説明

モータ制御装置

【課題】d軸とq軸の相互干渉成分を補正してモータを制御するモータ制御装置において、モータの制御状態が変化した際に発生する電流の脈動や収束遅れを抑えることができるモータ制御装置を提供する。
【解決手段】モータ制御装置1は、補正値生成部104と、フィルタ部105とを備えている。補正値生成部104は、d軸電流指令Id*、q軸電流指令Iq*、角速度ωに基づいてd軸とq軸の相互干渉成分を補正するためのd軸補正値、q軸補正値を生成する。フィルタ部105は、d軸補正値、q軸補正値に含まれる周波数成分のうち、特定の周波数成分を通過させる。しかも、車両駆動用モータM1の制御状態に応じて、その特性が変化する。そのため、車両駆動用モータM1の制御状態が変化した際に発生する高周波成分を適切に除去することができる。従って、車両駆動用モータM1の制御状態が変化した際に発生する電流の脈動や収束遅れを抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、d軸とq軸の相互干渉成分を補正してモータを制御するモータ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、d軸とq軸の相互干渉成分を補正してモータを制御するモータ制御装置として、例えば、特許文献1に開示されている交流電動機の制御装置がある。
【0003】
この制御装置は、第1のローパスフィルタと、電流指令生成部と、3相/dq軸変換器と、電流PI制御器と、非干渉制御器と、第2のローパスフィルタと、非干渉誤差補正器と、インバータとを備えている。
【0004】
第1のローパスフィルタは、電流指令生成部に入力されるトルク指令に含まれる周波数成分のうち、高周波成分を除去する。電流指令生成部は、高周波成分の除去されたトルク指令に基づいてd軸電流指令値及びq軸電流指令値を算出する。3相/dq軸変換器は、モータに流れる3相電流をd軸電流値及びq軸電流値に変換して出力する。電流PI制御器は、d軸電流指令値及びq軸電流指令値と、d軸電流値及びq軸電流値に基づいてd軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を算出する。
【0005】
一方、非干渉制御器は、d軸電流指令値及びq軸電流指令値と、d軸インダクタンス及びq軸インダクタンスと、モータの角速度に基づいてd軸干渉成分及びq軸干渉成分を算出する。第2のローパスフィルタは、d軸電流値及びq軸電流値に含まれる周波数成分のうち、高周波成分を除去する。非干渉誤差補正器は、d軸電流指令値及びq軸電流指令値と、高周波成分の除去されたd軸電流値及びq軸電流値と、d軸インダクタンス及びq軸インダクタンスと、モータの角速度に基づいてd軸干渉成分誤差及びq軸干渉成分誤差を算出する。
【0006】
そして、d軸干渉成分及びq軸干渉成分と、d軸干渉成分誤差及びq軸干渉成分誤差に基づいて、d軸電圧指令及びq軸電圧指令を補正するとともに、補正したd軸電圧指令及びq軸電圧指令に基づいてPWM信号を算出してインバータを制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−119245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、モータを制御する際、必要に応じて制御モードを切替える場合がある。制御モードとしては、例えば、正弦波制御、過変調制御、矩形波制御等である。制御モードが切替わると、モータの制御状態が変化する。それに伴って、各部の波形に含まれる高周波成分も変化する。
【0009】
しかし、前述したローパスフィルタの特性は固定されている。そのため、制御モードが切替わった際に発生する高周波成分を適切に除去できない。その結果、制御モードの切替わり時に、電流の脈動や収束遅れが発生してしまうという問題があった。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、d軸とq軸の相互干渉成分を補正してモータを制御するモータ制御装置において、モータの制御状態が変化した際に発生する電流の脈動や収束遅れを抑えることができるモータ制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、本発明者は、この課題を解決すべく鋭意研究し試行錯誤を重ねた結果、モータの制御状態に応じてフィルタ手段の特性を変化させることで、d軸とq軸の相互干渉成分を補正してモータを制御するモータ制御装置において、モータの制御状態が変化した際に発生する電流の脈動や収束遅れを抑えられることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、請求項1に記載のモータ制御装置は、入力されるトルク指令に基づいてd軸電流指令及びq軸電流指令を生成し出力する電流指令生成手段と、モータに流れるd軸電流及びq軸電流を検出してd軸電流値及びq軸電流値として出力する電流検