説明

ラベルを統合して成型された製品、およびそのような成型品を具備したレイザハンドル

成型品(80)は第1成型部品(61)と、第2成型部品(62)と、第1成型部品に設けられた後側と前側とを備え前側が周縁(73)を備えたラベル(63)と、を具備し、第2成型部品(62)は重ね部(65)を備え、重ね部は前記周縁上のみにおいてラベルの前側と重なっている。レイザハンドルはそのような成型品(80)を具備している。そのような成型品(80を生産するための方法が開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報提供用または装飾用のラベルを統合して成型された製品、およびそのような成型品を具備したレイザハンドルに関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、
− 第1成型部品と、
− 第2成型部品と、
− 第1成型部品に設けられた後側と、この後側と反対側の前側と、を備え、前側が周縁を備えたラベルと、
を具備した成型品に関する。
【背景技術】
【0003】
特許文献1は、第1成型部品と、第2成型部品と、1つまたは2つの一体化されたラベルと、を備え、第1ラベルラベルは半透明の第2成型部品によって完全に重ねられており、第2ラベルは第1成型部の外側面に配置され且つ第2成型部品によってまったく覆われていない成型品が開示されている。当該出願は層間剥離に対して保護されたラベル、および特にラベルの周縁に関して開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/194489号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的はラベルの保護、特に周縁の保護を向上することであり、特に層間剥離を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のために、本発明による成型品は、第2成型部品がラベルの前側、周縁のみに重なった重ね部を備えていることを特徴としている。
【0007】
本発明の様々な実施形態において、以下の1つおよび/または他の特徴が統合されてもよい。
− 重ね部は前側面の0.3%〜3%を含んだ重ね面を備えている。
− 重ね部は1mmよりも薄い厚さを有している。
− 第1成型部品は剛体材料を具備し、第2成型部品はエラストマ材料を具備している。
【0008】
本発明は、上述の特徴に従った成型品を具備したレイザハンドルにも関する。
【0009】
本発明は上述の特徴に従ったレイザハンドルを具備したレイザ、および少なくとも1つのブレードを具備し且つそのレイザハンドルに取り付けられたレイザヘッドにも関する。
【0010】
本発明はさらに成型品を製造するための方法にも関し、この方法は、
a− 後側と前側とを備え、前側が周縁を備えたラベルを供給するステップと、
b− 第1モールドキャビティを提供するステップと、
c− ラベルの前側が第1キャビティの壁に対向して配置されるように、第1モールドキャビティ内にラベルを配置するステップと、
d− 第1モールドキャビティ内に第1プラスチック材料を射出して、ラベルを具備した中間製品を形成するステップと、
e− 硬化後に、中間製品を取り出すステップと、
f− 第2モールドキャビティを提供するステップと、
g− ラベルの前側が第2キャビティの壁に対向して配置されるように、第2モールドキャビティ内に中間製品を配置するステップと、
h− 第2モールドキャビティ内に第2プラスチック材料を射出して、硬化後に、第2プラスチック材料が周縁上においてラベルの前側と重なるようにするステップと、
i− 硬化後に、第2モールドキャビティから成型品を取り出すステップと、
を含んでいる。
【0011】
本発明による方法の変形の実施形態において、以下の1つおよび/または他の特徴が統合されてもよい。
− 第1および第2モールドキャビティは1つのモールド型に属しており、第1プラスチック材料および第2プラスチック材料を射出するステップは同時に実行され、中間製品と前記成型品とは同時に製造される。
− 第2プラスチック材料は、中間製品の第1プラスチック材料に設けられた開口部を通じて射出される。
【0012】
本発明の上述のならびに他の目的および利点は、添付図とあわせて検討された本発明の実施形態の詳細な記載から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1a】本発明による方法の第1ステップにおいて使用される第1成型ユニットの開状態を示した図である。
