説明

リモートルミネセンス材料を用いた照明デバイス

本発明は、光源100と透過機構200とを有する照明デバイスを提供する。光源は、光源光を生成し、LED光を生成する発光デバイス(LED)110と、第1の発光材料130を有するキャリア120とを有している。キャリアはLEDと接しており、第1の発光材料130はLED光の少なくとも一部を第1の発光材料光に変換する。第2の発光材料の透過機構は、光源から離れて配されており、第1の発光材料光の少なくとも一部及び/又はLED光の少なくとも一部を変換する。本発明は、スポット照明におけるリモートルミネセンス材料の電流の制限を克服する。また、単に種々の(赤橙の)リモートルミネセンス材料と組み合わせた単一のタイプの白色(又は白っぽい)光源により、種々の相関色温度の光源を実現する極めて簡単なやり方が可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDをベースにした光源と、複数の発光材料とを、少なくとも1つの発光材料が光源から離れて配された状態で有する照明デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
発光材料を伴った透過機構を有する照明デバイスは、当該技術分野において既知である。透過性のセラミック層又は発光セラミック及びそれらの生成方法は、当該技術分野において既知である。それは、例えば、米国特許出願公開US2005/0269582号、米国特許出願公開US2006/0202105号、国際特許出願公開WO2006/097868号、国際特許出願公開WO2007/080555号、米国特許出願公開US2007/0126017号及び国際特許出願公開WO2006/114726号公報に述べられている。
【0003】
例えば、米国特許出願公開US2005/0269582号公報には、発光層により発せられる光の経路内に配されたセラミック層と組み合わせられた半導体発光デバイスが開示されている。上記セラミック層は、発光材料のような波長変換材料によって構成されているか又はそれを含んでいる。
【0004】
また、米国特許出願公開US2008029720号公報には、第1の波長の範囲を持つ放射を放つLEDチップと、上記第1の波長の範囲の放射の少なくとも一部を吸収し、第2の波長の範囲を持つ放射を放つ発光材料と、少なくとも上記第1の波長の範囲の放射が通過する光学部品とを有する照明機構が説明されている。上記LEDは、発光材料が光学部品の表面に設けられていることを特徴としている。
【0005】
国際特許出願公開WO2005083036号公報には、LEDと1つ又はそれ以上の発光材料とを含み、各発光材料について(入射LEDフラックス)×(発光材料の励起断面積)×(発光材料の減衰時間)の積として定義される性能指数(FOM)が0.3よりも小さいLEDランプが説明されている。そのような透過機構は、駆動電流のある範囲にわたって、発光デバイスに改善されたルーメン出力及び色安定性を与えると思われている。
【0006】
更に、発光性の多層構造体が当該技術分野において既知である。例えば、米国特許出願公開US2004217692号公報には、励起光を出力する光源と、励起光に応じて異なる波長を発する少なくとも2つの蛍光層を有する蛍光性の多層構造体とを含む発光デバイスが説明されている。他の蛍光層よりも長い波長を発する及び/又は低い光変換効率を有する蛍光層は光源に隣接している。他の蛍光層よりも短い波長を発する及び/又は高い光変換効率を有する蛍光層は、光源から最も遠い。従って、発光デバイスの全体の光変換効率及び発光デバイスから出力される光の量を高めることが可能である。
【0007】
米国特許US7213940号公報には、430nmから480nmまで及び600nmから630nmまでの範囲内に主波長をそれぞれ持つ光を発する半導体発光体の第1及び第2のグループと、555nmから585nmまでの範囲内に主波長を持つ光を発するルミファ(lumiphor)の第1のグループとを有する照明デバイスが説明されている。電源ラインに電流が供給されると、上記発光体の第1のグループにより発せられた照明デバイスを励起する光と、上記ルミファの第1のグループにより発せられた照明デバイスを励起する光との組み合わせが、いかなる追加の光も存在しない状態で、1931CIE色度図上の特定の領域内にxy色座標を持つ光のサブ混合物を生成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
スポットランプの場合、光源の高い輝度が必要とされる。すなわち、必要な光束のレベルのために、放射源がスポットランプに合うサイズに制限される。典型的には、リモートルミネセンス材料モジュールの光源のサイズはスポットランプに合わない。スポットの用途に合うように上記リモートルミネセンス材料の表面積を減らすと、リモートルミネセンス材料素子の温度は受け入れられないレベルまで上昇し、これは、システムの効率を著しく低下させる発光材料の温度消光及び/又は光束の下落、縮められる寿命及び増大する破局的なシステム障害を引き起こす材料(発光材料、発光材料を有するマトリクス材料又は発光材料が塗布された基板材料)の劣化を招く。これは、波長変換材料においてより多くの発熱を要するので、特に、寒白色と比較して暖白色の生成に関する場合である。
【0009】
LEDチップに波長変換材料が塗布された白色LEDは小さいソースのサイズをもたらすので、これを用いてかなり高い光源の輝度が実現されるようである。しかしながら、暖白色LEDの不都合は、赤色発光材料成分が黄色成分よりも温度に影響を受けやすく、これがカラーポイントの温度依存性及び場合によっては経時的な色のシフトをもたらすことである。
【0010】
代替の構成では、青色InGaNチップ上に発光材料成分を伴う該チップによって構成される高効率黄色LEDが、赤色のAlInGaPLEDと組み合わせられる。これらの発光体からの光の適切な割合の混合もまた、暖白色光の効率的な生成をもたらす。しかしながら、不都合は、上記混合がかなり大きい光源を導いて結果的にかなり低い輝度の原因となり、例えばスポットランプに対してこれを不適切にしてしまうことである。他の不都合は、InGaN対AlInGaPのLED材料の温度感度の大きな差に見出され、これは、カラーポイント及び光束に関してそのようなシステムを本質的に不安定にする。更に、このシステムは、目標にしているカラーポイントを実現するために2つのチャネル間の正確な微調整を伴う2チャネルドライバを必要とし、これは、より複雑な、より容積の大きい、より高価なシステムをもたらす。最後に、非常に正確なフィードバックシステムが実現されない場合、種々のLED材料の系の他と異なる劣化もまた、ランプ間の色の一致を低減し得る。
【0011】
従って、本発明の一観点は、代替の照明デバイスを提供することであり、好ましくは、上述した欠点の1つ又はそれ以上を少なくとも部分的に回避する代替の照明デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、リモートルミネセンス材料の光源の輝度の著しい増大(約10倍)を可能にするとともに、リモートルミネセンス材料のLEDエンジンの有効性の増大の少なくとも一部を与え、これは、例えばスポットランプ用のより効率的なLEDソースをもたらす。更に、提案される構成の場合、発光材料の構成要素の温度がより低く、これはより安定な光源をもたらす。
【0013】
第1の形態では、本発明は、
a.
