説明

ポリマーの靱性を増大させるように表面処理された無機粒子添加物

バイオプラスチック組成物は、10重量%乃至40重量%の被覆された無機粒子を含むバイオポリマーを含んでいる。その粒子は、脂肪酸、脂肪酸誘導体、ロジン、ロジナート、ポリオレフィン系ワックス、オリゴマーおよびミネラル・オイル、およびこれらの組合せ、の中の1つ以上のもので被覆されている。それによって、剛性および靱性が改善され、結晶化速度が改善された。それは、押出し成形、射出成形、および熱成形に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマーの組成(compositions:配合、組成物、配合物)におけるまたはそれに関連する改良に関する。特に、本発明は、バイオポリマー(生重合体、生物高分子)材料(物質)を含むバイオプラスチック・システムであって、そのバイオポリマー材料が生分解性(biodegradable:生分解可能)でありおよび/または再生可能(renewable)資源から生成され(derived)および充分な改善された強度を有するものであるバイオプラスチック・システムに関する。
【発明の概要】
【0002】
その改善された強度(strength)は、剛性(stiffness)と靱性(toughness:強靱性、堅牢性、硬度)の組合せによって表される(manifest)。一実施形態において、その改善された強度によって、そのポリマーは、フィルム(膜)として処理することが可能となり、経済的に魅力的な薄い厚さで使用することが可能となる。また、それ(改善された強度)によって、例えば食品トレイのような熱成形された(thermoformed)物品を薄い材料から製造または生産することが可能になる。プラスチック・フィルムは多数の用途があり、フィルムの製造および使用の経済性は、頻繁に、或る機械的特性(mechanical properties:力学的特性)を付与するのに必要なフィルムの厚さによって支配され(その影響を受け)る。所望の特性を与えるフィルムが薄ければ薄いほど、良好である。また、本発明によって、バイオポリマーの結晶化動力学(kinetics:反応速度(論))を改善することができ、それによって、例えば、押出(extrusion)成形、射出(injection)成形およびブロー(blow)成形のような技術におけるそのポリマーのプロセス(加工、処理)可能性を改善できる。
【0003】
プラスチックの処理(処分、廃棄)はますます関心事になり、生分解性(biodegradablity:生分解可能性)は使い捨てでないプラスチックの廃棄物の量を減少させるのに重要である。生分解性は、様々な形態を取ることができ、例えば、おそらく化学物質の助けを借りて堆肥にでき(compostable)自然生分解性のポリマーから生成されるフィルムの形態を取る。自然生分解性は、例えば農業マルチング(mulching)フィルムのようなフィルムを使用後に土壌に埋め込む場合に生じ得るものである。生分解性のための種々のポリマーが開発されてきた。しかし、それらのポリマーは、或る用途に適さない低い機械的強度を有する傾向があり、または、例えば、破壊(fracture:割れ目)を生じさせずに処理し巻き取るには不所望な厚い厚さのフィルムを必要とする低い機械的強度を有する傾向がある。耐衝撃性(impact resistance:衝撃抵抗)、引裂抵抗(tear resistance)および破損(破壊)モード(mode of failure)は、全て、フィルム、熱成形されたパーツ(部品)、および射出成形されたパーツの重要な特性である。特に、本発明に関連する生分解性ポリマーは、破壊前にエネルギを吸収する能力として表現される固有の低靱性に起因して、脆い(brittle:脆性を示す)傾向がある。この脆性(brittleness)は、例えば食品のような製品におけるパッケージ(包装)材料からポリマー破片(fragments)を生じさせ得る衝撃を受けたときに破壊(fracture:破砕、破裂)および分裂(splintering)を生じる原因となり得る。 本発明の一実施形態では、熱成形および射出成形の適用例のための、フィルムとして有用な延性破損(破壊)機構(ductile failure mechanism)を有するバイオプラスチックを実現する。
【0004】
本発明に関連するバイオポリマーの各例は、ポリポリラクチド(polylactide)(PLA)として時々知られているポリ乳酸(polylactic acid)、ポリグリコナート(polyglyconate:ポリグリコネート)、ポリ(ジオキサノン)(poly(dioxanone))、ポリヒドロキシアルカノアート(polyhydroxy alkanoates:ポリヒドロキシアルカノエート、ポリヒドロキシアルカン酸塩)(PHA)、特に、ポリヒドロキシ酪酸塩(polyhydroxybutyrates:ポリヒドロキシブチラート、ポリヒドロキシブチレート)、ポリヒドロキシヴァタラート(polyhydroxy vatarates:ポリヒドロキシヴァタレート)、高分子(重合体)の熱可塑性澱粉(polymeric thermoplastic starches)(60%より高いアミロース(amylose)レベル)および(または)これらの組合せであり、これらはまとめて(collectively:集合的に)バイオポリマー(生重合体)として知られている。ポリラクチド(polylactides)は、ポリプロピレンおよびポリスチレンに対する生分解性の代替物質として提案されているが、充分な強度を持たない。 本発明によれば、ポリラクチドにそのような充分な強度を与え、ポリラクチドに、ポリカーボナート(polycarbonates:ポリカーボネート、ポリ炭酸塩)に対する生分解性の代替物質として競争力を与えることができる。
【0005】
これらのポリマー、特に非結晶PLAは、低い熱たわみ温度(heat deflection temperature)(HDT)を有し、それ(低いHDT)によって高い温度の適用例(アプリケーション)に用途が限定される。さらに、それら(ポリマー)は、特に射出成形において、長い成形サイクル時間(周期)を必要とする低速の結晶化反応速度(動力学)(crystallisation kinetics)を有し得る。
【0006】
従って、本発明の目的は、何ら生分解性を実質的に低下させることなく、バイオプラスチックの強度を増大させ、成形サイクル時間を短くし、結晶化反応速度(動力学)を向上させることである。 以前に、ポリラクチドにゴムを含ませてその靱性を改善することを提案した。しかし、ポリラクチドの靱性は改善されたが、ポリラクチドの剛性は低下し、通常のゴムは生分解性でない。最近入手可能な生分解性のゴムは、かなり高価である。
【背景技術】
【0007】
