説明

メモリ制御方法、メモリ制御装置、および画像形成装置

【課題】シリアル−パラレル変換とパラレル−シリアル変換を効率的に実行する。
【解決手段】画像処理前のラインデータを記憶するラインメモリと画像処理後のラインデータを記憶するラインメモリとを同一素子で構成し、シリアルデータ形式で入力されるラインデータをラインメモリで記憶する処理前・メモリ入力タイミング,記憶された処理前のラインデータをパラレルデータ形式で読み出す処理前・メモリ出力タイミング,処理後のパラレルデータ形式のラインデータをラインメモリで記憶する処理後・メモリ入力タイミング,記憶された処理後のラインデータをシリアルデータ形式で読み出す処理後・メモリ出力タイミング,の4タイミングで制御し、同一ライン周期内に処理前・メモリ出力タイミングの直後に処理後・メモリ入力タイミングを実行すると共に、同一ライン周期内に処理後・メモリ出力タイミングの直後に処理前・メモリ入力タイミングを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリ制御方法、メモリ制御装置、および画像形成装置に関し、特に、シリアルデータとパラレルデータとの間の処理の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器内では各種の回路が存在しており、各回路間ではディジタルデータがシリアルデータ形式、すなわち1次元のビットストリームとして伝送されている。また、各回路内部では、ディジタルデータを2次元配列に変換して各種信号処理がなされることがある。このため、シリアルデータをパラレルデータに変換する回路やパラレルデータをシリアルデータに変換する回路が用いられることがある。
【0003】
また、2次元画像を扱う画像処理装置や画像形成装置などにおいては、画像読み取り(スキャン)、画像出力(プリント)は1次元の処理を繰り返すことで2次元画像を扱っている。また、各処理回路間ではシリアルデータで伝送がなされている。
【0004】
一方、画像処理や画像記憶などでは、2次元データとして扱うことが便利な場合が多い。このため、シリアルデータをパラレルデータに変換する回路やパラレルデータをシリアルデータに変換する回路が必要になる。
【0005】
たとえば、2次元の画像データに対して画像処理を施す場合には、画像処理装置200を対象として、シリアルデータとして入力されるラインデータを所定のライン数毎にブロック化して「データラインブロック」にしてから画像処理装置に入力する制御を実行する処理前メモリ制御装置100Aと、画像処理装置で処理されて出力されるデータラインブロックを各ライン毎のラインデータに分解してシリアルデータに戻して出力する制御を実行する処理後メモリ制御装置100Bとを、それぞれ別々に制御していた(図5参照)。
【0006】
この場合、画像処理装置200の入力側にはラインメモリ111A〜113Aを用いたデータラインブロック生成(シリアル−パラレル変換)回路としての処理前メモリ制御装置100Aを配置し、画像処理装置200の出力側にはラインメモリ111B〜113Bを用いたデータラインブロック分解(パラレル−シリアル変換)回路としての処理後メモリ制御装置100Bを配置していた。
【0007】
なお、以上のデータラインブロック生成(シリアル−パラレル変換)回路も、データラインブロック分解(パラレル−シリアル変換)回路も、同数のラインメモリを用いた同種の回路構成であるにもかかわらず、重複するタイミングに異なる処理が必要であるため、別々に構成する制御を行うほかなく、メモリ容量を削減することができなかった。
【0008】
なお、メモリ容量を削減する手法が、以下の特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−288268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したデータラインブロック生成回路やデータラインブロック分解回路は、同数のラインメモリを用いた同種の回路構成であり、回路を集積化する際にはメモリ容量を削減する必要が生じるものの、処理タイミングの関係でメモリ容量を削減することができなかった。
【0011】
