説明

リモートビューファインディング

ユーザ機器から、ユーザ機器の動きを示す映像を受信し、ユーザ機器の動きに基づいてユーザ機器とは別のカメラの動きを決定するシステムである。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
現在の監視カメラは、例えば(携帯電話機のような)移動体通信機器を介して遠隔的に制御することができる。そのような監視カメラの遠隔制御は、「リモートビューファインディング」と呼ぶことができる。例えば、英国ハチソン3G社は、”Pupillo”と呼ばれる、携帯電話機からアクセス可能な監視カメラを推進している。(例えばDTMF (Dual-tone multi-frequency)トーンが送信されるように)携帯電話機のキーパッドを押下することにより、ユーザはPupilloのカメラレンズの方向を制御することができる。ノキア社は、携帯電話機を通じてテキストメッセージ(例えばSMS (Short Message Service)メッセージ)を送信することで制御可能な監視カメラを販売している。
【発明の概要】
【0002】
ある見地によれば、方法は、ユーザ機器の動きを示す映像(video)をユーザ機器から受信するステップと、ユーザ機器とは別のカメラの動きを、ユーザ機器の動きに基づいて決定するステップとを有することができる。さらに、方法は、映像から動きベクトルを抽出するステップと、動きベクトルを解析するステップと、解析された動きベクトルに基づいてカメラの動きを決定するステップとを有することができる。
【0003】
さらに、方法は、決定されたカメラの動きに基づいてカメラ操縦データを生成するステップを有することができる。さらに、方法は、カメラ操縦データに基づいてカメラを操作するステップを有することができる。
【0004】
さらに、方法は、決定されたカメラの動きに基づいてカメラを操作するステップを有することができる。
【0005】
さらに、方法は、ズーム操作が行われているかどうか判別するステップと、ズーム操作が行われているならば、ズーム方向及び倍率を算出するステップと、算出されたズーム方向及び倍率に基づいてカメラの動きを決定するステップとをさらに有することができる。
【0006】
さらに、方法は、決定されたカメラの動きに基づいてカメラ操縦データを生成するステップを有することができる。
【0007】
さらに、方法は、カメラ操縦データに基づいてカメラを操作するステップを有することができる。
【0008】
さらに、方法は、決定されたカメラの動きに基づいてカメラを操作するステップを有することができる。
【0009】
別の見地によれば、システムは、映像をユーザ機器から受信し、受信した映像に基づいてユーザ機器の動きを判別し、ユーザ機器とは別のカメラの動きを、ユーザ機器の動きに基づいて決定する、1つ以上の機器を有することができる。
【0010】
さらに、1つ以上の機器は、映像から動きベクトルを抽出し、動きベクトルを解析し、解析された動きベクトルに基づいてカメラの動きを決定するようにさらに構成されてよい。
【0011】
さらに、1つ以上の機器は、決定されたカメラの動きに基づいてカメラ操縦データを生成するように構成されてよい。
【0012】
さらに、1つ以上の機器は、カメラ操縦データに基づいてカメラを操作するように構成されてよい。
【0013】
さらに、1つ以上の機器は、ズーム操作が行われているかどうか判別し、ズーム操作が行われていればズーム方向と倍率を算出し、計算されたズーム方向及び倍率に基づいて、カメラの動きを決定するように構成されてよい。
【0014】
さらに、1つ以上の機器は、決定されたカメラの動きに基づいてカメラ操縦データを生成するように構成されてよい。
【0015】
さらに、1つ以上の機器は、カメラ操縦データに基づいてカメラを操作するように構成されてよい。
【0016】
さらに別の見地によれば、システムは、ユーザ機器であって、ユーザ機器の動きを示す映像を受信し、映像によって示されるユーザ機器の動きに基づいて監視システムを制御するために、映像を監視システムへ提供するユーザ機器を含むことができる。
【0017】
さらに、ユーザ機器は、電話機、セルラ電話機、携帯情報端末(PDA)、の少なくとも1つを含むことができる。
【0018】
さらに、映像は圧縮された形式を含んでよい。さらに、映像は、ユーザ機器の動きを判別するために用いられる動きベクトルを含んでよい。
【0019】
さらに、ユーザ機器は、映像によって示されるユーザ機器の動きに基づいて監視システムのカメラの動きを制御することができる。
【0020】
さらに、ユーザ機器は映像に基づいてズーム操作を検出してもよい。
【0021】
さらに、ユーザ機器は、ユーザ機器が監視システムを制御することを可能にする情報を監視システムから受信してもよい。
【0022】
別の見地によれば、システムは、映像をユーザ機器から受信し、受信した映像に基づいてユーザ機器の動きを判別し、ユーザ機器の動きに基づいて、ユーザ機器とは別の複数のカメラからあるカメラの選択を決定する、1つ以上の機器を有することができる。
【0023】
本明細書に組み入れられ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本明細書で記述する1つ以上の実施形態を図示し、記述とともにそれら実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本明細書で説明するシステム及び方法を実施可能なネットワークの例示的な図である。
【図2】図1のユーザ機器の例示的な正面図である。
【図3】図1及び図2のユーザ機器の例示的な構成要素を示す図である。
【図4】図1の監視システムの例示的な図である。
【図5】図4の監視システムの例示的な図である。
【図6A】、
【図6B】、
【図6C】、
【図6D】、
【図6E】、
【図6F】、
【図6G】、
【図6H】、
【図6I】、
【図6J】、
【図6K】図1〜図3のユーザ機器と図4の監視システムのカメラとの相互動作の例示的な図である。
【図7A】、
【図7B】、
【図7C】、
【図7D】、
【図7E】、
【図7F】、
【図7G】図4に示す監視システムのカメラを制御するために図1〜図3のユーザ機器によって提供されうる例示的な映像を示す図である。
【図8A】図1〜図3のユーザ機器と図4の監視システムのカメラとの相互動作の例示的な図である。
【図8B】、
【図8C】、
【図8D】図1〜図3のユーザ機器によって生成される例示的な映像を示す図である。
【図8E】、
【図8F】、
【図8G】図8B〜図8Dに示した映像に対応して、図4の監視システムのカメラが撮影した映像の例示的な図である。
【図9】監視システムの別構成の例示的な図である。
【図10】、
【図11】本明細書で説明する実施形態に係る例示的な処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の詳細な説明は添付図面に関するものである。異なる図面を通して同一の参照数字は同一又は類似の要素を示しているであろう。また、以下の詳細な説明は、本発明を限定しない。
