説明

ラインヘッドおよびそれを用いた画像形成装置

【課題】 光学系の色収差に起因する画質劣化を抑制したラインヘッドおよび画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 像書込手段23には、ハウジング60中の屈折率分布型ロッドレンズアレイ65の後面に面して取り付けられた有機EL素子アレイ61と、ハウジング60の背面からその中の有機EL発光素子アレイ61を遮蔽する不透明なカバー66とが設けられている。ガラス基板62は、固定板バネ67によりハウジング60で光学的に密閉されている。ガラス基板62の屈折率分布型ロッドレンズアレイ65側の端面には、波長フィルタ81を形成している。この波長フィルタ81は、色収差の原因となる波長の光を遮断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学系の色収差に起因する画質劣化を抑制したラインヘッドおよびそれを用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タンデム方式、またはロータリ方式の画像形成装置においては、露光装置に走査光学系を設ける方式と、LED素子や有機EL素子のような発光素子を設けたラインヘッドを用いる方式が知られている。例えば特許文献1には、4色のカラー画像形成装置において、各色に対応するLED素子をそれぞれ単一チップ上に集積した例が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平11−138899号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、光学系によって像担持体上に像を形成するラインヘッドにおいては、光学系の色収差によって像担持体上の像にぼけが生じて画質が劣化するという問題がある。前記特許文献1には、このような問題に対処する手段が記載されていないので、前記画質劣化を抑制するためには、複雑なレンズ光学系を採用する必要がある。このため、光学系の構造が複雑になり装置が大型化するという問題があった。
【0005】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成により、光学系の色収差に起因する画質劣化を抑制したラインヘッドおよびそれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のラインヘッドは、1ラインに複数の発光素子を配列した発光素子ラインと、前記発光素子の制御手段と、前記発光素子の出力光を像担持体に照射する光学系と、波長フィルタとを有し、前記波長フィルタを通して前記発光素子の出力光を前記光学系に入射することを特徴とする。このように、波長フィルタを通して発光素子の出力光を光学系に入射することにより、不要な光を遮断して像担持体に出力光を照射している。したがって、光学系の色収差に起因する画質劣化を抑制することができる。
【0007】
また、本発明のラインヘッドは、前記波長フィルタは、中心波長よりも長波長側の光を遮断することを特徴とする。このように、色収差の原因となる波長分布が多い、中心発光波長よりも長波長側の波長の光を遮断している。このため、画像のボケ発生を防止して、画質劣化を抑制することができる。
【0008】
また、本発明のラインヘッドは、前記波長フィルタは、中心波長よりも長波長側および短波長側の光を遮断することを特徴とする。このように、露光に必要な中心波長の近傍の光のみを像担持体に照射するので、色収差に起因する画質劣化を抑制し、より精細な画像形成を行うことができる。
【0009】
また、本発明のラインヘッドは、前記発光素子を有機EL素子で構成したことを特徴とする。有機EL素子は、発光波長分布特性に基づいて屈折周期が相違する固有の特性を有しているが、このような有機EL素子を発光素子として光学系を有するラインヘッドに用いた場合でも、色収差に起因する画質劣化を抑制することが可能となる。
【0010】
また、本発明のラインヘッドは、前記波長フィルタを、前記発光素子が形成される基板に設けることを特徴とする。このように、波長フィルタを発光素子が形成される同じ基板に設けているので、製作工程が短縮され、スペースも節約することができる。
【0011】
また、本発明のラインヘッドは、前記発光素子ラインを、副走査方向に複数列設けることを特徴とする。このため、発光素子を千鳥配列したラインヘッドや、予備列の発光素子ラインを設けたラインヘッドにおいて、色収差に起因する画質劣化を抑制することが可能となる。
【0012】
また、本発明のラインヘッドは、前記光学系は、屈折率分布型ロッドレンズ、またはマイクロレンズであることを特徴とする。このように、光学系に、屈折率分布型ロッドレンズ、またはマイクロレンズを用いたラインヘッドにおいて、色収差に起因する画質劣化を抑制することができる。
【0013】
本発明の第1実施形態の画像形成装置は、像担持体の周囲に帯電手段と、前記いずれかに記載のラインヘッドと、現像手段と、転写手段との各画像形成用ユニットを配した画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、転写媒体が各ステーションを通過することにより、タンデム方式で画像形成を行うことを特徴とする。この構成により、タンデム型の画像形成装置において、色収差に起因する画質劣化を抑制することができる。
【0014】