出手段と、入力されるd軸電流指令及びq軸電流指令と、d軸電流値及びq軸電流値の比較結果に基づいてd軸電圧指令及びq軸電圧指令を生成し出力する電圧指令生成手段と、入力されるトルク指令、d軸電流指令及びq軸電流指令、又は、d軸電流値及びq軸電流値のいずれかに基づいて、d軸とq軸の相互干渉成分を補正するためのd軸補正値及びq軸補正値を生成し出力する補正値生成手段と、補正値生成手段の入力及び出力の少なくともいずれかに含まれる周波数成分のうち、特定の周波数成分を通過させ、他の周波数成分を阻止するフィルタ手段と、入力されるd軸補正値及びq軸補正値に基づいて、入力されるd軸電圧指令及びq軸電圧指令を補正するとともに、補正したd軸電圧指令及び補正したq軸電圧指令に基づいてPWM信号を生成し出力するPWM信号生成手段と、スイッチング素子を有し、PWM信号に基づいてスイッチング素子をスイッチングし、入力される直流電力を交流電力に変換してモータに供給する電力変換手段と、を備えたモータ制御装置において、フィルタ手段は、モータの制御状態に応じて特性が変化することを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、モータの制御状態が変化すると、それに伴って、各部の波形に含まれる高周波成分も変化する。しかし、フィルタ手段の特性は、従来と異なりモータの制御状態に応じて変化する。そのため、モータの制御状態が変化した際に発生する高周波成分を適切に除去することができる。従って、d軸とq軸の相互干渉成分を補正してモータを制御するモータ制御装置において、モータの制御状態が変化した際に発生する電流の脈動や収束遅れを抑えることができる。
【0014】
請求項2に記載のモータ制御装置は、フィルタ手段は、d軸電流指令及びq軸電流指令、d軸電流値及びq軸電流値、d軸電圧指令及びq軸電圧指令、並びに、補正したd軸電圧指令及び補正したq軸電圧指令の少なくともいずれかに基づいて特性が変化することを特徴する。この構成によれば、d軸電流指令及びq軸電流指令、d軸電流値及びq軸電流値、d軸電圧指令及びq軸電圧指令、並びに、補正したd軸電圧指令及び補正したq軸電圧指令の少なくともいずれかが変化すると、モータの制御状態が変化する。そのため、d軸電流指令及びq軸電流指令、d軸電流値及びq軸電流値、d軸電圧指令及びq軸電圧指令、並びに、補正したd軸電圧指令及び補正したq軸電圧指令の少なくともいずれかに基づいてモータの制御状態を判断することができる。従って、モータの制御状態が変化した際に発生する電流の脈動や収束遅れを確実に抑えることができる。
【0015】
請求項3に記載のモータ制御装置は、フィルタ手段は、モータの誘起電圧、温度、抵抗、インダクタンス、回転角度及び回転速度の少なくともいずれかに基づいて特性が変化することを特徴とする。この構成によれば、モータの制御状態が変化すると、モータの誘起電圧、温度、抵抗、インダクタンス、回転角度及び回転速度が変化する。つまり、モータの誘起電圧、温度、抵抗、インダクタンス、回転角度及び回転速度の少なくともいずれかに基づいてモータの制御状態を判断することができる。そのため、モータの制御状態が変化した際に発生する電流の脈動や収束遅れを確実に抑えることができる。
【0016】
請求項4に記載のモータ制御装置は、フィルタ手段は、電力変換手段の入力電圧、出力電圧、変調率、スイッチング素子のスイッチング周波数及びスイッチング状態の少なくともいずれかに基づいて特性が変化することを特徴とする。ここで、変調率とは、電力変換手段の入力電圧に対する電圧指令の割合のことである。この構成によれば、電力変換手段の入力電圧、出力電圧、変調率、スイッチング素子のスイッチング周波数及びスイッチング状態の少なくともいずれかが変化すると、モータの制御状態が変化する。そのため、電力変換手段の入力電圧、出力電圧、変調率、スイッチング素子のスイッチング周波数及びスイッチング状態の少なくともいずれかに基づいてモータの制御状態を判断することができる。従って、モータの制御状態が変化した際に発生する電流の脈動や収束遅れを確実に抑えることができる。
【0017】
請求項5に記載のモータ制御装置は、フィルタ手段は、特性の異なる複数のフィルタと、モータの制御状態に応じて複数のフィルタの中から1つのフィルタを選択する選択部と、を有することを特徴とする。この構成によれば、モータの制御状態に応じてフィルタ手段の特性を確実に変化させることができる。
【0018】
請求項6に記載のモータ制御装置は、フィルタ手段は、設定した特性値に応じて特性が変化するフィルタを有し、モータの制御状態に応じて特性値が変化することを特徴とする。この構成によれば、モータの制御状態に応じてフィルタ手段の特性を確実に変化させることができる。
【0019】
請求項7に記載のモータ制御装置は、車両に搭載されたモータを制御することを特徴とする。この構成によれば、車両に搭載されたモータを制御するモータ制御装置において、モータの制御状態が変化した際に発生する電流の脈動や収束遅れを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施形態におけるモータ制御装置の回路図である。
