説明

ポリイミドフィルム

【課題】優れた耐熱性、熱膨張係数に代表される寸法安定性、柔軟性、高透明性を併せ持つポリイミドフィルムを提供する。
【解決手段】2層以上のポリイミド樹脂層を有するポリイミドフィルムであって、該ポリイミドフィルムの少なくとも一層が2,2'-ビス(トリフルオロメチル)- 4,4'-ジアミノビフェニルとピロメリット酸二無水物から生じる構造単位を70モル%以上含有するポリイミド樹脂層(i)であり、少なくとも一層がガラス転移温度が低いポリイミド樹脂層(ii)であり、該ポリイミドフィルムの波長500nmにおける光透過率が75%以上、かつ、熱膨張係数が30ppm/K以下のポリイミドフィルムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱性、柔軟性に優れ、かつ高透明性のポリイミドフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
ポリイミド樹脂は芳香族テトラカルボン酸無水物と芳香族ジアミンを原料とし、これらの縮合反応により合成されるポリアミド酸を閉環反応して得られる耐熱性の樹脂で、分子鎖の剛直性、共鳴安定化、強い化学結合により熱分解に優れた抵抗を有し、酸化又は加水分解のような化学変化に対して高い耐久性を持ち、柔軟性、機械的特性及び電気的特性に優れている。一般的に電子機器に使用されるフレキシブルプリント基板(以下、FPCという)の絶縁樹脂層には、このポリイミド樹脂が広く用いられている。
【0003】
現在FPCに用いられている市販の銅張積層板の絶縁樹脂層は、全芳香族ポリイミド樹脂からなり、分子内及び分子間での電荷移動錯体の形成により黄褐色を示し、これを無色透明性が要求される用途に適用することは困難である。
【0004】
ポリイミド樹脂を無色透明性化するために、ジアミン成分として脂環族ジアミンや脂環族酸無水物を用いることにより分子内及び分子間での電荷移動錯体の形成を抑制することが提案されている。例えば、特許文献1には、脂環族ジアミンと芳香族酸二無水物とから形成される無色透明性の半脂環族ポリイミド樹脂が、特許文献2では脂環族ジアミンと脂環族酸無水物とからなる無色透明の全脂環族ポリイミド樹脂が提案されている。しかし、得られるポリイミド樹脂のガラス転移温度はいずれも約280℃以下であり、耐熱性が不十分であり、FPC絶縁層の主要構成部分に適用することは困難である。また、無色透明ポリイミド樹脂は電荷移動錯体形成を抑制することから、FPCに要求される低熱膨張性を満足し難いという問題もある。
【0005】
特許文献3や特許文献4には、フッ素化ポリイミドを絶縁樹脂層とした金属とポリイミド樹脂との積層体が開示されているが、ここに示された積層体は、絶縁層の透明性に着目するものであり、透明性が優れる反面、絶縁層の熱膨張係数と他の特性との制御が不十分であったり、平滑な金属層との接着力が低く、FPC用途に適した配線基板用積層体としての特性を十分満足するものではなかった。
【0006】
FPCに使用される配線基板用積層体は、薄い金属箔とポリイミド樹脂層を含む絶縁樹脂層から構成され、金属箔と絶縁樹脂層との熱膨張係数(CTE)の差が大きく異なると、基板に反りやカールが発生したり、電子部品を実装する際に寸法が変化して正確な実装ができなくなるといった問題が起こる。一方、透明性に優れた絶縁樹脂層を有する配線基板用積層体は、1)配線基板に半導体素子を実装する際の、絶縁樹脂層側からの視認性に優れたり、2)配線基板に半導体素子を光硬化性樹脂を介して接合する場合の、絶縁樹脂層側からの光照射に有利であり、より広い用途が期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7-10993号公報
【特許文献2】特開2008-163210号公報
【特許文献3】特開平4-47933号公報
【特許文献4】特開平10-374611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、優れた耐熱性、熱膨張係数に代表される寸法安定性、柔軟性、かつ高透明性を併せ持つポリイミドフィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は上記課題を解決するために検討を重ねた結果、特定のポリイミド樹脂を用いると共に適切な層構成とすることで上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、2層以上の異なるポリイミド樹脂層を有したポリイミドフィルムであって、下記一般式(1)で表される構造単位を70モル%以上含有するポリイミド樹脂層(i)と、前記ポリイミド樹脂層(i)よりもガラス転移温度が20℃以上低いポリイミド樹脂層(ii)とを有し、該ポリイミドフィルムの波長500nmにおける光透過率が75%以上であり、かつ、熱膨張係数が30ppm/K以下であることを特徴とするポリイミドフィルムである。
【化1】

