説明

マルチモダリティ・イメージング方法及びシステム

【課題】患者を検査する方法を提供する。
【解決手段】本方法は、患者テーブル(106)を第1の検査軸(112)と整列させる段階と、患者を第1の検査軸に沿った向きに配置している間に第1のイメージング・モダリティ(102)を利用して患者をイメージングする段階と、患者テーブルを、第1の検査軸とは異なる第2の検査軸(114)と整列させる段階と、患者を第2の検査軸に沿った向きに配置している間に第2の別のイメージング・モダリティ(104)を利用して患者をイメージングする段階とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に云えば、複数のモダリティで動作可能であるイメージング(撮像/画像化)システムに関するものであり、より具体的には、走査している対象物の整列(alignment) を維持するための方法及びシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
マルチモダリティ・イメージング・システムは、異なるモダリティ、例えば、ポジトロン放出断層撮影法(PET)、単一ポジトロン放出断層撮影法(SPECT)、超音波イメージング法、、磁気共鳴イメージング法(MRI)、コンピュータ断層撮影法(CT)、スタティックX線イメージング法及びダイナミック(蛍光透視)X線イメージング法を使用して、走査を行うことが可能である。マルチモード・システム(マルチモダリティ・システムとも呼ばれる)では、同じハードウエアの一部分を利用して、異なる走査を実行する(例えば、SPECTによって生成された画像が、CTによって生成された画像と同じコンピュータ及び表示装置によってそれぞれ処理されて表示される)。しかしながら、データ取得システム(「イメージング・アセンブリ」とも呼ばれる)は異なる。例えば、CT/SPECTシステムでは、CTデータを取得するために放射線源及び放射線検出器が組み合わせて使用され、またSPECTデータを取得するために典型的にはSPECTカメラと組み合わせて放射性医薬品が用いられる。
【0003】
SPECT/CT統合システムのようなマルチモダリティ・システムでは、システムが取得するSPECT及びCT画像に固有の整合性がある。データ取得のSPECT及びCT部分の間、患者は同じテーブル上にずっと横たわっているので、2つのデータ取得中の患者の位置及び向きは一貫しており、CT及びSPECT画像を相関させて融合させるプロセスが大幅に簡単化される。これにより、SPECT画像の再構成のための減衰度補正情報を提供するためにCT画像を使用することができ、また画像の読影者はCT画像で示される解剖学的情報とSPECT画像で示される機能情報とを容易に相関させることができる。
【0004】
この固有の整合(registration)は、SPECT及びCT検出器座標系の整列、又は2つの座標系の間の少なくとも既知の空間的変換を想定している。座標系の整列不良は直接的に画像の不整合を生じることがある。不整合(misregistration) は誤った位置確認を招くばかりでなく、機能画像の誤った減衰度補正も招く。
【0005】
適正なSPECT及びCT画像の整合はまた、SPECT及びCT座標系のアキシャル(z)軸の互いとの整列ばかりでなく、SPECT及びCT取得の合間及び取得中に患者を輸送するテーブルの移動軸との整列を必要とする。同軸のSPECT/CT又は他のマルチモダリティ・システムは、特に全身用走査の場合、関心のある領域をイメージングする能力が両方のイメージング・モダリティに与えられるように比較的長い軸方向の移動距離を必要とする。しかしながら、患者テーブル及びテーブル支持体は、患者テーブルが両イメージング・アセンブリに達するように移動しなければならない全移動長に起因して、検査の際にテーブル支持体から片持ち張り式に患者を支持しながら整列要件を満たすことができないことがある。例えば、同軸のイメージング・アセンブリ構成では比較的長いレール・システムが必要であり、そこで、ベッドの長さによりその撓みが生じることがあり、それにより、たとえ患者が絶対的に静止した状態に留まっていても、患者位置が2つのイメージング場所の間で変わることがある。
【特許文献1】米国特許第6631284号
【特許文献2】米国特許第6490476号
【特許文献3】米国特許第5391877号
