説明

メッセージングサービスの受信箱内に寄託されたメッセージを投函するための方法及びシステム

【課題】受信者の電気通信端末(2)に対し、該受信者のメッセージングサーバー(1)の受信箱(12)内に発信者が寄託したメッセージ(MSG)を投函するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】前記サーバーからディレクトリデバイス(3)までイラスト(8)サーチ要求を送信する段階、前記デバイスからサーバーまでイラストを送信する段階、前記サーバーからサーバーセンター(MMSC)まで前記メッセージ及びイラストを送信する段階、及び前記センターから前記端末まで前記メッセージ及びイラストを含むマルチメディアメッセージ(MMS)を送信する段階を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メッセージングサービスの受信箱(inbox)内に寄託されたメッセージを電気通信端末に対し投函する(submit)方法及びこの方法に付随する投函システム(submission system)に関する。
【背景技術】
【0002】
メッセージングサービスは、電気通信の分野において非常に広まっている。
【0003】
特に、マルチメディアメッセージングサービスは、写真、音、テキスト又はビデオを含む大型メッセージを送受信するのに用いられる。マルチメディアメッセージングサービスは、マルチメディアメッセージングサーバーと通信するための手段及びマルチメディアメッセージを組立て読取るための手段を含む、MMSクライアントと通常呼ばれる、任意のデバイスによるマルチメディアメッセージの送受信を可能にするマルチメディアメッセージングサーバーによって提供される。このサービスは、例えばGSM、GPRS、又はUMTS移動回線網といった移動回線網上又は固定、ケーブル又はその他の回線網上で展開され得る。
【0004】
数多くの移動又は固定オペレータは、その加入者に対し、メッセージングサービスに相補的で通常ユーザーが各々の接触時点で多数の情報(名前、写真、住所、電話番号など)を収納するアドレスブックを記憶できるようにするディレクトリサービスを提供している。
【0005】
大部分のオペレータは、音声メッセージングサービスをその加入者に提供する。このサービスに加入しているユーザーが応答不能な場合、例えばその端末がオフに切換っているか又は回線網受信領域の外にある場合、その回線が使用中である場合、着信が無条件で音声メッセージングサービスに転送される場合、又はユーザーがその着信を拒否する場合、発信者には音声メッセージを加入者の音声メールボックスに記録するという選択肢がある。このときメッセージングサービスはユーザーに対して、その音声メールボックス内に新しいメッセージが存在することを通知する。
【0006】
新しいメッセージの受信の通知は、特にテキスト又は音声形態といったさまざまな形態をとりうる。
【0007】
通知がテキスト形態である場合、SMSメッセージ又は電子メールメッセージを送信することによってその通知を与えることができる。SMSメッセージはユーザーの移動又は固定電話上で受信される。電子メールメッセージは、インタネットサイトを介してコンピュータ又はパーソナルディジタルアシスタント(PDA)上で又はWAP移動端末上で読取ることができる。
【0008】
受信箱内の新しいメッセージもまた、電話呼出しによってか又は音声通知を固定電話に送信することによっても通知可能である。このような場合には、加入者には、受話器をとった時点で特定な信号音が聞えるか又は受話器上で音声受信箱内に新しいメッセージの視覚的指示が見える。残されたメッセージは、ユーザー自身の電話から直接、又は任意の電話から間接的に閲覧できる。
【0009】
しかしながら、既存の通知モードのいずれにも、受信者の端末に送信された通知内に音声メッセージ自体は含まれていない。既存の通知手段は、単にメッセージの存在を通知するにすぎず、メッセージを聞いたり読んだりすることはできない。従って、その結果、加入者は、自らのボイスボックス内に新しいメッセージが存在することを示す通知メッセージを受信した後、次にそのメッセージを聞くために自らの音声メッセージングサービスを呼出さなくてはならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、メッセージ通知モードを改善すること、特にそれらをさらに利用者にとって使い易いものにすることにある。
【0011】
さらに、既存のいかなるメッセージングサービスもディレクトリサービスも、ユーザーが音声メッセージと同時にイラストを受信することを可能にしていない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
既存のメッセージングシステムの通知サービスがもつ欠点を軽減するために、本発明は、
