説明

マイクロ流体リアクタの密封チャネルを形成する方法およびそのようなチャネルを含むマイクロ流体リアクタ

特定の塑性度を有する材料でできたシートの表面に密封チャネル(125)を形成する本発明による方法において、回転加工面を有するツールの加工面を、リアクタブロックを構成するシートの表面に形成されるチャネル(125)の第1のポイントに接触させる。次に、前記加工面は、形成されるチャネル(125)の深さを達成するのに必要な圧縮力(F)でシートの表面に押し付けられ、それによりプラスチック材料が、形成されるくぼみの周辺でシート表面から押し出され隆起する。この後で、圧縮力(F)を維持しながら、前記加工面をシート表面上のチャネル(125)の中心線に沿って移動させることによって、前記加工面が、形成されるチャネル(125)の第1のポイントから第2のポイントまで回転され、それによりチャネル(125)が、シートの材料内に加工され、チャネル(125)の周辺上に、押し出され隆起した材料から密封エッジ(127)が作製される。前記密封エッジ(127)を作製した後で、密封エッジ(127)に載っている閉鎖部材が、チャネル(125)と密封エッジ(127)を有するシートの表面に配置され、前記閉鎖部材が、前記密封エッジ(127)を変形するのに必要な圧縮力でシートに押し付けられ、得られた位置に固定され、それにより第1と第2のポイントの間に延在する密封チャネル(125)がリアクタブロック内に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の塑性度を有する材料でできたシートの表面に密封チャネル(sealed channel)を形成する方法に関し、前記シートは、マイクロ流体リアクタ用のリアクタブロックを構成する。本発明は、更に、共にマイクロ流体リアクタの外部環境と連通する入口と出口を備え、化学反応に対応するために使用される密封チャネルを有するマイクロ流体リアクタに関し、このリアクタは、更に、締結手段によって一緒に保持され締め付けられる第1と第2の制限部材と、リアクタの外部環境と連通する冷却チャンバとを有し、前記冷却チャンバは内部に温度制御ユニットを有する。
【背景技術】
【0002】
化学工業では、様々な種類の化学反応を工業規模で行うために、比較的大きな寸法を有するリアクタが使用される。しかしながら、実験室規模での実施には、同じ目的のために、そのようなリアクタの寸法よりはるかに小さい寸法のフラスコが使用される。多くの場合、例えば研究の反応最適化段階では、所望の反応生成物(1つまたは複数)をわずかな量で短時間内に作製することが好ましい。いわゆるマイクロ流体リアクタを、この目的のための実験室リアクタと見なすことができる。
【0003】
先行技術では、用語「マイクロ流体リアクタ」は、一般に、入口と出口を備え、連続的または短い周期で一時停止しながら断続的に流れる反応混合物を収容するために使用される密封チャネルを指し、前記チャネルの反応混合物の流れ方向と垂直な寸法は0.5mm以下である。マイクロ流体リアクタでは、チャネルの長さと断面積ならびに反応混合物の流量は、反応混合物がチャネル内で費やす時間(今後、滞留時間と呼ぶ)は、所望の反応が終了するのに十分なように選択される。反応の進行あるいは減速は、通常、外部からの加熱または冷却による影響を受ける。従って、マイクロ流体リアクタには、一般に、外部加熱/冷却機構を備える。更に、用途の大部分で、マイクロ流体リアクタは、例えば適切な一体型混合ユニットを装備することによって、適切な構造的修正により反応混合物の成分(反応物)を混合/配合できるように適応される。入口を通る流量を調整することによって、マイクロ流体リアクタ内の反応混合物の流れのタイプを、層状にするか乱流にするように選択することができる。更に、チャネル内への反応物の供給とチャネルからの反応生成物の排出は、入口と出口に適切なコネクタを設けることによって支援される。反応に大量の反応物が必要な場合、即ち、大量の反応生成物が生成されるときは、いくつかのリアクタユニットを流体的に並列に接続し、これによりマイクロ流体リアクタの他の利点を維持しながら生産能力が高められる。そのようなマイクロ流体リアクタは、米国特許出願番号2003/0003024 A1に開示されている。
【0004】
マイクロ流体リアクタ内の反応物の混合は、利用可能な流路の形状と小さな断面積のために極めて効率が高いので、反応混合物中の反応物の濃度の局所的ばらつきは、最小かまたは実際にごくわずかである。わずかな泡と小滴を交互に加えながら(即ち、拡散律速反応で)マイクロ流体リアクタ内で気相反応物を液相反応物と配合することによって、チャネル容積に対する相境界面の比率を高めることができ、これは、反応を進行させる効果がある。更に、チャネル容積に対する相境界面の比が高いので、反応混合物の有効温度を迅速且つ効率的に制御することができ、従って、必要に応じて、急速冷却を利用することにより、進行中の反応を簡単に「凍結」することができる。しかしながら、マイクロ流体リアクタ内で発熱反応を行いたい場合は、生成された熱を迅速且つ効率的に排出する能力により、望ましくない過剰反応の開始を簡単に防ぐことができる。マイクロ流体リアクタを使用する別の利点は、反応混合物の温度と滞留時間を、反応期間中にいつでも、従って任意の瞬間に迅速に変化させることができ、反応の進行に最適な反応条件を設定できることである。従って、そのように反応を実行することにより、最適条件でない状態で実行された反応で生成されるよりも大量で不純物のない反応生成物を得ることができる。最後に、比較的小さいチャネル断面積と温度を迅速で確実に修正する能力とにより、通常は爆発性の高い化学反応も高い安全レベルで行うことができる。