【発明の開示】
【0006】
一実施形態では、患者を検査する方法を提供する。本方法は、患者テーブルを第1の検査軸と整列させる段階と、患者を第1の検査軸に沿った向きに配置している間に第1のイメージング・モダリティを利用して患者をイメージングする段階と、患者テーブルを、第1の検査軸とは異なる第2の検査軸と整列させる段階と、患者を第2の検査軸に沿った向きに配置している間に第2の別のイメージング・モダリティを利用して患者をイメージングする段階と、を含む。
【0007】
別の実施形態では、イメージング・システムを提供する。本イメージング・システムは、少なくとも第1及び第2のイメージング・モダリティで患者の医学的診断用画像を得る少なくとも第1及び第2の別々のイメージング・アセンブリであって、相異なる第1及び第2の検査軸に沿って整列している少なくとも第1及び第2の別々のイメージング・アセンブリと、第1及び第2の検査中に患者を保持するように構成されているテーブルと、第1のイメージング・アセンブリ、第2のイメージング・アセンブリ及びテーブルの内の少なくとも1つを、対応する第1及び第2のイメージング・アセンブリに対する第1及び第2の検査軸と整列した第1及び第2の検査位置の間で移動させる支持機構と、を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は模範的な一実施形態のイメージング・システム100の概略図である。イメージング・システム100は、第1のイメージング・アセンブリ102と、第2のイメージング・アセンブリ104と、患者テーブル106と、支持機構108とを含む。模範的な実施形態では、支持機構108は、例えば軌道又はレールのような、少なくとも1つの案内部材110を含む。イメージング・アセンブリ102は関連した検査軸112を含み、またイメージング・アセンブリ104は関連した検査軸114を含む。本書で用いる各々の検査軸は、患者をイメージングするために使用されるそれぞれのイメージング装置を基準とするものである。代替例では、案内部材110は、例えば、エア・クッション、ローラ及びキャスターのような、検査軸112から検査軸114への案内のない移動を可能にする輸送機構を含むことができ、また検査軸112に沿って整列した及び/又は検査軸114に沿って整列した支持機構108を固定するための係止機構(図示せず)を含むことができる。少なくとも1つのアンカー・ドックを、検査室床のような基部に固定してもよい。
【0009】
イメージング・アセンブリ102及び104の各々は、例えば、SPECTイメージング・アセンブリ、PETイメージング・アセンブリ、MRIイメージング・アセンブリ、CTイメージング・アセンブリ、スタティックX線イメージング・アセンブリ、ダイナミック(蛍光透視)X線イメージング・アセンブリ及び超音波イメージング・アセンブリの内の任意の組合せとすることができる。イメージング・アセンブリ102及び104は、検査軸112及び114が実質的に平行になるように、隣り合って配置される。
【0010】
動作について説明すると、患者(図示せず)がテーブル106上に仰向けに横たわって、検査軸112に沿って整列するようにする。支持機構108を使用して、患者テーブル106と例えば患者とを、検査軸112に沿ってイメージング・アセンブリ102の中へ進入させて、第1のイメージング走査を実行する。次いで、支持機構108を使用して、患者テーブル及び患者を、支持機構108及び患者テーブル106の所定の安定な位置まで後退させる。次いで、支持機構108を使用して、患者テーブル106が検査軸114と整列するように、患者テーブル106を横方向に移動させる。次いで、支持機構108を使用して、患者テーブル106及び患者を検査軸114に沿ってイメージング・アセンブリ104の中へ進入させて、第2のイメージング走査を実行し、そして患者テーブル及び患者を支持機構108及び患者テーブル106の所定の安定な位置まで後退させる。支持機構108の横方向平行移動中に患者と患者テーブル106と各々の検査軸112及び114との整列関係を維持し易くするために、イメージング・アセンブリ102及び104に関連して、1つ以上の案内部材110を基部に固定するように結合することができる。代替実施形態では、イメージング・アセンブリ102によって患者をイメージングした後、テーブル106を検査軸112と整列した位置から解放して、検査軸114と整列した位置へ移動させ、次いでテーブル106を所定位置に係止する。このような実施形態では、イメージング・アセンブリ102は、イメージング・アセンブリ104から離れて、例えば、異なる検査室内に、配置することができる。
