピッチ長さは符号pで示されている。
【0182】
その後、ポリウレタン樹脂が、補強層21の外表面上に噴霧され、補強層21および外ワイヤ24の上に樹脂コーティングを形成する。その後、この樹脂は、層26aを形成するために、放置して硬化させる。この樹脂は、その中にガス気泡を提供するために、硬化の前に(典型的には噴霧または塗布の前に)通気されてもよい。その後、玄武岩質の布層26bが、ポリウレタン層26aの周囲に巻きつけられ、その後、UHMWPE層26cが、層26bの周囲に巻きつけられる。最後に、加圧層26dが層26cの上に設けられる。
【0183】
ホース10の端末は、ホース10の挿し込み内側(insert inside)にスリーブを折り曲げることにより封止され得る。この終結は、一般的に、ホース10をマンドレルから取り外した後になされる。
【0184】
ホース10の端末は、図8に示す端末部品200を用いて封止してもよい。図8において、ホース10は、明瞭化のために示されていない。端末部品200は、ホース端末202aおよび末尾部202bを備えた管状の内側部材202を有する。端末部品200はさらに、PTFE封止リング204、および、PTFE封止リング204の周囲のステンレス鋼の割りリング206を有する封止部材を含む。
【0185】
端末部品200はさらに、ホース結合化部材208、負荷移送部材210および円盤形プレートの形態にある端末部材212を有する負荷移送手段を含む。負荷移送部材は、円盤形プレート214および少なくとも1つの負荷移送ロッド216を含む。図2においては、ロッド216は2つあるが、しかし、3つまたはそれ以上のロッド216を設けることも可能である。締結ナット218が各ロッド216に取り付けられる。プレート212,214は、ロッド216を受容するためにそれぞれ孔212a,214aを有する。
【0186】
プレート212,214は各々サイモンプレート(Simonplate)としてもよく、ホース係合化部材202はゲドリング(Gedring)としてもよく、また、割りリング206はエリックリング(Ericring)としてもよい。
【0187】
プレート212にはさらに孔212bが設けられ、また、内側部材202の末尾部202bには孔202cが設けられている。固定化ボルト220は、孔202b,212bを貫通して延び出し、プレート212を内側部材202の末尾部202aに固定する。図2においては、固定化ボルト220が2本とこれに付随する孔があるが、しかし、固定化ボルト220およびこれに付随する孔をこれより少なく、または、これより多く設けてもよい。
【0188】
ホース係合化部材208は、その中にホース10の外ワイヤ24を受けるために適応される溝208aの形態にある内側のらせん形の凹部を備えている。内側部材202には、その中に内ワイヤ22を受けるために適応される溝202dの形態にある外側のらせん形の凹部を備えている。図2から分かるように、内ワイヤ22および外ワイヤ24のように、溝208a,202dは、ピッチ長さpの半分の長さの間隔で配列される。
【0189】
内側部材202は、封止リング204の下に配置された2つの外周突起202eを備えている。これらの突起202eは、内側部材202と封止リング204との間の管状部材20の封止の改善に役立ち、かつ管状部材が不注意に適切な位置から引き抜かれるのを防ぐのに役立つ。
【0190】
ホース10は、次のように端末部品200に固定される。内側部材202が、ホース10の端末へと通され、これにより、ホース10は、プレート212に近接して位置するようになる。内ワイヤ22は溝202dに受容され、外ワイヤ24は溝208aに受容される。内ワイヤ22および外ワイヤ24は短く切られ、このため、これらは、溝202d,208aを越して内側部材202に沿って伸び出ることはない。絶縁材26もまた、この点で短く切られる。内側の補強層14もまた、この点で短く切られ、または、内側の補強層14が封止リング204に到達する前のどこかの点で短く切られる。これは、封止層18が直接的に、内側部材202の外表面を係合することを意味する。しかしながら、管状本体12の残部は、内側部材202と封止リング204との間の内側部材202に沿って伸び出すようにされる。
【0191】
その後、ホース係合化部材208が締付けられ、これにより、これはホース10を締付け、これをホース10との固い係合とする。その後、ナット218が締結され、これはホース10にいくらかの軸方向の張力を引き起こし、これにより、このシステムに何らかの作用を起こす。これらの力は、ホース係合化部材208から、プレート214、ロッド216、プレート212および内側部材の末尾部202bへと順次伝達される。管状部材20は、ホース係合化部材208の上表面の上に引っ張られ、ホース係合化部材208の上表面から伸びている突起208bに固定される。