【図1b】射出後の第1成型ユニットを示した図である。
【図1c】第1成型ユニットの使用を伴った方法の第1ステップによって得られた中間製品を示した図である。
【図2a】本発明による方法の第2ステップにおいて使用される第2成型ユニットの開状態を示した図である。
【図2b】射出後の第2成型ユニットを示した図である。
【図2c】第2成型ユニットの使用を伴った方法の第2ステップによって得られた成型品を示した図である。
【図3】成型品の詳細断面を示した図であり、重ね部を図示している。
【図4a】図1a〜3に示された方法において使用されたラベルを示した図である。
【図4b】図1a〜3に示された方法によって得られた成型品を示した図である。
【図5a】本発明による方法において使用される、第1キャビティと第2キャビティとを具備したモールド型を示した図である。
【図5b】本発明による方法において使用される、第1キャビティと第2キャビティとを具備したモールド型を示した図である。
【図6】本発明による方法によって得られた成型品を具備したレイザハンドルを備えたレイザを示した図である。
【図7】図6のレイザのための、本発明による方法によって得られた成型品において使用されたラベルを示した図である。
【図8】図6のレイザのための、本発明による方法の第1ステップによって得られた中間製品を示した図である。
【図9】図6のレイザのための、本発明による方法によって得られた成型品を示した図である。
【図10】図6のレイザのための、本発明による方法によって得られた成型品の断面を示した図である。
【図11】図13の線XI−XIに沿った、図9の成型品の製造に使用されるモールド型の断面を示した図である。
【図12】図13の線XII−XIIに沿った、図9の成型品の製造に使用されるモールド型の断面を示した図である。
【図13】図11の線XIII−XIIIに沿った、図9の成型品の製造に使用されるモールド型の断面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図において、同一の参照符号は同一または類似の部材を指定している。
【0015】
図1aは第1ハーフモールド11、第2ハーフモールド12およびモールドキャビティ10(これ以降「第1モールドキャビティ10」と称する。)を具備した第1成型ユニット30を示しており、ユニットは開状態にある。第1ハーフモールド部11は第1モールドキャビティ10内に溶融した材料を射出するためのスプルーチャネル13を具備し、このスプルーチャネルは第1ハーフモールド11のモールド壁17内に配置されたスプルー開口14を介して第1モールドキャビティ10に続いている。ここに示された実施例において、第1ハーフモールド11の中間近傍に1つのみのスプルーチャネルが存在しているが、異なった位置にスプルーチャネルを備え、またはいくつかのスプルーチャネルを備えた変化が本発明の範囲から逸脱することなくデザインされ得る。
【0016】
ラベル3は第1モールドキャビティ10内に導入される。このラベル3は好適に薄いプラスチックの箔であり、図示された実施例において面およびほぼ一定の厚みを有している。このラベル3は好適にABSベース材料の表層を具備した後側31と、前側32とを備え、且つ少なくとも前側32から視認可能な情報または装飾パターンまたは他の任意のマークを好適に坦持している。第1成型ユニット30が開いたとき、閉じることに先立って、このラベル3は第1成型ユニット30の第2ハーフモールド12のモールド壁16に対向して配置され、ラベルの前側32が第2ハーフモールド12のモールド壁16に対向して支持されるようになっている。ラベルは重力、静電気または記載されていないが従来知られた他の手段によって所定の位置に保持される。特に、ラベルに1つ以上のスロットが設けられている場合、第2ハーフモールド12の壁16に設けられた1つ以上の対応した突起がラベルを有利に所定の位置に維持する。
【0017】
第1ハーフモールド11は、第1ハーフモールド11のモールド壁17から第2ハーフモールド12の方向に突出した突起15をさらに具備している。
【0018】
第2ハーフモールド12のモールド壁16に対向してラベルが配置された後、第1成型ユニット30は、第1および第2ハーフモールド11および12が互いに向かって移動されることによって閉じられる。
【0019】
図1bは、閉じて射出成型した後の第1成型ユニット30を示している。
【0020】
