説明

ポール装置

【解決手段】ポール本体1を構成する筒体1aの下部と区画壁1bとにより形成され凹部1eに、筒部3aと天部3bとからなるヨーク3を配設し、前記ヨークの天部に、マグネット2を磁気吸着させるとともに、前記マグネットの下面2cには、保護板4を取着することにより、前記ヨークを、基板Fに磁気吸着させるように構成したポール装置Pに関するものである。
【効果】ポール装置が、路面等に取着された基板に磁気吸着されるように構成したので、ポール装置の取り付け及び取外しを、簡単に、且つ、迅速に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポール装置に関するものであり、特に、ポール装置を、駐車場の出入り口等に設置して車両の進入を規制したり、或いは、ポール装置を、所定の間隔を置いてライン状に配置することにより、車両や人の移動を規制したり誘導したりするために使用されるポール装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、路面に穴を形成し、該穴に、ポールの下部を埋設するようにしたポール装置が、一例として、特許文献1に開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−179177号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のポール装置においては、ポール装置を設置する際には、路面に穴を形成しなければならないので、ポール装置の設置作業が、専門の工事業者でなければ設置することが困難な大掛かりなものとなり、従って、ポール装置を設置するために多大な費用や時間を必要とするという問題があった。
【0005】
また、ポール装置を撤去する際には、ポール装置を、路面に形成された穴から抜き去った後に、穴を埋め戻さなければならず、ポール装置の撤去作業にも、多大な費用や時間を必要とするという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上述した従来のポール装置が有する課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した目的を達成するために、第1には、筒体の下部と区画壁とにより形成された凹部に、筒部と天部とからなるヨークを配設し、前記ヨークの天部に、マグネットを磁気吸着させるとともに、前記マグネットの下面に、保護板を取着することにより、ポール装置を構成したものであり、第2には、柱体の下面に取着された板状の中間部材に、筒部と天部とからなるヨークを配設し、前記ヨークの天部に、マグネットを磁気吸着させるとともに、前記マグネットの下面に、保護板を取着することにより、ポール装置を構成したものであり、第3には、柱体の下面に、筒部と天部とからなるヨークを配設し、前記ヨークの天部に、マグネットを磁気吸着させるとともに、前記マグネットの下面に、保護板を取着することにより、ポール装置を構成したものであり、第4には、円筒部と底部とからなる中間部材の底部の下面に、適当な固着手段により、筒部と天部とからなるヨーク、マグネット及び保護板を取着し、前記ヨーク、マグネット及び保護板が取着された中間部材の円筒部を、円筒体の下端部に嵌合し取着することにより、ポール装置を構成したものであり、第5には、ポール本体を構成する筒体或いは柱体の上端部に、マグネットに磁気吸着可能な金属材料により形成されたキャップ部材を取着したものであり、第6には、キャップ部材の天部に、付属部材に取着されたヨーク兼取付基部の下端が挿入可能な溝或いは凹部を形成したものである。
【発明の効果】
【0008】
ポール装置が、路面等に取着された基板に磁気吸着されるように構成したので、ポール装置の取り付け及び取外しを、簡単に、且つ、迅速に行うことができる。
【0009】
ポール装置が、路面等に取着された基板に磁気吸着されただけの構成であるので、ポール装置に車両が衝突した際には、ポール装置が容易に傾動することができ、従って、車両及びポール装置の損傷を防止することができる。
【0010】
更に、ポール装置が、路面等に取着された基板に磁気吸着されただけの構成であるので、ポール装置を傾動させることにより、ポール装置を、簡単に除去することがき、しかも、従来のポール装置のように、ポール装置の撤去後に、路面に形成された穴を埋め戻す必要がないので、ポール装置の撤去作業に要する費用や時間を低減することができる。
【0011】
なお更に、マグネットとヨークとの組み合わせにより、マグネットが有する磁気吸着力を、ヨークの下端に集中させて強力な磁気吸着力を得ることができる。これにより、ポール装置を、基板に対して強力に磁気吸着させることが可能となり、従って、ポール装置が不測に倒れたり、或いは、少しの外力が加えられただけで移動したりするようなことを防止することができる。
【0012】
更にまた、マグネットの下面には、保護板が配設されているので、マグネットが障害物に衝突して損傷するようなことを防止することができる。
【0013】
ポール本体を構成する筒体或いは柱体の上端部に、マグネットに磁気吸着可能な金属材料により形成されたキャップ部材を取着したので、複数のポール装置を上下方向に連結することができ、従って、所望の高さのポール装置を得ることができる。
【0014】
キャップ部材の天部に、付属部材に取着されたヨーク兼取付基部の下端が挿入可能な溝或いは凹部を形成したので、付属部材の水平方向への移動を阻止することができるので、付属部材が、キャップ部材から簡単に外れるようなことを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
