説明

リソグラフィ化学プロセスの適応温度制御システム

本発明は、リソグラフィ化学プロセスを温度制御するシステム、装置及び方法に関する。温度制御システムは、基板上にあらかじめ特定された複数のゾーンの温度を検出するよう構成された複数の温度センサ要素を有するマルチゾーン温度検出ユニットと、上記複数のゾーンの温度を調節するよう構成された複数の温度カプラ要素を有するマルチゾーン温度調節ユニットと、マルチゾーン温度検出ユニット及びマルチゾーン温度調節ユニットに作動的に且つ情報伝達可能に結合された温度コントローラユニットとを有する。温度コントローラユニットは、上記複数のゾーンの温度を調節するために、マルチゾーン温度検出ユニットから検出温度を受け取り、この検出温度情報を処理し、処理後の温度情報に基づいて温度制御情報を作成し、温度制御情報をマルチゾーン温度調節ユニットに伝達する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、リソグラフィシステム及び装置並びにリソグラフィ露光法に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書で用いる「パターニング手段」という用語は、基板の標的部分に形成すべきパターンに一致したパターニング済み断面を、入射放射線ビームに与えるために使用できる手段を意味するものと広く解釈されるべきである。「ライトバルブ」という用語も又、こういった意味合いで使用される。一般に、パターンは、標的部分に作られるデバイス、例えば、集積回路又は他のデバイス(以下を参照のこと)中の特定の機能層に対応する。かかるパターニング手段の例は、次の通りである。
【0003】
(a)マスク:マスクの概念は、リソグラフィでは周知であり、かかるマスクは、例えば、バイナリタイプ、交番移相タイプ、減衰移相タイプのようなマスクタイプ並びに種々のハイブリッドマスクタイプを含む。かかるマスクを放射線ビーム中に配置することにより、マスク上のパターンに応じて、マスクに当たる放射線の選択的透過(透過型マスクの場合)又は反射(又は反射型マスクの場合)を生じさせる。マスクの場合、支持構造体は、一般にマスクテーブルであり、このマスクテーブルにより、マスクを入射放射線ビーム中の所望の位置に確実に保持することができ、しかも、マスクを所望ならばビームに対して確実に動かすことができる。
【0004】
(b)プログラム可能なミラーアレイ:かかるデバイスの一例は、粘弾性制御層及び反射面を備えたマトリックスアドレス指定可能面である。かかる装置の背後にある基本的な原理は、例えば、反射面のアドレス指定領域が入射光を回折光として反射し、アドレス指定されていない領域が、入射光を非回折光として反射するということである。適当なフィルタを用いると、この非回折光を反射ビームからフィルタによって除去することができ、後には回折光だけが残り、このようにすると、ビームは、マトリックアドレス指定表面のアドレス指定パターンに従ってパターニングされた状態になる。所要のマトリックスアドレス指定は、適当な電子手段を用いて実施できる。かかるミラーアレイについてそれ以上に詳しい情報は、例えば、米国特許第5,296,891号明細書及び米国特許第5,523,193号明細書から得られ、これら米国特許を参照により引用し、これらの記載内容を本明細書の一部とする。プログラム可能なミラーアレイの場合、上述の支持構造体は、例えば、フレーム又はテーブルとして具体化でき、かかるフレーム又はテーブルは、必要に応じて固定でき又は動かすことができる。
【0005】
(c)プログラム可能なLCDアレイ:かかる構造の一例は、米国特許第5,229,872号明細書に与えられており、この米国特許を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。上述したように、この場合の支持構造体は、例えば、フレーム又はテーブルとして具体化でき、かかるフレーム又はテーブルは、必要に応じて固定でき又は動かすことができる。
【0006】
単純化の目的で、本明細書の以下の記載は、或る場所では、マスク及びマスクテーブルを含む例を具体的に取り上げるが、かかる場合に説明される一般的な原理は、上述したようなパターニング手段の広い意味合いで理解されるべきである。また、投射システムを以下において「レンズ」と称する場合があるが、この用語は、例えば屈折光学系、反射光学系及び反射屈折系を含む種々の形式の投射システムを含むものとして広く解釈されるべきである。投射システムは、放射線の投射ビームを差し向け、形状を定め又は制御するためのこれら設計方式のうちの任意のものに従って動作する構成要素を更に含むのがよく、かかる構成要素も又、以下においてはひとまとめに又は個々に「レンズ」と称する場合がある。
【0007】
リソグラフィ露光装置を例えば集積回路(IC)の製造に利用することができる。かかる場合、パターニング手段は、ICの個々の層に対応した回路パターンを作製することができ、このパターンを放射線感受性物質(レジスト)の層で被覆された基板(シリコンウェーハ)の(例えば、1つ又は2つ以上のダイからなる)標的部分の上に画像化又は形成することができる。一般に、シングルウェーハは、隣接した標的部分のネットワーク全体を含み、隣接した標的部分は、投射システムにより一度に連続的に照射される。
【0008】
マスクテーブル上のマスクによるパターニングを採用した現行の装置では、2つの互いに異なる形式の機械を区別することができる。一形式のリソグラフィ露光装置では、マスクパターン全体を1回で標的部分上に露光することにより各標的部分を照射し、かかる装置は一般に、ウェーハステッパと呼ばれている。ステップアンドスキャン装置と一般に呼ばれている別の装置では、マスクパターンを所与の基準方向(「走査(スキャン)」方向)で投射ビーム下において漸次走査し、それと同期して、基板テーブルをこの方向に平行に又は非平行に走査することにより各標的部分を照射する。一般に、投射システムは、倍率M(一般に<1)を有しているので、基板テーブルを走査する速度Vは、マスクテーブルを走査する速度の係数M倍である。ここで説明したリソグラフィ装置に関するそれ以上の情報は、例えば、米国特許第6,046,792号明細書に見受けられ、かかる米国特許を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。
