モジュール装着システム、モジュール、マザーボード及びモジュールの制御方法
【課題】モジュールの端子の利用効率を向上させることを課題とする。
【解決手段】モジュール10に半導体メモリ33を有するICタグ30を備えて該半導体メモリに記録されているモジュールに関する情報DA1を無線送信し、マザーボード40にICタグ30からの無線信号を受信するアンテナ76をソケット60に有するリーダ50を設けてモジュールに関する情報DA1を無線通信により入手し、マザーボード40で前記入手したモジュールに関する情報DA1に基づいてモジュール10の動作を制御する。また、ソケット60の側部66を介してマザーボード40とモジュール10とで信号を送受する手段30,50を設ける。
【解決手段】モジュール10に半導体メモリ33を有するICタグ30を備えて該半導体メモリに記録されているモジュールに関する情報DA1を無線送信し、マザーボード40にICタグ30からの無線信号を受信するアンテナ76をソケット60に有するリーダ50を設けてモジュールに関する情報DA1を無線通信により入手し、マザーボード40で前記入手したモジュールに関する情報DA1に基づいてモジュール10の動作を制御する。また、ソケット60の側部66を介してマザーボード40とモジュール10とで信号を送受する手段30,50を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マザーボードのソケットにモジュールが装着されるモジュール装着システム、該モジュール装着システムを構成するモジュール及びマザーボード、並びに、該モジュールの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント回路板からなるメモリモジュールをパーソナルコンピュータ等のマザーボードに取り付ける際、メモリモジュールの端部にエッジコネクタ端子を形成し、このエッジコネクタ端子を差し込んで嵌合させるソケットをマザーボードに設けて、このソケットにメモリモジュールのエッジコネクタ端子を接続している。このソケットは、エッジコネクタやエッジ形ソケットコネクタとも呼ばれ、エッジコネクタ端子を差し込むためのスロットを有する基部と、該基部の長手方向の両端部から突出してメモリモジュールの相対向する縁部を係止する一対の側部とを備えている。ソケットの基部にはエッジコネクタ端子と電気的に接続されるコンタクトが設けられるが、このようなコンタクトはソケットの側部には設けられない。このようなソケットとして、例えば、特開平5−211076号公報に記載されるSIMM(Single Inline Memory Module)ソケットが知られている。
【0003】
メモリモジュールには様々な種類があるため、SPD(Serial Presence Detect)という規格に従って情報をシリアル通信する不揮発性半導体メモリをメモリモジュールに実装することが行われている。この不揮発性半導体メモリには、SIMMやDIMM(Dual Inline Memory Module)といったメモリモジュールのタイプ、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)やDRAMといったメモリチップの種別、メモリ容量、バンク構成、サイクルタイム、SDRAMのクロック周波数、ECCメモリ(Error Check and Correct memory)やパリティビットの有無、リフレッシュの間隔、等のメモリモジュールの機能の識別情報が記録される。これらの情報は、メモリモジュールのエッジコネクタ端子に設けられたSCL端子(シリアルクロック端子)及びSDA端子(シリアルデータ端子)を経由してマザーボードのメモリコントローラへ伝達される。メモリモジュールを装着したマザーボードは、メモリコントローラが入手したこれらの情報に基づいてメモリモジュールに対してアクセスすることができる。
また、特許第2650742号公報には、ジャンパチップを選択的に着脱することによって、同一の配線基板で3種類のアクセスタイムの変更に対応可能なメモリモジュールが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−211076号公報
【特許文献2】特許第2650742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記不揮発性半導体メモリを実装したメモリモジュールから該メモリモジュールの機能の識別情報をメモリコントローラへ出力する場合、メモリモジュールのエッジコネクタ端子にシリアルクロック端子やシリアルデータ端子を設ける必要がある。特許第2650742号公報記載のメモリモジュールでも、エッジコネクタ端子に機能識別用の外部端子が必要である。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、メモリモジュールのようなモジュールの端子の利用効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、モジュールに関する情報を記録した半導体メモリを有するモジュールがマザーボードのソケットに装着されるモジュール装着システムであって、
前記モジュールは、前記半導体メモリを有して該半導体メモリに記録されている前記モジュールに関する情報を無線送信するICタグを備え、
前記マザーボードは、
前記ICタグからの無線信号を受信するアンテナを前記ソケットに有して前記モジュールに関する情報を無線通信により入手するリーダと、
入手した前記モジュールに関する情報に基づいて前記モジュールの動作を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、モジュールに関する情報を記録した半導体メモリを有し、マザーボードのソケットに装着されるモジュールであって、
前記半導体メモリを有して該半導体メモリに記録されている前記モジュールに関する情報を無線送信するICタグを備えることを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明は、モジュールに関する情報を記録したICタグを有するモジュールがソケットに装着されるマザーボードであって、
前記ICタグからの無線信号を受信するアンテナを前記ソケットに有して前記モジュールに関する情報を無線通信により入手するリーダと、
入手した前記モジュールに関する情報に基づいて前記モジュールの動作を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明は、モジュールに関する情報を記録した半導体メモリを有するモジュールであってマザーボードのソケットに装着されたモジュールの制御方法であって、
前記モジュールに前記半導体メモリを有するICタグを備えて該半導体メモリに記録されている前記モジュールに関する情報を無線送信し、
前記マザーボードに前記ICタグからの無線信号を受信するアンテナを前記ソケットに有するリーダを設けて前記モジュールに関する情報を無線通信により入手し、
前記マザーボードで前記入手したモジュールに関する情報に基づいて前記モジュールの動作を制御することを特徴とする。
【0011】
すなわち、モジュールに関する情報がモジュールからマザーボードへ無線送信されるので、モジュールに関する情報を出力するための端子をモジュールに設ける必要が無くなる。従って、モジュールの端子の利用効率を向上させることができる。また、モジュールの物流管理、品質管理に用いられる情報をICタグに記録しておけば、このICタグを利用してモジュールの物流管理、品質管理を容易にさせることができる。
【0012】
上記モジュールには、メモリモジュールの他、LANモジュール、ハードディスクドライブモジュール、等も含まれる。
上記モジュールに関する情報には、モジュールのタイプ等のモジュールの機能の識別情報の他、モジュールの品質管理や物流管理に用いられる情報等も含まれる。
上記半導体メモリは、データを書き込み可能なメモリでもよいし、ROMなどデータを書き込み不可能なメモリでもよい。
上記マザーボードには、パーソナルコンピュータに設けられたマザーボードの他、特定の機能のみを実現させる専用機械に設けられたマザーボード等も含まれる。
上記リーダには、ICタグに情報を書き込み可能なリーダライタ、ICタグに情報を書き込む機能を有しないリーダ、のいずれも含まれる。
【0013】
さらに、本発明は、エッジコネクタ端子を有するモジュールがマザーボードのソケットに装着されるモジュール装着システムであって、
前記ソケットは、前記エッジコネクタ端子を差し込むための基部と、該基部から突出して前記モジュールの縁部を係止する側部とを備え、
該側部を介して前記マザーボードと前記モジュールとで信号を送受する手段が設けられていることを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明は、エッジコネクタ端子を有し、基部から突出した側部を有するソケットの前記基部に前記エッジコネクタ端子が差し込まれ前記側部に縁部が係止されるモジュールであって、
前記ソケットの側部とで信号を送受する手段が設けられていることを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明は、エッジコネクタ端子を有するモジュールがソケットに装着されるマザーボードであって、
前記ソケットは、前記エッジコネクタ端子を差し込むための基部と、該基部から突出して前記モジュールの縁部を係止する側部とを備え、
該側部を介して前記モジュールとで信号を送受する手段が設けられていることを特徴とする。
【0016】
すなわち、ソケットの側部を介してマザーボードとモジュールとで信号が送受されるので、マザーボードとモジュールとで信号を送受するための端子の少なくとも一部をエッジコネクタ端子に設ける必要が無くなる。従って、モジュールのエッジコネクタ端子の利用効率を向上させることができる。
【0017】
上記マザーボードと上記モジュールとで信号を送受することには、マザーボードからモジュールへ信号を送信するとともにモジュールからマザーボードへ信号を送信すること、モジュールからマザーボードへ信号を送信する一方でマザーボードからモジュールへは信号を送信しないこと、マザーボードからモジュールへ信号を送信する一方でモジュールからマザーボードへは信号を送信しないこと、のいずれの場合も含まれる。
また、上記マザーボードと上記モジュールとの信号の送受は、無線通信により行われてもよいし、有線通信、すなわち、マザーボードとモジュールとが電気的に接続された状態により行われてもよい。
【0018】
なお、請求項2〜請求項10に対応したモジュールの制御方法にも発明が存在し、該発明も上述した作用、効果を奏する。
【発明の効果】
【0019】
請求項1、請求項6、請求項7、請求項11に係る発明によれば、モジュールの端子の利用効率を向上させることが可能になる。
請求項2に係る発明では、ソケットの基部にはエッジコネクタ端子と電気的に接続されるコンタクトが設けられる一方、このようなコンタクトがソケットの側部には設けられないので、エッジコネクタ端子を流れる信号との干渉が生じにくい。従って、モジュールに関する情報をモジュールから入手する動作の安定性を向上させることができる。
請求項3に係る発明では、モジュールの導体部分とリーダのアンテナとの設計外の電気的接触が生じることが無いので、モジュールの動作の安定性を向上させることができる。
