説明

リワーク装置

【課題】アンダーフィル材ではんだバンプが保護されたデバイスを、周囲のデバイスに影響を与えず基板から確実に取り外す。
【解決手段】ヘッド部の昇降に伴いピンセット4、検出ピン20、温度センサーを昇降できる。ピンセット4は下端かぎ部5a、6aを対向したピンセット片5、6からなる。デバイス41の幅Dに対して、ピンセット片5、6は第1位置、第2位置を取る。温度検出位置で、ピンセット4等を保持して、デバイス41のはんだバンプ44、アンダーフィル材45を加熱する(a)。設定温度となったならばピンセット4等を下降させ、検出ピン20の下端がデバイス41の上面42に当接したなら下降を停止する(b)。ピンセット片5、6の幅を狭めて第2位置とし、下端かぎ部5a、6aでデバイス41をつかみ(c)、ピンセット4等を上昇させ、デバイス41を分離する(d)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気回路に基板に取り付けた半導体のデバイスを容易に取り外すことができるリワーク装置で、主にアンダーフィル材でデバイスが固められて基板に最適である。
【背景技術】
【0002】
プリント基板に半導体などのデバイスを取り付ける場合、回路・デバイスが複雑化して、デバイスとプリント基板との接点も複雑化しており、デバイスの下部とプリント基板の間に粘性が高いアンダーフィル材を充填して、プリント基板の機械的強度を増強していた。不具合が生じたデバイスをプリント基板から取り外す場合、通常のプリント基板では、はんだ材を溶融させれば、目的のデバイスのみを取り外すことができたが、アンダーフィル材を使用したプリント基板では、はんだ以外にアンダーフィル材の処理が必要となっていた。昨今のモバイル製品の増加に伴い、アンダーフィル材の使用も増加している。
【0003】
現状では、アンダーフィル材に適したリワーク装置は無く、多くの装置はピンセット等の挟む工具を使用して不便な手作業で取り外していた。また、アンダーフィル材を使用したデバイスでは加熱しても接合部の粘性が高く、真空吸着によるピンセットでは、デバイスを取り外すことができなかった。
【0004】
そこで、手動による場合として、デバイスの外形に合わせた加熱用のノズルをデバイスにかぶせ、熱風を噴射させ、適宜な温度コントロールを行って、デバイスのはんだ部分を熔解させて、同時にアンダーフィル材を軟化させ、この状態を適宜に検出し、ピンセット等でデバイスを挟んで、摘み上げていた。このような方法による最大の欠点は手動での摘みあげの際、手ぶれによって、周辺に配置された、対称外部品をもうごかしてしまう不都合がある。また上記ノズルのなかに機械的なチャックを組こんで自動でデバイスを摘みあげる、装置も考えられるが、高熱のノズルの中に微妙な動きの部品を組み込むこと自体、極めてむずかしく、いまだ充分な信頼性をもった装置は実在していない現状にある。
【0005】
また、このような中で一の提案では、取り外す半導体チップ(デバイス)にヒータブロックを押し当てて、温度上昇させて、基板の表面に沿って、剥離用プレートを挿入して、半導体チップを除去する方法が提案されている(特許文献1)。
【0006】
また、他の提案では、ヒートブロックで電子部品(デバイス)を加熱して、はんだ融点以上に達した後にヒートブロックを開放して、ピンセットで挟んだり、ヒートブロックと一体のピックアップ用の爪を回転させて電子部品にフッキングする提案がなされていた(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−81266
【特許文献2】特開2007−5683
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記従来の技術の一の提案では、ヒータブロックでの加熱工程と剥離プレートでのデバイスの取り外し工程にタイムラグが生じ、最適な温度下での作業が難しく、また周囲のデバイスに触れることなく剥離プレートを差し込むことは困難であった。
【0009】
また、他の方法では、ピンセットを使う場合には、手動によるしかなく前記のような手動の問題点があり、また爪を回転させる為には、機構が必要となり、周囲のデバイスに影響が無いようなコンパクトな仕組みは困難であった。また、ヒートブロックによる加熱工程と取り外し工程とのタイムラグが生じているのは、前記一の提案と同様である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
然るにこの発明は、先端にかぎ部を有する複数のピンセット片を隔離可能としてピンセットを構成し、ピンセットの両側に加熱手段を設けたので、前記問題点を解決した。
【0011】
即ちこの発明は、以下のように構成したことを特徴とする電気回路の基板にはんだで取り付けられた半導体のデバイスを取り外すリワーク装置である。
(1) 取り外し対象のデバイスの上方に位置し、昇降するピンセットを有する。
(2) 前記ピンセットは、少なくとも2本のピンセット片からなり、両ピンセット片の先端の間隔を、前記デバイスの幅に対応して開いて配置した。
(3) 前記ピンセット片の先端部に、先端を他のピンセット片側に向けて屈曲した「かぎ部」を形成する。
(4) 前記両ピンセット片の「かぎ部」は、相対的に接近又は隔離可能とした。
