説明

マスクデータ作成方法、マスク製造方法および半導体装置の製造方法

【課題】設計データに光近接効果補正を施してマスクデータを作成する場合にマスク工期の遅延を抑制できるマスクデータ作成方法を提供すること。
【解決手段】マスクデータ作成方法は、基板上に形成されるデバイスのパターンの設計データに対し、光近接効果補正を含む補正を施す工程(S11)と、前記補正が施された設計データが、前記デバイスの特性には影響はないが、マスク製造上障害となる微小寸法を有する障害図形を含むか否かを判断する工程(S13)と、前記補正が施された設計データが障害図形を含む判断した場合には、マスク製造上障害となる微小寸法を有する障害図形とならいように、前記障害図形を補正する工程(S14)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトマスクの製造に使用されるマスクデータの作成方法、該マスクデータを用いたマスクの製造方法および該製造方法により製造されたマスクを用いた半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの微細化に伴い、半導体製造プロセスにおいては、光近接効果によるパターンの忠実性低下や寸法変動が、大きな問題となっている。
【0003】
このような問題を解決するため、フォトマスク上に形成されたパターンをウェハ上に転写した際に所望パターンが得られるように、設計データのパターンを変形する光近接効果補正(OPC;Optical Proximity Effect Correction)が一般的に実施されている。光近接効果補正(以下、OPCと略す。)についてはこれまでに様々な手法が提案され、実施されている。
通常、設計データにOPCをはじめとする必要な図形処理を自動的に施して、マスクデータを生成している。これら図形処理の過程で、マスクデータ上に微小凹凸、鋭角凹凸、対辺や対角が極めて近接した図形が発生する。これらの図形は、デバイス特性上影響のない図形であることが多い。
【0004】
しかし、上記図形は、フォトマスク作製過程において幾つかの問題を誘発する。以下、この問題についてさらに説明する。
【0005】
上記図形がフォトマスク上に形成不可能なほど微小な図形の場合、マスク描画時に無駄なパターンを描画することになる。これは、描画時間の長大化を招くことになる。さらに、上記微小な図形を含むデータを用いた場合、データ比較検査装置により欠陥検査を行う工程において、データ上に存在するべきパターンがフォトマスク上に存在しないために、上記微小な図形に対応したフォトマスク上の領域が擬似欠陥(検査ノイズ)として検出される。したがって、上記微小な図形は、パターン確認に要する時間を長くし、マスク工期を遅らせる要因となる。
【0006】
一方、上記図形がフォトマスク上に形成可能な図形である場合でも、上記図形が形成精度の保証が保てないほど微小な場合には、パターンは正確に形成されない。そのため、上記図形は、全てのマスク検査装置で擬似欠陥として検出される可能性が高い。したがって、この場合も、上記図形は、マスク工期を遅らせる要因となる。
【0007】
さらに、マスク検査装置で安定的に検査できるパターンサイズ以下の図形や、検査装置の分解能以下の図形が、フォトマスク上に存在する場合、これらの図形は、擬似欠陥として検出される可能性が高い。このような微な小図形の数が多いと、パターン確認に要する時間が長くなる。したがって、上記図形の増加は、マスク工期を遅らせることは勿論のこと、オペレーターに無駄な仕事をさせることにもなるので、好ましくない。
【0008】
このような微小な図形等の弊害を低減するために、OPC後のレイアウトデータ全体にわずかなバイアス処理を加えて微小凹凸を消去するパターン補正方法が知られている。また、設計パターンに存在する微小な辺について不要な凹凸を生じさせることなく効率的に修正するパターン補正方法が提案されている(特許文献1)。
【0009】
しかしながら、これらのパターン補正方法によって補正されたマスクデータを用いて、微細が進んだデバイスのフォトマスクを実際に製造し、その製造したフォトマスクを検査してみると、擬似欠陥となる微小な図形が多く存在する。したがって、上記従来のパターン補正方法は、マスク製造上の観点からは補正が不十分である。
【特許文献1】特開2003−195473号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、設計データに光近接効果補正を施してマスクデータを作成する場合にマスク工期の遅延を抑制できるマスクデータ作成方法、マスク製造方法および半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るマスクデータ作成方法は、ウェハ上に形成されるデバイスのパターンの設計データに対し、光近接効果補正を含む補正を施す工程と、前記補正が施された設計データが、前記デバイスの特性には影響はないが、マスク製造上障害となる微小寸法を有する障害図形を含むか否かを判断する工程と、前記補正が施された設計データが障害図形を含む判断した場合には、マスク製造上障害となる微小寸法を有する障害図形とならいように、前記障害図形を補正する工程とを含むことを特徴とする。
【0012】