先ず最初に、図1〜図7を用いて、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0016】
1は、ポール装置Pを構成するポール本体であり、ポール本体1は、所定の長さを有する円筒体1aと、円筒体1aの内部の下端付近に形成された区画壁1bとを有している。区画壁1bは、水平状の環状部1b1と、環状部1b1の中心孔を囲むように、該中心孔の周囲に沿って立設された円筒部1b2と、該円筒部1b2の上部開口を閉鎖する天部1b3とから形成されており、区画壁1bの中央部には、円筒部1b2と天部1b3とにより、下方が開放された嵌合凹部1cが形成されている。なお、ポール本体1を構成する円筒体1aの上部開口は、キャップや蓋1dにより閉鎖されている。また、ポール本体1の下部には、円筒体1aと区画壁1bとにより、下方が開放された凹部1eが形成されている。
【0017】
2は、円盤状のマグネット(永久磁石)であり、マグネット2の中央部には、縦方向に延在するボルト挿入孔2aが穿設されている。マグネット2としては、ネオジウム・鉄・ボロン磁石やフェライト磁石等の種々のマグネットを使用することができるが、磁力の大きなネオジウム・鉄・ボロン磁石を使用することが好ましい。
【0018】
3は、円筒部3aと、該円筒部3aの上部開口を閉鎖する天部3bとからなるヨークであり、天部3bの中央部には、ボルト挿入孔3cが穿設されている。また、ヨーク3の円筒部3aの内径D1は、円盤状のマグネット2の外径D2より大きく形成されているとともに、ヨーク3の円筒部3aの外径D3は、ポール本体1の円筒体1aの内径D4と略同じに形成されている。ヨーク3を構成する円筒部3aの下端3a1から天部3bの裏面3b1までの距離H1は、マグネット2の高さ(厚さ)H2より大きく形成されている。なお、ヨーク3には、耐食性に優れたステンレス鋼を用いて一体に形成されている。
【0019】
4は、円板状の保護板であり、保護板4の中央部には、ボルト挿入孔4aが穿設されている。保護板4の外径D5は、ヨーク3の円筒部3aの内径D1より小さく、且つ、マグネット2の外径D2より大きく形成されている。保護板4及びマグネット2は、ヨーク3の円筒部3aと天部3bとにより形成された、下方が開放された凹部3dに収容されるように構成されている。なお、保護板4の材料としては、合成樹脂や種々の金属等を用いることができるが、耐食性に優れたステンレス鋼を使用することが好ましい。
【0020】
次に、上述したポール本体1、マグネット2、ヨーク3及び保護板4の組み立てについて説明する。
【0021】
先ず最初に、ポール本体1の区画壁1bに形成された嵌合凹部1cに、ナットNを嵌入する。なお、嵌合凹部1cからナットNが脱落しないように、適当な接着剤を使用することが好ましい。次いで、ヨーク3の天部3bが、ポール本体1の区画壁1bを構成する水平状の環状部1b1に面接触するように、ヨーク3を、ポール本体1の円筒体1aと区画壁1bとにより形成された凹部1e内に収容する。その後、ヨーク3の円筒部3aと天部3bとにより形成された凹部3dに、マグネット2の上面2bが、ヨーク3の天部3bに面接触するように収容し、マグネット2を、ヨーク3の天部3bに磁気吸着させ、更に、保護板4を、マグネット2の下面2cに面接触するように配置する。なお、ナットNのネジ孔N1とヨーク3の天部3bに穿設されたボルト挿入孔3cとマグネット2に穿設されたボルト挿入孔2aと保護板4に穿設されたボルト挿入孔4aとが、平面的に見て一致するように、ナットNとヨーク3とマグネット2と保護板4とが配置されることになる。上述したように、保護板4を、強磁性体であるステンレス鋼で作製した場合には、保護板4は、マグネット2の下面2cに磁気吸着されることになる。
【0022】
上述したように、ヨーク3を、ポール本体1の円筒体1aと区画壁1bとにより形成された凹部1eに収容し、更に、マグネット2と保護板4とを、ヨーク3の円筒部3aと天部3bとにより形成された凹部3dに収容した際には、ヨーク3を構成する円筒部3aの下端が、ポール本体1を構成する円筒体1aの下端と略面一か、或いは、円筒体1aの下端より、若干、下方に位置するように構成されているとともに、保護板4が、ポール本体1の円筒体1aの下端を越えて、下方に突出しないように構成されている。
【0023】
また、上述したように、ヨーク3の円筒部3aの外径D3は、ポール本体1の円筒体1aの内径D4と略同じに形成されているので、ポール本体1の円筒体1aと区画壁1bとにより形成された凹部1dに、ヨーク3を収容した際には、ヨーク3の円筒部3aの外周面とポール本体1を構成する円筒体1aの内周面との間には、実質的に、間隙が形成されないように構成されている。また、ヨーク3の円筒部3aの内径D1は、マグネット2の外径D2より大きく形成されているので、ヨーク3の円筒部3aの内周面とマグネット2の外周面との間には、環状の間隙Vが形成されており、マグネット2の上面の磁極が、ヨーク3の円筒部3aの下端に発現し、マグネット2の吸引力が増大するように構成されている。
【0024】
上述したように、ヨーク3を、ポール本体1の円筒体1aと区画壁1bとにより形成された凹部1eに収容し、また、マグネット2と保護板4とを、ヨーク3の円筒部3aと天部3bとにより形成された凹部3dに収容した後、ボルトBの軸部B1を、保護板4に穿設されたボルト挿入孔4a、マグネット2に穿設されたボルト挿入孔2a及びヨーク3の天部3bに穿設されたボルト挿入孔3cに挿入するとともに、ボルトBの軸部B1の先端部を、ポール本体1の区画壁1bに形成された嵌合凹部1cに取着されたナットNのネジ孔N1に螺合させることにより、ヨーク3とマグネット2と保護板4とを、ポール本体1に形成された区画壁1bに取り付けるように構成されている。なお、ボルトBの頭部B2が、ポール本体1の円筒体1aの下端を越えて、下方に突出しないように構成されており、特に、ボルトBの頭部B2が、保護板4の下面を越えて、下方に突出しないように構成することが好ましい。