【0026】
概要
本明細書で説明する実施形態は、ユーザ機器の動きに基づいて制御することのできる監視システム(例えば、監視カメラを含む監視システム)を提供することができる。例えば、一実施形態において、ユーザ機器は映像を生成することができ、その映像が監視システムに受信されてよい。監視システムは受信した映像を復号することができ、復号した映像から動きベクトルを抽出並びに解析することができる。監視システムはユーザ機器からズームを検出することができ、ズームが存在すれば、ズームの方向及び/又は倍率を算出することができる。動きベクトル及び/又は、(ズームが存在する場合には)算出されたズーム方向及び/又は倍率に基づいて、監視システムはカメラの動きを決定することができる。監視システムは、決定したカメラの動きに基づいてカメラ操縦データを生成することができ、カメラ操縦データに基づいて監視カメラを制御することができる。
【0027】
例示的なネットワーク構成
図1は、本明細書で説明するシステム及び方法を実施可能なネットワーク100の例示的な図である。ネットワーク100は、ユーザ機器110及び、ネットワーク130を介して接続された監視システム120を含むことができる。簡単さのために、1つのユーザ機器110及び1つの監視システム120がネットワーク130に接続されているものとして図示している。実際には、より多くのユーザ機器及び/又は監視システムが存在していてよい。また、場合によっては、ユーザ機器が監視システムの1以上の機能を実行したり、監視システムがユーザ機器の1つ以上の機能を実行したりしてもよい。
【0028】
ユーザ機器110は1つ以上のエンティティを含むことができる。エンティテイは、電話機、セルラ電話機、携帯情報端末(PDA)又は他の形式の計算又は通信機器のような機器として、これら機器の1つで稼働するスレッド又はプロセスとして、及び/又はこれら機器の1つによって実行可能なオブジェクトとして定義することができる。一実施形態において、ユーザ機器110は、本明細書で説明するような方法で監視システム120を制御することができる。ユーザ機器110の例示的な実施形態のさらなる詳細については、図2及び図3とともに以下で説明する。
【0029】
1つの例示的な実施形態において、ユーザ機器110は3G-324Mプロトコルを用いて監視システム120と通信してよい。3G-324Mは、3GPP移動体ネットワークにおけるテレビ電話用の、第三世代パートナシッププロジェクト(3GPP)アンブレラプロトコルである。3G-324Mプロトコルは、2つの通信ピア間で確立された回線交換型コネクション上で動作することができる。3G-324Mは、回線交換型ネットワーク上でのマルチメディア会議のための、国際電気通信連合・電気通信標準化部門(ITU-T) H.324仕様に基づくことができる。
【0030】
監視システム120は、人物(例えば、従業員、受刑者、及び/又は監視システムによって特定可能な任意の人物)、場所(例えば、ビル、道路、駐車場、及び/又は監視システムによって特定可能な任意の場所)、及び/又は物体(例えば、動物、植物、樹木、及び/又は監視システムによって特定可能な任意の物体)を観察及び/又は監視するための、任意の形式(例えば、音声、映像、音声/映像、など)のシステムを含むことができる。監視システム120は例えば、人物、場所、及び/又は物体を監視するための1つ以上のカメラ、人物、場所、及び/又は物体を監視するための1つ以上のマイク、カメラ及び/又はマイクと通信する1つ以上のサーバ又は他のコンピュータ機器、などを含むことができる。監視システム120の例示的な実施形態のさらなる詳細については、図4及び図5とともに以下で説明する。
【0031】
ネットワーク130は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、公衆交換電話網(PSTN)又はセルラ電話網のような電話網、イントラネット、インターネット、又は複数のネットワークの組み合わせを含むことができる。ユーザ機器110及び監視システム120は、有線及び/又は無線コネクションを介してネットワーク130に接続してよい。
【0032】
例示的な運用において、ネットワーク100は、監視システム120が(例えばユーザ機器110の動き又はユーザ機器110が生成する映像を通じて)ユーザ機器110によって制御されることを可能にしてよい。監視システム120は、監視システム120が監視する1人以上の人物、1つ以上の場所、及び/又は1つ以上の物体の映像140を生成することができ、ユーザ機器110は映像140を受信してよい(例えば、以下に説明するように、映像140はユーザ機器110で表示されてよい)。ユーザ機器110は、映像150を撮影するための機構(例えばカメラ)を含むことができ、映像150はユーザ機器110の動きを示すために用いられてよい。映像150は監視システム120に提供されるとともに受信されてよく、監視システム120を制御するために用いられてよい。例えば、一実施形態において、(映像150で表される)ユーザ機器110の動きは、監視システム120の動作を制御すること及び/又は監視システムによって撮影される映像140を制御してよい。
【0033】
図1はネットワークの例示的な構成要素を示しているが、他の実施形態では、ネットワーク100は図1に示されるより少ない構成要素、異なる構成要素、又はさらなる構成要素を含むことができる。
【0034】
例示的なユーザ機器構成
図2は、本明細書で説明する一実施形態におけるユーザ機器110の例示的な正面図である。図2に示すように、ユーザ機器110は、筐体210、スピーカ220、ディスプレイ230、制御ボタン240、キーパッド250、マイク260及び/又はカメラ270を含むことができる。筐体210は、外部環境からユーザ機器110の部品を保護することができる。スピーカ220は、ユーザ機器110のユーザに可聴情報を提供することができる。
【0035】
ディスプレイ230はユーザに視覚情報を提供することができる。例えば、ディスプレイ230はユーザ機器110へのテキスト入力、監視システム120のような他の機器から受信したテキスト、画像、映像、及び/又はグラフィックス、及び/又は発着信呼、テキストメッセージ、電子メール、メディア、ゲーム、電話帳、アドレス帳、現在時刻、等に関する情報を表示することができる。制御ボタン240は、ユーザがユーザ機器110とやりとりしてユーザ機器110に1つ以上の動作を実行させることを可能にすることができる。例えば、制御ボタン240は、ユーザ機器110に情報を送信させるために用いられてよい。キーパッド250は、標準的な電話キーパッドを含んでよい。マイク260は可聴情報をユーザから受信することができる。カメラ270は、ユーザ機器110の背面に設けられて良く、ユーザ機器110が映像及び/又は画像(例えば写真)を撮影及び/又は保存することを可能にすることができる。
【0036】
図2はユーザ機器110の例示的な構成要素を示しているが、他の実施形態では、ユーザ機器110は図2に示されるより少ない構成要素、異なる構成要素、又はさらなる構成要素を含むことができる。さらに別の実施形態において、ユーザ機器110の1つ以上の構成要素は、ユーザ機器110の他の1つ以上の構成要素が実行するタスクを実行することができる。
