説明

モノマー含有層をフォトエンボス加工する方法

本発明は、光起電力電池、発光ダイオード(LED)、又は発光電気化学電池(LEC)を得るためにモノマー含有層をフォトエンボス加工する方法に係り、この方法は、(a)モノマー含有層の表面上に1つ以上の層を任意選択的に設ける段階と、(b)照射領域及び非照射領域を有するモノマー含有層を得るために、少なくとも2つの異なる化合物からなり、少なくとも2つの異なる化合物のうちの少なくとも1つは重合可能モノマーである均質な混合体からなる層を、マスクを通して、照射する段階と、(c)モノマー含有層の表面上に更なる層を任意選択的に設ける段階と、(d)層の波形面を得るために、モノマーのうちの少なくとも1つを照射領域に拡散することによって照射領域又は非照射領域を膨張させる段階と、又は、段階c)及びd)を置き換える段階とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光起電力電池、発光ダイオード(LED)、又は発光電気化学電池(LEC)を得るためにモノマー含有層をフォトエンボス加工する方法と、波形層を有する光起電力電池、LED、又はLECに係る。
【背景技術】
【0002】
導電性ポリマーに基づいた太陽電池は、当該技術において周知である。特許文献1では、波形層を有する太陽電池が記載される。そのような波形構造を形成する方法は、一般的にしか記載されず、例えば、ポリマー膜は、支持体又は電極として機能する波形面上に形成可能であるとしか記載されない。同様の原理は、特許文献2にも開示され、ここでは、太陽電池内のプリズム状の層が記載される。しかし、この参考文献は、そのような波形構造を得る方法に関して触れていない。特許文献3では、光起電力電池の透明導体が、リソグラフィック技術によって波形にされる(凸凹にされる)。この技術では、透明導体は、ポリマー球のアレイによって被覆された。これらの球は、マスクを通したアルゴンイオンビームを用いてエッチングされ、ポリマー球は化学的に除去された。この従来技術の方法は、実行するには概略的すぎるか、又は、再現可能に波形層を形成する商業的に利用可能な方法としては複雑すぎる。更に、他の種類の電池、特に、発光ダイオード及び発光電気化学電池における波形ポリマー層の使用は、当該技術において知られていない。従って、様々な電池、即ち、光起電力電池だけではなく、LED(発光ダイオード)、ポリLED(ポリマー発光ダイオード)、OLED(有機発光ダイオード)、smLED(小分子発光ダイオード)、LEC(発光電気化学電池)等に使用する層状スタックにおける使用のために波形層を得る一般的な方法を提供することは重要な利点である。
【特許文献1】米国特許第5,986,206号
【特許文献2】米国特許第6,127,624号
【特許文献3】米国特許第4,554,727号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明は、電池内に波形層を作る単純、再現可能な、且つ安価な方法を提供することを目的とする。本発明は、発光ダイオード電池(LED及びOLED)及び発光電気化学電池(LEC)といった光起電力電池以外の電池に使用可能な方法を提供することを更なる目的とする。後者の場合(LED及びLEC)、存在する場合には発光ポリマー(LEP)の劣化を軽減することも目的とする。発光ポリマーの寿命は、特にLEPが青色光を放射する場合に劣化によって非常に減少される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このために、本発明は、光起電力電池、発光ダイオード(LED)、又は発光電気化学電池(LEC)を得るためにモノマー含有層をフォトエンボス加工する、そのような方法を提供する。この方法は、
(a)モノマー含有層の表面上に1つ以上の層を任意選択的に設ける段階と、
(b)照射領域及び非照射領域を有するモノマー含有層を得るために、少なくとも2つの異なる化合物からなり、少なくとも2つの異なる化合物のうちの少なくとも1つは重合可能モノマーである均質な混合体からなる層を、マスクを通して、照射する段階と、
(c)モノマー含有層の表面上に更なる層を任意選択的に設ける段階と、
(d)層の波形面を得るために、モノマーのうちの少なくとも1つを照射領域に拡散することによって照射領域又は非照射領域を拡大する段階と、
を有し、或いは、段階c)及びd)を置き換える。
【0005】
従来技術の有機太陽電池は、非常に低い総量子効率という欠点を有し、これは、主に、太陽スペクトル全体に広帯域に比較して活性有機材料の相対狭帯域吸収特性間の不一致による。多くの有機材料は、長い波長において相対的に小さい吸収係数を有する。非常に薄い層厚さというもう1つの制限要素と組み合わされて、長い波長を有する光を効率よく変換することを可能にしない。
【0006】
