説明

モジュール水槽フィルタ

モジュール水槽フィルタは、直列に連結された1つまたは複数のカートリッジを備えている。カートリッジは、化学的、生物学的、および/または機械的濾過のためのフィルタ媒体を含むことができる。加えて、カートリッジは、フィルタ媒体で水の接触領域および流量を大きくするように、独自の内部螺旋状幾何形状を提供するように設計されている。螺旋は任意選択で、水槽濾過に対して異なる厚さのフィルタ層を提供するように調節することができる。螺旋の跳躍のピッチは、カートリッジ内の遠心水流を改善するように変更することができる。本発明はまた、カートリッジの交換を早くするように、外れた場合にフィルタを通る水流を遮断する自己密封弁アセンブリをフィルタ入口および出口に提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、教示を本明細書で参照として援用する、2004年9月7日出願の米国実用新案特許第10/935,725号に基づく優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は概して、水槽フィルタに関し、より詳細には、直列に取り付けられ、自己密閉式コネクタに連結された1つまたは複数のフィルタカートリッジを有するフィルタに関する。
【背景技術】
【0003】
カートリッジは個別および独自に、水槽環境の生物学、化学および/または粒子状物質濾過を行うことができる。各カートリッジは、フィルタ媒体を支持する螺旋状流ディレクタおよび穿孔プラットフォームを備えている。
【0004】
水槽を清潔に保つため、粒子状物質を水槽の水から取り除くフィルタが、何年もの間水槽内で使用されてきた。従来、最も普通のタイプの水槽フィルタは、上縁部上の水槽の外側に垂下する電力フィルタである。これは、水槽からフィルタボックス内に水を運ぶサイフォン管を備えている。フィルタボックスに入る水は、水から粒子状物質を取り除くように様々なタイプのフィルタ媒体の上を流れる。水は、水から化学不純物を取り除くようにフィルタカーボンを通過し、その後ポンプを使用して水槽内に汲み上げ戻される。このような電力フィルタの例としては、E. G .Danner Manufacturing Co.から販売されているSupreme Aqua King電力フィルタ、Willinger Bros. Mfg. Co.から販売されているSecond Nature Whisper電力フィルタ、およびRolf Hagen Manufacturing Co.から販売されているAqua Clear電力フィルタが挙げられる。
【0005】
別のタイプの水槽フィルタは、水槽の外側および下に配置することができるキャニスタタイプのフィルタである。取入および出力ホースが、水槽縁部の上に垂下し、フロア上のキャニスタフィルタに連結されている。水は、重力によって取入ホースを通して水槽からキャニスタまで供給される。水槽の水は、機械的にも化学的にも処理され、キャニスタ内に含まれるポンプによって水槽内に汲み上げ戻される。キャニスタタイプのフィルタの例としては、Hagen USA Mfg. Co.から販売されているHagen Fluvalフィルタ、Aquaria, Inc.から販売されているMarine Land Canisterフィルタ、Eheim GmbH & Co. KG.から販売されているEheim Classic Canisterフィルタが挙げられる。
【0006】
内部に取り付けられた電力フィルタは、さらに別のタイプの水槽フィルタである。このようなフィルタは、水槽内側に沈められた内蔵ポンプを有する小型キャニスタを備えている。水は、キャニスタの底部に入り、粒子状物質および化学廃棄物を取り除くフィルタスリーブを通して流れる。濾過された水はその後、キャニスタの上部から水槽内に汲み戻される。このタイプのフィルタの例は、Danner Mfg.から販売されているSupreme Ovation内部フィルタ、およびHagen USA Mfg.から販売されているHagen Fluval内部フィルタである。
【0007】
水槽内で利用されるさらに別のタイプのフィルタは、水槽床面にある穿孔された持ち上げプレートからなる砂利下フィルタである。上昇管は、フィルタのいずれかの端部に設けられており、水槽の上部内に延びている。砂利は、約2インチの厚さまでプレートの上部に置かれている。外部ポンプからの空気路は、底部プレートに対して上昇管内に配置され、エアストーンは、空気路の端部に配置されている。空気は、エアストーンを通してポンプにより押され、それによって管を通して気泡を水面まで上昇させて、乱流または流れが作り出される。水はその後、砂利を通して引き込まれ、上昇管まで押し上げられる。水槽からの廃棄物は、砂利床を通して引き出され、ここで細菌があらゆるアンモニアまたは亜硝酸塩をあまり有害ではない硝酸塩に分解する。しかし、生物学フィルタは全ての化学廃棄物を取り除く。このような砂利下フィルタの例としては、Perfecto Mfg.およびPenplex Mfg.から販売されているフィルタが挙げられる。
