リニアモータで駆動されるエア浮上搬送装置及びシステム
【課題】エネルギー効率が良く駆動力が大きく実用性に優れ、リニア同期モータにより駆動されるエア浮上搬送方式を提供する。
【解決手段】中央に案内溝２を有し且つ上面及び当該案内溝２の側面に加圧空気による静圧スラスト軸受け機能を備えた走路１と、当該走路１の上面で浮上して物品を搬送する搬送台３と、前記案内溝２に嵌合し当該案内溝２の側面の静圧スラスト軸受け機能により非接触的に前記搬送台の進行方向を案内する案内子４と、前記搬送台３を駆動するために前記案内溝２の内側に配置された位相が９０度異なるＡ、Ｂ２相のコイルセット５及び前記搬送台３の裏面に適切な継鉄７を介してＮＳ交互に配置したマグネットセット６を夫々固定子と可動子とするリニア同期モータを主要な構成要素として、エア浮上搬送装置を構成した。
【解決手段】中央に案内溝２を有し且つ上面及び当該案内溝２の側面に加圧空気による静圧スラスト軸受け機能を備えた走路１と、当該走路１の上面で浮上して物品を搬送する搬送台３と、前記案内溝２に嵌合し当該案内溝２の側面の静圧スラスト軸受け機能により非接触的に前記搬送台の進行方向を案内する案内子４と、前記搬送台３を駆動するために前記案内溝２の内側に配置された位相が９０度異なるＡ、Ｂ２相のコイルセット５及び前記搬送台３の裏面に適切な継鉄７を介してＮＳ交互に配置したマグネットセット６を夫々固定子と可動子とするリニア同期モータを主要な構成要素として、エア浮上搬送装置を構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は搬送用走路の上面及び当該走路中央の走行案内溝の側面に夫々空気圧による静圧スラスト軸受け機能を有する走路を用い、当該静圧スラスト軸受けの機能により搬送台をエア浮上させ搬送する搬送方式に関し、前記走行案内溝に設置したコイルと前記搬送台の裏面に固定したマグネットで構成されるリニア同期モータの構成と配置を適正化することにより前記搬送台を少ないエネルギーで最適に駆動することを可能にした、エア浮上搬送装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【０００２】
例えば半導体集積回路基板、微細加工が必要な精密製品、医薬品、或いは化粧品等の工業製品の製造工程においては、製造工程をクリーンな環境に保つため、発塵が無いクリーンな手段で搬送することが望まれている。その様な要望を実現する一方式として、被搬送物をエアにより浮上させ、処理装置の間を非接触的に移動させるエア浮上搬送方式がある。
【０００３】
この様なエアによる浮上搬送方式には例えば特許文献１に記載されているように被搬送物を載せた搬送台を空気圧による静圧スラスト軸受機能を備えた搬送路上でエア浮上させて非接触的に搬送する方式がある。
【先行技術文献】
【０００４】
【特許文献１】 特開２００８−２６６０１０公報
【０００５】
上記文献では搬送台の駆動手段の一例として走路中央の走行案内溝内に配列されたコイルを固定子とし且つ前記案内溝に勘合して非接触的に摺動する走行案内子と一体構造の磁極を可動子としてリニアモータを構成する方法について述べている。しかしリニアモータの可動子磁極を構成するマグネットを走行案内子と一体構造にすることには磁気回路などの点で構造的に無理があり、またマグネットの数を増やすことが困難なのでリニアモータの駆動力が増えないという問題点があった。また前記案内溝内に配列された固定子コイルは具体的な構造や配置方法が前記駆動手段のコストと省エネ性に大きく影響するにも関らず上記文献では具体的に述べられていない。これはエア浮上搬送というクリーン搬送を実現する上で、解決すべき課題であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明は上述の技術的な課題を解決し、エアによる浮上搬送方式の技術に関して、従来のエア浮上搬送方式では実現が困難であった実用性に優れた構造のリニア同期モータによる搬送台の駆動方法を提供するものであり、具体的には以下の目的を達成しようとするものである。