i.LED光を生成するLEDと、
ii.第1の発光材料を有するキャリアであって、上記LEDと接しており、上記第1の発光材料は上記LED光の少なくとも一部を第1の発光材料光に変換する当該キャリアと
を有する、光源光を生成する光源と、
b.第2の発光材料の透過機構であって、上記光源から離れて配され、上記LED光の少なくとも一部、上記第1の発光材料光の少なくとも一部又は上記LED光の少なくとも一部及び上記第1の発光材料光の少なくとも一部を第2の発光材料光に変換する当該透過機構と
を有する照明デバイスを提供する。
【0014】
この提案された構成の場合、スポットランプ用の光源の有効性は、リモートルミネセンス材料の概念のLED光抽出の利点を利用することにより増大し得る。
【0015】
本発明は、スポット照明においてリモートルミネセンス材料のシステムの電流の制限をどのように克服するかの形態を提供する。また、単に種々の(赤橙色の)リモートルミネセンス材料と組み合わせられた単一のタイプの白色(又は白っぽい)光源により、種々の相関色温度を持つ光源を実現する極めて簡単なやり方が可能になる。単に発光材料の負荷及び/又は光源までの透過機構の距離を変化させること、及び/又は透過機構の照射(分画)範囲を変化させることにより、照明デバイスにより生成される光の相関色温度が変化するようである。従って、本発明は、黒体軌跡(BBL)に沿って相関色温度(CCT)を調節することも極めて簡単なやり方で可能にする。すなわち、赤色蛍光体の寄与及び黄緑色蛍光体の寄与の両方を調節する必要さえない。
【0016】
一形態では、上記LEDは青色発光LEDを有し、上記第1の発光材料は黄ないし緑のスペクトル範囲に主波長を持つ光を発し、上記第2の発光材料は赤ないし橙の範囲に主波長を持つ光を発する。
【0017】
具体的な形態では、上記LEDは青色発光LEDを有し、上記記第1の発光材料は、三価のセリウムを含有するガーネット、二価のユーロピウムを含有する酸窒化物、二価のユーロピウムを含有するケイ酸塩及び二価のユーロピウムを含有するチオガリウム酸塩より成る群から選択される1つ又はそれ以上の発光材料、好ましくは少なくとも三価のセリウムを含有するガーネットを有し、上記第2の発光材料は、三価のセリウムを含有するアルカリ土類硫化物及び二価のユーロピウムを含有する窒化物より成る群から選択される1つ又はそれ以上の発光材料、好ましくは少なくとも二価のユーロピウムを含有する窒化物を有している。(他の)緑色で発する発光材料の例は、例えば、SrSiON:Eu(酸窒化物)又は(Sr,Ba,Ca)SiO:Eu(ケイ酸塩)及びSrGa:Eu(チオガリウム酸塩)である。(他の)赤色発光材料の例は、例えば、(Ca1−xSr)S:Ce(アルカリ土類チオガリウム酸塩)である。好適な発光材料の例は、例えば国際特許出願公開WO0211173号公報にも記載されている。
【0018】
上記LEDが青色発光LEDを有し、上記第1の発光材料が三価のセリウムを含有するガーネットを有し、上記第2の発光材料が二価のユーロピウムを含有する窒化物、特に二価のユーロピウムを含有するニトリドケイ酸塩を有している形態が、特に好ましい。また、好ましくは、上記第2の発光材料はCaAlSiN:Euを有している。
【0019】
上記キャリアの幾つかの形態が提案される。好ましくは、波長変換の(大)部分は、LEDと密に接触して行われ、このLEDを介して、キャリアにより構成される発光材料において生成される熱もまた照明デバイスの筐体又はヒートシンクに熱を導く照明デバイスの熱界面に伝えられる。これは、発光材料において生成される熱の大部分(ストークスロス及び量子効率のロス)がLEDを介した伝導によって周囲に伝達され得ることを意味する。従って、キャリアは、(LEDと接していることに加えて)好ましくはヒートシンクとも接している。
【0020】
一形態では、上記キャリアは、発光セラミックを有している。光源(すなわち、LEDパッケージ)の発光材料に関して、LEDと良好に熱的接触している透過性の又は高い半透明性の発光材料(YAG:Ce等の三価のセリウムを含有するガーネットのような(ほぼ透過性の)発光材料)が用いられ得る。このやり方では、パッケージからの光の抽出は(ダイへの光の低い後方散乱のために)相対的に高く、発光材料の温度はダイの温度に近い。
【0021】
他の形態では、上記キャリアは、発光材料層を有している。
【0022】
更に他の形態では、上記キャリアは、上記第1の発光材料を有する樹脂のような封止剤(encapsulant)を有している。更に他の形態では、発光材料層又は発光セラミックのような上記キャリアが封止剤により囲まれており、この封止剤は(同様に)発光材料を有していてもよいし、有していなくてもよい。従って、好ましくは、上記キャリアはヒートシンクと接している。上記封止剤は、少なくとも可視光の一部に対して透過性である。透過性の樹脂は当該技術分野において既知である。封止剤は、例えば、ポリマ樹脂若しくはシリコン樹脂又は一形態ではゾルゲルをベースにした系である。
【0023】
上記機構は、光源から離れて配されている。上記透過機構についての幾つかの形態が提案される。一形態では、上記透過機構は、射出窓にコーティングされたコーティング部を有し、このコーティング部は上記第2の発光材料を有している。
【0024】
更に他の形態では、上記透過機構は、上記第2の発光材料を有する射出窓を有している。例えば、そのような射出窓は(もまた)、発光セラミックを有している。
【0025】
一形態では、上記射出窓は、中空形状を有し、上記光源を少なくとも部分的に囲んでいる。
【0026】
好ましくは、LEDから離れた第2の発光材料として赤色又は赤ないし橙色の発光材料が適用される。これらの発光材料は、非常に散乱する可能性があり、従って、この第2の素子に当たるほんのわずかの光のみがLEDのダイ又はLEDのパッケージに後方散乱されるようにLEDから離れて付与されると、システムの効率をかなり改善する。
【0027】
また、好ましくは上記第2の発光素子に関して、キャリア(より正確には、キャリアにより構成される発光材料)によりLEDからのポンプ光と第2の発光材料により発せられる光との波長の中間の波長を持つ光に変換された光を主に吸収し、変換する発光材料が選択され、これは、低減されるストークスシフトのために第2の素子における著しく低減された熱放散をもたらす。従って、好ましくは、上記第2の発光素子は、第1の発光材料光の少なくとも一部を変換する。
【0028】
また、好ましくは、上記第2の発光素子に関して、この素子で高出力密度を可能にするように低い温度消光を示す発光材料、例えば窒化物の発光材料が選択される。
【0029】
更に、他の形態では、上記透過機構(特に、該機構により構成される発光材料)は、この第2の素子において生成される熱を例えばランプの筐体に導く熱伝導体と良好に熱的接触して取り付けられている。従って、好ましくは、上記透過機構はヒートシンクとも接している。このやり方では、ストークスシフトロス及び/又は量子効率のロスの結果として、発光材料において生成される熱は、離れて誘導され、それにより、効率のロスが最小限になる。好ましくは、上記キャリア及び透過機構は、ヒートシンクと接している。
【0030】
他の形態では、上記透過機構により構成される発光材料は、例えば、(好ましくは、熱伝導を高めるために埋め込み材料が所定の位置に存在する場合にも)発光材料の粉末を押圧すること又は(ルミラミックとしても当該技術分野において知られている)モノリシックセラミック発光材料を適用することにより、この素子における熱伝導を高めるために密なパッキング密度で適用される。
【0031】
上記「第1の発光材料」という用語は、混合物として与えられ得るが、例えば(隣接する)層としても与えられ得る複数の(第1の)発光材料も意味している。上記「第2の発光材料」という用語は、混合物として与えられ得るが、例えば(隣接する)層としても与えられ得る複数の(第2の)発光材料も意味している。下流のコーティング部に含まれる第2の発光材料と同一であるか又はそれとは異なる第2の発光材料による上流のコーティング部を有する透過機構のような他の形態も可能である。
