説明

リピータ装置、干渉信号抑圧装置及び方法

【課題】群遅延偏差等によりその検出時点に変動幅が生じる可能性のある干渉信号を確実に抑圧するリピータ装置を提供する。
【解決手段】受信信号と同じ信号成分を含むリファレンス信号に遅延器41で複数種類の遅延時間を生じさせた遅延リファレンス信号と、ディジタル変換された受信信号とを相関積分器39入力し、両者の相関が最も高くなる遅延リファレンス信号を干渉信号に相当する信号として、その出現時点を特定し、その出現時点を中心としてディジタル処理時の動作クロックの周波数の逆数である単位時間幅の整数倍だけ前後に離れた遅延時間をCPU40で特定し、特定した各時点でそれぞれ干渉信号に相当する信号と逆位相となる複数種類の抑圧信号を生成し、これらの抑圧信号を加算器34で、ディジタル変換された受信信号に加算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば受信信号と同じ周波数で送信信号を輻射する場合に生じる、受信アンテナへの回り込みによる干渉信号を抑圧する干渉信号抑圧技術及び干渉信号抑圧機能を有するリピータ装置に関する。リピータ装置は、無線通信の中継に用いられる通信装置であり、中継装置あるいは無線中継ブースタと呼ばれる場合もある。
【背景技術】
【0002】
無線基地局の電波の届きにくいビル内部、トンネル内部、山岳地帯等での電波状況を改善するために、リピータ装置が用いられている。リピータ装置では、受信信号を所定利得で増幅した上で送信するため、無線基地局のように専用回線を敷設する必要もなく、設備面でコストを低減できるというメリットがある。しかし、受信信号と送信信号とが同一周波数となるため、送信信号の一部が受信アンテナに回り込むと、この信号が干渉信号となり、増幅器の利得(再送利得と呼ばれる)が大きい場合には発振を引き起こすという問題がある。
【0003】
この場合、送信アンテナと受信アンテナとを物理的に隔離してアンテナ間の結合量を小さくする方法も考えられるが、この方法では、リピータ装置の設置規模が大きくなって、実施しにくい場合があり、汎用性の面で問題がある。
【0004】
他の方法として、受信信号にCDMA(Code Division Multiple Access)信号における1チップ以上の遅延時間に相当する所定の遅延時間を付加した信号を送信信号として出力し、干渉信号が到来する遅延時間において、受信信号と送信信号との相関演算を行って検出し、検出した残差成分に基づいて干渉信号に対して逆位相、同振幅、同遅延となる様に生成した抑圧信号により、送信信号が受信アンテナに回り込むことにより生ずる干渉信号を打ち消す技術がある(例えば特許文献1参照)。
【0005】
この技術では、干渉信号が混入した受信信号と再送する送信信号との相関演算を行って干渉信号の残差成分を検出する際に、送信信号にCDMA信号における1チップ以上の遅延時間が付加されているため、リファレンス信号となる送信信号と干渉信号の残差成分との相関以外の信号との相関が低くなり、残差成分を精度良く検出できるといったメリットがある。しかし、装置全体の小型化を目的に、リピータ装置の回り込み干渉信号抑圧処理をディジタル化した場合には、抑圧信号の遅延量に対する分解能がディジタル処理時の動作クロックの周波数(サンプリング周波数)の逆数である単位時間幅で決まってしまうために、干渉信号の遅延に対し、抑圧信号の遅延を完全に一致させることが困難となり、結果的に干渉信号の抑圧量の劣化を招いてしまうという問題がある。
【0006】
この問題に対し、リピータ装置の干渉信号抑圧をディジタル処理により行う場合にも、送信信号の受信アンテナへの回り込みによる干渉信号の抑圧量を低下させない干渉信号抑圧装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この干渉信号抑圧装置では、検出した干渉信号に対して、所望の干渉信号近傍で2つ以上の抑圧信号を生成し、この抑圧信号で干渉信号を抑圧する。これにより、ディジタル信号処理部のサンプリング周波数から決まる遅延の刻みにより、完全に同じ遅延量が設定できない場合であっても、干渉信号の抑圧量を向上させることができるという効果がある。
【特許文献1】特開2001−196994号公報
【特許文献2】特開2005−39336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2の装置では、例えば信号成分を通過させるフィルタをアナログ回路で構成した場合に、アナログ回路によって生ずる使用帯域内の位相変動と、それに伴う遅延時間の発生とによって信号に波形歪みが生じ、これにより、検出される干渉信号が時間によって変動してしまうという点が考慮されていない。
