説明

レジスト用(共)重合体およびレジスト組成物

【課題】DUVエキシマレーザーリソグラフィーあるいは電子線リソグラフィー等に用いた場合に、高い感度および/または解像度が得られるレジスト用(共)重合体を提供する。
【解決手段】脂環式骨格を有する単量体単位およびラクトン骨格を有する単量体単位から選ばれる少なくとも一種の単量体単位を含むレジスト用(共)重合体であって、分子末端に式−R・C・R(R)−で表わされる分子末端基が含まれていないことを特徴とするレジスト用(共)重合体。(R1およびR2はH、炭素数1〜10のアルキル基、−COO−RA、−X−COO−RA、−CONRB−RA、−X−CONRB−RA、−NRB−RA、または−X−NRB−RAであり、R3はシアノ基または炭素数2〜10のシアノアルキル基である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレジスト用(共)重合体およびレジスト組成物に関し、特にエキシマレーザーあるいは電子線を使用する微細加工に好適な化学増幅型レジスト用(共)重合体およびレジスト組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体素子あるいは液晶素子の製造における微細加工の分野においてはリソグラフィー技術の進歩により急速に微細化が進んでいる。その微細化の手法としては一般に露光光源の短波長化が用いられ、具体的には従来のg線、i線に代表される紫外線からDUVへ変化してきている。
【0003】
現在では、KrFエキシマレーザー(248nm)リソグラフィー技術が市場に導入され、さらに短波長化を計ったArFエキシマレーザー(193nm)リソグラフィー技術が導入されようとしており、さらに次世代の技術としてはF2エキシマレーザー(157nm)リソグラフィー技術が研究されている。また、これらと若干異なるタイプのリソグラフィー技術として電子線リソグラフィー技術についても精力的に研究されている。
【0004】
このような短波長の光源あるいは電子線に対する高解像度のレジストとして、インターナショナル・ビジネス・マシーン(IBM)社より「化学増幅型レジスト」が提唱され、現在、この化学増幅型レジストの改良および開発が精力的に進められている。
【0005】
また、光源の短波長化においてはレジストに使用される樹脂もその構造変化を余儀なくされている。KrFエキシマレーザーリソグラフィーにおいては、248nmに対して透明性の高いポリヒドロキシスチレンやその水酸基を酸解離性の溶解抑制基で保護したものが用いられたが、ArFエキシマレーザーリソグラフィーにおいては、上記樹脂は193nmにおいては透明性が不十分でほとんど使用不可能であるため、193nmにおいて透明なアクリル系樹脂あるいはシクロオレフィン系樹脂が注目されている。このようなアクリル系樹脂としては、例えば、エステル部にアダマンタン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルとエステル部にラクトン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルの共重合体が特開平10−319595号公報、特開平10−274852号公報等に記載されている。
【0006】
このような脂環式骨格を有する単量体とラクトン骨格を有する単量体を共重合してレジスト用共重合体を製造する方法において、使用される重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNとも言う。)が知られれている。また、共重合に使用されるAIBNの使用量は、特開平10−319595号公報では全ての単量体1モルに対して約0.15モル、特開平10−274852号公報では全ての単量体1モルに対して0.02モルであり、レジスト用途以外の一般の共重合体と同程度である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−319529号公報
【特許文献2】特開平10−274852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来から知られている方法で製造されたレジスト用(共)重合体はレジストに用いた場合の感度や解像度が十分でなく、工業的にさらに高い感度や解像度が得られるレジスト用(共)重合体が望まれているのが現状である。
【0009】
したがって本発明は、DUVエキシマレーザーリソグラフィーあるいは電子線リソグラフィー等に用いた場合に、高い感度および/または解像度が得られるレジスト用(共)重合体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は、レジスト用(共)重合体の立体規則性、(共)重合連鎖構造およびその分布、あるいは末端基構造等の微細構造について鋭意検討した結果、(共)重合体の微細構造の中でも、末端基構造がレジストの感度や解像度に大きく影響することを見出し本発明に至った。
【0011】
すなわち本発明は、脂環式骨格を有する単量体単位およびラクトン骨格を有する単量体単位から選ばれる少なくとも一種の単量体単位を含むレジスト用(共)重合体であって、分子末端に式(1)で表わされる分子末端基が含まれていないことを特徴とするレジスト用(共)重合体である。
【0012】
【化6】

(R1およびR2はH、炭素数1〜10のアルキル基、−COO−RA、−X−COO−RA、−CONRB−RA、−X−CONRB−RA、−NRB−RA、または−X−NRB−RAであり、R3はシアノ基または炭素数2〜10のシアノアルキル基である。なお、Xは炭素数1〜10のアルキレン基であり、RAおよびRBはHまたは炭素数1〜10のアルキル基である。)
【0013】
本発明の第2は、少なくとも式(2)で表わされる化合物を重合開始剤として使用して製造された、脂環式骨格を有する単量体単位およびラクトン骨格を有する単量体単位から選ばれる少なくとも一種の単量体単位を含むレジスト用(共)重合体であって、式(2)で表わされる重合開始剤の使用量が全ての原料単量体1モルに対して0.018モル以下であることを特徴とするレジスト用(共)重合体である。
【0014】
【化7】