様々な理由で高分子材料にフィラー(充填材、充填剤)を含ませることは、良く知られている。フィラーは、一般的に、強度を与え、および/または高分子材料で形成された物品のコストを低くするために含ませる(添加する)。フィラーは、全ての形状およびサイズ(大きさ、寸法)の成形(成型、モールド)および押出し(成形)において含ませ(添加し)てもよい。炭酸カルシウム(calcium carbonate)は、ポリマー用のフィラーとして良く知られており、炭酸カルシウムのサイズおよび形態(morphology)を調整して(tailor)、それ(炭酸カルシウム、フィラー)が添加される(含ませられる)ポリマーに或る所望の特性を与えることができることが知られている。例えば、英国特許公開公報GB2336366Aにおいて炭酸カルシウムをポリエチレンに含ませてもよいことが提案されており、同様に米国特許第6911522号には、炭酸カルシウムをε−カプロラクトン(e-caprolactone)ポリマーに含ませることが記載されている。Zhiyong Xia(ジヨン シア)、Dennis(デニス)、Prendes(プレンデス)、Patrick Wernett(パトリック ウェルネット)の文献“The Reinforcement of Poly (Lactic Acid) using High Aspect Ratio Calcium Carbonate based Mineral Additive”(高アスペクト比(扁平率)の炭酸カルシウムに基づく(を基材とする、系の)ミネラル添加物を用いたポリ (乳酸)の補強)には、靱性(強靱性)および剛性を改善するために、ポリ乳酸に、炭酸カルシウム添加物であるエムフォース.バイオ(EMforce(登録商標)Bio)を含ませることが記載されている。
【0008】
また、炭酸カルシウムが使用されるポリマーとの適合性(compatibility)を改善するために炭酸カルシウムを被覆してもよいことが知られている。例えば、英国特許公開公報GB2336366Aでは、ポリマーが押出されるときのダイリップ堆積(付着)(die lip build up)を回避するために、ステアリン酸(stearic acid)で被覆された炭酸カルシウムをポリエチレンに充填し(添加し)ており、米国特許第6815479号には、ポリマーの衝撃強度を改善するために、ポリマー キャプロン(Capron)ナイロン用のフィラー(充填剤)として、2.50乃至4.00重量%のステアリン酸で被覆された炭酸カルシウムを使用することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】英国特許公開公報GB2336366A
【特許文献2】米国特許第6911522号
【特許文献3】米国特許第6815479号
【発明を実施するための形態】
【0010】
バイオプラスチックに或るフィラーを使用すると、バイオプラスチックの生分解性を損なうことなくその強度を増大させることができること、特に、ポリマーの剛性を損なうことなく耐衝撃抵抗および延性(ductability)が改善されること、を発見した。延性(ductability)は、応力−歪み曲線(stress strain curve)の形状によって示され、また、(破断点側の)最大ピークまでのその曲線の下の面積(領域)がその応力−歪み曲線の下の合計面積の35%よりも大きい面積である(一般的に材料が延性破損モードを有すると見なせる)場合に、そのバイオプラスチックが延性を有するという指標(indication)によって示される。これは、生分解性を損なうことなく所望の機械的特性を有するより薄いフィルムの製造を可能とするので、そのフィラーを含むそのバイオポリマーを用いてフィルムを製造するときに特に有用であること、を発見した。それは、使用後に土壌に埋め込んで堆肥にし得るごみ袋(refuse sacks:廃棄物袋)および農業用フィルムの製造に特に有用である。また、延性および減じられた脆性によってそのバイオプラスチックの破壊(splinter:分裂)が減少するような熱成形および射出成形の適用例(アプリケーション)において有用である。
【0011】
従って、本発明の一実施形態は、10乃至40重量%の被覆されたフィラーを含む(含有する)バイオプラスチックを実現するものであり、その被覆されたフィラーは、200℃に加熱して一定の重量になったときの重量減少した状態で測定した場合に1%未満の水分を含有する。
【0012】
本発明の別の実施形態では、約2.3重量%またはそれより多い重量%の、脂肪酸(fatty acid)、脂肪酸誘導体、ロジン(rosin)、ロジナート(rosinate:ロジン酸塩、ロジネート)、ポリオレフィン系の(を基材とする)ワックス、オリゴマー、および(または)ミネラル・オイル(油)、および(または)それらの組合せ、で被覆された10乃至40重量%の無機粒子を含むバイオプラスチックを実現する。
【0013】
本発明の別の実施形態では、バイオプラスチックの剛性を犠牲にすることなくバイオプラスチックの耐衝撃性(impact resistance:衝撃抵抗)を改善するために、脂肪酸、脂肪酸誘導体、ロジン、ロジナート、ポリオレフィン系の(を基材とする)ワックス、オリゴマー、およびミネラル・オイル(油)の中の1種またはそれより多くのもので被覆された無機粒子を使用する。
【0014】
本発明の別の実施形態では、溶融物(状態)からバイオポリマーの結晶化反応速度(動力学)を加速するために、脂肪酸、脂肪酸誘導体、ロジン、ロジナート、ポリオレフィン系の(を基材とする)ワックス、オリゴマー、およびミネラル・オイル(油)の中の1種またはそれより多くのもので被覆された無機粒子を使用する。
【0015】
フィラー上の被覆と少ない水分含有量の組合せが、高い強度の生分解性材料の製造を可能にするのにおよび溶融物(状態)からの結晶化を加速するのに、重要であること、を発見した。その被覆の1つの機能は、分散剤(dispersant)として作用することである。それは、溶融状態のときのバイオポリマーによって被覆が取れないようにフィラー粒子に付着する極性頭部(polar head)を有する分子であることが好ましい。また、それは、ポリマー内のフィラーの分散(dispersion)を助けるためにポリマー構造と一体化する(integrate with)実質的に非極性尾部(non polar tail)を有することが好ましい。適した分散剤の例は、脂肪酸(fatty acids)およびその誘導体(例えば、脂肪酸アミド(fatty acid amides)、および脂肪酸エステル(fatty acid esters))、またそのアルカリ金属塩(alkali metal salts)である。例えば、C10〜C22の飽和および不飽和カルボン酸(carboxylic acids)およびそのアルカリ金属塩、例えば、ステアリン酸(stearic acid)、パルミチン酸(palmitic acid)、ミリスチン酸(myristic acid)、オレイン酸(oleic acid)、リノール酸(linoleic acid)、リノレン酸(linolenic acid)、およびこれらのナトリウム塩(sodium salts)は、特に有用である。ロジン、ロジナート、およびアビエチン酸を基材とする(アビエチン酸系の)材料(materials based on abietic acid)は、使用してよいその他の適した材料である。その他の使用可能な次に好ましい被覆材料には、ポリオレフィン系の(を基材とする)ワックス(waxes)、オリゴマー(oligomers)およびミネラル・オイル、およびこれらの組合せが含まれる。
【0016】
使用される被覆の量は、バイオプラスチックの特性の改善を得るのに重要であること、を発見した。その必要な量は、バイオポリマーの性質(nature)に応じて、およびバイオプラスチックのユーザが関心を持つ特定の1つまたは複数の特性に応じて決まる(に依存する)。発明者は、ポリラクチド(polylactides)を用いる場合、その被覆が、少なくとも2.3重量%の量のフィラー材料において存在することが好ましく、最大で10.0重量%のフィラー材料の量を用いてもよいこと、を発見した。L−ポリラクチドは、典型的には、最大で約40重量%の結晶材料と、残り(残りの重量%)をアモルファス(非晶質)(材料)とすることができる。本発明で使用される被覆されたフィラーは、特にポリ乳酸において2つの作用(functions:機能)を提供すると考えられる(信じられている)。第1に、それ(フィラー)は、そのポリマーの結晶化の核となって、結晶化速度(レート)を速くし、より均一な結晶を生成することである。第2に、それ(フィラー)は、衝撃を受けたときにそのポリマーのアモルファス相(アモルファス相のポリマー)から剥離し、従って、エネルギを吸収し、割れ目(crack:クラック)の伝播(広がり)を減少させそのポリマーの脆性を小さくする一方で、材料の強度を増大させる。そのポリマーが、高い結晶化度(crystallinity:結晶性)を有するポリ−3−ヒドロキシブチレート(poly-3-hydroxy butyrate)である場合には、より少ない量の分散剤で済むかもしれない。
