マスク用基板検査装置
【課題】半導体ウエハに回路パターンを露光する際に用いられるレチクル等のマスク用基板における表裏面の異物等を、簡単かつ安価な構成で検査できるマスク用基板検査装置100を提供する。
【解決手段】検査光学系機構101に対して相対移動可能なステージ3に姿勢調整可能に支持基体4を取り付け、この支持基体4にレチクルWを保持する基板保持体5を回転可能に支持させる。そして、前記基板保持体5の回転角度位置を、表面に検査光が照射される表面検査角度位置、裏面に前記検査光が照射される裏面検査角度位置に保持する検査角度位置保持機構9を設けるとともに、前記基板保持体5に保持されたレチクルWの表裏面が、基板保持体5の回転軸線Cと平行になるように当該基板保持体5の支持基体4に対する姿勢を調整可能な平行調整機構8を設けた。
【解決手段】検査光学系機構101に対して相対移動可能なステージ3に姿勢調整可能に支持基体4を取り付け、この支持基体4にレチクルWを保持する基板保持体5を回転可能に支持させる。そして、前記基板保持体5の回転角度位置を、表面に検査光が照射される表面検査角度位置、裏面に前記検査光が照射される裏面検査角度位置に保持する検査角度位置保持機構9を設けるとともに、前記基板保持体5に保持されたレチクルWの表裏面が、基板保持体5の回転軸線Cと平行になるように当該基板保持体5の支持基体4に対する姿勢を調整可能な平行調整機構8を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体ウエハに回路パターンを露光する際に用いられるレチクル等のマスク用基板を検査する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体素子、液晶表示素子、CCD、薄膜磁気ヘッド等のデバイスの製造工程の一つであるリソグラフィ工程においては、露光装置を用いてマスク用基板たるレチクルのパターンを、投影光学系を介して基板としてのフォトレジストが塗布されたウェハ(又はガラスプレート等)上に転写露光する処理が繰り返し行われる。
【0003】
しかして、前記マスク用基板の上(例えばレチクルのガラス面上やその上に貼設されるペリクル上)に埃や塵等の異物が付着していると、マスク用基板に形成されたパターンとともに異物の形状が基板上に露光転写されて欠陥となるおそれがある。このため、従来は、露光工程前に、特許文献1,2に示すようなマスク用基板検査装置を用いてマスク用基板上の異物の有無、その大きさ、あるいは位置を検査するようにしている。
【0004】
かかるマスク用検査装置は、マスク用基板の表面に検査光を照射して生じる散乱光を検出することで異物を検出するが、そのために、マスク用基板の表面側に検査光を照射する光源と散乱光を受光するための受光機器とからなる検査光学系機構を配備している。
【特許文献1】特開2001−159613号公報
【特許文献2】特開2001−264262号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、マスク用基板の裏面をも検査する必要がある場合は、従来、前記検査光学系機構をマスク用基板の裏面側にも配備するようにしている。この構成によって短い時間で検査することができ、マスク用基板を動かすこともないので、該マスク用基板の汚損等のリスクを最小限に抑えられる。
【0006】
しかしながら、このような装置構成では検査光学系機構が2つ必要となってしまい、価格が大幅に増大する。もちろん、微細で重要なプロセスの場合は、マスク用基板が高価になることもあって、前記汚損リスク等を最小限にすることが最優先されるから、前述の構成でも構わないが、比較的微細でないプロセスの場合は、検査光学系機構を2つ有するような高価な装置構成は、オーバースペックであり、より安価な検査装置が求められている。
【0007】
これに対しては、マスク用基板を裏返しにできるように保持し、1つの検査光学系機構でマスク用基板の両面を測定できるようにした構成が単純には考えられる。しかし、裏返すことによって、検査光学系機構との距離や角度が微妙にずれるため、正確な異物検査ができなくなるおそれがある。もちろん、顕微鏡のように測定エリアが1点の場合は、単純に裏返す構成でも、顕微鏡側で焦点合わせをすることで対応可能であろうが、検査光を走査して基板全面を検査する構成では、各走査ポイントにおいて検査光の焦点位置とサンプル面とを一致させる必要があり、これを安価に行うのは極めて難しい。
【0008】
そこで本発明は、半導体ウエハに回路パターンを露光する際に用いられるレチクル等のマスク用基板における表裏面の異物等を、簡単かつ安価な構成で検査することができるマスク用基板検査装置を提供すべく図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち本発明に係るマスク用基板検査装置は、露光工程で用いられるマスク用基板に検査光を照射し、その反射光又は透過光に基づいて、当該マスク用基板上に存在する異物又は欠陥を検査するものである。
【0010】
そして、前記検査光を射出する光源及び前記反射光又は透過光を受光する光センサからなる検査光学系機構と、前記検査光学系機構に対して相対移動可能なステージに取り付けられた支持基体と、前記支持基体のステージに対する姿勢を調整するための姿勢調整機構と、前記マスク用基板を保持するとともに前記支持基体に回転可能に接続された基板保持体と、前記基板保持体の回転角度位置を、表面に検査光が照射される表面検査角度位置、及び該表面検査角度位置とは180°位相が異なって裏面に前記検査光が照射される裏面検査角度位置に保持する検査角度位置保持機構と、前記基板保持体に保持されたマスク用基板の表裏面が基板保持体の回転軸線と平行になるように当該基板保持体の姿勢を調整可能な平行調整機構とを具備していることを特徴とする。
【0011】
このような構成では、例えば、前記平行調整機構によって、少なくともマスク用基板を反転させたときの表面及び裏面が前記回転軸線に平行となるようにする。そして、表面検査角度位置及び裏面検査角度位置のそれぞれにおいて、ステージの相対移動方向のうちの検査光学系機構とマスク用基板との距離調整方向に対して、マスク用基板の表裏面が垂直となるように、前記姿勢調整機構で支持基体の姿勢を調整する。
【0012】
このことにより、表面検査角度位置及び裏面検査角度位置のそれぞれにおいて、ステージにより検査光学系機構とマスク用基板との距離を調整しさえすれば、走査型のものであっても、確実かつ簡単に焦点を合わせて異物等の検査を行うことができる。しかも、姿勢調整機構や平行調整機構、あるいは検査角度位置保持機構に複雑な構造は必要ないので、従来のように表裏面検査用の2つの検査光学系機構を設けるよりも、はるかに簡易で安価な装置とすることができる。
【0013】
簡易に実現できる基板保持体の具体的な構成としては、例えば、基板保持体の回転軸に取り付けられた保持本体と、該保持本体から突出する複数の突出体と、前記突出体に対向する位置にそれぞれ設けられた挟圧体とを具備し、前記挟圧体を突出体に向かって移動させることで該突出体との間でマスク用基板を厚み方向から挟み込んで保持するものを挙げることができる。
【0014】
