説明

メラニン凝集ホルモン受容体−1拮抗薬としてのチエノピリミジノン誘導体

本願は、式Iの化合物、例えばそのすべての立体異性体、溶媒和物、プロドラッグおよび医薬的に許容される形態を提供する。また、本願は、少なくとも一つの式Iの化合物および適宜少なくとも一つの別の治療剤を含む医薬組成物を提供する。最後に、本願は、式Iの化合物の治療上の有効な用量の投与によって、MCHR−1調節疾患または障害、例えば、肥満症、糖尿病、うつ病または不安症を患っている患者の処置方法を提供する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景技術)
数株の薬理学的および遺伝的証拠によって、食物摂取および体重のモジュレータとしてのメラニン凝集ホルモン受容体−1(以下「MCHR1」という)の役割が支持される。MCHの中枢投与は、ラットとマウスの両方の食物摂取および体重を増大させる。MCHの慢性ICV注入は、マウスにおける食物摂取の増大および最終的には肥満症を引き起こすが、MCHペプチド拮抗薬の注入は、MCHによって誘導される食物摂取を遮断し、食餌誘発性肥満マウスにおける体重減少および摂食(feeding)の減少をもたらす。
【0002】
MCHペプチドと受容体の両方の発現は、栄養状態によって調節される。MCH mRNAは、食欲過剰の肥満マウス(ob/ob)と絶食動物(fasted animal)の両方でアップレギュレート(upregulate)される。MCHペプチドについての遺伝子の標的破壊は、食欲不振をもたらし、痩せさせる。MCHR1遺伝子の破壊は、痩せ、変化した代謝、および軽度の過食(mild hyperphagia)を伴った過度の運動(hyperlocomotion)を引き起こす。逆に、MCHペプチドの過剰発現は、過食症、肥満症および糖尿病を引き起こす。小分子MCHR1拮抗薬が、経口投与と腹腔内投与の両方の後に、体重およびフィードモデル(feeding model)であるげっ歯類の体重減少を引き起こすことが示されている;Eur. J. Pharmacol., 438, 129-135, 2002, Nat. Med., 8, 825-830, 2002, Eur. J. Pharmacol., 497, 41-47, 2004.
【0003】
多数の非ペプチドMCHR1拮抗薬が開示されている。各々についての種類の範囲は、MCHR1アゴニストとしてのリガンド認識に要求される基準に関して共通の認識を表している。MCHR1の公開特許の最近の概説によって、以下の記載からこれらの構造の共通性が重視される;「Ubiquitous throughout the MCH patent literature are molecules consisting of a central scaffold to which linkers to an aryl or heteroaryl group and a basic amino functionality are attached」(T. J. Kowalski and M. D. MacBriar, Expert Opin. Investig. Drugs 13, 1113 - 1122, 2004)。これらの種類(geni)のファーマコフォアモデルは、拮抗薬リガンドの塩基性アミン中心と、受容体のアスパラギン酸123との間で前もって必要となることが推定される静電相互作用を常に想定しており、おそらく、それはMCHペプチドアゴニストのアルギニン14と、MCHR1受容体のアスパラギン酸123との間の必須の相互作用を模倣していると考えられる(T. Ulven, J. Med. Chem. 2005, 48, 5684 - 5697)。しかしながら、この塩基性アミンをMCHR1拮抗薬に組み入れることによって、オフターゲットのイオンチャネルおよび生体アミン受容体への結合の可能性が実質的に増大する。
【0004】
本明細書では、我々は一連の新規の選択的高親和性MCHR1拮抗薬について記載し、それはWO 03/033476に記載されている塩基性アミン部位を、非塩基性の極性官能基で置換することによって得られた。さらに、この構造上の改変は、他の生体アミン受容体への結合、並びに心臓におけるHERG受容体への結合の予期せぬ消失をもたらす。リガンド占有率は致死性不整脈の開始と関連しているので、HERG受容体についての親和性の低下(reduction)/消滅(abolition)は特に重要である。
【0005】
詳細な記載
本願は、式IおよびIIの化合物、例えばそのすべての立体異性体、溶媒和物、プロドラッグおよび医薬的に許容される形態を提供する。また、本願は、少なくとも一つの式IまたはIIの化合物および適宜少なくとも一つの別の治療剤を含む医薬組成物を提供する。最後に、本願は、式I:
【化1】

[式中、
1は独立して、水素、ハロゲン、低級アルキル、低級シクロアルキル、アリール、CF3、CN、NR77、OR6およびSR6からなる群より選択され;
2は、水素および低級アルキルからなる群より選択され;
3は独立して、水素、ハロゲン、低級アルキルからなる群より選択され;
4は、ヒドロキシルまたはG−D2−Znからなる群より選択され、その中で、R4およびR5は一緒になって、4から7原子の環を形成してもよく;
5は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、低級アルキル、低級シクロアルキル、CF3、SR6、低級アルコキシ、低級シクロアルコキシ、CN、CONR77、SOR6、SO26、NR7COR7、NR7CO27、CO26、ヘテロアリール、NR7SO26およびCOR6からなる群より選択され;
mは、0から1の整数であり;
nは、1から3の整数であり;
Gは、直接結合、O、SおよびCR77からなる群より選択され;
2は、直接結合、低級アルキル、低級シクロアルキルおよび4から6員非塩基性ヘテロ環からなる群より選択され;
Zは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、低級アルコキシ、低級シクロアルキル、低級シクロアルコキシ、OCOR6、OCONR77、CN、CONR77、OSO26、SR6、SOR6、SO26、NR7COR7、NR7CONR77、NR7CO27、CO27、ヘテロ環、ヘテロアリール、OPO(OR62、NR7SO26およびCOR6からなる群より選択され;
6は独立して、低級アルキル、低級シクロアルキル、ヘテロ環およびヘテロアリールからなる群より選択され;並びに
7は独立して、水素、低級アルキル、低級シクロアルキルおよびヘテロ環からなる群より選択され、その中で、2つのR7およびそれらに結合する原子は、4から7原子の環を適宜形成しうる]
または式II:
【化2】

[式中、
Aは、フェニルおよび単環式ヘテロアリールからなる群より選択され;
Dは、CH2および直接結合からなる群より選択され;
1は独立して、水素、ハロゲン、低級アルキル、低級シクロアルキル、CF3、OR6およびSR6からなる群より選択され;
2は、水素および低級アルキルからなる群より選択され;
4は、ヒドロキシルまたはG−D2−Znからなる群より選択され;
nは、1から3の整数であり;
5は、水素、ハロゲン、低級アルキル、低級シクロアルキル、CF3、SR6、低級アルコキシ、低級シクロアルコキシ、CN、CONR77、SOR6、SO26、NR7COR7、NR7CO27、CO26、ヘテロアリール、NR7SO26およびCOR6からなる群より選択され;
Gは、O、SおよびCR77からなる群より選択され;
2は、直接結合、低級アルキル、低級シクロアルキルおよび4から6員非塩基性ヘテロ環からなる群より選択され;
Zは、水素、ヒドロキシル、低級アルコキシ、低級シクロアルコキシ、OCONR77、CN、CONR77、SOR6、SO26、NR7COR7、NR7CO27、CO26、ヘテロアリール、NR6SO26およびCOR6からなる群より選択され;
6は独立して、低級アルキルおよび低級シクロアルキルからなる群より選択され;並びに
7は独立して、水素、低級アルキルおよび低級シクロアルキルからなる群より選択され、その中で、2つのR7およびそれらに結合する原子は、4から7原子の環を適宜形成しうる]
の化合物の治療上の有効な用量の投与によって、MCHR−1調節疾患または障害(MCHR-1 modulated disease or disorder)、例えば、肥満症、糖尿病、うつ病または不安症を患っている患者の治療方法を提供する。
【0006】
定義
特に断りがなければ、単独または別の基の一部として本明細書で用いられる用語「低級アルキル」には、1から8個の炭素を含む直鎖および分枝鎖の炭化水素が含まれ、単独または別の基の一部として本明細書で用いられる用語「アルキル」および「アルク(alk)」には、ノルマル鎖(normal chain)中に、1から20個の炭素、好ましくは1から10個の炭素、より好ましくは1から8個の炭素を含む直鎖および分枝鎖の炭化水素、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、4,4−ジメチルペンチル、オクチル、2,2,4−トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、その様々な分枝鎖異性体など、並びに1から4個の置換基、例えばハロ(例えばF、Br、ClもしくはI)またはCF3、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アリール(アリール)またはジアリール、アリールアルキル、アリールアルキルオキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アシル、アルカノイル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、シクロヘテロアルキル、アリールヘテロアリール、アリールアルコキシカルボニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、アリールオキシアルキル、アリールオキシアリール、アルキルアミド、アルカノイルアミノ、アリールカルボニルアミノ、ニトロ、シアノ、チオール、ハロアルキル、トリハロアルキルおよび/またはアルキルチオを含むような基が含まれる。
【0007】
特に断りがなければ、単独または別の基の一部として本明細書で用いられる用語「シクロアルキル」には、1から3個の環(そのいずれか一つは、適宜スピロ置換シクロアルキルであってもよい)を含んだ飽和または一部不飽和(1もしくは2個の二重結合を含む)環状炭化水素基、例えば、環を形成する合計3から20個の炭素、好ましくは環を形成する3から10個の炭素を含む、単環式アルキル、二環式アルキルおよび三環式アルキルが含まれ、それはアリールについて記載したように1または2個の芳香環に縮合していてもよく、それには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシルおよびシクロドデシル、シクロヘキセニル、
【化3】

が含まれ、いずれのその基も、1から4個の置換基、例えばハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アリール、アリールオキシ、アリールアルキル、シクロアルキル、アルキルアミド、アルカノイルアミノ、オキソ、アシル、アリールカルボニルアミノ、ニトロ、シアノ、チオールおよび/またはアルキルチオ、および/またはいずれのアルキル置換基でも適宜置換されうる。
【0008】
本明細書で用いられる用語「ヘテロシクロ」、「ヘテロ環(heterocycle)」、「ヘテロシクリル」または「ヘテロ環(heterocyclic ring)」は、飽和または不飽和であってもよい無置換または置換された安定な4から7員単環式環化合物を表し、それは、窒素、酸素または硫黄から選択される1から4個のヘテロ原子と共に炭素原子からなり、その中で、窒素および硫黄ヘテロ原子は適宜酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は適宜四級化されていてもよい。該ヘテロ環は、いずれのヘテロ原子または炭素原子でも結合して、安定な構造の生成をもたらしうる。このようなヘテロ環基の例には、これらに限らないが、ピペリジニル、ピペラジニル、オキソピペラジニル、オキソピペリジニル、オキソピロリジニル、オキソアゼピニル、アゼピニル、ピロリル、ピロリジニル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、テトラヒドロピラニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、オキサジアゾリル、並びにKatritzky, A. R. and Rees, C. W., eds. Comprehensive Heterocyclic Chemistry: The Structure, Reactions, Synthesis and Uses of Heterocyclic Compounds 1984, Pergamon Press, New York, NY;およびKatritzky, A. R., Rees, C. W., Scriven, E. F., eds. Comprehensive Heterocyclic Chemistry II: A Review of the Literature 1982-1995 1996, Elsevier Science, Inc., Tarrytown, NY;およびその中の引用文献に記載されている他のヘテロ環が含まれる。
【0009】
単独または別の基の一部として本明細書で用いられる用語「アルカノイル」とは、カルボニル基に結合したアルキルをいう。
【0010】
単独または別の基の一部として本明細書で用いられる用語「ハロゲン」または「ハロ」とは、塩素、臭素、フッ素、およびヨウ素をいい、塩素またはフッ素が好ましい。
【0011】
用語「金属イオン」とは、アルカリ金属イオン、例えばナトリウム、カリウムもしくはリチウム、およびアルカリ土類金属イオン、例えばマグネシウムおよびカルシウム、並びに亜鉛およびアルミニウムをいう。
【0012】
特に断りがなければ、単独または別の基の一部として本明細書で用いられる用語「アリール(aryl)」または「アリール(Aryl)」とは、環部位に6から10個の炭素を含む単環式および二環式芳香族基(例えばフェニルまたはナフチル、例えば1−ナフチルおよび2−ナフチル)をいい、炭素環またはヘテロ環(例えばアリール、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはシクロヘテロアルキル環、例えば、
【化4】


)に縮合した1から3個の別の環を適宜含んでいてもよく、水素、ハロ、ハロアルキル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルケニル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アルキニル、シクロアルキル−アルキル、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、アリールオキシ、アリールオキシアルキル、アリールアルコキシ、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルケニル、アミノカルボニルアリール、アリールチオ、アリールスルフィニル、アリールアゾ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アリールチオアルキル、アルコキシアリールチオ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールスルフィニル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニルアミノおよびアリールスルホンアミノカルボニルおよび/または本明細書で説明したいずれのアルキル置換基から選択される1、2、または3個の基で、利用可能な炭素原子を通して適宜置換されうる。
【0013】
特に断りがなければ、単独または別の基の一部として本明細書で用いられる用語「ヘテロアリール」とは、1、2、3または4個のヘテロ原子、例えば窒素、酸素または硫黄を含む5または6員芳香環をいう。このような環は、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルに縮合していてもよく、Katritzky, A. R. and Rees, C. W., eds. Comprehensive Heterocyclic Chemistry: The Structure, Reactions, Synthesis and Uses of Heterocyclic Compounds 1984, Pergamon Press, New York, NY; and Katritzky, A. R., Rees, C. W., Scriven, E. F., eds. Comprehensive Heterocyclic Chemistry II: A Review of the Literature 1982-1995 1996, Elsevier Science, Inc., Tarrytown, NY;並びにその中の引用文献に記載されているN−オキシドとして可能なものを含む。さらに、本明細書で定義される「ヘテロアリール」は、一つまたはそれ以上の置換基、例えば上記の「置換アルキル」および「置換アリール」の定義に含まれる置換基で適宜置換されうる。ヘテロアリール基の例には、以下:
【化5】

【化6】

などが含まれる。
【0014】
特に断りがなければ、単独または別の基の一部として本明細書で用いられる用語「低級アルコキシ」、「アルコキシ」、「アリールオキシ」または「アラルコキシ」には、酸素原子に結合したいずれの上記のアルキル、アラルキルまたはアリール基も含まれる。
【0015】
特に断りがなければ、単独または別の基の一部として本明細書で用いられる用語「低級アルキルチオ」、「アルキルチオ」、「アリールチオ」または「アラルキルチオ」には、硫黄原子に結合したいずれの上記のアルキル、アラルキルまたはアリール基も含まれる。
【0016】
本明細書で用いられる用語「ポリハロアルキル」とは、2から9個、好ましくは2から5個のハロ置換基、例えばFまたはCl、好ましくはFを含む上記に定義した「アルキル」基、例えばCF3CH2、CF3またはCF3CF2CH2をいう。
【0017】
本明細書で用いられる用語「ポリハロアルキルオキシ」とは、2から9個、好ましくは2から5個のハロ置換基、例えばFまたはCl、好ましくはFを含む上記に定義した「アルコキシ」または「アルキルオキシ」基、例えばCF3CH2O、CF3OまたはCF3CF2CH2Oをいう。
【0018】
本願の式Iの化合物は、以下の反応式およびその記載、並びに当業者に用いられうる公開された関連文献の方法に示されるように製造されうる。これらの反応について例示された試薬および方法は、以下および実施例に記載される。
【0019】
略語
以下の略語が本明細書で用いられる:
Ph = フェニル
Bn = ベンジル
t−Bu = 三級ブチル
Me = メチル
Et = エチル
TMS = トリメチルシリル
TBS = tert−ブチルジメチルシリル
THF = テトラヒドロフラン
Et2O = ジエチルエーテル
EtOAc = 酢酸エチル
DMF = ジメチルホルムアミド
MeOH = メタノール
EtOH = エタノール
i−PrOH = イソプロパノール
HOAcまたはAcOH = 酢酸
TFA = トリフルオロ酢酸
i−Pr2NEt = ジイソプロピルエチルアミン
Et3N = トリエチルアミン
DMAP = 4−ジメチルアミノピリジン
NaBH4 = 水素化ホウ素ナトリウム
n−BuLi = n−ブチルリチウム
Pd/C = パラジウム炭素
KOH = 水酸化カリウム
NaOH = 水酸化ナトリウム
LiOH = 水酸化リチウム
2CO3 = 炭酸カリウム
NaHCO3 = 炭酸水素ナトリウム
Ar = アルゴン
2 = 窒素
min = 分
hまたはhr = 時間
L = リットル
mL = ミリリットル
μL = マイクロリットル
g = グラム
mg = ミリグラム
mol = モル
mmol = ミリモル
meq = ミリ当量
RT = 室温
satまたはsat’d = 飽和
aq. = 水
TLC = 薄層クロマトグラフィー
HPLC = 高速液体クロマトグラフィー
LC/MS = 高速液体クロマトグラフィー/質量分析
MSまたはMass Spec = 質量分析
NMR = 核磁気共鳴
mp = 融点
【0020】
製造方法
反応式1で要約されるように、式2の化合物を式3の化合物と縮合させて、チオフェノピリミドンの中央の二環式基をインサイツ(in situ)で生成させるか、あるいは式19のアルキル化剤または式24のホウ酸のようなアリール化剤による式18の化合物のアルキル化/アリール化によって、式Iの化合物を製造してもよい。製造されている式Iの特定の分子によっては、式Iのコア構造の集合後に、R4を十分に完成させるか、または合成してもよい。
反応式1
【化7】

【0021】
具体的には、熱EtOHのような溶媒中で式2の化合物を式3の化合物と縮合させることによって、式Iの化合物を製造してもよい(反応式2)。式2の化合物は、ジメチルホルムアミドジメチルアセタールと共に式4の化合物を加熱することによって、WO2003/033476に記載されているように製造されうる。式4の化合物の製造は、WO1998/49899に記載されている。Dが結合である式3のアミンは、EtOHのような溶媒中、Pd/Cのような触媒を用いた触媒的水素化で、またはEtOAcのような溶媒中、SnCl2による還元で、式5のニトロ芳香族類を還元することによって製造されうる。G=OまたはSであり、Dが結合である式5の化合物は、当業者によく知られている方法を用いることによって、DMFのような溶媒中、Cs2CO3またはK2CO3のような塩基の存在下、式7の適当なアルキル化剤で、対応する式6のフェノールまたはチオフェノールのアルキル化によって製造されうる。あるいは、式5の化合物は、NaH2PO4を含有する15% H2O/MeCNのような溶媒中、熱的に、または好ましくはマイクロ波で、式7aのエポキシドと共に、式6の化合物のアルカリ金属塩を加熱することによって製造されうる。式5の化合物はまた、DMFのような溶媒中、式9の化合物のあらかじめ作成したナトリウム塩と共に、式8の化合物を加熱することによっても製造されうる。式6および8の化合物は、市販品として入手可能であるか、または式6の場合、当業者に公知の方法を用いて、アシル化、ニトロ化またはスルホン化(sulfonalation)の手順によって、対応するニトロ化されていないフェノールから容易に製造されうる。
反応式2
【化8】

【0022】
G=アルキリジン(alkylidine)であり、Dが結合である式Iの化合物(反応式3)は、式2の化合物を、式5’の化合物の還元で先に記載したように製造されている式3の化合物と縮合させることによって製造されうる。式5’の化合物は、当業者によく知られている方法を用いて、式9のアミンまたは式10のアルコールの誘導体化によって製造されうる。式9のアミンおよび式10のアルコールは、THFのような溶媒中、それぞれ式11のアミドおよび酸のBH3を介した還元によって製造されうる。式11の化合物は、市販品として入手可能なアリール酢酸および式12のヒドロ桂皮酸をニトロ化し、続いて適当な場合には、対応するアミドに変換することによって製造されうる。
反応式3
【化9】

【0023】
1がメチレンであり、GがOまたはSである式Iの化合物(反応式4)は、NaHまたはCs2CO3のような塩基の存在下、DMFのような溶媒中、化合物13の置換基GHをR4に変換するのに必要な断片Z−D2を組み入れる薬剤による、式13の化合物のアルキル化によって製造されうる。式13の化合物は、CH2Cl2のような溶媒中、BBr3のような試薬で、式14の化合物を脱メチル化することによって製造されうる。式14の化合物は、式15の化合物を式2の化合物と縮合させることによって製造されうる。市販品として入手可能でない式15の化合物は、THFのような溶媒中、LiAlH4またはBH3のような還元剤で、式16のアリールニトリルまたは一級カルボキサミドを還元することによって得てもよい。式16の化合物は、当業者にとって公知の方法によって、市販品として入手可能な安息香酸から製造されうる。式15の化合物はまた、式17の化合物(R=H)をクロロメチル化するか、または式17の化合物(R=Me)を臭素化し、続いてDMFのような溶媒中、生じたハロゲン化ベンジル(benzylic halide)18をNaN3で連続して処理し、続いてEtOHのような溶媒中、Ph3Pで還元するか、またはEtOH中、Pdによる触媒的水素化で還元することによっても製造されうる。
反応式4
【化10】

