説明

マクロファージ転位阻害因子阻害剤としてのオキシム誘導体

式(I)の化合物および他の化合物が、与えられている。これらの化合物を含んでいる医薬組成物も、与えられている。加え、哺乳類におけるマクロファージ転位阻害因子(MIF)活性を阻害していくとの方法も、与えられており、哺乳類における炎症を処置もしくは予防していくとの方法、ならびに、敗血症(sepsis)、敗血症(septicemia)、および/または内毒素(エンドトキシン)ショックを持っている哺乳類を処置していくとの方法もである。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本願が、2006年6月5日出願の米国仮出願第60/811,258号の有益さを請求する。
【0002】
(1)本発明の分野
本発明が、一般的に、複数のサイトカイン阻害剤に関する。より特に、本発明が、複数のマクロファージ転位阻害因子阻害剤に向かっている。
【背景技術】
【0003】
(2)関連技術の記述
敗血症が、感染に対する潜在的に致死的な全身炎症反応であるが、およそ700,000人に影響を及ぼし、年に215,000よりも多い人々を死なせ、国民当たりの費用(コスト)$16,700,000,000である(Martinら、2003年)。敗血症発症が、継続して上昇する一方(O’BrienおよびAbraham、2003年)、今日に至るまで、全く、小分子治療剤が、現在、その臨床管理に関してFDAにより認められていない。これゆえ、重篤な敗血症が、よくあり費用のかかるしばしば致命的な病状であり、急性心筋梗塞からのものほど多い、年当たりの死を伴う(Angusら、2001年)。
【0004】
敗血症が、複数の可溶因子により、少なくとも一部、媒介されている。これらの間で、マクロファージ転位阻害因子(MIF)が、複数の炎症経路における決定的な役割を演じると示されてきている。MIF生物学が、原炎症応答の複数のマクロファージ由来経路にMIFを入れる(Bridhuizenら、2001年;Lueら、2002年;Calandra、2000年;2001年)。MIFが、1960年代早期、最初に記載されたが、培養単球/マクロファージのランダムな動きおよび転位(遊走)を阻害した複数の活性化リンパ球のある1産物としてであった(GeorgeおよびVaughan、1962年;BloomおよびBennett、1966年;David、1966年)。この発見が、有意な興味を生んだが、MIFが、in vitroにおいて研究するに快適であった最初の非免疫グロブリン可溶因子の1種であったからである。
【0005】
MIFが、免疫細胞および内分泌細胞を包含し、多数のタイプの細胞により産生されたが、今、グルココルチコイドの抗炎症活性の原炎症反レギュレーターとして認識されている。In vitroにおいて、MIF発現が、原炎症サイトカイン(TNF−α、IL−1、IL−2、IL−6、およびIL−8)上のグルココルチコイド産生の抗炎症免疫抑制効果を廃する(CalandraおよびBucala、1997年;Donnellyら、1997年)。マウスにおいて、組み替えMIFの投与が、デキサメタゾンと一緒に、完全に、LPS死へのデキサメタゾンの保護効果をブロックする(Calandra、1995年)。MIFが、決定的に、種々の炎症疾患の病理に関与している。特に、グラム陽性、グラム陰性、および多くの微生物による敗血症、ならびにMIFノックアウトモデルの動物モデルが、敗血症におけるMIFの決定的な役割を指し示す(Calandraら、2000年;Bozzaら、1999年;Bernhagenら、1993年)。これゆえ、MIFのこれら多数の原炎症効果が、免疫細胞活性化、および、グルココルチコイドによる原炎症サイトカインカスケードの通常の生理学的阻害を上乗せできるか、もしくは、反対規制できる独特の能力と一緒に、敗血症の決定的なメディエーターとしてMIFを位置づける。
【0006】
In vivoにおける研究が、MIFが、全身炎症の重要な遅く作用するメディエーターであることを実証する。ネズミにおけるMIF遺伝子の欠損が、致死内毒素血症スタフィロコッカス毒性ショックに対する保護を授ける(Bozzaら、1999年)。加え、中和MIF抗体の投与が:(a)LPS誘導死;(b)E.coli腹腔炎により誘導された致死腹腔炎および敗血症ショック;ならびに(c)TNF−α欠損マウスにおける盲腸結紮および穿刺(CLP)により誘導された劇症敗血症ショックから、マウスを保護した(Calandra、2001年;Bernhagenら、1993年)。TNF−αおよびIL−1βのような早期メディエーターに対し、MIF放出が、ピークを打ち、次いで、CLP開始5時間後、高止まりし、これにより、治療処置機会の窓を提供している。帰結として、抗MIF治療が、潜在的に、重篤な敗血症を有する患者に関する有益さの限界を実証してきている抗TNF−α治療および抗IL−1治療よりも有益である(Abraham、1999年)。対比すると、敗血症誘導8時間後の抗MIF抗体の投与が、コントロールのIgGを受けている動物対マウスCLP敗血症モデルにおける有意な保護を授ける。ヒトでの研究も、敗血症ショックにおけるMIFに関するある1つの役割を裏付ける(Beishuizenら、2001年;Calandraら、2000年)。ある1相関が、外傷患者における傷害もしくは感染の重篤さと彼らの血清中MIFレベルとの間で、文書化されてきており、重篤な敗血症を有する患者において、および、敗血症ショックを有する患者において表示されたMIF循環レベルの増加を伴う(それぞれ、6倍、および、15倍。Calandraら、2000年)。一緒にすると、これらの結果が、MIFアンタゴニストが、潜在力ある抗炎症剤であると判ることを示唆し、MIFの直接の炎症活性を中和することにより、内因性副腎皮質ステロイドもしくは投与された副腎皮質ステロイドの抗炎症の有益さを保管しておくことにより、両方により、作用している。
【0007】
3次元X線結晶構造解析(graphic)研究が、MIFが、ある1ホモ3量体(トリマー)として現れることを示してきている(Suzukiら、1994年;Taylorら、1999年;Sugimotoら、1995年;Katoら、1996年;LolisおよびBucala、1996年;Sugimotoら、1996年;Sunら、1996年;Suzukiら、1996年;Lubetskyら、1999年;Oritaら、2001年;Lubetskyら、2002年)。MIFが、対応しているインドール誘導体へのD,L−ドーパクロームメチルエステルの互変異性化を触媒できる普通でない能力を保有する(Rosengrenら、1996年)。より最近、フェニルピルビン酸およびp−ヒドロキシフェニルピルビン酸が、MIFの基質であると見いだされた(Matsunagaら、1999a;Rosengrenら、1997年;Matsunagaら、1999b)。p−ヒドロキシフェニルピルビン酸と複合体化されたMIFの結晶構造が、該ホモ3量体(トリマー)の隣接2サブユニット間で形成する疎水空洞中にある活性部位を同定してきている(Lubetskyら、1999年)。プロリン(該活性部位のPro−1)が、酵素活性に関する決定残基であるように見えるのが、Pro−1に向かってセリン(P1−s)もしくはグリシン(P1−g)を置換する部位指向突然変異発生が、結果、D−ドーパクロームとp−ヒドロキシフェニルピルビン酸との互変異性化酵素(トートメラーゼ)活性のない複数の突然変異体を与えるからである(Lubetskyら、1999年;Bendratら、1997年;Swopeら、1998年)。
【0008】
互変異性化酵素(トートメラーゼ)触媒活性とMIFの複数のサイトカイン活性との間のある1相関が、幾つかの研究により裏付けられており、ここで、寄生線虫たるBrugia malayi(Bm)からのヒトMIFの同族体の構造および互変異性化速度論が、特徴化された。BmのMIF突然変異体P1−gが、その親のBmのMIFおよびヒトのMIFに比べたら、TNF−α産生およびヒトマクロファージ化学走化活性を誘導していくことにおいて10倍活性でない(1/10の活性である、Zangら、2002年)。加え、P1−g突然変異体が、大きく、活性化好中球におけるスーパーオキシドの発生を刺激できる能力において障害されている(Swopeら、1998年)。MIFのP1−a突然変異体も、その互変異性化酵素(トートメラーゼ)活性を失うが、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)mRNAレベルを高められるその能力を失う(Onoderaら、2000年)。しかしながら、そのPro−1領域単独におけるある1突然変異では、そのグルココルチコイド反対規制活性およびその単球化学走化阻害を廃するに充分でなく(Bendratら、1997年;Hermanowski−Vosatkaら、1999年)、複数の短縮MIF突然変異体も、MIF結合/活性におけるそのカルボキシ終端に関する役割を指し示す(Kleemannら、2000年;Mischkeら、1997年)。
【0009】
マクロファージ活性化が、炎症における早期ステップであり、TNFのような、原炎症サイトカインの増加に至り、更に結果、組織損傷を与えてくる。MIFが、当初、この名が示すとおり、マクロファージ転位を規制すると示された。しかしながら、より最近の研究が、MIFの主要な活性が、抗炎症ステロイド応答を抑圧できる能力であることを示してきている。これゆえ、治療標的としてのMIFを求める合理性が、MIFをブロックしてみると、敗血症および内毒素血症における炎症カスケードを弱め、生存率を向上させることである。
【0010】
幾つかの研究において、抗MIF中和抗体の投与が、複数のネズミ(マイス)を保護する:(a)LPS誘導死から;(b)E.coliによる腹腔炎により誘導された致死腹腔炎および敗血症ショックに対し;そして(c)TNF−α欠損マウスにおける盲腸結紮(CLP)および穿刺により誘導された致死敗血症に対し。
【0011】
化合物たる(S,R)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾール酢酸メチルエステル(ISO−1)が、最近、ある1MIF活性阻害剤として設計(デザイン)された(PCT公開WO02/100332)。ISO−1に複合体化されたMIFの結晶構造が、疎水ポケットに結合することを明かした。In vitroにおいて、ISO−1が、複数のLPS処理マクロファージによるTNF放出の60%を阻害する。In vivoにおいて、40mg/kgでのISO−1の腹腔内投与が、内毒素血症および敗血症における生存率を増加させた(Al−Abedら、2005年
)。これらの結果が、敗血症動物処置用抗MIFモノクローナル抗体と比肩できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ISO−1構造が、MIF触媒作用によるドーパクローム互変異性化構造を模倣するように元より設計(デザイン)されたMIF酵素活性シッフ塩基(シッフベース)阻害剤構造を取り込む。ISO−1が、穏やかで中庸な抗炎症活性を持つ一方、ISO−1構造の周りで焦点とされたライブラリーの合成が、単独で有意に、MIF阻害剤活性を向上させなかった。これゆえ、新しい分子スキャッフォールドが、追加の複数のMIF阻害剤を同定するのに必要とされている。本発明が、こんな必要性を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
こうして、本発明者らが、MIFを阻害する複数の化合物を同定してきている。これらの化合物が、複数の哺乳類における炎症を処置していくか、もしくは、防いでいくのに有用である。
【0014】
これゆえ、本発明が、式I:
【0015】
【化1】

の化合物、または、これらの医薬として許容可能な塩、エステル、もしくは互変異性体(トートマー)に向かっており、式中:
1が、単一もしくは多重置換、独立に、H、OH、R5、N(R5)、SR5、もしくはある1ハロゲンであり、ここで、少なくとも1置換が、ある1ハロゲンであり;
2が、環構造を含み、ここで、該環構造中のある1原子が、R3に結合している炭素に結合しており;
3が、O、C(R52、もしくはSであり;そして
4が、H、R5、もしくはある1ハロゲンであり;式中:
5が、独立に、H、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルキル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルケニル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルカノイル、または直鎖もしくは分岐C2〜C6アルコキシである。
【0016】
本発明が、医薬として許容可能な賦形剤中、上の複数の化合物、または、これらの医薬として許容可能な塩を含んでいる複数の医薬組成物にも向かっている。
【0017】
本発明が、加え、式I:
【0018】
【化2】

