説明

ポリマーフィルムで製造された内部包装材を有するタバコ用包装

本発明は、少なくとも1種の脂肪族ヒドロキシカルボン酸からなる70〜100重量%のポリマーを含む単層または多層の二軸延伸フィルムに関し、該フィルムは、タバコのパッケージのインナーライナーの形態で用いられる。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は、少なくとも1種の外装と、タバコのための内部包装材とを含むタバコ用包装に関する。さらに本発明は、インナーライナーに関する。
従来、タバコ用包装は、包装内容物、すなわち一揃いのタバコが内部包装材で取り巻かれるようにして形成されている。従来技術において、このような内部包装材は、アルミニウム箔のカットシート、アルミニウムと紙とのラミネート、または、1枚の金属化紙からなる。この内部包装材は、インプリント加工されるか、または、エンボス加工されることが多い。初期のカットシートは、今日では慣習的に紙で製造された内部包装材で代用されている。このような内部包装材は、必要に応じて外側へのエンボス加工と併用して、インプリント加工されるか、または、金属化されることが多い。
【0002】
このような包装を製造する場合、この内部包装材(いわゆるインナーライナー)でタバコを包装し、包装された一揃いのタバコを、包装機で、外装、例えばフリップトップ式の上蓋を有する包装または紙ラベルを用いて折り込む。
【0003】
このようなインナーライナーは、印刷紙、金属化紙、またはその他の薄層状の材料からなるものがある。これらの材料は、包装機でロールから引張られ、適切な長さに切断される。必要に応じてミシン目を選択的に作製し、標的の切り離し部位を作り、それにより、包装を最初に開けた際にインナーライナーの選択されたところが破れるようにすることができる。
【0004】
紙および金属のフィルムは、その折り畳み特性と引裂特性のために特に有利である。このタイプの使用において、材料ストリップは、外装が所定位置に置かれる時まで、包装されるタバコの束がしっかり保持されるように安定して包装されるような優れた折り畳み特性(デッドフォールド)の特徴を有していなければならない。さらに、ライナーの開封が確実に制御されるためには、引裂きの挙動が重要な役割を果たす。最後に、材料の引裂かれた部分が巻上がることにより取り扱いの邪魔にならないように、切断部が優れた平面性を示していなければならない。
【0005】
この一連の特性は、紙および金属化紙で十分に満たされる。熱可塑性ポリマーで製造されたフィルムは、本質的に低い折り畳み特性を有するため、この用途において一般的に適切な材料ではない。その上、小さい断片にした形態のプラスチックフィルムは巻き上がる傾向があり、すなわちこれらのカットは、フィルムストリップの長さ全体に沿って、またはそれら全体にわたって、そのものが巻き上がる。
【0006】
それにもかかわらずプラスチックフィルムは、環境面の視点からだけでなく、コストに関しても紙を超える利点を有することが多いため、様々な用途で紙を置き換えることは、フィルムの製造元に絶えず課された要望である。
【0007】
従って、本発明は、この用途の要求を満たすタバコ用包装のインナーライナーとしての使用に適したフィルムを利用可能にするという課題が基礎になっている。
この課題は、タバコ用包装のインナーライナーとして、フィルムに70〜100重量%の少なくとも1種の脂肪族ヒドロキシカルボン酸で製造されたポリマーが含まれるような単層または多層の二軸延伸フィルムを使用することによって解決される。
【0008】
本発明は、特にフリップトップ式パック、および、軟包装に使用される。ポリヒドロキシカルボン酸フィルム、好ましくはPSAフィルムで製造されたインナーライナーは、フリップトップ式パックに特に適している。これらのカートンは従来、薄い厚紙からなる。カートンの一部分は、ポリヒドロキシカルボン酸またはPSAで製造された内部包装材を折り畳むことによって全ての面が取り巻かれた包装内容物、すなわち一揃いのタバコを取り出すのに役立つ。カートンの背面には蓋が配置されており、この蓋は、折り目を覆ってカートンに接着される。フリップトップ式パックの実施態様のさらなる詳細は既知であり、例えばDE4333462で説明されている(その説明を参照により本明細書に含める)。
【0009】