【0011】
システム100は全身的及び非全身的不整合について較正することができる。模範的な実施形態では、システム100は、患者テーブル106上の所定位置に位置決めされた基準マーク付きファントム(図示せず)を使用して較正される。患者テーブル106は、第1のイメージング・モダリティ画像が生成されるように、第1のイメージング・アセンブリ102内の所定のイメージング位置へ進入させる。次いで、患者テーブル106は後退させて、案内部材110に沿って検査軸114へ移動させ、そしてイメージング・アセンブリ104の中へ進入させて、第2のイメージング・モダリティ画像が生成される。これらの2つの画像は直接比較される。ファントムは2つのイメージング・プロセスの間に動かないことが分かっているので、この比較により補正データを生成することができる。この補正データは、患者テーブル106の位置に対してイメージング・アセンブリ102及び104の位置及び倍率を較正して、生成されたそれらの画像が患者テーブル106の同じ位置を参照するように、使用することができる。模範的な実施形態では、補正データは、調節ネジ(図示せず)などによって、イメージング・アセンブリ102及び104の一方又は両方に対してテーブル106の位置を物理的に調節するため、又はその逆に調節するために、使用される。代替実施形態では、不整列についての物理的な調節は行わず、代わりに、補正データが、その後に結果として得られる一方又は両方の組の画像に適用して現在既知の不整列を補正するためのデータを生成するように使用される。別の代替実施形態では、補正データは、調節ネジ(図示せず)などによって、イメージング・アセンブリ102及び104の一方又は両方に対してテーブル106の位置を、又はその逆に、物理的に調節して、不整合全体に対処するために使用され、また、微調節が、その後に結果として得られる一方又は両方の組の画像に適用して現在既知の不整列を補正するために使用される。患者について使用されるとき、一旦これらの模範的な方法のいずれかによって事前較正が行われると、全てのイメージング・システムは、2つのシステムにおけるテーブル局在化(localization)の間の相関が正確に知られているので、あたかも等価的に局在化されたテーブルの上であるように画像の細部を直接的に参照することができる。代替実施形態では、基準マーク付きファントムを患者テーブルに一体化することができる。例えば、複数のくぼみ又は穴を患者テーブル106の表面に形成することができ、この場合、CTイメージング・モダリティのような第1のモダリティによりこれらのくぼみ又は穴を観察することが可能である。1つ以上の放射性線源をくぼみ又は穴の中に配置して、1つ以上の放射性線源をSPECT又はPETイメージング・モダリティのような第2のイメージング・モダリティによってイメージングできるようにすることができる。
【0012】
非全身的不整合は、各画像取得の間で変化することのある因子、例えば、患者の体重及びテーブル106上の患者の位置のような患者依存性因子によって、影響を受けることがある。差別的非全身的不整合は、両方のイメージング・モダリティについての非全身的不整合を無視できるように、走査の間でテーブル106及び支持機構108の状態を実質的に同じ状態に維持することによって容易に低減することができる。走査の間でのテーブル106及び支持機構108のこのような実質的に同じ状態は、テーブル106及び支持体108から各イメージング・アセンブリ102及び104のイメージング走査平面までの距離が両方のイメージング・アセンブリ102及び104について実質的に同じであるように、イメージング・アセンブリ102及び104を取り付けることによって達成される。
【0013】