の化合物、または、これらの医薬として許容可能な塩、エステル、もしくは互変異性体(トートマー)に向かっており、式中:
1が、単一もしくは多重置換、独立に、H、OH、R5、N(R5)、SR5、もしくはある1ハロゲンであり、ここで、少なくとも1置換が、ある1ハロゲンであり;
2が、環構造を含み、ここで、該環構造中のある1原子が、R3に結合している炭素に結合しており;
3が、O、C(R52、もしくはSであり;そして
4が、H、R5、もしくはある1ハロゲンであり;式中:
5が、独立に、H、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルキル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルケニル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルカノイル、または直鎖もしくは分岐C2〜C6アルコキシである。本発明が、これらの化合物のいずれかを含んでいる複数の医薬組成物をも含む(encompasses)。
【0019】
また、本発明が、式I:
【0020】
【化3】

の化合物、または、これらの医薬として許容可能な塩、エステル、もしくは互変異性体(トートマー)に向かっており、式中:
1が、単一もしくは多重置換、独立に、H、OH、R5、N(R5)、SR5、もしくはある1ハロゲンであり;
2が、パラ(p−)ヒドロキシメチルフェニルであり;
3が、O、C(R52、もしくはSであり;そして
4が、H、R5、もしくはある1ハロゲンであり;式中:
5が、独立に、H、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルキル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルケニル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルカノイル、または直鎖もしくは分岐C2〜C6アルコキシである。
【0021】
本発明が、更に、式III:
【0022】
【化4】

の化合物に向かっており、式中:
1が、環構造を含み、ここで、該環構造中のある1原子が、R2に結合している炭素に結合しており;
2およびR3が、独立に、O、C(R52、もしくはSであり;
4が、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルキル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルケニル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルカノイル、または直鎖もしくは分岐C2〜C6アルコキシであり;
5が、独立に、H、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルキル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルケニル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルカノイル、または直鎖もしくは分岐C2〜C6アルコキシである。本発明が、これらの化合物のいずれかを含んでいる複数の医薬組成物をも含む(encompasses)。
【0023】
また、本発明が、ある1哺乳類におけるマクロファージ転位阻害因子(MIF)活性を阻害していくとの複数の方法に向かっている。これら方法が、該哺乳類におけるMIF活性を阻害するに有効な量における上で同定された複数の医薬組成物のいずれかを該哺乳類に投与していくことを含む。
【0024】
加え、本発明が、ある1哺乳類におけるマクロファージ転位阻害因子(MIF)活性を阻害していくとの複数の他の方法にも向かっている。これら方法が、該哺乳類におけるMIF活性を阻害するに有効な量における医薬組成物を該哺乳類に投与していくことを含む。これらの方法中、該医薬組成物が、医薬として許容可能な賦形剤中、式Iもしくは式IIの化合物、または、これらの医薬として許容可能な塩、エステル、もしくは互変異性体(トートマー)を含み、ここで、式Iおよび式IIが:
【0025】
【化5】

であり、式中:
1が、単一もしくは多重置換、独立に、H、OH、R5、N(R5)、SR5、もしくはある1ハロゲンであり;
2が、環構造を含み、ここで、該環構造中のある1原子が、R3に結合している炭素に結合しており;
3が、O、C(R52、もしくはSであり;そして
4が、H、R5、もしくはある1ハロゲンであり;式中:
5が、独立に、H、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルキル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルケニル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルカノイル、または直鎖もしくは分岐C2〜C6アルコキシである。
【0026】
更に、本発明が、ある1哺乳類における炎症を処置していくか、もしくは、防いでいくとの複数の方法に向かっている。これら方法が、該哺乳類における炎症を処置するかもしくは防ぐに有効な量における上で同定された複数の医薬組成物のいずれかを該哺乳類に投与していくことを含む。
【0027】
本発明が、ある1哺乳類における炎症を処置していくか、もしくは、防いでいくとの複数の他の方法にも向かっている。これら方法が、該哺乳類における炎症を処置するかもしくは防ぐに有効な量における医薬組成物を該哺乳類に投与していくことを含み、ここで、該医薬組成物が、医薬として許容可能な賦形剤中、式Iもしくは式IIの化合物、または、これらの医薬として許容可能な塩、エステル、もしくは互変異性体(トートマー)を含む。式Iおよび式IIが:
【0028】
【化6】

であり、式中:
1が、単一もしくは多重置換、独立に、H、OH、R5、N(R5)、SR5、もしくはある1ハロゲンであり;
2が、環構造を含み、ここで、該環構造中のある1原子が、R3に結合している炭素に結合しており;
3が、O、C(R52、もしくはSであり;そして
4が、H、R5、もしくはある1ハロゲンであり;式中:
5が、独立に、H、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルキル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルケニル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルカノイル、または直鎖もしくは分岐C2〜C6アルコキシである。
【0029】
加え、本発明が、敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックを持っている哺乳類を処置していくとの複数の方法に向かっている。これら方法が、敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックを処置するに充分な量における上で同定された複数の医薬組成物のいずれかを該哺乳類に投与していくことを含む。
【0030】
本発明が、更に、敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックを持っている哺乳類を処置していくとの複数の追加の方法に向かっている。これら方法が、敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックを処置するに充分な量におけるある1化合物を該哺乳類に投与していくことを含み、ここで、該化合物が:
【0031】
【化7】

である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】これらCyc−Oxiオキシム化合物の合成に向かっての原理を示す。
【図2】3種のマクロファージ転位阻害因子(MIF)阻害剤を示す。
【図3】Cyc−Oxi−11が、LPS処理マクロファージにおけるグルココルチコイドを規制できるMIFの能力を抑圧することを樹立している実験結果のグラフである。端的には、ヒト末梢血からの単球(モノサイト)誘導巨大食細胞(マクロファージ)が、0.5μg/mlリポ多糖(リポポリサッカライド、LPS)添加前、デキサメタゾン(10-9)、もしくは、デキサメタゾン+MIF(3nM精製天然MIF)と種々の濃度のCyc−Oxi−11(0、0.01、0.1、および1mM)とを用いて前インキュベートされた。TNF−α産生が、次いで、測定された。示されたデータが、2回繰り返された実験における3通りのウェルの平均±SDである。
【図4】Cyc−Oxi−11が、LPS刺激マクロファージからのTNF放出のMIF誘導を阻害することを樹立している実験結果のグラフである。端的には、ヒト末梢血からの単球(モノサイト)誘導巨大食細胞(マクロファージ)が、0.5μg/ml(LPS)添加10分前に種々の濃度のCyc−Oxi−11を用いて前処理された。TNF−α産生が、次いで、測定された。示されたデータが、2回繰り返された実験における3通りのウェルの平均±SDである。
【図5】CLP外科手術後、血清中におけるMIF出現速度論のグラフである。
【図6】敗血症導入24時間後、与えられた場合でさえ、Cyc−Oxi−11が、保護的であることを示しているグラフである。
【図7】化合物3a〜3hの合成および活性を示す。IC50が、MIF互変酵素(トートメラーゼ)活性阻害を表す。
【図8】化合物4〜5の合成および活性を示す。IC50が、MIF互変酵素(トートメラーゼ)活性阻害を表す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本実施例中、記載されたとおり、本発明者らが、MIFを阻害する複数の化合物を同定してきている。これらの化合物が、哺乳類における炎症を処置していくか、もしくは、防いでいくのに有用である。
【0034】
これゆえ、本発明が、式I:
【0035】
【化8】

の複数の化合物に向かっており、式中:
1が、単一もしくは多重置換、独立に、H、OH、R5、N(R5)、SR5、もしくはある1ハロゲンであり;
2が、環構造を含み、ここで、該環構造中のある1原子が、R3に結合している炭素に結合しており;
3が、O、C(R52、もしくはSであり;そして
4が、H、R5、もしくはある1ハロゲンであり;式中:
5が、独立に、H、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルキル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルケニル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルカノイル、または直鎖もしくは分岐C2〜C6アルコキシである。
【0036】
好ましくは、R1が、H、OH、もしくはある1ハロゲンである。より好ましくは、R1が、OHである。R1が、単一置換である最も好まれた実施形態中、R1が、パラ(p−)位におけるOHである。本明細書中、他に指定されなかったら、式Iの複数の化合物の複数のR1置換基の、オルト(o−)、メタ(m−)、もしくはパラ(p−)の指定が、オキシム部分(moiety、C=N−O−)に対する関係におけるこれら置換基の位置を指定する。
【0037】
1が、多重置換である場合、1R1が、好ましくは、OHであり、最も好ましくは、パラ(p−)位にあり、第2置換が、好ましくは、ハロゲンであり、より好ましくは、弗素である。最も好ましくは、この第2の置換が、メタ(m−)位におけるある1弗素である。
【0038】
2が、3、4、5、もしくは6員の、脂肪族環状、複素環(ヘテロ環)状、もしくは芳香環を含むことも好まれている。R2が、脂肪族環状環である場合、最も好まれた複数の環が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシル−2,3−エン、もしくは1−アダマンチルである。R2が、複素環(ヘテロ環)状環である場合、最も好まれた複数の環が、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピリジン、ピラゾール、イミダゾール、ピロール、ピラン、およびフラン環である。R2が、芳香環である場合、最も好まれた複数の環が、シクロベンジル、4−ピリミジル、3−ピリミジル、もしくはパラ(p−)ヒドロキシメチルフェニルである(後者が、図8の化合物4および化合物5にあるとおり)。
【0039】
2の環構造が、1よりも多い環を含み得、および/または、置換され得、もしくは、非置換であり得る。該環構造が、置換されている場合、好ましくは、少なくとも1直鎖もしくは分岐C1〜C6アルキル、直鎖もしくは分岐C1〜C6アルケニル、直鎖もしくは分岐C1〜C6アルカノイル、直鎖もしくは分岐C1〜C6アルコキシ、ケト、カルボキシ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ジアゾ、チオ、もしくはヒドロキシアミノを用い、置換されている。R2上のより好まれた複数の置換基が、少なくとも1ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、もしくはハロゲンである。
【0040】
好ましくは、R3が、Oである。R4が、Hであることも好まれている。最も好まれた複数の化合物中、R3が、Oであり、R4が、Hである。最も好まれた複数の化合物内で、R1が、好ましくは、OHであり、最も好ましくは、パラ(p−)位にある。また、R3が、Oであり、R4が、Hであるこれら最も好まれた化合物内で、R2が、最も好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシル−2,3−エン、シクロベンジル、4−ピリミジル、3−ピリミジル、1−アダマンチル、もしくはメトキシフェニルである。
【0041】
特定の好まれた複数の化合物が:
【0042】
【化9】