特に、群遅延偏差が大きく発生し、信号成分の波形歪みが増加すると、受信信号と回り込み干渉信号となる増幅器の出力信号との間に時間的にズレが生じる。そのため、単に検出した干渉信号近傍で2つ以上の抑圧信号を生成するだけでは、干渉信号を抑圧しきれない場合がある。この抑圧しきれない残差成分が大きくなるとリピータ装置で中継することが不可能になるという問題があった。
【0008】
本発明は、この問題を解消するために、例えばアナログ回路による群遅延偏差が存在することにより、干渉信号の検出時点に変動幅が生じる場合であっても、その干渉信号を確実に抑圧することができるリピータ装置、干渉信号抑圧装置並びに干渉信号抑圧方法を提供することを、その課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のリピータ装置は、送信信号の一部が送信アンテナから受信アンテナに回り込むことにより干渉信号として受信信号に混入し、且つ、前記干渉信号が通過する電子回路の群遅延偏差により前記干渉信号が前記受信信号に混入するまでの遅延時間が帯域内の周波数で変動するリピータ装置において、前記受信信号をディジタル変換するとともに、ディジタル変換された前記受信信号に対して所定の信号処理を施すことにより、前記受信信号と同じ信号成分を含むリファレンス信号を生成するディジタル信号処理手段と、前記リファレンス信号を、それぞれ他の経路と異なる遅延時間が設定される遅延器が存在する複数の経路に分配し、当該経路の遅延器を通過させて出力する遅延付加手段と、それぞれ前記遅延器を通過したリファレンス信号と前記ディジタル変換された受信信号との相関演算を行い、相関が高いほど大きな振幅の信号を出力する相関演算手段と、前記相関演算手段から出力される信号のうち、その振幅が最も大きい第1信号、及び、当該第1信号が通過した経路の前記遅延器に設定された遅延時間からディジタル変換時のサンプリング周波数の逆数である単位時間幅の整数倍だけ前後に離れた2つの遅延時間に現れる第2信号を含む3つ以上の信号の各々とそれぞれ同振幅でかつ逆位相となる3つ以上の抑圧信号を生成する抑圧信号生成手段と、生成した3つ以上の抑圧信号と前記ディジタル変換された受信信号とを加算することにより前記干渉信号を抑圧する干渉信号抑圧手段と、を設けたことを特徴とする。
群遅延偏差により使用帯域内で干渉信号の遅延時間に差が出るため、抑圧誤差が生じるが、本発明のリピータ装置では、ディジタル変換された受信信号と最も相関する信号について設定された遅延時間からサンプリング周波数の逆数である単位時間幅の整数倍だけ前後に離れた2つの遅延時間に現れる第2信号を含む3つ以上の信号とそれぞれ同振幅でかつ逆位相の抑圧信号を生成するので、群遅延偏差により干渉信号の変動が生じてもその変動に追随させることができ、確実に干渉信号を抑圧することができる。
【0010】
本発明の干渉信号抑圧装置は、送信信号の一部が送信アンテナから受信アンテナに回り込むことにより干渉信号として受信信号に混入し、且つ、前記干渉信号が通過する電子回路の群遅延偏差により前記干渉信号が前記受信信号に混入するまでの遅延時間が帯域内の周波数で変動するリピータ装置に設けられる干渉信号抑圧装置であって、前記受信信号をディジタル変換するとともに、ディジタル変換された前記受信信号に対して所定の信号処理を施すことにより、前記受信信号と同じ信号成分を含むリファレンス信号を生成するディジタル信号処理手段と、前記リファレンス信号を入力し、入力したリファレンス信号にそれぞれ異なる複数種類の遅延時間を付加して出力する遅延付加手段と、それぞれ遅延時間が付加されたリファレンス信号の各々と前記ディジタル変換された受信信号との相関演算を行い、相関が高いほど大きな振幅の信号を出力する相関演算手段と、前記相関演算手段から出力される信号のうち、その振幅が最も大きい第1信号、及び、当該第1信号の遅延時間から前記ディジタル変換時のサンプリング周波数の逆数である単位時間幅の整数倍だけ前後に離れた2つの遅延時間に表れる第2信号を含む3つ以上の信号の各々とそれぞれ同振幅でかつ逆位相となる3つ以上の抑圧信号を生成する抑圧信号生成手段と、この抑圧信号生成手段から出力される各抑圧信号を前記ディジタル変換された受信信号と加算する加算手段とを有する装置である。
【0011】
ある実施の態様では、前記サンプリング周波数は、前記信号処理の動作クロックの周波数とする。これにより、すべてのディジタル信号処理が同期するため、動作の信頼性を高めることができる。
【0012】
ある実施の態様では、前記遅延付加手段は、前記リファレンス信号を、それぞれ他の経路と異なる遅延時間が設定される遅延器が存在する複数の経路に分配して当該経路を通過させるように構成されており、前記相関演算手段は、前記複数の経路と1対1に対応して設けられた複数個の相関積分器を含み、これらの相関積分器に、対応する経路を通過したリファレンス信号と前記ディジタル変換された受信信号とを入力することにより、各経路を通過したリファレンス信号についての相関積分を同時並行に行うように構成されており、前記抑圧信号生成手段は、各相関積分器から得られる相関積分結果に基づいて前記3つ以上の抑圧信号を生成するように構成されている。