１．エア浮上搬送台を駆動するリニア同期モータの構造を磁気回路とマグネットの個数の観点から見直し、エネルギー効率が良く駆動力が大きい実用性に優れたリニア同期モータにより駆動されるエア浮上搬送方式を低コストで提供する。
２．エア浮上搬送台を駆動するリニア同期モータの固定子コイルを構造と配置方法の観点から見直し、コンパクトで省エネ性に優れたリニア同期モータにより駆動されるエア浮上搬送方式を低コストで提供する。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記の課題を解決するため、本発明では中央に案内溝を有し且つ上面及び当該案内溝側面に加圧空気による静圧スラスト軸受け機能を備えた走路と、当該走路の上面で浮上して物品を搬送する搬送台と、前記案内溝に嵌合し当該案内溝側面の静圧スラスト軸受け機能により非接触的に前記搬送台の進行方向を案内する案内子と、前記搬送台を駆動するために前記案内溝内に配置された位相が９０度異なるＡ、Ｂ２相のコイルセット及び前記搬送台の裏面に適切な継鉄を介して磁極をＮＳ交互に配置したマグネットセットを夫々固定子と可動子とするリニア同期モータを主要な構成要素として、エア浮上搬送装置を構成した。
【０００８】
更に本発明では、エア浮上搬送方式では搬送台と走路の間の摩擦抵抗が非常に少ないため搬送台の速度が減衰しないというエア浮上搬送方式の本質的な特長を活かし、前記搬送台を駆動するため前記案内溝内に配置されたリニア同期モータの固定子コイルセットは予め決められた搬送台の停止ステーション近傍にのみ搬送台の加減速に必要な個数を設置し、搬送台停止ステーション間は搬送台駆動用のコイルセットを設置せずに搬送台を慣性走行させることにより、搬送台駆動用リニア同期モータの固定子コイルの数量を減らすことが可能である。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、中央に案内溝を有し且つ上面及び当該案内溝側面に加圧空気による静圧スラスト軸受け機能を備えた走路と、当該走路の上面で浮上して物品を搬送する搬送台と、前記案内溝に嵌合し当該案内溝側面の静圧スラスト軸受け機能により非接触的に前記搬送台の進行方向を案内する案内子とにより構成されるエア浮上搬送方式において、搬送台を実用性に優れた構造及び配置のリニア同期モータの方式により駆動することが可能になり、以下の効果を期待出来る。
１．エア浮上搬送台駆動用リニア同期モータの固定子コイルは搬送台停止ステーションの近傍のみに設置し搬送台停止ステーション間には設置しないため、固定子コイルの数量を減らすことが可能となり、前記搬送台駆動用リニア同期モータのコストが下がる。
２．エア浮上搬送台駆動用リニア同期モータは固定子のコイルが位相差９０度のＡ相Ｂ相で構成された２相モータ方式であるため、従来の３相モータ方式に比べ構造がコンパクトになりコスト的に有利である。
３．エア浮上搬送台駆動用リニア同期モータは可動子のマグネットを適切な継鉄を介して前記搬送台の裏面にコイルに対向してＮＳ交互に配置する方式であるため、構造的に簡単でありコスト的に有利である。また、コイルに対向するマグネット数を増やすことにより搬送台駆動に必要な推力を容易に得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】本発明のエア浮上搬送装置の主要な構成要素を示す。
【図２】本発明のエア浮上搬送装置の全体を示す俯瞰図である。
【図３】エア浮上搬送台駆動用リニア同期モータの固定子コイルの詳細を示す。
【図４】エア浮上搬送台駆動用リニア同期モータの固定子コイルの配置を示す。
【図５】エア浮上搬送台駆動用リニア同期モータの固定子コイルと可動子マグネットの詳細構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【００１１】