を含む。
【0043】
より好ましくは、本化合物が:
【0044】
【化10】

を含むか、もしくは、これからなる。本発明の他の好まれた複数の化合物が:
【0045】
【化11】

を含むか、もしくは、これからなる。本発明の尚他の好まれた複数の化合物が:
【0046】
【化12】

を含むか、もしくは、これからなる。追加の好まれた複数の化合物が:
【0047】
【化13】

を含むか、もしくは、これからなる。更なる好まれた複数の化合物が:
【0048】
【化14】

を含むか、もしくは、これからなる。尚追加の好まれた複数の化合物が:
【0049】
【化15】

を含むか、もしくは、これからなる。更なる追加の好まれた複数の化合物が:
【0050】
【化16】

を含むか、もしくは、これからなる。尚更なる追加の好まれた複数の化合物が:
【0051】
【化17】

を含むか、もしくは、これからなる。追加の好まれた複数の化合物が:
【0052】
【化18】

を含むか、もしくは、これからなる。
【0053】
これら上記された化合物が、マクロファージ転位阻害因子(MIF)阻害剤として有用である。これゆえ、本発明が、医薬として許容可能な賦形剤中、これら上の化合物のいずれか、または、これらの医薬として許容可能な塩、エステル、もしくは互変異性体(トートマー)を含んでいる複数の医薬組成物にも向かっている。
【0054】
<<医薬として許容可能な>>により、(i)本組成物の他の成分と相容れており、その意図された目的に本組成物を不適にしていくことなく、(ii)本明細書において与えられたとおりの主題を有する使用に適しており、(毒性、侵襲、およびアレルギー応答のような)不要な悪影響を及ぼす副作用のない、ある1素材が、意味されている。副作用が、<<不要>>であるのは、そのリスクが、本組成物により与えられた益よりも重い場合である。医薬として許容可能な担体の非限定例が、限定なく、燐酸緩衝化生理食塩水溶液のような標準医薬担体、水、油/水エマルション、微小(ミクロ)エマルションのようなエマルション、および同様のもののいずれかを包含する。
【0055】
複数の上記化合物が、過度の実験なく、特定の応用に適するよう、ヒトを包含しているある1哺乳類に対する投与用に製剤され得る。加え、これら組成物の適正用量が、過度の実験なく、標準用量−応答プロトコールを使用しながら、求められ得る。
【0056】
従って、経口、舌、舌下、口、および口内投与用に設計(デザイン)されたこれら組成物が、過度の実験なく、当業界においてよく知られた手段、例えば、不活性稀釈剤を用いてもしくは可食担体を用いて調製され得る。これら組成物が、ゼラチンカプセル中、囲い込まれていてもよく、錠剤(タブレット)に圧縮されていてもよい。経口治療投与目的で、本発明のこれら医薬組成物が、賦形剤と共に取り込まれていてよく、タブレット、トローチ、カプセル、エリキシル、サスペンション、シロップ、ウェーハ、チューイングガム、および同様のものの形において使用されていてよい。
【0057】
タブレット、ピル、カプセル、トローチ、および同様のものが、バインダー、レシピエント、崩壊剤、潤滑剤、甘味料、および香料も含有してよい。バインダーのある幾つかの例が、微結晶セルロース、トラガカントガム、もしくはゼラチンを包含する。賦形剤の例が、スターチもしくはラクトースを包含する。崩壊剤のある幾つかの例が、アルギン酸、コーンスターチ、および同様のものを包含する。潤滑剤の例が、ステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カリウムを包含する。潤滑剤(glidant)のある1例が、コロイド状二酸化珪素である。甘味料のある幾つかの例が、スクロース、サッカリン、および同様のものを包含する。香料の例が、ペパーミント、サリチル酸メチル、オレンジ香料、および同様のものを包含する。これらの種々の組成物を調製していくことにおいて使用された素材が、医薬として純粋であり、使用された量において非毒性であるべきである。
【0058】
これら化合物が、容易に、例えば、静脈内、筋内、蜘蛛膜下、もしくは皮下注射によるよう、非経口投与され得る。非経口投与が、これら化合物をある1溶液もしくは懸濁(サスペンション)中に取り込ませていくことにより達成され得る。このような溶液もしくは懸濁が、注射用水、生理食塩水溶液、固定化油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、もしくは他の合成溶媒のような無菌稀釈剤も包含してよい。非経口製剤が、例えば、ベンジルアルコールもしくはメチルパラベンのような抗菌剤、例えば、アスコルビン酸もしくは重亜硫酸ナトリウムのような抗酸化剤、ならびに、EDTAのようなキレート化剤も包含してよい。酢酸塩、クエン酸塩、もしくは燐酸塩のような緩衝剤(バッファー)、ならびに、塩化ナトリウムもしくはデキストロースのような浸透圧調整剤も加えられていてよい。本非経口調製品が、アンプル、使い捨て可能シリンジ、またはガラスもしくはプラスチックから調製された多数回用量バイアル中、囲い込まれ得る。
【0059】
直腸投与が、直腸もしくは大腸中に医薬組成物中の本化合物を投与していくことを包含する。これが、坐薬もしくは浣腸を使用しながら、達成され得る。坐薬製剤が、容易に、当業界において知られた方法により調製され得る。例えば、坐薬製剤が、グリセリンを約120℃に熱していき、本組成物をそのグリセリンに溶かしていき、その熱せられたグリセリンを混ぜていき、その後、精製水が、加えられていてよく、そしてその熱い混合物を坐薬型中に注いでいくことにより調製され得る。
【0060】
経皮投与が、皮膚を通しての本組成物の経皮吸収を包含する。経皮製剤が、パッチ(よく知られたニコチンパッチのような)、外用薬、クリーム、ジェル、軟膏、および同様のものを包含する。
【0061】
本発明が、治療有効量の本化合物を本哺乳類に鼻投与していくことを包含する。本明細書中、使用されたとおり、鼻投与が、その患者の鼻道もしくは鼻腔の粘膜に本化合物を投与していくことを包含する。本明細書中、使用されたとおり、本化合物の鼻投与用医薬組成物が、例えば、鼻スプレー、鼻ドロップ、懸濁、ジェル、外用薬、クリーム、もしくは粉末として投与されているよく知られた方法により調製された本化合物の治療有効量を包含する。本化合物の投与が、鼻タンポンもしくは鼻スポンジを使用しながら、執り行われてもよい。
【0062】
本化合物が、末梢投与されており、血液脳関門(BBB)を横断しなければならないような場合、本化合物が、好ましくは、医薬組成物中、処方されており、これが、本哺乳類の血液脳関門(BBB)を横断できる本化合物の能力を高める。このような処方が、当業界中、知られており、複数の親油性化合物も包含し、吸収を促進させる。複数の非親油性化合物の取り込みが、親油性物質との組み合わせにより高められ得る。鼻粘膜を横断しての本化合物の供給を高め得る複数の親油性物質が、脂肪酸(例えば、パルミチン酸)、ガングリオシド(例えば、GM−1)、燐脂質(例えば、ホスファチジルセリン)、および乳化剤(例えば、polysorbate 80)、デオキシコール酸ナトリウムのような胆汁酸塩、ならびに、例えば、TweenTMのようなpolysorbate 80、TritonTMX−100のようなオクトキシノール、およびタウロ−24,25−ジヒドロフシジン酸ナトリウム(STDHF)を包含している洗剤様物質を包含するが、これらに限られていない。Leeら、Biopharm.、1988年4月3037号を参照。
【0063】
本発明の複数の特定の実施形態中、本化合物が、複数の親油性物質から構成されたミセルと組み合わされている。このようなミセルが、鼻膜透過性を修飾し得、本化合物の吸収を高める。適切な親油性ミセルが、限定なく、複数のガングリオシド(例えば、GM−1ガングリオシド)、および、複数の燐脂質(例えば、ホスファチジルセリン)を包含する。複数の胆汁酸塩およびこれらの誘導体ならびに複数の洗剤様物質も、該ミセルの製剤中、包含され得る。本化合物が、1もしくは数タイプのミセルと組み合わされ得、更に、これらミセル内で含有され得、もしくは、これらの表面と関係され得る。
【0064】
或いは、本化合物が、リポゾーム(脂質小胞)と組み合わされ得、吸収を高める。本化合物が、該リポゾーム内で含有され得るか、もしくは、溶解され得、および/または、この表面と関係され得る。適切なリポゾームが、燐脂質(例えば、ホスファチジルセリン)および/またはガングリオシド(例えば、GM−1)を包含する。燐脂質小胞を調製する方法に関し、例えば、Robertsらに対する米国特許第4,921,706号、および、Yiournasらに対する米国特許第4,895,452号を参照。複数の胆汁酸塩およびこれらの誘導体ならびに複数の洗剤様物質も、該リポゾームの製剤中、包含され得る。
【0065】
本発明が、加え、式I:
【0066】
【化19】

の化合物、または、これらの医薬として許容可能な塩、エステル、もしくは互変異性体(トートマー)に向かっており、式中:
1が、単一もしくは多重置換、独立に、H、OH、R5、N(R5)、SR5、もしくはある1ハロゲンであり、式中、少なくとも1置換が、ある1ハロゲンであり;
2が、環構造を含み、ここで、該環構造中のある1原子が、R3に結合している炭素に結合しており;
3が、O、C(R52、もしくはSであり;
4が、H、R5、もしくはハロゲンであり;式中:
5が、独立に、H、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルキル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルケニル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルカノイル、または直鎖もしくは分岐C2〜C6アルコキシである。本発明が、これらの化合物のいずれかを含んでいる複数の医薬組成物をも含む(encompasses)。
【0067】
好ましくは、R1が、OHおよびある1ハロゲンを含んでいる多重置換である。より好ましくは、R1が、パラ(p−)位におけるOHを含む。このハロゲン置換が、ある1弗素であることも好まれている。より好ましくは、該弗素が、メタ(m−)位にある。
【0068】
2が、3、4、5、もしくは6員の、脂肪族環、複素環、もしくは芳香環を含むことも好まれている。より好ましくは、R2環が、脂肪族環状である。最も好まれた脂肪族環状環が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシル−2,3−エン、および1−アダマンチルである。
【0069】
2の好まれたある幾つかの環が、複素環(ヘテロ環)である。好まれた複素環(ヘテロ環)が、パラ(p−)ヒドロキシメチルフェニルである。他の好まれた複素環(ヘテロ環)が、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピリジン、ピラゾール、イミダゾール、ピロール、ピラン、およびフランである。
【0070】
2の好まれた他の環が、芳香族である。最も好ましくは、この芳香環が、シクロベンジル、4−ピリミジル、もしくは3−ピリミジルである。
【0071】
2の環構造が、1よりも多い環を含む。加え、R2の環構造が、置換されていなくてよい。或いは、R2の環構造が、少なくとも1種の、直鎖もしくは分岐C1〜C6アルキル、直鎖もしくは分岐C1〜C6アルケニル、直鎖もしくは分岐C1〜C6アルカノイル、直鎖もしくは分岐C1〜C6アルコキシ、ケト、カルボキシ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ジアゾ、チオ、もしくはヒドロキシアミノを用いて置換されている。R2の環構造の他の好まれた置換が、少なくとも1種の、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、もしくはハロゲンである。
【0072】
好ましくは、これら本発明化合物を用い、R3が、Oである。R4が、Hであることも好まれている。最も好ましくは、R3が、Oであり、R4が、Hである。これらの化合物のある幾つかの好まれた実施形態を用い、R1が、OH置換およびハロゲン置換を含む。ここで、好ましくは、該OHが、パラ(p−)位にある。ここで、より好ましくは、R2が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシル−2,3−エン、シクロベンジル、4−ピリミジル、3−ピリミジル、1−アダマンチル、もしくはメトキシフェニルである。
【0073】
好ましくは、本化合物が:
【0074】
【化20】

を含むか、もしくは、これからなる。
【0075】
他の好まれた複数の化合物が:
【0076】
【化21】

を含むか、もしくは、これからなる。
【0077】
本発明が、式I:
【0078】
【化22】

の化合物、または、これらの医薬として許容可能な塩、エステル、もしくは互変異性体(トートマー)に更に向かっており、式中:
1が、単一もしくは多重置換、独立に、H、OH、R5、N(R5)、SR5、もしくはある1ハロゲンであり;
2が、パラ(p−)ヒドロキシメチルフェニルであり;
3が、O、C(R52、もしくはSであり;
4が、H、R5、もしくはある1ハロゲンであり;式中:
5が、独立に、H、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルキル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルケニル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルカノイル、または直鎖もしくは分岐C2〜C6アルコキシである。
【0079】
好ましくは、R1が、OHおよびある1ハロゲンを含んでいる多重置換である。より好ましくは、パラ(p−)位におけるOHおよびメタ(m−)位における弗素である。最も好ましくは、本化合物が:
【0080】
【化23】

を含むか、もしくは、これからなる。
【0081】
もう1種別の最も好まれた化合物が:
【0082】
【化24】

を含むか、もしくは、これからなる。
【0083】
本発明が、医薬として許容可能な賦形剤中、上の複数の化合物のいずれか、または、これらの医薬として許容可能な塩、エステル、もしくは互変異性体(トートマー)を含んでいる医薬組成物にも向かっている。
【0084】
本発明が、式III:
【0085】
【化25】