(5) 前記ピンセットの両側に、前記ピンセットがデバイスに当接した状態で、前記デバイスのはんだを加熱できる位置に加熱手段を設ける。
【0012】
また、前記において、以下のように構成したリワーク装置である。
(1) 両ピンセット片の間に、ピンセットと共に昇降してデバイスに当接して、前記ピンセットと前記デバイスの相対位置を計測できる検出ピンを設け、
(2) 前記検出ピンを略鉛直に配置して、前記ピンセット片の「かぎ部」を前記検出ピンの下端部と略同一高さで形成した。
【0013】
また、前記において、以下のように構成したリワーク装置である。
(1) 幅Dのデバイスを挟持できるピンセット片からピンセットを構成し、該ピンセット片の間隙Wを第1位置及び第2位置を取れる構造とし、
(2) 前記第1位置で、前記両ピンセット片のかぎ部の間隔W11とするとき、W11>D とし、
(3) 前記第2位置で、前記両ピンセット片のかぎ部の間隔W12とし、両ピンセット片の間隔W22とするとき、 W12<D、かつ W22≒D
とした。
【0014】
さらに、前記において、以下のように構成したリワーク装置である。
(1) ピンセット片が第1位置にある状態でピンセットを下降して、検出ピンの下端がデバイスの上面に当接した際に、前記ピンセットの下降を停止、かぎ部を基板の上面より上方で前記デバイスの下面より下方に位置させる自動位置調節手段を設ける。
(2) 待機位置に前記ピンセットを保持して、ヒータで前記デバイスを加熱し、前記デバイスが設定温度となったならば前記ピンセットを下降させる自動温度検出手段を設ける。
(3) 前記検出ピンの下端が前記デバイスの上面に当接した際に、ピンセット片を移動して第2位置とすると共に、同時又は所定時間経過後に前記ピンセットを上昇させる自動作動手段を設ける。
【0015】
前記におけるピンセットの昇降は、鉛直方向又は鉛直と所定の角度(例えば0〜30度程度)を保って斜めに設定することもできる。
【0016】
また、前記におけるヒータは、遠赤外線、集光型の赤外線等の赤外線を利用したもの、ハロゲンランプ等のランプ類の輻射熱系や、各種ビームなど、従来からリワーク装置などのはんだの溶解に使用されてきたものを使用することができる。
【発明の効果】
【0017】
先端にかぎ部を有する少なくとも2つのピンセット片のかぎ部の間隔を相対的に接近又は隔離可能として、ピンセットを構成して、ピンセットを昇降させると共に、ピンセットの両側に加熱手段を設けたので、デバイスを効率よく加熱し、加熱したデバイスの上方からピンセットを下降させて、デバイスの下面付近に位置させたピンセット片の間隔を狭めれば、アンダーフィル材があっても、かぎ部がアンダーフィル材内に入り、デバイスの下面を係止して、ピンセットの上昇により、目的のデバイスのみを基板から除去できる。
【0018】
また、両ピンセット片の間にデバイスに当接する検出ピンを設ければ、デバイスとピンセット・温度センサーとの相対位置を確認でき、温度自動制御により、はんだやアンダーフィル材の溶解後に効率よくデバイス除去できる。
【0019】
また、デバイスの幅Dに対して、第1位置で、ピンセット片のかぎ部の間隔W11とするとき、W11>D とし、第2位置で、前記両ピンセット片のかぎ部の間隔W12とし、両ピンセット片の間隔W22とするとき、 W12<D、かつ W22≒D とすれば、初期設定を容易としてより正確に自動制御で、デバイスを除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明のリワーク装置の正面図である。
【図2】この発明のリワーク装置の左側面図である。
【図3】リワーク装置に使用するピンセットで(a)が左側面図、(b)が正面図である。
【図4】(a)〜(d)はピンセット片の先端かぎ部を表す拡大図である。
【図5】加熱枠の拡大平面図である。
【図6】(a)〜(d)は、デバイスを取り外す過程を表した拡大図である。
【図7】この発明の実施例2のリワーク装置の正面図である。
【図8】この発明の実施例2のリワーク装置の側面図である。
【図9】図7の正面図の一部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(1) リワーク装置35は、昇降するヘッド部19の下端にピンセット4、検出ピン20、温度センサー21を設け、ピンセット4、検出ピン20、温度センサー21は、取り外し対象のデバイス41の上方に位置させる(図1、図2)。
【0022】
ピンセット4は、間隔Wを自由に変更できるピンセット片5、6からなり、ピンセット片5、6の下端に下端かぎ部5a、6aを向き合って形成してある。ピンセット片5、6の間に検出ピン20を配置し、下端かぎ部5a、6aの高さと検出ピン20の下端位置を概略一致させる。また、ピンセット片5、6の上方に温度センサー21を設ける。ピンセット片5、6を挟んで両側にヒータ22、23を設ける(図3、図1、図2)。
【0023】
(2) デバイス41の幅Dに対して、ピンセット片5、6は第1位置、第2位置を取ることができる。第1位置で、両ピンセット片5、6の先端かぎ部5a、6aの間隔W11とするとき、
11>D
とし(図6(a)(b))、第2位置で、両ピンセット片5、6の先端かぎ部5a、6aの間隔をW12とし、両ピンセット片5、6の間隔をW22とするとき、
12<D かつ W22≒D かつ W12<W22