【0011】
本発明の好ましい態様を次に示す。
・ 厚さが10〜50μmの範囲にあり、ポリイミド樹脂層(i)の厚み割合が、フィルム厚みの70〜95%である上記ポリイミドフィルム。
・ ポリイミド樹脂層(ii)は下記一般式(2)で表される構造単位を含む上記ポリイミドフィルム。
・ YI値が30以下である上記ポリイミドフィルム。
【0012】
【化2】

【発明の効果】
【0013】
本発明のポリイミドフィルムは、優れた耐熱性、熱膨張係数に代表される寸法安定性、柔軟性、高透明性を併せ持つ。このことより電子機器等に幅広い分野で使用できるので、産業に寄与すること大である。用途は特に限定されないが、例えば、配線基板用積層体又はこれから得られるFPCの絶縁樹脂層として適用でき、半導体素子の実装を伴うような無色透明性が必要な用途に好適に用いられる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明のポリイミドフィルムについて説明する。なお、以下では、本発明に係るポリイミドフィルムを配線基板用積層体における絶縁樹脂層として適用する例に基づき、説明する。
本発明の配線基板用積層体は、絶縁樹脂層の少なくとも一方の面、すなわち、片側又は両側に金属層を有する。そして、絶縁樹脂層は2層以上のポリイミド樹脂層を有する。
【0015】
絶縁樹脂層と金属層を積層させる方法には、絶縁樹脂層を形成するポリイミド前駆体樹脂溶液(ポリアミド酸溶液ともいう。)を銅箔、ステンレスなどの金属層上に塗布した後、乾燥・硬化する所謂キャスト法、ポリイミドフィルムに熱可塑性のポリイミドを塗布した後に金属層を熱ラミネートする所謂ラミネート法、ポリイミドフィルムの表面にスパッタ処理により導通層を形成した後、電気めっきにより導体層を形成する所謂スパッタめっき法などがある。これらのいずれの方法を用いてもよいが、ポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布した後、乾燥・硬化するキャスト法が最も適する。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0016】
絶縁樹脂層は2層以上のポリイミド樹脂層を有し、上記一般式(1)で表される構造単位を70モル%以上含有するポリイミド樹脂層(i)を主たる層とする。主たる層とは、複数のポリイミド樹脂層から構成される絶縁樹脂層において、最も厚い層をいい、好ましくは絶縁樹脂層の全厚みの60%以上、更に好ましくは70〜95%の厚みを有する層をいう。
【0017】
また、上記ポリイミド樹脂層の少なくとも一層は、ポリイミド樹脂層(i)よりもガラス転移温度が20℃以上低いポリイミド樹脂層(ii)であり、好ましくは上記一般式(2)で表される構造単位を主要成分とするものである。ここで、ポリイミド樹脂層(i)とポリイミド樹脂層(ii)のガラス転移温度は、30℃以上、好ましくは50〜150℃の差を有することが望ましい。
【0018】
ポリイミド樹脂層の主鎖は、下記一般式(3)で表される構造単位で構成されている。このようなポリイミド樹脂は、ジアミンと芳香族酸二無水物を溶媒中で反応させる方法が一般的な製造方法であるので、この方法で代表して説明するが、本発明で使用するポリイミド樹脂の製造方法はこれに限定されない。そして、下記一般式(3)で表される構造単位において、Ar1は芳香環を1個以上有する4価の有機基であり、芳香族酸二無水物から生じる残基ということができ、Ar2は芳香環を1個以上有する2価の有機基であり、芳香族ジアミンから生じる残基ということができる。したがって、使用する芳香族酸二無水物及び芳香族ジアミンを説明することによりAr1及びAr2が理解される。なお、本明細書でいうポリイミド樹脂層は、その樹脂の化学構造又は製法を説明するときは、ポリイミド樹脂層を構成するポリイミド樹脂の意味を有すると理解される。
【0019】
【化3】