【図2】従来のようにフィルタ部の特性が固定されている場合における、d軸電流指令及びq軸電流指令に対するd軸電流値及びq軸電流値を示すグラフである。
【図3】第1実施形態における、d軸電流指令及びq軸電流指令に対するd軸電流値及びq軸電流値を示すグラフである。
【図4】第2実施形態におけるモータ制御装置の回路図である。
【図5】第3実施形態におけるモータ制御装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。本実施形態では、本発明に係るモータ制御装置を、車両に搭載され、車両駆動用モータを制御するモータ制御装置に適用した例を示す。
【0022】
(第1実施形態)
まず、図1を参照して第1実施形態のモータ制御装置の構成について説明する。ここで、図1は、第1実施形態におけるモータ制御装置の回路図である。
【0023】
図1に示すモータ制御装置1は、高電圧バッテリから入力される直流電力を交流電力に変換して車両駆動用モータM1(モータ)に供給し、車両駆動用モータM1を制御する装置である。ここで、車両駆動用モータM1は、車両駆動用モータM1の回転角度θを検出して出力する回転角度センサS1を有している。モータ制御装置1は、制御回路10と、インバータ回路11(電力変換手段)とを備えている。
【0024】
制御回路10は、外部から入力されるトルク指令に基づいてインバータ回路を制御する回路である。制御回路10は、電流指令生成部100(電流指令生成手段)と、電流検出部101(電流検出手段)と、電圧指令生成部102(電圧指令生成手段)と、角速度変換部103と、補正値生成部104(補正値生成手段)と、フィルタ部105(フィルタ手段)と、PWM信号生成部106(PWM信号生成手段)とを備えている。
【0025】
電流指令生成部100は、外部から入力されるトルク指令に基づいてd軸電圧指令Id*及びq軸電圧指令Iq*を生成し出力するブロックである。
【0026】
電流検出部101は、車両駆動用モータM1に流れるd軸電流及びq軸電流を検出してd軸電流値Id及びq軸電流値Iqとして出力するブロックである。具体的には、車両駆動用モータM1に流れるU相電流Iu及びW相電流Iwを検出し、車両駆動用モータM1の回転角度θに基づいて3相/2相変換してd軸電流値Id及びq軸電流値Iqを求め出力する。電流検出部101は、電流センサ101a、101bと、3相/2相変換部101cとを備えている。
【0027】
電流センサ101a、101bは、車両駆動用モータM1に流れるU相電流Iu及びW相電流Iwを検出する素子である。電流センサ101aは、車両駆動用モータM1のU相配線に設けられている。電流センサ101bは、車両駆動用モータM1のW相配線に設けられている。
【0028】
3相/2相変換部101cは、電流センサ101a、101bの検出したU相電流Iu及びW相電流Iwを、回転角度センサS1の検出した車両駆動用モータM1の回転角度θに基づいて3相/2相変換してd軸電流値Id及びq軸電流値Iqを求めるブロックである。
【0029】
電圧指令生成部102は、電流指令生成部100から入力されるd軸電流指令Id*及びq軸電流指令Iq*と、3相/2相変換部101cから入力されるd軸電流値Id及びq軸電流値Iqの比較結果に基づいてd軸電圧指令Vd*及びq軸電圧指令Vq*を生成し出力するブロックである。具体的には、d軸電流指令Id*及びq軸電流指令Iq*と、d軸電流値Id及びq軸電流値Iq*の偏差を比例積分し、d軸電圧指令Vd*及びq軸電圧指令Vq*として出力する。
【0030】
角速度変換部103は、回転角度センサS1から入力される車両駆動用モータM1の回転角度θから角速度ωを求めるブロックである。
【0031】
補正値生成部104は、電流指令生成部100から入力されるd軸電流指令Id*及びq軸電流指令Iq*と、角速度変換部103から入力される車両駆動用モータM1の角速度ωに基づいて、d軸とq軸の相互干渉成分を補正するためのd軸補正値及びq軸補正値を生成し出力するブロックである。
【0032】
フィルタ部105は、補正値生成部104から入力されるd軸補正値及びq軸補正値に含まれる周波数成分のうち、特定の周波数成分を通過させ、他の周波数成分を阻止するブロックである。しかも、車両駆動用モータM1の制御状態に応じて、その特性が変化するブロックである。フィルタ部105は、特性の異なる第1及び第2フィルタ105a、105b(複数のフィルタ)と、選択部105cとを備えている。
【0033】
第1及び第2フィルタ105a、105bは、補正値生成部104から入力されるd軸補正値及びq軸補正値に含まれる周波数成分のうち、予め設定されているカットオフ周波数以下の周波数成分を通過させるローパスフィルタを構成するブロックである。第1フィルタ105aのカットオフ周波数と、第2フィルタ105bのカットオフ周波数は、車両駆動用モータM1の制御状態に応じた互いに異なる値に設定されている。