本発明に係る他のマスクデータ作成方法は、ウェハ上に形成されるデバイスのパターンの設計データに対し、光近接効果補正を含む補正を施す工程と、前記補正が施された設計データが、前記デバイスの特性には影響はないが、マスク製造上障害となる微小寸法を有する障害図形を含むか否かを判断する工程と、前記補正が施された設計データが障害図形を含む判断した場合には、前記障害図形に対応したマスク上の領域が擬似欠陥として検出されないマスク検査感度を決定する工程とを含むことを特徴とする。
【0013】
本発明に係るマスク製造方法は、本発明に係るマスクデータ作成方法を用いてマスクデータを作成する工程と、前記マスクデータに基づいて、透明基板を含む基板上に塗布されたレジスト膜を露光する工程と、前記露光したレジスト膜を現像する工程と、前記現像して残った前記レジスト膜をマスクにして前記基板をエッチングする工程とを含むことを特徴とする。
【0014】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、本発明に係るマスクを用いて、ウェハを含む基板上に塗布されたレジスト膜を露光する工程と、前記露光したレジスト膜を現像する工程と、前記現像して残った前記レジスト膜をマスクにして前記基板をエッチングする工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、設計データに光近接効果補正を施してマスクデータを作成する場合にマスク工期の遅延を抑制できるマスクデータ作成方法、マスク製造方法および半導体装置の製造方法を実現できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態のマスクルールテーブル作成方法を示すフローチャートである。図2は、このマスクルールテーブルを用いたマスクデータ作成方法を示すフローチャートである。
【0018】
まず、テスト図形および評価図形を配置したマスクデータを作成し、該マスクデータを用いてテストマスクを作製する(ステップS1)。
【0019】
テストマスク上には、上記テスト図形に対応したテストパターンと、上記評価図形に対応した評価パターンとが配置されている。評価パターンは、マスク上の基本的なパターンの形成限界と形成精度を評価するためのパターンである。
【0020】
上記テスト図形は、微小な寸法を有する図形である。さらに、上記テスト図形は、図形の形状(カテゴリ)別にその図形のサイズを振った図3〜図7に示された複数の図形を含む。上記評価図形は、図形の形状(カテゴリ)別にその図形のサイズを振った図8および図9に示された複数の図形を含む。
【0021】
図3のテスト図形は、図形サイズが異なる複数の微小凸部および微小凹部(微小凹凸部)を示している。微小凸部の図形サイズは、凸部の高さHと幅Wで定義する。微小凹部の図形サイズは凹部の深さHと幅Wで定義する。図3の凸部の断面形状は矩形であるが、三角形(鋭角凸形状)でも構わない。同様に、凹部の形状も三角形(鋭角凹形状)でも構わない。
【0022】
図4のテスト図形は、図形サイズが異なる複数の、対角が極めて近接した隣接対角部(近接隣接対角部)を示している。図形サイズは、対角の距離L1で定義する。
【0023】
図5のテスト図形は、サイズが異なる複数の、対辺が極めて近接した図形(近接隣接対辺部)を示している。図形サイズは、対辺の距離L2で定義する。
【0024】
図6および図7のテスト図形は、それぞれ、図4および図5のテスト図形の反転パターンを示している。図6および図7の場合、図形サイズは、それぞれ、距離L1およびL2で定義する。
【0025】
図8の評価図形は、図形サイズが異なる複数のラインパターン、L&Sパターンおよびラインパターンの反転パターンを示している。図形サイズは、Space/Lineの幅Dで定義する。
【0026】
図9の評価図形は、図形サイズが異なる複数の孤立CH(Contact Hole)およびマトリクス状に配置された2次元CHを示している。孤立CHの図形サイズはその径Rで定義する。2次元CHの図形サイズは、横方向に隣接したCH間の対辺距離Gx、縦方向に隣接したCH間の対辺距離Gyおよび斜め方向に隣接したCH間のコーナー間距離Gzで定義する。
【0027】
次に、実際に作製したテストマスク上の各評価パターンの寸法を測定する(ステップS2)。このテストマスクの測定は周知の計測装置を用いて行われる。
【0028】
次に、測定した各評価パターンの寸法(仕上がり値)に基づいて、マスク上に形成できなくなり始める各評価パターンに対応した各評価図形のサイズ(形成限界図形サイズ)を決定する(ステップS3)。この形成限界図形サイズ以下の評価図形は、マスク製造上障害となる微小寸法を有する障害図形となる。
【0029】
形成限界図形サイズは、例えば、最初にマスク上に形成できなくなった評価パターンに対応した評価図形の図形サイズ(第1の図形サイズ)で定義する。さらに、形成限界図形サイズは、マスク上に形成できる最小の仕上がり寸法を有するテストパターンに対応した評価図形の図形サイズ(第2の図形サイズ)未満で定義することも可能である。さらには、上記第1の図形サイズと上記第2の図形サイズとの平均値を採用しても構わない。
【0030】
次に、マスク検査装置で上記実際に作成したテストマスク上の各テストパターンを検査する(ステップS4)。このテストマスクの検査は、例えば、図10に示されたマスク欠陥検査装置により行われる。
【0031】
