説明

メダル検出装置

【課題】簡単なセンサ構成でありながら、投入メダルのカウントと共に不正行為を確実に防止できるメダル検出装置を提供にする。
【解決手段】メダル検出装置において、第1ラインセンサ7及び第2ラインセンサ6に同時に検出されるメダルの3つの端部に対応するセンサ位置から、2回以上メダルの直径を演算する直径演算手段16と、第1ラインセンサにより検出されるメダルの先端部及び後端部に対応するセンサ位置の経時的変化から、メダルの移動方向を判断する移動方向判断手段17と、第1ラインセンサにより検知されるメダルの先端部及び後端部に対応するセンサ位置が該第1ラインセンサの全長を移動する所要時間から、メダルの移動時間を判断する移動時間判断手段18と、各手段16、17、18から得られる結果に基づいて正・不正を判断するエラー判断手段19と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダル検出装置、特に投入されるメダルが正規品であるか不正品であるかを正確に判別する際に適用して好適なメダル検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図11は、メダルを使用する遊技機に内蔵されている従来のメダル選別装置の一例を示す、(A)正面図と(B)背面側の斜視図である。
【0003】
このメダル選別装置は、投入されたメダルが転動又は滑りながら移動するメダル搬送経路1上にメダルの大きさを選別する選別部2と、選別された正規メダルの枚数をカウントするカウント部3と、搬送経路1上で停止したメダルを排出する排出部4と、該排出部4を動作させる、ここでは図示しないキャンセルスイッチとから構成されている。
【0004】
前記選別部2は、投入されたメダルが、規定サイズの正規メダルである場合には、該正規メダルをその上端部をガイドして通過させる桟部と、正規メダルより大きい場合にメダル搬送経路1上にメダルを停止させるストッパー部(図示せず)とで構成されている。
【0005】
又、この選別部2では、投入された正規メダルが規定サイズより小さい小径メダルである場合には、そのメダルは桟部に掛からないため倒れて排出される。
【0006】
一方、規定サイズより大きいために搬送経路1上で停止した大径メダルは、キャンセルスイッチを押して排出部4を動作させて落下させることにより排出される。
【0007】
投入された正規メダルは、選別部2を通過した後前記カウント部3を通過することにより投入枚数がカウントされる。
【0008】
カウント部(メダル検出装置)3としては、発光部と受光部からなる2対の光センサを使用する場合が多く、メダル通過に伴い両センサから出力される位相のずれたデータA/B信号によりメダルの通過カウントを行なうと共に、両センサの出力信号による時間位相のずれからメダルの移動方向を判別するエラー判断を、図示しない制御部により行なっている。
【0009】
又、特許文献1には、遊技球を対象とするものであるが、イメージセンサによる幅測定により対象物を検出する技術が開示され、特許文献2にはラインセンサによる一次元撮像データによる画像データを比較してメダルの正規品と不正品を判別する技術が開示され、更に特許文献3にはCCDカメラによる二次元撮像データに基づいてメダルの正規品と不正品を判別する技術が開示されている。
【0010】
【特許文献1】特開2003−210682号公報
【特許文献2】特開2006−262956号公報
【特許文献3】特開2006−263281号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、前記従来のメダル選別装置に付設されているカウント部は、センサを2つ用いて通過するメダルのカウントを行なっているため、カウント部に対してメダル投入の擬似的動作を行うことにより誤検知させ、不正にメダルをカウントアップさせることができてしまう問題があった。
【0012】
又、特許文献1に記載されているイメージセンサによる幅測定でも、半円形の治具をカウント部へ出し入れする等により誤検知させることが容易にできてしまう。何故なら、ライン状の画像を取得するイメージセンサの特性上、一次元の現象のみを検出しているために方向性の確認ができないからである。この違法なメダルのカウントアップを防止するためには、カウント用とは別にメダルの通過を確認するためのセンサを入口部と出口部に設けることが必要になり、装置構造が複雑になるという問題もある。