包装内容物である一揃いのタバコは、全ての面が本発明に係る内部包装材で取り巻かれる。このようにして得られた包装内容物としての単位が、一組のタバコである。本発明によれば、このようなタバコのブロックを製造するために、タバコの包装材に、ポリヒドロキシカルボン酸で製造されたフィルム、好ましくはPLAフィルムが導入される。
【0010】
上記フィルムは、この目的に適した幅に切断され、包装機で一つの連としてロールから引張られ、適切な長さに切断される。切断の形状は、使用予定の折り畳みのタイプに依存する。例えば、一揃いのタバコの周りに、面の折り畳み方式に従って設計されたフィルムのカットを置く。連続的に閉じた底面に、正面と背面とを連結させる。上部端の壁面を同様に折り畳んで形成し、内部に向いた角と台形の端部が形成されるようにする。
【0011】
さらなる実施態様において、上部の領域の内部包装材には、引張って取り除くタイプの帯、いわゆるフラップが備えられていてもよい。この目的のために、穴を開けたライン、または、その他の種類の強度を低くしたラインが切断物の全幅にわたり作製される。まずパッケージを開封したら、引張って取り除くタイプの帯の外側に出ている端部を掴むことによって、その帯が取り外される。
【0012】
このような切断物は、一般的に、切断物が縦方向に置かれるように材料ストリップから分離される。材料ストリップは必要に応じて表面に印刷が施されていてもよく、ここで、材料の長さに沿った方向に印刷の途切れが配置されることが有利である。切断物を分割するために、フィルムの縦方向にわたってクロスカットが施される。分割ラインの正確な位置決定は、印刷機のインプリント加工によって印刷されたマークを制御することによって行うことができる。
【0013】
あるいは、このような切断物は、フィルムのストリップ幅と切断物の長さとを対応させることによって形成してもよい。この配置の場合、切断物は、材料ストリップの長さ方向に垂直に並置される。このような場合において、材料ストリップとして、具体的には様々な幅を有し両面に印刷が施された連続したストリップが提供される。
【0014】
インナーライナーの切断および折り畳み技術、切断物をインプリントするための単位、および、さらなる詳細は従来技術において既知であり、例えばDE20120977、または、DE4333462、または、DE2511241で説明されている(これらは参照により本明細書に含める)。
【0015】
一般的に、上述したようにして形成されたインナーライナーを備えた包装は、フィルム、具体的にはポリプロピレンフィルムまたはセロハンで製造された外装材がさらに備えられる。
【0016】
本発明によれば、インナーライナーは、二軸延伸フィルムで製造され、このようなフィルムは、単層を特徴とするものでもよいし、または多層を特徴とするものでもよい。このようなフィルムの主成分は、少なくとも1種の脂肪族ヒドロキシカルボン酸で製造されたポリマーである。一般的に、このようなフィルムは、少なくとも70〜100%の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸で製造されたポリマー、好ましくはPSAを含む。いずれの場合においてもフィルム重量に対して80〜99重量%、好ましくは85〜95重量%の上記ポリマーで製造された実施態様が好ましい。
【0017】
驚くべきことに、ポリヒドロキシカルボン酸で製造されたフィルム、好ましくはPLAは、インナーライナーとしての使用に関して優れている。このようなフィルムは、固着するとタバコの束を所定位置にしっかり固定することが見出された。現状においてこのようなフィルムは、包装機で取り扱う際に破断を示す。我々は、その切断物が、驚くべきことに全くではないがほとんど巻き上がらなかったため、他の熱可塑性物質のフィルムの問題を回避できることを見出した。さらに、このようなフィルムを用いることによって、天候が不安定な状況下でも優れた安定な作業性が得られるため、このようなフィルムは特に有利である。このようなフィルムおよびその特性は、紙と比較して、不安定な温度または不安定な湿度の影響をほとんど受けず、そのインナーライナーとしての使用にも影響を受けず、常に一定して良好に取り扱うことができることが示された。
【0018】
脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸で製造された単層および多層フィルムはいずれも、本発明に係る使用に適している。多層フィルムは厚い基層から形成され、このような基層は、一般的に、最も大きい層厚さを占めることを特徴とし、フィルム総厚さの60%以上100%未満を構成する。この基層には、1つまたは複数の上層が提供され、好ましくは両面に提供されるが、必要に応じて片面だけでもよい。さらなる実施態様において、追加の中間層、または、多層フィルム外面のコーティングが存在してもよく、それにより、4または5層の、コーティングされた、または、コーティングされていないフィルムが得られる。上層の厚さは、一般的に0.5〜10μmの範囲であり、好ましくは0.5〜6μm、具体的には1〜3μmの範囲である。本発明に係るフィルムの総厚さは、20〜100μmの範囲であり、好ましくは25〜80μm、具体的には30〜60μmの範囲である。上層は、フィルムの外層に形成される層である。中間層は、当然ながら基層と上層との間に配置される層である。以下のフィルムの層に関する実施態様は、単層フィルムの実施態様と同じ方法で同様に実施されるとみなされる。
【0019】
驚くべきことに、本発明に係るインナーライナーとして使用するには、最小限の厚さが20μmのフィルムが特に有利である。フィルムの厚さが20μm未満の場合、機械でつまりが生じる。驚くべきことに、薄膜が、本発明に係る使用においてさらにより優れて機能することが見出された。フィルム厚さが厚すぎると、フィルムは、元に戻ろうとする力が大きくなり、外部のフリップトップ式パックが適用される前に包装されたタバコが束から滑り落ちてしまう。それゆえに、最大限の厚さは100μmを超えないと予想される。
【0020】
フィルム、加えてフィルムの個々の層は、必要に応じて、70〜約100重量%、好ましくは80〜98重量%の少なくとも1種の脂肪族ヒドロキシカルボン酸(以下、PHCと称する)、または、ポリヒドロキシカルボン酸で製造されたポリマーを含む。これは、脂肪族ヒドロキシカルボン酸の重合単位で構成されているホモポリマーまたは混合型の重合体を意味する。本発明に適したPHCのなかでも、ポリ乳酸が特に適切である。これらは以下、PLA(ポリ乳酸)と称する。さらに本明細書においてPSAという用語は、乳酸単位のみで構成されたホモポリマー、さらに、主成分として、その他の脂肪族ヒドロキシ乳酸単位と結合した乳酸単位を含む(>50%)混合型の重合体の両方を意味する。
【0021】
脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸(PHC)の単量体として、脂肪族モノ、ジまたはトリヒドロキシカルボン酸、または、それらの二量体環状エステルが適切であり、そのなかでもDまたはL型乳酸が好ましい。これらの種類のポリマーは従来技術において知られており、市販されている。ポリ乳酸の製造も同様に従来技術で説明されており、これは、ラクチド(1,4−ジオキサン−3,6−ジメチル2,5−ジオン)、すなわち乳酸の二量体化環状エステルを触媒で開環重合することによって起こるため、PSAはしばしばポリラクチドとも呼ばれる。PSAの製造は、以下の公報:US5,208,297、US5,247,058、または、US5,357,035で説明されている。
【0022】
主に乳酸単位で構成されたポリ乳酸が好ましい。これに関連して、80〜100重量%のL型乳酸単位、それに対応して0〜20重量%のD型乳酸単位を含むPSAホモポリマーが特に好ましい。結晶性を減少させるために、さらにより高い濃度のD型乳酸単位が、共重合用単量体として含まれていてもよい。必要に応じて、ポリ乳酸は、共重合用単量体として、乳酸以外の様々な脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸単位を追加で含むことを特徴としてもよく、このような単位としては、例えばグリコール酸単位、3−ヒドロキシプロパン酸単位、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロパン酸単位、または、5個以下炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸のより高度な相同体が挙げられる。
【0023】
好ましくは、110〜170℃の融点、好ましくは125〜165℃の融点、および、1〜50g/10分、好ましくは1〜30g/10分のメルトフローインデックス(2.16Nの負荷および190℃でのDIN測定法53735による)を有する乳酸ポリマー(PLA)である。PLAの分子量は、少なくとも10000〜500000(数平均)、好ましくは50000〜300000(数平均)の範囲である。ガラス転移温度Tgは、40〜100℃、好ましくは40〜80℃の範囲である。