図10において、11は半導体デバイスを製造する際に使用するマスク12を載置するためのXYテーブルを示しており、このXYテーブル11は、計算機13から指令を受けたステージ制御回路14により、X方向およびそれに垂直なY方向に駆動されるものとなっている。
【0032】
XYステージ11の移動位置は図示しないレーザー干渉計によりモニタされている。XYステージ11の位置情報はステージ制御回路14に入力される。ステージ制御回路14は、マスク12を載置したXYステージ11を高精度に制御する。
【0033】
一方、XYステージ11の上方には光源15が配置されている。光源15から出射された光(照射光)は、XYステージ11上に載置されたマスク12上に照射される。マスク12を透過した照射光(透過光)はCCDセンサに代表される撮像装置16の受光面に結像される。撮像装置16は、例えば、複数の光受光センサを一列に配置してなるものである。
【0034】
上記光照射と共にXYステージ11を上記光受光センサの読み取り方向(X方向)と直交する方向(Y方向)へ連続移動させることにより、撮像装置16によりマスク12の形成パターンに対応した検出アナログ信号が取得される。
【0035】
計算機13からの指示により、上記検出アナログ信号は、AD変換器17により、デジタル信号(検出デジタル信号)に変換される。AD変換器17から比較回路20に上記検出デジタル信号が送出される。
【0036】
一方、検査対象となるマスクパターンを形成する基となるマスクパターンデータ(パターン設計データ)10が計算機13に入力される。計算機13からパターン展開回路18にマスクパターンデータ10が送出される。パターン展開回路18は、マスクパターンデータ10を展開データに展開する。パターン展開回路18から参照データ発生回路19に上記展開データが送出される。参照データ発生回路19は、撮像装置16で検出した検出アナログ信号に相当する領域のマスクパターンデータ10を、上記検出デジタル信号と比較照合可能な信号形式に変換した基準デジタル信号を作成する。参照データ発生回路19から比較回路20に上記基準デジタル信号が送出される。
【0037】
比較回路20は、上記基準デジタル信号と上記検出デジタル信号とを適切なアルゴリズムに従って比較し、一致しない場合には、パターン欠陥有りと判定し、欠陥データを出力する。
【0038】
上記一連の欠陥検査を繰り返し行うことにより、つまり、撮像装置16の読み取りスキャンおよびマスク12を載置したXYステージ11の連続移動動作を繰り返し行い、マスク12上の検査領域の各領域の検出デジタル信号と基準デジタル信号とを比較照合することにより、マスク12の検査は行われる。
【0039】
次に、欠陥検査の結果に基づいて、擬似欠陥として検出されたテストパターンに対応したテスト図形の形状およびサイズをチェックし、テスト図形の形状(カテゴリー)毎に擬似欠陥となる図形サイズの範囲(擬似欠陥図形サイズ範囲)を決定する(ステップS5)。擬似欠陥図形サイズ範囲内にあるテスト図形は、マスク製造上障害となる微小寸法を有する障害図形となる。
【0040】
図10に示したマスク欠陥検査装置を用いた場合、実際には欠陥ではないが、基準デジタル信号と検出デジタル信号との乖離が大きく所定レベル以上の信号差となるパターン部分を擬似欠陥として検出する。そのため、テストマスクの検査(ステップS4)は数回繰り返し行い、擬似欠陥の検出再現性を考慮して、擬似欠陥図形サイズ範囲の決定(ステップS5)を行うことが望ましい。
【0041】
形成限界図形サイズおよび擬似欠陥図形サイズ範囲は上述したものに限定されるものではない。
【0042】
すなわち、マスク上に形成不可能な寸法を有する孤立パターンに対応したマスクデータ上の図形、マスク上に形成可能であるがマスク上に所定の寸法精度で形成不可能な寸法を有する孤立パターンに対応したマスクデータ上の図形、マスク検査装置で擬似欠陥として検出されるマスク上の孤立パターンに対応したマスクデータ上の図形、マスク上に形成不可能な距離を有する隣接する二つのパターンを含むパターンに対応したマスクデータ上の図形、マスク上に形成可能であるがマスク上に所定の寸法精度で形成不可能な距離を有する隣接する二つのパターンを含むパターンに対応したマスクデータ上の図形、マスク検査装置で擬似欠陥として検出される距離を有するマスク上の隣接する二つのパターンを含むパターンに対応したマスクデータ上の図形、マスク上に形成不可能な寸法を有する凹凸パターンに対応したマスクデータ上の図形、マスク上に形成可能であるがマスク上に所定の寸法精度で形成不可能な寸法を有する凹凸パターンに対応したマスクデータ上の図形、および、マスク検査装置で擬似欠陥として検出されるマスク上の凹凸パターンに対応したマスクデータ上の図形の少なくとも一つを含んでいれば構わない。これらのうちのどれを採用するかはケースバイケースである。
【0043】
また、上記ステップS2−S5は、ステップS2、ステップS3、ステップS4、ステップ5の順で行われる必要はなく、適宜変更可能である。例えば、ステップS4、ステップ5、ステップS2、ステップS3の順でも構わない。さらに、ステップS2、ステップS4の順で行った後、ステップS3とステップS5を同時に行っても構わない。さらにまた、ステップS4、ステップS2の順で行った後、ステップS3とステップS5を同時に行っても構わない。
【0044】