【0009】
リソグラフィ装置は、2つ又は3つ以上の基板テーブル(及び/又は2つ又は3つ以上のマスクテーブル)を有する形式のものであってもよいことに注目すべきである。かかる「マルチステージ」装置では、追加のテーブルを平行して使用してもよいし、或いは、1つ又は2つ以上のテーブルに対して準備段階を実施する一方で、1つ又は2つ以上の他のテーブルを露光のために用いてもよい。ツインステージリソグラフィ装置が、例えば、米国特許第5,969,441号明細書及び国際公開第WO98/40791号パンフレットに記載されており、この2つの特許文献を参照により引用し、これらの記載内容を本明細書の一部とする。
【0010】
リソグラフィ露光装置を採用した製造法では、パターン(例えば、マスク又はレチクルに設けられている)を、少なくとも部分的に放射線感受性物質(レジスト)の層で覆われている基板ウェーハ上に露光する。この露光工程に先立って、基板ウェーハに、種々のプロセス、例えば、プライミング(下地処理)、レジストコーティング及びソフトベークを行う場合がある。
【0011】
露光後、基板に追加のプロセス、例えば、露光後ベーキング(PEB)、チリング(chilling)、現像、ハードベーク及び画像化された特徴の測定/点検を行うのがよい。これら露光後プロセスは、デバイス、例えばICの個々の層をパターニングするための基礎として用いられる。次に、かかるパターニングされた層は、次の露光部プロセス、例えば、エッチング、イオン注入(ドーピング)、金属化、酸化、化学機械的研磨等を受け、これらは全て、個々の層を仕上げることを目的としている。幾つかの層が必要な場合、手順全体又はその変形方法は、新しい層ごとに繰り返されなければならない。
【0012】
最終的に、アレイ状のデバイスが、基板(ウェーハ)上に設けられ、これらデバイスを次に、例えばダイシング又はソーイング(sawing)のような技術により互いに分離し、次に、個々のデバイスをピンに連結されたキャリヤ等に取り付ける。かかるプロセスに関するそれ以上の情報は、例えば、ペーター・ファン・ツァント(Peter van Zant)著,「マイクロチップ・ファブリケーション:ア・プラクティカル・ガイド・トュー・セミコンダクター・プロセッシング(Microchip Fabrication: A Practical Guide to Semiconductor Processing)」,第3版,マックグロー・ヒル・パブリッシング・カンパニー(McGraw Hill Publishing Co., ),1997年(ISBN 0-07-067250-4)という文献から得ることができ、かかる文献を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
いうまでもなく、ウェーハ基板の標的フィールド上に露光されたパターンの特徴及びプロフィール(輪郭)は、できるだけ正確に再現されることが重要である。この目的のため、製造業者は通常、露光されたパターンの限界寸法(CD)を指定する。その目的は、パターンの特徴及びプロフィールを特徴付け、品質及び一様性のベンチマークレベルを確立することにある。別の重要な検討事項は、高品質の基板ウェーハを繰り返し且つ次第に多く製造するようリソグラフィ作製法を操作できるかどうかということである。
【0014】
しかしながら、限界寸法一様性(CDU)に影響を及ぼし、露光パターンの品質を損なう多くの作用が、リソグラフィ作製法の実施中に存在する。事実、基板ウェーハを取り扱って処理する露光直前及び直後のプロセスは、CDU(限界寸法一様性)のばらつきの一因となる場合がある。さらに、これら露光前及び露光後のプロセスのうち多くでは、基板ウェーハと相互作用してウェーハ上に意図した効果を達成する化学薬品が使用される。しかも、これら化学的相互作用は、予想可能なアレニウスの挙動(即ち、反応速度は、温度に比例する)に従うが、反応が生じると、温度勾配を制御することができない。これら要因の全てが原因となって、ウェーハ全体の個々の標的フィールド又はウェーハ相互間のばらつき及び非一様性が生じる場合があり、その結果、最終的に生産歩留りが低下する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
具体化されると共に本明細書において広義に説明する本発明の原理と一致したシステム及び装置は、リソグラフィ化学プロセスを温度的に制御できる。温度制御システムは、複数の温度センサ要素を有するマルチゾーン温度検出ユニットを有する。これら温度センサ要素は、基板上らあらかじめ特定された複数のゾーンの温度を検出するよう構成されている。この温度制御システムは、更に、あらかじめ特定された複数のゾーンの温度を調節するよう構成された複数の温度カプラ要素を有するマルチゾーン温度調節ユニットを有する。温度制御システムは、更に、マルチゾーン温度検出ユニット及びマルチゾーン温度調節ユニットに作動的に且つ情報伝達可能に結合された温度コントローラユニットを有する。温度コントローラユニットは、あらかじめ特定された複数のゾーンの温度を調節するために、マルチゾーン温度検出ユニットから検出温度を受け取り、この検出温度情報を処理し、処理後の温度情報に基づいて温度制御情報を作成し、温度制御情報をマルチゾーン温度調節ユニットに伝達する。
【0016】