図2は、模範的な一実施形態のイメージング・システム200の概略図である。イメージング・システム200は、第1の可動のイメージング・アセンブリ202と、第2の可動のイメージング・アセンブリ204と、患者テーブル206と、定置の支持機構208とを含む。この模範的な実施形態では、横方向に平行移動可能な台車209が、例えば、軌道又はレールのような、少なくとも1つの案内部材210を含む。イメージング・アセンブリ202は関連した検査軸212を含み、またイメージング・アセンブリ204は関連した検査軸214を含む。本書で用いられるとき、各検査軸は、患者をイメージングするために使用されているそれぞれのイメージング装置を基準とする。患者テーブル206は不動に留まり、且つイメージング・アセンブリ202及び204が横方向に動かされるとき、関連した検査軸212又は214はイメージング・アセンブリと共に横方向に動かされる。台車209は、例えば、エア・クッション、ローラ及びキャスターのような、検査軸212から検査軸214への案内のない移動を可能にする輸送機構を含むことができ、また検査軸212に沿って整列した及び/又は検査軸214に沿って整列した台車209を固定するための締結具(図示せず)を含む。
【0014】
イメージング・アセンブリ202及び204の各々は、例えば、SPECTイメージング・アセンブリ、PETイメージング・アセンブリ、MRIイメージング・アセンブリ、CTイメージング・アセンブリ、スタティックX線イメージング・アセンブリ、ダイナミック(蛍光透視)X線イメージング・アセンブリ及び超音波イメージング・アセンブリの内の任意の組合せとすることができる。イメージング・アセンブリ202及び204は、検査軸212及び214が実質的に平行になるように、隣り合って配置される。
【0015】
動作について説明すると、患者(図示せず)をテーブル206上に仰向けに乗せて、イメージング・アセンブリ202の位置を、患者が検査軸212に沿って整列するように調節する。支持機構208を使用して、患者テーブル206及び患者を検査軸212に沿ってイメージング・アセンブリ202の中へ進入させて、第1のイメージング走査を実行する。次いで、支持機構208を使用して、患者テーブル206及び患者を、支持機構208及び患者テーブル206の所定の安定な位置まで後退させる。次いで、台車209を使用して、患者テーブル206が検査軸214と整列するように、イメージング・アセンブリ202及び204を別々に又は一緒に移動させる。次いで、支持機構208を使用して、患者テーブル206及び患者を検査軸214に沿ってイメージング・アセンブリ204の中へ進入させて、第2のイメージング走査を実行し、そして患者テーブル206及び患者を支持機構208及び患者テーブル206の所定の安定な位置まで後退させる。台車209の横方向平行移動中に患者と患者テーブル206と各々の検査軸212及び214との整列関係を維持し易くするために、患者テーブル206に関連して、1つ以上の案内部材210を基部に固定するように結合することができる。代替実施形態では、イメージング・アセンブリ202によって患者をイメージングした後、イメージング・アセンブリ202を、患者テーブル206が検査軸212と整列している位置から解放して、患者テーブル206が検査軸214と整列する位置へ移動させ、次いでイメージング・アセンブリ202を所定位置に係止する。
【0016】
図3は、模範的な一実施形態のイメージング・システム300の概略図である。イメージング・システム300は、第1のイメージング・アセンブリ302と、第2のイメージング・アセンブリ304と、患者テーブル306と、支持機構308とを含む。イメージング・アセンブリの各々は、支持機構308に固定関係に固定して取り付けられるように構成されており、支持機構308は定置され且つ軸受のような中心支柱部材309を中心にして旋回可能である。支持機構308は所定の角度310にわたってのみ旋回するように構成することができ、角度310は、例えば、中心支柱部材309の構成に基づいて又はユーザ入力に基づいて決定することができる。この代わりに、支持機構308は、角度310よりも大きい角度にわたって旋回するように構成することができる。角度310は、システム100の少なくとも一部分を収容する検査室の大きさ及び構成に基づいて可変に選択可能である。イメージング・アセンブリ302は関連した検査軸312を含み、またイメージング・アセンブリ304は関連した検査軸314を含む。本書で使用されるとき、各検査軸は、患者をイメージングするために使用されているそれぞれのイメージング装置を基準とする。
【0017】
