説明

レポート作成装置、及び医用画像処理装置

【課題】読影医のレポート作成負担を軽減すると共に、読影レポートを閲覧する診断医に所見の情報を余すことなく提供することのできるレポート作成に係る技術を提供する。
【解決手段】サーバには、医用画像と当該医用画像に関する記述を記録したコメント情報とが関連づけて蓄積されている。操作手段を用いた操作に基づきレポートの所見欄に文字列を記録するレポート作成装置は、このサーバから、読影対象となる医用画像と当該医用画像に関する記述を記録したコメント情報とを取得し、このコメント情報に記録された記述をレポートの所見欄に記録する。表示部には、操作手段を用いた操作に基づき記録された文字列とコメント情報から複製された記述を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像についての読影に係るレポートを、文字列を入力・操作して作成するとともに、医用画像をレポートにリンク付けするレポート作成装置、並びに、医用画像の所見に係る記述を処理する医用画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線CT装置、MRI装置、超音波診断装置、及び核医学診断装置等の医用画像診断装置で発生した医用画像データは、画像を管理する画像サーバで管理されてネットワーク内の端末で閲覧できるようになっている。
【0003】
一方で、医療行為は、専門分野が細分化されているため、これら画像診断装置で撮影した医用画像の読影は、専門医に依頼することが広く行われる。専門医たる読影医は、依頼された読影対象の医用画像を画像サーバから取得し、モニタに表示させて読影し、その読影結果を読影レポートにまとめる。
【0004】
近年の電子化により読影レポートも電子化されており、読影レポートを電子データとして作成するレポート作成装置も提供されている。読影レポートの作成を支援するレポート作成装置では、画像サーバから医用画像を受信してモニタに表示する。読影医は、表示された医用画像を読影して、レポート作成装置に備えられたキーボードを用いて読影結果を記述する文字データを入力し、当該文字データをレポートに記録させる。
【0005】
また、レポート作成装置では、医用画像を読影レポートにリンク付けする場合もある。レポート作成装置は、読影対象等の医用画像がマウスやキーボードを用いて指定されると、指定された医用画像を同じく指定した文字データにリンク付けする。リンク付けとは、具体的には、医用画像の保管先を示すリンク情報を生成し、そのリンク情報を指定された文字データに関連づけて記録する処理をいう(例えば、「特許文献1」参照。)。
【0006】
このようにして作成された読影レポートは、診断医によりレポート作成装置を用いて閲覧され、患者の診断に利用される。
【0007】
しかし、この読影レポート作成は、特に注目すべき医用画像の選定作業、医用画像の読影作業、キー入力作業、リンク付け作業の各種にわたる。特に、医用画像の読影作業とキー入力作業とでは、視点を医用画像の表示画面とレポート作成画面とを交互に移し替える必要があり、読影レポートの作成負担を増大させる一因となっており、読影効率の低下にもつながる。また、リンク付け作業においても、視点やカーソルを医用画像の表示画面とレポート作成画面とを行き来させる必要があり、これも読影レポートの作成負担を増大させ、読影効率の低下につながる。
【0008】
また、画像診断装置では、医用画像の他にキー画像ノートとも呼ばれるコメント情報が作成される場合がある。コメント情報は、画像診断装置で作成された医用画像についての所見を記述したデータである。撮影中に気づいた点等が記述される。このコメント情報も読影レポートと同様に医用画像に関する所見として重要な情報である。従って、読影医は、コメント情報に記述された事項を読影レポートにも反映すべきである。それゆえ、このコメント情報と読影レポートの整合性をとること、即ちコメント情報に記述された情報が読影レポートから欠落しないようにすることも、読影レポートの作成負担の一因となりうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−301453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、読影医のレポート作成負担を軽減すると共に、読影レポートを閲覧する診断医に所見の情報を余すことなく提供することのできるレポート作成装置及び医用画像処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、操作手段を有し、医用画像と当該医用画像に関する記述を記録したコメント情報とを関連づけて蓄積するサーバとネットワークを介して接続され、所見欄を含むレポートを作成するレポート作成装置であって、前記操作手段を用いた操作に基づき、前記レポートの前記所見欄に文字列を記録するレポート作成手段と、前記医用画像と前記コメント情報を前記サーバから取得する取得手段と、前記取得手段で取得した前記コメント情報に記録された前記記述を前記レポートの前記所見欄に記録する複製手段と、前記レポート作成手段で記録された文字列及び前記複製手段で記録された前記記述を表示するレポート作成画面と、前記取得手段で取得した前記医用画像とを表示する少なくとも1以上の表示手段と、を備えること、を特徴とする。
【0012】
前記コメント情報に関連づけられている前記医用画像を、前記複製手段が前記レポートの前記所見欄に記録した前記記述にリンク付けするリンク作成手段を更に備えるようにしてもよい(請求項2記載の発明に相当)。
【0013】
前記コメント情報の前記記述には、所定の識別情報が付された文字列が含まれ、前記リンク作成手段は、前記記述のうちの所定の識別情報が付された文字列に対して前記医用画像をリンク付けするようにしてもよい(請求項3記載の発明に相当)。
【0014】
前記表示手段は、前記リンク作成手段でリンク付けがされた記述箇所を識別表示するようにしてもよい(請求項4記載の発明に相当)。
【0015】
前記表示手段に対して、前記取得手段が取得した前記コメント情報に関連づけられた前記医用画像を前記レポート作成画面に表示させる表示制御手段を更に備えるようにしてもよい(請求項5記載の発明に相当)。
【0016】