(R4〜R7は、H、炭素数1〜10のアルキル基、−COO−RA、−X−COO−RA、−CONRB−RA、−X−CONRB−RA、−NRB−RA、または−X−NRB−RAであり、R8およびR9はシアノ基または炭素数2〜10のシアノアルキル基である。なお、Xは炭素数1〜10のアルキレン基であり、RAおよびRBはHまたは炭素数1〜10のアルキル基である。)
【0015】
本発明の第3は、脂環式骨格を有する単量体単位およびラクトン骨格を有する単量体単位から選ばれる少なくとも一種の単量体単位を含むレジスト用(共)重合体であって、分子末端に前記式(1)で表わされる分子末端基が、式(3)で表わされる分子末端基100個に対して9個未満であることを特徴とするレジスト用(共)重合体である。
【0016】
【化8】

(R10は炭素数1〜20のアルキル基である。)
【0017】
また本発明は、これらの本発明のレジスト用(共)重合体を含むことを特徴とするレジスト組成物である。
【発明の効果】
【0018】
本発明のレジスト用(共)重合体およびレジスト組成物は、非常に感度が高く、また解像度も良好であるので、高精度の微細なレジストパターンを安定して形成することができる。そのため、本発明のレジスト用(共)重合体およびレジスト組成物は、DUVエキシマレーザーリソグラフィーあるいは電子線リソグラフィー、特にArFエキシマレーザー(193nm)を使用するリソグラフィーに好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のレジスト用(共)重合体は、脂環式骨格を有する単量体単位およびラクトン骨格を有する単量体単位から選ばれる少なくとも一種の単量体単位を含むレジスト用(共)重合体である。本発明の実施において用いられる脂環式骨格を有する単量体単位とは、環状の飽和炭化水素を1個以上有する構造を含む単量体単位である。脂環式骨格を有する単量体単位を含むレジスト用(共)重合体およびその樹脂組成物はドライエッチング耐性を有している。
【0020】
脂環式骨格を有する単量体単位は、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート等、およびこれら化合物の脂環式環上に置換基を有する誘導体を(共)重合することにより(共)重合体に導入できる。以下、このような単量体単位を導入できる単量体を脂環式骨格を有する単量体と言う。脂環式骨格を有する単量体としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、およびこれら化合物の脂環式環上に置換基を有する誘導体が好ましい。このような単量体として具体的には、1−イソボニルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン、シクロヘキシルメタクリレート、アダマンチルメタクリレート、トリシクロデカニルメタクリレート、ジシクロペンタジエニルメタクリレート等が挙げられる。脂環式骨格を有する単量体単位を含むレジスト用(共)重合体は、ドライエッチング耐性に優れており、またこれら単量体単位が酸により脱離する保護基を含有していると優れた感度を有する。
【0021】
レジスト用(共)重合体の原料となる脂環式骨格を有する単量体は1種、あるいは必要に応じて2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0022】
脂環式骨格を有する単量体を共重合する場合、脂環式骨格を有する単量体は、単量体成分全体に対し10〜90モル%の範囲で用いることが好ましく、より好ましくは、40〜60モル%の範囲である。脂環式骨格を有する単量体は、多いほど得られる(共)重合体およびその樹脂組成物のドライエッチング耐性が向上し、少ないほど他の単量体の性質が強く現れる。他の単量体がラクトン骨格を有する単量体の場合、脂環式骨格を有する単量体が少ないほど密着性が向上する。
【0023】
ラクトン骨格を有する単量体単位とは、環内にカルボキシル基を含む環状の飽和炭化水素を有する構造を含む単量体単位である。ラクトン骨格を有する単量体単位を含むレジスト用(共)重合体およびその樹脂組成物は、金属表面等の極性の高い表面に対する密着性を有している。
【0024】
ラクトン骨格を有する単量体単位は、例えば、δ−バレロラクトン環を有する(メタ)アクリレート、δ−バレロラクトン環を有するメチレン、γ−ブチロラクトン環を有する(メタ)アクリレート、γ−ブチロラクトン環を有するメチレン、多環式ラクトンを有する(メタ)アクリレート、多環式ラクトンを有するメチレン等、およびこれらの化合物のラクトン環上に置換基を有する誘導体を(共)重合することにより(共)重合体に導入できる。以下、このような単量体単位を導入できる単量体をラクトン骨格を有する単量体と言う。ラクトン骨格を有する単量体としては、δ−バレロラクトン環を有する(メタ)アクリレート、γ−ブチロラクトン環を有する(メタ)アクリレート、多環式ラクトンを有する(メタ)アクリレート、およびこれらの化合物のラクトン環上に置換基を有する誘導体が好ましい。このような単量体として具体的には、β−メタクリロイルオキシ−β−メチル−δ−バレロラクトン、4,4−ジメチル−2−メチレン−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイルオキシ−β−メチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、2−(1−メタクリロイルオキシ)エチル−4−ブタノリド、パントイルラクトンメタクリレート、5−メタクリロイルオキシ−6−ヒドロキシビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−カルボキシリック−6−ラクトン、8−メタクリロイルオキシ−3−オキソ−4−オキサトリシクロ[5,2,1,02,6]デカン等が挙げられる。ラクトン骨格を有する単量体単位を含むレジスト用(共)重合体は、金属表面等の極性の高い表面に対する密着性に優れており、またこれら単量体が酸により脱離する保護基を含有していると優れた感度を有する。
【0025】
レジスト用(共)重合体の原料となるラクトン骨格を有する単量体は1種、あるいは必要に応じて2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0026】
ラクトン骨格を有する単量体を共重合する場合、ラクトン骨格を有する単量体は、単量体成分全体に対し10〜90モル%の範囲で用いられることが好ましく、より好ましくは、40〜60モル%の範囲である。ラクトン骨格を有する単量体は、多いほど得られる共重合体およびその樹脂組成物の密着性が向上し、少ないほど他の単量体の性質が強く現れる。他の単量体が脂環式骨格を有する単量体の場合、ラクトン骨格を有する単量体が少ないほどドライエッチング耐性が向上する。
【0027】
