説明

リソグラフィ装置及びデバイス製造方法

【課題】基板テーブルの移動を駆動するより効率的な方法を提供する。
【解決手段】キャリアと、直交軸X及びYを基準にして画定された平面でキャリアを投影システムに対して移動させる駆動システムとを備え、駆動システムは、Y軸に平行に移動するように構築され、配置されたシャトルと、シャトルをキャリアに接続するシャトルコネクタであって、シャトルに対してX軸に平行な方向にキャリアを移動させることができるようなシャトルコネクタと、Y軸に平行なシャトルの移動を駆動するシャトルドライバとを備え、シャトルはX軸に平行な方向のキャリアの片側だけに位置し、シャトルの1つだけがキャリアに接続され、シャトルドライバ及びシャトルコネクタは、駆動システムによってキャリアに加えられる力のY成分の少なくとも10%を供給するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、リソグラフィ装置及びデバイス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが与えられる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
【0003】
[0003] 基板表面の特徴付けがなされる測定段階、及びパターン付き放射ビームによって基板上に所望のパターンが結像される露光段階では、基板は投影システムに対して移動可能な基板テーブル上に支持される。基板テーブルの移動を駆動するために駆動機構が備えられる。
【0004】
[0004] 測定段階と露光段階とを切り換える際の、及び基板を基板テーブルにロードし/基板テーブルからアンロードする際の基板テーブルの移動距離を最小限にするために、従来技術のシステムでは基板テーブルの移動を駆動するいわゆる平面モータを使用すると便利であることが分かっている。これらの平面モータは、基板テーブルにコイルを取り付け、基板テーブルの下のボディに永久磁石を取り付けることによって実施される。コイルは、基板テーブルの意図的な移動に関連する必要な加速と減速を引き起こすように駆動される。コイルと永久磁石とを、永久磁石の上の基板テーブルが浮上するように構成することもできる。
【0005】
[0005] 平面モータの構成によって、空間的に比較的制限されない移動が行われ、基板テーブルが測定段階から露光段階に移行する間に、基板テーブルとリソグラフィ装置のその他の部品との接続を一定に保つことが可能になる。基板テーブルを、例えば1つの駆動機構から別の駆動機構に移行させる必要がなくなる。
【0006】
[0006] このような平面モータを使用する際の問題は、これらが比較的非効率であり、必要な移動を達成するために大量の動力を要することである。これによりコストが高くなり、このようなシステムを(より大型の基板テーブルを、したがってより大きい力を必要とする)より大型の基板の処理、及び/又は(より大きい加速を、したがってより大きい力を必要とする)スループットの増大のために使用する範囲が制限されることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0007] 基板テーブルの移動を駆動するより効率的な方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0008] 本発明の一態様によれば、パターンをパターニングデバイスから基板へと転写するように配置された投影システムと、キャリアと、直交軸X及びYを基準にして画定された平面でキャリアを投影システムに対して移動させる駆動システムとを備えるリソグラフィ装置が提供される。駆動システムは、Y軸に平行に移動するように構築され、配置されたシャトルと、シャトルをキャリアに接続するシャトルコネクタであって、シャトルに対してX軸に平行な方向にキャリアを移動させることができるようなシャトルコネクタと、Y軸に平行なシャトルの移動を駆動するシャトルドライバとを備える。シャトルはX軸に平行な方向のキャリアの片側だけに位置し、シャトルの1つだけがキャリアに接続され、シャトルドライバ及びシャトルコネクタは、駆動システムによってキャリアに加えられる力のY成分の少なくとも10%を供給するように構成される。
【0009】
[0009] 本発明の代替態様によれば、パターンをパターニングデバイスから基板へと転写するように配置された投影システムと、キャリアと、直交軸X及びYを基準にして画定された平面でキャリアを投影システムに対して移動させる駆動システムとを備えるリソグラフィ装置が提供される。駆動システムは、Y軸に平行に移動するように構築され、配置されたシャトルと、シャトルをキャリアに接続するシャトルコネクタであって、シャトルに対してX軸に平行な方向にキャリアを移動させることができるようなシャトルコネクタと、シャトルコネクタを介してX軸に平行なシャトルの移動を駆動するシャトルコネクタドライバとを備える。シャトルはX軸に平行な方向のキャリアの片側だけに位置し、シャトルの1つだけがキャリアに接続される。
【0010】
[0010] 本発明の別の代替態様によれば、パターンを基板へと転写するステップを含むデバイス製造方法であって、駆動システムを使用して直交軸X及びYを基準にして画定された平面でキャリアを投影システムに対して移動させるステップを含む方法が提供される。駆動システムは、Y軸に平行に移動するように構築され、配置されたシャトルと、シャトルをキャリアに接続するシャトルコネクタであって、シャトルに対してX軸に平行な方向にキャリアを移動させることができるようなシャトルコネクタと、Y軸に平行なシャトルの移動を駆動するシャトルドライバとを備える。シャトルはX軸に平行な方向のキャリアの片側だけに位置し、シャトルの1つだけがキャリアに接続され、シャトルドライバ及びシャトルコネクタは、駆動システムによってキャリアに加えられる力のY成分の少なくとも10%を供給するように構成される。
【0011】
[0011] 本発明のさらに別の代替態様によれば、パターンを基板へと転写するステップを含むデバイス製造方法であって、駆動システムを使用して直交軸X及びYを基準にして画定された平面でキャリアを投影システムに対して移動させるステップを含む方法が提供される。駆動システムは、Y軸に平行に移動するように構築され、配置されたシャトルと、シャトルをキャリアに接続するシャトルコネクタであって、シャトルに対してX軸に平行な方向にキャリアを移動させることができるようなシャトルコネクタと、シャトルコネクタを介してX軸に平行なシャトルの移動を駆動するシャトルコネクタドライバとを備える。シャトルはX軸に平行な方向のキャリアの片側だけに位置し、シャトルの1つだけがキャリアに接続される。
【0012】
[0012] 本発明のさらなる特徴及び利点、さらに本発明の様々な実施形態の構造及び動作を、添付の図面を参照しながら以下で詳細に説明する。本発明は本明細書で説明する特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。このような実施形態は、本明細書では例示的目的のためにのみ提示されている。本明細書に含まれる教示に基づいて、追加の実施形態が当業者には明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
[0013] 本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付の図面は本発明を図示し、説明とともに、さらに本発明の原理を説明し、当業者が本発明を作成し、使用できるような働きをする。
【0014】
【図1】[0014]本発明のある実施形態によるリソグラフィ装置を示す図である。
【図2A】[0015]各々がシャトルコネクタを介してシャトルに接続された2つの基板テーブルを有するツインステージシステムの概略上面図である。
【図2B】[0016]シャトル、シャトルトラック、及びシャトルドライバの概略側面図である。
【図2C】[0017]基板テーブル、シャトルコネクタ、及びシャトルコネクタドライバの概略側面図である。
【図2D】[0018]シャトル及びトルク補償器の概略側面図である。
【図3】[0019]基板テーブル、及びシャトルと基板テーブルとの間に位置する接続点で基板テーブルに接続するように構成されたシャトルコネクタの概略斜視図である。
【図4】[0020]基板テーブル、及び中心位置で基板テーブルに接続された1つのアームを備えるシャトルコネクタの概略斜視図である。
【図5】[0021]基板テーブル、及び関節アームを備えるシャトルコネクタの概略斜視図である。
【図6】[0022]基板テーブル、及び方向制限機構を有する関節アームを備えるシャトルコネクタの概略斜視図である。
【図7】[0023]基板テーブル、及び関節アームとバー機構とを備えるシャトルコネクタの概略斜視図である。
【図8】[0024]基板テーブル、及び対称に配置された2つの関節アームを備えるシャトルコネクタの概略斜視図である。
【図9】[0025]ベルト駆動システムを使用してシャトル及び/又はシャトルコネクタと基板テーブルとの移動のための動力が与えられる2つの基板テーブルを有するツインステージシステムの概略上面図である。
【図10】[0026]図9のシャトルコネクタのベルトシステムの拡大図である。