また、以上の特許文献1では、メモリを複数面として管理し、空いている面のアドレスを管理することで効率的なメモリ制御を実行するものである。しかしながら、画像処理装置の入力側にはラインメモリを用いたデータラインブロック生成回路を配置し、画像処理装置の出力側にはラインメモリを用いたデータラインブロック分解回路を配置するような回路構成において、各種タイミングが重複する動作状態において、この特許文献1の制御をそのまま適用することはできない問題がある。
【0012】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、ラインメモリを用いたシリアル−パラレル変換回路とパラレル−シリアル変換回路とにおいて効率的なラインメモリの使用が可能なメモリ制御方法およびメモリ制御装置ならびに画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決する本願発明は、以下に述べる通りである。
【0014】
(1)請求項1の発明は、シリアルデータ形式で入力される複数ライン分のラインデータを複数のラインメモリで記憶して複数ライン分を同時に読み出すことでパラレルデータ形式のデータラインブロックに変換して画像処理装置に送り出すと共に、前記画像処理装置でデータラインブロックとして処理されたパラレルデータ形式のラインデータを複数のラインメモリで記憶して順次読み出すことでシリアルデータ形式の複数ライン分のラインデータに変換して出力するメモリ制御方法であって、前記画像処理装置で処理前のラインデータを記憶する前記ラインメモリと前記画像処理装置で処理後のラインデータを記憶する前記ラインメモリとを同一のラインメモリで構成し、前記シリアルデータ形式で入力される前記ラインデータを前記ラインメモリで記憶する処理前・メモリ入力タイミング,前記ラインメモリに記憶された処理前のラインデータを前記パラレルデータ形式で読み出す処理前・メモリ出力タイミング,前記画像処理装置で処理後のパラレルデータ形式の前記ラインデータを前記ラインメモリで記憶する処理後・メモリ入力タイミング,前記ラインメモリで記憶された処理後の前記ラインデータを前記シリアルデータ形式で読み出す処理後・メモリ出力タイミング,の4タイミングをラインメモリに対して制御する際に、同一ライン周期内に、処理前・メモリ出力タイミングの直後に処理後・メモリ入力タイミングを実行するように制御すると共に、同一ライン周期内に、処理後・メモリ出力タイミングの直後に処理前・メモリ入力タイミングを実行するように制御する、ことを特徴とするメモリ制御方法である。
【0015】
(2)請求項2の発明は、同一ライン周期内で異なるタイミング信号に基づいて、処理前・メモリ出力タイミングの直後に処理後・メモリ入力タイミングを同一ライン周期内に実行するように制御し、同一ライン周期内でリードサイクルの後にライトサイクルを定めておき、処理後・メモリ出力タイミングの直後に処理前・メモリ入力タイミングを同一ライン周期内に実行するように制御する、ことを特徴とする請求項1記載のメモリ制御方法である。
【0016】
(3)請求項3の発明は、シリアルデータ形式で入力される複数ライン分のラインデータを複数のラインメモリで記憶して複数ライン分を同時に読み出すことでパラレルデータ形式のデータラインブロックに変換して画像処理装置に送り出すと共に、前記画像処理装置でデータラインブロックとして処理されたパラレルデータ形式のラインデータを複数のラインメモリで記憶して順次読み出すことでシリアルデータ形式の複数ライン分のラインデータに変換して出力するメモリ制御装置であって、前記画像処理装置で処理前のラインデータを記憶する前記ラインメモリと前記画像処理装置で処理後のラインデータを記憶する前記ラインメモリとを同一のラインメモリで構成し、前記シリアルデータ形式で入力される前記ラインデータを前記ラインメモリで記憶する処理前・メモリ入力タイミング,前記ラインメモリに記憶された処理前のラインデータを前記パラレルデータ形式で読み出す処理前・メモリ出力タイミング,前記画像処理装置で処理後のパラレルデータ形式の前記ラインデータを前記ラインメモリで記憶する処理後・メモリ入力タイミング,前記ラインメモリで記憶された処理後の前記ラインデータを前記シリアルデータ形式で読み出す処理後・メモリ出力タイミング,の4タイミングをラインメモリに対して制御する制御部を備え、前記制御部は、同一ライン周期内に、処理前・メモリ出力タイミングの直後に処理後・メモリ入力タイミングを実行するように制御すると共に、同一ライン周期内に、処理後・メモリ出力タイミングの直後に処理前・メモリ入力タイミングを実行するように制御する、ことを特徴とするメモリ制御装置である。