【0037】
図3は、ユーザ機器110の例示的な構成要素の図である。図3に示すように、ユーザ機器110は処理ロジック310、メモリ320、ユーザインタフェース330、通信インタフェース340、及び/又はアンテナアセンブリ350を含むことができる。処理ロジック310は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などを含むことができる。処理ロジック310は、ユーザ機器110及びその構成要素の動作を制御することができる。メモリ320は、処理ロジック310によって利用されてよいデータ及び命令を保存するための、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、及び/又は他の形式のメモリを含むことができる。
【0038】
ユーザインタフェース330は、ユーザ機器110に情報を入力するための機構、及び/又はユーザ機器110から情報を出力するための機構を含むことができる。入力及び出力機構の例には、ユーザ機器110にデータ及び制御コマンドを入力することを可能にするボタン(例えば制御ボタン240、キーパッド250、ジョイスティックなど)、電気信号を受信し、音声信号を出力するためのスピーカ(例えばスピーカ220)、音声信号を受信し、電気信号を出力するためのマイク(例えばマイク260)、視覚情報(例えばユーザ機器110に入力されたテキスト)を出力するためのディスプレイ(例えばディスプレイ230)、ユーザ機器110を振動させるバイブレータ、及び/又は映像及び/又は画像を受信するためのカメラ(例えばカメラ270)を含むことができる。
【0039】
通信インタフェース340は、例えば、処理ロジック310からのベースバンド信号を無線周波数(RF)信号に変換することのできる送信器、及び/又はRF信号をベースバンド信号に変換することのできる受信器を含むことができる。代わりに、通信インタフェース340は送信器及び受信器の両方の機能を実行する送受信機を含んでもよい。通信インタフェース340は、RF信号を送信及び/又は受信するためのアンテナアセンブリ350を接続してよい。アンテナアセンブリ350は、空気を通じてRF信号を送信及び/又は受信するための1つ以上のアンテナを含むことができる。アンテナアセンブリ350は例えば、通信インタフェース340からRF信号を受信してそれらを空気を通じて送信し、RF信号を空気を通じて受信してそれらを通信インタフェース340へ提供してよい。一実施形態において、例えば、通信インタフェース340はネットワーク130のようなネットワークと通信してもよい。
【0040】
以下に詳細に説明するように、ユーザ機器110は、メモリ320のようなコンピュータ読み取り可能な媒体に格納されたアプリケーションのソフトウェア命令を処理ロジック310が実行するのに応答して、所定の動作を実行してよい。コンピュータ読み取り可能な媒体は、物理的又は論理的記憶装置及び/又は搬送波として定義することができる。ソフトウェア命令は他のコンピュータ読み取り可能な媒体から、又は他の装置から、通信インタフェース340を介してメモリ320に読み込まれてよい。メモリ320に格納されるソフトウェア命令は、後述する処理を処理ロジック310に実行させることができる。あるいは、本明細書で説明する処理を実施するため、ソフトウェア命令の代わりに、あるいはソフトウェア命令と組み合わせて、配線で接続された回路を用いてもよい。つまり、本明細書で説明する実施形態は、ハードウェア回路とソフトウェアとの特定の組み合わせには限定されない。
【0041】
図3はユーザ機器110の例示的な構成要素を示しているが、他の実施形態では、ユーザ機器110は図3に示されるより少ない構成要素、異なる構成要素、又はさらなる構成要素を含むことができる。さらに別の実施形態において、ユーザ機器110の1つ以上の構成要素が、ユーザ機器110の他の1つ以上の構成要素が実行するタスクを実行してもよい。
【0042】
例示的な監視システム構成
図4は監視システム120の例示的な図である。図示するように、監視システム120は、サーバ400及び1つ以上のカメラ410を含むことができる。一実施形態において、サーバ400及びカメラ410は、有線及び/又は無線コネクションを介してネットワーク(図示せず)に接続してもよい。ネットワークは、ネットワーク130とともに上述した任意のネットワークを含むことができる。他の実施形態において、サーバ400は有線及び/又は無線コネクションを介してカメラ410と直接接続されてもよい。
【0043】
サーバ400は、汎用コンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップコンピュータ、又は他の形式の演算又は通信装置のような演算装置、これら装置の1つで稼働するスレッド又はプロセス、及び/又はこれら装置の1つで実行可能なオブジェクトを含むことができる。サーバ400は、本明細書で説明するような方法で情報を収集、処理、探索、及び/又は提供してよい。例えば一実施形態においてサーバ400は、本明細書で説明するように、1つ以上のカメラ410で取得された音声、映像、画像、等を受信し、1つ以上のカメラ410の動作(例えば移動、起動、終了、等)を制御し、及び/又はユーザ機器110が1つ以上のカメラ410の動作を制御することを可能にするためにユーザ機器110と(例えばネットワーク130を介して)通信してよい。
【0044】
カメラ410の各々は、音声、画像、及び/又は映像を取り込むことのできる装置を含むことができる。カメラ410の各々は、画像及び/又は映像を取り込むためのレンズ420と、光学ズーム部を含むことができる。本明細書で用いられるように、「光学ズーム部」は、機械的に、電気的に、及び/又は電気機械的に制御されるレンズアセンブリであり、固定焦点距離を有することのできる常用レンズ(prime lens)と対照的に焦点距離を変更可能であるレンズアセンブリを含むことができる。「ズームレンズ」は、その最長及び最短焦点距離によって説明することができる。例えば、100ミリメートル(mm)から400mmまでの範囲の焦点距離を有するズームレンズは、「4倍」ズームと表すことができる。ズームレンズは、例えば、約「1倍」を超え、約「12倍」までの範囲を取ることができる。
【0045】
一実施形態において、ユーザ機器110の動きを用いてカメラ410の1つ以上を制御してよい。例えば、ユーザ機器110のユーザは、(例えばユーザ機器110を用いて)監視システム120の特定のカメラ410を選択することができ、選択したカメラ410の動きを制御するためにユーザ機器110を動かすことができる。別の例では、ユーザは(例えばユーザ機器110を用いて)監視システム120の他の複数のカメラ410を選択することができ、この複数のカメラ410の動きを制御するためにユーザ機器110を動かすことができる。
【0046】