以下本発明にかかる実施形態を図面により説明する。図１は本発明に関わるエア浮上搬送装置の構成要素を示す断面図である。図１において１は走路、２は対向する２本の走路で形成された中央の走行案内溝である。走路１の上面及び案内溝２の側面は多孔質材１ａの表面から出る加圧空気により静圧スラスト軸受け機能を有している。３はエア浮上搬送台、４は前記案内溝に嵌合し案内溝側面の静圧スラスト軸受け機能により非接触的に前記搬送台の進行方向を案内する案内子である。５は前記搬送台を駆動するために前記案内溝内に配置された位相が９０度異なるＡ、Ｂ２相のコイルセット、６は前記搬送台の裏面に適切な継鉄７を介して磁極をＮＳ交互に配置したマグネットセットである。
【００１２】
図２は本発明に関わるエア浮上搬送装置の全体を示す俯瞰図である。エア浮上搬送台３の進行方向を案内する案内子４と前記搬送台の裏面に適切な継鉄７を介して磁極をＮＳ交互に配置したマグネットセット６はエア浮上搬送台３の下にあるので図示されない。図３は図２に示すコイルセット５の拡大図である。Ａコイル５ａとＢコイル５ｂは位相が９０度異なるので相互に重なった入子構造をなしている。
【００１３】
図４は、図２においてエア浮上搬送台３及び当該搬送台に取付けられたリニア同期モータの可動子マグネット、案内子４等を取外した状態を示す。図４に示すようにコイルセット５は図２に示すエア浮上搬送台３の停止位置にのみ配置され、停止位置の中間には配置されていない。この様に固定子コイル間欠配置型のリニア同期モータによりエア浮上搬送台を駆動する方式が本発明の特徴の一つである。
【００１４】
図５に本発明に関わるエア浮上搬送装置のエア浮上搬送台３を駆動するリニア同期モータの構造を、エア浮上搬送台３固定子コイル５ａ固定子コイル５ｂ可動子マグネット６及び磁気回路継鉄７を含んだ断面図により示す。コイル５ａ及び５ｂは位相差９０度のＡ、Ｂ２相のコイルセットを示し、コイル５ｂはコイル５ａと入子構造にすることを可能にするため端部を適宜折り曲げた構造をしている。また可動子マグネット６の磁極はＮＳ交互に配置されＮＳのピッチはコイル５ａと５ｂのピッチの２倍である。この様にコイルの構造を入子構造のＡＢ２相方式とすることにより、エア浮上搬送台駆動用リニア同期モータの固定子構造を簡素化できる。また当該モータの駆動力は可動子マグネット６の増設により容易に増加するため、仕様に合せた設計の自由度が高い構造である。
【産業上の利用可能性】
【００１５】
本発明の装置は各種のＩＣ基盤、精密機器、化粧品及び医薬品等を製造する用途、或いは半導体ウェハーをカセットに入れて搬送する用途等の、クリーン搬送を要する用途に応用して有効である。
【符号の説明】
【００１６】
１ エア浮上搬送台が浮上走行する、加圧空気静圧スラスト軸受け機能を備えた 走路
１ａ 走路表面から加圧空気を出すための多孔質材
２ 対向する走路により形成された中央の案内溝
３ エア浮上搬送台
４ 案内溝に勘合して搬送台の進行方向を非接触的に案内する案内子
５ エア浮上搬送台駆動用リニア同期モータの固定子コイルセット
６ エア浮上搬送台駆動用リニア同期モータの可動子マグネットセット
７ エア浮上搬送台駆動用リニア同期モータの可動子マグネットの磁気回路を構 成する継鉄
【技術分野】
【０００１】
本発明は搬送用走路の上面及び当該走路中央の走行案内溝の側面に夫々空気圧による静圧スラスト軸受け機能を有する走路を用い、当該静圧スラスト軸受けの機能により搬送台をエア浮上させ搬送する搬送方式に関し、前記走行案内溝に設置したコイルと前記搬送台の裏面に固定したマグネットで構成されるリニア同期モータの構成と配置を適正化することにより前記搬送台を少ないエネルギーで最適に駆動することを可能にした、エア浮上搬送装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【０００２】
例えば半導体集積回路基板、微細加工が必要な精密製品、医薬品、或いは化粧品等の工業製品の製造工程においては、製造工程をクリーンな環境に保つため、発塵が無いクリーンな手段で搬送することが望まれている。その様な要望を実現する一方式として、被搬送物をエアにより浮上させ、処理装置の間を非接触的に移動させるエア浮上搬送方式がある。
【０００３】