となるように、予め自動位置調節手段で設定する(図6(c)(d))。また、自動位置調節手段では、ピンセット片5、6が第1位置にある状態でピンセット4を下降して、検出ピン20の下端がデバイス41の上面42に当接した際に、ピンセット4の下降を停止、下端かぎ部5a、6aを基板40の上面40aより上方で、デバイス41の下面43より下方に位置させるように、間隔Wと検出ピン20との相対高さを調節設定する(図6(b))。
【0024】
(3) 自動温度検出手段により、待機位置(温度検出位置)にピンセット4を保持して(図1、図2鎖線図示19a、図6(a))、ヒータ22、23を作動させ、デバイス41のはんだバンプ44、アンダーフィル材45を加熱し、デバイス41が設定温度となったならば(アンダーフィル材45、はんだバンプ44は溶解している)、ヒータ22、23を加熱したまま(若干温度を下げて、保温モードにして)ピンセット4を下降させる。
【0025】
(4) 自動作動手段により、検出ピン20の下端がデバイス41の上面42に当接した際に(図6(b))、ピンセット片5、6の幅Wを狭めて第2位置W22、W12とする(図6(c))と共に、同時又は所定時間経過後にピンセット4を上昇させる(図6(d))。これにより、基板40からデバイス41が分離され、ヒータ22、23による加熱を停止する。
【0026】
(5) 以上のようにして、自動操作で、基板40からデバイス41を除去できる。
【実施例1】
【0027】
図1〜図6に基づきこの発明の実施例を説明する。
【0028】
[1]リワーク装置35の構成
【0029】
(1) ベース1の背面側に筐体18を設けて、ベース1の前面側に基板ホルダー29を配置すると共に基板ホルダー29を前後左右上下に移動させる基板移動機構30を設ける。また、筐体18に、昇降自在にヘッド部19を設ける。
【0030】
(2) ヘッド部19に、下方に向けたピンセット片11、12を有するピンセット4と、ピンセット片11、12の間に位置する検出ピン20と、ピンセット片11、12の先端付近に、デバイスの表面付近の温度を検出できる温度センサー21とを取り付ける(図1、図2、図6(a))。温度センサー21の検出位置は、調節スイッチ33で調節可能となっている。
【0031】
ピンセット4は、シャーシー16に、ピンセット片ホルダー14、15が取り付けてあり、ピンセット片ホルダー14、15に、ピンセット片5、6の基端部(上端部)を、先端を下方に向けて、ビス14a、15aで、夫々取り付ける。ピンセット片5、6の下端の間隔は、距離Wで、取り付けられ、ピンセット片5、6の先端部(下端部)は、他方のピンセット片6、5側に向けて(略直角に、水平に)屈曲して、先端かぎ部5a、6aを形成する。ピンセット片5、6の中間部に、駆動片11、12が取り付けられ、駆動片11、12は、シャーシー16に、略平行に取り付けられたねじシャフト10に沿って夫々移動できるように取り付けられている。駆動片11、12は、ねじシャフト10上の異なる向きのねじ部分、逆ねじ部分に取り付けられ、ねじシャフト10の一方向の回動により、駆動片11、12は近づき、他方向の回転により離れるようになっている。モータ7の回転が、駆動ギア8を介して、ねじシャフト10に固定された被駆動ギア9に伝わり、ねじシャフト10が回転するようになっている(図3(a)(b))。
【0032】
従って、モータ7の一方向への回転により、駆動片11、12が離れ、ピンセット片の先端の距離Wが広がり、あるいはモータ7の他方向への回転により駆動片11、12が近づき、ピンセット片5a、6aの先端の距離Wが狭まるように、モータ7の回転で距離Wを調節できる。距離Wの調節は、ベース板1上の調節スイッチ34で行う。
【0033】
前記において、検出ピン20の取り付けた高さは、ヘッド部19の上方に突出させた昇降スイッチ32で、設定できる。
【0034】
側面視でピンセット片5、6が検出ピン20(鉛直)に対して、斜めになるように(図2)、シャーシー16がヘッド部19に固定され、平面視及び正面視で、ピンセット片5、6の先端と検出ピンの先端がほぼ同一高さに配置される。また、ピンセット片5、6は上部が例えば直径6mm程度で、円錐状部を介して、下部が例えば直径2mm程度で形成され、先端かぎ部5a、6aで0.2mm程度で、下部の2mmから先端の0.2mmに向けて徐々に細くなるように形成されている。また、ピンセット片ホルダー14、15の上端に板ばね13が取り付けられ、ピンセット片5、6の先端が開くように(離れるように=幅Wが大きくなるように)外方に向けて付勢されている。
【0035】
検出ピン20は、ヘッド部19に昇降自在に外皮パイプ20aが取り付けられ、外皮パイプ20aの下端部にデバイスに当接するパット(ゴム製)20bを設けてある。従って、検出ピン20の中は先端まで上下に亘り中空部が形成され、吸引機構を取り付ければ、検出ピン20の先端で吸引するように構成することもできる(図示していない)。
【0036】
検出ピンのパット20bと、ピンセット片5、6のかぎ部5a、6aは、略同一高さで、かつ前後方向で略同一の位置に配置されている。
【0037】
(3) 加熱装置28は、ヒータ23、24を有する加熱枠26を、ベース1に固定された加熱駆動部27に取り付けて構成する。加熱枠26は、平面四角形の加熱枠26内で、両側に、略平行に、遠赤外線による棒状のヒータ23、24を取り付け、加熱枠26内で、ヒータ23、24間に(ヒータ反射板に)、ピンセット片5、6を通過できる開口26aを形成する。開口26aは、ピンセット片5、6及び検出ピン20が通過する通過部26aaと、温度センサー21の検出光を通過できる通過部26abとを有する(図5)。
