説明

ポリシロキサンブロックコポリマー類

【課題】ポリシロキサンブロックコポリマーの提供。
【解決手段】本発明はポリシロキサンブロックとポリカチオン性ブロックとを含む新規の両親媒性ブロックコポリマーを包含する。該ポリカチオン性ブロックはジアリルジアルキルアンモニウム誘導体から形成される。前記形成されたブロックコポリマーは特に髪及び皮膚のようなケラチン基質のトリーティング又はコンディショニングに有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリシロキサンのブロックとポリカチオン性のブロックとを含む新規両親媒性ブロックコポリマーに関する。該ポリカチオン性ブロックはジアリルジアルキルアンモニウム誘導体から形成される。該形成されたブロックコポリマーは特に髪又は皮膚のようなケラチン基質のトリートニング又はコンディショニングとして有用である。
【背景技術】
【0002】
コンディショニングシャンプーは一段階で髪を洗浄し及び調子を整える。一段階で髪の洗浄及びコンディショニングの両方を達成する従来の方法には問題がある。よくシロキサンが利用される、コンディショニング剤は、シャンプーに配合された界面活性剤の洗浄作用により、すすぎ水で洗い流される。この問題を解決するために、カチオン性ポリマーのような沈着剤は、コンディショニング剤がより効果的に髪に留まるようにシャンプー中でコンディショニング剤と一緒になり、そうすることで、すすぎサイクルにおいて洗い流されないようにされ得る。
【0003】
前記組合せは米国特許第5,573,709号明細書、米国特許第5,977,038号明細書、米国特許第6,200,554号明細書、米国特許第6,451,298号明細書並びに米国特許第5,302,322号明細書、及び米国特許出願公開第2006/0123564号明細書並びに米国特許出願公開第2005/0002871号明細書に開示されている。
【0004】
困ったことがコンディショニングシャンプーの改良において見出される。例えば、多くのカチオン性ポリマーは髪上に蓄積し、望まない“汚れ”に覆われているような感じを生じる傾向がある。カチオン性ポリマーは好ましくはこの問題を最小限にするために、一定限界で使用される。このことは得られるコンディショニングの総合的な恩恵を制限する可能性がある。さらには、2つの別々の原料(カチオン性ポリマーとシリコーン)の使用でシャンプー製剤における費用面に高額であり不都合である影響を及ぼす。ヘアコンディショナーの湿潤滑性の水準はこれらコンディショナーをすすぎ流してから得られるものと比較できず、しばしばシャンプー中のシリコーン/カチオン性ポリマー錯体は不透明な製剤を与える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,573,709号明細書
【特許文献2】米国特許第5,977,038号明細書
【特許文献3】米国特許第6,200,554号明細書
【特許文献4】米国特許第6,451,298号明細書
【特許文献5】米国特許第5,302,322号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2006/0123564号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2005/0002871号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明に開示のポリシロキサンブロックとポリカチオン性ブロックとを含む両親媒性ブロックコポリマーはコンディショニングシャンプーのための従来技術と関連する多くの上記問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
両親媒性ブロックコポリマーは化粧品に用いることが知られている。疎水性セグメントと親水性セグメントとを含むこれら両親媒性ブロックコポリマーは米国特許出願公開第2003/0225168号明細書、米国特許出願公開第2004/0039101号明細書、米国特許出願公開第2004/0009136号明細書、米国特許出願公開第2006/0217285号明細書及び米国特許出願公開第2004/0202634号明細書に開示されている。
【0008】
カチオン性官能基を有するポリシロキサンもまた公知であり、及び日本国特許出願公開1995002964号公報、並びに日本国特許出願公開1998291967号公報、及び国際公開第99/32539号パンフレットに開示されている。これら変性ポリシロキサンは、米国特許出願公開2006/0123564号明細書に開示されているもののように髪の脱色剤又は染色剤組成物におけるコンディショニング剤として用いられることが知られている。
【0009】
更に、ポリシロキサンセグメントとブロックコポリマーセグメントとから形成されるブロックコポリマーは公知であり、例えば米国特許第5,760,136号明細書に記載されている。この参考文献はジアリルジアルキルアンモニウムモノマーから導かれるポリシロキサンブロック及びポリカチオン性ブロックを含むブロックコポリマーを開示していない。
【発明の効果】
【0010】
本発明による両親媒性ブロックコポリマーは、ポリシロキサンブロックと、ジアリルジアルキルアンモニウムモノマーから誘導されたポリカチオン性ブロックとから形成され、コンディショニング剤の蓄積から生じ得る望ましくない副作用の数を減少させながらケラチン基質(髪及び皮膚)の最適な洗浄及びコンディショニングを提供する。
【0011】
本発明は両親媒性ブロックコポリマーを対象とし、該両親媒性ブロックコポリマーを含むコンディショニングシャンプーを対象とし、両親媒性ブロックコポリマーケラチン基質コンディショニング剤及び両親媒性ブロックコポリマーケラチン基質コンディショニング沈着補助剤を対象とする。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は両親媒性ブロックコポリマーを対象とするものであって、
a)式(I)
【化1】

(式中、nは2及び10,000の間の数である。)で表される一種のシロキサンブロックポリマー及び
b)式(II)
【化2】

(式中、
3及びR4はお互いに独立して水素原子、又は炭素原子数1乃至4のアルキル基を表し、
5及びR6は、独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至18を有するアルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、カルボキシアミドアルキル基又はアルコキシアルキル基を表し、及び
-はアニオンを表す。)で表される少なくとも一種のカチオン性モノマーから形成さ
れるカチオン性ブロックポリマー
を含む両親媒性ブロックコポリマーを対象としている。
【0013】
好ましい実施態様によれば、両親媒性ブロックコポリマーは
a)式(Ia)
【化3】

(式中、
1及びR2は独立して、アルキル基、アルコキシ基、フェニルアルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルアリール基、アルキルアミン基、アルキルヒドロキシ基、ポリオキシアルキレン基及びポリアルキレンポリアミン基を表し、
nは2乃至10、000の数である。)で表される一種のシロキサンブロックポリマー、及び
b)式(IIa)
【化4】

(式中、
3及びR4はお互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至4のアルキル基を表し、
5及びR6は、独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至18を有するアルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、カルボキシアミドアルキル基又はアルコキシアルキル基を表し、
-はアニオンを表す。)で表される少なくとも一種のカチオン性モノマーから形成さ
れるカチオン性ブロックポリマー
を含む。
【0014】
前記両親媒性ブロックコポリマーはまた下記
【化5】

(式中、
1、R2、R3、R4、R5、R6、n及びY-は上記の様に定義され、
xは2乃至1000の整数であり、
Lは連結基を表す。)で表される構造によって定義され得る。
【0015】
連結基は少なくとも一種の2価の連結基である。連結基はまたヘテロ原子、例えば硫黄原子、窒素原子、酸素原子、又はそれらの組合せを含み得る。結合基は好ましくはいわゆる連鎖移動剤の誘導体を含める。
【0016】
例えば、シロキサンブロックポリマーがチオール基で終わるとしたら、それは反応してカチオン性ブロックポリマーと共有結合を形成する。このように形成された両親媒性ブロックコポリマーにおける連結基はその後チオールの誘導体であるチオエーテルを含有する。
【0017】
例えば、式(III)の連結基は以下の
【化6】