【0024】
1がメチレンである式Iの化合物を製造するための別法(反応式5)は、G−D2−Zによって記載される十分に構築された置換基R4を有する式20のハロゲン化ベンジルで、または式18のハロゲン化ベンジルで、Cs2CO3のような塩基を含有するDMFのような溶媒中、式19の化合物をアルキル化することを必要とする。化合物18を用いてアルキル化生成物を式Iの化合物に変換することは、化合物14を化合物Iに変換するための反応式に記載した方法を用いて達成されうる。式19の化合物は、WO03/033476に記載されているように製造されうるか、またはジオキサン/Na2CO3水溶液のような溶媒中、(Ph3P)4Pdのような触媒の存在下、式21の化合物を式22の市販品のホウ酸アリールとカップリングさせることによって製造されうる。式21の化合物は、WO98/49899に記載されているように製造されうる。
反応式5
【化11】

【0025】
反応式6において、Dが結合である式Iの化合物は、必要であれば、当業者によく知られている方法を用いて、脱保護、アルキル化および/またはアシル化の手順によって、化合物23の置換基R4'をR4に変換することで製造されうる。式23の化合物は、モレキュラーシーブを含有するCH2Cl2のような溶媒中、Cu(OAc)2の存在下、式22のホウ酸アリールで式19の化合物をアリール化することによって製造されうる。式24のホウ酸アリールは、市販品として入手可能であるか、あるいは市販品の式25の化合物を、THFのような溶媒中、n−BuLiで処理し、続いてBCl3を連続して加え、続いてMeOHを加えるか、またはPd触媒の存在下、ホウ酸26と共に化合物25を攪拌することによって形成されうる。
反応式6
【化12】

【0026】
反応式7において、G=CH2であり、Dが結合である式1の化合物は、当業者によく知られている方法を用いることによって、DMFまたはEtOHのような溶媒中、NaOHまたはNaOR6のような塩基の存在下、対応する式27のベンズアルデヒドを式28の適当なケトンまたは式29のエステルと縮合させることによって製造されうる。G=CH2であり、Dが結合である式3の化合物の製造は、EtOHのような溶媒中、NaBH4のような還元剤で式30の化合物のケトンカルボニルを還元し、続いてEtOHまたはEtOH/EtOAcの混合物中、H2およびPd/Cを用いて触媒的水素化を行うことによって完了されうる。あるいは、式31の化合物は、EtOHまたはEtOH/EtOAcの混合物中、H2およびPd/Cを用いて触媒的水素化を行うことによって、式3の化合物に変換されうる。
反応式7
【化13】

【0027】
用語「プロドラッグ」は、用語「プロドラッグエステル」および用語「プロドラッグエーテル」の両方を含む。本明細書で用いられる用語「プロドラッグエステル」には、当業者に公知の方法を用いて、式Iの化合物の一つまたはそれ以上のヒドロキシルを、アルキル、アルコキシ、もしくはアリール置換アシル化剤またはホスホリル化剤と反応させて、酢酸エステル、ピバル酸エステル、炭酸メチル(methylcarbonate)、安息香酸エステル、アミノ酸エステル、リン酸エステルなどを生成させることによって形成されたエステルおよびカーボネートが含まれる。
【0028】
このようなプロドラッグエステルの例には、
【化14】

が含まれる。
【0029】
用語「プロドラッグエーテル」には、リン酸アセタールおよびO−グルコシドの両方が含まれる。このようなプロドラッグエーテルの代表例には、
【化15】

が含まれる。
【0030】
式Iの化合物は塩として存在してもよく、それもまた本発明の範囲内である。医薬的に許容される(すなわち、無毒の、生理学的に許容される)塩が好ましい。式Iの化合物が、例えば、少なくとも一つの塩基性中心(basic center)を有する場合、これらは酸付加塩を形成しうる。これらは、例えば、強い無機酸、例えば鉱酸(例:硫酸、リン酸またはハロゲン化水素酸)によって形成されるか、有機カルボン酸、例えば無置換であるか、またはクロロ酢酸のようにハロゲンなどで置換された、1〜4個の炭素原子のアルカンカルボン酸(例:酢酸)、例えば飽和または不飽和ジカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸またはテレフタル酸、例えばヒドロキシカルボン酸、例えばアスコルビン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸またはクエン酸、例えばアミノ酸(例えばアスパラギン酸またはグルタミン酸またはリジンまたはアルギン)、または安息香酸によって形成されるか、有機スルホン酸、例えば無置換であるか、またはハロゲンなどによって置換された、(C1−C4)アルキルまたはアリールスルホン酸、例えばメチルスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸などによって形成される。対応する酸付加塩はまた、必要であれば、別に存在する塩基性中心を有するようにも形成されうる。少なくとも一つの酸性基(例えばCOOH)を有する式Iの化合物はまた、塩基と共に塩も形成しうる。塩基との適当な塩は、例えば、金属塩、例えばアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属塩(例えばナトリウム、カリウムもしくはマグネシウム塩)、またはアンモニアもしくは有機アミン(例えばモルホリン、チオモルホリン、ピペリジン、ピロリジン、モノ、ジもしくはトリ低級アルキルアミン、例えばエチル、tert−ブチル、ジエチル、ジイソプロピル、トリエチル、トリブチルもしくはジメチルプロピルアミン、またはモノ、ジもしくはトリヒドロキシ低級アルキルアミン、例えばモノ、ジもしくはトリエタノールアミン)との塩である。さらに、対応する分子内塩が形成されうる。医薬的使用に不適当であるが、例えば、遊離の式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩の単離または精製に用いられうる塩もまた含まれる。
【0031】
塩基性基を含む式Iの化合物の好ましい塩には、一塩酸塩、硫酸水素塩、メタンスルホン酸塩、リン酸塩、硝酸塩または酢酸塩が含まれる。
【0032】
酸性基を含む式Iの化合物の好ましい塩には、ナトリウム塩、カリウム塩およびマグネシウム塩、並びに医薬的に許容される有機アミン類が含まれる。
【0033】
本願の化合物のすべての立体異性体は、混合物で、または純粋もしくは実質的に純粋な形態で意図される。本願の化合物は、いずれか一つのR置換基を含むいずれの炭素原子でも不斉中心を有しうる。その結果、式Iの化合物は、エナンチオマーもしくはジアステレオマーの形態で、またはその混合物で存在しうる。製造工程には、出発物質としてラセミ体、エナンチオマーまたはジアステレオマーが利用されうる。ジアステレオマーもしくはエナンチオマーの生成物が製造される場合、これらは、通常の方法、例えば、クロマトグラフィーまたは分別結晶によって分離されうる。
【0034】
実施例
以下の実施例は、これらに限らないが、本願のいくつかの好ましい態様をより良く説明するのに役立つ。
【0035】
可能であれば、モジュール収束法(modular convergent approach)を利用して、適当なアニリンを合成し、ホルムアミジンと縮合させて、二環式チエノピリミドンコアを生成し、続いて側鎖が必要である場合はその後に合成を行うことを必要とする以下の実施例を製造した。2つの条件を用いてチエノピリミドン二環を構築した:アニリンおよびホルムアミジンを、EtOH中、18時間還流で加熱した。冷却すると生成物が沈殿し、それを濾過で単離した。収率は、典型的には20〜40%であり、めったに40%を超えなかった。あるいは、アニリンおよびホルムアミジンのフェノール溶液を、130℃まで10〜30分間加熱し;続いてMeOHで希釈し、80%近い収率で生成物を濾過で単離した。しかしながら、生成物が沈殿しない場合、単離が退屈なものとなり、収率が急に下がったことに留意せよ。
【0036】
大半のパラアルコキシアニリンは、市販品として入手可能であるか、または3つの方法(A、BまたはC)の一つで合成された。
【0037】
方法A(求核芳香族置換)は、DMF中NaHでナトリウムアルコキシドをあらかじめ形成し、続いて2−クロロ−5−ニトロアニソールを加えることを必要とした。典型的には、反応を90℃で1時間加熱した。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製後、EtOH中、10% Pd/C 触媒的水素化(50ポンド毎平方インチ(psi) H2)によって、ニトロ化アリールエーテルを目的のアニリンに還元した。
【0038】
方法B(塩基で促進するフェノールアルキル化)は、ニトロフェノールのカリウムまたはナトリウム塩と、ハロゲン化アルキルのDMF溶液との混合物を、90℃で2〜4時間加熱することを必要とした。シリカゲルクロマトグラフィーによる単離および精製後、先に記載したように、生成物を目的のアニリンに還元した。
【0039】
方法AまたはBが実行可能でない場合、方法C(塩基で促進するフェノールアルキル化)を用いた。フェノールのカリウムまたはナトリウム塩、NaH2PO4および適当なエポキシドの9:1 MeCN/H2O濃縮懸濁液を、マイクロ波で120〜180℃まで30〜90分間加熱するか、またはスチールボンベ中で1〜8時間加熱した。(反応の間にpHが増加するにつれて、生成物が出発物質のフェノールに逆戻りするのを防ぐためには、NaH2PO4による緩衝が不可欠である。2−クロロ−4−ニトロフェノールのカリウム塩は、〜210℃で急速に分解して、ガス状の生成物を生じるので、小さなスケールの反応であっても、180℃を超える温度を避けて、爆発的な分解の可能性を最小化するべきであることに留意せよ。)シリカゲルクロマトグラフィーによる単離および精製後、先に記載したように、生成物を目的のアニリンに還元した。
【0040】
いくつかの分析HPLC法を利用した;すべて220nMでUV吸収をモニターした:
方法1
フェノメネックス ルナ(Phenomenex Luna) C18 S5 カラム 4.6×50mm、4mL/分で4分グラジエント、10% MeOH/90% H2O/0.2% H3PO4から90% MeOH/10% H2O/0.2% H3PO4、グラジエントの最後に1分保持。
方法2
YMC S5 C18 4.6×50mmカラム、4mL/分で4分グラジエント、10% MeOH/90% H2O/0.2% H3PO4から90% MeOH/10% H2O/0.2% H3PO4、グラジエントの最後に1分保持。
方法3
フェノメネックス S5 C18 4.6×30mmカラム、4mL/分で2分グラジエント、10% MeOH/90% H2O/0.1% TFAから90% MeOH/10% H2O/0.1% TFA、グラジエントの最後に1分保持。
方法4
フェノメネックス S5 C18 4.6×30mmカラム、4mL/分で2分グラジエント、10% MeCN/90% H2O/0.1% TFAから90% MeCN/10% H2O/0.1% TFA、グラジエントの最後に1分保持。
方法5
フェノメネックス ルナ C18 S5カラム 4.6×50mm、4mL/分で4分グラジエント、10% MeCN/90% H2O/0.1% TFAから90% MeCN/10% H2O/0.1% TFA、グラジエントの最後に1分保持。
方法6
ゾルバックス(Zorbax) SB C18 S5カラム 4.6×75mm、2.5mL/分で8分グラジエント、50% 溶媒Bから100% 溶媒B;溶媒A=10% MeOH/90% H2O/0.2% H3PO4;溶媒B=90% MeOH/10% H2O/0.2% H3PO4、100% 溶媒Bで2分保持。
方法7
YMC A300−ODS S−5、4.6mm×50mm;4mL/分で4分グラジエント;A=90:10 水:メタノール+0.2% リン酸、B=10:90 水:メタノール+0.2% リン酸;4分かけて0% Bから100% B、グラジエントの最後に1分保持。
【0041】
10% MeOH/90% H2O/0.1% TFAから90% MeOH/10% H2O/0.1% TFAの適当な混合物によるグラジエント溶離を用い、プレパラティブHPLC条件には、YMC C18 カラムを用いた。時折、10% MeCN/90% H2O/0.1% TFAの混合物および90% MeCN/10% H2O/0.1% TFAの混合物を用いた。該分子が酸感受性成分(acid sensitive component)を含んでいる場合は、TFAを除いた。
【0042】
Waters ZMD シングル四重極型質量分析計(ZMD single quadrapole mass spectrometer)を用いて、質量スペクトルのデータを得た。
【0043】
典型的な条件は、フェノメネックス逆相C18カラム 4.6×50mm、4分グラジエント、10% MeOH/90% H2O/0.1% TFAから90% MeOH/10% H2O/0.1% TFA、1分保持;4mL/分、220 nmでのUV検出であった。
【0044】
実施例1
N−(2−(4−(6−(4−クロロフェニル)−4−オキソチエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)エチル)ピバルアミド
【化16】

パートA N−(2−ヒドロキシエチル)ピバルアミド
エタノールアミン(610mg、10mmol)、KOH(840mg、15mmol)およびH2O(15mL)を含む攪拌した4℃の水溶液に、塩化ピバロイル(1.44g、12mmol)を加え、その上で反応を20℃までゆっくりと加温した。18時間攪拌した後、溶液をEtOAcで4回抽出した。有機層を合わせて、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いでロータリーエバポレーターを用いて濃縮して、透明油を生じた(737mg)。
【0045】
パートB N−(2−(4−アミノ−2−メトキシフェノキシ)エチル)ピバルアミド
【化17】

2下でn−(2−ヒドロキシエチル)−ピバルアミド(360mg、2.5mmol)を含むDMF(2mL)の攪拌溶液に、60% NaH/パラフィン(100mg、2.5mmol)を加えた。いったん気体の放出が止んだら、2−クロロ−5−ニトロアニリン(285mg、1.55mmol)を加え、反応を20℃で18時間攪拌した。反応をH2Oで希釈し、EtOAcで3回抽出した。有機層をNa2CO3水溶液、食塩水で二度洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで濃縮した。25% EtOAc/CH2Cl2を用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって、黄色固形物としてn−(2−(4−ニトロ−2−メトキシフェノキシ)エチル)ピバルアミドを溶離した(360mg)。
【0046】
10% Pd/C(30mg)を含むEtOH(30mL)中でn−(2−(4−アミノ−2−メトキシフェノキシ)エチル)ピバルアミド(360mg、1.2mmol)の溶解を遂行した後、50psiのH2下で、混合物を1時間攪拌した。セライトを通して反応を濾過し、濃縮し、次いでEtOAcを用いて残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに供して、n−(2−(4−アミノ−2−メトキシフェノキシ)エチル)ピバルアミドを溶離した(310mg)。
【0047】
パートC 5−(4−クロロフェニル)−3−((ジメチルアミノ)−メチレンアミノ)チオフェン−2−カルボン酸メチル
【化18】

WO2003033476に記載した方法に従って、標題の化合物を製造した。3−アミノ−5−(4−クロロフェニル)−チオフェン−2−カルボン酸メチル(2.00g)と、ジメチルホルムアミドジメチルアセタールとの縮合を、還流しているEtOH中で3時間行い、揮発物を減圧留去した後に2.52g(100%)を生じた。
1H NMR (CDCl3) δ 3.06 (s, 3H), 3.08 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 6.98 (s, 1H), 7.35 (d, J = 8.79 Hz, 2H), 7.53 (d, J= 8.24 Hz, 2H), 7.69 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 34.31, 40.26, 51.44, 112.43, 122.28, 126.95, 129.09, 132.18, 134.45, 145.79, 156.09, 159.16, 163.22;HPLC(方法#1):保持時間2.45分;MS(ES):m/z 323[M+H]+
【0048】
パートD
【化19】

WO2003033476に記載した方法に従って、n−(2−(4−アミノ−2−メトキシフェノキシ)エチル)ピバルアミド(316mg、1.2mmol)を、5−(4−クロロフェニル)−3−((ジメチルアミノ)メチレンアミノ)チオフェン−2−カルボン酸メチル(355mg、1.1mmol)と縮合させて(2つの成分のEtOH溶液(3mL)を加熱することによる)、15時間還流した。冷却および濾過すると、白色固形物として標題の化合物を単離した。
1H NMR (CDCl3) δ 1.22 (s, 9H), 3.71 (m, 2H), 3.90 (s, 3H), 4.176 (t, 2H, J = 5Hz), 6.35 (m, 1H), 6.94 (dd, 1H, J= 8.2 Hz, J = 2.1 Hz), 6.99 (d, 1H, J = 2.1 Hz), 7.05 (d, 1H, J = 8.2 Hz), 7.45 (d, 2H, JAB = 8.9 Hz), 7.54 (s, 1H), 7.67 (d, 2H, JAB = 8.9 Hz), 8.41 (s, 1H);HPLC(方法#1):3.8分;LCMS m/z:512[M+H]。
【0049】
実施例2
N−(2−(4−(6−(4−クロロフェニル)−4−オキソチエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)エチル)−N−エチルアセトアミド
【化20】

実施例1に記載したものと同じ方法を用いて、n−エチルエタノールアミンを標題の化合物に変換した。
1H NMR (CDCl3) δ 1.16 (t, 0.75H, J = 7 Hz), 1.24 (t, 2.25H, J = 7 Hz), 2.13 (s, 2.25H), 2.24(s, 0.75H), 2.25 (s, 0.75H), 3.49 (q, 2 H, J = 7 Hz), 3.76 (t, 2H, J = 5.7 Hz), 3.87 (s, 0.75H), 3.885 (s, 2.25H), 4.16 (t, 0.5 5H, J = 5.7 Hz), 4.26 (t, 1.5H, J = 5.7 Hz), 6.95 (m, 2H), 7.06 (d, 1H, 9 Hz), 7.44 (d, 2H, JAB = 8.7 Hz), 7.53 (s, 1H), 7.66 (d, 2H, JAB = 8.7 Hz), 8.14 (s, 1H).(加熱すると回転異性体は合体する);HPLC(方法#1):3.67分;LCMS m/z:498[M+H]。
【0050】
実施例3
2−(4−(6−(4−クロロフェニル)−4−オキソチエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)エチルカルバミン酸tert−ブチル
【化21】

パートA 2−(4−アミノ−2−メトキシフェノキシ)エチルカルバミン酸tert−ブチル
【化22】

2CO3(280mg、2mmol)、NaI(700mg、5mmol)、2−メトキシ−4−ニトロフェノールのカリウム塩(1.37g、6.6mmol)、および2−クロロエチルカルバミン酸t−ブチル(1.4g、8mmol)のDMF懸濁液(8mL)を90℃で6時間加熱した。H2Oで希釈した後、混合物をCH2Cl2で4回抽出した。有機層を合わせて、K2CO3水溶液で2回洗浄し、次いで食塩水で洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥した。溶媒を減圧留去した後、5% EtOAc/CH2Cl2を用いて残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに供して、ニトロフェニルエーテル(870mg)を溶離した。実施例1に記載したエタノール中のPd触媒還元によって、灰色がかった白色固形物として2−(4−アミノ−2−メトキシフェノキシ)エチルカルバミン酸tert−ブチル(700mg)を生じ、それをさらに精製することなく繰り越しして用いた。
【0051】
パートB
【化23】

2−(4−アミノ−2−メトキシフェノキシ)エチルカルバミン酸tert−ブチル(700mg)および5−(4−クロロフェニル)−3−((ジメチルアミノ)メチレンアミノ)チオフェン−2−カルボン酸メチル(800mg、2.5mmol)の混合物のEtOH溶液(3mL)を、還流で15時間加熱した後、20℃で静置して形成された固形物を濾過することによって、標題の化合物を得た(560mg)。
1H NMR (CDCl3) δ 1.46 (s, 9H), 3.59 (m, 2H), 3.90 (s, 3H), 4.14 (t, 2H, J = 4.8Hz), 5.14 (m, 1H), 6.94 (dd, 1H, J= 8.4 Hz, J = 2.2 Hz), 6.97 (d, 1H, J = 2.2 Hz), 7.02 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 7.45 (d, 2H, JAB = 8.9 Hz), 7.53 (s, 1H), 7.65 (d, 2H, JAB = 8.9 Hz), 8.13 (s, 1H);HPLC(方法#1) 3.92分;LCMS m/z:528[M+H]。
【0052】
実施例4
N−(2−(4−(6−(4−クロロフェニル)−4−オキソチエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)エチル)アセトアミド
【化24】

2−(4−(6−(4−クロロフェニル)−4−オキソチエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)−エチルカルバミン酸tert−ブチル(15mg、0.03mmol)(実施例3)を含む10% TFA/CH2Cl2溶液(0.5mL)を2.5時間攪拌し、その上で揮発物を減圧留去した。3−(4−(2−アミノエトキシ)−3−メトキシフェニル)−6−(4−クロロフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オンを含む残渣に、CH2Cl2(0.25mL)、Ac2O(20mg、0.2mmol)およびEt3N(74mg、0.7mmol)を連続して加えた。終夜静置した後、反応をNa2CO3水溶液で希釈し、CH2Cl2で4回抽出した。有機層を合わせて食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を除去した後、5〜10% MeOH/EtOAcを用いて残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに供して、目的のアセトアミドを溶離した(12mg)。
1H NMR (CDCl3) δ 2.03 (s, 3H), 3.72 (m, 2H), 3.91 (s, 3H), 4.16 (t, 2H, J = 4.8Hz), 6.13 (m, 1H), 6.94 (dd, 1H, J= 8.4 Hz, J = 2.2 Hz), 6.98 (d, 1H, J = 2.2 Hz), 7.02 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 7.45 (d, 2H, JAB = 8.7 Hz), 7.54 (s, 1H), 7.66 (d, 2H, JAB = 8.7 Hz), 8.14 (s, 1H);HPLC(方法#1):3.67分;LCMS m/z:498[M+H]。
【0053】
実施例5から11
実施例4に記載した一級アミンのアシル化もしくはスルホン化(sulfonalation)による類似の方法、またはその酷似する方法で、これらの誘導体を製造した。
【化25】