イメージング・アセンブリ302及び304の各々は、例えば、SPECTイメージング・アセンブリ、PETイメージング・アセンブリ、MRIイメージング・アセンブリ、CTイメージング・アセンブリ、スタティックX線イメージング・アセンブリ、ダイナミック(蛍光透視)X線イメージング・アセンブリ及び超音波イメージング・アセンブリの内の任意の組合せとすることができる。イメージング・アセンブリ302及び304の各々は、互いに対して所定の角度310を成す向きに配置される。
【0018】
動作について説明すると、患者(図示せず)をテーブル306上に仰向けに乗せて、支持機構308の位置を、患者が検査軸312に沿って整列するように調節する。支持機構308を使用して、患者テーブル306及び患者を検査軸312に沿ってイメージング・アセンブリ302の中へ進入させて、第1のイメージング走査を実行する。次いで、支持機構308を使用して、患者テーブル306及び患者を、支持機構308及び患者テーブル306の所定の安定な位置まで後退させる。次いで、支持機構308を使用して、患者テーブル306を角度310にわたって回転させて、患者テーブル306を検査軸314と整列させる。次いで、支持機構208を使用して、患者テーブル306及び患者を検査軸314に沿ってイメージング・アセンブリ304の中へ進入させて、第2のイメージング走査を実行し、そして患者テーブル306及び患者を支持機構308及び患者テーブル306の所定の安定な位置まで後退させる。
【0019】
図4は、模範的な一実施形態のイメージング・システム300の概略図である。イメージング・システム400は、第1のイメージング・アセンブリ402と、第2のイメージング・アセンブリ404と、患者テーブル406と、定置の支持機構408とを含む。模範的な実施形態では、支持機構408は、例えば軌道又はレールのような、少なくとも1つの案内部材409を含む。イメージング・アセンブリ402及び404の各々は、支持機構408に固定関係に固定して取り付けられるように構成されており、支持機構408は定置され且つ軸受のような遠位端部材409を中心にして旋回可能である。支持機構408は所定の角度411にわたってのみ旋回するように構成することができ、角度411は、例えば、遠位端部材409の構成に基づいて又はユーザ入力に基づいて決定することができる。この代わりに、支持機構408は、角度411よりも大きい角度にわたって旋回するように構成することができる。イメージング・アセンブリ402は関連した検査軸412を含み、またイメージング・アセンブリ404は関連した検査軸414を含む。本書で使用されるとき、各検査軸は、患者をイメージングするために使用されているそれぞれのイメージング装置を基準とする。模範的な実施形態では、支持機構408は、例えば軌道又はレールのような、少なくとも1つの案内部材409を含む。
【0020】
イメージング・アセンブリ402及び404の各々は、例えば、SPECTイメージング・アセンブリ、PETイメージング・アセンブリ、MRIイメージング・アセンブリ、CTイメージング・アセンブリ、スタティックX線イメージング・アセンブリ、ダイナミック(蛍光透視)X線イメージング・アセンブリ及び超音波イメージング・アセンブリの内の任意の組合せとすることができる。
【0021】
動作について説明すると、患者(図示せず)をテーブル406上に仰向けに乗せて、支持機構408の位置を、患者が検査軸412に沿って整列するように調節する。支持機構408を使用して、患者テーブル406及び患者を検査軸412に沿ってイメージング・アセンブリ402の中へ進入させて、第1のイメージング走査を実行する。次いで、支持機構408を使用して、患者テーブル406及び患者を、支持機構408及び患者テーブル406の所定の安定な位置まで後退させる。次いで、支持機構408を使用して、患者テーブル406を角度411にわたって回転させて、患者テーブル406を検査軸414と整列させる。次いで、支持機構408を使用して、患者テーブル406及び患者を検査軸414に沿ってイメージング・アセンブリ404の中へ進入させて、第2のイメージング走査を実行し、そして患者テーブル406及び患者を支持機構408及び患者テーブル406の所定の安定な位置まで後退させる。
【0022】