前記コメント情報の前記記述は、各文字列の意味内容からその種類を示す識別情報を付したマークアップ言語で記録され、前記レポート作成手段は、前記レポートを前記コメント情報で用いられる識別情報を付したマークアップ言語で作成するようにしてもよい(請求項6記載の発明に相当)。
【0017】
前記表示手段は、前記コメント情報の作成の際に付与可能な前記識別情報を設定するためのボタンを前記レポート作成画面にレイアウトし、前記レポート作成手段は、前記レポートの前記所見欄に記録され、且つ前記操作手段を用いて選択された前記文字列に対して前記ボタンが押下されると、その押下されたボタンに対応する識別情報をその文字列に付すようにしてもよい(請求項7記載の発明に相当)。
【0018】
前記複製手段は、前記取得手段が前記コメント情報を複数取得すると、前記各コメント情報の前記各記述を前記レポートの前記所見欄に記録するようにしてもよい(請求項8記載の発明に相当)。
【0019】
前記リンク作成手段は、前記各コメント情報に関連づけられている前記各医用画像を、前記複製手段が前記レポートの前記所見欄に記録した対応する前記記述にリンク付けするようにしてもよい(請求項9記載の発明に相当)。
【0020】
表示制御手段は、前記取得手段が前記コメント情報を複数取得すると、前記各コメント情報に関連づけられた前記各医用画像を前記レポート作成画面に表示させるようにしてもよい(請求項10記載の発明に相当)。
【0021】
また、上記課題を解決するために、請求項11記載の発明は、操作手段を有し、医用画像を蓄積するサーバとネットワークを介して接続され、所見欄を含むレポートを作成するレポート作成装置であって、前記医用画像を前記サーバから取得する取得手段と、所見欄を含むレポートの作成画面と前記取得手段で取得した前記医用画像とを表示する少なくとも1以上の表示手段と、前記操作手段を用いた操作に基づき、前記レポートの前記所見欄に文字列を記録するレポート作成手段と、前記操作手段を用いた操作に基づき、前記表示手段に表示された前記医用画像を前記所見欄に記録された前記文字列の全部又は一部の箇所にリンク付けするリンク作成手段と、前記リンク作成手段でリンク付けがなされた前記箇所又はその箇所を含む文字列を記録したコメント情報を作成し、前記リンク付けられた前記医用画像に関連づけて前記サーバに蓄積させるコメント情報作成手段と、を備えること、を特徴とする。
【0022】
また、上記課題を解決するために、請求項12記載の発明に係る医用画像処理装置は、医用画像が文字列の全部又は一部にリンク付けされたレポートを記憶する記憶手段と、前記リンク付けがなされた箇所又はその箇所を含む前記文字列を記録したコメント情報を作成し、前記リンク付けされた前記医用画像に関連づけるコメント情報作成手段と、を備えること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
コメント情報に記録された記述が自動的に読影レポートの所見欄に記録されることにより、読影医のレポート作成負担が軽減される。また、同じ医用画像に対する所見である読影レポートとコメント情報との整合性が図られるため、コメント情報の内容が欠落することがなく、依頼医に十分な所見を提供することができる。
【0024】
また、更にコメント情報に関連づけられている医用画像を自動的に読影レポートの所見欄に上記処理で記録した記述にリンク付けされることにより、読影医のレポート作成負担が更に軽減される。
【0025】
また、レポート中の医用画像がリンク付けされた箇所又はその箇所を含む文字列を記録したコメント情報を作成して、そのリンク付けされた前記医用画像に関連づけることにより、コメント情報が存在しない医用画像に対してもコメント情報を作成することができ、かつそのコメント情報は、読影レポートと整合性が図られているため、コメント情報と読影レポートのいずれを閲覧しても情報の欠落は防止される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】レポート作成装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】画像診断装置で作成される医用画像を示す図である。
【図3】画像診断装置で作成されるコメント情報のデータ構造を示す図である。
【図4】レポート作成装置の構成を示すブロック図である。
【図5】レポート作成装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】レポート作成装置で表示されるレポート作成画面を示す模式図である。
【図7】レポート作成装置によって作成される読影レポートとコメント情報の関係を示す模式図である。
【図8】変形例におけるコメント情報のデータ構造を示す図である。
【図9】変形例におけるコメント情報に基づき作成される読影レポートのデータ構造を示す図である。
【図10】変形例におけるレポート作成装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】コメント情報を作成するコメント作成画面を示す図である。
【図12】コメント情報を作成するレポート作成装置の構成を示すブロック図である。
【図13】レポート作成装置のコメント情報の作成動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係るレポート作成装置の好適な各実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
図1に示すように、レポート作成装置1は、ネットワークNを介して画像サーバ2と接続されている。ネットワークNには、更に画像診断装置3が接続されている。
【0029】
レポート作成装置1及び画像サーバ2は、いわゆるコンピュータであり、それぞれ内部に演算制御部(CPU:Central Processing Unit)、主記憶部(RAM:Random Access Memory)、外部記憶部(HDD:Hard Disk Drive)、通信コントローラを備え、共通線で接続して相互にデータ入出力可能としている。レポート作成装置1は、コンピュータにキーボードやマウス等の入力デバイスと、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ等のモニタ(表示部)とを接続して構成されている。それぞれの外部記憶部には、OS(オペレーティングシステム)及び各自のプログラムが記憶されている。通信コントローラは、ネットワークNの接続線と接続され、例えばWWW(ワールド・ワイド・ウェブ)やDICOM(Digital Imaging and COmmunications in Medicine)通信プロトコル、TCP/IPプロトコル等のデータ通信制御によりネットワークNを介して行なうデータ通信を制御する。なお、図1に図示していないが、ネットワークNに通信可能に接続され、画像サーバ2、レポート作成装置1或いは画像診断装置3にアクセスして、画像やレポートを表示することがビューワ装置を備えて置いても良い。レポート作成装置1は、ほぼ同じ構成であるが、レポート作成装置1は主としてレポート作成に用いられるのに便利な構成にされ、ビューワ装置は、主として表示・観察に用いられるのに便利な構成とされている。レポート作成装置1とビューワ装置とを兼ねる構成であっても良い。