の化合物に更に向かっており、式中:
1が、環構造を含み、ここで、該環構造中のある1原子が、R2に結合している炭素に結合しており;
2およびR3が、独立に、O、C(R52、もしくはSであり;
4が、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルキル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルケニル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルカノイル、または直鎖もしくは分岐C2〜C6アルコキシであり;
5が、独立に、H、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルキル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルケニル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルカノイル、または直鎖もしくは分岐C2〜C6アルコキシである。本発明が、これらの化合物のいずれかを含んでいる複数の医薬組成物をも含む(encompasses)。
【0086】
好ましくは、これらの化合物を用いると、R2およびR3が、両方Oである。また、好ましくは、R4が、3級−ブチルである。好まれたR1部分(moieties)が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロベンジル、および置換シクロベンジルである。R1が、置換シクロベンジルである場合、好ましくは、パラ(p−)置換シクロベンジルである。該パラ(p−)置換シクロベンジルが、最も好ましくは:
【0087】
【化26】

である。
【0088】
さらにより好ましくは、本化合物が:
【0089】
【化27】

を含む。
【0090】
尚より好ましくは、本化合物が:
【0091】
【化28】

からなる。
【0092】
本化合物が、最も好ましくは:
【0093】
【化29】

を含むか、もしくは、これからなる。
【0094】
本化合物が、最も好ましくは:
【0095】
【化30】

をも含み得るか、もしくは、これからもなり得る。
【0096】
本化合物が、加え、最も好ましくは:
【0097】
【化31】

を含み得るか、もしくは、これからなり得る。
【0098】
加え、本化合物が、最も好ましくは:
【0099】
【化32】

を含み得るか、もしくは、これからなり得る。
【0100】
更に、本化合物が、最も好ましくは:
【0101】
【化33】

を含み得るか、もしくは、これからなり得る。
【0102】
本化合物が、尚更に、最も好ましくは:
【0103】
【化34】

を含み得るか、もしくは、これからなり得る。
【0104】
本化合物が、最も好ましくは:
【0105】
【化35】

をも含み得るか、もしくは、これからもなり得る。
【0106】
本化合物が、加え、好ましくは:
【0107】
【化36】

を含み得るか、もしくは、これからなり得る。
【0108】
加え、本化合物が、最も好ましくは:
【0109】
【化37】

を含み得るか、もしくは、これからなり得る。
【0110】
更に、本化合物が、最も好ましくは:
【0111】
【化38】

を含み得るか、もしくは、これからなり得る。
【0112】
本発明が、医薬として許容可能な賦形剤中、上の複数の化合物のいずれか、または、これらの医薬として許容可能な塩、エステル、もしくは互変異性体(トートマー)を含んでいる医薬組成物をも含む。
【0113】
本発明が、ある1哺乳類におけるマクロファージ転位阻害因子(MIF)活性を阻害していくとの方法にも関している。これら方法が、該哺乳類におけるMIF活性を阻害するに有効な量での上で同定された複数の医薬組成物のいずれかを該哺乳類に投与してみることを含む。
【0114】
加え、本発明が、ある1哺乳類におけるマクロファージ転位阻害因子(MIF)活性を阻害していくとの他の方法に関している。これら方法が、該哺乳類におけるMIF活性を阻害するに有効な量での医薬組成物を該哺乳類に投与してみることを含む。これらの方法中、該医薬組成物が、医薬として許容可能な賦形剤中、式Iもしくは式IIの化合物、または、これらの医薬として許容可能な塩、エステル、もしくは互変異性体(トートマー)を含み、ここで、式Iおよび式IIが:
【0115】
【化39】

であり、式中:
1が、単一もしくは多重置換、独立に、H、OH、R5、N(R5)、SR5、もしくはハロゲンであり;
2が、環構造を含み、ここで、該環構造中のある1原子が、R3に結合している炭素に結合しており;
3が、O、C(R52、もしくはSであり;
4が、H、R5、もしくはある1ハロゲンであり;式中:
5が、独立に、H、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルキル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルケニル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルカノイル、または直鎖もしくは分岐C2〜C6アルコキシである。
好ましくは、これらの方法中、利用された化合物が、式Iのものである。また、もし、R1が、パラ位におけるOHであれば、好ましい。上記した複数の化合物を用いたら、R2が、好ましくは、3、4、5、もしくは6員脂肪族環、複素環(ヘテロ環)、もしくは芳香環を含む。より好ましくは、R2が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシル−2,3−エン、シクロベンジル、4−ピリミジル、3−ピリミジル、1−アダマンチル、もしくはメトキシフェニルである。
【0116】
これら本方法に関する好まれた特定化合物が:
【0117】
【化40】

【0118】
【化41】

を包含する。
【0119】
これらの方法における哺乳類が、好ましくは、ヒトである。本哺乳類が、好ましくは、MIFにより少なくとも一部媒介されている炎症サイトカインカスケードを含むある1病状をも持つ。このような病状の好ましい例が、癌、急性呼吸困難症候群、サイトカイン媒介毒性、乾癬、インターロイキン−2毒性、虫垂炎、消化潰瘍、胃潰瘍、および十二指腸潰瘍、腹膜炎、膵炎、潰瘍結腸炎、偽膜結腸炎、急性結腸炎、および虚血結腸炎、憩室炎、喉頭蓋炎、無弛緩症、胆管炎、胆嚢炎、肝炎、炎症腸疾患、クローン病、腸管炎、ホウィップル病、喘息、アレルギー、アナフィラキシーショック、免疫複合病、臓器虚血、再灌流傷害、臓器壊死、枯草熱、敗血症(sepsis、septicemia)、内毒素ショック、悪液質(カケクシア)、超高熱、好酸肉芽腫、肉芽腫症、類肉腫症、敗血症流産、副睾丸炎、膣炎、前立腺炎、尿道炎、気管支炎、気腫、鼻炎、嚢胞線維症、肺炎、肺胞炎、細気管支炎、咽頭炎、胸膜炎、副鼻腔炎、インフルエンザ、呼吸多核ウィルス感染、ヘルペス感染、HIV感染、B型肝炎ウィルス感染、C型肝炎ウィルス感染、伝搬菌血、デング熱、カンジダ症、マラリア、糸状虫症、アメーバ症、包虫嚢胞、火傷、皮膚炎、皮膚筋炎、日焼け、蕁麻疹(urticaria)、疣、蕁麻疹(wheals)、脈管炎、血管炎、心内膜炎、動脈炎、粥状(アテローム)硬化、血栓静脈炎、心膜炎、心筋炎、心筋虚血、結節性動脈周囲炎、リューマチ熱、アルツハイマー病、腔疾患、鬱血心不全、髄膜炎、脳炎、多発硬化、脳梗塞、脳塞栓、ギランバレー症候群、神経炎、神経痛、脊髄傷害、麻痺、葡萄膜炎、関節炎、関節痛、骨髄炎、筋膜炎、パジェット病、痛風、歯周病、リューマチ関節炎、滑膜炎、重症筋無力症、甲状腺炎、全身狼紅エリテマトーデス、グッドパスチャー症候群、ベーチェット症候群、同種異系移植片拒絶、移植片対宿主病、強直性脊椎炎、バージャー病、1型糖尿、2型糖尿、ルティエ症候群、もしくはホジキン病を包含する。最も好ましい実施形態中、該病状が、敗血症(sepsis、septicemia)および/または内毒素ショックである。
【0120】
本発明が、ある1哺乳類における炎症を処置していくか、もしくは、防いでいくとの方法にも関している。これら方法が、該哺乳類における炎症を処置するか、もしくは、防ぐに有効な量での上で同定された複数の医薬組成物のいずれかを該哺乳類に投与してみることを含む。
【0121】
本発明が、加え、ある1哺乳類における炎症を処置していくか、もしくは、防いでいくとの他の方法に関している。これら方法が、該哺乳類における炎症を処置するか、もしくは、防ぐに有効な量での医薬組成物を該哺乳類に投与してみることを含み、ここで、該医薬組成物が、医薬として許容可能な賦形剤中、式Iもしくは式IIの化合物、または、これらの医薬として許容可能な塩、エステル、もしくは互変異性体(トートマー)を含む。ここで、式Iおよび式IIが:
【0122】
【化42】

であり、式中:
1が、単一もしくは多重置換、独立に、H、OH、R5、N(R5)、SR5、もしくはハロゲンであり;
2が、環構造を含み、ここで、該環構造中のある1原子が、R3に結合している炭素に結合しており;
3が、O、C(R52、もしくはSであり;
4が、H、R5、もしくはハロゲンであり;式中:
5が、独立に、H、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルキル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルケニル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルカノイル、または直鎖もしくは分岐C2〜C6アルコキシである。
上記した複数の方法を用いたら、これらの方法における複数の化合物が、好ましくは、式Iのものである。また、もし、これら化合物のR1が、パラ位におけるOHであれば、好ましい。加え、R2が、好ましくは、3−、4−、5−、もしくは6−員脂環、複素環(ヘテロ環)、もしくは芳香環を含む。最も好ましくは、R2が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシル−2,3−エン、シクロベンジル、4−ピリミジル、3−ピリミジル、1−アダマンチル、もしくはメトキシフェニルである。これらの方法に関する好ましい特定化合物が:
【0123】
【化43】

である。
【0124】
これらの方法における哺乳類が、好ましくは、ヒトである。本哺乳類が、好ましくは、MIFにより少なくとも一部媒介されている炎症サイトカインカスケードを含むある1病状をも持つ。このような病状の好ましい例が、癌、急性呼吸困難症候群、サイトカイン媒介毒性、乾癬、インターロイキン−2毒性、虫垂炎、消化潰瘍、胃潰瘍、および十二指腸潰瘍、腹膜炎、膵炎、潰瘍結腸炎、偽膜結腸炎、急性結腸炎、および虚血結腸炎、憩室炎、喉頭蓋炎、無弛緩症、胆管炎、胆嚢炎、肝炎、炎症腸疾患、クローン病、腸管炎、ホウィップル病、喘息、アレルギー、アナフィラキシーショック、免疫複合病、臓器虚血、再灌流傷害、臓器壊死、枯草熱、敗血症(sepsis、septicemia)、内毒素ショック、悪液質(カケクシア)、超高熱、好酸肉芽腫、肉芽腫症、類肉腫症、敗血症流産、副睾丸炎、膣炎、前立腺炎、尿道炎、気管支炎、気腫、鼻炎、嚢胞線維症、肺炎、肺胞炎、細気管支炎、咽頭炎、胸膜炎、副鼻腔炎、インフルエンザ、呼吸多核ウィルス感染、ヘルペス感染、HIV感染、B型肝炎ウィルス感染、C型肝炎ウィルス感染、伝搬菌血、デング熱、カンジダ症、マラリア、糸状虫症、アメーバ症、包虫嚢胞、火傷、皮膚炎、皮膚筋炎、日焼け、蕁麻疹(urticaria)、疣、蕁麻疹(wheals)、脈管炎、血管炎、心内膜炎、動脈炎、粥状(アテローム)硬化、血栓静脈炎、心膜炎、心筋炎、心筋虚血、結節性動脈周囲炎、リューマチ熱、アルツハイマー病、腔疾患、鬱血心不全、髄膜炎、脳炎、多発硬化、脳梗塞、脳塞栓、ギランバレー症候群、神経炎、神経痛、脊髄傷害、麻痺、葡萄膜炎、関節炎、関節痛、骨髄炎、筋膜炎、パジェット病、痛風、歯周病、リューマチ関節炎、滑膜炎、重症筋無力症、甲状腺炎、全身狼紅エリテマトーデス、グッドパスチャー症候群、ベーチェット症候群、同種異系移植片拒絶、移植片対宿主病、強直性脊椎炎、バージャー病、1型糖尿、2型糖尿、ルティエ症候群、もしくはホジキン病を包含する。最も好ましい実施形態中、該哺乳類が、敗血症(sepsis、septicemia)および/または内毒素ショックを持つか、または、これらに関するリスクにある。
【0125】
これらの方法が、該哺乳類に第2抗炎症剤を投与してみることを更に含み得る。該第2抗炎症剤の複数の非限定例が、NSAID、サリチラート(サリチレート)、COX阻害剤、COX−2阻害剤、もしくはステロイドである。好ましくは、該哺乳類が、敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックを持つか、または、これらに関するリスクにあり、第2処置が、ムスカリンアゴニスト、アドレノメデュリン(medullin)、アドレノメデュリン(medullin)結合蛋白、乳脂肪球表皮成長因子第8因子、活性化蛋白C、もしくはα2A−アドレナリンアンタゴニストの投与である。
【0126】
本発明が、敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックを持っている哺乳類を処置していくとのある1方法にも関する。本方法が、敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックを処置するに充分な量での上の複数の医薬組成物のいずれかを該哺乳類に投与してみることを含む。
【0127】
本発明が、敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックを持っている哺乳類を処置していくとの他の複数の方法に更に関する。これら方法が、敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックを処置するに充分な量での化合物を該哺乳類に投与してみることを含み、ここで、該化合物が:
【0128】
【化44】