また、本発明の第2実施形態の画像形成装置は、静電潜像を担持可能に構成された像担持体と、ロータリ現像ユニットと、前記いずれかに記載のラインヘッドとを備え、前記ロータリ現像ユニットは、複数のトナーカートリッジに収納されたトナーをその表面に担持するとともに、所定の回転方向に回転することによって異なる色のトナーを順次前記像担持体との対向位置に搬送し、前記像担持体と前記ロータリ現像ユニットとの間に現像バイアスを印加して、前記トナーを前記ロータリ現像ユニットから前記像担持体に移動させることで、前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成することを特徴とする。このため、ロータリ型の画像形成装置において、色収差に起因する画質劣化を抑制することができる。
【0015】
また、本発明の画像形成装置は、中間転写部材を備えたことを特徴とする。このため、中間転写部材を備えた画像形成装置において、色収差に起因する画質劣化を抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のラインヘッドおよびそれを用いた画像形成装置によれば、光学系の色収差に起因する画質劣化を、簡略な構成により抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図を参照して本発明を説明する。図2は、発光素子のエネルギー準位の例を示す説明図である。LEDは、通常無機物として構成されているので、励起状態と基底状態間の発光準位は1つだけである。これに対して、有機EL素子は有機物であるために、励起状態と基底状態間に複数の発光準位が存在している。このため、発光素子として有機EL素子を用いた場合には、発光波長分布に幅を有することになる。
【0018】
図3は、有機EL素子の発光波長分布を示す特性図である。図3の横軸には波長(nm)を設定し、縦軸には比エネルギー(0〜1)を設定している。図3の例では、有機EL素子の発光波長は、短波長側で550nm程度、長波長側で850nm程度までの範囲に分布している。このように、波長分布に幅があるので光学系にレンズを使用した場合には、波長によりレンズ内での屈折周期が相違することになる。図3に示された特性では、比エネルギーが1の中心発光波長よりも短波長側で分布が少なく(光量が少ない)、それよりも長波長側で分布が多い(光量が多い)特性となっている。
【0019】
図4は、レンズの色収差の例を示す説明図である。図4に示されているように、F線(486nm)、D線(589nm)、C線(656nm)で屈折周期が相違している。このため、図3のように比エネルギーが1となるC線(656nm)を中心波長として露光する場合には、それよりも短波長側、長波長側に余分な波長の光が存在することになる。したがって、有機EL素子からの出力光が光学系を通して像担持体に照射されると、焦点位置が光軸方向にずれる色収差の影響で、画像にボケが生じて画質が劣化することになる。本発明においては、有機EL素子からの出力光の中で、露光に寄与しない前記余分な波長の光をフィルタにより遮断して光学系から照射されないようにしている。
【0020】
本発明のラインヘッドは、発光素子ラインが1ラインのものには限定されない。副走査方向に複数列の発光素子ラインを設けることもできる。図6は、このようなラインヘッドの例を示す説明図である。図6において、ラインヘッド100には主走査方向(Y方向)の1ラインに、多数の発光素子Eaを配列した発光素子ライン101aが形成されている。このような発光素子ラインが副走査方向(X方向)に101a〜101dの複数列設けられている。
【0021】
この実施形態においては、記録媒体を副走査方向(X方向とは反対方向)に移動させながら各発光素子ライン101a〜101dを順次切り替えて動作させる。このようにして、図6の例では多重露光を行うことができる。また、1ラインの発光素子ラインを主、他の発光素子ラインを従の関係で使用することもできる。例えば、発光素子ライン101a(主)を動作させているときに、発光素子の劣化により画像形成ができなくなる場合には他の従の発光素子ラインに切り替える。この場合には、
従の発光素子ラインは予備列として機能する。従の発光素子ライン5b〜5dのいずれを選択するかは、任意に定められる。
【0022】
図7は、本発明の他の実施形態を示す説明図である。図7の例は、ラインヘッド10に像担持体の副走査方向に発光素子を千鳥状に配列するものである。ラインヘッドに発光素子を配列する際に、隣接する発光素子を隙間なく設置することは構造上できず、隣接する発光素子間には間隙が生ずる。このように間隙部分があるために、解像度が低下したり、記録媒体に画像データを記録した際にいわゆる白抜けが発生したりして品質が低下する。このような事態に対処するために、副走査方向に発光素子を千鳥状に配列することが行われている。
【0023】
図7は、発光素子を千鳥状に配列したラインヘッド100aにおいて、像担持体上で形成される発光素子のスポット位置133Zの例を示している。図7において、斜線を付したUの部分は駆動される発光素子の部分を示し、2点鎖線のVの部分は駆動されない発光素子の部分を示している。Paは主走査方向の画素ピッチ、Pbは副走査方向の画素ピッチ、Saは主走査方向のスポット位置のピッチ、Sbは副走査方向のスポット位置のピッチである。図7の例では、主走査方向の画素ピッチPaと、副走査方向の画素ピッチPbは、共にスポット位置のピッチの1/2に設定されている。すなわち、発光素子が像担持体上に形成するスポット位置の副走査方向の間隔を、副走査方向の画素密度の2倍としている。
【0024】
