説明

モバイルグラフィック表示装置

モバイルグラフィック表示装置は、タッチパネルプロセッサに接続されたタッチパネル表示画面を有する。タッチパネルプロセッサは、タッチパネル表示画面に対して行われた入力描画動作を表す第1のインクデータを生成する。本装置は、グラフィックディスプレイと、グラフィック表示画面上に少なくとも第1のインクデータを表す画像を、既に作成されている手書き画像と組み合わせて表示するグラフィック画像プロセッサとを備える。無線通信プロセッサは、モバイルグラフィック表示装置から他のグラフィック表示装置に第1のインクデータを送信するとともに、他のグラフィック表示装置から、他の描画動作を表す他のインクデータを受信する。グラフィック表示プロセッサは、共通参照に従い、第1のインクデータの表示に対して他のインクデータの表示を生成する。これにより、モバイルグラフィック表示装置は、他の装置と手書き画像を交換するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラフィック表示装置に関し、特にモバイルグラフィック表示装置に関する。また、本発明は、画像データを通信する機能を提供するサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
インスタントメッセージ通信システムは、コンピュータシステム間でメッセージテキストを交換する機能を提供するものとして知られている。コンピュータ画面上のウィンドウに入力したテキストは他のコンピュータに転送され、そこでは、メッセージの発信者が知っているユーザがログインしている。そして、メッセージを受信するコンピュータにログインしたユーザは、第1のメッセージに応じて、更なるメッセージを入力することができ、このメッセージは、コンピュータネットワークを介して第1のコンピュータに返信され、発信者により送られたテキストに対応して表示される。インスタントメッセージ通信システムは、コンピュータネットワーク上の様々な端末装置に現在ログインしているユーザを示す表示(indication)を、システムの各ユーザに提示する。このような表示は、存在(indication)又は存在情報(presence information)として知られている。したがって、コンピュータネットワークに接続されたコンピュータ端末に現在ログインしているユーザのうちの1人を選択することにより、受信側のユーザがテキストを読み、返信メッセージにより応答する可能性が高いとわかっている、そのユーザにメッセージを送信することができる。したがって、周知のインスタントメッセージ通信システムは、いつ特定のユーザがログインしてアクティブ状態であるかを識別する機能を備えている。コンピュータ端末にログインして、使用しているユーザは、コンピュータ端末の所におり、アクティブ状態である。このような存在情報は、一般的に、データを受信するために存在しているユーザを識別するものとして知られているが、稼働情報(availability information)は、さらに、ユーザが存在しているだけでなくメッセージに対して応答できることを示すことができる。このような存在情報は、ユーザがメッセージを受信することができるが、メッセージに対して直ぐに応答できないことを示す機能を提供している。
【0003】
有名なインスタントメッセージ通信システムとしては、例えばアメリカン・オンライン(AOL.com)社によって提供され、「バディチャット(buddy chat)」として知られているシステムがあり、このシステムでは、自分のコンピュータ端末の所に存在しており、したがってメッセージを受信することができるユーザを、グラフィカルユーザインタフェース内のウィンドウの一部として一覧表示する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、タッチパネル表示画面プロセッサに接続されたタッチパネル表示画面を有するモバイルグラフィック表示装置が提供される。タッチパネル表示画面プロセッサは、タッチパネル表示画面に対して行われた入力描画動作を表す第1のインクデータを生成する。本装置は、グラフィックディスプレイと、グラフィックディスプレイ上に少なくとも第1のインクデータを表す画像を表示するグラフィック画像プロセッサと、無線通信プロセッサとを備えている。無線通信プロセッサは、モバイルグラフィック表示装置から他のグラフィック表示装置に第1のインクデータを送信するとともに、他のグラフィック表示装置から、他の描画動作を表す他のインクデータを受信する。グラフィック画像プロセッサは、共通参照に従い、第1のインクデータの表示に対して他のインクデータの表示を生成する。
【0005】
周知の描画パッケージ及び描画表示ソフトウェアにより、タブレット又はタッチパネル表示画面上でペン、ワンド又は指の動きにより行われる描画を、表示装置間で通信されるインクデータとして表示する機能が得られる。このようなグラフィック表示ソフトウェアの一例が、インターネットのホームページ「www.scrawl.com」又は「www.ritemail.com」にて提供されている。例えば、ライトメール(riteMail)(登録商標)では、ユーザがハンドヘルド装置、タブレット、デスクトップ等において種々のスタイルや色でフリーハンドの描画や記述の作成、記憶、送信、受信することができるインタラクティブな手書き電子メールアプリケーションである、ダウンロード可能なソフトウェアアプリケーションを提供している。
【0006】
本発明の実施形態では、手書き画像を表すとともに、対応するグラフィック表示装置にこれらの画像を送信する機能を備えたモバイルグラフィック表示装置が得られる。モバイルグラフィック表示装置は、他の表示装置で行われた描画動作を表すインクデータを受信することもできる。モバイルグラフィック表示装置で行われた元の描画は、他のグラフィック表示装置から受信したインクデータに対して表示されるように構成される。このため、新たに追加された手書き画像を表すインクデータのみを他のグラフィック表示装置に送信する、手書き画像を用いた通信機能が設けられる。これにより、モバイルグラフィック表示装置では、作成した手書き画像に対する更なる追加を表すインクデータのみが他の装置から受信する。更なる追加を表すインクデータは、インクデータの交換に応じて、各装置が作成した手書き画像を更新するのに使用される。したがって、手書き画像の相互交換が可能となり、これは、ある特徴の設計を2つ以上の別々のグラフィック表示装置間で遠隔的に調整する等、種々の用途にて利用することができる。インクデータの交換により、2つ以上の装置で作成された手書き画像に対する新たな追加を表すインクデータのみが、これらの装置間で通信される。このため、画像自体のデータ量に対して、画像を表すために送らなければならないデータの量を大幅に低減することができる。
【0007】
これらの装置のうちの1つがモバイルグラフィック装置となればよいことがわかる。インクデータを交換する他のグラフィック装置は、イーサネット(登録商標)、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network:以下、LANという。)、インターネット等のデータ通信ネットワークに接続することができる。
【0008】
インクデータという用語は、手書きグラフィックを視覚的に再生したもの表すデータを識別するための技術用語である。
【0009】
インクデータは、所定幅のポイントからなるグリッド等、共通参照に従って生成すればよい。描画空間の長さ又は高さは、ディスプレイ上の「スクロールダウン」により大きくなるので、準連続的とすることができる。共通参照の幅は、所定の値群のうちのいずれかの値に設定される。幾つかの実施形態において、この幅は、全ての装置について同じサイズとなるようい予め決定される。しかし、他の実施形態では、全てのグラフィック表示装置について共通参照を予め決定し、異なるサイズの画面を有する装置、あるいは、異なるポイント数のグリッドを用いる装置が、それに応じて、受信したインクデータの表示を調整することができるようにしてもよい。
【0010】
モバイルグラフィック表示装置は、そのグラフィック表示装置が少なくとも1つの他のグラフィック表示装置に対してインクデータを送受信することを指示する存在信号を通信することができる。これにより、データプロセッサは、他のグラフィック表示装置から存在信号を受信する。この存在信号は、他のグラフィック表示装置が、モバイルグラフィック表示装置に対してインクデータを送信及び/又は受信することを示すものである。データプロセッサは、存在信号に応じて、他の表示装置がインクデータを送信及び/又は受信することを示す指示を、グラフィック表示画面に表示する。その結果、グラフィック表示装置は、相互に存在データを与えるように構成される。存在データは、所定のグループによるグラフィック表示装置がインクデータを交換するか否かを示す。したがって、モバイルグラフィック表示装置は、そのグループから他のユーザに関連する装置を選択し、そのグラフィック表示装置とインクデータの交換を行うことができる。