【0030】
画像診断装置3は、例えば、X線CT装置、MRI装置、超音波診断装置、及び核医学診断装置等の所謂モダリティである。
【0031】
このレポート作成装置1は、読影医に対して医用画像4の読影環境及び読影レポート5の作成環境を提供する。医用画像4は、患者の体内画像である。読影レポート5は、医用画像4を読影した結果が記述されたデータであり、テキストデータ、HTMLデータ、又はXMLデータ形式等の電子ファイルのフォーマットを有する。即ち、レポート作成装置1は、読影対象となる医用画像4の表示、読影レポート5の電子ファイルの作成を行う。
【0032】
レポート作成装置1は、医用画像4を保管先から取得して表示する。読影医が医用画像4を読影するためである。医用画像4の保管先は、画像サーバ2である。医用画像4は、画像診断装置3で作成される。画像診断装置3は、患者を撮影して、その撮影結果を反映した医用画像4を作成する。画像診断装置3は、作成した医用画像4を画像サーバ2に送信する。画像サーバ2は、医用画像4を画像データベースに登録して保管しておく。読影医は、医用画像4の読影を依頼されると、レポート作成装置1を操作して、画像サーバ2から医用画像4を取得させる。レポート作成装置1は、操作に従って読影対象の医用画像4の保管先にアクセスし、その保管先に存在する医用画像4を取得して表示する。
【0033】
ここで、画像診断装置3では、医用画像4の他にキー画像ノートとも呼ばれるコメント情報6が作成される場合がある。コメント情報6は、画像診断装置3で作成された医用画像4についての所見を記述したデータであり、テキストデータ、HTMLデータ、又はXMLデータ形式等の各種テキストデータのフォーマットを有する。このコメント情報6は、画像診断装置3のキーボードやマウスを用いて作成される。
【0034】
図2は、画像診断装置3で作成される医用画像4を示す図である。また、図3は、画像診断装置3で作成されるコメント情報6のデータ構造を示す図である。
【0035】
図2に示すように、医用画像4は、画像データ41と、そのヘッダに付帯した付帯情報42とから構成されている。付帯情報42には、この医用画像4に対するスタディインスタンスUID421、シリーズUID422、画像UID423、患者UID424等が記録されている。
【0036】
画像データ41は、画像をその画像を構成する各画素の画素値で表わしたラスターデータや画像の領域内に配置される線や図形を関数で表わしたベクトルデータ、又はこれらを圧縮したデータである。スタディインスタンスUID421は、医用画像4を撮影した診断毎に付与されて、当該診断を識別するIDである。シリーズUID422は、医用画像4を撮影した1診断内で行われたスキャン毎に付与されて、当該スキャンを識別するIDである。画像UID423は、医用画像4を識別するIDである。患者UID424は、医用画像4を撮影した患者のIDである。
【0037】
また、図3に示すように、画像診断装置3で作成されたコメント情報6は、オブジェクトUID61、対応画像UID62、及び記述データ63から構成される。オブジェクトUID61は、コメント情報6を識別するIDである。対応画像UID62は、コメント情報6を医用画像4に関連づける情報であり、このコメント情報6に記述された所見の対象となった医用画像4の画像UID423である。記述データ63が、対応画像UID62で表わされる医用画像4の所見を記述したデータであり、文字列でなる文字情報である。
【0038】
例えば、記述データ63は、マークアップ言語等で記述された構造化テキストで表わされて、各文字列のまとまり毎に各要素を示すタグ631で囲んだ構成を有する。タグ631は、囲んだ文字列の意味内容から分別される種類を表わす(つまり、タグは、種類の識別情報の一種である。)。例えば、図3に示すように、「依頼医へ この画像には、10mmの腫瘍が認められます。そのため、肺がんの疑いがあります。」との記述全体が、所見要素のタグ631で囲まれている場合、この記述全体は、所見全体を表わす。例えば、図3で〈キー画像〉「10mmの腫瘍」〈/キー画像〉と言うように〈キー画像〉と〈/キー画像〉とでなるキー画像要素のタグ631で囲まれている「10mmの腫瘍」の部分は所見の核心部分を表わす。「肺がん」との記述の一部分が、診断情報要素のタグ631で囲まれている場合、この部分は所見に対する診断を表わす。上記のように、所見要素のタグ631、キー画像要素のタグ631等が、請求項に記載の文字列(例えば、「肺がん」)の意味内容に応じた種類を示す識別情報である。
【0039】
このコメント情報6は、画像診断装置3より医用画像4と共に画像サーバ2へ出力され、画像データベースに登録されて保管される。レポート作成装置1は、画像サーバ2から医用画像4を取得する際、これら医用画像4に関連するコメント情報6も共に取得する。
【0040】
レポート作成装置1は、この取得した医用画像4やコメント情報6等を参照した読影医の操作に応じて読影レポート5の電子ファイルを作成する。このようなレポート作成装置1における読影レポート5の作成態様を説明する。
【0041】
図4は、レポート作成装置1の構成を示すブロック図である。
【0042】
図4に示すように、レポート作成装置1は、2台のモニタとキーボードやマウス等の操作部12を有している。表示部11aは、レポート作成画面110を表示する一方のモニタである。表示部11bは、医用画像4を表示する他方のモニタである。レポート作成画面110は、読影レポート5を表示する画面であり、読影レポート5に記録されたデータが反映される。
【0043】
