説明

モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置

【課題】 回転速度に関わらず、精度良くデッドタイムの設定に伴う電流歪みを補償することができるモータ制御装置を提供すること。
【解決手段】 マイコン11は、ブラシレスモータ2の回転角速度ωを演算する回転角速度演算部35と、その回転角速度ωに基づいて、フィードバックゲイン(Kdp,Kdi,Kqp,Kqi)を決定するフィードバックゲイン決定部36と、デッドタイム補償量βu,βv,βwを決定するデッドタイム補償量決定部40とを備える。そして、フィードバックゲイン決定部36は、回転角速度ωの絶対値が大、即ちブラシレスモータ2が高速に回転するほど、追従性の高い大きな値を有するフィードバックゲイン(Kdp,Kdi,Kqp,Kqi)を決定し、デッドタイム補償量決定部40は、回転角速度ωの絶対値が大となるほど小さな値を有するデッドタイム補償量βu,βv,βwを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ制御装置及び電動パワーステアリング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、直流電源から供給される直流電圧をPWMインバータにより三相(U,V,W)の駆動電力に変換してブラシレスモータに供給するモータ制御装置がある。
図7に示すように、PWMインバータは、直列に接続された一対のスイッチング素子(パワーMOSFET等)51a,51bからなるアーム52を基本単位として、各相に対応する3つのアーム52を並列接続することにより構成される。そして、モータ制御装置は、各アームの高位側のスイッチング素子51aと低位側のスイッチング素子51bとを所定のタイミングで交互にオン/オフすることにより、ブラシレスモータ53に三相の駆動電力を供給する。
【0003】
ところで、こうしたモータ制御装置では、通常、高位側のスイッチング素子51aと低位側のスイッチング素子51bとの短絡(アーム短絡)を防止するために、そのオン/オフの切替時には、各スイッチング素子51a,51bが共にオフとなる所謂デッドタイムが設けられている。しかし、このデッドタイムの存在により、電圧指令値とPWMインバータの出力電圧との間に誤差が生じ、これによりトルクリップルや振動、異音の原因となる電流歪みが発生するという問題がある。
【0004】
特に、電動パワーステアリング装置(EPS)においては、アシスト力(アシストトルク)の制御目標量である電流指令値と実電流値との偏差に基づくフィードバック制御により駆動源であるモータの制御が実行されるが、低速操舵時、即ちモータの低速回転時には、トルクセンサにノイズがのりやすい。とりわけPWMインバータに大電流が流れる据え切り時は、ノイズが発生しやすく、こうしたノイズにモータの回転が反応することによる影響(回転の不安定化に伴う騒音や振動)は顕著なものとなる。従って、低速回転時のフィードバックゲインは、低く抑えるのが一般的であり、低速回転時には、上記のようなデッドタイムの設定に伴う電流歪みの影響が現れやすい。
【0005】
そこで、従来、こうしたEPS用のものを含む多くのモータ制御装置では、こうしたデッドタイムに起因する電流歪みを抑制すべく、その電圧指令値と出力電圧との間の誤差を低減する所謂デッドタイム補償が行われている。
【0006】
例えば、非特許文献1には、図8に示すように、搬送波である三角波δとの比較により各スイッチング素子51a,51bのオン/オフタイミングを決定するためのDUTY指示値αxに、その電流方向に応じて、予め設定されたデッドタイム補償量βを加算又は減算する方法が開示されている。
【0007】
具体的には、アーム52に対応するX相(X=U,V,W、以下同様)の電流方向が、アーム52からブラシレスモータ53に向かう方向、即ち「正」(図7中右方向)である場合にはDUTY指示値αxにデッドタイム補償量βを加算する。そして、その電流方向が、ブラシレスモータ53からアーム52に向かう方向、即ち「負」(図7中左方向)である場合にはDUTY指示値αxからデッドタイム補償量βを減算する。これにより、三角波δの周期T内にX相の出力電圧Vxが電源電圧Vbとなる時間(t3+t4又はt5+t6)と、デッドタイムを設けない場合(理想電圧波形)のその時間(t1+t2)とを等しくすることができ、電圧指令値とPWMインバータの出力電圧とを一致させてデッドタイムに起因する電流歪みを抑制することができるようになる。
【非特許文献1】杉山英彦,「ACサーボモータシステムの理論と設計の実際」,第6版,総合電子出版社,2002年8月,p.56−58
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、近年では、マイコンによるソフトウェアサーボが主流となっており、上記のようなデッドタイム補償制御を含むモータ制御、即ちPWMインバータの各スイッチング素子をオン/オフ制御するためのゲートオン/オフ信号の出力(更新)は、モータの回転速度に関わらず、定時割り込みにより所定周期毎に行われる。つまり、モータが高速回転するほど、ゲートオン/オフ信号の一出力(更新)あたりのモータ回転数が増加する、即ちモータ制御が粗くなる傾向がある。