【0017】
(4)請求項4の発明は、前記制御部は、同一ライン周期内で異なるタイミング信号に基づいて、処理前・メモリ出力タイミングの直後に処理後・メモリ入力タイミングを同一ライン周期内に実行するように制御すると共に、同一ライン周期内でリードサイクルの後にライトサイクルを定めておき、処理後・メモリ出力タイミングの直後に処理前・メモリ入力タイミングを同一ライン周期内に実行するように制御する、ことを特徴とする請求項3記載のメモリ制御装置である。
【0018】
(5)請求項5の発明は、請求項3もしくは請求項4のメモリ制御装置を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0019】
以上の発明では、シリアルデータ形式で入力される複数ライン分のラインデータを複数のラインメモリで記憶して複数ライン分を同時に読み出すことでパラレルデータ形式のデータラインブロックに変換して画像処理装置に送り出すと共に、前記画像処理装置でデータラインブロックとして処理されたパラレルデータ形式のラインデータを複数のラインメモリで記憶して順次読み出すことでシリアルデータ形式の複数ライン分のラインデータに変換して出力するメモリ制御において、画像処理装置で処理前のラインデータを記憶するラインメモリと画像処理装置で処理後のラインデータを記憶するラインメモリとを同一のラインメモリで構成し、シリアルデータ形式で入力されるラインデータをラインメモリで記憶する処理前・メモリ入力タイミング,ラインメモリに記憶された処理前のラインデータをパラレルデータ形式で読み出す処理前・メモリ出力タイミング,画像処理装置で処理後のパラレルデータ形式のラインデータをラインメモリで記憶する処理後・メモリ入力タイミング,ラインメモリで記憶された処理後のラインデータをシリアルデータ形式で読み出す処理後・メモリ出力タイミング,の4タイミングをラインメモリに対して制御する際に、同一ライン周期内に、処理前・メモリ出力タイミングの直後に処理後・メモリ入力タイミングを実行するように制御すると共に、同一ライン周期内に、処理後・メモリ出力タイミングの直後に処理前・メモリ入力タイミングを実行するように制御する。
【0020】
このため、以上のデータラインブロック生成(シリアル−パラレル変換)回路と、データラインブロック分解(パラレル−シリアル変換)回路について、同じラインメモリを用いて、重複するタイミングに異なる処理が可能になる。すなわち、ラインメモリを用いたシリアル−パラレル変換回路とパラレル−シリアル変換回路とにおいて効率的なラインメモリの配置と使用が可能になる。
【0021】
また、このような効率的なラインメモリの配置により、メモリ容量を従来よりも削減することができ、集積回路化にも適した状態になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態の概略構成を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態の主要部を示す構成図である。
【図3】本発明の実施形態の動作を示すタイムチャートである。
【図4】本発明の実施形態の動作を示すタイムチャートである。
【図5】従来の概略構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明のメモリ制御方法、メモリ制御装置、画像形成装置を実施するための形態(実施形態)を詳細に説明する。ここでは、画像処理装置と連携するメモリ制御装置、このメモリ制御装置を含む画像形成装置、メモリ制御装置の動作(メモリ制御方法)を具体例にして、実施形態の説明を行う。
【0024】
〔メモリ制御装置の構成〕
ここで、第一実施形態のメモリ制御装置100の構成を、図1に基づいて詳細に説明する。なお、このメモリ制御装置100は画像処理装置200と共に使用され、画像形成装置に適用可能なものである。なお、本実施形態のメモリ制御装置100は、画像形成装置における画像処理に関連する各部に適用可能であるため、画像形成装置側の具体的な構成については省略する。
【0025】
図1に示すメモリ制御装置100は、各部を制御するメモリ制御部101と、シリアルデータ形式で入力される複数ライン分のラインデータを記憶可能なラインメモリ群110とを備えて構成されている。ここで、ラインメモリ群110は、1ライン分のラインデータを記憶可能なラインメモリ111、1ライン分のラインデータを記憶可能なラインメモリ112、1ライン分のラインデータを記憶可能なラインメモリ113、を備えて構成されている。なお、ここでは3ライン分のラインメモリを用いているが、この数に限定されるものではない。