本発明の原理と一致した開示する方法は、リソグラフィ基板の化学的処理を温度的に制御できる。この方法は、リソグラフィ基板上にあらかじめ特定された複数のゾーンの温度を、複数の温度センサ要素によって検出する段階と、あらかじめ特定された複数のゾーンで検出された温度とあらかじめ特定された複数のゾーンの予想温度とを、温度コントローラユニットによって比較する段階とを有する。この方法は更に、上記比較があらかじめ指定されたしきい値を超えているという判定に応答して、前記あらかじめ特定された複数のゾーンの前記検出される温度を調節するための温度制御情報を前記温度コントローラユニットによって作成する段階と、温度コントローラユニットによって作成された温度制御情報に応答して、あらかじめ特定された複数のゾーンで検出される温度を、複数の温度カプラ要素によって調節する段階とを有する。
【0017】
ICの製造において本発明の装置の使用法に関する特定の基準を本明細書において行ったが、かかる装置は、他の多くの考えられる用途を有していることははっきりと理解すべきである。例えば、この装置は、集積光学システム磁気ドメインメモリ用の誘導及び検出パターン、液晶ディスプレイパネル、薄膜磁気ヘッド等の製造に利用できる。当業者であれば理解するように、かかる別の用途の関連では、本明細書の「レチクル」、「ウェーハ」又は「ダイ」という用語はそれぞれ、より一般的な用語である「マスク」、「基板」及び「標的部分」に置き換えられるものとして理解するべきである。
【0018】
本明細書では、「放射線」及び「ビーム」という用語は、紫外線(例えば、波長が365nm、248nm、193nm、157nm又は126nm)及びEUV(例えば波長範囲が5〜20nmの極紫外線)並びに粒子ビーム、例えばイオンビーム又は電子ビームを含む全ての種類の電磁放射線を含むものとして用いられている。
【0019】
次に、添付図面を参照して、例示に過ぎない本発明の実施形態を説明する。図中、同じ参照符号は、一致する部分を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
上述したように、基板ウェーハを処理するプロセスは、基板上の露光パターンの品質及び性能に悪影響を及ぼすCDU(限界寸法一様性)のばらつきの一因となる場合がある。上述の非一様性は、標的フィールド全体、ウェーハ全体及びウェーハ相互間で生じる場合がある。さらに、これら非一様性は、基板に対する化学反応速度を含む種々の要因で左右される。以下に詳細に説明するように、本発明は、種々の化学プロセスの温度を調節でき、それにより反応速度を制御すると共に増大させ、結果的にCDU(限界寸法一様性)及び高品質の歩留りを向上させる適応温度制御特徴を備えたリソグラフィシステムを意図している。この温度制御特徴は、露光前プロセス及び/又は露光後プロセスの間、あらかじめ特定されたゾーン内の化学反応の温度を適応可能に調節するよう互いに協働するマルチゾーン温度センサユニットとマルチゾーン温度調節ユニットを採用している。
【0021】
図1は、本発明の特定の実施形態としてのリソグラフィシステム100を概略的に示している。システム100は、パターンを基板ウェーハ上に露光するよう構成されたリソグラフィ露光装置102と、基板ウェーハを種々の露光処理前処理モジュールと露光後処理モジュールとの間で運搬するよう構成されたウェーハトラック装置104とを有している。
【0022】
図2は、リソグラフィ露光装置102の詳細図である。図2に示すように、リソグラフィ露光装置102は、投射ビームPBを供給する放射線源LA及び放射線システムILと、マスクMA(例えば、レチクル)を保持するマスクホルダを備えた第1の物体テーブル(例えば、マスクテーブル)MTと、マスクMAの照射部分を基板Wの(例えば、1つ以上のダイを有する)標的部分Cの上に投射する投射システムPL(例えば、レンズ)とを有している。上述したように、リソグラフィ露光装置102は、透過型のものである(即ち、透過マスクを有する)。しかしながら、一般に、このリソグラフィ露光装置は、例えば反射型のものであってもよく(例えば反射マスクを有する)、変形例として、露光装置102は、別の種類のパターニング手段、例えば、上述したような形式のプログラム可能なミラーアレイを採用してもよい。
【0023】
リソグラフィ露光装置102は、基板W(例えば、レジスト塗布シリコンウェーハ)を保持する基板ホルダを備えた第2の物体テーブル(例えば、基板テーブル)WTを更に有する。
【0024】
放射線源LAは、放射線のビームを生じさせ、この放射線ビームは、照明システム(例えば、照明器)ILに直接送られ、又は、状態調節手段、例えばビーム拡大器Exを横切った後に照明システム(例えば、照明器)ILに送られる。照明器ILは、ビーム中の強度分布の外側半径方向広がり及び/又は内側半径方向広がり(それぞれ、一般に、σ−アウタ及びσ−インナと呼ばれている)を設定する調節手段AMを有するのがよい。さらに、この照明器は一般に、種々の他の構成要素、例えば、インテグレータIN及びコンデンサ(集光レンズ)COを有する。このように、マスクMAに当たるビームPBは、所望の断面一様性及び強度分布を有する。
【0025】
図2に関して注目すべきこととして、放射線源LAは、(放射線源LAが例えば水銀灯であるときに、多くの場合そうであるように)リソグラフィ露光装置102のハウジング内に位置することである。しかしながら、この放射線源LAは、エキシマレーザ源の場合のように露光装置102から見て遠くに位置していてもよい。この方式では、遠隔放射線ビームは、適当な方向付けミラーにより露光装置102内へ案内される。特許請求の範囲に記載された発明を含む本発明は、これらの方式の両方を含む。
【0026】