【0017】
好ましいフィラーは炭酸カルシウムであり、その炭酸カルシウムは沈降炭酸カルシウム(PCC)であってもよく、または重質(ground)炭酸カルシウム(GCC)であってもよい。沈降炭酸カルシウムが好ましく、その炭酸カルシウムは、針状の(acicular)形態でそのアスペクト比(長さ:幅、長さ対幅)が4より大きく、好ましくは5より大きいこと、が好ましい。重質炭酸カルシウム(GCC)のアスペクト比は、典型的には約1である。そのフィラー粒子のアスペクト比は、射出成形されたポリマー−金属複合片を用いて決定(判定)された。そのポリマーは、プラズマ・エッチングされてミネラル粒子を露出し、そのミネラル粒子は2−プロパノールを用いてその表面から除去された。その収集されたミネラル粒子は、ジョエル社(JOEL LTD.)のJEM 1200 EXII計測器を用いて、透過電子顕微鏡法(TEM)によって分析された。ディジタル画像はアドヴァンスト マイクロスコピーテクニクス社(Advanced Microscopy Techniques, Incorporated)のディジタル・カメラ・システムを用いて収集され、そのフィラー寸法はイメージプロ プラス(ImagePro Plus(登録商標))のソフトウェアを用いて測定された。各サンプル(標本)について、24枚のTEM画像を収集し分析した。次いで、平均アスペクト比の値を、粒子(アスペクト比)分布データの長い寸法と短い寸法の比(長い寸法 対 短い寸法)に適合する曲線によって導出した。
【0018】
また、その炭酸カルシウムは、PCCまたはGCCのいずれであっても、マイクロメトリックス5001セディグラフで測定して95%粒子サイズ(粒度)を有することが好ましい。特に、全粒子の90%が、そのセディグラフで測定して20ミクロン以下(僅か20ミクロン)のサイズ、より好ましくは18ミクロン以下(僅か18ミクロン)のサイズ、最も好ましくは2ミクロン以下(僅か2ミクロン)のサイズを有することが好ましい。その粒子サイズの測定は、50mlの0.2%のDAXAD溶液中に2gの被覆されてない炭酸カルシウムを用いて、セディグラフ計測器に導入する前に5分間だけ、(5の中の)3.5の電力設定で、そのスラーリ(slurry)を超音波で分解(sonicate)して、実行される。
【0019】
そのフィラーの水分含有量がそのフィラーの重量に基づいて(を基準にして)1重量%以下(1重量%位)であり、より好ましくは水の含有量はバイオポリマーの処理温度で0.5重量%より小さいことが、重要である。その水分含有量は、200℃まで加熱したときのサンプルのカール・フィッシャー(Karl Fischer)滴定によって測定される。本発明に係るバイオポリマーは、生分解性であり、堆肥にでき、水分の存在下で分解する傾向があり、その分解はバイオポリマーを処理するのに典型的に用いられる高い温度で加速(促進)される。例えば、ポリ乳酸は典型的には180℃乃至210℃の範囲内の温度で処理され、水の存在によってこれらの温度においてそのポリマーの速い生分解を生じさせることができる。
【0020】
従って、本発明の好ましい実施形態によれば、例えば脂肪酸で被覆された炭酸カルシウム(CaCO)粒子のような無機添加物(添加剤)によって、例えばポリマーの靱性(強靱性)、および例えば生分解性のまたは堆肥にできるポリラクチド(PLA)ポリマーのような特にバイオポリマーの靱性(強靱性)のような機械的特性が、ポリマーの堆肥化性能(compostablity)を妨げずに、改良される。靱性は、破壊中でのエネルギを吸収する材料の能力であり、例えばPLAのような生分解性のポリマーはその固有の低い靱性のせいで脆性がある。バイオポリマーのこの特性はその用途に制限を与えていたが、本発明の開示内容に従って無機添加物を用いて増強されたとき、バイオポリマーのその靱性は実質的にまたは充分に(大幅に)改善され、そのバイオポリマーの有用性は増強される。脂肪酸で被覆された無機添加物、例えば脂肪酸で被覆された炭酸カルシウムを用いて、バイオポリマーの靱性または耐衝撃抵抗を増強することができる。そのようなバイオポリマーは、例えば、PLA、ポリグリコナート(polyglyconate:ポリグリコナート)、ポリ(ジオキサノン)(poly(dioxanone))、ポリヒドロキシアルカノアート(polyhydroxyalkanoates)(PHA)、特に、ポリヒドロキシブチラート(polyhydroxbutyrates:ポリヒドロキシブチレート)、および(または)熱可塑性のポリマー(高分子)澱粉(例えば60%より多いアミロースを含むもの)、および(または)それらの組合せである。
【0021】
ここでバイオポリマーと称するものには、天然の再生可能な資源から生成された(derived)ポリマー、および/または一般的に堆肥にできまたは一般的に生分解性のポリマー(であるポリマー)が含まれる。バイオプラスチック材料はそれらのバイオポリマーを含んでいる。本発明によれば、バイオプラスチックの靱性の改善(改良)は、被覆材料で被覆された無機粒子を含む添加物を組み込むことによって行われる。その被覆材料は、例えば、脂肪酸、脂肪酸誘導体(例えば、脂肪酸アミド、および脂肪酸エステル)、ロジン、ロジナート、オリゴマー、ポリオレフィン系の(を基材とする)ワックス、およびミネラル・オイルの中の1種のようなものである。その無機粒子は、その無機粒子の重量当たり約2.3重量%またはそれより多い重量%の被覆レベルの被覆材料で被覆されることが好ましい。本発明によるバイオプラスチックは、改善された物理的特性(靱性、延性および/または剛性を含む)を有し、種々の製品に組み込んでもよい。その種々の製品には、自動車(automotive)、電子機器(electronics)、電気器具(appliance)のコンポーネント(構成部品)(例えば、バンパー、ダッシュボード、コンピュータ/移動(携帯)電話機ハウジング(筐体)、等)、消費者商品(消費財)(例えば、クレジット・カード材料(stock)、食器(eating utensils)、カップ、食品トレイ、ファスト・フード・コンテナ(容器、入れ物)、食器(plateware)、等)、およびパッケージ(包装)製品(例えば、食品コンテナ(容器、入れ物)、ボトル(瓶)、例えば農業用フィルムのようなフィルム、ごみ袋(refuse sacks)、等)が含まれる。
【0022】
また、本発明によって、被覆されたフィラーをバイオプラスチックに組み込むことによって、バイオポリマーの結晶化反応速度(動力学)が改善されることが分かった。より速い結晶化によって、特にPLAの成形に必要な時間がかなり長い例えば射出成形および熱成形のような処理(操作、オペレーション)の成形(モールド)サイクルをより短くできる。
【0023】