発光素子ラインは、第1グループ133f、133h、133i、133l、133nと、第2グループ133p、133r、133t、133vの2グループに区分される。第1グループと第2グループは、主走査方向でみて、発光素子の位置、すなわち露光される画素と露光されない画素とが交互に配置されている。図7の実施形態においては、発光素子を千鳥状に配列したラインヘッド100aを用いる際に、光学系の色収差により像担持体上の像にぼけが生じて画質が劣化することを防止することができる。
【0025】
図8は、本発明のラインヘッドが用いられる画像形成装置の縦断側面図である。本実施例は、転写ベルトとして中間転写ベルトを用いる例である。図8において、本実施例の画像形成装置1は、ハウジング本体2と、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された第1の開閉部材3と、ハウジング本体2の上面に開閉自在に装着された第2の開閉部材(排紙トレイを兼用している)4とを有している。さらに、第1の開閉部材3には、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された開閉蓋3’を備え、開閉蓋3’は第1の開閉部材3と連動して、または独立して開閉可能にされている。
【0026】
ハウジング本体2内には、電源回路基板及び制御回路基板を内蔵する電装品ボックス5、画像形成ユニット6、送風ファン7、転写ベルトユニット9、給紙ユニット10が配設され、第1の開閉部材3内には、二次転写ユニット11、定着ユニット12、記録媒体搬送手段13が配設されている。画像形成ユニット6及び給紙ユニット10内の消耗品は、本体に対して着脱可能な構成であり、その場合には、転写ベルトユニット9を含めて取り外して修理又は交換を行うことが可能な構成になっている。
【0027】
ハウジング本体2の前面下部の両側には、回動軸3bを介して第1の開閉部材3がハウジング本体2に開閉自在に装着されている。本実施例においては、装置の前面のみからのアクセスで各ユニットの着脱を可能としており、装置を室内にコンパクトに設置することができるようにしている。転写ベルトユニット9は、ハウジング本体2の下方に配設され図示しない駆動源により回転駆動される駆動ローラ14と、駆動ローラ14の斜め上方に配設される従動ローラ15と、この2本のローラ14、15間に張架されて図示矢印方向へ循環駆動される中間転写ベルト16と、中間転写ベルト16の表面に離当接されるクリーニング手段17とを備えている。
【0028】
従動ローラ15及び中間転写ベルト16が駆動ローラ14に対して図で左側に傾斜する方向に配設されている。これにより、中間転写ベルト16駆動時のベルト搬送方向が下向きになるベルト面16aが下方に位置するようにされている。本実施例においては、前記ベルト面16aはベルト駆動時のベルト張り面(駆動ローラ14により引っ張られる面)である。上記駆動ローラ14及び従動ローラ15は、支持フレーム9aに回転自在に支持され、支持フレーム9aの下端には回動部9bが形成され、この回動部9bはハウジング本体2に設けられた回動軸(回動支点)2bに嵌合され、これにより、支持フレーム9aはハウジング本体2に対して回動自在に装着されている。
【0029】
また、支持フレーム9aの上端にはロックレバー9cが回動自在に設けられ、ロックレバー9cはハウジング本体2に設けられた係止軸2cに係止可能にされている。駆動ローラ14は、二次転写ユニット11を構成する二次転写ローラ19のバックアップローラを兼ねている。また、従動ローラ15をクリーニング手段17のバックアップローラとして兼用させている。また、クリーニング手段17は、搬送方向下向きのベルト面16a側に設けられている。
【0030】
また、中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16a裏面には、後述する各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20に対向して板バネ電極からなる一次転写部材21がその弾性力で当接され、一次転写部材21には転写バイアスが印加されている。転写ベルトユニット9の支持フレーム9aには、駆動ローラ14に近接してテストパターンセンサ18が設置されている。このテストパターンセンサ18は、中間転写ベルト16上の各色トナー像の位置決めを行うとともに、各色トナー像の濃度を検出し、各色画像の色ずれや画像濃度を補正するためのセンサである。
【0031】
画像形成ユニット6は、複数(本実施例では4つ)の異なる色の画像を形成する画像形成ステーションY(イェロー用)、M(マゼンタ用)、C(シアン用)、K(ブラック用)を備え、各画像形成ステーションY、M、C、Kにはそれぞれ、感光ドラムからなる像担持体20と、像担持体20の周囲に配設された、帯電手段22、像書込手段(ラインヘッド)23及び現像手段24を有している。なお、帯電手段22、像書込手段23及び現像手段24は、画像形成ステーションYのみに図番を付けて、他の画像形成ステーションについては構成が同一のため、図番を省略する。また、各画像形成ステーションY、M、C、Kの配置順序は任意である。
【0032】