【0008】
水槽内で普通に使用されるさらに別のタイプの従来技術のフィルタは、上部で水槽内部で垂下するスキマボックスを備えた、湿式/乾式細流タイプフィルタである。水槽の外側でスキマボックスの後ろに直接取り付けられたプレフィルタまで水槽から水を運ぶように、サイフォン管が設けられている。水は、粒子状物質を捕捉するようにプレフィルタ内のフォームスリーブを通過する。水はその後、普通は水槽の下に配置されたタンク内にホースを通して移動する。水が水槽の下のタンクに入ると、複数のプラスチック生物圏を含むフィルタの乾式チャンバ内で液滴プレートまたは噴霧バーの上に流れる。水は、タンクの底部まで生物圏の上およびそれを通して滴る。細菌コロニーは、上を通過する水の中の廃棄製品上で送り込まれる全ての生物圏上で成長する。ここから、水はフィルタタンクの底部内で集まり、その後化学廃棄物を水から取り除くようにカーボンフィルタまたは他のフィルタを通過する。水はその後、ドロマイト、破砕サンゴ、または破砕貝殻を通されて、その後戻りホースを通して水槽まで汲み上げ戻される水を緩衝剤処理する。湿式/乾式フィルタとしては、機械的、化学的、および生物学的フィルタを挙げることができる。このような例は、Oceanic System, Inc.から販売されているPlus Series細流フィルタ、およびPerfecto Mfg. Co.から販売されているFerfecto湿式/乾式濾過システムである。
【0009】
湿式/乾式フィルタはまた、水槽に内蔵し、タンクの永久部分を形成することもできる。タンクに永久に内蔵されるこのような湿式/乾式フィルタの1つが、アリゾナ州、TempeのTenecor Corporationから販売されている。
【0010】
湿式/乾式フィルタの代替形態は、小型水槽用の一体型ポンプおよびヒータを備えた内部に取り付けられた湿式/乾式フィルタである。フィルタは、水位でフィルタの上部の後壁面に対して水槽の内側に配置されている。水はフィルタに入り、その後粒子状物質および化学廃棄物を取り除くフィルタカートリッジを通過する。水の一部がその後、生物学的濾過のために乾式チャンバの液滴プレート内に汲み上げられる。残りの水はその後、乾式領域を迂回するように、水槽内に直接汲み上げ戻される。このようなフィルタの1つが、「Biolife」フィルタという商標でRolf Hagen Mfg.から販売されている。
【0011】
上記から明らかであるように、適切および継続的な濾過は適切で健康な魚を保持するのに重要であり、機械的、生物学的および化学的の3つの基本的な濾過方法がある。しかし、1つの長期にわたる問題は、例えば、新しく充填したフィルタ媒体がその意図した目標を達成しているが、時間の経過と共に、効率が損なわれる傾向がある。
【0012】
例えば、機械的濾過媒体、過剰な食物の大きな粒子、および他のデブリがこれにより水から取り除かれ、選別され、またはすくい取られる手段は、時間の経過と共に詰まって、意図したように機能する能力が小さくなる。化学的濾過は、水から臭気、色、およびアンモニアなどの有害物質を取り除くのに、活性炭およびゼオライトなどのアンモニア吸収剤を使用する。しかし、活性炭はまた時間の経過と共にその効果が損なわれ、同様に交換が必要となる。
【0013】
加えて、機械的および化学的濾過の交換は最終的に必要であるが、生物学的フィルタである、アンモニアおよび亜硝酸塩(魚廃棄物の副産物)を取り除く一次手段に深い注意を払わなければならない。十分確立した水槽は、自然生態系であり、この中で水槽内で自然に生じる魚および有益な細菌は、適切および健康に生き延びるために互いに依存している。この相互関係の結果は普通、「窒素循環」と呼ばれる。魚は食べ、廃棄物としてアンモニアを発生させる。過剰な食物および植物はまた、腐食し、アンモニアを発生させる。有益な細菌(好気性菌)はアンモニアを中和し、亜硝酸塩を発生させ、その後、硝酸塩を発生させる別の有益な細菌によって中和される。通常レベルの硝酸塩は淡水魚に無害であり、時間の経過と共に、部分的な水の変化により水槽から直ぐに取り除くことができる。したがって、水槽内の自然体系は、化学物質または消費者の援助なしで、有毒なアンモニアを無害な硝酸塩に変える。
【0014】
上記から発展させると、好気性細菌がフィルタシステム内で育成および成長する場所である必要が明らかにある。結局、細菌はフィルタアセンブリ内のあらゆる多孔表面上、例えば細菌が生き残るように一定の流れの水を汲み上げるキャニスタフィルタ内の媒体上で成長することが分かる。すなわち、好気性細菌が生殖および成長するのに酸素を必要とするので、水を酸化させなければならない。水の適切な爆気、および有益な細菌上の優れた水流を有する水槽は、有益な好気性細菌を維持するのに十分な酸素を提供する。また、もちろん、細菌に対する食物(アンモニア)源がなければならない。水または植物を有するあらゆるタンクが、十分な食物を提供する。濾過システムはその後、食べるための有益な細菌上でアンモニア担持水を循環させる。
【0015】