【0011】
有利な点として、インクデータは、インクデータを表すのに必要なデータ量を低減する圧縮符号化プロセスにより圧縮することができる。
【0012】
本発明の一側面によれば、第1のグラフィック表示装置からインクデータを受信するとともに、少なくとも1つの他のグラフィック表示装置からインクデータを受信するデータ通信プロセッサを備えるサーバが得られる。通信プロセッサは、第1のグラフィック表示装置と他のグラフィック表示装置を識別する接続情報を維持する接続制御プロセッサを有する。サーバは、第1のグラフィック表示装置からのインクデータと他のグラフィック表示装置からのインクデータを、受信順にデータ記憶部に記憶するサーバ制御プロセッサを有する。サーバ制御プロセッサは、第1のグラフィック表示装置から他のグラフィック表示装置にインクデータを送信するとともに、他のグラフィック表示装置から第1のグラフィック表示装置にインクデータを送信する。幾つかの実施形態において、グラフィック表示装置は、インクデータとともに他の種類のデータを通信するように構成してもよい。このようなデータの例として、PNG、GIF、JPEG等の画像ファイルや、それ自体で絵や写真を表す画像ファイルとなっているデータリソースの位置を示すユニバーサルリソースインディケータ(Universal Resource Indicator:以下、URIという。)がある。
【0013】
本発明を適用したサーバにより、種々のグラフィック表示装置で生成したインクデータを送受信するとともに、例えば、リレーショナル又はシーケンシャルデータベースとして構成されるデータ記憶部にそのインクデータを記憶する機能が得られる。このため、2つのグラフィック表示装置間でインクデータを交換している場合、インクデータは、交換したインクデータがこれらのグラフィック表示装置における共通のグラフィックフレームワーク内で表されるという効果と関連して記憶される。したがって、共通参照空間内でグラフィックイメージ、テキスト、他の手書き情報を通信することができる。
【0014】
上述のように、サーバは、インクデータをリレーショナル又はシーケンシャルデータバースとして記憶する。シーケンシャルデータベースの場合、インクデータは、インクデータの受信順に記憶される。しかし、リレーショナルデータベースの場合、インクデータは、インクデータを生成した時間又は受信した時間とともに、そのインクデータを受信した際の送信元の装置と関連して記憶される。また、データベースは、インクデータが前に生成された幾つかのインクデータに対する新たなレイヤであることを示す、あるいは、インクデータが重ねられるべきではない新たな描画を表すことを示す指示を含んでいてもよい。
【0015】
本発明の種々の側面及び特徴については、添付の特許請求の範囲において定義する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、例として添付図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。なお、図中の同じ部分については対応する参照番号を付してある。
【0017】
図1は、本発明に係るモバイルグラフィック表示装置の一実施形態を示す図である。このモバイルグラフィック表示装置は、ハンドヘルドパーソナルコンピュータ(以下、ハンドヘルドPCともいう。)又はパームトップパーソナルコンピュータからなり、その一部として、図1に示すように、タッチパネル2が組み合わされた表示画面1を備える。ハンドヘルドPCとしては、例えばコンパックIPAQ(登録商標)があり、これもタッチパネルが組み合わされた表示画面を備えている。したがって、表示画面1内にタッチパネル2が設けられており、ユーザは、タブレットペン、棒(wand)又は指を用いて、手書きの画像テキストやデザインを書くことができる。図1に示す具体例では、タッチパネル2上に描画するために、タブレットペン4が用いられている。また、表示画面1には、スクロールバー領域6と、アイコン表示領域8が表示されており、そのアイコン表示領域8には、ユーザを表すアイコン表示10が表示されている。従来のハンドヘルドPCと同様に、図1に示すジョグ又はロッカ選択スイッチ16は、PCからメニューアイテムを制御及び選択するのに用いられる。また、図1に示すハンドヘルドPCは、例えば一実施形態においては、IEEE802.11規格に準拠して動作する無線通信リンク20を備える。なお、事実上、図1に示すハンドヘルドPCは、他のグラフィック表示装置に送信するための描画を表示画面1上で作成することができるモバイルグラフィック表示装置を構成している。
【0018】
インスタントメッセージ
本発明の実施形態では、図1に示すようなモバイルグラフィック表示装置及び類似のグラフィック装置等、グラフィック表示装置間で手書きのグラフィック画像を交換する機能が得られる。一実施形態では、手書き画像は、所定のユーザグループにおけるいずれのユーザとも交換することができる。所定のグループは、ユーザが選択したリストに従って設定することができる。このリストは、例えばインスタントメッセージ通信システムを用いて設定することができる。したがって、誰かが、そのグラフィック表示装置を現在使用しており、すなわちそこに存在している場合、このユーザが手書き画像を交換できることを示す表示が表示される。幾つかの実施形態においては、ユーザが手書き画像を交換できるときに、例えば、各ユーザのJPEG画像等の写真であるアイコン表示10をハイライト表示してもよい。このように、手書き画像を交換する可能性に対して応答するユーザの存在を示すデータの構成が、以下に説明するインスタントメッセージサーバにより得られる。
【0019】
しかしながら、簡単に概略を説明すると、インスタントメッセージサービスは、ユーザが自分の装置をオンにしているため、手書き画像を表すインクデータを受信することができ、インクデータを送受信することができるユーザの存在を他のユーザに対して表示することができるように効果的に動作する。このため、一実施形態において、例えば、自分の装置をオンにしていないか、あるいは、他の理由でインクデータを送受信することができないユーザを表す他のアイコンに対して、インクデータを送受信することができるユーザのアイコンを明るく表示する等、アイコンの表示をディスプレイ内で変更する。
【0020】
URIデータの交換
本発明の他の実施形態において、モバイルグラフィック表示装置は、インクデータによって他のデータを送受信することができる機能を備えてもよい。このようなデータの一例として、例えば、市販のイラストやJEPGファイル形式の画像がある。また、他の例として、ユニバーサルリソースインディケータ(URI)アドレスがある。これは、JPEG画像又はMPEG画像シーケンス、及び、オーディオ及び/又はビデオシーケンス又は映画クリップ等のデータリソースの場所を示している。本発明の実施形態では、モバイルグラフィック表示装置は、タブレットペンを用いて表示画面上にそのデータの表示をドラッグ及びドロップすることにより、インクデータでそれらのデータを送信するように構成することができる。そして、インクデータ又はデータの表示は、他のインクデータとともに共通の表示領域に表示されるために他の表示装置に送信される。
【0021】
実施形態の詳細な説明
図2において、モバイルグラフィック表示装置は、タッチパネルプロセッサ32及びグラフィックプロセッサ34に接続され、タッチパネル又はタブレットが組み合わされた表示画面30を備えている。タッチパネルプロセッサ32とグラフィックプロセッサ34は、CPU36に接続されている。グラフィックプロセッサ34には、2つのデータバッファBUFF1、BUFF2が設けられている。CPU36は、ハードディスク38等の大容量記憶装置と、フラッシュメモリ又はダイナミックメモリ40を備えている。フラッシュメモリは、消費電力が小さく、モバイル用途に適しており、このようなフラッシュメモリが設けられている。タッチパネル又はタブレットが組み合わされた表示画面30は、手書き画像を表すデータを生成する機能を備えている。タブレットペン又は他の器具は、表示画面30上で描画を行うために使用される。表示画面30上でのタブレットペンによる描画動作は、その描画動作を表すデータを生成する。描画動作に応じて、表示画面30は、手書きされた画像を表すように変化する。手書き描画動作を表し、手書き描画動作により作成されたデータは、当業者にはインクとして知られているので、以下の説明ではインクデータと呼ぶ。
【0022】