【0038】
加熱駆動部27は、加熱枠26が水平状態(加熱状態)(図1実線位置)と垂直状態(待機状態)(図1鎖線位置)の二位置をとることができるように、回転支点25周りに回動可能になっている。
【0039】
また、加熱枠26が水平状態で、基板40の上方に位置して基板40を上方から加熱できるようになり、この状態で、基板40の下面側から基板40を加熱する補助加熱装置を設ける(図示していない)。
【0040】
(4) 以上のようにして、リワーク装置35を構成する(図1、図2)。図中31は、温度変化をグラフ表示する画面や設定状態を表示する画面などを有するコントロールパネルである。
【0041】
また、ヘッド部19(ピンセット4、検出ピン20、温度センサー21)は、初期位置(図1、図2実線19位置)、温度検出位置(図1、図2鎖線19a位置)、デバイス取外し位置(図1、図2鎖線19b位置)の3つの高さで一旦停止できるように設定されて、停止高さを調節できるようになっている。
【0042】
[2]リワーク装置35の作動
【0043】
(1) ヘッド部19は初期位置にあり、基板40を、基板ホルダー29にセットして、取り外し対象のデバイス41が、センターに位置するように大まかに基板移動機構30を操作する。
【0044】
また、昇降スイッチ32を操作して、取り外し対象のデバイス41の厚さ・取付位置等により、検出ピン20の先端高さとピンセット片5、6の先端かぎ部5a、6aの相対高さを調整する。また、必要ならばビス14a、15aを緩めて、ピンセット片5、6の取付高さも再調節できる。
【0045】
(2) ヘッド部19を下降させ、温度検出位置で停止するので、取り外し対象のデバイス44の構造に合わせて、調節スイッチ33を操作して、温度センサー21の計測位置を調節する。
【0046】
(3) ヘッド部19を下降させて、取り外し対象のデバイス41の上面42に検出ピン20のゴム製パッド20bを当接させる。この状態で、ピンセット4のピンセット片5、6の先端かぎ部5a、6aの間隔W11を、ベース1上の調整スイッチ33、34で調節して、
デバイスの幅D<先端かぎ部5a、6aの間隔W11
となり、かつ、周囲の他のデバイス41にピンセット片5、6が当たらないような間隔W11を設定して、「第1状態」とする。このときのピンセット片5、6の間隔をW21とする。
【0047】
また、同時に、ゴム製パッド20bがデバイス41の上面42に当接した状態で、ピンセット片5、6のかぎ部5a、6aがデバイス41の下面43より下方(かつ基板40の上面40aより上方)に位置するように、ゴム製パッド20bとかぎ部5a、6aの相対位置も、昇降スイッチ32で微調節する。
【0048】
また、ピンセット片5、6がデバイス41を挟み、かぎ部5a、6aがデバイス41の下面に位置して、デバイス41を取り外しできるような間隔W12を設定して(W12<W11)、第2状態とする。この際に、ピンセット片5、6の間隔はW22(≒デバイス41の幅D)となる。
【0049】
また、この際、ピンセット4はヘッド部19と共に昇降するだけで、水平方向の移動手段を持たないので、第2状態で、ピンセット片5、6が所定の位置(デバイス41の辺の中心位置)となるように、基板移動機構30を操作して、デバイス41が所定位置となるように、基板40の位置を設定しておく。以上の操作はコントロールパネル31で行う。
【0050】
(4) 続いて、コントロールパネル31で、はんだバンブ44、アンダーフィル材45、デバイス41に適した温度プロファイルを呼び出し、設定する。
【0051】
(5) 以上の設定が完了したならば、コントロールパネル31のスタートボタン(図示していない)を押せば、自動的に、ヘッド部19が上昇して、初期位置に戻る。以下(6)〜(12)の作動が連続して実行される。
【0052】
(6) ヘッド部19が初期位置に戻ったならば、加熱駆動部27が、回転支点25周りに回動して、加熱枠26が水平位置となり、ヒータ22、23が取り外し対象のデバイス41の外周側に位置する。通常、ヒータ22、23が基板40上、約30mmに位置するように設定されている。
【0053】
(7) 続いて、ヘッド部19が下降して、温度検出位置で、一旦停止する。この際、検出ピン20のゴム製パッド20bは基板40上、約50mmの上方にあり、ピンセット4のピンセット片5、6間隔は第1状態(W21、W11)にある。
【0054】
(8) 続いて、ヒータ22、23が、設定した温度プロファイルに応じて発熱して、デバイス41(デバイス41のはんだバンプ44とアンダーフィル材45)を加熱する。この際、ヒータ22、23は取り外し対象のデバイス41とそのデバイス41の外周側に向けてあるので、アンダーフィル材45、はんだバンプ44の加熱効率が良い。また、この位置では、開口26a以外は塞がれているので、温度センサー21をはじめピンセット片5、6、検出ピン20が、ヒータ22、23の加熱の影響を直接受けないようになっており、かつ、温度センサー21の検出は開口26aの通過部26abを通して行われるので、温度検出には支障がない。また、温度センサー21の温度情報は、コントロールパネルの温度表示か画面に、例えば縦軸温度、横軸時間で表示される(図示していない)。