【0024】
フィルムの個々の層はそれぞれ、70〜約100重量%、好ましくは80〜98重量%の上述のポリマーを含み、加えて、必要に応じて中和剤、安定剤、潤滑剤、静電気防止剤、および、充填剤のような追加の添加剤を含む。このような添加剤は、溶融の前にポリマーまたはポリマー混合物にを添加することが有利である。例えば、安定剤として、リン酸またはリン酸エステルのようなリン結合体が導入される。個々の層は、ポリマーおよび添加剤に関して基本的に同じ組成を有することを特徴としてもよい。一般的に、基層の組成は、その他の層の組成とは異なる。具体的には、上層には、抗ブロッキング剤または潤滑剤のような添加剤が添加され、それに対して基層には、充填剤または顔料が導入されることが好ましい。しかしながらフィルムの個々の層の形成および組成は、広く様々であってよい。
【0025】
空隙を有さない透明実施態様および白色の実施態様が特に、この使用によく適していることが見出された。ポリプロピレンフィルムに関して、基層において、空隙を有さない不透明PPフィルムのほうが、透明PPフィルムよりも優れた折り畳み特性を示すという特徴を有することがわかっている。驚くべきことに、空隙を有さないフレキシブルなPLAフィルムはまた、この使用において、空隙を有する実施態様に比べて極めて優れた折り畳み特性を示す。本発明の観点において、透明なフィルムは、ASTM−D1003−77に従って75%を超える、好ましくは95%を超える光透過性を有するフィルムと理解することとする。白色のPLAフィルムは、白色の顔料の添加によって白色に着色されているが、これも空隙を有さない。これらの実施態様は、一般的に、少なくとも1種の層に、必要に応じて数種の層に、TiOが1〜12重量%の量で含まれる。基本的には、片方または両方の上層にTiOを上記量で添加することができ、または、片方または両方の中間層に添加してもよい。
【0026】
基本的には、フィルムの不透明な実施態様、または、白色の不透明な実施態様の追加も可能である。これらのフィルムは、基層に、例えばシクロオレフィンコポリマー(不透明なフィルム)に、発泡開始剤を含み、さらに必要に応じて、追加の顔料(白色の不透明なフィルム)を含む。このような場合も、顔料としてTiOが好ましく、いずれの場合もケース基層に対して10重量%以下、好ましくは1〜8重量%の量で導入される。
【0027】
必要に応じて、上記フィルムは、フィルムの追加の特性を最適化するためにコーティングされてもよい。典型的なコーティングは、接着を強化する、滑らかさを改善する、または、剥離性を調節するコーティングである。必要に応じて、これらの追加のコーティングは、横延伸またはオフラインの前に、水性または非水性分散液によって一列でのコーティングによって適用することができる。
【0028】
さらなる実施態様において、上記フィルムは、使用前にインナーライナーとして金属化される。インナーライナーとして使用する際に、金属化した側が、目に見える側として形成される。さらなる実施態様において、上記フィルムは、両面を金属化してもよい。この実施態様は、タバコとフィルムとの直接の接触が回避されることによって、フィルムによってタバコの味が損なわれないようにすることができ、または、厳密に言えばそのようなことが徹底して防ぐことができるという追加の利点を有する。
【0029】
さらなる実施態様において、金属化した、または、金属化していないフィルムはさらにエンボス加工を施してもよく、このようなエンボス加工は、一方では装飾的な特徴を付与し、また平面性のさらなる改善に貢献する。驚くべきことに、金属化およびインプリントした後でも、上記フィルムは、これまで用いられてきた紙のインナーライナーとまったく同様に扱うことができる。さらにその上、エンボス加工された金属化フィルムは、金属化紙の本来の外観に極めて近くなる。
【0030】
PHCフィルムは、それ自身よく知られた共押出し法に従って製造される。この手順の範囲内において、フィルムの層に対応する溶融物を平坦なダイを通過して共押し出しして、このようにして得られた多層フィルムを硬化のために1個または数個のローラーで引き伸ばし、続いてそのフィルムを二軸延伸(配向)し、その二軸延伸フィルムを熱硬化させ、必要に応じて処理を要する表面層をコロナまたは火炎処理する。
【0031】