請求項4に係る発明では、ICタグに品質管理と物流管理の少なくとも一方に用いられる情報が書き込まれているので、モジュールの物流管理、品質管理を容易にさせることができる。
請求項5に係る発明では、リーダがICタグと電気的に接続してモジュールに関する情報を入手可能であるので、マザーボードがモジュールに関する情報をモジュールから入手する動作の安定性をさらに向上させることができる。
請求項8〜請求項10に係る発明では、モジュールのエッジコネクタ端子の利用効率を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】モジュール装着システムの構成例を模式的に示す図。
【図2】モジュールとソケットとの接続構造の例を正面から見て示す分解図。
【図3】図1に示すモジュールの半田面側を示す斜視図。
【図4】図1に示すソケットの外観を一部破断して示す斜視図。
【図5】図1に示すモジュール装着システムの回路構成の概略を示すブロック図。
【図6】半導体メモリのデータ構造の例を模式的に示す図。
【図7】信号送受手段の構成例を示すブロック図。
【図8】メモリコントローラで行われる動作の例を説明するためのフローチャート。
【図9】DRAMにアクセスするときにCPUとメモリコントローラとで行われる動作の例を説明するためのフローチャート。
【図10】メモリモジュールが製造されてマザーボードに装着される流れの例を示す図。
【図11】モジュール装着システムの変形例を模式的に示す図。
【図12】モジュール装着システムの変形例を模式的に示す図。
【図13】図12に示すモジュール装着システムの要部を同図のA1の位置で断面視して示す要部断面図。
【図14】モジュール装着システムの変形例を模式的に示す図。
【図15】モジュール装着システムの変形例を模式的に示す図。
【図16】図15に示すモジュール装着システムの要部を同図のA2の位置で断面視して示す要部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(1)モジュール装着システムの構成:
図1は本発明の一実施形態に係るモジュール装着システム100の構成を模式的に示す図、図2はモジュール10とソケット60との接続構造を正面から見て示す分解図、図3はモジュール10の半田面12b側を示す斜視図、図4はソケット60の外観を一部破断して示す斜視図、図5はモジュール装着システム100の回路構成の概略を示すブロック図、図6は半導体メモリ33のデータ構造を模式的に示す図、図7は信号送受手段の構成を示すブロック図、図8はメモリコントローラで行われる動作を説明するためのフローチャート、図9はDRAMにアクセスするときにCPUとメモリコントローラとで行われる動作を説明するためのフローチャートである。図1、図2、図5に示すアンテナ68は、簡略化して描いている。
【0022】
本発明を適用可能なモジュールは、モジュールに関する情報を記録した半導体メモリをプリント回路板に有し、ソケットに対して電気的に接続される端子が形成されていればよい。通常、プリント配線板にエッジコネクタ端子が形成され、プリント配線板に電子部品が実装されてモジュールが形成され、このモジュールがソケットを介してマザーボードに対して電気的に接続される。このようなモジュールには、例えば、SPDに対応した不揮発性半導体メモリを有するメモリモジュールがある。
本発明を適用可能なソケットは、マザーボードに設けられてモジュールを装着可能であればよい。通常、ソケットには、エッジコネクタ端子を差し込んで嵌合させるエッジ形ソケットコネクタ(エッジコネクタ)が用いられる。
【0023】
本システム100は、メモリモジュール(モジュール)10とマザーボード40とを少なくとも備える。むろん、モジュールとマザーボード以外にも、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、キーボード等の入力装置、等がモジュール装着システムに設けられてもよい。モジュール10は、モジュール関連情報(モジュールに関する情報)DA1を記録した不揮発性半導体メモリ(半導体メモリ)33を有する。メモリ33は、無線ICタグ(ICタグ)30に設けられている。ICタグ30は、メモリ33に記録されているモジュール関連情報DA1を無線送信可能である。
マザーボード40は、リーダ50と制御部(制御手段)80とを少なくとも備える。リーダ50は、ICタグ30からの無線信号を受信するリーダアンテナ(アンテナ)68をソケット60に有し、モジュール関連情報DA1を無線通信により入手する。アンテナ68を設けたソケット60は、マザーボード40上に設けられ、モジュール10を装着可能である。制御部80は、リーダ50で入手されたモジュール関連情報DA1に基づいてモジュール10の動作を制御する。
【0024】
モジュール関連情報DA1は、モジュール10からマザーボード40へ無線送信される。従って、モジュール関連情報DA1を出力するためのSCL端子やSDA端子をモジュールに設ける必要が無くなる。
【0025】
メモリモジュール10は、図1に示すように、プリント配線板12にDRAM16やICチップ32等の各種電子部品が実装されたプリント回路板(プリント回路実装品)とされている。DRAM16には、例えば、SDRAMが用いられる。モジュール10は、DRAM16を含むプリント回路15が基板部14に形成され、ソケット60に差し込まれる縁部にエッジコネクタ端子20が形成されている。モジュールの導体部分の設計外の電気的接触を防ぐため、端面12c,12d,12e,12fに導体が露出しないようにプリント配線板12が形成されている。本実施形態のモジュール10は、DIMMであり、エッジコネクタ端子20の実装面12a及び半田面12bに端子22が複数形成されている。端子22には、グランド用端子、電源用端子、信号用端子、が含まれるが、モジュール関連情報を出力するためのSCL端子やSDA端子が含まれない。エッジコネクタ端子20は、端面12cからソケット60のスロット63に差し込み可能であり、該ソケットに差し込まれて各端子22がソケットの各コンタクト72に接触し、マザーボード40と電気的に接続される。
プリント配線板12の相対向する側端面12d,12eには、それぞれソケット60に係止するための凹部13,13が形成されている。
【0026】
無線ICタグ30は、プリント配線板12に半田付けされるICチップ32と、プリント配線板12に形成されたICタグアンテナ36とを少なくとも備えるアクティブタグとされ、マザーボード40からモジュール10に供給される電力をエネルギー源にしてモジュール関連情報DA1をリーダ50へ無線送信する。むろん、ICタグは、リーダから送られてくる電磁エネルギーにより無線送信を行うパッシブタグでもよいし、セミパッシブタグでもよい。ICタグとリーダ(リーダライタを含む)との信号の無線通信には、例えば、13.56MHzの短波が用いられる。むろん、ICタグとリーダとの信号の無線通信は、電磁結合方式、電磁誘導方式、マイクロ波方式、光方式、のいずれの方式の通信でもよい。
ここで、ICタグ30とリーダ50とは、ソケットの側部を介してマザーボードとモジュールとで信号を送受する信号送受手段を構成する。
【0027】
図5に示すように、ICチップ32は、データを書き込み可能な不揮発性半導体メモリ33、メモリ制御部34、通信部35、を少なくとも備える。半導体メモリ33には、モジュール関連情報DA1が記録されている。モジュール関連情報DA1には、モジュール10の機能を識別するための情報(機能識別情報)DA2、モジュール10の品質管理に用いられる情報(品質管理情報)DA3、モジュール10の物流管理に用いられる情報(物流管理情報)DA4、が少なくとも含まれる。
【0028】
図6に示すように、機能識別情報DA2には、例えば、モジュールの品番DA21、モジュールのタイプDA22、メモリチップの種別DA23、メモリ容量、バンク構成、サイクルタイム、SDRAMのクロック周波数、ECCメモリやパリティビットの有無、リフレッシュの間隔、等、主にSPDに従った情報が含まれる。
品質管理情報DA3には、例えば、モジュールの製造年月日DA31、モジュールの製造工場を識別するための情報DA32、モジュールのロットを識別するための情報、モジュールの動作が確認されたことを表す情報、等、主にモジュールの品質を保証するために用いられる情報が含まれる。
物流管理情報DA4には、例えば、モジュールを物流倉庫に入庫した年月日DA41、該物流倉庫を識別するための情報DA42、モジュールを物流倉庫から搬出した年月日DA43、モジュールを小売店から販売した年月日DA44、等、主にモジュールの物流経路を特定するために用いられる情報が含まれる。
【0029】
むろん、各情報DA2,DA3,DA4は、排他的に区分される情報ではなく、同じ情報が異なる区分の情報DA2,DA3,DA4に含まれてもよい。例えば、モジュールの製造年月日は機能識別情報DA2に含まれてもよいし、モジュールを製造工場から搬出した年月日は品質管理情報DA3と物流管理情報DA4のどちらに含まれてもよい。
【0030】
一方、マザーボードのリーダ50は、ソケット60に設けられたリーダアンテナ68と、このリーダアンテナを用いてモジュール関連情報DA1を入手するリーダ本体部52と、を少なくとも備える。本実施形態では、同じリーダ本体部52を用いて複数のモジュール10からモジュール関連情報DA1を入手するため、リーダ50にスイッチ回路54を設けている。従って、モジュール関連情報を入手するモジュールを切り替える必要が無ければ、スイッチ回路は不要である。
【0031】
ソケット60は、図2や図4に示すように、エッジコネクタ端子20を差し込むためのスロット63を有する基部62と、該基部の長手方向D1の両端部から突出してモジュール10の相対向する端面12d,12eを挟む第一及び第二の側部64,66とを有している。側部64,66には、相対向する側部66,64に向かって突出した係止部64a,66aがそれぞれ設けられている。係止部64a,66aは、モジュール10を固定するため側部64,66に設けられたラッチ部分であり、側部66,54内に設けられたばねにより相対向する側部66,64に向かって付勢されている。従って、ソケット60にモジュール10が取り付けられる時には係止部64a,66aが互いに離反する方向へ退避した後に凹部13,13に挿入してモジュール10を係止し、ソケット60からモジュール10が取り外される時には係止部64a,66aが互いに離反する方向へ退避してモジュール10を解放する。
【0032】
基部62には、エッジコネクタ端子20と電気的に接続されるコンタクト群70がスロット63の内側面に設けられている。コンタクト群70を構成する各コンタクト72は、エッジコネクタ端子の各端子22に対応して設けられ、各端子22に接触して該端子と電気的に接続される。コンタクト72には、グランド用コンタクト、電源用コンタクト、信号用コンタクト、が含まれるが、モジュール関連情報を入力するためのコンタクトが含まれない。
【0033】
本ソケット60は、リーダ50の一部を構成し、第二の側部66にリーダアンテナ68が設けられている。ソケットの基部62にはコンタクト72が設けられているが、ソケットの側部66にはコンタクトが設けられないので、エッジコネクタ端子20とコンタクト群70とを流れる信号との干渉が生じにくい。従って、モジュールからモジュール関連情報を入手する動作の安定性を向上させることができる。