【0055】
(9) 温度センサー21が感知した温度が、予め温度プロファイルで設定した温度(通常240℃前後)に到達した段階で、ヘッド部19が再び下降をはじめ、ピンセット4(ピンセット片5、6)及び検出ピン20が、加熱枠26の中央間隙26aを通過して、下降する。この状態で、ピンセット4のピンセット片5、6の間隔は第1状態(W11)のままである。
【0056】
(10) 検出ピン20のゴム製パッド20bがデバイス41の上面42に当接すると、この状態で、先端かぎ部5a、6aが予め設定した下端位置に至ったことを検知して、ヘッド部19の下降(=ピンセット片5、6の下降)を止める。尚、この状態で、先端かぎ部5a、6aが既にアンダーフィル材45内に挿入されている場合もあるが、先端かぎ部5a、6aは0.2mm程度と細いので、アンダーフィル材内で自由に移動できる。
【0057】
同時に、ピンセット4のモータ7を作動させ、ピンセット片5、6のかぎ部5a、6aの間隔をW12に縮める(W12<D)。この状態で、ピンセット片5、6のデバイス41付近の間隔はW22となり(W22≒D)、またこの状態を、間隔W12、間隔W22の状態を「第2状態」とする。
【0058】
従って、第2状態で、ピンセット片5、6の先端かぎ部5a、6aは溶解したアンダーフィル材45の中に挿入され、さらにデバイス41の下面43に至り、ピンセット片5、6でデバイスを挟むと共に先端かぎ部5a、6aがデバイス14の下面43の周囲を支える。この状態でまだヒータ22、23は加熱している。
【0059】
また、この状態で、取り外し対象のデバイス41の周囲には、先端部で0.2mm程度と細いピンセット片5、6が縦に位置しているだけであるので、対象のデバイス41以外のデバイスに、リワーク装置35のいずれの部材も触れるおそれが無く、取り外し対象以外のデバイスの位置がずれるおそれがない。
【0060】
(11) 続いて、ピンセット片5、6がデバイス41を挟んだ状態で、ヘッド部19が上昇を始める。予め設定した高さまで上昇した時点で(デバイス41が基板40から離れたことを確認できる高さ)、ヒータ22、23の発熱を止める。ヘッド部19は引き続き上昇をして所定の位置で停止する。
【0061】
(12) ヘッド部19が所定位置まで上昇したならば、加熱駆動部27が、逆に回転支点25周りに回動して、加熱枠26が垂直位置に戻る。
【0062】
(13) 以上の作動は、(5)のスタートボタンを押してから連続して行われる。
【0063】
(14) 続いて、取り外したデバイス41をピンセット片5、6から抜き出す。尚、デバイス解除スイッチ等を設けて、モータ7を逆回転して、ピンセット片5、6の間隔Wを開いて、デバイス41を取り外すこともできる(図示していない)。
【0064】
(15) 以上で総ての操作が完了する。
【0065】
(16) 前記において、昇降スイッチ32、調節スイッチ33、34を調節すれば、多段に積み重ねたデバイスの任意の位置からデバイスを取り外すこともできる(図示していない)。
【0066】
[3]他の実施例
【0067】
(1) 前記実施例において、先端かぎ部5a、6aは、角度θを90度程度屈曲して水平に形成したが(図4(a)、4分の1円のように緩く屈曲し(図4(b)、あるいは斜め下方にθを30度〜90度程度に屈曲させることもできる(図4(c))。また、屈曲させずに、下端部に略水平方向に、別部材の突起を固定させることもできる(図4(d))。
【0068】
(2) また、前記実施例において、ピンセット片5、6はステンレス系の材料を使用し、先端かぎ部5a、6aの太さを0.2mm程度としたが、この場合、取り外し対象のデバイス41の大きさを5mm×5mm〜20mm×20mm程度を想定しているので、上記太さが好ましいが、アンダーフィル材の粘度、取り外すデバイス41の大きさ、ピンセット片5、6の強度等を考慮して、0.1〜0.5mm程度とすることもできる。
【0069】
(3) また、前記実施例において、ピンセット片5、6は2本使用して、両側からデバイス41を挟んだが、一側にピンセット片5、5、ピンセット片6、6と2本つづ設けて、合計4本のピンセット片でピンセット4を構成して、デバイス41を挟むこともできる(図示していない)。また、ピンセット片5、6をデバイス(通常正方形又は長方形)41の他の1辺又は2辺にも対応するピンセット片を設けて、合計3本又は4本のピンセット片からピンセット4を構成することもできる(図示していない)。
【0070】
(4) また、前記実施例において、ピンセット4は、ピンセット片5、6が斜めになるように配置したので、ピンセット片の可動機構(モータ7等)が邪魔にならず、検出ピン20の機構や温度センサー21の取付位置に制限が無く、検出ピン20の昇降や温度測定を正確にできるが、検出ピン20の機構や温度センサー21の機能に支障がなければ、ピンセット4を略鉛直に設置することもできる(図示していない)。
【実施例2】
【0071】
次ぎに、図7〜図9に基づき、他の実施例を説明する。前記実施例1では、検出ピン20に対してピンセット4斜めに配置して、ヘッド19(ピンセット4、検出ピン20)を鉛直に昇降させたが、この実施例では検出ピン20とピンセット4とを平行にして、ヘッド19(ピンセット4、検出ピン20)を斜めに昇降させた。これに伴い、ヘッド19から温度センサー21を分離して、加熱装置28から加熱駆動部27を省略して、加熱装置28の全体を簡略化させた。