第1溶融材料1´は、スプルーチャネル13および開口14を介して、閉じた状態にある第1モールドキャビティ10内に射出される。この第1溶融材料1´はABSベースの樹脂とすることが可能であり、第1キャビティ10の全容積に拡大して、第1キャビティ10を完全に充満するのに十分な流体である。第1溶融材料1´はラベル31の後側に延在する。ABSベースの樹脂と、ラベルの後側31のABSベースの表層の構成と、の間の化学的な親和性のために、第1溶融材料1´は、化学的接合を形成するためにラベル3の後側31の表層の少なくとも一部と溶け合うことが可能である。ラベル3の中間層とその前側32とは成型工程によって変化しない。
【0021】
図1bに示されたように、第1成型ユニット30が閉じられたとき、第1ハーフモールド11から延在した突起15は第2ハーフモールド12の壁に接触し、これによって、射出された材料によって充満されていない容積を形成する。
【0022】
図1cは、硬化して第1モールドキャビティ10から取り出された後の中間製品7を示している。第1溶融材料1´とラベル3とは硬化した後に中間製品7となる。硬化の際に、第1溶融材料1´は上述の容積に起因した開口部6を具備した第1成型部品1となる。
【0023】
図2aは第1ハーフモールド21、第2ハーフモールド22およびモールドキャビティ20(これ以降「第2モールドキャビティ20」と称する。)を具備した第2成型ユニット40を示しており、ユニットは開状態にある。第1ハーフモールド21はキャビティ内に溶融した材料を射出するための2つのスプルーチャネル23を具備し、このスプルーチャネル23は第1ハーフモールド21のモールド壁27内に配置された開口24を通じて第2キャビティ20内において終端となっている。ここに示された実施例において、第1ハーフモールド21の周領域に2つのスプルーチャネル23が存在しているが、異なった位置にスプルーチャネルを備え、またはより多くのもしくは1つのみのスプルーチャネルを備えた変化が本発明の範囲から逸脱することなくデザインされ得る。
【0024】
第1成型ステップから得られた中間製品7は第2モールドキャビティ内に挿入され、ラベル3の前側32が第2ハーフモールド22の壁26に対向して配置されるように、第2ハーフモールド22に対向して配置される。
【0025】
図2bは閉じて射出成型した後の第2成型ユニット40を示している。
【0026】
第2成型ユニット40が閉じられたとき、第2キャビティ20は第1ハーフモールド21の壁27と第2ハーフモールド22の壁26とによって区切られる。この第2キャビティ20は第1キャビティ10よりも大きく、中間製品7を受け入れて収容することが可能であるようにデザインされている。中間製品7によって占有されていない残りの容積は、第2溶融材料2´の射出を受容する準備ができている。
【0027】
第2溶融材料2´はスプルーチャネル23と開口24とを通じて閉じられたキャビティ20内に射出される。この第2溶融材料2´は好適に流体の状態にあるエラストマ樹脂である。第2溶融材料2´は「溶融エラストマ材料2´」とも称され、中間製品7の開口部6を通じて第2キャビティ20のからの容積内に入り、そこを完全に充満する。
【0028】
射出の後、第2溶融材料2´は第2ハーフモールド22の壁27に対向して延在し、且つ前側32の周縁においてラベルの前側32の上に部分的に延在しており、その詳細は後述される。
【0029】
図2cは、第2モールドキャビティ20を必要とする方法の第2ステップの間に得られた、成型品8を示している。溶融エラストマ材料2´は硬化後に第2成型部品2となり、第1成型部品1に強固に付着している。
【0030】
第1成型部品1と第2成型部品2との間の接着は化学的および機械的の両方であってもよく、開口部6は第2溶融材料2´によって充満されており、領域を固定するようになっている。
【0031】
第2成型部品2は、ラベル3の前側32の周縁33上において、ラベル3と重なっている。
【0032】
成型品8は第1成型部品1、第2成型部品2およびラベル3を具備している。
【0033】
この成型品8は、第1および第2モールドキャビティ10,20の形状にしたがって、任意の所望の形状を有してもよい。それはほぼ平坦とされ得るが、図示された実施例のような湾曲面を備えることも可能であり、その実施例では内面4が凹形状であり、反対側の外面が凸形状である。
【0034】
図3は成型品8の詳細な断面を示している。ラベル3の後側31は第1成型部品1を支持している。ラベル3の前側32は周縁33を具備している。
【0035】