である。
【0129】
本発明の好ましい実施形態が、以降の実施例中、記載されている。本明細書中の請求項の範囲内の他の実施形態が、本明細書中、開示されたとおりの本発明の特定もしくは現実の斟酌から、当業者に明らかとされる。本特定が、これら実施例と一緒に例とだけ斟酌されることが、意図されており、本発明の範囲および思想が、これら請求項により指し示されており、これら実施例に続く。
【0130】
実施例1.マクロファージ転位阻害因子オキシム阻害剤。
MIF原炎症活性阻害剤設計(デザイン)へ向かう1ルートが、MIF互変酵素(トートメラーゼ)活性部位と干渉していくことに焦点を当ててきており、互変酵素(トートメラーゼ)活性を阻害する。この観点中、Pro−1とMet−2との間のある1アラニンの挿入(pam)による該活性部位の分断が、該互変酵素(トートメラーゼ)触媒活性を廃し、この結果の変異体が、in vitroにおけるMIFグルココルチコイド反対規制活性において不全である(Lubetskyら、2002年)。また、アセトアミノフェンP450依存代謝体たるN−アセチル−p−ベンゾキノンイミン(NAPQI)が、その酵素部位においてMIFに共有結合し、デキサメタゾンの抗炎症効果との干渉を包含している数多くのin vitro生物アッセイにおいてMIFサイトカイン活性を不活化させ、MIF生物活性を仲介していくことにおける該活性部位のある1種の役割を示唆している(Senterら、2002年)。不運にも、NAPQIの毒性が、全身MIFアンタゴニストとしてのその使用を妨げる。これゆえ、MIFの互変酵素(トートメラーゼ)触媒のインドール生成物を模倣している化合物が、該活性部位中、結合し得、有効な阻害剤たり得たことが、仮定されていた。このゴールを達成するに当たり、シッフ塩基(シッフベース)付加体が、p−ヒドロキシベンズアルデヒドとアミノ酸メチルエステルをカップリングさせていくことにより合成されたが、アミノ酸シッフ塩基型(シッフベースタイプ)化合物(II型)を調える。最も潜在力ある阻害剤が、1.65μMのIC50を有するトリプトファンシッフ塩基(シッフベース)であるように見いだされた(Diosら、2002年)。含水媒体中でのトリプトファンシッフ塩基(シッフベース)の加水分解のゆっくりとした速度により、追加のフェニルイミンスキャッフォールドが、潜在的MIFアンタゴニストとして探された。幾つかの代表的なフェニルイミン化合物が、ドーパクローム互変酵素(トートメラーゼ)阻害活性を求めてテストされたが、これらイソキサゾリンが、更なる注意を求める魅力的なスキャッフォールドを表すと結論された(Lubetskyら、2002年)。このシリーズにおけるMIF互変酵素(トートメラーゼ)および原炎症活性の先導的(リード)阻害剤が、(S,R)−3−(4−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾール酢酸メチルエステル(ISO−1)である。ISO−1に複合体化されたMIFの結晶構造が、p−ヒドロキシフェニルピルビン酸に似た該活性部位中での結合を明らかとした。その阻害剤と結合したMIFの更なる研究が、活性部位の占拠が、in vivoおよびin vitroにおけるMIF原炎症特性の阻害と関連されていることを示したが、炎症活性におけるMIF触媒活性部位に関する役割を更に樹立させている。これらの先行の研究が、結果、Cyc−Oxi−11の発生を与えていく新しい分類(クラス)の化合物の合理的設計(デザイン)に関する分子の基準を与えたが、これが、確認テスト中、MIF互変酵素(トートメラーゼ)阻害中、ISO−1よりも30倍潜在的である。加え、Cyc−Oxi−11が、in vitroおよびin vivo両方中、高用量での明らかな毒性を欠く。Cyc−Oxi−11および関連化合物が、敗血症処置用に可能な治療剤として評価された。
【0131】
Cyc−Oxi−11設計(デザイン)。
MIF薬理学的阻害剤たるISO−1が、in vitroモデルおよびin vivoモデルにおける外因性MIFおよび内因性MIFを中和する。これが、化学的アプローチの上手い応用を指し示し、MIF生物学的活性に拮抗する。ISO−1が、有意な抗炎症活性を持つが、より良好な阻害剤の開発が、望まれていた。ISO−1構造を中心として焦点を当てられたライブラリーの合成が、該活性を有意に向上させなかった(データを示さなかった)。しかしながら、ISO−1が、他の2種のスキャッフォールドと共に統合されたが(図1)、新しいスキャッフォールドを設計(デザイン)し、このある1例が、Cyc−Oxi−11(=OXIM−11)であり(図2)、これが、この弗化誘導体と共に(実施例2)いずれの前に記載された化合物よりも潜在力あるMIF活性阻害剤である。Cyc−Oxi−11が、該スキャッフォールドの周りに合成された29種のオキシム誘導体の1種であり、ISO−1よりもin vitroにおいて30倍潜在力あるMIF原炎症活性阻害剤である。新規オキシムスキャッフォールドの代表的構造が、表1中、提示されており、MIFドーパクローム互変酵素(トートメラーゼ)活性を阻害しているそれらのIC50と共にである。毒性が、いずれの新規化合物の治療目的での使用の提案にも関したある1種の問題であるので、Cyc−Oxi−11暫定急性毒性(急毒)スクリーニングが、遂行された。腹腔内注射における毒性の証拠が、100mg/Kgにまでの用量と共に全く見いだされなかった(データを示さなかった)。暫定的な研究中、Cyc−Oxi−11抗菌効果もテストされたが、陰性(ネガティブ)であるように見いだされた。
【0132】
【表1】