【0192】
管状本体12は、封止リング204の下まで伸びる。ホース係合化部材208およびナット218が締付けられた後、割りリング206が、封止リング204により管状本体12上に適用された力を増加させるために締付けられる。
【0193】
その後、端末部品200は、液体窒素により低温まで冷却される。これにより、封止リング204は、割りリング206に比べて収縮し、これにより、割りリング206により封止リング204に掛かる圧縮力が減少される。割りリング206および封止リング204が、比較的低温にある間に、割りリング206が再度締付けられる。その後、温度は、外界温度まで上昇させられ、これにより、封止リングへの圧縮力は、割りリング206に比べて、封止リング204のより大きな膨張によって増加する。
【0194】
これでホース10の端末部品が完成する。ホース係合化部材208は、ホース208の末端の封止をいくらか提供し、ホース10中の軸力を封止リング204の周囲に伝えるのに役立つ。封止リング204は、ホース10の封止の残りを提供する。
【0195】
図5Aから図5Dは、ホース10の3つの応用を示す。図5Aから図5Cの各図において、浮動製造、貯蔵および荷下ろし船(FPSO)102は、本発明に従うホース10によりLNG運搬船104に連結される。ホース10は、FPSO102の貯蔵タンクからLNG運搬船104の貯蔵タンクまでLNGを運搬する。図5Aにおいて、ホース10は、海面106よりも上に位置する。図5Bにおいて、ホース10は、海面106の下に浸漬される。図5Cにおいて、ホース10は海面近くに浮いている。各々の場合において、ホース10は、いかなる中間サポートなしであってもLNGを運搬する。図5Dにおいて、LNG運搬船は、ホース10を経て陸上基地の貯蔵設備108に連結される。
【0196】
ホース10は、図5Aから図5Cに示される適用の他にも多くのその他の適用のために使用され得る。このホースは、低温貯蔵および非低温貯蔵の条件でも使用され得る。
【0197】
上述した本発明は、修正されてもよい。たとえば、管状外筒20は、外ワイヤ24の外側に配置されてもよい。また、ホース10は、付加的な補強層14,18、封止層16、および/または、管状外筒20を含んでもよい。封止層18aのうちの1つもしくはそれ以上、または、全てでさえもが、ポリマーが被覆された金属フィルムまたは金属被覆されたポリマーフィルムであってもよい。同様に、封止層18bのうちの1つもしくはそれ以上、または、全てでさえもが、ポリマーが被覆された金属フィルムまたは金属被覆されたポリマーフィルムであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0198】
【図1】本発明に係るホースが使用中に受ける主な応力を示す模式図。
【図2】本発明に係るホースの概略断面図。
【図3】本発明に係るホースの補強層の配置を示す断面図。
【図4】図4Aは、軸強化外筒が緩和された状態にあるときの、本発明に係るホースの管状の軸強化外筒の配置を示す断面図、図4Bは、軸強化外筒が締付けられた状態にあるときの、本発明に係るホースの管状の軸強化外筒の配置を示す断面図。
【図5】図5A、5B、5Cおよび5Dは、本発明に係るホースの4つの応用を示す図。
【図6】本発明に係るホースの封止層を示す断面図。
【図7】より詳細な図2のホースの絶縁層を示す断面図。
【図8】本発明に係るホースの端末部品の概略断面図。
【符号の説明】
【0199】
10…ホース、12…管状本体、14…内側の補強層、
14a…縦糸方向Wに配置された繊維、
14b…横糸方向Fに配置された繊維、16…外側の補強層、
18…封止層、18a…第1のポリマーフィルムの層、
18b…第2のポリマーフィルムの層、20…管状外筒、
20a,20b…繊維、21…補強層、22…内ワイヤ、24…外ワイヤ、
26…絶縁層、26a…内側の層(ポリウレタン層)、
26b…玄武岩質の布層、26c…UHMWPE層、26d…加圧層、
28…スペース、102…FPSO、104…LNG運搬船、106…海面、
108…貯蔵設備、200…端末部品、202…内側部材、
202a…ホース端末、202b…末尾部、
202c,212a,212b,214a…孔、202d,208a…溝、
202e,208b…突起、204…封止リング、206…割りリング、
208…ホース結合化部材、210…負荷移送部材、
212…プレート(端末部材)、214…円盤形プレート、
216…負荷移送ロッド、220…固定化ボルト。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