【0034】
選択部105cは、車両駆動用モータM1の制御状態に応じて第1フィルタ105aと第2フィルタ105bの中から1つのフィルタを選択するブロックである。具体的には、後述する加算部106a、106bから入力される、補正したd軸電圧指令Vd**及び補正したq軸電圧指令Vq**に基づいて、第1フィルタ105aと第2フィルタ105bの中から1つのフィルタを選択する。
【0035】
PWM信号生成部106は、フィルタ部105から入力される高周波成分の除去されたd軸補正値及びq軸補正値に基づいて、電圧指令生成部101から入力されるd軸電圧指令Vd*及びq軸電圧指令Vq*を補正するとともに、補正したd軸電圧指令Vd**及び補正したq軸電圧指令Vq**に基づいてPWM信号を生成し出力するブロックである。PWM信号生成部106は、加算部106a、106bと、2相/3相変換部106cと、PWM信号変換部106dとを備えている。
【0036】
加算部106aは、d軸電圧指令Vd*にd軸補正値を加算して補正したd軸電圧指令Vd**を求めるブロックである。
【0037】
加算部106bは、q軸電圧指令Vq*にq軸補正値を加算して補正したq軸電圧指令Vq**を求めるブロックである。
【0038】
2相/3相変換部106cは、加算部106a、106bから入力される補正したd軸電圧指令Vd**及び補正したq軸電圧指令Vq**を、回転角度センサS1の検出した車両駆動用モータM1の回転角度θに基づいて2相/3相変換してU相電圧指令Vu*、V相電圧指令Vv*及びW相電圧指令Vw*を求めるブロックである。
【0039】
PWM信号変換部106cは、2相/3相変換部106bから入力されるU相電圧指令Vu*、V相電圧指令Vv*及びW相電圧指令Vw*と、高電圧バッテリの直流電圧Vinに基づいてPWM信号を生成し出力するブロックである。
【0040】
ここで、電流指令生成部100、3相/2相変換部101、電圧指令生成部102、角速度変換部103、補正値生成部104、フィルタ部105及びPWM信号生成部106は、マイクロコンピュータとプログラムによって構成されている。
【0041】
インバータ回路11は、スイッチング素子を有し、PWM信号生成部106から入力されるPWM信号に基づいてスイッチング素子をスイッチングし、高電圧バッテリから入力される直流電力を交流電力に変換して車両駆動用モータM1に供給する回路である。インバータ回路11の入力端子は、高電圧バッテリに接続されている。出力端子は、車両駆動用モータM1に接続されている。
【0042】
次に、図1〜図3を参照してモータ制御装置の動作について説明する。ここで、図2は、従来のようにフィルタ部の特性が固定されている場合における、d軸電流指令及びq軸電流指令に対するd軸電流値及びq軸電流値を示すグラフである。図3は、第1実施形態における、d軸電流指令及びq軸電流指令に対するd軸電流値及びq軸電流値を示すグラフである。
【0043】
車両のイグニッションスイッチ(図略)がオンすると、図1に示すモータ制御装置1が動作を開始する。
【0044】
電流指令生成部100は、外部から入力されるトルク指令に基づいてd軸電圧指令Id*及びq軸電圧指令Iq*を生成し出力する。電流検出部101は、車両駆動用モータM1に流れるU相電流Iu及びW相電流Iwを検出し、車両駆動用モータM1の回転角度θに基づいて3相/2相変換してd軸電流値Id及びq軸電流値Iqを求め出力する。電圧指令生成部102は、電流指令生成部100から入力されるd軸電流指令Id*及びq軸電流指令Iq*と、電流検出部101の3相/2相変換部101cから入力されるd軸電流値Id及びq軸電流値Iq*の偏差を比例積分し、d軸電圧指令Vd*及びq軸電圧指令Vq*として出力する。
【0045】
一方、補正値生成部104は、電流指令生成部100から入力されるd軸電流指令Id*及びq軸電流指令Iq*と、角速度変換部103から入力される車両駆動用モータM1の角速度ωに基づいて、d軸とq軸の相互干渉成分を補正するためのd軸補正値及びq軸補正値を生成し出力する。フィルタ部105の第1及び第2フィルタ105a、105bは、補正値生成部104から入力されるd軸補正値及びq軸補正値に含まれる周波数成分のうち、予め設定されているカットオフ周波数以下の周波数成分を通過させる。選択部105cは、PWM信号生成部106の加算部106a、106bから入力される、補正したd軸電圧指令Vd**及び補正したq軸電圧指令Vq**に基づいて、第1フィルタ105aと第2フィルタ105bの中から1つのフィルタを選択する。つまり、補正したd軸電圧指令Vd**及び補正したq軸電圧指令Vq**に基づいてフィルタ部105の特性が変化する。
【0046】