そのフィラーは、典型的には無機粒子であり、カルボナート(炭酸塩)、シリカ、カオリン(kaolin)、タルク(talc:滑石)、金属微粒子(fine metal particles)、珪灰石(wollastonite)、および(または)ガラス・マイクロスフェア(微小球)、および(または)これらの組合せの中の1種(1つ)とすることができる。好ましい一実施形態によれば、その無機粒子は、炭酸カルシウムの重量当たり約2.3乃至10重量%の範囲の被覆レベルに、C10〜C22の脂肪酸またはその誘導体で被覆された炭酸カルシウム粒子である。その炭酸カルシウムは任意のタイプ(種類)の炭酸カルシウムであることができ、それ(タイプ)は、例えば、沈降炭酸カルシウム(PCC)、重質炭酸カルシウム(GCC)、および(または)それらの混合物(ブレンド)であってもよい。
【0024】
PLAポリマーの靱性を増強するための一実施形態では、その無機添加物は、例えばPCC、GCCまたはそれらの混合物のような粒子状の形態の炭酸カルシウム添加材料であり得る。本明細書の開示内容を実現できる炭酸カルシウムの添加物の幾つかの例は、オムヤ社北米(OMYA Inc. North America)より市販されているオムヤカーブUFT製品(Omyacarb UFT product)、およびスペシャルティ ミネラルズ インコーポレイテッド(Specialty Minerals Inc.)より市販されているスーパーフィル(Superfil(登録商標))製品である。その炭酸カルシウム粒子は、例えばステアリン酸のような脂肪酸で被覆することができる。それ(ステアリン酸)は、多くの動物性および植物性の脂肪および油(オイル)に由来する飽和脂肪酸の有用なタイプ(種類)の1種である。
【0025】
上述の増強されたポリマーの調製(prepare)は、その被覆された炭酸カルシウム粒子をバイオプラスチック材料用のポリマー樹脂前駆体(precursor)に混合し(compound)、その複合材料を所望の形状(形態)に形成することによって、行うことができる。その被覆された炭酸カルシウム粒子は、2軸スクリュー押出し機(twin screw extruder)または類似装置を用いて溶融混合する(melt compound)ことによってそのポリマー樹脂前駆体に混合することができる。そのような押出し機の例は、ライストリッツ社(Leistritz Corporation)によって製造された2軸スクリュー押出し機である。PLAポリマーの靱性を増強するための添加物として、約2.3重量%、および約2.3重量%から、最大約10.0重量%(約2.3乃至約10.0重量%)の、好ましくは最大約6.0重量%(約2.3乃至約6.0重量%)の、より好ましくは最大約4.0重量%(約2.3乃至約4.0重量%)の脂肪酸を、PLAポリマーの重量当たり15乃至30重量%の充填(loading)レベルでPLAに混合することができる。
【0026】
本明細書の開示内容の方法によりミネラル粒子を被覆することによって、結果として、バイオプラスチック・システムの靱性の予期しないかなりの(significant:有意な)増大が得られた。ポリマー・システムにおけるミネラル・フィラー粒子の表面処理によって、その粒子における吸収水分を減らしそのミネラル粒子の表面エネルギを低くすることによってそのポリマーの機械的特性が幾分か改善されることが、一般的に知られている。その結果として、ポリマー・システムにおけるそのミネラル粒子の良好な分散が得られる。しかし、以前知られていた表面処理をミネラル・フィラー粒子に用いると、ポリマー・システムの靱性がほんの少しだけ増大することが観測された。
【0027】
本明細書の開示内容の方法によりミネラル粒子を被覆することによって、バイオプラスチック複合体の靱性の実質的(大幅な)増大が達成される。それは、結果として得られたポリマー複合マトリックス(母体)におけるその被覆されたミネラル粒子が、他のポリマー・システムにおける通常の表面処理されたミネラル・フィラーと比較して、より効率的に粒子とポリマーの界面において剥離すること(界面剥離)によってエネルギを吸収することによる(起因)する、と思われる。粒子とバイオポリマーの界面における剥離は、そのポリマー複合体中を伝播する割れ目(クラック)のエネルギを吸収する。これは、特に、例えば充分な量のアモルファス領域を含むPLAのようなポリマーを用いた事例で、そのようになると考えられる。
【0028】
その被覆されたフィラーを含むバイオプラスチックを処理して、従来プラスチックで形成される広い範囲の物品を製造してもよい。それらは、製造される物品の性質(nature:特質、種類)に応じて、射出成形され、押し出し成形され、熱成形され、またはブロー成形されてもよい。射出成形において、その組成物は、10乃至40重量%の被覆されたフィラー、より好ましくは15乃至30重量%の被覆されたフィラー、特に20乃至30重量%の被覆されたフィラーを含むことが好ましい。押し出し成形において、最大で40重量%の被覆されたフィラーを含む材料を使用すべきである。その材料を用いて、輸送産業、家庭用品(household goods)、パッケージ(包装)材料、および建設材料、等用の成形されたコンポーネント(構成部品)を製造してもよい。1つの特定の用途は、フィルム、特に堆肥にでき、農業用フィルムおよびごみ袋として使用し得るフィルムの製造である。ここで、本発明の添加物の使用によって、所望の機械的特性を有する薄いフィルムの製造が可能になることを、発明者は発見した。例えば、ポリ乳酸製の堆肥にできる農業用フィルムとして、所要の(必要な)機械的特性を有するものが得られてもよい。その所要の機械的特性は、例えば、フィラーなしの匹敵する(同等の)フィルムの50%未満の厚さの衝撃強度、引裂き抵抗、および延性破損である。或る幾つかの事例では、その所要の機械的特性は、1枚の未充填(フィラーのない)フィルムの厚さの30%の厚さまたは25%の厚さであっても得られることがある。これらのフィルムは、発泡(bubble expansion:泡膨張)処理、またはテンター(stenter:幅出し機、ステンター)処理によって製造されてもよい。また、それらのポリマーを熱成形して生分解性の食品トレイを製造(形成)してもよい。
【0029】
その他のポリマー・システムの処理において、通常は、処理を助けるために、種々の添加物をそのポリマーに含ませること必要がある。その例は、スリップ剤(slip agents)、帯電防止剤(antistatic agents)、および粘度調整剤(viscosity modifiers)、等である。本発明の別の利点は、本発明に係るバイオポリマーを、いかなる追加的な添加物を必要とすることなく処理してもよいことである。従って、本発明の別の実施形態では、本発明のバイオプラスチック組成は、追加的な(他の)添加物が実質的に使われていない。
【0030】
本発明を、次の例を参照して説明する。
【0031】
例1
実験室内の実験において、発明者は、PLAポリマーの靱性の改善において、脂肪酸で被覆された炭酸カルシウム添加物の有益な効果を示す(実証する)ことができた。特に、室温および低温での衝撃靱性の改善、およびPLAの剛性の改善が示された(実証された)。
【0032】
PLAポリマーの特性は、PLAを含む立体異性体(stereoisomer)の比率を制御(調製)することによって制御することができる。例えば、約15モル(mole)%より多いモル%(比率)のD−ラクチドまたはメソ−ラクチドのいずれか(either:いずれも)と共に主に(主要成分の、大部分)L体(L−ラクチド)を重合化することによって、アモルファスのPLAのランダム(無秩序)コポリマーが生成される。一方、L体の乳酸を重合化することによって、最大40%またはそれより高い割合の結晶度を有する半結晶性ポリマーであるポリ−L−ラクチド(PLLA)が生じる。