レポート作成装置1は、画像取得部13と記憶部14を有している。この画像取得部13は、主に演算制御部と通信インターフェースにより構成される。記憶部14は、主に主記憶部及び外部記憶部により構成される。
【0044】
画像取得部13は、読影を依頼された診断に対するスタディインスタンスUID421を含んだ画像取得コマンドを画像サーバ2に送信し、画像サーバ2から送られてきた医用画像4を受信する。
【0045】
画像取得コマンドは、例えばクエリー/リトリーブ等のコマンドである。読影を依頼された診断に対するスタディインスタンスUID421は、予めレポート作成装置1や画像サーバ2に診断情報に含められて記憶されている。診断情報は、スタディインスタンスUID421の他、患者氏名や診断日時や依頼医等の選択するための情報を含んでいる。
【0046】
例えば、レポート作成装置1を起動させたとき、表示部11aは、読影を依頼されている診断に対する診断情報の一覧を表示する。画像取得部13は、この一覧から操作部12を用いて選択された診断情報に含まれるスタディインスタンスUID421を画像取得コマンドに含める。
【0047】
画像サーバ2は、スタディインスタンスUID421と画像UID423とを関連づけたデータベースを記憶している。画像サーバ2は、レポート作成装置1から送信されてきたスタディインスタンスUID421に関連づけられた画像UID423に対応する医用画像4を規定された保管先から取得する。医用画像4の保管先は、予めそのパスが規則に従って定められている。例えば、医用画像4は、¥¥画像サーバ2/画像フォルダ/患者UID424を冠するフォルダ/スタディインスタンスUID421を冠するフォルダ/画像UID423というように、予め規則に定められた階層中に保管されている。
【0048】
また、画像サーバ2は、取得した医用画像4の画像UID423を対応画像UID62として有するコメント情報6が保管されていれば、そのコメント情報6も取得し、医用画像4と共にレポート作成装置1に送信する。即ち、画像取得部13は、医用画像4と共にコメント情報6も受信する。
【0049】
取得した医用画像4とコメント情報6とは、記憶部14に記憶される。
【0050】
画像取得部13が取得した医用画像4は、表示部11bに表示される。読影医は、表示部11bに表示された医用画像4を閲覧して読影する。そして、レポート作成画面110を参照しながらキーボードに配列された文字キーを押下することで、読影結果を読影レポート5にまとめていく。レポート作成画面110には、押下した文字キーに対応づけられている文字列が入力され、記入(記述)される。
【0051】
レポート作成装置1は、レポート作成部15と表示制御部16とを有する。レポート作成部15と表示制御部16は、外部記憶部に記憶されたプログラムを演算制御部が実行することで機能する。
【0052】
このレポート作成部15は、押下された文字キーに対応づけられた文字を読影レポート5に電子データとして記入(記録、記述)していく。表示制御部16は、画像取得部13が取得した医用画像4を表示部11bに表示させ、読影レポート5を表示部11aに表示させる。表示制御部16は、文字キーが押下されるたびに、この読影レポート5の表示の更新を繰り返させる。従って、文字キーの押下は、直ちに表示部11aに反映される。このようにして読影レポートが生成されていく。また、表示制御部16は、コメント情報6に記録された対応画像UID62が示す画像UID423に対応する医用画像4をキー画像としてレポート作成画面110に表示させる。
【0053】
更に、レポート作成装置1は、複製部17とリンク作成部18とを有する。複製部17とリンク作成部18は、外部記憶部に記憶されたプログラムを演算制御部が実行することで機能する。
【0054】
複製部17は、コメント情報6に記述(記録)された記述データ63を読影レポート5の所見欄に複写(記録)する。レポート作成画面110には、複写(記録)された記述データ63が表わす文字列が配置される。
【0055】
リンク作成部18は、コメント情報6に関連づけられている医用画像4のリンクを作成する。コメント情報6に関連づけられている医用画像4とは、コメント情報6に記録されている対応画像UID62が表わす画像UID423が付された医用画像4である。リンク付けの対象は、複製部17が読影レポート5の所見欄に複写された記述データ63である。リンクの作成とは、医用画像4の保管先を示すURL等のパスをこのリンク付けの対象に関連づけるものである。
【0056】
医用画像4の保管先を示すパスは、規則に従って生成する。即ち、例えば「http://画像サーバ2/画像フォルダ」以下に、/リンク付けする医用画像4の付帯情報42に付帯した患者UID424/リンク付けする医用画像4の付帯情報42に付帯したスタディインスタンスUID421/リンク付けする医用画像4の付帯情報42に付帯した画像UID423を結合することでパスを生成する。
【0057】
リンク付けがされた箇所は、表示制御部16により識別表示がなされる。識別表示は、その箇所の色変更や下線等の強調表示である。
【0058】
このようなレポート作成装置1の動作を説明する。図5は、このレポート作成装置1の動作を示すフローチャートである。
【0059】
まず、読影医が操作部12を用いて、読影を依頼された診断に対する診断情報の一覧から一つを選択すると(S01)、画像取得部13は、この選択された診断情報に含まれるスタディインスタンスUID421とともに検索コマンドを画像サーバ2に送信する(S02)。
【0060】
画像サーバ2は、データベースを参照してスタディインスタンスUID421に関連づけられている画像UID423を探索し、この画像UID423が付与された医用画像4を取得する。更に、探索した画像UID423が記録されたコメント情報6を取得する。そして、画像サーバ2は、取得した医用画像4とコメント情報6とをレポート作成装置1に送信する。
【0061】
レポート作成装置1に医用画像4及びコメント情報6が送られてくると、画像取得部13は、これら情報を取得する(S03)。
【0062】
表示制御部16は、受信した医用画像4を記憶部14から読み出して、表示部11bに表示させる(S04)。
【0063】
また、表示制御部16は、受信したコメント情報6に記録された対応画像UID62を参照し(S05)、この対応画像UID62が示す画像UID423が付与された医用画像4を記憶部14から読み出して、表示部11aのレポート作成画面110にキー画像として表示させる(S06)。