【0013】
特許文献2に記載されているラインセンサによる一次元撮像データからなる画像データを比較する技術や、特許文献3に記載されているCCDカメラ等による二次元撮像データに基づいて判別する技術には、いずれも画像処理を行なう必要があるため、演算が複雑になる上に回路自体が高価になるという問題がある。又、画像処理を行う場合、高速で移動するメダルの画像を認識することができないために、経路の途中でメダルの搬送速度を落とすことになることから、遊技者から使用感が悪いと指摘されるという問題もある。
【0014】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、簡単なセンサ構成でありながら、メダルを正確にカウントできると共に、不正行為を確実に防止することができるメダル検出装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、搬送経路上を移動するメダルを検出するメダル検出装置において、前記搬送経路に沿って配設され、通過するメダルの先端部と後端部を同時に検出可能な長さの第1ラインセンサと、前記第1ラインセンサより上方に配設され、該第1ラインセンサによるメダルの先端部と後端部の同時検出時に、該メダルの他端部を同時に検出可能な第2ラインセンサとを備えていると共に、前記第1ラインセンサ及び第2ラインセンサにより同時に検出されるメダルの3つの端部に対応するセンサ位置から、通過中に2回以上該メダルの直径を演算する直径演算手段と、該直径演算手段から得られる演算結果に基づいて正・不正を判断するエラー判断手段と、を備えたことにより、前記課題を解決したものである。
【0016】
本発明においては、前記第1ラインセンサにより検出される前記メダルの先端部及び後端部に対応するセンサ位置の経時的変化から、メダルの移動方向を判断する移動方向判断手段と、前記第1ラインセンサにより検出される前記メダルの先端部及び後端部に対応するセンサ位置が該第1ラインセンサの全長を移動する所要時間から、メダルの移動時間を判断する移動時間判断手段と、を更に備え、前記エラー判断手段が、前記演算結果と共に、前記移動方向判断手段及び移動時間判断手段から得られる判断結果に基づいて正・不正を判断するようにしてもよい。
【0017】
本発明においては、更に前記第1ラインセンサが前記搬送経路に平行に配設された水平ラインセンサで、前記第2ラインセンサが該水平ラインセンサに直交配置された垂直ラインセンサであるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、2本のラインセンサからなる簡単な構成でありながら、移動するメダルについて同時検知される3つの端部から複数回直径を演算するようにしたので、不正行為に使用する異形状の治具等を容易に判別できる。
【0019】
又、第1ラインセンサにより検知される先端部と後端部に対応するセンサ位置の経時変化からメダルの移動方向を判別できると共に、これらセンサ位置が第1ラインセンサの全長を移動する所要時間から投入メダルの正常な動作であるか否かを判別できるため、正常メダルを正確にカウントできる上に、不正行為を確実に排除することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明に係る一実施形態のカウント部(メダル検出装置)が付設されているメダル選別部を示す(A)正面図と、(B)背面側から見た斜視図である。なお、カウント部以外のメダル搬送経路1、選別部2及び排出部4等の基本的な構成は、前記図9に示した従来のものと同一であるので、説明は省略する。
【0022】
図2は、本実施形態のカウント部3を拡大して模式的に示す正面図、図3は該カウント部3を下流側から見た斜視図である。
【0023】