第2成型部品2は、重ね部25を具備した第1成型部品1との界面29を備え、重ね部は周縁33上のみのラベルの前側32に重なっており、前側32の残りの部分は成型部品に覆われておらず、したがって、周囲に露出されている。
【0036】
図4aは第1成型ユニット30内に挿入される前のラベル3を示しており、前側32から見た図である。周縁33は前側32の全輪郭38に沿って延在している。実施例において、輪郭38は略平坦な丸められた長方形であるが、輪郭38は1つまたはいくつかのエッジを備えていてもよい。周縁33は縁部の外側端からある幅をもって延在し、その幅は好適に0.5mm〜3mmの間である。
【0037】
得られた成型品8の完成品が顕著に湾曲していた場合、ラベル3はモールド内への挿入に先立って予備成形ステップを受けるかもしれない。したがって、2次元(ほぼ平坦)であるべきラベル3は、予備成形手段の補助とともに3次元において成形される。
【0038】
図4bは図1a〜2cに示された方法によって得られた成型品8の完成品を示している。成型品8は、例えば剛体プラスチック材料の第1成型部品1と、例えばエラストマ材料の第2成型部品2と、ラベル3と、を具備している。前側32の周縁33はエラストマ材料2の重ね部25によって覆われており、一方でラベル3の前側32の残りの部分34は外面に露出されて、外部環境に露出されている。ラベル3の前側32は任意のタイプのマークの情報を担持していてもよく、ラベルの面の大部分は覆われておらず、情報およびマークが明確に且つ変形することなく出現することが可能である。
【0039】
好適に、ラベル3の前側32は前側面を備え、重ね部25は前側面の0.3〜3%を含んだ重ね面を備えている。
【0040】
好適に、図示された実施例において、エラストマ材料2の重ね部25は1mmよりも薄い厚さである。重ね部25とラベル3の前側32との間の段差はエラストマ材料によって覆われておらず、その結果、非常に小さく、全体的に均一な表面を提供している。
【0041】
成型品8がユーザによって使用されたとき、または運搬の際に、エラストマ材料2は不注意に機械適応力を負荷されるかもしれないが、その弾性のおかげで、応力の負荷が停止したときに初期位置に復元する。したがって、ラベルの前側32の周縁33の保護は長時間保証され、成型品8は径時変化、特に層間剥離に対して保護されており、拡大した寿命が設けられている。
【0042】
本発明の別の態様によれば、第1および第2成型ユニット30,40を必要とする成型工程は、単一作業の第1および第2成型工程の結合によって最適化されることが可能であり、これ以降に説明されている。
【0043】
図5aは第1キャビティ10を含んだ第1成型ユニット30と第2キャビティ20を含んだ第2成型ユニット40とを具備した成型アセンブリ50を示している。第1成型ユニット30の第1ハーフモールド11と、第2成型ユニット40の第1ハーフモールド21と、は第1サポート51によって剛的に連結されており、第1成型ユニット30の第2ハーフモールド12と、第2成型ユニット40の第2ハーフモールド22と、はは第2サポート52によって剛的に連結されており、第1ハーフモールド11は第2ハーフモールド12の正面においてある距離Hだけ精密に離間されており、第1ハーフモールド21は第2ハーフモールド22の正面において同じ距離だけ精密に離間されている。
【0044】
成型アセンブリ50は開状態において図示されており、第1キャビティ10に配置されたラベル3と第2キャビティ20に配置された中間製品7とを備えている。
【0045】
図5は、射出ステップの間の閉状態(距離Hはほぼ0に等しい。)における成型アセンブリ50を示している。
【0046】
有利に、成型アセンブリ50は中間製品7と成型品8とを同時に製造するために使用され、これは以下の連続したステップの結果である。
− モールドが開状態のときに、上述の通りにラベル3が第1キャビティ10内に配置され、中間製品7が第2キャビティ20内に配置されるステップと、
− 成型アセンブリ50が閉じられるステップと、
− 上述の通り、第1溶融材料1´が第1キャビティ10内に射出され、同じ規則において第2溶融材料2´が第2キャビティ20内に射出されるステップと、
− 射出された材料1´および2´が硬化した後、成型アセンブリ50が開かれるステップと、
− 中間製品7が第1キャビティ10から取り出され、成型品8が第2キャビティ20から取り出されるステップ。
【0047】
図6〜13は、これまでに記載され且つ本発明の方法によって得られた成型品を具備したレイザハンドル82を備えたレイザ84を示している。