また、上記基板保持体の構成であれば、平行調整機構をも簡素化できる。その一例としては、前記平行調整機構が、前記突出体の保持本体からの突出寸法を調整することによって該保持本体に対するマスク用基板の姿勢を変化させ、該マスク用基板の表裏面が前記回転機構の回転軸線と平行になるように調整するものを挙げることができる。より具体的には、平行調整機構が、前記保持本体と突出体との間に設けたねじ送り機構によって突出体の保持本体からの突出寸法を調整するものが好ましい。
【0015】
正確な角度位置を保持でき、しかもラッチ構造やばね部材を使うことのない簡易な構成で検査角度位置保持機構を実現するには、該検査角度位置保持機構が、前記基板保持体に設けた当たり面と、前記支持基体に設けられ前記表面検査角度位置又は裏面検査角度位置において前記当たり面と接触して基板保持体の回転を規制する被当たり面とを具備するとともに、前記回転機構の回転軸線をマスク用基板を保持した基板保持体の重心から偏位させ、前記偏位に起因した重力による回転モーメントにより、前記表面検査角度位置及び裏面検査角度位置において前記当たり面が被当たり面を押圧するように構成したものであることが望ましい。
【0016】
かかる検査角度位置保持機構において、前記支持基体側に搭載されて前記基板保持体を正逆回転駆動する回転駆動源と、該回転駆動源の出力軸を基板保持体に接続するとともに一定以上のトルクを受けたときには滑り動作して回転を伝達しないカップリングと、前記当たり面と被当たり面との接触によってカップリングが滑り動作を始めた後、さらに一定角度だけ回転駆動源の出力軸が回転した角度である限界角度を検出する出力軸角度検出手段と、該出力角度検出手段から限界角度である旨の出力信号を受信した際に、前記回転駆動源の出力軸回転を停止させる制御部とをさらに設けておけば、基板保持体を確実に表面検査角度位置又は裏面検査角度位置に到達させることができる。
【0017】
本発明は、検査光を走査して前記マスク用基板の表裏面をエリア検査する場合にその効果が特に顕著なものとなる。
【発明の効果】
【0018】
このように本発明によれば、走査型のものであっても、表面検査角度位置及び裏面検査角度位置のそれぞれにおいて、確実かつ簡単に焦点を合わせて異物等の検査を行うことができる。しかも、複雑な構造は必要ないので、従来のように表裏面検査用の2つの検査光学系機構を設けるよりも、はるかに簡易で安価な装置とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0020】
本実施形態に係るマスク用基板検査装置100(以下、単に検査装置100とも言う)は、図1に示すように、リソグラフィ工程での露光時に用いられるマスク用基板たるレチクルW(ペリクルを被覆したものも含む)上に付着した異物Sの有無、大きさ及びその付着場所を検査するためのものであり、その動作原理は、簡単には、検査光LをレチクルWの表面及び裏面に走査照射し、異物が存在すれば、その異物で検査光Lが反射散乱することから、その反射散乱光LSを検出することで異物を検査できるようにしたものである。
【0021】
より具体的に説明すると、この検査装置100は、検査光学系機構101と、この検査光学系機構101に対して相対移動可能に設けた基板支承系機構102と、コンピュータ等を利用した図示しない制御部とを具備している。
【0022】
検査光学系機構101は、図示しない装置ボディに固定されたものであり、図1に示すように、矩形板状をなすレチクルWの表面(又は裏面)に斜めから検査光Lを照射する光源1と、前記検査光LがレチクルWの表面で正反射した光を除く反射散乱光LSを検出する光センサ2とからなる。
【0023】
基板支承系機構102は、図1に示すように、前記装置ボディに移動可能に取り付けられたステージ3と、このステージ3に支持させた支持基体4及びこの支持基体4に支持させた基板保持体5とからなる。
【0024】
詳述すれば、ステージ3は、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸方向に移動可能なものであり、X軸及びY軸方向は、前述した検査光の走査方向に合致させてある。また、Z軸方向は、レチクルWと検査光学系機構101との距離方向に合致させてある。
【0025】
支持基体4は、図1〜図3に示すように、対向する一対のアーム部材41と各アーム部材41の基端部同士を接続する横架部材42とからなる平面視概略コの字形をなすもので、前記横架部材42を、姿勢調整機構6を介してステージ3に取り付けてある。この姿勢調整機構6は、支持基体4のステージ3に対する傾き(姿勢)を微調整するためのもので、この実施形態では、1直線上に並ばない少なくとも3本の押しねじ及び引きねじ61(図1では4本)を、横架部材42とステージ3との間に配設し、それらの螺合深さを調整することにより、横架部材42のステージ3に対する傾きを変えられるように構成してある。なお、押しねじとは、ねじの螺合深さで定まる距離よりも横架部材42とステージ3とが接近しようとする動きを規制し、その距離よりも離間する動きは制限しない構造のものであり、引きねじとは、前記押しねじの逆の動作をする構造のものである。
【0026】
基板保持体5は、図1、図2、図4、図5に示すように、矩形板状をなすレチクルWの周縁部、より具体的には、一辺部とその対辺部を厚み方向から挟み込んで把持するものであり、前記支持基体4に回転軸7を介して回転可能に取り付けられている。
【0027】
しかしてこの基板保持体5について、まずレチクルWの把持のための構成から説明する。この基板保持体5は、保持本体51と一対の挟圧アーム52からなり、前記レチクルWを挟圧把持する把持状態及びレチクルWを抜き差しすることができる非把持状態のいずれかの状態をとることが可能である。
【0028】
保持本体51は、特に図4に示すように、対向する一対の保持アーム512とこれら保持アーム512の基端部間に架け渡された架橋材511とからなる平面視コの字形をなすものである。一方の保持アーム512の基端部及び先端部と他方の保持アーム512の中央部とには、それぞれ内方に突出する台座53が設けてあり、これら台座53には、レチクルWの表面(裏面)が載置される先端の丸いピン状の突出体54が、前記回転軸7と直交する方向に突出させてある。
【0029】
挟圧アーム52は長尺板状をなすもので、図2、図5等に示すように、その長尺方向を保持アーム512の延伸方向と合致させて、当該保持アーム512上に長尺方向を軸として回転可能に取り付けてある。その回転軸521から内方に偏位した部位には、前記突出体54に対向する位置にそれぞれ設けられた先端の丸いピン状の挟圧体55が突出させてあり、この挟圧アーム52を回転させることで、レチクルWの周縁部3箇所を、各突出体54及び挟圧体55で厚み方向に挟み込んで保持する前記把持状態と、他方に回転させることで挟圧体が55がレチクルWから離間する前記非把持状態とのいずれかの状態とすることができる。なお、挟圧アーム52は、図示しないトーションバネ等の弾性体による弾性復帰力でレチクルWを挟み込む方向(接近方向)に回転付勢されるように構成してある。
【0030】
また、この実施形態では、前記基板保持体を前記2状態のいずれかに駆動するための把持駆動機構11をさらに設けている。
【0031】
この把持駆動機構11は、支持基体4における各アーム部材41に上下動可能にそれぞれ設けられたカム部材111と、同支持基体4における横架部材42に設けた駆動源たる電動モータ(図示しない)と、前記電動モータの動きをカム部材111に伝達する図示しないリンクワイヤ等のリンク機構とからなる。