らせん巻き内ワイヤとらせん巻き外ワイヤとの間に配置された軟質材料の管状本体を有するホースであって、
前記管状本体は、前記ホースを通る流体を輸送し、かつ、該管状本体を通る流体の漏出を防ぐ役割を有し、前記管状本体は、間に封止層が挟まれた2層の補強層を有し、
さらに、前記管状本体が軸方向の張力を受けた時に、前記管状本体の変形を減少させるように適合する軸強化手段を有し、前記軸強化手段は、該軸強化手段が軸方向の張力を受けたときに、前記管状本体の少なくとも一部で放射状の内向きの力をさらに働かせるように適合することと、
前記管状本体および前記軸強化手段の破断歪みは、1%から10%の範囲内にあることとを特徴とするホース。
【請求項2】
前記軸強化手段は、管状の形状に規定された材料のシートから形成された汎用の管状外筒を含み、前記管状外筒は、軸方向の張力を受けたときに、その管状形状の完全性を維持することができることを特徴とする請求項1に記載のホース。
【請求項3】
2つまたはそれ以上の前記管状外筒を含むことを特徴とする請求項2に記載のホース。
【請求項4】
前記軸強化手段は、汎用の管状組みひもの形態をなすことを特徴とする請求項1ないし3のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項5】
前記組みひもは、三軸の形態をなすことを特徴とする請求項4に記載のホース。
【請求項6】
さらに、前記軸強化手段と外グリップ部材との間に補強層を有することを特徴とする請求項1ないし5のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項7】
前記管状本体、前記軸強化手段および前記補強層は、すべて同じ高分子材料からなることを特徴とする請求項6に記載のホース。
【請求項8】
前記補強層または各補強層は、縦糸および横糸方向に配置された繊維で形成された織布を有し、かつ、前記縦糸方向が前記ホースの長手軸に対して20°未満の角度となるように配置されることを特徴とする請求項1ないし7のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項9】
前記補強層は、前記縦糸方向が、前記ホースの長手軸に対して10°未満の角度となるように配置されることを特徴とする請求項8に記載のホース。
【請求項10】
前記補強層または各補強層は、超高分子量ポリエチレンを含むことを特徴とする請求項6ないし9のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項11】
前記軸強化手段は、超高分子量ポリエチレン、アラミド繊維またはポリエステル繊維を含むことを特徴とする請求項1ないし10のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項12】
前記封止層は、超高分子量ポリエチレン、または、ヘキサフルオロプロピレンおよびテトラフルオロエチレンの共重合体を含むことを特徴とする請求項1ないし11のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項13】
前記封止層は、金属または金属酸化物を部分的にまたは全体的に含む層をさらに少なくとも1層有することを特徴とする請求項1ないし12のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項14】
前記封止層は、少なくとも2つのポリマーフィルムを含み、前記フィルムのうちの一方は、第1のポリマーでつくられ、前記フィルムのうちのもう一方は、前記第1のポリマーとは異なる第2のポリマーでつくられ、
前記フィルムのうちの一方は、前記他方のフィルムよりも硬く、これにより、異なる降伏歪みが、操作温度および圧力における材料の性質において現れることを特徴とする請求項1ないし11のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項15】
前記外側のフィルムは、前記内側のフィルムよりも硬いことを特徴とする請求項14に記載のホース。
【請求項16】
前記封止層のポリマーフィルムは、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンまたはふっ素重合体を含むことを特徴とする請求項14または15のうちのいずれか一方に記載のホース。
【請求項17】
前記封止層のポリマーフィルムのうちの1つは、ポリオレフィンを含み、その他の前記ポリマーフィルムはふっ素重合体を含むことを特徴とする請求項14ないし16のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項18】