タッチパネルプロセッサ32は、表示画面30上でのタブレットペンによる描画動作に応じてインクデータを生成する。インクデータは、CPU36に送られ、表示画面30上にインクデータを表示するために、グラフィックプロセッサ34にフィードバックされる。これにより、手書き画像が表示画面30上に直接作成されているような印象をユーザに与える。表示画面1での描画後、ユーザにより作成されたインクデータは、CPU36により第2のデータバッファBUFF2に送られる。第2のバッファBUFF2に記憶された新たなインクデータは、グラフィックプロセッサ34が複合手書き画像を生成するのに使用される。この複合手書き画像は、更新されて第1のデータバッファBUFF1に記憶され、表示画面30に表示される。同様に、無線通信リンク(以下に説明する)によって他のグラフィック表示装置が受信したインクデータは、CPU36により受信され、第1のバッファBUFF1に記憶される。他のグラフィック表示装置から受信したインクデータは、グラフィックプロセッサ34により、追加方法によってに今現在表示されているインクデータと組み合わせされ、第2のバッファBUFF2に記憶される。第2のバッファBUFF2に記憶されたインクデータにより表示される複合手書き画像は、表示画面1上に作成される手書き画像の更新に使用される。
【0023】
ハードディスク38は、描画機能を実現するためのソフトウェア及び他のアプリケーションをCPU36に提供し、メモリ40は、ハードディスク38からのデータを一時的に記憶し、実行のためのデータを読み出す機能をCPU36に提供する。
【0024】
また、図2に示す実施形態に係るモバイルグラフィック表示装置は、データ通信プロセッサ42を備えている。図2に示す例示的実施形態の場合、データ通信プロセッサは、拡張GSMネットワークに提供されるジェネラルパケット無線システム(General Packet Radio System:以下、GPRSという。)インタフェースにより、データを送受信するように構成されている。しかしながら、他の実施形態では、IEEE802.11等の無線通信規格を用いてデータを送受信することもできる。ライン50は、GSMネットワークを有効にするGPRS内でベースステーションを備えたGPRSインタフェースによってデータ通信を表す。GPRS通信ネットワークは、他のグラフィック表示装置とインクデータとを通信することができる無線通信リンクの例である。なお、本発明の実施形態は、特定のエアインタフェース規格に限定されるものではない。
【0025】
図3は、GSMネットワークを有効にするGPRSの概略ブロック図を示す。GPRSネットワークの詳細な動作については、R・スティール(R. Steele)、C−C・リー(C.-C. Lee)、P・グールド(P. Gould)著、「GSM、シーディーエムエー・ワン及び3Gシステム(GSM, cdmaOne and 3G Systems)」、ジョン・ワイリー&サンズ社(John Wiley & Sons)発行、ISBN0471491853の第6章に記載されている。従来のGSMネットワークと同様、モバイルグラフィックディスプレイプロセッサは、ベースステーション切換えセンタBSCに接続されたベースステーションBTSと通信する。GPRSをサポートするGSMネットワークによれば、サーバ側GPRSサポートノードSGSNはBSCに接続され、更なるSGSNノードを、サーバ側GPSサポートノードSGSNに接続してもよい。ゲートウェイGPRSサポートノードGGSNは、サーバ側GPRSサポートノードを他のデータ通信ネットワークに接続する。図3に示すように、ゲートウェイGPRSサポートノードGGSNは、インターネットプロトコル(Internet Protocol:以下、IPという。)に準拠したインターネット・ワールドワイドウェブ(World Wide Web:以下、WWWという。)に接続されている。
【0026】
図3に示すように、ネットワークに接続されたグラフィック表示装置間でインクデータを交換する機能を提供するサーバは、インターネットWWW又はゲートウェイGPRSサポートノードGGSNのいずれかに接続される。インターネットは、TCP/IPに準拠してインクデータをインターネットパケットとしてグラフィック表示サーバ60に送信する機能を提供する。図3のグラフィック表示サーバ60については、図4において詳細に示す。
【0027】
図4に示すグラフィック表示サーバ60は、通信プロセッサ80と、サーバ制御プロセッサ82とを備えており、そのサーバ制御プロセッサ82は、グラフィックプラグインプロセッサ86によってサーバデータ記憶部84に接続している。幾つかの実施形態からわかるように、サーバ制御プロセッサ82とグラフィックプラグインプロセッサ86は、コンピュータ上で実行されるソフトウェアによって実行することができる。通信プロセッサ80は、インターネット接続がIPパケット形式でデータを送受信するためにインターネットプロトコル(IP)に準拠して動作したとき、ハードウェアとソフトウェアの結合として構成される。通信プロセッサ80は、インクデータの受信装置81とインクデータの送信装置83とを備えている。
【0028】
一実施形態において、サーバ制御プロセッサ82は、サーバがジャバ(Jabber)サーバとして動作するように「JABBER」に準拠して動作する。ジャバは、オープンソースのインスタントメッセージサーバである。ジャバでは、経路選択及びメッセージ通信を行うのに拡張マークアップ言語(Extensible Markup Language:以下、XMLという。)を利用する。ジャバに関する更なる情報は、「www.jabber.com」にて得ることができる。
【0029】
ジャバサーバは、所定のユーザグループに対してインスタントメッセージサービスの機能を提供する。ジャバサーバは、該当するユーザの存在又は活動状態を示すポップアップウィンドウを表示画面に設けることにより、そのグループからユーザの存在を識別するように動作することができる。また、ジャバサーバは、インスタントメッセージ機能を提供するので、互いにテキストを通信することができるように、ユーザは、ダイアログボックスによってテキストを効果的に交換できる。図4に示すように、サーバ制御プロセッサ82は、また、メッセージプロセッサ85と、接続プロセッサ88とを備え、その接続プロセッサ88は、接続識別子、接続番号又はデータを受信し、グラフィック表示装置へ送信する対応のアドレスのリストを有するメモリ90を備えている。「プラグイン」ソフトウェアモジュールは、グラフィックプラグインプロセッサ86と呼ばれ、相対的な受信順においてサーバデータ記憶部84にインクデータを記憶する機能を提供する。受信順は、幾つかの実施形態において、そのインクデータをいつ受信したかを一時的に表示している。
【0030】
以下、図4に示すグラフィック表示サーバの動作について説明する。例えば、図2に示すモバイルグラフィック表示装置によって生成されたインクデータは、通信プロセッサ80でGPRSネットワーク及びインターネットWWWによって受信される。インクデータは、通信プロセッサ80から受信され、グラフィック表示サーバ60の一部を構成するサーバ制御プロセッサ82に送られる。そして、インクデータは、グラフィックプラグインプロセッサ86によって、他のグラフィック表示装置から受信した他のインクデータと結合してサーバデータ記憶部84内に記憶される。インクデータを結合してサーバデータ記憶部84に記憶することにより、受信順に共通の描画空間を作成することができ、その共通の描画空間内の手書き画像を表示することができる。したがって、インクデータは、グラフィック表示装置からグラフィック表示サーバ60に送信されると、このインクデータは、サーバデータ記憶部84に記憶されるとともに、インクデータを受信するために存在しているアクティブ状態の他のユーザのグラフィック表示装置に送信される。グラフィック表示サーバ60は、インスタントメッセージの機能の一部として、アクティブ状態の他のユーザが存在していることを表示する。他のグラフィック表示装置は、グラフィック表示サーバ60にインクデータを送信することができる。これらはインターネットWWWによってサーバ制御プロセッサ82に返信されるので、他のインクデータと結合してサーバデータ記憶部84に記憶される。同様に、上述したように、JPEGファイルやURIアドレス等、他のデータは、他のグラフィック表示装置に送信される。共通参照空間に各グラフィック表示装置からインクデータを配信することにより、各グラフィック表示装置は、他のいかなるグラフィック表示装置から送信される手書き画像の集合を重ね合わせることができる。したがって、手書き画像を交換することができる。
【0031】
幾つかの実施形態において、インクデータは、インクデータの受信時を示すデータと結合してサーバデータ記憶部84に記憶される。このため、グラフィック表示サーバは、クロック(図示せず)を備えてもよい。あるいは、タイムスタンプは、グラフィック表示サーバによってインクデータとともにサーバデータ記憶部84に送信され、記憶されると、インクデータを作成するグラフィック表示装置は、そのインクデータにタイムスタンプを付すことができる。さらに、インクデータを受信する通信ネットワークの一部が時間情報を与え、この時間情報は、インクデータと結合してサーバデータ記憶部84に記憶してもよい。