(式中、xは1乃至10である。)のような構造を有し得る。
【0018】
本発明の更なる態様は
A)少なくとも
i)式(I)で表されるシロキサンブロックポリマー、及び
ii)式(II)で表されるカチオン性モノマーの少なくとも一種から形成されるカチオン性ブロックポリマー
を含む両親媒性ブロックコポリマー、及び
B)洗浄用界面活性剤、
を含むヘアコンディショニングシャンプー組成物に関するものである。
【0019】
加えて、上記の両親媒性ブロックコポリマーを含むケラチン基質コンディショナー又はケラチン基質コンディショナー沈着補助剤は本発明の態様である。
【0020】
本発明の中で様々な方法が具体化されている:
最初の方法は、
a)式(I)で表されるシロキサンブロックポリマー、及び
b)式(II)で表されるカチオン性モノマーの少なくとも一種から形成されるカチオン性ブロックポリマー
を含む両親媒性ブロックコポリマーの生成用の方法を対象とする。
【0021】
前記生成方法は式(I)で表されるシロキサンポリマーブロック及び開始剤の存在下で式(II)で表されるカチオン性モノマーを重合する段階を含み、シロキサンブロックポリマーは連鎖移動基で終了している。
【0022】
第2の方法は、式(I)で表されるシロキサンブロックポリマーと少なくとも式(II)で表されるカチオン性モノマーの一種から形成されるカチオン性ブロックポリマーとを含む両親媒性ブロックコポリマーを前記基質上に適用することによってケラチン基質をコンディショニングする方法を対象にする。
【0023】
総ての%、部数及び割合は、他の明記が無ければ、本発明のシャンプー組成物の全質量に基づいている。掲載された原料に関連する全てのそういった質量は機能レベルに基づいており、それ故、特記することがなければ、商業的に含まれ得るキャリアや副産物は含まない。
【0024】
ケラチン基質は髪、皮膚、指の爪又は足指の爪である。
【0025】
両親媒性ブロックコポリマーは疎水性ブロックと親水性ブロックとを含むブロックコポリマーとして定義される。
【0026】
用語“ブロックコポリマー”はその範囲の中に単一ポリマー分子を形成するために連結された2種以上の異なる重合体構成単位を含む。前記ブロックコポリマーはジ−、トリ−及びマルチ−ブロックポリマーである。ブロックコポリマーは直線状、グラフト状、櫛状、星様の構造であり得る。
【0027】
用語“ポリマーブロック”とはブロックポリマーの複数のブロックの中の1つを言う。ポリマーブロックは親水性又は疎水性である。例えば、ブロックコポリマーはカチオン性ポリマーブロック−シロキサンポリマーブロック−ジブロックコポリマー又はカチオン性ポリマーブロック−シロキサンポリマーブロック−カチオン性ポリマーブロック−トリブロックコポリマーであり得る。
【0028】
用語“疎水性”及び“親水性”とは、この発明のブロックコポリマーに適用される場合、通常の意味で使用される。従って、親水性は、ポリマーに言及した場合、ポリマーが水と結合又は吸収する強い傾向を有し、結果的にポリマー溶液又は膨れ及び/又はゲルの形成をもたらすことを意味する。この特性は極性又はイオン性モノマーから生成されるポリマーの特徴である。同様に、疎水性とは、疎水性ブロックに言及した場合、ポリマーが水に対抗し、及び水に溶解せず、又は水によって膨れないことを意味する。この特性は相対的に非極性であるモノマーから生成したポリマーの特徴である。
【0029】
疎水性ブロックは水に溶ける又はわずかに溶けるモノマーを含むシロキサンに由来する。シロキサン疎水性ブロックは、いったん、結果としてブロックが形成されると、不溶であるか又は水中で膨潤性でないという特性を有する。疎水性の又はシロキサンのポリマーブロックは付加的なエチレン系(ethylenically)不飽和モノマーから形成され得る。疎水性の又はシロキサンのポリマーブロックは同様にグラフト化、更に官能基化及び/又は架橋されて得る。
【0030】
本発明の両親媒性ブロックコポリマーの親水性ブロックはジアリルアルキルアンモニウムモノマーに由来する。両親媒性ブロックはジアルキルアミンから形成され、続いて4級化され得る。両親媒性ブロックは親水性ポリマーブロックがその親水性を維持する限りは、イオン性及び又は非イオン性の付加的なエチレン系(ethylenically)不飽和モノマーから同様に形成され得る。親水性ポリマーブロックはまたグラフト状、ランダム状又は更に官能基化及び/又は架橋され得る。
【0031】
本発明の形成された両親媒性ブロックコポリマーはグラフト化、架橋化、直鎖化又は構造化され得る。
【0032】
構造化及び非構造化という用語はしばしばポリマー形成の架橋特性を言及するために使用される。
【0033】
本発明の両親媒性ブロックコポリマーは少なくとも2つのポリマーブロック又はセグメントを含む。
【0034】
疎水性の又はシロキサンのポリマーブロックは式(I)(式中、nは2乃至10,000である)で表されるブロックであり、及び親水性ブロックは式(II)(式中、R3
びR4はお互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至4のアルキル基を表し、R5及びR6は、独立して、水素原子又は炭素原子数1乃至18を有するアルキル基、ヒドロキ
シアルキル基、カルボキシアルキル基、カルボキシアミドアルキル基、又はアルコキシアルキル基を表し、及びY-はアニオンを表す。)で表されるカチオン性モノマーの少なく
とも一種から形成されるカチオン性ポリマーブロックである。それ故、ポリシロキサンは非置換である。
【0035】
両親媒性ブロックコポリマーの更に詳しい1つの例は
a)式(Ia)、(式中、R1及びR2は独立してアルキル基、フェニルアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルアリール基、アルキルアミン基、アルキルヒドロキシ基、ポリオキシアルキレン基及びポリアルキレンポリアミンを表し、nは2乃至10,000の数である)で表されるシロキサンブロックポリマー、及び
b)式(IIa)、(式中、R3及びR4はお互いに独立して水素原子又は炭素原子数1乃至4のアルキル基を表し、R5及びR6は、独立して、水素原子、又は炭素原子数1乃至18のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、カルボキシアミドアルキル基又はアルコキシアルキル基を表し、及びY-はアニオンを表す。)で表されるカ
チオン性モノマーの少なくとも一種から形成されるカチオン性ブロックポリマー
を含む。
【0036】
シロキサンポリマーブロック
シロキサンポリマーブロック又はセグメントは付加的なモノマーから形成され得る。付加的なモノマーはシリコーンを含み得る。シロキサンブロックポリマーは1種より多いシ
ロキサンブロックを含み得る。例えば、シロキサンブロックポリマーはポリジメチルシロキサンブロックとポリメチルフェニルシロキサンブロックとを含むか、又はポリジビニルシロキサンブロックとポリジメチルシロキサンブロックとを含み得る。
【0037】
シロキサンブロックは例えば、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー及びその混合物であり得る。
【0038】
1及びR2は同じ又は異なり得、及び独立してアルキル基、アルコキシ基、アリール基
、アリールオキシ基、アルキルアリール基、アルキルアミン基、アルキルヒドロキシ基、ポリオキシアルキレン基、及びポリアルキレンポリアミンであり得る。
【0039】
アルキル基は直線状の又は枝分かれの炭素原子数1乃至20のアルキル基として定義される。例えば、アルキル基は炭素原子数1乃至4の、炭素原子数1乃至8の、炭素原子数1乃至12の又は炭素原子数1乃至14のアルキル基であり得る。
【0040】
炭素原子数1乃至20のアルキル基は、直鎖の又は枝分かれのアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、第二−ブチル基、第三−ブチル基、アミル基、イソアミル基又は第三−アミル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基又はエイコシル基である。
【0041】
例えば、シロキサンブロックはポリジメチルシロキサン又はポリジエチルシロキサンであり得る。ポリジメチルシロキサンはまたジメチコンとして知られている。
【0042】
メチル基、エチル基及びプロピル基又はその混合物は特にR1及びR2として適している。
【0043】
アリール基はフェニル基又はアルキル置換されたフェニル基であり得る。
【0044】
アリール化シリコーンは約1.46又はそれより高い、特に約1.52又はそれより高い屈折率を有する髪の光沢特性を高めることで知られている。
【0045】
ポリメチルフェニルシロキサンはアリール化シロキサンの1つの例である。
【0046】
アルキルアリール基は例えばメチル基、エチル基、第三−ブチル基で置換されたフェノールであり得る。
【0047】
ポリオキシアルキレンは例えば、ポリプロピレンオキシド及び/又はポリエチレンオキシドである、ポリオキシアルキレンはポリジアルキルシロキサンに変性され得る。もう1つの方法として、アルキレンオキシドの混合物はポリシロキサン塩基を変性するために使用され得る。例えば、ポリプロピレン又はポリエチレンオキシドは変性ポリジメチルシロキサンを変性するために使用され得る。これらの原料はジメチコンコポリマーとして知られている。それ故に、ポリシロキサンブロックはジメチコンコポリマーを含み得る。
【0048】
アルコキシ基は炭素原子数1乃至4の枝分かれの又は直線状のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基並びにn−ブトキシ基及び第三−ブトキシ基であり得る。
【0049】
アリールオキシ基は例えば、フェノキシ基又はアルキル基置換のフェノキシ基であり得る。
【0050】
アルキルアミン基は、例えば、アミンによって置換された炭素原子数1乃至4の枝分かれの又は直線状のアルキル基である。アルキル鎖の一種以上のアミン置換基は該鎖上のどこにでもおこり得、例えば末端であり得る。
【0051】
アルキルヒドロキシ基は、例えば、ヒドロキシ基によって置換された炭素原子数1乃至4の枝分かれの又は直線状のアルキル基である。アルキル鎖の一種以上のヒドロキシ置換
基は該鎖上のどこでも生じ得、例えば末端である。
【0052】
ポリアルキレンポリアミン基はアミンによって中断されたアルキレン鎖である。
【0053】
例えば、式(IV)
【化7】

