説明

ミクログリア活性化の阻害剤としてのピロロ[3,2−E][1,2,4]トリアゾロ[1,5−A]ピリミジン誘導体

本発明は、疾患の治療及び予防に有用な新規化合物に関する。Xがハロゲンであり、独立して塩素及びフッ素から選択され、nが0、1又は2である式(I)の化合物及び薬学上許容可能なその塩は、ミクログリアの活性化が原因となる疾患、特にアルツハイマー病の治療及び予防に有用である。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疾患の治療と予防に有用な新規化合物に関する。特に、本発明は、特にその活性化がβ−アミロイドのようなアミロイドタンパク質によって引き起こされるミクログリアの活性化を原因とする疾患の治療と予防に有用な化合物を提供する。
【背景技術】
【0002】
薬学上活性のある化合物の開発において、改善された活性(たとえば、標的部位にて又はモデル系において)を持つ化合物の提供は重要である。しかしながら、活性のある化合物が有用な薬物動態の、薬力学上の及び毒性学上の特性を有することも重要である。その結果として場合によっては、高い活性は、たとえば、生体利用効率、生体内での半減期、細胞透過性、代謝に対する適切な耐性、及び他の薬剤との有害な相互作用の低い可能性のようなそのほかの特性との釣り合いを保ち得る。有害な相互作用は、たとえば、薬剤の1つが代謝性酵素との相互作用を介して別の薬剤の代謝を遅らせる場合に生じ得る。従って、チトクロームP450、特に薬剤代謝に関与するものに対する低い親和性も重要である。このことは、治療される対象がさらなる薬剤によって治療される追加の症状に悩まされている場合特にそうである。
【0003】
EP1433480は中枢神経系の疾患の治療についてあるのピリミジン誘導体の使用を開示している。Uryuら、(2002)Brain Research,946(2),298−306及びUryuら、(2003)Biochem.Biophys.Res.Com.,303(1),302−305は、双方とも、EP1433480で言及された化合物RS−1178を考察している。
【0004】
US4007189は、降圧剤として有用であると言われるピロロトリアゾロピリミジン誘導体を記載している。JP52116497は、血管拡張剤及び降圧剤として有用であると言われるトリアゾロピリミジンを記載している。Y.Satoら、J.Med.Chem.(1980),23,927−937は、血管拡張剤として有用であると言われる複素環系に融合した1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジンを記載している。EP347252は、悪液質の治療に有用なトリアゾロ−及びピラゾロピロロピリミジンを記載している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、EP1433480には開示されていない、マクロファージの活性化の強力な阻害剤であり、疾患の治療にて医薬有効成分として有用であり、従来技術の化合物と比べて改善された特性を提供する式(I)の特定の新規化合物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、本発明の第1の態様は、式(I)の化合物又は薬学上許容可能なその塩を提供し、
【化1】

式中、Xはハロゲンであり、独立して塩素及びフッ素から選択され、
nは、0、1又は2である。
好ましくは、Xはフッ素である。ハロゲンXは存在する場合、好ましくは3位、4位又は3位と4位にあり;好ましくは存在する場合、4位又は3位と4位にあり、最も好ましくは4位にある。好ましくは、nは0又は1のいずれかであり、特に1である。
【0007】
本発明の好まれる化合物は、
【化2】

