説明

マトリックス細胞から得られる色素形成能のある表皮同等物、調製方法、及び使用

【課題】人工真皮上でマトリックス細胞を培養することによって、特にケラチノサイトとメラノサイトを含む完全な表皮がもたらされることを証明し、もっぱら毛髪細胞、マトリックス細胞から色素形成能のある皮膚モデルを調製するための新規な方法を提供する。
【解決手段】本発明は、マトリックス細胞の分化に由来する細胞を含む、色素形成能のある表皮同等物、及びその調製方法に関する。本発明はまた、色素形成能があり、任意的に毛包を含み、前記表皮同等物を含む再構成皮膚、その調製方法、及び局所的な化粧用、製薬用、または皮膚科学的生成物の効果を評価するためのその使用に関する。本発明に係る再構成皮膚はまた、哺乳類、とりわけ第三度熱傷の犠牲者等のヒト患者に移植することを意図した移植片の調製のために用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マトリックス細胞の分化に由来する細胞を含む、色素形成能のある表皮同等物、及びその調製方法に関する。
本発明はまた、色素形成能があり、任意的に毛包を含み、前記表皮同等物を含む再構成皮膚、その調製方法、及び局所的な化粧用、製薬用、または皮膚科学的生成物の効果を評価するためのその使用に関する。
本発明に係る再構成皮膚はまた、哺乳類、とりわけ第三度熱傷の犠牲者等のヒト患者に移植することを意図した移植片の調製のために用いることができる。
【背景技術】
【0002】
一方では、力学的分野及び生理学的分野の両方における皮膚の役割をより理解するために必要な研究を実施することを可能にし、他方では、化粧用及び/または製薬用の活性物質の活性、あるいは局所的成分の副作用についての予見テストを構成する、再構成皮膚モデルを開発するための努力が長期間なされてきた。
【0003】
それによって、程度の差はあれ、ヒトの皮膚に類似したモデルを開発することが可能になっている。例えば、以下の文献:EP-0285471、EP-0285474、EP-0418035、WO-A-90/02796、WO-A-91/16010、EP-0197090、EP-0020753、FR-2665175、及びFR-2689904に記載されるモデルを挙げることができる。
【0004】
一般に、これらの文献に記載される再構成皮膚モデルは、真皮乳頭の線維芽細胞及び/または外上皮の鞘(外毛根鞘またはORSとも称される)から取り出された細胞から、これらの細胞を得ることの簡便性が理由で、調製される。実際、これらの細胞は、毛髪束を引き抜くと取り出され、それらを担体、しばしば真皮同等物の上に堆積させ、適切な培養培地中で培養すると表皮を生成することができる。
【0005】
ケラチノサイトが前記ORSに由来する場合、これらの表皮モデル中に存在し得る少数のメラノサイトは多くなく、十分な色素形成された皮膚モデルを獲得させることはできない(Lenoir MC, Bernard BA, Pautrat G, Darmon M, Shoot B. Outer root sheath cells of human hair follicle are able to regenerate a fully differentiated epidermis in vitro. Dev Biol. 1988 Dec; 130 (2): 610-620;Limat A, Breitkreutz D, Hunziker T, Boillat C, Wieamann U, Klein E, Noser F, Fusenig NE. Restration of the epidermal phenotype by follicular outer root sheath cells in recombinant culture with dermal fibroblasts. Exp Cell Res. 1991 June; 194 (2): 218-227)
【0006】
色素形成された皮膚モデルを獲得することを目的として、ケラチノサイト培養物に市販の表皮メラノサイトを添加することが知られている(FR-2665175)。しかし、そのようなモデルに関して得られる色素形成の性質は、自然な色素形成を満足に再現するものではない。
【0007】
毛球に位置し、真皮乳頭の周りに小さな細胞クラスターを形成するマトリックス細胞は、胚芽層を構成し、且つ急速に増殖・分化するケラチノサイト前駆体から主に構成され、毛幹を形成し、ゆえに毛周期において重要な役割を担っている。成長期の始まりからその終わりまで、これらのマトリックス細胞は退行期まで増殖し、その後、休止期の間に消える(Ebling FJ. The biology of hair. Dermatol Clin. 1987 Jul; 5 (3): 467-481. Review;Saitoh M, Uzuka M, Sakamoto M. Human hair cycle. J Invest Dermatol. 1970 Jan; 54 (1): 65-81)。前記マトリックスはまた、皮膚の色素形成の原因となる毛包メラノサイトも含む。
【0008】