(前記式中、
1、R2及びnは前記に定義されたものであり、
R7はヒドロキシ基、炭素原子数1乃至4のアルコキシ基又は炭素原子数1乃至4のアルキル基を表し得、
8は置換基−(CH21-4−NR9−(CH2)−1-4−NR910を表し、
yは1乃至10000の整数であり、
9及びR10は同じ又は異なり及び水素原子又は炭素原子数1乃至4のアルキル基を表
す。)はシロキサン上のポリアルキレンポリアミン置換の代表である。
【0054】
両親媒性ブロックコポリマーのシロキサンブロックは例えば式(IV)に従うものであり得る。
【0055】
1及びR2がメチル基であるとき、前記ポリマー(IV)は時々“アモジメチコン”として参照される。
【0056】
適したシロキサンが開示されている参考文献は米国特許第2,826,551号明細書、米国特許第3,964,500号明細書、米国特許第4,364,837号明細書、及び英国特許第849,433号明細書に含まれる。全体として参照することによって本明細書に組み込まれるのは、1984年にペトラルカシステムズインコーポレーテッド(Petrarch Systems,Inc.)によって頒布された“シリコン化合物”である。
【0057】
シロキサンブロックの繰返し単位数は約2乃至約10000で変化し、例えば、約10乃至5000及び約20乃至約1000である。
【0058】
カチオン性ブロックは、少なくとも部分的には、モノマーから誘導されたジアリルジアルキルアンモニウムから少なくも形成されている。
【0059】
例えば、ジアリルジアルキルアンモニウム種の具体的なモノマーとしてはジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、ジアリルジエチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルブロマイド、ジアリルジメチルアンモニウムスルフェート、ジアリルジメチルアンモニウムホスフェート、ジアリルジ(2−エトキシエチル)アンモニウムクロリド及びジアリルジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムクロリドである。最も好ましいカチオン性モノマーはDADMACである。
【0060】
対イオンのY-は実際にはどんな対イオンでもあり得る。Y-は、クロリド、ブロマイド、ヨージド、置換された又は未置換のアリールスルホネート、スルフェート、アルキルスルホネート、例えばメチルスルホネート、エチルスルホネート、カルボキシレート、ナイトレート、ホスフェート、テトラフルオロボレート、テトラアルキルボレート、テトラア
リールボレート、パークロレート、及びヘキサフルオロホスフェートに制限されるものではないが、これらによって表される対イオンであり得る。
【0061】
カチオン性ブロックにおける繰返し単位の数は約2乃至5000の範囲である。例えば、繰返し単位は約2乃至約1000又は約10乃至約500の範囲であり得る。
【0062】
親水性又はカチオン性ポリマーブロックはホモポリマー又はランダムコポリマー、ブロックコポリマー又はグラフトポリマー若しくはコポリマーであり得る。
【0063】
カチオン性ポリマーブロックはどんな分子量であり得る。好ましい平均分子量は約500g/mol乃至約1,000,000g/mol、約500g/mol乃至約500,000g/mol、約800g/mol乃至約500,000g/mol及びより好ましくは約800g/mol乃至100,000g/mol、例えば約800g/mol乃至約10000g/mol又は約1000g/mol乃至約5000g/molである。
【0064】
ジアリルジアルキルアンモニウムポリマーブロックは適した重合過程の何れかによって各々合成され得る。ジアリルジアルキルアンモニウムポリマーは例えば、溶液重合、油中水懸濁液重合によって、又は油中水エマルジョン重合によってゲルポリマーとして製造され得る。溶液重合によってゲルポリマーが製造されるとき、開始剤がモノマー溶液中に導入される。
【0065】
前記ジアリルジアルキルアンモニウムポリマーブロックは、例えば、欧州特許出願公開第150933号明細書、欧州特許出願公開第102760号明細書、欧州特許出願公開第126528号明細書に記載されている方法に従って、懸濁液重合によってビーズ状に又は油中水エマルジョン重合によって油中水エマルジョン状若しくは分散状に各々製造され得る。
【0066】
前記ジアリルジアルキルアンモニウムブロックは慣用のラジカル重合によって又は制御重合によって合成され得る。
【0067】
前記ブロックが初めに形成され得、続いて末端ブロックコポリマーを形成するために共有結合し得る。
【0068】
ジアリルアルキルアンモニウムモノマーに加えて、他のエチレン系不飽和モノマーは親水性ブロックコポリマーのカチオン性ブロックを形成するために使用され得る。
【0069】
例えば、非イオン性、アニオン性、又はカチオン性モノマーはジアリルジアルキルアンモニウム繰返し単位を含むカチオン性ブロックに包含され得る。
【0070】
具体的な非イオン性モノマーは例えば(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、(メタ)アルリレートエステル及びN−ビニルピロリドンである。例えば、(メタ)アクリレートエステルはメチル(メタ)アルリレート及びエチル(メタ)アクリレートである。
【0071】
付加的なカチオン性モノマーは酸付加塩、又はエーテルジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート又はジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの第4級アンモニウム塩から選択され得る。
【0072】
代表例は、ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロリド第4級塩、ジメチルアミノエチルアクリレートメチルスルフェート第4級塩、ジメチルアミノエチルアクリレート
ベンジルクロリド第4級塩、ジメチルアミノエチルアクリレート硫酸塩、ジメチルアミノエチルアクリレート塩酸塩、ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロリド第4級塩、ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルスルフェート第4級塩、ジメチルアミノエチルメタクリレートベンジルクロリド第4級塩、ジメチルアミノエチルメタクリレート硫酸塩、ジメチルアミノエチルメタクリレート塩酸塩、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレートメチルクロリド第4級塩、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレートメチルクロリド第4級塩、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドメチルスルフェート第4級塩、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド硫酸塩又はジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩酸塩を含むカチオン性荷電の又は潜在的カチオン性荷電のモノマーである。
【0073】
前記アニオン性モノマーはどのエチレン性不飽和のカルボン酸又はスルホン酸でもあり得る。例えば、アニオン性モノマーは(メタ)アクリル酸又は2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸であり得る。
【0074】
前記カチオン性ブロックポリマーはランダムな、構造的な、又は様々なブロックからなる。例えばカチオン性ブロックはDADMACとジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートのアンモニウム塩のランダム若しくはブロックコポリマー、DADMACのホモポリマーブロック、DADMACとアクリルアミドのランダム若しくはブロックコポリマー、又はDADACとアクリル酸とのランダム若しくはブロックコポリマーであり得る。
【0075】
形成された親水性ブロックコポリマー
形成されたブロック親水性コポリマーは、髪に塗布したときに刺激性、有毒性又はその他有害性がなく、組成物の他の成分と相溶性がよく、一般の使用及び貯蔵条件下で化学的安定であり、及びケラチン基質上に沈着されることが可能であり、及びケラチン基質の調子を整えることがが好ましい。
【0076】
形成されたブロック親水性コポリマーはまた水溶性又は水分散性であることもまた好ましい。
【0077】
シロキサンブロックのカチオン性ブロックに対する質量比は変動する。シロキサンブロックのカチオン性ブロックに対する質量比は、形成された親水性ブロックコポリマーの全質量に基づいて、約1:100乃至約100:1に変動し得、例えば約1:10乃至約10:1である。更に、想定される質量比は約1:4乃至4:1、約1:3乃至3:1、約1:2乃至2:1又は約1:1であり得る。
【0078】
形成された親水性ブロックコポリマーの全分子量は用途に応じて幅広く変動する。
【0079】
シロキサン単位のカチオン性単位に対する繰り返し単位のモル比は幅広く変動し得る。例えば、約1:100乃至約100:1、約1:25乃至約25:1、約1:10乃至約10:1に変変動する。モル比は約1:3乃至約3:1に想定される。親水性ブロックコポリマーが過剰量のカチオン性繰返し単位、例えばカチオン単位ごとに対して1シロキサン繰返し単位を有する場合には、前記比率は約1:2である。過剰量のカチオン性単位が好ましいものであり得る。
【0080】
本発明のこれら親水性ブロックコポリマーは特に洗浄剤、トリーティング、又はケラチン基質保護剤として有用である。
【0081】
上記のように、本発明の親水性ブロックコポリマーはコンディショニングシャンプー中
の洗浄用界面活性剤と組み合わされ得る。そのようなコンディショニングシャンプーは、洗浄が完了した後に髪上に沈着及び髪上に残るコンディショニング剤を配合したシャンプー組成物を含む。
【0082】
シャンプーへの親水性ブロックコポリマーの配合はそれ自体コンディショニング剤として、及び付加的なコンディショニング剤を髪に供給するための沈着補助剤として有益であることが見出されてきた。
【0083】
髪用のコンディショニング剤は、例えば、シリコーン、ポリジメチルシロキサンのようなポリジオルガノシロキサン、ヒドロキシ官能性のシリコーン、及びアミノ官能性のシリコーンである。該シリコーンは、約0.01質量%から5.0質量%の範囲で変動する量で使われ得、好ましくは約0.01質量%から3.0質量%の範囲で変動する量で使われ得る。
【0084】
付加的なコンディショニング剤は、例えば上記したような該シリコンのようなものであり、それは本発明のコンディショニング親水性ブロックコポリマーとは異なるものだが、本発明のブロックコポリマーと結合し得る。
【0085】
本発明の親水性ブロックコポリマーはシャンプーとして使用される場合、洗浄用界面活性剤と組み合わせられる。本発明の親水性ブロックコポリマーの重要な利点の一つは多様な界面活性剤との相溶性である。
【0086】
相溶性によって、安定した溶液が本発明の親水性コポリマーを用いて形成され得ることが重要である。
【0087】
本発明の親水性ブロックコポリマーは例えばヘアコンディショニングシャンプー組成物へ、全組成物に基づいて約0.01乃至約5.0質量%の範囲の量で加えられ得る。より好ましくは約0.01乃至約2.5質量%、又は0.01乃至1.0質量%の範囲であり得る。
【0088】
親水性ブロックコポリマーの製造
親水性ブロックコポリマーは適した末端ポリシロキサンの存在下でジアリルジアルキルアンモニウムモノマーを重合することによって形成され得る。本発明の目的のため連鎖移動基で適切に末端処理されるということは、チオール基、ザンテート基、ジチオエステル基、トリチオエステル基、ジチオカルバメート基、2級アルコール基又はニトロキシル基を備えた末端又はペンダント末端を意味する。例えば、米国特許第6,858,696号明細書はザンテート基を備えたポリシロキサン誘導体を開示している。