である。
【0008】
特に好ましいのは、以下の化合物1、2及び3であり、最も好ましくは化合物1及び2である。
【化3】

【0009】
好まれる薬学上許容可能な塩には、たとえば、塩酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、のような強酸、特に塩酸及びメタンスルホン酸と形成されるものが挙げられる。
【0010】
本発明の第2の実施形態は、治療法における式(I)の化合物又は薬学上許容可能なその塩の使用を提供する。
【0011】
式(I)の化合物は、リポ多糖類及びザイモサンが作用する(EP1433480)ものとは異なる経路を介した、試験管内でのマクロファージの活性化の強力な阻害剤である。この系をミクログリア活性化のモデルとして用いる(Uryu et al (2002) Brain
Research, 946(2), 298-306)。従って、本発明の化合物は、ミクログリアの活性化が役割を担う状態にて有用である。ミクログリアの活性化は、多数の哺乳類の神経変性状態、特に、アルツハイマー病、パーキンソン病(たとえば、Teisman and Schulz 2004)、ハンチントン舞踏病(たとえば、Bonifati and Kishore 2006)及びピック病(たとえば、Schofield et al 2003)で提案されている。式(I)の化合物は特に、アミロイドタンパク質によるマクロファージの活性化の阻害剤であることが示されているので、活性化がアミロイドタンパク質によって誘導される状態、特にパーキンソン病及びアルツハイマー病で特に有用である。
【0012】
本発明の化合物は、組成物へのさらなる成分なしで使用されてよく、換言すれば、組成物は本質的に本発明の化合物から成るが、一般に薬学上許容可能な組成物として使用され、それは、任意で1以上の薬学上許容可能なキャリア又は希釈剤を含む。化合物は一般に、無菌であり、発熱物質を含まない組成物で提供される。
【0013】
たとえば、経口、直腸内、鼻内、局所又は非経口のような一般に使用される投与経路のいずれかに好適な製剤は、製薬学の技術で周知の方法によって調製されてもよい。これらは、溶液、懸濁液、錠剤、丸薬、カプセル剤、粉剤、徐放性製剤などの形態を取ってもよい。
【0014】
本発明の化合物の好適な用量は、体重kg当たり0.1mgの化合物〜100mg/kg、好ましくは1mg/kg〜100mg/kg、さらに好ましくは1mg/kg〜10mg/kgである。
【0015】
本発明の第3の実施形態は、好ましくは、薬学上許容可能なキャリア又は希釈剤との組み合わせで式(I)の化合物又は薬学上許容可能なその塩を含む医薬組成物を提供する。
【0016】
加えて、本発明の化合物は、1以上の追加の治療用化合物と共に投与されてもよい。たとえば、神経変性疾患の発症を遅らせることが示されている1以上の抗炎症性化合物(たとえば、NSAIDS);アルツハイマー病の治療に好適な1以上の化合物(たとえば、β−アミロイド凝集阻害剤、γ−セクレターゼ阻害剤、γ−セクレターゼ調節剤、又はβ−セクレターゼ阻害剤);又はパーキンソン病の治療のための化合物。従って、本発明の医薬製剤はさらにそのような化合物を含むことができる。しかしながら、当然、そのような化合物を別々に、本発明の化合物と同時に、又は逐次に投与することが可能である。
【0017】
従って、第4の態様では、本発明は、同時に、逐次に又は別々に使用するための1以上の追加の治療用化合物と一緒に本発明の化合物を含む組成物を提供する。1以上の追加の化合物は上記で議論した例から選択することができる。
【0018】
本発明の第5の態様は、それを必要とする患者に治療上有用な量の式(I)の化合物又は薬学上許容可能なその塩を投与することを含む、ミクログリアの活性化が関与する(特にアミロイドタンパク質によってミクログリアが活性化される)疾患の治療方法を提供する。
【0019】
本発明の第6の態様は、ミクログリアの活性化が関与する(特にアミロイドタンパク質によってミクログリアが活性化される)疾患の治療のための薬物の製造における式(I)の化合物又は薬学上許容可能なその塩の使用を提供する。
【0020】
本発明の第7の態様は、ミクログリアの活性化が関与する(特にアミロイドタンパク質によってミクログリアが活性化される)疾患の治療のための式(I)の化合物又は薬学上許容可能なその塩を提供する。
【0021】
以下の実施例、スキーム及び図の助けを借りて本発明をさらに説明する。本発明の範囲内にあるさらなる実施形態は、これらの観点で熟練者に明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0022】
一般的な合成経路
X及びYが独立してH、Cl又はFである化合物の合成は、市販のトリフルオロメチルケトン(7)から出発するスキーム1に示す経路を介して容易に達成される。アルコール(8)のトリフル酸塩(9)の2級アミン(10)との反応はラセミ類似体を提供する。
【化4】

キラル合成は、1−(R)−メチル−CBS−オキサザボロリジン触媒又は1−(S)−CBS−オキサザボロリジン触媒(それぞれスキーム2aと2b)と共にカテコールボランを用いて適当なトリフルオロメチルケトンのキラル還元を介して達成される。最終的なキラル精製はCHIRALPAK(登録商標)AD−H HPLCを用いた最終工程の後達成され、高いエナンチオマー過剰(ee)の物質が得られる。
【化5】

【化6】

合成実施例
【0023】
実施例1.(R)−5−メチル−8−[2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチル]−7,8−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,2e][1,2,4]−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン[化合物1]
【化7】