【0005】
今日一般に使用されているマイクロ流体リアクタは、高い機械的強度と耐食性を有する金属またはガラス(シリカ)で作製されている。前記金属またはガラスでできた、いわゆるリアクタブロックの表面に反応混合物を収容するチャネル(1つまたは複数)が形成される。この形成は、例えば、ガラスの場合にはフォトリソグラフィ法または化学的イオンエッチングによって行われ、一方、例えば、金属リアクタブロックの場合には、例えば米国特許出願番号2003/0003024 A1とEP−1,473,077 A2に詳細に記載されているような加工および/またはダイフォーミング(die forming)によって行われる。その後、リアクタブロック内に形成されたチャネル(1つまたは複数)は、一般にリアクタブロックと同じ材料でできた閉鎖部材で覆われ、次にリアクタブロックと閉鎖部材は、密封式に結合される。ガラス/シリカ素子の場合、密封操作は、要素を融合させることによって行われるのに対して、金属要素の場合は、素子を溶接するか、または素子の周辺の間に、化学的耐性を有する材料でできた1つまたは複数のガスケットを挿入し、例えばねじ締めによって前記素子を締結することによって行われる。このような取り付け手順は、高価で時間がかかり、一方で補助装置(例えば、炉や溶接装置)の使用を必要とし、他方で極めて高度な製造技術を必要とする。更に、チャネルのクリーニングが必要な場合、これらのリアクタのほとんどは破壊しないと分解できず、あるいは分解がかなり複雑である。
【0006】
更に、特別の表面処理なしに前述の方法で形成されたチャネル壁は、微視的に凹凸があり(即ち、「粒状」)、その結果表面積が比較的大きくなる。従って、チャネル壁は、オゾンなどの反応性の高い反応物による攻撃を受ける可能性があり、または特定の例では、壁の構造が、反応の中間生成物または反応物(オゾン)自体を制御不能に分解することがある。
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0003024号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1,473,077号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、今日一般に使用されている前述のマイクロ流体リアクタの欠点をなくすか、少なくとも改善することである。詳細には、本発明の目的は、補助機器/装置の使用を必要としない、マイクロ流体リアクタの密封チャネルを形成する方法を提供することであり、それは更に、反応性反応物に高い耐性を有するマイクロ流体リアクタの安価で単純な製造を可能にする。本発明の別の目的は、リアクタブロックと閉鎖部材をねじ留めによって互いに固定する際に必要になるチャネルの密閉が、リアクタブロック内のチャネルの形成と同時、すなわち同じ製造工程で行われる方法を提供することである。本発明の更に他の目的は、組立体の際にチャネルの別個の密封作業を必要としないマイクロ流体リアクタを提供することであり、その場合、組み立てられたリアクタは、広範囲の反応、具体的には激しい発熱後の反応を、チャネルの温度を迅速に調整することができる広範囲の温度で行うことを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの態様において、上記の目的は、特定の塑性度を有する材料でできたシートの表面に密封チャネルを形成する方法を提供することによって達成され、この方法は、回転加工面を有するツールの加工面を、リアクタブロックを構成するシートの表面に形成されるチャネルの第1のポイントと接触させる段階と、形成されるチャネルの深さを作製するのに必要な圧縮力で前記加工面をシートの表面に押し付け、それにより形成された凹みの周辺に沿ってシート表面からプラスチック材料が押し出され隆起する段階と、圧縮力を維持しながら、前記加工面を、シート表面上のチャネルの中心線に沿って、形成されるチャネルの第1のポイントからその第2のポイントまで転がすことによって移動させ、それにより、シートの材料内にチャネルが加工され、押し出され隆起した材料からチャネルの周辺に沿って密封エッジが作製される段階と、チャネルと密封エッジを有するシートの表面に閉鎖部材を配置して密封エッジに載せる段階と、前記密封エッジを変形するのに必要な圧縮力で前記閉鎖部材をシートに押し付け、前記閉鎖部材を得られた位置に固定し、それによりリアクタブロック内に第1と第2のポイントの間に延在する密封チャネルを形成する段階とを含む。
【0010】
得られたチャネルの周辺に沿って押し出され突出する延性材料は、驚くべき予期しない効果であると考えられる高い耐性を封止に提供するのに特に適していることが経験から分かった。押し出された材料の厚さは、10〜200μmの範囲であり、押し出された材料が特に耐性の高い封止を提供するという事実は、材料を押し出す高いせん断力から生じる材料内の驚くべき予期しない構造変化によるものである可能性が高い。