図4は監視システム120の例示的な構成要素を示しているが、他の実施形態では、監視システム120は図4に示されるより少ない構成要素、異なる異なる構成要素、又はさらなる構成要素を含むことができる。さらに別の実施形態において、監視システム120の1つ以上の構成要素が、監視システム120の他の1つ以上の構成要素が実行するタスクを実行してもよい。
【0047】
図5は、サーバ400の例示的な図である。図示の通りサーバ400は、バス510、処理部520、主メモリ530、読み出し専用メモリ(ROM)540、記憶装置550、入力装置560、出力装置570、及び/又は通信インタフェース580を含むことができる。バス510は、サーバ400の構成要素間の通信を可能にする経路を含むことができる。
【0048】
処理部520は、命令を解釈して実行可能なプロセッサ、マイクロプロセッサ、又は他の形式の処理ロジックを含むことができる。主メモリ530は、処理部520が実行するための情報及び命令を記憶することのできるランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の形式の動的記憶装置を含むことができる。ROM540は、処理部520が用いるための静的な情報及び/又は命令を記憶することのできるROM装置又は他の形式の静的記憶装置を含むことができる。記憶装置550は磁気及び/又は光学記録媒体及び対応するドライブを含むことができる。
【0049】
入力装置560は、キーボード、マウス、ペン、マイク、音声認識及び/又は生体認証機構など、オペレータがサーバ400に情報の入力を可能にする機構を含むことができる。出力装置570は、ディスプレイ、プリンタ、スピーカなどを含む、オペレータに情報を出力する機構を含むことができる。通信インタフェース580は、サーバ400が他の装置及び/又はシステムと通信することを可能にする、任意の、送受信器のような機構を含むことができる。例えば、通信インタフェース580は、ネットワーク130のようなネットワークを介して他の装置又はシステムと通信するための機構を含むことができる。
【0050】
以下で詳細に説明するように、サーバ400は、処理部520が主メモリ530のようなコンピュータ読み取り可能な媒体に格納されたソフトウェア命令を実行することに応答して所定の動作を実行してよい。ソフトウェア命令は、記憶装置550のような他のコンピュータ読み取り可能な媒体から、又は通信インタフェース580を介して他の装置から、主メモリ530に読み込まれてよい。主メモリ530に格納されたソフトウェア命令は、後述する処理を処理部520に実行させることができる。あるいは、本明細書で説明する処理を実施するため、ソフトウェア命令の代わりに、あるいはソフトウェア命令と組み合わせて、配線で接続された回路を用いてもよい。つまり、本明細書で説明する実施形態は、ハードウェア回路とソフトウェアとの特定の組み合わせには限定されない。
【0051】
図5はサーバ400の例示的な構成要素を示しているが、他の実施形態では、サーバ400は図5に示されるより少ない構成要素、異なる異なる構成要素、又はさらなる構成要素を含むことができる。さらに別の実施形態において、サーバ400の1つ以上の構成要素が、サーバ400の他の1つ以上の構成要素が実行するタスクを実行してもよい。
【0052】
ユーザ機器とカメラとの例示的な相互動作
図6A〜図6Kは、ユーザ機器110と監視システム120のカメラ410との相互動作の例示的な図である。例えば、図6A〜図6Kは、ユーザ機器110の動きがどのようにカメラ410の動きを制御又は動きに影響を与えるかの例示的な実施形態を示している。図6A〜図6F及び図6Kは、ユーザ機器110及び/又はカメラ410の側面図であり、図6G〜図6Jはユーザ機器110及び/又はカメラ410の上面図である。
【0053】
図6A及び図6Bに示すように、ユーザ機器110が静止していれば、カメラ410もまた静止してよい。例えば、カメラ410が特定の人物、場所及び/又は物体を見ているとすると、カメラ410は引き続きその特定の人物、場所及び/又は物体を見続けることができる。図6C及び図6Dに示すように、ユーザ機器110が下向き600に動かされると、カメラ410も対応する下向き610に下方移動してよい。図6E及び図6Fに示すように、ユーザ機器110が上向き620に動かされると、カメラ410も対応する上向き630に上方移動してよい。
【0054】
図6G及び図6Hに示すように、ユーザ機器110が向き640に回転されられると、カメラ410も対応する向き630に回転してよい。図6I及び図6Jに示すように、ユーザ機器110が向き660(例えば向き640と逆の向き)に回転されられると、カメラ410も対応する向き670(例えば向き650と逆の向き)に回転してよい。図6Kに示すように、ユーザ機器110は、ユーザから離れる方向680、及び/又はユーザに向かう方向690に動かされてもよい。ユーザ機器110がユーザから離れる方向680に動かされると、カメラ410(図示せず)は、(例えば1人以上の人物、1つ以上の場所、1つ以上の物体、等)のズームイン操作を行うことができる。ユーザ機器110がユーザに向かう方向690に動かされると、カメラ410はズームアウト操作を行うことができる。あるいは、及び/又はさらに、ユーザ機器110のカメラ270のズーム機能を、カメラ410にズームイン及び/又はズームアウト操作を実行させるために用いてもよい。
【0055】
図6A〜図6Kはユーザ機器110とカメラ410との例示的な相互動作を示したが、他の実施形態では、ユーザ機器110とカメラ410は、図6A〜図6Kに示したよりも少ない、異なる、又はより多くの相互動作を含んでもよい。例えば、ユーザ機器110は、ユーザ機器110の周りの三次元空間(例えばx,y,z軸)において、任意の角度(degree)で動くことができ、カメラ410はカメラ410の周りの三次元空間において任意の角度で動くことができる。さらに別の実施形態では、ユーザ機器110の動きの角度が、カメラ410の動きの角度と対応してもよい。例えば、ユーザ機器110を下方に10度回転させると、カメラ410が10度(又は10度の予め定められた割合)下方に回転してもよい。
【0056】
例示的なユーザ機器映像
近年のビデオコーデック(圧縮/伸張)アルゴリズムは、圧縮技術として動き補償を用いることができる。例えば、そのようなアルゴリズムは、連続する複数の映像フレームが同一情報の部分を有しているであろうという事実を利用してよい。映像フレーム間の差異は、「動きベクトル」と呼ぶことができる。動きベクトルは、複数の映像フレーム間の動き又は差分(delta)を再構成するために、映像の復号時に用いることができる。監視システム120にユーザ機器110からテレビ通話(例えば映像150)が提供されると、監視システム120は、(例えば映像150によって与えられる)動きベクトルを、監視システム120の1つ以上のカメラ410を制御する方法として用いることができる。
【0057】
