説明

レシーバ回路及びレシーバ回路試験方法

【課題】 レシーバ回路の速度試験をドライバ回路の接続無しに行えるようにすること。
【解決手段】 遅延部3は遅延制御信号に応答してクロック入力信号の位相を遅延制御して出力する。セレクタ2は、実速度試験時、遅延部3からのクロック入力信号と外部端子からの入力信号の中から前記クロック入力信号を選択して出力する。シリアルパラレル変換器4は、サンプリングクロック信号に基づいてセレクタ2から出力された信号をサンプリングし、シリアル信号をパラレル信号形式に変換して出力する。クロックデータリカバリ回路5は、変換器4の出力信号7に応じた最適な位相のサンプリングクロック信号を生成して変換器4に供給する。前記サンプリングクロックの位相を制御するための制御コード60をモニタすることで、遅延変化量とコード変化量の相関をとり、実測度試験を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランシーバ回路等に使用するレシーバ回路及びレシーバ回路試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、トランシーバ回路等において、信号を受信するためのレシーバ回路が使用されている。前記レシーバ回路が所定の仕様を満たすか否かを試験する方法として、種々の実速度試験方法が開発されている(例えば、特許文献1〜3)。
トランシーバ回路の試験で実施されるループバック試験は、LSI(大規模集積回路)外でケーブル、プリント基板などの伝送路を介してドライバ回路とレシーバ回路を接続する方法とLSIの内部でドライバ回路とレシーバ回路を直接接続する方法がある。
後者の方法では、LSI内部で接続することで伝送路に影響されないテスタ等でLSI単体での伝送試験が可能となり、実速度で試験を実施することでLSIの実力を測ることが可能である。
【0003】
しかし、高速化、低電圧化が進むにつれ、ドライバ回路とレシーバ回路をLSI内部で接続する配線自体もISIの影響を受け、また、多チャンネル化によりドライバ回路とレシーバ回路の搭載間隔を離した場合には、十分な波形品質を保てないという問題がでてくる。ドライバ回路とレシーバ回路間をバッファ回路で刻むことにより数Gbps程度までの試験は可能であるが、更なる高速化においては、面積/Power等の問題が大きくなる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−337159号公報
【特許文献2】特開2005−77274号公報
【特許文献3】特開2005−257376号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、速度試験をドライバ回路の接続無しに行えるようにしたレシーバ回路を提供することを課題としている。
また、本発明は、ドライバ回路の接続無しにレシーバ回路の実測度試験を行うようにしたレシーバ回路の試験方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、遅延制御信号に応答してクロック入力信号の位相を遅延制御して出力する遅延手段と、前記遅延手段からのクロック入力信号と外部端子からの入力信号のいずれかを選択して出力するセレクタ手段と、サンプリングクロック信号に基づいて前記セレクタ手段から出力された信号をサンプリングし、信号形式を変換して出力する変換手段と、前記セレクタ手段から前記変換手段へ入力される信号に応じた位相の前記サンプリングクロック信号を生成して前記変換手段に供給するクロックデータリカバリ手段とを備え、速度試験時、前記セレクタ手段は前記遅延手段からのクロック入力信号を選択して前記変換手段へ出力することを特徴とするレシーバ回路が提供される。
【0007】
遅延手段は遅延制御信号に応答してクロック入力信号の位相を遅延制御して出力する。セレクタ手段は前記遅延手段からのクロック入力信号と外部端子からの入力信号のいずれかを選択して出力する。変換手段は、サンプリングクロック信号に基づいて前記セレクタ手段から出力された信号をサンプリングし、信号形式を変換して出力する。クロックデータリカバリ手段は、前記セレクタ手段から前記変換手段へ入力される信号に応じた位相の前記サンプリングクロック信号を生成して前記変換手段に供給する。速度試験時、前記セレクタ手段は前記遅延手段からのクロック入力信号を選択して前記変換手段へ出力する。
【0008】