【0032】
図5は、ジャバサーバとして動作するサーバを用いて相互に接続したグラフィック表示装置の配置を詳しく表している。図5に示すように、3つのグラフィック表示クライアント100、102、104は、インターネットプロトコルIPを介してジャバサーバ106に接続している。図4に示す実施形態に対応して、グラフィックプラグイン108は、ジャバサーバ106及びデータ記憶部110に接続しており、そのデータ記憶部110は、グラフィック表示クライアント100、102、104から受信したインクデータを記憶するシーケンシャル又はリレーショナルデータベースに従って配置されている。ジャバサーバ106は、他のグラフィック表示クライアントに接続している他のジャバサーバにも接続することができる。したがって、1つのジャバサーバに複数のグラフィック表示クライアントが接続され、これに対応して、複数のジャバサーバが直接的に又はインターネットWWWを介して互いに接続されることがわかる。これにより、別のジャバサーバを介して、更なるグラフィック表示クライアントをジャバサーバ106に接続し、例えば、所定グループ内の数人のユーザの間で手書きグラフィックを交換することができる。
【0033】
圧縮符号化
幾つかの実施形態において、圧縮符号化を用いて、記憶できるデータ量を大きくすることができる。また、圧縮符号化を用いると、モバイルグラフィック表示装置とグラフィック表示サーバとの間でインクデータを送信しやすくなる。このため、圧縮符号化は、グラフィック表示サーバとグラフィック表示装置とで利用することができる。
【0034】
モバイルグラフィック表示装置の場合、サーバを介して他のグラフィック表示装置に送信する前に、データ通信プロセッサ42によってインクデータを圧縮符号化すればよい。したがって、データ通信プロセッサ42は、他のグラフィック装置により圧縮符号化されたインクデータを伸張する伸張プロセッサを備えている。他の実施形態において、CPUは、インクデータの記憶及び通信を容易にするために圧縮符号化を行うように構成される。
【0035】
グラフィック表示サーバは、ユーザからの手書き画像シーケンスを圧縮符号化するように構成することができ、この圧縮符号化シーケンスはデータ記憶部110内に記憶される。なお、圧縮符号化を用いても用いなくてもよいが、他の現存する手書き画像をデータ記憶部110に記憶する前に圧縮符号化することもできる。したがって、グラフィック表示クライアントはいずれも、グループの他のユーザ間で交換され、データ記憶部110に記憶された手書き画像の特定の交換履歴を要求することができる。このため、画像交換セッションに送れて到着又は参加したグラフィック表示クライアントは、それまでに作成された画像に追いつくことができる。
【0036】
インクデータの圧縮には種々の圧縮符号化技術を用いることができる。使用可能な一例としてハフマン符号化がある。
【0037】
他の構成
図6及び図7は、本発明の一実施形態に係るグラフィック表示装置の更なる例を示す。図6において、モバイルグラフィック表示装置は、無線通信リンクを介してベースステーション120に接続されるとともに、移動無線ネットワーク126及びインターネット又はイントラネット128を介してグラフィック表示サーバ124に接続されている。しかし、他のグラフィック表示装置は、インターネットWWWを介してグラフィック表示サーバ124に接続され、モバイルグラフィック表示装置でなくてもよいが、ネットワークに接続されたパーソナルコンピュータから構成される。図3及び図4に示す例示的実施形態では、GPRSが使用可能なGSMネットワークにより無線通信リンクを設けたが、本発明の実施形態はGPRS又はIEEE802.11のいずれの規格にも限定されないことがわかる。いずれの無線通信規格を用いてもよく、本発明の実施形態は特定の無線アクセス規格に限定されるものではないが、W−CDMA、TD−CDMA、CDMA2000等、第3世代移動無線システムでの適用が可能である。
【0038】
図7に示す更なる実施形態では、2つのグラフィック表示装置MGDVが、ライン130として示すモバイルデータ通信リンクを介してグラフィック表示サーバ124に接続されている。
【0039】
本発明の実施形態の更なる適用例を図8に示す。図8は、同じサービスプロバイダにより与えられる2つのモバイルグラフィック表示装置を示す。GPRS、WAP、高速回線切換えデータ等の適した移動無線電話規格によって、無線リンクを設けることができる。図8に示すモバイルグラフィック表示装置は、専用表示装置である。グラフィック表示装置には、データを生成するためのタッチパネル表示画面を備えたグラフィックディスプレイが設けられている。表示装置には、無線インタフェースと、同じモバイルオペレータに関連する加入者識別モジュール(Subscriber Identity Module:以下、SIMという。)が設けられている。したがって、この例示的実施形態の場合、対になった装置を、例えば、2人のユーザ間で手書き表示を通信するためのプロフェッショナルツールとして、あるいは、例えば、2人の子供が手書き画像を交換する子供用玩具として、販売することができる。
【0040】
動作の概要
以下、グラフィック表示装置とグラフィック表示サーバの動作の概要について、図9、図10、図11、図12に示すフローチャートを参照して説明する。
【0041】
図9は、本発明の一実施形態に係るモバイルグラフィック表示装置の動作を示すフローチャートである。各ステップについて以下に説明する。
【0042】
S1:明らかなように、ユーザは、他のグラフィック表示装置に対して通信するための写真や絵等、他の画像を表す非インクデータを任意に選択することができる。あるいは、ステップS3に進んで、手書き描画を行い、インクデータを生成することができる。
【0043】
S2:非インクデータが選択されると、これは無線通信リンクを介して送られる。画像を表す非インクデータは、URIアドレス、JPEGファイル、PNG等であるか、あるいは、画像やピクチャデータを表す同様の形式とすることができる。そして、処理は後述するステップS10に進む。それ以外の場合、処理は開始部のステップS1及びS3の入力に戻る。
【0044】
S3:タッチパネル表示画面上で描画を行うことで、モバイルグラフィック供給装置によりインクデータが生成される。
【0045】
S4:スクリーン上に描画されるインクデータは、インクデータを形成する手書き動作に従って表示画面上に生成される。
【0046】
S5:タッチパネル表示画面上で描画を行うことにより生成されたインクデータは、無線インタフェースを用い、グラフィック表示サーバを介して他のグラフィック表示装置に送られる。上述のように、インクデータは、無線通信リンクを介してグラフィック表示サーバにて受信され、サーバデータ記憶部84のデータベースに記憶される。そして、グラフィック表示サーバは、受信したインクデータを他のグラフィック表示装置に送信する。
【0047】
S6:モバイルグラフィック表示装置は、他のグラフィック表示装置により作成されたインクデータを受信する。インクデータは、第1のインクデータと関連してサーバデータ記憶部84のデータベースに記憶された後、グラフィック表示サーバから受信される。
【0048】
S8:そして、モバイルグラフィック表示装置のデータプロセッサが、第1のインクデータと組み合わせて、他のグラフィック表示装置から受信した他のインクデータの表示を生成する。このため、他のグラフィック表示装置とモバイルグラフィック表示装置からのインクデータは、同じ画面上に併せて表示される。そして、処理はステップS10に進む。
【0049】
S10:ステップS10の判定において、モバイルグラフィック表示装置が他のグラフィック表示装置からインクデータを受信したか否かを判定し、受信しなかった場合、処理はステップS1及びS3に戻る。
【0050】
S12:モバイルグラフィック表示装置がグラフィック表示サーバを介して他のグラフィック表示装置からインクデータを受信した場合、これは既に存在するインクデータと組み合わされて表示画面上に表示される。
【0051】
図9に示すように、このフローチャートは2つの経路を介して開始部に戻るが、これら2つの経路のうちの一方は、図10のフローチャートに示すノードA及びBの間に示すステップを含む。
【0052】
図10は、本発明の一実施形態で行われる各ステップを示す。この実施形態では、グラフィック表示装置がインクデータ交換の準備ができているか否かを示す存在データを用いるように動作する。
【0053】