(式中、Ar1は芳香環を1個以上有する4価の有機基であり、Ar2は芳香環を1個以上有する2価の有機基である。)
【0020】
ポリイミド樹脂層(i)の必須原料成分として使用される酸二無水物は、下記式(4)で表されるピロメリット酸二無水物(PMDA)である。PMDAは単独で使用することができるが、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)と併用することが好ましい。
【化4】

【0021】
また、ポリイミド樹脂層(i)の必須原料成分として使用されるジアミンは、下記式(5)で表される2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル(TFMB)である。
【化5】

【0022】
ポリイミド樹脂層(ii)は、上記のガラス転位温度を与える限り制限はないが、上記一般式(2)で表される構造単位を含むものであることが好ましい。一般式(2)で表される構造単位を主要成分とするポリイミド樹脂層(ii)は、ガラス転位点が低く、金属層との接着性が良好で、光透過率が優れる。
【0023】
したがって、ポリイミド樹脂層(ii)の原料成分として使用される酸二無水物及びジアミンは、酸二無水物としては下記式(6)で表される3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)を用いることが好ましい。
【化6】

【0024】
また、ジアミンとしては、下記式(7)で表されるビス[4-(アミノフェノキシ)フェニル]スルホン(BAPS)を用いることが好ましい。
【化7】

【0025】
上記のようにポリイミド樹脂層(i)の原料成分として使用される芳香族酸二無水物としては、その一部としてPMDA以外の他の酸二無水物を併用することができる。また、ポリイミド樹脂層(ii)の原料成分として使用される芳香族酸二無水物としては、その全部又は一部としてBPDA以外の他の酸二無水物を併用することができる。
【0026】
PMDA又はBPDAと併用可能な芳香族酸二無水物としては、特に限定されるものではないが具体例を挙げると、BPDA並びにPMDAの他、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,4,5-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,6,7-テトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、2,6-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,7-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-テトラクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-テトラクロロナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3'',4,4''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、h2,2'',3,3''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3'',4''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3.4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ペリレン-2,3,8,9-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン-3,4,9,10-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン-4,5,10,11-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン-5,6,11,12-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,2,7,8-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1, 2,6,7-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,2,9,10-テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、チオフェン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、4,4'-オキシジフタル酸二無水物、(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(ヘプタフルオロプロピル)ピロメリット酸二無水物、ペンタフルオロエチルピロメリット酸二無水物、ビス{3,5-ジ(トリフルオロメチル)フェノキシ}ピロメリット酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、5,5'-ビス(トリフルオロメチル)-3,3',4,4'-テトラカルボキシビフェニル二無水物、2,2',5,5'-テトラキス(トリフルオロメチル)-3,3',4,4'-テトラカルボキシビフェニル二無水物、5,5'-ビス(トリフルオロメチル)-3,3',4,4'-テトラカルボキシジフェニルエーテル二無水物、5,5'-ビス(トリフルオロメチル)-3,3',4,4'-テトラカルボキシベンゾフェノン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ベンゼン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}トリフルオロメチルベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)トリフルオロメチルベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、2,2-ビス{(4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビフェニル二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ジフェニルエーテル二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル二無水物などが挙げられる。