【0072】
[1]リワーク装置35の構成
【0073】
(1) 実施例1と同様に、ベース1の背面側に筐体18を設けて、ベース1の前面側に基板ホルダー29を配置すると共に基板ホルダー29を前後左右上下に移動させる基板移動機構30を設ける。また、筐体18に補助筐体18aを取り付けて、補助筐体18aに、昇降自在(斜めに往復移動可能)にヘッド部19を設ける。
【0074】
(2) この実施例のヘッド部19は実施例1のヘッド部19から、温度センサー21を省略する。即ち、ヘッド部19に、下方に向けたピンセット片11、12を有するピンセット4と、ピンセット片11、12の間に位置する検出ピン20とを取り付ける(図7、図8、図9。図6(a)参照)。
【0075】
ピンセット4は、前記実施例1と同様な構造である(図3参照)。即ち、ピンセット4は、シャーシー16に、ピンセット片ホルダー14、15が取り付けてあり、ピンセット片ホルダー14、15に、ピンセット片5、6の基端部(上端部)を、先端を下方に向けて、ビス14a、15aで、夫々取り付ける。ピンセット片5、6の下端の間隔は、距離Wで、取り付けられ、ピンセット片5、6の先端部(下端部)は、他方のピンセット片6、5側に向けて(略直角に、水平に)屈曲して、先端かぎ部5a、6aを形成する。ピンセット片5、6の中間部に、駆動片11、12が取り付けられ、駆動片11、12は、シャーシー16に、略平行に取り付けられたねじシャフト10に沿って夫々移動できるように取り付けられている。駆動片11、12は、ねじシャフト10上の異なる向きのねじ部分、逆ねじ部分に取り付けられ、ねじシャフト10の一方向の回動により、駆動片11、12は近づき、他方向の回転により離れるようになっている。モータ7の回転が、駆動ギア8を介して、ねじシャフト10に固定された被駆動ギア9に伝わり、ねじシャフト10が回転するようになっている(図3(a)(b)参照)。
【0076】
従って、モータ7の一方向への回転により、駆動片11、12が離れ、ピンセット片の先端の距離Wが広がり、あるいはモータ7の他方向への回転により駆動片11、12が近づき、ピンセット片5a、6aの先端の距離Wが狭まるように、モータ7の回転で距離Wを調節できる。距離Wの調節は、ベース板1上の調節スイッチ34で行う。
【0077】
前記において、検出ピン20の取り付けた高さは、昇降スイッチ32で、設定できる。
【0078】
この実施例では、正面視でピンセット片5、6と検出ピン20は同じ平面に配置されるように(図7)、シャーシー16がヘッド部19に固定され、平面視及び正面視で、ピンセット片5、6の先端と検出ピンの先端がほぼ同一高さに配置される(図7、図8)。また、ピンセット片5、6は上部が例えば直径6mm程度で、円錐状部を介して、下部が例えば直径2mm程度で形成され、先端かぎ部5a、6aで0.2mm程度で、下部の2mmから先端の0.2mmに向けて徐々に細くなるように形成されている。また、ピンセット片ホルダー14、15の上端に板ばね13が取り付けられ、ピンセット片5、6の先端が開くように(離れるように=幅Wが大きくなるように)外方に向けて付勢されている。
【0079】
検出ピン20は、実施例1と同様に、ヘッド部19に、昇降自在に(ヘッド部19の往復移動方向と同じ方向に)外皮パイプ20aが取り付けられ、外皮パイプ20aの下端部にデバイスに当接するパット(ゴム製)20bを設けてある。従って、検出ピン20の中は先端まで上下に亘り中空部が形成され、吸引機構を取り付ければ、検出ピン20の先端で吸引するように構成することもできる(図示していない)。
【0080】
検出ピン20のパット20bと、ピンセット片5、6のかぎ部5a、6aは、略同一高さで、かつ前後方向で略同一の位置に配置されている(図6(a)参照)。
【0081】
以上のように構成されたヘッド部19は、ピンセット4(ピンセット片5、6)と検出ピン20が正面視で鉛直と角度θ(θ≒65度)となるように、配置され、かつピンセット4の軸方向に(角度θで)昇降できるように、補助筐体18aに取り付けられている。
【0082】
(3) 加熱装置28は、ハロゲンランプ加熱ユニット50を筐体18に固定して構成する(図7)。ハロゲンランプ加熱ユニット50は、基板40上の所定位置(取り外し予定のディバイス位置)に集光して赤外線を当て、加熱できるように取り付けてある。
【0083】
また、ハロゲンランプ加熱ユニット50の集光51先、すなわち、基板40上の所定位置(取り外し予定のディバイス位置)の温度を検出できるように、赤外線温度センサー21を筐体18に固定する。なお、ハロゲンランプ加熱ユニット50、温度センサー21は、集光51位置を調節できるように、移動可能に筐体18に取り付けることもできる。
【0084】
(4) 以上のようにして、リワーク装置35を構成する(図7、図8)。
【0085】
また、ヘッド部19(ピンセット4、検出ピン20)は、初期位置及び温度検出位置(図7の実線4位置)、デバイス取外し位置(図7の鎖線4b位置)の2つの高さで一旦停止できるように設定されて、停止高さを調節できるようになっている。
【0086】
[2]リワーク装置35の作動
【0087】