【0089】
チオール末端疎水性ブロックは、例えば、末端二重結合又は末端水素基を有するポリシロキサン樹脂をチオ酢酸、チオベンゼン酸、チオプロピル酸、チオブチル酸、チオ吉草酸又は2級アルコールのような試薬で処理することによって合成され得る。合成は、例えば日本国特許出願番号第09031145(1995)号公報及びインジュンデュ(Ying Jun Du)ら、ジャーナルオブアプライドポリマーサイエンス、2003年、594頁に記載されている。
【0090】
二重結合又はヒドロキシ基で末端処理された様々な平均分子量のポリシロキサンが市販されている。例えば、シルテック(Siltech)コーポレーションはSilmer(登録商標)OH及びSILMER VINの商標名で様々な反応性ポリシロキサンを提供している。
【0091】
その後、ブロックコポリマーは開始剤と適した末端ポリシロキサンブロックの存在下で、カチオン性電荷のジアリルジアルキルアンモニウムモノマーを重合することによって直接形成され得る。
【0092】
ポリシロキサンブロックがチオール基のようなペンダント鎖移動基でグラフト化することもまた可能である。例えばDADMACのようなカチオン性モノマーは続いてグラフト化カチオン性ブロックを備えたグラフトブロックコポリマーを得るためにチオールペンダント基を備えたポリシロキサンポリマーの存在化で重合される。
【0093】
重合開始剤は、加熱、光若しくは電磁放射又は酸化剤若しくは還元剤によって活性化するようなどの開始剤でもあり得る。
【0094】
典型的な開始剤は、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4,−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビス−2−アミジノプロパンヒドロクロリド、ジメチルアゾビスイソブチレート、アゾビスイソブチルアミジンヒドロクロリド及び4,4’−アゾビス−4−シアノバレリアン酸のようなアゾビス化合物、及びベンゾイルペルオキシド、ベンゾイル2,4−ジクロロペルオキシド、ジ−第三−ブチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、アセチルペルオキシド、ジイソプロピルジカルボネートペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、第三−ブチルヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、ピナンヒドロペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカルボネート、第三−ブチルペルオキシラウレート、ジ−第三−ブチルペルオキシフタレート、ジベンジルオキシド及び2,5−ジメチルへキサン−2,5−ジヒドロペルオキシドのようなペルオキシド開始剤、及びベンゾイルペルオキシド−N,N−ジメチルアニリン、ペルオキソジスルホン酸−亜硫酸水素ナトリウム及びパースルフェートの過硫酸塩のような酸化還元開始剤、及び、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム又は過硫酸アンモニウムのような過硫酸塩である。光開始剤もまた想定される。
【0095】
反応溶媒は、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン及びテトラデカンのような脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン及びシクロヘキサンのような脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン及びキシレンのような芳香族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロプロパン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン及び2,4−ジクロロトルエンのようなハロゲン化された炭化水素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル、アセトン及びメチルエチルケトンのようなケトン、及びジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド、及びメタのノール、エタノール、プルパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二−ブタノール、及び第三−ブタノールのようなアルコールを含む。溶媒への界面活性剤の添加もまた想定される。これらは単独で又はそれらの混合物として使用され得る。混合溶媒が好ましい。
【0096】
洗浄用界面活性剤
洗浄用界面活性剤はアニオン性、非イオン性、両性又は双性イオン性界面活性剤、又はその混合物であり得る。洗浄用界面活性剤の目的はシャンプー組成物に洗浄作用を提供することである。本明細書で使用される洗浄用界面活性剤という語句は、主として乳化界面活性剤、すなわち、乳化作用を提供し、及び低い洗浄性能を有する界面活性剤から、これら界面活性剤を区別することを意味する。ほとんどの界面活性剤は洗浄性及び乳化性の両方を有していることが認められる。該界面活性剤が本願で役立つに十分な洗浄能力をも持っているのであれば、本願から乳化界面活性剤を除外するつもりはない。
【0097】
洗浄用界面活性剤はシャンプー組成物の質量に対して約5%乃至約50%、例えば約8%乃至約30%、又は約10%乃至約25%含まれ得る。
【0098】
アニオン性界面活性剤
本明細書のシャンプー組成物中の使用に適しているアニオン性洗浄用界面活性剤成分は、ヘアケア又は他のパーソナルケア洗浄用組成物使用されることが知られているものを含む。シャンプー組成物のアニオン性界面活性剤成分の濃度は十分な望まれる洗浄性及び気泡性を提供するべきであり、該組成物の質量に対して約5乃至約50%、好ましくは約8%乃至約30%、さらに好ましくは約10%乃至約25%、なお一層好ましくは約12%乃至約22%、及び最も好ましくは約7%乃至約20%の範囲である。
【0099】
シャンプー組成物中の使用に適しているアニオン性界面活性剤はアルキル基及びアルキルエーテルスルフェートである。これら原料は各式ROSO3M及びRO(C24O)xSO3Mを有しており、式中、Rは炭素原子数8乃至24のアルキル基又はアルケニル基を
表し、xは1乃至10の整数であり、及びMはアンモニウムのようなカチオン、トリエタノールアミンのようなアルカノールアミン、ナトリウム及びカリウムのような一価の金属カチオン、及びマグネシウム及びカルシウムのような多価の金属カチオンを表す。界面活性剤の溶解性は選ばれた特定のアニオン性洗浄用界面活性剤及びカチオンに依存する。
【0100】
Rはアルキル基及びアルキルエーテルスルフェートの両方において、炭素原子数約8乃至約18であり得、例えば、炭素原子数約10乃至約16、炭素原子数約12乃至約14の偶数である。アルキルエーテルスルフェートはエチレンオキシドと炭素原子数約8乃至約24を有する1価アルコールとの縮合生成物として得られる。アルコールは合成され得、又は例えばココナッツ油、パーム核油、獣脂等の油脂から抽出することができる。ココナッツ油又はパーム核油から抽出されたラウリルアルコール及び直鎖アルコールが好ましい。この様なアルコールはエチレンオキシドのモル比で、及び約0乃至約10、好ましくは約1乃至約5、更に好ましくは約2乃至3で反応させられ、及びもたらされた分子種の混合物は、例えばアルコールのモルあたり平均3モルのエチレンオキシドを持っており、それは硫酸化及び中和される。
【0101】
本発明のシャンプー組成物中で使用され得るアルキルエーテルスルフェートの具体的な非制限例は、ココナッツアルキルトリエチレングリコールエーテルスルフェート、タロウアルキルトリエチレングリコールエーテルスルフェート、タロウアルキルヘキサオキシエチレンスルフェート及びアルキルジエチレングリコールエーテルスルフェートのナトリウム及びアンモニウム塩を含む。典型的なアルキルエーテルスルフェートは個々の化合物の混合物を含み、該化合物は炭素原子数約10乃至約16の平均アルキル鎖長及びエチレンオキシドの約1乃至約4モルの平均エトキシル化度を有する混合物中の化合物である。
【0102】
他の適したアニオン性洗浄用界面活性剤は式[R1−SO3−M](式中、R1は炭素原
子数約8乃至約24、例えば、約10乃至約18を有する直鎖又は枝分かれ鎖の飽和脂肪族炭化水素基を表し、及びMは明細書中に前記したカチオンを表す。)に従う有機硫酸反応生成物の水溶性塩である。この様な洗浄用界面活性剤の非制限例は、炭素原子数約8乃至約24、好ましくは炭素原子数約12乃至約18を有したイソ−、ネオ−及びn−パラフィンを含むメタン系の炭化水素の有機硫酸反応生成物の塩、及び漂白及び加水分解を含む従来のスルホン化方法に従って得られた、例えばSO3又はH2SO4ようなスルホン化
剤である。好ましいものは炭素原子数10乃至炭素原子数18のn−パラフィンスルホン化アルカリ金属及びアンモニウムである。
【0103】
さらに他の適したアニオン性洗浄用界面活性剤はイセチオン酸でエステル化された脂肪酸と水酸化ナトリウムで中和される反応生成物であって、例えば、前記脂肪酸はココナッ
ツ油又はパーム核油由来であって、例えばココナッツ油又はパーム核油由来である脂肪酸中のメチルタウリドの脂肪酸アミドのナトリウム又はカリウム塩である。他の類似のアニオン性界面活性剤は米国特許第2,486,921号明細書、米国特許第2,486,922号明細書、及び米国特許第2,396,278号明細書に開示されている
【0104】
シャンプー組成物中の使用に適した他のアニオン性洗浄用界面活性剤は、例えば
N−オクタデシルスルホコハク酸二ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸二アンモニウム、N−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホコハク酸四ナトリウム、スルホコハク酸ナトリウムのジアミルエステル、スルホコハク酸ナトリウムのジヘキシルエステル、及びスルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステルを含むコハク酸塩(succinnates)である。
【0105】
他の適したアニオン性洗浄用界面活性剤は炭素原子数約10乃至約24を有するオレフィンスルホネートを含む。この文中の、“オレフィンスルホネート”という語句は、錯体形成していない三酸化硫黄を用いてアルファ−オレフィンのスルホン化に続いて、該反応中で形成されてきたどんなスルホンでも加水分解されて対応するヒドロキシ−アルカンスルフォネートになるというような条件で該酸性反応混合物を中和することによって製造することができる化合物をさす。三酸化硫黄は液体状又は気体状であり得、そして一般的に、必ずしも必要ではないが、不活性の希釈剤、例えば、液体状で使用する場合は液体SO2、塩素化炭化水素等によって、又は気体状で使用する場合は空気、窒素、気体SO2等によって薄められる。オレフィンスルホン酸塩をもたらすアルファ−オレフィンは炭素原子数約10乃至約24のモノオレフィンであり、好ましくは炭素原子数約12乃至約16である。好ましくは、それらが直鎖オレフィンである。真のアルカンスルホン酸塩及びヒドロキシ−アルカンスルホン酸塩の割合に加えて、オレフィンスルホン酸塩は、反応条件、反応剤の割合、出発物質オレフィンの性質、及び貯蔵したオレフィンの及びスルホン化過程中の副反応の不純物に依存した二硫酸アルケンのような他の原料の軽微な量を含むことができる。アルファ−オレフィンスルホン酸塩混合物の非制限例は米国特許第3,332,880号明細書に開示されている。
【0106】
シャンプー組成物中の使用に適したアニオン性洗浄用界面活性剤の他の分類はベータ−アルキロキシアルカンスルフォネートである。これら界面活性剤は式
【化8】