1人の受信者に属する電気通信端末に対し、該受信者のメッセージングサーバーの受信箱内に発信者が寄託したメッセージを投函する方法において、
音声メッセージングサーバーからディレクトリデバイスまでイラストをサーチする要求を送信する第1の段階、
ディレクトリデバイスからメッセージングサーバーまで前記イラストを送信する第2の段階、
メッセージングサーバーからマルチメディアメッセージングサーバーセンターまで前記の寄託されたメッセージ及び前記イラストを送信する第3の段階、及び
受信者の電気通信端末上で直接閲覧するためマルチメディアメッセージングサーバーセンターから前記受信者の端末まで少なくとも前記寄託されたメッセージ及び前記イラストを含むマルチメディアメッセージを送信する第4の段階、
という一連の段階を含んで成ることを特徴とする方法を提案している。
【0013】
この方法によって、加入者は、自らの電気通信端末上で直接発信者に特徴的なイラスト及び音声メッセージを得る。
【0014】
本発明は、ユーザーによるメッセージへのアクセス方法を単純化し標準的メッセージングサービスをユーザーにとってより使い易いものにする。これは又、魅力ある直接的なやり方で発信者を識別する。
【0015】
メッセージを投函する方法の特定の実施形態は、以下の特長のうちの1つ又は複数のものを有する。
【0016】
イラストは、発信者に特徴的なものであり、イラストサーチ要求には該発信者を識別するための手段が含まれている。
【0017】
メッセージングサーバーは、音声メッセージングサーバーであり、寄託されたメッセージは音声データを含んでいる。
【0018】
該方法は、前記識別手段に基づいてディレクトリデバイスのデータベース内でイラストをサーチする段階、及びマルチメディアメッセージ内に包含させるべくマルチメディアメッセージングサーバーセンターにより前記の寄託されたメッセージ及びイラストを処理する段階をさらに含む。
【0019】
該方法は、発信者識別手段及びこの識別手段に付随するイラストをディレクトリデバイスのデータベース内に記憶する予備段階を含む。
【0020】
発信者に特徴的であるイラストは写真又はロゴを含む。
【0021】
データベース内に発信者に付随するイラストが全く記憶されていない場合に、イラストは特定のイラストにより置換される。
【0022】
イラストは、発信者が拒絶モードを提供する呼出し回線を駆動した場合に極秘モードでの通信に特徴的な代替的イラストによって置換される。
【0023】
寄託されたメッセージは、テキストデータもまた含んでいる。
【0024】
該方法は、前記1つ又は複数のメッセージに関する情報を構築するべくメッセージングサーバーの処理ユニットによって行なわれる前記の寄託されたメッセージ及び/又は受信箱を分析する段階をさらに含み、前記第2の送信段階にはまた、前記1つ又は複数のメッセージに関する情報を送信する段階も含まれており、前記の処理段階には前記マルチメディアメッセージの中に前記情報を導入する段階が含まれている。
【0025】
該方法は、受信者の端末に接続不能な場合にメッセージングサーバーの受信箱の中に前記の寄託されたメッセージ及びイラストを記憶する段階をさらに含んで成る。
【0026】
イラストには、オペレータのロゴ又はプロモーショナルな画像が含まれている。
【0027】
本発明はまた、電気通信端末を備えた受信者のメッセージングサーバーの受信箱内に送信者により寄託されたメッセージを投函するためのシステムにおいて、
前記メッセージングサーバー内に、
前記寄託されたメッセージを前記マルチメディアメッセージングサーバーセンターに伝送するためのマルチメディアメッセージングサーバーセンターに対する通信インタフェース、を含み、
受信者の電気通信端末内に、
前記寄託されたメッセージを含む前記マルチメディアメッセージを受信するための、前記マルチメディアメッセージングサーバーとの通信インタフェース、及び
前記電気通信端末上で直接前記寄託されたメッセージを再生するためのマルチメディアメッセージマルチメディアクライアントモジュール、
を含んで成ることを特徴とするシステムをも提供している。
【0028】
メッセージを投函するためのシステムの特定の実施形態は、以下の特長のうちの1つ又は複数のものを有する。
メッセージングサーバーは、発信者に付随するイラストを要求するべくディレクトリデバイスと通信するように適合されており、前記ディレクトリデバイスには、イラストを記憶するように適合された記憶空間を含むデータベース、及び、メッセージングサーバーによって送られた識別手段に基づいて前記データベース内でイラストをサーチするための手段、が含まれている。
【0029】
電気通信回線網は、移動電話回線網及び/又は固定電話回線網である。
メッセージングサーバーの通信インタフェースは、XMLインタフェースであり、システムは、マルチメディアメッセージングサーバーセンターによって読取り可能なプロトコルへと通信プロトコルを変換させるためのゲートウェイサーバーを含んで成る。