【0013】
ある実施の態様では、前記リファレンス信号を取り込み、このリファレンス信号に更新自在に設定された遅延時間を付加することにより監視用リファレンス信号を出力する監視用遅延器と、前記ディジタル変換された受信信号と前記監視用リファレンス信号との相関積分を行う監視用相関積分器と、前記監視用遅延器に設定する遅延時間を変化させるとともに、前記監視用相関積分器から出力される相関積分結果に基づいて、前記干渉信号の有無と当該干渉信号が出現するタイミングとを検出する監視制御手段とをさらに備えて、干渉信号抑圧装置を構成する。
このような構成を採用することにより、干渉信号が検出されたときだけ干渉信号抑圧のための動作させることができるので、装置の運用効率を高めることができる。
【0014】
前記遅延付加手段を構成する複数個の遅延器は、予め遅延時間が固定的に設定されていても良いが、前記監視制御手段で、前記干渉信号が出現するタイミングを検出したときに、当該タイミングに応じて前記複数個の遅延器の各々にそれぞれ他の遅延器と異なる遅延時間を設定するようにしても良い。このような構成を採用することにより、出現するタイミングが変動する干渉信号に対してもフレキシブルに対応することができ、発明の適用範囲を拡げることができる。
【0015】
本発明の干渉信号抑圧方法は、送信信号の一部が送信アンテナから受信アンテナに回り込むことにより干渉信号として受信信号に混入し、且つ、前記干渉信号が通過する電子回路の群遅延偏差により前記干渉信号が前記受信信号に混入するまでの遅延時間が帯域内の周波数で変動するリピータ装置で実行される干渉信号抑圧方法であって、前記受信信号を所定のサンプリング周波数でディジタル変換するとともに、ディジタル変換された前記受信信号に対して所定の信号処理を施すことにより、前記受信信号と同じ信号成分を含むリファレンス信号を生成し、生成されたリファレンス信号を、それぞれ他の経路と異なる遅延時間が設定される遅延器が存在する複数の経路に分配して当該経路の遅延器を通過させ、各経路の遅延器を通過したリファレンス信号の各々と前記ディジタル変換された受信信号とを、それぞれ相関が高いほど大きな振幅の信号を出力する相関演算器に入力し、相関結果が最も高い第1信号と、当該第1信号が通過した経路の遅延器に設定された遅延時間からディジタル変換時のサンプリング周波数の逆数である単位時間幅の整数倍だけ前後に離れた2つの遅延時間に現れる第2信号を含む3つ以上の信号の各々とそれぞれ同振幅でかつ逆位相の3つ以上の抑圧信号を生成し、この3つ以上の抑圧信号と前記ディジタル変換された受信信号とを加算することにより、前記干渉信号を抑圧する干渉信号抑圧方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、それぞれ異なる遅延時間が付加された複数個のリファレンス信号の各々と前記ディジタル変換された受信信号のうち、両者の相関が高い第1信号と、この第1信号が通過した経路の遅延器に設定された遅延時間からディジタル変換時のサンプリング周波数の逆数である単位時間幅の整数倍だけ前後に離れた2つの遅延時間に現れる第2信号を含む3つ以上の信号の各々とそれぞれ同振幅でかつ逆位相の3つ以上の抑圧信号により干渉信号を抑圧するので、例えば干渉信号の通過経路に介在するアナログ回路により波形歪みが生じ、これにより群遅延偏差が生じ、干渉信号の検出時点に変動幅が生じる可能性があっても、干渉信号を確実に抑圧することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態例を説明する。
図1は本発明が適用される通信システムの概要図である。この通信システムは、基地局11、リピータ装置12、端末14を含んで構成される。リピータ装置12は、ビル13a、13bその他の建造物や自然物が濫立するなど、電波状態が好ましくない場所に設置される。
【0018】
本実施形態のリピータ装置12は、受信アンテナで受信した電波(受信信号)と同一の周波数で送信アンテナを介して放射するものとする。このようなリピータ装置12では、送信アンテナから送信された電波(送信信号)は、そのすべてが端末14に回り込んで到達するわけではなく、その一部は、送信アンテナから直接受信アンテナに到来し、一部は、建造物13a、13bで反射された後、受信アンテナに到来し、これらの信号が干渉信号となる。図1の丸数字1〜3は、この様子を表している。干渉信号は、図示のようにその伝播経路によって受信アンテナへの到来時間が異なる。そのため、干渉信号は、ある時間幅、例えば1[μs]程度の時間幅を持った複数の信号群として観測される。
【0019】