これらマトリックス細胞の増殖と分化は、真皮乳頭によって制御されている(Botchkarev VA, Kishimoto J. Molecular control of epithelial-mesenchymal interactions during hair follicle cycling. J Invest Dermatol Symp Proc. 2003 Jun; 8 (1): 46-55. Review)。
【0009】
驚くべきことに、本出願人は、人工真皮上でマトリックス細胞を培養することによって、特にケラチノサイトとメラノサイトを含む完全な表皮がもたらされることを証明する。
マトリックス中に存在する毛包メラノサイトは、通常、毛髪を着色することを意図しているが、それらはまた表皮環境において成長し得ること、及び本発明の方法に従ったin vitroだけでなく、移植後のin vivoで生成された表皮を色素形成するのに機能的であることが分かっている。従って、本出願人は、もっぱら毛髪細胞、マトリックス細胞から色素形成能のある皮膚モデルを調製するための新規な方法を開発している。
【0010】
この方法は、全ての表皮細胞タイプを提供する1つの組織、マトリックスを用いることによって完全な表皮を含む皮膚モデルを得ることを可能にするという点において利点があることが分かっており、さらに、前記細胞は、それらを増大させ得るほとんど分化していない状態において互いに適合し、生きた表皮の特徴を呈した表皮組織を形成する。
表皮同等物を調製するこの方法は、定められた細胞タイプを有する組織を向上させるために設計された前処理を必要としない。
毛髪が成長、退行、または休止期のいずれの期にあるに関わらず、前記マトリックス細胞を用いることができる。
【0011】
最後に、この方法は、前記ORSのケラチノサイトを用いた、文献中に既に記載されている技術(それらの部分に対して、約33,000細胞の播種を必要とする)と比較して、非常に少量の細胞(約1,000個の細胞を播種する)を必要とし、当該マトリックス細胞のコロニー形成の速度論は高く、それゆえ再構成表皮の調製が加速される。
【特許文献1】EP-0285471
【特許文献2】EP-0285474
【特許文献3】EP-0418035
【特許文献4】WO-A-90/02796
【特許文献5】WO-A-91/16010
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
克服すべき1つの難題は、十分な量の良質なマトリックス細胞を得ることである。
通常の条件下で、毛髪束が落ちた場合または引き抜いた後、真皮乳頭−マトリックス細胞コンパートメントは頭皮の真皮中に残る。このコンパートメントは、新しい毛周期の発達を誘導し、新しい毛包をもたらす。従って、毛髪束を引き抜いてもこれらのマトリックス細胞を得ることはできず、それゆえ頭皮の生検を実施し、次いで顕微解剖によりこれらの細胞を単離する必要がある。
【0013】
単離することが難しいことに加え、前記マトリックス細胞はまた、少なくとも以下の:
a)それらの数が特に少ない;
b)それらは容易に分離し、それゆえ顕微解剖の間、それらの位置を定めることが難しい;
c)それらはプラスチック担体に付着しない;及び
d)それらは小さなコロニーを形成する傾向があるため増幅させることが難しく、表皮同等物の調製に必要なコンフルエンスで初期培養できない;
理由で培養することが難しい。
【0014】
何人かの著者は、乳頭の線維芽細胞との共培養物として、これらの細胞を培養することを提案している。この方法の不利な点は、得られた細胞が均一でなく、マトリックス細胞に共培養に用いた真皮乳頭線維芽細胞が混入しているという点である(Reynolds AJ, Lawrence CM, Jahoda CA. Human hair follicle germinative epidermal cell culture. J Invest Dermatol. 1993 Oct; 101 (4): 634-638)。
【0015】
Luoらは、顕微解剖とプラスチック担体上でのマトリックス細胞の培養のための技術を提案している(Luo et al: Method for culturing hair follicle epithelial matrix cell; Reg. number: H1610; Nov. 5, 1996)。しかし、この顕微解剖技術によってもたらされるのは非常に低い収量のマトリックス細胞であり、これらの細胞の培養により得られるのは、完全な皮膚のモデルとして役立ち得ない単層の未分化細胞だけである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本出願人は、マトリックス細胞を単離し、且つ真皮同等物上でこれらの細胞を培養する方法を開発した。これらの細胞は急速に増殖・分化し、完全な表皮を形成する。
【0017】
好ましくは、当該マトリックス組織は、細胞の量と集合性を維持する新規な顕微解剖技術によって得られ、それらは互いに分離しない。この顕微解剖によって、真皮同等物の担体上で全てのマトリックス細胞を単離及び保存することが可能になる。
【0018】