【0026】
ここで、メモリ制御装置100は、メモリ制御部101の制御により、ラインメモリ群110で記憶して複数ライン分を同時に読み出すことでパラレルデータ形式のデータラインブロックに変換して画像処理装置200に送り出すと共に、前記画像処理装置200でデータラインブロックとして処理されたパラレルデータ形式のラインデータを複数ライン分記憶してから各ラインを順次読み出すことでシリアルデータ形式の複数ライン分のラインデータに変換して出力するメモリ制御が可能に構成されている。
【0027】
なお、この実施形態で使用されるラインメモリ111〜113としては、例えば、図2に示されるように、32ビット2048ワード、アドレスバスAを1本有し、負論理のライトイネーブルWENを有し、ライトイネーブルWENが無効の時にはアドレスバスAで指定されるアドレスのデータが出力データバスQに出力され、ライトイネーブルWENが有効の時にはアドレスバスAで指定されるアドレスに入力データバスDで指定されたデータが書き込まれる、シングルポートのSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)である。なお、同様の動作が可能であれば、SDRAMに限定されるものではない。
【0028】
また、この実施形態では、ライトサイクルおよびリードサイクルは4クロックに1回と定め、更に4クロックを2クロック毎に時分割して、前半をリードサイクルに割り当て、後半をライトサイクルに割り当てる。
【0029】
また、1ライン分のデータをラインメモリに書き込む際あるいは読み出す際に使用される水平同期信号(H-Valid)として、シリアルデータ形式で入力されるラインデータをラインメモリ111〜113で記憶する処理前・メモリ入力タイミングの処理前入力水平同期信号HVI(H-Valid_Input:図4(a))、ラインメモリ111〜113に記憶された処理前のラインデータをパラレルデータ形式のデータラインブロックにして読み出す処理前・メモリ出力タイミングの処理前出力水平同期信号GHVO(Graphic_H-Valid_Output:図4(b))、画像処理装置200で処理後のパラレルデータ形式のラインデータをラインメモリ111〜113で記憶する処理後・メモリ入力タイミングの処理後入力水平同期信号GHVI(Graphic_H-Valid_Input:図4(c))、ラインメモリ111〜113で記憶された処理後のラインデータをシリアルデータ形式で読み出す処理後・メモリ出力タイミングの処理後出力水平同期信号HVO(H-Valid_Output:図4(d))、の4タイミングの水平同期信号が存在している。
【0030】
そして、図4に示されるように、同一ライン周期内(1ライン分のデータを処理する期間内)に、HVI、GHVO、GHVI、HVOの順に立ち上がりのタイミングが異なるように、メモリ制御部101により設定されている。
【0031】
なお、この実施形態において、画像処理装置200で画像処理される前のラインデータを「処理前ラインデータ」と呼び、画像処理装置200で画像処理された後のラインデータを「処理後ラインデータ」と呼ぶことにする。
【0032】
すなわち、シリアルデータ形式で入力される処理前ラインデータは、処理前・メモリ入力タイミングにおいて、処理前入力水平同期信号HVIに同期して、ラインメモリ111〜113で記憶され、このラインメモリ111〜113に記憶された処理前ラインデータは、読み出す処理前・メモリ出力タイミングにおいて処理前出力水平同期信号GHVOに調整されて、パラレルデータ形式のデータラインブロックとしてラインメモリ111〜113から出力される。そして、画像処理装置200で処理されたパラレルデータ形式の処理後ラインデータは、処理後・メモリ入力タイミングにおいて処理後入力水平同期信号GHVIに同期してラインメモリ111〜113に記憶され、このラインメモリ111〜113に記憶された処理後ラインデータは、処理後・メモリ出力タイミングにおいて処理後出力水平同期信号HVOに調整されてシリアルデータ形式で出力される。
【0033】