そして、各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20が中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16aに当接されるようにされ、その結果、各画像形成ステーションY、M、C、Kも駆動ローラ14に対して図で左側に傾斜する方向に配設されることになる。像担持体20は、図示矢印に示すように、中間転写ベルト16の搬送方向に回転駆動される。帯電手段22は、高電圧発生源に接続された導電性ブラシローラで構成され、ブラシ外周が感光体である像担持体20に対して逆方向で、かつ、2〜3倍の周速度で当接回転して像担持体20の表面を一様に帯電させる。
【0033】
また、本実施例のように、クリーナレス構成の画像形成装置にこのような導電性ブラシローラを用いる場合には、非画像形成時にブラシローラへトナーの帯電極性と同極性のバイアスを印加することで、ブラシローラに付着した転写残りトナーを像担持体20に放出させ、一次転写部で中間転写ベルト16上に転写して、中間転写ベルト16のクリーニング手段17で回収する構成とすることができる。このような帯電手段22を用いることで、極めて少ない電流によって像担持体表面を帯電させることができるので、コロナ帯電方式のように装置内外を多量のオゾンによって汚染することがない。また、像担持体20との当接がソフトであるので、ローラ帯電方式を用いたときに発生する転写残りトナーの帯電ローラへの固着も発生し難く、安定した画質と装置の信頼性を確保することができる。
【0034】
像書込手段23は、後述するように、有機EL素子を像担持体20の軸方向に列状に配列した有機EL素子アレイを用いている。有機EL素子アレイを用いたラインヘッドは、レーザー走査光学系よりも光路長が短くてコンパクトであり、像担持体20に対して近接配置が可能であり、装置全体を小型化できるという利点を有する。本実施例においては、各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20、帯電手段22及び像書込手段23を1つの像担持体ユニット25としてユニット化している。これらのユニットは、転写ベルトユニット9と共に支持フレーム9aに交換可能にしている。像担持体ユニット25の交換時には、ラインヘッドを含めて前記部材を交換する構成としている。
【0035】
次に、現像手段24の詳細について、画像形成ステーションKを代表して説明する。本実施例においては、各画像ステーションY、M、C、Kが斜め方向に配設され、かつ、像担持体20が中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16aに当接される関係上、トナー貯留容器26を斜め下方に傾斜して配置している。そのため、現像手段24として特別の構成を採用している。すなわち、現像手段24は、トナー(図のハッチング部)を貯留するトナー貯留容器26と、このトナー貯留容器26内に形成されたトナー貯留部27と、トナー貯留部27内に配設されたトナー撹拌部材29と、トナー貯留部27の上部に区画形成された仕切部材30を有している。
【0036】
また、仕切部材30の上方に配設されたトナー供給ローラ31と、仕切部材30に設けられトナー供給ローラ31に当接されるブレード32と、トナー供給ローラ31及び像担持体20に当接するように配設される現像ローラ33と、現像ローラ33に当接される規制ブレード34とが設けられている。像担持体20は中間転写ベルト16の搬送方向に回転され、現像ローラ33及び供給ローラ31は、図示矢印に示すように、像担持体20の回転方向とは逆方向に回転駆動され、一方、撹拌部材29は供給ローラ31の回転方向とは逆方向に回転駆動される。
【0037】
トナー貯留部27において撹拌部材29により撹拌、運び上げられたトナーは、仕切部材30の上面に沿ってトナー供給ローラ31に供給され、供給されたトナーはブレード32と摺擦して供給ローラ31の表面凹凸部への機械的付着力と摩擦帯電力による付着力によって、現像ローラ33の表面に供給される。現像ローラ33に供給されたトナーは規制ブレード34により所定厚さの層厚に規制され、薄層化したトナー層は、像担持体20へと搬送されて現像ローラ33と像担持体20が接触して構成するニップ部及びこの近傍で像担持体20の潜像部を現像する。
【0038】
本実施例においては、像担持体20と対向する側の現像ローラ33、トナー供給ローラ31及び現像ローラ33と規制ブレード34の当接部がトナー貯留部27内のトナーに埋没しない構成としている。この構成によって、貯留トナーの減少によって現像ローラ33に対する規制ブレード34の当接圧力の変動を防ぐことができると共に、規制ブレード34によって現像ローラ33から掻き落とされた余剰トナーがトナー貯留部27へ落下するので、現像ローラ33のフィルミングを防ぐことができる。
【0039】
また、供給ローラ31と現像ローラ33の当接位置下方に現像ローラ33と規制ブレード34の当接部を位置させ、供給ローラ31によって現像ローラ33へ供給されて現像ローラ33に移行しなかった余剰トナーと、規制ブレード34によって現像ローラ33から規制除去された余剰トナーを現像手段下部のトナー貯留部27へ戻す経路を設けている。トナー貯留部27へ戻ったトナーは撹拌部材29によってトナー貯留部27内のトナーと撹拌され、撹拌部材29によって再度、供給ローラ31近傍のトナー導入部へ供給される。
【0040】
したがって、余剰トナーを供給ローラ31と現像ローラ33の摺擦部や現像ローラ33と規制ブレード34の当接部に渋滞させずに下部へ落下させてトナー貯留部27のトナーと撹拌を行うので、現像手段内のトナーの劣化が徐々に進行し、現像手段の交換直後に急激な画質変化が発生することを防ぐことができる。また、給紙ユニット10は、記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット35と、給紙カセット35から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ36とからなる給紙部を備えている。