【0032】
カム部材111は、前記表面検査角度位置Pにおいて電動モータで下方に駆動されることにより押圧位置まで移動する。この押圧位置(模式図11(a)参照)では、カム部材111は、その先端で挟圧アーム52の外縁部に設けた突起522を上側から押し付け、弾性体の弾性復帰力に逆らって該挟圧アーム52を開く方向に回転させ、基板保持体5を前記非把持状態にする。また、このカム部材111は、電動モータを逆駆動することによって上方に駆動され、離間位置に移動する。この離間位置(模式図11(b)参照)では、カム部材111の先端は挟圧アーム52から離間するように設定してあり、この結果、挟圧アーム52には弾性体の弾性復帰力が作用して基板保持体5は前記把持状態となる。なお、前記離間位置では、カム部材111が基板保持体5の回転に干渉しないようにも設定してある。
【0033】
さらに、この実施形態では、この基板保持体5に保持されたレチクルWの姿勢を、基板保持体5の回転軸線Cと平行になるように調整するための平行調整機構8を設けている。この平行調整機構8は、前記各突出体54の先端を結んだ仮想線分を考えたときに、前記回転軸線Cと直交する仮想線分につながっている2つの突出体54を固定のもの(以下、区別するときは固定突出体54(1)とも言う)とし、残りの突出体54(以下、区別するときは可動突出体54(2)とも言う)の突出寸法をねじ送りによって調整できるようにしたものである。このような構成であれば、図7に示すように、前記可動突出体54(2)を突没させることによりレチクルWの表裏面を回転軸線Cに平行にすることができる。
【0034】
次に、この基板保持体5について、レチクルWの表裏回転のための構成を説明する。
【0035】
基板保持体5における前記保持アーム512の外側面には、図2、図4等に示すように、この保持アーム512の延伸方向と直交する方向に延伸する回転軸7がそれぞれ取り付けてある。この回転軸7は、支持基体4のアーム部材41に設けた軸受孔41aに挿入してあり、この構成によって基板保持体5は支持基体4に対して回転可能に支持される。また、この回転軸7は、その軸線、すなわち回転軸線Cが、平面視レチクルWの中央線をほぼ通り、なおかつ正面視レチクルWの厚み方向の中心線をほぼ通る位置に設定してある。このことによりレチクルWは、反転させてもほぼ同じ位置となり、反転後、微調整するだけで検査をすることができる。
【0036】
さらにこの実施形態では、前記基板保持体5の回転角度位置を、表面に検査光が照射される表面検査角度位置P(図1に示す)、及び該表面検査角度位置Pとは180°位相が異なって裏面に前記検査光が照射される裏面検査角度位置Q(図9に示す)に保持する検査角度位置保持機構9を設けている。
【0037】
この検査角度位置保持機構9は、図1、図2、図10等に示すように、前記基板保持体5の回転端に設けた当たり面91を、前記支持基体4に設けた一対の被当たり面92に接触させてそれ以上の基板保持体5の回転を規制すると共に、その各接触位置で、表面検査角度位置P又は裏面検査角度位置Qとなるように構成したものである。
【0038】
しかして、前記接触位置、すなわち表面検査角度位置P又は裏面検査角度位置Qにおいて、当たり面91と被当たり面92とが接触するだけでなく、その位置で基板保持体5の回転角度が人為的な外力を加えずとも保持されるように、この実施形態では、前記回転機構の回転軸線CをレチクルWを保持した基板保持体5の重心から偏位させ、前記偏位に起因した重力による回転モーメントにより、前記表面検査角度位置P及び裏面検査角度位置Qにおいて前記当たり面91が被当たり面92を押圧するように構成してある。ここでは、当たり面91とは反対側の回転端に重り(図示しない)を取り付けて、基板保持体5の重心位置を回転軸線Cよりも重り側にずらしている。
【0039】
また、この実施形態では、模式図6等に示すように、支持基体4の一方のアーム部材41に回転駆動源たる電動モータ93を固定し、この電動モータ93の出力軸93aを一方の回転軸7の延出端にカップリング94を介して接続している。この電動モータ93は、図示しない情報処理装置からの制御信号によって駆動されて、基板保持体5を回転軸線Cを中心に正逆回転させる。
【0040】
カップリング94は、一定以上のトルクが作用すると滑り動作して回転を伝達しなくなるもので、図6に模式的に示すように、互いに滑り可能な一対のカップリング要素94a、94bからなる。そして、一方のカップリング要素94aが電動モータ93の出力軸93aに、また他方のカップリング要素94bが基板保持体5の回転軸7に取着してある。
【0041】
またここでは、前記当たり面91と被当たり面92との接触後、カップリング94に滑り動作させて、電動モータ93の出力軸93aだけを、さらに一定角度回転させるようにしている。そのために、図6、図10に示すように、その一定角度である限界角度を検出する出力軸角度検出手段10を設けている。この出力軸角度検出手段10は、支持基体4に固定した一対のフォトインタラプタ10aと、電動モータ83の出力軸93aに固定した遮光板10bからなる。遮光板10bは、限界角度位置においてフォトインタラプタ10aに干渉するように設定してある。そしてこの出力軸角度検出手段10から限界角度である旨の出力信号が出力されると、前記情報処理装置がこれを受信して、電動モータ93の出力軸93a回転を停止させるようにしている。
【0042】
次に、このように構成したマスク用基板検査装置100の調整方法及び動作を説明する。
【0043】
まず、把持駆動機構11を作動させてカム部材111を押圧位置に移動させ、基板保持体5を非把持状態とする。そしてレチクルWを、オペレータ若しくは搬送装置等によって基板保持体5の奥の当接面5aに当接するまで挿入し、突出体54上に載置する。
【0044】
次に、カム部材111を離間位置に移動させ、挟圧アーム52にバネ力を作用させてレチクルWを突出体54及び挟圧体55で挟み込み、この基板保持体5に把持させる。
【0045】
そして、図6に示すように、可動突出体54(2)の突出距離を調整して(ここでは、台座53の取付位置を調整して)、レチクルWの表面及び裏面と回転軸線Cとが平行になるように調整する。
【0046】
その後、支持基体4のステージ3に対する取付姿勢を、姿勢調整機構6によって調整する。具体的には、表面検査角度位置又は裏面検査角度位置の状態で、ステージのXY移動方向で定まる平面(以下XY平面とも言う)とレチクルWの表面及び裏面とが平行になるようにする。この調整は、他の方法でも行うことができ、例えば、レチクルWをXY方向に移動させたとき、検査光学系機構の焦点がどの位置でもずれないように姿勢調整機構6を調整するといった方法もある。なお、この実施形態では、当たり面91又は被当たり面92に位置調整用の図示しない突没ねじを設けており、この突没ねじの突出寸法を調整することによって、表面検査角度位置又は裏面検査角度位置におけるレチクルWの表裏面の回転軸線Cと垂直な方向の傾きを調整することもできる。その場合、姿勢調整機構6では、回転軸線CがXY平面と平行になるように調整するだけでよい。
【0047】