また、メモリ制御部101は、3つのラインメモリ111〜113それぞれを、FIFO(First In, First Out:先入れ先出し)型のラインメモリとして制御する。1ライン分のラインデータに含まれる所定数の連続したデータ列を、SDRAMの連続的なアドレスに書き込み、または連続的なアドレスから読み出すことによって、ラインメモリとして制御する。
【0034】
〔メモリ制御装置の動作〕
以下、図3のタイムチャートを参照して、本実施形態の動作説明を行う。この図3のタイムチャートでは、本実施形態の3つのラインメモリ111〜113の制御方法の概要を示している。なお、以下の制御は、メモリ制御部101の制御に基づくものであるが、冗長な表現を避けるため、「メモリ制御部101の制御により」の記載を省略することがある。
【0035】
図3(a)は水平期間毎のインデックス信号であり、図3(b)は0から始まるラインデータの番号である。
【0036】
まず、0番目の処理前ラインデータを処理前入力水平同期信号HVIに同期してラインメモリ111に書き込み(図3(d)0)、次の1番目の処理前ラインデータを処理前入力水平同期信号HVIに同期してラインメモリ112に書き込み(図3(e)1)、さらに次の2番目の処理前ラインデータを処理前入力水平同期信号HVIに同期してラインメモリ113に書き込む(図3(f)2)。
【0037】
そして、その次の3番目のラインデータの処理前入力水平同期信号HVI(図3(j)3)に同期して、0番目の処理前ラインデータをラインメモリ111から(図3(g)0)、1番目の処理前ラインデータをラインメモリ112から(図3(h)1)、2番目の処理前ラインデータをラインメモリ113から(図3(i)2)読み出して、4パラレルデータ形式のデータラインブロックを形成して、処理前出力水平同期信号GHVOに調整して、メモリ制御装置100から画像処理装置200に出力する。
【0038】
ここで、画像処理装置200で所定の画像処理が実行され、同一ライン周期内に処理後ラインデータ4本分のデータラインブロックが画像処理装置200から出力されて、処理後入力水平同期信号GHVIに同期してメモリ制御装置100に入力される。
【0039】
ここで、最初の0番目の処理後ラインデータを同一ライン周期内に処理後出力水平同期信号HVOに同期して外部に出力する(図3(c)0)。
【0040】
そして、1番目の処理後ラインデータをラインメモリ111に(図3(d)1)に、2番目の処理後ラインデータをラインメモリ112に(図3(e)2)に、3番目の処理後ラインデータをラインメモリ113に(図3(f)3)にそれぞれ同一のライン周期内に書き込む。
【0041】
ここで、ラインメモリ111では、0番目のラインデータを読み出して、同一ライン周期内の直後に1番目のラインデータを書き込んでいる(図3(g)0,(d)1)。同様に、ラインメモリ112では、1番目のラインデータを読み出して、同一ライン周期内の直後に2番目のラインデータを書き込んでいる(図3(h)1,(e)2)。更に同様に、ラインメモリ113では、2番目のラインデータを読み出して、同一ライン周期内の直後に3番目のラインデータを書き込んでいる(図3(i)2,(f)3)。
【0042】
0番〜3番の4本の処理前ラインデータによるデータラインブロックをそれぞれのラインメモリ111〜113から読み出すリードサイクルは、処理前入力水平同期信号HVIで起動される。また、0番〜3番の4本の処理後ラインデータによるデータラインブロックをそれぞれのラインメモリ111〜113に書き込むライトサイクルは、処理後入力水平同期信号GHVIで起動される。ここで、処理後入力水平同期信号GHVIは処理前入力水平同期信号HVIに対して所定量の遅延が設けられているために(図4参照)、同一ライン周期内における同一のラインメモリのラインデータの読み出しと書き込みとが可能になる。
【0043】