また、これらは単独で使用してもよく又は2種以上併用することもできる。
【0027】
同様に、ポリイミド樹脂層(i)の原料成分として使用される芳香族ジアミンとしては、その一部としてTFMB以外の他の芳香族ジアミンを併用することができる。また、ポリイミド樹脂層(ii)の原料成分として使用される芳香族ジアミンとしては、その全部又は一部としてBAPS以外の他の芳香族ジアミンを併用することができる。
【0028】
ポリイミド樹脂層(i)のTFMB並びにポリイミド樹脂層(ii)のBAPSと併用されるジアミンとしては、特に限定されるものではないが具体例を挙げると、BAPS並びにTFMBの他、4,6-ジメチル-m-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノメシチレン、3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノジフェニルメタン、3,5,3',5'-テトラメチル-4,4'-ジアミノジフェニルメタン、2,4-トルエンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルプロパン、3,3'-ジアミノジフェニルプロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエタン、3,3'-ジアミノジフェニルエタン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、3,3'-ジアミノジフェニルメタン、2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4'-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、3,3'-ジアミノジフェニルスルホン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,3'-ジアミノジフェニルエーテル、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジジン、3,3'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジメトキシベンジジン、4,4"-ジアミノ-p-ターフェニル、3,3"-ジアミノ-p-ターフェニル、ビス(p-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(p-β-アミノ-t-ブチルフェニル)エーテル、ビス(p-β-メチル-δ-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(2-メチル-4-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(1,1-ジメチル-5-アミノペンチル)ベンゼン、1,5-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナフタレン、2,4-ビス(β-アミノ-t-ブチル)トルエン、2,4-ジアミノトルエン、m-キシレン-2,5-ジアミン、p-キシレン-2,5-ジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、2,6-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノ-1,3,4-オキサジアゾール、ピペラジン、4-(1H,1H,11H-エイコサフルオロウンデカノキシ)-1,3-ジアミノベンゼン、4-(1H,1H-パーフルオロ-1-ブタノキシ)-1,3-ジアミノベンゼン、4-(1H,1H-パーフルオロ-1-ヘプタノキシ)-1,3-ジアミノベンゼン、4-(1H,1H-パーフルオロ-1-オクタノキシ)-1,3-ジアミノベンゼン、4-ペンタフルオロフェノキシ-1,3-ジアミノベンゼン、4-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)-1,3-ジアミノベンゼン、4-(4-フルオロフェノキシ)-1,3-ジアミノベンゼン、4-(1H,1H,2H,2H−パーフルオロ-1-ヘキサノキシ)-1,3-ジアミノベンゼン、4-(1H,1H,2H,2H-パーフルオロ−1-ドデカノキシ)-1,3-ジアミノベンゼン、(2,5)-ジアミノベンゾトリフルオライド、ジアミノテトラ(トリフルオロメチル)ベンゼン、ジアミノ(ペンタフルオロエチル)ベンゼン、2,5-ジアミノ(パーフルオロヘキシル)ベンゼン、2,5-ジアミノ(パーフルオロブチル)ベンゼン、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル、オクタフルオロベンジジン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3-ビス(アニリノ)ヘキサフルオロプロパン、1,4-ビス(アニリノ)オクタフルオロブタン、1,5-ビス(アニリノ)デカフルオロペンタン、1,7-ビス