本発明のレジスト用(共)重合体をArFエキシマレーザーリソグラフィー用に使用する場合は、脂環式骨格を有する単量体単位とラクトン骨格を有する単量体単位の両方を含むことが好ましい。また、本発明のレジスト用(共)重合体は、脂環式骨格を有する単量体単位および/またはラクトン骨格を有する単量体単位以外の単量体単位が含まれていてもよい。すなわち、本発明のレジスト用(共)重合体は、脂環式骨格を有する単量体および/またはラクトン骨格を有する単量体と共重合可能な他のビニル系単量体(以下、他のビニル系単量体という。)を共重合したものであってもよい。
【0028】
このような他のビニル系単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、メトキシメチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、n−プロポキシエチル(メタ)アクリレート、iso−プロポキシエチル(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、iso−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、tert−ブトキシエチル(メタ)アクリレート等の直鎖または分岐骨格構造を持つ(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−ヒドロキシスチレン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシスチレン、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシスチレン等の芳香族アルケニル化合物;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸;アクリルアミド、塩化ビニル、エチレン等が挙げられる。これらは必要に応じて1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0029】
他のビニル系単量体は、得られる共重合体の密着性およびドライエッチング耐性を大きく損なわない範囲で用いることができ、一般には単量体成分全体に対して40モル%以下とすることが好ましい。
【0030】
本発明のレジスト用(共)重合体は、前記式(1)で表わされる分子末端基が含まれていないか、または含まれていてもその量が少ないことが特徴である。前記式(1)で表わされる分子末端基としては、例えば、4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル基、2,4−ジメチルバレロニトリル基、イソブチロニトリル基、2−メチルブチロニトリル基、1−シクロヘキサンカルボニトリル基、4−シアノペンタン酸基等が挙げられる。なお、式(1)において、R1およびR2はH、炭素数1〜10のアルキル基、−COO−RA、−X−COO−RA、−CONRB−RA、−X−CONRB−RA、−NRB−RA、または−X−NRB−RAであり、R3はシアノ基または炭素数2〜10のシアノアルキル基である。なお、Xは炭素数1〜10のアルキレン基であり、RAおよびRBはHまたは炭素数1〜10のアルキル基である。ここにおけるアルキル基、シアノアルキル基、およびアルキレン基は、直鎖、分岐、あるいは環状のいずれでもよい。
【0031】
(共)重合体中に式(1)で表わされる分子末端基が存在しないことは、後述する測定法によって得られた13C−NMRスペクトルに観測される式(1)で表わされる分子末端基に由来する全ての信号がノイズ内に隠れる等で識別できないことにより確認できる。
【0032】
重合開始剤を使用する重合では、重合開始剤のラジカル体が反応溶液中に生じ、このラジカル体を起点として単量体の逐次重合が進行する。そのため得られた重合体の末端には重合開始残基が存在する。前記式(1)で表わされる分子末端基が含まれない(共)重合体を製造するには、式(1)の構造を含む前記式(2)のような重合開始剤を全く使用せず(共)重合を行う必要がある。式(2)の化合物は、一般にアゾ化合物と呼ばれるもので、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)等が挙げられる。なお、式(2)において、R4〜R7は、H、炭素数1〜10のアルキル基、−COO−RA、−X−COO−RA、−CONRB−RA、−X−CONRB−RA、−NRB−RA、または−X−NRB−RAであり、R8およびR9はシアノ基または炭素数2〜10のシアノアルキル基である。なお、Xは炭素数1〜10のアルキレン基であり、RAおよびRBはHまたは炭素数1〜10のアルキル基である。ここにおけるアルキル基、シアノアルキル基、およびアルキレン基は、直鎖、分岐、あるいは環状のいずれでもよい。
【0033】
前記式(1)の構造を含む重合開始剤の代わりに使用する重合開始剤は、熱によりラジカルを発生し、単量体を重合させることが可能なものであればよい。このような重合開始剤としては、例えば、一般にケトンパーオキサイド類と呼ばれる、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等の化合物、一般にパーオキシケタール類と呼ばれる、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン等の化合物、一般にハイドロパーオキサイド類またはジアルキルパーオキサイド類と呼ばる、P−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン等の化合物、一般にジアシルパーオキサイド類と呼ばる、イソブチリルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド等の化合物、一般にパーオキシエステル類と呼ばれる、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカネート、tert−ヘキシルパーオキシネオデカネート等の化合物、一般にパーオキシジカーボネート類と呼ばれる、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等の化合物、一般にアゾ化合物と呼ばれる、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等の化合物が挙げられる。
【0034】
しかしながら、本発明のレジスト用(共)重合体の製造に使用する重合開始剤としては、熱により効率的にラジカルを発生し、構造中にニトリル基や水酸基、カルボン酸基等の極性基を有しないものが好ましく、ArFエキシマレーザー等の短波長の光源を用いるリソグラフィー用の(共)重合体を製造する場合には、光線透過率をできるだけ低下させないよう構造中に芳香環を有しないものが好ましい。また、重合時の安全性等を考慮すると、重合開始剤は10時間半減期温度が60℃以上のものが好ましい。本発明のレジスト用(共)重合体の製造に好適に使用できる重合開始剤としては、例えば、式(4)〜(10)で表わされる化合物等が挙げられる。
【0035】
【化9】