【0030】
制限的意味をもたない例を用いて示されている以下の記述では、添付図面を参照しながら、本発明がより詳細に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】メッセージングサーバーの受信箱内に寄託されたメッセージを投函するための本発明のシステムのダイヤグラムである。
【図2】メッセージを投函する本発明の方法の主要な段階のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
メッセージを投函するための本発明の方法及びシステムは、以下で音声メッセージングサーバーに対する応用において記述されている。しかしながら、これらは、テキスト又はピクチャメッセージングサーバーにも同等に応用することができる。この場合、メッセージは例えば天気図又は新聞記事を含む可能性がある。
【0033】
図1に描かれているメッセージを投函するためのシステムは、音声メッセージングサーバー1、メッセージングサーバー1の加入者である受信者の電気通信端末2、ディレクトリデバイス3及びマルチメディアメッセージングサーバーセンターMMSCを含んで成る。音声メッセージングサーバー1、マルチメディアメッセージングサーバーセンターMMSC及び通信端末2は、電気通信回線網4を介してデータを交換する。
【0034】
ディレクトリデバイス3は、各々が1人の加入者専用である複数のディレクトリ記憶空間6に分割されたデータベース5を含む。各々のディレクトリ空間6は、発信者の移動電話及び固定電話の番号、住所、建物コードなどを与えることのできる発信者識別手段7を含んでいる。
【0035】
各々のディレクトリ記憶空間6はさらに、受信者のアドレス帳の中に列挙された発信者を表わす又は想起させるイラスト8を含んでいる。これらのイラストは、各々が発信者を想起させる発信者の写真、ロゴ又はピクチャから成る。
【0036】
ディレクトリサーバー3はさらに、処理ユニット9及び音声メッセージングサーバー1との通信のための通信インタフェース10を含んで成る。
【0037】
音声メッセージングサーバー1の要求があれば、ディレクトリデバイス3は、発信者に付随するイラスト8について受信者の記憶空間6をサーチし、ディレクトリサーバー及びメッセージングサーバーの各通信インタフェース10及び11を介して音声メッセージングサーバー1に対しそのイラスト8を送ることができる。
【0038】
図1に描かれた例においては、ディレクトリデバイス3は、独立したサーバー上に受入れられ、各通信インタフェース10及び11を介して音声メッセージングサーバー1と通信する。しかしながら、ディレクトリデバイス3を音声メッセージングサーバー上に直接受入れることもできる。
【0039】
音声メッセージングサーバー1は、一組のメッセージ受信箱12、電気通信回線網4との通信インタフェース14、ディレクトリサーバー3との通信インタフェース11、及び処理ユニット16を含んで成る。
【0040】
各々の受信箱12は、特定の受信者専用となっており、ユーザーの電話番号といったような識別手段により識別される。
【0041】
メッセージングサーバー1の処理ユニット16は、受信者の受信箱12内に寄託されたメッセージ(MSG)を管理するように適合されている。
【0042】
特に、処理ユニット16は、発信者に特徴的であるイラストをサーチする要求をディレクトリデバイス3に送信するように適合されている。
【0043】
また、処理ユニット16は、マルチメディアメッセージングサーバーセンターMMSCに対して受信箱12内に寄託された音声メッセージMSG及びディレクトリサーバー3により送信されたイラスト8を送信するように適合されている。
【0044】
さらに、処理ユニット16は「情報」機能を処理するように適合されている。この機能は、例えばMMS又はSMSメッセージを送信することにより、加入者の指令があれば、又は音声メッセージングサーバー1のオペレータの指令があれば、駆動又は非駆動されうる。
【0045】
この機能が駆動された場合、メッセージングサーバー1の処理ユニット16は、受信メッセージ(MSG)を分析し、このメッセージ及び/又は受信箱12に関する情報を構築する。この情報は、例えば、発信者の電話番号、メッセージが受信された日付と時刻、受信メッセージのサイズ、受信箱内に記憶されたメッセージの数、又は未割当ての状態のその中のメモリーの割合を含むことができる。
【0046】
情報機能が駆動された場合、音声メッセージングサーバー1の処理ユニット16は、受信メッセージ、受信音声メッセージMSG及びイラスト8に関するテキスト情報を単一のメッセージ内に導入し、それらをマルチメディアメッセージングサーバーセンターMMSCに送付するように適合されている。
【0047】