この解剖技術で、当該マトリックス細胞は真皮同等物により容易に付着し、均一に増殖し、且つ分化する。得られた表皮同等物は、メラノサイト等のケラチノサイト以外の細胞タイプをさらに含み得る。
【0019】
色素形成能のある表皮を調製するための既知の技術は、in vitroでの前培養後にメラノサイトが添加されるORSのケラチノサイトを用いるが、この前培養の結果、表皮環境の外側で細胞の分化が生じ、前記メラノサイトはin vivoで観察されるメラノサイトに匹敵する量の樹状突起(dendrites)を発達させない。その後、表皮モデルにそれらを導入しても、基底層のケラチノサイト中のメラノサイトの均一な分布、または通常双極性(2つの樹状突起)であるメラノサイトの最適な機能性は保証されず、それゆえメラニン粒子のケラチノサイトへの伝達能は低い。
【0020】
従って、第一の主題に従い、本発明は、色素形成された表皮同等物の調製のためのマトリックス細胞の使用に関する。
【0021】
「マトリックス細胞」という表現は、毛球中にある細胞を意味すると解され、それらは真皮乳頭の周りに小さな細胞クラスターを形成する(Ebling FJ. The biology of hair. Dermatol Clin. 1987 Jul; 5 (3): 467-481. Review;Saitoh M, Uzuka M, Sakamoto M. Human hair cycle. J Invest Dermatol. 1970 Jan; 54 (1): 65-81)。これらの細胞のサンプルは、回収され、増幅され、組織バンクに保存されるであろう。
当該マトリックス組織の集合性を維持するために、以下の方法に従い、これらの細胞を回収することが可能であろう。2%抗生物質と必須アミノ酸を補充した最小培養培地を含むペトリディッシュ中に毛包を入れる。当該球の上皮を真皮乳頭及び結合鞘(connective sheath)から分離し、次いで当該球領域を真皮乳頭の先端で切断する。その後、得られた断片を滅菌リングの中の真皮同等物上に置き、次いで下記及び実施例Iにおける表皮を調製する方法に詳述されている培地中で、当該マトリックス細胞を培養する。
【0022】
前記マトリックス細胞は、色素形成能のある表皮の調製に必要な全ての細胞を提供し、それゆえ、表皮同等物の調製のためのマトリックス細胞の使用は、他のいずれのタイプの細胞も必要とせず、外因性の細胞のいずれかの供給もなく実施され得る。
【0023】
第二の主題に従い、本発明は、真皮同等物上でマトリックス細胞を培養するための少なくとも1つの工程を含む、表皮同等物を調製する方法に関する。
【0024】
表皮モデルによって設計され、本発明の方法に従って得られる「表皮同等物」は、in vivoにおける表皮の特徴、すなわち角化した層別化多層上皮が最少の量でケラチノサイトを含み、真皮同等物と接触した基底細胞を有し、その最上層が組織学的に正常な顆粒層及び角質層を再現する末端分化を示すという特徴を再現する完全な組織である。この表皮同等物はまた、機能的メラノサイトを含み、すなわちメラノソーム(メラニン粒子)をケラチノサイトへ移行させ得ることいい、当該表皮の組織学的観察は、基底層のレベルでのメラノサイトの組織化を示し、それゆえ皮膚の正常な構造を正確に再現している。
【0025】
この表皮モデルの1つの特徴は、多数の樹状突起を含み、基底ケラチノサイトを均一に囲む多量のメラノサイトであり、これらの特徴は、表皮モデルの横断面の観察の間、非常に明らかに現れる(基底層のケラチノサイトが、メラノサイトに相当する厚く暗い層によって囲まれているのが見て分かる、特に図3を参照)。
【0026】
これらの特徴により、特に、当該技術分野の方法の状況に関する本発明の方法に従って得られた表皮モデルを区別することができる。実際、従来の方法(メラノサイトの後続添加)に従って調製された表皮は、基底ケラチノサイトの間に位置し、2つの樹状突起を有する少量のメラノサイトを含む。
【0027】
好ましくは、前記真皮同等物はまた、ランゲルハンス細胞及び/またはメルケル細胞を含む。
【0028】
さらに、この表皮は均一に色素形成することができる。
実際、本発明に係る表皮モデルは、ケラチノサイトの先端及び角質層中に規則的に位置するメラニン粒子を有する均一な色素形成をすることが明らかである。この分布は、それらの部分に対して、より少ないメラニン粒子が表皮中に不規則に分布する当該先行技術の表皮モデルと比較して利点がある。
【0029】
とりわけ、本発明に係る方法は、:
a−培養培地中に浸った担体にのっている真皮同等物上での、マトリックス細胞の播種;
b−前記真皮同等物の表面での、前記マトリックス細胞の増殖;及び
c−生成の間に、前記培養培地が当該表皮同等物の上面を被覆しないような前記担体の高さ;
を含むことを特徴とする。
【0030】
とりわけ、前記担体はグリッド床であってよい。
【0031】
本発明に係り用いられる「真皮同等物」または真皮性担体は、当該先行技術分野において記載のもののいずれか1つであってよい(特にFR-2665175に記載のもの)。例としては、担体として、収縮したコラーゲン/線維芽細胞ラティス(lattices)、あらかじめ脱表皮化された真皮(Prunieras et al., Ann. Chir. Plast., 1979, 24, No. 4, 357-362)、合成半透過性膜(特にFR-2833271に記載のもの)、例えばMillipore登録商標のフィルター等の人工膜からなる群から選択される不活性担体、コラーゲンベースの皮下代替物、または細胞の生存力及び付着に適合する他のいずれかの空気暴露可能な担体が挙げられる。