表1.Cyc−Oxi(OXIM)スキャッフォールド構造の選択。IC50が、そのMIF互変酵素(トートメラーゼ)活性阻害を表す。
【0133】
MIF活性部位に結合しているCyc−Oxi−11が、LPS活性化単球へのMIFグルココルチコイド規制活性をダウンレギュレーションする。
上のISO−1研究と共に示されたとおり、in vitroにおけるMIF原炎症活性のより潜在力ある中和が、MIF互変酵素(トートメラーゼ)活性への阻害効果の高まりと関連されている。この関連が、この新しい分類(クラス)のCyc−Oxi剤において更に生み出されている。図3中、示されたとおり、Cyc−Oxi−11が、LPS刺激マクロファージからのグルココルチコイドとのMIF依存干渉を有意に阻害したが、Cyc−Oxi−11が、両アッセイにおいて〜1.3μMのIC50と共にMIF互変酵素(トートメラーゼ)および原炎症活性の最も潜在力ある阻害剤の1種である(ISO−1よりも30倍潜在的)。Cyc−Oxi−11が、in vitroにおいてTNF放出を阻害する。
【0134】
Cyc−Oxi−11が、in vitroにおけるMIF原炎症活性を阻害する。
マクロファージが、MIFの潤沢な源であることが、示されてきており(Calandraら、1994年)、LPS刺激後、放出されている。これが、in vitroにおける分泌MIFのオートクリン活性およびパラクリン活性の審査に至った。前の研究が、抗体を使用しながらのMIFの中和が、LPS刺激マクロファージによるTNF分泌をブロックしたことを示した。ここで、LPS刺激ヒトマクロファージからのMIFの分泌のCyc−Oxi−11による中和が、TNF放出を仲介するMIF活性を阻害できるかどうか求められた。図4中、示されたとおり、Cyc−Oxi−11が、用量依存的な様式で、抗MIF抗体処理同様、LPS刺激ヒトマクロファージによるTNF放出を阻害する。
【0135】
MIF触媒部位において結合する小分子が、該分子の炎症規制機能およびグルココルチコイド規制機能を廃する(妨げる)。阻害剤の合理的設計(デザイン)が、結果、Cyc−Oxi−11の同定を与えてきており、ある特定の関連OXIMスキャッフォールド化合物が、最も潜在的なMIF活性阻害剤としてまだ設計(デザイン)されてきている。その暫定的な急性毒性(急毒)スクリーニングが、100mg/kgにまでの用量において毒性の証拠を全く見いださなかったので、この分子が、敗血症、ならびに、他のMIF仲介疾患および病状と関連した酷くなっていく罹患率および致死率を抑えていくための治療剤としての潜在能力(ポテンシャル)を示す。
【0136】
敗血症死を防ぐCyc−Oxi−11活性が、次に評価された。CLP術後の血清中のMIF出現の速度論が、CLP6、12、24、36、および48時間後、採血していくことにより求められたが、次いで、ウェスタンブロットにより該血清を分析していき、循環MIFのレヴェルを求める。1時点当たり、5匹のネズミが、テストされた。図5中、示されたとおり、血清MIFが、12時間後、増加し始め、約36時間で、ピークを迎える(*P<0.05)。
【0137】
他の複数のマウス(mice)が、次いで、CLP24時間後、Cyc−Oxi−11(0.1mg/マウス/日)もしくはビヒクルを用いて腹腔内注射された(n=13)。追加の2回の注射が、2日目および3日目、与えられた。13匹のネズミが、テストされた。これら結果が、図6中、示されている。敗血症発症24時間後のCyc−Oxi−11処理が、CLPにより引き起こされたそれらの死をよく抑えた(P<0.001)。
【0138】
実施例2.OXIM−11(Cyc−Oxi−11)弗素化が、潜在的なマクロファージ転位阻害因子活性阻害を向上させる
実施例の要約
潜在的な特異的なMIF互変酵素(トートメラーゼ)活性阻害剤としての一連のハロゲン化(E)−4−ヒドロキシベンズアルデヒドO−シクロヘキサンカルボニルオキシム(OXIM−11、図2)の合成が、記載されている。このOXIMのスキャッフォールドの4−ヒドロキシ保有フェニル環のモノ弗素化だけが、これらの親化合物に比べたら、63%にまで、これら阻害剤の潜在力を向上させる。
【0139】
マクロファージ転位阻害因子(MIF)が、原炎症サイトカインであり、免疫疾患の発病における決定的な役割を演ずる。MIFたるホモ3量体(Sunら、1996年;Sugimotoら、1996年)が、それらの対応しているインドール誘導体へのD−もしくはL−ドーパクロームメチルエステルのような非生理学的基質の互変異性化を触媒できる独特の能力を所有する(Rosengrenら、1996年)。突然変異、もしくは、小分子を使用しながら、この活性部位をブロックしていくと、敗血症(Beishuizenら、2001年;Lueら、2002年;Calandraら、2002年;Calendraら、2000年)、EAN、および1型糖尿(Cvetkovicら、2005年)におけるMIF生物活性を阻害する。
【0140】
最近、我々が、標的分子を更に修飾したが、最も潜在的なMIF阻害剤たる、(E)−4−ヒドロキシベンズアルデヒドO−シクロヘキサンカルボニルオキシム(OXIM−11、cyc−oxi−11、図2;図7中、化合物3a)。ここに樹立されたとおり、シクロヘキシル基(3a、図7)および4−メトキシフェニル基(4、図8、スキーム2)を有する分子が、最も阻害活性を持つ。3aが、1.3μMのIC50と共にドーパクローム互変酵素(トートメラーゼ)活性を阻害し、4が、1.1MのIC50と共にドーパクローム互変酵素(トートメラーゼ)活性を阻害する。
【0141】
この実施例が、MIF互変酵素(トートメラーゼ)活性を阻害できる潜在力へのヒドロキシル基に関してのオルトハロゲン化の影響を記載する。これゆえ、一連のハロゲン化(E)−4−ヒドロキシベンズアルデヒドO−シクロヘキサンカルボニルオキシム(OXIM−11、3a)の合成、潜在的な、特異的なMIF互変酵素(トートメラーゼ)活性阻害剤が、記載されている。該ヒドロキシルに対してオルトでのモノ弗素化が、63%にまで、MIF生物活性阻害を向上させる。
【0142】
ハロゲン化4−ヒドロキシベンズアルデヒド1b〜1h(図7)が、市販されていたか、もしくは、文献記載の手順(Lawrenceら、2003年)に従いながら、調製された。オキシム2a〜2h(図7)が、塩基性アルコール溶媒中、アルデヒド1a〜1hとのヒドロキシルアミンの縮合により、すばらしい収率で、合成された。最終化合物3a〜3h(図7)が、終夜、0℃〜室温、ピリジン存在下、乾いたジクロロメタン中、シクロヘキサンカルボン酸クロリドとのオキシム2a〜2hの縮合により、良好な収率で、合成された(スキーム1、下の補足材料参照)。化合物4および化合物5が、化合物3と同様の方法として調製された(図8)。ここに報告された最終化合物3a〜3h、4、および5が、1H NMR、13C NMR、およびESI−MSにより充分特徴化された(下の補足材料参照)。
【0143】
ISO−1もしくはOXIM−11に複合体化されたMIFの結晶構造が、そのフェノール基が、基質および阻害剤両方における、MIF活性部位内での結合における、決定的な役割を持つことを明らかとした。そのフェノール基のオルト位においてハロゲンを保有している化合物が、これゆえ評価されたが、該ハロゲンが、MIF活性部位内での追加結合に向かっての該フェノールの水素結合を高めるかどうか求める。候補化合物3a〜3hが、合成されたが、MIFドーパクローム互変酵素(トートメラーゼ)活性阻害が、図7中、提示されている。
【0144】
(E)−4−ヒドロキシベンズアルデヒドO−シクロヘキサンカルボニルオキシム(OXIM−11、3a)が、1.3μMのIC50と共にMIFドーパクローム互変酵素(トートメラーゼ)活性を阻害する。そのフェノール基のオルト位上でのモノ弗素化(化合物3b)が、0.9μMのIC50にまで35%、ドーパクローム互変酵素(トートメラーゼ)活性阻害を向上させる。この立体効果の他、この弗素置換基の強い電気陰性度が、このフェノール環を分極させ、化合物3bの観測された最もの潜在力に対応するOH水素結合受容能力を高める。ジフルオロ類似体3cおよびテトラフルオロ類似体3dが、これら弗素基の静電的反発(Malamasら、2004年)のために3bよりも顕著に潜在的でなかった。例えば、2,6−ジフルオロ類似体3cが、最も、Asn−97のアミド基との反発を持ちがちである。しかしながら、塩素もしくは臭素もしくは沃素を保有している他のハロゲン化化合物(化合物3e〜3h)が、抑えられた活性を持つ(図7)。Asn−97の側鎖とヒドロキシル基との間の複数の水素結合が、MIF活性部位内の鍵の相互作用である(Lubetskyら、1999年)ので、この知見が、驚くほどでない。該ヒドロキシル基に対してオルトの、塩素、臭素、および沃素のような嵩高いハロゲンを導入していくと、その分子としてのサイズを有意に代え、結果、特記できるほど減少したリガンド結合を与える。また、OHとこれらハロゲンとの間の複数の分子内水素結合が、そのOH水素結合供与能力を抑え、プロトン(1H)NMR解析においてOHの酸性度を増加させていくことにより証されたとおりである(図7、Himoら、2000年)。これゆえ、化合物3b上のフェノール基のオルト位上の弗素が、MIF活性部位内での追加結合に向かっての決定的な特異的な役割を持つ。モノ弗素化を用いたドーパクローム互変酵素(トートメラーゼ)活性上の高まりが、(E)−3−フルオロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒドO−4’−メトキシフェニルカルボニルオキシム(5)を用いても観測された。この類似体が、その親化合物(4)を凌駕するドーパクローム互変酵素(トートメラーゼ)活性における63%の向上を持つ(図8)。
【0145】
結論すると、ヒドロキシル基に対してオルト位上へのモノ弗素化が、MIF活性部位内のリガンド結合へ、決定的なインパクトを持つ。
【0146】
補足材料
MIF互変酵素(トートメラーゼ)活性が、UV−可視記録分光(SHIMADZU、UV1600U)により計測された。L−ドーパクロームメチルエステルのできたての保管溶液が、過沃素酸ナトリウムを用いたL−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンメチルエステル酸化を通し、2.4mMにおいて調製された。1μLのMIF溶液(800〜900ng/mL)および種々の濃度の本酵素阻害剤を有する1μLのDMSO溶液が、0.7mLアッセイ緩衝液(バッファー、1X燐酸カリウム、pH7.2)を含有しているプラスチックセル(10mm、1.5mL)中に加えられた。該L−ドーパクロームメチルエステル溶液(0.3mL)が、該アッセイ緩衝液(バッファー)混合物に加えられた。活性が、室温において求められたが、これら分光測定が、標準溶液に比べてのL−ドーパクロームメチルエステルの脱色の速度をモニターしていって20秒間、λ=475nmにおいてなされた。
【0147】
ハロゲン化(E)−4−ヒドロキシベンズアルデヒドO−シクロヘキサンカルボニルオキシム(3a〜3h)合成に向かっての一般手順。
70mL乾燥ジクロロメタン中のハロゲン化4−ヒドロキシベンゾアルデヒドオキシム(2a〜2h、12.8ミリモル)およびシクロヘキサンカルボン酸クロリド(13.4ミリモル)の混合物が、0℃にまで冷やされた。この懸濁にピリジン(12.8ミリモル)が、滴下されたが、結果、薄黄色溶液を与えた。該溶液が、10分間、0℃において攪拌されたが、次いで、18時間、室温にまで温まるようにされた。この混合物が、CH2Cl2および水を用いて稀釈され、これらの層が、分けられた。この水の部分が、CH2Cl2洗浄され、この組み合わされた有機分画が、飽和NaCl洗浄され、MgSO4乾燥された。濾過および真空中でのエバポレーションが、白色固体を与えたが、フラッシュクロマトグラフィ(40%EtOAc/ヘキサン)により精製された。EtOAc/ヘキサンからの結晶化が、望まれた白色固体生成物(3a〜3h)を与えた。
【0148】
化合物3a〜3hに関する分析データ。
全ての溶媒が、Fisher ScientificからのHPLC等級(グレード)であった。シリカゲル(Selecto Scientific、32〜63μm平均粒子サイズ)が、フラッシュカラムクロマトグラフィ(FCC)用に使用された。254nm蛍光指示TLC板(プレート)を有するアルミニウム背後シリカゲル60が、使用された。TLC板(プレート)上のスポットが、短波長UVランプ下、可視化されたか、もしくは、I2蒸気を用いて染色された。NMRスペクトルが、1H NMRスペクトルに関して270MHzにおいて13C NMRスペクトルに関して67.5MHzにおいてJeol Eclipse270上、実行された。結合定数(カップリングコンスタント)が、ヘルツ単位で(Hz)、報告されており、化学シフトが、重水素化溶媒のピークに相対してppm単位で、報告されている。これら結合定数(カップリングコンスタント、J)が、測定されており(Hz)、シングレット(s)、ダブレット(d)、トリプレット(t)、マルチプレット(m)、およびブロード(br)として帰属されている。低分解能質量スペクトルが、陰イオンモードを有するThermofinnigan LCQ DecaXPplus4極イオン補足MSを使用しながら、達成された。
【0149】
ある幾つかの選択された化合物の分析データ。
化合物3a:白色固体生成物として単離された(38%)。1H NMR(270MHz、アセトン−d6)δ9.04(br、1H)、8.42(s、1H)、7.65(d、J=8.7Hz、2H)、6.94(d、J=8.7Hz、2H)、2.46(m、1H)、1.2〜2.0(m、10H);13C NMR(67.5MHz、アセトン−d6)δ172.23、160.56、155.92、130.06、122.23、115.88、41.67、25.19;ESI−MS m/z 246(M-)。
化合物3b:白色固体生成物として単離された(40%)。1H NMR(270MHz、アセトン−d6)δ9.37(br、1H)、8.44(s、1H)、7.55(m、1H)、7.45(m、1H)、7.10(m、1H)、2.46(m、1H)、1.2〜2.0(m、10H);13C NMR(67.5MHz、アセトン−d6)δ172.10、155.16、153.29、149.72、148.22、125.75、123.07、118.18、115.20、41.61、25.17;ESI−MS m/z 264(M-)。
化合物3c:白色固体生成物として単離された(35%)。1H NMR(270MHz、アセトン−d6)δ10.79(br、1H)、8.16(s、1H)、7.40(d、J=8.4Hz、2H)、2.76(m、1H)、1.2〜2.0(m、10H);ESI−MS m/z 282(M-)。
化合物3d:白色固体生成物として単離された(45%)。1H NMR(270MHz、アセトン−d6)δ11.34(br、1H)、8.22(s、1H)、2.85(m、1H)、1.2〜2.0(m、10H);13C NMR(67.5MHz、アセトン−d6)δ171.50、146.54、142.89、139.25、138.02、129.32、110.44、42.16、24.84;ESI−MS m/z 321(M-)。
化合物3e:白色固体生成物として単離された(40%)。1H NMR(270MHz、アセトン−d6)δ9.55(br、1H)、8.50(s、1H)、7.85(d、J=2.0Hz、1H)、7.67(dd、J1=8.5Hz、J2=2.0Hz、1H)、7.18(d、J=8.5Hz、1H)、2.55(m、1H)、1.2〜2.0(m、10H);ESI−MS m/z 280(M-)。
化合物3f:白色固体生成物として単離された(39%)。1H NMR(270MHz、アセトン−d6)δ9.66(br、1H)、8.44(s、1H)、7.94(d、J=2.0Hz、1H)、7.66(dd、J1=8.4Hz、J2=2.0Hz、1H)、7.10(d、J=8.4Hz、1H)、2.47(m、1H)、1.2〜2.0(m、10H);13C NMR(67.5MHz、アセトン−d6)δ172.12、156.93、154.75、133.09、128.87、124.01、116.82、110.04、41.62、25.18。
化合物3g:白色固体生成物として単離された(37%)。1H NMR(270MHz、アセトン−d6)δ10.82(br、1H)、8.15(s、1H)、7.93(s、2H)、2.73(m、1H)、1.2〜2.0(m、10H)。
化合物3h:白色固体生成物として単離された(40%)。1H NMR(270MHz、アセトン−d6)δ10.74(br、1H)、8.13(s、2H)、8.10(s、1H)、2.71(m、1H)、1.2〜2.0(m、10H)。
化合物4:白色固体生成物として単離された(40%)。1H NMR(300MHz、アセトン−d6)δ9.05(br、1H)、8.60(s、1H)、8.02(d、J=8.7Hz、2H)、7.68(d、J=8.7Hz、2H)、7.05(d、J=8.7Hz、2H)、6.93(d、J=8.7Hz、2H)、3.87(s、3H);ESI−MS m/z 270(M-)。
化合物5:白色固体生成物として単離された(40%)。1H NMR(300MHz、アセトン−d6)δ9.37(br、1H)、8.62(s、1H)、8.02(d、J=8.4Hz、2H)、7.60(dd、J1=8.4Hz、J2=2.0Hz、1H)、7.47(d、J=8.4Hz、1H)、7.06(m、3H)、3.87(s、3H);ESI−MS m/z 288(M-)。
【0150】
実施例3.MIFを阻害している追加化合物。
追加化合物が、生産され、上の実施例において記載された方法により、in vitroにおけるMIF阻害活性を求めてテストされた。表2が、それらの実験の結果を与える。
【0151】
【表2】