(アニリノ)テトラデカフルオロヘプタン、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,3'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,3',5,5'-テトラキス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,3'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノベンゾフェノン、4,4'-ジアミノ-p-テルフェニル、1,4-ビス(p-アミノフェニル)ベンゼン、p-(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン、2,2-ビス{4-(4-アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス{4-(3-アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス{4-(2-アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス{4-(4-アミノフェノキシ)-3,5-ジメチルフェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス{4-(4-アミノフェノキシ)-3.5-ジトリフルオロメチルフェニル}ヘキサフルオロプロパン、4,4'-ビス(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4'-ビス(4-アミノ-3-トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4'-ビス(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4'-ビス(3-アミノ-5-トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2-ビス{4-(4-アミノ-3-トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、ビス{(トリフルオロメチル)アミノフェノキシ}ビフェニル、ビス〔{(トリフルオロメチル)アミノフェノキシ}フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、ビス{2-〔(アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロイソプロピル}ベンゼン、4,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)オクタフルオロビフェニルなどが挙げられる。これらは単独でも又は2種以上併用することもできる。
【0029】
芳香族ジアミンと芳香族酸二無水物の選定にあたっては、ポリイミド樹脂層の耐熱性、熱膨張係数に代表される寸法安定性、柔軟性、金属箔との接着性、高透明性など使用目的で必要とされる特性を発現するように選択することになる。ポリイミド樹脂層(i)について上記特性の見地からみれば、ジアミンとしてはTFMBが、芳香族酸二無水物としてはPMDAが好ましく選択され、ポリイミド樹脂層(ii)のジアミンとしてはBAPSが、芳香族酸二無水物としてはBPDAが好ましく選択される。
【0030】
ポリイミド樹脂層を構成するポリイミド樹脂層(i)は上記一般式(1)で表される構造単位を70モル%以上含有し、ポリイミド樹脂層(ii)は上記一般式(2)で表される構造単位を含み、それを主要成分とすることが好ましい。ここで、主要成分とはその構造単位を50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上含有することをいう。
【0031】
金属層の種類は、特に限定されるものではないが、銅箔、銅合金箔、ステンレス箔などから適宜選択して用いることができるが、銅箔又は銅合金箔が好ましい。これら金属箔の選定にあっては、ポリイミド樹脂層の光透過性、金属層とポリイミド樹脂層との接着性など使用目的で必要とされる特性を発現するように選択することになる。ポリイミド樹脂層の光透過性の見地から、金属層の表面粗度Rzは0.5μm以下であることが必要であり、0.1〜0.4μmであるものを用いることが好ましい。このような金属箔は、市販されている銅箔から選択して用いることができる。
【0032】
ポリイミド樹脂層を形成するためのポリアミド酸は、上記に示した芳香族ジアミン成分と芳香族テトラカルボン酸二無水物成分とを実質的に等モル使用し、有機極性溶媒中で重合する公知の方法によって製造することができる。すなわち、窒素気流下にN,N-ジメチルアセトアミドなどの有機極性溶媒に上記ジアミンを溶解させた後、上記芳香族テトラカルボン酸二無水物を加えて、室温で5時間程度反応させることにより得ることができる。
【0033】
本発明の配線基板用積層体は、例えば、上記反応により得られたポリアミド酸溶液を、支持体となる金属箔上あるいは金属箔上に形成された樹脂層上に、アプリケータなどを用いて塗布し、150℃以下の温度で2〜20分予備乾燥した後、通常130〜360℃程度の温度で2〜30分程度熱処理して溶剤除去、イミド化することにより得ることができる。本発明の配線基板用積層体は複数層のポリイミド樹脂層を有するため、ポリアミド酸溶液を塗布して乾燥する操作を繰り返した後、熱処理して溶剤除去し、これを更に高温で熱処理してイミド化することにより、ポリイミド樹脂層を形成できる。この時、形成されるポリイミド樹脂層の総厚みは、3〜75μm、好ましくは10〜50μm、より好ましくは15〜40μmの範囲とすることがよい。ポリイミド樹脂層の総厚みが厚くなりすぎると光透過率が低下するなどの問題が生じる。
【0034】