次に、ビームPBは、マスクテーブルMT上に保持されたマスクMAと交差する。マスクMAを通過すると、ビームPBは、レンズPLを通過し、このレンズPLは、ビームPBを基板Wの標的部分C上に焦点を有する。例えば、ビームPBの経路中に互いに異なる標的部分Cを位置決めするために、第2の位置決め手段及び干渉方式測定手段IFの助けにより、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。これと同様に、第2の位置決め手段を用いると、例えば、マスクライブラリからのマスクMAの機械的取り出し後又は走査中、マスクMAをビームPBの経路に対して正確に位置決めすることができる。
【0027】
一般に、物体テーブルMT,WTの運動は、長行程モジュール(粗い位置調整)及び短行程モジュール(細かい位置調整)により実現され、これらモジュールは、図1には明示されていない。しかしながら、ウェーハステッパの場合(ステップアンドスキャン装置とは対照的に)、マスクテーブルMTは、短行程アクチュエータに連結されていてもよいし、固定されていてもよい。
【0028】
リソグラフィ露光装置102は、2つの互いに異なるモードで使用できる。
【0029】
(a)ステップモード:マスクテーブルMTは、本質的に静止状態に保たれ、マスク像全体を1回(即ち、単一の「フラッシュ」)で標的部分C上に投射する。次に、基板テーブルWTをx方向及び/又はy方向にシフトさせて別の標的部分CをビームPBにより照射できるようにする。
【0030】
(b)走査モード:本質的に同じ方式が当てはまるが、上記と異なる点は、所与の標的部分Cが単一の「フラッシュ」で露光されるわけではないということである。これとは異なり、マスクテーブルMTは、速度vで所与の方向(いわゆる、「走査方向」、例えば、y方向)に動くことができ、したがって投射ビームPBは、マスク像全体にわたって走査するようになる。それと同時に、基板テーブルWTを速度V=Mvで同一又は逆方向に動かし、ここでMは、レンズPLの倍率である(代表的には、M=1/4又は1/5)。このように、解像度を損なう必要なく、比較的広い標的部分Cを露光することができる。
【0031】
図1を参照すると、リソグラフィシステム100のウェーハトラック装置104部分は、リソグラフィ露光装置102と露光に先立って基板ウェーハを処理するよう構成された多くの露光前処理モジュールとを相互接続する。これら処理前モジュールとしては、例えば、ウェーハ供給モジュール106a、レジストコーティングモジュール106b、プライミング(下地処理)モジュール106c及びソフトベークモジュール106dが挙げられる。加うるに、ウェーハ供給モジュール106aは、処理すべきウェーハの入ったカセットを積み下ろしするためのローディングステーション12を有するのがよい。
【0032】
同様に、ウェーハトラック装置104は、リソグラフィ露光装置102と、露光後に基板ウェーハを処理し、これら基板ウェーハのために働くよう構成された種々の露光後処理モジュールを相互に連結する。これら露光後処理モジュールとしては、例えば、露光後ベーク(PEB)モジュール108a、ハードベークモジュール108b、チルプレートモジュール108c、現像液モジュール108d及び測定モジュール108eが挙げられる。
【0033】
測定プロセスモジュール108eに関し、かかるモジュールは、計測学的情報を較正するために使用できることを注目すべきである。例えば、測定プロセスモジュール108eは、CDU(限界寸法一様性)と関連した多くのウェーハ基板属性及びアーチファクト、例えば基板全体のCD(限界寸法)、個々の標的フィールドのCD(限界寸法)及び種々のプロフィール(輪郭)寸法形状を測定してこれらを評価するよう構成されたものであるのがよい。この目的のため、測定プロセスモジュール108eは、走査型電子顕微鏡(SEM)、電気的直線測定(ELM)装置又はかかる測定目的に適したこれらと同様な装置を有するのがよい。
【0034】
ウェーハトラック装置104は、リソグラフィ露光装置102へのウェーハ基板Wの出し入れを命令するよう構成されたインタフェース区分104aを有するのがよい。ウェーハトラック装置104は、種々の処理モジュール相互間のウェーハ基板Wの運搬を命令するよう構成された第2のインタフェースセクション104bを更に有するのがよい。したがって、ウェーハ基板Wは、ウェーハトラック装置104により処理モジュールに送られ、処理モジュールによって処理され、処理モジュールから取り出され、そして処理モジュール相互間で運搬される。
【0035】
図3Aは、本発明の特定の実施形態に従って構成されると共に動作する適応温度制御(ATC)システム300を示す概略的な機能ブロック図である。上述したように、露光前及び露光後プロセスモジュールのうち多くは、基板Wを、基板Wと相互作用して所望の結果を達成する或る特定の化学薬品をコーティングし又はかかる化学薬品で処理することによりウェーハ基板Wを処理する。ATC(適応温度制御)システム300は、反応速度を制御し、それによりCDU(限界寸法一様性)を向上させると共に生産歩留りを向上させるために、化学的処理プロセス中、反応の温度を制御するよう構成されている。
【0036】
図3Aに示すように、温度コントローラTHCNTに作動的に且つ情報伝達可能に結合されたマルチゾーン温度センサユニットTSUを有する。温度センサユニットTSUは、ゾーン温度を検出し、所望の温度を温度コントローラTHCNTに送るよう構成されている。温度コントローラTHCNTは又、マルチゾーン温度調節ユニットTAUに作動的に且つ情報伝達可能に結合されている。したがって、温度コントローラTHCNTは、温度センサユニットTSUによって送られた検出ゾーン温度に応答して温度調節ユニットTAU内の或る特定のゾーンの温度を調節する温度制御情報を作成する。
【0037】