S20:モバイルグラフィック表示装置が、他の表示装置にインクデータを送信する準備ができている場合、グラフィック表示サーバと無線インタフェースを介して、存在信号がグラフィック表示装置に送られる。
【0054】
S22:あるいは、モバイルグラフィック表示装置は、他の装置から存在信号を受信した場合も考えられる。装置が存在信号を受信していない場合、処理はエンドノードBに移行する。
【0055】
S24:特定のユーザからの存在信号は、モバイルグラフィック表示装置内に予め記憶されているグループのユーザと相互に関連付けられる。そして、モバイルグラフィック表示装置の画面上に、受信した存在信号に対応するユーザのアイコン表示がハイライト表示されるか、あるいは、現れる。
【0056】
S26:そして、モバイルグラフィック表示装置のユーザは、存在信号を送信したユーザを選択することができる。
【0057】
S28:モバイルグラフィック表示装置は、ユーザが、存在しているとして示されたユーザを選択したのに応じて、その選択されたユーザにインクデータを送った後で選択されたユーザとインクデータを交換すべきであることを示す信号を送信する。モバイルグラフィック表示装置が、存在を示した装置とインクデータを交換すべきであることを示す信号は、グラフィックサーバに送られ、その後、関連して記憶されたデータが各表示装置に互いに通信される。
【0058】
本発明の実施形態に係るグラフィック表示サーバにより行われる動作ステップの一例を図11に示す。図11に示すフローチャートについて以下に説明する。
【0059】
S40:ユーザグループを識別する接続情報が、これらのユーザによりグラフィック表示サーバに登録される。登録プロセスは、インタラクティブに行われるか、サーバにダウンロードされる。なお、接続情報データベースにおいて、ユーザグループが識別され、これらのユーザのうちの1人が存在を示す場合、この存在は、そのグループの他のユーザに通信される。しかし、この接続情報が既に登録済みである場合、このステップは省略する。
【0060】
S42:モバイルグラフィック表示装置は、その存在を識別する信号を送信する。
【0061】
S44:サーバに示されたグラフィック表示装置の存在は、サーバ内に登録されたグループの他の装置に送られる。
【0062】
S46:そして、サーバは、グループのあるグラフィック表示装置が、自らの存在を示した他のグラフィック表示装置とインクデータを交換したいということを示す指示を受信したか否かを判定する。新たなグラフィック表示装置が他のグラフィック表示装置とインクデータを交換したいということを示す指示がない場合、プロセスはS50に移行する。
【0063】
S48:あるグラフィック表示装置が、存在している他のグラフィック表示装置とデータを交換したいということを示す指示を、サーバが受信すると、この他の装置はこのセッションに追加される。
【0064】
S50:サーバは、あるグラフィック表示装置が、グループ内での交換履歴と関連したインクデータを受信したいということを示す指示を受信してもよい。このような指示が受信されない場合、処理はフローチャートの開始部に戻る。
【0065】
S52:グループにより交換されたインクデータの過去の履歴の要求に応じて、サーバは、データ記憶部から、そのセッションに関連した過去の履歴を回収する。幾つかの実施形態において、データは圧縮されていてもよい。このデータは、24時間等、所定期間が経過すると、サーバは幾つかの実施形態において交換されたインクデータを圧縮符号化するように動作する。したがって、任意に、サーバはデータを要求しているグラフィック表示装置に対して、所定期間経過前にセッションに関連したデータを取り出すという選択肢を与える。
【0066】
S54:そして、交換されたインクデータの履歴が他のグラフィック表示装置に送られる。
【0067】
グラフィック表示サーバの全体的な動作を図12のフローチャートにより示す。インクデータ交換におけるグラフィック表示サーバの動作の各ステップを図12に示し、例えば、モバイルグラフィック表示装置A、B及びグラフィック表示サーバ60について、動作ステップを以下に説明する。
【0068】
S60:グラフィック表示サーバは、第1のグラフィック表示装置からインクデータを受信する。第1のインクデータは、プラグインサーバプロセッサによりデータ記憶部に記憶される。
【0069】
S62:そして、サーバは他のグラフィック表示装置からインクデータを受信する。このインクデータは、スクリブルプラグインプロセッサにより第1のインクデータに関連してデータ記憶部に記憶される。
【0070】
S64:インクデータは、インクデータが受信された順序を示すシーケンスにより、第1及び他の表示装置からデータ記憶部に記憶される。幾つかの実施形態において、インクデータは、インクデータが受信された時間を示す指示に関連して記憶される。インクデータは、全てのグラフィック表示装置について固定である所定の座標系に対して記憶してもよい。したがって、この固定の座標群がわかっているので、グラフィック装置は、インクデータをこれらの装置が受信したときに、インクデータの表示を拡大又は縮小することができる。
【0071】
S66:サーバは、第1のグラフィック表示装置から送られたインクデータが、グラフィック表示装置に送られるように動作する。
【0072】
S68:そして、他のグラフィック表示装置からのインクデータが第1のグラフィック表示装置に送られる。したがって、インクデータはグラフィック表示装置間で交換される。
【0073】
上述の例示的実施形態の説明によれば、本発明の一側面は、手書きデータを交換する装置において、タッチパネル表示画面に対して行われる描画動作を表す第1のインクデータを生成する手段と、表示画面上に第1のインクデータを表す画像を表示する手段と、無線通信手段を介して上記装置から第1のインクデータを他の同様の装置に送信する手段と、他の描画動作を表す他のインクデータを他の装置から受信する手段と、他のインクデータを受信する手段と、表示画面手段上の第1のインクデータの表示に対して他のインクデータの表示を上記画像表示手段とともに生成する手段とを備える装置が得られることがわかる。
【0074】
この装置は、さらに、この装置が少なくとも1つの他の同様の装置に対してインクデータを送信及び受信できることを示す存在信号を送信する手段を備える。この装置は、さらに、他の装置がインクデータを送信及び/又は受信することを示す存在信号を他の装置から受信する手段と、存在信号に応じて、他の装置がインクデータを受信することを示す指示を表示する手段とを備える。
【0075】
本発明の他の側面によれば、インクデータの交換を容易にするサーバ手段において、第1のグラフィック表示手段からインクデータを受信するとともに、少なくとも1つの他のグラフィック表示手段からインクデータを受信する手段と、第1のグラフィック表示手段からのインクデータと他のグラフィック表示手段からのインクデータを、共通参照空間に従ってデータ記憶手段に記憶する手段と、第1のグラフィック表示手段から他のグラフィック表示手段にインクデータを送信する手段と、他のグラフィック表示手段から第1のグラフィック表示手段にインクデータを送信する手段とを備えるサーバ手段が得られる。
【0076】
このサーバ手段は、第1のグラフィック表示手段と他のグラフィック表示手段を識別する接続情報を維持する手段を備えてもよい。接続情報には、所定グループにより関連するグラフィック表示手段のリストが含まれる。サーバ手段は、所定の表示手段グループの1つ以上の表示手段がインクデータを交換するか否かにより存在情報を識別する手段と、識別されている1つ以上の表示手段に応じて、グループにおけるあるグラフィック表示手段から、そのグループにおいて、存在していると識別された他のグラフィック表示手段のいずれかに、インクデータを送信する手段とを備えてもよい。
【0077】
本発明の主旨を逸脱しない範囲で、ここで説明した実施形態の例について種々の変更を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施形態であるモバイルグラフィック表示装置を示す概略図である。
【図2】図1のモバイルグラフィック表示装置の構成部分を示す概略ブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るサーバに接続された移動無線ネットワークを示す概略ブロック図である。
【図4】図3に示す本発明の実施形態に係るサーバの構成部分を示す概略ブロック図である。
【図5】インターネットを介してサーバに接続されたグラフィック表示装置群のアーキテクチャ構成を示す概略ブロック図である。
【図6】移動無線ネットワークを介してサーバに接続されたグラフィック表示装置の構成例を示す図である。
【図7】移動無線ネットワークを介して通信するグラフィック表示装置の更なる構成例を示す図である。