上述のシステムの各々は、イメージング・システム100に関して述べた方法と同様にして較正することができる。各々のイメージング・アセンブリは、内部構成要素へ保守のために接近できるようにイメージング・アセンブリのカバーを取り外し易くするために、互いに対して、患者テーブルに対して、検査室内の物品に対して、及び検査室構造に対して動くように構成することができる。
【0023】
本発明の利益は、限定ではなく例として挙げるCT/SPECTイメージング・システムなどのような全てのマルチモダリティ・イメージング・システムで得られると共に、現在未知のモダリティを利用するシステムや限定ではなく例として挙げるSPECT/超音波システム及び/又はCT/MRIシステムのような組合せでも得られると考えられる。
【0024】
上述したマルチモダリティ・イメージング・システムは、患者を検査するための費用効率がよく且つ信頼性の良い手段を提供する。より詳しく述べると、各イメージング・システムは、限定ではなく例として挙げる検査室の大きさ、検査室の形状、及び床荷重限界のような設置場所の制限のような、特定のイメージング要件を満たすように選ぶことのできる構成要素を含む。例えば、同軸システムでは、同軸構成にした第1のイメージング・モダリティ走査平面と第2のイメージング・モダリティ走査平面との間に「無駄な空間」があることに起因して比較的大きい室寸法を必要とすることがある。結果として、コスト及び利用可能な床空間の制約の中で融通性を保ちながらマルチモダリティ・イメージングを可能にするイメージング・システムが提供される。説明した実施形態の別の利点には、イメージング・アセンブリに対する保守及び運転のためのアクセスが容易なこと、比較的重量のあるイメージング・アセンブリに対して比較的軽いテーブルを動かすときに可動構造が低減されること、及び平行移動運動に対して比較的安価な回転運動の使用によりコストが低減されることが含まれる。更に、マルチモダリティ・システムでは、MRIモダリティからの漂遊磁場によって他のモダリティが悪影響を受けることなく、他のモダリティをMRIモダリティと組み合わせることができる。同軸に整列したマルチモダリティ・システムでは、磁場に敏感なモダリティ、例えば、核医学及びCTモダリティのような光増倍管を持つモダリティは経済的に組み合わせることができないことがある。
【0025】
以上、マルチモダリティ・イメージング・システムの模範的な実施形態について詳しく説明した。マルチモダリティ・イメージング・システムの構成要素は本書に述べた特定の実施形態に制限されるものではなく、むしろ、各マルチモダリティ・イメージング・システムの構成要素を本書で述べた他の構成要素とは独立に且つ別々に利用することができる。例えば、上述したマルチモダリティ・イメージング・システムの構成要素はまた、他のイメージング・システムと組み合わせて使用することもできる。
【0026】
本発明を様々な特定の実施形態について説明したが、当業者には本発明が特許請求の範囲に記載の精神及び範囲内で変更して実施できることが認められよう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の模範的な一実施形態によるイメージング・システムの概略図である。
【図2】別のイメージング・システムの模範的な一実施形態の概略図である。
【図3】別のイメージング・システムの模範的な一実施形態の概略図である。
【図4】別のイメージング・システムの模範的な一実施形態の概略図である。
【符号の説明】
【0028】
100 イメージング・システム
102 第1のイメージング・アセンブリ
104 第2のイメージング・アセンブリ
106 患者テーブル
108 支持機構
110 案内部材
112、114 検査軸
200 イメージング・システム
202 第1の可動のイメージング・アセンブリ
204 第2の可動のイメージング・アセンブリ
206 患者テーブル
208 支持機構
209 台車
210 案内部材
212、214 検査軸
300 イメージング・システム
302 第1のイメージング・アセンブリ
304 第2のイメージング・アセンブリ
306 患者テーブル
308 支持機構
309 中心支柱部材
310 角度
312、314 検査軸
400 イメージング・システム
402 第1のイメージング・アセンブリ
404 第2のイメージング・アセンブリ
406 患者テーブル
408 定置の支持機構
409 案内部材
410 遠位端部材