【0048】
図6はレイザハンドル82を具備したウェットレイザ84を示している。レイザハンドル82は、底部ボディパート81と上部ボディパート80との2つのボディパートを具備している。上部ボディパート80は、これまでに説明されたような、図1〜5に図示された方法と類似の方法によって得られた成型品である。
【0049】
レイザは、レイザヘッドキャリア88と1つ以上の縦長のブレード87を備えたレイザヘッド83とをさらに具備し、このレイザヘッド83は、好適には回動可能に、レイザヘッドキャリア88に取り付けられている。
【0050】
図7は上述のラベル3に類似したラベル63を示している。このラベル63は後側および前側を具備し、前側はパターン、ロゴ、ユーザインストラクション、または他の任意の情報またはマーク(図中の符号37)を坦持していてもよい。このラベル63は好適にプラスチック箔であり、薄くほぼ一定の厚さ(E)を有し、その厚さは好適に0.1mm〜0.5mmの間である。
【0051】
もちろん、ラベル63は不均一な厚さであってもよく、ある立体的なパターンを具備していてもよい。
【0052】
周縁73はラベル63の全輪郭に沿って延在しており、ほぼ一定の幅を有している。この周縁は縁部から離間された破線79および縁部自身によって確定されている。
【0053】
このラベル63は丸められた輪郭を備えた第1端部77から、同様に丸められた端部を備えた第2端部76まで延在しており、第1端部77と第2端部76との間の中間部74においてラベルの幅は小さくなっている。この形状は、レイザハンドル82に人間工学的形状を付与するために、レイザハンドル82の上部ボディパート80の全体的な形状を合致させるようにデザインされている。
【0054】
図8は、本発明による方法の第1ステップによって得られた中間製品78を示している。射出プラスチック材料は、以下に詳細に記載されているように、第1モールドキャビティ内に射出され、この材料は硬化後に第1成型部品61となり、好適に剛体のプラスチック部品(例えばABS、ポリスチレン、または他の任意の「合成材料」群の材料)である。
【0055】
この第1成型部品61内には3つの開口部60が設けられており、それらはすでに述べた開口部6と類似しており、その目的は第2射出材料を通すことである。第2射出材料は好適にエラストマ材料であり、例えばスチレン−ブタジエンゴム、または熱可塑性エラストマである。
【0056】
第1成型部品61内にはクリップ64が設けられ、それらは底部ボディパート81内に設けられた一致する溝内に入る。これはレイザハンドル82のスナップ式組み立てを実現するためである。
【0057】
図9は、本発明の方法によって得られたレイザハンドル82の上部ボディパート80を示している。
【0058】
射出プラスチック材料は、以下に詳細に記載されているように、第2モールドキャビティ内に射出され、この材料は硬化後に第2成型部品62となり、好適にエラストマ成型部品である。ラベルの前側72の周縁73は第2成型部品62の重ね部65によって覆われており、図3について詳細に記載されたものと同様の規則に従っている。
【0059】
図10は上部ボディパート80の断面を示しており、第1成型部品61と第2成型部品62と、ラベル63と、を具備している。
【0060】
硬化後に第1射出材料から得られた第1成型部品61は、中央部92、側壁90、ガイドリブ68,91、および第2射出材料で充満された開口部60を具備している。
【0061】
硬化後に第2射出材料から得られた第2成型部品62はエラストマの特性を備え、ラベル63の周縁73と重なった重ね部65を具備している。この重ね部65は1mmよりも薄い厚さであり、好適に0.5mm〜1mmの間である。
【0062】
図11〜13はレイザハンドル成型部品のようなものを製造するために特にデザインされた成型アセンブリ150を示しており、この成型アセンブリ150は、成型ユニット30に類似した第1成型ユニット130と、成型ユニット40に類似した第2成型ユニット140と、を具備しているが、レイザハンドル成型部品を製造するために特にデザインされている。
【0063】
図11は、「雌」部分92とも称される成型アセンブリ150の部分92を示しており、この部分は第1成型ユニット130の第2ハーフモールド112と、第2成型ユニット140の第2ハーフモールド122と、を具備している。図12は「雄」部分91とも称される成型アセンブリ150の別の部分91を示しており、この部分は第1成型ユニット130の第1ハーフモールド111と、第2成型ユニット140の第1ハーフモールド121と、を具備している。