【0009】
そのため、ゲートオン/オフ信号の更新までの間に、上記デッドタイム補償の切替タイミングである電流ゼロクロス点が移動、即ち制御上の切替タイミングと実際の切替タイミングとの間にズレが生じ、本来、デッドタイム補償量βを加算すべきところを減算する、或いは減算すべきところを加算することで、却って電流歪みを助長してしまう場合がある。
【0010】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、回転速度に関わらず、精度良くデッドタイムの設定に伴う電流歪みを補償することができるモータ制御装置及び電動パワーステアリング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、電流指令値と実電流値との偏差に基づくフィードバック制御によりDUTY指示値を生成するDUTY指示値生成手段と、前記DUTY指示値と搬送波との比較によりゲートオン/オフ信号を出力するPWM出力手段と、直列接続された一対のスイッチング素子を並列接続してなり各スイッチング素子が前記ゲートオン/オフ信号に基づきオン/オフすることにより直流電源を三相の駆動電力に変換してブラシレスモータに供給するPWMインバータとを備え、前記各スイッチング素子のオン/オフ切替時にはそのアーム短絡を防止するためのデッドタイムが設定されるとともに、前記ゲートオン/オフ信号は所定周期毎に更新されるモータ制御装置であって、各相の電流方向を判定する判定手段と、前記ブラシレスモータの回転角速度を演算する回転角速度演算手段と、前記回転角速度に基づいて、前記DUTY指示値を補正するための補償量を決定する補償量決定手段と、前記電流方向に応じて、前記DUTY指示値に前記補償量を加算又は減算するデッドタイム補償手段と、前記回転角速度に基づいて、前記フィードバック制御のフィードバックゲインを決定するゲイン決定手段とを備え、前記補償量決定手段は、前記回転角速度の絶対値が大となるほど前記補償量を小とし、前記ゲイン決定手段は、前記回転角速度の絶対値が大となるほど前記フィードバック制御の応答性を高めるべく前記フィードバックゲインを変更すること、を要旨とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、電流指令値と実電流値との偏差に基づくフィードバック制御によりDUTY指示値を生成するDUTY指示値生成手段と、前記DUTY指示値と搬送波との比較によりゲートオン/オフ信号を出力するPWM出力手段と、直列接続された一対のスイッチング素子を並列接続してなり各スイッチング素子が前記ゲートオン/オフ信号に基づきオン/オフすることにより直流電源を三相の駆動電力に変換してブラシレスモータに供給するPWMインバータとを備え、前記各スイッチング素子のオン/オフ切替時にはそのアーム短絡を防止するためのデッドタイムが設定されるとともに、前記ゲートオン/オフ信号は所定周期毎に更新されるモータ制御装置であって、各相の電流方向を判定する判定手段と、前記ブラシレスモータの回転角速度を演算する回転角速度演算手段と、前記回転角速度に基づいて、前記DUTY指示値を補正するための補償量を決定する補償量決定手段と、前記電流方向に応じて、前記DUTY指示値に前記補償量を加算又は減算するデッドタイム補償手段と、前記回転角速度に基づいて、前記フィードバック制御のフィードバックゲインを決定するゲイン決定手段とを備え、前記補償量決定手段は、前記回転角速度の絶対値が大となるほど前記補償量を小とし、前記ゲイン決定手段は、前記回転角速度の絶対値が大となるほど前記フィードバックゲインを大とすること、を要旨とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、電流指令値と実電流値との偏差に基づくフィードバック制御によりDUTY指示値を生成するDUTY指示値生成手段と、前記DUTY指示値と搬送波との比較によりゲートオン/オフ信号を出力するPWM出力手段と、直列接続された一対のスイッチング素子を並列接続してなり各スイッチング素子が前記ゲートオン/オフ信号に基づきオン/オフすることにより直流電源を三相の駆動電力に変換してブラシレスモータに供給するPWMインバータとを備え、前記各スイッチング素子のオン/オフ切替時にはそのアーム短絡を防止するためのデッドタイムが設定されるとともに、前記ゲートオン/オフ信号は所定周期毎に更新されるモータ制御装置であって、各相の電流方向を判定する判定手段と、前記ブラシレスモータの回転角速度を演算する回転角速度演算手段と、前記回転角速度に基づいて、前記DUTY指示値を補正するための補償量を決定する補償量決定手段と、前記電流方向に応じて、前記DUTY指示値に前記補償量を加算又は減算するデッドタイム補償手段と、前記回転角速度に基づいて、前記フィードバック制御のフィードバックゲインを決定するゲイン決定手段とを備え、前記ゲイン決定手段は、前記回転角速度の絶対値が大となるほど前記フィードバックゲインを大とし、前記補償量決定手段は、前記回転角速度の絶対値が前記所定値より大きい場合には、前記補償量の値を前記回転角速度の絶対値が前記所定値以下である場合の値よりも小とすること、を要旨とする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、前記補償量決定手段は、前記回転角速度の絶対値が前記所定値より大きい場合の前記補償量の値をゼロとすること、を要旨とする。