また、本発明によれば、外部端子からの入力信号とクロック入力信号とが入力され、速度試験時、前記クロック入力信号を選択して出力するセレクタ手段と、サンプリングクロック信号に基づいて前記セレクタ手段から出力された信号をサンプリングし、信号形式を変換して出力する変換手段と、基準クロック信号に基づいて動作すると共に、前記セレクタ手段から前記変換手段へ入力される信号に応じた位相の前記サンプリングクロック信号を生成して前記変換手段に供給するクロックデータリカバリ手段と、第1、第2PLL手段とを備えて成り、前記第1PLL手段で発生するクロック信号を前記クロックデータリカバリ手段の基準クロック信号として用い、前記第2PLL手段のリファレンスクロック信号の位相を可変にすると共に、前記第2PLL手段で発生するクロック信号を前記セレクタ手段へのクロック入力信号として成ることを特等とするレシーバ回路が提供される。
【0009】
セレクタ手段は、外部端子からの入力信号とクロック入力信号とが入力され、速度試験時、前記クロック入力信号を選択して出力する。変換手段は、サンプリングクロック信号に基づいて前記セレクタ手段から出力された信号をサンプリングし、信号形式を変換して出力する。クロックデータリカバリ手段は、基準クロック信号に基づいて動作すると共に、前記セレクタ手段から前記変換手段へ入力される信号に応じた位相の前記サンプリングクロック信号を生成して前記変換手段に供給する。第1PLL手段で発生するクロック信号を前記クロックデータリカバリ手段の基準クロック信号として用い、第2PLL手段のリファレンスクロック信号の位相を可変にすると共に、前記第2PLL手段で発生するクロック信号を前記セレクタ手段へのクロック入力信号とする。
【0010】
ここで、前記クロックデータリカバリ手段は、位相制御信号に応じた位相の前記基準クロック信号を生成して前記変換手段に出力するリカバリクロック生成手段と、前記変換手段からの信号と前記リカバリクロック生成手段で発生した前記基準クロック信号の位相を比較し、前記比較結果に応じた位相に前記基準クロック信号の位相を制御するための位相制御信号を前記リカバリクロック生成手段に出力する位相制御手段とを備えて成るように構成してもよい。
また、前記位相制御手段は、前記変換手段からの信号と前記リカバリクロック生成手段で発生した前記基準クロック信号の位相を順次比較して、両信号の位相関係を計数するカウンタ手段を有し、前記カウンタ手段が位相進み又は位相遅れを所定数計数する毎に、位相を所定量変化させると共に前記カウンタ手段の計数値をリセットするように構成してもよい。
【0011】
また、本発明によれば、セレクタ手段が外部端子からの入力信号とクロック入力信号の中の前記クロック入力信号を選択して出力し、変換手段がサンプリングクロック信号に基づいて前記セレクタ手段から出力された信号をサンプリングし信号形式を変換して出力し、クロックデータリカバリ手段が第1PLL手段からの基準クロック信号に基づいて動作すると共に、前記セレクタ手段から前記変換手段へ入力される信号に応じた前記サンプリングクロック信号を生成して前記変換手段に供給し、第2PLL手段のリファレンスクロック信号の位相を可変にすると共に、前記第2PLL手段で発生するクロック信号を前記セレクタ手段へのクロック入力信号として用いて成ることを特等とするレシーバ回路試験方法が提供される。
【0012】
ここで、前記クロックデータリカバリ手段において、リカバリクロック生成手段が位相制御信号に応じた位相の前記基準クロック信号を生成して前記変換手段に出力し、位相制御手段が前記変換手段からの信号と前記リカバリクロック生成手段で発生した前記基準クロック信号の位相を比較し、前記比較結果に応じた位相に前記基準クロック信号の位相を制御するための位相制御信号を前記リカバリクロック生成手段に出力するように構成してもよい。
【0013】
また、前記位相制御手段において、カウンタ手段が前記変換手段からの信号と前記リカバリクロック生成手段で発生した前記基準クロック信号の位相を順次比較して、両信号の位相関係を計数し、前記カウンタが位相進み又は位相遅れを所定数計数する毎に、前記基準クロック信号の位相を所定量変化させると共に前記カウンタの計数値をリセットするように構成してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るレシーバ回路によれば、速度試験をドライバ回路の接続無しに行うことが可能になる。