【表1】

【0054】
実施例12
6−(4−クロロフェニル)−3−(3−メトキシ−4−(2−(2−オキソピロリジン−1−イル)エトキシ)フェニル)−チエノ[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン
【化26】

パートA 1−(2−(2−メトキシ−4−ニトロフェノキシ)エチル)ピロリジン−2−オン
【化27】

実施例1に記載した方法に従って、2−クロロ−5−ニトロアニソール(200mg)および2−ヒドロキシ−1−(ピロリジン−2−オン(0.18mL)を縮合させて、標題の化合物を得た(64%、191mg)。
1H NMR (CDCl3) δ 2.00-2.06 (m, 2H), 2.36-2.39 (m, 2H), 3.60-3.63 (m, 2H), 3.72-3.74 (m, 2H), 3.92 (s, 3H), 4.22-4.24 (m, 2H), 6.88 (d, J = 8.80 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 2.20 Hz, 1H), 7.87 (dd, J = 8.80 Hz, 2.20 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 18.22, 30.69, 42.08, 49.03, 56.27, 67.84, 106.75, 111.09, 117.66, 141.73, 149.11, 153.46, 175.42;HPLC(方法#1):保持時間2.34分、(100%);LCMS m/z:281[M+H]。
【0055】
パートB
【化28】

実施例1に記載した方法に従って、パートAのニトロアリールエーテルを実施例12に変換し、白色固形物として単離した。
1H NMR (CDCl3) δ 2.02-2.08 (m, 2H), 2.39-2.42 (m, 2H), 3.65-3.68 (m, 2H), 3.74-3.76 (m, 2H), 3.89 (s, 3H), 4.21-4.23 (m, 2H), 6.93 (dd, J = 8.25 Hz, 2.20 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 2.20 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 8.25 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 8.24 Hz, 2H), 7.53 (s, 1H), 7.66 (d, J = 8.25 Hz, 2H), 8.14 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 18.20, 30.77, 42.22, 48.99, 56.11, 67.92, 111.03, 113.22, 119.18, 120.84, 123.17, 127.63, 129.43, 130.28, 131.50, 135.66, 148.12, 148.72, 149.90, 151.66, 156.79, 157.38, 175.36;HPLC(方法#1):保持時間3.56分;MS(ES):m/z 496[M+H]+
【0056】
実施例13
6−(4−クロロフェニル)−3−(3−メトキシ−4−((ピロリジン−1−イルスルホニル)メトキシ)−フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン
【化29】

ピロリジン(1.23mL、14.8mmol)の0℃のCH2Cl2溶液(mL)に、クロロメチルスルホニルクロリド(1.0g、65.71mmol)の溶液を30分かけて加えた。バスを取り除き、反応を20℃で3時間攪拌し、その上でそれをHCl(1N、20mL)で洗浄した。MgSO4で乾燥した後、濃縮することによって黄色固形物(899mg)を生じ、それをさらに精製することなく2−メトキシ−4−ニトロフェノールのカリウム塩をアルキル化するのに用いて、実施例3に記載した方法に従って、最終的に標題の化合物を生じた。
1H NMR (CDCl3) δ 1.96-1.99 (m, 4H), 3.52 (t, 4H), 3.89 (s, 3H), 5.14 (s, 2H), 6.95 (dd, J = 8.25 Hz, 2.20 Hz, 1H), 7.03 (d, J = 2.75 Hz, 1H), 7.27 (d, J = 8.24 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 8.79 Hz, 2H), 7.53 (s, 1H), 7.65 (d, J = 8.80 Hz, 2H), 8.13 (s, 1H);HPLC(方法#1):保持時間4.23分;MS(ES):m/z 532[M+H]。
【0057】
実施例14
2−(4−(6−(4−クロロフェニル)−4−オキソチエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)酢酸tert−ブチル
【化30】

パートA 2−(2−メトキシ−4−ニトロフェノキシ)酢酸tert−ブチル
【化31】

4−ニトログアヤコールカリウム塩(613mg;2.96mmol)およびブロモ酢酸t−ブチル(0.65mL;4.43mmol)のDMF溶液(7mL)を室温で0.5時間攪拌し、次いでH2Oで希釈し、EtOAcで抽出した。有機層をH2Oで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc、100:0から1:1のグラジエント)で精製して、ベージュ色の固形物として標題の化合物を得た(738mg;88%)。
1H NMR (CDCl3) δ 1.46 (s, 9H), 3.96 (s, 3H), 4.67 (s, 2H), 6.77 (d, J = 8.79 Hz, 1H), 7.76 (d, J = 2.74 Hz, 1H), 7.85 (dd, J= 8.80 Hz, 2.75 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 27.98, 56.37, 66.18, 83.09, 107.07, 111.52, 117.28, 142.17, 149.19, 152.69, 166.66;HPLC(方法#1):保持時間3.13分、(97%);MS(ES):m/z 306[M+Na]+
【0058】
パートB 2−(4−アミノ−2−メトキシフェノキシ)酢酸tert−ブチル
【化32】

実施例1に記載したパートAの2−(2−メトキシ−4−ニトロフェノキシ)酢酸tert−ブチル(718mg)の還元によって、601mg(94%)を生じた。
1H NMR (CDCl3) δ 1.45 (s, 9H), 3.48 (br s, 2H), 3.80 (s, 3H), 4.46 (s, 2H), 6.16 (dd, J = 8.80 Hz, 2.75 Hz, 1H), 6.28 (d, J = 2.19 Hz, 1H), 6.70 (d, J= 8.80 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 28.02, 55.71, 67.98, 81.77, 100.78, 106.36, 116.92, 140.41, 141.97, 150.69, 168.60;HPLC(方法#1):保持時間1.43分、(100%);MS(ES):m/z 276[M+Na]+
【0059】
パートC 2−(4−(6−(4−クロロフェニル)−4−オキソチエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)酢酸tert−ブチル
【化33】

5−(4−クロロフェニル)−3−((ジメチルアミノ)メチレン−アミノ)−チオフェン−2−カルボン酸メチル(740mg)および実施例1に記載した2−(4−アミノ−2−メトキシ−フェノキシ)酢酸tert−ブチル パートC(581mg)の縮合によって、標題の化合物を生じた(388mg、34%)。
1H NMR (CDCl3) δ 1.50 (s, 9H), 3.92 (s, 3H), 4.65 (s, 2H), 6.91 (br s, 2H), 6.99 (br s, 1H), 7.44 (d, J = 8.24 Hz, 2H), 7.53 (s, 1H), 7.65 (d, J = 8.25 Hz, 2H), 8.14 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 28.04, 56.21, 66.57, 82.58, 111.28, 113.76, 118.98, 120.86, 123.21, 127.65, 129.45, 130.85, 131.52, 135.68, 148.12, 150.00, 151.66, 156.73, 157.36, 167.51;HPLC(方法#1):保持時間3.89分;MS(ES):m/z 499[M+H]+
【0060】
実施例15
2−(4−(6−(4−クロロフェニル)−4−オキソチエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシ−フェノキシ)酢酸
【化34】

2−(4−(6−(4−クロロフェニル)−4−オキソチエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)酢酸tert−ブチル 実施例14(370mg;0.741mmol)の1:1 TFA/CH2Cl2溶液(6mL)を、室温で1時間攪拌した。減圧濃縮し、トルエンで共沸した後、残渣をMeOHでトリチュレートし、白色固形物として標題の化合物を得た(290mg;88%)。
1H NMR (DMSO-d6) δ 3.79 (s, 3H), 4.75 (s, 2H), 6.99-7.04 (m, 2H), 7.22 (d, J = 2.20 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 8.80 Hz, 2H), 7.91 (d, J = 8.25 Hz, 2H), 7.97 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 13.06 (s, 1H); 13C NMR (DMSO-d6) δ 55.76, 64.86, 111.95, 112.70, 119.41, 121.70, 121.98, 127.83, 129.26, 130.21, 131.18, 134.26, 147.36, 148.80, 149.44, 149.79, 156.06, 157.39, 169.9;HPLC(方法#1):保持時間3.44分;MS(ES):m/z 443[M+H]+
実施例16および17
【化35】

【表2】

【0061】
実施例18
6−(4−クロロフェニル)−3−(3−メトキシ−4−(2−オキソ−2−(ピペリジン−1−イル)エトキシ)フェニル)−チエノ[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン
【化36】

2−(4−(6−(4−クロロフェニル)−4−オキソチエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)酢酸 実施例15(20mg;0.045mmol)、ピペリジン(7μL;0.068mmol)、EDC塩酸塩(10mg;0.054mmol)およびヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(8mg;0.054mmol)のDMF溶液(70μL)並びにCH2Cl2(415μL)を0℃まで冷却した。n−メチルモルホリン(6μL;0.054mmol)を加えた後、溶液を室温まで加温し、23時間攪拌した。減圧濃縮し、水で希釈した後、混合物をEtOAcで抽出した。有機層を水および食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣をMeOH中でトリチュレートして、白色固形物として標題の化合物を得た(20mg;87%)。
1H NMR (CDCl3) δ 1.57-1.67 (m, 6H), 3.52-3.59 (m, 4H), 3.90 (s, 3H), 4.81 (s, 2H), 6.91 (dd, J = 8.25 Hz, 2.20 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 2.75 Hz, 1H), 7.09 (d, J = 8.25 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 8.79 Hz, 2H), 7.53 (s, 1H), 7.66 (d, J = 8.80 Hz, 2H), 8.13 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 24.42, 25.54, 26.47, 43.27, 46.39, 56.15, 68.65, 111.13, 113.98, 119.14, 120.86, 123.21, 127.65, 129.45, 130.75, 131.54, 135.68, 148.14, 148.28, 149.88, 151.66, 156.75, 157.40, 165.65;HPLC(方法#1):保持時間3.65分;MS(ES):m/z 510[M+H]+
【0062】
実施例19から29
実施例18に記載したものに類似する方法で、以下のアミドを実施例15および市販品として入手可能なアミンから合成した。
【化37】

【表3】



【0063】
実施例30から75
これらのアミドを、以下の方法を用いてライブラリ(library)として製造した。
【0064】
続いて以下の溶液を、反応ウェル(reaction well)に加えた:2−(4−(6−(4−クロロフェニル)−4−オキソチエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)酢酸(実施例15に記載した製造)(13.29mg、30μmol)のDMF溶液(300μL)、HOBt(5.07mg、38μmol)のDMF溶液(150μL)並びにEDC(7.19mg、38μmol)およびNEt(iPr)2(26.1mg、150μmol)を含むDMF溶液(150μL)。混合溶液を10分間攪拌した後、アシル化されるべきアミン(38μmol)を含むDMF溶液(150μL)を加えた。生じた混合物を、65℃で終夜攪拌し;その上で、反応を室温まで冷却し、リンス溶媒(rinse solvent)としてDMFを用いて、プラスチックマイクロチューブに移した。精製のために、粗反応混合物をプラスチックマイクロチューブからプレパラティブLCMS(そのCMSは目的の質量イオンで引き起こされる)に直接注入して、適当な画分を回収した。精製の詳細は、20〜100% 溶媒Bを用いて、Waters サンファイア(Sunfire) 19×100 5ミクロン シリカカラムからのグラジエント溶離を10分かけて(5分保持すると共に)行うことが必要であった。
溶媒A:0.1% TFAを含有する10/90 アセトニトリル/水
溶媒B:0.1% TFAを含有する90/10 アセトニトリル/水
UV @ 220nM;MS @ ESI+
【0065】
画分を終夜乾燥し、DMF(1mL)中で元に戻し、新しい、風袋を量ったプラスチックマイクロチューブに移した。少量のアリコートを、分析用LCMSで分析するために除き、溶解させるためにDMFで希釈した。マイクロチューブを終夜乾燥し、次いで秤量した。分析用クロマトグラムの詳細は、0〜100% Bを用いて、Waters サンファイア 4.6×50、5ミクロン シリカカラムからのグラジエント溶離を4分かけて行い、1分保持し、合計5分の実行時間で、UV @ 220nMおよびMS @ ESI+をモニタリングすることによって純度を評価することを含んでいた。
溶媒A:0.1% TFAを含有する10/90 メタノール/水
溶媒B:0.1% TFAを含有する90/10 メタノール/水
【化38】

【表4】



【0066】
実施例76から81
実施例1に記載した方法に従って、実施例76から81を適当に置換した4−ニトロアニソールから製造した。
【化39】

【表5】

【0067】
実施例82
6−(4−クロロフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−3−メトキシフェニル)−チエノ[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン
【化40】

パートA 1−(2−メトキシ−4−ニトロフェノキシ)−2−メチルプロパン−2−オール
【化41】

〜55mLの容量を有するスチールボンベ(内部の熱電対、圧力計および定格3000psiの安全放出弁を取り付けた)に、2−メトキシ−4−ニトロフェノールのカリウム塩(6g、29mmol)、NaH2PO4(3.3g、27.7mmol)、イソブチレンオキシド(2.8g、35mmol)および15% H2O/MeCN(30mL)を入れた。密封したボンベを170℃で3時間加熱した。冷却後、HPLCによって、全ての出発物質のフェノールが生成物に変換されていたことが明らかとなった。二相性溶液を、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮し、次いでCH2Cl2とH2Oの間で分液した。水相をCH2Cl2で3回抽出し;CH2Cl2画分を合わせて、KHCO3/K2CO3水溶液で3回洗浄し、H2Oで一度洗浄した。Na2SO4で乾燥した後、減圧濃縮することによって、黄褐色固形物として目的の生成物を生じた(6.9g)。
【0068】
(NaH2PO4による緩衝は、反応の間にpHが増加するにつれて、生成物が出発物質のフェノールに逆戻りするのを防ぐために必須である。2−クロロ−4−ニトロフェノールのカリウム塩は、〜210℃で急速に分解して気体生成物を生じるので、小さなスケールの反応であっても、180℃よりも大きな温度を避けて、爆発的分解の可能性を最小化するべきであることに留意せよ。)
【0069】
1H NMR (CDCl3) δ 1.42 (s, 6H), 2.5 (s, 1H), 3.91 (s, 3H), 3.94 (s, 3H), 6.90 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.87 (dd, J= 2 Hz and 9 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 26.02, 56.18, 70.00, 77.42, 106.77, 111.74, 117.56, 141.73, 149.37, 153.95;HPLC(方法#1):保持時間3.26分(99% API);LCMS(ES):m/z 242.1[M+H]+
【0070】
パートB 1−(4−アミノ−2−メトキシフェノキシ)−2−メチルプロパン−2−オール
【化42】

1−(2−メトキシ−4−ニトロフェノキシ)−2−メチルプロパン−2−オール パートA(13.6g、56.4mmol)および10% Pd/C(0.25g)を含む攪拌したEtOH懸濁液(320mL)を、60psiのH2下で6時間、水素化した。HPLC分析によって、出発物質のニトロカテコールエーテルが残存していないことが明らかとなった。生じた黒色懸濁液を、N2ガスの厚い層の下でガラス繊維濾紙を通して濾過した。生じた透明のワインカラーの溶液を、ロータリーエバポレーターを用いて直ちに減圧濃縮して、濃いオレンジ色の油として目的の生成物(12.4g)を生じ、それをさらに精製することなく用いた。
1H NMR (CDCl3) δ 1.29 (s, 6H), 3.40, (br s, 2H), 3.74 (s, 2H), 3.78 (s, 3H), 6.20 (dd, J = 8.35 Hz, 2.64 Hz, 1H), 6.28 (d, J = 2.64 Hz, 1H), 6.76 (d, J = 8.35 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 25.90, 55.67, 70.02, 80.30, 100.76, 106.81, 118.27, 141.55, 141.93, 150.99;HPLC(方法#1):保持時間0.88分;LCMS(ES):m/z 212.1[M+H]。
【0071】
パートC
【化43】

実施例1に記載した方法によって、1−(2−メトキシ−4−アミノフェノキシ)−2−メチルプロパン−2−オールの標題の化合物への変換を遂行した。
1H NMR (CDCl3) δ 1.38 (s, 6H), 2.74, (s, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.89 (s, 2H), 6.93 (dd, J = 8.25 Hz, 2.20 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 2.20 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 8.25 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 8.79 Hz, 2H), 7.52 (s, 1H), 7.65 (d, J = 8.80 Hz, 2H), 8.14 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 26.02, 56.11, 70.08, 78.05, 111.19, 114.49, 119.20, 120.82, 123.19, 127.61, 129.43, 130.46, 131.50, 135.66, 148.16, 149.35, 150.30, 151.64, 155.77, 157.34;HPLC(方法#1):保持時間4.29分、(99% API);LCMS(ES):m/z 457[M+H]。
【0072】
実施例83から88
これらの化合物を、実施例82と同じように製造した。
【化44】

【表6】

【0073】
実施例89
6−(4−クロロフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−3−(メチルチオ)フェニル)−チエノ[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン
【化45】

パートA 2−(メチルチオ)−4−ニトロフェノール
【化46】

続いてNaSMe(710mg、10.1mmol)の4℃のH2O攪拌溶液(20mL)に、Cu粉末(30mg、mmol)を加え、続いてCan J Chem, 1972, 50, 2025-2030に記載されたように製造されている2−ヒドロキシ−4−ニトロベンゼンジアゾニウムBF4塩(298mg、1.8mmol)の水溶液を加えた。30分間攪拌した後、反応を20℃まで加温し、さらに2時間攪拌し、次いで濾過した。濾液をHCl(1N)でpH 5に調整し、次いでEtOAcで3回抽出した。Na2SO4で乾燥し、濃縮した後、黒色固形物を20〜30% EtOAc/ヘキサンを用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、黒色固形物として溶離した(190mg)。
【0074】
パートB 2−メチル−1−(2−(メチルチオ)−4−ニトロフェノキシ)プロパン−2−オール
【化47】

4−ニトロ−2−メチルチオ−1−フェノール(60mg、0.32mmol)、イソブチレンオキシド(0.44mL、4.9mmol)およびK2CO3(134mg、0.97mmol)の10% H2O/MeCN溶液(3mL)を、マイクロ波で125℃まで1時間加熱した。冷却し、H2Oで希釈した後、混合物をEtOAcで3回抽出した。有機画分を合わせてNa2SO4で乾燥し、濃縮した後、残渣を30〜50% EtOAc/ヘキサンを用いたシリカゲルクロマトグラフィーに供して、ニトロアリールエーテル生成物を溶離した(70mg)。
【0075】
パートC
【化48】

10% Pd/C(20mg)を含む上記の生成物のパートBのMeOH溶液(10mL)を、60psiのH2下で何時間も攪拌した。いったん完全な還元の確認がLCMS分析で得られたら、反応を濾過した。濃縮後、残渣と共に、実施例1 パートCのホルムアミジン(119mg、0.36mmol)およびフェノール(0.5g)を、130℃まで30分間加熱した。冷却およびMeOHで希釈すると、生じた固形物を濾過によって回収した。TFA(0.1%)を含むMeOH水溶液のグラジエントを用いた分取HPLCによる最終的な精製の過程で回収した画分を50℃で濃縮する間、対応するスルホキシドへの部分酸化が起きた。クロマトグラフィー分離を繰り返すと、画分を20℃未満で濃縮した場合に純粋なスルフィドおよびスルホキシドが得られた。
1H NMR (CDCl3) δ 141 (s, 6H), 2.45 (s, 3H), 3.93 (s, 2H), 6.45 (d, 1H), 7.13 (s, 2H), 7.45 (ABq, J = 8.3 Hz, 2H), 7.55 (s, 1H), 7.67 (ABq, J = 8.3 Hz, 2H), 8.16 (s, 1H);HPLC(方法#6):6.83分;LCMS m/z:473(M+H)。
【0076】
実施例90
6−(4−クロロフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−3−(メチルスルフィニル)−フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン
【化49】

実施例89に記載したように製造および単離した。
1H NMR (CDCl3) δ 8.15 (s, 1H), 7.86 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.60 (dd, J= 8.8, 2.6 Hz, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.46 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.11 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.02 (d, J= 9.0, 1H), 3.96 (d, J= 9.0, 1H), 2.91 (s, 3H), 1.42 (s, 6H);HPLC(方法#6):4.9分;LCMS m/z:489(M+H)。
【0077】
実施例91
6−(4−クロロフェニル)−3−(3−シクロプロピル−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル)−チエノ[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン
【化50】