【0041】
第1の開閉部材3内には、二次転写部への記録媒体Pの給紙タイミングを規定するレジストローラ対37と、駆動ローラ14及び中間転写ベルト16に圧接される二次転写手段としての二次転写ユニット11と、定着ユニット12と、記録媒体搬送手段13と、排紙ローラ対39と、両面プリント用搬送路40を備えている。定着ユニット12は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラ45と、この加熱ローラ45を押圧付勢する加圧ローラ46と、加圧ローラ46に揺動可能に配設されたベルト張架部材47と、加圧ローラ45とベルト張架部材47間に張架された耐熱ベルト49を有している。記録媒体に二次転写されたカラー画像は、加熱ローラ45と耐熱ベルト49で形成するニップ部で所定の温度で記録媒体に定着される。
【0042】
本実施例においては、中間転写ベルト16の斜め上方に形成される空間、換言すれば、中間転写ベルト16に対して画像形成ユニット6と反対側の空間に定着ユニット12を配設することが可能になり、電装品ボックス5、画像形成ユニット6及び中間転写ベルト16への熱伝達を低減することができ、各色の色ずれ補正動作を行う頻度を少なくすることができる。
【0043】
図9は、図8に示した像担持体20近傍の部分的な断面図である。像担持体ユニット25は、中間転写ベルト16に接する側が開口した不透明な金属板等からなるケース50中に、相互に離間して平行に画像形成ステーションY、M、C、Kの4本の像担持体(感光体ドラム)20が回転可能に支持されている。各像担持体20の所定位置で当接回転するように帯電手段22の導電性ブラシローラが支持されており、帯電手段22の下流側に各々有機ELアレイ露光ヘッドからなる像書込手段23が各像担持体20に位置決めしてそれに平行に支持されている。
【0044】
像書込手段23の下流側のケース50の壁面には、各像担持体20に対応して現像手段24の現像ローラ33を当接させる開口51が設けられている。各開口51と像書込手段23の間には、ケース50の遮蔽部分52が残されており、また、帯電手段22と像書込手段23の間にケース50の遮蔽部分53が残されている。この遮蔽部分52、53、特に、開口51と像書込手段23の間の遮蔽部分52が像書込手段23中の有機EL材料からなる発光部へ外から紫外線が達するのを防いでいる。82は、有機EL素子アレイ61を前面から覆う屈折率分布型ロッドレンズアレイ65(SLA)が汚れた場合に、拭き取りを行うクリーニングパッドである。クリーニングパッド82は、図示を省略した把手により往復動される。
【0045】
図10は、像書込手段23を拡大して示す概略の斜視図である。図10においては、像書込手段23の細部が示されている。像担持体ユニット25に取り付けられた各像担持体(感光体ドラム)20に対して、像書込手段23を正確に位置決めするための機構が示されている。像担持体20は、図8、図9に示されているように、その軸で像担持体ユニット25のケース50内に回転可能に取り付けられている。一方、有機EL素子アレイ61は、長尺のハウジング60中に保持されている。長尺のハウジング60の両端に設けた位置決めピン69をケース50の対向する位置決め穴に嵌入させると共に、長尺のハウジング60の両端に設けたねじ挿入孔68を通して固定ねじをケース50のねじ穴にねじ込んで固定することにより、各像書込手段23が所定位置に固定される。
【0046】
像書込手段23は、ガラス基板62上に有機EL素子アレイ61の発光部63を載置し、同じガラス基板62上に形成されたTFT71により駆動される。屈折率分布型ロッドレンズアレイ65は結像光学系を構成し、発光部63の前面に配置される屈折率分布型ロッドレンズ65’を俵積みしている。60は、詳細を後述するハウジング、66はカバーである。ハウジング60は、ガラス基板62の周囲を覆い、像担持体20に面した側は開放する。このようにして、屈折率分布型ロッドレンズ65’から像担持体20に光線を射出する。ハウジング60のガラス基板62の端面と対向する面には、光吸収性の部材(塗料)が設けられている。
【0047】
図1は、像書込手段23の副走査方向の断面図である。像書込手段23には、ハウジング60中の屈折率分布型ロッドレンズアレイ65の後面に面して取り付けられた有機EL素子アレイ61と、ハウジング60の背面からその中の有機EL発光素子アレイ61を遮蔽する不透明なカバー66とが設けられている。また、固定板バネ67によりハウジング60背面に対してカバー66を押圧して、ハウジング60内を光密に密閉する。すなわち、ガラス基板62は、固定板バネ67によりハウジング60で光学的に密閉されている。固定板バネ67は、ハウジング60の長手方向に複数個所設けられている。
【0048】
ケース50の内面に紫外線を吸収する黒色の塗料を塗布しておくと、有機EL素子アレイ61に対する紫外線遮蔽作用をより確実に行うことができ、有機EL発光素子の劣化を防止することができる。また、像書込手段23のハウジング60は不透明部材で形成され、その背面には不透明なカバー66により覆われている。このため、有機EL素子アレイ61の背面に入射する蛍光灯や太陽からの紫外線も、有機EL素子アレイ61の発光部63へ達することは防止される。
【0049】