【図11】[0027]シャトルコネクタと基板テーブルとの間の能動カップリングの概略側面図である。
【0015】
[0028] 以下で述べる詳細な説明を図面との関連で理解することにより本発明の特徴及び利点がさらに明白になり、図面では全体を通して類似の参照文字が対応する要素を識別する。図面では、類似の参照番号が全体的に同一、機能的に類似、及び/又は構造的に類似の要素を示す。要素が最初に現れる図面を、対応する参照番号の最も左側の桁で示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0029] 本明細書は、本発明の特徴を組み込んだ1つ又は複数の実施形態を開示する。開示される実施形態は本発明を例示するにすぎない。本発明の範囲は開示される実施形態に限定されない。本発明は、本明細書に添付される特許請求の範囲によって定義される。
【0017】
[0030] 記載された実施形態、及び本明細書で「一実施形態」、「ある実施形態」、「例示的実施形態」などに言及した場合、それは記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含むことができるが、それぞれの実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、又は特性を含まないことがあることを示す。さらに、このようなフレーズは、必ずしも同じ実施形態に言及するものではない。さらに、ある実施形態に関連して特定の特徴、構造、又は特性について記載している場合、明示的に記載されているか、記載されていないかにかかわらず、このような特徴、構造、又は特性を他の実施形態との関連で実行することが当業者の知識にあることが理解される。
【0018】
[0031] 本発明の実施形態はハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はその任意の組合せで実施することができる。本発明の実施形態は、1つ又は複数のプロセッサで読み取り、実行することができる機械読み取り式媒体に記憶した命令として実施することもできる。機械読み取り式媒体は、機械(例えば、計算デバイス)で読み取り可能な形態で情報を記憶するか、又は伝送する任意の機構を含むことができる。例えば、機械読み取り式媒体は読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音響又は他の形態の伝搬信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)、及びその他を含むことができる。さらに、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令を、本明細書では特定の行為を実行するものとして記述することができる。しかし、このような記述は便宜的なものにすぎず、このような行為は実際には計算デバイス、プロセッサ、コントローラ、又はファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを実行する他のデバイスの結果であることを認識されたい。
【0019】
[0032] しかし、このような実施形態についてさらに詳細に説明する前に、本発明の実施形態を実施できる例示的環境を提示することが有益である。
【0020】
[0033] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示す。この装置は、放射ビームB(例えばUV放射又はDUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構築され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSとを備える。
【0021】
[0034] 照明システムは、放射の誘導、整形、又は制御を行うための、屈折、反射、磁気、電磁気、静電気型等の光学コンポーネント、又はその任意の組合せなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。
【0022】
[0035] 支持構造は、パターニングデバイスを支持、すなわちその重量を支えている。支持構造は、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。この支持構造は、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。支持構造は、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造は、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
【0023】
[0036] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに与えられるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
【0024】
[0037] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
【0025】
[0038] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
【0026】
[0039] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
【0027】
[0040] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ又は複数の他のテーブルを露光に使用している間に1つ又は複数のテーブルで予備工程を実行することができる。
【0028】
[0041] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆えるタイプでもよい。液浸液は、例えばマスクと投影システムの間など、リソグラフィ装置の他の空間に適用することもできる。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために当技術分野で周知である。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板などの構造を液体に沈めなければならないという意味ではなく、露光中に投影システムと基板の間に液体が存在するというほどの意味である。
【0029】
[0042] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
【0030】
[0043] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するアジャスタADを備えていてもよい。通常、イルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調整することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
【0031】
[0044] 放射ビームBは、支持構造(例えば、マスクテーブルMT)上に保持されたパターニングデバイス(例えば、マスクMA)に入射し、パターニングデバイスによってパターン形成される。マスクMAを横断した放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ又は容量センサ)の助けにより、基板テーブルWTを、例えば様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めするように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPMと別の位置センサ(図1には明示されていない)を用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに放射ビームBの経路に対してマスクMAを正確に位置決めできる。一般に、マスクテーブルMTの移動は、第1のポジショナPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。マスクMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に位置してもよい(スクライブレーンアライメントマークとして周知である)。同様に、マスクMA上に複数のダイを設ける状況では、マスクアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
【0032】
[0045] 図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
1.ステップモードにおいては、マスクテーブルMT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに与えたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で結像されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