この様なエアによる浮上搬送方式には例えば特許文献１に記載されているように被搬送物を載せた搬送台を空気圧による静圧スラスト軸受機能を備えた搬送路上でエア浮上させて非接触的に搬送する方式がある。
【先行技術文献】
【０００４】
【特許文献１】 特開２００８−２６６０１０公報
【０００５】
上記文献では搬送台の駆動手段の一例として走路中央の走行案内溝内に配列されたコイルを固定子とし且つ前記案内溝に勘合して非接触的に摺動する走行案内子と一体構造の磁極を可動子としてリニアモータを構成する方法について述べている。しかしリニアモータの可動子磁極を構成するマグネットを走行案内子と一体構造にすることには磁気回路などの点で構造的に無理があり、またマグネットの数を増やすことが困難なのでリニアモータの駆動力が増えないという問題点があった。また前記案内溝内に配列された固定子コイルは具体的な構造や配置方法が前記駆動手段のコストと省エネ性に大きく影響するにも関らず上記文献では具体的に述べられていない。これはエア浮上搬送というクリーン搬送を実現する上で、解決すべき課題であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明は上述の技術的な課題を解決し、エアによる浮上搬送方式の技術に関して、従来のエア浮上搬送方式では実現が困難であった実用性に優れた構造のリニア同期モータによる搬送台の駆動方法を提供するものであり、具体的には以下の目的を達成しようとするものである。
１．エア浮上搬送台を駆動するリニア同期モータの構造を磁気回路とマグネットの個数の観点から見直し、エネルギー効率が良く駆動力が大きい実用性に優れたリニア同期モータにより駆動されるエア浮上搬送方式を低コストで提供する。
２．エア浮上搬送台を駆動するリニア同期モータの固定子コイルを構造と配置方法の観点から見直し、コンパクトで省エネ性に優れたリニア同期モータにより駆動されるエア浮上搬送方式を低コストで提供する。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記の課題を解決するため、本発明では中央に案内溝を有し且つ上面及び当該案内溝側面に加圧空気による静圧スラスト軸受け機能を備えた走路と、当該走路の上面で浮上して物品を搬送する搬送台と、前記案内溝に嵌合し当該案内溝側面の静圧スラスト軸受け機能により非接触的に前記搬送台の進行方向を案内する案内子と、前記搬送台を駆動するために前記案内溝内に配置された位相が９０度異なるＡ、Ｂ２相のコイルセット及び前記搬送台の裏面に適切な継鉄を介して磁極をＮＳ交互に配置したマグネットセットを夫々固定子と可動子とするリニア同期モータを主要な構成要素として、エア浮上搬送装置を構成した。
【０００８】
更に本発明では、エア浮上搬送方式では搬送台と走路の間の摩擦抵抗が非常に少ないため搬送台の速度が減衰しないというエア浮上搬送方式の本質的な特長を活かし、前記搬送台を駆動するため前記案内溝内に配置されたリニア同期モータの固定子コイルセットは予め決められた搬送台の停止ステーション近傍にのみ搬送台の加減速に必要な個数を設置し、搬送台停止ステーション間は搬送台駆動用のコイルセットを設置せずに搬送台を慣性走行させることにより、搬送台駆動用リニア同期モータの固定子コイルの数量を減らすことが可能である。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、中央に案内溝を有し且つ上面及び当該案内溝側面に加圧空気による静圧スラスト軸受け機能を備えた走路と、当該走路の上面で浮上して物品を搬送する搬送台と、前記案内溝に嵌合し当該案内溝側面の静圧スラスト軸受け機能により非接触的に前記搬送台の進行方向を案内する案内子とにより構成されるエア浮上搬送方式において、搬送台を実用性に優れた構造及び配置のリニア同期モータの方式により駆動することが可能になり、以下の効果を期待出来る。
１．エア浮上搬送台駆動用リニア同期モータの固定子コイルは搬送台停止ステーションの近傍のみに設置し搬送台停止ステーション間には設置しないため、固定子コイルの数量を減らすことが可能となり、前記搬送台駆動用リニア同期モータのコストが下がる。