【0011】
本発明による方法の更に好ましい実施形態は、従属請求項2から8に開示されている。
【0012】
本発明の更に他の態様では、上記の目的は、チャネルが、リアクタブロックを構成する面のくぼみとして延在するマイクロ流体リアクタを提供することによって達成され、前記面は、第1の制限部材と接触しているリアクタブロックの面と反対側にあり、チャネルの周辺は、変形によって形成されたリアクタブロックの面から突出する密封エッジを形成する領域によって境界が定められ、閉鎖部材は、前記閉鎖部材が密封エッジに載るように、チャネルを支持するリアクタブロックの面に押し付けられ、温度制御ユニットは、密封エッジと反対側の閉鎖部材の面に押し付けられる。
【0013】
本発明によるマイクロ流体リアクタの好ましい実施形態は、従属請求項10から17に指定されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は、第1の面120Aと第2の面120Bによって限定されたリアクタブロック120と、リアクタブロック120の第1の面120Aと接触している第1の制限部材110と、リアクタブロック120の第2の面120Bを覆っている閉鎖部材130と、閉鎖部材130とその周辺に沿って接触している支持部材140と、閉鎖部材130と反対側で支持部材140の面と接する第2の制限部材160とを有するマイクロ流体リアクタ100を示す。閉鎖部材130と支持部材140と制限部材160は、これらの間に冷却チャンバ153を画定する。冷却チャンバ153内には、閉鎖部材130と接触した状態で温度制御ユニット150が配置される。温度制御ユニット150は、支持部材140によって適所に確実に固定されている。この構成では、温度制御ユニット150は、第2の制限部材160から隙間で分離されており、即ち、温度制御ユニット150と第2の制限部材160は互いに接触していない。冷却チャンバ153は、第2の制限部材160内に形成された、好ましくはねじ切りされた貫通孔167,169を介して外部環境と連通している。
【0016】
第1と第2の制限部材110,160は、これらの間に配置された要素をまとめて外部の機械的影響から保護する働きをする。従って、制限部材110,160は、高い機械的強度の鋼(例えば、ステンレス鋼)で作製される。制限部材110は、更に、外部環境とリアクタブロック120内に形成されたチャネルとの連通を可能にする貫通孔(図示せず)を備える。これらの貫通孔は、図2に示した例えばコネクタ180,182,184を密封された解除可能な方式で収容するように適応されたねじ穴として形成されることが好ましい。貫通孔167,169の一方は、リアクタ100の温度制御ユニット150の隣りの隙間によって範囲が定められた流路155内に開いている冷却液供給手段157を収容する。前記冷却液供給手段157は、密封された解放可能な方式で収容される。冷却液供給手段157の密封接続は、制限部材160と冷却液供給手段157自体の間に配置されたガスケット158によって実現される。ガスケット158は、O型リングとして形成されることが好ましい。制限部材160内に形成されたねじ穴167,169の他方は、冷却液排出手段159を密封された解放可能な方式で収容するように適応され、前記冷却液排出手段159は、隙間155から開いている。冷却液排出手段159の密封接続は、制限部材160と冷却液排出手段159自体の間に配置されたガスケット(図示せず)によって実現され、ガスケットは、O型リングとして形成されることが好ましい。
【0017】
リアクタブロック120は、マイクロ流体リアクタ100の中心部分を構成する。リアクタブロック120は、化学的耐性を有し加工が容易な耐熱材料で作製される。リアクタブロック120の材料は、化学的耐性を有するプラスチック材料、好ましくはフッ素化および/または塩素化重合体、より好ましくはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。チャネル125は、リアクタ100の動作中に反応物またはその混合物のための適切な空間を確保し、また所望の化学反応に対応するために使用され、リアクタブロック120の面120Bに形成される。図3にチャネル125の詳細を示す。
【0018】
図3に示したチャネル125の実施形態は、コネクタ180,182,184とそれぞれ流体連通した通路190,192,194を有する。この実施形態では、通路190,192は、反応物を供給するために使用され、通路194は、チャネル125に組み込まれた混合器129によって作製された反応混合物に起こる化学反応の反応生成物を排出するために使用される。この実施形態では、混合器129は、チャネル125内に配置されたY形接合によって構成される。混合器129と通路194の間のチャネル125の区分の長さは、混合器129によって互いに接触させられた反応物の望みの化学反応が、反応物が通路194に達する前に行われるように選択される。図3に示したように、小さい寸法を有するリアクタ100の設計を容易にするために、チャネル125は、平行に延びる比較的長い区分と、前者の区分に対して垂直に延びる比較的短い区分とを含む。チャネル125のこの形態の別の利点は、チャネル容積に対するチャネル面積の比率が大きいために、反応物/反応混合物の温度を迅速且つ確実に変化させることができることである。当然ながら、チャネル125の形状は、図示したものと異なってもよい。例えば、チャネル125は、効率的な温度制御の利点を維持しながら混合器129内で結合する螺旋状分枝を含むことができる。