(1) ヘッド部19は初期位置にあり、基板40を、基板ホルダー29にセットして、取り外し対象のデバイス41が、センターに位置するように大まかに基板移動機構30を操作する。
【0088】
また、昇降スイッチ32を操作して、取り外し対象のデバイス41の厚さ・取付位置等により、検出ピン20の先端高さとピンセット片5、6の先端かぎ部5a、6aの相対高さを調整する。また、必要ならばビス14a、15aを緩めて、ピンセット片5、6の取付高さも再調節できる。
【0089】
(2) ヘッド部19を斜めに下降させて、取り外し対象のデバイス41の上面42に検出ピン20のゴム製パッド20bを当接させる。この状態で、ピンセット4のピンセット片5、6の先端かぎ部5a、6aの間隔W11を、ベース1上の調整スイッチ32、34で調節して、
デバイスの幅D<先端かぎ部5a、6aの間隔W11
となり、かつ、周囲の他のデバイス41にピンセット片5、6が当たらないような間隔W11を設定して、「第1状態」とする。このときのピンセット片5、6の間隔をW21とする。
【0090】
また、同時に、ゴム製パッド20bがデバイス41の上面42に当接した状態で、ピンセット片5、6のかぎ部5a、6aがデバイス41の下面43より下方(かつ基板40の上面40aより上方)に位置するように、ゴム製パッド20bとかぎ部5a、6aの相対位置も、昇降スイッチ32で微調節する。
【0091】
また、ピンセット片5、6がデバイス41を挟み、かぎ部5a、6aがデバイス41の下面に位置して、デバイス41を取り外しできるような間隔W12を設定して(W12<W11)、第2状態とする。この際に、ピンセット片5、6の間隔はW22(≒デバイス41の幅D)となる。
【0092】
また、この際、ピンセット4はヘッド部19と共に斜めに昇降するだけで、水平方向の移動手段を持たないので、第2状態で、ピンセット片5、6が所定の位置(デバイス41の辺の中心位置)となるように、基板移動機構30を操作して、デバイス41が所定位置となるように、基板40の位置を設定しておく。以上の操作は、リワーク装置35のコントロールパネルで行う。
【0093】
(3) 続いて、コントロールパネルで、はんだバンブ44、アンダーフィル材45、デバイス41に適した温度プロファイルを呼び出し、設定する。
【0094】
(4) 以上の設定が完了したならば、コントロールパネルのスタートボタン(図示していない)を押せば、自動的に、ヘッド部19が上昇して、初期位置に戻る。以下(5)〜(8)の作動が連続して実行される。
【0095】
(5) ヘッド部19が初期位置に戻ったならば、ハロゲンランプ加熱ユニット50が、設定した温度プロファイルに応じて発熱し、集光51してデバイス41(デバイス41のはんだバンプ44とアンダーフィル材45)を加熱する。この際、ピンセット4のピンセット片5、6の間隔は第1状態(W21、W11)にある。
【0096】
(6) 温度センサー21が感知した温度が、予め温度プロファイルで設定した温度(通常240℃前後)に到達した段階で、ヘッド部19が再び下降をはじめ、ピンセット4(ピンセット片5、6)及び検出ピン20が、下降する。この状態で、ピンセット4のピンセット片5、6の間隔は第1状態(W11)のままである。
【0097】
(7) 検出ピン20のゴム製パッド20bがデバイス41の上面42に当接すると、この状態で、先端かぎ部5a、6aが予め設定した下端位置に至ったことを検知して、ヘッド部19の下降(=ピンセット片5、6の下降)を止める。尚、この状態で、先端かぎ部5a、6aが既にアンダーフィル材45内に挿入されている場合もあるが、先端かぎ部5a、6aは0.2mm程度と細いので、アンダーフィル材45内で自由に移動できる。
【0098】
同時に、ピンセット4のモータ7を作動させ、ピンセット片5、6のかぎ部5a、6aの間隔をW12に縮める(W12<D)。この状態で、ピンセット片5、6のデバイス41付近の間隔はW22となり(W22≒D)、またこの状態を、間隔W12、間隔W22の状態を「第2状態」とする。
【0099】
従って、第2状態で、ピンセット片5、6の先端かぎ部5a、6aは溶解したアンダーフィル材45の中に挿入され、さらにデバイス41の下面43に至り、ピンセット片5、6でデバイスを挟むと共に先端かぎ部5a、6aがデバイス14の下面43の周囲を支える。
【0100】
また、この状態で、取り外し対象のデバイス41の周囲には、先端部で0.2mm程度と細いピンセット片5、6が縦に位置しているだけであるので、対象のデバイス41以外のデバイスに、リワーク装置35のいずれの部材も触れるおそれが無く、取り外し対象以外のデバイスの位置がずれるおそれがない。
【0101】
(8) 続いて、ピンセット片5、6がデバイス41を挟んだ状態で、ヘッド部19が上昇を始める。予め設定した高さまで上昇した時点で(デバイス41が基板40から離れたことを確認できる高さ)あるいは、先のピンセット片5、6がデバイス41を挟んだ際に、ハロゲンランプ加熱ユニット50の発熱を止める。ヘッド部19は引き続き上昇をして所定の位置で停止する。
【0102】
(9) 以上の作動は、(4)のスタートボタンを押してから連続して行われる。
【0103】
(10) 続いて、取り外したデバイス41をピンセット片5、6から抜き出す。尚、デバイス解除スイッチ等を設けて、モータ7を逆回転して、ピンセット片5、6の間隔Wを開いて、デバイス41を取り外すこともできる(図示していない)。