PWM信号生成部106は、電圧指令生成部102から入力されるd軸電圧指令Vd*及びq軸電圧指令Vq*に、選択部105cによって選択された1つのフィルタから入力される高周波成分の除去されたd軸補正値及びq軸補正値をそれぞれ加算して、補正したd軸電圧指令Vd**及び補正したq軸電圧指令Vq**を求める。そして、補正したd軸電圧指令Vd**及び補正したq軸電圧指令Vq**を、回転角度センサS1の検出した車両駆動用モータM1の回転角度θに基づいて2相/3相変換してU相電圧指令Vu*、V相電圧指令Vv*及びW相電圧指令Vw*を求める。さらに、U相電圧指令Vu*、V相電圧指令Vv*及びW相電圧指令Vw*と、高電圧バッテリの直流電圧Vinに基づいてPWM信号を生成し出力する。
【0047】
インバータ回路11は、PWM信号生成部106から入力されるPWM信号に基づいてスイッチング素子をスイッチングし、高電圧バッテリから入力される直流電力を交流電力に変換して車両駆動用モータM1に供給する。このようにして、モータ制御装置1が車両駆動用モータM1を制御する。
【0048】
従来のように、フィルタ部の特性が固定されている場合、d軸電流指令Id*及びq軸電圧指令Iq*が変化し、それに伴って車両駆動用モータの制御状態が変化すると、例えば、図2に示すように、d軸電流値Idに、25Aの電流の脈動と、10msの収束遅れが発生する。これに対し、第1実施形態のように、フィルタ部105の特性が車両駆動用モータM1の制御状態に応じて変化すると、図3に示すように、d軸電流値Idの脈動が20Aに、収束遅れが5msに抑えられる。
【0049】
次に、効果について説明する。第1実施形態によれば、車両駆動用モータM1の制御状態が変化すると、それに伴って、各部の波形に含まれる高周波成分も変化する。しかし、フィルタ部105の特性は、従来と異なり車両駆動用モータM1の制御状態に応じて変化する。そのため、車両駆動用モータM1の制御状態が変化した際に発生する高周波成分を適切に除去することができる。従って、d軸とq軸の相互干渉成分を補正して、車両に搭載されたモータを制御するモータ制御装置1において、図2及び図3からわかるように、車両駆動用モータM1の制御状態が変化した際に発生する電流の脈動や収束遅れを抑えることができる。
【0050】
また、第1実施形態によれば、フィルタ部105は、補正したd軸電圧指令Vd**及び補正したq軸電圧指令Vq**に基づいて特性が変化する。補正したd軸電圧指令Vd**及び補正したq軸電圧指令Vq**が変化すると、車両駆動用モータM1の制御状態が変化する。そのため、補正したd軸電圧指令Vd**及び補正したq軸電圧指令Vq**に基づいて車両駆動用モータM1の制御状態を判断することができる。従って、車両駆動用モータM1の制御状態が変化した際に発生する電流の脈動や収束遅れを確実に抑えることができる。
【0051】
さらに、第1実施形態によれば、フィルタ部105は、特性の異なる第1及び第2フィルタ105a、105bと、車両駆動用モータM1の制御状態に応じて第1フィルタ105aと第2フィルタ105bの中から1つのフィルタを選択する選択部105cとを備えている。そのため、車両駆動用モータM1の制御状態に応じてフィルタ部105の特性を確実に変化させることができる。
【0052】
なお、第1実施形態では、フィルタ部105が、補正値生成手段104の出力側に設けられ、補正値生成手段104の出力に含まれる周波数成分のうち、特性の周波数成分を通過させる例を挙げているが、これに限られるものではない。補正値生成手段104の入力側に設けられ、補正値生成手段104の入力に含まれる周波数成分のうち、特性の周波数成分を通過させるようにしてもよい。
【0053】
また、第1実施形態では、補正したd軸電圧指令Vd**及び補正したq軸電圧指令Vq**に基づいてフィルタ部105の特性が変化する例を挙げているが、これに限られるものではない。d軸電流指令Id*及びq軸電流指令Iq*、d軸電流値Id及びq軸電流値Iq、並びに、d軸電圧指令Vd*及びq軸電圧指令Vq*の少なくともいずれかに基づいてフィルタ部105の特性が変化するようにしてもよい。d軸電流指令Id*及びq軸電流指令Iq*、d軸電流値Id及びq軸電流値Iq、並びに、d軸電圧指令Vd*及びq軸電圧指令Vq*の少なくともいずれかが変化すると、車両駆動用モータM1の制御状態が変化する。そのため、d軸電流指令Id*及びq軸電流指令Iq*、d軸電流値Id及びq軸電流値Iq、並びに、d軸電圧指令Vd*及びq軸電圧指令Vq*の少なくともいずれかに基づいて車両駆動用モータM1の制御状態を判断することができる。従って、この場合も、車両駆動用モータM1の制御状態が変化した際に発生する電流の脈動や収束遅れを確実に抑えることができる。
【0054】
さらに、第1実施形態では、フィルタ部105が、特性の異なる2つのフィルタを備えている例を挙げているが、これに限られるものではない。特性の異なる3つ以上のフィルタを備えていてもよい。この場合、車両駆動用モータM1の制御状態に応じて、フィルタ部105の特性をより細かく変化させることができる。
【0055】