一般に、干渉信号を抑圧する場合には、受信信号から干渉信号の遅延時間や振幅を検出し、検出した干渉信号と逆位相で、かつ、同じ振幅の抑圧信号を、干渉信号と同じ遅延量で受信信号と合成することにより、その干渉信号を打ち消すことができる。しかし、例えば受信信号の通過フィルタをアナログ回路で構成した場合、回路内で生じる使用周波数帯域内での位相変動と、それに併存する遅延時間の発生とによって、信号成分に波形歪みが生じる。特に、群遅延偏差が大きく発生し、信号成分の波形歪みが増加してしまうため、検出する干渉信号も時間によって変動してしまい、その干渉信号を抑圧することができない場合がある。この抑圧しきれない「残差」が大きくなるとリピータ装置で中継することが不可能になる。
【0020】
本実施形態によるリピータ装置12では、干渉信号がアナログ回路を通過する際に生じる群遅延偏差をも考慮して、干渉信号を確実に抑圧する機能を有するものである。
【0021】
リピータ装置12は、具体的には、図2に示すように、基地局向けアンテナ21、アンテナ共用器22、端末向けアンテナ23のほか、下り回線及び上り回線用の各構成要素、すなわち、低雑音増幅器24a、24bと、周波数変換器25a、25b、25c、25dと、干渉信号抑圧装置26a、26bと、高出力増幅器27a、27bを備えて構成される。
【0022】
基地局向けアンテナ21は、基地局11との間で無線信号の送受信を行うためのアンテナであり、端末向けアンテナ23は、端末14との間で無線信号の送受信を行うためのアンテナである。それぞれ、送信時には送信アンテナとして機能し、受信時には受信アンテナとして機能する。
【0023】
アンテナ共用器22は、基地局11から基地局向けアンテナ21を介して受信したアナログの受信信号を下り回線に供給するとともに、基地局11に対して送信する上り回線からのアナログの送信信号を基地局向けアンテナ21に供給する。また、端末14から端末向けアンテナ23を介して受信した受信信号を上り回線に供給するとともに、端末14に対して送信する下り回線からの送信信号を端末向けアンテナ23に供給する。
【0024】
低雑音増幅器24a、24bは、基地局向けアンテナ21または端末向けアンテナ23を介して受信した微弱な電波を増幅する低雑音高利得の増幅器である。本実施形態では、受信信号は800[MHz]又は2[GHz]帯の高周波を使用するので、この受信信号を周波数変換器25a、25cで中間周波数に周波数変換し、さらに直交変換して、IQ(In-Phase Quadrature Phase)ベースバンド信号を生成する。
送信時は、上記と逆の処理を行って、IQベースバンド信号を直交変調し、周波数変換器25b、25dで、高周波に周波数変換して、高出力増幅器27a、27bに出力する。高出力増幅器27a、27bは、送信する電波を増幅する高利得の増幅器である。
【0025】
干渉信号抑圧装置26a、26bは、両者同一のものであり、例えば図3のように構成される。すなわち、干渉信号抑圧装置26a、26bは、A/D変換器31と、チップ遅延器32と、D/A変換器33と、加算器34と、それぞれ干渉信号を抑圧するための抑圧信号を生成する複数個の位相振幅制御器35a、35b、35cと、複数個の相関積分器36a、36b、36c及び複数個の遅延器37a、37b、37cと、監視制御回路38とを備えている。
【0026】
位相振幅制御器35a、36b、35c、相関積分器36a、36b、36c及び遅延器37a、37b、37cは、それぞれ1個ずつが組になって、当該遅延時間で出現する干渉信号を抑圧するための抑圧信号を生成する。
【0027】
A/D変換器31は、前段から送られたアナログのIQベースバンド信号又は中間周波(IF)信号を所定のサンプリング周波数によりディジタル信号に変換する変換器であり、当該IQベースバンド信号をディジタル信号に変換し、あるいは、IF信号をサンプリング後に直交変換し、IQベースバンド信号として、これを加算器34へ供給する。便宜上、ディジタル信号に変換されたIQベースバンド信号をディジタル受信信号と称する。D/A変換器33は、A/D変機器31と逆の作用をする変換器であって、チップ遅延器32を通ったディジタル信号をアナログのIQベースバンド信号又は直交復調し、IF信号に変換して次段へ供給する。
【0028】
チップ遅延器32は、所望の信号成分を持つディジタル受信信号と、送信アンテナから受信アンテナに回り込む干渉信号との相関を減らす為に、再送時にCDMA信号の1チップ以上の遅延を付加するディジタル信号処理デバイスである。チップ遅延器32から出力される信号は、D/A変換器33に入力されるが、同じ振幅及び位相の複数の信号が、それぞれディジタル受信信号の信号成分(振幅、位相の成分)を含むリファレンス信号として、遅延器37a、37b、37c及び監視制御回路38(相関積分器39、CPU40、遅延器41)にも同時期に取り込まれる。
【0029】