【0064】
次に、複製部17は、受信したコメント情報6に記述された記述データ63を記憶部14から読み出して(S07)、当該記述データ63を読影レポート5に複写する(S08)。
【0065】
更に、リンク作成部18は、受信したコメント情報6に記録された対応画像UID62を参照して(S09)、この対応画像UID62が示す画像UID423が付与された医用画像4の付帯情報42を基に保管先のパスを生成する(S10)。そして、リンク作成部18は、このパスを読影レポート5に複写された記述データ63に関連づけて当該読影レポート5に記録する(S11)。即ち、リンク付けする。
【0066】
表示制御部16は、この記述データ63が複写され、且つリンク付けがなされた読影レポート5をレポート作成画面110に表示させる(S12)。
【0067】
その後、読影医が操作部12を用いて文字列のキー入力を行うと(S13)、レポート作成部15は、そのキー入力を反映した文字を読影レポート5に記録し、表示制御部16は、その読影レポート5を表示部11bに表示させる(S14)。
【0068】
このS13及びS14は、操作部12を用いて終了の処理に対応するボタンを押下するまで繰り返される(S15,No)。尚、終了の処理に対応するボタンが押下されると、レポート作成装置1は、S01〜S15のレポート作成処理を終了させる。
【0069】
このようなレポート作成装置1の作用を説明する。まず、図6は、レポート作成装置1で表示されるレポート作成画面110を示す模式図である。
【0070】
レポート作成画面110は、診断情報を記載する診断情報フィールド111とキー画像を表示するキー画像フィールド112と所見欄を記載するレポートフィールド113で区切られている。このレポート作成画面110のフォーマットは、予め記憶部14に記憶されており、表示制御部16によって、レポート作成画面110として表示される。診断情報フィールド111には、医用画像4の取得のために一覧から選択された診断情報をレイアウトされる。
【0071】
キー画像フィールド112には、S08の処理により読み出された医用画像4をレイアウトする。この読み出された医用画像4は、受信したコメント情報6の対応画像UID62が示す画像UID423に対応したものである。コメント情報6を複数受信した場合には、キー画像フィールド112には、各コメント情報6に対応する医用画像4が全てレイアウトする。
【0072】
レポートフィールド113には、受信したコメント情報6の記述データ63が表わす文字列がレイアウトされる。この文字列には、リンク付けがなされたことを示す下線63a等の文字飾りが施される。コメント情報6を複数受信した場合には、レポートフィールド113には、各コメント情報6に対応する記述データ63が表わす文字列が全て並べてレイアウトされる。
【0073】
次に、図7は、このレポート作成装置1によって作成される読影レポート5とコメント情報6の関係を示す模式図である。
【0074】
図7に示すように、読影レポート5には、作成当初よりコメント情報6に記述された記述データ63と同一のデータが複写される。即ち、読影レポート5に記載された所見欄の内容とコメント情報6に記載された内容とは整合性が図られている。また、読影レポート5に記述された記述データ63には、この記述データ63を有するコメント情報6に対応する医用画像4が作成当初よりリンク付けされることとなる。
【0075】
尚、コメント情報6が文字列の種類を意味内容から分別するタグ631等の文字列種類識別情報を付したXMLデータ等のマークアップ言語で記述されている場合には、読影レポート5には同様の定義がなされたタグ631も含める。読影レポート5において、記述データ63全体に医用画像4のリンク付けがなされる場合には、図7に示すように、一つのコメント情報6から取り出された一の記述データ63全体を表わすパート要素のタグ631aで囲み、そのタグ631a内にリンク付けする医用画像4のパスを記述したURL属性を追加する。
【0076】
このレポート作成装置1によると、コメント情報6に記述された記述データ63が自動的に読影レポート5の所見欄に複写されるため、読影医のレポート作成負担が軽減される。また、同じ医用画像4に対する所見である読影レポート5とコメント情報6との整合性が図られるため、コメント情報6の内容が欠落することがなく、依頼医に十分な所見を提供することができる。
【0077】
また、コメント情報6に関連づけられている医用画像4を、自動的に読影レポート5の所見欄に複写した記述データ63にリンク付けするため、読影医のレポート作成負担が軽減されると共に、リンクの付け忘れを防止することができる。
【0078】
さらに、表示部11bに対して、画像取得部13が取得したコメント情報6に関連づけられた医用画像4をレポート作成画面110に表示させるため、注目すべき医用画像4を閲覧するために表示部11aに視点を移す必要が低減され、読影医のレポート作成負担が軽減される。
【0079】
この記述データ63へのリンク付けは、記述データ63の全部に対して行われる他、記述データ63の一部に対して行われるようにしてもよい。この場合のレポート作成装置1の変形例について更に説明する。
【0080】
図8は、この変形例におけるコメント情報6のデータ構造を示す図である。また、このコメント情報6に基づき作成される読影レポート5のデータ構造を図9に示す。
【0081】
図8に示すように、コメント情報6には、予めリンク付けがなされる文字列の箇所を指定するタグ631bが記述されている。例えば、記述データ63が表わす文字列のうち、「この画像」との文字列をリンク付けがなされる文字列であることを示す「ハイパーリンク」と定義されたハイパーリンク要素のタグ631bで囲んでいる。
【0082】
そうすると、リンク作成部18は、パート要素のタグ631aを別途生成して読影レポート5に記録した一の記述データ63全体を当該タグ631aで囲んでURL属性を追加するのではなく、図9に示すように、元々存在しているハイパーリンク要素のタグ631bに医用画像4のURL属性を追加する。
【0083】
図10は、この変形例におけるレポート作成装置1の動作を示すフローチャートである。尚、この動作は、上述したS11の変形例であるため、S01〜S10及びS12〜S15までの処理の説明を省略する。
【0084】
リンク作成部18は、記録された記述データ63にハイパーリンク要素のタグ631bが存在するか判断する(S110)。