中間体(A)はY.Satoら、J.Med.Chem.(1980)23,927−937の方法によって合成されてもよい。
【0024】
1.6−(2−ヒドロキシエチル)−5−メチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5−α]ピリミジン−7(4H)−オン
IMS(2.8L)にて3−アミノトリアゾール(350g、4.1モル)とα−アセチル−γ−ブチロラクトン(524.8g、4.1モル)の混合物を撹拌し、BF.EtO(85mL、0.6モル)を15分間かけて加えた。常温で3日間撹拌した後、濾過によって固形物を回収し、濾紙上で乾燥させた。
H−NMR(d6−DMSO)δ13.6(1H,br),10.37(1H,s),8.40(1H,s),4.30(2H,t),2.88(2H,t)及び2.50(3H,s)
【0025】
水(1.7L)にて固形物を撹拌し、トリエチルアミン(422mL、4.1モル)を加え、その後、固形物を溶解した。常温で2日間撹拌した後、酢酸(1当量、90mL)を加えた。混合物を1時間撹拌し、固形物を濾過し、濾紙上にて及び40℃での真空下にて4時間乾燥させて、白色固形物、430g、2.2モル(54%)としてジヒドロキシ化合物を得た。
H−NMR(d6−DMSO)δ8.16(1H,s),3.48(2H,t),2.62(2H,t)及び2.36(3H,s).ES195(100%),M+H
【0026】
2.7−クロロ−6−(2−クロロエチル)−5−メチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5−α]ピリミジン
6−(2−ヒドロキシエチル)−5−メチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5−α]ピリミジン−7(4H)−オン(111g、0.57モル)にPOCl(130mL)を一気に加え(発熱を生じる)、混合物を撹拌し、40℃ずつ段階的に120℃に加熱した(70〜80℃にて固形物はすべて溶解した)。5時間後、加熱を止め、混合物を一晩冷却した。真空下で一部残留のPOClを取り除き、残留物をよく撹拌した水(1L)に40分かけて加えた。添加の際、温度が上昇したが、氷を定期的に加えて25℃未満を保ち、注意して水の下にゴムが溜まるのを回避した。混合物を氷槽で冷却し、撹拌し、アンモニア水でpHを約7に合わせ、固形物を回収した。固形物をジクロロメタン(150mL)に入れ、分離した水を取り除き、固形物を濾過によって取り除き、有機溶液をMgSO上で乾燥させた。濃縮の後、シリカを介した真空下の溶出(溶離液:1.5〜2%のメタノール/ジクロロメタン)によって粗精製物質を精製して白色固形物(62g、0.27モル)としてジクロロ化合物を得た。
H−NMR(d6−DMSO)δ8.66(1H,s),3.90(2H,t),3.33(2H,t)及び2.75(3H,s).ES231(100%),M+H
【0027】
5−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,2−e][1,2,4]トリアゾロ[1,5−α]ピリミジン(1)
エタノール(75mL)中の7−クロロ−6−(2−クロロエチル)−5−メチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5−α]ピリミジン(3.50g、0.015モル)と塩酸アセトアミジン(1.4g、0.015モル)と炭酸ナトリウム(4.8g、0.045モル)の混合物を90℃にて8時間加熱した。移動相としてジクロロメタン:メタノール(8:2)を用いたTLCによって反応をモニターした。混合物を濾過し、濃縮した。溶離液としてジクロロメタン:メタノール(8:2)を用いたシリカ上のカラムクロマトグラフィによって粗生成物を精製し、黄色の固形物(1.3g、49%)として5−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,2−e][1,2,4]トリアゾロ[1,5−α]ピリミジンを得た。
Mass:(ES)176(M+H)
【0028】
(S)−(+)−1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−フェニルエタン、トリフル酸塩
ジクロロメタン(2mL)中の(S)−(+)−1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−フェニルエタン(0.18g、1.0ミリモル、ee97%)と2,6−ルチジン(0.21g、2ミリモル)の氷冷溶液に無水トリフルオロメタンスルホン酸(0.30mL)、1.8ミリモル)を一滴ずつ加えた。冷却しながら混合物を10分間撹拌し、ジエチルエーテルに注ぎ、塩酸水溶液(pH=5)及びブラインで迅速に洗浄した。溶液を乾燥させ(MgSO)、加熱することなく減圧下で溶媒を除いた。不安定なピンクの油(0.58g)として粗精製のトリフル酸塩を得、直ちに次の工程で使用した。
【0029】
(R)−5−メチル−8−[2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチル]−7,8−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,2e][1,2,4]−トリアゾロ[1,5−α]ピリミジン
DMF(4mL)中の水素化ナトリウム(鉱物油中60%懸濁液、17mg、0.43ミリモル)の撹拌した懸濁液に5−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,2−e][1,2,4]トリアゾロ[1,5−α]ピリミジン(75mg、0.43ミリモル)を加えた。30分後、トリフル酸塩(198mg、0.64ミリモル)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水及びブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で溶媒を除いた。シリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル/メタノール)によって粗生成物を精製し、薄茶色の固形物(24mg、17%)として表題の化合物を得た。
H−NMR(CDCl)δ2.44(3Η,s),3.01−3.12(1Η,m),3.16−3.24(1Η,m),3.64(1Η,m),4.01−4.08(1Η,m),7.38−7.46(5Η,m),7.62(1Η,q)及び8.37(1Η,s).LCMS(ES):334(MH,100%)
【0030】
実施例2.(R)−5−メチル−8−[2,2,2−トリフルオロ−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−7,8−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,2e][1,2,4]トリアゾロ[1,5−α]ピリミジン[化合物2]
【化8】