(式中、
1は炭素原子数約6乃至約20の直鎖アルキル基を表し、
2は炭素原子数約1乃至約3、好ましくは炭素原子数1の低級アルキル基を表し、及

Mは明細書中に前記した水溶性カチオンを表す。)で表される化合物と同じである。
【0107】
シャンプー組成物中の使用に適したアニオン性洗浄用界面活性剤の他の分類はアルキルグリセリルエーテルスルホネート界面活性剤(本明細書では“AGS”界面活性剤とも云う)、その誘導体又はその塩である。AGS界面活性剤はスルホネート又はスルホネート塩群を含むアルキルグリセリルエーテル由来である。これら化合物はスルホネート基も同様に含むグリセロールのアルキルモノエーテルとして記載することができる。これらAGS界面活性剤は以下の構造と同じとして記載することができる:
【化9】

式中、Rは炭素原子数約10乃至約18、好ましくは炭素原子数約11乃至約16、及び最も好ましくは炭素原子数約12乃至約14の飽和又は不飽和の直鎖、枝分かれ鎖、又は環状のアルキル基を表し、及びXはアンモニウム、モノ−アルキル置換のアンモニウム、ジ−アルキル置換のアンモニウム、トリ−アルキル置換のアンモニウム、テトラ−アルキル置換のアンモニウム、アルカリ金属、アルカリ性金属、及びこの混合物からなる群から選択されるカチオンである。より好ましくは、該アルキルラジカル、上記式のRのアルキル基は飽和及び直鎖である。
【0108】
シャンプー組成物中の使用のためのアニオン性洗浄用界面活性剤はラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム(エトキシル化の程度は種々である)、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリン酸モノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びその組み合わせを含む。
【0109】
洗浄用界面活性に最も一般的に使用されるものに一部はラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス−1硫酸ナトリウム(1モルのエチレンオキシドを備えたラウリル基)、ラウレス−2−硫酸ナトリウム(2モル(moes)のエチレンオキシドを備えたラウリル基)、ラウレス−2−硫酸ナトリウム(3モルのエチレンオキシドを備えたラウリル基)、及び対応するアンモニウム塩である。
【0110】
本明細書でシャンプー組成物中の使用に適した両性又は双性イオン洗浄用界面活性剤はヘアケア又は他のパーソナルケア洗浄において使用されることで知られているものを含む。この様な両性洗浄用界面活性剤の濃度は好ましくは、該組成物の質量に対して、約0.5%乃至約20%、好ましくは約1%乃至約10%の範囲である。適した双性イオン又は両性界面活性剤の非制限例は米国特許第5,104,646号明細書及び米国特許第5,106,609号明細書に記載されている。
【0111】
両性界面活性剤
シャンプー組成物中の使用に適した両性洗浄用界面活性剤は当技術分野で公知であり、脂肪族第2及び第3アミンの誘導体として広く記載されたこれらの界面活性剤を含み、そこでは脂肪族ラジカルは直鎖又は枝分かれ鎖であることが可能であり、かつそこでは脂肪族置換基の一種が炭素原子数約8乃至約18を含み、一種はアニオン性水可溶性基、たとえばカルボキシ基、スルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、又はホスホン酸塩を含む。本発明に用いられる両性洗浄用界面活性剤は例えば、ココアンホアセテート、ココアンホジアセテート、ラウロアンホアセテート、ラウロアンホジアセテート、アルキルアミノアルカン
酸、アルキルアミノアルカノエート及びその混合物を含む。アルキルアミノアルカノエートの例はコカミノプロピオン酸である。
【0112】
双性イオン界面活性剤
シャンプー組成物中の使用に適した双性イオン洗浄用界面活性剤は当技術分野で公知であり、脂肪族第4アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物として広く記載されたこれらの界面活性剤を含み、そこでは脂肪族ラジカルは直鎖又は枝分かれ鎖であることが可能であり、かつそこでは脂肪族置換基の一種が炭素原子数約8乃至約18を含み、一種はアニオン性水可溶性基、例えばカルボキシ基、スルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、又はホスホン酸塩を含む。ベタインのような双性イオンが好ましい。特に好ましいベタインはコカミドプロピルベタインである。
【0113】
本発明のシャンプー組成物は更に明細書中に記載のアニオン性洗浄用界面活性剤成分と組み合わせて用いるさらなる界面活性剤を包含してもよい。適した所望の界面活性剤は非イオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤を含む。ヘアケア又はパーソナルケア製品中で用いられる当技術分野で公知であるこの様なあらゆる界面活性剤は、もし、所望の付加的な界面活性剤がシャンプー組成物の必須成分と化学的にも物理的にも相溶性があり、又は製品の性能、見た目、又は安定性を過度に損なわない限り使用され得る。シャンプー組成物中の所望による付加的な界面活性剤の濃度は、望むクリーニング能力又は気泡性、選択した所望の界面活性剤、望まれる製品密度、組成物中の他成分の存在及び当該分野で既知の他の要素に伴って変動し得る。
【0114】
シャンプー組成物中の使用に適した他のアニオン性、双性イオン性、両性又は所望による付加的な界面活性剤はM.C.出版社刊行の「マカチョンズ、エマルシファイアーズアンドでタージェンツ、1989アニュアル」(McCutcheon’s,Emulsifiers and Detergents,1989 Annual)、及び米国特許第3,929,678号明細書、米国特許第2,658,072号明細書、米国特許第2,438,091号明細書、米国特許第2,528,378号明細書に記載されている。
【0115】
ポリアルキレンオキシドアルキルエーテル
本発明に記載の前記組成物は一種以上のポリアルキレンオキシドアルキルエーテルを含み得る。ポリアルキレンオキシドアルキルエーテルはポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールアルキルエーテル、及びその組合せである。
【0116】
ポリアルキレンオキシドアルキルエーテルに用いられる具体例はPPG−15ステアリルエーテル(ユニケマ(Uniqema)社からアラーモルE(Arlamol E)(登録商標)として入手可能)、ポリオキシプロピレン(9)デシルエーテル、ポリオキシプロピレン(4)ポリオキシエチレン(6)セチルエーテル、及びポリオキシエチレン(12)ビヘニルエーテルを含む。
【0117】
本発明の組成物は水性のキャリアを含み得る。キャリアの階級及び種類は他成分との相溶性及び製品の他の望まれる特性に従って選択される。
【0118】
本発明に有用なキャリアは水及び低級アルキルアルコールの水溶液を含む。本明細書で有用な低級アルキルアルコールは炭素原子数1乃至6の一価アルコール、例えばエタノール及びプロパノールである。
【0119】
水性キャリアは実質的には水である。好ましくは脱イオン水が使用される。ミネラルカチオンを含む天然源からの水もまた製品の望まれる性能によって使用され得る。本発明の
組成物は約20%乃至約95%、好ましくは約40%乃至約92%、及びより好ましくは約60%乃至約90%の水性キャリアを含有する。
【0120】
該組成物のpHは好ましくは約4乃至約9、より好ましくは約4.5乃至約7.5である。緩衝液及び他のpH調整剤を望ましい要求pHを実現するために含むことができる。
【0121】
添加成分
本発明のシャンプー組成物は更に一種以上の所望によるヘアケア又はパーソナルケア製品中に使用することで知られている成分を、もし、該添加成分が明細書中に記載された必須成分と科学的にも物理的にも相溶性があるり、又は製品の性能、見た目、又は安定性を過度に損なわない限り含まれ得る。この様な所望による成分の個々の濃度はシャンプー組成物の質量に対して約0.001%乃至約10%の範囲であり得る。
【0122】