パートA 2−シクロプロピル−1−メトキシ−4−ニトロベンゼン
【化51】

0.5M 9−BBN/THF溶液(26.0mL、13.0mmol)に、臭化プロパルギル(0.71mL、6.37mmol、80% トルエン溶液)を加え、混合物を65℃で5時間加熱した。20℃まで冷却した後、NaOH(749mg、18.7mmol)のあらかじめ脱気した水溶液(6.3mL)を加え、攪拌を1,5時間継続した。混合物を、2−ブロモ−4−ニトロアニソール(1.29g、5.45mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(187mg、0.16mmol)のTHF溶液(8.0mL)を含む第二フラスコに移した。60℃で14時間加熱した後、反応混合物を水(15mL)でクエンチし、エーテル(3×40mL)で抽出した。有機抽出物を合わせて、NaOH(2M、3×20mL)および水(3×20mL)、で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濃縮した。2つの連続したカラムクロマトグラフィー(SiO2、9/1 ヘキサン/EtOAcによる第一の溶離、7/3 ヘキサン/CH2Cl2による第二の溶離)による精製によって、黄色がかった油として標題の化合物を単離した(113mg、収率11%):LCMS(ES) m/z 194(M+H)。
【0078】
パートB 2−シクロプロピル−4−ニトロフェノール
【化52】

パートAの化合物(113mg、0.59mmol)のCH2Cl2溶液(1.0mL)に、三フッ化ホウ素−ジメチルスルフィド錯体(0.37mL、3.52mmol)を加え、混合物を20℃で7.5時間攪拌した。MeOH(6.0mL)を加えた後、混合物を20分間攪拌し、減圧蒸発させた。残渣のクロマトグラフィー(SiO2 230〜400メッシュ、4/1 ヘキサン/EtOAc)によって、赤褐色固形物として標題の化合物を得た(44.3mg、収率42%):LCMS(ES) m/z 180(M+H)。
【0079】
パートC 1−(2−シクロプロピル−4−ニトロフェノキシ)−2−メチルプロパン−2−オール
【化53】

パートBの化合物(84.0mg、0.47mmol)、炭酸カリウム(195mg、1.41mmol)、CH3CN(4.0mL)、水(0.4mL)およびイソブチレンオキシド(0.26mL、2.84mmol)の混合物を、マイクロ波反応器中、130℃で3時間加熱した。最終の混合物を蒸発させ、残渣をEtOAc(50mL)と水(8.0mL)の間で分液した。有機層を食塩水(8.0mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濃縮した。クルードのクロマトグラフィー(SiO2 230〜400メッシュ、7/3から3/2 ヘキサン/EtOAc)によって、白色固形物として標題の化合物を得た(73.0mg、収率62%):LCMS(ES) m/z 252(M+H)。
【0080】
パートD 1−(4−アミノ−2−シクロプロピルフェノキシ)−2−メチルプロパン−2−オール
【化54】

パートC(43.5mg、0.17mmol)化合物のEtOAc溶液(2.5mL)に、5% Pd−C(9.0mg)を加え、懸濁液を40分間水素化した(1気圧)。セライトを通して懸濁液を濾過し、濾過ケーキをMeOH(20mL)ですすいだ。濾液を合わせて蒸発させて、無色油として標題の化合物を生じた(収量38.0mgであったが、そのn−プロピル誘導体(6%)を含む):LCMS(ES) m/z 222(M+H)。
【0081】
パートE
【化55】

パートDの生成物(62.2mg、0.27mmol)および実施例1のパートCに記載したホルムアミジン(185mg、0.57mmol)を、フェノール(430mg)と混合し、130℃で35分間加熱した。20℃まで冷却した後、混合物をエーテル(8.0mL)に溶解し、1時間静置した。エーテル溶液をデカンテーションし、形成された固形物をCH2Cl2/エーテルから結晶化して、灰色がかった白色固形物として目的の化合物を得た(65.0mg、収率50%、そのn−プロピル誘導体(5%)を含む):
1H NMR ∂ (CD2Cl2, ppm) 8.09 (s, 1H), 7.69 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.56 (s, 1H), 7.46 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.18 (dd, J= 8.5, 2.4 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 3.90 (s, 2H), 2.21 (m, 1H), 1.38 (s, 6H), 0.98 (m, 2H), 0.67 (m, 2H);HPLC(方法#6):8.18分;LCMS(ES):m/z 467(M+H)。
【0082】
実施例92
6−(4−クロロフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−3−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン
【化56】

パートA 2−メトキシ−N−メチル−5−ニトロベンズアミド
【化57】

2−メトキシ−5−ニトロ安息香酸メチル(389mg、1.84mmol)のTHF溶液(3.0mL)に、33% MeNH2/EtOH溶液(2.0mL、16.0mmol)を加え、混合物を20℃で終夜攪拌した。溶液を蒸発させ、残渣を7:3 ヘキサン/EtOAcで溶離するクロマトグラフィー(SiO2 230〜400メッシュ)に供して、2−(メチルアミノ)−5−ニトロ安息香酸エステル誘導体を除いた。EtOAcでさらに溶離することによって、黄色がかった固形物として標題の化合物を得た(268.5mg、収率70%):LCMS(ES) m/z 211(M+H)。
【0083】
パートB 5−(2−メトキシ−5−ニトロフェニル)−1−メチル−1H−テトラゾール
【化58】

パートAの化合物(268.5mg、1.28mmol)、Ph3P(370mg、1.41mmol)およびアジドトリメチルシラン(0.19mL、1.44)のTHF溶液(12.6mL)に、アゾジカルボン酸ジエチル(0.23mL、1.42mmol)を加え、混合物を20℃で15.5時間攪拌した。別の量のPPh3(370mg)、TMSN3(0.19mL)およびDEAD(0.23mL)を加え、混合物を50℃で14時間加熱した。3つ目のPPh3(370mg)、TMSN3(0.19mL)およびDEAD(0.23mL)を各々加え、50℃での加熱を15時間継続した。反応混合物上に窒素を吹きつけることによって、大部分の溶媒を除去した。残渣をクロマトグラフィー(SiO2 230〜400メッシュ、1/1から7/3 ヘキサン/EtOAc)に供して、Ph3POが混入した目的のテトラゾールを得た。クロマトグラフィー(SiO2 230〜400メッシュ、9/1から4/1 CH2Cl2/エーテル)による精製によって、黄色がかった固形物として標題の化合物を得た(150.8mg、収率50%):LCMS(ES) m/z 236(M+H)。
【0084】
パートC 2−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)−4−ニトロフェノール
【化59】

パートAの化合物(150.8mg、0.64mmol)のCH2Cl2溶液(1.0mL)に、三フッ化ホウ素−ジメチルスルフィド錯体(0.41mL、3.90mmol)を加え、混合物を20℃で28時間攪拌した。MeOH(6.0mL)を加えた後、混合物を1時間攪拌し、減圧蒸発させた。残渣のクロマトグラフィー(SiO2 230〜400メッシュ、4:1 CH2Cl2/エーテル)によって、赤褐色固形物として標題の化合物を得た(135mg、収率96%):LCMS(ES) m/z 222(M+H)。
【0085】
パートD 4−アミノ−2−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)フェノール
【化60】

パートC(64.0mg、0.29mmol)化合物のEtOAc(5.0mL)およびMeOH(0.3mL)溶液に、Pd−C(5%、15.0mg)を加え、懸濁液を4.5時間水素化した(1気圧)。セライトを通して懸濁液を濾過し、濾過ケーキをMeOH(20mL)ですすいだ。濾液を合わせて蒸発させて、赤褐色油として標題の化合物を得た(52.2mg、収率93%):MS(エレクトロスプレー、+イオン) m/z 192(M+H)。
【0086】
パートE 6−(4−クロロフェニル)−3−(4−ヒドロキシ−3−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)フェニル)−チエノ[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン
【化61】

パートDの生成物(52.2mg、0.27mmol)および実施例1のパートCに記載したホルムアミジン(175mg、0.54mmol)を、フェノール(295mg)と混合し、125℃で46分間加熱した。20℃まで冷却した後、混合物をエーテル(8.0mL)に溶解し、1時間静置した。エーテル溶液をデカンテーションし、形成された固形物をCH2Cl2/エーテルから結晶化して、灰色がかった白色固形物として標題の化合物を得た(64.5mg、収率55%):MS(エレクトロスプレー、+イオン) m/z 437(M+H)。
【0087】
パートF
【化62】

パートEの生成物(30.3mg、0.07mmol)、K2CO3(11.0mg、0.08mmol)、CH3CN(2.0mL)、水(0.2mL)およびイソブチレンオキシド(45μL、0.51mmol)の混合物を、マイクロ波反応器中、125℃で2.5時間加熱した。最終の混合物をCH2Cl2(40mL)で希釈し、水(5.0mL)で洗浄した。洗浄水をCH2Cl2(2×5mL)で逆抽出し、有機抽出物を合わせて乾燥し(Na2SO4)、濃縮した。クルードのクロマトグラフィー(SiO2 230〜400メッシュ、1/4から1/9 CH2Cl2/EtOAc)によって、黄色がかった固形物として標題の化合物を得た(17.0mg、収率48%):
1H NMR ∂ (CD2Cl2 + CD3OD drops, 35℃, ppm) 8.23 (s, 1H), 7.70 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.66 (dd, J= 8.8, 2.6 Hz, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.56 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.31 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.09 (s, 3H), 3.95 (s, 2H), 1.15 (s, 6H);HPLC(方法#6):6.85分;LCMS(ES):m/z 509(M+H)。
【0088】
実施例93
3−(5−(6−(4−クロロフェニル)−4−オキソチエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル)イソキサゾール−4−カルボン酸メチル
【化63】

パートA 2−ヒドロキシ−5−ニトロベンズアルデヒドオキシム
【化64】

2−ヒドロキシ−5−ニトロベンズアルデヒド(2.10g、12.6mmol)のピリジン(31.0mL)およびEtOH(5.0mL)溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.75g、25.2mmol)を加えた。20℃で10時間攪拌した後、混合物をCH2Cl2(125mL)で希釈し、水(4×70mL)および食塩水(50mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。残渣をEtOHでトリチュレートし、濾過した。生じた固形物をエーテルですすぎ、減圧乾燥して、黄色がかった固形物として標題の化合物を得た(1.86g、収率81%):MS(エレクトロスプレー、+イオン) m/z 183(M+H)。
【0089】
パートB 3−(2−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)イソキサゾール−4−カルボン酸エチル
【化65】

パートAの化合物(365mg、1.96mmol)およびピリジン(35μL、0.43mmol)の1,2−DCE溶液(6.0mL)に、n−クロロコハク酸イミド(296mg、2.17mmol)を15分かけて何回かに分けて加えた。添加が完了した後、混合物を20℃で25分間攪拌し、50℃で20分間攪拌した。追加量のNCS(150mg、1.10mmol)を加え、50℃での加熱を20分間継続した。このとき、(ジメチルアミノ)アクリル酸エチル(0.56mL、3.91mmol)を加え、続いてEt3N(0.30mL、2.15mmol)の1,2−DCE溶液(3.0mL)を40分間かけて加えた。次いで攪拌を50℃で1.5時間継続し、20℃で終夜継続した。混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、KH2PO(0.5M、30mL)および食塩水(30mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(Na2SO4)、濃縮した。クルードを、2つの連続したクロマトグラフィー(SiO2 230〜400メッシュ、第一の溶離液: 7:3 ヘキサン/EtOAc、第二の溶離液: 95/5 CH2Cl2/エーテル)によって精製して、黄色がかった固形物として標題の化合物を得た(134.6mg、収率25%):MS(エレクトロスプレー、+イオン) m/z 279(M+H)。
【0090】
パートC
【化66】

実施例92のパートD、EおよびFに記載したものに類似する方法を用いて、パートBの生成物を標題の化合物の対応するカルボン酸に変換した。この酸を、3M HCl/CH2Cl2、MeOH、MeOAc(AcClを3:2 CH2Cl2/MeOH溶液に0℃で加え、次いで20℃で30分間攪拌することによって製造した)で処理することによって、目的のメチルエステル化合物を得た。
1H NMR ∂ (CD2Cl2 + CD3OD 滴下, ppm) 8.36 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 8.05 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.61 (s, 1H), 7.57 (dd, J= 8.8, 2.6 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 8.5 Hz, 2H);HPLC(方法#6):7.63分;LCMS(ES):552(M+H)。
【0091】
実施例94
1−(4−(6−(2,4−ジクロロフェニル)−4−オキソ−チエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)−2−メチル−2−プロパノール
【化67】

パートA 3−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)チオフェン−2−カルボン酸メチル
【化68】

3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル(10g、64mmol)およびピリジン(6.2mL、76mmol)の0℃のMeCN溶液(130mL)に、内部の温度を7℃未満に維持するような速度で滴下して、TFAA(12mL、83mmol)を加えた。5分間攪拌した後、反応を室温まで加温した。その温度で30分後、反応液を氷冷水(1.5L)に注いだ。混合物を40分間攪拌した。固形物を濾過によって回収し、水(2×50mL)ですすぎ、濾過器上で部分的に乾燥した。残渣を、EtOH(200mL分)と共に3回共蒸発(coevaporate)させて、黄色固形物として3−(トリフルオロアセチルアミノ)−2−チオフェンカルボン酸メチルを得た(15g、96%)。
【0092】
パートB 3−アミノ−5−ブロモチオフェン−2−カルボン酸メチル
【化69】

i−Pr2NH(6.2mL、3.2mmol)のTHF攪拌溶液(100mL)に、ドライアイス− i−PrOHバス中で、n−ブチルリチウム(2.5N ヘキサン溶液、17mL、43mmol)を滴下して加えた。5分後、混合物を氷水浴中に置いた。さらに5分後、混合物をドライアイス− i−PrOHバス中で冷却した。この攪拌溶液に、3−(トリフルオロアセチルアミノ)−2−チオフェンカルボン酸メチル(3.5g、14mmol)のTHF溶液(15mL)を2分かけて滴下して加えた。5分後、1,2−ジブロモエタン(4mL)を1回で加えた。5分後、MeOH(3.5mL)およびチオ硫酸ナトリウム(5g)を含有する飽和NaHCO3(150mL)を連続して加えた。混合物を冷浴から取り除き、室温まで加温し、その上でEtOAc(250mL)を加えた。分液後、水層をEtOAc(2×100mL)で抽出した。3つの有機層を合わせて、食塩水(2×100mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、減圧濃縮した。残渣をセライト(登録商標)545上に吸収させ、クロマトグラフィー(シリカゲル12g、10% EtOAc−ヘキサンから25% EtOAc/ヘキサン、50mL/分)に供した。生成物を含有する画分を合わせて、クロマトグラフィー(シリカゲル12g、10% EtOAc−ヘキサン、50mL/分)に供して、淡黄色固形物として5−ブロモ−3−(トリフルオロアセチルアミノ)−2−チオフェンカルボン酸メチルを得た(0.98g、21%)。
【0093】
5−ブロモ−3−(トリフルオロアセチルアミノ)−2−チオフェンカルボン酸メチル(2.0g、6.2mmol)を、K2CO3の7:3 MeOH/水溶液(120mL、0.25N)中で攪拌した。2.5時間後、MeOHの大部分を減圧留去した。残渣を、食塩水(75mL)とCH2Cl2(100mL)の間で分液した。有機層を乾燥し(MgSO4)、減圧濃縮して、黄色固形物として5−ブロモ−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチルを得た(1.4g、100%)。
【0094】
パートC
【化70】

5−ブロモ−3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸エチル(1.0g、4.2mmol)およびジメチルホルムアミドジメチルアセタール(1.1mL、8.5mmol)のEtOH溶液(30mL)を、還流するまで50分間加熱した。冷却後、溶媒を減圧留去した。残渣を、トルエン(2×20mL)と共に共蒸発させて、5−ブロモ−3−(((ジメチルアミノ)メチレン)アミノ)−2−チオフェンカルボン酸メチルを得た。残渣および1−((4−アミノ−2−メトキシ)フェノキシ)−2−メチル−2−プロパノール(0.90mg、4.2mmol)(実施例82のパートBに記載されている)を、フェノール(4g)と混合し、次いで130℃で40分間加熱した。冷却後、混合物をクロマトグラフィー(シリカ120g、CH2Cl2から50% EtOAc−CH2Cl2)に供して、黄褐色固形物として1−(4−(6−ブロモ−4−オキソ−チエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)−2−メチル−2−プロパノールを得た(1.2g、67%)。
【0095】
パートD
【化71】

1−(4−(6−ブロモ−4−オキソ−チエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)−2−メチル−2−プロパノール(50mg、0.12mmol)、2,4−ジクロロベンゼンボロン酸(21mg、0.18mmol)、Na2CO3(31mg、0.29mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(10mg、0.0088mmol)、N2脱気ジオキサン(1mL)およびN2脱気水(0.5mL)の混合物を、110℃のバス中で30分間加熱した。混合物を冷却すると、半飽和NaHCO3(3mL)に注いだ。混合物をCH2Cl2(2×5mL)で抽出した。有機層を合わせて乾燥し(MgSO4)、減圧濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(シリカ4g、CH2Cl2から50% EtOAc−CH2Cl2)に供して、灰色がかった白色固形物として1−(4−(6−(2,4−ジクロロフェニル)−4−オキソ−チエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)−2−メチル−2−プロパノールを得た(41mg、71%)。
1H-NMR (CDCl3) δ 8.09 (s, 1 H), 7.54 (s, 1 H), 7.49 (m, 2 H), 7.29 (dd, J = 8, 2 Hz, 1 H), 6.84-6.96 (m, 3 H), 3.81 (s, 5 H), 1.30 (s, 6H);HPLC(方法#7) 4.2分;LCMS(ES) m/z 491(M+H)。
【0096】
実施例95から103
実施例94 パートEに記載したものに類似する方法を用いて、以下の化合物を1−(4−(6−ブロモ−4−オキソ−チエノ[3,2−d]−ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)−2−メチル−2−プロパノールから製造した。反応時間を20分から17時間に変え、温度を室温から100℃に変えた。場合によっては、大過剰(3当量まで)の適当なボロン酸を用いた。クロマトグラフィーに供した生成物のメタノールによるトリチュレーションを用いて、微量の1−(4−オキソ−チエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)−2−メチル−2−プロパノールを除いた。クロマトグラフィーについては、MeOH/CH2Cl2、EtOAc/CH2Cl2またはEtOAc/ヘキサンの混合物を溶媒として用いた。
【化72】

【表7】

【0097】
実施例104
6−(4−クロロフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシプロポキシ)−3−メトキシフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン
【化73】

パートA 1−(2−メトキシ−4−ニトロフェノキシ)プロパン−2−オン
【化74】

4−ニトログアヤコールのカリウム塩(2.00g、9.65mmol)およびクロロアセトン(1.15mL、14.5mmol)の混合物のDMF溶液(20mL)を、80℃で3時間加熱した。懸濁液を室温まで冷却し、水で希釈した。形成された沈殿物を、濾過し、水で洗浄し、減圧乾燥して、灰色がかった白色固形物として標題の化合物を得た(1.63g)。
1H NMR (CDCl3) δ 2.29 (s, 3H), 3.96 (s, 3H), 4.71 (s, 2H), 6.74 (d, J = 8.80 Hz, 1H), 7.76 (d, J = 2.20 Hz, 1H), 7.84 (dd, J = 8.79 Hz, 2.20 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 26.37, 56.33, 73.62, 107.11, 111.88, 117.36, 142.33, 149.23, 152.49, 203.40;HPLC(方法#1):1.98分、(100%);LCMS(ES):m/z 226[M+H]+
【0098】
パートB 1−(2−メトキシ−4−ニトロフェノキシ)プロパン−2−オール
【化75】

室温での1−(2−メトキシ−4−ニトロフェノキシ)プロパン−2−オン(300mg、1.33mmol)のMeOH(1.3mL)およびH2O(1.3mL)混合溶液に、NaBH4(53mg、1.40mmol)のH2O溶液(0.5mL)を、5分かけて滴下して加えた。懸濁液を室温で1時間攪拌し、HOAc(0.2mL)で希釈し、続いてH2O(2mL)で希釈した。沈殿物を濾過し、H2Oで洗浄し、減圧乾燥して、黄色固形物として標題の化合物を得た(270mg)。
1H NMR (CDCl3) δ 1.28 (d, J = 6.05 Hz, 3H), 2.68, (s, 1H), 3.87-3.92 (m, 4H), 4.03-4.05 (m, 1H), 4.23-4.29 (m, 1H), 6.89 (d, J = 9.35 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 2.20 Hz, 1H), 7.86 (dd, J = 8.80 Hz, 2.75 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 18.66, 56.19, 65.90, 74.84, 106.73, 111.66, 117.60, 141.79, 149.21, 153.62;HPLC(方法#1)保持時間2.29分、(100%);LCMS(ES):m/z 228[M+H]+
【0099】
パートC 6−(4−クロロフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシプロポキシ)−3−メトキシフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン
【化76】

実施例1に前述したものに類似する方法で、1−(2−メトキシ−4−ニトロフェノキシ)プロパン−2−オールを標題の化合物に変換した。
1H NMR (DMSO-d6) δ 1.16 (d, J = 6.05 Hz, 3H), 3.77-3.82, (m, 4H), 3.88-3.91 (m, 1H), 3.94-4.02 (m, 1H), 4.89 (d, J = 4.39 Hz, 1H), 7.03 (dd, J = 8.79 Hz, 1.64 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 8.25 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 1.65 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 8.25 Hz, 2H), 7.92 (d, J = 8.25 Hz, 2H), 7.97 (s, 1H), 8.39 (s, 1H); 13C NMR (DMSO-d6) δ 20.03, 55.58, 64.21, 73.88, 111.63, 112.68, 119.43, 121.56, 121.84, 127.66, 129.10, 129.57, 131.02, 134.09, 148.27, 148.80, 149.32, 149.60, 155.91, 157.23;HPLC(方法#1)保持時間3.64分、(100%);LCMS(ES):m/z 443[M+H]+
【0100】
実施例105
(R)−6−(4−クロロフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシプロポキシ)−3−メトキシフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン
【化77】