【0152】
【表3】

【0153】
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【0154】
上の観点中、本発明の幾つかの利点が、達成されており、他の利点が、達成されたことが、分かる。
【0155】
種々の変更が、本発明範囲から逸脱していくことなく、上の方法および上の組成物中、なされ得るので、上の記載中、含有された、添付図面中、示された、全事項が、例示として解釈されているべきであり、限定していく感覚でないと意図されている。
【0156】
この明細書中、引用された全参考文献が、本明細書により援用されている。本明細書中のこれら参考文献の議論が、単にその著者らによりなされた主張を要約すると意図されており、如何なる参考文献も先行技術を構成すると全く認められていない。出願人どもが、これら引用参考文献の正確さおよび適切さに挑むに当たっての権利を保留する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

式中:
1が、単一もしくは多重置換、独立に、H、OH、R5、N(R5)、SR5、もしくはハロゲンであり;
2が、環構造を含み、ここで、該環構造中の原子が、R3に結合している炭素に結合しており;
3が、O、C(R52、もしくはSであり;そして
4が、H、R5、もしくはハロゲンであり;式中:
5が、独立に、H、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルキル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルケニル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルカノイル、または直鎖もしくは分岐C2〜C6アルコキシである
の化合物、または、これらの医薬として許容可能な塩、エステル、もしくは互変異性体(トートマー)。
【請求項2】
1が、H、OH、もしくはハロゲンである、請求項1の化合物。
【請求項3】
1が、OHである、請求項2の化合物。
【請求項4】
1が、更に、ハロゲン置換を含む、請求項3の化合物。
【請求項5】
前記ハロゲン置換が、弗素である、請求項4の化合物。
【請求項6】
1が、パラ位のOHである、請求項1の化合物。
【請求項7】
1が、更に、ハロゲン置換を含む、請求項6の化合物。
【請求項8】
前記ハロゲン置換が、弗素である、請求項7の化合物。
【請求項9】
前記弗素が、メタ位にある、請求項7の化合物。
【請求項10】
2が、3、4、5、もしくは6員の、脂肪族環状、複素環状、もしくは芳香環を含む、請求項1〜9のいずれか1項の化合物。
【請求項11】
2の環が、脂肪族環状である、請求項10の化合物。
【請求項12】
前記脂肪族環状環が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシル−2,3−エン、もしくは1−アダマンチルである、請求項11の化合物。
【請求項13】
2の環が、複素環状である、請求項10の化合物。
【請求項14】
2の環が、パラヒドロキシメチルフェニルである、請求項13の化合物。
【請求項15】
前記複素環状環が、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピリジン、ピラゾール、イミダゾール、ピロール、ピラン、もしくはフランである、請求項13の化合物。
【請求項16】
2の環が、芳香族である、請求項10の化合物。
【請求項17】
前記芳香環が、シクロベンジル、4−ピリミジル、もしくは3−ピリミジルである、請求項16の化合物。
【請求項18】
2の環構造が、1よりも多い環を含む、請求項10の化合物。
【請求項19】
2の環構造が、置換されていない、請求項1〜18のいずれか1項の化合物。
【請求項20】
2の環構造が、少なくとも1直鎖もしくは分岐C1〜C6アルキル、直鎖もしくは分岐C1〜C6アルケニル、直鎖もしくは分岐C1〜C6アルカノイル、直鎖もしくは分岐C1〜C6アルコキシ、ケト、カルボキシ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ジアゾ、チオ、もしくはヒドロキシアミノを用い、置換されている、請求項1〜18のいずれか1項の化合物。
【請求項21】
2の環構造が、少なくとも1ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、もしくはハロゲンを用い、置換されている、請求項20の化合物。
【請求項22】
3が、Oである、請求項1〜21のいずれか1項の化合物。
【請求項23】
4が、Hである、請求項1〜22のいずれか1項の化合物。
【請求項24】
3が、Oであり、R4が、Hである、式Iを持っている、請求項1の化合物。
【請求項25】
1が、OHである、請求項24の化合物。
【請求項26】
OHが、パラ位にある、請求項25の化合物。
【請求項27】
2が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシル−2,3−エン、シクロベンジル、4−ピリミジル、3−ピリミジル、1−アダマンチル、もしくはメトキシフェニルである、請求項24〜26のいずれか1項の化合物。
【請求項28】
【化2】

を含むか、もしくは、これからなる、請求項1の化合物。
【請求項29】
【化3】

を含むか、もしくは、これからなる、請求項1の化合物。
【請求項30】
【化4】

を含むか、もしくは、これからなる、請求項1の化合物。
【請求項31】
【化5】

を含むか、もしくは、これからなる、請求項1の化合物。
【請求項32】
【化6】

を含むか、もしくは、これからなる、請求項1の化合物。
【請求項33】
【化7】

を含むか、もしくは、これからなる、請求項1の化合物。
【請求項34】
【化8】

を含むか、もしくは、これからなる、請求項1の化合物。
【請求項35】
【化9】

を含むか、もしくは、これからなる、請求項1の化合物。
【請求項36】
【化10】

を含むか、もしくは、これからなる、請求項1の化合物。
【請求項37】
【化11】

を含むか、もしくは、これからなる、請求項1の化合物。
【請求項38】
更に、ヒドロキシベンジル部分(moiety)上のオルト位において弗素を含む、請求項28〜38のいずれか1項の化合物。
【請求項39】
【化12】

を含むか、もしくは、これからなる、請求項38の化合物。
【請求項40】
【化13】

を含むか、もしくは、これからなる、請求項38の化合物。
【請求項41】
医薬として許容可能な賦形剤中、請求項1〜40のいずれか1項の化合物、または、これらの医薬として許容可能な塩、エステル、もしくは互変異性体(トートマー)を含む、医薬組成物。
【請求項42】
式I:
【化14】

式中:
1が、単一もしくは多重置換、独立に、H、OH、R5、N(R5)、SR5、もしくはハロゲンであり、ここで、少なくとも1置換が、ハロゲンであり;
2が、環構造を含み、ここで、該環構造中の原子が、R3に結合している炭素に結合しており;
3が、O、C(R52、もしくはSであり;そして
4が、H、R5、もしくはハロゲンであり;式中:
5が、独立に、H、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルキル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルケニル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルカノイル、または直鎖もしくは分岐C2〜C6アルコキシである
の化合物、または、これらの医薬として許容可能な塩、エステル、もしくは互変異性体(トートマー)。
【請求項43】
1が、OHおよびハロゲンを含む多重置換である、請求項41の化合物。
【請求項44】
1が、パラ位におけるOHを含む、請求項43の化合物。
【請求項45】
前記ハロゲン置換が、弗素である、請求項44の化合物。
【請求項46】
前記弗素が、メタ位にある、請求項45の化合物。
【請求項47】
2が、3、4、5、もしくは6員の、脂肪族環状、複素環状、もしくは芳香環を含む、請求項42〜46のいずれか1項の化合物。
【請求項48】
2の環が、脂肪族環状である、請求項47の化合物。
【請求項49】
前記脂肪族環状環が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシル−2,3−エン、もしくは1−アダマンチルである、請求項48の化合物。
【請求項50】
2の環が、複素環状である、請求項47の化合物。
【請求項51】
2の環が、パラヒドロキシメチルフェニルである、請求項50の化合物。
【請求項52】
前記複素環状環が、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピリジン、ピラゾール、イミダゾール、ピロール、ピラン、もしくはフランである、請求項50の化合物。
【請求項53】
2の環が、芳香族である、請求項47の化合物。
【請求項54】
前記芳香環が、シクロベンジル、4−ピリミジル、もしくは3−ピリミジルである、請求項53の化合物。
【請求項55】
2の環構造が、1よりも多い環を含む、請求項47の化合物。
【請求項56】
2の環構造が、置換されていない、請求項42〜55のいずれか1項の化合物。
【請求項57】
2の環構造が、少なくとも1直鎖もしくは分岐C1〜C6アルキル、直鎖もしくは分岐C1〜C6アルケニル、直鎖もしくは分岐C1〜C6アルカノイル、直鎖もしくは分岐C1〜C6アルコキシ、ケト、カルボキシ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ジアゾ、チオ、もしくはヒドロキシアミノを用い、置換されている、請求項42〜55のいずれか1項の化合物。
【請求項58】
2の環構造が、少なくとも1ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、もしくはハロゲンを用い、置換されている、請求項57の化合物。
【請求項59】
3が、Oである、請求項42〜58のいずれか1項の化合物。
【請求項60】
4が、Hである、請求項42〜59のいずれか1項の化合物。
【請求項61】
3が、Oであり、R4が、Hである、式Iを持っている、請求項42の化合物。
【請求項62】
1が、OH置換およびハロゲン置換を含む、請求項61の化合物。
【請求項63】
OHが、パラ位にある、請求項62の化合物。
【請求項64】
2が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシル−2,3−エン、シクロベンジル、4−ピリミジル、3−ピリミジル、1−アダマンチル、もしくはメトキシフェニルである、請求項61〜63のいずれか1項の化合物。
【請求項65】
【化15】

を含むか、もしくは、これからなる、請求項42の化合物。
【請求項66】
【化16】

を含むか、もしくは、これからなる、請求項42の化合物。
【請求項67】
式I:
【化17】

式中:
1が、単一もしくは多重置換、独立に、H、OH、R5、N(R5)、SR5、もしくはハロゲンであり;
2が、パラヒドロキシメチルフェニルであり;
3が、O、C(R52、もしくはSであり;そして
4が、H、R5、もしくはハロゲンであり;式中:
5が、独立に、H、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルキル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルケニル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルカノイル、または直鎖もしくは分岐C2〜C6アルコキシである
の化合物、または、これらの医薬として許容可能な塩、エステル、もしくは互変異性体(トートマー)。
【請求項68】
1が、OHおよびハロゲンを含む多重置換である、請求項67の化合物。
【請求項69】
1が、パラ位におけるOHおよびメタ位における弗素である、請求項68の化合物。
【請求項70】
【化18】

を含むか、もしくは、これからなる、請求項67の化合物。
【請求項71】
【化19】

を含むか、もしくは、これからなる、請求項67の化合物。
【請求項72】
医薬として許容可能な賦形剤中、請求項42〜71のいずれか1項の化合物、または、これらの医薬として許容可能な塩、エステル、もしくは互変異性体(トートマー)を含む、医薬組成物。
【請求項73】
式III:
【化20】

式中:
1が、環構造を含み、ここで、該環構造中の原子が、R2に結合している炭素に結合しており;
2およびR3が、独立に、O、C(R52、もしくはSであり;
4が、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルキル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルケニル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルカノイル、または直鎖もしくは分岐C2〜C6アルコキシであり;
5が、独立に、H、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルキル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルケニル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルカノイル、または直鎖もしくは分岐C2〜C6アルコキシである
の化合物。
【請求項74】
2およびR3が、両方Oである、請求項73の化合物。
【請求項75】
4が、3級ブチルである、請求項73の化合物。
【請求項76】
1が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロベンジル、もしくは置換シクロベンジルである、請求項73の化合物。
【請求項77】
1が、パラ置換シクロベンジルである、請求項73の化合物。
【請求項78】
前記パラ置換シクロベンジルが:
【化21】