【0036】
式(4)の化合物は、一般にパーオキシケタール類と呼ばれ、例えば、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等が挙げられる。
【0037】
式(5)の化合物は、一般にジアルキルパーオキサイド類と呼ばれ、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシン等が挙げられる。
【0038】
式(6)の化合物は、一般にジアシルパーオキサイド類と呼ばれ、例えば、イソブチリルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド等が挙げられる。
【0039】
式(7)および(8)の化合物は、一般にパーオキシエステル類と呼ばれ、例えば、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカネート、tert−ヘキシルパーオキシネオデカネート、tert−ブチルパーオキシネオデカネート、tert−ヘキシルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシ3,3,5−トリメチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート等が挙げられる。
【0040】
式(9)の化合物は、一般にパーオキシジカーボネート類と呼ばれ、例えば、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
【0041】
式(10)の化合物は、一般にアゾ化合物と呼ばれ、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、ジブチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等が挙げられる。
【0042】
前記式(4)〜(10)において、R11、R14、R17〜R19およびR25〜R30は、H、炭素数1〜10のアルキル基、−COO−RA、−X−COO−RA、−CONRB−RA、−X−CONRB−RA、−NRB−RA、または−X−NRB−RAであり、R12、R13、R15、R16およびR20〜R24は炭素数1〜10のアルキル基、−COO−RA、−X−COO−RA、−CONRB−RA、−X−CONRB−RA、−NRB−RA、または−X−NRB−RAである。なお、Xは炭素数1〜10のアルキレン基であり、RAおよびRBはHまたは炭素数1〜10のアルキル基である。ここにおけるアルキル基およびアルキレン基は、直鎖、分岐、あるいは環状のいずれでもよい。
【0043】
重合の際に前記式(1)の構造を含む前記式(2)のような重合開始剤を使用する場合は、式(2)で表わされる重合開始剤の使用量が全ての単量体1モルに対して0.018モル以下となるようにするか、あるいは、前記式(3)で表わされる分子末端基100個に対して9個未満となるようにレジスト用(共)重合体を製造する。
【0044】
式(2)で表わされる重合開始剤の使用量を全ての単量体1モルに対して0.018モル以下となるようにする場合、このような重合開始剤の使用量は好ましくは0.014モル以下であり、特に0.008モル以下が好ましい。
【0045】
本発明のレジスト用(共)重合体を製造する際には連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤を用いると、低分子量の(共)重合体を製造する際に重合開始剤の量を少なくすることができる、(共)重合体の分子量分布を小さくすることができる等の利点がある。また、式(11)で表わされる連鎖移動剤を使用すると、レジストの感度が向上するという効果が得られる。
【0046】
【化10】

(R31は炭素数1〜20のアルキル基である。)
【0047】
前記式(11)で表わされる連鎖移動剤としては、例えば、1−ブタンチオール、2−ブタンチオール、1−オクタンチオール、1−デカンチオール、1−テトラデカンチオール、シクロヘキサンチオール、2−メチル−1−プロパンチオール、2−メチルプロパンチオール等が挙げられる。なお、式(11)において、R25は炭素数1〜20のアルキル基であるが、ここにおけるアルキル基は、直鎖、分岐、あるいは環状のいずれでもよい。また連鎖移動剤には、重合時の単量体の安定性等を考慮すると、カルボン酸基や水酸基等の極性基は含有しない方が好ましい。
【0048】
重合反応においては、成長末端にラジカルをもつ重合体が反応溶液中に生じるが、連鎖移動剤を使用すると、この成長末端のラジカルと連鎖移動剤が衝突して成長末端が失活した重合体になる。一方で、連鎖移動剤はラジカルを持った構造になり、このラジカル体が起点となって、再び単量体が逐次重合していく。そのため得られた重合体の末端には連鎖移動残基が存在する。ArFエキシマレーザー等の短波長の光源を用いるリソグラフィー用の(共)重合体を製造する場合には、得られる(共)重合体の光線透過率をできるだけ低下させないよう構造中に芳香環を有しない連鎖移動剤が好ましい。
【0049】
連鎖移動剤として、式(3)で表わされる構造を含む例えば式(11)で表わされる化合物等を用いると、このような連鎖移動剤は成長末端との衝突により硫黄原子部分にラジカルを持ったラジカル体になるので、このような連鎖移動剤を用いて重合させた重合体には連鎖移動残基として式(3)で表わされる分子末端に存在する。式(3)で表わされる分子末端基のR10としては、例えば、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デカニル基等が挙げられる。なお、式(3)において、R10は炭素数1〜20のアルキル基であるが、ここにおけるアルキル基は、直鎖、分岐、あるいは環状のいずれでもよい。
【0050】
レジスト用(共)重合体が式(3)で表わされる分子末端基を有している場合の式(1)で表わされる分子末端基の量は、式(3)で表わされる分子末端基100個に対して9個未満であることが好ましく、特に7個以下が好ましい。
【0051】
式(3)で表わされる分子末端基100個に対して式(1)で表わされる分子末端基が9個未満であるレジスト用(共)重合体を得る方法は特に限定されないが、例えば、式(3)で表わされる構造を含んだ連鎖移動剤1モルに対して、式(1)で表わされる構造を含んだ重合開始剤を0.5モル未満として(共)重合させる等の方法が挙げられる。
【0052】
式(1)および式(3)の分子末端基の量は、後述する測定法によって得られた13C−NMRスペクトルに観測されるそれぞれの分子末端に由来する信号の積分値から計算される。分子末端基量は、その分子構造上の全ての炭素原子についての信号を観測して計算する必要はなく、分子末端基に由来し、かつ観測でき、さらに分子末端基であると帰属できる全ての信号を用いて計算する。なお、式(3)で表わされる分子末端基に由来する全ての信号がノイズ内に隠れる等で識別できない場合は、式(3)で表わされる分子末端基は含まないものと考える。
【0053】
13C−NMRスペクトルによる分子末端の信号の帰属について、脂環式骨格を有する単量体である2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン(以下、MAdMAとも言う。)とラクトン骨格を有するβ−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン(以下、HGBMAとも言う。)を、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル、連鎖移動剤としてn−オクチルメルカプタンを用いて得られた共重合体(共重合組成比:MAdMA/HGBMA=50モル/50モル)を例にとって以下に説明する。ただし、13C−NMRスペクトルによる分子末端構造の帰属および分子末端基の定量において、単量体成分、重合開始剤、連鎖移動剤の種類や組み合わせ、あるいは共重合体の共重合組成比等によって、化学シフトや観測される信号、あるいは定量するための数式は異なる。
【0054】
この例の共重合体から観測されるのは、アルキルチオ基としてはn−オクチル基、シアノアルキル基としてはイソブチロニトリル基である。n−オクチル基の特徴的な信号は、13.5ppm(1位)、21.7ppm(2位)、30.9ppm(3位)、28.2ppm(4位および5位)および27.8ppm(6位)に観測される。またイソブチロニトリル基の特徴的な信号は、30.2ppm(メチル基)および124.6ppm(ニトリル基)に観測される。なお、n−オクチル基の7位と8位、およびイソブチロニトリル基の4級炭素の信号については、単量体成分の信号に重なっていて観測および帰属は困難である。
【0055】
ここで、n−オクチル末端基100個に対するイソブチロニトリル末端基の数Aは次式により求めることができる。この式におけるS1、S2、S3、S45およびS6は、それぞれ13.5ppm(1位)、21.7ppm(2位)、30.9ppm(3位)、28.2ppm(4位および5位)および27.8ppm(6位)に観測される信号の面積値であり、N1およびN2は、それぞれ24.9ppm(メチル基)および124.6ppm(ニトリル基)に観測される信号の面積値である。
【0056】
【数1】