前記封止層のポリマーフィルムのうちの1つは、高度に配向された超高密度ポリエチレンを含むことを特徴とする請求項16または17のうちのいずれか一方に記載のホース。
【請求項19】
前記封止層のポリマーフィルムのうちの1つは、ヘキサフルオロプロピレンおよびテトラフルオロエチレンの共重合体を含むことを特徴とする請求項16ないし18のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項20】
前記封止層は、それぞれが前記ポリマーフィルムからなる複数の層を含み、前記複数の層は、前記第1のポリマーフィルムと第2のポリマーフィルムとが前記封止層の厚さにわたり交互に配置されていることを特徴とする請求項14ないし19のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項21】
前記金属または金属酸化物の層は、金属もしくは金属酸化物フィルム、または、ポリマー被覆された金属もしくは金属酸化物フィルム、または、金属もしくは金属酸化物で金属被覆されたポリマーフィルムの層であることを特徴とする請求項14ないし20のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項22】
さらに、絶縁性の層を有することを特徴とする請求項1ないし21のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項23】
さらに、前記外ワイヤの周囲に設けられた硬化樹脂基材を含み、前記外ワイヤは、前記外ワイヤと前記ホースの残部との間での相対的な移動を制限するために前記樹脂基材に少なくとも一部が埋設されていることを特徴とする請求項1ないし21のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項24】
前記樹脂基材を形成する未硬化樹脂は、液体の形態で前記管状部材に適用され得る材料であることを特徴とする請求項23に記載のホース。
【請求項25】
前記樹脂基材は、ポリウレタンであることを特徴とする請求項23または24のうちのいずれか一方に記載のホース。
【請求項26】
さらに、玄武岩質の繊維でつくられた布を含む絶縁層を有することを特徴とする請求項23ないし25のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項27】
さらに、前記玄武岩質の布の周囲に、前記玄武岩質の布を加圧する加圧層を有することを特徴とする請求項26に記載のホース。
【請求項28】
前記加圧層は、超高分子量ポリエチレンを含むことを特徴とする請求項27に記載のホース。
【請求項29】
さらに、前記管状部材の周りにプラスチック材料の層を含み、前記プラスチック材料は、その中にガス気泡を含有することを特徴とする請求項1ないし28のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項30】
前記プラスチック材料は、ポリウレタンであることを特徴とする請求項29に記載のホース。
【請求項31】
前記プラスチック材料は、前記管状本体の表面上に、液体の形態で前記プラスチック材料を噴霧し、その後、これを放置して硬化させることにより、前記管状本体に適用されることを特徴とする請求項29または30のうちのいずれか一方に記載のホース。
【請求項32】
前記ガス気泡は、噴霧前の液体の形態にある間に、前記プラスチック材料に前記ガスを注入することにより取り入れられることを特徴とする請求項29ないし31のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項33】
さらに、前記ガス含有プラスチック材料の上に設けられ、ガス気泡を少しも含有しないプラスチック材料のさらなる層を有することを特徴とする請求項29ないし32のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項34】
前記プラスチック材料のさらなる層は、ポリウレタンであることを特徴とする請求項33に記載のホース。
【請求項35】
前記ホースの全体の比重は、0.8未満であることを特徴とする請求項29ないし35のうちのいずれか1項に記載ホース。
【請求項36】
少なくとも一部が前記ホースの内部に配置されるように適合した内側部材と、封止部材と前記内側部材との間の外周を全周にわたって取り囲む前記管状本体の少なくとも一部を封止するように適合した前記封止部材と、前記封止部材と前記内側部材との間の前記ホースへの軸方向の負荷を減少させるかまたは除去するために、前記封止部材の周囲の前記ホースに掛かる軸方向の負荷が伝達されるように適合した分離負荷移送手段とを具備する端末部品をさらに有することを特徴とする請求項1ないし35のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項37】