むろん、上述した信号の干渉が生じなければ、ソケットの基部にリーダアンテナを設けてもよい。
【0034】
なお、コンタクトとばねとリーダアンテナを除くソケットは、絶縁材料が好ましく、例えば、絶縁性を有する樹脂成形材料等を射出成形等により成形することにより、形成することができる。コンタクトとリーダアンテナには、金属のような導電性材料が用いられる。係止部を付勢するばねは、金属のような導電性材料で形成されてもよいし、非導電性樹脂のような絶縁材料で形成されてもよい。
【0035】
本実施形態のソケットの側部66は、リーダアンテナ68が絶縁材料で覆われて形成されている。これにより、モジュールの導体部分とリーダアンテナとの設計外の電気的接触が生じることが無いので、モジュールの動作の安定性を向上させることができる。
アンテナ68の形状は、例えば金属ワイヤの両端をリーダ内の回路に接続したループ状といった線状等とすることができる。
【0036】
図7は、ソケットの側部66を介してICタグ30とリーダ50とで信号を送受する信号送受手段の構成の一例を示している。なお、ICタグ30からリーダ50へモジュール関連情報DA1を無線送信するには図示の実線部分の構成があればよく、ICタグ30に情報を書き込み可能なICタグを用いリーダ50にリーダライタを用いる場合には図示の破線部分の構成が設けられる。
【0037】
図7に示すように、メモリ制御部34には、主制御部34a、符号化回路34b、が設けられ、情報を書き込み可能なICタグを用いる場合には復号化回路34cが設けられる。主制御部34aには、外部のクロック発生回路からクロック信号が与えられる。通信部35には、変調回路35aが設けられ、情報を書き込み可能なICタグを用いる場合には復調回路35bが設けられる。アンテナ36は送信用のICタグアンテナであり、アンテナ37は受信用のICタグアンテナである。アンテナ36,37は、異なるアンテナのみならず、同一のアンテナでもよい。
アンテナ68は受信用のリーダアンテナであり、アンテナ69は送信用のリーダライタアンテナである。アンテナ68,69は、異なるアンテナのみならず、同一のアンテナでもよい。スイッチ回路54はリーダアンテナ68を切り替える回路であり、スイッチ回路55はリーダライタアンテナ69を切り替える回路である。リーダ本体部52には、主制御部52a、復号化回路52b、復調回路52c、が設けられ、リーダライタを用いる場合には符号化回路52dと変調回路52eが設けられる。主制御部52aには、外部のクロック発生回路からクロック信号が与えられる。
【0038】
メモリ33に記録されているモジュール関連情報DA1は、主制御部34aの制御により読み出され、符号化回路34bにより符号化され、変調回路35aにより変調されて、ICタグアンテナ36から無線送信される。ICタグアンテナ36からの無線信号は、リーダアンテナ68で受信され、スイッチ回路54を通り、復調回路52cで復調され、復号化回路52bで復号化されて、主制御部52aの制御によりメモリコントローラ83へ伝達される。
一方、ICタグ30に情報を書き込む場合、書き込み対象の情報は、主制御部52aの制御により記憶場所から読み出され、符号化回路52dにより符号化され、変調回路52eにより変調され、スイッチ回路55を通り、リーダライタアンテナ69から無線送信される。リーダライタアンテナ69からの無線信号は、ICタグアンテナ37で受信され、復調回路35bで復調され、復号化回路34cで復号化されて、主制御部34aの制御によりメモリ33に書き込まれる。
【0039】
ICタグ及びリーダ(リーダライタを含む)には、様々な構成が考えられ、例えば、特開昭63−229593号公報や特許第2949728号公報に記載されたシステムを適用することができる。
【0040】
上記リーダ50に接続される制御部80は、例えば、図5に示すように、CPU81、ROM82、メモリコントローラ83、DRAM84、が設けられる。DRAM84は、例えばSDRAMが用いられ、マザーボード40に最初から実装されるRAMとされる。メモリコントローラ83は、CPU81とDRAM84,16とを中継し、DRAM84,16に対するアクセスのインターフェイスを統括するLSIとされている。メモリコントローラ83は、リーダ本体部52からモジュール関連情報DA1を入手し、CPU81の制御に従ってDRAM84,16に対してデータの読み書きやリフレッシュ等を行う。CPU81は、ROM82に書き込まれた制御プログラムに従って、適宜DRAM84,16をワークエリアとして使用しながらマザーボード40全体の動作を制御する。これにより、制御部80は、リーダ50が入手したモジュール関連情報DA1に基づいてモジュール10の動作を制御する。
【0041】
マザーボード40に電源が投入されると、メモリコントローラ83は図8に示すように動作する。すなわち、電源が投入されると、メモリコントローラ83は、リーダ本体部52からモジュール関連情報DA1を入手し(ステップS102)、該モジュール関連情報DA1を内部の所定の場所に格納する(ステップS104)。これにより、メモリモジュールのDRAM16に対するタイミング等の各種設定が自動的に行われ、アクセスするDRAM84,16の選択や、メモリモジュールのDRAM16に対するデータの読み書きやリフレッシュ等が適切に行われる。
【0042】
メモリモジュールのDRAM16に対するアクセスは、図9に示すような動作で行われる。
CPU81がDRAM16に対するアドレスを指定したアクセスをメモリコントローラ83に対して指示すると(ステップS202)、メモリコントローラ83は、該アクセスの指示を入手し(ステップS222)、該指示に基づいてアクセスするDRAM84,16を選択する処理を行う(ステップS224)。すなわち、マザーボード40に直接実装されたDRAM84及び各メモリモジュール10に実装されたDRAM16の中からアクセス対象のDRAMが選択される。次に、メモリコントローラ83は、設定に応じた動作でアクセス対象のDRAMへアドレスを出力する(ステップS226)。通常、DRAMに対して行アドレス(Row Address)の信号と列アドレス(Column Address)の信号とが異なるタイミングで出力される。さらに、メモリコントローラ83は、設定に応じた動作でDRAMにアクセスする(ステップS228)。DRAMにデータを書き込む場合、DRAMにデータ信号が入力され、アドレス信号に対応したアドレスにデータが書き込まれる。DRAMからデータを読み出す場合、DRAMからデータ信号が出力され、アドレス信号に対応したアドレスのデータが読み出される。むろん、メモリモジュールのDRAM16に対するアクセスが行われる場合、ステップS224〜S228の動作は、モジュール関連情報DA1にに対応した設定に応じた動作となる。
【0043】
DRAM84,16からデータを読み出す場合、メモリコントローラ83は、DRAM84,16から入力されたデータをCPU81へ出力する(ステップS230)。CPU81は、該データをメモリコントローラ83から入手する(ステップS204)。
CPU81とメモリコントローラ83とは、上述した動作を繰り返して、DRAM84,16に対してアクセスする。
【0044】
(2)モジュール装着システムの形成方法並びに作用及び効果:
次に、モジュール装着システム100の形成方法の一例を説明する。
図10は、メモリモジュール10が製造されてマザーボード40に装着される流れの一例を示している。メモリモジュール10を製造する段階では、例えば、プリント配線板12を形成し、DRAM16やICチップ32等の電子部品を実装して半田付けする。ここで、ICチップ32には前もってモジュール関連情報DA1を記録しておく必要は無く、モジュール10に実装された後にライタからモジュール関連情報DA1を無線送信してICチップ32に書き込めばよい。製造段階では、例えば、ライタW1から機能識別情報DA2が無線送信されてICタグ30に記録される。
【0045】
モジュール10の品質を管理する段階では、例えば、DRAM16が正常に動作するか否かの等の検査を行うとともに、リーダライタW2を用いてICタグ30から機能識別情報DA2を正確に読み出すことができるか否か等の検査を行い、リーダライタW2から品質管理情報DA3を無線送信してICタグ30に書き込む。
モジュール10の物流を管理する段階では、例えば、リーダライタW3を用いてICタグ30からモジュール関連情報DA1を読み出しながら物流経路を確認し、リーダライタW3から物流管理情報DA4を無線送信してICタグ30に書き込む。この段階では、ICチップ32に記録されているデータを書き換えてもよい。
【0046】
そして、モジュール10をマザーボード40に装着した段階では、ICタグ30に記録されたモジュール関連情報DA1がリーダ50により読み出され、該モジュール関連情報DA1に基づいた制御がモジュール10に対して行われる作用となる。
【0047】
以上説明したように、機能識別情報DA2を含むモジュール関連情報DA1がICタグ30に記録され、このICタグを有するモジュール10からモジュール関連情報DA1がマザーボード40へ無線送信されるので、モジュール関連情報DA1を出力するための端子をエッジコネクタ端子20等に設ける必要が無くなる。従って、本発明によると、モジュールの端子22の利用効率が向上する。また、モジュール10の物流管理、品質管理に用いられる情報がICタグ30に記録されるので、モジュール10の物流管理、品質管理が容易になる。
さらに、ソケットの側部66を介してマザーボード40とモジュール10とで信号が送受されるので、マザーボードとモジュールとで信号を送受するための端子の少なくとも一部をエッジコネクタ端子20に設ける必要が無くなる。従って、モジュールのエッジコネクタ端子20の利用効率が向上する。
【0048】
(4)変形例:
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、ICチップ32に物流管理情報を記録しないで機能識別情報と品質管理情報とを記録してもよく、この場合には品質管理を容易にさせる効果が得られる。一方、ICチップ32に品質管理情報を記録しないで機能識別情報と物流管理情報とを記録してもよく、この場合には物流管理を容易にさせる効果が得られる。むろん、ICチップ32に物流管理情報と品質管理情報とを記録しないで機能識別情報を記録してもよく、この場合でもモジュールの端子の利用効率を向上させる効果が得られる。
【0049】
また、ICチップの半導体メモリは、書き込み可能な不揮発性メモリであると物流管理情報や品質管理情報を容易に記録することができるので好適であるものの、ROMなど書き込み不可能な半導体メモリでもよい。このような場合でも、モジュールの端子の利用効率を向上させる効果が得られる。
さらに、ICタグは、モジュールに一つのみならず、複数設けられてもよい。ICタグからの無線信号を受信するリーダアンテナ(リーダライタアンテナを含む)も、ソケットに一つのみならず、複数設けられてもよい。
【0050】
さらに、リーダアンテナは、ソケットにおける第二の側部66のみならず、第一の側部64にも設けられてもよいし、さらに基部62にも設けられてもよい。むろん、第一の側部64にのみリーダアンテナが設けられてもよい。
【0051】
さらに、ソケットの側部がリーダアンテナを絶縁材料で覆う構造とされると設計外の電気的接触を防ぐ点から好適であるものの、ソケットの側部の少なくとも表面を金属のような導電性材料とすることも可能である。