【0057】
本発明のレジスト用(共)重合体を使用したレジストが従来品に比べて高感度および/または高解像度を示す理由について、本発明者らは次のように推定している。すなわち、従来のレジスト用(共)重合体は、成形材料用等の一般の(共)重合体と比べて相対的に低分子量であるにもかかわらず、(共)重合に使用されるAIBNの使用量が一般の(共)重合体の場合と同程度の多量の重合開始剤を使用して製造されていた。このようにして製造された従来のレジスト用(共)重合体では、リソグラフィーの光源から発せられる波長に吸収を有する例えば式(1)で表わされるような構造を含む末端基の分子鎖1本に占める割合が大きかったので、感度や解像度が十分でなかった。本発明はこの点を制御することで前記問題を解決したものと推定している。
【0058】
本発明のレジスト用(共)重合体を製造する方法は特に限定されないが、一般に溶液重合と言われる重合方法が好ましい。溶液重合では、予め、単量体、重合開始剤と、連鎖移動剤を併用する場合はその連鎖移動剤を有機溶剤に溶解させた単量体溶液を、所定温度に保持した有機溶剤中に滴下する、いわゆる滴下重合法が好適である。滴下重合法における重合温度は、特に限定はされないが、50〜150℃の範囲が好ましい。
【0059】
滴下重合法に用いられる有機溶剤は、単量体、重合開始剤と、連鎖移動剤を併用する場合はその連鎖移動剤、および得られる(共)重合体のいずれも溶解できる溶剤が好ましい。このような有機溶媒としては、例えば、1,4−ジオキサン、イソプロピルアルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
【0060】
本発明のレジスト用(共)重合体の重量平均分子量は特に限定はされないが、好ましくは1,000〜100,000の範囲である。
【0061】
次に本発明のレジスト用(共)重合体の使用方法の一例について説明する。溶液重合等の方法で製造された(共)重合体溶液は、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の良溶媒にて適当な溶液粘度に希釈した後、メタノール、水等の多量の貧溶媒中に滴下して(共)重合体を析出させる。その後、その析出物を濾別し十分に乾燥する。この工程は一般に「再沈」と呼ばれ、場合により不要となることがあるが、重合溶液中に残存する未反応の単量体、あるいは重合開始剤等を取り除くために非常に有効である。これらの未反応物は、そのまま残存しているとレジスト性能に悪影響を及ぼす可能性があるので、できるだけ取り除くことが好ましい。
【0062】
レジスト組成物を得るには、本発明のレジスト用(共)重合体を溶剤に溶解させる。この溶剤は、目的に応じて任意に選択されるが、(共)重合体の溶解性以外の理由、例えば、塗膜の均一性、外観、あるいは安全性等を考慮する必要がある。このような溶剤としては、例えば、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサン、ジグライム等が挙げられる。
【0063】
本発明のレジスト用(共)重合体を化学増幅型レジストに使用する場合は、光酸発生剤を用いることが必要である。光酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物の酸発生剤として使用可能なものの中から任意に選択することができる。このような光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物、およびジアゾメタン化合物等が挙げられる。中でも、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等のオニウム塩化合物が好適であり、具体的には、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等を挙げることができる。
【0064】
光酸発生剤は単独で、または2種以上を混合して使用することができる。光酸発生剤の使用量は選択された光酸発生剤の種類により適宜選定されるが、(共)重合体100質量部当たり、通常0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部である。光酸発生剤の使用量が0.1質量部未満では、露光により発生した酸の触媒作用による化学反応を十分に生起させることが困難となる恐れがあり、また20質量部を超えると、組成物を塗布する際に塗布むらが生じたり、現像時にスカム等を発生する恐れがある。
【0065】
レジスト組成物には、光酸発生剤以外に、界面活性剤、増感剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤等の各種添加剤を必要に応じて配合することができる。
【実施例】
【0066】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。なお、各実施例、比較例中「部」とあるのは特に断りのない限り「質量部」を示す。また、実施例および比較例中の物性等の測定は以下の方法を用いて行った。
【0067】
(1)重合体の重量平均分子量
約10mgの(共)重合体を5mLのクロロホルムに溶解し、0.5μmメンブランフィルターで濾過した試料溶液をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した。分離カラムはShodex GPC K−805Lを2本直列、溶媒はクロロホルム、流量1.0mL/min、検出器は示差屈折計、測定温度35℃、注入量0.1mL、標準ポリマーとしてポリメタクリル樹脂を使用した。
【0068】
(2)共重合体の平均共重合組成比(モル%)
1H−NMRの測定により求めた。この測定は、日本電子(株)製GSX−400型FT−NMRを用いて、試料の約5質量%の重水素化クロロホルムあるいは重水素化アセトン溶液を直径5mmφの試験管に入れ、測定温度40℃、観測周波数400MHz、シングルパルスモードにて、64回の積算により行った。
【0069】
(3)(共)重合体の分子末端の定量
13C−NMRの測定により求めた。この測定は、日本電子(株)製GSX−400型FT−NMRを用いて、試料の約30質量%の重水素化ジメチルスルホキシド溶液を直径5mmφのNMR測定用サンプル管に入れ、測定温度60℃において、プロトン完全デカップリングモードで測定した。測定条件は、フリップアングルを90°、パルス間隔を36秒、積算回数は5000回とした。また、基準ピークとしては、測定溶媒として使用した重水素化ジメチルスルホキシドの信号を39.5ppmとして設定した。この基準による化学シフトはテトラメチルシランを0.0ppmとした値にほぼ一致する。また、この測定条件では、全ての炭素の磁化回復率が99%以上であるため、定量的な議論ができる。
【0070】
(4)感度
(共)重合体100部に、光酸発生剤であるトリフェニルスルホニウムトリフレートを2部、および溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを500部を混合して均一溶液とした後、孔径0.1μmのメンブランフィルターで濾過し、レジスト組成物溶液を調整した。その後、この組成物溶液をシリコンウエハー上にスピンコートした後、ホットプレートを用いて、120℃、60秒間プリベークを行い、膜厚0.5μmのレジスト膜を形成した。次いでArFエキシマレーザー露光機を使用して露光した後、ホットプレートを用いて120℃、60秒間露光後ベークを行った。次いで、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて室温で現像し、純水で洗浄し、乾燥して、レジストパターンを形成した。ライン・アンド・スペース(L/S=1/1)を1/1の線幅に形成する露光量を感度として測定した。
【0071】
(5)解像度
上記露光量を露光したときに解像されるレジストパターンの最小寸法(μm)を解像度とした。
【0072】
(実施例1)
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、1,4−ジオキサン20.0部入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。1−イソボニルメタクリレート26.3部、β−メタクリロイルオキシ−β−メチル−γ−ブチロラクトン26.9部、1,4−ジオキサン62.5部、1−ブタンチオール1.8部、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート0.3部(全単量体1モルに対して0.00492モル、1−ブタンチオール1モルに対して0.065モル)を混合した単量体溶液を一定速度で6時間かけて、フラスコ中へ滴下し、その後、80℃の温度を2時間保持した。次いで、得られた反応溶液をテトラヒドロフランで約2倍に希釈し、約10倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物(共重合体A−1)の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、減圧下60℃で約40時間乾燥した。得られた共重合体A−1の各物性を測定した結果を表1に示した。
【0073】
(実施例2)
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、1,4−ジオキサン20.0部入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン28.4部、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン20.6部、1,4−ジオキサン62.5部、1−オクタンチオール1.8部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.3部(全単量体1モルに対して0.00756モル、1−オクタンチオール1モルに対して0.149モル)を混合した単量体溶液を一定速度で12時間かけて、フラスコ中へ滴下し、その後、80℃の温度を30分間保持した。次いで、得られた反応溶液をテトラヒドロフランで約2倍に希釈し、約10倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物(共重合体A−2)の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、減圧下60℃で約40時間乾燥した。得られた共重合体A−2の各物性を測定した結果を表1に示した。
【0074】
(実施例3)
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、1,4−ジオキサン20.0部入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン28.4部、β−メタクリロイルオキシ−β−メチル−δ−バレロラクトン23.9部、1,4−ジオキサン62.5部、n−ブタンチオール1.8部、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.3部(全単量体1モルに対して0.00645モル、n−ブタンチオール1モルに対して0.078モル)を混合した単量体溶液を一定速度で12時間かけて、フラスコ中へ滴下し、その後、80℃の温度を30分間保持した。次いで、得られた反応溶液をテトラヒドロフランで約2倍に希釈し、約10倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物(共重合体A−3)の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、減圧下60℃で約40時間乾燥した。得られた共重合体A−3の各物性を測定した結果を表1に示した