前記内側部材は、実質的に円筒状であり、かつ、前記封止部材は、その中に前記内側部材を受け容れるように適合したリング形状であり、これにより、前記管状本体が、前記内側部材の外側の表面と前記リングの内側の表面との間に固定され得ることを特徴とする請求項36に記載のホース。
【請求項38】
前記封止部材は、内側の封止リングと、前記管状本体と前記内側部材とを係合させるために前記封止リングを締付け得る外側の割りリングとを有することを特徴とする請求項36または37のうちのいずれか一方に記載のホース。
【請求項39】
前記割りリングはステンレス鋼からなり、前記封止リングはポリテトラフルオロエチレンからなることを特徴とする請求項38に記載のホース。
【請求項40】
前記負荷移送手段は、ホース係合化部材、負荷伝達部材および前記内側部材に固定された端末部材を有し、これらの配置は、前記封止部材が、前記負荷伝達部材と前記端末部材との間に配置され、かつ、前記ホース係合化部材および前記端末部材が、前記負荷伝達部材を通して接続されるようになっていることを特徴とする請求項36から39のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項41】
前記ホース係合化部材は、前記ホース内の軸力の少なくとも一部が、前記ホースから前記ホース係合化部材へと伝達されるように前記ホースを係合するように適合することを特徴とする請求項40に記載のホース。
【請求項42】
前記内側部材および前記ホース係合化部材の各々は、前記ホースの内ワイヤおよび外ワイヤを受容するために形成された部分を有することを特徴とする請求項40または41のうちのいずれか一方に記載のホース。
【請求項43】
前記負荷移送部材は、その中を通る前記ホースを受容するように適合した孔を有する負荷移送プレートを有し、前記負荷移送プレートは、前記ホース係合化部材と係合可能な表面を有し、これにより、負荷は、前記ホース係合化部材から前記負荷移送プレートへと伝達され得ることを特徴とする請求項40ないし42のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項44】
前記負荷移送部材はさらに、前記負荷移送プレートから前記端末部材へと負荷を伝達するために前記負荷移送プレートと前記端末部材との間に固定された負荷移送ロッドを含むことを特徴とする請求項43に記載のホース。
【請求項45】
前記内側部材は、前記ホースの端末部の内部に拡がるように適合したホース端末と、前記ホース端末から離れた末尾部を有し、
前記端末部材は、前記末尾部に隣接して、前記封止部材の片側に配置され、また、前記ホース係合化部材は、前記ホース端末に隣接して前記封止部材の他方の側に配置されることを特徴とする請求項36ないし44のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項46】
らせん巻き内ワイヤとらせん巻き外ワイヤとの間に配置された軟質材料の管状本体を有し、該管状本体は、内側の補強層と外側の補強層との間に挟まれた封止層を有するホースであって、
前記封止層は、少なくとも2つのポリマーフィルムを含み、前記フィルムのうちの一方は、第1のポリマーでつくられ、前記フィルムのうちの他方は、第1のポリマーとは異なる第2のポリマーでつくられ、
前記フィルムのうちの一方は、前記他方のフィルムよりも硬く、これにより、異なる降伏歪みが、操作温度および圧力での材料の性質において現れることを特徴とするホース。
【請求項47】
前記封止層は、金属または金属酸化物を部分的にまたは全体的に含む層をさらに少なくとも1層有することを特徴とする請求項46に記載のホース。
【請求項48】
前記外側のフィルムは、前記内側のフィルムよりも硬いことを特徴とする請求項46または47のうちのいずれか一方に記載のホース。
【請求項49】
前記ポリマーフィルムは、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンまたはふっ素重合体を含むことを特徴とする請求項46ないし48のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項50】
前記ポリマーフィルムのうちの1つはポリオレフィンを含み、その他の前記ポリマーフィルムはふっ素重合体を含むことを特徴とする請求項46ないし49のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項51】