2.スキャンモードにおいては、マスクテーブルMT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに与えられるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。マスクテーブルMTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPLの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
3.別のモードでは、マスクテーブルMTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
【0033】
[0046] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
【0034】
[0047] 上述のように、パターン付き放射ビームによる基板Wの露光中(露光段階)は、基板Wを投影システムPSに対して移動する必要がある。これは、ロングストロークモジュールを使用して(しかし比較的粗い位置制御で)必要な間隔をカバーし、より精密な位置調整のためにロングストロークモジュールに取り付けられショートストロークモジュールを使用することによって達成されてもよい。
【0035】
[0048] より大型の基板と、より高い処理量に対処する能力を付与するため、ショートストロークモジュール、ロングストロークモジュール及び/又は互いに関連するアクチュエータの重さがかなり増大する可能性がある。その結果、ロングストロークモジュール(及びこれに取り付けられたショートストロークモジュール)の加速を駆動するために加える必要がある力は、このようなシステムでは極めて大きくなることが予測される。これらの力を与え、しかし基板テーブルの移動を比較的制限しないためにコイルと磁石とを含む平面モータが使用される場合は、印加電流の二乗として変化する電力消費は重大な制約事項になるものと予測される。
【0036】
[0049] 開示される実施形態によれば、これらの問題は、基板に平行な所与の方向に移動するように構成され、基板テーブルWTの片側だけに位置する1つのシャトルを使用することを含むより効率的な駆動システムを使用して基板テーブルWTの移動を駆動することによって処理される。特定の実施態様によれば、駆動システムは並行して動作する異なる2つのタイプの駆動機構を使用する。例えば、(磁石が基板テーブルWTに取り付けられ、駆動コイルがその下のバランスマスに取り付けられる)磁石及びコイルシステムは、シャトルドライバ16とシャトルコネクタドライバ18のいずれか一方、又は両方と並行して動作するように構成される。
【0037】
[0050] 詳細な例は基板テーブル(すなわち基板を支持することができるテーブル)の駆動を記載するが、駆動システムは基板テーブルの移動の駆動に限定されず、例えばリソグラフィ装置、又はパターニングデバイス用キャリアを較正するための、例えば測定目的で使用されるキャリアなどのいずれかのキャリアの移動を駆動するのにも適用できる。
【0038】
[0051] 図2A〜図2Dは、2つの基板テーブルを備える例示的配置を示す。図2Aはシステム全体の概略平面図であり、図2Bはシャトル2及びシャトルドライバ16の概略側面図であり、図2Cは基板テーブルWTの1つとシャトルコネクタドライバ18の概略側面図であり、図2Dはシャトル2用のトルク補償制御システムの概略側面図である。
【0039】
[0052] 測定段階(新たに取り付けられた基板Wが露光前に特徴付けされる)を経て基板Wを基板テーブルWT上に載置することができ、一方、露光段階(パターン付き放射ビームが基板Wに照射される)を経て別の基板Wを別の基板テーブルWT上に載置することができるように、2つの基板テーブルWTが備えられる。この例では、各基板テーブルWTはロングストロークキャリア8と、その上に取り付けられたショートストローク段6とを備え、基板Wはショートストローク段6上に取り付けられる。
【0040】
[0053] この例では、「駆動システム」はロングストロークモジュールに対応する。しかし、この方法は、例えば駆動システムが別個のショートストロークモジュールを必要とせずに必要な程度の位置制御をもたらすのに十分に精確である場合のように、ロングストロークとショートストロークとを組み合わせたモジュールを使用しないシステムにも適用できる。
【0041】
[0054] 以下の説明では、基板テーブルWTの動きは、X軸及びY軸が基板W及び基板テーブルWTの上面の平面と平行であり、Z軸が(X軸及びY軸と垂直な)投影システムPSの最終要素と位置合わせされ、基板W上のパターン付き放射ビームの入射方向とほぼ平行なデカルト座標系に関して記載される。
【0042】
[0055] この例では、駆動システムは、基板テーブルWTの移動ゾーンの横方向外側に位置する2つのトラック14の異なる1つに沿って移動するように各々が制限される2つのシャトル2を備える。1つの基板テーブルWTのみを備えるシステムの場合は、1つのシャトル2及びトラック14しか必要ない。
【0043】
[0056] 各基板テーブルWTは、任意の一時に唯一のシャトルWTのみに接続され、シャトルが常に基板テーブルWTの片側に位置することで、基板テーブルWTが退避位置(そのシャトル2の付近)にある場合に、別の基板テーブルWTがY方向に通過できるように特別に構成される。
【0044】
[0057] 各シャトル2は、シャトルコネクタ4及びカップリング12を介して基板テーブルWTの1つに接続される。シャトルコネクタ4及びカップリング12は、力(Y軸に沿った)を、シャトル2が駆動されている場合はY軸に沿って、及び/又はシャトルコネクタ4が駆動されている場合はX軸に沿ってシャトル2から基板テーブルWTへと伝達することができるように構成される。望ましくは、カップリング12は、能動構成(例えばリラクタンスアクチュエータ、永久磁石システム、又はローレンツモータを使用する)、又は受動構成(例えば弾性カップリング、空気軸受)のものでもよく、又は両方の組合せでもよい。能動構成の実施形態は、図11を参照してより詳細に記載する。
【0045】
[0058] 図2Bに示すように、この実施形態ではシャトル2を、したがって基板テーブルWTをY軸に平行な方向に駆動するためにシャトルドライバ18が備えられる。シャトルドライバ16は、露光段階と測定段階のいずれか又は両方の間に必要なY軸に平行な力の少なくとも10%、望ましくは少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%、又は少なくとも95%を付与することができるように構成される必要がある。代替的に又は追加的に、シャトルドライバ16は、露光段階中に必要な最大の力の少なくとも10%、望ましくは少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%、又は少なくとも95%を付与することができるように構成される必要がある。ある実施形態によれば、シャトルドライバ16は、露光段階中に必要なY軸に平行な力のすべてを付与するように構成される。このようにして、X軸の沿った力を付与する役割を担う駆動システム部が大幅に簡略化され、より効率的になる。
【0046】
[0059] 代替実施形態では、シャトル2は、シャトルドライバを備えていないか、又は基板テーブルWTに力を加える最小限の能力(すなわち、露光段階と測定段階のいずれか又は両方の間に必要なY軸に平行な力の10%未満の力)だけを有するシャトルドライバを備える受動構成のものであってよい。この場合は、Y軸に平行な基板テーブルWTの移動は、代替手段、例えば磁石及びコイルシステム(例えば磁石が基板テーブルWTに取り付けられ、駆動コイルが下方のバランスマスに取り付けられるか、又はその逆の)によってのみ駆動される。
【0047】
[0060] シャトルコネクタ4は、シャトル2へと向かうか、又はそこから離れる基板テーブルWTのX軸に平行な移動を可能にするように構成される。この実施形態では、図2Cに示すように、シャトルコネクタ4は、露光段階と測定段階のいずれか又は両方の間に必要なX軸に平行な力の少なくとも10%、望ましくは少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%、又は少なくとも95%を供給するように構成されたシャトルコネクタドライバ18を備える。代替的に又は追加的に、シャトルコネクタドライバ18は、露光段階の間に必要な最大の力の少なくとも10%、望ましくは少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%、又は少なくとも95%を供給できるように構成される必要がある。ある実施形態によれば、シャトルコネクタドライバ18は、露光段階の間にX軸に平行な力のすべてを付与するように構成される。このようにして、Y軸に沿って力を付与する役割を果たす駆動システム部を簡略化し、より効率的にすることができる。
【0048】
[0061] 代替として、シャトルコネクタ4を、シャトル2と基板テーブルWTとの間に力を付与しない(又は露光段階と測定段階のいずれか又は両方の間に必要なX軸に平行な力の10%未満しか付与しない)受動構成にしてもよい。この場合は、X軸に平行な基板テーブルWTの移動は代替手段によって、例えば磁石及びコイルシステムによってのみ駆動される。