【0033】
発明者は、多数の異なる炭酸カルシウム・ベースの(炭酸カルシウム系の、炭酸カルシウムを基材とする)添加物を使用し、それらをステアリン酸で被覆して、PLLAポリマーのサンプル(標本)に混合して、PLAの機械的特性に対するステアリン酸で被覆された炭酸カルシウムの有益な効果を確認した。開始物質として使用された特定の炭酸カルシウム添加物のサンプルは、スペシャルティ ミネラルズ インコーポレイテッドのエムフォース バイオ(EMforce(登録商標)Bio)、スーパーフィル(Superfil(登録商標))、オムヤ社(OMYA Inc.)のオムヤカーブUFT(Omyacarb UFT)、および50:50の比率で混合したエムフォース バイオ(EMforce(登録商標)Bio)とスーパーフィル(Superfil(登録商標))であった。スペシャルティ ミネラルズ インコーポレイテッドのエムフォース バイオ(EMforce(登録商標)Bio)は、製造された2.7重量%より多い重量%の脂肪酸で被覆された工業用(engineered)炭酸カルシウム・フィラー添加物であり、バイオポリマーを強化(補強)するよう意図されたものである。その他の炭酸カルシウム添加物のサンプルは、実験室用ヘンシェル(Henschel)混合機(ミキサ)を用いてそれぞれ被覆レベル濃度(0.0乃至4.0重量%)に被覆された。各炭酸カルシウム添加物質は、約25重量%レベルの目標濃度でPLLA樹脂に混合された。
【0034】
炭酸カルシウム添加物のPLLAへの混合は、2軸スクリュー押出し機を用いて溶融混合することによって実行できる。この例では、L/D比40、直径27mm、10個の独立した加熱ゾーンを有するライストリッツ社の2軸スクリュー押出し機を用いて、全ての配合物(formulations)を混合した。その押出し機を同速回転モード(co-rotating mode)で動作させて、PLLA中で確実に炭酸カルシウムを良好に分散させた。PLLA樹脂を、K−トロン社(K−TRON)のホッパ供給式のロス・オン・ウェイト・フィーダ(loss on weight feeder:重量検出方式連続定量供給フィーダ)を用いて、その押出し機の供給口に(周囲温度で)注入した。全てのフィラーは、K−トロン社のロス・オン・ウェイト・フィーダを介して押出し機のゾーン5中へと側部(横方向)から供給された。
【0035】
エムフォース バイオ(EMforce(登録商標)Bio)材料は、スペシャルティ ミネラルズ インコーポレイテッドの製造設備で製造されたものであり、製造品として3.3重量%の被覆レベルを有し、0.5重量%より低い水分含有率を有する。その他の炭酸カルシウム添加物のサンプルは実験室で合計3.3重量%の被覆レベルに調製(調合)された。エムフォース バイオ(EMforce(登録商標)Bio)は、他のフィラーと比較して、最大の衝撃/剛性バランスを形成したが、3.3重量%被覆レベルにおいて、全てのフィラー(オムヤ社のUFT製品を含めて)は、PLLAの靱性を同様に増大させた。50:50の比率で混合したエムフォース バイオ(EMforce(登録商標)Bio)とスーパーフィル(Superfil(登録商標))は、その2つの純粋な成分の間の中間の特性を形成したものであり、潜在的な低廉化された製品としての“次世代の”エムフォース バイオ(EMforce(登録商標)Bio)(EMforce(登録商標)Bio)製品として有望なオプション(選択肢)である。3.3重量%の脂肪酸をPLLA樹脂に炭酸カルシウム添加物なしで加えると、未充填(フィラーなし)の樹脂と比較して、機械的特性が改善されなかった。
【0036】
その炭酸カルシウム添加物は、20、25および30重量%の目標濃度で同速回転モードで動作するライストリッツ社の27mmの2軸スクリュー押出し機上でPLLA(ネイチャーワークス(Natureworks)4042D)に溶融混合された。また、3.3重量%の脂肪酸も、PLLAと混合されて、その脂肪酸だけでPLLAの靱性が改善されたかどうかが判定された。アルバーグ社(Argburg)の88トンのオールラウンダ・マシン上で射出成形する前に、複合サンプルを、ステアリン酸アルミニウムのブロッキング防止剤でまぶした(dusted with:全体的に付着した)。機械的試験を行う前に3日間、テスト(試験用)試料(specimens)は、制御された温度および湿度環境(23℃、50%R.H.(相対湿度))で、調製された。
【0037】
この研究において使用された炭酸カルシウムの粒子サイズ分布は、テーブル1に示されており、図1にプロットで示されている。プロットされたサンプルは、3.3重量%レベルにステアリン酸で被覆されたスーパーフィル(Superfil(登録商標))の炭酸カルシウム11;3.3重量%レベルにステアリン酸で被覆されたUFT炭酸カルシウム12;製造された3.3重量%被覆レベルを有するエムフォース バイオ(EMforce(登録商標)Bio)(パレット(Pallet)#12)13;および50/50混合のエムフォース バイオ(EMforce(登録商標)Bio)/スーパーフィル(Superfil(登録商標))14である。スーパーフィル(Superfil(登録商標))11は最大の最大サイズと中央値(median:メジアン)粒子サイズを有し、エムフォース バイオ(EMforce(登録商標)Bio)13は最小の最大サイズと中央値粒子サイズを有していた。
【0038】
【表1】

【0039】
図2は、23℃(室温)で測定された種々のポリマー・サンプルの曲げ弾性率(flexural modulus)を示している。上述のように、PLLA樹脂サンプルは、目標濃度20、25および30重量%まで炭酸カルシウムと混合された。図示されたそれぞれの線プロットは、スーパーフィル(Superfil(登録商標))(3.3重量%の被覆レベル)を充填したPLLA21;UFT(3.3重量%の被覆レベル)を充填したPLLA22;エムフォース バイオ(EMforce(登録商標)Bio)(3.3重量%の被覆レベル)を充填したPLLA23;50/50混合のエムフォース バイオ(EMforce(登録商標)Bio)/スーパーフィル(Superfil(登録商標))混合物(3.3重量%の被覆レベル)を充填したPLLA24である。さらに、未充填のPLLA比較対照(コントロール)25、およびほんの3.3重量%(ポリマー複合物の合計重量に基づく(を基準とする))のステアリン酸を有するPLLA26の各比較参照(コントロール)サンプルを、調製して測定した。その2つの比較参照サンプルは炭酸カルシウムが充填されていないので、それらの添加物濃度レベルは0.0重量%である。全ての炭酸カルシウム添加物は、未充填のPLLA25およびステアリン酸−PLLA樹脂混合物26と比較して、曲げ弾性率をかなり(有意に)増大させた。エムフォース バイオ(EMforce(登録商標)Bio)を充填したPLLA23は、曲げ弾性率に最大の増加を生じさせた。スーパーフィル(Superfil(登録商標))を充填したPLLA21は、複合物質を含む全ての炭酸カルシウムの曲げ弾性率に最小の増大を生じさせた。50/50のエムフォース バイオ(EMforce(登録商標)Bio)/スーパーフィル(Superfil(登録商標))混合物24は、予期した通りの中間の結果を生じさせた。
【0040】