そして、ステップS2にて決定した障害図形(評価図形)の形状と形成限界図形サイズとの組合せ、ステップS5にて決定した障害図形(テスト図形)の形状と擬似欠陥図形サイズ範囲との組合せが登録された、マスクルールテーブルを作成する(ステップS6)。
【0045】
次に、上記マスクルールテーブルを用いたマスクデータ作成方法について説明する。上記マスクルールテーブルは、作成するマスクの仕様要求精度毎に予め用意されているか、マスク作成時に使用するマスク製造装置毎に予め用意されているか、作成するマスクの仕様要求精度毎に新たに形成されるか、または、マスク作成時に使用するマスク製造装置毎に新たに形成される。
【0046】
まず、ウェハ上に形成されるデバイスのパターンの設計データに対し、OPCを含む補正を施す(ステップS11)。
【0047】
次に、上記補正が施された設計データに対して障害図形の検出が行われ(ステップS12)、障害図形の有無の判断が行われる(ステップS13)。これらは、上記補正が施された設計データを上記マスクルールテーブルと比較照合することにより行われる。
【0048】
図1の作成方法で得られたマスクルールテーブルの場合、上記障害図形に対応した図形は、マスク上に形成不可能な寸法を有する孤立パターンに対応した上記補正が施された設計データ上の図形、マスク検査装置で擬似欠陥として検出されるマスク上の孤立パターンに対応した上記補正が施された設計データ上の図形、マスク上に形成不可能な距離を有する隣接する二つのパターンを含むパターンに対応した上記補正が施された設計データ上の図形、マスク検査装置で擬似欠陥として検出される距離を有するマスク上の隣接する二つのパターンを含むパターンに対応した上記補正が施された設計データ上の図形であるが、これに限定されるものではない。
【0049】
すなわち、上記障害図形は、マスク上に形成不可能な寸法を有する孤立パターンに対応したマスクデータ上の図形、マスク上に形成可能であるがマスク上に所定の寸法精度で形成不可能な寸法を有する孤立パターンに対応したマスクデータ上の図形、マスク検査装置で擬似欠陥として検出されるマスク上の孤立パターンに対応したマスクデータ上の図形、マスク上に形成不可能な距離を有する隣接する二つのパターンを含むパターンに対応したマスクデータ上の図形、マスク上に形成可能であるがマスク上に所定の寸法精度で形成不可能な距離を有する隣接する二つのパターンを含むパターンに対応したマスクデータ上の図形、マスク検査装置で擬似欠陥として検出される距離を有するマスク上の隣接する二つのパターンを含むパターンに対応したマスクデータ上の図形、マスク上に形成不可能な寸法を有する凹凸パターンに対応したマスクデータ上の図形、マスク上に形成可能であるがマスク上に所定の寸法精度で形成不可能な寸法を有する凹凸パターンに対応したマスクデータ上の図形、および、マスク検査装置で擬似欠陥として検出されるマスク上の凹凸パターンに対応したマスクデータ上の図形の少なくとも一つを含んでいれば構わない。
【0050】
ステップS13において、上記補正が施された設計データが、上記マスクルールテーブル内に登録された障害図形を含む判断した場合には、マスク製造上障害となる微小寸法を有する障害図形とならいように、上記障害図形を補正する(ステップS14)。補正としては、障害図形を消去、変形(縮小)、移動することがあげられる。
【0051】
このとき、上記補正が施された設計データ内に含まれる障害図形について、ウェハ上への転写特性を考慮した上でその障害図形を消去または補正変形処理を行うことが好ましい。ウェハ上への転写特性とは、例えば、ウェハ上に転写されたパターンで所望のデバイス特性が得られる否かである。ウェハ上への転写特性を考慮した結果、障害図形の消去または補正変形処理を行わない場合もある。
【0052】
図11は、マスクルールテーブルに用いて検出された上記補正が施された設計データ(以下、OPC後設計データという)30内の微小凸部(障害図形)31の例を示している。図12は、微小凸部31を削除する補正を行った例を示している。微小凸部31を削除する補正は、OPC後設計データ30上で行われる。すなわち、設計データまでに戻らずに、微小凸部31に対応したデータ(例えば描画データ)を補正することができる。
【0053】
図13は、マスクルールテーブルに用いて検出されたOPC後設計データ30内の近接隣接対角部32の例を示している。図14は、近接隣接対角部32の補正の仕方を示している。この場合、隣接する二つの図形33,34の一方または両方を、横方向(X方向)、縦方向(Y方向)もしくは横および縦方向に縮小(変形)させたり、または、横方向、縦方向もしくは横および縦方向に平行移動させる。さらには、縮小および平行移動が行われる。どの方向に変形・移動させるかは、隣接する二つの図形33,34の周辺にある別の図形(不図示)を考慮して決められる。近接隣接対角部32の補正は、一般には、設計データ上で行われる。
【0054】
障害図形の補正後、再びマスクルールテーブルチェックを用いて、障害図形の有無を判断する。障害図形が無いと判断されるまで、障害図形の補正(ステップS14)と障害図形の有無の判断(ステップS13)が繰り返される。
【0055】
そして、ステップS13で障害図形が無いと判断されたら、その障害図形が無いと判断されたOPC後設計データに基づいてマスクデータの作成を行う(ステップS15)。
【0056】