上記各構成によれば、ブラシレスモータの回転角速度の絶対値が大となる場合、即ちモータ制御が粗くなる高速回転時には、DUTY指示値に加算又は減算される補償量の値が小さくなるため、その加算又は減算の切替タイミングにズレが発生した場合であっても、その逆転による影響は小さなものとなる。そして、デッドタイムの設定による電流歪みは、即ちフィードバック制御の追従性向上により抑制することが可能である。特に、請求項4に記載の構成では、回転角速度の絶対値が所定値より大きい場合には、実質的に補償量の加算又は減算によるデッドタイム補償を行わないため、DUTY指示値への補償量の加算又は減算の逆転に伴う電流歪みの発生を排除することができる。また、従来同様に、低速回転時におけるフィードバックゲインを低く設定してノイズの影響による騒音や振動を回避しつつ、デッドタイムの設定による電流歪みは、電流方向に応じた補償量の加算又は減算により抑制することができる。従って、回転速度に関わらず、精度良くデッドタイムの設定に伴う電流歪みを補償することができる。尚、請求項3又は請求項4に記載の構成においては、所定値は、上記補償量の加算又は減算の逆転が発生しうる回転角速度に設定するとよい。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちの何れか一項に記載のモータ制御装置を備えた電動パワーステアリング装置であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、回転速度に関わらず、精度良くデッドタイムの設定に伴う電流歪みを補償することが可能なモータ制御装置及び電動パワーステアリング装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を電動パワーステアリング装置(EPS)に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、EPS1は、車両の操舵系にアシスト力を付与する駆動源としてのブラシレスモータ2と、該ブラシレスモータ2を制御するモータ制御装置としてのECU3とを備えている。
【0018】
ステアリングホイール(ステアリング)4は、ステアリングシャフト5を介してラック6に連結されており、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト5の回転は、ラックアンドピニオン機構(図示略)にてラック6の往復直線運動に変換され操舵輪8に伝達される。本実施形態のEPS1は、ブラシレスモータ2がラック6と同軸に配置された所謂ラック型EPSであり、ブラシレスモータ2が発生するアシストトルクは、ボール送り機構(図示略)を介してラック6に伝達される。そして、ECU3は、このブラシレスモータ2が発生するアシストトルクを制御することにより、操舵系に付与するアシスト力を制御するようになっている。
【0019】
図2に示すように、ECU3は、ゲートオン/オフ信号を出力するマイコン11と、ゲートオン/オフ信号に基づいてブラシレスモータ2に三相(U,V,W)の駆動電力を供給するPWMインバータ12とを備えている。
【0020】
本実施形態では、ECU3には、操舵トルクτを検出するためのトルクセンサ14、及び車速センサ15が接続されており(図1参照)、マイコン11は、入力された操舵トルクτ及び車速Vに基づいて操舵系に付与するアシスト力、即ちブラシレスモータ2が発生するアシストトルクを決定する。また、マイコン11には、ブラシレスモータ2に通電される電流値を検出するための電流センサ17,18、及びブラシレスモータ2の回転角(電気角)θを検出するための回転角センサ19が接続されており、マイコン11は、これら各センサの出力信号に基づいてブラシレスモータ2の各相電流値Iu,Iv,Iw、及びその回転角θを検出する。そして、マイコン11は、この検出された各相電流値Iu,Iv,Iw及び回転角θに基づいて、上記決定されたアシストトルクを発生させるべく、ブラシレスモータ2にゲートオン/オフ信号を出力する。
【0021】
一方、PWMインバータ12は、ブラシレスモータ2の各相に対応する複数(2×3個)のパワーMOSFET(以下、単にFET)により構成されている。具体的には、それぞれFET21a,21dの直列回路、FET21b,21eの直列回路及びFET21c,21fの直列回路からなる3つのアーム22u,22v,22wを並列接続することにより構成されている。そして、FET21a,21dの接続点23uはブラシレスモータ2のU相コイルに、FET21b,21eの接続点23vはブラシレスモータ2のV相コイルに、FET21c,21fの接続点23wはブラシレスモータ2のW相コイルに接続されている。
