レーザによる回転式切削工具刃の3次元表面成形
レーザ(50)を使用して、点単位の所定の幾何形状を形成するように回転式切削工具(10)の切削端(18)から材料を除去して、回転式切削工具(10)の切刃(20、22)およびこれに隣接する曲面(S)領域を形成する方法が開示される。切削端(18)の表面(S)に垂直な方向の成分(CN)を有する角度(θ)で回転式切削工具(10)の切削端(18)に向かってレーザビーム(L)を出すことにより、比較的複雑な表面および刃形状を形成することができる。レーザビーム(L)は、切削端(18)の表面(S)を複数のパスで横断して出されて材料を除去し、所望の切刃(20、22)およびこれに隣接する3次元曲面形状(S)を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転式切削工具刃の形成に関し、より詳細には、そのような切刃を3次元表面成形するためのレーザの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
機械加工において、機械加工される材料よりも硬度が高い切刃を有する必要があるのは公知である。工具の進化全体を通じて、工具は、石から黄銅、鉄、炭素鋼、高速度鋼、それから超硬合金へと進歩してきた。最近の数十年の間、この進化は、セラミック(窒化ケイ素、酸化アルミニウムなど)、ならびに多結晶ダイヤモンド(PCD)および立方窒化ホウ素(CBN)などの「超砥粒」(superabrasive)材料の導入とともにさらに続いている。これらの材料は、切刃の硬度、耐摩耗性、および変形に対する抵抗性を高めることにより、特定の材料における工具寿命を大きく向上させたが、それらの材料は、より広範な工具に適用するのが困難であった。これは、これらの材料を機械加工するための、PCDよりも高い硬度の材料が全くないことから、特に、PCDおよびCBNを含むこれらの材料自体を機械加工するのが困難なためであった。
【0003】
これらの材料を成形するのに使用される現在の加工法には、放電加工(EDM)、放電研削(EDG)、および砥粒としてPCDを含有する砥石を用いた研削がある。これらの加工法はすべて、切刃品質が低い(EDMおよびECG)、ならびにコストが高いおよび加工時間(研削)が多大であるなどの様々な種類の欠点を有する。自由形式の幾何形状を点間で定義することができず、面生成器(研削砥石面、ワイヤ電極など)によって形成される線織面で構成しなければならないという、上記の加工法のすべてに対する限界もある。
【0004】
レーザは、様々なタイプの材料を切断するのに使用されている。例えば、米国特許第4,481,016号明細書、同第4,849,602号明細書、同第5,643,523号明細書、および同第7,189,032号明細書は、切削工具材料のプレートを切断して、単一の材料プレートからいくつかの異なる切削工具インサートを形成するためのレーザの使用を開示している。例えば、米国特許第4,714,385号明細書、同第5,178,645号明細書、および同第7,322,776号明細書、ならびに米国特許出願公開第2008/029415号明細書に開示されているように、レーザは、切削工具インサートの切削部先端部分を切断するのにも使用されている。そのようなレーザ切断作業では、レーザビームは、切断作業によって形成される平面の面に平行な方向に切削工具インサート材料を切断する。
【0005】
レーザはまた、米国特許第5,722,803号明細書、同第5,776,355号明細書、および同第6,161,990号明細書に開示されているように、次に加えられる材料層の接着性を改善するために、切削工具インサートの表面を粗面化するのに使用されたり、または米国特許第6,712,564号明細書に開示されているように、切削工具インサートが切削機械に機械的にクランプされるときに、切削工具インサートを所定の位置に保持する働きをするテクスチャ表面を形成するのに使用されたりしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの従来の方法にもかかわらず、ドリルおよび他の回転式切削工具などの比較的複雑な幾何形状を有する工具で、切刃を効率よく形成する方法が依然として必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、レーザを使用して、点単位の所定の幾何形状を形成するように工具の切削端から材料を除去して、回転式切削工具の切刃および隣接する曲面領域を形成する方法を提供する。切削端の表面に垂直な方向の成分を有する角度で工具の切削端に向かってレーザビームを出すことにより、比較的複雑な表面および刃形状を形成してもよい。レーザビームは、切削端の表面を複数のパスで横断して材料を除去し、所望の切刃および隣接する3次元曲面形状を形成する。