シャンプー組成物中で用いられる所望による成分の非制限例は、カチオン性ポリマー、例えば(本発明の両親媒性ブロックコポリマーに加えて)カチオン性でん粉、粒子、コンディショニング剤(炭化水素油、脂肪酸エステル、シリコーン)、ふけ防止剤、懸濁化剤、粘度調節剤、染料、不揮発性溶液又は希釈剤(水溶性及び非水溶性)、真珠光沢補助剤、フォームブースター、追加の界面活性剤又は非イオン性共界面活性剤、殺シラミ剤、pH調整剤、香料、防腐剤、キレート剤(chelants)、たんぱく質、皮膚活性化剤、日焼け防止剤、UV吸収剤、及びビタミンを含む。
【0123】
でん粉はシャンプー及び皮膚製剤中で用いられる所望の成分である。でん粉は実質的には、例えば穀物、塊茎、根、豆及び果実のようなどの源からも由来し得る。天然源としては、トウモロコシ、えんどう豆、ジャガイモ、サツマイモ、バナナ、大麦(brley)、小麦、米、サゴ、アマランス、タピオカ(taioca)、クズウコン、カンナ、ソルガム及びワキシーであり得る。該源はそれらの高アミロース品種又は高アミロペクチン品種が含まれる。高アミロペクチン品種はとは、本発明の目的からすれば、少なくともアミロペクチンを約60質量%、又は少なくとも70%含んでいることを意味する。高アミロース(amylase)は40質量%より多いアミロースを含んでいる。例えば、ジャガイモでん粉は約80%のアミロペクチンと約20%のアミラーゼを含んでいる。それ故、ジャガイモでん粉は高アミロペクチン品種のでん粉でありえる。でん粉は、例えばアニオン性、カチオン性、又は非イオン性誘導体を含む。非イオン性でん粉誘導体は例えばアルキレンオキシドを使用して誘導体化される。
【0124】
でん粉のアニオン性変性は当技術分野で公知のどんな試薬、例えばアルケニルコハク酸無水物、無機リン酸塩、硫酸塩(sulfte)、ホスホン酸塩、スルホン酸塩及びクロロ酢酸ナトリウム、によってもなされ得る。
【0125】
カチオン性変性は、アミノ基、イミノ基、アンモニウム基、スルホニウム基、又はホスホニウム基を含む試薬を含む当技術分野で公知のどんな試薬によってもなされ得る。この様なカチオン性誘導体はエーテル結合又はエステル結合を介して付着する1級、2級、3級及び4級アミン並びにスルホニウム基及びホスホニウム基を含む窒素含有基を備えたそれらのものを含む。カチオン性変性、特に3級アミノ又は4級アンモニウムエーテル化、は3−クロロ,−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド及びそれに類するもので処理することによって製造される。でん粉上の置換基のカチオン性度は約0.1乃至約4と幅広く変動し得る。
【0126】
でん粉は酸化剤又は酵素加水分解のような、当技術分野で公知のどの方法によっても分子量を減らすために加水分解され得る。でん粉はまた分子量を増加するために、非分解され、及びさらにもっと架橋され得る。
【0127】
でん粉は全製剤の約0.1乃至約5質量%の範囲の量でヘアコンディショニング製剤中に使用され得る。
【0128】
製作法
本発明のシャンプー組成物は、界面活性剤又はコンディショニング組成物、又は他の類似の組成物を製造する当技術分野で公知の様々な製造及び混合技術又は方法を使用して製造することができる。
【0129】
使用方法
本発明のシャンプー組成物は髪又は皮膚の洗浄用及びコンディショニング用の慣用の方法で使用される。髪又は皮膚の洗浄用及びコンディショニング用の組成物の有効量は好ましくは水で湿っていた髪又は皮膚に塗布され、続いて洗い流される。この様な有効量は約1g乃至約50g、好ましくは約1g乃至約20gの範囲である。髪への塗布は、ほとんど又は総ての髪が組成物に接触するように髪を通して組成物を作用させることを含む。
【0130】
髪の洗浄及びコンディショニングするための方法は
a)水で髪を湿らす段階
b)髪へ有効量のシャンプー組成物を塗布する段階、及び
c)水を用いて髪からシャンプー組成物を洗い流す段階
を含む。これらの段階は望ましい洗浄及びコンディショニングの恩恵を達成するために望まれる限り何度も繰り返すことができる。
【0131】
本発明の両親媒性ブロックコポリマーは皮膚及び髪用のコンディショニング剤として有用であるのみでなく、他のコンディショニング剤用の沈着補助剤としても有用である。
【実施例】
【0132】
実施例に本発明の具体的な態様を例証するが、しかしその限定することを目的とするものではない。総ての例示されたシャンプー組成物は慣用的な製剤及び混合技術によって製造することができる。成分量は質量パーセントとして記載し、及び希釈剤、充填材などの微量の材料は除いた。
【0133】
A) チオール末端ポリシロキサンの合成
実施例1
ビニル末端官能基ポリシロキサンのチオールへの転化
ビニル末端官能基ポリジメチルシロキサン(Silmer(登録商標)VIN100、シルテック(Siltech)社製)20gをトルエン20mLに溶解させた。ここへアゾビスイソブチロニトリル550mg及びチオ酢酸0.8mLを添加した。混合物に30分間窒素を散布し、続いて80度で6時間加熱した。それを氷/水中で冷却し、メタノールで3回洗浄した。残りの溶媒を真空下で除去した。
15gの生成物をトルエン20mLに溶解し、そして10%のメタノール水酸化ナトリウム2mLを加えた。混合物に窒素を散布しながら8時間攪拌した。それをメタノールで3回洗浄した。残った溶媒は真空下で除去した。
【0134】
実施例2
ビニル末端官能基ポリジメチルシロキサン(Silmer VIN 200、シルテック社製)20gのトルエン20mL溶液にアゾビスイソブチロニトリル413mg及びチオ酢酸0.6mLを添加した。混合物に窒素を30分間散布し、続いて80℃で7時間加熱した。それを冷まし、メタノールで3回洗浄した。残りの溶媒を真空下で除去した。この生成物2.0gのリチウムアルミニウムヒドリド(LAH)を保持している2mLエー
テル溶液に50mgLAHを添加し、そしてその混合物を室温で48時間攪拌した。該混合物をそれから濾過し、及び溶媒を真空下で除去した。
【0135】
ヒドロキシ末端官能性ポリジメチルシロキサンのチオールへの転化
実施例3
ヒドロキシ末端官能性ポリジメチルシロキサンのチオールへの転化
ヒドロキシ末端官能性ポリジメチルシロキサン(SILMER OH100、シルテック社製)20gをジクロロメタン50mLに溶解した。ここにピリジン2mLとp−トルエンスルホニルクロリド4.0gを加えた。この混合物を室温で24時間攪拌した。生成物をメタノールで3回洗浄し、残った溶媒を真空下で除去した。
5gの生成物をトルエン15mLに溶解し、そしてチオ酢酸カリウム0.45gのメタノール1.5mL溶液を加えた。混合物に30分間窒素を散布し、そして105度で24時間攪拌した。混合物を冷まし、メタノールで3回洗浄し、そして残った溶媒を真空下で除去した。生成物をトルエン10mLに溶解し、そして10%メタノール水酸化カリウム1mLを加えた。混合物を30分間散布し、続いて1時間還流した。これを氷槽で冷却し、続いてメタノールで3回洗浄し、残りの溶媒を真空下で除去した。
【0136】
B) ポリジメチルシロキサン及びジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)のブロックコポリマーの合成
実施例4
重合用フラスコに、実施例1のチオール末端官能性ポリジメチルシロキサン4.0g、乾燥DADMAC6.0g、n−ブタノール20mL、及び2,2’−アゾビズ(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド164mgを入れた。DADMACを溶解させた後、混合物に30分間窒素を散布し、続いて70℃で24時間攪拌した。これを冷ました。生成物をアセトンで沈殿させ、そして濾過した。この白色固体を真空下で一晩乾燥した。生成物を1時間THF100mLで攪拌し、続いてろ過し、THFで洗浄しそして真空下で乾燥させた。ポリシロキサン及びDADMACの様々な追加の両親媒性トリブロックコポリマーを開始ポリシロキサン及びポリジメチルシロキサン(OH又はビニル末端)の平均分子量を変えて合成した。ポリジメチルシロキサン及びポリDADMACのトリブロックコポリマーを以下の表Iに示すように形成した:
表I.ポリシロキサン及びポリDADMACのトリブロックコポリマー
【表1】