【0032】
驚くべきことに、実質的に白色の光源及び赤又は赤橙のリモート(離隔)ルミネセンス材料を用いると、CCTが比較的容易に変化するようである。従って、一形態では、上記光源光は、黒体軌跡(BBL)の15SDCM(等色標準偏差)以内のカラーポイントを持つ白色光である。
【0033】
上記照明デバイスは、(レトロフィット)スポットライトのような種々の用途に用いられ得るが、非レトロフィットのスポットランプにも用いられ得る。上記照明デバイスは、家庭用、接客用、店舗用及びオフィス照明を含む一般照明に用いられてもよく、日中走行用ライトのような自動車用にも用いられ得る。提案される構成は、広範囲の照明、雰囲気照明(例えば、ライトタイル)、背面照明(例えば、ポスターボックス)、ダウンライタ(downlighter)、白熱(GLS)又はTL交換ランプのような拡散レトロフィットランプ及び壁面照明ランプに適用されることができ、体積及び光線の制約に依存して、多数の種類のスポットランプに適用され得る。
【0034】
一形態では、従って、上記デバイスは、上記デバイス光を平行にするコリメータを更に有している。特に、この照明デバイスは、第1の発光材料光及び第2の発光材料光と、オプションでLED光とを有する照明デバイス光を生成し、上記光源及び上記透過機構を少なくとも部分的に囲み、上記照明デバイス光を平行にするコリメータを更に有している。
【0035】
以下に、同じ観点がより詳細に説明される。
【0036】
照明デバイス
LEDに関連して、キャリア及び透過機構がLEDの下流に配されている。
【0037】
上記キャリアは、LEDと接している。1つの(より大きい)キャリアが複数のLEDの上に配されてもよい。また、それぞれがキャリアを有する複数のLEDも適用され得る。キャリアは、実質的にはLEDのすぐ下流に存在し、好ましくは、実質的にLEDダイと接している。「LEDと接しているキャリア」という表現は、特に、キャリアの少なくとも一部がダイの少なくとも一部に接していることを意味している。好ましくは、実質的にダイ全体がキャリア(の少なくとも一部)と接している。
【0038】
「上流」及び「下流」という用語は、光生成手段(ここでは、特にLED)からの光の伝播に関する事項又は特徴に関係があり、光生成手段からの光のビーム内の第1の場所を基準として、光生成手段により近い光のビーム内の第2の場所は「上流」であり、光生成手段からより遠い光のビーム内の第3の場所は「下流」である。
【0039】
上記照明デバイスは、1つ又はそれ以上の光源を有している。また、上記照明デバイスは、1つ又はそれ以上のLEDと、1つ又はそれ以上のキャリアとを有しており、これは、複数のLED及びこの複数のLEDと接しているキャリアを伴う形態を含んでいる。
【0040】
上記透過機構は、好ましくは、光源により生成される実質的に全ての放射が該透過機構の方向に向けられるように配されている。すなわち、上記透過機構は光源により発せられる光の経路内に配置されている。従って、好ましい形態では、上記発光材料及び/又は上記透過機構は、実質的に全ての光源光を受け取る。一形態では、透過機構と光源との距離がゼロではないので、光源、透過機構及びオプションで空洞部の壁面により囲まれたチャンバ又は空洞部が存在する。上記透過機構は、チャンバ又は空洞部における内部反射後に、実質的に全ての光源光を受け取る。
【0041】
上記第2の発光材料を有する透過機構は、特に、光源光の少なくとも一部を透過する。このやり方では、(透過機構を)透過する光源の放射を放つ光源と、第2の発光材料の放射を放つ第2の発光材料とが、(白色光のような)所定の色の光を生成する。
【0042】
上記透過機構は、光源に向けられた上流面及び照明デバイスの外側に向けられた下流面を有している。
【0043】
照明デバイス光を誘導する又は照明デバイス光に影響を及ぼすコリメータ、反射器、光ガイド、光学層等のような更なる光学部品は、排除されず、射出窓の下流に配され得る。
【0044】
本発明によって、非常に高い効率及び良好な演色性を有し、ここではまた、オフの状態の際に白色又はほぼ無色に見えるリモートルミネセンス材料のモジュールが実現される。無色の見え方は、透過素子の下流面に1つ若しくはそれ以上の光学層又はコーティング部を適用することにより得られる。上記光学層は、例えば、散乱粒子、散乱ポリマ又は二色性光学積層体を有している。フィルムのような透過機構の内側又はその上に第2の発光材料を備えた提案されるシステムもまた、ロールツーロール(roll-to-roll)処理により安価な大量生産を可能にし、均質化と有効性の最適化とを兼ね備えている。代替として、射出成形が、透過機構の形状及び大きさの大きな柔軟性を可能にする安価な大量生産技術として用いられ得る。
【0045】
オプションとして、上記透過機構は、発光材料の不均一な分布を有していてもよい。例えば、第2の発光材料の不均一な分布は、同調能力を向上させ得る。
【0046】
キャリア
上記キャリアは、LEDダイと好ましくは直接接している。上記キャリアは、第1の発光材料を有する封止剤を有していてもよいが、LEDダイの上に配された発光セラミック(下記も参照されたい。)を有していてもよい。上記キャリアは、また、LEDダイの上に配された発光層を有していてもよい。発光セラミック及び発光層の両方は、封止剤により封入されることが可能であり、オプションで第1の発光材料も有し得る。上記キャリアは、キャリアにおいて生成される熱を流すために、好ましくはヒートシンクと接している。
【0047】
上記LED及びキャリアは、まとめて「光源」として示されている。
【0048】
反射器及び空洞部
上記透過機構と光源とのゼロではない距離は、例えば、光源が空洞部又はチャンバ(上記も参照されたい。)内に配され、透過機構が封入構造体の一部である形態により実現される。上記封入構造体は、実質的には透過機構で構成されるが、一般に、封入構造体の一部のみが該機構で構成される。封入構造体の他の部分は、プリント回路基板(PCB;プリント配線基板(PWB)として示されることもある。)である。
【0049】
一形態では、上記空洞部は、LED光及びオプションで発光材料の放射を反射させて空洞部内に戻す空洞部反射器を(更に)有しており、この空洞部反射器は、可視光の垂直照射の下で、少なくとも青色領域において少なくとも約95%、特に少なくとも約98%の反射率を有する。
【0050】
具体的な形態では、上記空洞部反射器は、拡散反射器を有しており、更に特には拡散反射器である。一形態では、空洞部反射器は、テフロン(登録商標)、MCPET(微細発砲ポリエチレンテレフタレート)及びマトリクス材料中の粒子状TiOより成る群から選択される1つ又はそれ以上の材料を有している。他の形態では、空洞部反射器は、鏡面反射器を有しており、更に特には鏡面反射器である。更に他の形態では、空洞部反射器は、拡散性かつ鏡面反射性の反射器を有している。例えば、上記反射器は、部分的に鏡面反射性であり、部分的に散乱性である。
【0051】
一形態では、上記空洞部は、円筒、立方体、直平行六面体(直角プリズムとも呼ばれている。)、五角形プリズム及び六角形プリズム(すなわち、六面体形状)より成る群から選択される形を有している。具体的な形態では、上記空洞部は、円筒形状をしている。更に他の具体的な形態では、上記空洞部は六角形である。特に、六角形/形状の場合、上記空洞部反射器は、鏡面反射器又は拡散と鏡面との組み合わせの反射器を有する。好ましくは、空洞部反射器は、円錐、放物面又は楕円体の形状を有している。
【0052】
LEDをベースにした光源におけるリモートルミネセンス材料は、システムの有効性に関して、特に低い色温度(暖白色)の光の生成の場合に非常に有利であるように思われる。透過機構又はフィルムに発光材料を塗布することは、吸収されるかなり高い可能性を有するLEDに少量の光だけが反射して戻ってくるので、高いシステムの有効性をもたらす。LEDから離れた発光材料を用いることは、LEDパッケージ内に発光材料を備えたシステムと比較して約50%までの有効性の向上をもたらす。