【0008】
本発明の一態様は、本体と、回転式切削工具の切削端に隣接する切刃を画定し、本体の全長の少なくとも一部に沿って本体に形成された少なくとも1つのフルートとを有する、回転式切削工具の切刃を形成する方法を提供し、その方法は、レーザビームを出して回転式切削工具の切削端から材料を除去して、切刃と、切刃に隣接する所定の3次元曲面とを形成することを含む。
【0009】
本発明の別の態様は、本体と、回転式切削工具の切削端に隣接する切刃を画定し、本体の全長の少なくとも一部に沿って本体に形成された少なくとも1つのフルートと、切刃に隣接する曲面とを含む、回転式切削工具を提供し、切刃および切刃に隣接する曲面はレーザビームによって形成される。
【0010】
本発明のこれらのおよび他の態様が以下の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態による制御されたレーザビームによって形成し得る、切刃および隣接する3次元曲面を有するドリルの形態の回転式切削工具の等角図である。
【図2】図1に示すものと同様なドリルの側面図である。
【図3】図2に示すドリルの一部分の側面図であり、工具が図2に示す位置からその長手軸のまわりに90°回転している図である。
【図4】図2のドリルの端面図である。
【図5】ドリルの切削端を形成するための従来の研削加工を示している図である。
【図6】図5に示す研削加工中にドリルの切削端から除去される材料を示している図である。
【図7】回転式切削工具の切削端を示し、本発明の一実施形態によるレーザ処理を受ける領域と、従来の研削によって機械加工される、切削部先端から離れた別の領域とを示している図である。
【図8】図7に示す回転式切削工具の分解端面図である。
【図9】レーザビームが、工具の成形面から測定したある角度で回転式切削工具の表面に向かって出される、本発明のレーザ成形作業の部分概略図である。
【図10】回転式切削工具の切削端の表面にまたがったレーザビーム路の部分概略図であり、レーザビームが、回転式切削工具において、各隣接するパスが同じ方向とされた表面を複数の平行パスで横断している図である。
【図11】回転式切削工具の切削端の表面にまたがったレーザビーム路の部分概略図であり、レーザビームが、回転式切削工具において、各隣接するパスが反対方向とされた表面を複数の平行パスで横断している図である。
【図12】本発明の別の実施形態による、回転式切削工具の切削端の表面全体にわたる自由形式のレーザビームパターンを示している図である。
【図13】本発明の一実施形態によるレーザ処理時のレーザと回転式切削工具の切削端との相対位置を示している図である。
【図14】本発明の一実施形態に従って使用し得るレーザビーム制御システムを概略的に示している図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のレーザ成形による方法を使用して、回転式切削工具の切刃とそれを囲む曲面とを形成してもよい。本明細書において、「回転式切削工具」という用語は、切り屑除去式機械加工用の回転式工具を意味する。本発明の方法によって形成し得るいくつかのタイプの回転式切削工具の例には、ドリルおよびドリルビット、フライス、リーマ、タップ、段付きドリル、刃先交換式ドリル、座ぐりフライス、座ぐり工具、軌道工具(orbital tool)などがある。そのような工具の切刃は、炭化物、焼結炭化タングステンなどのサーメット、立方窒化ホウ素または酸化アルミニウムなどのセラミック、多結晶ダイヤモンドなどを含むきわめて硬質の材料で作製してもよい。
【0013】
図1〜4は、本発明に従って作製し得るドリルを示している。ただし、当然のことながら、同様のタイプの切刃形状を有する他の任意のタイプの回転式切削工具も本発明の範囲内であると考えられる。図1および図2に示すように、ドリル10は、長手方向回転軸Aに沿って一列に並んだ本体12およびシャンク部分14を有する。本体は、本体12の軸方向長さの少なくとも一部に沿って延びる少なくとも1つのフルート16A、16Bを含む。図1および図2に示す実施形態では、ドリルは、2つの螺旋状フルート16A、16Bを含む。ただし、回転式切削工具は、他の任意の適切な数量のフルートを有してもよく、他の任意の公知のタイプのフルート形状を有してもよい。
【0014】