パートA (R)−2−((2−メトキシ−4−ニトロフェノキシ)メチル)オキシラン
【化78】

Ph3P(23.3g;88.7mmol)の0℃まで冷却したTHF溶液(450mL)に、ジ−t−ブチルアゾジカルボン酸(20.4g;88.7mmol)のTHF溶液(50mL)を15分かけて加えた。0℃で10分間攪拌した後、4−ニトログアヤコール(10.0g;59.1mmol)を加え、続いて(S)−グリシドール(6.3mL;94.6mmol)を10分かけて加え、混合物を室温まで加温し、2時間攪拌した。溶液を濃縮し、残渣をEtOAc中に溶解し、H2Oおよび食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc; 100:0から1:3 グラジエント)で精製した。不純物の画分を減圧濃縮し、残渣をさらにフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc; 100:0から0:100 グラジエント)で精製した。両方の精製からの純粋な画分を合わせて、減圧濃縮して、黄色固形物として標題の化合物を得た(9.58g、72%)。
1H NMR (CDCl3) δ 2.78-2.80 (m, 1H), 2.94-2.96 (m, 1H), 3.40-3.43 (m, 1H), 3.96 (s, 3H), 4.06-4.11 (m, 1H), 4.41-4.44 (m, 1H), 6.98 (d, J = 8.79 Hz, 1H), 7.75 (d, J = 2.20 Hz, 1H), 7.89 (dd, J = 8.79 Hz, 2.19 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 28.20, 44.57, 49.75, 56.28, 70.17, 106.80, 111.71, 117.50, 141.92, 149.20, 153.38;HPLC(方法#1)保持時間2.09分;LCMS(ES):m/z 226[M+H]+
【0101】
パートB (R)−1−(2−メトキシ−4−ニトロフェノキシ)プロパン−2−オール
【化79】

0℃まで冷却したEt2O(160mL)に、LiClO4(80g;752mmol)を20分かけて何回かに分けて加えた。混合物を室温まで加温し、(R)−2−((2−メトキシ−4−ニトロフェノキシ)メチル)オキシラン(9.55g;42.5mmol)を加えた。懸濁液を10分間攪拌し、ジメチルアミンボラン(3.40g;46.6mmol)を加え、懸濁液を室温で2.5時間攪拌した。懸濁液をCH2Cl2で希釈し、気体の放出が止むまでH2Oと共にビーカー中で攪拌した。有機層をH2Oで洗浄し、無水MgSO4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣をCH2Cl2中でトリチュレートし、濾過し、濾液をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc; 100:0から100:0 グラジエント)で精製して、黄色固形物として標題の化合物を得た(6.83g、70%)。
1H NMR (CDCl3) δ 1.31 (d, J = 6.59 Hz, 3H), 2.77 (br s, 1H), 3.90-3.94 (m, 4H), 4.05-4.08 (m, 1H), 4.24-4.32 (m, 1H), 6.92 (d, J = 9.35 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 2.75 Hz, 1H), 7.88 (dd, J = 8.79 Hz, 2.74 Hz, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 18.64, 56.18, 65.87, 74.85, 106.73, 111.66, 117.60, 141.76, 149.20, 153.63;HPLC(方法#1)保持時間2.17分;LCMS(ES):m/z 228[M+H]+
【0102】
パートC
【化80】

実施例89に記載したように、(R)−1−(2−メトキシ−4−アミノフェノキシ)−プロパン−2−オールの標題の化合物への変換を、溶融フェノール(phenol melt)中で遂行した。
1H NMR (DMSO-d6) δ 1.16 (d, J = 6.05 Hz, 3H), 3.77-3.82, (m, 4H), 3.88-3.91 (m, 1H), 3.94-4.02 (m, 1H), 4.89 (d, J = 4.39 Hz, 1H), 7.03 (dd, J = 8.79 Hz, 1.64 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 8.25 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 1.65 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 8.25 Hz, 2H), 7.92 (d, J = 8.25 Hz, 2H), 7.97 (s, 1H), 8.39 (s, 1H); 13C NMR (DMSO-d6) δ 20.03, 55.58, 64.21, 73.88, 111.63, 112.68, 119.43, 121.56, 121.84, 127.66, 129.10, 129.57, 131.02, 134.09, 148.27, 148.80, 149.32, 149.60, 155.91, 157.23;CH2Cl2(1mL)中の12.3mgについて23℃で[a]589=−10.1°;HPLC(方法#1)保持時間3.64分、(100%);LCMS(ES):m/z 443[M+H]+
【0103】
実施例106
(S)−6−(4−クロロフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシプロポキシ)−3−メトキシフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン
【化81】

(S)−グリシドールの代わりに(R)−グリシドールを用いることを除いては、実施例105に記載したように、標題の化合物を製造した。
1H NMR (DMSO-d6) δ 1.16 (d, J = 6.05 Hz, 3H), 3.77-3.82, (m, 4H), 3.88-3.91 (m, 1H), 3.94-4.02 (m, 1H), 4.89 (d, J = 4.39 Hz, 1H), 7.03 (dd, J = 8.79 Hz, 1.64 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 8.25 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 1.65 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 8.25 Hz, 2H), 7.92 (d, J = 8.25 Hz, 2H), 7.97 (s, 1H), 8.39 (s, 1H); 13C NMR (DMSO-d6) δ 20.03, 55.58, 64.21, 73.88, 111.63, 112.68, 119.43, 121.56, 121.84, 127.66, 129.10, 129.57, 131.02, 134.09, 148.27, 148.80, 149.32, 149.60, 155.91, 157.23;CH2Cl2(1mL)中の10.08mgについて23℃で[a]589=+9.5°;HPLC(方法#1)保持時間3.64分、(100%);LCMS(ES):m/z 443[M+H]+
【0104】
実施例107から121
これらの実施例を、実施例1に記載した方法に従って製造した。特に断りがなければ、アニリン成分は、市販品として入手可能であった。
【化82】

【表8】



実施例122から153
【化83】

【表9】

















【0105】
実施例154
【化84】

パートA 1−(ヒドロキシメチル)シクロブタノール
【化85】

Mg削り屑(Mg turnings)(1.38g、57mmol)を、十分乾燥し、N2を流した丸底フラスコ(冷却器、磁気攪拌子(magnetic stirbar)および滴下ロートを備えている)に加え、それをTHF(70mL)およびクロロメチルジメチルイソプロポキシシラン(9.5g、57mmol)で満たした。THF溶液(〜10mL)および1,2−ジブロモエタン(30μL)を加えた後、上記の溶液は、Mgが濁って温かくなった。穏やかな還流が維持される速度で、残りの溶液を30分かけて加えた。完了すると、反応を還流するまで45分間加熱し、次いで0℃まで冷却し、その上でシクロブタノン(3g、42.7mmol)のTHF溶液(17mL)を40分かけて滴下して加えた。反応をさらに45分間攪拌し、次いでNH4Cl水溶液(10%)を40分かけてゆっくり加えることによってクエンチした。反応液を分液漏斗に移した後、相を分離し、水相をEt2Oで3回抽出した。有機相を合わせて食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。
【0106】
生じた残渣に、THF(43mL)、MeOH(43mL)、KHCO3(4.27g、42.7mmol)およびKF(4.96g、84.4mmol)を加えた。この攪拌した混合物に、H22(30%、116mL、140mmol)を1回で加えた。反応液を2.5時間攪拌するにつれて、温度が〜46℃まで上昇し、次いで下降した。残存するH22を粉末のNa223・H2O(32g)を加えることによって分解し、15分間攪拌した。Et2O(200mL)で希釈した後、セライトを通して混合物を濾過し、加熱せずに〜50gまで濃縮した。2つ目のEt2O(200mL)を加え、溶液をNa2SO4で乾燥した。濃縮後の残渣を、希釈液としてEt2Oを用いたシリカゲルクロマトグラフィーに供した。濃縮すると、生成物のジオール(2.64g)を得た。
【0107】
パートB 1−((2−メトキシ−4−ニトロフェノキシ)メチル)シクロブタノール
【化86】

1−(ヒドロキシメチル)シクロブタノール(1.27g、12.5mmol)を、60% NaH/鉱油分散(0.50g、12.5mmol)のDMSO懸濁液(14.6mL)に加えた。続いて、気体の放出が止んで30分後、2−ブロモ−4−ニトロアニソール(1.95g、8.4mmol)のDMSO溶液(5.9mL)を攪拌した溶液に加えた。反応を2.5時間攪拌し、次いでHCl(0.1N、300mL)に注いだ。混合物をEt2Oで2回抽出し;有機層を合わせて食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに供し;CH2Cl2から1:1 CH2Cl2/EtOAcのグラジエント溶離によって、目的の生成物を得た(0.65g)。
(CDCl3) 7.89 (dd, J = 2.6, 8.8 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.10 (s, 2H), 3.93 (s, 3H), 3.05 (br s, 1H), 2.22 (m, 4H), 1.87 (m, 1H), 1.62 (m, 1H)
【0108】
パートC
【化87】

実施例89のパートCに記載した方法を用いて、還元および実施例1 パートCのホルムアミジンとの縮合の手順によって、パートBの生成物を標題の化合物に変換した。
1H NMR (CDCl3) 8.07 (s, 1H), 7.58 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.46 (s, 1H), 7.37 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.00 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.85 (dd, J = 2.2, 7.6 Hz, 1 H), 4.01 (s, 2H), 3.80 (s, 3H), 3.09 (br s, 1H), 2.15 (m, 4H), 1.80 (m, 1H), 1.53 (m, 1H);HPLC(方法#5)4.32分;LCMS m/z:469[M+H]。
【0109】
実施例155
【化88】

1−(ヒドロキシメチル)シクロペンタノール(実施例154で1−(ヒドロキシメチル)シクロブタノールについて記載したものに類似する方法で製造した)を、実施例154を合成するのに用いられる方法を用いて実施例155に変換した。
1H NMR (CDCl3) 8.14 (s, 1H), 7.67 (d, J = 9.4 Hz, 2H), 7.52 (s, 1H), 7.46 (d, J = 9.4 Hz, 2H), 7.03 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.93 (dd, J = 2.2, 8.2 Hz, 1 H), 4.01 (s, 2H), 3.87 (s, 3H), 2.37 (s, 1H), 1.90-1.60 (m, 8H);HPLC(方法#5)4.46分;LCMS m/z:483[M+H]。
【0110】
実施例156
【化89】

パートA 1,6−ジオキサスピロ[2.5]オクタン
【化90】

NaH(287mg、11.98mmol)の乾燥THF懸濁液(30mL)に、ヨウ化トリメチルスルフォキソニウム(trimethylsulfoxonium iodide)(2.64g、11.98mmol)を加えた。反応混合物を還流で2時間攪拌し、次いで室温まで冷却した。テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オン(1.54g、15.41mmol)のTHF溶液(1mL)を反応混合物に加えた。混合物を室温で1.5時間攪拌した。混合物をEt2Oで希釈し、飽和NaHCO3溶液(2×50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮して、茶色固形物としてエポキシド(2.27g)を得た。
【0111】
パートB 4−((2−メトキシ−4−ニトロフェノキシ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール
【化91】

パートAのエポキシドの溶液(1.03g、9.03mmol)に、NaH2PO4(1.12g、8.13mmol)および4−ニトロ−グアヤコールカリウム塩水和物(1.87g、9.03mmol)の15% H2O/アセトニトリル溶液を加えた。反応混合物をスチールボンベ中、180℃で5時間攪拌し、室温まで冷却し、EtOAc(50mL)で希釈し、飽和NaHCO3溶液(2×50mL)で洗浄した。EtOAc層をNa2SO4で乾燥し、濃縮して、茶色固形物として目的のニトロアリールエーテル(2.27g)を得た。
【0112】
パートC
【化92】

実施例89のパートCに記載した方法を用いて、還元およびフェノール中の実施例1 パートCのホルムアミジンとの縮合の手順によって、パートBの生成物(2.27g)を標題の化合物に変換した。
1H NMR (CDCl3) δ ppm 1.70 - 1.87 (m, 4 H), 3.78 - 3.96 (m, 9 H), 6.91 - 6.96 (m, 1 H), 6.97 (d, 1 H), 7.03 (d, 1 H), 7.45 (d, 2 H), 7.51 - 7.57 (m, 1 H), 7.66 (d, 2 H);HPLC(方法#4):3.13分;LCMS(ES) m/z: 499(M+H)。
【0113】
実施例157
6−(4−クロロフェニル)−3−(4−(3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)チエノ−[3,2−d]−ピリミジン−4(3H)−オン
【化93】

実施例82に記載した方法に従って、p−ニトロフェノールを3,3,3−トリフルオロプロピレンオキシドでアルキル化して、1−(4−アミノ−2−メトキシフェノキシ)−3,3,3−トリフルオロプロパン−2−オールを得た。実施例89のパートCに記載した方法を用いて、還元およびフェノール中の実施例1 パートCのホルムアミジンとの縮合の手順によって、このアルコールを標題の化合物に変換した。
1H NMR (DMSO-d6) δ 4.13-4.17 (m, 1H), 4.24-4.28 (m, 1H), 4.40-4.46 (m, 1H), 6.72 (d, J = 6.59 Hz, 1H), 7.14 (d, J = 9.4 Hz, 2H), 7.47 (d, J = 8,79 Hz, 2H), 7.56 (d, J = 8.79 Hz, 2H), 7.90 (d, J = 8.80 Hz, 2H), 7.95 (s, 1H), 8.38 (s, 1H);HPLC(方法#4):4.05分;LCMS(ES) m/z:467(M+H)。
【0114】
実施例158
6−(4−クロロフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシプロピルチオ)−3−メトキシフェニル)チエノ−[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン
【化94】

パートA 2−メトキシ−4−ニトロベンゼンチオール
【化95】

2−クロロ−5−ニトロアニソール(1.00g;5.33mmol)の室温でのエタノール懸濁液(10mL)に、硫化ナトリウム九水和物(1.30g;5.41mmol)の水(1.4mL)およびエタノール(0.8mL)溶液を、3分かけて3回で加えた。生じた懸濁液を100℃で10分間加熱した。懸濁液を冷却し、減圧濃縮して、暗色固形物を得、それを直ちに次の段階に用いた。HPLC 保持時間2.23分;LCMS(ES):m/z 186[M+H]+
【0115】
パートB
【化96】

実施例104に記載した方法に従って、2−メトキシ−4−ニトロベンゼンチオールを標題の化合物に変換した。
1H NMR (DMSO-d6) δ 1.18 (d, J = 6.05 Hz, 3H), 2.87-3.03 (m, 2H), 3.78-3.83 (m, 4H), 4.98 (d, J = 4.94 Hz, 1H), 7.11 (dd, J = 8.25 Hz, 2.20 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 2.20 Hz, 1H), 7.38 (d, J = 8.79 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 8.80 Hz, 2H), 7.92 (d, J = 8.24 Hz, 2H), 7.98 (s, 1H), 8.42 (s, 1H); 13C NMR (DMSO-d6) δ 22.58, 56.05, 64.87, 110.26, 119.92, 121.75, 121.95, 126.20, 126.68, 127.84, 129.28, 131.16, 134.29, 134.62, 149.27, 149.88, 155.80, 155.92, 157.39;HPLC(方法#1)保持時間3.91分、(98%);LCMS(ES):m/z 459[M+H]+
【0116】
実施例159
6−(4−クロロフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシプロピルチオ)−フェニル)チエノ−[3,2−d]−ピリミジン−4(3H)−オン
【化97】

実施例104に記載した方法に従って、市販品の4−ニトロチオフェノールを標題の化合物に変換した。
1H NMR (DMSO-d6) δ 1.19 (d, J = 6.04 Hz, 3H), 2.97-3.11 (m, 2H), 3.80-3.85 (m, 1H), 4.99 (d, J = 4.95 Hz, 1H), 7.47 (s, 4H), 7.56 (d, J = 8.80 Hz, 2H), 7.91 (d, J = 8.79 Hz, 2H), 7.96 (s, 1H), 8.40 (s, 1H);HPLC(方法#1) 4.00分;LCMS(ES) m/z 429(M+H)。
【0117】
実施例160
【化98】

パートA 4−(2−メトキシ−4−ニトロフェニル)ブタ−3−エン−2−オン
【化99】

65℃での2−メトキシ−4−ニトロベンズアルデヒド(10.0g;55.2mmol)の水(11mL)およびアセトン(11mL)混合溶液に、NaOH溶液(1%、13.8mL)を30分かけて加えた。混合物を65℃で2時間加熱し、氷浴中で冷却し、HCl(10%)で中和した。沈殿した固形物を濾過し、水で洗浄し、減圧乾燥して、赤褐色固形物として標題の化合物を得た(12.2g、100%)。HPLC(方法#1) 保持時間2.48分、(80%);MS(ES):m/z 222[M+H]+
【0118】
パートB 4−(2−メトキシ−4−ニトロフェニル)ブタ−3−エン−2−オール
【化100】

室温での4−(2−メトキシ−4−ニトロフェニル)ブタ−3−エン−2−オン(12.2g;55.2mmol)のエタノール懸濁液(150mL)に、NaBH4(2.30g;60.7mmol)を5分かけて加えた。懸濁液を室温で1時間攪拌し、NaHPO4(1M、〜60mL)で希釈し、続いて水(100mL)で希釈し、減圧濃縮して、エタノールを除去した。水性残渣(aqueous residue)をCH2Cl2で抽出した後、有機層を水および食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥し、濾過した。濾液の減圧濃縮によって、暗赤色ゴムとして標題の化合物を得た(12.3g、100%)。HPLC(方法#1) 保持時間3.68分、(50%);MS(ES):m/z 206 [M−OH]+
【0119】
パートC
【化101】

上記のニトロアリルアルコールを、H2/Pd/CのEtOH溶液を用いて飽和ヒドロキシアルキルエーテルを有する対応するアニリンに還元した後、溶融フェノール(molten phenol)中、実施例1のホルムアミジンと共に130℃で加熱して、標題の化合物を得た。
【0120】
実施例161
6−(4−クロロフェニル)−3−(4−(3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−3−メトキシフェニル)チエノ−[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン
【化102】

パートA 3−(2−メトキシ−4−ニトロフェニル)アクリル酸メチル
【化103】

2−メトキシ−4−ニトロベンズアルデヒド(904mg、4.99mmol)および(トリフェニルホスホラニリデン)酢酸メチル(2.04g、5.86mmol)のCH2Cl2溶液(25.0mL)を20℃で14時間攪拌した。溶媒を減圧蒸発させ、残渣をクロマトグラフィー(SiO2 230〜400メッシュ、4/1 ヘキサン/EtOAc)に供して、白色固形物として標題の化合物を得た(収量1.18g、4/1 E/Z 異性体混合物)。MS(エレクトロスプレー、+イオン) m/z 238(M+H)。
【0121】
パートB 3−(4−アミノ−2−メトキシフェニル)プロピオン酸メチル
【化104】

パートAの化合物(1.15g、4.85mmol)の1/1 THF/MeOH溶液(26.0mL)に、5% Pd−C(275mg、デグサタイプ(Degussa type))を加え、懸濁液を2時間水素化した(1気圧)。セライトを通して懸濁液を濾過し、濾過ケーキをMeOH(70mL)ですすいだ。濾液を合わせて蒸発させて、茶色がかった油として標題の化合物を得た(収量1.01g)。MS(エレクトロスプレー、+イオン) m/z 210(M+H)。
【0122】
パートC 3−(4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−メトキシフェニル)プロピオン酸メチル
【化105】

パートBの化合物(1.01g、4.83mmol)および二炭酸ジ−t−ブチル(2.11g、9.67mmol)のジオキサン溶液(36.0mL)をアルゴン下、95℃で4.5時間加熱した。20℃まで冷却した後、溶媒を減圧留去し、残渣をクロマトグラフィー(SiO2 230〜400メッシュ、4/1から3/2 ヘキサン/EtOAc)に供して、白色固形物として標題の化合物を得た(1.41g、収率94%)。MS (エレクトロスプレー、+イオン) m/z 254 (M+H − イソブチレン)。
【0123】
パートD 3−(4−(tert−ブトキシカルボニル(4−メトキシベンジル)アミノ)−2−メトキシフェニル)プロピオン酸メチル
【化106】

パートCの化合物(1.41g、4.56mmol)のDMF溶液に、アルゴン下で、炭酸セシウム(4.45g、13.7mmol)およびヨウ化テトラブチルアンモニウム(5.13g、13.6mmol)を加えた。20℃で40分間攪拌した後、塩化4−メトキシベンジル(1.27mL、9.36mmol)を懸濁液に加え、攪拌を20℃で7時間継続した。水(25.0mL)を加え、混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせて、水(2×30mL)および食塩水(30mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濃縮した。クルードのクロマトグラフィー(SiO2 230〜400メッシュ、4/1 ヘキサン/EtOAc)によって、無色油として標題の化合物を得た(1.90g、収率97%)。MS (エレクトロスプレー、+イオン) m/z 452 (M+Na)。
【0124】
パートE 4−(2−メトキシ−4−(4−メトキシベンジルアミノ)フェニル)−2−メチルブタン−2−オール
【化107】