【0053】
LED及び発光材料
一形態では、上記LEDは青色の放射を発し、(a)上記第1の発光材料は、青色LED光の少なくとも一部を吸収し、緑色の放射を発する緑色発光材料を有し、(b)上記第2の発光材料は、青色LED光の少なくとも一部、緑色の放出の少なくとも一部又は青色の放出の少なくとも一部及び緑色の放出の少なくとも一部の両方を吸収し、赤色の放射を発する赤色及び/又は赤橙色発光材料を有している。このやり方では、(所定の色の)照明デバイス光は白色光である。とりわけ、LEDの出力、青色LED光のスペクトル及び発光材料の量に依存して、種々の色温度の白色光が構成され得る。
【0054】
他の形態では、上記LEDは青色の放射を発し、(a)上記第1の発光材料は、青色の放射の少なくとも一部を吸収し、黄色の放射を発する黄色発光材料を有し、(b)上記第2の発光材料は、青色LED光の少なくとも一部、黄色の放射の少なくとも一部又は青色の放射の少なくとも一部及び黄色の放射の少なくとも一部の両方を吸収し、赤色の放射を発する赤色及び/又は赤橙発光材料を有する。この赤色発光材料は、とりわけCRIを更に向上させるために適用される。
【0055】
一形態では、上記照明デバイスは、4ないし64個等の2ないし100個のオーダーのようなLED光を発する複数の発光ダイオード(LED)を有している。
【0056】
本明細書における白色光という用語は、当業者には既知である。それは、特に、約2000〜20000K、特に2700〜20000Kの相関色温度(CCT)を有する光に関係があり、一般照明に関しては特に約2700K及び6500Kの範囲、背面照明の目的に関しては特に約7000K及び20000Kの範囲において関係があり、特にBBLから約15SDCM(等色標準偏差)以内、特にBBLから約10SDCM以内、更に特にはBBLから約5SDCM以内に関係がある。
【0057】
「青色光」又は「青色の放射」という用語は、約410ないし490nmの範囲の波長を有する光に特に関係がある。「緑色光」という用語は、約500ないし570nmの範囲の波長を有する光に特に関係がある。「赤色光」という用語は、約590ないし650nmの範囲の波長を有する光に特に関係がある。「黄色光」という用語は、約560ないし590nmの範囲の波長を有する光に特に関係がある。
【0058】
これらの用語は、特に、発光材料が、例えば、約500ないし570nm、約590ないし650nm及び約560ないし590nmそれぞれの範囲を超える波長を伴う放射を有する広帯域の放射を有することを排除するものではない。しかしながら、そのような発光材料(又はLEDそれぞれ)の放射の主波長は、本明細書において与えられている範囲内でそれぞれ見出される。従って、「〜の範囲内の波長を伴う」という表現は、放射が指定された範囲内に支配的な放射波長を有することを特に意味している。
【0059】
特に好ましい発光材料は、ガーネット及び窒化物から選択され、特に、三価のセリウム又は二価のユーロピウムがそれぞれドープされたガーネット及び窒化物から選択される。
【0060】
ガーネットの具体例は、A12(Aは少なくともイットリウム又はルテチウムを含み、Bは少なくともアルミニウムを含む。)のガーネットを特に含んでいる。そのようなガーネットは、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)又はセリウムとプラセオジムとの組み合わせがドープされ得るが、特にCeがドープされる。特に、Bは、アルミニウム(Al)を含んでいるが、ガリウム(Ga)及び/又はスカンジウム(Sc)及び/又はインジウム(In)を部分的に含むことも可能であり、特にAlの約20%まで、更に特にはAlの約10%まで含むことも可能であり(すなわち、Bのイオンは、本質的に90モル%又はそれよりも多いAlと、10モル%又はそれよりも少ないGa,Sc及びInの1つ又はそれ以上とから成る。)、特に約10%までのガリウムを含み得る。他の変形例では、B及びOが、Si及びNと少なくとも部分的に置換される。元素Aは、特に、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)及びルテチウム(Lu)より成る群から選択される。また、Gd及び/又はTbは、特にAの約20%の量までのみ存在する。具体的な形態では、ガーネット発光材料は、(Y1−xLu12:Ce(xは0以上且つ1以下である。)を有する。
【0061】
「:Ce」という表現は、発光材料の金属イオンの一部(すなわち、ガーネットの、「A」イオンの一部)がCeと置換されていることを示している。例えば、(Y1−xLuAl12:Ceであると仮定すると、Y及び/又はLuの一部がCeと置換されている。この表記法は、当業者には既知である。Ceは、一般に10%以下に関してAを置換し、一般に、Ceの濃度は、(Aに対して)0.1ないし4%、特に0.1ないし2%の範囲内である。1%Ce及び10%Yとすると、省略形ではない式は(Y0.1Lu0.89Ce0.01Al12である。ガーネット中のCeは、当業者に知られているように、実質的に又は専ら三価の状態である。
【0062】
上記赤色発光材料は、一形態では、(Ba,Sr,Ca)S:Eu、(Ba,Sr,Ca)AlSiN:Eu及び(Ba,Sr,Ca)Si:Euより成る群から選択される1つ又はそれ以上の材料を有している。これらの化合物では、ユーロピウム(Eu)は実質的に又は専ら二価であり、表示されている二価の陽イオンの1つ又はそれ以上を置換している。一般に、Euは、陽イオンの10%よりも大きい量では存在せず、特に、陽イオンに対して約0.5ないし10%の範囲内、更に特には約0.5ないし5%の範囲内において置換する。「:Eu」という表現は、金属イオンの一部がEuと(これらの例ではEu2+と)置換されていることを示している。例えば、CaAlSiN:Euにおいて2%Euとすると、正確な式は(Ca0.98Eu0.02)AlSiNである。二価のユーロピウムは、一般に、上記二価のアルカリ土類、特にCa,Sr又はBaの陽イオンのような二価の陽イオンを置換する。
【0063】
上記材料(Ba,Sr,Ca)S:Euは、MS:Euとも表示され得る。ここで、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)より成る群から選択される1つ又はそれ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においてカルシウム若しくはストロンチウム又はカルシウム及びストロンチウムを有し、更に特にはカルシウムを有する。ここでは、Euが採り入れられ、Mの少なくとも一部(すなわち、Ba、Sr及びCaの1つ又はそれ以上)を置換している。
【0064】
また、上記材料(Ba,Sr,Ca)Si:Euは、MSi:Euとも表示され得る。ここで、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)より成る群から選択される1つ又はそれ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においてSr及び/又はBaを有する。更に具体的な形態では、Mは、Sr及び/又はBaより成っており(Euの存在を考慮していない。)、特に、Ba1.5Sr0.5Si:Eu(すなわち、75%のBa;25%のSr)のような50ないし100%、特に50ないし90%のBaと、50ないし0%、特に50ないし10%のSrとから成っている。ここでは、Euが採り入れられ、Mの少なくとも一部(すなわち、Ba、Sr及びCaの1つ又はそれ以上)を置換している。
【0065】