メッセージングサーバー1は、マルチメディアメッセージングサーバーセンターMMSCとの対話のための通信インタフェース14を含む。異なるタイプのインタフェースも使用可能である。
【0048】
かくして、インタフェースの第1の例では、或る種の固定及び移動音声メッセージングシステム上ですでに利用可能な電子メール通知サービスを使用する。この場合、電子メールメッセージが直接マルチメディアメッセージングサーバーセンターMMSCのインタフェース18に送信される(T1、T2)。電子メールメッセージは、発信者の音声メッセージMSGとそのメッセージを寄託した発信者に付随するイラスト8、そして該当する場合にはそのメッセージ又は受信箱に関係する情報から成る添付物を有する。電子メール通知サービスは、マルチメディアメッセージングサーバーセンターMMSCのレベルでのMM3インタフェースと対話するように適合されている。MM3インタフェースは一般に、マルチメディアメッセージングサーバーセンターと外部のメッセージングシステムの間で使用される。それは規格化されていないが、SMTPを用いた例は、技術仕様書MMS 3GPP TS 23,140;「Annexe A:Exemples d’implementations d’architectures MMS(補遺A:MMSアーキテクチャの実施例)」の中に規定された規格に示されている。
【0049】
同様にして、この種のインタフェースの第2の例では、同じくすでに或る種の音声メッセージングシステム上で利用可能であるXMLライブラリが使用されている。XMLライブラリはHTMLプロトコル内で通信し、HTTP言語を用いることから、音声メッセージMSG及びイラスト8はまず最初に中間ゲートウェイ20に送信されて、メッセージをSMTPプロトコルに変換して、それがマルチメディアメッセージングシステムのMM3インタフェースにより処理されうるようにする。メッセージは次にマルチメディアメッセージングサーバーセンターMMSCに送信される(T2)。XMLライプラリの機能性が豊かであることから、例えばマルチメディアメッセージングサーバーセンターMMSCに対する転送の後に直接音声メッセージを消去することといったような、メッセージを管理する可能性を付加することによって提供されるサービスが豊富になっている。
【0050】
第3の例ではMM7インタフェースが用いられる。マルチメディアメッセージングサーバーMMSと付加価値サーバープロバイダの間で、従来、MM7インタフェースが使用されている。これは規格化されており、SOAPプロトコルに基づいている。
【0051】
マルチメディアメッセージングサーバーセンターMMSCは、音声メッセージングサーバー1に対する通信インタフェース18、メッセージ処理ユニット22、メモリー24及び受信者の端末2に対する通信インタフェース26を有する。
【0052】
上述のように、音声メッセージングサーバー1との通信インタフェース18は、MM3又はMM7インタフェースである。
【0053】
データ記憶手段又はメモリー24は、一時的に音声メッセージ、イラスト、そして該当する場合にはメッセージングサーバー1により送られるテキストデータを記憶するように適合されている。
【0054】
処理ユニット22は、寄託された音声メッセージMSG、イラスト8そして該当する場合にはMMSマルチメディアメッセージ内のテキストデータを内含するように適合されている。
【0055】
マルチメディアメッセージングサーバーセンターMMSCは、音声メッセージMSG、イラスト8及び該当する場合にはテキストデータを含むマルチメディアメッセージMMSを受信者の電気通信端末2に送信するように適合されている。
【0056】
通信インタフェース26は、通信端末2のマルチメディアクライアントモジュール28と通信するように適合されたMM1インタフェースである。
【0057】
ユーザーの電気通信端末2は、マルチメディアメッセージングサーバーセンターMMSCとの通信インタフェース27、マルチメディアクライアントモジュール28及びデータ記憶手段29を含んで成る。
【0058】
マルチメディアメッセージングサーバーセンターMMSCとの通信インタフェース27は好ましくはMM1インタフェースである。
【0059】
マルチメディアクライアントモジュール28は、マルチメディアメッセージングサーバーセンターMMSCと通信するための手段及びマルチメディアメッセージMMSを構成し、読取りかつ提示するための手段を構成する。
【0060】
その上、これは、端末の中でマルチメディアメッセージを管理するように適合されている。従って、マルチメディアクライアントモジュール28は、受信者が自らの端末内にマルチメディアメッセージをセーブし、それらを再度聞き取り、消去し、さらにはもう1人のユーザーへと転送することができるようにする。
【0061】