また、本発明に係るレシーバ回路試験方法によれば、ドライバ回路の接続無しにレシーバ回路の測度試験を行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係るレシーバ回路の試験方法に使用する、トランシーバ回路におけるレシーバ回路1のブロック図であり、SerDes回路(Serializer Deserializer:パラレル/シリアル変換及びシリアル/パラレル変換回路)のレシーバ回路の例を示している。
図1において、レシーバ回路1は、入力パスの切り換えが可能なセレクタ回路2、遅延部3、シリアル/パラレル(S/P)変換器4及びクロックデータリカバリ回路(以下、CDR回路と称す。)5を備えている。
【0016】
セレクタ回路2は、外部端子であるシリアル入力端子からシリアル形式のデータ信号が入力される第1入力部と遅延部3からクロック信号(以下、CLK信号と称す。)2が入力される第2入力部を有し、TEST端子から供給される試験制御信号に応じて、前記第1入力部又は第2入力部に入力される入力信号を選択して出力する。
遅延部3は、遅延制御端子に供給される遅延制御信号に応じて、PLL(Phase Locked Loop)回路(図示せず)からCLK1端子に供給されたCLK信号1を遅延してCLK信号2を生成し、セレクタ回路2に出力する。CDR回路5には、遅延部3に入力されるCLK1と同じクロック信号が、動作の基準となる基準クロック信号8として入力される。
【0017】
図2は、図1におけるCDR回路5の詳細な構成を示すブロック図であり、同一部分には同一符号を付している。図2において、CDR回路5は、位相比較器51、位相判定器52、アップ/ダウン(Up/Down)カウンタ53、位相制御回路55及びリカバリクロック(CLK)生成部56を備えており、入力データの位相変動に合わせて、最適な4相のサンプリングクロック信号6をS/P変換器4へ出力する。リカバリクロック生成部56には、PLL回路からのクロック信号(CLK1)が、動作の基準となるクロック信号である規準クロック信号8として入力されている。
【0018】
先ず、図1及び図2を用いて、本発明の実施の形態に係るレシーバ回路及びレシーバ回路試験方法の概要を説明すると、レシーバ回路1の試験において、マクロに分配されたCLK信号を入力データとすることにより、ドライバ回路の接続無しに入力バッファ回路及びCDR回路の実速度試験をするようにしている。
即ち、図1において、レシーバ回路1は、データとCLK信号の二系統の入力信号を選択可能としており、一方は、外部端子からの通常のシリアル形式データ入力、もう一方は、遅延(位相)制御が可能なCLK信号を入力としている。これら二つの信号パスは、セレクタ回路2により切り換える。CDR回路5は、入力信号に対して最適なサンプリングクロックを生成する回路であり、そのCLK生成部(図2のCLK生成部56)では、PLL回路によって生成されたCLK信号1に同期した4相クロック信号6を生成する。
【0019】
実速度試験時は、試験制御信号をTEST端子に供給することによってセレクタ回路2がCLK2側を選択するように制御し、遅延制御信号により遅延部3を制御することによってクロック信号の遅延量を変動させることで、SP変換器4への入力のタイミングを変動させる。このことにより、CDR回路5は、この入力のタイミング変化に追従する。CDR回路5より出力される制御コード60をモニタすることで、レシーバ回路1の動作確認をすることができる。
【0020】
このようにして、本実施の形態では、遅延制御可能なCLK信号のパスを新たに設けることにより、ドライバ回路の接続無しにレシーバ回路1の実速度試験ができる。即ち、レシーバ回路1にデータ入力とは別に、遅延(位相)制御が可能なCLK信号をデータ入力とするパスを設け、遅延量を変動させる仕組みを設け、CDR回路5で生成される位相制御コード60をモニタすることにより、レシーバ回路1の実速度の試験を可能としている。
【0021】
以下、本実施の形態に係るレシーバ回路及びレシーバ回路の試験方法について詳細に説明する。
図1において、セレクタ回路2は、シリアル入力端子に入力されるデータ信号とCLK信号2の2系統の入力信号のいずれか一方を選択する。一方は、シリアル形式で入力される通常の外部シリアル入力信号、他方は、遅延制御(位相制御)が可能なCLK信号のパスを入力としている。
【0022】