前記ポリオレフィンは、高度に配向された超高密度ポリエチレンを含むことを特徴とする請求項49または50のうちのいずれか一方に記載のホース。
【請求項52】
前記ふっ素重合体は、ヘキサフルオロプロピレンおよびテトラフルオロエチレンの共重合体を含むことを特徴とする請求項49ないし51のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項53】
前記封止層は、それぞれが前記ポリマーフィルムからなる複数の層を含み、前記複数の層は、前記第1のポリマーフィルムと第2のポリマーフィルムとが前記封止層の厚さにわたり交互に配置されていることを特徴とする請求項46ないし52のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項54】
前記金属の層は、金属もしくは金属酸化物のフィルム、または、ポリマーが被覆された金属もしくは金属酸化物のフィルム、または、金属もしくは金属酸化物で金属被覆されたポリマーフィルムの層であることを特徴とする請求項46ないし53のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項55】
らせん巻き内ワイヤとらせん巻き外ワイヤとの間に配置された軟質材料の管状本体を有するホースであって、
前記管状本体の周囲に設けられた硬化樹脂基材を含み、前記外ワイヤは、前記外ワイヤと前記ホースの残部との間での相対的な移動を制限するために、前記樹脂基材に少なくとも一部が埋設されていることを特徴とするホース。
【請求項56】
前記樹脂基材を形成する未硬化樹脂は、液体の形態で前記管状部材に適用され得る材料であることを特徴とする請求項55に記載のホース。
【請求項57】
前記樹脂基材は、ポリウレタンであることを特徴とする請求項55または56のうちのいずれか一方に記載のホース。
【請求項58】
さらに、玄武岩質の繊維で形成された布を含む絶縁層を有することを特徴とする請求項55ないし57のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項59】
さらに、前記玄武岩質の布の周囲に、前記玄武岩質の布を加圧する加圧層を有することを特徴とする請求項58に記載のホース。
【請求項60】
前記加圧層は、超高分子量ポリエチレンを含むことを特徴とする請求項59に記載のホース。
【請求項61】
前記管状本体は、少なくとも1層の補強層と、少なくとも1層の封止層とを有することを特徴とする請求項55ないし60のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項62】
前記管状本体は、2層の前記補強層を含み、それらの間に挟まれた前記封止層を有することを特徴とする請求項61に記載のホース。
【請求項63】
前記補強層または各補強層は、超高分子量ポリエチレンを含むことを特徴とする請求項61または62のうちのいずれか一方に記載のホース。
【請求項64】
前記封止層は、超高分子量ポリエチレンまたはふっ素重合体を含むことを特徴とする請求項61ないし63のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項65】
内側のグリップ部材と外側のグリップ部材との間に配置された軟質材料の管状本体を含むホースであって、
前記管状部材の周囲にプラスチック材料の層を含み、前記プラスチック材料は、その中にガス気泡を含有することを特徴とするホース。
【請求項66】
前記プラスチック材料は、ポリウレタンであることを特徴とする請求項65に記載のホース。
【請求項67】
前記プラスチック材料は、前記管状本体の表面上に、液体の形態で前記プラスチック材料を噴霧し、その後、これを放置して硬化させることにより、前記管状本体に適用されることを特徴とする請求項65または66のうちのいずれか一方に記載のホース。
【請求項68】
前記ガス気泡は、噴霧前の液体の形態にある間に、前記プラスチック材料に前記ガスを注入することにより取り入れられ得ることを特徴とする請求項65ないし67のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項69】
さらに、前記ガス含有プラスチック材料の上に設けられ、ガス気泡を少しも含有しないプラスチック材料のさらなる層を有することを特徴とする請求項65ないし68のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項70】
前記プラスチック材料のさらなる層は、ポリウレタンであることを特徴とする請求項69に記載のホース。
【請求項71】
前記ホースは、0.8未満の全体の比重を有することを特徴とする請求項65ないし70のうちのいずれか1項に記載ホース。