二軸延伸は、一般的に、連続的に行われる。その行程において、延伸は、好ましくは、まず縦方向(すなわち流れ方向=MD方向)に行われ、その後横方向(すなわち流れ方向に対して直角=TD方向)に行われる。これにより分子鎖の配向が起こる。縦方向での延伸は、好ましくは、2個のローラーを、望ましい延伸比率に対応する異なる速度で動かすことによって行われる。横延伸の場合は、一般的には、それに対応するクリップを有するフレームが使用される。それに続いて連続的な延伸を行うフラットフィルム押出しの例に従って、フィルム製造をさらに説明する。
【0032】
溶融物を平坦なダイ(シートダイ)に通過させ、プレスされて出てきたフィルムを、1個または数個のアウトフィードローラーで、冷却されて硬化するように10〜100℃、好ましくは20〜80℃の温度で引き伸ばす。
【0033】
続いてこのようにして得られたフィルムを、押出し方向に沿って、および、その方向にわたって延伸する。縦延伸は、好ましくは、40〜130℃、好ましくは50〜100℃の延伸ローラーのローラー温度で行われると予想され、ここで、2個のローラーを望ましい延伸比率に対応する異なる速度で動かすことが有利である;横延伸は、好ましくは、50〜130℃、好ましくは60〜120℃の温度で行われ、それに対応するクリップを有するフレームが使用される。縦延伸の比率は、1.5〜8の範囲で様々であってよい。発泡開始剤を含む基層を有するフィルム製造の場合は、3〜6の高い縦延伸の比率が好ましく、それに対して透明な基層を有するフィルムの場合は、好ましくは1.5〜3.5の範囲で延伸される。横延伸の比率は、3〜10、好ましくは4〜7の範囲である。
【0034】
フィルムを延伸した後に、それらを熱硬化(熱処理)し、ここでフィルムを約0.1〜10秒の時間、60〜150℃の温度で保持して収縮させる(25%以下の収縮)。その後、フィルムを従来の方式で巻取機を用いて巻き取る。
【0035】
原材料およびフィルムを特徴付けるために、以下の測定を用いた:
ここで、以下の実施例に基づき本発明を説明する:
実施例1
押出して、続いて縦および横方向にさらに配向させることによって、約30μmの厚さを有する透明な3層のPLAフィルムを製造した。基層は、約160℃の融点を有するほぼ100重量%のポリ乳酸からなる。この層はさらに、安定剤および中和剤を一般的な量で含む。密封可能な両上層は、基本的に無定形のポリ乳酸で構成し、このポリ乳酸は、約40/60のL/D比を特徴とする。加えて、上層はそれぞれ、抗ブロッキング剤として0.1重量%のSiO系の粒子を含む。上層の厚さはそれぞれ、2.5μmに達した。
【0036】
個々の手順の工程における製造条件は以下の通りとした:
押出しの温度:170〜200℃
アウトフィードローラーの温度:60℃
縦延伸の温度:68℃
縦延伸の比率:2.0
横延伸の温度:88℃
横延伸の比率(有効値):5.5
固定の温度:75℃
収縮:5%。
【0037】
実施例2
実施例1で説明した通りにフィルムを製造した。実施例1とは異なり、上層は付着させなかった。それ以外に関して、組成および製造条件は変更しなかった。25μmの厚さを有する透明なフィルム、ただし単層のフィルムを再度製造した。
【0038】
実施例3
押出して、続いて縦および横方向にさらに配向させることによって、30μmの厚さを有する不透明な単層のPLAフィルムを製造した。この層は、135℃の融点、約3g/10分のメルトフローインデックス、および、60℃のガラス転移温度を有する約95重量%のポリ乳酸、および、140℃のTgを有する約5重量%のCOC(チコナ(Ticona)のトパス(Topas)6013)で構成されていた。この層はさらに、安定剤、および、中和剤を一般的な量で含む。個々の手順の工程における製造条件は以下の通りとした:
押出しの温度:170〜200℃
アウトフィードローラーの温度:60℃
縦延伸の温度:68℃
縦延伸の比率:4.0
横延伸の温度:88℃
横延伸の比率(有効値):5.5
静置の温度:75℃
収縮:5%。
【0039】
この方法で、真珠光沢を有し、および、約0.75g/cmの低い密度を有することを特徴とする不透明なフィルムが得られた。
このフィルムをインナーライナーとして市販のタバコの包装機に導入したところ、大きな問題を起こすことなく使用が可能であった。実施例1および2に記載の空隙を有さないフィルムは、それ自身特に有利であることが示された。
【0040】