【0032】
好ましくは、前記真皮同等物は、その中に真皮線維芽細胞が分布し、in vivoで観察されるものに等しい分化の状態にあるコラーゲンラティスからなるであろう。
このタイプの真皮同等物は、例えばEP-0418035、WO 00/29553、またはEP-0285471に記載されるような種々の方法に従って調製されてよい。
この方法は、以下の培養工程:
a)収縮性の細胞が、例えば、動物またはヒト組織の断片を播種した栄養培地上で生成された単層培養物から回収される工程;
b)栄養培地が真皮の細胞外マトリックスの成分を補充され、前記混合物が収縮するゲルを形成し、栄養培地を放出し、且つ真皮同等物を形成する工程;
を含んでよい。
【0033】
収縮細胞として線維芽細胞を用いることができ、真皮線維芽細胞は、健常なヒトドナーから得られ、制御されたトリプシン処理によって単層培養物から回収され、収縮細胞として有利に用いられる。下記に説明するように、収縮細胞の選択により、マトリックス細胞の分化が決定し、それゆえ、それらは所望の表皮同等物の質に応じて選択される。
【0034】
真皮同等物の線維芽細胞はケラチノサイトの分化プログラムを方向づけできるため、マトリックス細胞は、真皮同等物によって作られる細胞環境に応じて皮膚または毛髪を形成し得る多能性細胞の貯蔵所を形成する。
従って、マトリックス細胞が優勢的にのっている真皮同等物が毛包間皮膚線維芽細胞(interfollicular skin fibroblasts)を含む場合、線維芽細胞とマトリックスのケラチノサイトの間の相互作用により、前記マトリックスのケラチノサイトは毛包間表皮同等物を形成する。
前記皮膚線維芽細胞は、乳頭または網状線維芽細胞、あるいは両方の組合せであってよい。色素形成能のある表皮モデルの調製のために、毛包間線維芽細胞を用いてもよい。
【0035】
本発明に係る調製方法の実施は、真皮同等物、または真皮性担体にマトリックス細胞を播種する工程を含む。全マトリックスを真皮同等物上に堆積させる。堆積させるマトリックスの数は、当該真皮同等物の表面積に依存する。例えば、真皮同等物が60mmディッシュ中に調製された場合、それらは収縮後に約2cm2の表面積を有し、約10マトリックスを播種される。
【0036】
前記担体の表面でマトリックス細胞の増殖を可能にする条件が維持され、少なくとも1つの最小栄養培地、好ましくは実施例Iに記載されるような3F培地の使用によって、このマトリックス細胞培養物の成長は前記マトリックス表面と接触して促進される。
【0037】
有利なことに、担体上でのマトリックス細胞の播種後、前記マトリックス細胞を被覆するこの栄養培地に浸った移植担体は、好ましくは5-6日間維持される。
【0038】
次いで、真皮同等物を空気に接触させて置き、それに対し、容器の底面に比例して作られたグリッド床上にそれを置き、栄養培地量を前記グリッド床はちょうど被覆されるが、生成される皮膚同等物の上面を被覆しないように調節する。
【0039】
1つの変形例によれば、本発明に係る方法はさらに、表皮同等物の色素形成を誘発することを意図したさらなる工程を含んでよい。これは紫外線を用いた刺激であってよい。
【0040】
従って、本発明に係る形成される皮膚同等物は、十分に分化し、且つ十分に組織化されている。それはまた、全体的に均一である。
【0041】
下記で再構成皮膚とも称される「皮膚同等物」という表現は、真皮同等物にのっている表皮同等物の結合体を意味すると解される。
【0042】
従って、調製される真皮同等物は、少なくともケラチノサイト及びメラノサイトを含む。
表皮同等物はまた、ランゲルハンス細胞及び/またはメルケル細胞を含んでよく、これらの細胞は、特に、マトリックス細胞の播種の間、担体に添加されてよい。
【0043】
本発明に係る方法の1つの変形例によれば、真皮乳頭線維芽細胞及び/または結合鞘線維芽細胞、及び/または完全な真皮乳頭を含む真皮同等物を用いることによって、1つ以上の毛包を再構成し得る皮膚同等物を調製することが可能である。
真皮乳頭中に、毛髪線維芽細胞、例えば、乳頭線維芽細胞、結合鞘線維芽細胞、完全な乳頭、結合鞘、または結合鞘画分等を含むように選択がなされた場合(Reynolds AJ, Lawrence CM, Jahoda CA. Human hair follicle germinative epidermal cell culture. J Invest Dermatol. 1993 Oct; 101 (4): 634-638)、これらの線維芽細胞とマトリックス細胞の間の相互作用により、ケラチノサイトは体毛または頭髪(毛幹)の形態形成を再現するであろう。
【0044】
本発明の別の主題は、マトリックス細胞の増殖及び分化に由来する細胞からなることを特徴とする色素形成能のある表皮同等物に関する。