ラインメモリ111に書き込んだ1番目の処理後ラインデータを次のライン周期内で読み出してシリアルデータとして外部に出力する(図3(g)1)。そして、同一ライン周期内に、4番目の処理前ラインデータを書き込む(図3(d)4)。ここで、ラインメモリ111では、1番目の処理後ラインデータを読み出して、その直後に4番目の処理前ラインデータを書き込んでいる。ここで、4番目の処理前ラインデータをラインメモリ111に書き込むライトサイクルは、処理前入力水平同期信号HVIで起動される。そのため、ラインメモリ111から1番目の処理後ラインデータを読み出すリードサイクルは、ラインメモリ111へのライトサイクルが始まる前に開始しなくてはならない。そこで、ラインメモリ111から1番目の処理後ラインデータを読み出すリードサイクルを処理前入力水平同期信号HVIで起動する。なお、同一ライン周期内では、ライトサイクルよりもリードサイクルが先に実行されるように設定している。そして、ラインメモリ111から読み出した1番目の処理後ラインデータを、処理後出力水平同期信号HVOに調整して出力する。処理前入力水平同期信号HVIで起動したリードサイクルで1番目の処理後ラインデータを読み出して、その後で処理前入力水平同期信号HVIで起動したライトサイクルで4番目の処理前ラインデータを書き込むことによって、同一ライン周期内における同一のラインメモリのラインデータの読み出しと書き込みとが可能になる。
【0044】
ラインメモリ112に書き込んだ2番目の処理後ラインデータを次のライン周期内で読み出してシリアルデータとして外部に出力する(図3(h)2)。そして、同一ライン周期内に、5番目の処理前ラインデータを書き込む(図3(e)5)。ここで、ラインメモリ112では、2番目の処理後ラインデータを読み出して、その直後に5番目の処理前ラインデータを書き込んでいる。ここで、5番目の処理前ラインデータをラインメモリ112に書き込むライトサイクルは、処理前入力水平同期信号HVIで起動される。そのため、ラインメモリ112から2番目の処理後ラインデータを読み出すリードサイクルは、ラインメモリ112へのライトサイクルが始まる前に開始しなくてはならない。そこで、ラインメモリ112から2番目の処理後ラインデータを読み出すリードサイクルを処理前入力水平同期信号HVIで起動する。なお、同一ライン周期内では、ライトサイクルよりもリードサイクルが先に実行されるように設定している。そして、ラインメモリ112から読み出した2番目の処理後ラインデータを、処理後出力水平同期信号HVOに調整して出力する。処理前入力水平同期信号HVIで起動したリードサイクルで2番目の処理後ラインデータを読み出して、その後で処理前入力水平同期信号HVIで起動したライトサイクルで5番目の処理前ラインデータを書き込むことによって、同一ライン周期内における同一のラインメモリのラインデータの読み出しと書き込みとが可能になる。
【0045】
ラインメモリ113に書き込んだ3番目の処理後ラインデータを次のライン周期内で読み出してシリアルデータとして外部に出力する(図3(i)3)。そして、同一ライン周期内に、6番目の処理前ラインデータを書き込む(図3(f)6)。ここで、ラインメモリ113では、3番目の処理後ラインデータを読み出して、その直後に6番目の処理前ラインデータを書き込んでいる。ここで、6番目の処理前ラインデータをラインメモリ113に書き込むライトサイクルは、処理前入力水平同期信号HVIで起動される。そのため、ラインメモリ113から3番目の処理後ラインデータを読み出すリードサイクルは、ラインメモリ113へのライトサイクルが始まる前に開始しなくてはならない。そこで、ラインメモリ113から3番目の処理後ラインデータを読み出すリードサイクルを処理前入力水平同期信号HVIで起動する。なお、同一ライン周期内では、ライトサイクルよりもリードサイクルが先に実行されるように設定している。そして、ラインメモリ113から読み出した3番目の処理後ラインデータを、処理後出力水平同期信号HVOに調整して出力する。処理前入力水平同期信号HVIで起動したリードサイクルで3番目の処理後ラインデータを読み出して、その後で処理前入力水平同期信号HVIで起動したライトサイクルで6番目の処理前ラインデータを書き込むことによって、同一ライン周期内における同一のラインメモリのラインデータの読み出しと書き込みとが可能になる。
【0046】
そして、これ以後、同一ライン周期内に、処理前・メモリ出力タイミングの直後に処理後・メモリ入力タイミングを実行するように制御し、同一ライン周期内に、処理後・メモリ出力タイミングの直後に処理前・メモリ入力タイミングを実行するように制御する、といった手順を、ラインデータの全てについて繰り返す。
【0047】
なお、以上のメモリ制御装置100は、画像処理装置200など各種の信号処理装置を対象として、画像処理装置200への入力側のラインメモリの制御および出力側のラインメモリの制御を統合的に制御する装置である。
【0048】