【0104】
(11) 以上で総ての操作が完了する。
【0105】
(12) 前記において、昇降スイッチ32、調節スイッチ33、34を調節すれば、多段に積み重ねたデバイスの任意の位置からデバイスを取り外すこともできる(図示していない)。
【0106】
[3]他の実施例
【0107】
(1) 前記実施例において、デバイス41に、ハロゲンランプ加熱ユニット50の熱が当たらないように、遮蔽板を設けることもできる(図示していない)。
【0108】
(2) また、前記実施例において、ヘッド部19の鉛直となす角度(昇降角度)θ(ピンセット4、検出ピン20の傾斜角度θ)を25度としたが、5度〜40度程度で、選択することもできる(図示していない)。θが5度以下ではハロゲンランプ加熱ユニット50と物理的に干渉し、またθが40度以上では、ピンセット4(ピンセット片5、6)がデバイス41を係止した際に、バランスを崩すおそれがある。従って、角度θは、ハロゲンランプ加熱ユニット50と干渉しないように取付位置を調節でき、かつピンセット4がデバイス41を掴める範囲で設定する。
【0109】
(3) また、前記実施例において、ピンセット4、検出ピン20の他の実施例は実施例1と同様である(図4(b)〜(d)参照)。
【符号の説明】
【0110】
1 ベース
4 ピンセット
5 ピンセット片
5a 先端かぎ部
6 ピンセット片
6a 先端かぎ部
7 モータ
8 駆動ギア
9 被駆動ギア
10 ネジシャフト
11 ピンセット駆動片
12 ピンセット駆動片
13 板ばね
14 ピンセットのホルダー
15 ピンセットのホルダー
14a ビス
15a ビス
16 シャーシー
18 筐体
19 ヘッド部
20 検出ピン
20a 外皮パイプ
20b ゴム製パッド
21 温度センサー
22 ヒータ
23 ヒータ
25 回転支点
26 加熱枠
26a 中央間隙
27 加熱駆動部
28 加熱装置
28a 加熱装置の軌道
29 基板ホルダー
30 基板移動機構
31 コントロールパネル
32 昇降スイッチ
33 調整スイッチ
34 調整スイッチ
35 リワーク装置
40 基板
40a 基板の上面
41 デバイス
42 デバイスの上面
43 はんだバンブ
44 アンダーフィル材
50 ハロゲンランプ加熱ユニット
51 集光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のように構成したことを特徴とする電気回路の基板にはんだで取り付けられた半導体のデバイスを取り外すリワーク装置。
(1) 取り外し対象のデバイスの上方に位置し、昇降するピンセットを有する。
(2) 前記ピンセットは、少なくとも2本のピンセット片からなり、両ピンセット片の先端の間隔を、前記デバイスの幅に対応して開いて配置した。
(3) 前記ピンセット片の先端部に、先端を他のピンセット片側に向けて屈曲した「かぎ部」を形成する。
(4) 前記両ピンセット片の「かぎ部」は、相対的に接近又は隔離可能とした。
(5) 前記ピンセットの両側に、前記ピンセットがデバイスに当接した状態で、前記デバイスのはんだを加熱できる位置に加熱手段を設ける。
【請求項2】
以下のように構成した請求項1記載のリワーク装置。
(1) 両ピンセット片の間に、ピンセットと共に昇降してデバイスに当接して、前記ピンセットと前記デバイスの相対位置を計測できる検出ピンを設け、
(2) 前記検出ピンを略鉛直に配置して、前記ピンセット片の「かぎ部」を前記検出ピンの下端部と略同一高さで形成した。
【請求項3】
以下のように構成した請求項1記載のリワーク装置。
(1) 幅Dのデバイスを挟持できるピンセット片からピンセットを構成し、該ピンセット片の間隙Wを第1位置及び第2位置を取れる構造とし、
(2) 前記第1位置で、前記両ピンセット片のかぎ部の間隔W11とするとき、W11>D とし、
(3) 前記第2位置で、前記両ピンセット片のかぎ部の間隔W12とし、両ピンセット片の間隔W22とするとき、 W12<D、かつ W22≒D
とした。
【請求項4】
以下のように構成した請求項2又は3記載のリワーク装置。
(1) ピンセット片が第1位置にある状態でピンセットを下降して、検出ピンの下端がデバイスの上面に当接した際に、前記ピンセットの下降を停止、かぎ部を基板の上面より上方で前記デバイスの下面より下方に位置させる自動位置調節手段を設ける。
(2) 待機位置に前記ピンセットを保持して、ヒータで前記デバイスを加熱し、前記デバイスが設定温度となったならば前記ピンセットを下降させる自動温度検出手段を設ける。
(3) 前記検出ピンの下端が前記デバイスの上面に当接した際に、ピンセット片を移動して第2位置とすると共に、同時又は所定時間経過後に前記ピンセットを上昇させる自動作動手段を設ける。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−34536(P2010−34536A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149882(P2009−149882)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(392009847)デンオン機器株式会社 (2)
【Fターム(参考)】