同様に、上記材料(Ba,Sr,Ca)AlSiN:Euは、MAlSiN:Euとも表示され得る。ここで、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)及びカルシウム(Ca)より成る群から選択される1つ又はそれ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物においてカルシウム若しくはストロンチウム又はカルシウム及びストロンチウムを有し、更に特にはカルシウムを有する。ここでは、Euが採り入れられ、Mの少なくとも一部(すなわち、Ba、Sr及びCaの1つ又はそれ以上)を置換している。
【0066】
本明細書における発光材料という用語は、無機発光材料に特に関係があり、無機発光材料が発光材料として示されていることもある。これらの用語は、当業者には既知である。
【0067】
好ましくは、一形態では、上記第2の発光材料は、(Ca,Sr,Ba)AlSiN:Eu、好ましくは、CaAlSiN:Euを有している。また、前者と組み合わせられ得る他の形態では、第2の発光材料は、(Ca,Sr,Ba)Si:Eu、好ましくは、(Sr,Ba)Si:Euを有している。「(Ca,Sr,Ba)」という表現は、対応する陽イオンが、カルシウム、ストロンチウム又はバリウムによって占められることを示している。この表現は、また、そのような材料において対応する陽イオンの部位が、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムより成る群から選択される陽イオンで占められることも示している。従って、上記材料は、例えば、カルシウム及びストロンチウム又はストロンチウムのみ等を有し得る。
【0068】
当業者には明らかであるように、第1の発光材料の組み合わせも適用され得る。同様に、第2の発光材料の組み合わせも適用され得る。
【0069】
また、当業者に明らかであるように、構成元素、活性剤の濃度、粒径等の1つ若しくはそれ以上についての発光材料の最適化、又は発光材料の組み合わせについての最適化が、照明デバイスを最適なものにするために適用され得る。
【0070】
透過機構
特に、光源から(すなわち、特にキャリアから)ゼロではない距離で、透過機構が配されている。
【0071】
本明細書中の「透過(transmissive)」という用語は、一形態では透明のことを意味し、他の形態では半透明のことを意味している。これらの用語は、当業者に既知である。透過は、特に、透過機構による光の透過が、完全な可視領域(すなわち、約380ないし680nm)の一部分又はそれ以上の部分において、例えば、(透過機構への光の垂直照射の下で)少なくとも約2%、とりわけ少なくとも約5%、更に特には少なくとも約10%であることを示している。青色光を与える光源を仮定すると、好ましくは、青色光の少なくとも一部が透過機構により透過される。また、第2の発光材料の上流の機構を仮定すると、好ましくは第2の発光材料により生成される放射の少なくとも一部が、例えば、(透過機構への光の垂直照射の下で)少なくとも約2%、特に少なくとも約5%、更に特には少なくとも約10%透過機構により透過され、好ましくは、少なくとも約40%等の少なくとも約20%のような更に多くが透過機構により透過される。
【0072】
上記透過機構は、自己支持形であり得るが、一形態では、例えば(例えば、デバイスの空洞部の壁面間で)延伸されたフレキシブルフィルムである。上記透過機構は、板のような実質的に平らな形状を有していてもよいが、他の形態においては、例えばドームのような実質的に凸形の形状を有している。
【0073】
上記透過機構は、一形態では、有機材料を有している。好ましい有機材料は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネート)、P(M)MA(ポリ(メチル)メタクリレート)、ポリメチルメタクリルイミド(PMMI)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PDMS(ポリジメチルシロキサン)及びCOC(シクロオレフィンコポリマ)より成る群から選択される。ポリカーボネートが、例えば良い結果をもたらした。
【0074】
しかしながら、他の形態では、上記透過機構は無機材料を有している。好ましい無機材料は、ガラス、(溶融)石英、セラミック及びシリコンより成る群から選択される。
【0075】
上述したように、上記透過機構は、第2の発光材料の少なくとも一部を有している。透過機構が第2の発光材料を有しているということは、(第2の)発光材料の一部が照明デバイスの他の場所に配されることを排除するものではないが、具体的な形態では、実質的に全ての第2の発光材料が透過機構により構成される。「透過機構が第2の発光材料を有している」という表現は、第2の発光材料が透過機構に組み込まれた透過機構と、第2の発光材料自体である透過機構と、第2の発光材料を有する下流(射出窓に面する側)のコーティング部を備えた透過機構と、第2の発光材料を有する上流(LEDに面する側)のコーティング部を備えた透過機構と、第2の発光材料を有する上流及び下流の両方のコーティング部を備えた透過機構と、第2の発光材料自体であり、第2の発光材料を有する下流のコーティング部を備えた透過機構のようなこれらの選択肢の2つ又はそれ以上の組み合わせとより成る群から選択される透過機構に関係がある。
【0076】
上記第2の発光材料は、発光材料の組み合わせであることも可能であるので、これらの発光材料は、組み合わせとして配されてもよいが、異なる場所に配されてもよい。例えば、透過機構自体に組み込まれた第2の発光材料を有する透過機構又は発光材料自体である透過機構も、透過機構上の1つ若しくはそれ以上の上流又は下流のコーティング部に組み込まれた「第3の」発光材料と組み合わせて設けられ得る。
【0077】
好ましい形態では、上記透過機構は、第2の発光材料の少なくとも一部を有するコーティング部を有する上流面を備えている。そのような形態は、第2の発光材料の離れた(すなわち、LEDから離れた)場所からと射出窓から相対的に離れた場所から(白色光で照射される際の射出窓の色の脱飽和)との両方の利益を得る。
【0078】
具体的な形態では、上記第2の発光材料の少なくとも一部は透過性のセラミック発光材料を有しており、上記透過機構は透過性のセラミック発光材料を有している。従って、この形態では、透過機構は、発光セラミックである。特に好適な発光セラミックは、本明細書において説明されたようにセリウム含有ガーネットをベースにしているか、又は(二価の)ユーロピウム含有酸窒化物をベースにしている。透過性のセラミック層又は発光セラミック及びそれらの生成方法は、当該技術分野において既知である。それは、例えば、米国特許出願第10/861,172号(US2005/0269582)、米国特許出願第11/080,801号(US2006/0202105)又は国際特許出願公開WO2006/097868、国際特許出願公開WO2007/080555、米国特許出願公開US2007/0126017及び国際特許出願公開WO2006/114726公報に述べられている。上記文献及び特にこれらの文献において与えられているセラミック層の生成についての情報は、参照することにより本明細書に組み込まれたものとする。
【0079】
LEDに発光材料を配する代わりに、第2の発光材料を有する透過性のセラミック層の機構を配することは、第2の発光材料と光源とのゼロではない距離を可能にする。この距離(第2の発光材料と光源との距離)は、本明細書ではdLLとして示されている。距離dLLは、特に最短距離である。これは、一形態において、光源と第2の発光材料とのいかなる最短距離もが0mmよりも大きいことを意味する。一形態では、第2の発光材料と光源との距離(dLL)は、約0.5ないし2mm等の少なくとも0.2mm又は1ないし15mm等の約1ないし30mmのような0.1ないし50mmの範囲内、特に0.1ないし30mmの範囲内、更に特には0.1ないし15mmの範囲内である。
【0080】
上記照明デバイスは、透過機構の1つ又はそれ以上が発光材料を有する状態で、場合によっては異なる発光材料とLEDとの距離(dLL)で、1つよりも多い透過機構を有し得る。上記1つよりも多い透過機構は、例えば異なる発光材料を有している。