【0085】
ハイパーリンク要素のタグ631bが存在しなければ(S110,No)、パート要素のタグ631aを生成して(S111)、記述データ63部分をこのタグ631aで囲み(S112)、S10で生成したパスをURL属性として当該タグ631a内に追加する(S113)。
【0086】
一方、ハイパーリンク要素のタグ631bが存在すれば(S110,Yes)、このタグ631b内にS10で生成したパスをURL属性として追加する(S114)。
【0087】
この変形例では、ハイパーリンク要素のタグ631bが存在すれば、文字列の一部にリンク付けを行う場合を説明したが、URL属性を追加するタグ631は、予め定められた種類のタグ631であればよい。例えば、図3に示したコメント情報6において、「この画像」との文字列には、画像を特定する内容を示す対象要素のタグ631が付されている。リンク作成部18は、予め定められた対象要素のタグ631等を探索して、そのタグ631にURL属性を追記するようにしてもよい。
【0088】
次に、コメント情報6の作成について説明する。ここでのコメント情報6は、一般に、上記したように、画像診断装置3で作成されると説明してきたが、以下、次の(イ)、(ロ)のいずれの場合でも、コメント情報6を作成できる構成とすることもできる。(イ)画像診断装置3でコメント情報を作成し、対応する医用画像に関連づけて画像サーバ2に記憶する場合、(ロ)レポート作成装置1、又はビューワ装置等の画像処理装置でコメント情報を作成し、画像診断装置3からの医用画像に関連づけて画像サーバ2に記憶しておく。上記(ロ)の場合は、後ほど、医用画像を閲覧しようする人が、レポート作成装置1のレポート作成者であれ、ビュワー装置の閲覧者であれ、或いは画像診断装置3の操作者であれ、誰でも、医用画像共に、コメント情報も閲覧できるので、漏れなく、多くの人に知らせることができる。
【0089】
以下、図11のコメント作成画面31を基にコメント情報6のマークアップ言語による作成を説明するが、このコメント作成画面31は、画像診断装置3,レポート作成装置1,又はビューワ装置の何れに設けても良い。また、レポート作成装置1では、レポート作成画面がこのコメント作成画面を兼ねることができる。
【0090】
一つの例として、画像診断装置3上でコメント情報6を作成する場合について説明する。この場合、コメント作成部(不図示:後述するレポート作成装置1のコメント作成部19と同じ)によって、コメント作成画面31が、画像診断装置3のモニタに表示され、コメント情報6は、作成された医用画像についての所見として、当該装置が備えるキーボードやマウスを用いて作成される。なお、コメント作成部がコメント作成画面31を表示するとしているが、これらは、実用上、モニタや表示部を制御する表示制御部の一機能として構成しても良い。
【0091】
コメント作成画面31は、記述データ63を表示する記述フィールド311を有する。キーボードを用いて入力された文字列は、コメント情報6に電子データとして記述されるとともに、この記述フィールド311に表示される。
【0092】
また、コメント作成画面31には、各種のタグ631に対応したタグ設定ボタン312が、例えば、「所見」、「ハイパーリンク」、「キー画像」、「診断情報」等の内容種類に応じてレイアウトされている。マウスを用いて記述フィールド311から文字列の範囲を選択し、タグ設定ボタン312の何れかを押下すると、選択された文字列範囲にその押下されたタグ設定ボタン312に対応するタグ631が付される。タグ設定ボタン312は、必ずしもボタンとしてコメント作成画面31にレイアウトされている必要はなく、画像診断装置3の一部キーがタグ設定用操作部として割り当てられていても良い。
【0093】
尚、画像診断装置3だけでなく、レポート作成装置1(この場合は、レポート作成画面110)、或いはビューワ装置のいずれか或いは双方で、コメント情報6を作成を作成できるようにする場合は、それらの各装置にコメント作成画面を設け、そのコメント作成画面に、タグ設定ボタン312と同一種類のボタンをレイアウトするようにしてもよい。そして、マウスを用いてレポートフィールド113から文字列の範囲を選択し、レイアウトされたタグ設定ボタン312の何れかを押下すると、選択された文字列範囲にその押下されたタグ設定ボタン312に対応するタグ631が付される。そして、画像サーバ2に対して、このコメント情報6を図3に示すように作成された医用画像についての画像UID423を対応画像UID62に関連づけて、読み出して利用可能に記憶させる。
【0094】
画像診断装置3、レポート作成装置1、ビューワ装置の各コメント作成画面31に同一種類のタグ設定ボタン312を用意しておくことで、読影レポート5もコメント情報6も同一定義のタグ631が付されたマークアップ言語で作成することができることにより、一の装置(画像診断装置3、レポート作成装置1、又は各ビューワ装置)で一方の情報(タグ)が閲覧できないといった状況を回避することができるため、例えば、最初の作成時と違う、別な環境下(例えば、別なビューワ装置)であっても、続けてコメント情報6を作成者の意図した内容で作成、表示することができ、情報の欠落を更に回避することができる。
【0095】
次に、他の一つの例として、レポート作成装置1で作成する場合について説明する。尚、上述のレポート作成装置1と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0096】
図12は、コメント情報6を作成するレポート作成装置1の構成を示すブロック図である。レポート作成装置1は、更にコメント作成部19を有する。
【0097】
コメント作成部19は、読影レポート5の所見欄の記述を記述データ63として有するコメント情報6を作成する。記述データ63とする記述の範囲は、コメント情報6が関連づけられていない医用画像4がリンク付けされたセンテンスである。コメント情報6に含める対応画像UID62としては、このリンク付けされた医用画像4の画像UID423である。記述データ63として抽出されるセンテンスは、例えば、リンク付けがされた文字列の前後に存在する句点に挟まれた文字列全体である。
【0098】
コメント作成部19により作成されたコメント情報6は、画像取得部13により画像サーバ2へ送信されて保管される。又は、保管に加えて画像サーバ2によりデータベースに登録される。
【0099】