【0025】
上述したようにして、ポール本体1とヨーク3とマグネット2と保護板4とを有するポール装置Pが組み立てられることになるが、保護板4は、必ずしも必要ではなく、適宜、省略することができるが、マグネット2が障害物に衝突して損傷するようなことを防止するために、保護板4を配設することが好ましい。また、マグネット2の磁力を調整するために、ヨーク3の天部3bとマグネット2との間に、ステンレス鋼等により形成されたスペーサーを配置することもできる。このように、ヨーク3の天部3bとマグネット2との間に、ステンレス鋼等により形成されたスペーサーを配置した際にも、マグネット2或いは保護板4が、ポール本体1の円筒体1aの下端を越えて、下方に突出しないように構成されている。
【0026】
図3及び図4において、Fは、舗装された路面Eに取着される、円形や方形等の種々の形状を有する平板状の基板であり、基板Fは、ヨーク3の円筒部3aと略同じ大きさか、或いは、ヨーク3の円筒部3aより大きく形成されているとともに、マグネット2に磁気吸着可能な強磁性金属材料により作製されている。基板Fを、舗装された路面Eに取着するには、基板Fが取着される路面E上或いは/及び基板Fの裏面に接着剤を塗布するとともに、基板Fを、舗装された路面Eに接触させることにより、接着剤層Aを介して、舗装された路面Eに、基板Fを取着する。接着剤としては、クロロプレンゴム等の合成ゴム系接着剤を使用することが好ましい。また、基板Fには、適当数の孔F1を穿設することが好ましく、この孔F1に、接着剤が入り込み、孔F1が、接着剤により充填されるように構成することにより、基板Fを、舗装された路面Eに、より強力に取着することができる。なお、基板Fに、適当数のビス孔やネジ孔等を穿設し、舗装された路面Eに、ビスやネジ等を打ち込むことにより、基板Fを、舗装された路面Eに取着することもができる。基板Fの材料としては、耐食性に優れたステンレス鋼を使用することが好ましい。
【0027】
また、路面が、舗装されていない大地や砂浜等の場合には、図5に示されているように、大地や砂浜等に、杭Cを打ち込み、杭Cの上面に、接着剤やビスやネジ等を用いて、基板Fを取着する。
【0028】
舗装された路面Eや、大地や砂浜等に打ち込まれた杭Cの上面に取着された基板Fに、ポール装置Pを載置した際には、図6に示されているように、ヨーク3の下端が、基板Fに磁気吸着されることになり、従って、ポール装置Pを、図7に示されているように、基板Fに立設することができる。また、基板Fに磁気吸着されたポール装置Pを取り外すには、ポール装置Pのポール本体1の上部を、横方向に押して、ポール本体1を傾斜させることにより、ポール装置Pを、基板Fから取り外すことができる。
【0029】
上述したように、舗装された路面Eに取着された基板Fや、大地や砂浜等に打ち込まれた杭Cの上面に取着された基板Fに、マグネット2とヨーク3とにより磁気回路が形成されたポール装置Pを磁気吸着させるように構成されているので、ポール装置Pの取り付け及び取外しを、簡単に、且つ、迅速に行うことができる。
【0030】
また、舗装された路面Eへの接着剤による基板Fの取着や、基板Fが取着された杭Cの大地や砂浜等への打ち込は、専門の工事業者によらず、簡単に行うことができるので、ポール装置Pの設置作業に要する費用や時間を低減することができる。
【0031】
更に、ポール装置Pに車両が衝突した際には、ポール装置Pが傾動することができるので、車両及びポール装置Pの損傷を防止することができる。
【0032】
更にまた、ポール装置Pを傾動させることにより、ポール装置Pを、簡単に、基板Fから除去することがき、しかも、従来のポール装置のように、ポール装置の撤去後に、路面に形成された穴を埋め戻す必要がないので、ポール装置の撤去作業に要する費用や時間を低減することができる。
【0033】
なお更に、マグネット2とヨーク3との組み合わせにより、マグネット2が有する磁気吸着力を、ヨーク3の下端に集中させて強力な磁気吸着力を得ることができる。これにより、ポール装置Pを、基板Fに対して強力に磁気吸着させることが可能となり、従って、ポール装置Pが不測に倒れたり、或いは、少しの外力が加えられただけで移動したりするようなことを防止することができる。
【0034】
なお、基板Fの上面を粗面とすることにより、滑り止め処理することが好ましい。このように、基板Fの上面に滑り止め処理を施すことにより、歩行者が、ポール装置Pが取り外された基板Fを踏んだ際に、滑って転倒するようなことを防止することができる。基板Fの上面自体に粗面加工を施す以外に、基板Fの上面に、軟質合成樹脂やゴム等の滑り難いフィルムを貼着することもできる。
【0035】
図8に示されている実施例は、上述した実施例の区画壁1bを、平坦な円板状の区画壁10bとして形成したものであり、この区画壁10bの中央部には、ボルト挿入孔10b1が穿設されている。また、区画壁10bの上面には、ナットNのネジ孔N1とボルト挿入孔10b1とが平面的に一致するように、溶接や半田付け等の適当な固着手段により、ナットNが固着されている。
【0036】