ガラス基板62の屈折率分布型ロッドレンズアレイ65側の端面には、波長フィルタ81を形成している。この波長フィルタ81は、図3で説明した有機EL素子の波長特性において、露光に必要とする中心発光波長よりも長波長側の波長の光を遮断する特性を有している。このため、発光部63からの出力光は、中心発光波長よりも短波長側の波長の光のみが屈折率分布型ロッドレンズアレイ65を通して像担持体に照射される。この場合の像担持体は、中心発光波長よりも短波長側の波長の光に感度を有するものが使用される。このような構成とすることにより、色収差の原因となる波長分布が多い中心発光波長よりも長波長側の波長の光を遮断しているので、画像のボケ発生を防止して、画質劣化を抑制することができる。
【0050】
波長フィルタ81は、図3で説明した有機EL素子の波長特性において、露光に必要とする中心発光波長よりも短波長側の波長の光を遮断する特性とすることもできる。この場合の像担持体は、中心発光波長よりも長波長側の波長に感度を有するものが使用される。このような構成とすることにより、中心発光波長よりも短波長側の波長の光の光量は少ないので、波長フィルタの形成が容易となる。
【0051】
さらに、中心発光波長よりも短波長側の波長の光と、長波長側の波長の光を共に遮断する特性とすることもできる。この場合の像担持体は、中心発光波長よりも短波長側の波長の光と長波長側の波長の光に感度を有するものが使用される。図1の波長フィルタ81は、ガラス基板62上に有機EL素子アレイ61を作製する際の同一工程で作製できるので製作が容易である。また、別部材として取り付ける場合のようなスペースが不要で、コストも低減できる。
【0052】
図11は、図1に示した有機EL発光素子アレイ61の発光部63近傍の構成例を示す断面図である。有機EL発光素子アレイ61は、例えば0.5mm厚のガラス基板62上に、各発光部63の発光を制御する厚さ50nmのポリシリコンからなるTFT(薄膜トランジスタ)71が、例えば千鳥配置の2列の発光部63各々に対応して欄外に設けられている。ガラス基板62上にはそのTFT71上のコンタクトホールを除いて厚さ100nm程度のSiO2からなる絶縁膜72が成膜され、コンタクトホールを介してTFT71に接続するように発光部63の位置に厚さ150nmのITOからなる陽極73が形成されている。
【0053】
次いで、発光部63以外の位置に対応する部分には厚さ120nm程度のSiO2からなる別の絶縁膜74が成膜され、その上に発光部63に対応する穴76を形成した厚さ2μmのポリイミドからなるバンク75が設けられる。そのバンク75の穴76内に、陽極73側から順に、厚さ50nmの正孔注入層77、厚さ50nmの発光層78が成膜され、その発光層78の上面と穴76の内面及びバンク75の外面を覆うように厚さ100nmのCaからなる陰極第1層79aと厚さ200nmのAlからなる陰極第2層79bとが順に成膜されている。
【0054】
そして、その上に窒素ガス等の不活性ガス80を介して厚さ1mm程度のカバーガラス64でカバーされて有機EL発光素子アレイ61の発光部63が構成されている。発光部63からの発光はガラス基板62側に行われる。なお、発光層78に用いる材料、正孔注入層77に用いる材料については、公知の種々のものが利用でき、詳細な説明は省略する。このような有機EL発光素子は、発光素子をガラス基板上に容易に作製することができるので、製造コストを低減することができる。
【0055】
図5は、本発明の他の例を示す説明図である。図1の例では、ラインヘッドの光学系に屈折率分布型ロッドレンズアレイ(SLA)を使用しているが、図5の例は、ラインヘッドの光学系にマイクロレンズを使用するものである。この実施例の有機EL素子アレイを、その作製順に説明する。(1)ガラス基板62上に最初にTFT85を作製する。ここで、TFT5の金属画素電極は、有機EL発光部84の陰極87となるものであり、有機EL発光部84の反射層を兼用している。この金属画素電極は、Mg、Ag、Al、Li等の金属薄膜電極で形成される。
【0056】
(2)次いで、有機EL発光部84に対応する穴88を有し所定の高さの隔壁(バンク)89を形成する。(3)次に、有機EL素子の発光層用インク組成物を塗布する直前に、隔壁89を設けたガラス基板62に酸素ガスとフロロカーボンガスプラズマの連続プラズマ処理を行う。(4)次に、隔壁89の穴88内に発光層用のインク組成物をインクジェット方式プリント装置95のヘッド94から吐き出し、各画素の陰極7上にパターニング塗布を行う。塗布後、溶媒を除去し、熱処理して発光層10を形成する。ここで、前記インクジェット方式とは、圧電素子等の機械的エネルギーを利用してインク組成物を吐き出すピエゾジェット方式、ヒータの熱エネルギーを利用して気泡を発生させ、その気泡の生成に基づいてインク組成物を吐き出すサーマル方式の何れでもよい。
【0057】
(5)穴88内に発光層90を形成した後、正孔注入層用インク組成物を穴88内の発光層90上にインクジェットプリント装置95のヘッド94から吐き出し、各画素の発光層90上にパターニング塗布を行う。塗布後、溶媒を除去し、熱処理して正孔注入層91を形成する。なお、以上の発光層90と正孔注入層91の順番は反対であってもよい。水分に対してより耐性のある層を表面側(ガラス基板62からより離れた側)に配置するようにすることが望ましい。また、発光層90と正孔注入層91は、上記のようにインクジェット方式でインク組成物を塗布することにより作成する代わりに、公知のスピンコート法、ディップ法あるいは蒸着法で作成することもできる。