次に、表面の異物検査をすべく、電動モータ93を駆動して、当たり面91を一方の被当たり面92に接触させる。このとき情報処理装置は、電動モータ93の出力軸93aに取り付けた遮光板10bが一方のフォトインタラプタ10aに干渉するまで、電動モータ93を一方方向に回転させるが、その過程で、当たり面91が被当たり面92に接触して表面検査角度位置Pとなり(図10‐1)、基板保持体5はそれ以上回転しなくなる。遮光板10bは、この位置では未だフォトインタラプタ10aに干渉しておらず、限界角度の旨の信号は出力されないので、電動モータ93はそのまま駆動される。この結果、カップリング94に過大なトルクが作用し、該カップリング94は滑り動作を引き起こし、電動モータ93の出力軸93aのみがさらに回転する。そして限界角度に達すると(図10‐2)、遮光板10bがフォトインタラプタ10bに干渉することで、情報処理装置がそれを検知し、電動モータ93の駆動を停止する。
【0048】
ところで、電動モータ93を停止させると、電動モータ93の出力軸93aはフリーの状態となるが、前述したように、重力による回転モーメントにより、前記表面検査角度位置Pでは、前記当たり面91が被当たり面92を押圧してその位置が保持される。
【0049】
この状態で、ステージ3をZ方向に調整移動して、検査光学系機構101の焦点を合わせた後、ステージ3をX及びY方向に移動させて、検査光LをレチクルWの表面上で相対的に走査させ、異物検査を行う。
【0050】
次に、レチクルWの裏面の異物検査をすべく、電動モータ93を逆方向に駆動して(図10‐3、図8)、当たり面91を他方の被当たり面92に接触させる(図10‐4)。このときも前記同様、電動モータ93の出力軸93aは、基板保持体5が裏面検査角度位置Qで止まるにもかかわらず、それを超えて他方の限界角度位置まで回転し停止する(図10‐5)。しかしてこの裏面検査角度位置Qでも、重力による回転モーメントにより、前記当たり面91が被当たり面92を押圧してその位置が保持される。
【0051】
このようにして、基板保持体5が裏面検査角度位置Qに反転した状態で、ステージ3をZ方向に調整移動して、検査光学系機構101の焦点を合わせた後、ステージ3をX及びY方向に移動させて、検査光LをレチクルWの裏面上で相対的に走査し、異物検査を行う。
【0052】
その後、再度、表面を検査する場合には、またレチクルWを反転させ(図10‐6)、同様の工程を繰り返せばよい。なお、反転するときは当接面5aが下方になるように基板保持体5を回転させて、不測の事態によって非把持状態となっても、レチクルWが基板保持体5から脱落しにくいように構成している。
【0053】
したがって、このような本実施形態によれば、表面検査角度位置P及び裏面検査角度位置Qのそれぞれにおいて、ステージ3により検査光学系機構101とレチクルWとの距離を調整しさえすれば、走査型にも関わらず、確実かつ簡単に焦点を合わせて異物等の検査を行うことができる。しかも、姿勢調整機構6や平行調整機構8、あるいは検査角度位置保持機構9に複雑な構造は必要ないので、従来のように表裏面検査用の2つの検査光学系機構を設けるよりも、はるかに簡易で安価な装置とすることができる。
【0054】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。例えば、把持駆動機構は、支持基体側であるステージに搭載されていても構わない。また、姿勢調整機構は必ずしも必要なく、その場合は、回転駆動源を支持基体側であるステージに搭載してもよい。さらに、本発明は露光用のマスク用基板のみならず、半導体ウェハや液晶パネル、大型ガラス基板など、鏡面仕上げされた平板上基板に用いて前記実施形態同様の作用効果を奏するものである。また、反射のみならず、透過によって検査するものにも同様に用いることができる。加えて、ステージを不動にして検査光学系機構を移動させる構成のものでもよい。その他、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に係るマスク用基板検査装置の基板支承系機構を主として示す斜視図。
【図2】同実施形態における基板支承系機構の分解斜視図。
【図3】同実施形態における支持基体を示す平面図。
【図4】同実施形態における基板保持体の保持本体を示す平面図。
【図5】同実施形態における基板保持体の挟圧アームを示す平面図。
【図6】同実施形態における基板回転用の電動モータ及び出力軸角度検出手段を示す模式的部分平面図。
【図7】同実施形態における平行調整機構の調整動作を説明するための正面から見た説明図。
【図8】同実施形態における基板保持体が回転途中での基板支承系機構を示す斜視図。
【図9】同実施形態における基板保持体が裏面検査角度位置にある状態での基板支承系機構を示す斜視図。
【図10】同実施形態における基板保持体の回転動作を説明するための模式的説明図。
【図11】同実施形態におけるカム部材の動作を説明するための模式的説明図。
【符号の説明】
【0056】
100・・・マスク用基板検査装置
101・・・検査光学系機構
102・・・基板支承系機構
W・・・レチクル
L・・・検査光
1・・・光源
2・・・光センサ
3・・・ステージ
4・・・支持基体
5・・・基板保持体
51・・・保持本体
54・・・突出体
55・・・挟圧体
6・・・姿勢調整機構
7・・・回転軸
8・・・平行調整機構
9・・・検査角度位置保持機構
91・・・当たり面
92・・・被当たり面
93・・・回転駆動源(電動モータ)
93a・・・出力軸
94・・・カップリング
10・・・出力軸角度検出手段
P・・・表面検査角度位置
Q・・・裏面検査角度位置
C・・・回転軸線
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体ウエハに回路パターンを露光する際に用いられるレチクル等のマスク用基板を検査する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体素子、液晶表示素子、CCD、薄膜磁気ヘッド等のデバイスの製造工程の一つであるリソグラフィ工程においては、露光装置を用いてマスク用基板たるレチクルのパターンを、投影光学系を介して基板としてのフォトレジストが塗布されたウェハ(又はガラスプレート等)上に転写露光する処理が繰り返し行われる。
【0003】
しかして、前記マスク用基板の上(例えばレチクルのガラス面上やその上に貼設されるペリクル上)に埃や塵等の異物が付着していると、マスク用基板に形成されたパターンとともに異物の形状が基板上に露光転写されて欠陥となるおそれがある。このため、従来は、露光工程前に、特許文献1,2に示すようなマスク用基板検査装置を用いてマスク用基板上の異物の有無、その大きさ、あるいは位置を検査するようにしている。
【0004】
かかるマスク用検査装置は、マスク用基板の表面に検査光を照射して生じる散乱光を検出することで異物を検出するが、そのために、マスク用基板の表面側に検査光を照射する光源と散乱光を受光するための受光機器とからなる検査光学系機構を配備している。
【特許文献1】特開2001−159613号公報
【特許文献2】特開2001−264262号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、マスク用基板の裏面をも検査する必要がある場合は、従来、前記検査光学系機構をマスク用基板の裏面側にも配備するようにしている。この構成によって短い時間で検査することができ、マスク用基板を動かすこともないので、該マスク用基板の汚損等のリスクを最小限に抑えられる。