上述した実施例と同様に、ポール本体1の円筒体1aと区画壁10bとにより形成された凹部10e(上述した実施例の凹部1eと実質的に同じ。)内に、ヨーク3の天部3bが、平坦な円板状の区画壁10bに面接触するように、ヨーク3を収容する。次いで、上述した実施例と同様に、ヨーク3の円筒部3aと天部3bとにより形成された凹部3dに、マグネット2の上面2bが、ヨーク3の天部3bに面接触するように収容し、マグネット2を、ヨーク3の天部3bに磁気吸着させ、更に、保護板4を、マグネット2の下面2cに面接触するように配置する。その後、保護板4に穿設されたボルト挿入孔4a、マグネット2に穿設されたボルト挿入孔2a、ヨーク3の天部3bに穿設されたボルト挿入孔3c及び区画壁10bに穿設されたボルト挿入孔10b1に、ボルトBを挿入するとともに、ボルトBの軸部B1の先端部を、区画壁10bの上面に固着されたナットNのネジ孔N1を螺合させることにより、ヨーク3とマグネット2と保護板4とを、ポール本体1を構成する円筒体1aに形成された区画壁10bに取り付けるように構成されている。それ以外の構成は、上述した実施例と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0037】
上述した2つの実施例においては、ポール本体1を構成する円筒体1a内に、区画壁1b、10bが形成されているので、筒状の円筒体1aの強度や剛性を高めることができる。
【0038】
図8に示されている実施例においては、区画壁10bの上面にナットNが固着されているので、区画壁1bに形成された、下方に開口を有する嵌合凹部1cにナットNを嵌入させた場合に比べて、ナットNが落下するようなことを防止することができ、ひいては、区画壁10bから、ヨーク3やマグネット2等が離脱するようなことを確実に防止することができる。
【0039】
次に、図9を用いて、更に別の実施例について説明する。
【0040】
この実施例においては、上述した実施例の円筒体1aの内部の下端付近に形成された区画壁1b、10bが省略されているとともに、ポール本体1を構成する円筒体1aの下端の外周面に、環状の鍔部1fが、円筒体1aと一体に形成されている。また、鍔部1fには、円周方向に沿って、所定の間隔を置いて、適当数のボルト挿入孔1f1が穿設されているとともに、ボルト挿入孔1f1に対応して、上述したヨーク3の天部3bには、天部3bの円周方向に沿って、所定の間隔を置いて、ネジ孔3eが穿設されている。
【0041】
ポール本体1を構成する円筒体1aの下端の外周面に形成された鍔部1fの下面に、ヨーク3の天部3bを面接触させるとともに、鍔部1fに穿設されたボルト挿入孔1f1とヨーク3の天部3bに穿設されたネジ孔3eとが、平面的に一致するように、ポール本体1を構成する円筒体1aとヨーク3とを配置する。次いで、ボルトBの軸部B1を、鍔部1fに穿設されたボルト挿入孔1f1に挿入するとともに、ボルトBの軸部B1の先端部を、ヨーク3の天部3bに穿設されたネジ孔3eに螺合させることにより、ヨーク3を、ポール本体1を構成する円筒体1aの下端に形成された鍔部1fの下面に取着する。
【0042】
次いで、上述した実施例と同様に、ヨーク3の円筒部3aと天部3bとにより形成された凹部3d内に、マグネット2の上面2bが、ヨーク3の天部3bに面接触するように収容し、マグネット2を、ヨーク3の天部3bに磁気吸着させ、更に、耐食性に優れたステンレス鋼からなる保護板4を、マグネット2の下面2cに磁気吸着させる。このようにして、ポール装置Pを構成する。
【0043】
図9に示されている実施例においては、ヨーク3の天部3bには、ボルト挿入孔3cが穿設されておらず、また、マグネット2にも、ボルト挿入孔2aが穿設されておらず、更には、保護板4にも、ボルト挿入孔4aが穿設されていない。ポール本体1を構成する円筒体1aの下端の外周面に形成された鍔部1fに取着されたヨーク3に、マグネット2が磁気吸着されているとともに、マグネット2に、保護板4が磁気吸着されている。このように構成することにより、ポール装置Pの組み立てに要する部品数を減らすことができ、ひいては、ポール装置Pの組み立てに要する時間や労力を減少することができ、ポール装置Pの製造コストを低減化することができる。
【0044】
図10には、図9に示されている実施例の変形例が示されている。この実施例においては、上述した実施例と同様に、ヨーク3の天部3bの中央部に、ボルト挿入孔3cが穿設されているとともに、マグネット2の中央部にも、ボルト挿入孔2aが穿設されており、更には、保護板4の中央部にも、ボルト挿入孔4aが穿設されている。また、ヨーク3の天部3bの上面には、ナットNのネジ孔N1とヨーク3の天部3bに穿設されたボルト挿入孔3cとが平面的に一致するように、溶接や半田付け等の適当な固着手段により、ナットNが固着されている。そして、上述したように、ヨーク3を、円筒体1aの下端に形成された鍔部1fの下面に、ボルトBを用いて取着した後、保護板4の中央部に穿設されたボルト挿入孔4a、マグネット2の中央部に穿設されたボルト挿入孔2a及びヨーク3の天部3bの中央部に穿設されたボルト挿入孔3cに、ボルトBの軸部B1を挿入するとともに、ボルトBの軸部B1の先端部を、ヨーク3の天部3bの上面に固着されたナットNのネジ孔N1に螺合させることにより、ヨーク3の天部3bに、マグネット2と保護板4とを取着するように構成されている。このように構成することにより、マグネット2の磁力のみにより、マグネット2を、ヨーク3に磁気吸着させるとともに、マグネット2に、保護板4を磁気吸着させた場合に比べて、マグネット2や保護板4の移動や脱落を、より確実に防止することができる。
【0045】
次に、図11及び図12を用いて、本発明の更に別の実施例について説明する。
【0046】
図11及び図12に示されている実施例は、上述した実施例におけるポール本体1を構成する円筒体1aを、木材や合板や合成樹脂等からなる無垢状の円柱体10aとしたものである。
【0047】