【0049】
[0062] 駆動システムによって、Z軸に平行なかなりのトルクをシャトル2に加えることが可能になる。したがって、シャトル2用のトルク補償器を備えることが望ましい。トルク補償器は、受動型でも能動型でもよく、又はその2つの組合せでもよい。例えば、フィードフォワード型電磁リラクタンスアクチュエータを備えてもよい。代替的に又は追加的に、受動軸受システムを使用してもよい。
【0050】
[0063] 図2Dは、Z軸を中心とするシャトル2の回転を測定するセンサ3と、制御システム7と、トルクアクチュエータ9とを備えるトルク補償器の例示的構成を示す。トルク補償器9は、トルク(駆動システムによるキャリアの駆動によってシャトル2に加えられるいずれかのトルクとは反対の)を、センサ3の出力の関数としてシャトル2に加えるために制御システム7によって制御される。したがって、シャトル2への過剰なトルク、及びそれに関連する摩耗、精度、及び/又は信頼性の問題を回避、又は軽減することができる。
【0051】
[0064] 基板テーブルWTに移動可能に取り付けられ、基板テーブルWTの運動量を平衡するように構成されたバランスマス15を備えてもよい。通常は、バランスマス15に作用するように基板テーブルWTの加速及び減速の反力を整え、バランスマス15を基板テーブルWT以外のすべてのコンポーネントから動的に分離することによって上記の平衡が達成される。例えば、シャトル2を駆動する際にトラック14に加えられる反力がバランスマス15に伝達されるように、トラック14をバランスマス15に機械的に取り付けることができる。以下にさらに記載するように、磁石及びコイルシステムのコイルと永久磁石との間で力を電磁的にバランスマス15に伝達することもできる。
【0052】
[0065] シャトルドライバ16及び/又はシャトルコネクタドライバ18によって提供される駆動力に加えて、駆動システムは、Y軸に平行な力の成分、及び/又はX軸に平行な力の成分を基板テーブルWTに加えることで、シャトルドライバ16及び/又はシャトルコネクタドライバ18と並行して動作する磁石及びコイルシステムをさらに備えてもよい。磁石及びコイルシステムは、バランスマス15、又は基板テーブルWTにそれぞれ取り付けられたコイルシステムと共に、基板テーブルWT、又はバランスマス15に取り付けられた永久磁石から成るものでよい。必要な力は、コイルを貫流する電流を駆動することによって電磁的に得られる。
【0053】
[0066] 磁石及びコイルシステムはシャトルドライバ16とシャトルコネクタドライバ18のいずれか又は両方と並行して動作するので、磁石及びコイルシステムによって生成される必要のある力の量は、磁石及びコイルシステムが必要な力を加えるX−Y面に役割全体を果たす場合よりも低減する(従来技術のシステムのように)。したがって、コイルを通して駆動される必要のある電流の大きさを縮小することができ、電流の二乗として変化する電力消費も低減する。
【0054】
[0067] シャトルドライバ16が、必要なY軸に平行な力のほぼすべてを提供するように構成される場合は、X軸に平行な大きな力だけを加えるように磁石及びコイルシステムを構成することができる。これによって磁石及びコイルシステムの必要な動作が大幅に簡略化され、効率に関して大幅な改善の余地が得られる。
【0055】
[0068] 必要なX軸に平行な力のほぼすべてを提供するようにシャトルコネクタドライバ18が構成されると、磁石及びコイルシステムの簡略化によって同様の効率面での改善が得られる。この場合は、Y軸に平行な大きな力だけを付与するように磁石及びコイルシステムを構成することができる。
【0056】
[0069] より一般的には、基板テーブルWTの重心の縦方向の近傍で動作するシステムを介して基板テーブルWTに力を加えることによって、基板テーブルWTの重心のかなり下で力が加えられるシステム(磁石及びコイルシステムなど)に対してX−Y面に平行な軸を中心とするトルクを回避することに役立つ。したがって、このようなトルクの補償に関連する電力損失が低減する。
【0057】
[0070] 従来技術のシステムでは、磁石及びコイルシステムは、露光段階と測定段階に関連するスキャン運動を駆動するために必要な横方向の力に加えて、基板テーブルWTを浮上させる押し上げ力を提供するように構成される。本開発の実施形態によれば、基板テーブルWTの重さを支えるのに十分な基板テーブルWTの下のガス圧が上昇した局所領域を備えるためにガス流に依存するいわゆる「エアフット」又は「空気軸受」などの基板テーブルWTを浮上させる代替手段が備えられる。磁石及びコイルシステムの要件がこのようにさらに軽減されることによって、更なる簡略化、及び/又はコイルに必要な電流(したがって磁石及びコイルシステムの動作に関連する電力損失)の低減の余地が得られる。
【0058】
[0071] 本開発のさらに別の実施形態によれば、磁石及びコイルシステムの永久磁石とコイルとの間の相互作用を強化するため、相対透磁率が高いボディであるバックアイアンを備えてもよい。このようにして相互作用を強化することにより、基板テーブルWTへの所与の横方向の力に必要な駆動電流が低減し、したがって電力消費が低減する。バックアイアンの相対透磁率は望ましくは100以上であり、より望ましくは150以上、200以上、又は500以上である。バックアイアンは例えば、実質的に平坦な形状を有し、コイルの背後に位置する(すなわち、コイルがバックアイアンと永久磁石との間に位置するような)プレートの形状で形成されてもよい。
【0059】
[0072] 本開発の実施形態によれば、磁石及びコイルシステムは、永久磁石が基板テーブルWTに取り付けられ、コイルがバランスマスに取り付けられるように構成される。駆動システムは、基板テーブルWTによる永久磁石の支持を可能にし、この方法全体が、基板テーブルWTがコイルを有し、永久磁石がバランスマスに取り付けられる場合と比較して基板テーブルWTの構造を簡略化する。例えば、コイルに関連する電源ケーブルや冷却用ホースを、移動する基板テーブルWTに送り込むことはもはや必要ない。また、ショートストロークステージへの磁気クロストークを低減することができる。さらに、バックアイアンが備えられると、バックアイアンの重さは基板テーブルWTによってではなくバランスマスによって支えられ、したがって、露光段階中に基板テーブルWTでスキャンされる必要があるコンポーネントの総質量に加算されず、したがって加えられるべき力が低減する。
【0060】
[0073] 図2A〜図2Dの配置では、シャトルコネクタ4は、Y軸に対して横方向に基板テーブルWTに接続され、2つのシャトルコネクタ4の一方はY軸に対して基板テーブルWTの前縁部で接続され、2つのシャトルコネクタ4の他方は後縁部で基板テーブルWTに接続されるように構成される。
【0061】
[0074] 図3は、シャトルコネクタ4と基板テーブルWTとの間のカップリング12が基板テーブルWTとシャトル2との間の位置で行われる代替実施形態の概略図である。図2A〜図2Dの配置に対して、この方法は、Y軸に沿った基板テーブルWTの有効幅を短縮することによって(「幅」はもはやシャトルコネクタ4の幅を含まない)、Y軸に平行な基板テーブルWTにより大きい移動の自由度を与える。他方では、図2A〜図2Dの配置は、Z軸を中心とする基板テーブルWTの回転を制限し、及び/又は修正するためにも利用される場合はより効率的であり得るが、それは、図2A〜図2Dの配置ではシャトルコネクタ4と基板テーブルWTとの接触点が、一般にトルクの制御性がより良好な図3の配置と比較してさらに離れているからである。
【0062】
[0075] 図2A〜図2D及び図3の配置では、各基板テーブルWTに2つのシャトルコネクタ4が備えられる。この方法は、Z軸を中心とするトルクを制限し、及び/又は制御する目的のため、並びにシャトル2と基板テーブルWTとの接続が、必要な力をシャトルドライバ16及び/又はシャトルコネクタドライバ18から基板テーブルWTに効率的に伝達するために十分に堅牢であることを確実にするために有利である。しかし1つのアームのシャトルコネクタ4を使用することも可能である。図4は、このタイプの例を示す。この方法の利点は、より簡単に実施可能であり、重さとコストを低減する可能性があることである。これは特に、シャトルコネクタ4がシャトルコネクタドライバ18によって駆動されるべき場合に当てはまる。2つのアーム構成の場合は、Z軸に沿ったトルクの発生を避けるため、Xに平行な力が両方のアームによって均等に加えられることを確実にするように注意が必要である。1つのアームが備えられる場合は、このような問題は生じない。さらに、Z軸に平行で、基板テーブルWTの重心を通るか、その極めて近くを通るラインを通してX軸に平行な力が作用するように整えやすい。これによって、シャトルコネクタ4によって基板テーブルWTにX軸に平行に加えられる力からX軸に平行なトルクが生ずることが避けられ、又は最小限になる。
【0063】