図3Aに示すように、マルチゾーン温度センサユニットTSUは、複数の温度センサ要素TS1〜TSnを有するのがよく、各センサ要素は、取り扱われると共に処理されているウェーハ基板加工物WPの特定のゾーンについて温度を検出するよう構成されている。図示の実施形態では、温度センサTS1〜TSnは、ウェーハ基板加工物WPの上方に浮いた状態で位置する平面上に配置されている。温度センサ要素TS1〜TSnの平面と加工物WPとの間の距離は、正確な温度の読みを提供するような距離であることが必要である。
【0038】
さらに、温度センサ要素TS1〜TSnが温度の検出のために構成されて設けられているゾーンは、加工物WP上の複数個の標的部分又はダイのためであってもよいし、個々のダイのためであってもよいし、個々のダイの一部のためであってもよい。例えば、図3Aに示すように、温度センサTSaについてのゾーン解像度は、ダイCa全体に及び、温度センサTSb1についての解像度は、ダイCbのサブセット、即ちCb1に及ぶ。
【0039】
ATC(適応温度制御システム)300のマルチゾーン温度調節ユニットTSAは、複数の温度カプラ要素TC1〜TCnを有するのがよく、各カプラ要素は、取り扱われると共に処理されているウェーハ基板加工物WPの特定のゾーンについて温度を調節するよう構成されている。図示の実施形態では、温度カプラ要素TC1〜TCnは、ウェーハ基板加工物WPの下方の平面上に配置されている。温度カプラ要素TC1〜TCnの平面と加工物WPとの間の距離は、正確且つ適切な時期に温度調節を行うことができるような距離であることが必要である。
【0040】
温度カプラ要素TC1〜TCnが温度の調節のために構成されて設けられているゾーンは、対応する温度検出手段と非常によく似て、加工物WP上の複数個の標的部分又はダイのためであってもよいし、個々のダイのためであってもよいし、個々のダイの一部のためであってもよい。例えば、図3Aに示すように、温度カプラTCaについてのゾーン解像度は、ダイCa全体に及び、温度カプラTCb1についての解像度は、ダイ部分Cb1に及ぶ。
【0041】
上記において概略的に説明したように、ATC(適応温度制御)システム300の温度コントローラTHCNTは、温度センサユニットTSUにより検出されたゾーン温度を受け取り、温度調節ユニットTAU内の特定のゾーンの温度を調節する温度制御情報を作成するよう温度センサユニットTSU及び温度調節ユニットTAUと情報のやりとりをするよう構成されている。温度コントローラTHCNTと温度センサユニットTSU及び温度調節ユニットTAUとの間の情報伝達は、当該技術分野において知られている種々の方法、例えば、赤外線通信リンク、ワイヤレス通信リンク及び/又はハードワイヤード通信リンクにより達成できる。
【0042】
さらに、温度コントローラTHCNTは、マイクロプロセシング回路、アプリケーション専用集積回路(ASIC)又は情報及び命令を処理し、情報を要求に応答し、リンク状態の装置と情報のやりとりをし、指令を実行することができる上記と類似の論理回路を有するのがよい。加うるに、温度コントローラTHCNTは、電子メモリ及び/又はストレージ装置を有するのがよく、さらに、外部電子メモリ及びストレージ装置とインタフェースを取ってこれらと情報のやりとりをすることができるのがよい。この目的のため、温度コントローラTHCNTは、温度制御処理を向上させるために、データリポジトリ、例えば、予想ゾーン温度のデータベース又は記録保管済みリストと情報のやりとりをし、これからの情報にアクセスでき、又は更新情報をこれに与えるのがよい。
【0043】
図3Bは、本発明の特定の実施形態に従って構成されると共に動作する適応温度制御(ATC)プロセス350を示している。ATC(適応温度制御)プロセス350は、反応速度を制御し、それによりCDU(限界寸法一様性)を向上させると共に生産上の歩留りを向上させるために、化学処理及び反応を含むリソグラフィプロセス中、反応の温度を制御するよう設計されている。図3Bに示すように、ATC(適応温度制御)プロセス350は、ウェーハ基板加工物WPを化学的に処理する手順タスクP300で始まる。
【0044】
加工物WPを化学的に処理した後、ATC(適応温度制御)プロセス350は、手順タスクP302に進み、この手順タスクP302では、マルチゾーン温度センサユニットTSUが、化学的に処理された加工物WP上の複数個のゾーンの温度を温度センサ要素TS1〜TSnにより検出する。上述したように、ゾーン温度情報のアレイが、温度コントローラTHCNTに送られる。
【0045】
手順タスクP304では、温度コントローラTHCNTは、送られたゾーン温度情報と予想ゾーン温度情報とを比較する。予想ゾーン温度は、理論的情報、予想モデル、実験情報又は他のこれらに類似した情報に基づいているのがよい。図3Bに示すように、予想ゾーン温度情報は、データベース、ライブラリ又は記録保管済みリストARCHに記憶されたものであるのがよい。次に、温度コントローラTHCNTは、特定のゾーンについての検出温度と、そのゾーン又は複数のゾーンについての予想温度との差ΔTを求める。
【0046】
手順タスクP306では、温度コントローラTHCNTは、検出温度と予想温度との差ΔTが特定の1つ又は複数のゾーンについてのあらかじめ指定されたしきい値内に収まっているかどうかを判定する。もしそうでなければ、温度コントローラTHCNTは、制御情報を作成して加工物WP上の特定の1又は複数個のゾーンに対応した温度調節ユニットTAU上の温度カプラ要素TC1〜TCaの温度を調節する。これにより、加工物WPゾーン上で生じる化学反応の温度を調節する。温度調節では、加工物WP上で生じる反応速度を最適化するために温度カプラ要素TC1〜TCnの温度の低下又は上昇が行われる。
【0047】