光学活性層を通る光路及び電気(電流)路は、フットプリントと層厚さを変えずに、活性光起電性有機層を波形の3次元(3D)マイクロ構造に形作ることによって分断されることが可能である。これは、活性光起電性層を通る光路長を非常に増加し、また、従って、光を例えばピラミッド状の構造内に捕捉することによってより高い変換係数も可能にする。有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ(ポリLED及びsmOLEDを含む)及びLECでは、このことは、より高い画素輝度及び/又は低減された材料劣化となる。ホットエンボス加工方法が、OLEDについて(J. R. Lawrence外による「Applied Physics Letters」、81(11)、2002年、1955−1957ページを参照されたい)、及び、有機太陽電池について(L. S. Roman外による「Advanced Materials」、12(3)、189(2000)を参照されたい)に記載される。しかし、この方法を用いると、活性層の上部面しかエンボス加工されない。即ち、活性層の厚さは均一ではない。活性層における様々な厚さは、結果として様々な電気抵抗となる。LED及びLECでは、このことは、最低の抵抗を有する領域における発光作用をもたらす。光起電力電池では、そのような層は、最低の抵抗を有する領域のみでの光収集をもたらす。従って、その場合、電池の一部しか使われない。本発明の電池では、電池全体が使用される。何故なら、電気抵抗は全領域に亘って一定だからである。
【0007】
本発明の追加の利点は以下がある。即ち、i)発光エレクトロルミネセント層又は光起電性層(即ち活性層)の減少された劣化(単位分子当たりの少ない光)、従って、より長い耐用年数、ii)より良好な光結合(light-in coupling)(太陽電池について)、又は、光減結合(light-out coupling)(LED/LECについて)、及び、光再利用(一回の反射ではなく複数の反射)、iii)主吸収帯域から光が出ること(light-out-of-main absorption-band)も、太陽電池における光電流に寄与する。本発明のマイクロ構造化方法は、電池の性能(光捕捉/光結晶)をより一層向上するよう光の波長より小さい格子ピッチを有する2D格子を生成することを可能にする。
【0008】
従って、そのような装置の吸収/変換スペクトルは、より広くロックする。更に、提案する解決策は、表面プラズモンの影響を抑制し、光結合(太陽電池について)又は光減結合(LED/LECについて)効率を更に増加し、また、追加的にOLED及びLECにおいて光の導波効果を抑制するようサブ波長スケールの周期的又は非周期的構造を導入するよう拡張可能である。
【0009】
共役ポリマー光起電性装置、及び、LED並びにLECの作成において、装置物理学の制限要素は、共役ポリマーにおける励起状態の短い拡散長さであり、一般的に、5乃至20nmの範囲にある。共通有機材料を取り入れることは、100±20nmまでの厚さに最も有効である。この材料への光の進入深度は、対応して適応されなければならない。即ち、共役ポリマー(一般的に、比較的狭い吸収帯域にある)の強い光吸収が必要とされる。
【0010】
電荷担体を作成するために必要な励起状態の解離は、接触面、不純物、又は強い電界において発生する。効率の良い電荷発生は、全ての励起状態が、十分に近い解離場所を見つけることができるのならば生じることが可能である。これは、異なる作業関数の非対称接点の使用が電荷単体を分け、光電流を抽出するよう組み込まれた電界を与えるように、共役ポリマーと効率的なアクセプターの組合せに基づいた分散ドナー±アクセプターネットワークにおいて行われる。吸収によって光をより多く収集するためにより厚いポリマー層を作成することにより、電界も縮小され、また、収集効率は減少され、光電流が妥協される。従って、非常に薄い有機光起電性デバイスを形成し、これらのポリマー層における吸収を高める方法を見つけることが望ましい。更に、OLEDは、一般的に、材料の限定された伝導性によって非常に薄いデバイス(放出層は、百ナノメータのオーダにある)である。
【0011】
本発明は、活性層が「粗い」表面(マイクロメートルレベル又はそれ以下にある)に取り付けられ、一方で、活性層はその均一な光電気特性を維持する有機光起電性のLED又はLECデバイスであって、均一な厚さを特徴とするデバイスを提供する。従って、上面及び下面は、波形にされた第1の電極層に従う。波形構造とも定義される「粗い」表面のマイクロ構造は、ピラミッド、歯付き2D若しくは3D構造、サイナス若しくは波形格子、又は、折り畳まれたフォイル等のアレイとして実現可能である。実際には、表面は、相当に増加されることが可能である。この結果、活性(光起電性又はLEP)層の厚さが変わらない場合でも活性層の量も増加する。このことは、光起電力電池については、より広い入射光の吸収、より高い効率(より長い光路、複数反射、及び光捕捉による)を、また、光起電性、LED、及びLEC電池については、改善された耐用年数(低減された材料ストレスによって)を可能にする。
【0012】