ヨウ化メチルマグネシウム/エーテル溶液(3M、6.9mL、20.7mmol)を、エーテル(7.0mL)で希釈し、0℃まで冷却した。生じた溶液に、パートDの化合物(1.90g、4.42mmol)のエーテル溶液(5.0mL)を滴下して加えた。0℃で35分間攪拌した後、HCl(1M、15mL)をゆっくり加え、HCl(1M)をさらに加えることによって、水性混合物のpHを6.5に調整した。混合物をCH2Cl2(3×40mL)で抽出し、抽出物を合わせて乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。クロマトグラフィー(SiO2 230〜400メッシュ、3/2から1/1 ヘキサン/EtOAc)によって、3/2 BOC− カルバメート/アミン混合物として目的の三級アルコールを得た(1.75g、無色油)。
【0125】
上記の混合物の一部(82.1mg)を、〜3M HCl/MeOH、MeOAc[AcCl(1.3mL)をMeOH(5.0mL)に0℃で加え、20℃で30分間攪拌することによって製造した]で3時間処理した。溶液の蒸発後、標題の化合物(パートDの化合物からの収量78.1mg、黄色がかった固形物)をその塩酸塩として得た:MS(エレクトロスプレー、+イオン) m/z 330(M+H)。
【0126】
上記のHCl塩(78.1)をi−PrOH(3.0mL)および水(10mL)に溶解し、K2CO3(1M)に加えることによって、水性混合物のpHを10に調整した。混合物をCH2Cl2(3×30mL)で抽出し、抽出物を合わせて乾燥し(Na2SO4)、濃縮した。減圧乾燥によって、無色油として標題の化合物を得た(収量68.0mg)。MS (エレクトロスプレー、+イオン) m/z 330(M+H)。
【0127】
パートF 4−(4−アミノ−2−メトキシフェニル)−2−メチルブタン−2−オール
【化108】

パートFの化合物(68.0mg、0.21mmol)およびギ酸アンモニウムのMeOH溶液に、Pd−C(10%、8.0mg)を加え、懸濁液をアルゴン下、62℃で50分間加熱した。20℃まで冷却した後、セライトを通して混合物を濾過し、濾過ケーキをMeOH(20mL)ですすいだ。濾液を合わせて、蒸発させ、残渣をCH2Cl2に溶解し、水で洗浄した。有機層を乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。クルードのクロマトグラフィー(SiO2 230〜400メッシュ、95/5 CH2Cl2/MeOH)によって、無色油として標題の化合物を得た(38.0mg、収率87%)。MS (エレクトロスプレー、+イオン) m/z 210(M+H)。
【0128】
パートG
【化109】

パートFの化合物(57.1mg、0.27mmol)、実施例1のパートCのホルムアミジン(185mg、0.57mmol)およびフェノール(480mg)を混合し、130℃で45分間加熱した。混合物を20℃で20分間静置し、次いでMeOH(2.0mL)で処理し、濾過した。単離した固形物をMeOH(4×0.5mL)、CH2Cl2(2×0.25mL)ですすぎ、減圧乾燥して、灰色がかった白色固形物として目的の化合物を得た(49.6mg、収率41%)。
1H NMR ∂ (CDCl3 + CD3OD 滴下, ppm) 8.16 (s, 1H), 7.67 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.55 (s, 1H)., 7.45 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.31 (m, 1H), 6.91 (m + s, 2H), 3.87 (s, 3H), 2.76 (m, 2H), 1.78 (m, 2H), 1.31 (s, 6H);HPLC(方法#6):7.21分;LCMS(ES):m/z 455(M+H)。
【0129】
実施例162
6−(4−クロロフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシプロピル)−3−メトキシフェニル)チエノ[3,2−d]−ピリミジン−4−(3H)−オン
【化110】

パートA 1−(2−メトキシ−4−ニトロフェニル)プロパン−2−オール
【化111】

−78℃でのTiCl4(1.0M CH2Cl2溶液、1.43mL、1.43mmol)の無水Et2O攪拌溶液(7mL)に、MeLi(1.6M Et2O溶液、0.9mL、1.43mmol)を20分間かけて滴下して加えた。反応混合物を−30℃までゆっくり加温し、その時点で2−(2−メトキシ−4−ニトロフェニル)アセトアルデヒド(275mg、1.43mmol)(PCT WO2000/73288 A1に記載されているように製造した)の無水Et2O溶液(0.750mL)を滴下して加え、−10℃までゆっくり加温した。反応混合物を冷水に注ぎ、Et2O(3×50mL)で抽出した。エーテル抽出物を合わせて、水(1×100mL)で洗浄し、無水MgSO4で乾燥し、減圧濃縮して、オレンジ色の固形物として標題の化合物を得た(0.253g、85%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 1.25 (d, J = 6.0 Hz, 3 H), 1.62 (br. s., 1 H), 2.81 (dd, J = 13.2, 7.7 Hz, 1 H), 2.89 - 2.94 (m, 1 H), 3.93 (s, 3 H), 4.06 - 4.15 (m, 1 H), 7.32 (d, J = 8.2 Hz, 1 H), 7.72 (d, J = 2.2 Hz, 1 H), 7.82 (dd, J = 8.2, 2.2 Hz, 1 H);HPLC(方法#1):保持時間2.68分、(89%);LCMS(ES):m/z 194[M−H2O+H]+
【0130】
パートB
【化112】

実施例89に記載した方法に従って、1−(2−メトキシ−4−ニトロフェニル)プロパン−2−オール(253mg)を対応するアニリンに還元し、次いでフェノール(1.0g)中、130℃で0.25時間、実施例1 パートCのホルムアミジン(0.288g、0.894mmol)と縮合させて、標題の化合物を得た(0.072g)。
1H NMR (500 MHz, CD2Cl2) δ 1.19 - 1.23 (m, 3 H), 1.72 (br. s., 1 H), 2.72 (dd, J = 13.2, 8.2 Hz, 1 H), 2.86 (dd, J = 13.2, 4.4 Hz, 1 H), 3.82 (s, 3 H), 4.01 - 4.09 (m, 1 H), 6.91 (s, 1 H), 6.93 (s, 1 H), 7.30 (d, J = 7.7 Hz, 1 H), 7.44 (d, J = 8.2 Hz, 2 H), 7.53 (s, 1 H), 7.67 (d, J = 8.8 Hz, 2 H), 8.11 (s, 1 H);HPLC(方法#1):保持時間3.75分、(100%);LCMS(ES):m/z 427[M+H]+
【0131】
実施例163
4−(6−(4−クロロフェニル)−4−オキソチエノ−[3,2−d]ピリミジン−3−(4H)−イル)−2−メトキシ安息香酸メチル
【化113】

実施例89に記載した方法に従って、市販品として入手可能な4−アミノ−2−メトキシ安息香酸メチル(0.g、0.894mmol)を、フェノール(1.0g)中、130℃で0.25時間、実施例1 パートCのホルムアミジン(0.312g、0.967mmol)と縮合させて、無色固形物として標題の化合物を得た(0.039g)。
1H NMR (500 MHz, DMSO) δ 3.84 (d, J = 12.6 Hz, 6 H), 7.22 (d, J = 8.2 Hz, 1 H), 7.44 (s, 1 H), 7.58 (d, J = 8.2 Hz, 2 H), 7.79 (d, J = 8.2 Hz, 1 H), 7.94 (d, J = 8.2 Hz, 2 H), 8.01 (s, 1 H), 8.48 (s, 1 H);HPLC(方法#1):保持時間3.66分、(99%);LCMS(ES):m/z 427[M+H]+
【0132】
実施例164
6−(4−クロロフェニル)−3−(4−(2−エチル)−3−メトキシフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−(3H)−オン
【化114】

パートA 1−エチル−2−メトキシ−4−ニトロベンゼン
【化115】

公開された方法に従って、2−エチルアニリンをニトロ化し(Bergman, J.; Sand, P. Tetrahedron 1990, 46, 1085)、次いで2−エチル−5−ニトロフェノールに変換した(PCT WO1995/15954)。2−エチル−5−ニトロフェノール(0.320g、1.92mmol)、K2CO3(0.200g、1.44mmol)およびMeI(0.300g、2.11mmol)の混合物のアセトン溶液(4.0mL)を70℃で15時間加熱した。溶液を室温まで冷却し、H2Oで希釈し、濃縮し、CH2Cl2(3×30mL)で抽出した。有機層を合わせて、無水Na2SO4で乾燥し、減圧濃縮して、オレンジ色の油として標題の化合物(0.347g)を得、それをさらに精製することなく次の段階に用いた。HPLC(方法#1):保持時間3.46分、(75%);LCMS(ES):m/z 182[M+H]+
【0133】
パートB
【化116】

実施例89に記載した方法に従って、1−エチル−3−メトキシ−4−ニトロベンゼン(253mg)を対応するアニリンに還元し、次いでフェノール(0.75g)中、130℃で0.25時間、実施例1 パートCのホルムアミジン(0.265g、0.821mmol)と縮合して、灰色固形物として標題の化合物を得た(149mg)。
1H NMR (500 MHz, DMSO) δ 1.16 (t, J = 7.7 Hz, 3 H), 2.62 (q, J = 7.5 Hz, 2 H), 3.80 (s, 3 H), 7.04 (d, J = 7.7 Hz, 1 H), 7.17 (s, 1 H), 7.30 (d, J = 8.2 Hz, 1 H), 7.58 (d, J = 8.2 Hz, 2 H), 7.93 (d, J = 8.8 Hz, 2 H), 7.98 (s, 1 H), 8.42 (s, 1 H);HPLC(方法#1)保持時間4.50分、(98%);LCMS(ES):m/z 397[M+H]+
【0134】
実施例165および166
アニリン成分の代わりに市販品として入手可能な適当なベンジルアミンを用いることを除いては、実施例1に記載した方法に従って、以下の実施例を製造した。
【化117】

【表10】

【0135】
選択された二級および三級アルコールのプロドラッグを製造して、溶解度および露出(exposure)を改善した。三級アルコールのグリシンエステル以外のすべてのアミノ酸エステルを生成するのに用いられる標準的な条件は、実施例167に例示される。三級アルコールのグリシンエステルの製造は、実施例168に例示される。シュウ酸、マロン酸、コハク酸およびグルタル酸の各ハーフエステル(half-ester)は、実施例169から172に例示される。実施例173はO−グルコシドプロドラッグの製造を例示し;実施例174は一リン酸エステルの製造を例示する。
【0136】
実施例167
パートA 2−(tert−ブトキシカルボニル)−3−メチル酪酸 (2S)−1−(4−(6−(4−クロロフェニル)−4−オキソチエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)プロパン−2−イル
【化118】

実施例104に記載したアルコール(50mg、0.113mmol)、ジイソプロピルカルボジイミド(21μL、0.135mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(1mg、0.011mmol)およびn−(t−ブトキシカルボニル)−L−バリン(29mg、0.135mmol)の混合物のCH2Cl2溶液(1mL)を室温で1時間攪拌した。別のジイソプロピルカルボジイミド(5μL、0.032mmol)およびn−(t−ブトキシ−カルボニル)−L−バリン(5mg、0.023mmol)を加え、混合物を室温で3.5時間攪拌した。懸濁液をCH2Cl2で希釈し、水で洗浄した、MgSO4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、CH2Cl2/CH3OH、100:0から98:2 グラジエント)で精製して、白色固形物として標題の化合物を得た(76mg)。
1H NMR (CDCl3) δ 0.90-0.95 (m, 3H), 0.97-1.02 (m, 3H), 1.40 (d, 3H), 1.45 (s, 9H), 2.15-2.19 (m, 1H), 3.86 (d, 3H), 4.05-4.27 (m, 3H), 5.05-5.08 (m, 1H), 5.35-5.41 (m, 1H), 6.92-6.96 (m, 2H), 7.00-7.05 (m, 1H), 7.45 (d, J = 8.79 Hz, 2H), 7.54 (s, 1H), 7.66 (d, J = 8.80 Hz, 2H), 8.15 (d, 1H);HPLC(方法#1)保持時間4.73分、(99%);LCMS(ES):m/z 642[M+H]。
【0137】
パートB
【化119】

パートAの生成物を、TFA/CH2Cl2(1mL)の1:2混合物に溶解した。20℃で1時間後、HPLC分析反応によって反応が完了し、その上で揮発物を減圧留去した。残渣をCH2Cl2に溶解し、NaHCO3/Na2CO3水溶液で2回洗浄し、続いて食塩水で洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥した。濃縮すると、標題の化合物を得た(65mg、94%)。
1H NMR (DMSO-d6) δ 0.97-1.01 (m, 6H), 1.34-1.36 (m, 3H), 2.11-2.18 (m, 1H), 3.75 (d, 3H), 3.94-3.97 (m, 1H), 4.09-4.21 (m, 2H), 5.29-5.37 (m, 1H), 7.04-7.07 (m, 1H), 7.12-7.16 (m, 1H), 7.20-7.23 (m, 1H), 7.58 (d, J = 8.25 Hz, 2H), 7.92 (d, J = 8.80 Hz, 2H), 7.98 (s, 1H), 8.34 (br s, 3H), 8.39 (s, 1H);HPLC(方法#1) 3.07分;MS(ES):m/z 542[M+H]+
【0138】
実施例168
2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)酢酸 1−(4−(6−(4−クロロフェニル)−4−オキソチエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−エチルフェノキシ)−2−メチルプロパン−2−イル
【化120】

6−(4−クロロフェニル)−3−(3−エチル−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン(0.96g、2.11mmol)、4−ピロリジノピリジン(0.31g、2.11mmol)およびn−(tert−ブトキシカルボニル)グリシン(1.11g、6.33mmol)の還流で加熱したCH2Cl2溶液(20mL)に、ジイソプロピルカルボジイミド(0.98mL;6.33mmol)を注射器ポンプで3時間かけて加えた。懸濁液を還流で1時間加熱し、別のn−(tert−ブトキシカルボニル)グリシン(0.55g、3.17mmol)を加え、続いてジイソプロピルカルボジイミド(0.55mL、3.17mmol)を注射器ポンプで2時間かけて加えた。懸濁液を還流で1時間加熱し、室温まで冷却した。ヒドラジン一水和物(0.34mL、7.01mmol)を加え、懸濁液を室温で2時間攪拌した。懸濁液を0℃まで冷却し、濾過し、濾液を、冷HCl(1N)、希釈した冷NaHCO3溶液で洗浄し、無水MgSO4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン、0:100から1:1 グラジエント)で精製して、灰色がかった白色固形物として標題の化合物を得た(1.37g、100%)。
1H NMR (CDCl3) δ 1.24 (t, 3H), 1.45 (s, 9H), 1.64 (s, 6H), 2.68-2.73 (m, 2H), 3.85 (d, J = 4.95 Hz, 2H), 4.18 (s, 2H), 4.98 (br s, 1H), 6.92 (d, J = 9.35 Hz, 1H), 7.20-7.22 (m, 2H), 7.44 (d, J = 8.79 Hz, 2H), 7.53 (s, 1H), 7.66 (d, J = 8.25 Hz, 2H), 8.13 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 13.68, 23.39, 23.67, 28.28, 42.87, 72.72, 79.86, 81.86, 111.48, 120.82, 123.25, 125.42, 127.62, 129.42, 129.67, 131.54, 134.25, 135.59, 148.29, 151.50, 155.58, 156.69, 156.92, 157.37, 169.47;HPLC(方法#1)保持時間4.80分;LCMS(ES):m/z 612[M+H]+
【0139】
パートB
【化121】

実施例167のパートBに記載した方法に従って、BOC基を切断し、白色固形物として標題の化合物を単離した。
1H NMR (CDCl3) δ 1.24 (t, 3H), 1.48 (br s, 2H), 1.64 (s, 6H), 2.68-2.74 (m, 2H), 3.38 (s, 2H), 4.19 (s, 2H), 6.93 (d, J = 9.34 Hz, 1H), 7.19-7.22 (m, 2H), 7.44 (d, J = 8.79 Hz, 2H), 7.52 (s, 1H), 7.66 (d, J = 8.80 Hz, 2H), 8.12 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 13.68, 23.42, 23.75, 44.54, 72.72, 81.02, 111.43, 120.82, 123.22, 125.45, 127.62, 129.42, 129.62, 131.54, 134.17, 135.59, 148.27, 151.50, 156.77, 156.92, 157.37, 173.56;HPLC(方法#1):保持時間3.27分、(100%);LCMS(ES):m/z 512[M+H]+
【0140】
実施例169
1−(4−(6−(4−クロロフェニル)−4−オキソチエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)−2−メチルプロパン−2−イルシュウ酸tert−ブチル
【化122】

0℃まで冷却したシュウ酸クロリド(0.50mL;5.91mmol)に、t−ブタノール(0.28mL;2.95mmol)を30分かけて加えた。室温まで溶液を加温し、減圧濃縮した後、残渣をCH2Cl2(1mL)に溶解し、その上で6−(4−クロロフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−3−メトキシフェニル)チエノ[3,2−d]−ピリミジン−4(3H)−オン(100mg;0.219mmol)(実施例82の生成物)およびピリジン(42μL;0.522mmol)を加えた。懸濁液を室温で1.5時間攪拌した後、溶液をCH2Cl2で希釈し、HCl(1N)および食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc;100:0から1:1 グラジエント)で精製して、白色泡として標題の化合物を得た(120mg、94%)。
1H NMR (CDCl3) δ 1.55 (s, 9H), 1.70 (s, 6H), 3.87 (s, 3H), 4.24 (s, 2H), 6.92 (dd, J = 8.25 Hz, 2.20 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 2.20 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 8.24 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 8.79 Hz, 2H), 7.53 (s, 1H), 7.65 (d, J = 8.79 Hz, 2H), 8.13 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 23.14, 27.74, 56.36, 74.39, 84.26, 84.51, 111.76, 115.30, 119.27, 120.84, 123.22, 127.65, 129.47, 130.78, 131.54, 135.67, 148.19, 149.25, 150.64, 151.63, 156.77, 157.22, 157.35, 157.60;HPLC(方法#1)保持時間4.40分、(100%);MS(ES):m/z 585[M+H]+
【0141】
パートB 2−(1−(4−(6−(4−クロロフェニル)−4−オキソチエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)−2−オキソ酢酸
【化123】

1−(4−(6−(4−クロロフェニル)−4−オキソチエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)−2−メチルプロパン−2−イルシュウ酸tert−ブチル(124mg;0.212mmol)のTFA(0.5mL)およびCH2Cl2(1mL)溶液を、室温で1.5時間攪拌した。溶液を減圧濃縮して、白色泡として標題の化合物を得た(102mg、91%)。
1H NMR (CDCl3) δ 1.70 (s, 6H), 3.86 (s, 3H), 4.30 (s, 2H), 6.91-6.94 (m, 2H), 7.09 (d, J = 8.80 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 8.79 Hz, 2H), 7.66-7.69 (m, 3H), 8.74 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 22.76, 56.26, 74.60, 85.93, 111.25, 116.62, 119.30, 122.64, 127.93, 129.47, 129.70, 130.35, 136.86, 148.88, 151.00, 151.55, 155.17, 155.98, 157.04, 158.59, 159.55, 159.95;HPLC(方法#1)保持時間4.13分、(99%);MS(ES):m/z 529[M+H]+
【0142】
実施例170
3−(1−(4−(6−(4−クロロフェニル)−4−オキソチエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)−3−オキソプロパン酸
【化124】

パートA 1−(4−(6−(4−クロロフェニル)−4−オキソチエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)−2−メチルプロパン−2−イルマロン酸tert−ブチル
【化125】

6−(4−クロロフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−3−メトキシ−フェニル)−チエノ[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン(100mg;0.219mmol)(実施例82)、3−tert−ブトキシ−3−オキソプロパン酸(83μL;0.538mmol)、ジイソプロピルカルボジイミド(83μL;0.538mmol)および4−N,N−ジメチルアミノピリジン(27mg;0.219mmol)のCH2Cl2懸濁液(1mL)を、室温で17時間攪拌した。別の3−tert−ブトキシ−3−オキソプロパン酸(83μL;0.538mmol)およびジイソプロピルカルボジイミド(83μL;0.538mmol)を加え、懸濁液を室温で3時間攪拌した。懸濁液をCH2Cl2で希釈し、濾過し、濾液をHCl(1N)、飽和NaHCO3水溶液および食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc; 100:0から1:1 グラジエント)で精製して、ベージュ色の泡として標題の化合物を得た(104mg、79%)。
1H NMR (CDCl3) δ 1.47 (s, 9H), 1.64 (s, 6H), 3.23 (s, 2H), 3.87 (s, 3H), 4.20 (s, 2H), 6.91 (dd, J = 8.24 Hz, 2.20 Hz, 1H), 6.95 (d, J = 2.20 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 8.24 Hz, 1H), 7.44 (d, J = 8.24 Hz, 2H), 7.53 (s, 1H), 7.66 (d, J = 8.80 Hz, 2H), 8.13 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 23.37, 27.92, 44.04, 56.23, 74.44, 81.83, 82.01, 111.53, 114.75, 119.20, 120.87, 123.22, 127.65, 129.47, 130.51, 131.54, 135.67, 148.19, 149.30, 150.49, 151.63, 156.79, 157.40, 165.85, 166.20;HPLC(方法#1)保持時間4.46分、(97%);MS(ES):m/z 599[M+H]+
【0143】
パートB 3−(1−(4−(6−(4−クロロフェニル)−4−オキソチエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)−3−オキソプロパン酸
【化126】