5は、円板状の中間部材であり、中間部材5は、円柱体10aの外径と同じか或いは円柱体10aの外径より若干大きな外径を有している。また、中間部材5の中央部には、ボルト挿入孔5aが穿設されているととも、中間部材5の上面には、ネジ孔N1が形成されたナットNが、溶接や半田付け等の適当な固着手段により固着されており、中間部材5とナットNとは、中間部材5に穿設されたボルト挿入孔5aとナットNのネジ孔N1とが、平面的に見て一致するように配置されている。また、中間部材5には、中間部材5の周縁に沿って、適当数のネジ挿入孔5bが穿設されている。なお、円柱体10aの下面には、中間部材5の上面に固着されたナットNが挿入可能な凹部10a1が形成されている。
【0048】
なお、ヨーク3は、上述した図2に示されているヨーク3と同じであり、円筒部3aと、該円筒部3aの上部開口を閉鎖する天部3bとから形成されているとともに、天部3bの中央部には、ボルト挿入孔3cが穿設されている。また、マグネット2も、上述した図2に示されているマグネット2と同じであり、マグネット2の中央部には、ボルト挿入孔2aが穿設されている。更に、保護板4も、上述した図2に示されている保護板4と同じであり、保護板4の中央部には、ボルト挿入孔4aが穿設されている。
【0049】
次に、上述した無垢状の円柱体10a、中間部材5、ヨーク3、マグネット2及び保護板4の組み立てについて説明する。
【0050】
中間部材5の上面に固着されたナットNが、円柱体10aの下面に形成された凹部10a1に挿入されるように、ポール本体1を構成する無垢状の円柱体10aの下面に、中間部材5を接触させた後に、中間部材5に穿設されたネジ挿入孔5bにネジSを挿入するとともに、ネジSを、円柱体10aの下面にねじ込むことにより、円柱体10aの下面に、中間部材5を取り付ける。次いで、中間部材5の中央部に穿設されたボルト挿入孔5aとヨーク3の天部3bの中央部に穿設されたボルト挿入孔3cとが、平面的に一致するように、中間部材5の下面にヨーク3の天部3bを接触させる。次いで、ヨーク3の天部3bの中央部に穿設されたボルト挿入孔3cとマグネット2の中央部に穿設されたボルト挿入孔2aとが、平面的に一致するように、ヨーク3の円筒部3aと天部3bとにより形成された凹部3d内に、マグネット2を収容するとともに、ヨーク3の円筒部3aの内周面とマグネット2の外周面との間に、所定の環状の間隙Vが形成されるように、マグネット2を、ヨーク3の天部3bに磁気吸着させ、その後、保護板4に穿設されたボルト挿入孔4aとマグネット2の中央部に穿設されたボルト挿入孔2aとが、平面的に一致するように、マグネット2の下面に、保護板4を配置する。このように、ヨーク3、マグネット2及び保護板4を配置した後に、保護板4の中央部に穿設されたボルト挿入孔4a、マグネット2の中央部に穿設されたボルト挿入孔2a、ヨーク3の天部3bの中央部に穿設されたボルト挿入孔3c及び中間部材5の中央部に穿設されたボルト挿入孔5aに、ボルトBの軸部B1を挿入するとともに、ボルトBの軸部B1の先端部を、中間部材5の上面に固着されたナットNのネジ孔N1に螺合させることにより、円柱体10aの下面に取着された中間部材5に、ヨーク3、マグネット2及び保護板4を取り付ける。このようにして、ポール装置Pが組み立てられることになる。
【0051】
無垢状の円柱体10aを、特に、木材や合板の木質材により形成することにより、ポール装置Pを廃棄処分する際に、通常の焼却炉により焼却処分することができので、公害問題が惹起されるようなことがない。また、路面Eに近い円柱体10aの下部が腐る場合があるが、このような場合には、円柱体10aの下部の腐った部分を除去し、再度、上述したように、円柱体10aの下面に、中間部材5、ヨーク3、マグネット2及び保護板4を取り付けることにより、円柱体10aを、複数回に亘たって使用することができ、従って、資源を有効に利用することができる。
【0052】
図13に示されている実施例は、上述した図11及び図12に示されている実施例における中間部材5が省略された例である。また、ヨーク3の天部3bには、天部3bの円周方向に沿って、所定の間隔を置いて、ネジ挿入孔3fが穿設されているとともに、天部3bの中央部には、上述したボルト挿入孔3cに代えて、ネジ挿入孔3gが穿設されている。また、マグネット2の中央部には、上述したボルト挿入孔2aに代えて、ネジ挿入孔2dが穿設されており、更に、保護板4の中央部には、上述したボルト挿入孔4aに代えて、ネジ挿入孔4bが穿設されている。なお、円柱体10aの下面には、上述した図11及び図12に示されている実施例における凹部10a1は形成されていない。
【0053】
次に、上述した無垢状の円柱体10a、ヨーク3、マグネット2及び保護板4の組み立てについて説明する。
【0054】
上述した図11及び図12に示されている実施例におけポール本体1を構成する無垢状の円柱体10aの下面に、ヨーク3の天部3bを配置した後、ヨーク3の天部3bに穿設されたネジ挿入孔3fにネジSを挿入するとともに、ネジSを、円柱体10aの下面にねじ込むことにより、円柱体10aの下面に、ヨーク3を取り付ける。次いで、ヨーク3の天部3bの中央部に穿設されたネジ挿入孔3gとマグネット2の中央部に穿設されたネジ挿入孔2dとが、平面的に一致するように、且つ、ヨーク3の円筒部3aの内周面とマグネット2の外周面との間に、所定の環状の間隙Vが形成されるように、マグネット2を、ヨーク3の天部3bに磁気吸着させ、その後、保護板4の中央部に穿設されたネジ挿入孔4bとマグネット2の中央部に穿設されたネジ挿入孔2dとが、平面的に一致するように、マグネット2の下面に、保護板4を配置する。このように、ヨーク3の円筒部3aと天部3bとにより形成された凹部3d内に、マグネット2及び保護板4を収容した後に、保護板4の中央部に穿設されたネジ挿入孔4b、マグネット2の中央部に穿設されたネジ挿入孔2d及びヨーク3の天部3bの中央部に穿設されたネジ挿入孔3gに、ネジSを挿入するとともに、ネジSを、円柱体10aの下面にねじ込むことにより、円柱体10aの下面に取着されたヨーク3に、マグネット2及び保護板4を取り付ける。このようにして、ポール装置Pが組み立てられることになる。