【請求項72】
らせん巻き内ワイヤとらせん巻き外ワイヤとの間に配置された軟質材料の管状本体を含むホース端末を終結させるための端末部品であって、
少なくとも部分的に前記ホース内に配置されるように適合した内側部材、封止部材と前記内側部材との間の外周を全周にわたって取り囲む前記管状本体の少なくとも一部を封止するように適合した前記封止部材と、前記封止部材と前記内側部材との間の前記ホースへの軸方向の負荷を減少させるかまたは除去するために、前記封止部材の周囲の前記ホースに掛かる軸方向の負荷が伝達されるように適合した分離負荷移送手段とを具備することを特徴とする端末部品。
【請求項73】
前記内側部材は実質的に円筒状であり、かつ、前記封止部材は、その中に前記内側部材を受け容れるように適合したリング形状であり、これにより、前記管状本体が、前記内側部材の外側の表面と前記リングの内側の表面との間に固定され得ることを特徴とする請求項72に記載の端末部品。
【請求項74】
前記封止部材は、内側の封止リングと、前記管状本体と前記内側部材とを係合させるために前記封止リングを締付け得る外側の割りリングとを有することを特徴とする請求項72または73のうちのいずれか一方に記載の末端の装備品。
【請求項75】
前記割りリングは、ステンレス鋼からなり、前記封止リングはポリテトラフルオロエチレンからなることを特徴とする請求項74に記載の端末部品。
【請求項76】
前記負荷移送手段は、ホース係合化部材、負荷伝達部材および前記内側部材に固定された端末部材を有し、これらの配置は、前記封止部材が、前記負荷伝達部材と前記端末部材との間に配置され、かつ、前記ホース係合化部材および前記端末部材が、前記負荷伝達部材を通して接続されるようになっていることを特徴とする請求項72ないし75のうちのいずれか1項に記載の端末部品。
【請求項77】
前記ホース係合化部材は、前記ホース内の軸力の少なくとも一部が、前記ホースから前記ホース係合化部材へと伝達されるように前記ホースを係合するように適合することを特徴とする請求項76に記載の端末部品。
【請求項78】
前記内側部材および前記ホース係合化部材の各々は、前記ホースの内ワイヤおよび外ワイヤを受容するために形成された部分を有することを特徴とする請求項76または77のうちのいずれか一方に記載の端末部品。
【請求項79】
前記負荷移送部材は、その中を通る前記ホースを受容するように適合した孔を有する負荷移送プレートを有し、前記負荷移送プレートは、前記ホース係合化部材と係合可能な表面を有し、これにより、負荷は、前記ホース係合化部材から前記負荷移送プレートへと伝達され得ることを特徴とする請求項76ないし78のうちのいずれか1項に記載の端末部品。
【請求項80】
前記負荷移送部材はさらに、前記負荷移送プレートから前記端末部材へと負荷を伝達するために前記負荷移送プレートと前記端末部材との間に固定された負荷移送ロッドを含むことを特徴とする請求項79に記載の端末部品。
【請求項81】
前記内側部材は、前記ホースの端末部の内部に拡がるように適合したホース端末と、前記ホース端末から離れた末尾部とを有し、
前記端末部材は、前記末尾部に隣接して、前記封止部材の片側に配置され、また、前記ホース係合化部材は、前記ホース端末に隣接して前記封止部材の他方の側に配置されることを特徴とする請求項72ないし80のうちのいずれか1項に記載の端末部品。
【請求項82】
らせん巻き内ワイヤとらせん巻き外ワイヤとの間に配置された軟質材料の管状本体を有し、前記管状本体は、前記ホースを通る流体を輸送し、かつ、該管状本体を通る流体の漏出を防ぐ役割を有するホースであって、
前記ホースはさらに、それらの端末に装備された請求項82ないし91のうちのいずれか1項に記載の端末部品を含むことを特徴とするホース。
【請求項83】
請求項76記載の端末部品に従った場合に、前記ホース係合化部材は、前記ホース係合化部材の外側の部分上に折り返される前記ホースの一部を固定するように適合することを特徴とする請求項82に記載のホース。
【請求項84】
さらに、前記管状本体の周囲に組みひもの形態にある軸強化手段を有し、
前記組みひもは、前記管状部材の外側の部分上に折り返される前記ホースの一部をなすことを特徴とする請求項83に記載のホース。
【請求項85】
前記管状本体は、前記内側部材と前記封止部材との間に拡がることを特徴とする請求項82ないし84のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項86】
前記管状本体は、少なくとも1層の補強層と、少なくとも1層の封止層とを有することを特徴とする請求項82ないし85のうちのいずれか1項に記載のホース。
【請求項87】