本発明によれば、回転式切削工具10の切刃とそれらに隣接する曲面領域とは、点単位で制御されて工具10の切削端から材料を除去するレーザ照射によって所望の形状に形成される。図1〜4に示す実施形態では、ドリル10は略円錐形の切削部先端18を有し、この切削部先端18は、螺旋状フルート16A、16Bが先端18と交差する領域で主切刃20を画定する。さらに、ドリル10は、螺旋状フルートが、略円筒形の本体の外周と半径方向に交差する領域に副切刃22を有する。主切刃20および/または副切刃22、さらにはそれらに隣接する曲面は、本発明に従って、レーザビームで形成してもよい。
【0015】
図5は、ドリルの切削端を成形する従来の研削による方法を示している。螺旋状フルートが形成された、前もって機械加工したロッド30を研削砥石32で機械加工して、ドリルの切削端に所望の形状34を形成する。そのような従来の研削加工は、特定のタイプのドリル材料に適するものであってよいが、研削による方法は、炭化物、サーメット、セラミック、PCD、CBN、およびそのような材料の組み合わせなどのきわめて硬質の材料でできたドリルには実用的でないことがある。
【0016】
図6は、図5に示す研削加工時にドリルの切削端から除去される材料塊36を示している。所望の形状を得るために、大量の材料が、ドリルの先端から、および各螺旋状フルートの後縁に隣接するドリル本体の側部外周面から除去されなければならない。きわめて硬質の材料でできたドリルからそのような大量の材料を除去するのは困難であったり、または不可能であったりすることがある。
【0017】
図7は、回転式切削工具40の切削端を示し、本発明の一実施形態によるレーザ処理を受ける領域42を示している。切削部先端から離れた別の領域は、研削などの従来の態様で機械加工してもよい。図8は、図7に示す回転式切削工具40の分解端面図である。
【0018】
図9は、レーザビームLが、工具の成形面Sから測定した角度θで回転式切削工具の表面Sに向かって出される、本発明のレーザ成形作業の部分概略図である。角度θは、工具の成形面Sに垂直な方向の成分CNと、工具の成形面Sに平行な方向の成分CPとを有する。レーザビームLは表面Sを横断するので、角度θは通常、表面Sに垂直な方向の成分を維持しながら、1つには成形面Sの曲線によって変わる。一実施形態では、角度θは、例えば、90°±30°など、90°±45°の標準値を有する。特定の実施形態では、角度θは、90°±10°または90°±5°としてもよい。レーザの焦点は制御し得る。例えば、図9に示すように、焦点は、加工物の表面に配置されてよいし、または表面より上の選択された距離−δ、もしくは表面より下の選択された距離+δに配置されてもよい。
【0019】
図10は、回転式切削工具の切削端の表面にまたがったレーザビーム路の部分概略図であり、レーザビームが、回転式切削工具において、各隣接するパスが同じ方向とされた表面を複数の平行パスで横断している。
【0020】
図11は、回転式切削工具の切削端の表面にまたがったレーザビーム路の部分概略図であり、レーザビームが、回転式切削工具において、各隣接するパスが反対方向とされた表面を複数の平行パスで横断している。
【0021】
図12は、本発明の別の実施形態による、回転式切削工具の切削端の表面全体にわたる自由形式のレーザビームパターンを示している。
【0022】
図10〜12に示すように、レーザビームは、点単位の制御で切削工具材料を除去または融除して、切刃およびそれを囲む表面領域を形成するために、様々に制御されたパターンで加工物の表面を横断する。
【0023】
図13は、本発明の実施形態に従ってレーザビームLで照射中のレーザ50と回転式切削工具10の切削端との相対位置を示している。本発明によれば、レーザLは、ドリル10または他の工具の切削部先端部分から材料を融除して、または蒸発させて、所望の幾何形状を点単位で形成する。自由形式の構造で単一または複数の刃を形成することが、本発明の方法を用いて可能になる。本発明の一実施形態によれば、1つまたは複数の切刃および隣接する面が形成された後、研削、フライス加工、EDM/ECG、さらなるレーザ蒸発、またはそのような方法の組み合わせにより工具の残りの部分を作製してもよい。異種の切刃材料(超硬本体の中のPCDなど)の取り付け方法として、ろう付け、締まり嵌め、共焼結、または他の公知の固定方法により取り付けることができる。
【0024】
本発明に基づいて使用されるレーザには、例えば、Nd:YVO4レーザ、Nd:YAGレーザなどの従来のダイオード励起固体レーザがあり得る。レーザのパルス周波数および出力は所望通りに調整し得る。例えば、100kHz〜10,000kHzのパルス周波数が適切なことがあり、1W〜500Wの出力が適切なことがある。レーザは、加工物の表面から適切な距離、例えば、1cm〜100cm離れて配置される。
【0025】