図3は、23℃(室温)におけるダイナタップ(Dynatup)の多軸衝撃エネルギの結果を示している。エムフォース バイオ(EMforce(登録商標)Bio)を充填したPLLA複合物質33は、その他の炭酸カルシウムを充填したPLLA複合物質31および34と比較して室温での最大の靱性を形成した。但し、同等の(匹敵する)靱性を有する30重量%の充填量のUFTを充填したPLLA32の場合を除く。以前の研究では、PLLA複合物質の靱性を実質的に(充分、大幅に)増大させるには、未充填の比較参照PLLA35と比較して、最低限20重量%のエムフォース バイオ(EMforce(登録商標)Bio)が必要であることが示された。最大の靱性は、約25重量%のエムフォース バイオ(EMforce(登録商標)Bio)を充填して達成され、その靱性は30重量%より上で減少し始める。これと同じ傾向が、スーパーフィル(Superfil(登録商標))を充填したPLLA31およびエムフォース バイオ(EMforce(登録商標)Bio)/スーパーフィル(Superfil(登録商標))混合物34について、観測される。
【0041】
図4は、0℃におけるダイナタップ(Dynatup)の多軸衝撃エネルギの結果を示している。全てのPLLA複合物質は、脆性モードで破損(障害)を起こした(またはほぼ全ての脆性の破損(障害)、テーブル2参照)。この場合、スーパーフィル(Superfil(登録商標))を充填したPLLA41は、最大の靱性を生じさせ、UFTを充填したPLLA42が30重量%濃度でそれと一致(マッチ)した。これは、最小の表面積を有するスーパーフィル(Superfil(登録商標))の表面積被覆レベル効果に起因すると思われる。スーパーフィル(Superfil(登録商標))製品のより小さい表面積は、より大きい表面積の粒子と比較して、粒子をカプセル化(encapsulaet:封入)するのに必要なステアリン酸分子がより少なくなるであろう。これによって、スーパーフィル(Superfil(登録商標))粒子の回りにより厚い(濃い)被覆レベルを形成することが、期待されるであろう。ネイチャーワークス4032DのPLLAにおける以前の研究では、エムフォース バイオ(EMforce(登録商標)Bio)が、PLLAの0℃の衝撃エネルギを大きく増大させることができ、約3.5重量%またはそれより大きい重量%の被覆レベル濃度で延性破損(障害)機構を生じさせることが示された。
【0042】
また、テーブル2は、熱たわみ温度(heat deflection temperature:荷重たわみ温度、熱変形温度)(“HDT”)のデータを含んでいる。この研究において検査した全ての各濃度の全てのミネラル・フィラーは、PLLAのHDTを増大させる効果を持たなかった。ミネラル・フィラーが存在しないときのステアリン酸の添加は、PLLAのDHTのかなりの(有意な)減少を示した。
【0043】
【表2】

【0044】
図5は、ポリマーのサンプルに対して行われた室温の切欠き(ノッチ付き)アイゾッド衝撃試験(notched Izod impact test)の結果を示している。ステアリン酸を被覆した炭酸カルシウムを充填した全てのPLLA複合物質は、未充填およびステアリン酸−PLLA比較参照サンプルよりも僅かに良好であり、互いに類似していた。図示されたプロット線は、スーパーフィル(Superfil(登録商標))を充填したPLLA51、UFTを充填したPLLA52、エムフォース バイオ(EMforce(登録商標)Bio)を充填したPLLA53、50/50混合のエムフォース バイオ(EMforce(登録商標)Bio)/スーパーフィル(Superfil(登録商標))混合物を充填したPLLA54、未充填のPLLA比較参照サンプル55、およびステアリン酸を有するPLLA比較参照サンプル56である。
【0045】
上述の実験では、3.3重量%の被覆レベルにおいて、2.7重量%の被覆レベルで達成された性能に対して(と比較して)、例えば衝撃靱性のようなPLLAの機械的特性上の更なる改善は観測されない。
【0046】
例2
図6は、最適な被覆レベルを決定するための、被覆されていないエムフォース バイオ(EMforce(登録商標)Bio)の炭酸カルシウム前駆体粒子に関する被覆レベルの研究の結果を示している。種々の被覆レベルの炭酸カルシウム粒子と混合されたポリマー樹脂から調製されたPLAのサンプルについて、落下衝撃試験エネルギ(falling weight impact energy)を測定した。炭酸カルシウム前駆体サンプルを、各被覆レベル濃度(0.0乃至4.0重量%)に対して実験室用ヘンシェル(Henschel)混合機(ミキサ)を用いて乾燥被覆(dry-coated)した。但し、被覆処理は、乾燥被覆処理に限定されるものではない。湿潤(液状)被覆処理を用いることもできる。各炭酸カルシウム材料を目標濃度25重量%のPLLAに混合した。この試験における靱性の測定(値)は落下重量である。図6の結果のプロットは、PLLAの衝撃靱性を改善するのに必要な最小被覆レベルを実証する古典的な“S字状”曲線60を示している。“S字状曲線”の急勾配の部分62から、 PLLA複合物質の衝撃靱性を大幅に約25フィート・ポンド(ft.lbs.)(約3.5mkg)またはそれより良好な値に改善するのに必要な最小被覆量約2.3重量%が推定される。テーブル3A〜3Cは、図6のプロットの基礎データを示している。
【0047】
【表3A】

【0048】
【表3B】

【0049】
【表3C】

【0050】
注記:全てのサンプルを、2.3kg(5ポンド)のバッチ(単位の束)でアニールせずに評価した。
【0051】
上述のデータによれば、室温において、脆性−延性の間の遷移が約2.0重量%の被覆レベルより高いレベルで生じる。落下重量破損(破壊)では、約2.5重量%より高い全ての値において延性が残り、有益な効果が室温での適用例において約3.0重量%より幾分高い所で平らになると思われる。この遷移点は、試験条件が変化した場合には変化する可能性が最も高い。従って、少なくとも室温の適用例では、PLAポリマー・システムにおいて、被覆レベルを、被覆量を最小にするために約2.3乃至4.0重量%の範囲内に制御することができる。図6の曲線に示されているように、ダイナタップ(Dynatup)の落下(低下)エネルギは、約2.0重量%の被覆レベルより高いレベルで改善し始め、別の好ましい実施形態では被覆レベルを約2.5乃至4.0重量%の範囲内に制御することができる。衝撃速さが高ければ高いほど、または温度が低ければ低いほど、延性破損(破壊)を生じるのにより高い被覆レベルが必要になるにちがいない。0(ゼロ)℃の試験温度において延性を生じさせるには、3.5重量%より高い被覆レベルが必要である、と思われる。
【0052】
切欠きアイゾッド衝撃強度は、被覆レベルに対して線形に増大した。被覆レベルが増大するにしたがって、引張係数(tensile modulus)が増大する間に、曲げ弾性率は被覆レベルによる影響を受けなかった。その理由は、被覆が、フィラーとポリマーの間の接着力を減少させるからである。引っ張り応力を加えると、フィラー粒子がポリマーから抜け出す(pull out)のがより容易になる。また、被覆レベルが増加するにしたがって引っ張り応力が減少することに留意されたい。その抜け出す力は、曲げ試験におけるものより低く、従って、曲げ弾性率は影響を受けない。
【0053】
PLLA樹脂の衝撃靱性を確実に改善するには、約3.0乃至4.0重量%の被覆レベルが好ましい被覆の範囲である、と思われる。衝撃靱性バランス(均衡)は、被覆レベルが増大するにしたがって改善されるが、引張り力および引張り係数とトレードオフ(妥協、得失)の関係にある。
【0054】
本明細書の開示内容の被覆された炭酸カルシウムのフィラーを用いることによって、PLA樹脂の靱性を、未充填の樹脂の靱性の10倍も改善することができる。炭酸カルシウム・フィラー用の被覆材料としてのステアリン酸は、一例に過ぎず、他の脂肪酸被覆でもその樹脂の靱性の同様の改善が得られることが予期されるであろう。