このカウント部3には、メダル搬送経路1に沿って平行に配設させた水平ラインセンサ(第1ラインセンサ)7が、該メダル搬送経路1を挟んで水平ラインセンサ用光源9と対向して配設されている。又、水平ラインセンサ7の上方には、これに直交する方向の垂直ラインセンサ(第2ラインセンサ)6が、同様にメダル搬送経路1を挟んで垂直ラインセンサ用光源8と対向して配設されている。これら2つの各光源8、9は、それぞれ対応するラインセンサ6、7の全範囲を照射するようになっている。
【0024】
なお、これらラインセンサ6、7としては、例えば1024セル(画素)からなるCCDラインセンサを利用できる。光源は、必ずしも各ラインセンサ6、7に1対1で対向配置されていなくても良く、2つのラインセンサの対向側全体に配設された1つの面光源であっても良く、又面光源としたとしても、全体にマスクをし、ラインセンサに対応する部分のマスクのみを切り欠いて光を照射するようにしても良い。
【0025】
メダル搬送経路1に平行に取付けられている前記水平ラインセンサ7は、その長さが該センサ前を通過するメダルの幅(通過幅)以上ある。これにより水平ラインセンサ7の前を通過するメダル先端部と後端部が2点のセンサ位置として同時に検出され確認できるようになっている。
【0026】
又、水平ラインセンサ7と、これに対して垂直に配置されている垂直ラインセンサ6は、メダルがセンサ前を通過する時に水平ラインセンサ7により検知される両端部と合せると、所定範囲に亘って3つのメダル周端部が対応する3点のセンサ位置として同時に検出し、認識できるレイアウトになっている。
【0027】
図4は、カウント部3の要部を構成する回路を示すブロック図である。
【0028】
垂直ラインセンサ6は水平ラインセンサ7の配置位置より上方に位置するメダルの高さ方向端部の通過を明暗で出力すると共に、水平ラインセンサ7は、メダルの通過とその方向を明暗で出力する。これら両センサ6、7は、メダルが検出され始めると遮光部分を暗(信号レベルはHigh)として、デジタル信号若しくはアナログ信号にて出力する。
【0029】
そして、垂直ラインセンサ6には該センサ6を動作させる第1駆動信号発生回路(図中末尾に1を付す)11が、水平ラインセンサ7には該センサ7を動作させる第2駆動信号発生回路(同じく2を付す)12がそれぞれ接続され、各駆動信号発生回路11、12には、各ラインセンサの検出位置を特定するための基準信号や各ラインセンサを駆動するための信号を発生させるパルス発振器等の同期信号発生回路10が接続されている。
【0030】
又、垂直ラインセンサ6の出力側には、メダル上方端部が通過することによる明→暗出力データの切り替わりエッジが該ラインセンサ6のどの位置かをラッチする第1エッジ位置ラッチ回路(図中末尾に1を付す)13が接続され、水平ラインセンサ7の出力側には、メダル先端部の通過による明→暗出力データの切り替わりエッジが該ラインセンサ7のどの位置かをラッチする第2エッジ位置ラッチ回路(同じく2を付す)14と、メダル後端部の通過による暗→明出力データの切り替わりエッジが該ラインセンサ7のどの位置かをラッチする第3エッジ位置ラッチ回路(同じく3を付す)15が接続されていると共に、各ラッチ回路13、14、15には前記同期信号発生回路10から同期信号がそれぞれ入力されるようになっている。
【0031】
又、これら第1〜第3の各エッジ位置ラッチ回路13〜15には、同時入力される3つの端部に対応するセンサ位置であるエッジデータを基に、メダルの直径を演算する直径演算回路16が接続されている。又、第2、第3の各エッジ位置ラッチ回路14、15には、該両回路の出力データからメダルの移動方向を判断する移動方向判断回路17と、メダルの先端部と後端部がカウント部3を通過する時間、即ち先端部と後端部に対応するセンサ位置が水平ラインセンサ7の全長を移動する際の所要時間をその間のパルスをカウントして判断する通過タイマ1と通過タイマ2が内蔵された移動時間判断回路18がそれぞれ接続されている。なお、ここでいう移動には、転動又は滑りながらの移動が含まれる。
【0032】
更に、直径演算回路16、移動方向判断回路17、移動時間判断回路18の出力側にはエラー判断回路19が接続され、前記第2エッジ位置ラッチ回路14と第3エッジ位置ラッチ回路15から直径演算回路16を介して入力される通過信号A20と通過信号B21を図示しない本体制御部へそれぞれ出力すると共に、各回路16、17、18からそれぞれ入力されるメダルの直径、メダルの通過方向、メダルの通過時間を基に、メダルの正・不正を判断し、メダル通過信号として正規信号・エラー信号の出力を行なうようになっている。