遅延器37a、37b、37c、41は、それぞれ取り込まれたリファレンス信号を、CPU40により自己に設定された時間分遅延させて出力する(以下、遅延されたリファレンス信号を、通常のリファレンス時間と特に区別する必要がある場合は「遅延リファレンス信号」と称する)。遅延させるための設定時間は、各遅延器37a、37b、37c、41とも、適宜、更新することができる。
【0030】
相関積分器36a、36b、36c、39は、それぞれ遅延リファレンス信号とディジタル受信信号との相関積分を他の相関積分器と並行して行う。相関積分の結果は干渉信号との相関度合いを表す相関積分値であり、この値が大きいほど、その遅延リファレンス信号は干渉信号により適合する、すなわち、干渉信号である可能性が高いものとして扱う。すなわち、ディジタル受信信号に干渉信号が混入しているときは、強い相関が得られ(例えば、信号強度が大きくなる)、干渉信号が無いときは相関が得られないという性質を利用し、相関積分値の大きい遅延リファレンス信号を干渉信号に相当する信号として検出することができる。
【0031】
位相振幅制御器35a、35b、35cは、干渉信号に相当する遅延リファレンス信号と1対1に対応して、当該遅延リファレンス信号の振幅に所定係数を乗じた振幅で、逆位相となる抑圧信号を生成し、生成した抑圧信号を、対応する遅延リファレンス信号の出現時点(相関積分により検出された時点)と同じタイミングで出力する。このタイミングは、実際には遅延時間で表される。加算器34は、位相振幅制御器35a、35b、36cのそれぞれ又はいずれかで生成された抑圧信号を、ディジタル受信信号と加算する。
【0032】
監視制御回路38は、相関積分器39、CPU40及び遅延器41から構成される。CPU40は、所定のメモリ領域にインストールされた監視制御用プログラムを実行することにより、干渉信号抑圧のための種々の監視制御を行う。
具体的には、まず、遅延器41においてリファレンス信号を遅延させる時間(遅延時間)を種々変更しながら、相関積分器39に入力させる。相関積分器39は、遅延リファレンス信号が入力される度に、その信号とディジタル受信信号との相関積分を行い、相関積分値をCPU40に出力する。相関積分値は、信号強度(振幅)、位相及び遅延時間(どの時点で信号強度が大きくなるか)の情報である。CPU40は、この相関積分値に基づいて、干渉信号に適合する複数の遅延リファレンス信号及びその遅延時間を検出するための制御と、検出した遅延時間を遅延器37a、37b、37cに設定するための制御とを行う。
【0033】
なお、遅延器37a、37b、37c、41と、相関積分器36a、36b、36c、39と、位相振幅制御器35a、35b、35cは、図示しないクロック発生器から供給される動作クロックの周波数に同期して動作する。この動作クロックは、A/D変換器31に入力されてサンプリングクロックとしても機能する。つまり、ディジタル変換の際のサンプリング周波数は、動作クロックの周波数と同じとなる。
【0034】
[リピータ装置の動作]
次に、リピータ装置12の動作を、干渉信号抑圧機能を中心に説明する。
図2を参照し、受信アンテナで受信された受信信号、例えば基地局11から受信した高周波信号は、低雑音増幅器24aで増幅され、周波数変換器25aでIQベースバンド信号に変換された後、干渉信号抑圧装置26aに入力される。
図3を参照し、干渉信号抑圧信号26aでは、IQベースバンド信号をA/D変換器31でディジタル信号、すなわち、上述したディジタル受信信号に変換する。ディジタル受信信号は、複数コピーされて、それぞれの相関積分器36a、36b、36c、39に同時期に分配される。ディジタル受信信号は、また、チップ遅延器32で上述した所定の信号処理を施した後、リファレンス信号として、それぞれ、D/A変換器33及び遅延器37a、37b、37c、41に入力される。
【0035】
各遅延器37a、37b、37c、41は、入力されたリファレンス信号を、それぞれ予め設定された時間だけ遅延させ、遅延リファレンス信号として、それぞれ対応する相関積分器36a、36b、36c、39に入力する。このとき、相関積分器36a、36b、36cに入力される遅延リファレンス信号の遅延時間はそれぞれ異なっている。こうすることによって、検出対象となる干渉信号の遅延に合わせた遅延時間で相関積分が行われるようになる。
【0036】
各相関積分器36a、36b、36c、39は、分配されたディジタル受信信号と遅延リファレンス信号との相関積分を行う。そして、相関積分値を、それぞれ相関積分器36a、36b、36cは位相振幅制御器35a、35b、35cに入力し、相関積分器39はCPU40に入力する。
位相振幅制御器35a、35b、35cは、遅延リファレンス信号を、相関積分器36a、36b、36cからの相関積分値に基づいて振幅及び位相調整を行うことにより抑圧信号を生成し、この抑圧信号を加算器34に入力する。
【0037】