いったん確立されると、キャニスタフィルタアセンブリ内の細菌は、十分な水槽にとり明らかに貴重および重要である。しかし、記したように、化学的および機械的媒体を取り除き、その位置を定期的に交換する必要もある。しかし、機械的および化学的媒体を交換する場合、災害的な結果につながる可能性がある、生物学的フィルタ媒体を完全に分解しないように行うことが重要である。
【0016】
そういうわけで、水槽濾過技術は、水流のあらゆる遮断があまり重要ではないような急速な方法でフィルタ媒体を交換する便利な方法を趣味に興じる人に可能にするモジュールフィルタシステムを開発していなかった。より詳細には、水槽濾過技術は、それぞれ生物学的フィルタ床上の最小衝撃で、また趣味に興じる人が過程中に濡れることなく、それぞれ便利に取り除き、新しい媒体と交換することができる1つまたは複数のカートリッジを備えたカートリッジフィルタアセンブリをまだ提供していない。
【0017】
そういうわけで、水流が短時間の間だけ停止されるように、アクセスおよび交換が容易である一連のカートリッジを備えた水槽フィルタの必要がある。
【0018】
加えて、このようなフィルタは効率的であり、好ましくは媒体が水に作用するように十分な滞留時間にわたって蛇行性流路を提供することが重要である。
【0019】
The Hartz Mountain Corporationに譲渡された、「渦流水槽フィルタ」という名称の米国特許第5,866,018号は、物理的取り込み要素を必要とすることなく水槽の水から粒子を取り除くことができる水槽フィルタであって、環状壁面、上面および底面を有する第1のチャンバと、渦流を作り出すように位置決めされた第1のチャンバの上部の近くの入口と、流出出口と、廃棄物出口とを備えた水槽フィルタを対象としている。この参考文献は、渦流を作り出すことによって粒子状物質を取り除くことを対象としていると考えられ、図1では、請求する装置から分離された化学的および生物学的フィルタを示している。「寄生嚢胞、細菌およびウィルスを取り除くための流れ込みおよびピッチャ取付水フィルタ、および水濾過方法」という名称の米国特許第5,830,360号は、螺旋状フィルタを格納するチャンバを備えた重力送り式流れ込み水濾過装置を対象としている。
【0020】
「遠心流分離装置」という名称の米国特許第5,643,470号は、流体を曲線経路内で移動させるように流体流を妨げる段階を含む、流体の成分を分離する方法を対象としている。ハウジングは、第1の端部から第2の端部まで容量が小さくなる円錐形バッフルによって分離された内部チャンバおよび外部チャンバを備えている。流れは外部チャンバに入り、円錐形バッフルを叩くことによって遮られて、流体材料の分離を促進する遠心力によって流体が作用を受けるように、流体を曲線経路内に移動させる。したがって、流体はさらに分離を促進するように、大きな容量を有する外部チャンバの一部まで移動する。
【0021】
「フィルタ装置」という名称の米国特許第5,030,349号は、比較的粗い多孔質材料の円板状要素がその両側に配置された、比較的細かい多孔質材料の要素を少なくとも含む円板状要素の少なくとも1つの群を含むフィルタ要素を有する流体フィルタを対象としており、少なくとも1つの群のそれぞれはその両側に溝付スペーサ要素が配置されている。
【0022】
「濾過要素」という名称の米国特許第4,978,450号は、溝によって分離された間隔を置いて配置された周方向に延びる持ち上げ線部を画定する第1の表面と、スタックの上流側および下流側と連通する径方向に延びる複数のフィンガを画定する第2の表面を有する複数の協働フィルタ要素を備えたディスクのスタックを対象としている。
【0023】
Hitachi Ltd.の「異物を取り除く装置」という名称の米国特許第4,597,871号は、円筒形ハウジング、ハウジングの上部に取り付けられた径方向入口管、およびハウジングの下部に取り付けられた軸方向出口管を対象としている。円錐形フィルタが、その間に配置されている。偏向板が、液体を偏向してフィルタの周りで旋回させるように、入口管の出口に取り付けられている。異物は、フィルタ上に被着され、遠心力および液体の下向き移動によって濃縮される。
【0024】
「特に水槽の水用の水フィルタ」という名称の米国特許第4,267,042号は、入口および出口を備え、交換可能なフィルタ材料が充填されたフィルタチャンバを対象としている。フィルタチャンバは、異なる直径の2つの同心管の間の環状空間によって画定されている。フィルタカートリッジの外管は、螺旋状ひだを備えた蛇管として形成することができる。これにより流れのパターンが作り出されて、浄化する水はフィルタ材料が最も詰まることが少ないこれらのフィルタ領域まで流れる。外管および内管は両方とも孔が開いており、外管は透水泡のシェルによって囲まれている。
【0025】
分かるように、効率的な濾過を行う生物学的、化学的および機械的濾過のために互いに簡単に取り付けることができ、水槽内のバランスを壊さないように短期間で交換することができる一連のキャニスタを提供する水槽用フィルタの需要がある。