【0022】
そして、マイコン11の出力するゲートオン/オフ信号が、各FET21a〜21fのゲート端子に印加され、そのゲートオン/オフ信号に応答して各FET21a〜21fがオン/オフすることにより、直流電源25から供給される直流電圧が各相の駆動電力に変換されてブラシレスモータ2へと供給されるようになっている。
【0023】
(モータ制御及びデッドタイム補償)
次に、本実施形態におけるモータ制御並びにデッドタイム補償の態様について説明する。
【0024】
本実施形態では、マイコン11は、相電流値Iu,Iv,Iwをd/q座標系に写像することにより(d/q変換)、同d/q座標系における電流フィードバック制御を実行する。そして、PWMインバータ12を構成する各FET21a〜21fのオン/オフタイミングを決定するDUTY指示値を生成し、そのDUTY指示値に基づいてゲートオン/オフ信号の出力を実行する。
【0025】
詳述すると、トルクセンサ14により検出された操舵トルクτ、及び車速センサ15により検出された車速Vは、電流指令値演算部31に入力され、電流センサ17,18により検出された各相電流値Iu,Iv,Iw、及び回転角センサ19により検出された回転角θは、d/q変換演算部32へと入力される。そして、電流指令値演算部31は、その操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、アシストトルクの制御目標であるq軸電流指令値Iq*を演算し、d/q変換演算部32は、入力された回転角θに基づいて、各相電流値Iu,Iv,Iwをd/q座標系のd軸電流値Id及びq軸電流値Iqに変換する。
【0026】
電流指令値演算部31により演算されたq軸電流指令値Iq*、並びにd/q変換演算部32により演算されたd軸電流値Id及びq軸電流値Iqは、それぞれd/q各軸に対応するPI制御演算部33,34に入力される。尚、本実施形態では、d軸に対応するPI制御演算部33には、d軸電流指令値Id*としてゼロ(Id*=0)が入力される。そして、PI制御演算部33は、d軸電流指令値Id*とd軸電流値Idとの偏差に基づくフィードバック制御(比例・積分制御)によりd軸電圧指令値Vd*を演算し、同様に、PI制御演算部34は、q軸電流指令値Iq*とq軸電流値Iqとの偏差に基づきq軸電圧指令値Vq*を演算する。
【0027】
また、本実施形態のマイコン11は、回転角θに基づきブラシレスモータ2の回転角速度ωを演算する回転角速度演算手段としての回転角速度演算部35と、その回転角速度ωに基づいてフィードバック制御に用いるフィードバックゲインを決定するゲイン決定手段としてのフィードバックゲイン決定部36とを備えている。
【0028】
本実施形態では、フィードバックゲイン決定部36は、上記フィードバックゲインとしてd軸比例ゲインKdp及びd軸積分ゲインKdi、並びにq軸比例ゲインKqp及びq軸積分ゲインKqiを決定する。具体的には、フィードバックゲイン決定部36は、回転角速度ωの絶対値と上記各フィードバックゲイン(Kdp,Kdi,Kqp,Kqi)とが各々関係付けられたゲインマップ36a〜36dを有しており(図3(a)〜(d)参照)、各ゲインマップ36a〜36dにおいて、各フィードバックゲインは、回転角速度ωの絶対値が大となるほど大となるように設定されている。そして、フィードバックゲイン決定部36は、これら各ゲインマップ36a〜36dに基づいて、回転角速度ωに応じた各フィードバックゲイン、即ちd軸比例ゲインKdp及びd軸積分ゲインKdi、並びにq軸比例ゲインKqp及びq軸積分ゲインKqiを決定する。
【0029】
つまり、本実施形態では、回転角速度ωの絶対値が大、即ちブラシレスモータ2が高速に回転するほど、フィードバックゲイン決定部36において、追従性の高い大きな値を有するフィードバックゲインが決定される。そして、各PI制御演算部33,34は、このフィードバックゲイン決定部36により決定された各フィードバックゲインに基づいて、上記のフィードバック制御を実行する。
【0030】
各PI制御演算部33,34により演算されたd軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*は、回転角θとともにd/q逆変換演算部37に入力され、同d/q逆変換演算部37は、入力された回転角θに基づきd軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を三相の相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に変換しPWM演算部38に出力する。そして、PWM演算部38は、この各相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に基づいて、各相のDUTY指示値αu,αv,αwを生成する。即ち、本実施形態では、d/q変換演算部32、PI制御演算部33,34、d/q逆変換演算部37、及びPWM演算部38によりDUTY指示値生成手段が構成されている。