図13は、このレポート作成装置1のコメント情報6の作成動作を示すフローチャートである。
【0100】
操作者がマウスのドラッグ等のように、操作部12を用いて所見欄内の文字列の範囲を指定し(S21)、図示しないリンク付け処理を要求するためのボタンを押下した後(S22)、操作部12を用いて表示部11bに表示されている医用画像4を範囲指定した文字列上にドロップすると(S23)、レポート作成部15は、当該文字列に対してドラッグされた医用画像4をリンク付けする(S24)。
【0101】
そうすると、コメント作成部19は、ドラッグされた医用画像4にコメント情報6が既に関連づけられているかを判断する。
【0102】
具体的には、コメント作成部19は、ドラッグされた医用画像4の画像UID423を付帯情報42から読み出す(S25)。コメント作成部19は、読み出した画像UID423と同一の対応画像UID62を有するコメント情報6を記憶部14から検索する(S26)。
【0103】
S26で該当するコメント情報6が見つかると(S27,Yes)、処理を終了する。
【0104】
一方、該当するコメント情報6が見つからなければ(S27,No)、コメント作成部19は、ドラッグされた文字列を含むセンテンスを読影レポート5の所見欄から読み出す(S28)。そして、コメント作成部19は、読み出したセンテンスを記述データ63とし、S25で読み出した画像UID423を対応画像UID62とし、これら結合することでコメント情報6を作成する(S29)。このとき、コメント作成部19は、図11に示すような、各種のタグ設定ボタン312、例えば、「所見」、「ハイパーリンク」、「キー画像」、「診断情報」等の内容種類に応じたボタンをレイアウトして表示し、それらから選択されたタグを、記述データ63に付して、図3に示すようなコメント情報6を作成する。
【0105】
コメント作成部19は、画像取得部13を介して、作成したコメント情報6を画像サーバ2へ送信する(S30)。画像サーバ2は、このコメント情報6をオブジェクトUID61の発番後に保管し、更に発番したオブジェクトUID61をレポート作成装置1へ送信する。
【0106】
画像取得部13は、オブジェクトUID61を受信し(S31)、コメント作成部19は、作成したコメント情報6にオブジェクトUID61を付して(S32)、処理を終了する。
【0107】
尚、コメント情報6が存在していても、S27の判断処理を行わずにセンテンスをコメント情報6に追加するようにしてもよい。また、センテンスのみならず、所見全体を記述データ63としたコメント情報6を作成し、若しくは所見全体をコメント情報6に追加するようにしてもよい。また、オブジェクトUID61の発番は、レポート作成装置1側で行ってもよい。
【0108】
このレポート作成装置1により、コメント情報6が存在しない医用画像4に対してもコメント情報6を作成することができ、かつそのコメント情報6は、図7で示した関係と同様に読影レポート5と整合性が取れている。従って、コメント情報6と読影レポート5のいずれを閲覧しても情報の欠落は防止される。
【0109】
このようなレポート作成装置1の構成は、レポート作成装置1の他に、医用画像を表示するビューアを備えた画像表示装置や医用画像4を保管する画像サーバ2といった各種の医用画像処理装置に搭載することもできる。即ち、医用画像処理装置に、読影レポート5を記憶(一時的な記憶も含む)する記憶部14、及びコメント作成部19を備えることで、コメント情報6が存在しない医用画像4に対してもコメント情報6を作成することもできる。
【0110】
以上のように、画像診断装置3、レポート作成装置1、ビューワ装置及び画像サーバ2をネットワークで通信可能に接続しておき、画像診断装置3、レポート作成装置1及びビューワ装置のそれぞれに少なくともコメント作成部19を備える構成にしておくことにより、医用画像とその画像に対応したコメント情報6を作成できるとともに、画像サーバ2を介して、或いは通信により直接に、医用画像とその画像に対応したコメント情報6を取得し、表示しても読むことができる。例えば、レポート作成装置1で作成したコメント情報をビューワ装置で取得し、表示させる(読む)ことができる。ビューワ装置で作成したコメント情報をレポート作成装置1で取得し、レポートに複写することもできる。
【0111】
次に、レポート作成装置1とビューワ装置間での具体的な通信の一実施例について説明する。例えば、レポート作成装置1でレポートを作成する場合に、ビューワ装置の所に居る他の担当に医用画像も基に所定の計測を行ってもらい、その結果をレポートに記録(複写)したい場合の例である。この場合、レポート作成者は、計測すべき医用画像の対象部分や計測手順の情報をXMLデータ化して、該当するビューワ装置へ送り、計測を依頼する。他の担当はそのビューワ装置により、画像サーバ2から該当する医用画像を取得して、そのビューワ装置上で必要な計測を行い、その計測結果をコメント情報として作成し、作成したコメント情報を該当する医用画像に対応づけて、画像サーバ2に記憶させるとともに、レポート作成者のレポート作成装置1に計測終了の旨を通信する。レポート作成者はレポート作成装置1を用いて、画像サーバ2から対象とする医用画像とそのコメント情報を取得し、そのコメント情報をレポートの所見に複写するとともに、自己の所見を記述して、必要なハイパーリンク設定して、レポートを完成させる。
【符号の説明】
【0112】
1 レポート作成装置
2 画像サーバ
3 画像診断装置
31 コメント作成画面
311 記述フィールド
312 タグ設定ボタン
4 医用画像
41 画像データ
42 付帯情報
421 スタディインスタンスUID
422 シリーズUID
423 画像UID
424 患者UID
5 読影レポート
6 コメント情報
61 オブジェクトUID
62 対応画像UID
63 記述データ
63a 下線
631 タグ
631a タグ
631b タグ
11a 表示部
11b 表示部
110 レポート作成画面
111 診断情報フィールド
112 キー画像フィールド
113 レポートフィールド
12 操作部
13 画像取得部
14 記憶部
15 レポート作成部
16 表示制御部
17 複製部
18 リンク作成部
19 コメント作成部
N ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作手段を有し、医用画像と、当該医用画像に関して文字列で記述がされたコメント情報とを関連づけて蓄積するサーバとネットワークを介して接続され、所見欄を含むレポートを作成するレポート作成装置であって、