【0058】
(6)隔壁89の穴88内に発光層90と正孔注入層91を順に形成した後、基板の表面全面に真空蒸着法により有機EL素子の陽極となる透明電極92を被着させる。この透明電極92の材料としては、酸化すず膜、ITO膜、酸化インジウムと酸化亜鉛との複合酸化物膜等があり、真空蒸着法以外に、フォトリソグラフィ法やスパッタ法、パイロゾル法等が採用できる。このような方法により、隔壁89の上面と穴88の内面全面に透明電極12が形成される。
【0059】
(7)次いで、透明電極92の表面を撥水処理し、隔壁89の穴88内にマイクロレンズ用の透明インク組成物をインクジェット方式プリント装置95のヘッド94から吐き出し、パターニング塗布を行い、塗布後硬化させて、各画素の有機EL発光部94上に凸マイクロレンズ93を形成する。凸マイクロレンズ93の表面の曲率半径、すなわち、焦点距離は、インク組成物の吐き出し量、穴88の径、マイクロレンズ用透明インク組成物の表面張力、透明電極92に対する撥水性の度合い、インク組成物の硬化の際の収縮量等で決まる。なお、透明電極92の表面を親水処理した後に、透明インク組成物を同様にパターニング塗布を行うことにより、各画素の有機EL発光部94上に凹マイクロレンズを形成することもできる。
【0060】
次に、本発明に係る画像形成装置に係る他の実施の形態について説明する。図12は、画像形成装置の縦断側面図である。図12において、画像形成装置160には主要構成部材として、ロータリ構成の現像装置161、像担持体として機能する感光体ドラム165、有機EL素子が設けられているラインヘッド167、中間転写ベルト169、用紙搬送路174、定着器の加熱ローラ172、給紙トレイ178が設けられている。
【0061】
現像装置161は、現像ロータリ161aが軸161bを中心として矢視A方向に回転する。現像ロータリ161aの内部は4分割されており、それぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色の像形成ユニットが設けられている。162a〜162dは、前記4色の各像形成ユニットに配置されており、矢視B方向に回転する現像ローラ、163a〜163dは、矢視C方向に回転するトナ−供給ローラである。また、164a〜164dはトナーを所定の厚さに規制する規制ブレードである。
【0062】
165は、前記のように像担持体として機能する感光体ドラム、166は一次転写部材、168は帯電器、167は像書込手段で有機EL素子を用いたラインヘッドで構成されている。感光体ドラム165は、図示を省略した駆動モータ、例えばステップモータにより現像ローラ162aとは逆方向の矢視D方向に駆動される。
【0063】
中間転写ベルト169は、従動ローラ170bと駆動ローラ170a間に張架されており、駆動ローラ170aが前記感光体ドラム165の駆動モータに連結されて、中間転写ベルトに動力を伝達している。当該駆動モータの駆動により、中間転写ベルト169の駆動ローラ170aは感光体ドラム165とは逆方向の矢視E方向に回動される。
【0064】
用紙搬送路174には、複数の搬送ローラと排紙ローラ対176などが設けられており、用紙を搬送する。中間転写ベルト169に担持されている片面の画像(トナー像)が、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に転写される。二次転写ローラ171は、クラッチにより中間転写ベルト169に離当接され、クラッチオンで中間転写ベルト169に当接されて用紙に画像が転写される。
【0065】
上記のようにして画像が転写された用紙は、次に、定着器で定着処理がなされる。定着器には、加熱ローラ172、加圧ローラ173が設けられている。定着処理後の用紙は、排紙ローラ対176に引き込まれて矢視F方向に進行する。この状態から排紙ローラ対176が逆方向に回転すると、用紙は方向を反転して両面プリント用搬送路175を矢視G方向に進行する。177は電装品ボックス、178は用紙を収納する給紙トレイ、179は給紙トレイ178の出口に設けられているピックアップローラである。
【0066】
図の状態で、イエロー(Y)の静電潜像が感光体ドラム165に形成され、現像ローラ62aに高電圧が印加されることにより、感光体ドラム165にはイエローの画像が形成される。イエローの裏側および表側の画像がすべて中間転写ベルト169に担持されると、現像ロータリ161aが矢視A方向に90度回転する。
【0067】
中間転写ベルト169は1回転して感光体ドラム165の位置に戻る。次にシアン(C)の2面の画像が感光体ドラム165に形成され、この画像が中間転写ベルト169に担持されているイエローの画像に重ねて担持される。以下、同様にして現像ロータリ161の90度回転、中間転写ベルト169への画像担持後の1回転処理が繰り返される。
【0068】
4色のカラー画像担持には中間転写ベルト169は4回転して、その後に更に回転位置が制御されて二次転写ローラ171の位置で用紙に画像を転写する。給紙トレー178から給紙された用紙を搬送路174で搬送し、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に前記カラー画像を転写する。片面に画像が転写された用紙は前記のように排紙ローラ対176で反転されて、搬送径路で待機している。
【0069】
その後、用紙は適宜のタイミングで二次転写ローラ171の位置に搬送されて、他面に前記カラー画像が転写される。ハウジング180には、排気ファン181が設けられている。