【0064】
「雄」部分91はガイドロッド101を具備し、「雌」部分92はガイドロッド101をスライド可能に受容するガイドリセス102を具備している。これらのガイド手段は他方に対する一方の単一の並進移動を可能にしており、これは従来のモールド型の技術において公知であり、追加の位置決め部103,104は、それらが互いに接触されたときに、他方に対する一方の正確な位置を向上させている。
【0065】
「雄」部分91と「雌」部分92とは接触して、
− 第1成型ユニット130の第1ハーフモールド111と第2ハーフモールド112とによって形成された第1キャビティ110と、
− 第2成型ユニット140の第1ハーフモールド121と第2ハーフモールド122とによって形成された第2キャビティ120と、を画定している。
【0066】
射出に先立って、ラベル63は第1成型ユニット130の第2ハーフモールド112に対向して配置され、中間製品78は第2成型ユニット140の第2ハーフモールド122に対向して配置される。
【0067】
図13は、成型の際の閉状態における図11の線XIII−XIIIに沿った成型アセンブリ150の断面を示している。
【0068】
「雄」部分91と「雌」部分92とは互いに支持し合っており、第1キャビティ110内にラベル63を収容し、第2キャビティ120内に中間製品120を収容している。
【0069】
「雄」部分91は射出装置(スプルーチャネル113,123)と取り出し装置との双方を含み、一方の「雌」部分92は可能な限り簡素化されている。
【0070】
第1キャビティ110には第1スプルーチャネル113を通じて第1射出材料1´が供給され、第2キャビティ110には第2スプルーチャネル123を通じて第2射出材料2´が供給され、それらは上述の第1スプルーチャネル13および第2スプルーチャネル23と類似の規則において行われ、したがってここでは再度詳細には記載されていない。
【0071】
第1射出材料1´の射出と第2射出材料2´の射出とは同時に行われ、これによって順次の射出と比較して工程時間を減少している。
【0072】
硬化後、成型アセンブリ150は開かれ、中間製品78は第1キャビティ110から取り出され、成型品80は第2キャビティ120から取り出される。
【0073】
その後、方法は再度適用され得る。新しいラベル63は第1成型ユニット130の第2ハーフモールド112に対向して配置され、新しい中間製品78は第2成型ユニット140の第2ハーフモールド122に対向して配置される。
【0074】
従来技術により周知のため、成型アセンブリ150内の温度管理特性および部品のハンドリングは本願には記載されていない。
【符号の説明】
【0075】
1,61 ・・・第1成型部品、 1´ ・・・第1溶融(射出)材料、 2,62 ・・・第2成型部品、 2´ ・・・第2溶融(射出)材料、 3,63 ・・・ラベル、 6,60 ・・・開口部、 7,78 ・・・中間製品、 8 ・・・成型品、 10 ・・・(第1)モールドキャビティ、 11,21,111,121 ・・・第1ハーフモールド、 12,22,112,122 ・・・第2ハーフモールド、 13,23,113,123 ・・・スプルーチャネル、 14,24 ・・・スプルー開口、 15 ・・・突起、 16,17,27 ・・・モールド壁、 20 ・・・(第2)モールドキャビティ、 25 ・・・重ね部、 29 ・・・界面、 30 ・・・第1成型ユニット、 38 ・・・輪郭、 40 ・・・第2成型ユニット、 50,150 ・・・成型アセンブリ、 51 ・・・第1サポート、 52 ・・・第2サポート、 80 ・・・上部ボディパート、 81 ・・・底部ボディパート、 82 ・・・レイザハンドル、 83 ・・・レイザヘッド、 84 ・・・レイザ、 87 ・・・ブレード、 88 ・・・レイザヘッドキャリア、 101 ・・・ガイドロッド、 102 ・・・ガイドリセス、 110 ・・・第1キャビティ、 120 ・・・第2キャビティ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成型品(8;80)であって、該成型品は、
− 第1成型部品(1;61)と、
− 第2成型部品(2;62)と、
− 前記第1成型部品に設けられた後側(31:71)と、該後側と反対側の前側(32;72)と、を備え、該前側が周縁(33;73)を備えたラベル(3;63)と、