【図8】共通のサービスプロバイダによる動作において使用される一対のモバイルグラフィック表示装置を示す概略ブロック図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るモバイルグラフィック表示装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】1つのグラフィック表示装置が存在情報を送り、他のグラフィック表示装置からの存在情報に応答するプロセスを示すフローチャートである。
【図11】グラフィック表示サーバにより行われる、ユーザグループの設定、及び、そのグループの他のメンバーに対するユーザの存在通知を行うプロセスを示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態に係るグラフィック表示装置により行われる、インクデータ交換を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイルグラフィック表示装置において、
タッチパネル表示画面に対して行われた入力描画動作を表す第1のインクデータを生成するタッチパネルプロセッサに接続されたタッチパネル表示画面と、
グラフィックディスプレイと、グラフィックディスプレイ上に少なくとも第1のインクデータを表す画像を表示するグラフィック画像プロセッサと、
モバイルグラフィック表示装置から他のグラフィック表示装置に第1のインクデータを送信するとともに、他のグラフィック表示装置から、他の描画動作を表す他のインクデータを受信する無線通信プロセッサとを備え、上記グラフィック画像プロセッサは、共通参照に従い、第1のインクデータの表示に対して他のインクデータの表示を生成することを特徴とするモバイルグラフィック表示装置。
【請求項2】
上記モバイルグラフィック表示装置は、グラフィック表示装置が少なくとも1つの他のグラフィック表示装置に対してインクデータを送受信することを指示する存在信号を通信することを特徴とする請求項1に記載のモバイルグラフィック表示装置。
【請求項3】
上記データプロセッサは、他のグラフィック表示装置から、他のグラフィック表示装置が上記モバイルグラフィック表示装置に対してインクデータを送信及び/又は受信することを示す存在信号を受信し、上記データプロセッサは、該存在信号に応じて、他の表示装置がインクデータを受信することを示す指示をグラフィック表示画面に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載のモバイルグラフィック表示装置。
【請求項4】
上記データプロセッサは、上記タッチパネル表示画面を介して入力されたコマンドに応じて、他のグラフィック表示装置との接続を確立し、該タッチパネル表示画面からの描画動作により生成されるインクデータは他のグラフィック表示装置に送られることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のモバイルグラフィック表示装置。
【請求項5】
上記データプロセッサは、グラフィック表示プロセッサとともに、他のグラフィック表示装置の存在を表すアイコン表示を表示画面上に表示することを特徴とする請求項4又は5に記載のモバイルグラフィック表示装置。
【請求項6】
上記データプロセッサは、インクデータを圧縮符号化することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のモバイルグラフィック表示装置。
【請求項7】
上記無線通信プロセッサは、無線移動通信インタフェースにより、そのインタフェースによる無線アクセスインタフェースを介してデータを送受信することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のモバイルグラフィック表示装置。
【請求項8】
上記データプロセッサは、上記タッチパネル表示画面からの指示に応じて、上記無線通信プロセッサを介して他のグラフィック表示装置に画像データを送信することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のモバイルグラフィック表示装置。
【請求項9】
上記画像データはユニバーサルリソースインディケータアドレス又は画像ファイルのいずれかからなることを特徴とする請求項8に記載のモバイルグラフィック表示装置。
【請求項10】
サーバにおいて、
第1のグラフィック表示装置からインクデータを受信するとともに、少なくとも1つの他のグラフィック表示装置からインクデータを受信するデータ通信プロセッサと、
第1のグラフィック表示装置からのインクデータと他のグラフィック表示装置からのインクデータを、受信順にデータ記憶部に記憶するサーバ制御プロセッサとを備え、
上記サーバ制御プロセッサは、データ通信プロセッサとともに、第1のグラフィック表示装置から他のグラフィック表示装置にインクデータを送信し、他のグラフィック表示装置から第1のグラフィック表示装置にインクデータを送信することを特徴とするサーバ。
【請求項11】
上記データ通信プロセッサは、第1のグラフィック表示装置と他のグラフィック表示装置を識別する接続情報を維持する接続制御プロセッサを有することを特徴とする請求項10に記載のサーバ。
【請求項12】
上記接続情報は、所定グループにより関連したグラフィック表示装置のリストを含み、上記サーバ制御プロセッサは、所定の装置グループの1つ以上の装置がインクデータを交換するか否かにより存在情報を識別し、該サーバ制御プロセッサは、識別されている1つ以上の装置に応じて、グループにおけるある装置から、そのグループにおいて、存在していると識別された他の装置のいずれかにインクデータを送信することを特徴とする請求項10又は11に記載のサーバ。
【請求項13】
上記装置グループ内で通信されるインクデータは、通信セッションを構成し、上記サーバ制御プロセッサは、該通信セッションからのグループに関連して生成されるインクデータの要求を受信すると、セッションからのインクデータを、そのセッションのインクデータを要求しているグラフィック表示装置に送信することを特徴とする請求項10、11又は12に記載のサーバ。
【請求項14】
上記サーバ制御プロセッサは、グラフィック表示装置から受信したインクデータのうちの少なくとも幾つかを圧縮符号化することを特徴とする請求項13に記載のサーバ。
【請求項15】
上記サーバ制御プロセッサは、インクデータ生成から所定時間経過後、グラフィック表示装置から受信したインクデータを圧縮符号化することを特徴とする請求項14に記載のサーバ。
【請求項16】
上記サーバ制御プロセッサは、インクデータの受信時間を表すデータを記憶することを特徴とする請求項10乃至15のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項17】
上記サーバ制御プロセッサは、前に生成された描画データの要求に応じて、前に生成された描画データを表すデータを、要求しているグラフィック表示装置に送信することを特徴とする請求項10乃至16のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項18】
インスタントメッセージサーバ及びデータ記憶部とともに動作し、複数のソースからインクデータを受信するとともに、共通参照空間に関連してデータ記憶部にインクデータを記憶するサーバプラグイン。
【請求項19】
手書きデータを交換する方法において、
タッチパネル表示画面に対して行われた入力描画動作を表す第1のインクデータを生成し、
グラフィックディスプレイ上に第1のインクデータを表す画像を表示し、
無線通信リンクを介して、モバイルグラフィック表示装置から他のグラフィック表示装置に第1のインクデータを送信するとともに、他のグラフィック表示装置から、他の描画動作を表す他のインクデータを受信し、
他のインクデータを受信して、グラフィック画像プロセッサとともに、第1のインクデータの表示に対して他のインクデータの表示を生成することを特徴とする手書きデータ交換方法。
【請求項20】
上記モバイルグラフィック表示装置が少なくとも1つの他のグラフィック表示装置に対してインクデータを送受信するように指示する存在信号を通信することを特徴とする請求項19に記載の手書きデータ交換方法。
【請求項21】
他のグラフィック表示装置から、他のグラフィック表示装置がモバイルグラフィック表示装置に対してインクデータを送信及び/又は受信することを示す存在信号を受信し、
存在信号に応じて、他の表示装置がインクデータを受信することを示す指示をグラフィック表示画面に表示することを特徴とする請求項19又は20に記載の手書きデータ交換方法。
【請求項22】
他のグラフィック表示装置の存在を表すアイコン表示を表示画面上に表示することを特徴とする請求項21記載の手書きデータ交換方法。
【請求項23】
インクデータを圧縮符号化することを特徴とする請求項19乃至22のいずれか1項に記載の手書きデータ交換方法。