図4は、干渉信号抑圧装置26aによる干渉信号抑圧の処理手順図である。干渉信号抑圧装置26aは、監視制御回路38による干渉信号の検出を契機として干渉信号抑圧の処理を開始する(ステップS101)。
【0038】
すなわち、相関積分器39で、ディジタル受信信号と遅延器41からの遅延リファレンス信号との相関積分を行い、相関積分値をCPU40に送る。CPU40は、相関積分値が、予め記録されている干渉信号として扱う閾値と比較して大きいかどうかを判別し、大きい場合は、干渉信号の混入を検出したと認識する(ステップS102、S103:Yes)。干渉信号が検出されない場合は、干渉信号抑圧処理を終える(ステップS103:No)。
【0039】
干渉信号が検出されたときは、これを抑圧するための抑圧信号を3つ生成する(ステップS104)。すなわち、遅延器41に遅延時間を順次設定して複数個の遅延リファレンス信号を相関積分器39に入力し、それぞれディジタル受信信号との相関積分を行い、その結果に基づいて、ディジタル受信信号との相関積分値が最も高くなる1つの遅延リファレンス信号を、まず特定する。
次に、この遅延リファレンス信号の出現時点を中心として当該出現時点から動作クロックの周波数の逆数である単位時間幅の整数倍だけ前後に離れた遅延時間を遅延器37a,37b,37cに設定する。前後に離れた遅延時間は、相関積分値39より検出することができる。
【0040】
図5は、遅延プロファイルを示したグラフであり、縦軸は干渉信号の強度、横軸は基準時点からの遅延時間である。図5の例では、干渉信号は、遅延時間t11で最も高い強度で検出されている。この干渉信号は、1つ(1波)又は複合された(複数波)信号である。CPU40は、遅延時間t11を特定し、3つの遅延器、例えば、図3における遅延器37aに遅延時間t11を設定するとともに、その下段の遅延器37bに、遅延時間t11から動作クロックの周波数の逆数である単位時間幅だけ前に離れた遅延時間t12、そして、他のいずれかの遅延器37cに、遅延時間t11から上記単位時間幅だけ後に離れた遅延時間t13をそれぞれ設定する。
【0041】
遅延時間が設定された後は、各遅延器37a、37b、37cから、それぞれリファレンス信号がt11、t12及びt13だけ遅延されて、自動的に後段の相関積分器36a、36b、36c及び位相振幅制御器35a、35b、35cに入力される。相関積分器36a、36b、36cは、ディジタル受信信号と遅延リファレンス信号との相関積分を行い、その結果を位相振幅制御器35a、35b、35cに入力する。位相振幅制御器36a、36b、36cは、入力された相関積分値に基づき、遅延リファレンス信号の振幅に所定係数(0.1〜1.0のうち予め定められた固定値)を乗じた振幅で、当該遅延リファレンス信号と逆位相となる抑圧信号s11,s12,s13(図5参照)を生成し、これらを出力する。3つの抑圧信号s11,s12,s13の出力タイミングは、各々が対応する遅延リファレンス信号の出現時点と同じタイミング、すなわち、遅延時間t11、t12、t13となる。
【0042】
加算器14は、ディジタル受信信号と3つの抑圧信号s11,s12,s13とを合成(加算)する(ステップS105)。以上の処理を干渉信号が存在しなくなるまで継続する。これにより、干渉信号が混入したディジタル受信信号から干渉信号を抑圧することができる。
【0043】
上記手順において、3つの抑圧信号s11,s12,s13を生成する理由を詳しく説明する。
リピータ装置12は、アナログ回路であるアンテナ共用器22、低雑音増幅器24a、24b、高出力増幅器27a、27bと、ディジタル回路である干渉信号抑圧装置26a、26bとを混在させている。アナログ回路の使用帯域内での位相変動や、それに伴う遅延時間の発生により、波形歪みが生じることは、上述した通りである。そのため、干渉信号抑圧装置26aで単純に相関積分を行うと、抑圧信号に誤差が大きくなり、干渉信号を抑圧しきれなくなる場合がある。
【0044】
また、実際の干渉信号は、ある時間幅で変動し、しかも、送信信号の送信後、受信アンテナへの回り込みに要する時間が、6.8[μs]や6.3[μs]のように連続的に変化しているのに対し、ディジタル処理する場合の動作クロックの周波数の逆数である単位時間幅は、数10[ns]ステップのように段階的である。
【0045】
そこで、本実施形態では、干渉信号が混入していることを検出した時点で最も強度の大きい遅延リファレンス信号の遅延時間t11を特定し、この遅延リファレンス信号から、単位時間幅の整数倍だけ前後に離れた遅延時間t12、t13を特定し、これらの遅延時間t11、t12、t13を各遅延器37a、37b、37cに設定しするとともに、相関積分器36a、36b、36cの結果に基づいて、位相振幅制御器35a、35b、35cからそれぞれ抑圧信号s11,s12,s13をセットで生成することとした。このようにすれば、アナログ回路による群遅延偏差が存在することにより、干渉信号の検出時点に変動幅が生じる場合であっても、また、干渉信号が連続的に変動しても、確実にそれを抑圧することができる。