ユーザがユーザ機器110を動かすと、ユーザ機器110はユーザ機器110の動きを表す映像150を提供してよい。監視システム120(例えばサーバ400)は、映像150を受信並びに復号し、ユーザ機器110の動きに対応する(例えば映像150によって与えられる)動きベクトルを抽出してよい。一実施形態において、映像150は圧縮フォーマットで提供されて良く、監視システム120は圧縮フォーマットから映像150を伸張することにより映像150を復号してよい。
【0058】
映像を再生成するために動きベクトルを用いる代わりに、監視システム120は、(例えばユーザ機器110と)同じ動きを1つ以上のカメラ410に適用するために動きベクトルを用いることができる。例えば、ユーザがユーザ機器110を右にパンすると、カメラ410は右にパンしてよい。別の例では、ユーザがユーザ機器110を用いてズームイン及び/又はユーザ機器110をユーザから離すように動かすと、カメラ410は同様にズームインしてよい。そのような構成は、真のリモートビューファインディングの形態、例えばリモートカメラ(例えばカメラ410)を制御するための直感的かつ容易な方法を提供することができる。
【0059】
図7A〜図7Gは、監視システム120のカメラ410を制御するためにユーザ機器110によって提供されうる例示的な映像(例えば映像150)を示す図である。1つの例示的な実施形態において、映像150は圧縮フォーマット(例えばフレーム内符号化形式)で提供されてよい。フレーム内符号化(intraframe)は、MPEG (Moving Picture Experts Group)規格で用いられる映像圧縮方法である。一連の動きにおいて、複数のピクチャの個々のフレームはグループ(グループオブピクチャ又は「GOP」と呼ばれる)化されてよく、機器(例えばユーザ機器110)が映像の空間的な動きを記録(register)できるように再生されてよい。Iフレームは、デジタルコンテンツの1フレームであって、圧縮器がそのフレームに先行するフレーム及びそのフレームに続くフレームから独立していることを分析する1フレームを含むことができ、そのフレームを表示するのに必要なデータを保存することができる。Iフレームは、圧縮映像において、予測フレーム(Pフレーム)及び双方向フレーム(Bフレーム)の中に散りばめられてよい。図7Aに示すように、映像150は基準点700を与えるキーフレーム又はIフレームを含むことができ、この基準点は、映像150に取り込まれた画像の1つ以上の特徴(例えば画像内の画素領域)に対応してよい。
【0060】
図7Bに示すように、映像150に取り込まれた1つ以上の特徴は、基準点700から離れた点705に移動することができ、基準点700から点705への移動に基づいて動きベクトル710を算出することができる。図7Cに示すように、映像150に取り込まれた1つ以上の特徴は、基準点700から離れた点715に移動することができ、基準点700から点715への移動に基づいて動きベクトル720を算出することができる。図7Dに示すように、映像150に取り込まれた1つ以上の特徴は、基準点700から離れた点725に移動することができ、基準点700から点725への移動に基づいて動きベクトル730を算出することができる。図7Eに示すように、映像150に取り込まれた1つ以上の特徴は、基準点700から離れた点735に移動することができ、基準点700から点735への移動に基づいて動きベクトル740を算出することができる。
【0061】
フレーム間の動き又は動作を見いだすため、過去のフレームにおける動きベクトルを最新又は現在のフレームにおける動きベクトルから差し引いてもよい。例えば、図7Bから図7C(例えば図7Cが現在のフレームを、図7Bが過去のフレームを表すものとする)への動きを検出するため、動きベクトル710を動きベクトル720から減じることができる。映像(例えば映像150)が復号されていれば図7B〜図7Eの動きベクトルを解析することができ、Iフレーム(例えば図7A)に対する動きを記述することができる。
【0062】
一実施形態において、監視システム120(例えばサーバ400)は、映像150から動きベクトル(例えば動きベクトル710,720,730及び/又は740)を抽出してよい。例えば、監視システム120は、映像150のフレーム間の動きを、現在のフレームにおける動きベクトルから過去のフレームにおける動きベクトルを減じることによって決定することができる。
【0063】
他の実施形態において、監視システム120(例えばサーバ400)は、1以上のカメラ410の動きを、抽出された動きベクトルの解析に基づいて決定することができる。例えば、監視システム120は、動きベクトルの解析に基づいて、カメラ410を右にパン、左へパン、上方にチルト、下方にチルト、時計回りに回転、反時計回りに回転、等してよいかどうかを決定することができる。
【0064】
さらに別の実施形態において、監視システム120(例えばサーバ400)は、カメラ操縦データを生成することができる。カメラ操縦データは、決定された動きに対応してよい。カメラ操縦データは、カメラ410の動きを操縦するために用いることのできるデータ、情報、命令、等を含むことができる。カメラ410の誤った動きを防止するため、予め定められた閾値をカメラ操縦データにサーバ400が設定してもよい。例えば、ユーザ機器110が誤って動かされた(例えば、ユーザがユーザ機器110を落とした)場合、そのような事象によって引き起こされるカメラ410の誤った動きを、予め定められた閾値が防止することができる。サーバ400は、カメラ操縦データを、選択された1つのカメラ410に提供してよい。選択されたカメラ410はサーバ400からカメラ操縦データを受信することができ、カメラ操縦データによって与えられる情報に従って動くことができる。
【0065】
図7Fに示すように、映像150はユーザ機器110が撮影した基準画像745を含んでよい。ユーザ機器110のユーザが基準画像745でズームインした場合(例えば、図6Kとともに上述したように、ユーザ機器110がユーザから離れる方向680に動かされると、カメラ410(図示せず)はズームイン操作を行うことができる)、基準画像745は画像750へ拡張されてよい。動きベクトル755は基準画像745の中央部から外部を形成してよく、ズームの検出ならびにズームの方向及び/又は倍率の算出に用いられてよい。
【0066】
図7Gに示すように、映像150はユーザ機器110が撮影した基準画像760を含んでよい。ユーザ機器110のユーザが基準画像760でズームアウトした場合(例えば、図6Kとともに上述したように、ユーザ機器110がユーザに向かう方向690に動かされると、カメラ410はズームアウト操作を行うことができる)、基準画像760は画像765へ縮小されてよい。動きベクトル770は、画像765の中央部へ向かう内部を形成してよく、ズームの検出ならびにズームの方向及び/又は倍率の算出に用いられてよい。
【0067】