【請求項24】
上記タッチパネル表示画面からの指示に応じて、無線通信プロセッサを介して他のグラフィック表示装置に画像データを送信することを特徴とする請求項19乃至23のいずれか1項に記載の手書きデータ交換方法。
【請求項25】
上記画像データはユニバーサルリソースインディケータアドレス又は画像ファイルのいずれかからなることを特徴とする請求項23に記載の手書きデータ交換方法。
【請求項26】
インクデータの交換を容易にする方法において、
第1のグラフィック表示装置からインクデータを受信するとともに、少なくとも1つの他のグラフィック表示装置からインクデータを受信し、
第1のグラフィック表示装置からのインクデータと他のグラフィック表示装置からのインクデータを、共通参照空間に従ってデータ記憶部に記憶し、
第1のグラフィック表示装置から他のグラフィック表示装置にインクデータを送り、
他のグラフィック表示装置から第1のグラフィック表示装置にインクデータを送信することを特徴とする方法。
【請求項27】
上記第1のグラフィック表示装置と他のグラフィック表示装置を識別する接続情報を維持することを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
上記接続情報は、所定グループにより関連したグラフィック表示装置のリストを含み、上記方法は、
所定の装置グループの1つ以上の装置がインクデータを交換するか否かにより存在情報を識別し、識別されている1つ以上の装置に応じて、
グループにおけるあるユーザから、そのグループにおいて、存在していると識別された他の装置のいずれかにインクデータを送信することを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
上記装置グループ内で通信されるインクデータは通信セッションを構成し、上記方法は、
そのセッションからのインクデータを、そのセッションのインクデータを要求しているグラフィック表示装置に送信することを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
グラフィック表示装置から受信したインクデータのうちの少なくとも幾つかを圧縮符号化することを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
インクデータ生成から所定時間経過後、グラフィック表示装置から受信したインクデータを圧縮符号化することを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前に生成された描画データの要求に応じて、前に生成された描画データを表すデータを、要求しているグラフィック表示装置に送信することを特徴とする請求項26乃至31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
一対のグラフィック表示装置において、上記対の各装置が請求項1乃至9のいずれか1項に記載のモバイルグラフィック表示装置であり、各装置に、同じ操作者に関連した加入者識別モジュールが設けられることを特徴とする一対のグラフィック表示装置。
【請求項34】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のモバイルグラフィック表示装置により生成される第1のインクデータを表す信号。
【請求項35】
請求項34に記載の信号を表すデータキャリヤ。
【請求項36】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のモバイルグラフィック表示装置により生成される、画像又はピクチャデータを表すインクデータと非インク形式データとの組み合わせを表す信号。
【請求項37】
上記画像データは、ユニバーサルリソース識別子又は画像ファイルのいずれかであることを特徴とする請求項36に記載の信号。
【請求項38】
コンピュータにロードされた場合に、請求項10乃至17のいずれか1項に記載のサーバ、又は、請求項18に記載のサーバプラグインとしてコンピュータを動作させる、コンピュータにより実行可能な指令を与えるコンピュータプログラム。
【請求項39】
コンピュータにロードされた場合に、請求項19乃至32のいずれか1項に記載の方法をコンピュータに実行させる、コンピュータにより実行可能な指令を与えるコンピュータプログラム。
【請求項40】
請求項38又は39に記載のコンピュータプログラムを表す情報信号が記録されたコンピュータにより読み取り可能な媒体を有するコンピュータプログラム製品。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイルグラフィック表示装置において、
タッチパネル表示画面に対して行われた入力描画動作を表す第1のインクデータを生成するタッチパネルプロセッサに接続されたタッチパネル表示画面と、
グラフィックディスプレイと、グラフィックディスプレイ上に少なくとも第1のインクデータを表す画像を表示するグラフィック画像プロセッサと、
無線通信プロセッサとともに以下のように動作可能なデータプロセッサであって、
モバイルグラフィック表示装置から他のグラフィック表示装置に第1のインクデータを送り、
他のグラフィック表示装置から、他の描画動作を表す他のインクデータを受信し、上記グラフィック画像プロセッサは、共通参照に従い、第1のインクデータの表示に対して他のインクデータの表示を生成し、上記データプロセッサは、無線通信プロセッサとともに動作可能であり、
上記グラフィック表示装置が少なくとも1つの他のグラフィック表示装置に対するインクデータを送受信することを指示する存在信号を通信し、
他のグラフィック表示装置から、他のグラフィック表示装置がモバイルグラフィック表示装置に対してインクデータを送信及び/又は受信することを示す存在信号を受信し、上記データプロセッサは、存在信号に応じて、他の表示装置がインクデータを送受信することを示す指示をグラフィック表示画面に表示し、
他のグラフィック表示装置からの存在信号の受信後、他のグラフィック表示装置に対してインクデータを送受信するデータプロセッサと
を備えることを特徴とするモバイルグラフィック表示装置。
【請求項2】
上記データプロセッサは、タッチパネル表示画面を介して入力したコマンドに応じて、他のグラフィック表示装置との接続を確立し、タッチパネル表示画面からの描画動作により生成されるインクデータは他のグラフィック表示装置に送られることを特徴とする請求項1に記載のモバイルグラフィック表示装置。
【請求項3】
上記データプロセッサは、グラフィック表示プロセッサとともに、他のグラフィック表示装置の存在を表すアイコン表示を表示画面上に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載のモバイルグラフィック表示装置。
【請求項4】
上記データプロセッサはインクデータを圧縮符号化することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のモバイルグラフィック表示装置。
【請求項5】
上記無線通信プロセッサは、無線移動通信インタフェースにより、そのインタフェースによる無線アクセスインタフェースを介してデータを送受信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のモバイルグラフィック表示装置。
【請求項6】
上記データプロセッサは、タッチパネル表示画面からの指示に応じて、無線通信プロセッサを介して他のグラフィック表示装置に画像データを送信することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のモバイルグラフィック表示装置。
【請求項7】
上記画像データはユニバーサルリソースインディケータアドレス又は画像ファイルのいずれかからなることを特徴とする請求項6に記載のモバイルグラフィック表示装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の少なくとも1つのグラフィック表示装置とともに使用するサーバにおいて、
第1のグラフィック表示装置からインクデータを受信するとともに、少なくとも1つの他のグラフィック表示装置からインクデータを受信するデータ通信プロセッサと、
第1のグラフィック表示装置からのインクデータと他のグラフィック表示装置からのインクデータを、受信順にデータ記憶部に記憶するサーバ制御プロセッサとを備え、
上記サーバ制御プロセッサは、データ通信プロセッサとともに、第1のグラフィック表示装置から他のグラフィック表示装置にインクデータを送り、他のグラフィック表示装置から第1のグラフィック表示装置にインクデータを送信し、