中間体(A)は、Y.Satoら、J.Med.Chem.(1980)23,927−937の方法によって合成されてもよい。
【0031】
(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4−フルオロフェニル)エタノール
50mLの三口丸底フラスコに、2,2,2,4’−テトラフルオロアセトフェノン(0.5g、2.60ミリモル)と無水ジクロロメタン(10mL)を加えた。フラスコを窒素で洗い流し、−78℃に冷却した。得られた溶液に2−(R)−メチル−CBS−オキサザボロリジン(0.5mL、0.52ミリモル、トルエン中1M)を加えた。内部温度を−75℃未満に維持しながら、カテコールボラン(1.1mL、10.41ミリモル)を一滴ずつ加えた。添加が完了した後、反応混合物を−75℃で一晩撹拌した。移動相として酢酸エチル:ヘキサン(3:7)を用いたTLCによって反応をモニターした。内部温度を−75℃未満に維持しながら、1,4−ジオキサン(0.4mL)中の4NのHClをゆっくり加えることによって反応混合物の反応を止めた。氷槽を取り外し、反応混合物を室温に温めた。反応混合物を水で急冷し、酢酸エチルで抽出し、水及びブラインで洗浄した。有機相を乾燥させ(MgSO)、減圧下で溶媒を除いた。酢酸エチル:ヘキサン(3:7)を用いたカラムクロマトグラフィによって粗生成物を精製し、無色の液体(0.97g、96%)として(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4−フルオロフェニル)エタノールを得た。キラルHPLC:92.7%(ee85.4%)。
【0032】
(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4−フルオロフェニル)エタノール、トリフル酸塩
ジクロロメタン(5mL)中の(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4−フルオロフェニル)エタノール(0.5g、2.57ミリモル)と2,6−ルチジン(0.60mL、5.15ミリモル)の氷冷溶液に無水トリフルオロメタンスルホン酸(0.78mL、4.63ミリモル)を一滴ずつ加えた。冷却のもとで混合物を10分間撹拌し、次いでジエチルエーテルに注ぎ、塩酸水溶液(pH=5)及びブラインで迅速に洗浄した。溶液を乾燥させ(MgSO)、加熱することなく減圧下で溶媒を除いた。不安定なピンクの油(1.7g)として粗精製のトリフル酸塩を得、直ちに次の工程で使用した。
【0033】
(R)−5−メチル−8−[2,2,2−トリフルオロ−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−7,8−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,2e][1,2,4]トリアゾロ[1,5−α]ピリミジン
DMF(20mL)中の水素化ナトリウム(鉱物油中60%懸濁液、0.07mg、0.67ミリモル)の撹拌した懸濁液に5−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,2−e][1,2,4]トリアゾロ[1,5−α]ピリミジン(0.3mg、1.72ミリモル)を加えた。30分後、粗精製のトリフル酸塩(0.84mg、2.57ミリモル)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。移動相としてジクロロメタン:メタノール(9:1)を用いたTLCによって反応をモニターした。混合物を酢酸エチルで希釈し、水及びブラインで洗浄し、乾燥させた(MgSO)。減圧下で溶媒を除いた。ジクロロメタン:メタノール(9:1)を用いたカラムクロマトグラフィによって粗生成物を精製し、薄茶色の固形物として(R)−5−メチル−8−[2,2,2−トリフルオロ−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−7,8−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,2e][1,2,4]トリアゾロ[1,5−α]ピリミジンを得た。次いでキラル分取用HPLC精製に化合物を供した。
カラム:CHIRALPAK AD、250×10mm、ID 10ミクロン
流速:12.0mL/分
波長:225nm
試料調製:3〜4滴のMeOH:n−ヘキサン:イソプロピルアルコール(97:3)にて8mg/mL
注入容量:1.0mL
移動相(定組成):n−ヘキサン:イソプロピルアルコール(97:3)
実行時間:32分間
純粋なエナンチオマーの収量:23mg
H−NMR(CDCl)δ2.45(3H,s),3.03−3.15(1H,m),3.16−3.26(1H,m),3.64(1H,m),4.05(1H,m),7.13(2H,t),7.45−7.50(2H,m),7.62(1H,q)及び8.38(1H,s).Mass:(ES)352(M+H)
キラル分取用HPLC:99.8%(ee99.6%)
【0034】
実施例3.(R)−5−メチル−8−[2,2,2−トリフルオロ−1−(3,4−ジフルオロフェニル)エチル]−7,8−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,2e][1,2,4]トリアゾロ[1,5−α]ピリミジン[化合物3]