【特許文献1】米国実用新案特許第10/935,725号公報
【特許文献2】米国特許第5,866,018号明細書
【特許文献3】米国特許第5,830,360号明細書
【特許文献4】米国特許第5,643,470号明細書
【特許文献5】米国特許第5,030,349号明細書
【特許文献6】米国特許第4,978,450号明細書
【特許文献7】米国特許第4,597,871号明細書
【特許文献8】米国特許第4,267,042号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
したがって、本発明の目的は、容易に交換することができる1つまたは複数の粒子状物質、生物学的および/または化学的フィルタカートリッジを有する水槽に、またはその近くに取り付けることができるフィルタシステムを提供することである。また、本発明の目的は完了した場合にシステムを再プライミングすることなく、また過程中に濡れることなく、最小の流れ遮断でフィルタカートリッジのいずれかをユーザが迅速に交換することが可能であるフィルタシステムを提供することである。
【0027】
したがって、本発明の目的は、モジュールフィルタを形成するように互いに容易に連結することができ、フィルタ媒体を交換するために簡単に取り外すことができる1つまたは複数のフィルタカートリッジを備えたモジュール水槽を提供することである。
【0028】
本発明の別の目的は、アクセスおよび交換を簡単にするように、生物学的、化学的および機械的フィルタを直列に結合することができるモジュール水槽フィルタを提供することである。
【0029】
本発明の別の目的は、水を遠心的に流すことによって、濾過効率を向上させる螺旋状流要素を備えたフィルタカートリッジを提供することである。
【0030】
本発明のさらに別の目的は、趣味に興じる人が濡れることなくカートリッジの交換を早くするように、フィルタの入口および出口の両方に自己密封式弁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0031】
モジュール水槽フィルタは、直列に連結された1つまたは複数のカートリッジを備えており、前記1つまたは複数のカートリッジはそれぞれ上端部および底端部を有し、1つまたは複数のカートリッジは前記上端部の入口、および出口を含む端板を備え、前記カートリッジの1つまたは複数は前記端板によって閉塞される底端部を有し、前記1つまたは複数の円筒形カートリッジは螺旋状流ディレクタを含む。
【0032】
フィルタを通して水流を案内する装置において、フィルタは直列に連結された1つまたは複数のハウジングを備え、各ハウジングは第1の端部および第2の端部を備え、フィルタはさらに一端部に入口を、他端部に出口を備え、この装置は前記ハウジングのいずれか1つに配置された螺旋状流ディレクタを備えている。螺旋状流ディレクタは、流体が前記フィルタ入口から前記フィルタ出口まで通過する際に、遠心力を加えるように、前記ハウジングの前記第1の端部から前記ハウジングの前記第2の端部まで軸方向で螺旋状に配置された材料のコイルを備えている。
【0033】
方法の形態では、本発明は、前記水流が螺旋状流ディレクタによって案内され、このような水槽濾過用のフィルタを使用することが可能になり、水流を著しく遮ることなくフィルタを簡単に交換することができる、フィルタを通して水流を案内する方法を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明のこれらおよび他の対象、特徴および利点は、添付の図面と合わせて考えれば、以下の説明を参照することによって明らかになるだろう。
【0035】
次に、本発明の好ましい実施形態が示された添付の図面を参照して、本発明をこれ以下により詳細に説明する。しかし、本発明は多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に記載した実施形態に限定するものと解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的および完全であり、当業者に本発明の範囲を完全に伝えるように与えられているものである。
【0036】
図1に示すように、本発明の水槽フィルタ10は、水槽の水の生物学的、化学的または機械的処理の1つまたは組合せを提供することが可能なモジュールアセンブリを提供するように、直列に連結することができる複数の円筒形カートリッジ12、12´、12´´を備えている。フィルタ10はさらに、給水部に連結された第1のコネクタ60と、好ましくはポンプ(図示せず)によって供給される水流をフィルタ10から水槽に向けるように戻り配管に連結された第2のコネクタ50とを備えている。図1では、内部に格納されているフィルタの構成部品を図示するため、3つの円筒形カートリッジ12´の中間の壁面の一部は取り除いた。
【0037】