上記データ通信プロセッサは、接続情報を維持する接続制御プロセッサを有し、上記接続情報は、所定グループにより関連したグラフィック表示装置のリストを含み、上記サーバ制御プロセッサは、所定の装置グループの1つ以上の装置がインクデータを交換するか否かにより存在情報を識別し、上記サーバ制御プロセッサは、識別されている1つ以上の装置に応じて、グループにおけるある装置から、そのグループにおいて、存在していると識別された他の装置のいずれかにインクデータを送信することを特徴とするサーバ。
【請求項9】
上記装置グループ内で通信されるインクデータは通信セッションを構成し、上記サーバ制御プロセッサは、上記通信セッションからのグループに関連して生成されるインクデータの要求を受信すると、セッションからのインクデータを、そのセッションのインクデータを要求しているグラフィック表示装置に送信することを特徴とする請求項8に記載のサーバ。
【請求項10】
上記サーバ制御プロセッサは、グラフィック表示装置から受信したインクデータのうちの少なくとも幾つかを圧縮符号化することを特徴とする請求項9に記載のサーバ。
【請求項11】
上記サーバ制御プロセッサは、インクデータ生成から所定時間経過後、グラフィック表示装置から受信したインクデータを圧縮符号化することを特徴とする請求項10に記載のサーバ。
【請求項12】
上記サーバ制御プロセッサは、インクデータの受信時間を表すデータを記憶することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項13】
上記サーバ制御プロセッサは、前に生成された描画データの要求に応じて、前に生成された描画データを表すデータを、要求しているグラフィック表示装置に送信することを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項14】
インスタントメッセージサーバ及びデータ記憶部とともに動作し、複数のソースからインクデータを受信するとともに、共通参照空間に関連してデータ記憶部にインクデータを記憶し、データ記憶部に記憶されたインクデータに関連して、所定グループにより関連するグラフィック表示装置のリストからなる接続情報を維持し、上記所定グループの装置の1つ以上の装置がインクデータの交換を行うか否かにより存在情報を識別し、識別されている1つ以上の装置に応じて、そのグループのある装置から、そのグループにおいて存在していると識別された他のグラフィック表示装置のいずれかにインクデータを送信するサーバプラグイン。
【請求項15】
手書きデータを交換する方法において、
タッチパネル表示画面に対して行われた入力描画動作を表す第1のインクデータを生成し、
グラフィックディスプレイ上に第1のインクデータを表す画像を表示し、
無線通信リンクを介して、モバイルグラフィック表示装置から他のグラフィック表示装置に第1のインクデータを送信するとともに、他のグラフィック表示装置から、他の描画動作を表す他のインクデータを受信し、
他のインクデータを受信して、グラフィック画像プロセッサとともに、第1のインクデータの表示に対して他のインクデータの表示を生成し、
上記モバイルグラフィック表示装置が、所定グループのグラフィック表示装置のうちの少なくとも1つの他のグラフィック表示装置に対してインクデータを送受信することを指示する存在信号を通信し、
他のグラフィック表示装置から、他のグラフィック表示装置がモバイルグラフィック表示装置に対してインクデータを送信及び/又は受信することを示す存在信号を受信し、
存在信号に応じて、他の表示装置がインクデータを送受信することを示す指示をグラフィック表示画面に表示し、
プロセッサは、存在信号に応じて、他の装置がインクデータを送受信することを示す指示をグラフィック表示画面に表示し、
他のグラフィック表示装置からの存在信号の受信後、他のグラフィック表示装置に対してインクデータを送受信することを特徴とする手書きデータ交換方法。
【請求項16】
他のグラフィック表示装置の存在を表すアイコン表示を表示画面上に表示することを特徴とする請求項15記載の手書きデータ交換方法。
【請求項17】
インクデータを圧縮符号化することを特徴とする請求項15又は16のいずれか1項に記載の手書きデータ交換方法。
【請求項18】
タッチパネル表示画面からの指示に応じて、無線通信プロセッサを介して他のグラフィック表示装置に画像データを送信することを特徴とする請求項15、16又は17のいずれか1項に記載の手書きデータ交換方法。
【請求項19】
上記画像データはユニバーサルリソースインディケータアドレス又は画像ファイルのいずれかからなることを特徴とする請求項18に記載の手書きデータ交換方法。
【請求項20】
第1のグラフィック表示装置からインクデータを受信するとともに、少なくとも1つの他のグラフィック表示装置からインクデータを受信し、
第1のグラフィック表示装置からのインクデータと他のグラフィック表示装置からのインクデータを、共通参照空間に従ってデータ記憶部に記憶し、
第1のグラフィック表示装置から他のグラフィック表示装置にインクデータを送り、
他のグラフィック表示装置から第1のグラフィック表示装置にインクデータを送り、
第1のグラフィック表示装置と他のグラフィック表示装置を識別する接続情報を維持し、
上記接続情報は、所定グループに関連したグラフィック表示装置のリストを含み、第1グラフィック表示装置から他のグラフィック表示装置への、及び、他のグラフィック表示装置から第1のグラフィック表示装置への通信は、
所定の装置グループの1つ以上の装置がインクデータを交換するか否かにより存在情報を識別し、識別されている1つ以上の装置に応じて、
グループにおけるあるユーザから、そのグループにおいて、存在していると識別された他の装置のいずれかにインクデータを送信すること
を特徴とする請求項15乃至19のいずれか1項に記載の手書きデータ交換方法。
【請求項21】
上記装置グループ内で通信されるインクデータは通信セッションを構成し、上記方法は、
そのセッションからのインクデータを、そのセッションのインクデータを要求しているグラフィック表示装置に送信することを特徴とする請求項20に記載の手書きデータ交換方法。
【請求項22】
グラフィック表示装置から受信したインクデータのうちの少なくとも幾つかを圧縮符号化することを特徴とする請求項21に記載の手書きデータ交換方法。
【請求項23】
インクデータ生成から所定時間経過後、グラフィック表示装置から受信したインクデータを圧縮符号化することを特徴とする請求項22に記載の手書きデータ交換方法。
【請求項24】
前に生成された描画データの要求に応じて、前に生成された描画データを表すデータを、要求しているグラフィック表示装置に送信することを特徴とする請求項20乃至23のいずれか1項に記載の手書きデータ交換方法。
【請求項25】
一対のグラフィック表示装置において、上記対の各装置が請求項1乃至7のいずれか1項に記載のモバイルグラフィック表示装置であり、各装置に、同じ操作者に関連した加入者識別モジュールが設けられることを特徴とする一対のグラフィック表示装置。
【請求項26】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のモバイルグラフィック表示装置により生成される第1のインクデータを表す信号。
【請求項27】
請求項26に記載の信号を表すデータキャリヤ。
【請求項28】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のモバイルグラフィック表示装置により生成される、画像又はピクチャデータを表すインクデータと非インク形式データとの組み合わせを表す信号。
【請求項29】
上記画像データは、ユニバーサルリソース識別子又は画像ファイルのいずれかであることを特徴とする請求項28に記載の信号。
【請求項30】
コンピュータにロードされた場合に、請求項15乃至24のいずれか1項に記載の方法を実行させる、コンピュータにより実行可能な指令を与えるコンピュータプログラム。
【請求項31】
請求項30に記載のコンピュータプログラムを表す情報信号が記録されたコンピュータにより読み取り可能な媒体を有するコンピュータプログラム製品。
【請求項32】
請求項30に記載のコンピュータプログラムを搬送する信号ベアラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2006−511112(P2006−511112A)
【公表日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−559775(P2004−559775)
【出願日】平成15年11月27日(2003.11.27)
【国際出願番号】PCT/EP2003/013845
【国際公開番号】WO2004/056083
【国際公開日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(504179613)
【Fターム(参考)】