２．エア浮上搬送台駆動用リニア同期モータは固定子のコイルが位相差９０度のＡ相Ｂ相で構成された２相モータ方式であるため、従来の３相モータ方式に比べ構造がコンパクトになりコスト的に有利である。
３．エア浮上搬送台駆動用リニア同期モータは可動子のマグネットを適切な継鉄を介して前記搬送台の裏面にコイルに対向してＮＳ交互に配置する方式であるため、構造的に簡単でありコスト的に有利である。また、コイルに対向するマグネット数を増やすことにより搬送台駆動に必要な推力を容易に得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】本発明のエア浮上搬送装置の主要な構成要素を示す。
【図２】本発明のエア浮上搬送装置の全体を示す俯瞰図である。
【図３】エア浮上搬送台駆動用リニア同期モータの固定子コイルの詳細を示す。
【図４】エア浮上搬送台駆動用リニア同期モータの固定子コイルの配置を示す。
【図５】エア浮上搬送台駆動用リニア同期モータの固定子コイルと可動子マグネットの詳細構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【００１１】
以下本発明にかかる実施形態を図面により説明する。図１は本発明に関わるエア浮上搬送装置の構成要素を示す断面図である。図１において１は走路、２は対向する２本の走路で形成された中央の走行案内溝である。走路１の上面及び案内溝２の側面は多孔質材１ａの表面から出る加圧空気により静圧スラスト軸受け機能を有している。３はエア浮上搬送台、４は前記案内溝に嵌合し案内溝側面の静圧スラスト軸受け機能により非接触的に前記搬送台の進行方向を案内する案内子である。５は前記搬送台を駆動するために前記案内溝内に配置された位相が９０度異なるＡ、Ｂ２相のコイルセット、６は前記搬送台の裏面に適切な継鉄７を介して磁極をＮＳ交互に配置したマグネットセットである。
【００１２】
図２は本発明に関わるエア浮上搬送装置の全体を示す俯瞰図である。エア浮上搬送台３の進行方向を案内する案内子４と前記搬送台の裏面に適切な継鉄７を介して磁極をＮＳ交互に配置したマグネットセット６はエア浮上搬送台３の下にあるので図示されない。図３は図２に示すコイルセット５の拡大図である。Ａコイル５ａとＢコイル５ｂは位相が９０度異なるので相互に重なった入子構造をなしている。
【００１３】
図４は、図２においてエア浮上搬送台３及び当該搬送台に取付けられたリニア同期モータの可動子マグネット、案内子４等を取外した状態を示す。図４に示すようにコイルセット５は図２に示すエア浮上搬送台３の停止位置にのみ配置され、停止位置の中間には配置されていない。この様に固定子コイル間欠配置型のリニア同期モータによりエア浮上搬送台を駆動する方式が本発明の特徴の一つである。
【００１４】
図５に本発明に関わるエア浮上搬送装置のエア浮上搬送台３を駆動するリニア同期モータの構造を、エア浮上搬送台３固定子コイル５ａ固定子コイル５ｂ可動子マグネット６及び磁気回路継鉄７を含んだ断面図により示す。コイル５ａ及び５ｂは位相差９０度のＡ、Ｂ２相のコイルセットを示し、コイル５ｂはコイル５ａと入子構造にすることを可能にするため端部を適宜折り曲げた構造をしている。また可動子マグネット６の磁極はＮＳ交互に配置されＮＳのピッチはコイル５ａと５ｂのピッチの２倍である。この様にコイルの構造を入子構造のＡＢ２相方式とすることにより、エア浮上搬送台駆動用リニア同期モータの固定子構造を簡素化できる。また当該モータの駆動力は可動子マグネット６の増設により容易に増加するため、仕様に合せた設計の自由度が高い構造である。
【産業上の利用可能性】
【００１５】
本発明の装置は各種のＩＣ基盤、精密機器、化粧品及び医薬品等を製造する用途、或いは半導体ウェハーをカセットに入れて搬送する用途等の、クリーン搬送を要する用途に応用して有効である。
【符号の説明】
【００１６】
１ エア浮上搬送台が浮上走行する、加圧空気静圧スラスト軸受け機能を備えた 走路