加えて、第1実施形態では、フィルタ部105が、ローパスフィルタで構成されている例を挙げているが、これに限られるものではない。バンドパスフィルタで構成してもよい。
【0056】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のモータ制御装置について説明する。第2実施形態のモータ制御装置は、第1実施形態のモータ制御装置が、補正したd軸電圧指令Vd**及び補正したq軸電圧指令Vq**に基づいてフィルタ部の特性が変化するのに対して、角速度ω(回転速度)、d軸電圧指令Id*及びq軸電圧指令Iq*に基づいてフィルタ部の特性が変化するようにしたものである。第2実施形態のモータ制御装置は、フィルタ部の構成を除いて第1実施形態のモータ制御装置と同一構成である。
【0057】
まず、図4を参照してモータ制御装置の構成について説明する。ここで、図4は、第2実施形態におけるモータ制御装置の回路図である。
【0058】
図4に示すモータ制御装置2は、制御回路20と、インバータ回路21とを備えている。
【0059】
制御回路20は、電流指令生成部200(電流指令生成手段)と、電流検出部201(電流検出手段)と、電圧指令生成部202(電圧指令生成手段)と、角速度変換部203と、補正値生成部204(補正値生成手段)と、フィルタ部205(フィルタ手段)と、PWM信号生成部206(PWM信号生成手段)とを備えている。電流指令生成部200、電流検出部201、電圧指令生成部202、角速度変換部203、補正値生成部204及びPWM信号生成部206は、第1実施形態の電流指令生成部100、電流検出部101、電圧指令生成部102、角速度変換部103、補正値生成部104及びPWM信号生成部106と同一構成である。
【0060】
また、インバータ回路21も、第1実施形態のインバータ回路11と同一構成である。
【0061】
フィルタ部205は、第1及び第2フィルタ205a、205b(複数のフィルタ)と、選択部205cとを備えている。
【0062】
第1及び第2フィルタ205a、205bは、第1実施形態の第1及び第2フィルタ105a、105bと同一構成である。
【0063】
選択部205cは、車両駆動用モータM2の制御状態に応じて第1フィルタ205aと第2フィルタ205bの中から1つのフィルタを選択するブロックである。具体的には、電流指令生成部200から入力されるd軸電流指令Id*及びq軸電流指令Iq*、並びに、角速度変換部203から入力される車両駆動用モータM2の角速度ωに基づいて、第1フィルタ205aと第2フィルタ205bの中から1つのフィルタを選択する。
【0064】
つまり、d軸電流指令Id*及びq軸電流指令Iq*、並びに、車両駆動用モータM1の角速度ωに基づいてフィルタ部205の特性が変化する。
【0065】
動作については、フィルタ部を除いて第1実施形態のモータ制御装置と同一であるため、説明を省略する。
【0066】
次に、効果について説明する。第2実施形態によれば、フィルタ部205は、d軸電流指令Id*及びq軸電流指令Iq*に基づいて特性が変化する。d軸電流指令Id*及びq軸電流指令Iq*が変化すると、車両駆動用モータM2の制御状態が変化する。そのため、d軸電流指令Id*及びq軸電流指令Iq*に基づいて車両駆動用モータM2の制御状態を判断することができる。従って、車両駆動用モータM2の制御状態が変化した際に発生する電流の脈動や収束遅れを確実に抑えることができる。
【0067】
また、第2実施形態によれば、フィルタ部205は、車両駆動用モータM2の角速度ωに基づいて特性が変化する。車両駆動用モータM2の制御状態が変化すると、車両駆動用モータM2の角速度ωが変化する。つまり、車両駆動用モータM2の角速度ωに基づいて車両駆動用モータM2の制御状態を判断することができる。そのため、車両駆動用モータM2の制御状態が変化した際に発生する電流の脈動や収束遅れを確実に抑えることができる。
【0068】
なお、第2実施形態では、d軸電流指令Id*及びq軸電流指令Iq*に基づいてフィルタ部205の特性が変化する例を挙げているが、これに限られるものではない。d軸電流値Id及びq軸電流値Iq、d軸電圧指令Vd*及びq軸電圧指令Vq*、並びに、補正したd軸電圧指令Vd**及び補正したq軸電圧指令Vq**の少なくともいずれかに基づいてフィルタ部205の特性が変化するようにしてもよい。d軸電流値Id及びq軸電流値Iq、d軸電圧指令Vd*及びq軸電圧指令Vq*、並びに、補正したd軸電圧指令Vd**及び補正したq軸電圧指令Vq**の少なくともいずれかが変化すると、車両駆動用モータM2の制御状態が変化する。そのため、d軸電流値Id及びq軸電流値Iq、d軸電圧指令Vd*及びq軸電圧指令Vq*、並びに、補正したd軸電圧指令Vd**及び補正したq軸電圧指令Vq**の少なくともいずれかに基づいて車両駆動用モータM2の制御状態を判断することができる。従って、この場合も、車両駆動用モータM2の制御状態が変化した際に発生する電流の脈動や収束遅れを確実に抑えることができる。