一実施形態において、監視システム120(例えばサーバ400)は、映像150にズームが存在するか判別することができ、映像150からの動きベクトル(例えば動きベクトル755及び/又は770)に基づいてズームの方向及び/又は倍率を算出することができる。例えば、ユーザ機器110がズームイン又はズームアウトした場合、動きベクトル755又は770がそれぞれ形成されてよく、また、これら動きベクトルはズームの存在を判別するために監視システム120によって用いられてよい。監視システム120は、動きベクトル755又は770の方向及び/又は大きさに基づいてズーム方向及び/又は倍率を算出してよい。
【0068】
他の実施形態において、監視システム120(例えばサーバ400)は、算出されたズーム方向及び/又は倍率に基づいて、カメラ410の1つ以上の動きを決定することができる。例えば、監視システム120はカメラ410がズームイン又はズームアウトしてよいかどうかを、算出されたズーム方向及び/又は倍率に基づいて決定することができる。
【0069】
さらに別の実施形態において、監視システム120(例えばサーバ400)は、カメラ操縦データを生成することができる。カメラ操縦データは、決定された動きに対応してよい。カメラ操縦データは、カメラ410の動きを操縦するために用いることのできるデータ、情報、命令、等を含むことができる。カメラ410の誤った動きを防止するため、予め定められた閾値をカメラ操縦データにサーバ400が設定してもよい。サーバ400はカメラ操縦データを選択された1つのカメラ410に提供してよい。選択されたカメラ410はサーバ400からカメラ操縦データを受信することができ、カメラ操縦データによって与えられる情報に従って動くことができる。
【0070】
図7A〜図7Gはユーザ機器110によって与えられ得る例示的な映像を示したが、他の実施形態では、ユーザ機器110は、図7A〜図7Gに示したよりも少ない、異なる、又はより多くの映像を提供してもよい。
【0071】
ユーザ機器及び監視システムの例示的な動作
図8Aは、ユーザ機器110と監視システム120のカメラ410の1つとの相互動作の例示的な図である。図示の通り、ユーザ機器110のカメラ270は、(例えばカメラ270の視野810を通じて)被写体800の1以上の画像を映像(例えば映像150)の形式で撮影することができる。監視システム120のカメラ410は、(例えばカメラ410の視野830を通じて)被写体820の1以上の画像を映像(例えば映像140)の形式で撮影することができる。ユーザ機器110はリンク850(例えばネットワーク130及び/又はサーバ400)を介して映像150をカメラ410に通信することができ、映像150はカメラ410によって撮影される映像140を制御するために監視システム120のサーバ400によって用いられてよい。
【0072】
図8B〜図8Dは、ユーザ機器110によって生成される映像150の例示的な図である。図8E〜図8Gは、図8B〜図8Dに示した映像140に対応して、監視システム120のカメラ410が撮影した映像140の例示的な図である。映像140は、カメラ410によって撮影されてよく、また(例えばユーザ機器110のディスプレイ230による)表示のためにユーザ機器110へ提供されてよい。映像150はユーザ機器110によって撮影されて良く、また、本明細書で説明するように1つ以上のカメラ410を制御するために監視システム120のサーバ400へ提供されてよい。
【0073】
図8B及び図8Eに示すように、ユーザ機器110によって生成された映像150は被写体800を中心してよく、それによってカメラ410に撮影される映像140も被写体820を中心とするものとなってよい。図8C及び図8Fに示すように、ユーザ機器110によって生成された映像150は被写体800の右にパンしてよく、それによってカメラ410に撮影される映像140も被写体820の右にパンしてよい。図8D及び図8Eに示すように、ユーザ機器110によって生成された映像150は被写体800の左にパンしてよく、それによってカメラ410に撮影される映像140も被写体820の左にパンしてよい。図8A〜図8Gには示していないが、ユーザ機器110の映像150は、被写体をズームイン又はズームアウトしたり、被写体の上方又は下方にパンしたりしてもよく、それにより、カメラ410が撮影する映像140が対応する動きを行うようにさせてもよい。
【0074】
図8B〜図8Gはユーザ機器110及び/又はカメラ410によって与えられ得る例示的な映像を示したが、他の実施形態では、ユーザ機器110及び/又はカメラ410は、図8B〜図8Gに示したよりも少ない、異なる、又はより多くの映像を提供してもよい。
【0075】
監視システムの代替構成
図9は監視システムの代替構成900の例示的な図である。図示の通り、代替監視システム900は円状に配置された、複数の(対応するレンズ420を有する)カメラ410を有することができる。複数のカメラ410は、図4とともに上述したタスクを実行することができ、また、有線及び/又は無線コネクションを介してサーバ400に接続することができる。サーバ400は図4とともに上述したタスクを実行することができる。
【0076】
しかし、代替監視システム900は静的、すなわち機械的に移動する構成を有さなくてもよい。例えば、複数のカメラ410は、撮影範囲が重複するように円状に配置されてよい。サーバ400は、どのカメラで撮影すべきかを、入来する映像(例えばユーザ機器110からの映像150)から得られる動きベクトルに基づいて決定及び選択することができる。あるいは、システム900には1つの監視カメラが設けられ、監視エリアを全てカバーする高解像度かつ特別な1つのレンズを含んでもよい。サーバ400は、入来する映像(例えばユーザ機器110からの映像150)から得られる動きベクトルに基づき、1つの監視カメラが通常与えうるものの小部分から映像(例えば映像140)を生成してよい。そのような構成において、代替監視システム900は、複数のカメラ410の動きを全ての方向でシミュレートし、ズーム動作をデジタル的に実行してよい。
【0077】
例示的な処理
図10は、本明細書で説明した実施形態に従った例示的な処理1000のフローチャートを示す。一実施形態において、処理1000は、監視システム120のハードウェア及び/又はソフトウェア要素(例えばサーバ400)によって実行されてよい。他の実施形態において、処理1000は、監視システム120のハードウェア及び/又はソフトウェア要素(例えばサーバ400)と、ユーザ機器110のハードウェア及び/又はソフトウェア要素との組み合わせによって実行されてよい。図示の通り、処理1000は、ユーザ機器から映像を受信すること(ブロック1010)及び受信した映像を復号すること(ブロック1020)で開始されてよい。例えば、一実施形態において、ユーザがユーザ機器110を動かすと、ユーザ機器110はユーザ機器110の動きを表す映像150を提供してよい。監視システム120(例えばサーバ400)は、映像150を受信並びに復号してよい。一実施形態において、映像150は圧縮形式で提供されて良く、監視システム120(例えばサーバ400)が圧縮形式から映像150を伸張することで映像150を復号してよい。
【0078】