このようにして作成したマスクデータを用いてマスクを製造することによって、予めマスク上で解像できない無駄なパターンに対応したマスクデータ上の図形の数や、マスク検査装置で擬似欠陥となりやすいパターンに対応したマスクデータ上の図形の数は、十分に減少する。これにより、マスク描画時間の短縮やマスク検査工程の負荷低減などマスク製作上の障害が少なくなり、マスク工期の短縮を実現することができる。
【0057】
ところで、ステップS14で障害図形を適正に補正できない場合、ステップS12,S13,S14のループ処理は無限に行われることになる。つまり、検出された障害図形について、ウェハ上への転写特性またはデバイス特性を維持するために補正不可能な場合または補正残りが生ずる場合があり得る。このような場合に備えて、ステップS12,S13,S14のループ処理の最大回数を予め決めておく。ループ処理が最大回数に達したら、補正できなかった障害図形の情報(例えば座標)を取得する。この情報をマスクデーターとともに、マスク製造工程へ情報を提供する。
【0058】
マスク製造工程では、上記補正できなかった障害図形の情報およびマスクデータをマスク検査装置に入力しておき、当該マスクを製造して検査した結果、擬似欠陥として検出されたパターンの座標と予め入力されている障害図形の座標とを比較して、両者の座標が一致した場合は、自動的にそのパターンは欠陥とせず無視するように設定する。これにより、オペレータが擬似欠陥を確認する作業負荷を低減することが可能となり、その結果として、マスク工期の短縮も可能となる。
【0059】
本実施形態のマスク製造方法は以下の通りである。
【0060】
まず、上述した方法によりマスクデータを作成する。
【0061】
次に、該マスクデータを用いて、EB描画装置により、マスクブランクス基板内のレジスト上にパターンを描画する。上記マスクブランクス基板は、石英基板と、該石英基板上に形成された遮光膜(ここではCr膜)、該遮光膜上に形成されたレジストとを備えている。上記パターンは遮光膜パターンに対応したパターンである。
【0062】
次に、上記レジストを現像してレジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクにして上記遮光膜をエッチングし、遮光膜パターンを形成する。しかる後、上記レジストパターンは除去される。このようにして遮光膜パターンを含むマスクが得られる。
【0063】
遮光膜パターンおよび半透明膜パターンを含むマスクの場合、以下の工程がさらに続く。
【0064】
石英基板および遮光膜パターンの全面に半透明膜を形成し、半透明膜上にレジストを塗布し、上記マスクデータを用いて、EB描画装置により、上記レジスト上にパターンを描画する。該パターンは半透明膜パターンに対応したパターンである。
【0065】
次に、上記レジストを現像してレジストパターンを形成し、該レジストパターンをマスクにして上記半透明膜をエッチングし、半透明膜パターンを形成する。しかる後、上記レジストパターンは除去される。以上の工程を経て遮光膜パターンおよび半透明膜パターンを含むフォトマスクが得られる。
【0066】
本実施形態の半導体装置の製造方法は以下の通りである。
【0067】
まず、ウェハを含む基板上に塗布されたレジスト膜を露光する。ウェハを含む基板は、例えば、ウェハ自身、ウェハと絶縁膜を含む基板、ウェハと導電膜を含む基板、あるいは、ウェハと絶縁膜と導電膜を含む基板である。
【0068】
次に、上記露光したレジスト膜を現像する。
【0069】
次に、現像して残ったレジスト膜(レジストパターン)をマスクにして上記基板をエッチングする。
【0070】
上記レジストパターンの下地がウェハの場合、上記エッチングにより、例えば、素子分離溝が形成される。下地が絶縁膜の場合、上記エッチングにより、例えば、接続孔が形成される。下地が導電膜の場合、上記エッチングにより、例えば、電極または配線が形成される。
【0071】
(第2の実施形態)
デバイスパターンの微細化が進むにつれて、上述した障害図形の補正を行っても、障害図形が解消しきれない場合が生じる。この場合でも、以下に説明するように、マスク製造プロセスにおけるマスク検査を工夫することで、マスク工期を短縮することができる。
【0072】
図15は、上記マスク検査方法を実施するためのマスクデータ作成方法を示すフローチャートである。
【0073】
まず、図16に示すようなマスク検査感度テーブルを用意する(ステップS21)。マスク検査感度テーブルは、第1の実施形態で述べたテストマスクの検査結果に基づいて、予め作成されたものテーブルあるいはマスクデータ作成時に新たに作成されたテーブルである。
【0074】
このマスク検査感度テーブルの列(横軸)は、各評価パターンの図形サイズを規定する寸法パラメータを示している。ここでは、寸法パラメータは、LSピッチ、LSパターン幅、スペース幅、CHパターン間の対辺距離(Gx,Gy)、CHパターン間のコーナー間距離Gzである。さらに、各寸法パラメータは具体的な数値で分類されている。
【0075】
一方、マスク検査感度テーブルの行(縦軸)は、パターンが形成される領域(パターン形成領域)の膜条件を示している。具体的には、パターン形成領域内のガラス基板上の遮光膜を含むという膜条件、パターン形成領域内のガラス基板上の半透明膜を含むという膜条件、パターン形成領域内のガラス基板上の遮光膜および該遮光膜上の半透明膜を含むという膜条件などである。さらに、その膜条件毎に微小凹凸条件1,2,…,mに分類される。微小凹凸条件は、図17に示すような微小凹凸の横寸法xおよび縦寸法yで規定される。