マルチメディアクライアントモジュール28及びマルチメディアメッセージングサーバーセンターの、及びディレクトリサーバー3の、及び音声メッセージングサーバー1の処理ユニット9、16、22及び通信インタフェース10、11、14、18、26、27は、マイクロコントローラ上のハードウェアの形で又はソフトウェア媒体上のソフトウェアの形で又はマイクロプロセッサにより不揮発性メモリーから実行されるプログラミング済みコンポーネントの形で実施可能である。
【0062】
データ記憶手段29は、不揮発性読取り専用メモリー(ROM)、電気的消去可能なプログラム可能読取り専用メモリ(EEPROM)などを含んで成る。それらの容量は、マルチメディアメッセージを記憶するために使用され、標準的に約500キロバイト以上でありうる。
【0063】
メッセージを投函する方法の各ステップについて以下で図2をも参照して記述する。
【0064】
メッセージを投函するプロセスは、音声メッセージングサービスに加入している受信者の受信箱12内で発信者からのメッセージMSGを受信するステップ30から始まる。
【0065】
「情報」機能が駆動された場合、音声メッセージングサーバー1の処理ユニット16はステップ32の間にメッセージを分析し、それ及び/又は受信者の受信箱12に関する情報を構築する。
【0066】
これと並行して、ステップ34では、音声メッセージングサーバー1の処理ユニット16は、寄託されたメッセージMSGが例えば発信者の電話番号といったような発信者を識別するための手段7を含んでいる。
【0067】
代替的には、発信者を識別するための手段7が全く存在しない場合、例えば発信者が拒絶モードを提供する呼出し回線番号を駆動することによって発信者の識別情報表示を禁じた場合、処理ユニット16は、極秘通信モードに特徴的である特定のイラストについてメッセージングサーバー1の受信箱12をサーチする。
【0068】
イラストは、メッセージングサーバー1のオペレータ又は受信者のいずれかによって予め記憶されている。
【0069】
代替的には、イラストは、ディレクトリデバイス3の記憶空間6内に記憶される。
【0070】
代替的には、いかなる識別手段も存在しない場合、イラスト8は、また極秘モードの発信者による使用に特徴的である特別なコードにより置換される。
【0071】
発信者を識別するための手段7が存在する場合、ステップ36において、音声メッセージングサーバー1の処理ユニット16はディレクトリサーバー3に対しイラストをサーチするための要求を送信する。この要求には、発信者を識別するための手段7及びディレクトリ空間6の所有者である受信者を識別するための手段が含まれている。
【0072】
この要求を受信した時点で、ステップ38中に、ディレクトリサーバー3の処理ユニット9は受信者を識別するための手段を用いて受信者のディレクトリ空間6を識別し、発信者の識別情報(ID)7に付随するイラスト8についてディレクトリ空間6をサーチする。
【0073】
その後、ステップ40の間に、ディレクトリサーバー3の処理ユニット9は、発信者に付随するイラスト8を通信インタフェース10及び11を介して音声メッセージングサーバー1に送信する。
【0074】
しかしながら、その発信者についての特定的なイラストが全く記憶されていなかった場合には、ディレクトリサーバー3の処理ユニット9は、発信者に付随するイラストが全く存在しないということを加入者に通知する特定のイラストを送信する。この特定のイラストは、メッセージングサーバー1のオペレータか又は受信者のいずれかによって予め記憶される。
【0075】
ステップ42の間に、メッセージングサーバー1は、受信箱12内に寄託された音声メッセージMSG、発信者に付随するイラスト8、そして「情報」機能が駆動された場合にはメッセージMSGまたは受信箱12のいずれかに関係する情報を、通信インタフェース14及び電気通信回路網4を介してマルチメディアメッセージングサーバーセンターMMSCまで伝送する(T1、T2)。かくして、音声、ピクチャそして該当する場合にはテキストのデータが単一のメッセージ内で組合わされ、マルチメディアメッセージングサーバーセンターまで送信される。
【0076】
ステップ44の間に、マルチメディアメッセージングサーバーセンターMMSCの処理ユニット22は、寄託された音声メッセージMSG、発信者に付随するイラスト8そして該当する場合には寄託されたメッセージ又は受信箱12のいずれかに関する情報を処理して、これらを単一のマルチメディアメッセージMMS内に導入する。
【0077】
最後にステップ46の間に、受信者の電気通信端末2に対してマルチメディアメッセージMMSが送信される。
【0078】
かくして、本発明は、発信者がその音声メッセージングシステム1の受信箱12内に寄託した音声メッセージMSG及びその発信者に特徴的なイラスト8を受信者が自らの電気通信端末2上で直接、受信することを可能にする。
【0079】