１ａ 走路表面から加圧空気を出すための多孔質材
２ 対向する走路により形成された中央の案内溝
３ エア浮上搬送台
４ 案内溝に勘合して搬送台の進行方向を非接触的に案内する案内子
５ エア浮上搬送台駆動用リニア同期モータの固定子コイルセット
６ エア浮上搬送台駆動用リニア同期モータの可動子マグネットセット
７ エア浮上搬送台駆動用リニア同期モータの可動子マグネットの磁気回路を構 成する継鉄
【特許請求の範囲】
【請求項１】
中央に案内溝を有し且つ上面及び当該案内溝側面に加圧空気による静圧スラスト軸受け機能を備えた走路と、当該走路の上面で浮上して物品を搬送する搬送台と、前記案内溝に嵌合し当該案内溝側面の静圧スラスト軸受け機能により非接触的に前記搬送台の進行方向を案内する案内子により構成されたエア浮上搬送装置において、前記案内溝内に設置されたＡとＢの位相が９０度異なるように構成されたコイルのセットと前記搬送台の裏面に適切な継鉄を介して磁極をＮＳ交互に配置して固定されたマグネットのセットによりリニア同期モータを構成し、当該モータにより前記搬送台を非接触的に駆動することを特徴とする、エア浮上搬送装置
【請求項２】
請求項１に記載のエア浮上搬送装置において、前記案内溝内に設置されたＡ、Ｂの位相が９０度異なるように構成された複数のコイルのセットが搬送装置走路に間欠的に設置され、各コイルのセットの間には前記搬送台を駆動するコイルが無いことを特徴とする、エア浮上搬送装置
【請求項３】
請求項２に記載のエア浮上搬送装置において、前記コイルセットと前記マグネットセットにより構成されるリニア同期モータの駆動制御装置、及び、前記搬送台の停止位置制御装置を備え、前期コイルセットの間は前記搬送台が慣性走行することを特徴とする、エア浮上搬送システム
【請求項１】
中央に案内溝を有し且つ上面及び当該案内溝側面に加圧空気による静圧スラスト軸受け機能を備えた走路と、当該走路の上面で浮上して物品を搬送する搬送台と、前記案内溝に嵌合し当該案内溝側面の静圧スラスト軸受け機能により非接触的に前記搬送台の進行方向を案内する案内子により構成されたエア浮上搬送装置において、前記案内溝内に設置されたＡとＢの位相が９０度異なるように構成されたコイルのセットと前記搬送台の裏面に適切な継鉄を介して磁極をＮＳ交互に配置して固定されたマグネットのセットによりリニア同期モータを構成し、当該モータにより前記搬送台を非接触的に駆動することを特徴とする、エア浮上搬送装置
【請求項２】
請求項１に記載のエア浮上搬送装置において、前記案内溝内に設置されたＡ、Ｂの位相が９０度異なるように構成された複数のコイルのセットが搬送装置走路に間欠的に設置され、各コイルのセットの間には前記搬送台を駆動するコイルが無いことを特徴とする、エア浮上搬送装置
【請求項３】
請求項２に記載のエア浮上搬送装置において、前記コイルセットと前記マグネットセットにより構成されるリニア同期モータの駆動制御装置、及び、前記搬送台の停止位置制御装置を備え、前期コイルセットの間は前記搬送台が慣性走行することを特徴とする、エア浮上搬送システム
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２０１２−１５８４６７（Ｐ２０１２−１５８４６７Ａ）
【公開日】平成２４年８月２３日（２０１２．８．２３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−３０２０２（Ｐ２０１１−３０２０２）
【出願日】平成２３年１月２８日（２０１１．１．２８）
【出願人】（５０５３２６８０７）
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年８月２３日（２０１２．８．２３）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年１月２８日（２０１１．１．２８）
【出願人】（５０５３２６８０７）
【Ｆターム（参考）】
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