【0033】
以上の構成において、本実施形態の作用を説明する。
【0034】
前記図1に示したメダル選別装置による大小メダルの選別の基本的な動作は、前記図9で説明した従来の場合と同一であるので説明は省略する。
【0035】
以下には、本実施形態のカウント部3によるメダルのカウント動作と判定動作を、図5と図6を参照しながら説明する。
【0036】
図5の(a)〜(k)には、カウント部3を通過するメダルMと垂直ラインセンサ6及び水平ラインセンサ7との対応関係のイメージを時系列的に示す。又、図6には、エラー判断回路19から出力される通過信号Aと通過信号B、水平ラインセンサ7と垂直ラインセンサ6の各出力を、それぞれ図5の(a)〜(k)の各タイミングに対応させて示してある。
【0037】
図5、図6において、メダルMはカウント部3を通過する場合、タイミング(a)ではカウント部3は待機状態にあるためメダルMの検出は行なっていない。メダルMの先端部が水平ラインセンサ7の入側端部に到達した(b)の状態になると、カウント部3はメダルMの通過開始を検出し、移動時間判断回路18内の通過時間タイマ1を作動させると同時に、エラー判断回路19は直径演算回路16を介して入力されるメダル通過信号A20を待機状態のOFFからON(High)とする。
【0038】
その後、メダルMが前進して垂直ラインセンサ6に上方端部が到達する(c)状態となると、2端部が同時に検出されるようになる。更に前進して後端部が水平ラインセンサ7に検出される(d)状態となり、メダルの3端部が同時検出されるようになると、直径演算回路16は後述する演算を行ない直径を算出すると共に、移動時間判断回路18は内部の通過タイマ2を作動させ、同時にエラー判断回路19は直径演算回路16を介して入力されるメダル通過信号B21を待機状態のOFFからON(High)とする。
【0039】
カウント部3をメダルMが通過中のタイミング(d)〜(h)までの3端部同時検出可能な経過状態では少なくとも2回のメダルの直径を算出し、メダルが正規品か不正動作(不正品を含む)かを判断する。メダルMの先端部が水平ラインセンサ7を通過する(h)状態で通過時間タイマ1を停止させてクリアし、同時にエラー判断回路19はメダル通過信号AをOFF(Low)として待機状態になる。更に前進して後端部が通過する(j)状態では通過時間タイマ2を停止させてクリアし、同時にエラー判断回路19はメダル通過信号BをOFF(Low)とする。以上により1枚のメダルMは通過を完了し、(k)状態では待機状態に戻ることになる。
【0040】
カウント部3の動作中に通過時間タイマ1及び2が規定時間内にカウントを停止しない場合には、通過時間判断回路18はエラーと判断してエラー信号を出力する。エラー判断回路19は、通過時間判断回路18からのエラー信号を受けてそのタイミングのメダル通過信号A20/B21の出力をラッチし、エラー停止状態として、例えばゲームができないようにする。
【0041】
エラー判断回路19による正規品、不正行為の判断方法は、直径演算回路16によりタイミング(d)〜(h)の間に複数回演算して確認したメダルの直径と基準値との誤差が全て規定値以内にあることが条件となる。即ち、演算して得られたメダルの直径に規定値以上の誤差が1つでも含まれていた場合には、エラー判断回路19は、メダル通過信号A20/B21の出力をラッチし、同様にエラー停止状態とする。
【0042】
又、待機状態であるにも拘らず、第3エッジ位置ラッチ回路15がエッジを検出した場合、起こり得ない現象であるので移動方向判断回路17がエラー信号を出力する。即ち、第3エッジ位置ラッチ回路15が待機状態でエッジを検出する場合は、カウント部3の出側からメダルが通過開始したことになるため、不正行為であるとしてエラー信号を出力する。エラー判断回路19は、そのエラー信号を受けてメダル通過信号B21の出力をON(High)としてラッチする。
【0043】