レーザビームと切削工具加工物とは、例えば工具が、3、4、または5つの移動軸などの多軸で取り付けられるテーブルまたは他の固定装置を移動させることによる、工具の直線的な位置決めおよび/または回転位置決めによって、相対移動し得る。さらに、レーザビームは、例えば、鏡および/または多軸でのレーザの直進または回転移動によって移動させ得る。レーザビームは、任意の所望の速度、例えば、10mm/秒〜1,000mm/秒など、通常は1mm/秒〜10,000mm/秒で加工物の表面を横断し得る。加工物上のレーザスポットの大きさは、所望する通りに制御してもよく、例えば、レーザスポットの直径は通常1μm〜100μmとしてもよい。フィードバックシステムを使用して、レーザ融除加工を制御してもよい。あるいは、オープンループシステムを使用してもよく、最初に加工物を検出し、続いてレーザ融除を行う。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、加工物の切刃および隣接する表面領域を検出して、レーザビームを案内および制御してもよい。例えば、回転式切削工具加工物の切刃を、レーザ源などの光学装置またはレーザの後方散乱によって検出してもよい。機械的な位置検知装置を使用してもよい。切刃の検出に加えて、システムは、材料がレーザビームによって表面から除去されるときに、レーザ成形作業を監視および制御するために、隣接する表面の形状を検出し得る。
【0027】
図14は、本発明の一実施形態に基づいて使用してもよいレーザビーム制御システム60を概略的に示している。レーザビームLは、融除加工時にレーザ50から切削工具10の表面Sに向かって出されて、プラズマ点Pおよびプラズマ領域Rを形成する。図14に示す実施形態では、単一のレーザ50が使用されている。検出器62を使用して、切削工具10に対するプラズマ点Pの3次元位置を特定し得る。検出器62からの出力信号はコントローラ64に送ることができ、コントローラ64は今度はレーザ50を制御する。加工時に、パルス周波数、レーザ出力、パルスシーケンス、表面を横断する直進速度、移動のパターン、焦点深度などを含むレーザの様々なパラメータを調整して、レーザビームの適応制御を行ってもよい。検出器62には、レーザ源、またはレーザ眼科手術もしくは3次元板金レーザ溶接で見られるものなどの、従来から表面測定に使用されている他の光学装置があり得る。
【0028】
レーザ照射加工後、結果として得られた成形面は非常に平滑であり得るが、典型的な表面粗さは、例えば、0.01μmRa〜0.2μmRaなど、0.5μmRa未満である。特定の実施形態では、表面粗さは、0.1Ra未満または0.05Ra未満である。
【0029】
本発明の実施形態によれば、レーザビームによって形成された切刃は、ホーニング加工または機械加工をなんら追加する必要なく、回転式切削工具の意図した使用に対して十分な鋭利さを有する。レーザビームによって形成される切刃は、例えば、100μm未満または50μm未満など、130μm未満の刃の鋭利さを有してもよい。特定の実施形態では、刃の鋭利さは10μm未満としてもよく、または1μm未満とさえしてもよい。
【0030】
ドリルなどの回転式切削工具を形成するときに、レーザビームによって形成される比較的複雑な曲面には、凹面部分、凸面部分、およびそれらの組み合わせが含まれ得る。例えば、フルートの領域内では、成形面の少なくとも一部は凹面である。通常の螺旋状フルートの場合、成形面は、ドリルの軸に対して垂直な平面内で内側に湾曲し、ドリルの長手方向に螺旋状である。凹形のフルート面と対照的に、ドリルの先端のレーザ成形面は凸面としてもよく、外側に湾曲した面が円錐部分に対応する。図1〜4、図7、および図8に示す実施形態では、レーザ成形切刃は、略円錐形の先端と螺旋状フルートとの交差部で直線の形態をとる。
【0031】
本発明の特定の実施形態が、例示を目的として上記に説明されたが、添付の特許請求の範囲で定義された本発明から逸脱することなく、本発明の細部を様々に変更してもよいことは当業者には明らかであろう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転式切削工具刃の形成に関し、より詳細には、そのような切刃を3次元表面成形するためのレーザの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