円筒形カートリッジ12、12´、12´´はそれぞれ、モジュールスタックを提供するように、1つのカートリッジの次のカートリッジへの摩擦係合を可能にするように協働する、上面14、外壁面16、および取付機構22および28を備えている。図1の断面カートリッジ12´でさらに示すように、円筒形カートリッジ12、12´、12´´はそれぞれ、入口18と、螺旋状流ディレクタ24と、フィルタ媒体(図示せず)を保持する小孔または穿孔プラットフォームまたは基板26とを備えている。
【0038】
各カートリッジ12の次のカートリッジへの直列な取付は、第2のカートリッジ12´の上面14´を第1のカートリッジ12の開口底部20に挿入し、カートリッジ12、12´が摩擦係合するようにいずれかのカートリッジをもう一方に対して回転させることによって、図3に示すように達成される。1つのカートリッジをもう一方に対して回転させる際、カートリッジ12の外表面上に好ましくは周方向に配置されているL字形突起22(図1および3参照)は、カートリッジ12、12´を一緒にしっかり引っ張り、これらを摩擦係合させるように、第2のカートリッジ12´の表面上にほぼ軸方向に配置された噛み合いJ字形タブ28(図1および6参照)の下をスライドする。oリング32は、第1のカートリッジ12(図3参照)の底部の内表面に対して水密シールを提供するように、第2のカートリッジ12´の上面14´の近くで溝に挿入されることが好ましい。これに限らないが、カートリッジ12´の上面14´の近くで外周に配置された同様のねじ山と摩擦係合するカートリッジ12の底端部20の内周の噛み合いねじ山の使用、または位置決めねじなどの機械的留め具の使用を含む、カートリッジを連結する他の手段が可能である。
【0039】
図2は、どのようにカートリッジ12、12´、12´´がそれぞれ直列に積み重ねられて、供給コネクタ60から出口コネクタ50まで通って流れるときの水の濾過を行うかを示した、フィルタ10の中心を通る断面図である。
【0040】
図3は、本発明のフィルタを作るように、各カートリッジ内にある構成部品の周りの追加の詳細を提供している。断面図で示すように、各カートリッジ12は、入口18を通して入る水流を、カートリッジを通して遠心的に、また媒体(図示せず)を支持する穿孔または小孔プラットフォーム26を通して案内する、螺旋状流ディレクタ24を備えている。入口18は、水を螺旋状流ディレクタ24に沿って流すように、上壁面14の中心ではなく、円筒形カートリッジ12の外壁面16により近くで配置されていることが好ましい。加えて、壁面34は、入ってくる水流を螺旋状流ディレクタ24の下に案内するように、カートリッジ12の上壁面14に向けて螺旋状流ディレクタ24の上端部から延びていることが好ましい。
【0041】
螺旋状流ディレクタは本明細書では、特に、改良した流路および滞留時間、ならびにフィルタ媒体への水の比較的大きな露出を提供することによって利点を提供する。加えて、フィルタ媒体はより効率的に包装し、選択位置でカスタマイズすることができ、螺旋流ディレクタは水流に遠心経路を提供する。
【0042】
螺旋がカートリッジ内部に作る跳躍または旋回の数は、カートリッジ間、またはカートリッジ内でさえも変えることができる。これは螺旋のピッチとして知られている。例えば、生物学的フィルタでは、機械的フィルタ内でできるだけ大きい遠心力に曝されない流れパターンを望むことができ、それによってより少ない跳躍または旋回を使用することができる。さらに、フィルタカートリッジ、例えば機械的フィルタ内に作用する遠心力を大きくし、螺旋の底部を水が入る上部よりもしっかり巻回することができる場合に粒子状物質を分離し、分離を促進することがさらに望ましいだろう。したがって、跳躍間の距離は小さくなる、または螺旋のピッチはカートリッジ12の長さにわたって大きくなることができる。
【0043】
図3に示すように、螺旋状流ディレクタ24は、穿孔プラットフォーム26から上向きに延びているロッド36によってカートリッジ12内で中心に配置されている。穿孔プラットフォームは、穿孔および第2のカートリッジ12´の入口18´を通して水を流すことができるように、カートリッジ12の開口端部20の僅かに上に配置されている。穿孔プラットフォーム26は、各カートリッジ内で濾過または水処理を行うフィルタ媒体を配置および支持する、基部または基板を提供する。
【0044】
媒体は、単一のモジュールフィルタユニットを提供する各カートリッジに対して異なっていてもよく、アクセスおよび交換が容易な1つの小型フィルタ内で水槽の濾過要件全てを達成することができる。媒体は、その移動を制御するように多孔質または織物袋内に供給することができることが好ましく、袋は穿孔プラットフォーム26と螺旋状流ディレクタ24の底端部の間に配置することができる。媒体は、螺旋状流ディレクタ24まで少なくとも延びることができる、またはさらに対応する螺旋形状で供給することができることがさらに考えられる。これにより、水を媒体に接触させる滞留時間の追加の制御が行われる。
【0045】