既知のITOスパッタリング技術を適用することによっても作成可能な、LED及びLECにおいてピラミッド格子構造を使用すること以外に、基板の表面は、例えば、エンボス加工技術によってピラミッドの稠密アレイとして形作られることも可能である。
【0013】
そのようなエンボス加工技術は、C. de Witz及びD. J. Broerによる「Photo-embossing as a tool for creating complex surface relief structures, Polymer Preprints」という参考文献(American Chemical Society、Div. Polymer Chemistry、2003年、44(2)、236−237ページ)から周知である。この参考文献は、エンボス加工技術の実際的な適用を開示することなくエンボス加工技術を開示している。説明されたような技術は、本発明における適用に特に有用であることが分かった。
【0014】
本発明の本質は、モノマー含有層を得るために、そのうちの少なくとも1つは重合可能なモノマーである少なくとも2つの異なる化合物の均質な混合体からなる層を設けたことにある。1つの化合物は、重合可能なモノマーであり、一方で、もう1つの化合物は、ポリマーであることが好適である。好適なモノマーは、スペーサによって互いから離されるアクリル系又はメタクリル系部分を含む。スペーサの厳密な化学的性質は、本発明には決定的に重要ではないが、実用的な理由から、芳香族基、シリコンオリゴマー、ポリアルキレンオリゴマー、フッ素化オリゴマー等を使用可能である。一般的な例は、上述したWitz文献の実験部分に記載され、これは本願に参考として組み込む。
【0015】
以下は、有機太陽電池(透明基板について=ボトム励起)及びLED並びにLEC(ボトムエミッション)の拡大された放出面を実現するよう本発明を実施する方法の例を与える。
【0016】
プリントガラス板又は他の透明基板上に、例えば、インクジェット処理を用いて、アドレッシングする手段、画素におけるITO、液滴の正確な配置のためのISO壁が任意選択的に設けられる。このようにすると、例えば、1−10μm、好適には約5μmの厚さのフォトエンボス加工材料の層が、例えば、インクジェット又はスクリーンプリント技術によって堆積されるように堆積される。十分な電気接触を可能にするために、下にあるITO層のフットプリントは、印刷されたポリマーのフットプリントより僅かに大きい。無効成分を含むフォトエンボス膜は、相対的に低い分子量モノマーを含むが、半導体膜として挙動する、即ち、実質的にタックフリー(tack free)であり、更なる処理のために半導体材料として取り扱い可能であるよう構成される。フォトエンボス加工層の上には、薄いITO層(又は、透明であるだけではなく導電性であるべき別の陽極層、例えば、PEDOT)が堆積される。或いは、ITO層は堆積されずに、導電成分が、混合体に添加されることも可能である。次に、PEDOTといった任意の正孔注入層が堆積され、発光ポリマー(LEP)を有する層が次に続く。PEDOT及びLEPは、例えば、スピンコーティング又はインクジェットプリント技術等によって堆積されうる。別の実施例では、フォトエンボス加工層は、最初に照射され、その後に、ITO、LEP、及び/又は他の層が、その上に堆積される。通常UV放射による照射は、マスクを通して行われて、それにより、フォトエンボス加工層に所望の照射領域と非照射領域を得る。照射された部分において、好適な実施例では、光開始剤を添加することによって得られる遊離基である反応性粒子は、モノマーの重合化なしで又は限定された重合化ありで形成される。スタックが続いて加熱されると、1つ以上のモノマーは、モノマーが重合化するUV照射領域に拡散し、それにより、表面の変形をもたらす局所的な体積の増加を引き起こす。拡散作用は、様々な方法で行われることが可能である。従って、モノマーのうちの1つは、照射領域に拡散しうる。その一方で、第2のモノマー又はポリマーは、拡散しない。1つのモノマーが照射領域に拡散し、もう1つのモノマー又はポリマーが非照射領域に拡散することも可能である。第3の代案では、2つの異なるモノマーが、照射領域に拡散する。
【0017】
光起電性、LED、又はLEC電池は、例えば、その平面投影された領域より少なくとも30%、好適には50乃至100%大きい表面積を有する発光ポリマー(LEP)層(活性層)である、光起電性又は発光有機ルミネセント層を有する。従って、本発明の原理は、LEP層といった層が、フォトエンボス加工層上に平らな層として堆積されることである。熱処理後、フォトエンボス加工層は、波形になり、その後、もともとは平らだった1つ以上の層は、その波形にされた構造を採用する。特に好適な実施例では、使用可能な材料の例には、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(モノマー)、及びポリ(ベンジルメタクリレート)(ポリマー)が挙げられる。モノマーの拡散作用と続く重合化を引き起こす熱処理は、層内に波形マイクロ構造を成長させるよう1つ以上の段階で行われうる。例えば、第1の段階は、80℃で行われ、その後、温度は、130℃まで高められる。この温度は、LEP層が波形層の構造に従うことを可能にするようLEP層のTgより僅かに高いべきことが好適である。ボトムエミッションデバイスを得るための好適な実施例では、本発明は、少なくとも基板、波形モノマー含有層、及び第1の電極層は透明である、LED又はLEC電池に関連する。トップエミッションLEP又はLEC電池を得るための更に別の実施例では、LEP層の上の第2の電極は、例えば、保護又は密閉のために上に任意選択的に堆積される層と同様に透明である。