機械加工において、機械加工される材料よりも硬度が高い切刃を有する必要があるのは公知である。工具の進化全体を通じて、工具は、石から黄銅、鉄、炭素鋼、高速度鋼、それから超硬合金へと進歩してきた。最近の数十年の間、この進化は、セラミック(窒化ケイ素、酸化アルミニウムなど)、ならびに多結晶ダイヤモンド(PCD)および立方窒化ホウ素(CBN)などの「超砥粒」(superabrasive)材料の導入とともにさらに続いている。これらの材料は、切刃の硬度、耐摩耗性、および変形に対する抵抗性を高めることにより、特定の材料における工具寿命を大きく向上させたが、それらの材料は、より広範な工具に適用するのが困難であった。これは、これらの材料を機械加工するための、PCDよりも高い硬度の材料が全くないことから、特に、PCDおよびCBNを含むこれらの材料自体を機械加工するのが困難なためであった。
【0003】
これらの材料を成形するのに使用される現在の加工法には、放電加工(EDM)、放電研削(EDG)、および砥粒としてPCDを含有する砥石を用いた研削がある。これらの加工法はすべて、切刃品質が低い(EDMおよびECG)、ならびにコストが高いおよび加工時間(研削)が多大であるなどの様々な種類の欠点を有する。自由形式の幾何形状を点間で定義することができず、面生成器(研削砥石面、ワイヤ電極など)によって形成される線織面で構成しなければならないという、上記の加工法のすべてに対する限界もある。
【0004】
レーザは、様々なタイプの材料を切断するのに使用されている。例えば、米国特許第4,481,016号明細書、同第4,849,602号明細書、同第5,643,523号明細書、および同第7,189,032号明細書は、切削工具材料のプレートを切断して、単一の材料プレートからいくつかの異なる切削工具インサートを形成するためのレーザの使用を開示している。例えば、米国特許第4,714,385号明細書、同第5,178,645号明細書、および同第7,322,776号明細書、ならびに米国特許出願公開第2008/029415号明細書に開示されているように、レーザは、切削工具インサートの切削部先端部分を切断するのにも使用されている。そのようなレーザ切断作業では、レーザビームは、切断作業によって形成される平面の面に平行な方向に切削工具インサート材料を切断する。
【0005】
レーザはまた、米国特許第5,722,803号明細書、同第5,776,355号明細書、および同第6,161,990号明細書に開示されているように、次に加えられる材料層の接着性を改善するために、切削工具インサートの表面を粗面化するのに使用されたり、または米国特許第6,712,564号明細書に開示されているように、切削工具インサートが切削機械に機械的にクランプされるときに、切削工具インサートを所定の位置に保持する働きをするテクスチャ表面を形成するのに使用されたりしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの従来の方法にもかかわらず、ドリルおよび他の回転式切削工具などの比較的複雑な幾何形状を有する工具で、切刃を効率よく形成する方法が依然として必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、レーザを使用して、点単位の所定の幾何形状を形成するように工具の切削端から材料を除去して、回転式切削工具の切刃および隣接する曲面領域を形成する方法を提供する。切削端の表面に垂直な方向の成分を有する角度で工具の切削端に向かってレーザビームを出すことにより、比較的複雑な表面および刃形状を形成してもよい。レーザビームは、切削端の表面を複数のパスで横断して材料を除去し、所望の切刃および隣接する3次元曲面形状を形成する。
【0008】
本発明の一態様は、本体と、回転式切削工具の切削端に隣接する切刃を画定し、本体の全長の少なくとも一部に沿って本体に形成された少なくとも1つのフルートとを有する、回転式切削工具の切刃を形成する方法を提供し、その方法は、レーザビームを出して回転式切削工具の切削端から材料を除去して、切刃と、切刃に隣接する所定の3次元曲面とを形成することを含む。
【0009】
本発明の別の態様は、本体と、回転式切削工具の切削端に隣接する切刃を画定し、本体の全長の少なくとも一部に沿って本体に形成された少なくとも1つのフルートと、切刃に隣接する曲面とを含む、回転式切削工具を提供し、切刃および切刃に隣接する曲面はレーザビームによって形成される。
【0010】
本発明のこれらのおよび他の態様が以下の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態による制御されたレーザビームによって形成し得る、切刃および隣接する3次元曲面を有するドリルの形態の回転式切削工具の等角図である。
【図2】図1に示すものと同様なドリルの側面図である。
【図3】図2に示すドリルの一部分の側面図であり、工具が図2に示す位置からその長手軸のまわりに90°回転している図である。
【図4】図2のドリルの端面図である。
【図5】ドリルの切削端を形成するための従来の研削加工を示している図である。