【0081】
本発明の実施の形態が、対応する参照符号は対応する部分を示す添付の模式的な図面を参照して、単に例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1a】本発明の照明デバイスの非限定的な幾つかの可能な構成を模式的に示している。
【図1b】本発明の照明デバイスの非限定的な幾つかの可能な構成を模式的に示している。
【図1c】本発明の照明デバイスの非限定的な幾つかの可能な構成を模式的に示している。
【図2a】照明デバイスの非限定的な幾つかの実施の形態を断面図で模式的に示している。
【図2b】照明デバイスの非限定的な幾つかの実施の形態を断面図で模式的に示している。
【図3a】照明デバイスの非限定的な幾つかの実施の形態を断面図で模式的に示している。
【図3b】照明デバイスの非限定的な幾つかの実施の形態を断面図で模式的に示している。
【図3c】照明デバイスの非限定的な幾つかの実施の形態を断面図で模式的に示している。
【図3d】照明デバイスの非限定的な幾つかの実施の形態を断面図で模式的に示している。
【図4】照明デバイスの一実施の形態を断面図で模式的に示している。
【図5a】照明デバイスの光学的な結果を示している。
【図5b】照明デバイスの光学的な結果を示している。
【発明を実施するための形態】
【0083】
必須の構成要素のみが示されている。駆動機構、光学フィルタ、コリメータ(図4を除く)のような更なる光学素子、取付け部品(fittings)のような当業者に既知の他の構成要素は、模式図には示されていない。
【0084】
図1aないし図1cは、本発明に係る照明デバイス10の実施の形態を模式的に示している。照明デバイス10は、光源100と、光源100から離れた透過機構200とを有している。光源100は、LED光111を生成する発光デバイス(LED)110と、第1の発光材料130を有するキャリア120とを有し、光源光101を生成する。キャリア120は、LED110と接している。第1の発光材料130は、LED光111の少なくとも一部を第1の発光材料光131に変換する。
【0085】
第2の発光材料230の透過機構200は、光源100から離れて配されており、LED光111の少なくとも一部、第1の発光材料光131の少なくとも一部、又はLED光111の少なくとも一部及び第1の発光材料光131の少なくとも一部を第2の発光材料光231に変換する。それにより、照明デバイス光11が生成される。
【0086】
図1aは、発光材料層又は発光セラミックとしてのキャリア120を模式的に示している。図1bは、第1の発光材料130を有する樹脂のような封止剤123としてのキャリア120を模式的に示している。
【0087】
図1cは、更に、光線の伝搬を模式的に示している。最初に、キャリア120がLED110のすぐ下流にあることが注目される。更に、透過機構200が下流に、キャリア120から(及び従ってLED110からも)離れて存在している。LED110は、LED光111を生成する。また、キャリア120又はより正確にはキャリア120により構成される第1の発光材料130は、LED光111の吸収によって第1の発光材料光131を生成する。このやり方では、発光材料光131と、オプションでLED光111とを有する光源光101が生成される。
【0088】
この光源光101は、透過機構200により少なくとも部分的に透過され、部分的に吸収される。透過機構200は、第2の発光材料230を有しており、これは、LED光111の吸収及び/又は第1の発光材料光131の吸収の際に第2の発光材料光231を発する。このやり方では、透過機構200の下流に照明デバイス光11が見られる。この照明デバイス光11は、第2の発光材料光231、第1の発光材料光131及びオプションでLED光111を有している。
【0089】
図2a及び図2bは、機構200が光源100を少なくとも部分的に囲んでいるドーム、特に半球状である実施の形態を模式的に示している。このやり方では、空洞部又はチャンバ50が作られている。両方の例において、第1の発光材料130は、例として発光セラミック121又は発光層であるキャリア120により構成されている。両方の例において、第1のキャリア120は(これらの実施の形態では第1の発光材料130を有していない場合もある)封止剤123により囲まれている。光源100は、PCBのような支持体上に配されている。上記支持体は、また、ヒートシンク12としても示される。熱的接触が参照符号13により示されている。空洞部50は、更に、この支持体の一部により形成され得るが、オプションで反射器によっても形成され得る。両方の実施の形態において、反射器14は空洞部内に一体化されている。このやり方では、空洞部50からの取り出し(outcoupling)が最適化される。
【0090】
好ましくは、上記第1の発光材料は、LEDダイに対して相対的に高い半透明性(同じカラーポイントを実現するために粉末の発光材料の懸濁液についてよりもかなり高い)及び相対的に高い熱伝導(同様に、シリコンゴムマトリクス材料における粉末の発光材料の懸濁液についてよりもかなり高い)を有するモノリシックセラミック発光素子の形で適用される。
【0091】
第2の発光材料230として示されているリモートルミネセンス材料は、自己支持形の発光体、例えば、モノリシック発光セラミック若しくはポリカーボネートのようなマトリクス材料中に分散した粉末発光材料か、又は発光材料をコーティング支持構造体、例えば、内側に発光材料をコーティングしたガラス又はセラミック(例えば、YAG)の球形シェルかである。外側に第2の発光材料230を塗布すると、好ましくは、上記発光材料の粒子がマトリクス材料、例えば、ゾルゲル材料に埋め込まれる。好ましくは、比較的高い温度を可能にするために、専ら無機材料が第2のリモートルミネセンス材料230に用いられる。好ましくは、上記機構は、ヒートシンクに対して良好な熱伝導を持つアルミナセラミックのような比較的良好な熱伝導体である。
【0092】
機構200の表面積は、好ましくは、上記ダイの表面積よりも少なくとも10倍大きい。更に、機構200は、好ましくは、LEDダイ又はLEDダイの封止剤(すなわち、LEDの一次光学部品又はレンズ)と機構200との間に空隙が残るように実装されている。
【0093】
図2aは、第1の発光材料130が発光セラミック121に含まれ、第2の発光材料230が機構200内に埋め込まれた素子を模式的に示している。この機構200は、ここでは、射出窓300(例えば、ポリカーボネート(PC)又は(モノリシック)発光セラミック)として示されている。図2bは、第1の発光材料130が同様に発光セラミック121により構成され、第2の発光材料230が射出窓300、ここでは射出窓300の上流面にコーティングされたコーティング部201により構成された実施の形態を模式的に示している。第2の発光材料230を有する射出窓300は、機構200として(も)示される。
【0094】
図3aないし図3dは、複数のLED110及び/又は複数のキャリア120を有する実施の形態を模式的に示している。例として、射出窓300は、第2の発光材料230を有するポリママトリクス又は(モノリシック)発光セラミックのような第2の発光材料230を有する透過性のキャリアとして示されている。空洞部50の壁面50及び下部は、反射器14を備えている。
【0095】
図3aないし図3dは、一部のリモートルミネセンス材料230がリモートルミネセンス材料230における熱放散の減少により比較的高いソースの輝度を可能にする状態での光源100の幾つかの実施の形態を模式的に示している。
【0096】
例として、図3aでは、1つの光源100(左側の光源100)が発光材料層122としての第1の発光材料130を有しており、他の光源100(右側の光源100)は発光セラミック121としての第1の発光材料130を有している。両方の光源100において、発光材料130は、封止剤123により封入されている。(赤色又は赤橙色の)(セラミック発光)機構200は、ヒートシンク12と熱的に接して実装されている。