【0076】
上記パターンカテゴリと上記膜条件との組合せで決めるパターン部分において、上述の擬似欠陥とならないマスク検査感度を定義しておく。図18に、パターンカテゴリーがLSピッチ、膜条件がガラス基板/Cr遮光膜(glass/Cr)の組合せについて、マスク検査感度テーブルの具体例を示す。
【0077】
次に、ウェハ上に形成されるデバイスのパターンの設計データに対し、OPCを含む補正を施す(ステップS22)。
【0078】
次に、OPC後設計データに基づいてマスクデータを通常通りに作成する(ステップS23)。このようにして作成されたマスクデータを以下通常マスクデータという。
【0079】
そして、通常マスクデータと上記マスク検査感度テーブルを含むデータを作成し、このデータをマスクデータとする(ステップS24)。
【0080】
次に、このようにして作成されたマスクデータを用いたマスク製造方法について説明する。
【0081】
まず、上記マスクデータ中の通常マスクデータに基づいて、第1の実施形態で説明したようにマスクを製造する。
【0082】
次に、上記マスクデータ中のマスク検査感度テーブルを用いて、上記マスクを欠陥検査する。このとき、マスク検査感度テーブルに定義づけされた寸法パラメータと膜条件(微小凹凸条件)との組合せに合致するパターンを検出し、合致するパターンについては、マスク検査感度テーブルに定義づけされた感度で欠陥検査を行う。合致しないパターンについては、通常の感度(そのマスクに要求される検査感度もしくは欠陥検査装置で検査可能な最高感度)で欠陥検査を行う。
【0083】
具体的には、まず、通常感度でマスクの検査領域全体を欠陥検査する。ただし、マスク検査感度テーブルに定義づけされた寸法パラメータと膜条件との組合せに合致するパターンを含む領域(特定定義領域)は、検査対象外とするか、もしくは、特定定義領域の検査結果は破棄する。次に、特定定義領域内をマスク検査感度テーブルで定義された所定感度で欠陥検査する。
【0084】
そして、検査に合格したマスクは出荷される。
【0085】
図19に、通常検査感度とは異なる検査感度で検査される複数の領域を含むマスクの一例を示す。図19には、通常検査感度とは異なる第1の検査感度で検査される第1の領域41、通常検査感度とは異なる第2の検査感度で検査される第2の領域42a−42d、通常検査感度とは異なる第3の検査感度で検査される第3の領域43a−43dが示されている。
【0086】
第1の領域41は、例えば、DRAM領域であり、その膜条件は例えばガラス/半透明膜である。第2の領域42a−42dは、例えば、SRAM領域であり、その膜条件は例えばガラス/半透明膜である。第3の領域43a−43dの膜条件は、例えば、ガラス/半透明膜/Crである。第1−第3の領域以外の領域(ハッチングが無い領域)は、通常検査感度で検査される領域である。
【0087】
このように通常マスクデータとマスク検査感度テーブルを含むマスクデータを用いてマスクの製造および検査を行うことにより、マスク上で解像できない無駄なパターンに対応し、かつ、補正不可能な(あるいは補正が困難な)マスクデータ上の図形や、マスク検査装置で擬似欠陥となりやすいパターンに対応し、かつ、補正不可能な(あるいは補正が困難な)マスクデータ上の図形が存在しても、これらの図形に対応したウェハ上のパターンは適切な検査感度で検査される。これにより、マスク製作上の障害が少なくなり、マスク工期の短縮を実現することができる。
【0088】
本実施形態の半導体装置の製造方法は、上記方法により得られたマスクを用い点を除いて、第1の実施形態の半導体装置の製造方法と同じである。
【0089】
以上述べた実施形態のパタンデータ作成方法は、プログラムとしても実施できる。
【0090】
すなわち、実施形態のパタンデータ作成方法に係るプログラムは、ステップS11−S15(手順)をコンピュータに実行させるためのものである。あるいは、ステップS1−S6,S11−S15をコンピュータに実行させるためのものである。
【0091】
実施形態の他のパタンデータ作成方法に係るプログラムは、ステップS21−S24をコンピュータに実行させるためのものである。
【0092】
上記プログラムは、コンピュータ内のCPUおよびメモリ(外部メモリを併用することもある。)等のハードウエハ資源を用いて実施される。CPUは、メモリ内から必要なデータを読み込み、該データに対して上記ステップ(手順)を行う。各ステップ(手順)の結果は、必要に応じてメモリ内に一時的に保存され、他のステップ(手順)で必要になったときに読み出される。さらに、本発明は、上記プログラムが記録された記録媒体としても実施することができる。
【0093】
以上をまとめると、以下の通りである。
【0094】
(1) マスクデータ作成方法は、ウェハ上に形成されるデバイスのパターンの設計データに対し、光近接効果補正を含む補正を施す工程と、前記補正が施された設計データが、前記デバイスの特性には影響はないが、マスク製造上障害となる微小寸法を有する障害図形を含むか否かを判断する工程と、前記補正が施された設計データが障害図形を含む判断した場合には、マスク製造上障害となる微小寸法を有する障害図形とならいように、前記障害図形を補正する工程とを含む。