入力側(処理前)のラインメモリ制御では、シリアルデータ形式で入力されるラインデータをパラレルデータ形式のデータラインブロックに変換して出力する。出力側(処理後)のラインメモリ制御では、パラレルデータ形式のデータラインブロックを分解してシリアルデータ形式のラインデータに変換して出力する。
【0049】
処理前ラインデータでは処理前入力水平同期信号HVIに同期して入力され、パラレルデータ形式のデータラインブロックでは処理前出力水平同期信号GHVOに調整して出力する。一方、処理後ラインデータではデータラインブロックとして処理後入力水平同期信号GHVIに同期して入力され、データラインブロックを分解してシリアルデータ形式に変化したラインデータを処理後出力水平同期信号HVOに調整して出力する。
【0050】
また、以上の図3の具体的な説明を定数に置き換えると以下のようになる。ここで、ラインメモリの数をn(nは正の整数)、ラインデータの番号をk(kは正の整数)、データラインブロックの本数をn+1とする。
【0051】
k番〜k+n番のn+1本の処理前ラインデータによるデータラインブロックをそれぞれのラインメモリから読み出すリードサイクルは、処理前入力水平同期信号HVIで起動される。また、k番〜k+n番のn+1本の処理後ラインデータによるデータラインブロックをそれぞれのラインメモリに書き込むライトサイクルは、処理後入力水平同期信号GHVIで起動される。ここで、処理後入力水平同期信号GHVIは処理前入力水平同期信号HVIに対して所定量の遅延が設けられているために(図4参照)、同一ライン周期内における同一のラインメモリのラインデータの読み出しと書き込みとが可能になる。
【0052】
ラインメモリに書き込んだk番目の処理後ラインデータを次のライン周期内で読み出してシリアルデータとして外部に出力する。そして、同一ライン周期内に、k+n番目の処理前ラインデータを書き込む。ここで、ラインメモリでは、k番目の処理後ラインデータを読み出して、その直後にk+n番目の処理前ラインデータを書き込んでいる。ここで、n+1番目の処理前ラインデータをラインメモリに書き込むライトサイクルは、処理前入力水平同期信号HVIで起動される。そのため、ラインメモリ111から1番目の処理後ラインデータを読み出すリードサイクルは、ラインメモリ111へのライトサイクルが始まる前に開始しなくてはならない。そこで、ラインメモリからk番目の処理後ラインデータを読み出すリードサイクルを処理前入力水平同期信号HVIで起動する。なお、同一ライン周期内では、ライトサイクルよりもリードサイクルが先に実行されるように設定している。そして、ラインメモリから読み出したk番目の処理後ラインデータを、処理後出力水平同期信号HVOに調整して出力する。処理前入力水平同期信号HVIで起動したリードサイクルでk番目の処理後ラインデータを読み出して、その後で処理前入力水平同期信号HVIで起動したライトサイクルでk+n番目の処理前ラインデータを書き込むことによって、同一ライン周期内における同一のラインメモリのラインデータの読み出しと書き込みとが可能になる。
【0053】
そして、以上の実施形態によれば、データラインブロック生成(シリアル−パラレル変換)と、データラインブロック分解(パラレル−シリアル変換)について、同じラインメモリを用いて、重複するタイミングに異なる処理が可能になる。すなわち、ラインメモリを用いたシリアル−パラレル変換回路とパラレル−シリアル変換回路とにおいて効率的なラインメモリの配置と使用が可能になる。また、このような効率的なラインメモリの配置により、メモリ容量を従来よりも削減することができ、集積回路化にも適した状態になる。
【0054】
〔その他の実施形態〕
なお、以上の実施形態で説明に用いた具体例に関しては各種の変更が可能であり、説明に用いた具体例に限定されるものではない。
【0055】
また、以上の実施形態は、各種の画像処理装置、画像形成装置に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0056】
100 メモリ制御装置
101 メモリ制御部
110 ラインメモリ群
111−113 ラインメモリ
200 画像処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリアルデータ形式で入力される複数ライン分のラインデータを複数のラインメモリで記憶して複数ライン分を同時に読み出すことでパラレルデータ形式のデータラインブロックに変換して画像処理装置に送り出すと共に、前記画像処理装置でデータラインブロックとして処理されたパラレルデータ形式のラインデータを複数のラインメモリで記憶して順次読み出すことでシリアルデータ形式の複数ライン分のラインデータに変換して出力するメモリ制御方法であって、