マルチメディアメッセージMMSは、マルチメディアメッセージングサーバーセンターMMSCのメモリー29内に一時的に記憶Sされている。マルチメディアメッセージングサーバーセンターMMSCは、電気通信端末2に正しく送信された時点で直ちにそのメモリー29からマルチメディアメッセージを消去する。
【0080】
さらに、ユーザーが同じ音声メッセージの受信についての情報を2回受信するのを防ぐために、音声メッセージングサーバー1が1つのメッセージの存在についてもう1つの別の通知を通常の要領で送信しないことが好ましい。
【0081】
本発明の好ましい−実施形態においては、加入者は、マルチメディア音声メッセージの送信段階を駆動又は非駆動することができる。駆動/非駆動管理へのアクセスは、
ボイスボックスの所有者である回線上の音声呼出しを用いて、
ボイスボックスの所有者である回線上のSMS又はMMSメッセージを送信することによって、
ユーザーが自らの通知オプションを修正できるようにするべくワールドワイドウェブ又はWAPアクセスによって、あるいは
通知駆動/非駆動専用の2つのUSSDコードを使用することによって、
得ることができる。
【0082】
受信者の受信箱12内に記憶された音声メッセージMSGは、マルチメディアメッセージングサーバーセンターMMSCまで転送された後メッセージングサーバー1内に保持され得る。この場合、音声メッセージングサーバー上のメッセージの閲覧はなお提供可能である。かくして、電気通信端末2と接続不能な場合であっても、ユーザーは、受信箱12内に記憶されたメッセージを閲覧することができる。
【0083】
ユーザーの通信端末2がマルチメディアメッセージを受信した場合、MMSクライアントモジュールは有利にはステップS´中にそのメモリー29内にそれを記憶し得る。
【0084】
代替的には、発信者に特徴的なイラストは、例えばオペレータのロゴといったようなプロモーショナルな画像で置換される。
【0085】
マルチメディアメッセージングサービスを用いてメッセージを投函するためのこのサービスは、1つのオペレータにより、MMSクライアントモジュールを内蔵する端末をもつ全ての加入者に対して提供され得る。
【0086】
本発明は、固定電話回路網又は移動電話回路網に適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信者に属する電気通信端末(2)に対し、該受信者のメッセージングサーバー(1)の受信箱(12)内に発信者が寄託したメッセージ(MSG)を投函する方法において、
音声メッセージングサーバー(1)からディレクトリデバイス(3)までイラスト(8)をサーチする要求を送信する第1の段階(36)、
ディレクトリデバイス(3)からメッセージングサーバー(1)まで前記イラスト(8)を送信する第2の段階(40)、
メッセージングサーバー(1)からマルチメディアメッセージングサーバーセンター(MMSC)まで寄託されたメッセージ(MSG)及び前記イラスト(8)を送信する第3の段階(42)、及び
受信者の電気通信端末(2)上で直接閲覧するためマルチメディアメッセージングサーバーセンター(MMSC)から前記受信者の端末(2)まで少なくとも前記寄託されたメッセージ(MSG)及び前記イラスト(8)を含むマルチメディアメッセージ(MMS)を送信する第4の段階(46)、
という一連の各段階を含んで成ることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記イラスト(8)が発信者に特徴的なものであり、前記のイラストサーチ要求には該発信者を識別するための手段(7)が含まれていることを特徴とする請求項1に記載のメッセージ投函方法。
【請求項3】
前記メッセージングサーバー(1)が音声メッセージングサーバーであり、前記寄託されたメッセージ(MSG)が音声データを含んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載のメッセージ投函方法。
【請求項4】
前記識別手段(7)に基づいてディレクトリデバイス(3)のデータベース(6)内で前記イラスト(8)をサーチする段階(38)、及びマルチメディアメッセージ(MMS)内に内含させるべくマルチメディアメッセージングサーバーセンター(MMSC)により前記寄託されたメッセージ(MSG)及び前記イラスト(8)を処理する段階(44)をさらに含むことを特徴とする請求項2又は3に記載のメッセージ投函方法。
【請求項5】
前記の発信者識別手段(7)及びこの識別手段に付随するイラスト(8)をディレクトリデバイス(3)のデータベース(5)内に記憶する予備段階を含むことを特徴とする請求項4に記載のメッセージ投函方法。
【請求項6】
前記発信者に特徴的であるイラスト(8)が写真又はロゴを含むことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のメッセージ投函方法。
【請求項7】