この化合物は、(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(3,4−ジフルオロフェニル)エタノールトリフル酸塩を用いた実施例2で用いたのと同じ方法によって調製した。
H−NMR(CDCl)δ2.40(3H,s),3.00−3.10(1H,m),3.12−3.23(1H,m),3.60(1H,m),3.98(1H,m),7.13−7.20(2H,m),7.28(1H,m),7.55(1H,q)及び8.30(1H,s).Mass:(ES)370(M+H)
キラル分取用HPLC:99.4%(ee98.8%)
【0035】
実施例4.(S)−8−[1−(フェニル)エチル]−5−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,2e][1,2,4]トリアゾロ[1,5−α]ピリミジン[化合物5]
化合物5は、Uryuら、(2002)Brain Research,946(2),298−306及びUryuら、(2003)Biochem.Biophys.Res.Com.,303(1),302−305にて以前議論されたRS−1178の(S)−エナンチオマーである。この化合物の一般的な合成経路はSatoら、J.Med.Chem.(1980),23,927−937に開示されている。化合物5は、(S)−4−フルオロ−α−メチルベンジルアミンの代わりに(S)−α−メチルベンジルアミン(ee>99.0%)を使用することを除いて(S)−8−[1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,2e][1,2,4]トリアゾロ[1,5−α]ピリミジンの調製で使用されるのと同じ方法によって調製した。
H−NMR(CDCl)δ1.71(3Η,d),2.35(3Η,s),3.10(2Η,m),3.50(1Η,m),4.00(1Η,m),6.73(1Η,q),7.30−7.45(5Η,m)及び8.48(1Η,s)
MS(ES):280(MH,100%)
【0036】
実施例5.(R)−8−[1−(フェニル)エチル]−5−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,2e][1,2,4]トリアゾロ[1,5−α]ピリミジン[化合物6]
化合物6は、Uryuら、(2002)Brain Research,946(2),298−306及びUryuら、(2003)Biochem.Biophys.Res.Com.,303(1),302−305にて以前議論されたRS−1178の(R)−エナンチオマーである。この化合物の一般的な合成経路はSatoら、J.Med.Chem.(1980),23,927−937に開示されている。化合物6は、(S)−α−メチルベンジルアミンの代わりに(R)−α−メチルベンジルアミン(ee>99.0%)を使用することを除いて(S)−8−[1−(4−フェニル)エチル]−5−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,2e][1,2,4]トリアゾロ[1,5−α]ピリミジンの調製で使用されるのと同じ方法によって調製した。
H−NMR(CDCl)δ1.71(3Η,d),2.35(3Η,s),3.10(2Η,m),3.50(1Η,m),4.00(1Η,m),6.73(1Η,q),7.30−7.45(5Η,m)及び8.48(1Η,s)
MS(ES):280(MH,100%)
【0037】
実施例6.(S)−8−[1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,2e][1,2,4]トリアゾロ[1,5−α]ピリミジン[化合物7]
エタノール(5mL)中の中間体7−クロロ−6−(2−クロロエチル)−5−メチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5−α]ピリミジン(390mg、1.7ミリモル)と(S)−4−フルオロ−α−メチルベンジルアミン(378mg、2.7ミリモル、ee99%)と炭酸ナトリウム(324mg、3.0ミリモル)の混合物を還流下で5時間加熱した。混合物を室温に冷却し、濾過し、濾液から溶媒を除いた。ジイソプロピルエーテルによって粗生成物を粉末化し、黄色の固形物(430mg、85%)として8−[(S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−5−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,2e][1,2,4]トリアゾロ[1,5−α]ピリミジンを得た。
H−NMR(CDCl)δ1.71(3Η,d),2.39(3Η,s),3.06(2Η,m),3.44(1Η,m),3.84(1Η,m),6.85(1Η,q),7.03(2Η,m),7.34(2Η,m)及び8.30(1Η,s)
LCMS(ES):298(MH,100%)
【0038】
実施例7.(R)−5−メチル−8−[2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチル]−7,8−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,2e][1,2,4]−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン[化合物1、代替方法]
【化9】