【0095】
(2) マスクデータ作成方法は、ウェハ上に形成されるデバイスのパターンの設計データに対し、光近接効果補正を含む補正を施す工程と、前記補正が施された設計データが、前記デバイスの特性には影響はないが、マスク製造上障害となる微小寸法を有する障害図形を含むか否かを判断する工程と、前記補正が施されたマスクデータが障害図形を含む判断した場合には、前記障害図形に対応したマスク上の領域が擬似欠陥として検出されないマスク検査感度を決定する工程とを含む。
【0096】
(3) 上記(2)において、前記マスク検査感度を決定する工程は、マスク製造上障害となる微小寸法を有する障害図形とならいように、前記障害図形を補正することができない場合に行う。
【0097】
(4) 上記(1)−(3)のいずれかにおいて、前記障害図形は、マスク上に形成不可能な寸法を有する孤立パターンに対応した前記補正が施された設計データ上の図形、マスク上に形成可能であるがマスク上に所定の寸法精度で形成不可能な寸法を有する孤立パターンに対応した前記補正が施された設計データ上の図形、マスク検査装置で擬似欠陥として検出されるマスク上の孤立パターンに対応した前記補正が施された設計データ上の図形、マスク上に形成不可能な距離を有する隣接する二つのパターンを含むパターンに対応した前記補正が施された設計データ上の図形、マスク上に形成可能であるがマスク上に所定の寸法精度で形成不可能な距離を有する隣接する二つのパターンを含むパターンに対応した前記補正が施された設計データ上の図形、マスク検査装置で擬似欠陥として検出される距離を有するマスク上の隣接する二つのパターンを含むパターンに対応した前記補正が施された設計データ上の図形、マスク上に形成不可能な寸法を有する凹凸パターンに対応した前記補正が施された設計データ上の図形、マスク上に形成可能であるがマスク上に所定の寸法精度で形成不可能な寸法を有する凹凸パターンに対応した前記補正が施された設計データ上の図形、および、マスク検査装置で擬似欠陥として検出されるマスク上の凹凸パターンに対応した前記補正が施された設計データ上の図形の少なくとも一つを含む。
【0098】
(5) 上記(1)−(4)のいずれかにおいて、前記補正が施された設計データが前記障害図形を含むか否かを判断する工程は、複数の障害図形の形状および寸法が登録されたテーブルに基づいて行う。
【0099】
(6) 上記(1)−(5)のいずれかにおいて、前記テーブルは、作成するマスクの仕様要求精度毎に予め用意されているか、マスク作成時に使用するマスク製造装置毎に予め用意されているか、作成するマスクの仕様要求精度毎に新たに形成するか、または、マスク作成時に使用するマスク製造装置毎に新たに形成する。
【0100】
(7) 上記(1)−(6)のいずれかにおいて、前記障害図形を補正する工程は、前記障害図形を削除する補正、または、前記障害図形の形状を前記テーブルに登録された障害図形の形状とは異なる形状に変形する補正を含む。
【0101】
(8) マスク製造方法は、上記(1)−(7)のいずれかのマスクデータ作成方法を用いてマスクデータを作成する工程と、前記マスクデータに基づいて、透明基板を含む基板上に塗布されたレジスト膜を露光する工程と、前記露光したレジスト膜を現像する工程と、前記現像して残った前記レジスト膜をマスクにして前記基板をエッチングする工程とを含む。
【0102】
(9) 半導体装置の製造方法は、上記(1)に記載のマスクを用いて、ウェハを含む基板上に塗布されたレジスト膜を露光する工程と、前記露光したレジスト膜を現像する工程と、前記現像して残った前記レジスト膜をマスクにして前記基板をエッチングする工程とを含む。
【0103】
(10) プログラムは、ウェハ上に形成されるデバイスのパターンの設計データに対し、光近接効果補正を含む補正を施させる手順と、前記補正が施された設計データが、前記デバイスの特性には影響はないが、マスク製造上障害となる微小寸法を有する障害図形を含むか否かを判断させる手順と、前記補正が施された設計データが障害図形を含む判断した場合には、マスク製造上障害となる微小寸法を有する障害図形とならいように、前記障害図形を補正させる手順とをコンピュータに実行させるためのものである。
【0104】
(11) プログラムは、ウェハ上に形成されるデバイスのパターンの設計データに対し、光近接効果補正を含む補正を施させる手順と、前記補正が施された設計データが、前記デバイスの特性には影響はないが、マスク製造上障害となる微小寸法を有する障害図形を含むか否かを判断させる手順と、前記補正が施された設計データが障害図形を含む判断した場合には、前記障害図形に対応したマスク上の領域が擬似欠陥として検出されないマスク検査感度を決定させる手順とをコンピュータに実行させるためのものである。
【0105】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0106】
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】実施形態のマスクルールテーブル作成方法を示すフローチャート。
【図2】実施形態のマスクデータ作成方法を示すフローチャート。
【図3】テスト図形の微小凹凸部を示す断面図。
【図4】テスト図形の近接隣接対角部を示す平面図。