復号された映像から動きベクトルを抽出及び/又は解析してよい(ブロック1030)。例えば、図7A〜図7Eとともに上述した一実施形態において、監視システム120(例えばサーバ400)は映像150から動きベクトル(例えば動きベクトル710,720,730及び/又は740)を抽出して良く、抽出した動きベクトルを解析してよい。一実施形態において、監視システム120(例えばサーバ400)は、映像150のフレーム間の動きを、現在のフレームにおける動きベクトルから過去のフレームにおける動きベクトルを減じることによって決定することができる。
【0079】
さらに図10に示すように、ズーム操作の実行を検出することができ(ブロック1040)、ズーム操作が検出された場合には、ズーム操作の方向及び/又は倍率を算出してよい(ブロック1050)。例えば、図7F及び図7Gとともに上述した一実施形態において、監視システム120(例えばサーバ400)は、映像150にズームが存在するか判別することができ、映像150からの動きベクトル(例えば動きベクトル755及び/又は770)に基づいてズームの方向及び/又は倍率を算出することができる。例えば、ユーザ機器110がズームイン又はズームアウトした場合、動きベクトル755又は770がそれぞれ形成されてよく、また、これら動きベクトルはズームの存在を判別するために監視システム120によって用いられてよい。監視システム120は、動きベクトル755又は770の方向及び/又は大きさに基づいて、ズームの方向及び/又は倍率を算出してよい。
【0080】
抽出された動きベクトルの解析及び/又は、算出されたズーム方向及び/又は倍率に基づいて、カメラの動きを決定することができる(ブロック1060)。例えば、図7A〜図7Eとともに上述した一実施形態において、監視システム120(例えばサーバ400)は、複数のカメラ410の1つ以上の動き(例えば右へのパン、左へのパン、上方へのチルト、下方へのチルト、時計回りの回転、反時計回りの回転、等)を、抽出された動きベクトルの解析に基づいて決定することができる。図7F及び図7Gとともに上述した別の実施形態において、監視システム120(例えばサーバ400)は、算出されたズーム方向及び/又は倍率に基づいて、複数のカメラ410の1つ以上の動きを決定することができる。
【0081】
さらに図10に示すように、決定されたカメラの動きに基づいてカメラ操縦データを生成することができる。例えば、図7A〜図7Gとともに上述した一実施形態において、監視システム120(例えばサーバ400)は、カメラ操縦データを生成することができる。カメラ操縦データは、決定された動きに対応してよい。カメラ操縦データは、カメラ410の動きを操縦するために用いることのできるデータ、情報、命令、等を含むことができる。カメラ410の誤った動きを防止するため、予め定められた閾値をカメラ操縦データにサーバ400が設定してもよい。
【0082】
カメラはカメラ操縦データに基づいて制御されてよい(ブロック1080)。例えば、図7A〜図7Gとともに上述した一実施形態において、監視システム120(例えばサーバ400)は、複数のカメラ410の選択された1つに、カメラ操縦データを提供してよい。選択されたカメラ410はサーバ400からカメラ操縦データを受信することができ、カメラ操縦データによって与えられる情報に従って動くことができる。
【0083】
図11は、本明細書で説明した実施形態に従った例示的な処理1100のフローチャートを示す。一実施形態において、処理1100は、ユーザ機器110のハードウェア及び/又はソフトウェア要素によって実行されてよい。他の実施形態において、処理1100は、ユーザ機器110のハードウェア及び/又はソフトウェア要素と、監視システム120のハードウェア及び/又はソフトウェア要素(例えばサーバ400)との組み合わせによって実行されてよい。図示するように、処理1100はユーザ機器に関する映像であって、ユーザ機器の動きを示す映像の受信から始まってよい(ブロック1110)。例えば、図1及び図2とともに上述した一実施形態において、ユーザ機器110は、映像150を撮影するための機構(例えばカメラ270)を含むことができ、また映像150はユーザ機器110の動きを示するために用いられてよい。
【0084】
図11にさらに示すように、映像は監視システムへ提供されてよく、また監視システムを制御するために用いられてよい(ブロック1120)。例えば、図1とともに上述した一実施形態において、映像150は監視システム120に提供されかつ受信されてよく、監視システム120を制御するために用いられてよい。一例において、(映像150で表されるような)機器の動きは、監視システム120の動作及び/又は監視システム120で撮影される映像140を制御するために用いられてよい。別の実施形態において、映像150に基づく監視システム120の制御は、図10とともに上述したタスク(例えば図10のブロック1020〜1080)を含んでよい。
【0085】
まとめ
本明細書で説明する実施形態は、ユーザ機器の動きに基づいて制御することのできる監視システムを提供することができる。例えば、一実施形態において、ユーザ機器は映像を生成することができ、その映像が監視システムに受信されてよい。監視システムは受信した映像を復号することができ、復号した映像から動きベクトルを抽出並びに解析することができる。監視システムはユーザ機器からズームを検出することができ、ズームが存在すれば、ズームの方向及び/又は倍率を算出することができる。動きベクトル及び/又は、(ズームが存在する場合には)算出されたズーム方向及び/又は倍率に基づいて、監視システムは監視カメラの動きを決定することができる。監視システムは、決定したカメラの動きに基づいてカメラ操縦データを生成することができ、カメラ操縦データに基づいて監視カメラを制御することができる。
【0086】
上述の実施形態の説明は、例示及び解説を提供するものであり、本発明の全てを示していないし、本発明を開示内容に限定する意図も存在しない。変更物及び派生物は、上述の教示に照らしても、本発明の実践からも得ることができる。例えば、図9及び図10に関して、一連のブロックを説明したが、これらブロックの順序は別の実施形態では変更されてよい。さらに、他のブロックに依存せず独立している複数のブロックを並列に実行してもよい。
【0087】
上述したような複数の見地は、図面に示した実施形態におけるソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアとは異なる多数の形態で実施されてよい。それらの見地を実施するために用いられる実際のソフトウェアコード又は特別な制御ハードウェアは、限定的なものと解釈されるべきではない。従って、それら見地の動作及び振る舞いは特定のソフトウェアコードを参照することなく説明されており、ソフトウェア及び制御ハードウェアがそれら見地をここでの説明に基づいて実施するために設計されうることであることが理解される。
【0088】