2’,2’,2’−トリフルオロアセトフェノンオキシム
2’,2’,2’−トリフルオロアセトフェノン(1500g)と塩酸ヒドロキシルアミン(1095g)と酢酸ナトリウム(1613g)と水(5.8L)とエタノール(3L)の混合物を75℃に加熱し、24時間撹拌した。混合物を元々の容積の半分に蒸発させ、一晩静置して結晶化させた。次いでそれを濾過し、冷水、その後ヘキサンで洗浄した。結晶性固形物を20℃にてトレイで2日間乾燥させた。得られた固形2’,2’,2’−トリフルオロアセトフェノンオキシム(1660g)をそのまま次の工程に使用した。
【0039】
ラセミ2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチルアミン
8つの等量部分にて2’,2’,2’−トリフルオロアセトフェノンオキシム(3320g)を水素化した。テトラヒドロフラン(2.1L)と酢酸(159g)の混合物に各部分(415g)を溶解し、触媒として炭素上5%のパラジウム(30g、Johnson Matthey型87Lペースト、57%水)を用いてパーシェーカーにて50psi、60℃にて水素化した。反応をいったん60℃にて設定し、混合物を85℃に発熱させた。85℃の温度で反応を20〜30分間維持した後、冷却した(水素の取り込みも完了する)。混合物を60℃でさらに1時間水素化し、確実に完了させた。次いでセライトを介して濾過し、蒸発させてほとんどのテトラヒドロフランを取り除いた。8つの部分すべてを合わせた後、氷(4kg)と水(4L)を加えた。撹拌した混合物を32%の水酸化ナトリウム溶液(約2.8L必要とした)によってpH14に調整した。メチル−tert−ブチルエーテル(10L、次いで5Lで2回)で混合物を抽出した。合わせた抽出物を無水炭酸カリウムと硫酸ナトリウムの混合物上で乾燥させ、溶媒を蒸発させて薄茶色の油(2580g、GC>99%)を得た。蒸留することなくこの物質をそのまま次の工程に使用した。
【0040】
R−(−)−2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチルアミン
ラセミ2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチルアミン(2580g)とL−酒石酸(2255g)とイソプロパノール(45L)の混合物を加熱し(20Lのフランジフラスコを用いて3つの等量部分で)、70℃にて溶液を形成した。一晩室温にゆっくり冷却する間、反応混合物を静置した。得られた固体の塩を濾過し、冷却プロパノール(約3L)で洗浄し、合わせた。(S)−異性体を主として含有する母液を別にした。湿気のある固体塩をイソプロパノール(35L)から一晩再結晶化した。得られた材料塩をイソプロパノール(各再結晶化で20L)から3回再結晶化した。この段階で小さな試料を後処理し、アミンを含まない塩基を提供した。キラルHPLCはそれが91%eeを有することを示した。この物質をイソプロパノール(各再結晶化で18L)から2回再結晶化した。この段階で小さな試料を後処理し、アミンを含まない塩基を提供した。キラルHPLCはそれが99.5%eeを有することを示した。循環空気キャビネットでこの物質を乾燥させ、酒石酸塩(1476g)を得た。これを氷(約2kg)に加え、撹拌しながら、32%の水酸化ナトリウム溶液(1138mL)を加えた。ジエチルエーテル(2Lで3回)で混合物を抽出した。合わせたエーテル層を無水炭酸カリウムと硫酸ナトリウムの混合物上で乾燥させ、溶媒を蒸発させて、静置して結晶化する無色の油(732g、28%)としてR−(−)−2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチルアミンを得た(キラルHPLCは99.2%eeを示した
【0041】
5−メチル−8−(R−2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エチル)−7,8−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,2−e][1,2,4]トリアゾロ[1,5−α]ピリミジン
7−クロロ−6−(2−クロロエチル)−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−α]ピリミジン(125g)とR−(−)−2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチルアミン(105g、88.2%ee)の混合物をN,N−ジイソプロピルエチルアミン(3L)に溶解し、窒素雰囲気下で125℃にて18時間撹拌した。上部の黄色/橙色の溶液と下部の濃黒色の油による2相混合物が出来た。黒色の油から熱いN,N−ジイソプロピルエチルアミンを捨て、真空下で蒸発させて橙色の半固体を得た。125℃で30分間撹拌することによってN,N−ジイソプロピルエチルアミン蒸留物を再利用して黒色の油を再び抽出し、その後再び捨てて、蒸発させた。黒色の油の抽出は合計3回繰り返した。合わせた橙色の半固体抽出物をヘキサンで洗浄し、粘着性固形物として粗生成物を得た。
【0042】