図11は、ソケット60における第二の側部168の表面を導電性材料で形成したモジュール装着システム200を模式的に示している。側部168は、全体が導電性材料とされてもよいし、非導電性樹脂のような絶縁材料の表面を導電性材料で覆う構造とされてもよい。側部168に接触するモジュールの側端面12eにモジュール10の導体が露出していないので、設計外の電気的接触が生じないようにされている。
本変形例では、側部168自体がリーダアンテナとされ、該側部168がICタグ30からの無線信号を受信するので、より確実にモジュール関連情報DA1の無線通信が行われることが期待される。
【0052】
さらに、モジュール関連情報DA1が有線によっても送信されてもよい。
図12はモジュール関連情報を有線通信可能なモジュール装着システム300を模式的に示し、図13は同システム300の要部を図12のA1の位置で断面視して示している。本変形例のICタグ30は、半導体メモリ33に記録されているモジュール関連情報DA1を有線により送信するための通信用端子239をさらに備えている。この通信用端子239とICチップ32とは、プリント配線板12に形成された信号線237で電気的に接続されている。
一方、リーダ50は、リーダ本体部52や制御部80等の他、通信用端子239と電気的に接続される通信用コンタクト269をソケット60に有している。この通信用コンタクト269は、ソケットにおける第二の側部66に設けられ、スイッチ回路54に繋がる信号線267に接続されている。リーダ50は、通信用コンタクト269からモジュール関連情報DA1を入手可能とされている。
【0053】
図13に示すように、ソケットにおける第二の側部66には、第一の側部64に向かって突出した凸部66bが形成されている。この凸部66bは、モジュール10における側端面12e側の縁部を挿入可能であり、該縁部を挿入した状態で通信用端子239に接触する通信用コンタクト269が内側面に設けられている。
ソケット60にモジュール10が装着されて通信用端子239と通信用コンタクト269とが接触すると、ICタグ30とリーダ50とが電気的に接続される。この状態で、モジュール関連情報DA1は、ICチップ32から読み出され、信号線237、通信用端子239、通信用コンタクト269、信号線267、スイッチ回路54、リーダ本体部52を経て、制御部80に伝達される。
【0054】
本変形例では、リーダ50がICタグ30と電気的に接続してモジュール関連情報DA1を入手可能であるので、マザーボード40がモジュール関連情報をモジュール10から入手する動作の安定性がさらに向上する。なお、ICタグ30にICタグアンテナ36が設けられているので、通信用端子239と通信用コンタクト269とが接触不良等により電気的に接続されない場合、リーダ50はモジュール関連情報DA1を無線通信により入手可能である。従って、モジュール関連情報の伝達動作の安定性が極めて高い。
【0055】
むろん、図14に示すように、ICタグ30にICタグアンテナが設けられず、有線通信でのみモジュール関連情報DA1を伝達可能なモジュール装着システム400も構築可能である。本変形例でも、リーダ50がICタグ30と電気的に接続してモジュール関連情報DA1を入手可能であるので、マザーボード40がモジュール関連情報をモジュール10から入手する動作の安定性が高い。また、本システム400も、ソケットの側部66を介してマザーボード40とモジュール10とで信号を送受する手段30,50が設けられていることを特徴としていると言え、モジュールのエッジコネクタ端子20の利用効率を向上させる効果が得られる。
【0056】
さらに、ソケットの側部のラッチ部分である係止部を利用してモジュール関連情報を伝達するようにしてもよい。
図15は係止部66aでモジュール関連情報を有線通信可能なモジュール装着システム500を模式的に示し、図16は同システム500の要部を図14のA2の位置で断面視して示している。本変形例のICタグ30は、半導体メモリ33に記録されているモジュール関連情報DA1を有線により送信するための通信用端子439をさらに備えている。この通信用端子439は、プリント配線板12の内部導体パターンが凹部13の端面(12e)に露出して形成されている。通信用端子439とICチップ32とは、プリント配線板12に形成された信号線237で電気的に接続されている。
一方、リーダ50は、リーダ本体部52や制御部80等の他、通信用端子439と電気的に接続される通信用コンタクト469をソケット60に有している。この通信用コンタクト469は、ソケットの第二の側部における係止部66aの端面に設けられ、スイッチ回路54に繋がる信号線267に接続されている。
【0057】
ソケット60にモジュール10が装着されて通信用端子439と通信用コンタクト469とが接触すると、ICタグ30とリーダ50とが電気的に接続される。本変形例でも、リーダ50がICタグ30と電気的に接続してモジュール関連情報DA1を入手可能であるので、マザーボード40がモジュール関連情報をモジュール10から入手する動作の安定性がさらに向上する。なお、ICタグ30にICタグアンテナ36が設けられているので、通信用端子439と通信用コンタクト469とが接触不良等により電気的に接続されない場合、リーダ50はモジュール関連情報DA1を無線通信により入手可能である。
【0058】
なお、上述した効果は、モジュール単体の発明、マザーボード単体の発明、モジュールの制御方法の発明、についても得られる。
【0059】
また、本発明は、上述した実施形態や変形例に限られず、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。
【符号の説明】
【0060】
10…メモリモジュール(モジュール)、
12…プリント配線板、13…凹部、16…DRAM、
20…エッジコネクタ端子、22…端子、
30…ICタグ(信号送受手段の一部)、
32…ICチップ、
33…不揮発性半導体メモリ(半導体メモリ)、34…メモリ制御部、35…通信部、
36…ICタグアンテナ、
40…マザーボード、
50…リーダ(信号送受手段の一部)、
52…リーダ本体部、54…スイッチ回路、
60…ソケット、
62…基部、63…スロット、
64…第一の側部、64a…係止部、66,168…第二の側部、66a…係止部、
68…リーダアンテナ、
70…コンタクト群、72…コンタクト、
80…制御部(制御手段)、
81…CPU、82…ROM、83…メモリコントローラ、84…DRAM、
100,200,300,400,500…モジュール装着システム、
237,267…信号線、
239,439…通信用端子、269,469…通信用コンタクト、
D1…長手方向、
DA1…モジュール関連情報(モジュールに関する情報)、
DA2…機能識別情報、DA3…品質管理情報、DA4…物流管理情報、
【技術分野】
【0001】
本発明は、マザーボードのソケットにモジュールが装着されるモジュール装着システム、該モジュール装着システムを構成するモジュール及びマザーボード、並びに、該モジュールの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント回路板からなるメモリモジュールをパーソナルコンピュータ等のマザーボードに取り付ける際、メモリモジュールの端部にエッジコネクタ端子を形成し、このエッジコネクタ端子を差し込んで嵌合させるソケットをマザーボードに設けて、このソケットにメモリモジュールのエッジコネクタ端子を接続している。このソケットは、エッジコネクタやエッジ形ソケットコネクタとも呼ばれ、エッジコネクタ端子を差し込むためのスロットを有する基部と、該基部の長手方向の両端部から突出してメモリモジュールの相対向する縁部を係止する一対の側部とを備えている。ソケットの基部にはエッジコネクタ端子と電気的に接続されるコンタクトが設けられるが、このようなコンタクトはソケットの側部には設けられない。このようなソケットとして、例えば、特開平5−211076号公報に記載されるSIMM(Single Inline Memory Module)ソケットが知られている。
【0003】
メモリモジュールには様々な種類があるため、SPD(Serial Presence Detect)という規格に従って情報をシリアル通信する不揮発性半導体メモリをメモリモジュールに実装することが行われている。この不揮発性半導体メモリには、SIMMやDIMM(Dual Inline Memory Module)といったメモリモジュールのタイプ、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)やDRAMといったメモリチップの種別、メモリ容量、バンク構成、サイクルタイム、SDRAMのクロック周波数、ECCメモリ(Error Check and Correct memory)やパリティビットの有無、リフレッシュの間隔、等のメモリモジュールの機能の識別情報が記録される。これらの情報は、メモリモジュールのエッジコネクタ端子に設けられたSCL端子(シリアルクロック端子)及びSDA端子(シリアルデータ端子)を経由してマザーボードのメモリコントローラへ伝達される。メモリモジュールを装着したマザーボードは、メモリコントローラが入手したこれらの情報に基づいてメモリモジュールに対してアクセスすることができる。
また、特許第2650742号公報には、ジャンパチップを選択的に着脱することによって、同一の配線基板で3種類のアクセスタイムの変更に対応可能なメモリモジュールが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−211076号公報
【特許文献2】特許第2650742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記不揮発性半導体メモリを実装したメモリモジュールから該メモリモジュールの機能の識別情報をメモリコントローラへ出力する場合、メモリモジュールのエッジコネクタ端子にシリアルクロック端子やシリアルデータ端子を設ける必要がある。特許第2650742号公報記載のメモリモジュールでも、エッジコネクタ端子に機能識別用の外部端子が必要である。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、メモリモジュールのようなモジュールの端子の利用効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、モジュールに関する情報を記録した半導体メモリを有するモジュールがマザーボードのソケットに装着されるモジュール装着システムであって、
前記モジュールは、前記半導体メモリを有して該半導体メモリに記録されている前記モジュールに関する情報を無線送信するICタグを備え、
前記マザーボードは、
前記ICタグからの無線信号を受信するアンテナを前記ソケットに有して前記モジュールに関する情報を無線通信により入手するリーダと、
入手した前記モジュールに関する情報に基づいて前記モジュールの動作を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、モジュールに関する情報を記録した半導体メモリを有し、マザーボードのソケットに装着されるモジュールであって、