【0031】
また、本実施形態のマイコン11は、デッドタイムに起因する電流歪みを補償すべく各相のDUTY指示値αu,αv,αwを補正する判定手段及びデッドタイム補償手段としてのデッドタイム補償演算部39と、その補償量を決定する補償量決定手段としてのデッドタイム補償量決定部40とを備えている。そして、デッドタイム補償演算部39により補正された補正後のDUTY指示値αu´,αv´,αw´が、PWM出力手段としてのPWM出力部41に入力されるようになっている。
【0032】
詳述すると、デッドタイム補償量決定部40は、各相のデッドタイム補償量βu,βv,βwと回転角速度ωの絶対値とが各々関連付けられた補償量マップ40a〜40cを有しており(図4(a)〜(c)参照)、各補償量マップ40a〜40cにおいて各デッドタイム補償量βu,βv,βwは、回転角速度ωの絶対値が大となるほど小となるように設定されている。そして、デッドタイム補償量決定部40は、これら各補償量マップ40a〜40cに基づいて、回転角速度ωに応じた各デッドタイム補償量βu,βv,βwを決定する。
【0033】
つまり、本実施形態では、回転角速度ωの絶対値が大、即ちブラシレスモータ2が高速に回転するほど、デッドタイム補償量決定部40において、小さな値を有する各デッドタイム補償量βu,βv,βwが決定される。そして、デッドタイム補償演算部39は、このデッドタイム補償量決定部40により決定された各デッドタイム補償量βu,βv,βwに基づいて、各相のDUTY指示値αu,αv,αwを補正する。
【0034】
一方、デッドタイム補償演算部39には、各相のDUTY指示値αx(X=U,V,W)及びデッドタイム補償量βxとともに、その相電流値Ixが入力されるようになっており、デッドタイム補償演算部39は、各相電流値Ixに基づいて、各相の電流方向を判定する。そして、デッドタイム補償演算部39は、各相のDUTY指示値αxに対し、その電流方向に応じて、上記のデッドタイム補償量βxを加算又は減算することにより、同DUTY指示値αxを補正する。
【0035】
即ち、図5のフローチャートに示すように、デッドタイム補償演算部39は、X相のDUTY指示値αxの入力(ステップ101)、デッドタイム補償量βxの入力(ステップ102)、及びX相の相電流値Ixの入力がなされると(ステップ103)、先ず、その電流方向が「正」であるか否かを判定する(ステップ104)。そして、その電流方向が正方向(Ix>0、ステップ104:YES)である場合には、そのDUTY指示値αxに、上記ステップ102において入力されたデッドタイム補償量βxを加算することにより同DUTY指示値αxを補正し、その補正後のDUTY指示値αx´をPWM出力部41に出力する(αx´=αx+βx、ステップ105)。
【0036】
一方、上記ステップ104において、X相の電流方向が正方向ではないと判定した場合(ステップ104:NO)である場合には、マイコン11は、続いてその電流方向が「負」であるか否かを判定する(ステップ106)。そして、その電流方向が負方向(Ix<0、ステップ106:YES)である場合には、そのDUTY指示値αxから上記ステップ102において入力されたデッドタイム補償量βxを減算することにより同DUTY指示値αxを補正し、その補正後のDUTY指示値αx´をPWM出力部41に出力する(αx´=αx−βx、ステップ107)。
【0037】
尚、上記ステップ106において、X相の電流方向を「負」ではないと判定した場合(ステップ106:NO)、即ちX相の相電流値が「0」である場合には、デッドタイム補償演算部39は、上記ステップ101において入力されたDUTY指示値αxを補正しない(αx´=αx、ステップ108)。
【0038】
このように、デッドタイム補償演算部39は、各相毎に上記ステップ101〜ステップ108の処理を実行することにより、U,V,W相の各相のDUTY指示値αu,αv,αwを補正し、その補正後のDUTY指示値αu´,αv´,αw´をPWM出力部41に出力する。そして、PWM出力部41は、デッドタイム補償演算部39により補正された補正後のDUTY指示値αu´,αv´,αw´と搬送波である三角波δとの比較に基づいてゲートオン/オフ信号を生成し(図8参照)、そのゲートオン/オフ信号をPWMインバータ12へと出力する。
【0039】
次に、本実施形態のマイコン11によるモータ制御の処理手順について説明する。
本実施形態では、マイコン11は、定時割り込みにより所定周期毎(例えば200μ秒毎)に、図6のフローチャートに示すステップ201〜ステップ211の各処理を実行する。
【0040】
即ち、マイコン11は、先ず、上記各センサの出力信号に基づいて各状態量(相電流値Iu,Iv,Iw、回転角θ、操舵トルクτ、車速V)を検出し(ステップ201)、続いてブラシレスモータ2が発生するアシストトルクの制御目標であるq軸電流指令値Iq*、並びにd軸電流指令値Id*(Id*=0)を演算する(ステップ202)。そして、d/q変換により、上記ステップ201において検出された相電流値Iu,Iv,Iwをd軸電流値Id及びq軸電流値Iqに変換する(ステップ203)。