350gの7−クロロ−6−(2−クロロエチル)−5−メチル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−α]ピリミジンから合計125gの粗精製5−メチル−8−(R−2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エチル)−7,8−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,2−e][1,2,4]トリアゾロ[1,5−α]ピリミジンを調製した。ジクロロメタン中1%のメタノールで溶出するシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィ(Biotage)を用いて粗生成物を精製した。生成物を含有する分画を蒸発させ、固形物を得た。この固形物をジクロロメタン(約300mL)とヘキサン(約300mL)の混合物に溶解し、固形物をまさに形成し始めるまで真空下で蒸発させた。ヘキサン(約300mL)を加え、濃厚なスラリーが形成するまで真空下で再び混合物を蒸発させた。この物質を濾過し、冷却ヘキサンで洗浄し、50℃にて一晩真空乾燥して、黄色固形物(67g、13%)として5−メチル−8−(R−2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エチル)−7,8−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,2−e][1,2,4]トリアゾロ[1,5−α]ピリミジンを得た。
観察値:C57.43,H4.21,N20.87%、C1614はC57.66,H4.23,N21.01%を要求する。
HPLC解析は、キラル純度が98.5%であることを示し、キラルHPLCは>99.5%eeを示した。融点:153〜155℃
【0043】
実験実施例
1.β−アミロイドが誘導する活性化の阻害
細胞培地(10%FBSと1%のL−グルタミンと1%のペニシリン/ストレプトマイシンを含有するDMEM)にてBALB/cマウスの単球マクロファージJ774.2,{ECACC85011428}を増殖させ、継代培養した。96穴プレートにて50μLの細胞培地に100,000個の細胞/ウェルでJ774細胞を入れ、実験に先立って一晩、37℃で5%COのインキュベータに入れた。
【0044】
Biotekの精密2000液体操作機器を用いてAβ(1−42)と化合物のJ774細胞への添加を実施した。294μLの細胞培地を含有する「娘プレート」に8μMから6mMに及ぶDMSO中の化合物3μLをピペットで入れ、十分に混合した。次いで4mMでのDMSO中のAβ(1−42)を3μL「娘プレート」に加え、十分に混合した。次いで「娘プレート」から50μLを取り出し、プレートに入れたJ774細胞に加えた。100μLの細胞培地を含有するウェルにおける最終濃度は、1%DMSO中の20μMのAβ(1−42)と約40nM〜30μMの範囲の化合物であり、また50U/mLのインターフェロンγが存在した。プレートを37℃で5%COのインキュベータにて24時間インキュベートした。24時間のインキュベートの後、培地をウェルから回収し、試験に必要とされるまで−20℃で保存した。
【0045】
製造元の指示書を用いてGriessアッセイ(Promega G2930)を用い、培地中の一酸化窒素のレベルを調べた。
【0046】
製造元の指示書を用いて、TNF−αELISA(R&D Systems MTA00)又はMeso Scale Discovery MS6000マウスProinflammatory−7キットを用い、培地におけるTNFαのレベルを調べた。
【0047】
2.試験管内のADMEデータ
a)化合物の細胞透過性
ヒト結腸腺癌細胞株Caco−2又はこの細胞株のサブクローンTC7のいずれかを用いた、認められている試験管内の腸管上皮モデルを用いてこれらを測定した。見かけの透過性係数(Papp)は、96穴ポリカーボネート膜フィルターにて培養した細胞の単層を横切る頂点−基底外側(A−B)及びB−Aの方向で測定した。1%のDMSO最終濃度にて化合物は10μMで調べた。穏やかに振盪しながらアッセイプレートを37℃で60分間インキュベートした。0時点で供給側から、及びインキュベートの終了時点で供給側と受取側の双方から試料を取った。HPLC−MS/MSによって試料を解析した。次いで受取側での化合物の出現速度に基づいてPapp値(10−6cm/秒で表す)を算出した(Gres, M.C. et al. (1998)
Pharm. Res., 15, 726-733)。
【0048】
b)化合物の代謝
プールした肝臓ミクロソーム(0.3mg/mL)タンパク質と共に1μMの試験化合物を37℃にて60分間インキュベートすることによってこれらを測定した。HPLC−MS/MSによって試料を解析した(Kuhnz, W. and Gieschen, H.
(1998) Drug Metab. Dispos., 26, 1120-1127)。
【0049】
c)チトクロームp−540の阻害
ヒトの組換え酵素、CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6及びCYP3A4及びP450−Glo(商標)のスクリーニング系(Promega社)を用いて試験を実施した。手短には、白色不透明の96穴プレートを用いて、最終反応容積の1/4の、必要な発光性基質を含有する4×チトクロームP450反応混合物を等容量の4×濃度の試験化合物(0.03〜30μM)又は既知の阻害剤対照と混ぜ合わせて最終反応容積の1/2を得た。10分間の予備インキュベートを行った。次いで最終容量の1/2の、2×NADPH再生系を加え、CVP反応を開始し、全成分を1×目標濃度とした。プレートを37℃で30分間インキュベートした。ルシフェリン検出試薬を加え、それでCYP反応を止め、発光を開始した。室温にて20分間シグナルを安定化させ、次いで発光を読み取った。CYPを含有する反応から対照反応の平均発光を差し引くことによって正味のCYP依存性発光を算出した。試験化合物による反応に対する未処理のCYP反応の平均正味シグナルに由来する変化は、本化合物によるCYP活性の阻害を反映する。
【0050】
【表1】