遅延部3は、複数の遅延時間が設定可能に構成されているまた、遅延部3は、少なくとも±0.5UI(1UI=1データ幅)の遅延変化が可能な遅延線であり、遅延制御端子に供給される遅延制御信号に従い、前記遅延制御信号に応じた遅延量だけCLK信号1を遅らせたCLK信号2が生成される。
セレクタ回路2に入力される2つの信号パスは、TEST端子により切り換えて出力することが可能である。TEST端子=0の場合は、シリアル入力端子に入力される信号がセレクタ回路2から出力されるように入力パスが選択される。TEST=1の場合は、CLK信号2がセレクタ回路2から出力されるように入力パスが選択され、この状態は試験モードとなる。
【0023】
SP変換器4は、高速シリアルデータをmビットのパラレルデータに変換すると共に、前記変換後の信号を、CDR回路5がサンプリングクロックを生成するためのデータ(情報)として提供する。サンプリングクロックは、CDR回路5内部で作成される4相のクロック信号(CLK0,CLK90,CLK180,CLK270)であり、位相関係を図3に示す。
【0024】
図3において、CLK0及びCLK180は、シリアルデータの位相情報(B(B−1)〜B3)を得るためのCLK信号であり、CLK90及びCLK170は、シリアルデータの受信データ(D(D−1)〜D4)を得るためのCLK信号である。尚、4相CLK信号で得られたパラレルデータはCLK位相タイミングが異なることになるため、SP変換器4によって同一CLK信号でタイミング調整され位相が揃えられるが、この点は、一般的な技術が使用可能であり又本願発明とは直接関係はないためその説明は省略する。
【0025】
尚、セレクタ回路2はセレクタ手段を構成し、遅延部3は遅延手段を構成し、SP変換部4は変換手段を構成し、CDR回路5はクロックデータリカバリ手段を構成している。また、位相比較器51は位相比較手段を構成し、位相判定機52は位相判定手段を構成し、アップ/ダウンカウンタ53はカウンタ手段を構成し、位相制御回路55は位相制御手段を構成し、リカバリクロック生成部56はリカバリクロック生成手段を構成している。
図4は、CDR回路5の動作を示すフローチャートである。
【0026】
以下、図1〜図4を用いて、本第実施の形態の動作を説明する。
SP変換器4にデータが印加されると(図4のステップS1)、CLK0及びCLK180で叩かれた位相情報、CLK90、CLK270で叩かれた受信データの4つのデータが位相比較器51に入力されて、位相比較が行われる(ステップS2)。位相情報と受信データの関係から位相比較器51では、CLK0°とCLK180°が受信データの立ち上がりエッジ、又は立ち下がりエッジに対して進んでいるのか遅れているのかを演算し後段へ出力する(データを受信していない場合は、位相比較がされない)。
【0027】
位相判定器52では、演算結果の多数決が行われ、位相を進めるか(+:UP)、遅らせるか(−:DOWN)を決定する(ステップS3)。結果は、UP/DOWNカウンタ53で累計され、UPまたはDOWNが一定の値に到達したら(本実施の形態では16回)(ステップS5)、Up/Downカウンタ53をクリアし、位相制御回路55が4相CLK信号の位相を進める(+:UP)、または遅らせる(−:DOWN)ための位相制御信号としての制御コード60を作成し(ステップS6)、リカバリCLK生成部56へ出力する。
【0028】
図3の例では、Code=0の場合、シリアルデータのタイミングに対して、CLK0〜CLK270のタイミングは早い位置にあるため、位相を遅らせる信号(:DOWNが出力される。このDOWNがUP/DOWNカウンタで16回カウントされると、UP/DOWNカウンタを0にクリアし、Codeを+1に変更する指示が位相制御回路55に出力される。
【0029】
位相制御回路55は、Code=0→Code=1へコードを変更し、4相クロック信号の位相状態をAからBの状態に更新する(ステップS7)。このようにしてCLK生成部56は、制御コード60に従い、サンプリングCLKのタイミングを切り換えることで受信データに最適なCLK信号を常に提供する。本実施の形態では、位相制御コード60は、64段階(code0−code63)に制御され、1codeあたりの位相の変化量は、1step=1UI/64である。
【0030】