このモデルは、その組織学的特徴に基づいて特定されることができ、それは、基底ケラチノサイトの周りに3つ以上の樹状突起を含む小さなメラノサイトを含む。
それは、とりわけ本発明の方法に従って調製された表皮同等物であり、前記表皮同等物は、均一及び均質に色素形成し得るという特徴的な性質を有し、in vitro及び移植後のin vivoにおける健康な皮膚の色素形成を再現する。
【0045】
皮膚または表皮モデルの色素形成(メラノサイトによるメラニンの合成)は、いずれか既知の方法、特にいわゆるマッソン・フォンタナ染色によって定量化できる。
例として、制限せずに、色素形成を:
−コンピューターの助けによる画像分析によって、多数の染色された断面図中のメラニン粒子の数を測定すること;
−生化学的技術によって、培養ホモジネートのメラニン含有量を測定すること;
−生化学的技術によって、培養物中に含まれる表皮チロシナーゼ活性を測定すること;
−間接的免疫蛍光または電子顕微鏡技術によって、DOPAで染色することにより、培養物中に存在するメラノサイトの数及びそれらの位置を測定すること;
−種々の色素及びそれらの物理化学的状態の間の変動する平衡状態を考慮する比色法による、機器を用いた色の測定;並びに
−得られた色素形成の強さについての正確な評価を可能にするいずれか他の技術;
によって、観察及び/または定量化できる。
【0046】
本出願人はまた、移植後、当該表皮同等物が色素形成するこの能力を有利に有することを示すことができる。さらに、得られた色素形成は均質、均一、且つ本来の皮膚のものと同一である。
【0047】
別の主題に従い、本発明は、マトリックス細胞を含むことを特徴とする表皮同等物を調製するためのキットに関する。
このキットはさらに、担体に基づく真皮同等物、及びマトリックス細胞の増殖と分化に適した栄養培地からなる装置を含んでもよい。
【0048】
別の主題に従い、本発明は、本発明の方法に従って得られた表皮同等物を含み、皮膚の化粧用または治療用化合物を評価するためのキットに関する。
【0049】
皮膚同等物の調製のために選択される種々の方法に関わらず、当該表皮及び/または皮膚同等物は、動物実験、例えば、活性物質の放出、皮膚の透過性及び/または吸収性、及び/または生物学的利用性の試験、化粧用、製薬用、または皮膚科学的活性物質及び/または成分の耐性、適合性、及び有効性の試験を必要とするであろう全てのテストの代替的テストとして有用な三次元モデルである。
【0050】
本発明に係る表皮及び/または皮膚同等物はまた、新規な活性物質を同定するための化粧用、製薬用、または皮膚科学的生成物をスクリーニングするための自動化された方法に用いられてもよい。
【0051】
本発明に係る皮膚同等物はまた、皮膚の色素形成のメカニズム、並びに頭髪及び/または体毛の成長についての生理学的試験を可能にする。
【0052】
本発明に係る表皮同等物は皮膚の自然な色素形成を再現するため、脱色性活性物質、色素形成活性物質、及び日焼け止めをテストするのに特に有利である。
【0053】
本出願は、特に生成物が「老化性のシミ」またはホクロを明るくし得る、より一般的には皮膚の色を明るくし得ることを求められる場合、光老化または老化に対して特に有用であることを証明することができる。
【0054】
毛包を含む表皮同等物は、特に体毛または頭髪の成長の速度論を実施することを可能にし、それによって、例えば、毛周期、及びこの周期に影響を及ぼし得る要素の試験、毛髪の成長を促進する活性物質、毛髪の喪失と闘うことを可能にする活性物質、または体毛の成長を遅らせる活性物質の試験にまで及ぶ、in vivo環境中と同様に可能な限り完全である多くの生きた毛髪を必要とするいずれかの試験を実施することを可能にするであろう。
活性メラノサイトの存在により、このモデルはまた、特にメラニン生成の誘導または阻害によって、頭髪及び/または体毛の色に影響を及ぼし得る活性物質の試験を可能にする。
最後に、このモデルはまた、体毛及び/または頭髪の構造を改変することを意図する活性物質の効果を試験することを可能にする。
【0055】
新規活性物質を同定するための生成物をスクリーニングする方法は、前記テスト生成物を本発明に係る表皮同等物に接触させる工程(a)、次いで前記生成物の表皮同等物への効果を読み取る工程(b)を含む。
【0056】
本発明に係るスクリーニング法の1つの変形例に従い、完全な皮膚モデルが用いられる。
好ましくは、工程(a)を実施するために、テスト生成物は局所的に適用され、例えば、従来の局所的製剤中に配合され、または培養培地中に添加される。
所望の効果に応じて、工程(b)は、網羅的ではなく、テスト生成物と接触しない本発明に係る表皮同等物(コントロール)と比較する工程、及び/または場合によっては標識化とメラニンの定量化により(例えば、マッソン・フォンタナ法に従い染色することにより)、表皮同等物の色素形成若しくは脱色の強さの変化、毛幹の成長の加速または低下、場合によっては毛髪のケラチン生成への効果を観察する工程を含んでよい。
工程(b)はまた、構造タンパク質等の表皮及び/または真皮マーカー、特に真皮マトリックスの高分子且つ表皮分化タンパク質を分析することによって実施されてよい。
【0057】