【0006】
しかしながら、このような装置構成では検査光学系機構が2つ必要となってしまい、価格が大幅に増大する。もちろん、微細で重要なプロセスの場合は、マスク用基板が高価になることもあって、前記汚損リスク等を最小限にすることが最優先されるから、前述の構成でも構わないが、比較的微細でないプロセスの場合は、検査光学系機構を2つ有するような高価な装置構成は、オーバースペックであり、より安価な検査装置が求められている。
【0007】
これに対しては、マスク用基板を裏返しにできるように保持し、1つの検査光学系機構でマスク用基板の両面を測定できるようにした構成が単純には考えられる。しかし、裏返すことによって、検査光学系機構との距離や角度が微妙にずれるため、正確な異物検査ができなくなるおそれがある。もちろん、顕微鏡のように測定エリアが1点の場合は、単純に裏返す構成でも、顕微鏡側で焦点合わせをすることで対応可能であろうが、検査光を走査して基板全面を検査する構成では、各走査ポイントにおいて検査光の焦点位置とサンプル面とを一致させる必要があり、これを安価に行うのは極めて難しい。
【0008】
そこで本発明は、半導体ウエハに回路パターンを露光する際に用いられるレチクル等のマスク用基板における表裏面の異物等を、簡単かつ安価な構成で検査することができるマスク用基板検査装置を提供すべく図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち本発明に係るマスク用基板検査装置は、露光工程で用いられるマスク用基板に検査光を照射し、その反射光又は透過光に基づいて、当該マスク用基板上に存在する異物又は欠陥を検査するものである。
【0010】
そして、前記検査光を射出する光源及び前記反射光又は透過光を受光する光センサからなる検査光学系機構と、前記検査光学系機構に対して相対移動可能なステージに取り付けられた支持基体と、前記支持基体のステージに対する姿勢を調整するための姿勢調整機構と、前記マスク用基板を保持するとともに前記支持基体に回転可能に接続された基板保持体と、前記基板保持体の回転角度位置を、表面に検査光が照射される表面検査角度位置、及び該表面検査角度位置とは180°位相が異なって裏面に前記検査光が照射される裏面検査角度位置に保持する検査角度位置保持機構と、前記基板保持体に保持されたマスク用基板の表裏面が基板保持体の回転軸線と平行になるように当該基板保持体の姿勢を調整可能な平行調整機構とを具備していることを特徴とする。
【0011】
このような構成では、例えば、前記平行調整機構によって、少なくともマスク用基板を反転させたときの表面及び裏面が前記回転軸線に平行となるようにする。そして、表面検査角度位置及び裏面検査角度位置のそれぞれにおいて、ステージの相対移動方向のうちの検査光学系機構とマスク用基板との距離調整方向に対して、マスク用基板の表裏面が垂直となるように、前記姿勢調整機構で支持基体の姿勢を調整する。
【0012】
このことにより、表面検査角度位置及び裏面検査角度位置のそれぞれにおいて、ステージにより検査光学系機構とマスク用基板との距離を調整しさえすれば、走査型のものであっても、確実かつ簡単に焦点を合わせて異物等の検査を行うことができる。しかも、姿勢調整機構や平行調整機構、あるいは検査角度位置保持機構に複雑な構造は必要ないので、従来のように表裏面検査用の2つの検査光学系機構を設けるよりも、はるかに簡易で安価な装置とすることができる。
【0013】
簡易に実現できる基板保持体の具体的な構成としては、例えば、基板保持体の回転軸に取り付けられた保持本体と、該保持本体から突出する複数の突出体と、前記突出体に対向する位置にそれぞれ設けられた挟圧体とを具備し、前記挟圧体を突出体に向かって移動させることで該突出体との間でマスク用基板を厚み方向から挟み込んで保持するものを挙げることができる。
【0014】
また、上記基板保持体の構成であれば、平行調整機構をも簡素化できる。その一例としては、前記平行調整機構が、前記突出体の保持本体からの突出寸法を調整することによって該保持本体に対するマスク用基板の姿勢を変化させ、該マスク用基板の表裏面が前記回転機構の回転軸線と平行になるように調整するものを挙げることができる。より具体的には、平行調整機構が、前記保持本体と突出体との間に設けたねじ送り機構によって突出体の保持本体からの突出寸法を調整するものが好ましい。
【0015】
正確な角度位置を保持でき、しかもラッチ構造やばね部材を使うことのない簡易な構成で検査角度位置保持機構を実現するには、該検査角度位置保持機構が、前記基板保持体に設けた当たり面と、前記支持基体に設けられ前記表面検査角度位置又は裏面検査角度位置において前記当たり面と接触して基板保持体の回転を規制する被当たり面とを具備するとともに、前記回転機構の回転軸線をマスク用基板を保持した基板保持体の重心から偏位させ、前記偏位に起因した重力による回転モーメントにより、前記表面検査角度位置及び裏面検査角度位置において前記当たり面が被当たり面を押圧するように構成したものであることが望ましい。
【0016】
かかる検査角度位置保持機構において、前記支持基体側に搭載されて前記基板保持体を正逆回転駆動する回転駆動源と、該回転駆動源の出力軸を基板保持体に接続するとともに一定以上のトルクを受けたときには滑り動作して回転を伝達しないカップリングと、前記当たり面と被当たり面との接触によってカップリングが滑り動作を始めた後、さらに一定角度だけ回転駆動源の出力軸が回転した角度である限界角度を検出する出力軸角度検出手段と、該出力角度検出手段から限界角度である旨の出力信号を受信した際に、前記回転駆動源の出力軸回転を停止させる制御部とをさらに設けておけば、基板保持体を確実に表面検査角度位置又は裏面検査角度位置に到達させることができる。
【0017】
本発明は、検査光を走査して前記マスク用基板の表裏面をエリア検査する場合にその効果が特に顕著なものとなる。
【発明の効果】
【0018】
このように本発明によれば、走査型のものであっても、表面検査角度位置及び裏面検査角度位置のそれぞれにおいて、確実かつ簡単に焦点を合わせて異物等の検査を行うことができる。しかも、複雑な構造は必要ないので、従来のように表裏面検査用の2つの検査光学系機構を設けるよりも、はるかに簡易で安価な装置とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0020】
本実施形態に係るマスク用基板検査装置100(以下、単に検査装置100とも言う)は、図1に示すように、リソグラフィ工程での露光時に用いられるマスク用基板たるレチクルW(ペリクルを被覆したものも含む)上に付着した異物Sの有無、大きさ及びその付着場所を検査するためのものであり、その動作原理は、簡単には、検査光LをレチクルWの表面及び裏面に走査照射し、異物が存在すれば、その異物で検査光Lが反射散乱することから、その反射散乱光LSを検出することで異物を検査できるようにしたものである。
【0021】
より具体的に説明すると、この検査装置100は、検査光学系機構101と、この検査光学系機構101に対して相対移動可能に設けた基板支承系機構102と、コンピュータ等を利用した図示しない制御部とを具備している。