試験時は、試験制御信号をTEST端子に入力することによって、セレクタ回路2が入力部1側のパスを選択するように制御する。シリアルデータの代わりにCLK信号2を入力してもCDR回路5の位相追従の機能は変わらない。さらに、クロック信号2の位相を遅延部3にて任意に変動させることでCDR回路5は、この位相に追従したコードが作成される。この制御コード情報(0〜64)60をモニタすることで、遅延変化量とコード変化量の相関をとる。このようにして、本実施の形態では、遅延制御可能なCLK信号のパスを新たに設けることにより、ドライバ回路の接続無しにレシーバ回路1の実速度試験ができる。
【0031】
以上述べたように、前記実施の形態よれば、遅延部3は遅延制御信号に応答してクロック入力信号の位相を遅延制御して出力し、セレクタ2は実速度試験時、遅延部3からのクロック入力信号と外部端子からの入力信号の中から前記クロック入力信号を選択して出力し、シリアルパラレル変換器4はサンプリングクロック信号に基づいてセレクタ2から出力された信号をサンプリングし、シリアル信号をパラレル信号形式に変換して出力し、クロックデータリカバリ回路5は、変換器4の出力信号7に応じた最適な位相のサンプリングクロック信号を生成して変換器4に供給し、前記サンプリングクロックの位相を制御するための制御コード60をモニタすることで、遅延変化量とコード変化量の相関をとり、実測度試験を行うように構成している。
【0032】
したがって、レシーバ回路1の速度試験をドライバ回路の接続無しに行えるようにすることが可能になる。
また、レシーバ回路1の内部に分配しているCLK信号を入力源としているので、入力バッファとの接続が最短に接続できることにより、波形劣化の影響を最小限にすることが可能になる。
また、CLK信号を入力源としたパスの遅延が可変できることにより、CDR回路5の追従性を容易に確認することが可能になる。
【0033】
図5は、本発明の他の実施の形態に係るレシーバ回路の試験方法に使用するレシーバ回路を示すブロック図であり、図1と同一部分には同一符号を付している。
本他の実施の形態の基本的構成は前述した実施の形態と同じであるが、入力データの部分が異なっている。
即ち、図5において、セレクタ回路2の第2入力部には、CDR回路5のクロック信号1を発生する第1PLL回路とは異なる他のCLK信号分配系(第2PLL回路)からのCLK信号を供給する。基本的な動作は、図1のレシーバ回路1と同様であるため詳細な説明は省略するが、本他の実施の形態では、遅延制御機構(図1の遅延部3、遅延制御入力端子及び前記遅延制御入力端子に遅延制御信号を供給する手段)を持たないで、前記第2PLL回路のリファレンスCLK信号の位相を可変に構成することによって、CLK信号2の位相を制御でき、前記実施の形態と同等の機能が実現可能であり、前記同様にして実速度試験を行うことが可能になる。
【0034】
尚、前記各実施の形態は、トランシーバ回路に使用するレシーバ回路の例で説明したが、他の回路に使用するレシーバ回路に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
トランシーバ回路をはじめとする各種回路に使用するレシーバ回路に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態に係るレシーバ回路の試験方法に使用するレシーバ回路のブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るレシーバ回路の構成要素の詳細ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態の動作を説明するためのタイミング図である。
【図4】本発明の実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の他の実施の形態に係るレシーバ回路のブロック図である。
【符号の説明】
【0037】
1・・・レシーバ手段を構成するレシーバ回路
2・・・セレクタ手段を構成するセレクタ
3・・・遅延手段を構成する遅延部
4・・・変換手段を構成するシリアル/パラレル変換器
5・・・クロックデータリカバリ手段を構成するクロックデータリカバリ回路
51・・・位相比較手段を構成する位相比較器
52・・・位相判定手段を構成する位相判定器
53・・・カウンタ手段を構成するアップ/ダウンカウンタ
55・・・位相制御手段を構成する位相制御回路