【0019】
図5Bに示したように、チャネル125は、リアクタブロック120を適切に固定した後で、リアクタブロック120の材料と塑性に応じて選択された圧縮力Fを加えることにより、回転加工面(rolling machining surface)を有する加工ツール、好ましくはボール型加工ツール80が面120Bに押し付けられるように面120Bに形成され、前記回転加工面は、制限部材110の適所に置かれたガイド(または、制御)装置内で、プログラムに従って案内される。加えられる圧縮力Fの値は、加工ツール80のボール85が、形成するチャネル125の望みの全深さまでリアクタブロック120の本体に押し込まれるように選択される。次に、チャネル125は、ボール型加工ツール80を、制御部の適切な調整に従って必要なチャネル125の所定の経路に沿って連続的に前進させることによって形成され、前進速度は、一般に、0.1〜5mm/秒の範囲である。回転加工面を有する加工ツール80の連続的な前進運動の間に、リアクタブロック120の材料は、チャネル125の周辺に沿って密度が高くなり、生じるせん断力により押し出され、その結果、チャネル125の両側の周辺に沿って密封エッジ127が形成され、前記密封エッジ127は、図5Bに示したようにチャネルと平行に延在する。チャネル125と密封エッジ127の寸法は、加工ツールの加工面の径に依存する。前記ボール型加工ツール80を使用するとき、加工ツール80のボール85の径を変化させることによって、チャネル125の幅とチャネル125と共に形成される密封エッジ127のサイズを調整することができる。チャネル125の深さは、ボール型加工ツール80のボール85の高さ位置を変化させることにより調整することができる。当業者には、ボール85によって提供される固有の球状加工面の代わりに、円筒面のような他の加工面も利用できることは明らかである。
【0020】
チャネル125を手動で形成する場合は、面120B上に予めトレースを刻み付けることによって、チャネル125のトレースのマーキングが行われる。しかしながら、チャネル125の機械式フォーミングの場合、所望のトレースは、好ましくはデジタルデータとしてボール型加工ツール80を案内する装置に記憶される。
【0021】
リアクタブロック120内に形成されたチャネル125の密閉は、閉鎖部材130を面120B上またはそこから突出する密封エッジ127上に配置し、閉鎖部材130の平面に垂直な圧縮力を加えることによって行われる。この加えた力により、密封エッジ127は変形し、その結果、リアクタブロック120と閉鎖部材130の間に密封接合ができる。この場合、圧縮力が、面120B全体ではなく面120Bの密封エッジ127上にだけ分散されると、より信頼性の高い密閉が得られることに注意されたい。閉鎖部材130には、高い熱伝導性と化学的耐性を有し、また滑らかな表面を有する材料でできたシート部材/膜が使用される。高い熱伝導性が必須条件である場合、閉鎖部材130は、最大20μmの厚さを有するPTFE膜で作製される。
【0022】
チャネル125が密閉された後、コネクタ180,182,184と通路190,192,194のそれぞれの間の連通を可能にするために、リアクタブロック120には、通路190,192,194にリアクタブロック120の厚さの貫通孔が提供される。
【0023】
支持部材140は、アルミニウムでできた正方形フレームの形であることが好ましい。
【0024】
支持部材140内に収容された温度制御ユニット150は、チャネル125に対して閉鎖部材130と反対面に配置され、その位置で、図1に示したように閉鎖部材130と接する。温度制御ユニット150の好ましい実施形態は、カスケード型ペルチェ(Peltier)ユニット(互いに接触した複数、好ましくは2つのペルチェ素子を含む)で配置されることが好ましく、その動作はペルチェ効果に基づく。当業者に明らかなように、ペルチェ素子は、2枚の薄いセラミックシートとその間の複数の半導体シートを含む装置であり、素子に適切な電流と電圧が印加されたときにその2つの面の間に一定の温度差を提供する。その最も単純な形では、ペルチェ素子の底面に2つの異なる金属層があり、そこに電流が流れる結果、金属層間に熱流が生じる。従って、低温面と高温面ができる。本発明によるマイクロ流体リアクタ100に使用される温度制御ユニット150の第1のペルチェ素子151の低温面は、閉鎖部材130を介して、チャネル125内に収容されたリアクタブロック120または反応物/反応混合物と接する。同時に、マイクロ流体リアクタ100に使用される温度制御ユニット150の第1のペルチェ素子151の高温面は、第2のペルチェ素子152の低温面と接している。本発明によるリアクタ100の温度を制御するために使用される温度制御ユニット150は、好ましくは共通ケーシング内の前述の2個のペルチェ素子151,152の一体ユニットによって構成される。第1のペルチェ素子151の高温面と接触し、またその結果冷却する第2のペルチェ素子152は、第1のペルチェ素子151よりはるかに強力である。