【0097】
図3bは、LEDパッケージ内の黄色発光セラミックカラーコンバータのような単一のキャリア120と組み合わせられた複数の青色LED110を模式的に示している。
【0098】
図3cは、光源100を覆って取り付けられたドーム形状のシェルとしてのモノリシックセラミック発光材料230のような機構200を模式的に示している。
【0099】
図3dは、特にセラミック(赤色又は赤橙色)のリモートルミネセンス材料230を有する共通の機構200を伴うLED110と、黄色及び緑色発光セラミックキャリア120とを有する光源100の組み合わせを模式的に示している。「赤色又は赤ないし橙色の発光材料」という用語及び同等の用語は、可視スペクトルの赤又は橙色の部分においてそれぞれ放射を出す発光材料を示している。
【0100】
図4は、コリメータ16を更に有する本発明の照明デバイス10の一実施の形態を模式的に示している。当業者に明らかであるように、コリメータ16の使用は、ここに表示されている光源100及び機構200の特定の構成に限定されず、コリメータ16は図3aないし図3dに表示されているような他の構成にも用いられ得る。コリメータ16は、支持体13と熱的に接触しており、従って、ヒートシンク12の一部になる。
【0101】
図5aには、5000Kをやや上回る相関色温度の寒白色LEDを有する光源及び赤色の窒化物発光材料を有するリモートルミネセンス材料素子を用いて測定された幾つかのスペクトル(出力密度(単位はW/nm)対波長(単位はnm))が示されている。この図では、専ら上記リモートルミネセンス材料の層の厚さが変更された場合の寒白色LED及び赤色を発するリモートルミネセンス材料素子を用いて得られた実験に基づくスペクトルが示されている。種々のリモートルミネセンス材料の負荷とともに得られた相関色温度が図示されており、約1800K以上の範囲であるが、白色LEDの色温度(このケースでは、約5100K)まで増大する。約440nmにおいて、高い強度から低い強度まで、5120K、3470K、2730K、2280K及び1790Kの曲線がそれぞれ表示されている。約550nmでは、順序は同じであり、650nmでは、順序は逆であって、この波長において1790Kの曲線が最高の強度を与え、5120Kの曲線が最低の強度を与えている。
【0102】
図5bには、600から630nmの主波長を持つ赤色LEDからの光と一緒に白色光をもたらす青色LED及び黄色発光材料からの光の放出に関する米国特許US7213940B1公報において主張された色度領域が示されている。また、本発明の開示において説明されるような設計ルールに従って実現されたLEDモジュールに用いられる寒白色LEDの色度座標及び(発光材料の負荷のみが変更された場合の)幾つかのリモートルミネセンス材料成分を伴うモジュールの座標も示されている。白色放射体が上述した先行特許において主張されている範囲から外れていることはグラフから明らかである。更に、本発明の開示により定義されるシステムの場合、上記リモートルミネセンス材料の成分が青色光だけではなく、黄ないし緑色光も変換し、結果として、白色LEDはモジュールにより発せられる光の高い方の色温度のみを定義する一方で、実際の色温度は赤色発光材料層の厚さにより決定されるので、米国特許US7213940B1により構築されるシステムの場合よりも非常に広範囲の色温度が実現され得る。
【0103】
この図において、結果として得られるカラーポイントは、駆動又は周囲の条件が変化してもほとんど変化しないこと、及び更にカラーポイントは黒体軌跡に非常に近く、専ら赤色のリモートルミネセンス材料の層の厚さが変更されることが認められる。同じLED及び同じ発光材料は全てのこれらの製品に用いられ得るので、これは種々の色温度での製品の極めて簡単な実現を可能にする。(従って、)本発明に係る照明デバイスは、また、約15SDCM以内、特に約10SDCM以内、更に特には約5SDCM以内のようなBBLに非常に近いカラーポイントを持つ光を与える。
【0104】
LEDの電力変換効率(wall plug efficiency)及び黄ないし緑、赤ないし橙色の発光材料の量子効率に関して今日の達成可能な値を用いて、LED及び2つの発光材料における相対的な発熱が決定され、3000Kの色温度についての結果が表1に与えられている。
【0105】
表1 赤色発光材料の2つの異なるポンピング状態について3000Kのカラーポイントを得るための青色LED、「赤色発光材料」((Sr,Ca)AlSiN:Eu)及び「緑色発光材料」(YAG:Ce)における相対的な電力損失

【0106】
下記の表(表2)に、上記リモートルミネセンス材料素子における相対的な電力損失が、(表1のデータから作られるような)パラメータとして上記構成を用いて計算されている。
【0107】
表2 2つの異なる構成(緑色発光材料及び赤色発光材料両方ともリモート(離隔)素子内にある場合対赤色発光材料のみがリモート素子内にある場合)と赤色発光材料に対して2つの異なるポンピング状態(青色のみによる励起対緑色のみによる励起)とに対する第2の(リモート)発光素子の熱放散

【0108】
これらの結果から、第2の発光材料(リモートルミネセンス材料)において赤色発光材料のみを適用し、この発光材料を主に緑色発光材料からの光によりポンピングすると、上記リモートルミネセンス材料素子における熱放散は5倍低減され得ることが結論付けられる。後者は、赤色光を発生させる際、2倍の量子効率のロスのために少し効率が悪いが、上記リモートルミネセンス材料素子の著しく低い熱負荷をもたらす。従って、この手法を用いれば、リモートルミネセンス材料素子の成分に対して同一の熱の制約を仮定すると、完全なリモートルミネセンス材料素子を適用した光源と比較して光源の輝度が5倍増大する。著しい更なる輝度の増大は、リモートルミネセンス材料素子の成分の無機材料のみの適用により可能になる。幾つかの赤色発光材料に関して、これはそれらの温度消光により制限されるが、少なくとも(Ca,Ba,Sr)AlSiN:Euの赤橙色を発する窒化物発光材料の種類に関して、これは光源の輝度の更なる倍増を可能にする。完全なリモートルミネセンス材料素子の光源に対する10倍の全体の輝度の増大が、本発明に係る光源の構成の場合に見込まれる。
【0109】
従って、上述した策に従って、必要な波長変換のかなりの部分、好ましくはほとんどを担い、発光材料素子からLEDパッケージの基板への効率的な熱伝達をもたらす低い光散乱特性の(キャリアとして示されている)第1の発光素子が、LEDパッケージ内に(LEDダイ上に)与えられ、相対的に低い熱放散を伴う光の実質的に一部、好ましくは相対的に小さい部分を変換するためにLEDから離れて位置し、従って、比較的高い輝度においても比較的冷たいままである第2の発光素子が相対的に高い光散乱特性を持つLEDスポットランプの構成が提案される。この作用を改善するために、第2の発光材料(リモートルミネセンス材料)は、主としてLED上の(キャリアとして示されている)発光材料から発せられる光を変換する又はその少なくとも一部を変換するように選択され、従って、第2の発光材料素子におけるストークスシフトロスを低減する。好ましくは、第1及び第2の発光素子の両方が、モノリシックセラミック発光素子である。好ましくは、第1の発光素子はガーネット発光材料(YLu1−xAl12:Ce(0≦x≦1)を有し、第2の発光素子は(CaSrBa1−x−y)AlSiN:Eu(0≦x≦1、0≦y≦1−x)又は(CaSrBa1−x−ySi:Eu(0≦x≦1、0≦y≦1−x)のような窒化物発光材料を有している。好ましくは、第1の発光素子は平板であり、第2の発光素子はドームのようなシェルである。好ましくは、第1の発光素子を有するLEDパッケージにより発せられる光の相関色温度は、4100Kよりも高い。好ましくは、第1の発光素子及び第2の発光素子を備えたLEDを有するシステムにより発せられる光の相関色温度は、4100Kよりも低い。