【0018】
陰極層は、例えば、スパッタリング又は真空蒸着等といった通常の方法で波形LEP層上に堆積可能である。保護層といった他の層も堆積可能である。
【0019】
小分子光起電性又はLED/LECの場合、蒸着又はCVDによって一致する薄い層堆積が実現可能である。エンボス加工は、光起電性、LED、又はLECデバイスの表面を構造化するよう使用可能である。好適な実施例では、LED又はLECの層のうちの1つは、反射層、例えば、反射金属であり、それにより、コントラストを大いに増加する。本発明の特別な実施例では、反射層としても機能可能な電極が使用される。反射層は、活性層において放出された光を観察者に向かって反射して戻すことが可能である。本発明のLED又はLECは、フラットエミッシブディスプレイを含むディスプレイに適している。本発明の光起電力電池の場合、反射層は、光線の複数の反射を可能にするのに有利であり、光路を拡大し、それにより、デバイスの吸収及び効率を改善する。
【0020】
当業者には、電池全体が波形構造を有する必要はないことは明確であろう。LED及びLECディスプレイにおいて、例えば、青の画素のみといったようにサブ画素のみが波形にされてもよい。
【0021】
本願に記載したマイクロ構造化方法を用いて、更に性能(光捕捉/光結晶)を向上するよう光の波長より小さい格子ピッチを有する2D格子を生成することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明を図面により説明する。
【0023】
図1には、ここではモノマーである2つの異なる重合可能な化合物の均質な混合体を、棒1と楕円2によって表す。この層は、マスクを通してUV光によって照射され、それにより、照射領域における重合を得る。ここでは棒1であるモノマーのうちの1つは、照射領域に拡散し、一方、楕円2は、非照射領域に拡散する。熱処理後、照射領域は、非照射領域(図示せず)に対して膨張する。棒1は、例えば、以下の化学式を有しうる。
【0024】
CH2=C(CH3)−CO−O−(CH2)3−[Si(CH3)2−O]3−Si(CH3)2−(CH2)3−O−CO−C(CH3)=CH2、即ち、ポリベンジルメタクリレートである。楕円2は、例えば、以下の化学式を有しうる。
【0025】
CH2=CH−CO−O−C6H4−C(CF3)2−C6H4−O−CO−CH=CH2、即ち、ペンタエリスリトールアクリレートである。他の混合体は、例えば、60部のポリメチルメタクリレート、36部のトリメチロールプロパントリアクリレート、2部のベンジルジメチルケタール、及び2部の過酸化ベンゾイルを包含する混合体である。
【0026】
1つの好適な実施例では、システムは、モノマー及びポリマー、又は、複数のモノマー及びポリマーの合成物を有する。モノマーは、照射後に拡散し易く、一方で、ポリマーは、固定相を形成する、即ち、位置を変更しないか又は軽微な度合いでしか位置を変更しない。重合後のモノマー拡散によって、層の量は、照射領域において局所的に増加し、非照射領域において減少する。
【0027】
図2では、LEP層3が波形面4上に設けられる。このことは、スピンコーティング又は任意の他の周知の技術によって行われることが可能である。LEPは、PEDOT含有材料であることが可能である。LEP層は通常2つの特殊な層を含む。即ち、(1)ITO電極の近くの正孔伝導層(PEDOT)と、(2)陰極の近くの電子伝導及び発光層(例えば、PPV即ちポリフルオレン)である。フォトエンボス加工層は、ITOの下に適用可能である。この層は、陰極の下にも適用可能であるが、その場合、膜形成の順序は、(1)フォトエンボス加工層、(2)陰極(例えば、Ba/Al、LiF、又はCa)、(3)電子伝導層、(4)正孔伝導層、及び(5)ITOである。反対の順序を使用してもよいが、ITOは、ガラスで被覆されるので、LEP層の限定された表面変形しか可能ではない。
【0028】
図3は、ピラミッド状の波形面を示す。この構造は、既知のITOスパッタリング技術を適用することによって形成可能である。ピラミッドの頂角αは、例えば、10°乃至90°で広い範囲の間で変化しうる。
【0029】