[0076] シャトルコネクタ4がX軸に平行な力を加える接続点は、基板テーブルWTの重心にできるだけ近接するように選択されることが望ましい。接続点は例えば、Z軸に平行で、(重心のX座標とY座標とが適合するように)基板テーブルWTの重心を通るラインに、又はその極めて近くに位置することによって、シャトルコネクタドライバ18によって加えられる力が、Z軸に平行な大きいトルクを加えることができないようにしてもよい。より望ましくは、接続点は、基板テーブルWTの重心、又はその極めて近くに位置することによって(すなわち、重心のZ座標も適合するようにして)、シャトルコネクタドライバ18によって加えられる力が、Y軸に平行な大きいトルクが生じ得ないか、又はこのようなトルクが生じても少なくとも最小限になるようにする。
【0064】
[0077] 図5は、シャトルコネクタ4a/4bが、第1の部材17と第2の部材19とからなる関節形状である代替配置を示す。シャトルコネクタ4a/4bの2つの構成が示されている。すなわち、伸張構成4a(図示した基板テーブルWTの位置に対応する)と、退避構成4b(図示しないシャトル2のより近くの基板テーブルWTの退避位置に対応する)である。第1の部材17の一端は、枢着点21で基板テーブルWTに接続され、他端は枢着点23で第2の部材19の一端に接続されている。第2の部材19の他端は枢着点25でシャトル2に接続されている。枢着点21、23、及び25は、互いにZ軸に平行な軸を中心に、互いに接続された要素の枢動(すなわち回転)を可能にすることで、Z軸に平行な平面内での関節アームの伸張、退避を可能にする接続部である。図示したシャトルコネクタ4a/4bは、2つの部材17/19だけを備えるが、それ以上の部材を備えてもよい。例えば、シャトルコネクタは3つ、4つ、又は5つの関節部材を備えてもよい。
【0065】
[0078] 一例では、シャトルコネクタ4a/4bの部材17/19は、シャトルコネクタ4a/4bの所与の伸張度で、部材17/19間の角度ができるだけ小さくなるように配置される。2つの部材17/19が備えられている図5の配置では、これは枢着点21及び25(すなわち、部材17及び19を基板テーブルWTとシャトル2とにそれぞれ接続する枢着点)が、Y軸と垂直に位置し、+Y又は−Y方向に沿って基板テーブルWTとシャトル2との重心を通る「分割面」と全く同じ側に変位するように配置することによって達成される。一例では、枢着点は分割面からできるだけ離れるように変位される。より一般的には、シャトルコネクタ4が偶数個の関節部材を備えている場合、最も外側の部材を基板テーブルWT及びシャトル2に接続する枢着点は、分割面と全く同じ側に位置する必要がある。奇数個の関節部材を備えるシャトル部材コネクタ4の場合は、最も外側の部材を基板テーブルWT及びシャトル2に接続する枢着点は、この場合も分割面に対して変位されるが、分割面の反対側においてである。
【0066】
[0079] より一般的には、基板テーブルWTがシャトル2の最も近くにある完全な退避位置に関節シャトルコネクタ4a/4bがある場合、関節シャトルコネクタ4a/4bは望ましくは、隣接する部材17/19間の角度が10°未満であり、より望ましくは5°未満であるように構成される。代替的に又は追加的に、基板テーブルWTがシャトル2の最も遠くにある完全な伸張位置にシャトルがある場合、関節シャトルコネクタ4a/4bは望ましくは、隣接する部材17/19間の角度が150°未満であり、より望ましくは120°未満であるように構成される。
【0067】
[0080] 関節シャトルコネクタ4a/4bの個々の部材間の角度をできるだけ小さく保つことによって、X軸に平行な力をより効率的に加えるためにシャトルコネクタ4a/4bを使用することが可能になる。
【0068】
[0081] シャトルコネクタ4a/4bをシャトルコネクタドライバ18によって駆動すべき場合は、これは1つ以上の枢着点で直に回転を駆動することによって達成できる。例えば、シャトルコネクタ4a/4bの第2の部材19をシャトル2に接続する枢着点25で、第1の部材17と第2の部材19とを接続する枢着点23で、及び/又は第1の部材17を基板テーブルWTに接続する枢着点21で、Z軸に平行なトルクを加えるようにシャトルコネクタドライバを構成してもよい。すべての枢着点より少ない枢着点が駆動される場合は、シャトル2に対する基板テーブルWTのX軸に平行な方向への駆動運動を制限する手段が必要になることがある。このような手段は、すべての枢着点が駆動される場合も望ましいが、この場合は、基板テーブルWTの運動方向が必要性に対応するものであることが確実になるように枢着点の駆動を調整するほうが便利である。X軸に対する基板テーブルWTの運動を可能にし、及び/又は運動を駆動するようにシャトルコネクタ4を構成することが一般に期待されるが、X軸に平行な方向以外の方向での運動を可能にし、及び/又は運動を駆動するようにシャトルコネクタを構成することも望まれよう。例えば、X軸に平行な方向への僅かな偏位(すなわちY軸に平行な成分)を可能にし、及び/又は駆動してもよい。
【0069】
[0082] 図6は、関節シャトルコネクタ4用の方向制限機構20を備える例示的配置を示す。方向制限機構20は、シャトル2に対する基板テーブルWTの運動をX軸に平行になるように制限するように構成されている。このようにして、すべての枢着点21/23/25より少ない枢着点を駆動しても、シャトル2に対するX軸に平行な基板テーブルWTの駆動は有効である。したがって、シャトルコネクタドライバ18を簡略化することができ、したがってコスト削減、及び信頼性を高める可能性が得られる。
【0070】
[0083] 図7は、図5及び図6の実施形態と同様に、枢着点21、23及び25を介して基板テーブルWTに、及び互いに接続されたシャトルコネクタ4が第1の部材17と第2の部材19とを有する関節形状を有する代替配置を示す。図7の配置は、第1の部材17が基板テーブルWTに接続される枢着点21が、+Y又は−Y方向に変位せずにY軸に対して横方向中心にあることが図5及び図6の配置と異なっている。言い換えると、枢着点21は、Y軸に対して垂直で、基板テーブルWT及びシャトル2の重心を通る分割面内に、又はその近傍にある。したがって、シャトルコネクタ4がシャトルコネクタドライバ18によって駆動されると、Z軸に平行なトルクが回避され、又は最小限になるようにX軸に平行な力が加えられる。上述のように、関節シャトルコネクタ4の1つ以上の枢着点でトルクを加えることによって、X軸に平行な基板テーブルWTの移動を駆動するようにシャトルコネクタドライバ18を構成することができる。この方法は、基本的に図7に示すシャトルコネクタ4に適用できる。この場合は、基板テーブルWTに対するシャトル2の運動をX軸に平行になるように制限するバー機構22を備えてもよい。代替的に又は追加的に、シャトルコネクタ4は受動状態で、X軸に平行な基板テーブルWTの運動を駆動するようにバー機構を構成してもよい。
【0071】
[0084] 図8は、Y軸に対して垂直な対称面に対して対称に配置された2つの関節アーム27と29とがシャトルコネクタ4に備えられるさらに別の代替配置を示す。対称面は基本的にY軸に沿った様々な位置にあってよいが、Z軸に平行なトルクを回避又は最小限にするために、対象軸が基板テーブルWTの重心、又はその近傍を通ることが望ましい。図示した配置では、2つの関節アーム27と29とが共通の接続点で基板テーブルWTに接合される。このようにして、基板テーブルWTには1つの接続点しか必要なくなり、これによってシャトルコネクタ4の構造が簡略化され、軽量化及び/又は信頼性を高める可能性が得られる。さらに、この方法は、Y軸に対して垂直で、基板テーブルWTの重心を通る基板テーブルWT上のポイントでシャトルコネクタ4を接続しやすくなり、それによってZ軸に平行なトルクが回避され、又は最小限にされる。
【0072】
[0085] Y軸及び/又はX軸に平行な方向で互いに離隔された異なるポイントで関節アームが基板テーブルWTに接続されるように関節アームを配置することも可能である。
【0073】
[0086] このようにシャトルコネクタ4の関節アームを対象に配置することで、シャトル2の移動によりY軸に平行に加えられる力に対して十分に堅牢であることが確実になり、したがってこれらの力は基板テーブルWTに効率的に伝達される。
【0074】
[0087] 図9は、シャトルドライバ16がベルトシステムを介してシャトル2の移動を駆動するように構成され、及び/又はシャトルコネクタドライバ18がベルトシステムを介してシャトル2に対する基板テーブルWTの移動を駆動するように構成される代替配置を示す。この方法の利点は、シャトル2、又はシャトルコネクタ4及び基板テーブルWT上に配置する必要があるシャトルドライバ16及びシャトルコネクタドライバ18に関連するコンポーネントの数がより少なくて済むことである。したがって、この方法によって、露光及び/又は測定段階中に移動されるべき基板Wに対するスペースが固定されているコンポーネントの質量が軽量化され、したがって必要な運動を達成するために加える必要がある力が軽減される。
【0075】