前記半導体メモリを有して該半導体メモリに記録されている前記モジュールに関する情報を無線送信するICタグを備えることを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明は、モジュールに関する情報を記録したICタグを有するモジュールがソケットに装着されるマザーボードであって、
前記ICタグからの無線信号を受信するアンテナを前記ソケットに有して前記モジュールに関する情報を無線通信により入手するリーダと、
入手した前記モジュールに関する情報に基づいて前記モジュールの動作を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明は、モジュールに関する情報を記録した半導体メモリを有するモジュールであってマザーボードのソケットに装着されたモジュールの制御方法であって、
前記モジュールに前記半導体メモリを有するICタグを備えて該半導体メモリに記録されている前記モジュールに関する情報を無線送信し、
前記マザーボードに前記ICタグからの無線信号を受信するアンテナを前記ソケットに有するリーダを設けて前記モジュールに関する情報を無線通信により入手し、
前記マザーボードで前記入手したモジュールに関する情報に基づいて前記モジュールの動作を制御することを特徴とする。
【0011】
すなわち、モジュールに関する情報がモジュールからマザーボードへ無線送信されるので、モジュールに関する情報を出力するための端子をモジュールに設ける必要が無くなる。従って、モジュールの端子の利用効率を向上させることができる。また、モジュールの物流管理、品質管理に用いられる情報をICタグに記録しておけば、このICタグを利用してモジュールの物流管理、品質管理を容易にさせることができる。
【0012】
上記モジュールには、メモリモジュールの他、LANモジュール、ハードディスクドライブモジュール、等も含まれる。
上記モジュールに関する情報には、モジュールのタイプ等のモジュールの機能の識別情報の他、モジュールの品質管理や物流管理に用いられる情報等も含まれる。
上記半導体メモリは、データを書き込み可能なメモリでもよいし、ROMなどデータを書き込み不可能なメモリでもよい。
上記マザーボードには、パーソナルコンピュータに設けられたマザーボードの他、特定の機能のみを実現させる専用機械に設けられたマザーボード等も含まれる。
上記リーダには、ICタグに情報を書き込み可能なリーダライタ、ICタグに情報を書き込む機能を有しないリーダ、のいずれも含まれる。
【0013】
さらに、本発明は、エッジコネクタ端子を有するモジュールがマザーボードのソケットに装着されるモジュール装着システムであって、
前記ソケットは、前記エッジコネクタ端子を差し込むための基部と、該基部から突出して前記モジュールの縁部を係止する側部とを備え、
該側部を介して前記マザーボードと前記モジュールとで信号を送受する手段が設けられていることを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明は、エッジコネクタ端子を有し、基部から突出した側部を有するソケットの前記基部に前記エッジコネクタ端子が差し込まれ前記側部に縁部が係止されるモジュールであって、
前記ソケットの側部とで信号を送受する手段が設けられていることを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明は、エッジコネクタ端子を有するモジュールがソケットに装着されるマザーボードであって、
前記ソケットは、前記エッジコネクタ端子を差し込むための基部と、該基部から突出して前記モジュールの縁部を係止する側部とを備え、
該側部を介して前記モジュールとで信号を送受する手段が設けられていることを特徴とする。
【0016】
すなわち、ソケットの側部を介してマザーボードとモジュールとで信号が送受されるので、マザーボードとモジュールとで信号を送受するための端子の少なくとも一部をエッジコネクタ端子に設ける必要が無くなる。従って、モジュールのエッジコネクタ端子の利用効率を向上させることができる。
【0017】
上記マザーボードと上記モジュールとで信号を送受することには、マザーボードからモジュールへ信号を送信するとともにモジュールからマザーボードへ信号を送信すること、モジュールからマザーボードへ信号を送信する一方でマザーボードからモジュールへは信号を送信しないこと、マザーボードからモジュールへ信号を送信する一方でモジュールからマザーボードへは信号を送信しないこと、のいずれの場合も含まれる。
また、上記マザーボードと上記モジュールとの信号の送受は、無線通信により行われてもよいし、有線通信、すなわち、マザーボードとモジュールとが電気的に接続された状態により行われてもよい。
【0018】
なお、請求項2〜請求項10に対応したモジュールの制御方法にも発明が存在し、該発明も上述した作用、効果を奏する。
【発明の効果】
【0019】
請求項1、請求項6、請求項7、請求項11に係る発明によれば、モジュールの端子の利用効率を向上させることが可能になる。
請求項2に係る発明では、ソケットの基部にはエッジコネクタ端子と電気的に接続されるコンタクトが設けられる一方、このようなコンタクトがソケットの側部には設けられないので、エッジコネクタ端子を流れる信号との干渉が生じにくい。従って、モジュールに関する情報をモジュールから入手する動作の安定性を向上させることができる。
請求項3に係る発明では、モジュールの導体部分とリーダのアンテナとの設計外の電気的接触が生じることが無いので、モジュールの動作の安定性を向上させることができる。
請求項4に係る発明では、ICタグに品質管理と物流管理の少なくとも一方に用いられる情報が書き込まれているので、モジュールの物流管理、品質管理を容易にさせることができる。
請求項5に係る発明では、リーダがICタグと電気的に接続してモジュールに関する情報を入手可能であるので、マザーボードがモジュールに関する情報をモジュールから入手する動作の安定性をさらに向上させることができる。
請求項8〜請求項10に係る発明では、モジュールのエッジコネクタ端子の利用効率を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】モジュール装着システムの構成例を模式的に示す図。
【図2】モジュールとソケットとの接続構造の例を正面から見て示す分解図。
【図3】図1に示すモジュールの半田面側を示す斜視図。
【図4】図1に示すソケットの外観を一部破断して示す斜視図。
【図5】図1に示すモジュール装着システムの回路構成の概略を示すブロック図。
【図6】半導体メモリのデータ構造の例を模式的に示す図。
【図7】信号送受手段の構成例を示すブロック図。
【図8】メモリコントローラで行われる動作の例を説明するためのフローチャート。
【図9】DRAMにアクセスするときにCPUとメモリコントローラとで行われる動作の例を説明するためのフローチャート。
【図10】メモリモジュールが製造されてマザーボードに装着される流れの例を示す図。
【図11】モジュール装着システムの変形例を模式的に示す図。
【図12】モジュール装着システムの変形例を模式的に示す図。
【図13】図12に示すモジュール装着システムの要部を同図のA1の位置で断面視して示す要部断面図。
【図14】モジュール装着システムの変形例を模式的に示す図。
【図15】モジュール装着システムの変形例を模式的に示す図。
【図16】図15に示すモジュール装着システムの要部を同図のA2の位置で断面視して示す要部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(1)モジュール装着システムの構成:
図1は本発明の一実施形態に係るモジュール装着システム100の構成を模式的に示す図、図2はモジュール10とソケット60との接続構造を正面から見て示す分解図、図3はモジュール10の半田面12b側を示す斜視図、図4はソケット60の外観を一部破断して示す斜視図、図5はモジュール装着システム100の回路構成の概略を示すブロック図、図6は半導体メモリ33のデータ構造を模式的に示す図、図7は信号送受手段の構成を示すブロック図、図8はメモリコントローラで行われる動作を説明するためのフローチャート、図9はDRAMにアクセスするときにCPUとメモリコントローラとで行われる動作を説明するためのフローチャートである。図1、図2、図5に示すアンテナ68は、簡略化して描いている。
【0022】
本発明を適用可能なモジュールは、モジュールに関する情報を記録した半導体メモリをプリント回路板に有し、ソケットに対して電気的に接続される端子が形成されていればよい。通常、プリント配線板にエッジコネクタ端子が形成され、プリント配線板に電子部品が実装されてモジュールが形成され、このモジュールがソケットを介してマザーボードに対して電気的に接続される。このようなモジュールには、例えば、SPDに対応した不揮発性半導体メモリを有するメモリモジュールがある。
本発明を適用可能なソケットは、マザーボードに設けられてモジュールを装着可能であればよい。通常、ソケットには、エッジコネクタ端子を差し込んで嵌合させるエッジ形ソケットコネクタ(エッジコネクタ)が用いられる。
【0023】
本システム100は、メモリモジュール(モジュール)10とマザーボード40とを少なくとも備える。むろん、モジュールとマザーボード以外にも、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、キーボード等の入力装置、等がモジュール装着システムに設けられてもよい。モジュール10は、モジュール関連情報(モジュールに関する情報)DA1を記録した不揮発性半導体メモリ(半導体メモリ)33を有する。メモリ33は、無線ICタグ(ICタグ)30に設けられている。ICタグ30は、メモリ33に記録されているモジュール関連情報DA1を無線送信可能である。
マザーボード40は、リーダ50と制御部(制御手段)80とを少なくとも備える。リーダ50は、ICタグ30からの無線信号を受信するリーダアンテナ(アンテナ)68をソケット60に有し、モジュール関連情報DA1を無線通信により入手する。アンテナ68を設けたソケット60は、マザーボード40上に設けられ、モジュール10を装着可能である。制御部80は、リーダ50で入手されたモジュール関連情報DA1に基づいてモジュール10の動作を制御する。
【0024】
モジュール関連情報DA1は、モジュール10からマザーボード40へ無線送信される。従って、モジュール関連情報DA1を出力するためのSCL端子やSDA端子をモジュールに設ける必要が無くなる。
【0025】
メモリモジュール10は、図1に示すように、プリント配線板12にDRAM16やICチップ32等の各種電子部品が実装されたプリント回路板(プリント回路実装品)とされている。DRAM16には、例えば、SDRAMが用いられる。モジュール10は、DRAM16を含むプリント回路15が基板部14に形成され、ソケット60に差し込まれる縁部にエッジコネクタ端子20が形成されている。モジュールの導体部分の設計外の電気的接触を防ぐため、端面12c,12d,12e,12fに導体が露出しないようにプリント配線板12が形成されている。本実施形態のモジュール10は、DIMMであり、エッジコネクタ端子20の実装面12a及び半田面12bに端子22が複数形成されている。端子22には、グランド用端子、電源用端子、信号用端子、が含まれるが、モジュール関連情報を出力するためのSCL端子やSDA端子が含まれない。エッジコネクタ端子20は、端面12cからソケット60のスロット63に差し込み可能であり、該ソケットに差し込まれて各端子22がソケットの各コンタクト72に接触し、マザーボード40と電気的に接続される。