一酸化窒素放出の阻害によって測定されるIC50(マイクロモル)
【0051】
【表2】

N.D.=測定せず
Aβ(1−42)のみについてのTNFのレベル:9699pg/mL
**Aβ(1−42)のみについてのTNFのレベル:13184pg/mL
【0052】
【表3】

【0053】
従って、化合物は、その部類の他の化合物に比べて改善されたADME特性を有し、特に2D6及び3A4のようなCYP450を阻害する能力が低減されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物又は薬学上許容可能なその塩:
【化1】

(式中、Xはハロゲンであり、フッ素及び塩素から選択され、nは0、1又は2である)。
【請求項2】
Xがフッ素である請求項1に記載の化合物又は薬学上許容可能なその塩。
【請求項3】
nが1又は2である請求項1又は2のいずれかに記載の化合物又は薬学上許容可能なその塩。
【請求項4】
nが0である請求項1又は2のいずれかに記載の化合物又は薬学上許容可能なその塩。
【請求項5】
Xが、3位、4位又は3位と4位にある請求項1〜3のいずれかに記載の化合物又は薬学上許容可能なその塩。
【請求項6】
Xが、4位又は3位と4位にある請求項5に記載の化合物又は薬学上許容可能なその塩。
【請求項7】
Xが、4位にある請求項5に記載の化合物又は薬学上許容可能なその塩。
【請求項8】
【化2】

から成る群から選択される上記請求項のいずれかに記載の化合物又は薬学上許容可能なその塩。
【請求項9】
薬学上許容可能なキャリア又は希釈剤との組み合わせで式(I)の化合物又は薬学上許容可能なその塩を含む医薬組成物。
【請求項10】
抗炎症性化合物(たとえば、NSAIDS)、アルツハイマー病の治療に好適な化合物(たとえば、β−アミロイド凝集阻害剤、γ−セクレターゼ阻害剤、γ−セクレターゼ調節剤、又はβ−セクレターゼ阻害剤)又はパーキンソン病の治療のための化合物から選択される1以上の化合物をさらに含む請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
同時に、逐次に、又は別々に使用するための1以上の追加の治療用化合物と一緒に請求項1に記載の化合物を含む組成物。
【請求項12】
追加の治療用化合物が、抗炎症性化合物(たとえば、NSAIDS)、アルツハイマー病の治療に好適な化合物(たとえば、β−アミロイド凝集阻害剤、γ−セクレターゼ阻害剤、γ−セクレターゼ調節剤、又はβ−セクレターゼ阻害剤)又はパーキンソン病の治療のための化合物から選択される請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
治療法における請求項1に記載の式(I)の化合物又は薬学上許容可能なその塩の使用。
【請求項14】
それを必要とする患者に治療上有効な量の請求項1に記載の式(I)の化合物又は薬学上許容可能なその塩を投与することを含む、ミクログリアの活性化が関与する疾患の治療方法。
【請求項15】
ミクログリアの活性化が関与する疾患がアルツハイマー病である請求項14に記載の治療方法。
【請求項16】
ミクログリアの活性化が関与する疾患の治療のための薬物の製造における請求項1に記載の式(I)の化合物又は薬学上許容可能なその塩の使用。
【請求項17】
ミクログリアの活性化が関与する疾患がアルツハイマー病である請求項16に記載の使用。
【請求項18】
ミクログリアの活性化が関与する疾患の治療のための請求項1に記載の式(I)の化合物又は薬学上許容可能なその塩
【請求項19】
アルツハイマー病の治療のための請求項1に記載の式(I)の化合物又は薬学上許容可能なその塩。

【公表番号】特表2013−507339(P2013−507339A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532592(P2012−532592)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際出願番号】PCT/EP2010/065001
【国際公開番号】WO2011/042496
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(500431508)ビーティージー・インターナショナル・リミテッド (41)
【Fターム(参考)】