[0088] 図9は、2つの基板テーブルWTを有するシステムを示す。各基板テーブルWTは、シャトルベルトシステムによって駆動される関連するシャトル2を有する(以下にさらに詳細に記載する)。2つの基板テーブルWTのうちの上の基板テーブルWTは、シャトルコネクタベルトシステムによって駆動されるように構成されたシャトルコネクタ4に接続される(以下にさらに詳細に記載する)。2つの基板テーブルWTのうちの下の基板テーブルWTは、ベルトシステムによって駆動されないシャトルコネクタ4を介してそのシャトル2に接続される(必要ならば両方の基板テーブルWTにシャトルコネクタベルトシステムを備えることも可能であるが)。
【0076】
[0089] シャトルベルトシステムは、シャトルの被動スピンドル24とシャトルの駆動スピンドル45との間に連続ループ状に配置されたベルト28を備える。シャトル駆動スピンドル45は、必要に応じてベルト28のループに時計回り又は反時計回り方向の運動を加えるようにベルト28を回転させ、及びこれと係合するように構成された動力駆動機構16に接続される。シャトル2は、ベルト28の運動が対応するシャトル2の運動を誘発するように、ベルト28に固定的に接続される。シャトル2は、シャトル駆動スピンドル45によってベルト28の運動が誘発される位置でベルト28に接続される。Y軸に平行なシャトル2の運動を案内するため、トラックなどのガイド装置を備えてもよい。
【0077】
[0090] シャトルコネクタベルトシステムは、図9には破線のボックス35内に示し、より詳細には、破線ボックス35内のこれらの特徴部だけを示す図10に示されている。図10は、また、概要が破線で示されているシャトル2の内部構造も示している。図10に示すシャトルコネクタベルトシステムのベルト34の破線部は、明瞭にするために図10では省略したベルト34の部分を示している。
【0078】
[0091] シャトルコネクタベルトシステムは、ベルト34と、ベルト34の両端が固定的に接続されるアンカー部32と、(図10に示す)シャトルコネクタドライバ18によって駆動されるシャトルコネクタ駆動スピンドル26とを備える。シャトル2は、X軸に平行に互いに反対方向に延在する第1のループと第2のループとを形成するようにベルト34を誘導する一組のシャトルスピンドル41/42/43/44を備える。シャトルコネクタ4は、分離アーム39を介して互いに接続された基板テーブルスピンドル36と、対向スピンドル37とを備える。分離アーム39は、X軸に平行に移動可能に取り付けられ、基板テーブルスピンドル36と対向スピンドル37との間の固定間隔を保つように構成されている。第1のループを形成するベルト34の部分は基板テーブルスピンドル36に巻回され、一方、第2のループを形成するベルト34の部分は対向スピンドル37に巻回されている。
【0079】
[0092] シャトルコネクタドライバ18は、シャトルコネクタ駆動スピンドル26を時計回り又は反時計回り方向に回転するように構成されている。ベルト34はアンカー部32への2つの接続部のうちの第1の接続部から、スピンドル41、36、42、26、43、37及び44をこの順序で越えてアンカー部32への2つの接続部のうちの第2の接続部に戻るループを形成する。シャトルコネクタ駆動スピンドル26が反時計回り方向(図10の矢印によって示す)に駆動されると、アンカー部32への第1の接続部からシャトルコネクタ駆動スピンドル26へと延びるベルト34の長さは短縮され、シャトルコネクタ駆動スピンドル26からアンカー部32への第2の接続部へと延びるベルト34の長さは対応する量だけ延長されるので、分離アーム39は図の右方向に押し込まれ、したがって基板テーブルWTをシャトル2に向かうX軸に平行な方向に引き込む。同様に、シャトルコネクタ駆動スピンドル26の時計回り回転によって分離アーム39は図の左方向に押し込まれ、したがって基板テーブルWTをシャトル2から離れるX軸に平行な方向に押し込む。
【0080】
[0093] したがって、シャトルコネクタ駆動スピンドル26の回転を制御することによって、X軸に沿った基板テーブルWTの位置を便利に変更することができる。シャトルコネクタドライバ18のより重い要素をシャトル2にではなくバランスマス15に取り付けることができるので、このようなベルトシステム又は類似物を使用しない配置と比較して、シャトル2の重さが軽減される。スピンドル41/42/43/44のシステム及びシャトルのフレームは比較的軽量にすることができる。
【0081】
[0094] 図9及び図10に示す配置は、Y軸及び/又はX軸に平行な基板テーブルWTの移動を駆動するベルト駆動システムの特定の実施形態を示すものである。それぞれの駆動システムの質量のかなりの部分を、露光及び/又は測定段階中に基板テーブルWTと同じ範囲には移動しないリソグラフィ装置の部分(例えばバランスマス15)上に配置することによって、露光及び/又は測定段階中の移動される必要がある要素の重さを最小限にする利点を有する別のベルトシステムを備えてもよい。
【0082】
[0095] シャトルコネクタ4と基板テーブルWTとの間の接続点が基板テーブルWTとシャトル2との間に示されている上記のすべての配置では、代替として接続点を基板テーブルWTの下に配置するか、又は基板テーブルWTの重心と実質的に同レベルの高さ、及び/又は基板テーブルWTの重心を通るZ軸に平行な向きの実質的にライン上に配置することもできることを理解されたい。1つの基板テーブルWTを参照してシャトルコネクタとシャトルコネクタドライバとを実施する様々な異なる方法を上記に説明してきた。2つの基板テーブルWTを有するツインステージシステムの場合は、両方の基板テーブルWT用に同じタイプのシャトル、シャトルコネクタ、シャトルドライバ、及びシャトルコネクタドライバを使用してもよい。あるいは、1つの基板テーブルWTが別の基板テーブルWTと異なる構成の上記の配置のいずれかの組合せを使用してもよい。
【0083】
[0096] シャトルドライバ16及び/又はシャトルコネクタドライバ18を、以下のタイプの、すなわち、リニアモータ、管状電磁アクチュエータ、油圧アクチュエータ、又はボールスクリュー駆動装置のいずれか1つ、又はこれらのいずれかの組合せを用いて実施してもよい。また、他のタイプの駆動機構は、必要に応じて選択してもよい。
【0084】
[0097] リニアモータは「鉄芯」又は「無鉄」タイプのものでよい。鉄芯リニアモータはコイルブロック(鉄芯入り)を有する磁石アレイからなり、一方、無鉄リニアモータは、トラックを移動するコイル(無鉄)を有する両面磁石アレイトラック(U字形)からなっている。いずれの磁石又はコイルも固定部品に接続可能である。
【0085】
[0098] 管状電磁アクチュエータは、極めて効率的で端部巻線を有していないので特に適している。全銅容積のコイルは力の生成に貢献する。管状アクチュエータは、基本的に駆動軸を中心に軸対称のリニアモータである。アクチュエータを検討する別の方法は、磁化及び巻線方向が径方向ではなく軸方向であり、したがって回転運動ではなく直線運動をもたらす回転永久磁石モータである。
【0086】
[0099] 油圧アクチュエータは、極めて高い力密度を提供でき、すなわち比較的小さい容積しか占めずに大きい力を供給できるので特に適している。
【0087】
[0100] ボールスクリュー駆動装置は、最小の内部摩擦で、及びバックラッシュなしで高いスラスト荷重を加えるか、又はこれに耐えることができるので特に適している。極めて高い効率(90%以上)が可能である。
【0088】
[0101] フィードバック構成の磁石及びコイルシステムによって得られる並行駆動と共にフィードフォワード構成で動作するようにシャトルドライバ16及び/又はシャトルコネクタドライバ18を構成してもよい。
【0089】
[0102] 弾性カップリングによって、又は、例えばリラクタンスアクチュエータ、対向永久磁石、ローレンツアクチュエータ、又はこれらの組合せを使用した磁気介在カップリングなどの能動カップリングによって基板テーブルWTに接続するように上記のシャトルコネクタ4を構成してもよい。X、Y及びZ方向のうち1つ以上の方向に力を加え(能動又は受動)、X、Y及びZ方向のうち1つ以上の方向にトルクを加える(能動又は受動)ようにカップリングを構成してもよい。
【0090】
[0103] 図11は、フィードバック及び/又はフィードフォワードを使用して、X、Y及びX軸(シャトルのフレームとは別個の基準固定フレームに対して)のうちの1つ以上の軸に対する基板テーブルWTの位置及び/又は回転方向を測定するために、センサ54の出力を基準として基板テーブルWTに結合されたアクチュエータ50の動作を制御する制御システム52が備えられる例示的構成を示す。
【0091】
[0104] より一般的には、駆動システムとキャリアとの間に能動カップリング(又は能動コンポーネントを有するカップリング)を使用することは、それによって駆動システムの動力学とは別個にキャリアの位置を制御できるため有利である。特に、それは駆動システムの位置精度の要求基準を大幅に緩和できることを意味する。例えば、所与の軸に平行な変位に関して、キャリアをターゲット位置の約0.5mm以内に位置決めするように駆動システムを構成し、位置を必要な許容差以内に微調整するように能動カップリングを配置することができる。所与の軸を中心とするキャリアの回転方向の微調整に関しても同様の考察が当てはまる。
【0092】