温度コントローラTHCNTが、全てのゾーンについて検出温度と予想温度との差ΔTがあらかじめ指定されたしきい値に収まっているかどうかを判定した場合、ATC(適応温度制御)プロセス350は、手順タスクP310に進み、この手順タスクP310において、個々のダイ、ダイの組及び/又は加工物についての属性を測定する。上述したように、このタスクは、測定プロセスモジュール108eによって行うのがよく、この測定プロセスモジュールは、CDU(限界寸法一様性)と関連した多くのウェーハ基板属性及びアーチファクト、例えば基板全体のCD(限界寸法)、個々の標的フィールドのCD(限界寸法)及び種々のプロフィール(輪郭)寸法形状を測定してこれらを評価するよう構成されている。
【0048】
測定後、ATC(適応温度制御)プロセス350は、手順タスクP312に進み、この手順タスクP312において、ATC(適応温度制御)プロセス350は、測定した属性が充分に一様であるかどうかを判定し、もしそうであれば、ATC(適応温度制御)プロセス350が終了する。もしそうでなければ、ATC(適応温度制御)プロセス350は手順タスクP314に進み、この手順タスクP314において、ATC(適応温度制御)プロセスは、測定された属性に基づいて特定の1又は複数個のゾーンについての予想ゾーン温度を受け取って更新し、このATC(適応温度制御)プロセスは次に、次の加工物のための手順タスクP300に戻る。予想ゾーン温度を、所望のCDU(限界寸法一様性)を生じさせる最適ゾーン温度に収斂させるように修正する。
【0049】
このように、ATCプロセス(適応温度制御)350は、化学処理プロセス中、反応の温度及び速度を適応可能に制御し、それによりCDU(限界寸法一様性)を向上させると共に生産上の歩留りを向上させる。
【0050】
一例を挙げると、本発明の特定の実施形態に従って構成されると共に動作する図4に示すような処理モジュールの具体的構成例を検討する。図4は、上述した本発明の特徴を備えた現像液処理モジュール408dを示している。これら特徴は現像液による処理と関連して説明するが、かかる特徴又はその派生した特徴は、他の化学的に関連したリソグラフィプロセスに等しく当てはまることは理解されよう。
【0051】
一般に、現像液プロセスモジュールは、露光に起因して光活性化レジスト材料の化学組成が変化した基板W上の領域を溶解させるために、現像液コーティングプロセスとスピンプロセスの両方を有する。特に、化学的に変化したレジスト材料を除去するために、現像液をウェーハ基板Wに塗布し、所定の時間間隔の後、基板Wをスピンさせて残滓をすすぎ落とす。しかしながら、本発明の特徴を具体化することにより、現像液処理は、CDU(限界寸法一様性)を向上させると共に生産歩留りを増大させるよう最適化できる。
【0052】
図4に示すように、現像液処理モジュール408dは、現像液の一様な膜をウェーハ基板加工物WP上にコーティングする走査ノズル又は複数個の静止ノズル410を有している。現像液処理モジュール408dは、マルチゾーン温度センサユニットTSU及びマルチゾーン温度調節ユニットTAUを更に有し、これらは両方共、温度コントローラTHCNTに作動的に且つ情報伝達可能に結合されている。現像液を加工物WP上に一様に分布させた後、温度センサユニットTSU、温度調節ユニットTAU及び温度コントローラTHCNTは、上述したように互いに協働して加工物WP上の種々の領域全体にわたり所望の温度を維持する。即ち、温度センサユニットTSUにより検出されたゾーン温度に基づいて、温度コントローラTHCNTは、加工物WP上の所望の温度を保証するよう温度調節ユニットTAU内の特定のゾーンの温度を調節する温度制御情報を作成する。
【0053】
加工物WP上の温度を制御することにより、現像液処理モジュール408dからスピンプロセスを除くことができる。これらの方針に沿って、共有型リンス及びスピンモジュール420は、スループットを向上させるよう他の処理モジュールにより共有された状態で、現像液及び他の化学溶液のすすぎ洗い専用であるように構成されたものであるのがよい。かかるモジュールは、水又は他の洗浄溶液を分配する走査ノズル又は複数個の静止ノズル424、残滓を回転させてすすぎ落とすスピン板422、及び加工物WPをスピン板に結合した状態に保つ保持装置426を用いるのがよい。
【0054】
上述の詳細な説明は、本発明の例示の実施形態を示す添付の図面に言及している。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の実施形態が可能であり、しかもこれら実施形態の改造が可能である。これとは異なり、例えば、上述の実施形態は、全体が図示されているソフトウェア、ファームウェア又はハードウェアについて異なる実施形態で具体化できる。したがって、所定レベルの詳細が本明細書に記載されているとすれば実施形態の改造及び変形が可能であることを了解の上で本発明の作用及び動作が説明されている。かくして、上述の詳細な説明は、本発明を限定するものではなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて定められる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】フォトリソグラフィ露光装置及びウェーハトラック装置の略図である。
【図2】フォトリソグラフィ露光装置の略図である。
【図3A】本発明の実施形態を示す概略的な機能ブロック図である。
【図3B】本発明の実施形態を示す高レベル流れ図である。
【図4】現像液処理モジュールと関連した本発明の別の実施形態を示す概略的な機能ブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィ基板を化学的に処理する温度制御システムであって、
前記リソグラフィ基板上にあらかじめ特定された複数のゾーンの温度を検出する複数の温度センサ要素を有するマルチゾーン温度検出ユニットと、
前記あらかじめ特定された複数のゾーンの温度を調節する複数の温度カプラ要素を有するマルチゾーン温度調節ユニットと、