本発明では、ポリイミド樹脂層の全厚みに対する、ポリイミド樹脂層(i)の厚み範囲は、50%以上であることがよいが、好ましくは70%以上、95%以下の範囲とすることがよい。ポリイミド樹脂層(ii)の厚み範囲は、50%未満、好ましくは5〜30%の範囲とすることがよい。ポリイミド樹脂層(i)は絶縁層に透明性、高耐熱性等を与えるため絶縁層に占める厚みは大きいことがよい。一方、ポリイミド樹脂層(ii)は接着性に優れるため、金属層に接して設けることがよく、その厚みは5μm以下で十分であり、好ましくは1〜3μmの範囲である。金属層を両面に有する場合は、絶縁層の両表面側をポリイミド樹脂層(ii)とし、各側の厚みを上記範囲とすることがよい。
【0035】
ポリイミド樹脂層を形成するために使用するポリアミド酸及びポリイミドの重合度は、ポリアミド酸溶液の粘度範囲で表したとき、溶液粘度が500cP〜200,000cPの範囲にあることが好ましい。溶液粘度の測定は、恒温水槽付のコーンプレート式粘度計によって行うことができる。
【0036】
また、両面に金属層を有する配線基板用積層体を製造する場合は、上記方法により得られた片面配線基板用積層体のポリイミド樹脂層上に、直接あるいは絶縁樹脂層の透明性を阻害しない接着層を形成した後、金属層を加熱圧着等の手段で積層することにより得ることができる。本発明では、絶縁層が透明であることを特徴とし、その他耐熱性などのポリイミド樹脂の有する特徴を発揮する観点から、実質的にポリイミド樹脂層のみからなる絶縁樹脂層とすることが好ましい。金属層を加熱圧着の場合の熱プレス温度については、特に限定されるものではないが、使用される金属層に隣接するポリイミド樹脂層のガラス転移温度以上であることが望ましい。また、熱プレス圧力については、使用するプレス機器の種類にもよるが、1〜500kg/m2の範囲であることが望ましい。更に、このとき用いられる好ましい金属箔は、上記した金属箔と同様のものを用いることができ、その好ましい厚みも50μm以下、より好ましくは5〜40μmの範囲である。
【0037】
本発明の配線基板用積層体は、金属層を除去した絶縁樹脂層(ポリイミドフィルム)の500nmにおける光透過率が75%以上、絶縁樹脂層(ポリイミドフィルム)の熱膨張係数が30ppm/K以下、有利には25ppm/K以下であり、金属層とのピール強度が0.6kN/m以上の配線基板用積層体を得ることができる。そして、光透過率及び熱膨張係数についてはポリイミド樹脂層(i)が寄与し、ピール強度についてはポリイミド樹脂層(ii)が寄与すると考えられるが金属層の影響や相乗効果があるため、厳密ではない。なお、光透過率、熱膨張係数及びピール強度は実施例に記載した条件で測定したものであり、特に記載がないものは、室温(23℃)での測定値である。
【実施例】
【0038】
以下、実施例に基づいて本発明の内容を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例の範囲に限定されるものではない。
【0039】
実施例等に用いた略号を下記に示す。
・TFMB:2,2'-ビス(トリフルオロメチル)- 4,4'-ジアミノビフェニル
・BAPS:ビス[4-(アミノフェノキシ)フェニル]スルホン
・PMDA:ピロメリット酸二無水物
・6FDA:2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-ヘキサフルオロプロパン二無水物
・BPDA:3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
・DMAc:N,N-ジメチルアセトアミド
【0040】
また、実施例中の各種物性の測定方法と条件を以下に示す。
【0041】
[粘度]
粘度は、恒温水槽付のコーンプレート式粘度計(トキメック社製)にて、合成例で得られたポリアミド酸溶液について25℃で測定した。
【0042】
[熱膨張係数(CTE)]
3mm ×15mmのサイズのポリイミドフィルムを熱機械分析(TMA)装置にて5.0gの荷重を加えながら一定の昇温速度(20℃/min)で30℃から260℃の温度範囲で引張り試験を行い、温度に対するポリイミドフィルムの伸び量から熱膨張係数(ppm/K)を測定した。
【0043】
[ガラス転移温度(Tg)]
ポリイミドフィルム(10mm×22.6mm)を動的熱機械分析装置にて20℃から500℃まで5℃/分で昇温させたときの動的粘弾性を測定し、ガラス転移温度(tanδ極大値:℃)を求めた。
【0044】
[光透過率]
ポリイミドフィルム(50mm×50mm)をU4000形自記分光光度計にて、500nmにおける光透過率を求めた。
[黄色度(YI)]
ポリイミドフィルム(50mm×50mm)をU4000形自記分光光度計にて、 光源C使用し、JISK7105に準じて黄色度を求めた。
【0045】
[ピール強度]
テンションテスターを用い、積層体から得られた幅1mmの回路を有する試験サンプルの樹脂側を両面テープによりアルミ板に固定し、銅を180°方向に50mm/minの速度で剥離して、ピール強度を求めた。
【0046】
合成例1〜4
ポリアミド酸A〜Dを合成するため、窒素気流下で、表1に示したジアミンを、200mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら溶剤DMAcに溶解させた。次いで、表1に示したテトラカルボン酸二無水物を加えた。その後、溶液を室温で5時間攪拌を続けて重合反応を行い、一昼夜保持した。粘稠なポリアミド酸溶液が得られ、高重合度のポリアミド酸が生成されていることが確認された。得られたポリアミド酸A〜Dの溶液(以下、ポリアミド酸溶液A〜Dという)の固形分と溶液粘度を表1に示した。ここで、固形分はポリアミド酸濃度である。結果をまとめて表1に示す。ポリアミド酸Aを使用した例を合成例1とし以下
順番に合成例番号を付している。
【0047】
【表1】