媒体は、これに限らないが、セラミックリング、生物圏、ドロマイト、破砕サンゴ、破砕貝殻、およびアンモニアおよび亜硝酸塩減少を促進する同様の生物学的媒体と、活性炭、ゼオライト、および、臭気と不純物を吸収する同様の吸収剤と、泡、ガラスウール、および汚物およびデブリを取り除く同様の多孔質構造と、を含む、水槽の水の濾過または処理に有用なあらゆるフィルタ媒体であってもよい。
【0046】
本発明を含むモジュールフィルタの別の利点は、各カートリッジを内側に包装したそれぞれの媒体を予め充填した趣味に興じる人に供給することができることである。使用済みまたは使いきったカートリッジは、新しい媒体を再充填するために水槽供給店舗に戻すことができる。したがって、趣味に興じる人が媒体に接触する必要はない。加えて、各フィルタタイプは交換のための独自の予定があり、3つのフィルタ全てを一度に交換せず、水槽の生態バランスを壊さないようにすることが好ましいので、給水および排水配管を係脱し、カートリッジを互いから係脱することによって、あらゆる単一のカートリッジを迅速かつ簡単に交換することができる。
【0047】
本発明を含むモジュールフィルタの様々な構成部品は、プラスチックで成形されていることが好ましい。これにより、適当な費用で複製形状の大量生産が行われる。さらに、プラスチックは円滑な表面で成形することができ、水槽内で使用される化学物質に対して比較的不活性であり、それによって不純物および細菌が表面上に堆積する。
【0048】
図4を参照すると、一列に連結された一連の最後のフィルタカートリッジ用の端板38が示されている。カートリッジ12および12´に対して上で記載したように、本発明のモジュールフィルタを形成するように直列に連結されたあらゆる数のカートリッジの最後である可能性がある、ここでは12´´と記載した最後のフィルタカートリッジは、噛み合い機構28´´、軸方向に延びている端板38上のJ字形タブを、カートリッジ12´´の壁面16´´から周方向に延びているL字形突起(図示せず)と摩擦係合するように、端板38およびカートリッジ12´を互いに対して回転させることによって、端板38が摩擦係合される開口端部20´´を備えている。前に記したように、oリング32´´はカートリッジの開口端部20´´と端板38の間に挿入されて、水密シールを提供することが好ましい。端板38はさらに、支持体26´´の底部と係合する突起42を備えることができる。これらの突起42は、次に説明する、本発明の自己密封式弁およびコネクタ用のハウジングまたはケースを提供する。
【0049】
図5は、端板38と係合する準備ができているフィルタスタック10の底部のコネクタ50を示している。端板38は、出口44と、弁アクチュエータ46と、弁座48と、可撓性シール82とを備えている。可撓性シール82、好ましくは、熱可塑性オレフィン、熱可塑性ゴム、シリコーンなどの弾力性のあるプラスチック成形物は、弁座48から格子状構造を通して延びるタブ80によって弁座48に取り付けられている。タブ80は、端部が格子と摩擦係合すると簡単に外れるのを防ぐ球根状端部を有する。格子は、端板の出口44を覆い、濾過した水を通過させることを可能にする。フィルタ10が水槽に連結され、水が例えばポンプを介して流されている場合、シール82はポンプ(図4参照)から圧力によって弁座48から変位される。水流がコネクタ50および60(図1および図5参照)を外すことによって止まると、シール82はサイフォンまたは真空効果により弁座44に対して平らになって、水がフィルタ10から溢れるのを防ぐ。したがって、水を含む場合、図2に示す係脱されたフィルタ10は、出口44が入口18より高い場合には著しく水を漏らさないことが分かるだろう。
【0050】
次に自己密封式コネクタを参照すると、図5は端板38の出口44に係合させる準備ができたコネクタ50を示している。コネクタ50は、本体54、ばね56、ガスケット58および流量コントローラ52を備えている。図5に示す延長位置では、ばね56は流量コントローラ52をガスケット58に対して押して、コネクタ50内へのまたはコネクタ50からのあらゆる流れを防いでいる。また、図5には、コネクタ50が出口44に噛み合う場合に、流量コントローラ52と溝70を係合して、ガスケット58の外周に対して密封する準備ができている、出口44内に配置された弁アクチュエータ46が示されている。任意選択で、コネクタ50および出口44をクランプまたは他の構造構成部品で囲むことができる。アクチュエータ46は、自由な水流を可能にするように、径方向アーム72によって出口44の内表面から間隔を置いて配置され、延びており、出口44の内表面に連結する支柱を備えていることが好ましい。
【0051】
図4は、フィルタ10のカートリッジ12´´から水を流すことを可能にするように、出口44と係合する底部コネクタ50を示している。シール82は図では、フィルタからの水流によりその弁座48から変位されていることに留意されたい。また、ガスケット58は水密シールを提供する溝70と係合しており、弁アクチュエータ46はばね56を圧縮し、水をガスケット58と流量コントローラ52の間に流すことを可能にする流量コントローラ52と係合していることにも留意されたい。