テスト生成物と接触させた表皮または皮膚同等物について測定されたパラメーターを、同一条件下で培養されたが、テスト生成物に触れていないコントロールの表皮または皮膚同等物について測定されたものと比較する。
【0058】
表皮または皮膚モデルが免疫系の細胞、ランゲルハンス細胞を含む場合、当該スクリーニングテストまた、炎症またはアレルギー反応を誘発し得る生成物を同定することも意図される。
そのため、前記スクリーニング法の工程(b)中で観察されたパラメーターは、:
−細胞毒性;
−炎症媒介物質の放出;
−組織学により、または乳酸デヒドロゲナーゼ(ケラチノサイト膜の完全性に対するマーカー)の放出により明らかにされる細胞のダメージ(Roguet et al. J Tox In vitro 6, 1992: 303;Ponec M. In Vitro Toxicology. Eds Rougier, Maibach and Golberg. 1994: 107);
−合成、及び皮膚の脂質、特にセラミド及びリン脂質の組成の変化(JID 86, 598, 1986);並びに、
−それらの分化に対するマーカーとしての上皮細胞の層形成(M Prunieras & R Roguet Toxicologie cellulaire in vitro methods & applications Eds M adolphe, A Guillouzo and F Marano eds INSERM 1995: 191-236)(DUFFY PA, FLINT OP: In vitro dermal irritancy test. In CK Atterwill and CE Steele (Eds): In vitro methods in Toxicology Cambridge Univ. Press Cambridge 1987: 279-297)(Use of skin cell culture for in vitro assessment of corrosion and cutaneous irritancy, Roguet, Cell Biology and Toxicology, 1999: 15, 63-75);
から選択される。
【0059】
前記表皮同等物はまた、皮膚の障害、例えば熱傷、創傷治癒異常、皮膚潰瘍、乾癬、及び白斑、白毛症等の色素形成障害を有する患者に移植されることを意図する移植片の調製への適用を提供する。
本出願はまた、移植による修正が考慮され得る重度の色素形成異常、例えば、先天性または後天性のメラニン減少症またはメラニン過剰症(Na GY, Seo SK, Choi SK. Single hair grafting for the treatment of vitiligo. J Am Acad Dermatol. 1998 Apr; 38 (4): 580-584)、偶発的原因、例えば、身体または顔の広い領域にわたって火傷した皮膚(例えば、第三度熱傷の犠牲者)、外科的原因、例えば、母斑の治療のために切除を受けた皮膚(Kumagai et al., Ann Plast Surg. 39: 483-488, 1997)、または刺青(Kumagai et al., An Plast Surg. 33: 385-391, 1994)をもたらすいずれかの病理に関する。
本出願はまた、マトリックスの変性に関連する障害に関する。
【0060】
本発明に係る皮膚同等物はまた、それが毛髪マトリックスの顕微解剖による抽出後の頭皮断片から調製された場合、自己移植片を生成することを可能にし、均一に色素形成された表皮のin vivoにおける急速な形成をもたらす。これらの自己移植片は、潰瘍だけでなく重度の熱傷に関係するかもしれない(Limat A, French LE, Blal L, Saurat JH, Hunziker T, Salomon D. Organotypic cultures of autologous hair follicle keratinocytes for the treatment of recurrent leg ulcers. J Am Acd Dermatol. 2003 Feb; 48 (2): 207-214)。
この特定の場合において、当該再構成皮膚はまた、白斑に罹患した患者において、色の欠損した領域を再色素形成するために、少量のメラノサイトを含むORSの細胞を用いた既存のものより良好な条件下で、多数の微小自己移植片を生成することを可能にする。
【0061】
これら全ての適用のために、本発明に係る皮膚同等物は自然に色素形成するという利点がある。従って、移植された皮膚の領域はより美しく、且つ太陽への暴露の間の正常な生理学的動きを再現する。
【実施例】
【0062】
<実施例I:色素形成された皮膚モデルの調製>
Asselineau D, Bernard B, Bailly C, Darmon M. Epidermal morphogenesis and induction of the 67kD keratin polypeptide by culture of human keratinocytes at the liquid-air interface. Exp Cell Res. 1985 Aug; 159(2): 536-9。