【0048】
参考例1〜4
合成例1〜4で得たポリアミド酸溶液A〜Dを、それぞれ厚さ12μm、表面粗度Rz0.3μmの電解銅箔上にアプリケータを用いて熱処理後の膜厚が約25μmとなるように塗布し、125℃で1〜10分間乾燥した後、更に130℃、145℃、160℃、200℃、280℃、320℃、360℃で各1〜15分段階的な熱処理を行い、銅箔上に単層のポリイミド層を有する4種の積層体を得た。得られた積層体について、それぞれ塩化第二鉄水溶液を用いて銅箔をエッチング除去してポリイミドフィルムを作成し、熱膨張係数(CTE)、ガラス転移温度(Tg)、500nmにおける光透過率を求めた。各測定結果を、表2に示す。なお、ポリアミド酸Aを使用した例を参考例1とし、以下順番に参考例番号を付している。
【0049】
参考例5
市販のカプトンフィルム(Kapton150EN)のCTE、500nmにおける光透過率を求めた。各種結果を表2に示す。
【0050】
【表2】

【0051】
実施例1
厚み12μm、表面粗度Rz0.3μmの電解銅箔上に、合成例4で得られたポリアミド酸溶液Dを硬化後の厚みが1μmとなるように塗布し、125℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。次に、その上に合成例1で得られたポリアミド酸溶液Aを硬化後の厚みが20μmとなるように塗布し、125℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。更に、その上にポリアミド酸溶液Dを硬化後の厚みが1μmとなるように塗布し、125℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。この後、130℃、145℃、160℃、200℃、280℃、320℃、360℃で各1〜15分段階的な熱処理を行って、銅箔上に3層のポリイミド層からなる配線基板用積層体を作成した。銅箔上のポリイミド層の厚みは、D/A/Dの順に1/22/1μmである。ポリイミド樹脂層の評価は、配線基板用積層体の銅箔をエッチングにより除去したポリイミドフィルムについて、熱膨張係数(CTE)、500nmにおける光透過率、ピール強度を求めた。積層体の評価結果を表3に示す。
【0052】
実施例2
厚み12μm、表面粗度Rz0.3μmの電解銅箔上に、ポリアミド酸溶液Aを硬化後の厚みが24μmとなるように塗布し、125℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。更に、その上にポリアミド酸溶液Dを硬化後の厚みが2μmとなるように塗布し、125℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。この後、130℃、145℃、160℃、200℃、280℃、320℃、360℃で各1〜15分段階的な熱処理を行って、銅箔上に2層のポリイミド層からなる配線基板用積層体を作成した。銅箔上のポリイミド層の厚みは、A/Dの順に24/2μmである。ポリイミド樹脂層の評価は、配線基板用積層体の銅箔をエッチングにより除去したポリイミドフィルムについて行った。積層体の評価結果を表3に示す。なお、実施例1、2で得られた配線基板用積層体は、市販されている銅張積層板と同等の柔軟性を有していた。
【0053】
比較例1
ポリイミド樹脂層の構成をD/B/Dとし、各層厚みを順に1/20/1μmとした他は実施例1と同様に配線基板用積層体を作成し、実施例1と同様に評価した。積層体の評価結果は表3に示す。
【0054】
比較例2
ポリイミド樹脂層の構成をD/C/Dとし、各層厚みを順に1/22/1μmとした他は実施例1と同様に配線基板用積層体を作成し、実施例1と同様に評価した。積層体の評価結果は表3に示す。
【0055】
比較例3
厚み12μm、表面粗度Rz0.7μmの圧延銅箔を用いた他は実施例1と同様にして配線基板用積層体を作成し、実施例1と同様に評価した。積層体の評価結果は表3に示す。
【0056】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
2層以上の異なるポリイミド樹脂層を有したポリイミドフィルムであって、下記一般式(1)で表される構造単位を70モル%以上含有するポリイミド樹脂層(i)と、前記ポリイミド樹脂層(i)よりもガラス転移温度が20℃以上低いポリイミド樹脂層(ii)とを有し、該ポリイミドフィルムの波長500nmにおける光透過率が75%以上であり、かつ、熱膨張係数が30ppm/K以下であることを特徴とするポリイミドフィルム。
【化1】

【請求項2】
厚さが10〜50μmの範囲にあり、ポリイミド樹脂層(i)の厚み割合が、フィルム厚みの70〜95%である請求項1に記載のポリイミドフィルム。
【請求項3】
ポリイミド樹脂層(ii)は下記一般式(2)で表される構造単位を含む請求項1又は2に記載のポリイミドフィルム。
【化2】

【請求項4】
YI値が30以下である請求項1〜3のいずれかに記載のポリイミドフィルム。

【公開番号】特開2013−75525(P2013−75525A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−263144(P2012−263144)
【出願日】平成24年11月30日(2012.11.30)
【分割の表示】特願2008−334192(P2008−334192)の分割
【原出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000006644)新日鉄住金化学株式会社 (747)
【Fターム(参考)】