【0075】
(実施例4)
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、1,4−ジオキサン20.0部入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン25.6部、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン18.6部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート3.2部、1,4−ジオキサン62.5部、1−デカンチオール1.5部、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.4部(全単量体1モルに対して0.00604モル、1−デカンチオール1モルに対して0.171モル)を混合した単量体溶液を一定速度で6時間かけて、フラスコ中へ滴下し、その後、80℃の温度を2時間保持した。次いで、得られた反応溶液をテトラヒドロフランで約2倍に希釈し、約10倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物(共重合体A−4)の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、減圧下60℃で約40時間乾燥した。得られた共重合体A−4の各物性を測定した結果を表1に示した。
【0076】
(実施例5)
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20.0部入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン25.6部、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン18.6部、エチルアクリレート2.4部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート62.5部、1−オクタンチオール1.4部、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.3部(全単量体1モルに対して0.00642モル、1−オクタンチオール1モルに対して0.163モル)を混合した単量体溶液を一定速度で12時間かけて、フラスコ中へ滴下し、その後、80℃の温度を30分間保持した。次いで、得られた反応溶液をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで約2倍に希釈し、約10倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物(共重合体A−5)の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、減圧下60℃で約40時間乾燥した。得られた共重合体A−5の各物性を測定した結果を表1に示した。
【0077】
(実施例6)
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20.0部入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン25.6部、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン18.6部、α−メチレンブチロラクトン2.4部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート62.5部、1−シクロヘキサンチオール1.5部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.4部(全単量体1モルに対して0.00661モル、1−シクロヘキサンチオール1モルに対して0.161モル)を混合した単量体溶液を一定速度で6時間かけて、フラスコ中へ滴下し、その後、80℃の温度を2時間保持した。次いで、得られた反応溶液をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで約2倍に希釈し、約10倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物(共重合体A−6)の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、減圧下60℃で約40時間乾燥した。得られた共重合体A−6の各物性を測定した結果を表1に示した。
【0078】
(実施例7)
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、1,4−ジオキサン20.0部入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン25.6部、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン18.6部、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン[n≒2]モノアクリレート(東亞合成社製)7.3部、1,4−ジオキサン62.5部、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート6.5部(全単量体1モルに対して0.116モル)を混合した単量体溶液を一定速度で6時間かけて、フラスコ中へ滴下し、その後、80℃の温度を2時間保持した。次いで、得られた反応溶液をテトラヒドロフランで約2倍に希釈し、約10倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物(共重合体A−7)の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、減圧下60℃で約40時間乾燥した。得られた共重合体A−7の各物性を測定した結果を表1に示した。
【0079】
(実施例8)
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20.0部入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン25.6部、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン18.6部、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸6.9部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート62.5部、1−オクタンチオール1.8部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.3部(全単量体1モルに対して0.00752モル、1−オクタンチオール1モルに対して0.177モル)を混合した単量体溶液を一定速度で12時間かけて、フラスコ中へ滴下し、その後、80℃の温度を30分間保持した。次いで、得られた反応溶液をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで約2倍に希釈し、約10倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物(共重合体A−8)の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、減圧下60℃で約40時間乾燥した。得られた共重合体A−8の各物性を測定した結果を表1に示した。
【0080】
(実施例9)
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、γ−ブチロラクトン20.0部入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン28.4部、5−メタクリロイルオキシ−6−ヒドロキシビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−カルボキシリック−6−ラクトン26.9部、γ−ブチロラクトン62.5部、1−ブタンチオール0.9部、tert−ブチルパーオキシイソブチレート0.3部(全単量体1モルに対して0.00773モル、1−ブタンチオール1モルに対して0.188モル)を混合した単量体溶液を一定速度で12時間かけて、フラスコ中へ滴下し、その後、80℃の温度を30分間保持した。次いで、得られた反応溶液をγ−ブチロラクトンで約2倍に希釈し、約10倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物(共重合体A−9)の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、減圧下60℃で約40時間乾燥した。得られた共重合体A−9の各物性を測定した結果を表1に示した。
【0081】
(実施例10)
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、1,4−ジオキサン20.0部入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン28.4部、8−メタクリロイルオキシ−3−オキソ−4−オキサトリシクロ[5,2,1,02,6]デカン28.6部、1,4−ジオキサン62.5部、1−デカンチオール1.6部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.3部(全単量体1モルに対して0.00753モル、1−ブタンチオール1モルに対して0.199モル)を混合した単量体溶液を一定速度で6時間かけて、フラスコ中へ滴下し、その後、80℃の温度を2時間保持した。次いで、得られた反応溶液を1,4−ジオキサンで約2倍に希釈し、約10倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物(共重合体A−10)の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、減圧下60℃で約40時間乾燥した。得られた共重合体A−10の各物性を測定した結果を表1に示した。
【0082】
(比較例1)
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン28.4部、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン20.6部、1,4−ジオキサン82.5部、1−オクタンチオール1.8部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.3部(全単量体1モルに対して0.00756モル、1−オクタンチオール1モルに対して0.149モル)を全量入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げ、その温度で8時間重合させた。次いで、得られた反応溶液をテトラヒドロフランで約2倍に希釈し、約10倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物(共重合体B−1)の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、減圧下60℃で約40時間乾燥した。得られた共重合体B−1の各物性を測定した結果を表1に示した。
【0083】
(比較例2)
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、1,4−ジオキサン20.0部入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン28.4部、β−メタクリロイルオキシ−β−メチル−δ−バレロラクトン23.9部、1,4−ジオキサン62.5部、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)4.8部(全単量体1モルに対して0.103モル)を混合した単量体溶液を一定速度で6時間かけて、フラスコ中へ滴下し、その後、80℃の温度を2時間保持した。次いで、得られた反応溶液をテトラヒドロフランで約2倍に希釈し、約10倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物(共重合体B−2)の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、減圧下60℃で約40時間乾燥した。得られた共重合体B−2の各物性を測定した結果を表1に示した。
【表1】