【0110】
更なる観点では、本発明は、LED光を生成する発光デバイス(LED)(a1)と、第1の発光材料を有するキャリアであって、0.2ないし2mm等の0.1ないし2mm、特に0.1ないし1mmのような0.1ないし5mmの範囲内の最短距離で上記LEDと接しているか又は上記LED上に存在し、上記第1の発光材料は上記LED光の少なくとも一部を第1の発光材料光に変換する当該キャリア(a2)とを有する、光源光を生成する光源(a)と、第2の発光材料の透過機構であって、上記光源から離れて設けられ、上記LED光の少なくとも一部、上記第1の発光材料光の少なくとも一部、又は上記LED光の少なくとも一部及び上記第1の発光材料光の少なくとも一部を第2の発光材料光に変換する当該透過機構(b)とを有する照明デバイスを提供する。例えば、図1a、図1c、図2ないし図4を参照すると、LEDとキャリアとのゼロではない最短距離も存在し得る。
【0111】
「実質的に全ての放射」又は「実質的に構成される」のような本明細書における「実質的に」という用語は、当業者には理解されるであろう。「実質的に」という用語は、「全部」、「完全に」、「全て」等を伴う具体例も含んでいる。従って、上記実施の形態では、形容詞的な実質的には取り除かれ得る。適用可能である場合、「実質的に」という用語は、95%以上のような90%以上、特に99%以上、更に特には100%を含む99.5%以上に関係がある。「有する」という用語は、「有する」という用語が「より成る」を意味する具体例も含んでいる。本明細書におけるデバイスは、とりわけ動作中について説明されている。例えば、「青色LED」という用語は、その動作中に青色光を発生させるLEDのことを意味しており、言い換えれば、該LEDは青色光を発する。当業者には明らかであるように、本発明は、動作の方法又は動作中のデバイスに限定されない。
【0112】
上述した実施の形態は、本発明を限定するものではなく説明しており、当業者であれば添付の特許請求の範囲から逸脱することなく多数の代替の実施の形態を考案することができることに注意されたい。特許請求の範囲では、括弧内に配された任意の参照符号が、特許請求の範囲を限定するように解釈されるべきではない。動詞「有する」及びその活用の使用は、特許請求の範囲において述べられている構成要素又はステップ以外の構成要素又はステップの存在を排除するものではない。「及び/又は」という用語は、関連している列挙された事項の1つ又はそれ以上の任意の及び全ての組み合わせを含み得る。構成要素の前に付された冠詞「a」又は「an」は、複数のそのような構成要素の存在を排除するものではない。構成要素の前に付された冠詞「the」は、複数のそのような構成要素の存在を排除するものではない。幾つかの手段を列挙しているデバイスの請求項では、これらの手段の幾つかが、ハードウェアの1つの同じアイテムにより具現化され得る。ある方策が互いに異なる従属請求項において述べられているという単なる事実は、これらの方策の組み合わせが有利に用いられ得ないことを示してはいない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED光を生成する発光デバイス(LED)と、第1の発光材料を有するキャリアであって、前記LEDと接しており、前記第1の発光材料が前記LED光の少なくとも一部を第1の発光材料光に変換する当該キャリアとを有する、光源光を生成する光源と、
第2の発光材料の透過機構であって、前記光源から離れて配され、前記LED光の少なくとも一部、前記第1の発光材料光の少なくとも一部、又は前記LED光の少なくとも一部及び前記第1の発光材料光の少なくとも一部を第2の発光材料光に変換する当該透過機構と
を有する、照明デバイス。
【請求項2】
前記LEDが青色発光LEDを有し、前記第1の発光材料が黄緑のスペクトル範囲に主波長を持つ光を発し、前記第2の発光材料が赤橙の範囲に主波長を持つ光を発する、請求項1記載の照明デバイス。
【請求項3】
前記LEDが青色発光LEDを有し、前記第1の発光材料が、三価のセリウムを含有するガーネット、二価のユーロピウムを含有する酸窒化物、二価のユーロピウムを含有するケイ酸塩及び二価のユーロピウムを含有するチオガリウム酸塩より成る群から選択される1つ又はそれ以上の発光材料、好ましくは少なくとも三価のセリウムを含有するガーネットを有し、前記第2の発光材料が、三価のセリウムを含有するアルカリ土類硫化物及び二価のユーロピウムを含有する窒化物より成る群から選択される1つ又はそれ以上の発光材料、好ましくは少なくとも二価のユーロピウムを含有する窒化物を有する、請求項1記載の照明デバイス。
【請求項4】
前記第2の発光材料が、(Ca,Sr,Ba)AlSiN:Eu、好ましくはCaAlSiN:Euを有する、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項5】
前記第2の発光材料が、(Ca,Sr,Ba)Si:Eu、好ましくは(Sr,Ba)Si:Euを有する、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項6】
前記キャリアが発光セラミックを有する、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項7】
前記キャリアが発光材料層を有する、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項8】
前記キャリアが前記第1の発光材料を有する封止剤を有する、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項9】
前記キャリア及び前記透過機構が、ヒートシンクと接している、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項10】
前記透過機構が射出窓にコーティングされたコーティング部を有し、このコーティング部が前記第2の発光材料を有する、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項11】
前記透過機構が、前記第2の発光材料を有する射出窓を有する、請求項1ないし10のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項12】
前記射出窓が、中空形状を有し、前記光源を少なくとも部分的に囲んでいる、請求項10又は11記載の照明デバイス。
【請求項13】
前記光源光が、黒体軌跡(BBL)の15SDCM(等色標準偏差)以内のカラーポイントを持つ白色光である、請求項1ないし12のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項14】
前記第2の発光材料が前記第1の発光材料光の少なくとも一部を変換する、請求項1ないし13のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項15】
第1の発光材料光及び第2の発光材料光と、オプションでLED光とを有する照明デバイス光を生成し、前記光源及び前記透過機構を少なくとも部分的に囲み、前記照明デバイス光を平行にするコリメータを更に有する、請求項1ないし14のいずれか一項に記載の照明デバイス。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【公表番号】特表2012−521086(P2012−521086A)
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500354(P2012−500354)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【国際出願番号】PCT/IB2010/051147
【国際公開番号】WO2010/106504
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】