【0055】
図14及び図15には、ポール本体1を構成する円筒体1aや円柱体10aの上端部に被冠されるキャップ部材6が示されている。キャップ部材6は、マグネットに磁気吸着可能な強磁性金属材料により形成されており、耐食性に優れたステンレス鋼を使用することが好ましい。
【0056】
キャップ部材6は、円筒部6aと天部6bとを有しており、天部6bの中央部には、天部6bの中央部を下方に膨出させることにより、嵌合凹部6cが形成されている。また、嵌合凹部6cの周囲に位置する天部6bには、天部6bの円周方向に沿って、所定の間隔を置いて、適当数のネジ挿入孔6b1が穿設されている。また、円柱体10aの上面には、キャップ部材6の天部6bに形成された嵌合凹部12cが嵌合可能な凹部10cが形成されている。
【0057】
上述したようなキャップ部材6を、ポール本体1を構成する無垢状の円柱体10aの上端部に被冠した後、キャップ部材6の天部6bに穿設されたネジ挿入孔6b1にネジSを挿入するとともに、ネジSを、円柱体10aの上面にねじ込むことにより、キャップ部材6を、円柱体10aの上端部に取り付ける。なお、ポール本体1が円筒体1aの場合には、キャップ部材6は、適当な接着剤を介して、円筒体1aの上端部に取り付けることになるが、同様に、キャップ部材6を、適当な接着剤を介して、円柱体10aの上端部に取り付けることもできる。
【0058】
また、図14には、上述したキャップ部材6に、取り外し自在に取り付けられる付属部材の一例としてのチエーンホルダー7が示されている。チエーンホルダー7は、上述したヨークとして機能するとともに取付基部として機能するヨーク兼取付基部7aを有しており、ヨーク兼取付基部7aは、円筒部7a1と天部7a2とから形成されている。ヨーク兼取付基部7aは、上述した実施例におけるヨーク3と同様に、耐食性に優れたステンレス鋼で形成されることが好ましい。
【0059】
7bは、円盤状のマグネット(永久磁石)であり、マグネット7bも、上述したマグネット2と同様に、ヨーク兼取付基部7aの円筒部7a1の内周面とマグネット7bの外周面との間に、所定の環状の間隙Vが形成されるように、ヨーク兼取付基部7aの天部7a2に磁気吸着されている。なお、マグネット7bの下面が、ヨーク兼取付基部7aの円筒部7a1の下端より、上方に位置するように、マグネット7bが、ヨーク兼取付基部7aに磁気吸着されるように構成されている。また、略逆U字状の金具7cが、溶接や半田付けにより、或いは、適当な接着剤により、ヨーク兼取付基部7aの天部7a2の上面に取着されている。
【0060】
図15に示されているように、ポール本体1を構成する円筒体1aや円柱体10aの上端部に被冠されたキャップ部材6の嵌合凹部6cに、チエーンホルダー7のヨーク兼取付基部7aの円筒部7a1を挿入し、嵌合凹部6cの平坦な底部6c1に、ヨーク兼取付基部7aの円筒部7a1の下端を磁気吸着させることにより、チエーンホルダー7を、取外し自在に、キャップ部材6に取り付けることができるように構成されている。このように、チエーンホルダー7のヨーク兼取付基部7aの円筒部7a1が、キャップ部材6の嵌合凹部6cに挿入されているので、チエーンホルダー7が水平方向に移動するようなことが阻止され、従って、チエーンホルダー7が、キャップ部材6から簡単に外れるようなことを防止することができる。
【0061】
上述したポール装置Pに取外し自在に配設されたチエーンホルダー7の略逆U字状の金具7cには、チエーンが挿通されることになるが、チエーンに代えて、チエーンホルダー14の略逆U字状の金具14cに棒材を挿通することもできる。
【0062】
図16には、付属部材の他の例としての照明灯8が示されている。照明灯8は、一例として、天部8aに太陽電池8bが配設されており、天部8aの下部には、電球等の光源8cが収容された透明な円筒状カバ8dが取着されている。円筒状カバ8dの下部に取着された下部支持部8eには、上述したチエーンホルダー7に取着されているヨーク兼取付基部7aが、接着剤やネジ等の適当な固着手段により取り付けられている。ポール本体1を構成する円筒体1aや円柱体10aの上端部に被冠されたキャップ部材6への照明灯8の取り付けについては、上述したチエーンホルダー7の場合と同じであるので、その説明は省略する。
【0063】
図17には、キャップ部材6の別の実施例が示されている。この実施例においては、キャップ部材6の天部6bには、上述した嵌合凹部6cに代えて、環状溝6eが形成されており、環状溝6eに、上述したヨーク兼取付基部7aの円筒部7a1の下端部が挿入されることになる。このように、キャップ部材6の天部6bに形成された環状溝6eに、ヨーク兼取付基部7aの円筒部7a1の下端部を挿入することにより、チエーンホルダー7や照明灯8等の付属部材の水平方向への移動を阻止することができるので、付属部材が、キャップ部材6から簡単に外れるようなことを防止することができる。
【0064】
上述したように、ポール装置Pのポール本体1を構成する円筒体1aや円柱体10aの上端部に、強磁性金属材料からなるキャップ部材6が取着されているので、基板Fに磁気吸着されているポール装置Pの円筒体1aや円柱体10aの上端部に被冠されたキャップ部材6の上面に、更に、他のポール装置Pを磁気吸着することができる。このように、複数のポール装置Pを、ポール装置Pの円筒体1aや円柱体10aの上端部に被冠されたキャップ部材6を介して、連結することができるので、所望の高さのポール装置Pを配設することができる。
【0065】