1)該官能性ポリシロキサンはシルテックコーポレーションから購入。
2)該Mnは出発物質のMnである
【0137】
C) ポリジメチルシロキサン及びジアリルジメチルアンモニウム/ジメチルアミノエ
チルメタクリレートのブロックコポリマーの合成
実施例17
1000mLのフラスコにチオール末端官能性ポリジメチルシロキサン(分子量6000まで)50gを入れた。これに乾燥させたジアリルジメチルアンモニウムクロリド50gのn−ブタノール200mLの分散液、ジメチルアミノエチルメタクリレート50g、n−ブタノール175mL、及び2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン(amindinopropane))ジヒドロクロリド2.5gを加えた。この混合物に1時間窒素を散布し、続いて80℃で6.5時間攪拌した後、温度を30分間で100℃に上昇させた。溶液は真空下で除去した。
【0138】
実施例18
実施例18はジアリルジメチルアンモニウムクロリド25g及びジメチルアミノエチルメタクリレート75gを使用したことを除いて上記実施例17と同じである。
【0139】
D) 使用結果
両親媒性ブロックコポリマー(トリブロックポリDADMAC−ポリジメチルシロキサン−ポリDADMAC)を2イン1シャンプー製剤として髪上で試験した。
【0140】
表IIに2イン1シャンプーの製剤を示す。本発明の両親媒性ブロックコポリマーを0.05及び0.1質量%濃度で以下の製剤に加えた。両親媒性ブロックコポリマーを以下のように配合した製剤に、両親媒性ブロックコポリマーをカチオン性ポリマー0.05及び0.01質量%(カチオン性セルロース、ポリクオタニウム10又はグアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)及び2質量%のポリジメチルシロキサンに置き換えた対照シャンプー製剤と比較した。
【0141】
【表2】