【図6】図5に示す研削加工中にドリルの切削端から除去される材料を示している図である。
【図7】回転式切削工具の切削端を示し、本発明の一実施形態によるレーザ処理を受ける領域と、従来の研削によって機械加工される、切削部先端から離れた別の領域とを示している図である。
【図8】図7に示す回転式切削工具の分解端面図である。
【図9】レーザビームが、工具の成形面から測定したある角度で回転式切削工具の表面に向かって出される、本発明のレーザ成形作業の部分概略図である。
【図10】回転式切削工具の切削端の表面にまたがったレーザビーム路の部分概略図であり、レーザビームが、回転式切削工具において、各隣接するパスが同じ方向とされた表面を複数の平行パスで横断している図である。
【図11】回転式切削工具の切削端の表面にまたがったレーザビーム路の部分概略図であり、レーザビームが、回転式切削工具において、各隣接するパスが反対方向とされた表面を複数の平行パスで横断している図である。
【図12】本発明の別の実施形態による、回転式切削工具の切削端の表面全体にわたる自由形式のレーザビームパターンを示している図である。
【図13】本発明の一実施形態によるレーザ処理時のレーザと回転式切削工具の切削端との相対位置を示している図である。
【図14】本発明の一実施形態に従って使用し得るレーザビーム制御システムを概略的に示している図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のレーザ成形による方法を使用して、回転式切削工具の切刃とそれを囲む曲面とを形成してもよい。本明細書において、「回転式切削工具」という用語は、切り屑除去式機械加工用の回転式工具を意味する。本発明の方法によって形成し得るいくつかのタイプの回転式切削工具の例には、ドリルおよびドリルビット、フライス、リーマ、タップ、段付きドリル、刃先交換式ドリル、座ぐりフライス、座ぐり工具、軌道工具(orbital tool)などがある。そのような工具の切刃は、炭化物、焼結炭化タングステンなどのサーメット、立方窒化ホウ素または酸化アルミニウムなどのセラミック、多結晶ダイヤモンドなどを含むきわめて硬質の材料で作製してもよい。
【0013】
図1〜4は、本発明に従って作製し得るドリルを示している。ただし、当然のことながら、同様のタイプの切刃形状を有する他の任意のタイプの回転式切削工具も本発明の範囲内であると考えられる。図1および図2に示すように、ドリル10は、長手方向回転軸Aに沿って一列に並んだ本体12およびシャンク部分14を有する。本体は、本体12の軸方向長さの少なくとも一部に沿って延びる少なくとも1つのフルート16A、16Bを含む。図1および図2に示す実施形態では、ドリルは、2つの螺旋状フルート16A、16Bを含む。ただし、回転式切削工具は、他の任意の適切な数量のフルートを有してもよく、他の任意の公知のタイプのフルート形状を有してもよい。
【0014】
本発明によれば、回転式切削工具10の切刃とそれらに隣接する曲面領域とは、点単位で制御されて工具10の切削端から材料を除去するレーザ照射によって所望の形状に形成される。図1〜4に示す実施形態では、ドリル10は略円錐形の切削部先端18を有し、この切削部先端18は、螺旋状フルート16A、16Bが先端18と交差する領域で主切刃20を画定する。さらに、ドリル10は、螺旋状フルートが、略円筒形の本体の外周と半径方向に交差する領域に副切刃22を有する。主切刃20および/または副切刃22、さらにはそれらに隣接する曲面は、本発明に従って、レーザビームで形成してもよい。
【0015】
図5は、ドリルの切削端を成形する従来の研削による方法を示している。螺旋状フルートが形成された、前もって機械加工したロッド30を研削砥石32で機械加工して、ドリルの切削端に所望の形状34を形成する。そのような従来の研削加工は、特定のタイプのドリル材料に適するものであってよいが、研削による方法は、炭化物、サーメット、セラミック、PCD、CBN、およびそのような材料の組み合わせなどのきわめて硬質の材料でできたドリルには実用的でないことがある。
【0016】
図6は、図5に示す研削加工時にドリルの切削端から除去される材料塊36を示している。所望の形状を得るために、大量の材料が、ドリルの先端から、および各螺旋状フルートの後縁に隣接するドリル本体の側部外周面から除去されなければならない。きわめて硬質の材料でできたドリルからそのような大量の材料を除去するのは困難であったり、または不可能であったりすることがある。
【0017】
図7は、回転式切削工具40の切削端を示し、本発明の一実施形態によるレーザ処理を受ける領域42を示している。切削部先端から離れた別の領域は、研削などの従来の態様で機械加工してもよい。図8は、図7に示す回転式切削工具40の分解端面図である。