【0022】
検査光学系機構101は、図示しない装置ボディに固定されたものであり、図1に示すように、矩形板状をなすレチクルWの表面(又は裏面)に斜めから検査光Lを照射する光源1と、前記検査光LがレチクルWの表面で正反射した光を除く反射散乱光LSを検出する光センサ2とからなる。
【0023】
基板支承系機構102は、図1に示すように、前記装置ボディに移動可能に取り付けられたステージ3と、このステージ3に支持させた支持基体4及びこの支持基体4に支持させた基板保持体5とからなる。
【0024】
詳述すれば、ステージ3は、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸方向に移動可能なものであり、X軸及びY軸方向は、前述した検査光の走査方向に合致させてある。また、Z軸方向は、レチクルWと検査光学系機構101との距離方向に合致させてある。
【0025】
支持基体4は、図1〜図3に示すように、対向する一対のアーム部材41と各アーム部材41の基端部同士を接続する横架部材42とからなる平面視概略コの字形をなすもので、前記横架部材42を、姿勢調整機構6を介してステージ3に取り付けてある。この姿勢調整機構6は、支持基体4のステージ3に対する傾き(姿勢)を微調整するためのもので、この実施形態では、1直線上に並ばない少なくとも3本の押しねじ及び引きねじ61(図1では4本)を、横架部材42とステージ3との間に配設し、それらの螺合深さを調整することにより、横架部材42のステージ3に対する傾きを変えられるように構成してある。なお、押しねじとは、ねじの螺合深さで定まる距離よりも横架部材42とステージ3とが接近しようとする動きを規制し、その距離よりも離間する動きは制限しない構造のものであり、引きねじとは、前記押しねじの逆の動作をする構造のものである。
【0026】
基板保持体5は、図1、図2、図4、図5に示すように、矩形板状をなすレチクルWの周縁部、より具体的には、一辺部とその対辺部を厚み方向から挟み込んで把持するものであり、前記支持基体4に回転軸7を介して回転可能に取り付けられている。
【0027】
しかしてこの基板保持体5について、まずレチクルWの把持のための構成から説明する。この基板保持体5は、保持本体51と一対の挟圧アーム52からなり、前記レチクルWを挟圧把持する把持状態及びレチクルWを抜き差しすることができる非把持状態のいずれかの状態をとることが可能である。
【0028】
保持本体51は、特に図4に示すように、対向する一対の保持アーム512とこれら保持アーム512の基端部間に架け渡された架橋材511とからなる平面視コの字形をなすものである。一方の保持アーム512の基端部及び先端部と他方の保持アーム512の中央部とには、それぞれ内方に突出する台座53が設けてあり、これら台座53には、レチクルWの表面(裏面)が載置される先端の丸いピン状の突出体54が、前記回転軸7と直交する方向に突出させてある。
【0029】
挟圧アーム52は長尺板状をなすもので、図2、図5等に示すように、その長尺方向を保持アーム512の延伸方向と合致させて、当該保持アーム512上に長尺方向を軸として回転可能に取り付けてある。その回転軸521から内方に偏位した部位には、前記突出体54に対向する位置にそれぞれ設けられた先端の丸いピン状の挟圧体55が突出させてあり、この挟圧アーム52を回転させることで、レチクルWの周縁部3箇所を、各突出体54及び挟圧体55で厚み方向に挟み込んで保持する前記把持状態と、他方に回転させることで挟圧体が55がレチクルWから離間する前記非把持状態とのいずれかの状態とすることができる。なお、挟圧アーム52は、図示しないトーションバネ等の弾性体による弾性復帰力でレチクルWを挟み込む方向(接近方向)に回転付勢されるように構成してある。
【0030】
また、この実施形態では、前記基板保持体を前記2状態のいずれかに駆動するための把持駆動機構11をさらに設けている。
【0031】
この把持駆動機構11は、支持基体4における各アーム部材41に上下動可能にそれぞれ設けられたカム部材111と、同支持基体4における横架部材42に設けた駆動源たる電動モータ(図示しない)と、前記電動モータの動きをカム部材111に伝達する図示しないリンクワイヤ等のリンク機構とからなる。
【0032】
カム部材111は、前記表面検査角度位置Pにおいて電動モータで下方に駆動されることにより押圧位置まで移動する。この押圧位置(模式図11(a)参照)では、カム部材111は、その先端で挟圧アーム52の外縁部に設けた突起522を上側から押し付け、弾性体の弾性復帰力に逆らって該挟圧アーム52を開く方向に回転させ、基板保持体5を前記非把持状態にする。また、このカム部材111は、電動モータを逆駆動することによって上方に駆動され、離間位置に移動する。この離間位置(模式図11(b)参照)では、カム部材111の先端は挟圧アーム52から離間するように設定してあり、この結果、挟圧アーム52には弾性体の弾性復帰力が作用して基板保持体5は前記把持状態となる。なお、前記離間位置では、カム部材111が基板保持体5の回転に干渉しないようにも設定してある。
【0033】
さらに、この実施形態では、この基板保持体5に保持されたレチクルWの姿勢を、基板保持体5の回転軸線Cと平行になるように調整するための平行調整機構8を設けている。この平行調整機構8は、前記各突出体54の先端を結んだ仮想線分を考えたときに、前記回転軸線Cと直交する仮想線分につながっている2つの突出体54を固定のもの(以下、区別するときは固定突出体54(1)とも言う)とし、残りの突出体54(以下、区別するときは可動突出体54(2)とも言う)の突出寸法をねじ送りによって調整できるようにしたものである。このような構成であれば、図7に示すように、前記可動突出体54(2)を突没させることによりレチクルWの表裏面を回転軸線Cに平行にすることができる。
【0034】
次に、この基板保持体5について、レチクルWの表裏回転のための構成を説明する。
【0035】
基板保持体5における前記保持アーム512の外側面には、図2、図4等に示すように、この保持アーム512の延伸方向と直交する方向に延伸する回転軸7がそれぞれ取り付けてある。この回転軸7は、支持基体4のアーム部材41に設けた軸受孔41aに挿入してあり、この構成によって基板保持体5は支持基体4に対して回転可能に支持される。また、この回転軸7は、その軸線、すなわち回転軸線Cが、平面視レチクルWの中央線をほぼ通り、なおかつ正面視レチクルWの厚み方向の中心線をほぼ通る位置に設定してある。このことによりレチクルWは、反転させてもほぼ同じ位置となり、反転後、微調整するだけで検査をすることができる。
【0036】
さらにこの実施形態では、前記基板保持体5の回転角度位置を、表面に検査光が照射される表面検査角度位置P(図1に示す)、及び該表面検査角度位置Pとは180°位相が異なって裏面に前記検査光が照射される裏面検査角度位置Q(図9に示す)に保持する検査角度位置保持機構9を設けている。
【0037】
この検査角度位置保持機構9は、図1、図2、図10等に示すように、前記基板保持体5の回転端に設けた当たり面91を、前記支持基体4に設けた一対の被当たり面92に接触させてそれ以上の基板保持体5の回転を規制すると共に、その各接触位置で、表面検査角度位置P又は裏面検査角度位置Qとなるように構成したものである。