前記マルチゾーン温度検出ユニット及び前記マルチゾーン温度調節ユニットに作動的に且つ情報伝達可能に結合された温度コントローラユニットと、を有し、
前記温度コントローラユニットは、論理回路を有し、この論理回路は、前記マルチゾーン温度検出ユニット及び前記マルチゾーン温度調節ユニットから情報を受け取り、情報を処理し、情報を前記マルチゾーン温度調節ユニット及び前記マルチゾーン温度調節ユニットに伝達し、
前記マルチゾーン温度検出ユニットは、検出された温度情報を前記温度コントローラユニットに伝達し、
前記温度コントローラユニットは、前記あらかじめ特定された複数のゾーンの温度を調節するために、前記検出された温度情報を処理し、処理された温度情報に基づいて温度制御情報を作成し、この温度制御情報を前記マルチゾーン温度調節ユニットに伝達する、温度制御システム。
【請求項2】
更に、電子ストレージ装置を有し、この電子ストレージ装置は、前記あらかじめ特定された複数のゾーンについての予想温度情報を有する、請求項1記載の温度制御システム。
【請求項3】
前記温度コントローラユニットは、前記検出された温度情報と前記電子ストレージ装置に記憶されている前記予想温度情報との比較を行うことによって、前記検出された温度情報を処理する、請求項2記載の温度制御システム。
【請求項4】
前記温度コントローラユニットは、前記あらかじめ特定された複数のゾーンの温度を調節するために、前記検出された温度情報と前記予想温度情報との前記比較が、あらかじめ指定されたしきい値を超えたかどうかを判定することによって、前記温度制御情報を作成する、請求項3記載の温度制御システム。
【請求項5】
更に、測定処理モジュールを有し、この測定処理モジュールは、前記リソグラフィ基板の属性を測定し且つ基板属性情報を作成するよう構成される、請求項4記載の温度制御システム。
【請求項6】
前記あらかじめ特定された複数のゾーンについての前記予想温度情報は、前記基板属性情報に基づいて修正される、請求項5記載の温度制御システム。
【請求項7】
更に、電子ストレージ装置を有し、この電子ストレージ装置は、前記あらかじめ特定された複数のゾーンについての予想温度情報を有し、
前記温度コントローラユニットは、前記検出された温度情報と前記電子ストレージ装置に記憶されている前記予想温度情報とを比較することによって、前記検出された温度情報を処理し、且つ、前記検出された温度情報と前記予想された温度情報の前記比較が、あらかじめ指定されたしきい値よりも大きいかどうかを判定することによって、前記温度制御情報を作成する、請求項1記載の温度制御システム。
【請求項8】
更に、測定処理モジュールを有し、この測定処理モジュールは、前記リソグラフィ基板の属性を測定し、基板属性情報を作成し、
前記あらかじめ特定された複数のゾーンについての前記予想温度情報は、前記基板属性情報に基づいて修正される、請求項7記載の温度制御システム。
【請求項9】
リソグラフィ基板の化学的処理を温度制御する方法であって、
前記リソグラフィ基板上にあらかじめ特定された複数のゾーンの温度を、複数の温度センサ要素によって検出する段階と、
前記あらかじめ特定された複数のゾーンの前記検出された温度と前記あらかじめ特定された複数のゾーンの予想温度とを、温度コントローラユニットによって比較する段階と、
前記比較があらかじめ指定されたしきい値を超えているという判定に応答して、前記あらかじめ特定された複数のゾーンの前記検出される温度を調節するための温度制御情報を前記温度コントローラユニットによって作成する段階と、
前記温度コントローラユニットによって作成された前記温度制御情報に応答して、前記あらかじめ特定された複数のゾーンの前記検出される温度を、複数の温度カプラ要素によって調節する段階と、を有する方法。
【請求項10】
更に、前記あらかじめ特定された複数のゾーンについての予想温度情報を電子的にストアする段階を有する、請求項9記載の方法。
【請求項11】
更に、前記リソグラフィ基板の属性を測定する段階と、
前記測定された属性に基づいて基板属性情報を作成する段階と、を有する請求項10記載の方法。
【請求項12】
更に、前記基板属性情報に基づいて、前記あらかじめ特定された複数のゾーンについての前記予想温度情報を修正する段階を有する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
更に、前記あらかじめ特定された複数のゾーンについての予想温度情報を電子的に記憶する段階と、
前記リソグラフィ基板の属性を測定する段階と、
前記測定された属性に基づいて基板属性情報を作成する段階と、を有する請求項9記載の方法。
【請求項14】
更に、前記基板属性情報に基づいて、前記あらかじめ特定された複数のゾーンについての前記予想温度情報を修正する段階を有する、請求項13記載の方法。
【請求項15】
リソグラフィシステムであって、
リソグラフィ装置と、ウェーハトラック装置と、を有し、
前記リソグラフィ装置は、
放射線の投射ビームを供給する照明器と、
前記投射ビームを所望のパターンに従ってパターニングするよう構成されたパターニング装置を保持する支持体と、
基板を保持するよう構成された基板テーブルと、
前記パターニングされた投射ビームを前記基板の標的部分に当てる投射システムと、を有し、
前記ウェーハトラック装置は、
前記基板の属性を測定し、基板属性情報を作成する測定処理モジュールと、
前記基板を化学的に処理するよう構成された少なくとも1つの処理モジュールと、
前記基板の前記化学的処理中、温度を制御する温度制御システムとを有し、
前記温度制御システムは、
前記基板上にあらかじめ特定された複数のゾーンの温度を検出する複数の温度センサ要素を有するマルチゾーン温度検出ユニットと、
前記あらかじめ特定された複数のゾーンの温度を調節する複数の温度カプラ要素を有するマルチゾーン温度調節ユニットと、