【図5】テスト図形の近接隣接対辺部を示す平面図。
【図6】図4の反転パターン。
【図7】図5の反転パターン。
【図8】評価図形のラインパターン、L&Sパターンおよびラインパターンの反転パターンを示す平面図。
【図9】評価図形の孤立CHパターンおよび2次元CHパターンを示す平面図。
【図10】マスク欠陥検査装置の概略構成を示すブロック図。
【図11】マスクルールテーブルに基づいて検出された微小凸部(障害図形)を示す断面図。
【図12】図11の微小凸図形を補正した結果を示す断面図。
【図13】マスクルールテーブルに基づいて検出された近接隣接対角部(障害図形)を示す平面図。
【図14】図13の近接隣接対角部の補正の仕方を説明するための図。
【図15】実施形態のマスクデータ作成方法を示すフローチャート。
【図16】マスク検査感度テーブルを説明するための図。
【図17】微小凹凸条件を説明するための図。
【図18】マスク検査感度テーブルの具体例を示す。
【図19】通常検査感度とは異なる検査感度で検査される複数の領域を含むマスクを示す平面図。
【符号の説明】
【0108】
11…XYテーブル、12…マスク、13…計算機、14…ステージ制御回路、15…光源、16…撮像装置、17…AD変換器、18…パターン展開回路、19…参照データ発生回路、20…比較回路、30…OPC後設計データ、31…微小凸部、32…近接隣接対角部、33,34…隣接する二つの図形。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハ上に形成されるデバイスのパターンの設計データに対し、光近接効果補正を含む補正を施す工程と、
前記補正が施された設計データが、前記デバイスの特性には影響はないが、マスク製造上障害となる微小寸法を有する障害図形を含むか否かを判断する工程と、
前記補正が施された設計データが障害図形を含む判断した場合には、マスク製造上障害となる微小寸法を有する障害図形とならいように、前記障害図形を補正する工程と
を含むことを特徴とするマスクデータ作成方法。
【請求項2】
ウェハ上に形成されるデバイスのパターンの設計データに対し、光近接効果補正を含む補正を施す工程と、
前記補正が施された設計データが、前記デバイスの特性には影響はないが、マスク製造上障害となる微小寸法を有する障害図形を含むか否かを判断する工程と、
前記補正が施されたマスクデータが障害図形を含む判断した場合には、前記障害図形に対応したマスク上の領域が擬似欠陥として検出されないマスク検査感度を決定する工程と
を含むことを特徴とするマスクデータ作成方法。
【請求項3】
前記障害図形は、
マスク上に形成不可能な寸法を有する孤立パターンに対応した前記補正が施された設計データ上の図形、
マスク上に形成可能であるがマスク上に所定の寸法精度で形成不可能な寸法を有する孤立パターンに対応した前記補正が施された設計データ上の図形、
マスク検査装置で擬似欠陥として検出されるマスク上の孤立パターンに対応した前記補正が施された設計データ上の図形、
マスク上に形成不可能な距離を有する隣接する二つのパターンを含むパターンに対応した前記補正が施された設計データ上の図形、
マスク上に形成可能であるがマスク上に所定の寸法精度で形成不可能な距離を有する隣接する二つのパターンを含むパターンに対応した前記補正が施された設計データ上の図形、
マスク検査装置で擬似欠陥として検出される距離を有するマスク上の隣接する二つのパターンを含むパターンに対応した前記補正が施された設計データ上の図形、
マスク上に形成不可能な寸法を有する凹凸パターンに対応した前記補正が施された設計データ上の図形、
マスク上に形成可能であるがマスク上に所定の寸法精度で形成不可能な寸法を有する凹凸パターンに対応した前記補正が施された設計データ上の図形、
および、
マスク検査装置で擬似欠陥として検出されるマスク上の凹凸パターンに対応した前記補正が施された設計データ上の図形の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のマスクデータ作成方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のマスクデータ作成方法を用いてマスクデータを作成する工程と、
前記マスクデータに基づいて、透明基板を含む基板上に塗布されたレジスト膜を露光する工程と、
前記露光したレジスト膜を現像する工程と、
前記現像して残った前記レジスト膜をマスクにして前記基板をエッチングする工程と
を含むことを特徴とするマスク製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載のマスクを用いて、ウェハを含む基板上に塗布されたレジスト膜を露光する工程と、
前記露光したレジスト膜を現像する工程と、
前記現像して残った前記レジスト膜をマスクにして前記基板をエッチングする工程と
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−330270(P2006−330270A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−152436(P2005−152436)
【出願日】平成17年5月25日(2005.5.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】