【0025】
本発明によるリアクタ100において、より強力な第2のペルチェ素子152の高温面に生成された熱は、冷却液を使用する冷却によって除去される。冷却液は、冷却液供給手段157によって、温度制御ユニット150と制限部材160の間に配置された冷却液流路155に導入される。冷却液は、冷却液排出手段159によって排出される。冷却液には、水が使用されることが好ましい。2個のペルチェ素子151,152によって構成された温度制御ユニット150の動作に必要な導電体(図示せず)は、閉鎖部材130と支持部材140の間でリアクタ100の内側から引き出される。本発明によるリアクタ100内に使用される温度制御ユニット150によって、チャネル125と外部環境の温度差は、熱負荷がゼロの場合に、70℃に達することもある。熱負荷がゼロ以外の場合、チャネル125の最大温度差は、当然ながら小さくなり、例えば熱負荷が+5Wで外部環境温度が25℃の場合、チャネル125の温度は、約−50℃になることがある。更に、薄い閉鎖部材130を介して温度制御ユニット150によって実現可能なチャネル125内の温度の最大変化率は、約8℃/秒である(0〜20℃の範囲で)。カスケード型温度制御ユニット150の代わりに、他のタイプの加熱/冷却手段が同じように利用できることは当業者に明らかである。
【0026】
本発明によるマイクロ流体リアクタ100の第1の制限部材110、リアクタブロック120、閉鎖部材130、および温度制御ユニット150の支持部材140は、リアクタブロック120と閉鎖部材130の間に完全なシールを作製し維持するために適切な締結機構によって保持され締め付けられる。図1に示した実施形態では、締結機構は、前記部品のそれぞれに形成され且つリアクタ100の厚さ全体にわたる貫通孔(参照番号なし)に挿入された通しボルト170と、その通しボルトに嵌められたナット172とによって構成される。リアクタ100の前記部品が、他の締結機構によって、例えばばね型ロック機構によって締め付けられてもよいことは当業者に明白である。更に、利用される締結機構の締結要素の数が、リアクタ100の平面突出部の形状(長方形、正方形、円形など)により変化する場合があることに注意されたい。例えば、図2から図4に示したリアクタ100の場合、リアクタ100は正方形の平面突出部を有し、適度な締結を保証するために4本の通しボルト170が使用される。
【0027】
ボール型加工ツール80によってチャネル125と密封エッジ127を形成した後で、以下の段階を実行することにより、本発明によるマイクロ流体リアクタ100の組み立てが行われる。最初に、通しボルト170が、制限部材110に開けられた貫通孔に差し込まれ、次にリアクタブロック120が、面120Aが制限部材110に向いた状態で制限部材110上に配置される。次に、閉鎖部材130が、リアクタブロック120の面120Bに形成された密封エッジ127上に配置される。以下の段階で、支持部材140とあらかじめ中に入れられた温度制御ユニット150が、チャネル125と反対側の閉鎖部材130の表面で合わせられ、通しボルト170を制限部材160に通した後、通しボルト170にナット172を嵌めることによってリアクタ100の前記部分が締め付けられる。密封エッジ127によるチャネル125と閉鎖部材130間の結合の密閉は、ボルト170にナット172を嵌めることにより行われる。最後に、コネクタ180,182,184は、制限部材110の貫通孔内に固定され、冷却液供給手段157と冷却液排出手段159は、制限部材160のそれぞれの貫通孔167,169に固定される。
【0028】
図6は、本発明によるマイクロ流体リアクタ200の考えられる更に他の好ましい実施形態を示す。リアクタ200は、締結方法が図1に示したリアクタ100と異なり、即ち、リアクタ100の場合にはリアクタ100の部品をねじ留めすることによって閉鎖部材130が密封エッジ127に押し付けられているが、この場合、圧縮力は真空によって提供される。
【0029】
図6に示したように、マイクロ流体リアクタ200は、リアクタブロック220、リアクタブロック220の1つの面と接触し、その周囲より外に延在する第1の制限部材210、制限部材210と反対のリアクタブロック220の面を覆う閉鎖部材230、および第1の制限部材210と対向する第2の制限部材260とを有する。本発明による前述の方法を実行することによって、チャネルとそれに沿った密封エッジ(図にはどちらも示していない)は、閉鎖部材230に面しているリアクタブロック220の面に形成される。リアクタブロック220と反対側の閉鎖部材230の面には、温度制御ユニット250が、閉鎖部材230の前記面と接触した状態で配置される。この実施形態では、リアクタブロック220と、その上に配置された閉鎖部材230と、閉鎖部材230と接している温度制御ユニット250は一緒に、特定の横寸法を有するリアクタコア223を構成する。第2の制限部材260は、リアクタコア223を収容するように適応される。第1の制限部材210に面している制限部材260の面は、第1の段281と第2の段283によって範囲が定められた部分を含む断面プロファイルを有する。
【0030】
制限部材210に面している面と隣り合った制限部材260の領域には溝285が形成されている。溝285にはシール部材288が挿入される。段281の表面には、制限部材260内に環状に延在するシール部材289が配置されている。