Asselineau D, Bernard BA, Darmon M. Three-dimensional culture of human keratinocytes on a dermal equivalent A model system to study epidermal morphogenesis and differentiation in vitro. Models dermatol, vol. 3, pp.1-7(Karger, Basel 1987)。
【0063】
[I-A:真皮同等物の調製]
線維芽細胞を融解し、線維芽細胞用の培地(MEM+10% FCS(ウシ胎児血清))中で培養し、トリプシン処理する。
ラティスの生成のために、融解後12-13日のコンフルエンスで細胞を用い、MEM Hepes 10% FCS中に2×106細胞/mLで細胞懸濁液を得るように調製する。
【0064】
−培養培地の調製−
(1.76× MEM)
10×MEM 17.6mL
7.5%NaHCO3 5.1mL
1.76mM L-グルタミン 0.88mL
0.88mMピルビン酸ナトリウム 0.88mL
0.88 × 非必須アミノ酸 0.88mL
8.8 U/8.8μg/mL(0.088%)ペニシリン・ストレプトマイシン 0.088mL
0.04 ×(0.04%)抗真菌性抗生物質 0.044mL
滅菌超純水 75mL
【0065】
(MEM Hepes 10% FCS)
MEM 25mM Hepes 50mL
2mM L-グルタミン 0.5mL
1mMピルビン酸ナトリウム 0.5mL
1 × 非必須アミノ酸 0.5mL
20 U/20μg/mL(0.2%)ペニシリン・ストレプトマイシン 0.1mL
0.1 ×(0.1%)抗真菌性抗生物質 0.05mL
10% FCS 5mL
【0066】
(0.1N NaOH)
1N NaOH 10mL
滅菌超純水 90mL
この溶液を、0.22μm GV Durapore膜を備えたMillipore製フィルターに通す。
【0067】
(酢酸1/1000)
100% 氷酢酸 0.5mL
滅菌超純水 499.5mL
【0068】
−ラティスの調製−
Gattefosse社製コラーゲンの使用
1.76 × MEM 3.22mL
FCS 0.63mL
0.1N NAOH 0.35mL
MEM Hepes 10% FCS 0.2mL
容量 4.4mL
この溶液に、細胞懸濁液0.5mLを加える。
次いで、必要量の冷却したコラーゲンをゆっくりと添加する。
Erlenmeyer製フラスコの内容物を細菌使用の60 mm Falconディッシュ中に移す。
前記ディッシュをインキュベーター(37℃、5% CO2)中に、1時間30分-2時間置く。
3日間、収縮を進行させる。
次いで、マトリックス細胞を播種する。
【0069】
[I-B:マトリックス細胞の顕微解剖及び培養(播種)(図1)]
皮膚生検から、毛包の顕微解剖を実施し、培養培地を含むペトリディッシュ中にそれらを入れる。上皮を真皮乳頭球と結合鞘から分離し、球領域を真皮乳頭の先端で切断する。次いで、ニードルを用いて軽い圧力を加えることにより、この断片を滅菌リングの中の真皮同等物の上にのせる。マトリックス細胞を有する結合鞘の分離は、タンパク質分解酵素の使用なしでより容易に生じ、それにより、真皮部分を除去し、マトリックス細胞を3F培養培地で1週間培養する。
【0070】
[I-C:再構成皮膚の生成]
浸潤培養の7日後、皮膚が現れる。
顕微鏡下でケラチノサイトがどれだけラティスを残すかをチェックする。
Falcon細菌使用のディッシュ中に、出現グリッドを入れる。
気泡を形成しないように、7.5mLのMEM 10% FCS + 3Fを加える。
滅菌メスを用いて、出現した皮膚の周りの膠を切除する。
湾曲した一対のピンセットと細胞リフターで、前記皮膚を前記グリッドの上に移す。
ディッシュをインキュベーター(37℃、5% CO2)中に入れる。
水曜日と金曜日に培地を置換する(7.5mLのMEM 10% FCS + 3F)。
出現の7日後、使用ための皮膚が準備される。
【0071】
使用する培養培地:MEM 10% FCS + 3F
MEM 500mL
2mM L-グルタミン 5mL
1mMピルビン酸ナトリウム 5mL
1 × 非必須アミノ酸 5mL
20 U/20μg/mL(0.2%)ペニシリン・ストレプトマイシン 1mL
0.1 ×(0.1%)抗真菌性抗生物質 0.5mL
10μg/mL EGF・ストック溶液(10ng/mL) 0.5 mL
10-5 M コレラ毒素・ストック溶液(10-10 M) 5 mL
0.5mg/mLヒドロコルチゾン・ストック溶液(0.4μg/mL) 0.4 mL
10% FCS 50mL
【0072】
図2及び3は、本発明の方法に係る再構成皮膚の断面図を表す。
それらの観察は、in vivoにおける表皮を再現した、角質層がのった層別化表皮を示す。また、図3の表皮はメラニンを含むことが分かる。
【0073】
<実施例II:毛包を含む皮膚モデルの調製>
実施例Iに記載のプロトコールの実験条件を、I-A工程における毛包の線維芽細胞を用いることによって再現する。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】マトリックス細胞の顕微解剖及び培養を示す。