【0018】
図9は、レーザビームLが、工具の成形面Sから測定した角度θで回転式切削工具の表面Sに向かって出される、本発明のレーザ成形作業の部分概略図である。角度θは、工具の成形面Sに垂直な方向の成分CNと、工具の成形面Sに平行な方向の成分CPとを有する。レーザビームLは表面Sを横断するので、角度θは通常、表面Sに垂直な方向の成分を維持しながら、1つには成形面Sの曲線によって変わる。一実施形態では、角度θは、例えば、90°±30°など、90°±45°の標準値を有する。特定の実施形態では、角度θは、90°±10°または90°±5°としてもよい。レーザの焦点は制御し得る。例えば、図9に示すように、焦点は、加工物の表面に配置されてよいし、または表面より上の選択された距離−δ、もしくは表面より下の選択された距離+δに配置されてもよい。
【0019】
図10は、回転式切削工具の切削端の表面にまたがったレーザビーム路の部分概略図であり、レーザビームが、回転式切削工具において、各隣接するパスが同じ方向とされた表面を複数の平行パスで横断している。
【0020】
図11は、回転式切削工具の切削端の表面にまたがったレーザビーム路の部分概略図であり、レーザビームが、回転式切削工具において、各隣接するパスが反対方向とされた表面を複数の平行パスで横断している。
【0021】
図12は、本発明の別の実施形態による、回転式切削工具の切削端の表面全体にわたる自由形式のレーザビームパターンを示している。
【0022】
図10〜12に示すように、レーザビームは、点単位の制御で切削工具材料を除去または融除して、切刃およびそれを囲む表面領域を形成するために、様々に制御されたパターンで加工物の表面を横断する。
【0023】
図13は、本発明の実施形態に従ってレーザビームLで照射中のレーザ50と回転式切削工具10の切削端との相対位置を示している。本発明によれば、レーザLは、ドリル10または他の工具の切削部先端部分から材料を融除して、または蒸発させて、所望の幾何形状を点単位で形成する。自由形式の構造で単一または複数の刃を形成することが、本発明の方法を用いて可能になる。本発明の一実施形態によれば、1つまたは複数の切刃および隣接する面が形成された後、研削、フライス加工、EDM/ECG、さらなるレーザ蒸発、またはそのような方法の組み合わせにより工具の残りの部分を作製してもよい。異種の切刃材料(超硬本体の中のPCDなど)の取り付け方法として、ろう付け、締まり嵌め、共焼結、または他の公知の固定方法により取り付けることができる。
【0024】
本発明に基づいて使用されるレーザには、例えば、Nd:YVO4レーザ、Nd:YAGレーザなどの従来のダイオード励起固体レーザがあり得る。レーザのパルス周波数および出力は所望通りに調整し得る。例えば、100kHz〜10,000kHzのパルス周波数が適切なことがあり、1W〜500Wの出力が適切なことがある。レーザは、加工物の表面から適切な距離、例えば、1cm〜100cm離れて配置される。
【0025】
レーザビームと切削工具加工物とは、例えば工具が、3、4、または5つの移動軸などの多軸で取り付けられるテーブルまたは他の固定装置を移動させることによる、工具の直線的な位置決めおよび/または回転位置決めによって、相対移動し得る。さらに、レーザビームは、例えば、鏡および/または多軸でのレーザの直進または回転移動によって移動させ得る。レーザビームは、任意の所望の速度、例えば、10mm/秒〜1,000mm/秒など、通常は1mm/秒〜10,000mm/秒で加工物の表面を横断し得る。加工物上のレーザスポットの大きさは、所望する通りに制御してもよく、例えば、レーザスポットの直径は通常1μm〜100μmとしてもよい。フィードバックシステムを使用して、レーザ融除加工を制御してもよい。あるいは、オープンループシステムを使用してもよく、最初に加工物を検出し、続いてレーザ融除を行う。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、加工物の切刃および隣接する表面領域を検出して、レーザビームを案内および制御してもよい。例えば、回転式切削工具加工物の切刃を、レーザ源などの光学装置またはレーザの後方散乱によって検出してもよい。機械的な位置検知装置を使用してもよい。切刃の検出に加えて、システムは、材料がレーザビームによって表面から除去されるときに、レーザ成形作業を監視および制御するために、隣接する表面の形状を検出し得る。
【0027】