である、請求項77の化合物。
【請求項79】
【化22】

を含む、請求項73の化合物。
【請求項80】
【化23】

からなる、請求項73の化合物。
【請求項81】
【化24】

を含むか、もしくは、これからなる、請求項73の化合物。
【請求項82】
【化25】

を含むか、もしくは、これからなる、請求項73の化合物。
【請求項83】
【化26】

を含むか、もしくは、これからなる、請求項73の化合物。
【請求項84】
【化27】

を含むか、もしくは、これからなる、請求項73の化合物。
【請求項85】
【化28】

を含むか、もしくは、これからなる、請求項73の化合物。
【請求項86】
【化29】

を含むか、もしくは、これからなる、請求項73の化合物。
【請求項87】
【化30】

を含むか、もしくは、これからなる、請求項73の化合物。
【請求項88】
【化31】

を含むか、もしくは、これからなる、請求項73の化合物。
【請求項89】
【化32】

を含むか、もしくは、これからなる、請求項73の化合物。
【請求項90】
【化33】

を含むか、もしくは、これからなる、請求項73の化合物。
【請求項91】
医薬として許容可能な賦形剤中、請求項73〜90のいずれか1項の化合物、または、これらの医薬として許容可能な塩、エステル、もしくは互変異性体(トートマー)を含む、医薬組成物。
【請求項92】
哺乳類におけるマクロファージ転位阻害因子(MIF)活性を阻害する方法であって、該哺乳類におけるMIF活性を阻害するのに有効な量における、請求項72もしくは91の医薬組成物を該哺乳類に投与することを含む、方法。
【請求項93】
哺乳類におけるマクロファージ転位阻害因子(MIF)活性を阻害する方法であって、該哺乳類におけるMIF活性を阻害するのに有効な量における、請求項41の医薬組成物を該哺乳類に投与することを含む、方法。
【請求項94】
哺乳類におけるマクロファージ転位阻害因子(MIF)活性を阻害する方法であって、該哺乳類におけるMIF活性を阻害するのに有効な量における、医薬組成物を該哺乳類に投与することを含み、ここで、該医薬組成物が、医薬として許容可能な賦形剤中、式Iもしくは式IIの化合物、または、これらの医薬として許容可能な塩、エステル、もしくは互変異性体(トートマー)を含み、ここで、式Iおよび式IIが:
【化34】

であり、式中:
1が、単一もしくは多重置換、独立に、H、OH、R5、N(R5)、SR5、もしくはハロゲンであり;
2が、環構造を含み、ここで、該環構造中の原子が、R3に結合している炭素に結合しており;
3が、O、C(R52、もしくはSであり;そして
4が、H、R5、もしくはハロゲンであり;式中:
5が、独立に、H、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルキル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルケニル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルカノイル、または直鎖もしくは分岐C2〜C6アルコキシである
方法。
【請求項95】
前記化合物が、式Iのものである、請求項94の方法。
【請求項96】
1が、パラ位におけるOHである、請求項94の方法。
【請求項97】
2が、3、4、5、もしくは6員の、脂肪族環状、複素環状、もしくは芳香環を含む、請求項94〜96のいずれか1項の方法。
【請求項98】
2が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシル−2,3−エン、シクロベンジル、4−ピリミジル、3−ピリミジル、1−アダマンチル、もしくはメトキシフェニルである、請求項94の方法。
【請求項99】
前記化合物が:
【化35】

である、請求項94の方法。
【請求項100】
前記哺乳類が、MIFにより少なくとも一部媒介されている炎症サイトカインカスケードを含む病状を持つか、もしくは、これに関するリスクにある、請求項94の方法。
【請求項101】
前記病状が、癌、急性呼吸困難症候群、サイトカイン媒介毒性、乾癬、インターロイキン−2毒性、虫垂炎、消化潰瘍、胃潰瘍、および十二指腸潰瘍、腹膜炎、膵炎、潰瘍結腸炎、偽膜結腸炎、急性結腸炎、および虚血結腸炎、憩室炎、喉頭蓋炎、無弛緩症、胆管炎、胆嚢炎、肝炎、炎症腸疾患、クローン病、腸管炎、ホウィップル病、喘息、アレルギー、アナフィラキシーショック、免疫複合病、臓器虚血、再灌流傷害、臓器壊死、枯草熱、敗血症(sepsis、septicemia)、内毒素ショック、悪液質(カケクシア)、超高熱、好酸肉芽腫、肉芽腫症、類肉腫症、敗血症流産、副睾丸炎、膣炎、前立腺炎、尿道炎、気管支炎、気腫、鼻炎、嚢胞線維症、肺炎、肺胞炎、細気管支炎、咽頭炎、胸膜炎、副鼻腔炎、インフルエンザ、呼吸多核ウィルス感染、ヘルペス感染、HIV感染、B型肝炎ウィルス感染、C型肝炎ウィルス感染、伝搬菌血、デング熱、カンジダ症、マラリア、糸状虫症、アメーバ症、包虫嚢胞、火傷、皮膚炎、皮膚筋炎、日焼け、蕁麻疹(urticaria)、疣、蕁麻疹(wheals)、脈管炎、血管炎、心内膜炎、動脈炎、粥状(アテローム)硬化、血栓静脈炎、心膜炎、心筋炎、心筋虚血、結節性動脈周囲炎、リューマチ熱、アルツハイマー病、腔疾患、鬱血心不全、髄膜炎、脳炎、多発硬化、脳梗塞、脳塞栓、ギランバレー症候群、神経炎、神経痛、脊髄傷害、麻痺、葡萄膜炎、関節炎、関節痛、骨髄炎、筋膜炎、パジェット病、痛風、歯周病、リューマチ関節炎、滑膜炎、重症筋無力症、甲状腺炎、全身狼紅エリテマトーデス、グッドパスチャー症候群、ベーチェット症候群、同種異系移植片拒絶、移植片対宿主病、強直性脊椎炎、バージャー病、1型糖尿、2型糖尿、ルティエ症候群、もしくはホジキン病である、請求項61の方法。
【請求項102】
前記病状が、敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックである、請求項100の方法。
【請求項103】
哺乳類における炎症を処置するかもしくは防ぐ方法であって、該哺乳類における炎症を処置するかもしくは防ぐのに有効な量における、請求項72もしくは91の医薬組成物を該哺乳類に投与することを含む、方法。
【請求項104】
哺乳類における炎症を処置するかもしくは防ぐ方法であって、該哺乳類における炎症を処置するかもしくは防ぐのに有効な量における、請求項41の医薬組成物を該哺乳類に投与することを含む、方法。
【請求項105】
哺乳類における炎症を処置するかもしくは防ぐ方法であって、該哺乳類における炎症を処置するかもしくは防ぐのに有効な量における、医薬組成物を該哺乳類に投与することを含み、ここで、該医薬組成物が、医薬として許容可能な賦形剤中、式Iもしくは式IIの化合物、または、これらの医薬として許容可能な塩、エステル、もしくは互変異性体(トートマー)を含み、ここで、式Iおよび式IIが:
【化36】

であり、式中:
1が、単一もしくは多重置換、独立に、H、OH、R5、N(R5)、SR5、もしくはハロゲンであり;
2が、環構造を含み、ここで、該環構造中の原子が、R3に結合している炭素に結合しており;
3が、O、C(R52、もしくはSであり;そして
4が、H、R5、もしくはハロゲンであり;式中:
5が、独立に、H、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルキル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルケニル、直鎖もしくは分岐C2〜C6アルカノイル、または直鎖もしくは分岐C2〜C6アルコキシである
方法。
【請求項106】
前記化合物が、式Iのものである、請求項105の方法。
【請求項107】
1が、パラ位におけるOHである、請求項105の方法。
【請求項108】
2が3、4、5、もしくは6員の、脂肪族環状、複素環状、もしくは芳香環を含む、請求項105〜107のいずれか1項の方法。
【請求項109】
2が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシル−2,3−エン、シクロベンジル、4−ピリミジル、3−ピリミジル、1−アダマンチル、もしくはメトキシフェニルである、請求項108の方法。
【請求項110】
前記化合物が:
【化37】

である、請求項105の方法。
【請求項111】
前記哺乳類が、癌、急性呼吸困難症候群、サイトカイン媒介毒性、乾癬、インターロイキン−2毒性、虫垂炎、消化潰瘍、胃潰瘍、および十二指腸潰瘍、腹膜炎、膵炎、潰瘍結腸炎、偽膜結腸炎、急性結腸炎、および虚血結腸炎、憩室炎、喉頭蓋炎、無弛緩症、胆管炎、胆嚢炎、肝炎、炎症腸疾患、クローン病、腸管炎、ホウィップル病、喘息、アレルギー、アナフィラキシーショック、免疫複合病、臓器虚血、再灌流傷害、臓器壊死、枯草熱、敗血症(sepsis、septicemia)、内毒素ショック、悪液質(カケクシア)、超高熱、好酸肉芽腫、肉芽腫症、類肉腫症、敗血症流産、副睾丸炎、膣炎、前立腺炎、尿道炎、気管支炎、気腫、鼻炎、嚢胞線維症、肺炎、肺胞炎、細気管支炎、咽頭炎、胸膜炎、副鼻腔炎、インフルエンザ、呼吸多核ウィルス感染、ヘルペス感染、HIV感染、B型肝炎ウィルス感染、C型肝炎ウィルス感染、伝搬菌血、デング熱、カンジダ症、マラリア、糸状虫症、アメーバ症、包虫嚢胞、火傷、皮膚炎、皮膚筋炎、日焼け、蕁麻疹(urticaria)、疣、蕁麻疹(wheals)、脈管炎、血管炎、心内膜炎、動脈炎、粥状(アテローム)硬化、血栓静脈炎、心膜炎、心筋炎、心筋虚血、結節性動脈周囲炎、リューマチ熱、アルツハイマー病、腔疾患、鬱血心不全、髄膜炎、脳炎、多発硬化、脳梗塞、脳塞栓、ギランバレー症候群、神経炎、神経痛、脊髄傷害、麻痺、葡萄膜炎、関節炎、関節痛、骨髄炎、筋膜炎、パジェット病、痛風、歯周病、リューマチ関節炎、滑膜炎、重症筋無力症、甲状腺炎、全身狼紅エリテマトーデス、グッドパスチャー症候群、ベーチェット症候群、同種異系移植片拒絶、移植片対宿主病、強直性脊椎炎、バージャー病、1型糖尿、2型糖尿、ルティエ症候群、もしくはホジキン病を持つ、請求項105の方法。
【請求項112】
前記哺乳類が、敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックを持つ、請求項105の方法。
【請求項113】
前記哺乳類が、敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックに関するリスクにある、請求項105の方法。
【請求項114】
更に、前記哺乳類に第2抗炎症剤を投与することを含む、請求項105の方法。
【請求項115】
第2抗炎症剤が、NSAID、サリチラート、COX阻害剤、COX−2阻害剤、もしくはステロイドである、請求項114の方法。
【請求項116】
前記哺乳類が、敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックを持つか、または、これらに関するリスクにあり、第2処置が、ムスカリンアゴニスト、アドレノメデュリン(medullin)、アドレノメデュリン(medullin)結合蛋白、乳脂肪球表皮成長因子第8因子、活性化蛋白C、もしくはα2A−アドレナリンアンタゴニストの投与である、請求項114の方法。
【請求項117】
敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックを持つ哺乳類を処置する方法であって、敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックを処置するのに充分な量における、請求項72もしくは91の化合物を該哺乳類に投与することを含む、方法。
【請求項118】
敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックを持つ哺乳類を処置する方法であって、敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックを処置するのに充分な量における、請求項41の化合物を該哺乳類に投与することを含む、方法。
【請求項119】
敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックを持つ哺乳類を処置する方法であって、敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックを処置するのに充分な量における化合物を該哺乳類に投与することを含み、ここで、該化合物が:
【化38】

である、方法。
【請求項120】
前記哺乳類が、ヒトである、請求項92〜119のいずれか1項の方法。
【請求項121】
哺乳類における炎症の予防もしくは処置用の医薬品の製造用の、請求項72もしくは91の医薬組成物の使用。
【請求項122】
哺乳類における敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックの予防もしくは処置用の医薬品の製造用の、請求項72もしくは91の医薬組成物の使用。
【請求項123】
哺乳類における炎症の処置用の、請求項72もしくは91の医薬組成物の使用。
【請求項124】
哺乳類における敗血症(sepsis、septicemia)、および/または内毒素ショックの処置用の、請求項72もしくは91の医薬組成物の使用。
【請求項125】
前記哺乳類が、ヒトである、請求項121〜124のいずれか1項の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−539838(P2009−539838A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514326(P2009−514326)
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2007/013139
【国際公開番号】WO2007/145888
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(501324834)ザ・フェインスタイン・インスティチュート・フォー・メディカル・リサーチ (14)
【氏名又は名称原語表記】The Feinstein Institute for Medical Research
【住所又は居所原語表記】350 Community Drive, Manhasset, NY 11030, U.S.A.
【Fターム(参考)】