【0031】
組み立てられたマイクロ流体リアクタ200は、一方で、第1の制限部材210の溝285内に配置されたシール部材288と接し、他方で、温度制御ユニット250のシール部材289と接する。従って、第1の制限部材210と、第2の制限部材260と、リアクタコア223は一緒に、閉じたチャンバ287を画定する。この閉じたチャンバ287は、第1の制限部材210内に形成された、好ましくはねじが切られた貫通孔293を介して外部環境と連通する。特定の事例では、貫通孔293は、プラグ弁を備えた真空コネクタ286を密封された解放可能な方式で収容するように適応される。真空コネクタ286は、適切な真空ポンプ(図示せず)に接続される。温度制御ユニット250と制限部材260は一緒に、冷却液を循環させるための流路255を画定する。流路255は、第2の制限部材260内に形成された貫通孔267,269を介して外部環境と流体連通する。シール部材288,289は、所定の柔軟性を有するゴムや他の材料で作製されることが好ましい。
【0032】
真空コネクタ286に接続された真空ポンプに電力を供給すると、チャンバ287内が真空にされ、それにより、第1と第2の制限部材210,260が、シール部材288,289の保持作用に抗して互いに引っ張られる。その結果、シール部材288に生じた圧縮力によって、温度制御ユニット250が閉鎖部材230に押し付けられ、閉鎖部材230は、リアクタブロック220に形成された密封エッジに押し付けられ、その結果、チャネルが完全に封止される。チャンバ287内の真空が所定の程度に達した後で、真空コネクタ286のプラグ弁を閉じることによって、閉鎖部材230をリアクタブロック220上に形成された密封エッジに押し付ける力が一定値に設定される。必要に応じて、プラグ弁を開き、真空度(および従って圧縮力の大きさ)が一定に維持されるように真空ポンプを再び操作することもできる。
【0033】
マイクロ流体リアクタ200に使用される真空ベースの締結は、密封エッジ上の力の分散を均一にし、更に、反応に対応するために使用されるチャネルの密閉を改善する。
【0034】
本発明によるマイクロ流体リアクタ100,200の好ましい実施形態では、流体構造を形成するために使用される全表面は25cmであり、チャネルの長さは65mmであり、チャネルの平均径は400μmであり、チャネルの深さも400μmであり、入口と出口の数は3つであり、単一の混合器が使用され、チャネルの最低到達温度は−50℃(熱負荷が+5Wのとき)であり、チャネルの最高到達温度は150℃であり、リアクタの最大動作圧力は30バールであり、温度の最大変化率は8℃/秒(0〜20℃の範囲内)である。特定の反応に応じて、本発明によるマイクロ流体リアクタ100,200が、異なる寸法、異なる数の混合器、および異なる数の入口と出口を備えてもよいことが理解される。
【0035】
本発明によるマイクロ流体リアクタ100,200は、以下の実施例で述べるように、種々のオゾン分解反応を行うのに特に適しており、その理由は、異相(気体/液体)で行われるそのような反応では、接触時間と接触面積の値と制御能力がきわめて重要だからである。更に、これらの反応が発熱を伴うので、反応熱を迅速且つ確実に排除することが不可欠であり、これは、本発明によるマイクロ流体リアクタのチャネルと加熱/冷却ユニットの間に配置された特に薄い閉鎖部材によって強化される。オゾン分解反応の制御を維持するために、即ち、反応速度を制御するために、そのような反応のほとんどには、反応温度を周辺温度よりも低く維持し、かつオゾン分解反応で得られた中間生成物(オゾニド)の後の化学処理のために低温環境を提供する必要がある。更に、オゾニドは、極めて不安定であり、従って極めて爆発性が高い。
【実施例】
【0036】
<実施例>
コネクタ180と通路190から、0.025mol/lの濃度のメタノール/ジクロロメタン中の5−メチル−1−H−インドール(5-metil-1-H-indol)の溶液(1:1)を、本発明によるマイクロ流体リアクタ100のチャネル125に導入し、コネクタ182と通路192から、5体積%の一定量のオゾンと酸素のガス混合物をチャネル125に導入した。リアクタ100内の5−メチル−1−H−インドール溶液の流量は、0.25ml/分で一定であり、プロセスの間中、リアクタ100内をずっと5バールの圧力に維持した。反応を0℃の温度で実行した。リアクタ100から通路194とコネクタ184を通って排出された反応生成物を、メタノールとジクロロエタンの混合物(1:1)中に懸架したNaBH(水素化ホウ素ナトリウム)上に滴下した。この第2の試薬(即ち、NaBH)により、反応の中間生成物(生じたオゾニド)が確実に分解された。具体的には、中間生成物は、類似の構造の第2の(マイクロ流体)リアクタ内で同様に分解されてもよい。リアクタ100内の平均滞留時間は、ほぼ数秒程度であった。反応生成物は、N−(2−ヒドロキシメチル−4−メチルフェニル)−ホルムアミドであった。HPLC(高速液体クロマトグラフィ)分析によれば、反応生成物の純度は98%であった。
【0037】