プリント配線板12の相対向する側端面12d,12eには、それぞれソケット60に係止するための凹部13,13が形成されている。
【0026】
無線ICタグ30は、プリント配線板12に半田付けされるICチップ32と、プリント配線板12に形成されたICタグアンテナ36とを少なくとも備えるアクティブタグとされ、マザーボード40からモジュール10に供給される電力をエネルギー源にしてモジュール関連情報DA1をリーダ50へ無線送信する。むろん、ICタグは、リーダから送られてくる電磁エネルギーにより無線送信を行うパッシブタグでもよいし、セミパッシブタグでもよい。ICタグとリーダ(リーダライタを含む)との信号の無線通信には、例えば、13.56MHzの短波が用いられる。むろん、ICタグとリーダとの信号の無線通信は、電磁結合方式、電磁誘導方式、マイクロ波方式、光方式、のいずれの方式の通信でもよい。
ここで、ICタグ30とリーダ50とは、ソケットの側部を介してマザーボードとモジュールとで信号を送受する信号送受手段を構成する。
【0027】
図5に示すように、ICチップ32は、データを書き込み可能な不揮発性半導体メモリ33、メモリ制御部34、通信部35、を少なくとも備える。半導体メモリ33には、モジュール関連情報DA1が記録されている。モジュール関連情報DA1には、モジュール10の機能を識別するための情報(機能識別情報)DA2、モジュール10の品質管理に用いられる情報(品質管理情報)DA3、モジュール10の物流管理に用いられる情報(物流管理情報)DA4、が少なくとも含まれる。
【0028】
図6に示すように、機能識別情報DA2には、例えば、モジュールの品番DA21、モジュールのタイプDA22、メモリチップの種別DA23、メモリ容量、バンク構成、サイクルタイム、SDRAMのクロック周波数、ECCメモリやパリティビットの有無、リフレッシュの間隔、等、主にSPDに従った情報が含まれる。
品質管理情報DA3には、例えば、モジュールの製造年月日DA31、モジュールの製造工場を識別するための情報DA32、モジュールのロットを識別するための情報、モジュールの動作が確認されたことを表す情報、等、主にモジュールの品質を保証するために用いられる情報が含まれる。
物流管理情報DA4には、例えば、モジュールを物流倉庫に入庫した年月日DA41、該物流倉庫を識別するための情報DA42、モジュールを物流倉庫から搬出した年月日DA43、モジュールを小売店から販売した年月日DA44、等、主にモジュールの物流経路を特定するために用いられる情報が含まれる。
【0029】
むろん、各情報DA2,DA3,DA4は、排他的に区分される情報ではなく、同じ情報が異なる区分の情報DA2,DA3,DA4に含まれてもよい。例えば、モジュールの製造年月日は機能識別情報DA2に含まれてもよいし、モジュールを製造工場から搬出した年月日は品質管理情報DA3と物流管理情報DA4のどちらに含まれてもよい。
【0030】
一方、マザーボードのリーダ50は、ソケット60に設けられたリーダアンテナ68と、このリーダアンテナを用いてモジュール関連情報DA1を入手するリーダ本体部52と、を少なくとも備える。本実施形態では、同じリーダ本体部52を用いて複数のモジュール10からモジュール関連情報DA1を入手するため、リーダ50にスイッチ回路54を設けている。従って、モジュール関連情報を入手するモジュールを切り替える必要が無ければ、スイッチ回路は不要である。
【0031】
ソケット60は、図2や図4に示すように、エッジコネクタ端子20を差し込むためのスロット63を有する基部62と、該基部の長手方向D1の両端部から突出してモジュール10の相対向する端面12d,12eを挟む第一及び第二の側部64,66とを有している。側部64,66には、相対向する側部66,64に向かって突出した係止部64a,66aがそれぞれ設けられている。係止部64a,66aは、モジュール10を固定するため側部64,66に設けられたラッチ部分であり、側部66,54内に設けられたばねにより相対向する側部66,64に向かって付勢されている。従って、ソケット60にモジュール10が取り付けられる時には係止部64a,66aが互いに離反する方向へ退避した後に凹部13,13に挿入してモジュール10を係止し、ソケット60からモジュール10が取り外される時には係止部64a,66aが互いに離反する方向へ退避してモジュール10を解放する。
【0032】
基部62には、エッジコネクタ端子20と電気的に接続されるコンタクト群70がスロット63の内側面に設けられている。コンタクト群70を構成する各コンタクト72は、エッジコネクタ端子の各端子22に対応して設けられ、各端子22に接触して該端子と電気的に接続される。コンタクト72には、グランド用コンタクト、電源用コンタクト、信号用コンタクト、が含まれるが、モジュール関連情報を入力するためのコンタクトが含まれない。
【0033】
本ソケット60は、リーダ50の一部を構成し、第二の側部66にリーダアンテナ68が設けられている。ソケットの基部62にはコンタクト72が設けられているが、ソケットの側部66にはコンタクトが設けられないので、エッジコネクタ端子20とコンタクト群70とを流れる信号との干渉が生じにくい。従って、モジュールからモジュール関連情報を入手する動作の安定性を向上させることができる。
むろん、上述した信号の干渉が生じなければ、ソケットの基部にリーダアンテナを設けてもよい。
【0034】
なお、コンタクトとばねとリーダアンテナを除くソケットは、絶縁材料が好ましく、例えば、絶縁性を有する樹脂成形材料等を射出成形等により成形することにより、形成することができる。コンタクトとリーダアンテナには、金属のような導電性材料が用いられる。係止部を付勢するばねは、金属のような導電性材料で形成されてもよいし、非導電性樹脂のような絶縁材料で形成されてもよい。
【0035】
本実施形態のソケットの側部66は、リーダアンテナ68が絶縁材料で覆われて形成されている。これにより、モジュールの導体部分とリーダアンテナとの設計外の電気的接触が生じることが無いので、モジュールの動作の安定性を向上させることができる。
アンテナ68の形状は、例えば金属ワイヤの両端をリーダ内の回路に接続したループ状といった線状等とすることができる。
【0036】
図7は、ソケットの側部66を介してICタグ30とリーダ50とで信号を送受する信号送受手段の構成の一例を示している。なお、ICタグ30からリーダ50へモジュール関連情報DA1を無線送信するには図示の実線部分の構成があればよく、ICタグ30に情報を書き込み可能なICタグを用いリーダ50にリーダライタを用いる場合には図示の破線部分の構成が設けられる。
【0037】
図7に示すように、メモリ制御部34には、主制御部34a、符号化回路34b、が設けられ、情報を書き込み可能なICタグを用いる場合には復号化回路34cが設けられる。主制御部34aには、外部のクロック発生回路からクロック信号が与えられる。通信部35には、変調回路35aが設けられ、情報を書き込み可能なICタグを用いる場合には復調回路35bが設けられる。アンテナ36は送信用のICタグアンテナであり、アンテナ37は受信用のICタグアンテナである。アンテナ36,37は、異なるアンテナのみならず、同一のアンテナでもよい。
アンテナ68は受信用のリーダアンテナであり、アンテナ69は送信用のリーダライタアンテナである。アンテナ68,69は、異なるアンテナのみならず、同一のアンテナでもよい。スイッチ回路54はリーダアンテナ68を切り替える回路であり、スイッチ回路55はリーダライタアンテナ69を切り替える回路である。リーダ本体部52には、主制御部52a、復号化回路52b、復調回路52c、が設けられ、リーダライタを用いる場合には符号化回路52dと変調回路52eが設けられる。主制御部52aには、外部のクロック発生回路からクロック信号が与えられる。
【0038】
メモリ33に記録されているモジュール関連情報DA1は、主制御部34aの制御により読み出され、符号化回路34bにより符号化され、変調回路35aにより変調されて、ICタグアンテナ36から無線送信される。ICタグアンテナ36からの無線信号は、リーダアンテナ68で受信され、スイッチ回路54を通り、復調回路52cで復調され、復号化回路52bで復号化されて、主制御部52aの制御によりメモリコントローラ83へ伝達される。
一方、ICタグ30に情報を書き込む場合、書き込み対象の情報は、主制御部52aの制御により記憶場所から読み出され、符号化回路52dにより符号化され、変調回路52eにより変調され、スイッチ回路55を通り、リーダライタアンテナ69から無線送信される。リーダライタアンテナ69からの無線信号は、ICタグアンテナ37で受信され、復調回路35bで復調され、復号化回路34cで復号化されて、主制御部34aの制御によりメモリ33に書き込まれる。
【0039】
ICタグ及びリーダ(リーダライタを含む)には、様々な構成が考えられ、例えば、特開昭63−229593号公報や特許第2949728号公報に記載されたシステムを適用することができる。
【0040】
上記リーダ50に接続される制御部80は、例えば、図5に示すように、CPU81、ROM82、メモリコントローラ83、DRAM84、が設けられる。DRAM84は、例えばSDRAMが用いられ、マザーボード40に最初から実装されるRAMとされる。メモリコントローラ83は、CPU81とDRAM84,16とを中継し、DRAM84,16に対するアクセスのインターフェイスを統括するLSIとされている。メモリコントローラ83は、リーダ本体部52からモジュール関連情報DA1を入手し、CPU81の制御に従ってDRAM84,16に対してデータの読み書きやリフレッシュ等を行う。CPU81は、ROM82に書き込まれた制御プログラムに従って、適宜DRAM84,16をワークエリアとして使用しながらマザーボード40全体の動作を制御する。これにより、制御部80は、リーダ50が入手したモジュール関連情報DA1に基づいてモジュール10の動作を制御する。
【0041】
マザーボード40に電源が投入されると、メモリコントローラ83は図8に示すように動作する。すなわち、電源が投入されると、メモリコントローラ83は、リーダ本体部52からモジュール関連情報DA1を入手し(ステップS102)、該モジュール関連情報DA1を内部の所定の場所に格納する(ステップS104)。これにより、メモリモジュールのDRAM16に対するタイミング等の各種設定が自動的に行われ、アクセスするDRAM84,16の選択や、メモリモジュールのDRAM16に対するデータの読み書きやリフレッシュ等が適切に行われる。
【0042】
メモリモジュールのDRAM16に対するアクセスは、図9に示すような動作で行われる。