図4は、より丸くされた別の構造を示す。このような構造は、本願に記載するエンボス技術によって容易に形成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のエンボス処理のスキームを示す図である。
【図2】波形面上へのLEP層の堆積を示す図である。
【図3】ピラミッド状LED又は光起電力電池の一部を示す図である。
【図4】波形構造の別の実施例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光起電力電池、発光ダイオード(LED)、又は発光電気化学電池(LEC)を得るためにモノマー含有層をフォトエンボス加工する方法であって、
(a)前記モノマー含有層の表面上に1つ以上の層を任意選択的に設ける段階と、
(b)照射領域及び非照射領域を有するモノマー含有層を得るために、少なくとも2つの異なる化合物からなり、前記少なくとも2つの異なる化合物のうちの少なくとも1つは重合可能モノマーである均質な混合体からなる層を、マスクを通して、照射する段階と、
(c)前記モノマー含有層の表面上に更なる層を任意選択的に設ける段階と、
(d)前記層の波形面を得るために、前記モノマーのうちの少なくとも1つを前記照射領域に拡散することによって前記照射領域又は前記非照射領域を膨張させる段階と、
又は、段階c)及びd)を置き換える段階と、
を有する方法。
【請求項2】
少なくとも発光又は光起電性有機ポリマー層が前記波形面上に層として設けられ、前記モノマー含有層の領域は、前記発光又は光起電性有機ポリマーのTgより上の温度における熱処理を施すことによって膨張させる請求項1記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの重合可能なモノマーとポリマーの混合体が使用される請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記モノマー含有層は更に、ポリマー、光開始剤、及び熱開始剤のうち少なくとも1つを有する請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
前記モノマーは、アクリル(メタクリル)系モノマーである請求項3記載の方法。
【請求項6】
前記光起電力電池は、有機光起電力電池、又は、ハイブリッド有機無機光起電力電池(グレッチェルセル)であり、
前記LEDは、発光ポリマーを有することが好適である有機LEDである請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の方法。
【請求項7】
基板を有するLED又はLECであって、
前記基板上に、波形の第1の電極層が重ねられ、
前記波形の第1の電極層上に、前記波形の第1の電極層の構造に従う上面及び下面を有する発光有機ルミネセント層が重ねられ、
前記発光有機ルミネセント層上に、第2の電極層及び任意選択的に更なる層が重ねられるLED又はLEC。
【請求項8】
基板を有し、
前記基板上に、請求項1の方法により得ることのできる波形モノマー含有層が重ねられ、
前記波形モノマー含有層上に、第1の電極層が重ねられ、
前記第1の電極層上に、発光有機ルミネセント層が重ねられ、
前記発光有機ルミネセント層上に、第2の電極層が重ねられ、
前記第2の電極層上に、任意選択的に保護層が重ねられる請求項7記載のLED又はLEC。
【請求項9】
前記層のうちの少なくとも1つは反射層である請求項7又は8記載のLED又はLEC。
【請求項10】
前記基板、前記波形モノマー含有層、前記第1の電極層、前記第2の電極層、及び、前記任意選択的保護層のうちの少なくとも1つは透明である請求項7乃至9のうちいずれか一項記載のLED又はLEC。
【請求項11】
前記発光有機ルミネセント層は、その平面投影された領域より少なくとも13%、好適には50乃至100%大きい表面積を有する発光ポリマー(LEP)層である請求項7乃至10のうちいずれか一項記載のLED又はLEC。
【請求項12】
基板を有する光起電力電池であって、
前記基板上に、請求項1の方法により得ることのできる波形モノマー含有層が重ねられ、
前記波形モノマー含有層上に、第1の電極層が重ねられ、
前記第1の電極層上に、有機光起電性層が重ねられ、
前記有機光起電性層上に、第2の電極層が重ねられ、
前記第2の電極層上に、任意選択的に保護層が重ねられ、
前記電極のうちの1つは、反射層として作用するか又は反射層が具備される光起電力電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−520030(P2007−520030A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543687(P2006−543687)
【出願日】平成16年12月6日(2004.12.6)
【国際出願番号】PCT/IB2004/052668
【国際公開番号】WO2005/057675
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】