【0041】
次に、マイコン11は、回転角θを時間で微分する(前回制御時の値と今回の値の差分値を所定周期で除する)ことにより、ブラシレスモータ2の回転角速度ωを演算し(ステップ204)、続いてその回転角速度ωに応じたフィードバックゲイン、即ちd軸比例ゲインKdp及びd軸積分ゲインKdi、並びにq軸比例ゲインKqp及びq軸積分ゲインKqiを決定する(ステップ205)。そして、このステップ205において決定した各フィードバックゲインを用いて、d軸電流指令値Id*とd軸電流値Id、並びにq軸電流指令値Iq*とq軸電流値Iqとの偏差に基づくフィードバック制御演算(比例・積分制御)を実行することにより、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を演算する(ステップ206)。
【0042】
続いて、マイコン11は、d/q逆変換により、上記ステップ206において演算したd軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を三相の相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に変換する(ステップ207)。そして、この相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に基づいて各相のDUTY指示値αu,αv,αwを生成する(PWM制御演算、ステップ208)。
【0043】
次に、マイコン11は、上記ステップ204において演算された回転角速度ωに基づいて、同回転角速度ωに応じた各相のデッドタイム補償量βu,βv,βwを決定し(ステップ209)、そのデッドタイム補償量βu,βv,βwを用いてDUTY指示値αu,αv,αwを補正する(デッドタイム補償演算(図5参照)、ステップ210)。そして、このステップ210において演算された補正後のDUTY指示値αu´,αv´,αw´に基づいてゲートオン/オフ信号を生成し、そのゲートオン/オフ信号をPWMインバータ12に出力する(PWM出力、ステップ211)。
【0044】
(作用・効果)
次に、上記のように構成された本実施形態のEPS1の作用・効果について説明する。
上述のように、マイコンによるソフトウェアサーボでは、ゲートオン/オフ信号の出力(更新)は、定時割り込みにより所定周期毎に行われる。そのため、モータが高速回転するほど、ゲートオン/オフ信号の一出力(更新)あたりのモータ回転数が増加する、即ちモータ制御が粗くなる傾向があり、その結果、オン/オフ信号の更新までの間の電流ゼロクロス点の移動によって、上記デッドタイム補償の切替タイミングにズレが生じてしまう。つまり、本来、DUTY指示値αxにデッドタイム補償量βxを加算すべきところを減算する、或いは減算すべきところを加算してしまい、却って電流歪みを助長する場合がある。
【0045】
この点を踏まえ、本実施形態のマイコン11は、ブラシレスモータ2の回転角速度ωを演算する回転角速度演算部35と、その回転角速度ωに基づいて、フィードバックゲイン(Kdp,Kdi,Kqp,Kqi)を決定するフィードバックゲイン決定部36と、デッドタイム補償量βu,βv,βwを決定するデッドタイム補償量決定部40とを備える。そして、フィードバックゲイン決定部36は、回転角速度ωの絶対値が大、即ちブラシレスモータ2が高速に回転するほど、追従性の高い大きな値を有するフィードバックゲイン(Kdp,Kdi,Kqp,Kqi)を決定し、デッドタイム補償量決定部40は、回転角速度ωの絶対値が大となるほど小さな値を有するデッドタイム補償量βu,βv,βwを決定する。
【0046】
このように構成すれば、ブラシレスモータ2の回転角速度ωの絶対値が大となる場合、即ちモータ制御が粗くなる高速回転時には、DUTY指示値αx(X=U,V,W)に加算又は減算されるデッドタイム補償量βxの値が小さくなるため、その切替タイミングにズレが発生した場合であっても、その逆転による影響は小さなものとなる。そして、このデッドタイム補償量βxの低減による電流歪みは、各フィードバックゲインの増大、即ちフィードバック制御の追従性向上により抑制することが可能である。また、従来同様に、低速回転時におけるフィードバックゲインを低く設定してノイズの影響による騒音や振動を回避しつつ、デッドタイムによる電流歪みは、デッドタイム補償量βxの加算又は減算により抑制することができる。従って、回転速度に関わらず、精度良くデッドタイムの設定に伴う電流歪みを補償することができる。
【0047】