CPU81がDRAM16に対するアドレスを指定したアクセスをメモリコントローラ83に対して指示すると(ステップS202)、メモリコントローラ83は、該アクセスの指示を入手し(ステップS222)、該指示に基づいてアクセスするDRAM84,16を選択する処理を行う(ステップS224)。すなわち、マザーボード40に直接実装されたDRAM84及び各メモリモジュール10に実装されたDRAM16の中からアクセス対象のDRAMが選択される。次に、メモリコントローラ83は、設定に応じた動作でアクセス対象のDRAMへアドレスを出力する(ステップS226)。通常、DRAMに対して行アドレス(Row Address)の信号と列アドレス(Column Address)の信号とが異なるタイミングで出力される。さらに、メモリコントローラ83は、設定に応じた動作でDRAMにアクセスする(ステップS228)。DRAMにデータを書き込む場合、DRAMにデータ信号が入力され、アドレス信号に対応したアドレスにデータが書き込まれる。DRAMからデータを読み出す場合、DRAMからデータ信号が出力され、アドレス信号に対応したアドレスのデータが読み出される。むろん、メモリモジュールのDRAM16に対するアクセスが行われる場合、ステップS224〜S228の動作は、モジュール関連情報DA1にに対応した設定に応じた動作となる。
【0043】
DRAM84,16からデータを読み出す場合、メモリコントローラ83は、DRAM84,16から入力されたデータをCPU81へ出力する(ステップS230)。CPU81は、該データをメモリコントローラ83から入手する(ステップS204)。
CPU81とメモリコントローラ83とは、上述した動作を繰り返して、DRAM84,16に対してアクセスする。
【0044】
(2)モジュール装着システムの形成方法並びに作用及び効果:
次に、モジュール装着システム100の形成方法の一例を説明する。
図10は、メモリモジュール10が製造されてマザーボード40に装着される流れの一例を示している。メモリモジュール10を製造する段階では、例えば、プリント配線板12を形成し、DRAM16やICチップ32等の電子部品を実装して半田付けする。ここで、ICチップ32には前もってモジュール関連情報DA1を記録しておく必要は無く、モジュール10に実装された後にライタからモジュール関連情報DA1を無線送信してICチップ32に書き込めばよい。製造段階では、例えば、ライタW1から機能識別情報DA2が無線送信されてICタグ30に記録される。
【0045】
モジュール10の品質を管理する段階では、例えば、DRAM16が正常に動作するか否かの等の検査を行うとともに、リーダライタW2を用いてICタグ30から機能識別情報DA2を正確に読み出すことができるか否か等の検査を行い、リーダライタW2から品質管理情報DA3を無線送信してICタグ30に書き込む。
モジュール10の物流を管理する段階では、例えば、リーダライタW3を用いてICタグ30からモジュール関連情報DA1を読み出しながら物流経路を確認し、リーダライタW3から物流管理情報DA4を無線送信してICタグ30に書き込む。この段階では、ICチップ32に記録されているデータを書き換えてもよい。
【0046】
そして、モジュール10をマザーボード40に装着した段階では、ICタグ30に記録されたモジュール関連情報DA1がリーダ50により読み出され、該モジュール関連情報DA1に基づいた制御がモジュール10に対して行われる作用となる。
【0047】
以上説明したように、機能識別情報DA2を含むモジュール関連情報DA1がICタグ30に記録され、このICタグを有するモジュール10からモジュール関連情報DA1がマザーボード40へ無線送信されるので、モジュール関連情報DA1を出力するための端子をエッジコネクタ端子20等に設ける必要が無くなる。従って、本発明によると、モジュールの端子22の利用効率が向上する。また、モジュール10の物流管理、品質管理に用いられる情報がICタグ30に記録されるので、モジュール10の物流管理、品質管理が容易になる。
さらに、ソケットの側部66を介してマザーボード40とモジュール10とで信号が送受されるので、マザーボードとモジュールとで信号を送受するための端子の少なくとも一部をエッジコネクタ端子20に設ける必要が無くなる。従って、モジュールのエッジコネクタ端子20の利用効率が向上する。
【0048】
(4)変形例:
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、ICチップ32に物流管理情報を記録しないで機能識別情報と品質管理情報とを記録してもよく、この場合には品質管理を容易にさせる効果が得られる。一方、ICチップ32に品質管理情報を記録しないで機能識別情報と物流管理情報とを記録してもよく、この場合には物流管理を容易にさせる効果が得られる。むろん、ICチップ32に物流管理情報と品質管理情報とを記録しないで機能識別情報を記録してもよく、この場合でもモジュールの端子の利用効率を向上させる効果が得られる。
【0049】
また、ICチップの半導体メモリは、書き込み可能な不揮発性メモリであると物流管理情報や品質管理情報を容易に記録することができるので好適であるものの、ROMなど書き込み不可能な半導体メモリでもよい。このような場合でも、モジュールの端子の利用効率を向上させる効果が得られる。
さらに、ICタグは、モジュールに一つのみならず、複数設けられてもよい。ICタグからの無線信号を受信するリーダアンテナ(リーダライタアンテナを含む)も、ソケットに一つのみならず、複数設けられてもよい。
【0050】
さらに、リーダアンテナは、ソケットにおける第二の側部66のみならず、第一の側部64にも設けられてもよいし、さらに基部62にも設けられてもよい。むろん、第一の側部64にのみリーダアンテナが設けられてもよい。
【0051】
さらに、ソケットの側部がリーダアンテナを絶縁材料で覆う構造とされると設計外の電気的接触を防ぐ点から好適であるものの、ソケットの側部の少なくとも表面を金属のような導電性材料とすることも可能である。
図11は、ソケット60における第二の側部168の表面を導電性材料で形成したモジュール装着システム200を模式的に示している。側部168は、全体が導電性材料とされてもよいし、非導電性樹脂のような絶縁材料の表面を導電性材料で覆う構造とされてもよい。側部168に接触するモジュールの側端面12eにモジュール10の導体が露出していないので、設計外の電気的接触が生じないようにされている。
本変形例では、側部168自体がリーダアンテナとされ、該側部168がICタグ30からの無線信号を受信するので、より確実にモジュール関連情報DA1の無線通信が行われることが期待される。
【0052】
さらに、モジュール関連情報DA1が有線によっても送信されてもよい。
図12はモジュール関連情報を有線通信可能なモジュール装着システム300を模式的に示し、図13は同システム300の要部を図12のA1の位置で断面視して示している。本変形例のICタグ30は、半導体メモリ33に記録されているモジュール関連情報DA1を有線により送信するための通信用端子239をさらに備えている。この通信用端子239とICチップ32とは、プリント配線板12に形成された信号線237で電気的に接続されている。
一方、リーダ50は、リーダ本体部52や制御部80等の他、通信用端子239と電気的に接続される通信用コンタクト269をソケット60に有している。この通信用コンタクト269は、ソケットにおける第二の側部66に設けられ、スイッチ回路54に繋がる信号線267に接続されている。リーダ50は、通信用コンタクト269からモジュール関連情報DA1を入手可能とされている。
【0053】
図13に示すように、ソケットにおける第二の側部66には、第一の側部64に向かって突出した凸部66bが形成されている。この凸部66bは、モジュール10における側端面12e側の縁部を挿入可能であり、該縁部を挿入した状態で通信用端子239に接触する通信用コンタクト269が内側面に設けられている。
ソケット60にモジュール10が装着されて通信用端子239と通信用コンタクト269とが接触すると、ICタグ30とリーダ50とが電気的に接続される。この状態で、モジュール関連情報DA1は、ICチップ32から読み出され、信号線237、通信用端子239、通信用コンタクト269、信号線267、スイッチ回路54、リーダ本体部52を経て、制御部80に伝達される。
【0054】
本変形例では、リーダ50がICタグ30と電気的に接続してモジュール関連情報DA1を入手可能であるので、マザーボード40がモジュール関連情報をモジュール10から入手する動作の安定性がさらに向上する。なお、ICタグ30にICタグアンテナ36が設けられているので、通信用端子239と通信用コンタクト269とが接触不良等により電気的に接続されない場合、リーダ50はモジュール関連情報DA1を無線通信により入手可能である。従って、モジュール関連情報の伝達動作の安定性が極めて高い。
【0055】
むろん、図14に示すように、ICタグ30にICタグアンテナが設けられず、有線通信でのみモジュール関連情報DA1を伝達可能なモジュール装着システム400も構築可能である。本変形例でも、リーダ50がICタグ30と電気的に接続してモジュール関連情報DA1を入手可能であるので、マザーボード40がモジュール関連情報をモジュール10から入手する動作の安定性が高い。また、本システム400も、ソケットの側部66を介してマザーボード40とモジュール10とで信号を送受する手段30,50が設けられていることを特徴としていると言え、モジュールのエッジコネクタ端子20の利用効率を向上させる効果が得られる。
【0056】
さらに、ソケットの側部のラッチ部分である係止部を利用してモジュール関連情報を伝達するようにしてもよい。
図15は係止部66aでモジュール関連情報を有線通信可能なモジュール装着システム500を模式的に示し、図16は同システム500の要部を図14のA2の位置で断面視して示している。本変形例のICタグ30は、半導体メモリ33に記録されているモジュール関連情報DA1を有線により送信するための通信用端子439をさらに備えている。この通信用端子439は、プリント配線板12の内部導体パターンが凹部13の端面(12e)に露出して形成されている。通信用端子439とICチップ32とは、プリント配線板12に形成された信号線237で電気的に接続されている。
一方、リーダ50は、リーダ本体部52や制御部80等の他、通信用端子439と電気的に接続される通信用コンタクト469をソケット60に有している。この通信用コンタクト469は、ソケットの第二の側部における係止部66aの端面に設けられ、スイッチ回路54に繋がる信号線267に接続されている。
【0057】
ソケット60にモジュール10が装着されて通信用端子439と通信用コンタクト469とが接触すると、ICタグ30とリーダ50とが電気的に接続される。本変形例でも、リーダ50がICタグ30と電気的に接続してモジュール関連情報DA1を入手可能であるので、マザーボード40がモジュール関連情報をモジュール10から入手する動作の安定性がさらに向上する。なお、ICタグ30にICタグアンテナ36が設けられているので、通信用端子439と通信用コンタクト469とが接触不良等により電気的に接続されない場合、リーダ50はモジュール関連情報DA1を無線通信により入手可能である。
【0058】
なお、上述した効果は、モジュール単体の発明、マザーボード単体の発明、モジュールの制御方法の発明、についても得られる。
【0059】
また、本発明は、上述した実施形態や変形例に限られず、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。
【符号の説明】
【0060】
10…メモリモジュール(モジュール)、
12…プリント配線板、13…凹部、16…DRAM、
20…エッジコネクタ端子、22…端子、