56・・・リカバリクロック生成手段を構成するリカバリクロック生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遅延制御信号に応答してクロック入力信号の位相を遅延制御して出力する遅延手段と、前記遅延手段からのクロック入力信号と外部端子からの入力信号のいずれかを選択して出力するセレクタ手段と、サンプリングクロック信号に基づいて前記セレクタ手段から出力された信号をサンプリングし、信号形式を変換して出力する変換手段と、前記セレクタ手段から前記変換手段へ入力される信号に応じた位相の前記サンプリングクロック信号を生成して前記変換手段に供給するクロックデータリカバリ手段とを備え、速度試験時、前記セレクタ手段は前記遅延手段からのクロック入力信号を選択して前記変換手段へ出力することを特徴とするレシーバ回路。
【請求項2】
外部端子からの入力信号とクロック入力信号とが入力され、速度試験時、前記クロック入力信号を選択して出力するセレクタ手段と、サンプリングクロック信号に基づいて前記セレクタ手段から出力された信号をサンプリングし、信号形式を変換して出力する変換手段と、基準クロック信号に基づいて動作すると共に、前記セレクタ手段から前記変換手段へ入力される信号に応じた位相の前記サンプリングクロック信号を生成して前記変換手段に供給するクロックデータリカバリ手段と、第1、第2PLL手段とを備えて成り、
前記第1PLL手段で発生するクロック信号を前記クロックデータリカバリ手段の基準クロック信号として用い、
前記第2PLL手段のリファレンスクロック信号の位相を可変にすると共に、前記第2PLL手段で発生するクロック信号を前記セレクタ手段へのクロック入力信号として成ることを特等とするレシーバ回路。
【請求項3】
前記クロックデータリカバリ手段は、位相制御信号に応じた位相の前記基準クロック信号を生成して前記変換手段に出力するリカバリクロック生成手段と、前記変換手段からの信号と前記リカバリクロック生成手段で発生した前記基準クロック信号の位相を比較し、前記比較結果に応じた位相に前記基準クロック信号の位相を制御するための位相制御信号を前記リカバリクロック生成手段に出力する位相制御手段とを備えて成ることを特徴とする請求項1又は2記載のレシーバ回路。
【請求項4】
前記位相制御手段は、前記変換手段からの信号と前記リカバリクロック生成手段で発生した前記基準クロック信号の位相を順次比較して、両信号の位相関係を計数するカウンタ手段を有し、前記カウンタ手段が位相進み又は位相遅れを所定数計数する毎に、位相を所定量変化させると共に前記カウンタ手段の計数値をリセットすることを特徴とする請求項3記載のレシーバ回路。
【請求項5】
セレクタ手段が外部端子からの入力信号とクロック入力信号の中の前記クロック入力信号を選択して出力し、変換手段がサンプリングクロック信号に基づいて前記セレクタ手段から出力された信号をサンプリングし信号形式を変換して出力し、クロックデータリカバリ手段が第1PLL手段からの基準クロック信号に基づいて動作すると共に、前記セレクタ手段から前記変換手段へ入力される信号に応じた前記サンプリングクロック信号を生成して前記変換手段に供給し、
第2PLL手段のリファレンスクロック信号の位相を可変にすると共に、前記第2PLL手段で発生するクロック信号を前記セレクタ手段へのクロック入力信号として用いて成ることを特等とするレシーバ回路試験方法。
【請求項6】
前記クロックデータリカバリ手段において、リカバリクロック生成手段が位相制御信号に応じた位相の前記基準クロック信号を生成して前記変換手段に出力し、位相制御手段が前記変換手段からの信号と前記リカバリクロック生成手段で発生した前記基準クロック信号の位相を比較し、前記比較結果に応じた位相に前記基準クロック信号の位相を制御するための位相制御信号を前記リカバリクロック生成手段に出力することを特徴とする請求項5記載のレシーバ回路試験方法。
【請求項7】
前記位相制御手段において、カウンタ手段が前記変換手段からの信号と前記リカバリクロック生成手段で発生した前記基準クロック信号の位相を順次比較して、両信号の位相関係を計数し、前記カウンタが位相進み又は位相遅れを所定数計数する毎に、前記基準クロック信号の位相を所定量変化させると共に前記カウンタの計数値をリセットすることを特徴とする請求項6記載のレシーバ回路試験方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−256127(P2007−256127A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−81917(P2006−81917)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】