【0038】
しかして、前記接触位置、すなわち表面検査角度位置P又は裏面検査角度位置Qにおいて、当たり面91と被当たり面92とが接触するだけでなく、その位置で基板保持体5の回転角度が人為的な外力を加えずとも保持されるように、この実施形態では、前記回転機構の回転軸線CをレチクルWを保持した基板保持体5の重心から偏位させ、前記偏位に起因した重力による回転モーメントにより、前記表面検査角度位置P及び裏面検査角度位置Qにおいて前記当たり面91が被当たり面92を押圧するように構成してある。ここでは、当たり面91とは反対側の回転端に重り(図示しない)を取り付けて、基板保持体5の重心位置を回転軸線Cよりも重り側にずらしている。
【0039】
また、この実施形態では、模式図6等に示すように、支持基体4の一方のアーム部材41に回転駆動源たる電動モータ93を固定し、この電動モータ93の出力軸93aを一方の回転軸7の延出端にカップリング94を介して接続している。この電動モータ93は、図示しない情報処理装置からの制御信号によって駆動されて、基板保持体5を回転軸線Cを中心に正逆回転させる。
【0040】
カップリング94は、一定以上のトルクが作用すると滑り動作して回転を伝達しなくなるもので、図6に模式的に示すように、互いに滑り可能な一対のカップリング要素94a、94bからなる。そして、一方のカップリング要素94aが電動モータ93の出力軸93aに、また他方のカップリング要素94bが基板保持体5の回転軸7に取着してある。
【0041】
またここでは、前記当たり面91と被当たり面92との接触後、カップリング94に滑り動作させて、電動モータ93の出力軸93aだけを、さらに一定角度回転させるようにしている。そのために、図6、図10に示すように、その一定角度である限界角度を検出する出力軸角度検出手段10を設けている。この出力軸角度検出手段10は、支持基体4に固定した一対のフォトインタラプタ10aと、電動モータ83の出力軸93aに固定した遮光板10bからなる。遮光板10bは、限界角度位置においてフォトインタラプタ10aに干渉するように設定してある。そしてこの出力軸角度検出手段10から限界角度である旨の出力信号が出力されると、前記情報処理装置がこれを受信して、電動モータ93の出力軸93a回転を停止させるようにしている。
【0042】
次に、このように構成したマスク用基板検査装置100の調整方法及び動作を説明する。
【0043】
まず、把持駆動機構11を作動させてカム部材111を押圧位置に移動させ、基板保持体5を非把持状態とする。そしてレチクルWを、オペレータ若しくは搬送装置等によって基板保持体5の奥の当接面5aに当接するまで挿入し、突出体54上に載置する。
【0044】
次に、カム部材111を離間位置に移動させ、挟圧アーム52にバネ力を作用させてレチクルWを突出体54及び挟圧体55で挟み込み、この基板保持体5に把持させる。
【0045】
そして、図6に示すように、可動突出体54(2)の突出距離を調整して(ここでは、台座53の取付位置を調整して)、レチクルWの表面及び裏面と回転軸線Cとが平行になるように調整する。
【0046】
その後、支持基体4のステージ3に対する取付姿勢を、姿勢調整機構6によって調整する。具体的には、表面検査角度位置又は裏面検査角度位置の状態で、ステージのXY移動方向で定まる平面(以下XY平面とも言う)とレチクルWの表面及び裏面とが平行になるようにする。この調整は、他の方法でも行うことができ、例えば、レチクルWをXY方向に移動させたとき、検査光学系機構の焦点がどの位置でもずれないように姿勢調整機構6を調整するといった方法もある。なお、この実施形態では、当たり面91又は被当たり面92に位置調整用の図示しない突没ねじを設けており、この突没ねじの突出寸法を調整することによって、表面検査角度位置又は裏面検査角度位置におけるレチクルWの表裏面の回転軸線Cと垂直な方向の傾きを調整することもできる。その場合、姿勢調整機構6では、回転軸線CがXY平面と平行になるように調整するだけでよい。
【0047】
次に、表面の異物検査をすべく、電動モータ93を駆動して、当たり面91を一方の被当たり面92に接触させる。このとき情報処理装置は、電動モータ93の出力軸93aに取り付けた遮光板10bが一方のフォトインタラプタ10aに干渉するまで、電動モータ93を一方方向に回転させるが、その過程で、当たり面91が被当たり面92に接触して表面検査角度位置Pとなり(図10‐1)、基板保持体5はそれ以上回転しなくなる。遮光板10bは、この位置では未だフォトインタラプタ10aに干渉しておらず、限界角度の旨の信号は出力されないので、電動モータ93はそのまま駆動される。この結果、カップリング94に過大なトルクが作用し、該カップリング94は滑り動作を引き起こし、電動モータ93の出力軸93aのみがさらに回転する。そして限界角度に達すると(図10‐2)、遮光板10bがフォトインタラプタ10bに干渉することで、情報処理装置がそれを検知し、電動モータ93の駆動を停止する。
【0048】
ところで、電動モータ93を停止させると、電動モータ93の出力軸93aはフリーの状態となるが、前述したように、重力による回転モーメントにより、前記表面検査角度位置Pでは、前記当たり面91が被当たり面92を押圧してその位置が保持される。
【0049】
この状態で、ステージ3をZ方向に調整移動して、検査光学系機構101の焦点を合わせた後、ステージ3をX及びY方向に移動させて、検査光LをレチクルWの表面上で相対的に走査させ、異物検査を行う。
【0050】
次に、レチクルWの裏面の異物検査をすべく、電動モータ93を逆方向に駆動して(図10‐3、図8)、当たり面91を他方の被当たり面92に接触させる(図10‐4)。このときも前記同様、電動モータ93の出力軸93aは、基板保持体5が裏面検査角度位置Qで止まるにもかかわらず、それを超えて他方の限界角度位置まで回転し停止する(図10‐5)。しかしてこの裏面検査角度位置Qでも、重力による回転モーメントにより、前記当たり面91が被当たり面92を押圧してその位置が保持される。
【0051】
このようにして、基板保持体5が裏面検査角度位置Qに反転した状態で、ステージ3をZ方向に調整移動して、検査光学系機構101の焦点を合わせた後、ステージ3をX及びY方向に移動させて、検査光LをレチクルWの裏面上で相対的に走査し、異物検査を行う。
【0052】
その後、再度、表面を検査する場合には、またレチクルWを反転させ(図10‐6)、同様の工程を繰り返せばよい。なお、反転するときは当接面5aが下方になるように基板保持体5を回転させて、不測の事態によって非把持状態となっても、レチクルWが基板保持体5から脱落しにくいように構成している。
【0053】
したがって、このような本実施形態によれば、表面検査角度位置P及び裏面検査角度位置Qのそれぞれにおいて、ステージ3により検査光学系機構101とレチクルWとの距離を調整しさえすれば、走査型にも関わらず、確実かつ簡単に焦点を合わせて異物等の検査を行うことができる。しかも、姿勢調整機構6や平行調整機構8、あるいは検査角度位置保持機構9に複雑な構造は必要ないので、従来のように表裏面検査用の2つの検査光学系機構を設けるよりも、はるかに簡易で安価な装置とすることができる。