1)アンモニウムラウリルエーテル(3エトキシレート単位)硫酸
2)アンモニウムラウリル硫酸
【0142】
シャンプーのpHは5.5まで調整した。塩化ナトリウムを使用してシャンプーの粘度をおおよそ6000cpsまで調整した。0.1乃至約20.0ミクロンの範囲内である
ポリシロキサン滴径が達成されるまで、ポリシロキサンとポリクオタニウム10又はグアーヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドポリクオタニウム10を持つ対照性剤は均質化された。
【0143】
表IIIに両親媒性ブロックコポリマーでトリートした髪の測定値及び持続性及びシリコーンの蓄積の結果、及び湿った及び乾燥した場合の髪上でのコーミングエネルギーにおける減少を示した。
表III:ポリDADMAC−シロキサン−ポリDADMACブロックコポリマーコンディショニング特性
【表3】

1)蓄積及び持続性の評価はシャンプーを望ましい時間塗布し、そしてシャンプーした一房の髪を十分にすすいだ。一房の髪は続いて5分間染料溶液(ピラゾールボルドー)に浸した。一房の髪は染料溶液から取り出され、そして染料がもはや溶出しなくなるまですすいだ。一房の髪は次に5分間イソプロピルアルコール/水(IPA/H2O)溶液に浸さ
れ、そして水道水ですすいだ。IPA/H2O溶液の染料吸光度は測定され、髪gあたり
μg染料は較正曲線によって計算された。
2)上記1)の記載同じ方法で決定される。両親媒性ブロックコポリマーは追加の2質量%のポリジメチルシロキサンと共に形成された。
3)容積指数%は12gの髪の一房上にDIA−STRON MTT175引張試験機を使用して測定された。トリートしていない一房の髪の引張応力を、トリートした一房の髪と比較した。2つの違いが容積指数%である。
4)安定性評価は1ヶ月間40℃のオーブン中に製剤されたシャンプーを設置しておこない、そして製剤されたシャンプーの安定性と透明度を記した。
5)湿った又は乾いた一房の髪のコーミング分析はミニテンシルテスターダイアストロン(MINI−TENSILE TESTER DIASTRON)を用いて行った。他の試験総てにおいて、一房の髪はヨーロッパ人のブラウン色の8インチの長さのものであり、一度もトリートしてない髪である。湿った髪の場合のコーミング測定は、評価のために、初めに対照シャンプーを、続いてポリマー含んだシャンプーで該一房の髪の毛を洗浄した跡に測定された。該方法は5gの濡れた髪に対して1gの検討中のシャンプーを塗布し、続いて泡を作りながら1分間指でやさしくこすることにある。その後、髪の一房はぬるま湯で30秒間すすいだ。過剰の水は指で絞り、そして髪の一房はミニテンシルテスターに設置された。トリートしていないもの及びトリートしたものの湿ったサンプル間のコーミングエネルギーの違いは測定され比較された。測定値は3通りなされた。乾いた一房の髪のコーミング分析は、髪の一房を測定前に乾燥させたことを除いて湿ったときと同様に実行された。
【0144】
表IV
2及び1の製剤中の両親媒性ブロックの減少で処理された髪の湿ったコーミングエネルギー値中の測定された減少を示した。
実施例17及び実施例18はブロックコポリマーが0.5質量%添加されたことを除いて表II中のように、2と1のシャンプー中で製剤された。対照は両親媒性ブロックポリマー単独で及びカチオン性ジャガイモでん粉との組合せを用いて行われた。
表IVにおける試験は表IIIに記載されている同じ手順を用いて実行された。
【表4】

【0145】
結果の概要
両親媒性ブロックコポリマーは:
・市販されているカチオン性コンディショニングポリマー(PQ−10又はカチオン性グァーガム)と2%のポリジメチルシロキサンを使用する濃度よりも十分に低い活性濃度(0.05質量%)において良好な乾いたコンディショニング及び適度に湿ったコンディショニング特性を示し、
・低い持続性及び保持性を示し、
・とても低い濃度において良好な湿った場合の及び乾いた場合のコーミング力の減少を示し。
・ポリシロキサンコンディショニング剤と組み合わせて使用されるとき、髪へ適量のシリコーンを供給することができ、
・適度にボリュームを出す効果を示し、及び
・安定な製剤を形成し、
・カチオン性でん粉と組み合わせたとき、相乗効果を示した。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)式(I)
【化1】

(式中、
nは2と10,000の間の数を表す。)で表される少なくとも一種のシロキサンブロックポリマー、及び
b)式(II)
【化2】

(式中、
3及びR4はお互いに独立して水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表し、
5及びR6は、独立して、水素原子、または1ないし18の炭素原子数を有するアルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、カルボキシアミドアルキル基又はアルコキシアルキル基を表し、及び
-はアニオンを表す。)で表される少なくとも一種のカチオン性モノマーから形成さ
れるカチオン性ブロックポリマーを含む両親媒性ブロックコポリマー。
【請求項2】
a)式(Ia)
【化3】

(式中、R1及びR2は独立してアルキル基、アルコキシ基、フェニルアルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルアリール基、アルキルアミン基、アルキルヒドロキシ基、ポリオキシアルキレン基及びポリアルキレンポリアミン基を表し、
nは2と10,000の間の数である。)で表されるシロキサンブロックポリマー、及び
b)式(IIa)
【化4】

(式中、
3及びR4はお互いに独立して、水素原子又は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表し、
5及びR6は、独立して、水素原子又は1ないし18の炭素原子数を有するアルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、カルボキシアミドアルキル基又はアルコキシアルキル基を表し、及び
-はアニオンを表す。)で表される少なくとも一種のカチオン性モノマーから形成さ
れるカチオン性ブロックポリマーを含む請求項1に記載の両親媒性ブロックコポリマー。
【請求項3】
前記式(II)で表されるカチオン性モノマーがジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、ジアリルジエチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムブロマイド、ジアリルジメチルアンモニウムサルフェート、ジアリルジメチルアンモニウムホスフェート、ジアリルジ(2−エトキシエチル)アンモニウムクロリド及びジアリルジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムクロリドからなるモノマーの群から選択される、請求項1又は請求項2に記載の両親媒性ブロックコポリマー。
【請求項4】
前記2番目のカチオン性モノマーがジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロリド第4級塩、ジメチルアミノエチルアクリレートメチルサルフェート第4級塩、ジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロリド第4級塩、ジメチルアミノエチルアクリレート硫酸塩、ジメチルアミノエチルアクリレート塩酸塩、ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロリド第4級塩、ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルサルフェート第4級塩、ジメチルアミノエチルメタクリレートベンジルクロリド第4級塩、ジメチルアミノエチルメタクリレート硫酸塩、ジメチルアミノエチルメタクリレート塩酸塩、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレートメチルクロリド第4級塩、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレートメチルクロリド第4級塩、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドメチルサルフェート第4級塩、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド硫酸塩又はジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩酸塩である、請求項1に記載の両親媒性ブロックコポリマー。
【請求項5】
式(III)
【化5】

(式中、
1、R2、R3、R4、R5、R6、n及びY-が請求項2で定義された通りであり、
xは2と1,000の間の整数であり、及び
Lは連結基を表す。)で表される両親媒性ブロックコポリマー。
【請求項6】

【化6】

(式中、xは1ないし10の数である。)で表される構造に相当する、請求項5に記載の両親媒性ブロックコポリマー。
【請求項7】
A)少なくとも
i)式(I)で表されるシロキサンブロックポリマー、及び
ii)式(II)で表されるカチオン性モノマーの少なくとも一種から形成されるカチオン性ブロックポリマー
を含む両親媒性ブロックコポリマーと、
B)洗浄用界面活性剤
とを含むヘアコンディショニングシャンプー組成物。
【請求項8】
界面活性剤がラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス−1硫酸ナトリウム、ラウレス−2−硫酸ナトリウム、ラウレス−2−硫酸ナトリウム、及び相当するアンモニウム塩、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリン酸モノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びその組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の両親媒性ブロックコポリマーを含むケラチン基質コンディショナー。
【請求項10】
前記基質上に請求項1に記載の両親媒性ブロックコポリマーを塗布することによってケラチン基質をコンディショニングする方法。


【公表番号】特表2010−518190(P2010−518190A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547658(P2009−547658)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【国際出願番号】PCT/EP2008/050999
【国際公開番号】WO2008/095822
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】