【図2】再構成皮膚の断面図を表す。in vivoにおける表皮を再現した、角質層がのった層別化表皮を示す。
【図3】再構成皮膚の断面図を表す。in vivoにおける表皮を再現した、角質層がのった層別化表皮を示す。また、図3の表皮はメラニンを含むことが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
色素形成能のある表皮同等物の調製のための、マトリックス細胞の使用。
【請求項2】
真皮同等物上でマトリックス細胞を培養するための少なくとも1つの工程を含む、表皮同等物を調製する方法。
【請求項3】
a−培養培地中に浸った担体にのっている真皮同等物上での、マトリックス細胞の播種;
b−前記真皮同等物の表面での、前記マトリックス細胞の増殖;及び
c−生成の間に、前記培養培地が当該表皮同等物の上面を被覆しないような前記担体の高さ;
を含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
工程(a)の前記真皮同等物は、真皮線維芽細胞が分布するコラーゲンラティスであることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記線維芽細胞が毛包間線維芽細胞であることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
工程(b)が、前記マトリックス細胞を栄養培地中に浸った前記真皮同等物に接触させて5-6日間維持する工程を含むことを特徴とする、請求項3から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記栄養培地が3F培地であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
色素形成を誘発する工程を付加的に含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
請求項2から8のいずれか一項に記載の方法によって得られることができる、3つ以上の樹状突起を有するメラノサイトを含む表皮同等物。
【請求項10】
マトリックス細胞の増殖及び分化に由来する細胞からなることを特徴とする、3つ以上の樹状突起を有するメラノサイトを含む表皮同等物。
【請求項11】
少なくともケラチノサイトとメラノサイトを含む、請求項9または10に記載の表皮同等物。
【請求項12】
ランゲルハンス及び/またはメルケル細胞を付加的に含む、請求項9から11のいずれか一項に記載の表皮同等物。
【請求項13】
請求項9から12のいずれか一項に記載の表皮同等物を含むことを特徴とする、皮膚同等物。
【請求項14】
真皮同等物上でマトリックス細胞を培養する工程を含むことを特徴とする、機能的毛包を含む皮膚同等物を調製する方法であって、前記真皮同等物は真皮乳頭線維芽細胞を含む方法。
【請求項15】
マトリックス細胞を含むことを特徴とする、表皮同等物を調製するためのキット。
【請求項16】
前記皮膚同等物に適した培養培地中に、請求項9から13のいずれか一項に記載の表皮または皮膚同等物を含む、化合物を評価するためのキット。
【請求項17】
皮膚の放出及び/または透過性及び/または吸収性、及び/または生物学的利用性、並びに/あるいは化合物の耐性及び/または適合性、及び/または有効性をテストするための、請求項13に記載の皮膚同等物の使用。
【請求項18】
化粧用、製薬用、または皮膚科学的化合物をスクリーニングする自動化された方法における、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
皮膚の色素形成を調節する化合物の同定のための、請求項17または18に記載の使用。
【請求項20】
体毛及び/または頭髪の成長を調節する化合物の同定のための、請求項17または18に記載の使用。
【請求項21】
皮膚の炎症またはアレルギー反応を誘発し得る化合物の同定のための、請求項17または18に記載の使用。
【請求項22】
新規活性物質を同定するための生成物をスクリーニングする方法であって、前記テスト生成物を請求項9から12にいずれか一項に記載の表皮同等物に接触させるための工程(a)、及びその後前記生成物の前記皮膚同等物への効果を読み取るための工程(b)を含む方法。
【請求項23】
火傷、創傷治癒異常、皮膚潰瘍、乾癬、白斑等の色素形成障害、先天性または後天性のメラニン減少症またはメラニン過剰症、あるいは外科的原因に起因するものから選択される皮膚の障害を治療することを意図した移植片の調製のための、請求項9から12のいずれか一項に記載の表皮同等物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−29342(P2008−29342A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−183636(P2007−183636)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】