【0069】
また、第2実施形態では、車両駆動用モータM2の角速度ωに基づいてフィルタ部205の特性が変化する例を挙げているが、これに限られるものではない。車両駆動用モータM2の誘起電圧、温度、抵抗、インダクタンス及び回転角度θの少なくともいずれかに基づいてフィルタ部205の特性が変化するようにしてもよい。車両駆動用モータM2の制御状態が変化すると、車両駆動用モータM2の誘起電圧、温度、抵抗、インダクタンス及び回転角度θが変化する。つまり、車両駆動用モータM2の誘起電圧、温度、抵抗、インダクタンス及び回転角度θの少なくともいずれかに基づいて車両駆動用モータM2の制御状態を判断することができる。そのため、車両駆動用モータM2の制御状態が変化した際に発生する電流の脈動や収束遅れを確実に抑えることができる。
【0070】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態のモータ制御装置について説明する。第3実施形態のモータ制御装置は、第1実施形態のモータ制御装置が、第1及び第2フィルタの中から1つのフィルタを選択することでフィルタ部の特性が変化するのに対して、フィルタ部に設定されている特性値を変えることで特性が変化するようにしたものである。第3実施形態のモータ制御装置は、フィルタ部の構成を除いて第1実施形態のモータ制御装置と同一構成である。
【0071】
まず、図5を参照してモータ制御装置の構成について説明する。ここで、図5は、第3実施形態におけるモータ制御装置の回路図である。
【0072】
図5に示すモータ制御装置3は、制御回路30と、インバータ回路31とを備えている。
【0073】
制御回路30は、電流指令生成部300(電流指令生成手段)と、電流検出部301(電流検出手段)と、電圧指令生成部302(電圧指令生成手段)と、角速度変換部303と、補正値生成部304(補正値生成手段)と、フィルタ部305(フィルタ手段)と、PWM信号生成部306(PWM信号生成手段)とを備えている。電流指令生成部300、電流検出部301、電圧指令生成部302、角速度変換部303、補正値生成部304及びPWM信号生成部306は、第1実施形態の電流指令生成部100、電流検出部101、電圧指令生成部102、角速度変換部103、補正値生成部104及びPWM信号生成部106と同一構成である。
【0074】
また、インバータ回路31も、第1実施形態のインバータ回路11と同一構成である。
【0075】
フィルタ部305は、設定したカットオフ周波数(特性値)に応じて特性が変化する1つのローパスフィルタ(フィルタ)によって構成されている。フィルタ305は、加算部306a、306bから入力される補正したd軸電圧指令Vd**及び補正したq軸電圧指令Vq**に基づいて、カットオフ周波数が変化する。
【0076】
つまり、補正したd軸電圧指令Vd**及び補正したq軸電圧指令Vq**に基づいてフィルタ部305の特性が変化する。
【0077】
動作については、フィルタ部を除いて第1実施形態のモータ制御装置と同一であるため、説明を省略する。
【0078】
次に、効果について説明する。第3実施形態によれば、フィルタ部305は、設定したカットオフ周波数に応じて特性が変化するローパスフィルタを備え、車両駆動用モータM3の制御状態に応じてカットオフ周波数が変化する。そのため、車両駆動用モータM3の制御状態に応じてフィルタ部305の特性を確実に変化させることができる。
【0079】
なお、第1〜第3実施形態では、補正値生成部が、d軸電流指令Id*及びq軸電流指令Iq*に基づいてd軸補正値及びq軸補正値を生成する例を挙げているが、これに限られるものではない。トルク指令、又は、d軸電流値Id及びq軸電流値Iqのいずれかに基づいて、d軸補正値及びq軸補正値を生成するようにしてもよい。
【0080】
また、第1及び第3実施形態では、補正したd軸電圧指令Vd**及び補正したq軸電圧指令Vq**に基づいてフィルタ部の特性が変化し、第2実施形態では、d軸電流指令Id*及びq軸電流指令Iq*、並びに、車両駆動用モータM2の角速度ωに基づいてフィルタ部の特性が変化する例を挙げているが、これに限られるものではない。インバータ回路の入力電圧、出力電圧、変調率、スイッチング素子のスイッチング周波数及びスイッチング状態の少なくともいずれかに基づいてフィルタ部の特性が変化するようにしてもよい。ここで、変調率とは、インバータ回路の入力電圧に対する電圧指令の割合のことである。インバータ回路の入力電圧、出力電圧、変調率、スイッチング素子のスイッチング周波数及びスイッチング状態の少なくともいずれかが変化すると、車両駆動用モータの制御状態が変化する。そのため、インバータ回路の入力電圧、出力電圧、変調率、スイッチング素子のスイッチング周波数及びスイッチング状態の少なくともいずれかに基づいて車両駆動用モータの制御状態を判断することができる。従って、車両駆動用モータの制御状態が変化した際に発生する電流の脈動や収束遅れを確実に抑えることができる。