[0105] ある実施形態では、シャトルコネクタドライバが、リニアモータ、管状電磁アクチュエータ、油圧アクチュエータ、ボールスクリュー駆動装置のうち1つ以上を備えるリソグラフィ装置が提供される。
【0093】
[0106] ある実施形態では、第1及び第2の枢着位置は、キャリアとシャトルとの組合せの重心を含むY軸に垂直な平面の全く同じ側に位置している。
【0094】
[0107] ある実施形態では、関節アームは、キャリアがシャトルから最も離れる完全に伸張した位置に関節アームがある場合、隣接する各対の少なくとも2つの部材間の角度が5°未満であるように配置される。
【0095】
[0108] ある実施形態では、関節アームは、キャリアがシャトルから最も離れる完全に伸張した位置に関節アームがある場合、隣接する各対の少なくとも2つの部材間の角度が120°未満であるように配置される。
【0096】
[0109] ある実施形態では、リソグラフィ装置はさらに、関節アームとシャトルとの間の枢動可能接続部、関節アームとキャリアとの間の枢動可能接続部、及び少なくとも2つの部材の両者間の枢動可能接続部にトルクを加えるように構成されたシャトルコネクタドライバを備える。
【0097】
[0110] ある実施形態では、シャトルコネクタはさらに、2つの関節アームがY軸に垂直に位置する平面に対して互いに対称であるように構成された追加の関節アームを備える。
【0098】
[0111] ある実施形態では、シャトルコネクタは、X−Y面の偏位に関してX−Y面のキャリアの横方向の最小寸法の20%の限度内で、キャリアをキャリアの重心の真下又は真上のポイントで接続するように構成される。
【0099】
[0112] ある実施形態では、シャトルコネクタは、X−Y面の偏位に関してX−Y面のキャリアの横方向の最小寸法の20%の限度内で、及びZ軸に沿った偏位に関してX−Y面のキャリアの横方向の最小寸法の20%の限度内でキャリアをキャリアの重心で接続するように構成される。
【0100】
[0113] ある実施形態では、シャトルドライバはシャトルベルトシステムを備え、シャトルベルトシステムは、シャトルベルトと、シャトルベルトの少なくとも一部の移動を駆動するシャトルベルトドライバとを備え、シャトルは、シャトルベルトの少なくとも一部の移動がY軸に平行な対応するシャトルの移動を誘発するようにシャトルベルトと係合する。
【0101】
[0114] ある実施形態では、リソグラフィ装置はさらに、キャリアの駆動による反力を受け、これに応答してキャリアの方向へと移動してキャリアの運動量の変化を平衡し、シャトルベルトドライバがバランスマスに固定的に取り付けられるように構成されたバランスマスを備える。
【0102】
[0115] ある実施形態では、シャトルコネクタドライバはシャトルコネクタベルトシステムを備え、シャトルコネクタベルトシステムは、シャトルコネクタベルトと、シャトルコネクタベルトの少なくとも一部の移動を駆動するシャトルコネクタベルトドライバとを備え、シャトルコネクタは、シャトルコネクタベルトドライバの少なくとも一部の移動がX軸に平行なキャリアの対応する移動を誘発するようにシャトルコネクタベルトと係合する。
【0103】
[0116] ある実施形態では、リソグラフィ装置はさらに、キャリアの駆動による反力を受け、これに応答して移動してキャリアの運動量の変化を平衡し、シャトルコネクタベルトドライバがバランスマスに固定的に取り付けられるように構成されたバランスマスを備える。
【0104】
[0117] ある実施形態では、シャトルコネクタはベルトシステムと、シャトルコネクタベルトの第1の端部と第2の端部とが固定的に接続されるアンカー部とを備え、アンカー部はシャトルコネクタベルトドライバから固定間隔を保つようにシャトルコネクタベルトドライバに対して堅牢に取り付けられ、シャトルコネクタベルトは、シャトルコネクタベルトの第1の端部からシャトルコネクタベルトドライバへの経路をたどり、シャトルコネクタベルトの第2の端部からシャトルコネクタベルトドライバへの経路をたどるように構成され、シャトルコネクタベルトドライバによる第1の方向へのシャトルコネクタベルトの駆動により、第2の経路に対する第1の経路が短縮され、シャトルコネクタベルトドライバによる第2の方向へのシャトルコネクタベルトの駆動により、第2の経路に対する第1の経路が延伸され、第1の経路が第2の経路に対して短縮されると、キャリアがX軸に平行にシャトルの方向に引き込まれ、第1の経路が第2の経路に対して延伸されると、キャリアは、キャリアがX軸に平行にシャトルから押し離されるように基板コネクタベルトと係合する。
【0105】
[0118] ある実施形態では、リソグラフィ装置はさらに、キャリアの駆動による反力を受け、それに応答してキャリアの方向へと移動してキャリアの運動量の変化を平衡するように構成されたバランスマスを備え、磁石及びコイルシステムはバランスマスに取り付けられたコイルと、キャリアに取り付けられた永久磁石とを備え、キャリアに力を加えるようにコイルを駆動するコントローラを備える。
【0106】
[0119] ある実施形態では、磁石及びコイルシステムは、パターン付き放射ビームを基板に投影する間にキャリアの重みを支えるのに十分な上方への力を提供するように構成される。
【0107】
[0120] ある実施形態では、磁石及びコイルシステムは、磁石及びコイルシステムのコイル内の所与の電流で、キャリアに加えられる力を増大するように、相対透磁率が比較的高い材料からなるバックアイアンを備え、高い相対透磁率は150以上である。
【0108】
[0121] ある実施形態では、キャリアは、パターン付き放射ビームを基板に投影する間にキャリアの重みを支えるためにキャリアの下のガス圧の上昇を達成するための手段を有するエアマウントを備える。
【0109】
[0122] ある実施形態では、キャリアは基板を保持するように構築された基板テーブルである。
【0110】
[0123] ある実施形態では、リソグラフィ装置はさらに、駆動システムによるキャリアの駆動の結果、シャトルに加えられるトルクに対する対向トルクをシャトルに加えるトルク補償器を備える。
【0111】
[0124] ある実施形態では、トルク補償器は、X軸及びY軸に直交するZ軸を中心とするシャトルの回転を測定するセンサと、センサからの出力の関数としてトルク補償器によって加えられる対向トルクを制御するコントローラとを備える。
【0112】
[0125] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
【0113】
[0126] 光リソグラフィの分野での本発明の実施形態の使用に特に言及してきたが、本発明は文脈によってはその他の分野、例えばインプリントリソグラフィでも使用することができ、光リソグラフィに限定されないことを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが基板上に作成されたパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは基板に供給されたレジスト層内に刻印され、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組合せを印加することでレジストは硬化する。パターニングデバイスはレジストから取り除かれ、レジストが硬化すると、内部にパターンが残される。
【0114】
[0127] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)及び極端紫外線(EUV)放射(例えば、5nm〜20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
【0115】
[0128] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折、反射、磁気、電磁気及び静電気光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組合せを指すことができる。
【0116】
[0129] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明は、上記で開示したような方法を述べる機械読み取り式命令の1つ又は複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はこのようなコンピュータプログラムを内部に記憶したデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとることができる。
【0117】
[0130] 上記の説明は例示的であり、限定的ではない。それ故、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。
【0118】
[0131] 特許請求の範囲を解釈するには、「発明の概要」及び「要約書」の項ではなく、「発明を実施するための形態」の項を使用するよう意図されていることを認識されたい。「発明の概要」及び「要約書」の項は、本発明者が想定するような本発明の1つ又は複数の例示的実施形態について述べることができるが、全部の例示的実施形態を述べることはできず、したがって本発明及び添付の特許請求の範囲をいかなる意味でも限定しないものとする。
【0119】