前記操作手段を用いた操作に基づき、前記レポートの前記所見欄に文字列を記入するためのレポート作成手段と、
前記医用画像と前記コメント情報を前記サーバから取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した前記コメント情報に含まれる前記記述を前記レポートの前記所見欄に複写する複製手段と、
少なくとも1以上の表示手段と、
前記レポート作成手段で記入された文字列及び前記複製手段で複写された前記記述を表示するレポート作成画面と、前記取得手段で取得した前記医用画像とを、前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えること、
を特徴とするレポート作成装置。
【請求項2】
前記コメント情報に関連づけられている前記医用画像を、前記複製手段が前記レポートの前記所見欄に複写した前記記述にリンク付けするリンク作成手段を更に備えること、
を特徴とする請求項1記載のレポート作成装置。
【請求項3】
前記コメント情報の前記記述には、所定の識別情報が付された文字列が含まれ、
前記リンク作成手段は、
前記記述のうちの前記所定の識別情報が付された文字列に対して前記医用画像をリンク付けすること、
を特徴とする請求項2記載のレポート作成装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記表示手段に、
前記リンク作成手段でリンク付けがされた記述箇所を識別表示させること、
を特徴とする請求項2又は3記載のレポート作成装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記表示手段に対して、前記取得手段が取得した前記コメント情報に関連づけられた前記医用画像を表示させることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のレポート作成装置。
【請求項6】
前記コメント情報の前記記述は、各文字列の意味内容からその種類を示す識別情報を付したマークアップ言語で記録され、
前記レポート作成手段は、前記レポートを前記コメント情報で用いられる識別情報を付したマークアップ言語で作成すること、
を特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のレポート作成装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、
前記コメント情報の作成の際に付与可能な前記識別情報を設定するための操作部を前記レポート作成画面にレイアウトし、
前記レポート作成手段は、
前記レポートの前記所見欄に記述され、且つ前記操作部を用いて選択された前記文字列に対して、前記操作部の操作により設定された前記識別情報をその文字列に付すこと、
を特徴とする請求項6記載のレポート作成装置。
【請求項8】
前記複製手段は、
前記取得手段が前記コメント情報を複数取得したとき、前記各コメント情報の前記各記述を前記レポートの前記所見欄に複写すること、
を特徴とする請求項1記載のレポート作成装置。
【請求項9】
前記リンク作成手段は、
前記各コメント情報に関連づけられている前記各医用画像を、前記複製手段が前記レポートの前記所見欄に複写した前記記述に、リンク付けすること、
を特徴とする請求項8記載のレポート作成装置。
【請求項10】
表示制御手段は、
前記取得手段が前記コメント情報を複数取得したとき、前記各コメント情報に関連づけられた前記各医用画像を前記レポート作成画面に表示させること、
を特徴とする請求項8記載のレポート作成装置。
【請求項11】
操作手段を有し、医用画像を蓄積するサーバとネットワークを介して接続され、所見欄を含むレポートを作成するレポート作成装置であって、
前記医用画像を前記サーバから取得する取得手段と、
少なくとも1以上の表示手段と、
所見欄を含むレポートの作成画面と前記取得手段で取得した前記医用画像とを前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記操作手段を用いた操作に基づき、前記レポートの前記所見欄に文字列で記述するためのレポート作成手段と、
前記操作手段を用いた操作に基づき、前記表示手段に表示された前記医用画像を前記所見欄に記述された前記文字列の全部又は一部の箇所にリンク付けするリンク作成手段と、
前記リンク作成手段でリンク付けがなされた前記箇所又はその箇所を含む文字列で記述されたコメント情報を作成し、前記リンク付けられた前記医用画像に関連づけて前記サーバに蓄積させるコメント情報作成手段と、
を備えること、
を特徴とするレポート作成装置。
【請求項12】
医用画像が蓄積されたサーバに接続された医用画像処理装置であって、
該医用画像が、文字列で記述された全部又は一部にリンク付けされたレポートを記憶する記憶手段と、
前記レポートにおいて前記リンク付けがなされた記述又はその記述を含む文字情報を抽出して、前記サーバに記憶されている前記リンク付けされた前記医用画像に関連づけて、前記サーバに記憶させるコメント情報作成手段と、
表示手段と、
前記文字情報を前記表示手段に表示する表示制御手段と、を備えること、
を特徴とする医用画像処理装置。
【請求項13】
コメント情報作成手段は、前記コメント情報の前記記述は、各文字列の意味内容からその種類を示す識別情報を付したマークアップ言語で記述すること、
を特徴とする請求項12に記載の医用画像処理装置。
【請求項14】
前記表示制御手段は、
前記コメント情報の作成の際に付与可能な前記識別情報を設定するための操作部を前記表示手段の画面にレイアウトし、
コメント情報作成手段は、
前記操作部を用いて選択された前記文字列に対して、前記操作部の操作により設定された前記識別情報をその文字列に付すこと、
を特徴とする請求項12記載の医用画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−141837(P2011−141837A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−3219(P2010−3219)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】