【0046】
なお、本実施形態では、3つの抑圧信号s11,s12,s13をセットで生成する場合の例を示したが、抑圧信号は、最も信号強度の高いものを中心として、その前後の出現タイミングで2つ以上であっても良い。すなわち、nを1以上の整数とすると、1+2n個であれば良い。
【0047】
このように本実施形態では、監視制御回路38において、干渉信号と適合する遅延時間を検出し、前後の遅延時間を設定し、それぞれ遅延器37a、37b、37cに遅延時間が設定された後は、伝搬経路によって回り込み時間が異なる複数の干渉信号の各々に対応する抑圧信号が相関積分器36a、36b、36c及び位相振幅制御器35a、35b、35cの協働により連続的に生成され、加算器34に合成されるので、ディジタル受信信号に混入している干渉信号を確実に抑圧できるようになる。
【0048】
本発明の実施形態は、以上の通りであるが、本発明は、上述した形態例に限定されない。例えば、本実施形態では、監視制御回路38で、一つの遅延器41に複数の遅延時間を変えながら遅延リファレンス信号を繰り返し生成し、この遅延リファレンス信号と受信信号とを一つの相関積分器39で相関積分することにより、干渉信号の遅延時間を検出する場合の例を示したが、各相関積分器36a、36b、36cによる相関積分値をCPU40に入力し、CPU40から各位相振幅制御器35a、35b、35cの振幅及び位相を制御するようにしても良い。
【0049】
また、本実施形態では、相関演算手段として複数の相関積分器を用いた場合の例を示したが、本発明は、ディジタル受信信号と遅延リファレンス信号との相関の高さを導出できれば良いので、相関積分器に代わる他の相関演算器、例えば類似度演算器等を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明を適用したリピータ装置を含む通信システムの概念図。
【図2】本実施形態によるリピータ装置の構成図。
【図3】干渉信号抑圧装置の詳細構成図。
【図4】干渉信号抑圧の手順を示した手順説明図。
【図5】遅延プロファイルを示したグラフ。
【符号の説明】
【0051】
11・・・基地局、12・・・リピータ装置12、13a、13b・・・ビル等の建造物、14・・・端末、21・・・基地局向けアンテナ、22・・・アンテナ共用器22、23・・・端末向けアンテナ、24a、24b・・・低雑音増幅器、25a、25b、27a、27b・・・周波数変換器、26a、26b・・・干渉信号抑圧装置、28a、28b・・・高出力増幅器、31・・・A/D変換器、32・・・チップ遅延器、33・・・D/A変換器、34・・・加算器、35a、35b、35c・・・位相振幅制御器、36a、36b、36c、39・・・相関積分器、37a、37b、37c、41・・・遅延器、38・・・監視制御回路、40・・・CPU。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信信号の一部が送信アンテナから受信アンテナに回り込むことにより干渉信号として受信信号に混入し、且つ、前記干渉信号が通過する電子回路の群遅延偏差により前記干渉信号が前記受信信号に混入するまでの遅延時間が帯域内の周波数で変動するリピータ装置において、
前記受信信号をディジタル変換するとともに、ディジタル変換された前記受信信号に対して所定の信号処理を施すことにより、前記受信信号と同じ信号成分を含むリファレンス信号を生成するディジタル信号処理手段と、
前記リファレンス信号を、それぞれ他の経路と異なる遅延時間が設定される遅延器が存在する複数の経路に分配し、当該経路の遅延器を通過させて出力する遅延付加手段と、
それぞれ前記遅延器を通過したリファレンス信号と前記ディジタル変換された受信信号との相関演算を行い、相関が高いほど大きな振幅の信号を出力する相関演算手段と、
前記相関演算手段から出力される信号のうち、その振幅が最も大きい第1信号、及び、当該第1信号が通過した経路の前記遅延器に設定された遅延時間からディジタル変換時のサンプリング周波数の逆数である単位時間幅の整数倍だけ前後に離れた2つの遅延時間に現れる第2信号を含む3つ以上の信号の各々とそれぞれ同振幅でかつ逆位相となる3つ以上の抑圧信号を生成する抑圧信号生成手段と、
生成した3つ以上の抑圧信号と前記ディジタル変換された受信信号とを加算することにより前記干渉信号を抑圧する干渉信号抑圧手段と、
を設けたことを特徴とする、リピータ装置。
【請求項2】
送信信号の一部が送信アンテナから受信アンテナに回り込むことにより干渉信号として受信信号に混入し、且つ、前記干渉信号が通過する電子回路の群遅延偏差により前記干渉信号が前記受信信号に混入するまでの遅延時間が帯域内の周波数で変動するリピータ装置に設けられる干渉信号抑圧装置であって、