前記マルチゾーン温度検出ユニット及び前記マルチゾーン温度調節ユニットに作動的に且つ情報伝達可能に結合された温度コントローラユニットとを有し、
前記温度コントローラユニットは、論理回路を有し、この論理回路は、前記マルチゾーン温度検出ユニット及び前記マルチゾーン温度調節ユニットから情報を受け取り、情報を処理し、情報を前記マルチゾーン温度調節ユニット及び前記マルチゾーン温度調節ユニットに伝達し、
前記マルチゾーン温度検出ユニットは、検出された温度情報を前記温度コントローラユニットに伝達し、
前記温度コントローラユニットは、前記あらかじめ特定された複数のゾーンの温度を調節するために、前記検出された温度情報を処理し、前記処理された温度情報に基づいて温度制御情報を作成し、前記温度制御情報を前記マルチゾーン温度調節ユニットに伝達する、リソグラフィシステム。
【請求項16】
更に、電子ストレージ装置を有し、この電子ストレージ装置は、前記あらかじめ特定された複数のゾーンについての予想温度情報を有し、
前記温度コントローラユニットは、前記検出された温度情報と前記電子ストレージ装置に記憶されている前記予想温度情報とを比較することによって、前記検出された温度情報を処理し、且つ、前記検出された温度情報と前記予想温度情報との前記比較が、あらかじめ指定されたしきい値よりも大きいかどうかを判定することによって、前記温度制御情報を作成する、請求項15記載のリソグラフィシステム。
【請求項17】
前記あらかじめ特定された複数のゾーンについての前記予想温度情報は、前記基板属性情報に基づいて修正される、請求項16記載のリソグラフィシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの処理モジュールは、前記ウェーハを現像する現像液モジュールとして構成され、この現像液モジュールは、溶液を一様に分配する塗布ノズルを有する、請求項16記載のリソグラフィシステム。
【請求項19】
前記ウェーハトラック装置は、更に、前記現像された基板をもっぱらすすぎ洗いするリンスモジュールを有し、このリンスモジュールは、洗浄溶液を分配する洗浄ノズルと、前記現像された基板を受け取るスピン板と、前記現像された基板を前記スピン板にしっかりと取り付ける保持装置と、を有する請求項18記載のリソグラフィシステム。
【請求項20】
ウェーハトラック装置であって、
前記基板の属性を測定し、基板属性情報を作成する測定処理モジュールと、
前記基板を化学的に処理するよう構成された少なくとも1つの処理モジュールと、
前記基板の前記化学的処理中、温度を制御する温度制御システムとを有し、
前記温度制御システムは、
前記基板上にあらかじめ特定された複数のゾーンの温度を検出する複数の温度センサ要素を有するマルチゾーン温度検出ユニットと、
前記あらかじめ特定された複数のゾーンの温度を調節する複数の温度カプラ要素を有するマルチゾーン温度調節ユニットと、
前記マルチゾーン温度検出ユニット及び前記マルチゾーン温度調節ユニットに作動的に且つ情報伝達可能に結合された温度コントローラユニットとを有し、
前記温度コントローラユニットは、論理回路を有し、この論理回路は、前記マルチゾーン温度検出ユニット及び前記マルチゾーン温度調節ユニットから情報を受け取り、情報を処理し、情報を前記マルチゾーン温度調節ユニット及び前記マルチゾーン温度調節ユニットに伝達し、
前記マルチゾーン温度検出ユニットは、検出された温度情報を前記温度コントローラユニットに伝達し、
前記温度コントローラユニットは、前記あらかじめ特定された複数のゾーンの温度を調節するために、前記検出された温度情報を処理し、前記処理された温度情報に基づいて温度制御情報を作成し、前記温度制御情報を前記マルチゾーン温度調節ユニットに伝達する、ウェーハトラック装置。
【請求項21】
更に、電子ストレージ装置を有し、この電子ストレージ装置は、前記あらかじめ特定された複数のゾーンについての予想温度情報を有し、
前記温度コントローラユニットは、前記検出された温度情報と前記電子ストレージ装置に記憶されている前記予想温度情報とを比較することによって、前記検出された温度情報を処理し、且つ、前記検出された温度情報と前記予想温度情報との前記比較が、あらかじめ指定されたしきい値よりも大きいかどうかを判定することによって、前記温度制御情報を作成する、請求項20記載のウェーハトラック装置。
【請求項22】
前記あらかじめ特定された複数のゾーンについての前記予想温度情報は、前記基板属性情報に基づいて修正される、請求項21記載のウェーハトラック装置。
【請求項23】
前記少なくとも1つの処理モジュールは、前記ウェーハを現像する現像液モジュールとして構成され、この現像液モジュールは、溶液を一様に分配する塗布ノズルを有する、請求項21記載のウェーハトラック装置。
【請求項24】
前記ウェーハトラック装置は、更に、前記現像された基板をもっぱらすすぎ洗いするリンスモジュールを有し、このリンスモジュールは、洗浄溶液を分配する洗浄ノズルと、前記現像された基板を受け取るスピン板と、前記現像された基板を前記スピン板にしっかりと取り付ける保持装置と、を有する請求項23記載のウェーハトラック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−505495(P2007−505495A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526174(P2006−526174)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2004/028550
【国際公開番号】WO2005/033801
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(503195263)エーエスエムエル ホールデイング エヌ.ブイ. (232)
【Fターム(参考)】