【0052】
カートリッジ12に対する入口のコネクタ60は、同様に働く。図3は、入口18と係合するコネクタを示している。弁アクチュエータ46を支持する径方向アーム72は、明らかに入口18内部にある。
【0053】
したがって、水槽に対して濾過および水処理(生物学的、化学的、および/または機械的)を行うように、直列に連結された1つまたは複数の円筒形カートリッジを備えた、モジュールフィルタが設けられている。
【0054】
カートリッジは、迅速な交換のために摩擦係合されている。フィルタの端部は、外れた場合に、水流を止める自己密封式コネクタと係合する。各カートリッジは、より効率的な濾過と、媒体を保持するための穿孔支持体を提供するように、螺旋状流ディレクタを含む。
【0055】
説明および図面は、現時点で好ましい発明の実施形態を例示的に記載している。説明および図面は、本実施形態を説明することを意図するものであり、本発明の範囲を制限することを意図したものではない。明らかに、頭記の特許請求の範囲の範囲内に留まりながら、これらの実施形態を変更することも可能である。したがって、特許請求の範囲の範囲内で、特に図示および説明した説明および図面以外の方法で、本発明を実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明のモジュールフィルタの斜視図である。
【図2】図1のフィルタの断面図である。
【図3】図2に示すフィルタの上部カートリッジの拡大断面図である。
【図4】図2に示すフィルタの底部カートリッジの拡大断面図である。
【図5】自己密封式弁を取り外した、図2に示すフィルタの底部カートリッジの拡大断面図である。
【図6】分かりやすくするため上部カートリッジを取り除いた、図2に示すフィルタの部分斜視図である。
【符号の説明】
【0057】
10 水槽フィルタ
12 円筒形カートリッジ
12´ 円筒形カートリッジ
12´´ 円筒形カートリッジ
14 上壁面
14´ 上壁面
16 外壁面
16´´ 壁面
18 入口
18´ 入口
20 底端部
20´´ 開口端部
22 取付機構、突起
24 螺旋状流ディレクタ
26 小孔または穿孔プラットフォームまたは基板
26´´ 支持体
28 取付機構、タブ
28´´ 噛み合い機構
30 開口底部
32 oリング
32´´ oリング
34 壁面
36 ロッド
38 端板
42 突起
44 出口
46 弁アクチュエータ
48 弁座
50 第2のコネクタ
52 流量コントローラ
54 本体
56 ばね
58 ガスケット
60 第1のコネクタ
70 溝
72 径方向アーム
80 タブ
82 可撓性シール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に連結された1つまたは複数のカートリッジを備えたモジュール水槽フィルタであって、
前記1つまたは複数のカートリッジはそれぞれ上端部および底端部を有し、
前記1つまたは複数のカートリッジは前記上端部の入口、および出口を含む端板を備え、
前記1つまたは複数のカートリッジは前記端板によって閉塞される底端部を有し、
前記1つまたは複数の円筒形カートリッジは螺旋状流ディレクタを含むことを特徴とするモジュール水槽フィルタ。
【請求項2】
複数のカートリッジを備えていることを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項3】
前記複数のカートリッジは、入口および出口を有する1つのカートリッジを備えていることを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項4】
フィルタ媒体を支持する穿孔プラットフォームを備えることを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項5】
前記1つまたは複数の円筒形カートリッジおよび前記端板は、摩擦係合していることを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項6】
前記1つまたは複数の円筒形カートリッジは、水槽の水の生物学的、化学的、および/または機械的処理を行うことを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項7】
前記1つまたは複数の円筒形カートリッジのいずれかは、生物学的、化学的、または機械的濾過媒体を含むことを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項8】
前記1つまたは複数のカートリッジ、端板、螺旋状流ディレクタ、および穿孔支持体はプラスチックで成形されていることを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項9】
前記フィルタに水槽の水を供給し、前記フィルタから水を戻し、自己密封式である第1の入口コネクタおよび第2の出口コネクタをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項10】