30…ICタグ(信号送受手段の一部)、
32…ICチップ、
33…不揮発性半導体メモリ(半導体メモリ)、34…メモリ制御部、35…通信部、
36…ICタグアンテナ、
40…マザーボード、
50…リーダ(信号送受手段の一部)、
52…リーダ本体部、54…スイッチ回路、
60…ソケット、
62…基部、63…スロット、
64…第一の側部、64a…係止部、66,168…第二の側部、66a…係止部、
68…リーダアンテナ、
70…コンタクト群、72…コンタクト、
80…制御部(制御手段)、
81…CPU、82…ROM、83…メモリコントローラ、84…DRAM、
100,200,300,400,500…モジュール装着システム、
237,267…信号線、
239,439…通信用端子、269,469…通信用コンタクト、
D1…長手方向、
DA1…モジュール関連情報(モジュールに関する情報)、
DA2…機能識別情報、DA3…品質管理情報、DA4…物流管理情報、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュールに関する情報を記録した半導体メモリを有するモジュールがマザーボードのソケットに装着されるモジュール装着システムであって、
前記モジュールは、前記半導体メモリを有して該半導体メモリに記録されている前記モジュールに関する情報を無線送信するICタグを備え、
前記マザーボードは、
前記ICタグからの無線信号を受信するアンテナを前記ソケットに有して前記モジュールに関する情報を無線通信により入手するリーダと、
入手した前記モジュールに関する情報に基づいて前記モジュールの動作を制御する制御手段とを備えることを特徴とするモジュール装着システム。
【請求項2】
前記モジュールは、前記ソケットに差し込まれて前記マザーボードと電気的に接続されるエッジコネクタ端子を備え、
前記ソケットは、前記エッジコネクタ端子を差し込むための基部と、該基部から突出して前記モジュールの縁部を係止する側部とを備え、
前記リーダのアンテナが前記側部に設けられた、請求項1に記載のモジュール装着システム。
【請求項3】
前記ソケットの側部は、前記リーダのアンテナが絶縁材料で覆われて形成されていることを特徴とする請求項2に記載のモジュール装着システム。
【請求項4】
前記ICタグの半導体メモリは、データを書き込み可能な不揮発性メモリとされ、前記モジュールの機能を識別するための情報、及び、前記モジュールの品質管理と物流管理の少なくとも一方に用いられる情報が前記モジュールに関する情報として書き込まれていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のモジュール装着システム。
【請求項5】
前記ICタグは、前記半導体メモリに記録されている前記モジュールに関する情報を有線により送信するための通信用端子をさらに備え、
前記リーダは、さらに、前記通信用端子と電気的に接続される通信用コンタクトを前記ソケットに有して該通信用コンタクトから前記モジュールに関する情報を入手可能とされていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のモジュール装着システム。
【請求項6】
モジュールに関する情報を記録した半導体メモリを有し、マザーボードのソケットに装着されるモジュールであって、
前記半導体メモリを有して該半導体メモリに記録されている前記モジュールに関する情報を無線送信するICタグを備えることを特徴とするモジュール。
【請求項7】
モジュールに関する情報を記録したICタグを有するモジュールがソケットに装着されるマザーボードであって、
前記ICタグからの無線信号を受信するアンテナを前記ソケットに有して前記モジュールに関する情報を無線通信により入手するリーダと、
入手した前記モジュールに関する情報に基づいて前記モジュールの動作を制御する制御手段とを備えることを特徴とするマザーボード。
【請求項8】
エッジコネクタ端子を有するモジュールがマザーボードのソケットに装着されるモジュール装着システムであって、
前記ソケットは、前記エッジコネクタ端子を差し込むための基部と、該基部から突出して前記モジュールの縁部を係止する側部とを備え、
該側部を介して前記マザーボードと前記モジュールとで信号を送受する手段が設けられていることを特徴とするモジュール装着システム。
【請求項9】
エッジコネクタ端子を有し、基部から突出した側部を有するソケットの前記基部に前記エッジコネクタ端子が差し込まれ前記側部に縁部が係止されるモジュールであって、
前記ソケットの側部とで信号を送受する手段が設けられていることを特徴とするモジュール。
【請求項10】
エッジコネクタ端子を有するモジュールがソケットに装着されるマザーボードであって、
前記ソケットは、前記エッジコネクタ端子を差し込むための基部と、該基部から突出して前記モジュールの縁部を係止する側部とを備え、
該側部を介して前記モジュールとで信号を送受する手段が設けられていることを特徴とするマザーボード。
【請求項11】
モジュールに関する情報を記録した半導体メモリを有するモジュールであってマザーボードのソケットに装着されたモジュールの制御方法であって、
前記モジュールに前記半導体メモリを有するICタグを備えて該半導体メモリに記録されている前記モジュールに関する情報を無線送信し、
前記マザーボードに前記ICタグからの無線信号を受信するアンテナを前記ソケットに有するリーダを設けて前記モジュールに関する情報を無線通信により入手し、
前記マザーボードで前記入手したモジュールに関する情報に基づいて前記モジュールの動作を制御することを特徴とするモジュールの制御方法。
【請求項1】
モジュールに関する情報を記録した半導体メモリを有するモジュールがマザーボードのソケットに装着されるモジュール装着システムであって、
前記モジュールは、前記半導体メモリを有して該半導体メモリに記録されている前記モジュールに関する情報を無線送信するICタグを備え、
前記マザーボードは、
前記ICタグからの無線信号を受信するアンテナを前記ソケットに有して前記モジュールに関する情報を無線通信により入手するリーダと、
入手した前記モジュールに関する情報に基づいて前記モジュールの動作を制御する制御手段とを備えることを特徴とするモジュール装着システム。
【請求項2】
前記モジュールは、前記ソケットに差し込まれて前記マザーボードと電気的に接続されるエッジコネクタ端子を備え、
前記ソケットは、前記エッジコネクタ端子を差し込むための基部と、該基部から突出して前記モジュールの縁部を係止する側部とを備え、
前記リーダのアンテナが前記側部に設けられた、請求項1に記載のモジュール装着システム。
【請求項3】
前記ソケットの側部は、前記リーダのアンテナが絶縁材料で覆われて形成されていることを特徴とする請求項2に記載のモジュール装着システム。
【請求項4】
前記ICタグの半導体メモリは、データを書き込み可能な不揮発性メモリとされ、前記モジュールの機能を識別するための情報、及び、前記モジュールの品質管理と物流管理の少なくとも一方に用いられる情報が前記モジュールに関する情報として書き込まれていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のモジュール装着システム。
【請求項5】
前記ICタグは、前記半導体メモリに記録されている前記モジュールに関する情報を有線により送信するための通信用端子をさらに備え、
前記リーダは、さらに、前記通信用端子と電気的に接続される通信用コンタクトを前記ソケットに有して該通信用コンタクトから前記モジュールに関する情報を入手可能とされていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のモジュール装着システム。
【請求項6】
モジュールに関する情報を記録した半導体メモリを有し、マザーボードのソケットに装着されるモジュールであって、
前記半導体メモリを有して該半導体メモリに記録されている前記モジュールに関する情報を無線送信するICタグを備えることを特徴とするモジュール。
【請求項7】
モジュールに関する情報を記録したICタグを有するモジュールがソケットに装着されるマザーボードであって、
前記ICタグからの無線信号を受信するアンテナを前記ソケットに有して前記モジュールに関する情報を無線通信により入手するリーダと、
入手した前記モジュールに関する情報に基づいて前記モジュールの動作を制御する制御手段とを備えることを特徴とするマザーボード。
【請求項8】
エッジコネクタ端子を有するモジュールがマザーボードのソケットに装着されるモジュール装着システムであって、
前記ソケットは、前記エッジコネクタ端子を差し込むための基部と、該基部から突出して前記モジュールの縁部を係止する側部とを備え、
該側部を介して前記マザーボードと前記モジュールとで信号を送受する手段が設けられていることを特徴とするモジュール装着システム。
【請求項9】
エッジコネクタ端子を有し、基部から突出した側部を有するソケットの前記基部に前記エッジコネクタ端子が差し込まれ前記側部に縁部が係止されるモジュールであって、
前記ソケットの側部とで信号を送受する手段が設けられていることを特徴とするモジュール。
【請求項10】
エッジコネクタ端子を有するモジュールがソケットに装着されるマザーボードであって、
前記ソケットは、前記エッジコネクタ端子を差し込むための基部と、該基部から突出して前記モジュールの縁部を係止する側部とを備え、
該側部を介して前記モジュールとで信号を送受する手段が設けられていることを特徴とするマザーボード。
【請求項11】
モジュールに関する情報を記録した半導体メモリを有するモジュールであってマザーボードのソケットに装着されたモジュールの制御方法であって、
前記モジュールに前記半導体メモリを有するICタグを備えて該半導体メモリに記録されている前記モジュールに関する情報を無線送信し、
前記マザーボードに前記ICタグからの無線信号を受信するアンテナを前記ソケットに有するリーダを設けて前記モジュールに関する情報を無線通信により入手し、
前記マザーボードで前記入手したモジュールに関する情報に基づいて前記モジュールの動作を制御することを特徴とするモジュールの制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−256326(P2012−256326A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−136652(P2012−136652)
【出願日】平成24年6月18日(2012.6.18)
【分割の表示】特願2007−90235(P2007−90235)の分割
【原出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(390040187)株式会社バッファロー (378)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年6月18日(2012.6.18)
【分割の表示】特願2007−90235(P2007−90235)の分割
【原出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(390040187)株式会社バッファロー (378)
【Fターム(参考)】
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