【0084】
なお、表1で使用した略号の意味は以下のとおりである。
IBX :1−イソボニルメタクリレート
MAdMA:2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン
MBLMA:β−メタクリロイルオキシ−β−メチル−γ−ブチロラクトン
HGBMA:β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン
MLMA :β−メタクリロイルオキシ−β−メチル−δ−バレロラクトン
M−1 :5−メタクリロイルオキシ−6−ヒドロキシビシクロ
[2,2,1]ヘプタン−2−カルボキシリック−6−ラクトン
M−2 :8−メタクリロイルオキシ−3−オキソ−4−オキサトリシクロ
[5,2,1,02,6]デカン
HEMA :2−ヒドロキシエチルメタクリレート
EA :エチルアクリレート
MBL :α−メチレンブチロラクトン
M5300:ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン[n≒2]モノアクリレート
HH :2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸
n−Bu :n−ブチルチオ基
n−Oc :n−オクチルチオ基
n−De :n−デシルチオ基
CyHex:シクロヘキシルチオ基
IBN :イソブチロニトリル基
2MBN :2−メチルブチロニトリル基
DMVN :2,4−ジメチルバレロニトリル基
【0085】
表1に示すように、実施例1〜10においては感度の低下がなく解像度が向上した。一方、比較例1および2においては、感度および解像度ともに改善されなかった。
【0086】
以上説明したように、本発明のレジスト用(共)重合体およびレジスト組成物は、非常に感度が高く、また解像度も良好であるので、高精度の微細なレジストパターンを安定して形成することができる。そのため、本発明のレジスト用(共)重合体およびレジスト組成物は、DUVエキシマレーザーリソグラフィーあるいは電子線リソグラフィー、特にArFエキシマレーザー(193nm)を使用するリソグラフィーに好適に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂環式骨格を有する単量体単位およびラクトン骨格を有する単量体単位から選ばれる少なくとも一種の単量体単位を含むレジスト用(共)重合体であって、分子末端に式(1)で表わされる分子末端基が含まれていないことを特徴とするレジスト用(共)重合体。
【化1】