【0055】
例3
可変(異なる)量の被覆された炭酸カルシウムを含む可変(異なる)厚さのPLAの試験ストリップ(細長い片)を、可変間隙ダイ(die)および可変速ストリップ・プラー(strip puller)と共に単軸スクリュー押出し機を用いてバラベンダー・インテリトルク(Brabender Intellitorque)上で生成した。その機械的特性は、23℃でガードナー(Gardner)の衝撃試験およびエルメンドルフの引裂き(破断)(Elmendorf Tear)試験を用いて、測定した。その結果が、図8および9に示されており、フィラーがガードナーの耐衝撃性においてかなりの(有意な)増大を有することを示している。図8は、変化する量の被覆されたフィラーを含むPLAのサンプルに破損を生じさせるのに必要な平均落下(低下)高さを示している。
【0056】
図9は、被覆されたフィラーを含むPLAの種々のサンプルのエルメンドルフの引裂き試験による引裂き(裂傷)を伝播させるのに必要な力を示しており、充填されたサンプルにおける引裂き強度のかなりの(significant:有意な)増大を示している。
【0057】
その材料のアスペクト比分布は、先に文で説明し図7に示したように、TEMマイクログラフによって測定された。
【0058】
例4
被覆された添加物を含むPLAを、例1の場合と同様に調製した。試験ストリップは、目標厚さ4ミリインチ(mil)(0.102mm)、9ミリインチ(mil)(0.229mm)、および15ミリインチ(mil)(0.381mm)を有する例3のものと同様に、生成された。
【0059】
図10には、試験ストリップのガードナー(Gardner)の衝撃強度が示されている。図11には、エルメンドルフ(Elmendorf)の引裂き(破断)強度が示されている。これらの図は、添加物が存在しない場合に経験的に靱性が減少するのに対して、添加物の存在によって、シート厚さが増大するに従って靱性が増大することを示している。ガードナー(Gardner)の衝撃強度の増大によって、同等の機械的特性を達成するための厚さが3乃至4倍(回)だけ減少させることができる。
【0060】
例5
種々の量のフィラーを含む例1において設定したプロセス(処理、方法)によって得られた化合物(複合物)は、アルバーグ社(Arburg)のオールラウンダ(Allrounder)370c射出成形機で射出成形して、ASTM(規格)に適合するサンプルが生成された。
【0061】
図12には、各サンプルの曲げ弾性率が示されている。図13には、インストロン社(Instron Corporation)のダイナタップ(Dyanatup)9250HVの計測機器を備えた多軸衝撃テスタ(試験装置)によって測定された室温での多軸衝撃合計破壊(fracture)エネルギが示されており、15重量%乃至35重量%の被覆されたフィラーを使用したときに達成される破壊に必要な衝撃エネルギおよび延性(ductability)の改善が示されている。
【0062】
これらの図は、添加物によってポリラクチドの靱性および剛性がかなり(有意に)改善されたことを示し、さらに、添加物の添加によって脆性破損が延性破損に変換されたことを示している。
【0063】
例6
種々の温度における30重量%のエムフォース バイオ(EMforce(登録商標)Bio)を含むPLAのサンプルの結晶化反応速度を、未充填のPLAサンプルと比較した。
【0064】
図14には、微分(差分)走査熱測定(calorymetry)によって測定された溶融状態からの半結晶化時間(crystallisation half time)およびその結果が示されており、溶融状態からの半結晶化時間のかなりの(有意な)減少が本発明によって達成できることを示している。
【0065】
例7
図15には、ダイニスコ社(Dynisco lncorpoated)のLCR7001のキャピラリー(capillary)レオメータ(rheometer)を用いて測定された0、10、15、20、25、30および40重量%のエムフォース バイオ(EMforce(登録商標)Bio)を含むPLAの溶融(melt:融解)粘度(viscosity:粘着性)およびその結果が示されており、添加物によって溶融粘度がかなり(有意に)減少することを示している。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1。
【図2】図2。
【図3】図3。
【図4】図4。
【図5】図5。
【図6】図6。
【図7】図7。
【図8】図8。
【図9】図9。
【図10】図10。
【図11】図11。
【図12】図12。
【図13】図13。
【図14】図14。
【図15】図15。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
10乃至40重量%の被覆された無機粒子を含むバイオポリマーを含むバイオプラスチック組成物であって、
前記粒子は、前記粒子の重量を基準にして約2.3重量%以上の量の、脂肪酸、脂肪酸誘導体、ロジン、ロジンナート、ポリオレフィン系ワックス、オリゴマーおよびミネラル・オイル、およびこれらの組合せの中の1種以上で被覆されたものである、バイオプラスチック組成物。
【請求項2】
10乃至40重量%のフィラーを含むバイオプラスチック組成物であって、
前記フィラーは分散剤で被覆された無機粒子からなり、
前記フィラーは200℃で1重量%未満の水を含む分散剤で被覆されているものである、バイオプラスチック組成物。
【請求項3】
前記被覆材料がステアリン酸またはその誘導体である、請求項1または2に記載のバイオプラスチック組成物。
【請求項4】
前記無機粒子が炭酸カルシウムからなる、請求項1乃至3のいずれかに記載のバイオプラスチック組成物。
【請求項5】
前記炭酸カルシウム粒子が、沈降炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、およびそれらの混合物からなる群から選択されたものである、請求項4に記載のバイオプラスチック組成物。
【請求項6】
前記無機粒子は、ポリカーボナート、シリカ、カオリン、タルク、珪灰石、金属微粒子、ガラス・マイクロスフェアおよびこれらの組合せの中の1種を含むものである、請求項1乃至5のいずれかに記載のバイオプラスチック組成物。
【請求項7】
被覆レベルが約2.3乃至10.0重量%の範囲にある、請求項1乃至6のいずれかに記載のバイオプラスチック組成物。
【請求項8】
被覆レベルが約2.3乃至4.0重量%の範囲にある、請求項7に記載のバイオプラスチック組成物。
【請求項9】
前記バイオポリマーがポリラクチドである、請求項1乃至8のいずれかに記載のバイオプラスチック組成物。
【請求項10】
前記バイオポリマーが、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコナート、ポリ(ジオキサノン)、ポリヒドロキシアルカノアート(PHA)、高分子の澱粉ポリマー樹脂、およびこれらの組合せの中から選択されるものである、請求項1乃至9のいずれかに記載のバイオプラスチック組成物。
【請求項11】
前記フィラーが、4より大きいアスペクト比を有する針状形態の沈降炭酸カルシウムである、請求項1乃至10のいずれかに記載のバイオプラスチック組成物。
【請求項12】
前記アスペクト比が5より大きい、請求項11に記載のバイオプラスチック組成物。
【請求項13】
前記フィラーは炭酸カルシウムであり、前記粒子の少なくとも90%が20μm以下の大きさを有する、請求項1乃至12のいずれかに記載のバイオプラスチック組成物。