前記フィルタは、前記フィルタが給水部に連結されていない場合に、前記フィルタの実質的な漏洩を防ぐ自己密封式弁アセンブリを備えていることを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項11】
前記第1および第2のコネクタはそれぞれ、自己密封式コネクタを提供する、ばね、ガスケット、および流量コントローラを備えていることを特徴とする、請求項9に記載のフィルタ。
【請求項12】
前記螺旋状流ディレクタは所定のピッチを有する螺旋を備え、前記ピッチは前記1つまたは複数の円筒形カートリッジそれぞれにおいて一定であることを特徴とする、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項13】
前記ピッチは、前記フィルタ内の前記1つまたは複数のカートリッジのいずれかで異なることを特徴とする、請求項12に記載のフィルタ。
【請求項14】
前記螺旋状流ディレクタの前記ピッチは、前記1つまたは複数のカートリッジのいずれかの上部と底部の間で変化することを特徴とする、請求項12に記載のフィルタ。
【請求項15】
フィルタを通して水流を案内する装置において、
前記フィルタは直列に連結された1つまたは複数のハウジングを備え、
各ハウジングは第1の端部および第2の端部を備え、
前記フィルタはさらに一端部に入口を、他端部に出口を備えている装置であって、
前記装置は前記ハウジングのいずれか1つに配置され、流体が前記フィルタ入口から前記フィルタ出口まで通過する際に、遠心力を加えるように、前記ハウジングの前記第1の端部から前記ハウジングの前記第2の端部まで軸方向で螺旋状に配置された材料のコイルを備えている螺旋状流ディレクタを備えることを特徴とする装置。
【請求項16】
前記1つまたは複数のハウジングは、水槽の水の生物学的、化学的、および/または機械的処理を行うことを特徴とする、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記1つまたは複数のハウジングのいずれかは、生物学的、化学的、または機械的濾過媒体を含むことを特徴とする、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記フィルタに水槽の水を供給し、前記フィルタから水を戻し、自己密封式である、前記入口に連結された第1の入口コネクタおよび前記出口に連結された第2の出口コネクタをさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記螺旋状流ディレクタは所定のピッチを有する螺旋を備え、前記ピッチは前記1つまたは複数のハウジングそれぞれにおいて一定であることを特徴とする、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
前記ピッチは、前記フィルタ内の前記1つまたは複数のハウジングのいずれかで異なることを特徴とする、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記螺旋状流ディレクタの前記ピッチは、前記1つまたは複数のハウジングのいずれかの前記第1の端部と第2の端部の間で変化することを特徴とする、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
直列に連結された1つまたは複数のカートリッジを提供する段階であって、前記1つまたは複数のカートリッジはそれぞれ上端部および底端部を有し、1つまたは複数のカートリッジは前記上端部に入口を備えている段階と、
出口を含む端板を提供する段階であって、前記カートリッジの1つまたは複数は前記端板によって密封される底端部を有し、前記1つまたは複数の円筒形カートリッジは螺旋状流ディレクタを含む段階と、を含むことを特徴とする水槽の水を濾過する方法。
【請求項23】
前記1つまたは複数のカートリッジは、前記ハウジング内に入れられたフィルタ媒体を備えていることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記1つまたは複数のカートリッジは、水槽の水の生物学的、化学的、および/または機械的処理を行うことを特徴とする、請求項22に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−512096(P2008−512096A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530492(P2007−530492)
【出願日】平成17年9月7日(2005.9.7)
【国際出願番号】PCT/US2005/031941
【国際公開番号】WO2006/029244
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(500013142)ティー.エフ.エイチ.パブリケーションズ、インコーポレーテッド (18)
【Fターム(参考)】