【0054】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。例えば、把持駆動機構は、支持基体側であるステージに搭載されていても構わない。また、姿勢調整機構は必ずしも必要なく、その場合は、回転駆動源を支持基体側であるステージに搭載してもよい。さらに、本発明は露光用のマスク用基板のみならず、半導体ウェハや液晶パネル、大型ガラス基板など、鏡面仕上げされた平板上基板に用いて前記実施形態同様の作用効果を奏するものである。また、反射のみならず、透過によって検査するものにも同様に用いることができる。加えて、ステージを不動にして検査光学系機構を移動させる構成のものでもよい。その他、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に係るマスク用基板検査装置の基板支承系機構を主として示す斜視図。
【図2】同実施形態における基板支承系機構の分解斜視図。
【図3】同実施形態における支持基体を示す平面図。
【図4】同実施形態における基板保持体の保持本体を示す平面図。
【図5】同実施形態における基板保持体の挟圧アームを示す平面図。
【図6】同実施形態における基板回転用の電動モータ及び出力軸角度検出手段を示す模式的部分平面図。
【図7】同実施形態における平行調整機構の調整動作を説明するための正面から見た説明図。
【図8】同実施形態における基板保持体が回転途中での基板支承系機構を示す斜視図。
【図9】同実施形態における基板保持体が裏面検査角度位置にある状態での基板支承系機構を示す斜視図。
【図10】同実施形態における基板保持体の回転動作を説明するための模式的説明図。
【図11】同実施形態におけるカム部材の動作を説明するための模式的説明図。
【符号の説明】
【0056】
100・・・マスク用基板検査装置
101・・・検査光学系機構
102・・・基板支承系機構
W・・・レチクル
L・・・検査光
1・・・光源
2・・・光センサ
3・・・ステージ
4・・・支持基体
5・・・基板保持体
51・・・保持本体
54・・・突出体
55・・・挟圧体
6・・・姿勢調整機構
7・・・回転軸
8・・・平行調整機構
9・・・検査角度位置保持機構
91・・・当たり面
92・・・被当たり面
93・・・回転駆動源(電動モータ)
93a・・・出力軸
94・・・カップリング
10・・・出力軸角度検出手段
P・・・表面検査角度位置
Q・・・裏面検査角度位置
C・・・回転軸線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光工程で用いられるマスク用基板に検査光を照射し、その反射光又は透過光に基づいて、当該マスク用基板上に存在する異物又は欠陥を検査するものであって、
前記検査光を射出する光源及び前記反射光又は透過光を受光する光センサからなる検査光学系機構と、
支持基体と、
前記支持基体の検査光学系機構に対する姿勢を調整するための姿勢調整機構と、
前記マスク用基板を保持するとともに前記支持基体に回転可能に接続された基板保持体と、
前記基板保持体の回転角度位置を、表面に検査光が照射される表面検査角度位置、及び該表面検査角度位置から反転して裏面に前記検査光が照射される裏面検査角度位置に保持する検査角度位置保持機構と、
前記基板保持体に保持されたマスク用基板の表裏面が、基板保持体の回転軸線と平行になるように当該基板保持体の支持基体に対する姿勢を調整可能な平行調整機構とを具備していることを特徴とするマスク用基板検査装置。
【請求項2】
前記基板保持体が、回転軸に取り付けられた保持本体と、該保持本体から突出する複数の突出体と、前記突出体に対向する位置にそれぞれ設けられた挟圧体とを具備し、前記挟圧体を突出体に向かって移動させることで該突出体との間でマスク用基板を厚み方向から挟み込んで保持するものである請求項1記載のマスク用基板検査装置。
【請求項3】
前記平行調整機構が、前記突出体の保持本体からの突出寸法を調整することによって該保持本体に対するマスク用基板の姿勢を変化させ、該マスク用基板の表裏面が前記回転機構の回転軸線と平行になるように調整するものである請求項2記載のマスク用基板検査装置。
【請求項4】
前記平行調整機構が、前記保持本体と突出体との間に設けたねじ送り機構によって突出体の保持本体からの突出寸法を調整するものである請求項2記載のマスク用基板検査装置。
【請求項5】
検査光を走査して前記マスク用基板の表裏面をエリア検査する請求項1乃至4記載のマスク用基板検査装置。
【請求項1】
露光工程で用いられるマスク用基板に検査光を照射し、その反射光又は透過光に基づいて、当該マスク用基板上に存在する異物又は欠陥を検査するものであって、
前記検査光を射出する光源及び前記反射光又は透過光を受光する光センサからなる検査光学系機構と、
支持基体と、
前記支持基体の検査光学系機構に対する姿勢を調整するための姿勢調整機構と、
前記マスク用基板を保持するとともに前記支持基体に回転可能に接続された基板保持体と、
前記基板保持体の回転角度位置を、表面に検査光が照射される表面検査角度位置、及び該表面検査角度位置から反転して裏面に前記検査光が照射される裏面検査角度位置に保持する検査角度位置保持機構と、
前記基板保持体に保持されたマスク用基板の表裏面が、基板保持体の回転軸線と平行になるように当該基板保持体の支持基体に対する姿勢を調整可能な平行調整機構とを具備していることを特徴とするマスク用基板検査装置。
【請求項2】
前記基板保持体が、回転軸に取り付けられた保持本体と、該保持本体から突出する複数の突出体と、前記突出体に対向する位置にそれぞれ設けられた挟圧体とを具備し、前記挟圧体を突出体に向かって移動させることで該突出体との間でマスク用基板を厚み方向から挟み込んで保持するものである請求項1記載のマスク用基板検査装置。
【請求項3】
前記平行調整機構が、前記突出体の保持本体からの突出寸法を調整することによって該保持本体に対するマスク用基板の姿勢を変化させ、該マスク用基板の表裏面が前記回転機構の回転軸線と平行になるように調整するものである請求項2記載のマスク用基板検査装置。
【請求項4】
前記平行調整機構が、前記保持本体と突出体との間に設けたねじ送り機構によって突出体の保持本体からの突出寸法を調整するものである請求項2記載のマスク用基板検査装置。
【請求項5】
検査光を走査して前記マスク用基板の表裏面をエリア検査する請求項1乃至4記載のマスク用基板検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−32337(P2010−32337A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−194213(P2008−194213)
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【出願人】(000155023)株式会社堀場製作所 (638)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【出願人】(000155023)株式会社堀場製作所 (638)
【Fターム(参考)】
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