低温貯蔵温度において、その中に流体を通して輸送するための請求項1ないし86のうちのいずれか1項に記載のホースの使用。
【請求項88】
(a)内側のコイルを形成するために、管状のマンドレルの周囲にワイヤを巻きつけ、
(b)シート材料で形成された管状本体を準備するために、前記管状のマンドレルおよび前記内側のコイルの周囲に前記シート材料を巻きつけ、
(c)前記マンドレルが前記軸強化外筒の中に拡がるように前記マンドレルの自由端に管状の軸強化外筒を被せて、その後、少なくとも部分的に前記管状本体を覆うように前記マンドレルに沿って前記軸強化外筒を引っ張り、前記軸強化外筒は、前記管状本体が、軸方向の張力を受けたときに、前記管状本体の変形を減少させるように適合し、かつ、前記軸強化外筒が、軸方向の張力を受けたときに、前記管状本体の少なくとも一部に放射状の内向きの力を働かせるように適合し、
(d)前記軸強化外筒の周囲にワイヤを巻き付け、外側のコイルを形成し、
(e)工程(d)で製造された前記ホースの端末を固定し、そして、
(f)前記マンドレルから前記ホースを取り外す、
各工程を含むことを特徴とするホースの製造方法。
【請求項89】
前記コイルおよび前記シート材料は、張力下で適用されることを特徴とする請求項88に記載の方法。
【請求項90】
工程(b)での前記シート材料は、間に封止層が挟まれた2層の補強層を有することを特徴とする請求項88または89のうちのいずれか一方に記載の方法。
【請求項91】
シートの形態にある内側の補強層が、前記内側のコイルおよび前記マンドレルの周囲にらせん状に巻きつけられ、その後、シートの形態にある前記封止層が、前記内側の補強層の周囲にらせん状に巻きつけられ、その後、シートの形態にある外側の補強層が、前記封止層の周囲に巻きつけられることを特徴とする請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記内側および外側のコイルは、実質的に同じピッチを有するらせん形の構造に適用され、かつ、前記外側のコイルのコイル位置は、前記内側のコイルのコイル位置からピッチ長さの半分にオフセットされることを特徴とする請求項88ないし91のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項93】
さらに、以下の工程、
(g)前記外ワイヤの上に硬化性の通気性の液体樹脂をかけ、
(h)前記樹脂を硬化させ、その中にガス気泡を含有する固体プラスチックコーティングを形成する、
を含むことを特徴とする請求項88ないし92のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項94】
(a)内側のコイルを形成するために、管状のマンドレルの周囲にワイヤを巻きつけ、
(b)シート材料で形成された管状本体を準備するために、前記管状のマンドレルおよび前記内側のコイルの周囲にシート材料を巻きつけ、
(c)前記管状本体の周囲にワイヤを巻きつけ、外側のコイルを形成し、そして、
(d)前記マンドレルから前記ホースを取り除き、さらに、以下の工程、
(e)前記ホースの開口端に内側部材を配置し、
(f)負荷移送手段を前記ホースの外側の表面に固定し、そして、
(g)封止部材を前記管状本体の外側の表面に固定する、
各工程を含むことを特徴とするホースの製造方法。
【請求項95】
さらに、工程(b)と工程(c)との間に、以下の工程、
(h)前記マンドレルが前記軸強化部材内に拡がるように前記マンドレルの自由端から管状の軸強化部材を被せ、そして、少なくとも部分的に前記管状本体を被覆するように前記マンドレルに沿って前記軸強化部材を引っ張る、
を含むことを特徴とする請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記軸強化部材は、前記負荷移送手段により固定され、また、さらに、工程(f)の後に以下の工程、
(i)前記軸強化手段の一部分上に前記管状の軸強化部材を折り返す、
を含むことを特徴とする請求項95に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−87934(P2012−87934A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−233849(P2011−233849)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【分割の表示】特願2002−510861(P2002−510861)の分割
【原出願日】平成13年6月12日(2001.6.12)
【出願人】(502450653)ビーエイチピー・ビリトン・ペトローリアム・ピーティーワイ・リミテッド (4)
【Fターム(参考)】