前記受信信号をディジタル変換するとともに、ディジタル変換された前記受信信号に対して所定の信号処理を施すことにより、前記受信信号と同じ信号成分を含むリファレンス信号を生成するディジタル信号処理手段と、
前記リファレンス信号を入力し、入力したリファレンス信号にそれぞれ異なる複数種類の遅延時間を付加して出力する遅延付加手段と、
それぞれ遅延時間が付加されたリファレンス信号の各々と前記ディジタル変換された受信信号との相関演算を行い、相関が高いほど大きな振幅の信号を出力する相関演算手段と、
前記相関演算手段から出力される信号のうち、その振幅が最も大きい第1信号、及び、当該第1信号の遅延時間から前記ディジタル変換時のサンプリング周波数の逆数である単位時間幅の整数倍だけ前後に離れた2つの遅延時間に表れる第2信号を含む3つ以上の信号の各々とそれぞれ同振幅でかつ逆位相となる3つ以上の抑圧信号を生成する抑圧信号生成手段と、
この抑圧信号生成手段から出力される各抑圧信号を前記ディジタル変換された受信信号と加算する加算手段とを有する、
干渉信号抑圧装置。
【請求項3】
前記サンプリング周波数は、前記信号処理の動作クロックの周波数である、
請求項2記載の干渉信号抑圧装置。
【請求項4】
前記遅延付加手段は、前記リファレンス信号を、それぞれ他の経路と異なる遅延時間が設定される遅延器が存在する複数の経路に分配して当該経路を通過させるように構成されており、
前記相関演算手段は、前記複数の経路と1対1に対応して設けられた複数個の相関積分器を含み、これらの相関積分器に、対応する経路を通過したリファレンス信号と前記ディジタル変換された受信信号とを入力することにより、各経路を通過したリファレンス信号についての相関積分を同時並行に行うように構成されており、
前記抑圧信号生成手段は、各相関積分器から得られる相関積分結果に基づいて前記3つ以上の抑圧信号を生成するように構成されている、
請求項2又は3記載の干渉信号抑圧装置。
【請求項5】
前記リファレンス信号を取り込み、このリファレンス信号に更新自在に設定された遅延時間を付加することにより監視用リファレンス信号を出力する監視用遅延器と、
前記ディジタル変換された受信信号と前記監視用リファレンス信号との相関積分を行う監視用相関積分器と、
前記監視用遅延器に設定する遅延時間を変化させるとともに、前記監視用相関積分器から出力される相関積分結果に基づいて、前記干渉信号の有無と当該干渉信号が出現するタイミングとを検出する監視制御手段とをさらに有する、
請求項4記載の干渉信号抑圧装置。
【請求項6】
前記監視制御手段は、前記干渉信号が出現するタイミングを検出したときは、当該タイミングに応じて各経路に複数個の遅延器の各々にそれぞれ他の遅延器と異なる遅延時間を設定する、
請求項5記載の干渉信号抑圧装置。
【請求項7】
送信信号の一部が送信アンテナから受信アンテナに回り込むことにより干渉信号として受信信号に混入し、且つ、前記干渉信号が通過する電子回路の群遅延偏差により前記干渉信号が前記受信信号に混入するまでの遅延時間が帯域内の周波数で変動するリピータ装置で実行される干渉信号抑圧方法であって、
前記受信信号を所定のサンプリング周波数でディジタル変換するとともに、ディジタル変換された前記受信信号に対して所定の信号処理を施すことにより、前記受信信号と同じ信号成分を含むリファレンス信号を生成し、
生成されたリファレンス信号を、それぞれ他の経路と異なる遅延時間が設定される遅延器が存在する複数の経路に分配して当該経路の遅延器を通過させ、
各経路の遅延器を通過したリファレンス信号の各々と前記ディジタル変換された受信信号とを、それぞれ相関が高いほど大きな振幅の信号を出力する相関演算器に入力し、相関結果が最も高い第1信号と、当該第1信号が通過した経路の遅延器に設定された遅延時間からディジタル変換時のサンプリング周波数の逆数である単位時間幅の整数倍だけ前後に離れた2つの遅延時間に現れる第2信号を含む3つ以上の信号の各々とそれぞれ同振幅でかつ逆位相の3つ以上の抑圧信号を生成し、この3つ以上の抑圧信号と前記ディジタル変換された受信信号とを加算することにより、前記干渉信号を抑圧する、
干渉信号抑圧方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−135934(P2010−135934A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−307909(P2008−307909)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【出願人】(000219004)島田理化工業株式会社 (205)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】