それに対して、二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、この用途に適用できなかった。材料の強い元に戻ろうとする力のために、個々のタバコを包装することができなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ用包装のインナーライナーとしての単層または多層の二軸延伸フィルムの使用であって、該フィルムがの少なくとも1種の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸のポリマーを70〜100重量%含むことを特徴とする、上記使用。
【請求項2】
前記フィルムが透明であることを特徴とする、請求項1に記載のフィルムの使用。
【請求項3】
前記フィルムが白色であることを特徴とする、請求項1に記載のフィルムの使用。
【請求項4】
前記フィルムが空隙を有する不透明基層を有することを特徴とする、請求項1に記載のフィルムの使用。
【請求項5】
前記フィルムの一方の面が金属化されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルムの使用。
【請求項6】
前記フィルムの両面が金属化されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルムの使用。
【請求項7】
前記フィルムが、エンボス加工されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフィルムの使用。
【請求項8】
前記金属化したフィルムの表面が、エンボス加工されていることを特徴とする、請求項5に記載のフィルムの使用。
【請求項9】
前記フィルムが、基層に、80重量%以上98重量%未満の脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸のポリマーを含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のフィルムの使用。
【請求項10】
前記フィルムが、両面に上層を有し、該上層は、70重量%以上100重量%未満の脂肪族ポリカルボン酸ポリマーを含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のフィルムの使用。
【請求項11】
前記脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸が、ポリ乳酸であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のフィルムの使用。
【請求項12】
前記フィルムが、少なくとも20〜100μmの総厚さを有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載のフィルムの使用。
【請求項13】
前記上層が、0.5〜6μmの厚さを有することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載のフィルムの使用。
【請求項14】
前記上層が、密封可能であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載のフィルムの使用。
【請求項15】
前記タバコ用包装が、フリップトップ式パックであることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載のフィルムの使用。
【請求項16】
前記タバコ用包装が、軟包装であることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載のフィルムの使用。

【公表番号】特表2009−515780(P2009−515780A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539398(P2008−539398)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【国際出願番号】PCT/EP2006/067961
【国際公開番号】WO2007/051791
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(504422379)トレオファン・ジャーマニー・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニー・カーゲー (17)
【Fターム(参考)】