従来のリアクタで行われる反応の歩留まりは、約60〜65%であり(例えば、「Journal of the Chemical Society (1953), pp.3440-3443」または「Journal of the Chemical Society (1950), pp.612-618」を参照)、これは主に、制御が困難な反応条件によるものであり、したがって反応の副生成物によるものである。条件が改善された反応の場合、歩留まりは、純度が高いほど低下し、即ち、生成物の純度が高くなるほど、それに比例して生産性が低下する。
【0038】
まとめ:本発明によるマイクロ流体リアクタの場合、必要な熱伝達は、チャネル内の反応混合物が、厚さ約20μmの極めて薄いPTFE膜を介して冷却ユニットと接触し、またチャネルが比較的大きい表面/体積比を有するような方法で実現される。更に、本発明によるマイクロ流体リアクタの製造は、例えばボール型加工ツールを使用してチャネルと一緒に形成した密封エッジを、通しボルトまたは真空によってリアクタの部品に押し付け、次にそれらを締結状態で固定することによって、単純かつ安価な方法でチャネルを密閉することができるので、高価な製造技術を必要としない。更に、クリーニングのために、本発明によるマイクロ流体リアクタは、締結ボルトを緩めるか真空を解除することによって簡単に分解することができ、クリーニング処置が完了した後で再び組み立てることができる。また、本発明の更に他の利点は、チャネル形状の最適化および/またはプロトタイプの製造の段階で、リアクタのチャネルの独特な後の修正を容易且つ迅速に行うことができることである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明によるマイクロ流体リアクタの一実施形態の部分断面を含む正面図である。
【図2】図1に示したマイクロ流体リアクタの平面図である。
【図3】図1に示したマイクロ流体リアクタの線A−Aに沿った断面図である。
【図4】図1のマイクロ流体リアクタの下面図である。
【図5A】好ましくはボール型加工ツールを使用することによって形成中の、本発明によるマイクロ流体リアクタのチャネルを示す、流れの方向と垂直な断面図である。
【図5B】組み立てられたマイクロ流体リアクタ内の完成したチャネルを示す、流れ方向と垂直な断面図である。
【図6】本発明によるマイクロ流体リアクタの別の実施形態の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアクタブロックを構成し、マイクロ流体リアクタ用の特定の塑性度を有する材料でできたシートの表面に密封されたチャネル(125)を形成する方法であって、
(a)回転加工面を有するツールの加工面を、前記リアクタブロック(120;220)を構成する前記シートの表面に形成される前記チャネル(125)の第1のポイントと接触させる段階と、
(b)前記加工面を、形成される前記チャネル(125)の深さを作製するのに必要な圧縮力(F)で前記シートの表面に押し付け、それによりプラスチック材料が、形成されるくぼみの周辺に沿って前記シートの表面から押し出され隆起する段階と、
(c)前記圧縮力(F)を維持しながら、前記加工面を、前記シートの表面上のチャネル(125)の中心線に沿って、形成されるチャネル(125)の前記第1のポイントから第2のポイントまで回転させることによって移動させ、それにより前記シートの材料内に前記チャネル(125)が加工され、密封エッジ(127)が、前記チャネル(125)の周辺に沿って押し出され隆起した材料から作製される段階と、
(d)閉鎖部材(130;230)を、前記チャネル(125)と前記密封エッジ(127)を有する前記シートの表面に配置して前記密封エッジ(127)に載せる段階と、
(e)前記密封エッジ(127)を変形するのに必要な圧縮力で前記閉鎖部材(130;230)を前記シート上に押し付け、得られた位置に前記閉鎖部材(130;230)を固定し、それにより前記第1のポイントと前記第2のポイント間に延在する密封チャネル(125)が前記リアクタブロック(120;220)内に形成される段階と、
を含む方法。
【請求項2】
前記回転加工面が、円筒状であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記回転加工面が、球状であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記球状の加工面が、ボール(85)の表面によって提供されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記シートの様々なポイントから始まる段階(a)〜(c)は、所望のパターンのチャネル構造が得られるまで繰り返されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