【0070】
以上、本発明の光学ヘッドとそれを用いた画像形成装置をいくつかの実施例に基づいて説明したが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の像書込手段にかかる副走査方向の断面図である。
【図2】発光素子のエネルギー準位の例を示す説明図である。
【図3】有機EL素子の発光波長分布を示す特性図である。
【図4】レンズの色収差の例を示す説明図である。
【図5】本発明の他の例を示す説明図である。
【図6】本発明の他のラインヘッドの例を示す説明図である。
【図7】本発明の他のラインヘッドの例を示す説明図である。
【図8】本発明のラインヘッドが用いられる画像形成装置の縦断側面図である。
【図9】図8に示した像担持体20近傍の部分的な断面図である。
【図10】像書込手段を拡大して示す概略の斜視図である。
【図11】有機EL素子アレイの発光部近傍の構成例を示す断面図である。
【図12】本発明の他の実施形態を示す画像形成装置の縦断側面図である。
【符号の説明】
【0072】
1…画像形成装置、2…ハウジング本体、3…第1の開閉部材、4…第2の開閉部材、5…電装品ボックス、6…画像形成ユニット、7…送風ファン、9…転写ベルトユニット、10…給紙ユニット、11…二次転写ユニット、12…定着ユニット、13…記録媒体搬送手段、16…中間転写ベルト、17…クリーニング手段、20…像担持体、21…一次転写部材、22…帯電手段、23…像書込手段、24…現像手段、25…像担持体ユニット(像担持体カートリッジ)、33…現像ローラ、60…ハウジング、61…有機EL素子アレイ、62…ガラス基板、63…発光部、64…カバーガラス、65…屈折率分布型ロッドレンズアレイ(SLA)、65’…屈折率分布型ロッドレンズ、70…ラインヘッド、71…TFT(薄膜トランジスタ)、78…発光層、81…波長フィルタ、93…マイクロレンズ、101K、101C、101M、101Y…ラインヘッド、161…現像装置、165…感光体ドラム、167…ラインヘッド、169…中間転写ベルト、171…二次転写ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1ラインに複数の発光素子を配列した発光素子ラインと、前記発光素子の制御手段と、前記発光素子の出力光を像担持体に照射する光学系と、波長フィルタとを有し、前記波長フィルタを通して前記発光素子の出力光を前記光学系に入射することを特徴とする、ラインヘッド。
【請求項2】
前記波長フィルタは、中心波長よりも長波長側の光を遮断することを特徴とする、請求項1に記載のラインヘッド。
【請求項3】
前記波長フィルタは、中心波長よりも長波長側および短波長側の光を遮断することを特徴とする、請求項1に記載のラインヘッド。
【請求項4】
前記発光素子を有機EL素子で構成したことを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項5】
前記波長フィルタを、前記発光素子が形成される基板に設けることを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項6】
前記発光素子ラインを、副走査方向に複数列設けることを特徴とする、請求項1にないし請求項5のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項7】
前記光学系は、屈折率分布型ロッドレンズ、またはマイクロレンズであることを特徴とする、請求項1にないし請求項6のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項8】
像担持体の周囲に帯電手段と、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のラインヘッドと、現像手段と、転写手段との各画像形成用ユニットを配した画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、転写媒体が各ステーションを通過することにより、タンデム方式で画像形成を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
静電潜像を担持可能に構成された像担持体と、ロータリ現像ユニットと、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のラインヘッドとを備え、前記ロータリ現像ユニットは、複数のトナーカートリッジに収納されたトナーをその表面に担持するとともに、所定の回転方向に回転することによって異なる色のトナーを順次前記像担持体との対向位置に搬送し、前記像担持体と前記ロータリ現像ユニットとの間に現像バイアスを印加して、前記トナーを前記ロータリ現像ユニットから前記像担持体に移動させることで、前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
中間転写部材を備えたことを特徴とする、請求項8または請求項9に記載の画像形成装置。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−27078(P2006−27078A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−209316(P2004−209316)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】