実施例169 パートBに記載した方法に従って、パートAの生成物を標題の化合物に変換した。
1H NMR (CDCl3) δ 1.65 (s, 6H), 3.23 (s, 2H), 3.89 (s, 3H), 4.32 (s, 2H), 6.91-6.94 (m, 2H), 7.09 (d, J = 8.80 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 8.24 Hz, 2H), 7.55 (s, 1H), 7.65 (d, J = 8.79 Hz, 2H), 8.22 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 22.89, 42.14, 56.20, 75.00, 83.88, 111.58, 116.26, 119.60, 120.54, 122.82, 127.72, 129.52, 130.00, 131.32, 135.95, 148.09, 149.58, 150.82, 152.62, 157.40, 157.58, 166.43, 167.52;HPLC(方法#1)保持時間4.22分;MS(ES):m/z 529[M+H]+
【0144】
実施例171
4−(1−(4−(6−(4−クロロフェニル)−4−オキソチエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)−4−オキソブタン酸
【化127】

140℃での実施例82(140mg、0.306mmol)およびDMAP(56mg、0.459mmol)の混合物のDMA溶液(0.6mL)に、コハク酸無水物(183mg、1.83mmol)を5時間かけて加えた。反応混合物を140℃でさらに2時間攪拌した、次いで室温まで冷却した。混合物をDCMで希釈し、シリカゲルカラムにロード(load)した。DCMからDCM:ACN:HOAc(90:5:5)による溶離によって、部分的に精製した生成物を得、それをEtOHから再結晶することによって、灰色がかった白色固形物として標題の化合物を得た(90mg、収率53%)。
1H NMR (CDCl3) δppm 2.48 - 2.57 (m, 4 H), 3.90 (s, 3 H), 4.32 (s, 2 H), 6.89 - 6.96 (m, 2 H), 7.03 (d, J=8.14 Hz, 1 H), 7.15 - 7.21 (m, 1 H), 7.45 (d, J=8.65 Hz, 2 H), 7.54 (s, 1 H), 7.66 (d, J=8.65 Hz, 2 H), 8.16 (s, 1 H). HPLC(方法#1)保持時間4.71分;MS(ES):m/z 557[M+H]+
【0145】
実施例172
5−(1−(4−(6−(4−クロロフェニル)−4−オキソチエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)プロパン−2−イルオキシ)−5−オキソペンタン酸
【化128】

実施例104(100mg、0.225mmol)のDMF溶液(1mL)を、水素化ナトリウム(8.1mg、0.338mmol)のDMF溶液(2mL)に加えた。反応を室温で30分間攪拌した。次いでグルタル酸無水物(129mg、1.128mmol)を加え、反応混合物を室温で18時間攪拌した。反応混合物をHCl溶液(1.0N、40mL)に注ぎ、EtOAc(30mL)で抽出した。EtOAc層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物を、分取HPLC(ODS、水−MeOH_TFA 90:10:0.1から10:90:0.1 グラジエント)によって精製して、標題の化合物を得た(114mg、白色固形物)。
1H NMR (CDCl3) δ ppm 1.81 - 1.92 (m, 2 H), 2.31 (q, 4 H), 3.89 (s, 3 H), 4.25 (s, 2 H), 6.88 - 6.96 (m, 2 H), 7.04 (d, J=8.65 Hz, 1 H), 7.15 - 7.21 (m, 1 H), 7.45 (d, J=8.65 Hz, 2 H), 7.54 (s, 1 H), 7.66 (d, J=8.65 Hz, 2 H), 8.16 (s, 1 H);HPLC(方法#1)保持時間3.50分;MS(ES):m/z 557[M+H]+
【0146】
実施例173
6−(4−クロロフェニル)−3−(3−メトキシ−4−(2−((2S,3R,4S,5S,6R)−3,4,5−トリヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)プロポキシ)フェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン
【化129】

パートA
【化130】

実施例104(100mg、0.225mmol)、炭酸銀(311mg、1.12mmol)およびモレキュラーシーブ(4Å、500mg)の混合物のクロロホルム溶液(7mL)に、アセトブロモ−a−D−グルコース(232mg、0.564mmol)のクロロホルム溶液(3mL)をゆっくり加えた。反応混合物を還流で48時間攪拌した。沈殿した物質を、濾過し、濾液を濃縮し、ISCO フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル/ヘキサン−EtOAc 100:0から0:100 グラジエント)に付して、茶色ゴムとして標題の化合物を得た(139mg、収率80%)。
【0147】
パートB
【化131】

ナトリウム(75mg、3.12mmol)をMeOH(3mL)に加え、反応混合物を室温で30分間攪拌した。このように製造したNaOMe溶液を、次いで化合物A(60mg、0.077mmol)のMeOH溶液(1mL)に加えた。反応液を室温で1.5時間攪拌した。次いで混合物を濃縮し、残渣を水(10mL)に溶解し、ODSカラム(10g)にロードした。最初にカラムを水で溶離し、次いで100% 水から100% MeOHグラジエントで溶離して、白色固形物として標題の化合物を得た(39mg、収率83%)。
1H NMR ( MeOD) δ ppm 1.20 - 1.32 (m, 3 H), 3.06 - 3.15 (m, 1 H), 3.24 - 3.32 (m, 1 H), 3.52 - 3.63 (m, 1 H), 3.68 - 3.82 (m, 5 H), 3.90 - 4.04 (m, 2 H), 4.11 - 4.30 (m, 2 H), 4.33 - 4.59 (m, 1 H), 6.88 - 6.95 (m, 1 H), 7.02 - 7.10 (m, 2 H), 7.39 - 7.45 (m, 2 H), 7.59 - 7.64 (m, 1 H), 7.69 - 7.76 (m, 2 H), 8.22 - 8.29 (m, 1 H);HPLC(方法#2)保持時間2.65分;MS(ES):m/z 605[M+H]+
【0148】
実施例174
1−(4−(6−(4−クロロフェニル)−4−オキソチエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)−2−メチルプロパン−2−イル 二水素リン酸エステル
【化132】

パートA 1−(4−(6−(4−クロロフェニル)−4−オキソチエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)−2−メチルプロパン−2−イル ジベンジルリン酸エステル
【化133】

6−(4−クロロフェニル)−3−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−3−メトキシフェニル)チエノ[3,2−d]ピリミジン−4(3H)−オン(実施例82)(3.00g;6.56mmol)、1,2,4−トリアゾール(1.36g;19.7mmol)およびジベンジル N,N−ジイソプロピルホスホラミダイト(dibenzyl N,N-diisopropylphosphoramidite)(6.62mL;19.7mmol)のCH2Cl2懸濁液(40mL)を還流で16時間加熱した。溶液を室温まで冷却し、H22の水溶液(30%;4.00mL;35.3mmol)を加え、溶液を室温で2.5時間攪拌した。溶液をCH2Cl2で希釈し、メタ重亜硫酸ナトリウム(1M)、HCl(1N)、水および食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥し、濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/EtOAc; 100:0から0:100 グラジエント)で精製して、白色固形物として標題の化合物を得た(3.79g、80%)。
1H NMR (CDCl3) δ 1.65 (s, 6H), 3.75 (s, 3H), 4.07 (s, 2H), 5.04-5.06 (m, 4H), 6.87-6.96 (m, 3H), 7.29-7.35 (m, 10H), 7.44 (d, J = 8.24 Hz, 2H), 7.53 (s, 1H), 7.66 (d, J = 8.25 Hz, 2H), 8.10 (s, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ 22.56, 25.04, 56.08, 68.98, 69.03, 75.36, 82.87, 111.30, 113.91, 119.15, 120.87, 127.42, 127.67, 127.88, 128.33, 128.48, 129.47, 130.33, 131.54, 135.69, 136.07, 148.19, 149.10, 150.19, 151.63, 156.79, 157.37;HPLC(方法#1)保持時間4.85分、(100%);MS(ES):m/z 717[M+H]+
【0149】
パートB
【化134】

1−(4−(6−(4−クロロフェニル)−4−オキソチエノ[3,2−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−2−メトキシフェノキシ)−2−メチルプロパン−2−イル ジベンジルリン酸エステル(166mg;0.231mmol)のTFA溶液(2mL)および水(0.11mL)を室温で2時間攪拌した。溶液をメタノールで希釈し、減圧濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製して、白色固形物として標題の化合物を得た(59mg、48%)。
1H NMR (DMSO-d6) δ 1.52 (s, 6H), 3.79 (s, 3H), 4.03 (s, 2H), 7.04-7.12 (m, 2H), 7.20 (s, 1H), 7.57 (d, J = 8.25 Hz, 2H), 7.91 (d, J = 8.80 Hz, 2H), 7.96 (s, 1H), 8.39 (s, 1H); 13C NMR (DMSO-d6) δ 25.00, 56.42, 75.75, 79.18, 112.54, 113.80, 120.13, 122.12, 122.40, 128.25, 129.66, 130.47, 131.61, 134.67, 148.84, 149.52, 149.88, 150.18, 156.48, 157.82;HPLC(方法#1)保持時間3.73分、(98%);MS(ES):m/z 537[M+H]+
実施例175から207
【表11】