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、デッドタイム補償量決定部40は、回転角速度ωの絶対値が大となるほど小さな値を有するデッドタイム補償量βxを決定することとした。しかし、これに限らず、回転角速度ωの絶対値が予め設定された所定値より大きい場合には、デッドタイム補償量βxの値を回転角速度ωの絶対値が所定値以下である場合の値よりも小とする構成としてもよい。また、その際、回転角速度ωの絶対値が所定値より大きい場合のデッドタイム補償量βxの値をゼロ、即ち、回転角速度ωが所定値より大きい場合には、実質的にデッドタイム補償量βxの加算又は減算によるデッドタイム補償を行わないこととしてもよい。このような構成としても本実施形態と同様の効果を得ることができる。特に、デッドタイム補償量βxをゼロとすることで、DUTY指示値αxへのデッドタイム補償量βxの加算又は減算の逆転に伴う電流歪みの発生を排除することができる。尚、この場合の所定値としては、実験やシュミュレーション等により求めたデッドタイム補償量βxの加算又は減算の逆転が発生しうる回転角速度ωの値を設定するとよい。
【0048】
・本実施形態では、フィードバックゲイン決定部36は、ゲインマップ36a〜36dに基づいて、また、デッドタイム補償量決定部40は、補償量マップ40a〜40cに基づいて、回転角速度ωに応じたフィードバックゲイン(Kdp,Kdi,Kqp,Kqi)、並びにデッドタイム補償量βu,βv,βwを決定することとした。しかし、これに限らず、回転角速度ωの関数を用いて決定する構成としてもよい。また、マップ演算により決定する場合であっても、そのマップ形状は、ゲインマップ36a〜36d及び補償量マップ40a〜40cに限るものではなく、回転角速度ωの絶対値が大となるに従って、デッドタイム補償量は単調減少、フィードバックゲインは単調増加する構成であればよい。
【0049】
・更に、比例ゲイン及び積分ゲインは、必ずしも回転角速度ωの絶対値が大となるに従って、「ともに」大とする必要はなく、比例ゲイン又は積分ゲインの何れかのみを大としてもよく、結果的にフィードバック制御の追従性(応答性)が向上するのであれば、場合によっては、他方を小とする構成であってもよい。
【0050】
次に、以上の実施形態から把握することのできる請求項以外の技術的思想を記載する。
(イ)請求項1〜請求項4のうちの何れか一項に記載のモータ制御装置において、DUTY指示値生成手段は、前記ブラシレスモータに供給される三相の相電流値をd/q座標系のd軸電流値及びq軸電流値に変換するd/q変換手段と、該d軸電流値及びq軸電流値とd軸電流指令値及びq軸電流指令値との各偏差に基づくフィードバック制御によりd軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を演算するフィードバック制御手段と、該d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を三相の相電圧指令値に変換するd/q逆変換手段と、該各相電圧指令値に基づいてDUTY指示値を演算するPWM演算手段とを備え、前記ゲイン演算部は、前記フィードバックゲインとして、d軸及びq軸に対応する各比例ゲイン及び積分ゲインを演算すること、を特徴とするモータ制御装置。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】EPSの概略構成図。
【図2】ECUの概略構成を示すブロック図。
【図3】(a)〜(d)ゲインマップの概略構成図。
【図4】(a)〜(c)補償量マップの概略構成図。
【図5】デッドタイム補償演算の処理手順を示すフローチャート。
【図6】モータ制御の処理手順を示すフローチャート。
【図7】PWMインバータを構成するアームの概略図。
【図8】デッドタイム補償の作用を説明する波形図。
【符号の説明】
【0052】
1…EPS、2,53…ブラシレスモータ、3…ECU、11…マイコン、12…PWMインバータ、17,18…電流センサ、19…回転角センサ、21a〜21f…FET、22u,22v,22w,52…アーム、25…直流電源、31…電流指令値演算部、32…d/q変換演算部、33,34…PI制御演算部、35…回転角速度演算部、36…フィードバックゲイン決定部、36a〜36d…ゲインマップ、37…d/q逆変換演算部、38…PWM演算部、39…デッドタイム補償演算部、40…デッドタイム補償量決定部、41…PWM出力部、51a,51b…スイッチング素子、θ…回転角、ω…回転角速度、Ix(Iu,Iv,Iw)…相電流値、Id…d軸電流値、Iq…q軸電流値、Id*…d軸電流指令値、Iq*…q軸電流指令値、Vd*…d軸電圧指令値、Vq*…q軸電圧指令値、Vu*,Vv*,Vw*…相電圧指令値、αx(αu,αv,αw),αx´(αu´,αv´,αw´)…DUTY指示値、β,βx(βu,βv,βw)…デッドタイム補償量。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流指令値と実電流値との偏差に基づくフィードバック制御によりDUTY指示値を生成するDUTY指示値生成手段と、前記DUTY指示値と搬送波との比較によりゲートオン/オフ信号を出力するPWM出力手段と、直列接続された一対のスイッチング素子を並列接続してなり各スイッチング素子が前記ゲートオン/オフ信号に基づきオン/オフすることにより直流電源を三相の駆動電力に変換してブラシレスモータに供給するPWMインバータとを備え、前記各スイッチング素子のオン/オフ切替時にはそのアーム短絡を防止するためのデッドタイムが設定されるとともに、前記ゲートオン/オフ信号は所定周期毎に更新されるモータ制御装置であって、