本願で用いられるいかなる要素、ブロック、又は命令も、不可欠又は必須であると記載されていない限り不可欠又は必須なものと解釈されるべきではない。さらに、ここで用いられているように、冠詞”a”は1つ以上の項目を含むことが意図されている。1つだけの項目が意図されている場合には、”1つ”又は同様の言語が用いられている。さらに、”基づく”という表現は、明確に述べられていない限り”少なくとも一部が基づく”ことを意味することが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器から前記ユーザ機器の動きを示す映像を受信するステップと、
前記ユーザ機器の動きに基づいて前記ユーザ機器とは別のカメラの動きを決定するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記映像から動きベクトルを抽出するステップと、
前記動きベクトルを解析するステップと、
前記解析された動きベクトルに基づいて前記カメラの動きを決定するステップと、
をさらに有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記決定された前記カメラの動きに基づいてカメラ操縦データを生成するステップをさらに有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記カメラ操縦データに基づいて前記カメラを操作するステップをさらに有することを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記決定された前記カメラの動きに基づいて前記カメラを操作するステップをさらに有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
ズーム操作が行われているか判別するステップと、
ズーム操作が行われていればズームの方向及び倍率を算出するステップと、
前記算出されたズームの方向及び倍率に基づいて前記カメラの動きを決定するステップと、
をさらに有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記決定された前記カメラの動きに基づいてカメラ操縦データを生成するステップをさらに有することを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記カメラ操縦データに基づいて前記カメラを操作するステップをさらに有することを特徴とする請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記決定された前記カメラの動きに基づいて前記カメラを操作するステップをさらに有することを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項10】
映像をユーザ機器から受信し、前記受信した映像に基づいて前記ユーザ機器の動きを判別し、前記ユーザ機器の動きに基づいて前記ユーザ機器とは別のカメラの動きを決定する1つ以上の機器、
を有することを特徴とするシステム。
【請求項11】
前記1つ以上の機器がさらに、
前記映像から動きベクトルを抽出し、
前記動きベクトルを解析し、
前記解析された動きベクトルに基づいて前記カメラの動きを決定する、
ように構成されることを特徴とする請求項10記載のシステム。
【請求項12】
前記1つ以上の機器がさらに、前記決定された前記カメラの動きに基づいてカメラ操縦データを生成するように構成されることを特徴とする請求項10記載のシステム。
【請求項13】
前記1つ以上の機器がさらに、前記カメラ操縦データに基づいて前記カメラを操作するように構成されることを特徴とする請求項12記載のシステム。
【請求項14】
前記1つ以上の機器がさらに、
ズーム操作が行われているか判別し、
ズーム操作が行われていれば、ズームの方向及び倍率を算出し、
前記算出されたズームの方向及び倍率に基づいて前記カメラの動きを決定する、
ように構成されることを特徴とする請求項10記載のシステム。
【請求項15】
前記1つ以上の機器がさらに、前記決定された前記カメラの動きに基づいてカメラ操縦データを生成するように構成されることを特徴とする請求項14記載のシステム。
【請求項16】
前記1つ以上の機器がさらに、前記カメラ操縦データに基づいて前記カメラを操作するように構成されることを特徴とする請求項15記載のシステム。
【請求項17】
ユーザ機器を有するシステムであって、
前記ユーザ機器は、
前記ユーザ機器の動きを示す映像を受信し、
前記映像によって示される前記ユーザ機器の動きに基づいて監視システムを制御するために前記映像を前記監視システムへ提供する、
ように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項18】
前記ユーザ機器は、電話機、セルラ電話機、携帯情報端末(PDA)の少なくとも1つを有することを特徴とする請求項17記載のシステム。
【請求項19】
前記映像は圧縮された形式を有することを特徴とする請求項17記載のシステム。
【請求項20】
前記映像が、前記ユーザ機器の動きを判別するために用いられる動きベクトルを有することを特徴とする請求項17記載のシステム。
【請求項21】
前記ユーザ機器がさらに、前記映像によって示される前記ユーザ機器の動きに基づいて前記監視システムのカメラの動きを制御することを特徴とする請求項17記載のシステム。
【請求項22】
前記ユーザ機器がさらに、前記映像に基づいてズーム操作を検出することを特徴とする請求項17記載のシステム。
【請求項23】
前記ユーザ機器がさらに、前記監視システムから、前記ユーザ機器が前記監視システムを制御することを可能にする情報を受信することを特徴とする請求項17記載のシステム。
【請求項24】
映像をユーザ機器から受信し、前記受信した映像に基づいて前記ユーザ機器の動きを判別し、前記ユーザ機器の動きに基づいて前記ユーザ機器とは別の複数のカメラの1つのカメラの選択を決定する1つ以上の機器、
を有することを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図6H】
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【図6I】
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【図6J】
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【図6K】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図8G】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2010−529717(P2010−529717A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508917(P2010−508917)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【国際出願番号】PCT/IB2007/054715
【国際公開番号】WO2008/142494
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】