[0132] 以上では、特定の機能の実施態様を例示する機能的構成要素及びその関係の助けにより本発明について説明してきた。これらの機能的構成要素の境界は、本明細書では説明の便宜を図って任意に画定されている。特定の機能及びその関係が適切に実行される限り、代替的な境界を画定することができる。
【0120】
[0133] 特定の実施形態に関する以上の説明は、本発明の全体的性質を十分に明らかにしているので、当技術分野の知識を適用することにより、過度の実験をせず、本発明の全体的概念から逸脱することなく、このような特定の実施形態を容易に修正する、及び/又はこれを様々な用途に適応させることができる。したがって、このような適応及び修正は、本明細書に提示された教示及び案内に基づき、開示された実施形態の同等物の意味及び範囲に入るものとする。本明細書の言葉遣い又は用語は説明のためのもので、限定するものではなく、したがって本明細書の用語又は言葉遣いは、当業者には教示及び案内の観点から解釈されるべきことを理解されたい。
【0121】
[0134] 本発明の幅及び範囲は、上述した例示的実施形態のいずれによっても限定されず、特許請求の範囲及びその同等物によってのみ規定されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィ装置であって、
パターンをパターニングデバイスから基板へと転写するように配置された投影システムと、
キャリアと、
直交軸X及びYを基準にして画定された平面で前記キャリアを前記投影システムに対して移動させる駆動システムと、
を備え、
前記駆動システムが、
前記Y軸に平行に移動するように構築され、配置されたシャトルと、
前記シャトルを前記キャリアに接続するシャトルコネクタであって、前記シャトルに対して前記X軸に平行な方向に前記キャリアを移動させることができるような前記シャトルコネクタと、
前記Y軸に平行な前記シャトルの移動を駆動するシャトルドライバと、
を備え、
前記シャトルが前記X軸に平行な方向の前記キャリアの片側だけに位置し、前記シャトルの1つだけが前記キャリアに接続され、
前記シャトルドライバ及び前記シャトルコネクタが、前記駆動システムによって前記キャリアに加えられる力のY成分の少なくとも10%を供給するように構成されるリソグラフィ装置。
【請求項2】
前記駆動システムが、前記キャリアに前記X軸に平行な力だけを、前記シャトルを介さずに加え、前記シャトルドライバ及びシャトルコネクタが、前記駆動システムによって前記キャリアに加えられる力のY成分のすべてを供給するように構成される、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
【請求項3】
前記シャトルコネクタを介して前記キャリアを前記X軸に平行な移動を駆動するシャトルコネクタドライバをさらに備え、
前記シャトルコネクタドライバが、前記駆動システムによって前記キャリアに加えられる力のX成分の少なくとも10%を供給するように構成される、請求項1又は2に記載のリソグラフィ装置。
【請求項4】
リソグラフィ装置であって、
パターンをパターニングデバイスから基板へと転写するように配置された投影システムと、
キャリアと、
直交軸X及びYを基準にして画定された平面で前記キャリアを前記投影システムに対して移動させる駆動システムと、
を備え、
前記駆動システムが、
前記Y軸に平行に移動するように構築され、配置されたシャトルと、
前記シャトルを前記キャリアに接続するシャトルコネクタであって、前記シャトルに対して前記X軸に平行な方向に前記キャリアを移動させることができるような前記シャトルコネクタと、
前記シャトルコネクタを介して前記シャトルの前記X軸に平行な移動を駆動するシャトルコネクタドライバと、
を備え、
前記シャトルが前記X軸に平行な方向の前記キャリアの片側だけに位置し、前記シャトルの1つだけが前記キャリアに接続されるリソグラフィ装置。
【請求項5】
前記シャトルコネクタドライバ及びシャトルコネクタが、前記駆動システムによって前記キャリアに加えられる力のX成分の少なくとも10%を供給するように構成される、請求項4に記載のリソグラフィ装置。
【請求項6】
前記駆動システムが、前記キャリアに前記Y軸に平行な力だけを前記シャトルを介さずに加え、前記シャトルコネクタドライバ及びシャトルコネクタが、前記駆動システムによって前記キャリアに加えられる力のX成分のすべてを供給するように構成される、請求項4に記載のリソグラフィ装置。
【請求項7】
前記Y軸に平行な前記シャトルに移動を駆動するシャトルドライバをさらに備え、
前記シャトルドライバが、前記駆動システムによって前記キャリアに加えられる力のY成分の少なくとも10%を供給するように構成される、請求項4、5、又は6に記載のリソグラフィ装置。
【請求項8】
前記シャトルドライバが、リニアモータ、管状電磁アクチュエータ、油圧アクチュエータ、ボールスクリュー駆動装置のうち1つ以上を備える、請求項1乃至3及び7のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
【請求項9】
前記キャリアと前記シャトルコネクタとの間の能動カップリングをさらに備え、
前記能動カップリングが、
基準フレームに対する前記キャリアの位置を測定するセンサと、
前記シャトルコネクタに対する前記キャリアの位置を調整するため、前記キャリアと前記シャトルコネクタとの間に力を加えるアクチュエータと、
前記基準フレームに対する前記キャリアの位置を制御するため、前記センサからの出力の関数として前記アクチュエータの動作を制御するコントローラと、
を備える、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
【請求項10】
前記シャトルコネクタが、前記X及びY軸に垂直な軸を中心に互いに枢動するように配置された少なくとも2つの部材を備える関節アームを備え、前記部材のうちの第1の部材が第1の枢着位置で前記キャリアに枢動可能に接続され、前記部材のうちの第2の部材が第2の枢着位置で前記シャトルに枢動可能に接続される、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
【請求項11】
前記シャトルコネクタが、前記シャトルと前記キャリアとの間に延在する1つのアームだけを備える、請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
【請求項12】
前記シャトルコネクタが、前記シャトルと前記キャリアとの間に延在する2つのアームを備え、前記2つのアームの各々が前記キャリアの異なる位置に接続され、前記接続点が前記Y軸に沿って離間している、請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
【請求項13】
前記シャトルコネクタが、前記キャリアの下で前記キャリアに接続するように構成される、請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
【請求項14】
パターンを基板へと転写するステップを含むデバイス製造方法であって、
駆動システムを使用して直交軸X及びYを基準にして画定された平面でキャリアを投影システムに対して移動させるステップを含み、
前記駆動システムが、前記Y軸に平行に移動するように構築され、配置されたシャトルと、
前記シャトルを前記キャリアに接続するシャトルコネクタであって、前記シャトルに対して前記X軸に平行な方向に前記キャリアを移動させることができるような前記シャトルコネクタと、
前記Y軸に平行な前記シャトルの移動を駆動するシャトルドライバと、
を備え、
前記シャトルが前記X軸に平行な方向の前記キャリアの片側だけに位置し、前記シャトルの1つだけが前記キャリアに接続され、
前記シャトルドライバ及び前記シャトルコネクタが、前記駆動システムによって前記キャリアに加えられる力のY成分の少なくとも10%を供給するように構成される方法。
【請求項15】
パターンを基板へと転写するステップを含むデバイス製造方法であって、
駆動システムを使用して直交軸X及びYを基準にして画定された平面でキャリアを投影システムに対して移動させるステップを含み、
前記駆動システムが、
前記Y軸に平行に移動するように構築され、配置されたシャトルと、
前記シャトルを前記キャリアに接続するシャトルコネクタであって、前記シャトルに対して前記X軸に平行な方向に前記キャリアを移動させることができるような前記シャトルコネクタと、
前記シャトルコネクタを介して前記X軸に平行な前記シャトルの移動を駆動するシャトルコネクタドライバと、
を備え、
前記シャトルが前記X軸に平行な方向の前記キャリアの片側だけに位置し、前記シャトルの1つだけが前記キャリアに接続される方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−134485(P2012−134485A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−272974(P2011−272974)
【出願日】平成23年12月14日(2011.12.14)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】