【請求項14】
前記粒子の少なくとも90%が18μm以下の大きさを有する、請求項13に記載のバイオプラスチック組成物。
【請求項15】
前記粒子の少なくとも90%が2μm以下の大きさを有する、請求項13または14に記載のバイオプラスチック組成物。
【請求項16】
実質的に他の添加物がない、請求項1乃至14のいずれかに記載のバイオプラスチック組成物。
【請求項17】
請求項1乃至16のいずれかに記載のバイオプラスチックを含む自動車部品。
【請求項18】
請求項1乃至16のいずれかに記載のバイオプラスチックを含む家庭用電気器具部品。
【請求項19】
請求項1乃至16のいずれかに記載のバイオプラスチックを含む電子機器部品。
【請求項20】
請求項1乃至16のいずれかに記載のバイオプラスチックを含む消費者商品。
【請求項21】
請求項1乃至16のいずれかに記載のバイオポリマー(バイオプラスチック)を含む包装用製品。
【請求項22】
請求項21に記載の食品トレイおよび容器。
【請求項23】
請求項1乃至16のいずれかに記載のバイオプラスチックを含むフィルムおよび袋。
【請求項24】
農業マルチング・フィルムからなる請求項23に記載のフィルム。
【請求項25】
請求項1乃至16のいずれかに記載のバイオプラスチックを含むごみ袋。
【請求項26】
バイオプラスチックの靱性を増大させる方法であって、
樹脂の形態のバイオポリマーを供給し、
前記バイオポリマー樹脂に、約2.3重量%以上の被覆レベルの被覆材料で被覆された無機添加粒子を混合し、
前記被覆材料は、脂肪酸、脂肪酸誘導体、ロジン、ロジナート、ポリオレフィン系ワックス、オリゴマーおよびミネラル・オイル、およびこれらの組合せの中から選択されるものである、方法。
【請求項27】
前記無機添加粒子が炭酸カルシウム粒子である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記炭酸カルシウム粒子が、沈降炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、およびそれらの混合物からなる群から選択されたものである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記被覆材料がステアリン酸またはその誘導体である、請求項26乃至28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記被覆レベルが約2.3乃至10.0重量%の範囲にある、請求項26乃至29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記被覆レベルが約2.3乃至4.0重量%の範囲にある、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記被覆無機添加粒子が200℃で1重量%未満の水分を含む、請求項26乃至31のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
前記バイオポリマーがポリラクチドである、請求項26乃至32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
前記混合された材料が射出成形または押出し成形によって処理される、請求項26乃至33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記材料が押出し成形されてフィルムを形成する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記混合された材料が180℃乃至210℃の範囲の温度で処理される、請求項32乃至35のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
前記材料が熱成形される、請求項26乃至36のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
バイオプラスチックの靱性および延性を改善するために、脂肪酸、脂肪酸誘導体、ロジン、ロジナート、ポリオレフィン系ワックス、オリゴマーおよびミネラル・オイル、およびこれらの組合せの中の1種以上のもので被覆された無機粒子の使用。
【請求項39】
前記被覆された無機粒子および前記バイオポリマーの組合せ(合計)重量を基準として10乃至40重量%の範囲にある前記無機粒子の請求項38に記載の使用。
【請求項40】
前記被覆された無機粒子および前記バイオポリマーの組合せ(合計)重量を基準として被覆された2.3乃至10重量%の前記無機粒子の請求項38または39の使用。
【請求項41】
前記無機粒子が炭酸カルシウムからなり、前記被覆がC10乃至C22の脂肪酸またはその誘導体からなる、請求項38乃至40のいずれかに記載の使用。
【請求項42】
前記炭酸カルシウムが、4より大きいアスペクト比を有する針状形態の沈降炭酸カルシウムである、請求項41に記載の使用。
【請求項43】
前記炭酸カルシウム粒子の少なくとも90%が20μm以下の大きさを有する、請求項41または42に記載の使用。
【請求項44】
前記炭酸カルシウム粒子の少なくとも90%が2μm以下の大きさを有する、請求項43に記載の使用。
【請求項45】
前記被覆された無機粒子が200℃で1重量%未満の水分含有量を有する、請求項38乃至44のいずれかに記載の使用。
【請求項46】
バイオポリマーの溶融状態からの結晶化を促進するために、脂肪酸、脂肪酸誘導体、ロジン、ロジナート、ポリオレフィン系ワックス、オリゴマーおよびミネラル・オイル、およびこれらの組合せの中の1種以上で被覆された無機粒子の使用。
【請求項47】
前記被覆された無機粒子および前記バイオポリマーの組合せ(合計)重量を基準として10乃至40重量%の前記無機粒子の請求項46に記載の使用。
【請求項48】
前記被覆された無機粒子および前記バイオポリマーの組合せ(合計)重量を基準として被覆された2.3乃至10重量%の前記無機粒子の請求項46または47に記載の使用。
【請求項49】
前記無機粒子が炭酸カルシウムからなり、前記被覆がC10乃至C22の脂肪酸またはその誘導体からなる、請求項38乃至48のいずれかに記載の使用。
【請求項50】
前記炭酸カルシウムが、4より大きいアスペクト比を有する針状の形態の沈降炭酸カルシウムである、請求項49に記載の使用。
【請求項51】
前記炭酸カルシウム粒子の少なくとも90%が20μm以下の大きさを有する、請求項49または50に記載の使用。
【請求項52】
前記炭酸カルシウム粒子の少なくとも90%が2μm以下の大きさを有する、請求項51に記載の使用。
【請求項53】
前記被覆された無機粒子が200℃で1重量%未満の水分含有量を有する、請求項46乃至52のいずれかに記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2011−510106(P2011−510106A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538950(P2010−538950)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【国際出願番号】PCT/IB2008/003774
【国際公開番号】WO2009/077860
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(502159859)スペシャルティ ミネラルズ (ミシガン) インコーポレーテツド (6)
【Fターム(参考)】