【符号の説明】
【0081】
1〜3・・・モータ制御装置、10、20、30・・・制御回路、100、200、300・・・電流指令生成部(電流指令生成手段)、101、201、301・・・電流検出部(電流検出手段)、101a、101b、201a、201b、301a、301b・・・電流センサ、101c、201c、301c・・・3相/2相変換部、102、202、302・・・電圧指令生成部(電圧指令生成手段)、103、203、303・・・角速度変換部、104、204、304・・・補正値生成部(補正値生成手段)、105、205、305・・・フィルタ部(フィルタ手段)、105a、205a・・・第1フィルタ(フィルタ)、105b、205b・・・第2フィルタ(フィルタ)、105c、205c・・・選択部、106、206、306・・・PWM信号生成部(PWM信号生成手段)、106a、106b、206a、206b、306a、306b・・・加算部、106c、206c、306c・・・2相/3相変換部、106d、206d、306d・・・PWM信号変換部、11、21、31・・・インバータ回路(電力変換手段)、M1、M2、M3・・・車両駆動用モータ(モータ)、S1、S2、S3・・・回転角度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力されるトルク指令に基づいてd軸電流指令及びq軸電流指令を生成し出力する電流指令生成手段と、
モータに流れるd軸電流及びq軸電流を検出してd軸電流値及びq軸電流値として出力する電流検出手段と、
入力される前記d軸電流指令及び前記q軸電流指令と、前記d軸電流値及び前記q軸電流値の比較結果に基づいてd軸電圧指令及びq軸電圧指令を生成し出力する電圧指令生成手段と、
入力される前記トルク指令、前記d軸電流指令及び前記q軸電流指令、又は、前記d軸電流値及び前記q軸電流値のいずれかに基づいて、d軸とq軸の相互干渉成分を補正するためのd軸補正値及びq軸補正値を生成し出力する補正値生成手段と、
前記補正値生成手段の入力及び出力の少なくともいずれかに含まれる周波数成分のうち、特定の周波数成分を通過させ、他の周波数成分を阻止するフィルタ手段と、
入力される前記d軸補正値及び前記q軸補正値に基づいて、入力される前記d軸電圧指令及び前記q軸電圧指令を補正するとともに、補正したd軸電圧指令及び補正したq軸電圧指令に基づいてPWM信号を生成し出力するPWM信号生成手段と、
スイッチング素子を有し、前記PWM信号に基づいて前記スイッチング素子をスイッチングし、入力される直流電力を交流電力に変換してモータに供給する電力変換手段と、
を備えたモータ制御装置において、
前記フィルタ手段は、前記モータの制御状態に応じて特性が変化することを特徴とするモータ制御装置。
【請求項2】
前記フィルタ手段は、前記d軸電流指令及び前記q軸電流指令、前記d軸電流値及び前記q軸電流値、前記d軸電圧指令及び前記q軸電圧指令、並びに、前記補正したd軸電圧指令及び前記補正したq軸電圧指令の少なくともいずれかに基づいて特性が変化することを特徴する請求項1に記載のモータ制御装置。
【請求項3】
前記フィルタ手段は、前記モータの誘起電圧、温度、抵抗、インダクタンス、回転角度及び回転速度の少なくともいずれかに基づいて特性が変化することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
【請求項4】
前記フィルタ手段は、前記電力変換手段の入力電圧、出力電圧、変調率、前記スイッチング素子のスイッチング周波数及びスイッチング状態の少なくともいずれかに基づいて特性が変化することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
【請求項5】
前記フィルタ手段は、
特性の異なる複数のフィルタと、
前記モータの制御状態に応じて前記複数のフィルタの中から1つのフィルタを選択する選択部と、
を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
【請求項6】
前記フィルタ手段は、
設定した特性値に応じて特性が変化するフィルタを有し、
前記モータの制御状態に応じて前記特性値が変化することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
【請求項7】
車両に搭載された前記モータを制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のモータ制御装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−249424(P2012−249424A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119286(P2011−119286)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】