を具備した成型品において、
前記第2成型部品(2;62)は重ね部(25;65)を備え、該重ね部は前記周縁(33;73)上のみにおいて前記ラベルの前側(32;72)と重なっていることを特徴とする成型品。
【請求項2】
前記ラベル(3;63)の前側(32;72)は前側面を備え、前記重ね部は前記前側面の0.3%〜3%を含んだ重ね面を備えていることを特徴とする請求項1に記載の成型品。
【請求項3】
前記重ね部(25;65)は1mmよりも薄い厚さを有していることを特徴とする請求項1または2に記載の成型品。
【請求項4】
前記第1成型部品(1;61)は剛体材料を具備し、前記第2成型部品(2;62)はエラストマ材料を具備していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の成型品。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の成型品(80)を具備していることを特徴とするレイザハンドル(82)。
【請求項6】
レイザであって、
− 請求項5に記載のレイザハンドル(82)と、
− 少なくとも1つのブレード(87)を具備したレイザヘッド(83)と、を具備し、
前記レイザヘッドは前記レイザハンドルに取り付けられることを特徴とするレイザ。
【請求項7】
成型品(8;80)を製造するための方法であって、該方法は、
a− 後側(31:71)と前側(32;72)とを備え、該前側が周縁(33;73)を備えたラベル(3;63)を供給するステップと、
b− 第1モールドキャビティ(10;110)を提供するステップと、
c− 前記ラベルの前側(32;72)が前記第1キャビティ(10;110)の壁に対向して配置されるように、前記第1モールドキャビティ(10;110)内に前記ラベル(3;63)を配置するステップと、
d− 前記第1モールドキャビティ(10;110)内に第1プラスチック材料(1´)を射出して、硬化後に前記ラベル(3;63)を具備した中間製品(7;78)を形成するステップと、
e− 前記中間製品(7;78)を取り出すステップと、
f− 第2モールドキャビティ(20;120)を提供するステップと、
g− 前記ラベルの前側(32;72)が前記第2キャビティ(20;120)の壁に対向して配置されるように、前記第2モールドキャビティ(20;120)内に前記中間製品(7;78)を配置するステップと、
h− 前記第2モールドキャビティ(20;120)内に第2プラスチック材料(2´)を射出して、硬化後に、前記第2プラスチック材料(2´)が、周縁(33;73)上において前記ラベル(3;63)の前側(32;72)と重なった重ね部(25;65)を具備するようにするステップと、
i− 前記第2モールドキャビティから成型品(8;80)を取り出すステップと、
を含んでいることを特徴とする成型品(8;80)を製造するための方法。
【請求項8】
前記第1および第2モールドキャビティは1つのモールド型(50;150)に属しており、第1プラスチック材料および第2プラスチック材料を射出するステップは同時に実行され、前記中間製品(7;78)と前記成型品(8;80)とは同時に製造されることを特徴とする請求項7に記載の成型品(8;80)を製造するための方法。
【請求項9】
前記第2プラスチック材料(2´)は、前記中間製品(7;78)の第1プラスチック材料(1´,1;61)に設けられた開口部(6;60)を通じて射出されることを特徴とする請求項7または8に記載の成型品(8;80)を製造するための方法。
【請求項10】
前記ステップcに先立って、3次元において前記ラベル(3;63)を成形する作業が実施されることを特徴とする請求項7に記載の成型品(8;80)を製造するための方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2012−528022(P2012−528022A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512213(P2012−512213)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【国際出願番号】PCT/EP2009/056464
【国際公開番号】WO2010/136065
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(507020417)ビック・バイオレクス・エス・エー (16)
【Fターム(参考)】