各相の電流方向を判定する判定手段と、
前記ブラシレスモータの回転角速度を演算する回転角速度演算手段と、
前記回転角速度に基づいて、前記DUTY指示値を補正するための補償量を決定する補償量決定手段と、
前記電流方向に応じて、前記DUTY指示値に前記補償量を加算又は減算するデッドタイム補償手段と、
前記回転角速度に基づいて、前記フィードバック制御のフィードバックゲインを決定するゲイン決定手段とを備え、
前記補償量決定手段は、前記回転角速度の絶対値が大となるほど前記補償量を小とし、前記ゲイン決定手段は、前記回転角速度の絶対値が大となるほど前記フィードバック制御の応答性を高めるべく前記フィードバックゲインを変更すること、
を特徴とするモータ制御装置。
【請求項2】
電流指令値と実電流値との偏差に基づくフィードバック制御によりDUTY指示値を生成するDUTY指示値生成手段と、前記DUTY指示値と搬送波との比較によりゲートオン/オフ信号を出力するPWM出力手段と、直列接続された一対のスイッチング素子を並列接続してなり各スイッチング素子が前記ゲートオン/オフ信号に基づきオン/オフすることにより直流電源を三相の駆動電力に変換してブラシレスモータに供給するPWMインバータとを備え、前記各スイッチング素子のオン/オフ切替時にはそのアーム短絡を防止するためのデッドタイムが設定されるとともに、前記ゲートオン/オフ信号は所定周期毎に更新されるモータ制御装置であって、
各相の電流方向を判定する判定手段と、
前記ブラシレスモータの回転角速度を演算する回転角速度演算手段と、
前記回転角速度に基づいて、前記DUTY指示値を補正するための補償量を決定する補償量決定手段と、
前記電流方向に応じて、前記DUTY指示値に前記補償量を加算又は減算するデッドタイム補償手段と、
前記回転角速度に基づいて、前記フィードバック制御のフィードバックゲインを決定するゲイン決定手段とを備え、
前記補償量決定手段は、前記回転角速度の絶対値が大となるほど前記補償量を小とし、前記ゲイン決定手段は、前記回転角速度の絶対値が大となるほど前記フィードバックゲインを大とすること、を特徴とするモータ制御装置。
【請求項3】
電流指令値と実電流値との偏差に基づくフィードバック制御によりDUTY指示値を生成するDUTY指示値生成手段と、前記DUTY指示値と搬送波との比較によりゲートオン/オフ信号を出力するPWM出力手段と、直列接続された一対のスイッチング素子を並列接続してなり各スイッチング素子が前記ゲートオン/オフ信号に基づきオン/オフすることにより直流電源を三相の駆動電力に変換してブラシレスモータに供給するPWMインバータとを備え、前記各スイッチング素子のオン/オフ切替時にはそのアーム短絡を防止するためのデッドタイムが設定されるとともに、前記ゲートオン/オフ信号は所定周期毎に更新されるモータ制御装置であって、
各相の電流方向を判定する判定手段と、
前記ブラシレスモータの回転角速度を演算する回転角速度演算手段と、
前記回転角速度に基づいて、前記DUTY指示値を補正するための補償量を決定する補償量決定手段と、
前記電流方向に応じて、前記DUTY指示値に前記補償量を加算又は減算するデッドタイム補償手段と、
前記回転角速度に基づいて、前記フィードバック制御のフィードバックゲインを決定するゲイン決定手段とを備え、
前記ゲイン決定手段は、前記回転角速度の絶対値が大となるほど前記フィードバックゲインを大とし、前記補償量決定手段は、前記回転角速度の絶対値が所定値より大きい場合には、前記補償量の値を前記回転角速度の絶対値が前記所定値以下である場合の値よりも小とすること、を特徴とするモータ制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載のモータ制御装置において、
前記補償量決定手段は、前記回転角速度の絶対値が前記所定値より大きい場合の前記補償量の値をゼロとすること、を特徴とするモータ制御装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のうちの何れか一項に記載のモータ制御装置を備えた電動パワーステアリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−81260(P2006−81260A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−260611(P2004−260611)
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【出願人】(302066630)株式会社ファーベス (138)
【出願人】(000003470)豊田工機株式会社 (198)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】