以上のような現象によりエラー判断回路19がメダル通過信号A20/B21をラッチする場合には、少なくとも片方の信号はON(High)の状態にあるため、遊技機本体を制御する制御部はメダル通過信号を受信すると、異常発生を正確に検出することができる。
【0044】
ここで、前記直径演算回路16で実行するメダルの直径の演算について説明する。
【0045】
図7には、メダルの測定座標を示す。即ち、水平ラインセンサ7上をX軸とし、図中右側のカウント部3の入側を正に、出側を負にすると共に、垂直ラインセンサ6上をY軸として上方を正とする。又、垂直ラインセンサの延長上の水平ラインとの交点を原点とし、3点の座標よりメダルの直径を以下のようにして算出する。
【0046】
いま、円で示すメダルの周端部とXY座標系の関係が図8に示すようであったとする。即ち、水平ラインセンサ7上で2点(x1,0)(x2,0)を検出し、垂直ラインセンサ6上で1点(0,y3)を検出する。これら3点より2点を結んだ直線の垂直二等分線を2本求め、交差した点から円の中心を求める。
【0047】
図8ではX軸上に2点あるため(x1,0)(x2,0)の中点(X1,0)を通る垂線上に円の中心があり、X1=(x1+x2)/2となる。
【0048】
次に、Y軸上の(0,y3)とX軸上の(x1,0)を結ぶ直線の式を、
Y=aX+b …(1)
とすると、定数b、aは以下のように求まる。
【0049】
y3=a*0+b
b=(y3) …(2)
0=a*(x1)+b
0=a*(x1)+y3
a=−y3/x1 …(3)
【0050】
又、(1)へ直交する式を、
Y=AX+B …(4)
とすると、傾きAは、(1)の傾きの逆数に−1を乗ずることにより、A=−1/aのように求まり、(4)式は、
Y=(−1/a)*X+B …(4´)
となる。
【0051】
この(4´)式が2点(0,y2)と(x1,0)の中点(X2,Y2)を通るとすると、
Y2=(−1/a)*X2+B
Y2=y3/2
B=Y2−(−1/a)*X2
X2=x1/2
が求まる。よって、
Y=(−1/a)*X+Y2−(−1/a)*X2
となり、円の中心(Xc,Yc)は次のようになる。
【0052】
Xc=X1
Yc=(−1/a)*X1+Y2−(−1/a)*X2
=(−1/a)*(X1−X2)+Y2
【0053】
円の半径Rは、中心座標から3点までの距離であるから、(x1,0)までの距離として求めると、
R=√[(x1−X1)+Yc
となり、円の直径φは、φ=2Rとなる。
【0054】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0055】
(1)カウント部3を通過するメダルについて、周端部の3点測定に基づく直径演算による安定したメダル形状の確認を複数回に行なうため、異形の擬似メダルを使用する不正行為によるメダルの引き出しを確実に防止できる。
【0056】
(2)メダル周端部の3点測定により安定したメダル形状の確認ができるため、メダルが異常動作する暴れが起こったとしてもメダル形状を確実に確認できることから、メダルの暴れに起因するカウントエラーの発生を防止できる。
【0057】
(3)メダルの通過状態を連続的に確認するため、メダル暴れによる通過方向異常エラーを誤検知することを防止できる。
【0058】
(4)ラインセンサをメダルの有無(明暗)のみの判断に使用しているため、画像処理を行なう場合より回路構成を簡単にできる上に安価にできる。
【0059】
(5)2つのラインセンサを使用する3点測定によるメダルの二次元測定を行なっているため、CCDカメラ等の高価な二次元センサを使用せずに二次元測定を行なうことができる。
【0060】
(6)画像処理を行わないため、カウント部により迅速にメダルの判別ができることから、途中でメダル速度を落とすことなく処理できるため、遊技者に対して使用感を損なわないようにすることができる。
【0061】
なお、前記実施形態では、第1ラインセンサが水平ラインセンサで、第2ラインセンサが垂直ラインセンサである場合を示した。この場合は、2つのラインセンサをXY座標軸に直接対応付けることができるので好適であるが、これに限定されるものではなく、2つのラインセンサによりメダルの周端部の3点が同時に検出できる配置であれば任意である。従って、例えば図9に示すように第1、第2ラインセンサを共にメダル搬送経路に平行に配置して同時に4点検出できるようにしても、あるいは図10に示すように第2ラインセンサを第1ラインセンサに直交以外に交差するように配置しても良い。