(R1およびR2はH、炭素数1〜10のアルキル基、−COO−RA、−X−COO−RA、−CONRB−RA、−X−CONRB−RA、−NRB−RA、または−X−NRB−RAであり、R3はシアノ基または炭素数2〜10のシアノアルキル基である。なお、Xは炭素数1〜10のアルキレン基であり、RAおよびRBはHまたは炭素数1〜10のアルキル基である。)
【請求項2】
少なくとも式(2)で表わされる化合物を重合開始剤として使用して製造された、脂環式骨格を有する単量体単位およびラクトン骨格を有する単量体単位から選ばれる少なくとも一種の単量体単位を含むレジスト用(共)重合体であって、式(2)で表わされる重合開始剤の使用量が全ての原料単量体1モルに対して0.018モル以下であることを特徴とするレジスト用(共)重合体。
【化2】

(R4〜R7は、H、炭素数1〜10のアルキル基、−COO−RA、−X−COO−RA、−CONRB−RA、−X−CONRB−RA、−NRB−RA、または−X−NRB−RAであり、R8およびR9はシアノ基または炭素数2〜10のシアノアルキル基である。なお、Xは炭素数1〜10のアルキレン基であり、RAおよびRBはHまたは炭素数1〜10のアルキル基である。)
【請求項3】
脂環式骨格を有する単量体単位およびラクトン骨格を有する単量体単位から選ばれる少なくとも一種の単量体単位を含むレジスト用(共)重合体であって、分子末端に前記式(1)で表わされる分子末端基が、式(3)で表わされる分子末端基100個に対して9個未満であることを特徴とするレジスト用(共)重合体。
【化3】

(R10は炭素数1〜20のアルキル基である。)
【請求項4】
レジスト用(共)重合体が、式(4)〜(10)で表わされる少なくとも一種の化合物を重合開始剤として使用して製造されたものであることを特徴とする請求項1〜3記載のレジスト用(共)重合体。
【化4】

(R11、R14、R17〜R19およびR25〜R30は、H、炭素数1〜10のアルキル基、−COO−RA、−X−COO−RA、−CONRB−RA、−X−CONRB−RA、−NRB−RA、または−X−NRB−RAであり、R12、R13、R15、R16およびR20〜R24は炭素数1〜10のアルキル基、−COO−RA、−X−COO−RA、−CONRB−RA、−X−CONRB−RA、−NRB−RA、または−X−NRB−RAである。なお、Xは炭素数1〜10のアルキレン基であり、RAおよびRBはHまたは炭素数1〜10のアルキル基である。)
【請求項5】
レジスト用(共)重合体が、式(11)で表わされる化合物を連鎖移動剤として使用して製造されたものであることを特徴とする請求項1〜4記載のレジスト用(共)重合体。
【化5】

(R31は炭素数1〜20のアルキル基である。)
【請求項6】
請求項1〜5記載のレジスト用(共)重合体を含むことを特徴とするレジスト組成物。

【公開番号】特開2010−7077(P2010−7077A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186131(P2009−186131)
【出願日】平成21年8月10日(2009.8.10)
【分割の表示】特願2000−392856(P2000−392856)の分割
【原出願日】平成12年12月25日(2000.12.25)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】