前記画像処理装置で処理前のラインデータを記憶する前記ラインメモリと前記画像処理装置で処理後のラインデータを記憶する前記ラインメモリとを同一のラインメモリで構成し、
前記シリアルデータ形式で入力される前記ラインデータを前記ラインメモリで記憶する処理前・メモリ入力タイミング,前記ラインメモリに記憶された処理前のラインデータを前記パラレルデータ形式で読み出す処理前・メモリ出力タイミング,前記画像処理装置で処理後のパラレルデータ形式の前記ラインデータを前記ラインメモリで記憶する処理後・メモリ入力タイミング,前記ラインメモリで記憶された処理後の前記ラインデータを前記シリアルデータ形式で読み出す処理後・メモリ出力タイミング,の4タイミングをラインメモリに対して制御する際に、
同一ライン周期内に、処理前・メモリ出力タイミングの直後に処理後・メモリ入力タイミングを実行するように制御すると共に、同一ライン周期内に、処理後・メモリ出力タイミングの直後に処理前・メモリ入力タイミングを実行するように制御する、
ことを特徴とするメモリ制御方法。
【請求項2】
同一ライン周期内で異なるタイミング信号に基づいて、処理前・メモリ出力タイミングの直後に処理後・メモリ入力タイミングを同一ライン周期内に実行するように制御し、
同一ライン周期内でリードサイクルの後にライトサイクルを定めておき、処理後・メモリ出力タイミングの直後に処理前・メモリ入力タイミングを同一ライン周期内に実行するように制御する、
ことを特徴とする請求項1記載のメモリ制御方法。
【請求項3】
シリアルデータ形式で入力される複数ライン分のラインデータを複数のラインメモリで記憶して複数ライン分を同時に読み出すことでパラレルデータ形式のデータラインブロックに変換して画像処理装置に送り出すと共に、前記画像処理装置でデータラインブロックとして処理されたパラレルデータ形式のラインデータを複数のラインメモリで記憶して順次読み出すことでシリアルデータ形式の複数ライン分のラインデータに変換して出力するメモリ制御装置であって、
前記画像処理装置で処理前のラインデータを記憶する前記ラインメモリと前記画像処理装置で処理後のラインデータを記憶する前記ラインメモリとを同一のラインメモリで構成し、
前記シリアルデータ形式で入力される前記ラインデータを前記ラインメモリで記憶する処理前・メモリ入力タイミング,前記ラインメモリに記憶された処理前のラインデータを前記パラレルデータ形式で読み出す処理前・メモリ出力タイミング,前記画像処理装置で処理後のパラレルデータ形式の前記ラインデータを前記ラインメモリで記憶する処理後・メモリ入力タイミング,前記ラインメモリで記憶された処理後の前記ラインデータを前記シリアルデータ形式で読み出す処理後・メモリ出力タイミング,の4タイミングをラインメモリに対して制御する制御部を備え、
前記制御部は、同一ライン周期内に、処理前・メモリ出力タイミングの直後に処理後・メモリ入力タイミングを実行するように制御すると共に、同一ライン周期内に、処理後・メモリ出力タイミングの直後に処理前・メモリ入力タイミングを実行するように制御する、
ことを特徴とするメモリ制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、同一ライン周期内で異なるタイミング信号に基づいて、処理前・メモリ出力タイミングの直後に処理後・メモリ入力タイミングを同一ライン周期内に実行するように制御すると共に、同一ライン周期内でリードサイクルの後にライトサイクルを定めておき、処理後・メモリ出力タイミングの直後に処理前・メモリ入力タイミングを同一ライン周期内に実行するように制御する、
ことを特徴とする請求項3記載のメモリ制御装置。
【請求項5】
請求項3もしくは請求項4のメモリ制御装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−88996(P2012−88996A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−236355(P2010−236355)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】