図18及び図19を用いて、なお更なる実施例について説明する。
【0066】
本実施例においては、ポール本体1は、合成樹脂で成形された円筒体100aと図14等に示されている円柱体100aの上端部に被冠されるキャップ部材6とから構成されている。円筒体100aの上端部に、キャップ部材6を被冠した後、キャップ部材6の円筒部6aに穿設された適当数のボルト挿入孔6a1に、ボルトBを挿入するとともに、ボルトBを、円筒体100aの上端部に穿設されたネジ孔100bに螺合することにより、円筒体100aに、キャップ部材6を取り付けるように構成されている。なお、接着剤を用いて、円筒体100aに、キャップ部材6を取り付けることも、また、ネジを、キャップ部材6の円筒部6aに穿設されたボルト挿入孔6a1に挿入するとともに、円筒体100aにねじ込むことにより、円筒体100aに、キャップ部材6を取り付けることもできる。なお、キャップ部材6を、上述した実施例と同様に、強磁性金属材料で形成することも、また、強磁性金属材料ではなく、合成樹脂材で形成することもできる。
【0067】
50は、合成樹脂で成形された中間部材であり、中間部材50は、円筒体100aの下端部に嵌合可能な円筒部50aと、中央部にボルト挿入孔50cが穿設されている底部50bとから構成されている。
【0068】
なお、ヨーク3は、図2や図12に示されているヨーク3と実質的に同じであり、円筒部3aと、該円筒部3aの上部開口を閉鎖する天部3bとから形成されているとともに、天部3bの中央部には、ボルト挿入孔3cが穿設されている。また、マグネット2も、図2や図12に示されているマグネット2と実質的に同じであり、マグネット2の中央部には、ボルト挿入孔2aが穿設されている。更に、保護板4も、図2や図12に示されている保護板4と実質的に同じであり、保護板4の中央部には、ボルト挿入孔4aが穿設されている。
【0069】
ヨーク3とマグネット2と保護板4の組み立ては、上述した実施例と同じである。即ち、ヨーク3の天部3bの中央部に穿設されたボルト挿入孔3cとマグネット2の中央部に穿設されたボルト挿入孔2aとが、平面的に一致するように、ヨーク3の円筒部3aと天部3bとにより形成された凹部3d内に、マグネット2を収容するとともに、ヨーク3の円筒部3aの内周面とマグネット2の外周面との間に、所定の環状の間隙Vが形成されるように、マグネット2を、ヨーク3の天部3bに磁気吸着させ、その後、保護板4に穿設されたボルト挿入孔4aとマグネット2の中央部に穿設されたボルト挿入孔2aとが、平面的に一致するように、マグネット2の下面に、保護板4を配置する。
【0070】
上述したようにして、ヨーク3とマグネット2と保護板4を組み立て、その後、中間部材50の底部50bの下面に、ヨーク3の天部3bを当接される。次いで、ボルトBの軸部B1を、保護板4のボルト挿入孔4a、マグネット2のボルト挿入孔2a、ヨーク3の天部3bに穿設されたボルト挿入孔3c及び中間部材50の底部50bに穿設されたボルト挿入孔50cに挿通し、その後、中間部材50の底部50bに穿設されたボルト挿入孔50cから出ている軸部B1に、ワッシャーW1やスプリングワッシャーW2等を、適宜、挿入した後、ボルトBの軸部B1の先端部にナットNのネジ孔N1に螺合させることにより、中間部材50の底部50bに、ヨーク3、マグネット2及び保護板4を取り付ける。その後、ヨーク3、マグネット2及び保護板4が取り付けられた中間部材50の円筒部50aを、円筒体100aの下端部に嵌合させることにより、ポール装置Pが組み立てられる。円筒体100aへの中間部材50の取り付けについては、接着剤を用いて行うことも、また、上述したような、円筒体100aの上端部へのキャップ部材6の取り付けと同様に、ボルトやネジを用いて行うこともできる。
【0071】
上述した実施例においては、円筒体100aは、図1や図2に示されている実施例のように、区画壁1bが形成されている円筒体1aと異なり、単なる円筒体として形成されているので、円筒体100aの製造コストを低減化することができる。また、中間部材50の底部50bに、ヨーク3、マグネット2及び保護板4を配置した後に、ボルトBを用いて、ヨーク3、マグネット2及び保護板4を、中間部材50の底部50bに取り付ける際に、中間部材50の上方が開放されているので、ボルトBへのナットNの螺合作業が容易である。更に、このように、ヨーク3、マグネット2及び保護板4が配設された中間部材50を、円筒体100aの下端部に嵌合させることにより、ポール本体1を形成するようにしたので、ポール本体1の組み立てが簡素化されるとともに、ポール本体1の組み立て作業の作業性が向上する。
【0072】
なお、上述した複数の実施例において、ポール本体1を構成する円筒体1aや円柱体10aや円筒体100aの周面には、必要に応じて、蛍光性を有する反射テープや反射板を貼着したり、蛍光塗料を塗布することができる。これにより、夜間でも、ポール本体1の存在が目立つようになり、車両等のポール装置Pへの衝突を防止することができる。
【0073】
また、上述した複数の実施例においては、舗装された路面Eに取り付けられた基板Fや、大地や砂浜等に打ち込まれた杭Cの上面に取着された基板Fに、ポール装置Pを磁気吸着させるようにした例を示したが、ビルの工事現場等のように、鉄板が敷き詰められているような場合には、当然のことながら、基板Fの取り付けは省略されることになる。
【0074】
更に、上述した複数の実施例には、ポール本体1を、円筒体1aや円柱体10aや円筒体100aに形成した例が示されているが、ポール本体1を、三角筒や四角筒等の多角形状の筒や、三角柱や四角柱等の多角形状の角柱に構成することもできる。
【0075】