411 角度
412、414 検査軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者を検査する方法であって、
患者テーブルを第1の検査軸と整列させる段階と、
患者を前記第1の検査軸に沿った向きに配置している間に第1のイメージング・モダリティを利用して患者をイメージングする段階と、
患者テーブルを、前記第1の検査軸とは異なる第2の検査軸と整列させる段階と、
患者を前記第2の検査軸に沿った向きに配置している間に第2の別のイメージング・モダリティを利用して患者をイメージングする段階と、
を有している方法。
【請求項2】
更に、前記第1のイメージング・モダリティを利用して患者をイメージングするとき、前記患者テーブルを前記第1の検査軸に沿って動かす段階を含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項3】
更に、前記第1及び第2のイメージング・モダリティを利用して患者をイメージングするとき、前記患者テーブルを前記第1及び第2の検査軸に沿って動かす段階を含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項4】
患者テーブルを第2の検査軸と整列させる前記段階は更に、、前記患者テーブルを前記第1の検査軸に実質的に平行な第2の検査軸と整列させるように、前記患者を平行移動させる段階を含んでいる、請求項1記載の方法。
【請求項5】
第1のイメージング・モダリティ又は第2のイメージング・モダリティのいずれかを利用して患者をイメージングする段階は、SPECTイメージング・アセンブリ、PETイメージング・アセンブリ、MRIイメージング・アセンブリ、CTイメージング・アセンブリ、スタティックX線イメージング・アセンブリ、ダイナミック(蛍光透視)X線イメージング・アセンブリ及び超音波イメージング・アセンブリの内の少なくとも2つを利用する、請求項1記載の方法。
【請求項6】
少なくとも第1及び第2のイメージング・モダリティで患者の医学的診断用画像を得る少なくとも第1及び第2の別々のイメージング・アセンブリであって、相異なる第1及び第2の検査軸に沿って整列している少なくとも第1及び第2の別々のイメージング・アセンブリと、
第1及び第2の検査中に患者を保持するように構成されているテーブルと、
前記第1のイメージング・アセンブリ、前記第2のイメージング・アセンブリ及び前記テーブルの内の少なくとも1つを、対応する第1及び第2のイメージング・アセンブリに対する前記第1及び第2の検査軸と整列した第1及び第2の検査位置の間で移動させる支持機構と、
を有しているイメージング・システム。
【請求項7】
前記支持機構は、第1の検査軸と第2の検査軸との間で前記テーブルを横方向に移動させるように構成されている、請求項6記載のイメージング・システム。
【請求項8】
前記支持機構は、第1の検査軸と第2の検査軸との間で前記少なくとも第1及び第2のイメージング・アセンブリの内の少なくとも1つを移動させるように構成されている、請求項6記載のイメージング・システム。
【請求項9】
前記支持機構は、前記テーブルの遠位端近くに配置された遠位端支柱を含んでおり、また前記支持機構は、第1の検査軸と第2の検査軸との間で前記テーブルを回転させるように構成されている、請求項6記載のイメージング・システム。
【請求項10】
前記支持機構は、前記テーブルの中心部分近くに配置された中心支柱を含んでおり、また前記支持機構は、第1の検査軸と第2の検査軸との間で前記テーブルを回転させるように構成されている、請求項6記載のイメージング・システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−520274(P2007−520274A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549324(P2006−549324)
【出願日】平成16年12月30日(2004.12.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/043902
【国際公開番号】WO2005/070295
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】