1つの出口と少なくとも1つの入口は、すべて前記チャネル(125)と流体連通しており、前記チャネル(125)の端点で前記リアクタブロック(120;220)に穴あけすることによって、前記チャネル(125)を支持している前記リアクタブロック(120;220)の面(120B)と反対のリアクタブロック(120;220)の面(120A)に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記リアクタブロック(120;220)のシートは、化学的耐性を有するプラスチック材料、好ましくはフッ素化および/または塩素化プラスチック、より好ましくはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で作製されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記密封エッジ(127)を変形させるのに必要な前記圧縮力は、真空を利用することによって加えられることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
化学反応に対応する密封チャネルを含むマイクロ流体リアクタにおいて、前記チャネルは、前記リアクタの外部環境と連通するための入口と出口を有し、前記リアクタは、更に、締結手段によって一緒に保持され締め付けられた第1と第2の制限部材と、前記制限部材の間に配置されたリアクタブロックと、閉鎖部材と、前記リアクタの外部環境と連通する冷却チャンバとを有し、前記冷却チャンバ内に温度制御ユニットが配置されたマイクロ流体リアクタであって、
チャネル(125)が、前記リアクタブロック(120;220)を構成する面(120B)のくぼみとして延在し、前記面(120B)は、前記第1の制限部材(110;210)と接触するリアクタブロック(120;220)の面(120A)と反対側にあり、前記チャネル(125)の周辺は、変形によって形成されたリアクタブロック(120;210)の面(120B)から突出する密封エッジ(127)を形成する領域によって範囲が定められ、前記閉鎖部材(130;230)は、前記閉鎖部材(130;230)が密封エッジ(127)に載るように前記チャネル(125)を支持するリアクタブロック(120;220)の面(120B)に押し付けられ、前記温度制御ユニット(150;250)は、前記密封エッジ(127)と反対の閉鎖部材(130;230)の面に押し付けられることを特徴とするマイクロ流体リアクタ。
【請求項10】
前記リアクタブロック(120;220)と前記閉鎖部材(130;230)は、化学的耐性を有する材料で作製されることを特徴とする、請求項9に記載のマイクロ流体リアクタ。
【請求項11】
前記リアクタブロック(120;220)は、化学的耐性を有するプラスチック材料、好ましくはフッ素化および/または塩素化プラスチック、より好ましくはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で作製されることを特徴とする、請求項10に記載のマイクロ流体リアクタ。
【請求項12】
前記閉鎖部材(130;230)は、最大20μmの厚さを有するPTFE膜で作製されることを特徴とする、請求項10に記載のマイクロ流体リアクタ。
【請求項13】
前記温度制御ユニット(150;250)は、カスケード型ペルチェユニットとして構成されることを特徴とする、請求項9に記載のマイクロ流体リアクタ。
【請求項14】
前記カスケード型ペルチェユニットは、共通ケーシング内に互いに接して配列された第1のペルチェ素子(151)と第2のペルチェ素子(152)を有することを特徴とする、請求項13に記載のマイクロ流体リアクタ。
【請求項15】
冷却液流しチャネル(155;255)は、前記閉鎖部材(130;230)と反対の前記温度制御ユニット(150;250)の表面の前記冷却チャンバ(153)に形成されることを特徴とする、請求項9に記載のマイクロ流体リアクタ。
【請求項16】
前記第2の制限部材(260)は、前記第1の制限部材(210)と反対側で、且つ前記リアクタブロック(220)、その上に配置された前記閉鎖部材(230)、および前記閉鎖部材(230)に押し付けられた前記温度制御ユニット(250)を含むリアクタコア(223)によって構成されたリアクタ部分と反対側に配置され、前記第2の制限部材(260)は、横方向の隙間を有する状態でリアクタコア(223)を収容するように適応され、真空用のチャンバ(287)を提供するために、前記第1の制限部材(230)と前記第2の制限部材(260)の間と前記リアクタコア(223)と前記第2の制限部材(260)の間にそれぞれのシール部材(288,289)が挿入されることを特徴とする、請求項9に記載のマイクロ流体リアクタ。
【請求項17】
前記チャンバ(287)は、第1の制限部材(210)内に形成された貫通孔(293)によって外部環境と連通し、前記チャンバ(287)は、真空コネクタ(286)を収容するように適応されることを特徴とする、請求項16に記載のマイクロ流体リアクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−520597(P2009−520597A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546655(P2008−546655)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【国際出願番号】PCT/HU2006/000127
【国際公開番号】WO2007/072099
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(508189164)タレスナノ ナノテクノロジアイ ゼットアールテー (3)
【Fターム(参考)】