【0062】
又、光源も、ラインセンサの対向側に設ける場合に限らず、同側に設けて反射光を受光して検出できるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に係る一実施形態のカウント部が付設されているメダル選別装置を示す正面図と背面斜視図
【図2】本実施形態のカウント部が有する垂直ラインセンサと水平ラインセンサの関係を模式的に示す拡大正面図
【図3】図2のカウント部をメダル出側から見た状態を示す斜視図
【図4】本実施形態のカウント部の要部を構成する回路ブロック図
【図5】図2カウント部を通過するメダルの経過タイミングとラインセンサの位置関係を示す説明図
【図6】図5に示されるメダルの各経過タイミングと通過信号及びラインセンサ出力との関係を示す線図
【図7】垂直ラインセンサ及び水平ラインセンサと座標系の関係を示す説明図
【図8】メダル直径の演算式を導出する方法を説明する線図
【図9】第1ラインセンサと第2ラインセンサの配置の変形例を示すカウント部の正面図
【図10】第1ラインセンサと第2ラインセンサの配置の他の変形例を示すカウント部の正面図
【図11】従来のカウント部が付設されているメダル選別装置を示す正面図と背面斜視図
【符号の説明】
【0064】
1…メダル搬送経路
2…選別部
3…カウント部(メダル検出装置)
4…排出部
6…垂直ラインセンサ(第2ラインセンサ)
7…水平ラインセンサ(第1ラインセンサ)
10…同期信号発生回路
11…第1駆動信号発生回路
12…第2駆動信号発生回路
13…第1エッジ位置ラッチ回路
14…第2エッジ位置ラッチ回路
15…第3エッジ位置ラッチ回路
16…直径演算回路
17…移動方向判断回路
18…移動時間判断回路
19…エラー判断回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送経路上を移動するメダルを検出するメダル検出装置において、
前記搬送経路に沿って配設され、通過するメダルの先端部と後端部を同時に検出可能な長さの第1ラインセンサと、
前記第1ラインセンサより上方に配設され、該第1ラインセンサによるメダルの先端部と後端部の同時検出時に、該メダルの他端部を同時に検出可能な第2ラインセンサとを備えていると共に、
前記第1ラインセンサ及び第2ラインセンサにより同時に検出されるメダルの3つの端部に対応するセンサ位置から、通過中に2回以上該メダルの直径を演算する直径演算手段と、
該直径演算手段から得られる演算結果に基づいて正・不正を判断するエラー判断手段と、を備えていることを特徴とするメダル検出装置。
【請求項2】
前記第1ラインセンサにより検出される前記メダルの先端部及び後端部に対応するセンサ位置の経時的変化から、メダルの移動方向を判断する移動方向判断手段と、
前記第1ラインセンサにより検出される前記メダルの先端部及び後端部に対応するセンサ位置が該第1ラインセンサの全長を移動する所要時間から、メダルの移動時間を判断する移動時間判断手段と、を更に備え、
前記エラー判断手段が、前記演算結果と共に、前記移動方向判断手段及び移動時間判断手段から得られる判断結果に基づいて正・不正を判断することを特徴とする請求項1に記載のメダル検出装置。
【請求項3】
前記第1ラインセンサが前記搬送経路に平行に配設された水平ラインセンサで、前記第2ラインセンサが該水平ラインセンサに直交配置された垂直ラインセンサであることを特徴とする請求項1に記載のメダル検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−207645(P2009−207645A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−52831(P2008−52831)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000003399)JUKI株式会社 (1,557)
【Fターム(参考)】