【0150】
生物学的評価
MCHR1活性の評価についての放射リガンド結合アッセイ
変異型(E4Q、A5T)hMCHR1受容体を発現する安定に導入されたHEK−293細胞からの細胞膜を、加圧型細胞破砕装置(dounce homogenization)および分画遠心によって作成した。MgCl2(10mM)、EGTA(2mM)、およびBSA(0.1%)(結合緩衝液)を有するHEPES(25mM、pH 7.4)の合計0.2mL中で90分間インキュベートした膜蛋白質(0.5〜1.0μg)を用いて結合実験を行った。競合結合アッセイについては、0.06〜0.1nM [Phe13、[125I]Tyr19]−MCHの存在下、標識していない試験分子の濃度を増大させて反応を行った。BSA(1%)を含む結合緩衝液(0.075mL)でプレコートした(pre−coated)96ウェル−GFC ユニフィルタープレート(Unifilter plate)で、すばやく減圧濾過することによって反応を終了し、TX−100(0.01%)を含むリン酸緩衝生理食塩水(0.4mL、pH 7.4)で3回洗浄した。フィルターを乾燥し、マイクロシント20(microscint 20)(0.05mL)を各ウェルに加え、続いてトップカウント(TopCount)(登録商標)マイクロプレートシンチレーションカウンター(パッカード)でシンチレーション測定することによって、放射活性を定量化した。4つのパラメータのロジスティック方程式(logistic equation)を用いた非線形最小二乗法によって、阻害定数を決定した。
【0151】
有用性および組合せ使用
有用性
本願の化合物は、これらに限らないが、代謝および摂食障害、並びに代謝障害に関連する病状(例えば、肥満、糖尿病、動脈硬化、高血圧、多嚢胞性卵巣病、循環器病、骨関節炎、皮膚障害、グルコース止血障害(impaired glucose hemostasis)、インスリン抵抗性、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、胆石症、異常脂血症症状(dislipidemic condition)、神経性過食症および心因性摂食障害等);睡眠障害;および精神障害(例えば、うつ病、不安症、統合失調症、薬物乱用、認知促進(cognition-enhancement)およびパーキンソン病)を含む、様々な症状および障害の処置のために、哺乳類、好ましくはヒトに投与され得る。
【0152】
本願に記載された化合物は、例えば、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(例えばタクリン)、ムスカリン受容体−1アゴニスト(例えば、ミラメリン)、ニコチンアゴニスト、グルタミン酸受容体(AMPAおよびNMDA)モジュレータ、および向知性剤(例えば、ピラセタム、レベチラセタム)などの認知増加剤の効果を強めるために用いられうる。本願の化合物と併用するためのアルツハイマー病および認知障害の処置に適当な治療剤の例は、ドネペジル、タクリン、レバスチグライン、5HT6、ガンマセクレターゼ阻害剤、ベータセクレターゼ阻害剤、SKチャネルブロッカー、MaXi−Kブロッカー,およびKCNQ類ブロッカーなどを包含する。
【0153】
本願に記載の該化合物は、パーキンソン病の処置に用いられる薬剤の効果を強めるために用いられ得る。パーキンソン病処置に用いられる薬剤の例は、COMT阻害剤を一緒に用い、または用いないで使用するレボドパ、抗グルタミン作動性薬(アマンタジン、リルゾール)、イダゾキサンのようなアルファ−2アドレナリン作動性拮抗薬、ナルトレキソンのようなオピエート拮抗薬、ロピニロールまたはプラミペキソールなどの他のドーパミンアゴニスト、またはトランスポーターモジュレータ、もしくはグリア由来神経栄養因子(GDNF)のような神経栄養因子などを包含する。
【0154】
組合せ使用
本願は、その技術的範囲内に、活性成分として、治療上の有効量の式Iの化合物の少なくとも1種を単独で、または医薬用担体もしくは希釈剤と併用することを特徴とする医薬組成物を含む。本願の化合物は、単独で使用できるが、必要に応じて、抗肥満剤、抗糖尿病剤、食欲抑制剤;コレステロール/脂質低下剤、HDLを増加させる薬物(HDL-raising agent)、認知促進剤、神経変性の処置に使用する薬剤、呼吸性病態の処置に使用する薬剤、腸障害の処置に用いる薬剤、抗炎症剤;抗不安誘発剤;抗うつ剤;抗高血圧剤;強心配糖体;および抗腫瘍薬を含む上述の障害の処置において、有用である他の適当な治療薬剤と組み合わせ用いられ得る。
【0155】
当該他の治療剤は、本願に係る、メラニン凝集ホルモン受容体(MCHR)拮抗薬の投与より先に、同時に、または後に投与され得る。
【0156】
本願の化合物と併用して用いるための適当な抗肥満剤の具体例は、メラノコルチン受容体(MC4R)アゴニスト、カンナビノイド受容体モジュレータ、成長ホルモン分泌促進物質受容体(GHSR)拮抗薬、ガラニン受容体モジュレータ、オレキシン拮抗薬、CCKアゴニスト、GLP−1アゴニスト、および他のプレ−プログルカゴン誘導ペプチド(Pre-proglucagon-derived peptide);NPY1またはNPY5拮抗薬、NPY2およびNPY4モジュレータ、コルチコトロピン放出因子アゴニスト、ヒスタミン受容体−3(H3)モジュレータ、aP2阻害剤、PPARガンマモジュレータ、PPARデルタモジュレータ、アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)インヒビター、11−β−HSD−1インヒビター、アディノペクチン受容体モジュレータ(adinopectin receptor modulator);AJ9677(武田/大日本)、L750355(メルク)、またはCP331648(ファイザー)等のベータ3アドレナリン作動性アゴニスト、または米国特許第5,541,204号、第5,770,615号、第5,491,134号、第5,776,983号および第5,488,064号で開示された他の公知のベータ3アゴニスト等、WO97/21993(U.Cal SF)、WO99/00353(カロバイオ)およびWO00/039077(カロバイオ)で開示された甲状腺受容体リガンドのような甲状腺受容体ベータモジュレータ、オルリスタットまたはATL−962(アリザイム)のようなリパーゼ阻害剤、セロトニン受容体アゴニスト(例えば、BVT−933(バイオビトラム(Biovitrum)))、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フルボキサミン、フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、クロルフェンテルミン、クロフォレックス、クロルテルミン、ピシロレックス、シブトラミン、デキサンフェタミン、フェンテルミン、フェニルプロパノールアミン、またはマジンドール等のモノアミン再取り込み阻害剤または放出剤、トピラメート(ジョンソン アンド ジョンソン)、CNTF(毛様体神経栄養因子)/アクソカイン(登録商標)(レジェネロン)、BDNF(脳由来神経栄養因子)、レプチンおよびレプチン受容体モジュレータ、またはカンナビノイド−1受容体拮抗薬(例えばSR−141716(サノフィ)もしくはSLV−319(ソルベイ))等の摂食障害剤を包含する。
【0157】
本願の化合物と併用して用いるための適当な抗糖尿病剤の具体例は、ビグアナイド剤、スルホニル尿素剤、グルコシダーゼ阻害剤、アルドース還元酵素阻害剤を含み得るインスリン分泌促進薬もしくはインスリン感作物質、チアゾリジンジオン化合物等のPPARγアゴニスト、フィブリン酸誘導体のようなPPARαアゴニスト、PPARδ拮抗薬またはアゴニスト、PPARα/γデュアルアゴニスト、11−β−HSD−1阻害剤、ジペプチジルペプチダーゼIV(DP4)阻害剤、SGLT2阻害剤(例えばタパグリフロジン(tapagliflozin)およびセラグリフォジン(seraglifozin))、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、および/またはメグリニチド化合物、並びにインスリンおよび/またはグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)、GLP−1アゴニスト、および/またはPTP−1B阻害剤(タンパク質チロシンホスファターゼ−1B阻害剤)等を包含する。
【0158】
該抗糖尿病剤は、経口抗高血糖性剤、好ましくはビグアナイド、例えばメトフォルミンもしくはフェンフォルミン、またはそれらの塩、好ましくはメトフォルミンHClでありうる。該抗糖尿病剤が、ビグアナイドである場合、本願化合物とビグアナイドの重量比が、約0.001:1から約10:1、好ましくは、約0.01:1から約5:1の使用範囲内となるように使用される。
【0159】
また抗糖尿病剤は、好ましくは、グリブリド(グリベンクラミドとしても知られる)、グリメピリド(米国特許第4,379,785号で開示)、グリピジド、グリクラジドまたはクロルプロパミド等のスルホニル尿素、ベータ細胞のATP−依存性チャネルに作用する他の公知のスルホニル尿素剤または他の抗高血糖性剤であって良く(グリブリドおよびグリピジドが、特に好ましい)、これらは同一のまたは別個の経口投与剤形で投与することができる。該経口用抗糖尿病剤は、同一のまたは別個の投与剤形で投与しうる、アカルボース(米国特許第4,904,769号で開示)またはミグリトール(米国特許第4,639,436号で開示)のようなグルコシダーゼ阻害剤であっても良い。
【0160】
本願の化合物は、チアゾリジンジオン系経口抗糖尿病剤のようなPPARγアゴニストまたは他のインスリン増感剤(NIDDM患者において、インスリン感受性効果を有する)、例えばロシグリタゾン(SKB)、ピオグリタゾン(武田)、三菱のMCC−555(米国特許第5,594,0l6号で開示)、グラクソ−ウェルカムのGL−262570、エングリタゾン(CP−68722、ファイザー)またはダルグリタゾン(CP−86325、ファイザー)、イサグリタゾン(MIT/J&J)、JTT−501(JPNT/P&U)、L−895645(メルク)、R−119702(三共/WL)、NN−2344(Dr.Reddy/NN)、またはYM−440(山之内)、好ましくは、ロシグリタゾンやピオグリタゾンと併用されうる。
【0161】
本願の化合物は、PPARα/γデュアルアゴニスト、例えばMK−767/KRP−297(メルク/キョーリン;K. Yajima, et. al., Am. J. Physiol. Endocrinol. Metab., 284: E966-E971 (2003)に記載されている)、AZ−242(テサグリタザル;アストラゼネカ;B. Ljung, et. al., J. Lipid Res., 43, 1855-1863 (2002)に記載されている);マルグリタザー(muraglitazar);または米国特許第6,414,002号に記載されている化合物と共に用いられうる。
【0162】
本願の化合物は、抗高脂血症剤、または動脈硬化症の処置のために用いられる薬剤との併用で用いられ得る。抗高脂血症剤の具体例は、これらに限らないが、米国特許第3,983,140号で開示されたメバスタチンおよび関連化合物、米国特許第4,231,938号で開示されたロバスタチン(メビノリン)および関連化合物、米国特許第4,346,227号で開示されたプラバスタチンおよび関連化合物、米国特許第4,448,784号および第4,450,171号で開示されたシンバスタチンおよび関連化合物を含むHMG CoA還元酵素阻害剤である。本明細書で用いられる他のHMG CoA還元酵素阻害剤は、これらに限らないが、米国特許第5,354,772号で開示されたフルバスタチン、米国特許第5,006,530号および第5,177,080号で開示されたセリバスタチン、米国特許第4,681,893号、第5,273,995号、第5,385,929号および第5,686,104号で開示されたアトルバスタチン、米国特許第5,011,930号で開示されたピタバスタチン[日産/三共のニスバスタチン(NK−104)またはイタバスタチン]、米国特許第5,260,440号で開示された塩野義−アストラ/ゼネカのロスバスタチン[ビサスタチン(ZD−4522)]および米国特許第5,753,675号で開示された関連するスタチン化合物、米国特許第4,613,610号で開示されたメバロノラクトン誘導体のピラゾール類縁体、PCT出願WO86/03488で開示されたメバロノラクトン誘導体のインデン類縁体、米国特許第4,647,576で開示された6−[2−(置換ピロール−1−イル)−アルキル)ピラン−2−オンおよびその誘導体、サール(Searle)のSC−45355(3−置換ペンタン二酸誘導体)ジクロロ酢酸、PCT出願WO86/07054で開示されたメバロノラクトンのイミダゾール類縁体、フランス特許第2,596,393号で開示された3−カルボキシ−2−ヒドロキシプロパンホスホン酸誘導体、欧州特許出願第0221025号で開示された2,3−二置換ピロール、フランおよびチオフェン誘導体、米国特許第4,686,237号で開示されたメバロノラクトンのナフチル類縁体、米国特許第4,499,289号で開示されたオクタヒドロナフタレン、欧州特許出願第0,142,146 A2で開示されたメビノリン(ロバスタチン)のケト類縁体、および米国特許第5,506,219および5,691,322で開示されたキノリンおよびピリジン誘導体を包含する。また、本明細書で使用するのに適したHMG CoA還元酵素を阻害するのに有用なホスフィン酸化合物は、GB 2205837に開示されている。
【0163】
本発明で使用するのに適当なスクアレン合成酵素阻害剤は、これらに限らないが、米国特許第5,712,396号で開示されたα−ホスホノ−スルフォネート類、イソプレノイド(ホスフィニル−メチル)ホスホネート類を含む、Biller, et al., J. Med. Chem., 31, 1869-1871 (1998)で開示された化合物、並びに例えば、米国特許第4,871,721号および第4,924,024号、および Biller, S.A., Neuenschwander, K., Ponpipom, M.M., and Poulter, C.D., Current Pharmaceutical Design, 2, 1-40 (1996)で開示された他の公知のスクアレン合成酵素阻害剤を含む。
【0164】
さらに、本発明で使用するのに適当な他のスクアレン合成酵素阻害剤は、P. Ortiz de Montellano, et al., J. Med. Chem., 20, 243-249 (1977)で開示されたテルペノイドピロホスフォネート類、Corey and Volante, J. Am. Chem. Soc., 98, 1291-1293 (1976)によって開示された該ファルネシル ジホスフェートアナログA、およびプレスクアレン ピロホスフェート(PSQ−PP)アナログ、McClard, R.W. et al., J. Am. Chem. Soc., 109, 5544 (1987)で報告されたホスフィニルホスフォネート類、Capson, T.L., 博士論文, June, 1987, Dept. Med. Chem. U of Utah, Abstract, Table of Contents, pp 16, 17, 40-43, 48-51, Summaryで報告されたシクロプロパン類を含む。
【0165】
本発明で使用するのに適当な他の抗高脂血症剤は、これらに限らないが、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル、クロフィブレート、ベザフィブレート、シプロフィブレート、クリノフィブレートなどのフィブリン酸誘導体、プロブコールおよび米国特許第3,674,836号で開示された関連化合物(プロブコールおよびゲムフィブロジルが好適)、コレスチラミン、コレスチポールおよびDEAE−セファデックス(SECHOLEX, POLICEXIDE)およびコレスタゲル(三共/ゲルテックス)のような胆汁酸金属イオン封鎖剤、並びにリポスタビル(ローヌ−プーラン)、エーザイのE−5050(N−置換されたエタノールアミン誘導体)、イマニキシル(HOE−402)、テトラヒドロリプスタチン(THL)、イスチグマスタニルホスフォリルコリン(SPC、ロシュ)、アミノシクロデキストリン(田辺製薬)、味の素 AJ−814(アズレン誘導体)、メリナミド(住友)、サンド 58−035、アメリカンシアナミドのCL−277082およびCL−283546(ジ置換ウレア誘導体)、ニコチン酸(ニアシン)、アシピモックス、アシフラン、ネオマイシン、p−アミノサリチル酸、アスピリン、米国特許第4,759,923号で開示されたポリ(ジアリルメチルアミン)誘導体、四級アミンポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)および米国特許第4,027,009号で開示されたインデン化合物、および他の公知の血清コレステロール低下剤等を含む。
【0166】
該他の抗高脂血症剤は、Drugs of the Future, 24, 9-15 (1999), (Avasimibe);「The ACAT inhibitor, Cl-1011 is effective in the prevention and regression of aortic fatty streak area in hamsters」Nicolosi et al, Atherosclerosis (Shannon, Irel), 137 (1), 77-85 (1998);「The pharmacological profile of FCE 27677: a novel ACAT inhibitor with potent hypolipidemic activity mediated by selective suppression of the hepatic secretion of ApoB100-containing lipoprotein」Ghiselli, Giancarlo, Cardiovasc. Drug Rev., 16 (1), 16-30 (1998);「RP 73163: a bioavailable alkylスルフィニル-diphenylimidazole ACAT inhibitor」Smith, C., et al, Bioorg. Med. Chem. Lett, 6 (1), 47-50 (1996);「ACAT inhibitors: physiologic mechanisms for hypolipidemic and anti-atherosclerotic activities in experimental animals」Krause et al, Editor(s): Ruffolo, Robert R., Jr.; Hollinger, Mannfred A., Inflammation: Mediators Pathways, 173-98 (1995), Publisher: CRC, Boca Raton, Fla.;「ACAT inhibitors: potential anti-atherosclerotic agents」Sliskovic et al, Curr. Med. Chem., 1 (3), 204-25 (1994);「Inhibitors of acyl-CoA:cholesterol O-acyl transferase (ACAT) as hypocholesterolemic agents. 6. The first water-soluble ACAT inhibitor with lipid-regulating activity. Inhibitors of acyl-CoA:cholesterol acyltransferase (ACAT). 7. Development of a series of substituted N-phenyl-N'-[(1-phenylcyclopentyl)methyl]ureas with enhanced hypocholesterolemic activity」, Stout et al, Chemtracts: Org. Chem., 8 (6), 359-62 (1995)等の中で開示された、またはTS−962(大正製薬)、他にはF−1394、CS−505、F−12511、HL−004、K−10085およびYIC−C8−434等のACAT阻害剤(抗アテローム動脈硬化活性をも有する)であり得る。
【0167】
該抗高脂血症剤は、MD−700(大正製薬)およびLY295427(イーライリリー)のようなLDL受容体のアップレギュレーターであり得る。抗高脂血症剤は、コレステロールの吸収阻害剤、好ましくは、シェリング−プラウのSCH48461(エゼチミベ)に加えて、Atherosclerosis 115, 45-63 (1995) および J. Med. Chem. 41, 973 (1998) で開示された化合物であり得る。
【0168】
該他の脂質剤または脂質調節剤は、ファイザーのCP−529,414のようなコレステリル転送蛋白阻害剤(CETP)だけでなく、WO/0038722、EP818448(バイエル)ならびにEP992496で開示された薬剤や、ファルマシア社のSC−744およびSC−795、CETi−1およびJTT−705でもあり得る。
【0169】
該抗高脂血症剤は、例えば、Drugs of the Future, 24, 425-430 (1999) で開示された、回腸のNa+/胆汁酸共輸送阻害剤であり得る。本願の組合せで用いられ得る該ATPクエン酸リアーゼ阻害剤は、例えば、米国特許第5,447,954号で開示されたものを含み得る。
【0170】
該他の脂質剤はまた、例えば、WO00/30665で開示された植物性エストロゲン化合物も含み、大豆蛋白質、大豆蛋白質濃縮液または大豆の粉からの単離物だけでなく、ゲニステイン、ダイドゼイン、グリシテイン、またはエクオール、もしくは植物性ステロール類、WO2000/015201で開示された植物性スタノール、またはトコトリエノール等のイソフラボンも含み;EP675714で開示されたベータ−ラクタムコレステロール吸収阻害剤;LXRアゴニストのようなHDLアップレギュレーター、PPARα−アゴニスト、および/またはFXRアゴニスト;EP1022272で開示されたLDL異化プロモーター;DE19622222で開示されたナトリウム−プロトン交換阻害剤;米国特許第5,698,527号およびGB2304106で開示されたLDL受容体誘発剤またはステロイド性のグリコシド;WO94/15592で開示されたベータ−カロテン、アスコルビン酸、α−トコフェロールまたはレチノールおよびビタミンC等の抗酸化剤、ならびに葉酸、葉酸化合物、ビタミンB6、ビタミン12およびビタミンE等の抗ホモシステイン剤;WO97/35576で開示されたイソニアジド;コレステロール吸収阻害剤、HMG−CoA合成酵素阻害剤、またはWO97/48701で開示されたラノステロール脱メチラーゼ阻害剤;異脂肪血症の処置のためのPPARδアゴニスト;またはWO2000/050574で開示されたステロール調節エレメント結合蛋白−I(SREBP−1)、例えば、セラミドまたは中性スフィンゴミエリナーゼ(N−SMase)またはそれらのフラグメントのようなスフィンゴ脂質などを包含する。好ましい抗高脂血症薬は、プラバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、ピタバスタチンおよびロスバスタチンだけでなく、ニアシンおよび/またはコレスタゲルである。
【0171】
本願の化合物は、抗高血圧剤と併用して用いられ得る。本願の化合物と併用するための適当な抗高血圧剤の例は、ベータアドレナリン作動性ブロッカー、カルシウムチャネルブロッカー(L−タイプおよび/またはT−タイプ;例えば、ジルチアゼム、ベラパミル、ニフェジピン、アムロジピンおよびミベフラジル)、利尿剤(例えば、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、フルメチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンドロフルメチアジド、メチルクロロチアジド、トリクロロメチアジド、ポリチアジド、ベンズチアジド、エタクリン酸トリクリナフェン、クロルタリドン、フロセミド、ムソリミン、ブメタニド、トリアムトレン、アミロリド、スピロノラクトン)、レニン阻害剤、ACE阻害剤(例えば、カプトプリル、ゾフェノプリル、フォシノプリル、エナラプリル、セラノプリル、シラゾプリル、デラプリル、ペントプリル、キナプリル、ラミプリル、リシノプリル)、AT−1受容体拮抗薬(例えば、ロサルタン、イルベサルタン、バルサルタン)、ET受容体拮抗薬(例えば、シタクスセンタン、アトルセンタンおよび米国特許第5,612,359号、および第6,043,265号で開示された化合物)、デュアルET/AII拮抗薬(例えば、WO 00/01389で開示された化合物)、中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤、バゾペプシダーゼ阻害剤(デュアルNEP−ACE阻害剤)(例えば、オマパトリラートおよびゲモパトリラート)およびナイトレート化合物等を含む。
【0172】
MCHR1拮抗薬は、睡眠障害を含む肥満と関連する他の病気の処置に有用であり得る。それ故、本願に記載の該化合物は、睡眠障害の処置のための治療剤と併用され得る。本願の化合物と併用するための睡眠障害の処置における適当な治療剤の例は、メラトニンアナログ、メラトニン受容体拮抗薬、ML 1 Bアゴニスト、GABA受容体モジュレータ;NMDA受容体モジュレータ、ヒスタミン−3(H3)受容体モジュレータ、ドーパミンアゴニストおよびオレキシン受容体モジュレータを含む。
【0173】
MCHR1拮抗薬は、薬物乱用または嗜癖障害を減じる、もしくは回復し得る。それ故、嗜癖障害の処置に用いる薬剤とカンナビノイド受容体モジュレータの併用は、必要投与量を減少するか、または現在の嗜癖障害の治療の効力を改善しうる。薬物乱用または嗜癖障害の処置に用いる薬剤の例は、選択的なセロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、メタドン、ブプレノルフィン、ニコチンおよびブプロピオンである。
【0174】
MCHR1拮抗薬は、不安または鬱病を減少し得る。したがって、本明細書に記載の化合物は、抗不安誘発剤または抗うつ剤と併用され得る。本願の化合物と併用するための適当な抗不安誘発剤の例は、ベンゾジアゼピン化合物(例えば、ジアゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼプ酸、ハラセパム、およびプラゼパム)、5HT1A受容体アゴニスト(例えば、ブスピロン、フレシノキサン、ゲピロンおよびイプサピロン)、およびコルチコトロピン放出因子(CRF)拮抗薬を含む。
【0175】
本願の化合物と併用するための適当な抗うつ剤の分類例は、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(三環系三級および二級アミン)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)(フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチンおよびセルトラリン)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)(イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミン、セレギリン)、可逆的モノアミンオキシダーゼ阻害剤(RIMA)(モクロベミド)、セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)(ベンラファキシン)、コルチコトロピン放出因子(CRF)受容体拮抗薬、α−アドレノ受容体拮抗薬、および異型の抗うつ剤(ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドンおよびビロキサジン)を含む。
【0176】
MCHR1拮抗薬と従来の抗精神病薬の併用は、精神病または躁病の治療において、症状の減少も強めうる。さらに、当該併用は、急な症状の減少を可能にし、抗精神病剤の慢性的な治療の必要性を減じる。当該併用は、抗精神病に有効な必要投与量の減少をも可能であり、慢性的な抗精神病治療の典型的な運動障害に発展する可能性を減少する結果となりうる。
【0177】
本願の化合物と併用するための適当な抗精神病剤の例は、フェノチアジン(クロルプロマジン、メソリダジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、およびトリフルオペラジン)、チオキサンチン(クロルプロチキセン、チオチキセン)、ヘテロ環ジベンズアゼピン(クロザピン、オランゼピンおよびアリピラゾール)、ブチロフェノン(ハロペリドール)、ジフェニルブチルピペリジン(ピモジド)およびインドロン(モリンドロン)等の抗精神病剤群を含む。本願の化合物との併用において、治療の有用性が見込まれる他の抗精神病剤は、ロキサピン、スルピリドおよびリスペリドンを含む。
【0178】
本願の化合物と従来の抗精神病薬との併用は、躁病における上記の通り、統合失調症処置での治療効果も増加する。ここで使用される、統合失調障害は、妄想性の、支離滅裂な、緊張性の、未分化のおよび後遺症の統合失調症、統合失調様障害、統合失調感情障害、妄想障害、短期の精神病障害および特定されない精神障害等も含む。本願の化合物との併用における適当な抗精神病薬の例は、上述の抗精神病薬だけでなく、ドーパミン受容体拮抗薬、ムスカリン受容体アゴニスト、5HT2A受容体拮抗薬および5HT2A/ドーパミン受容体拮抗薬または部分的なアゴニスト(例えば、オランゼピン、アリピプラゾール、リスペリドン、ジプラシドン)などを含む。
【0179】
本願は、詳細に説明された科学的態様の観点から本明細書に記載されているが、このような態様が、本願の一般的原理の例証によって与えられ、本願が必ずしもそれらに限らないことは理解されるべきである。いずれの所定の物質、工程段階または化学式における特定の改変および変化も、本願の真の精神および範囲からはずれることなく当業者に容易に理解され、すべてのこのような改変および変化は、特許請求の範囲の範囲内であると考えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
1は独立して、水素、ハロゲン、低級アルキル、低級シクロアルキル、アリール、CF3、CN、NR77、OR6およびSR6からなる群より選択され;
2は、水素および低級アルキルからなる群より選択され;
3は独立して、水素および低級アルキルからなる群より選択され;
4は、ヒドロキシルまたはG−D2−Znからなる群より選択され、その中で、R4およびR5は一緒になって、4から7原子の環を形成してもよく;
5は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、低級アルキル、低級シクロアルキル、CF3、SR6、低級アルコキシ、低級シクロアルコキシ、CN、CONR77、SOR6、SO26、NR7COR7、NR7CO27、CO26、ヘテロアリール、NR7SO26およびCOR6からなる群より選択され;
mは、0から1の整数であり;
nは、1から3の整数であり;
Gは、直接結合、O、SおよびCR77からなる群より選択され;
2は、直接結合、低級アルキル、低級シクロアルキルおよび4から6員非塩基性ヘテロ環からなる群より選択され;
Zは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、低級アルコキシ、低級シクロアルキル、低級シクロアルコキシ、OCOR6、OCONR77、CN、CONR77、OSO26、SR6、SOR6、SO26、NR7COR7、NR7CONR77、NR7CO27、CO27、ヘテロ環、OPO(OR62、NR7SO26およびCOR6からなる群より選択され;
6は独立して、低級アルキル、低級シクロアルキル、ヘテロ環およびヘテロアリールからなる群より選択され;並びに
7は独立して、水素、低級アルキル、低級シクロアルキルおよびヘテロ環からなる群より選択され、その中で、2つのR7およびそれらに結合する原子は、4から7原子の環を適宜形成しうる]
の化合物、またはその医薬的に許容される塩、立体異性体、プロドラッグ、もしくは溶媒和物。
【請求項2】
5が、水素、低級アルキルおよび低級アルコキシからなる群より選択される、請求項1の化合物。
【請求項3】
少なくとも一つのR1が水素である、請求項2の化合物。
【請求項4】
少なくとも一つのR1が、ハロゲンおよび低級アルキルからなる群より選択される、請求項3の化合物。
【請求項5】
ハロゲンがクロロである、請求項4の化合物。
【請求項6】
4がG−D2−Znであり;および
nが、1から2の整数である、請求項5の化合物。
【請求項7】
GがOである、請求項6の化合物。
【請求項8】
2が水素であり、少なくとも一つのR3が水素である、請求項7の化合物。
【請求項9】
該化合物が、以下:
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

からなる群より選択される、請求項1の化合物。
【請求項10】
少なくとも一つの請求項1の化合物;および
少なくとも一つの医薬的に許容される希釈剤もしくは担体を含む医薬組成物。
【請求項11】
少なくとも一つの別の治療剤をさらに含む、請求項10の医薬組成物。
【請求項12】
少なくとも請求項1の化合物;および
少なくとも一つの別の治療剤を含む医薬組成物であって、別の治療剤が、請求項1の化合物の前、請求項1の化合物と同時、または請求項1の化合物の後に投与されうる医薬組成物。
【請求項13】
少なくとも一つの請求項1の化合物の治療上の有効量を、単独で、または一つもしくはそれ以上の治療剤と併用して、治療が必要な患者に投与することを特徴とする、肥満症の治療方法。
【請求項14】
少なくとも一つの請求項1の化合物の治療上の有効量を、単独で、または一つもしくはそれ以上の治療剤と併用して、治療が必要な患者に投与することを特徴とする、糖尿病の治療方法。
【請求項15】
該糖尿病がII型糖尿病である、請求項14の方法。
【請求項16】
少なくとも一つの請求項1の化合物の治療上の有効量を、単独で、または一つもしくはそれ以上の治療剤と併用して、治療が必要な患者に投与することを特徴とする、うつ病の治療方法。
【請求項17】
少なくとも一つの請求項1の化合物の治療上の有効量を、単独で、または一つもしくはそれ以上の治療剤と併用して、治療が必要な患者に投与することを特徴とする、不安症の治療方法。
【請求項18】
式II:
【化26】

[式中、
Aは、フェニルおよび単環式ヘテロアリールからなる群より選択され;
Dは、CH2および直接結合からなる群より選択され;
1は独立して、水素、ハロゲン、低級アルキル、低級シクロアルキル、CF3、OR6およびSR6からなる群より選択され;
2は、水素および低級アルキルからなる群より選択され;
4は、ヒドロキシルまたはG−D2−Znからなる群より選択され;
nは、1から3の整数であり;
5は、水素、ハロゲン、低級アルキル、低級シクロアルキル、CF3、SR6、低級アルコキシ、低級シクロアルコキシ、CN、CONR77、SOR6、SO26、NR7COR7、NR7CO27、CO26、ヘテロアリール、NR7SO26およびCOR6からなる群より選択され;
Gは、O、SおよびCR77からなる群より選択され;
2は、直接結合、低級アルキル、低級シクロアルキルおよび4から6員非塩基性ヘテロ環からなる群より選択され;
Zは、水素、ヒドロキシル、低級アルコキシ、低級シクロアルコキシ、OCONR77、CN、CONR77、SOR6、SO26、NR7COR7、NR7CO27、CO26、ヘテロアリール、NR6SO26およびCOR6からなる群より選択され;
6は独立して、低級アルキルおよび低級シクロアルキルからなる群より選択され;並びに
7は独立して、水素、低級アルキルおよび低級シクロアルキルからなる群より選択され、その中で、2つのR7およびそれらに結合する原子は、4から7原子の環を適宜形成しうる]
の化合物、またはその医薬的に許容される塩、立体異性体、プロドラッグ、もしくは溶媒和物。
【請求項19】
5が低級アルコキシである、請求項18の化合物。
【請求項20】
少なくとも一つのR1が水素である、請求項19の化合物。
【請求項21】
少なくとも一つのR1がハロゲンである、請求項20の化合物。
【請求項22】
該ハロゲンがクロロである、請求項21の化合物。
【請求項23】
4がG−D2−Znであり;および
nが、1から2の整数である、請求項22の化合物。
【請求項24】
GがOである、請求項23の化合物。
【請求項25】
2が低級アルキルである、請求項24の化合物。

【公表番号】特表2009−513658(P2009−513658A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−537932(P2008−537932)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/041725
【国際公開番号】WO2007/050726
【国際公開日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】