前記データベース(5)内に発信者に付随するイラストが全く記憶されていない場合に、前記イラスト(8)は特定のイラストにより置換されることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のメッセージ投函方法。
【請求項8】
前記発信者が拒絶モードを提供する呼出し回線を駆動した場合に、極秘モードでの通信に特徴的な代替的イラストによって前記イラスト(8)が置換されることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のメッセージ投函方法。
【請求項9】
前記寄託されたメッセージ(MSG)がテキストデータもまた含んでいることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のメッセージ投函方法。
【請求項10】
前記の1つ又は複数のメッセージに関する情報を構築するべくメッセージングサーバー(1)の処理ユニット(16)によって行なわれる、前記寄託されたメッセージ(MSG)及び/又は受信箱(12)を分析する段階(32)をさらに含み、前記第2の送信段階はまた、前記の1つ又は複数のメッセージに関する前記情報を送信する段階も含み、前記処理段階(44)は前記マルチメディアメッセージ(MMS)の中に前記情報を導入する段階を含むことを特徴とする請求項4〜9のいずれか1項に記載のメッセージ投函方法。
【請求項11】
受信者の端末(2)に接続不能な場合にメッセージングサーバー(1)の受信箱(12)の中に前記寄託されたメッセージ(MSG)及びイラストを記憶する段階をさらに含んで成ることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のメッセージ投函方法。
【請求項12】
前記イラストには、オペレータのロゴ又はプロモーショナルな画像が含まれていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のメッセージ投函方法。
【請求項13】
電気通信端末(2)を備えた受信者のメッセージングサーバー(1)の受信箱(12)内に送信者により寄託されたメッセージを投函するためのシステムにおいて、
前記メッセージングサーバー(1)内に、
前記寄託されたメッセージ(MSG)をマルチメディアメッセージングサーバーセンター(MMSC)に伝送するためのマルチメディアメッセージングサーバーセンター(MMSC)に対する通信インタフェース(14)、を含み、
受信者の電気通信端末(2)内に、
前記寄託されたメッセージ(MSG)を含む前記マルチメディアメッセージ(MMS)を受信するための、前記マルチメディアメッセージングサーバーセンター(MMSC)との通信インタフェース(27)、及び
前記電気通信端末(2)上で直接前記寄託されたメッセージ(MSG)を再生するためのマルチメディアメッセージ(MMS)用マルチメディアクライアントモジュール(28)
を含んで成ることを特徴とするシステム。
【請求項14】
前記メッセージングサーバー(1)は、発信者に付随するイラスト(8)を要求するべくディレクトリデバイス(3)と通信するように適合されており、前記ディレクトリデバイスには、
イラストを記憶するように適合された記憶空間(6)を含むデータベース、及び
前記メッセージングサーバー(1)によって送られた識別手段(7)に基づいて前記データベース内で前記イラスト(8)をサーチするための手段(9)、
が含まれていることを特徴とする請求項13に記載のメッセージ投函システム。
【請求項15】
電気通信回線網(4)が移動電話回線網及び/又は固定電話回線網であることを特徴とする請求項13又は14に記載のメッセージ投函システム。
【請求項16】
前記メッセージングサーバーの通信インタフェースがXMLインタフェースであり、システムがマルチメディアメッセージングサーバーセンター(MMSC)によって読取り可能なプロトコルへと通信プロトコルを変換させるためのゲートウェイサーバー(20)を含んで成ることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載のメッセージ投函システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−10345(P2012−10345A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156881(P2011−156881)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【分割の表示】特願2004−216133(P2004−216133)の分割
【原出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(591034154)フランス・テレコム (290)
【Fターム(参考)】