なお更に、上述したポール本体1を構成する円筒体1a、100aを、合成樹脂で成形することができ、円筒体1a、100aを軟質合成樹脂とすることにより、ポール装置に車両が衝突した際に、車両の損傷を防止することができる。
【0076】
図20には、ポール装置Pを構成するポール本体1に、フック9aが、適当な間隔で取着された環状バンド9が、ネジや接着剤等により取り付けられている例が示されている。フック9aに、スパナ10等の工具や部品等を引っ掛けるように構成することにより、ポール装置Pを、工具や部品等の収納装置として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】図1は、本発明のポール装置の垂直断面図である。
【図2】図2は、本発明のポール装置を構成する各構成部材の分解状態の垂直断面図である。
【図3】図3は、本発明のポール装置が磁気吸着される基板の斜視図である。
【図4】図4は、本発明のポール装置が磁気吸着される基板が路面に取着された状態の垂直断面図である。
【図5】図5は、本発明のポール装置が磁気吸着される基板が杭に取着された状態の斜視図である。
【図6】図6は、本発明のポール装置が、路面に取着された基板に磁気吸着された状態の部分垂直断面図である。
【図7】図7は、本発明のポール装置が、路面に取着された基板に磁気吸着された状態の斜視図である。
【図8】図8は、本発明の別の実施例のポール装置の垂直断面図である。
【図9】図9は、本発明の更に別の実施例のポール装置の垂直断面図である。
【図10】図10は、本発明の更にまた別の実施例のポール装置の垂直断面図である。
【図11】図11は、本発明のなお更なる別の実施例のポール装置の分解状態の垂直断面図である。
【図12】図12は、図11に示されているポール装置を構成する各構成部材の分解状態の垂直断面図である。
【図13】図13は、本発明のなお更なる他の実施例のポール装置の垂直断面図である。
【図14】図14は、キャップ部材が被冠された状態の本発明のポール装置及びチエーンホルダーの部分垂直断面図である。
【図15】図15は、本発明のポール装置に被冠されたキャップ部材に、チエーンホルダーが取着された状態の部分垂直断面図である。
【図16】図16は、本発明のポール装置に被冠されたキャップ部材に取着される照明灯の部分断面を含む正面図である。
【図17】図17は、本発明のポール装置に被冠された別の実施例のキャップ部材に、チエーンホルダーが取着された状態の部分垂直断面図である。
【図18】図18は、本発明の更に別の実施例のポール装置の分解状態の垂直断面図である。
【図19】図19は、図18に示されているポール装置が組み立てられた状態の垂直断面図である。
【図20】図20は、環状バンドが取着された状態の本発明のポール装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0078】
C・・・・・・・・・・・・・・杭
E・・・・・・・・・・・・・・路面
F・・・・・・・・・・・・・・基板
P・・・・・・・・・・・・・・ポール装置
1・・・・・・・・・・・・・・ポール本体
1a、100a・・・・・・・・円筒体
10a・・・・・・・・・・・・円柱体
2・・・・・・・・・・・・・・マグネット
3・・・・・・・・・・・・・・ヨーク
4・・・・・・・・・・・・・・保護板
5、50・・・・・・・・・・・中間部材
6・・・・・・・・・・・・・・キャップ部材
7・・・・・・・・・・・・・・チエーンホルダー
8・・・・・・・・・・・・・・照明灯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒体の下部と区画壁とにより形成された凹部に、筒部と天部とからなるヨークを配設し、前記ヨークの天部に、マグネットを磁気吸着させるとともに、前記マグネットの下面に、保護板を取着することにより構成されていることを特徴とするポール装置。
【請求項2】
柱体の下面に取着された板状の中間部材に、筒部と天部とからなるヨークを配設し、前記ヨークの天部に、マグネットを磁気吸着させるとともに、前記マグネットの下面に、保護板を取着することにより構成されていることを特徴とするポール装置。
【請求項3】
柱体の下面に、筒部と天部とからなるヨークを配設し、前記ヨークの天部に、マグネットを磁気吸着させるとともに、前記マグネットの下面に、保護板を取着することにより構成されていることを特徴とするポール装置。
【請求項4】
円筒部と底部とからなる中間部材の底部の下面に、適当な固着手段により、筒部と天部とからなるヨーク、マグネット及び保護板を取着し、前記ヨーク、マグネット及び保護板が取着された中間部材の円筒部を、円筒体の下端部に嵌合し取着することにより構成されていることを特徴とするポール装置。
【請求項5】
ポール本体を構成する筒体或いは柱体の上端部に、マグネットに吸着可能な金属材料により形成されたキャップ部材が取着されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のポール装置。
【請求項6】
キャップ部材の天部に、付属部材に取着されたヨーク兼取付基部の下端が挿入可能な溝或いは凹部が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のポール装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−118159(P2006−118159A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−305268(P2004−305268)
【出願日】平成16年10月20日(2004.10.20)
【出願人】(390021485)株式会社相模化学金属 (9)
【Fターム(参考)】