図14は、本発明の一実施形態に基づいて使用してもよいレーザビーム制御システム60を概略的に示している。レーザビームLは、融除加工時にレーザ50から切削工具10の表面Sに向かって出されて、プラズマ点Pおよびプラズマ領域Rを形成する。図14に示す実施形態では、単一のレーザ50が使用されている。検出器62を使用して、切削工具10に対するプラズマ点Pの3次元位置を特定し得る。検出器62からの出力信号はコントローラ64に送ることができ、コントローラ64は今度はレーザ50を制御する。加工時に、パルス周波数、レーザ出力、パルスシーケンス、表面を横断する直進速度、移動のパターン、焦点深度などを含むレーザの様々なパラメータを調整して、レーザビームの適応制御を行ってもよい。検出器62には、レーザ源、またはレーザ眼科手術もしくは3次元板金レーザ溶接で見られるものなどの、従来から表面測定に使用されている他の光学装置があり得る。
【0028】
レーザ照射加工後、結果として得られた成形面は非常に平滑であり得るが、典型的な表面粗さは、例えば、0.01μmRa〜0.2μmRaなど、0.5μmRa未満である。特定の実施形態では、表面粗さは、0.1Ra未満または0.05Ra未満である。
【0029】
本発明の実施形態によれば、レーザビームによって形成された切刃は、ホーニング加工または機械加工をなんら追加する必要なく、回転式切削工具の意図した使用に対して十分な鋭利さを有する。レーザビームによって形成される切刃は、例えば、100μm未満または50μm未満など、130μm未満の刃の鋭利さを有してもよい。特定の実施形態では、刃の鋭利さは10μm未満としてもよく、または1μm未満とさえしてもよい。
【0030】
ドリルなどの回転式切削工具を形成するときに、レーザビームによって形成される比較的複雑な曲面には、凹面部分、凸面部分、およびそれらの組み合わせが含まれ得る。例えば、フルートの領域内では、成形面の少なくとも一部は凹面である。通常の螺旋状フルートの場合、成形面は、ドリルの軸に対して垂直な平面内で内側に湾曲し、ドリルの長手方向に螺旋状である。凹形のフルート面と対照的に、ドリルの先端のレーザ成形面は凸面としてもよく、外側に湾曲した面が円錐部分に対応する。図1〜4、図7、および図8に示す実施形態では、レーザ成形切刃は、略円錐形の先端と螺旋状フルートとの交差部で直線の形態をとる。
【0031】
本発明の特定の実施形態が、例示を目的として上記に説明されたが、添付の特許請求の範囲で定義された本発明から逸脱することなく、本発明の細部を様々に変更してもよいことは当業者には明らかであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転式切削工具(10)の切刃(20、22)を形成する方法であって、
前記回転式切削工具(10)が本体(12)と、少なくとも1つのフルート(16A、16B)とを有し、前記フルート(16A、16B)が前記回転式切削工具(10)の切削端(18)に隣接する切刃(20)を画定し、前記本体(12)の全長の少なくとも一部に沿って前記本体(12)に形成され、
前記方法は、
レーザビーム(L)を出して前記回転式切削工具(10)の前記切削端(18)から材料を除去して、前記切刃(20、22)と、前記切刃(20、22)に隣接する所定の3次元曲面(S)とを形成することを含む、方法。
【請求項2】
前記レーザビーム(L)は、前記切削端(18)の前記成形面(S)に垂直な方向の成分(CN)を有する角度(θ)で前記回転式切削工具(10)の前記切削端(18)に向かって出される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記レーザビーム(L)の前記角度(θ)は、前記成形面(S)に平行な平面から測定して90°±10°である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記レーザビーム(L)は、前記切削端(18)の前記成形面(S)を複数のパスで横断して出される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のパスの少なくとも一部は互いに平行である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
互いに隣接する前記平行なパスは同じ方向とされる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
互いに隣接する前記平行なパスは反対の方向とされる、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記回転式切削工具(10)はドリルである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記回転式切削工具(10)は、2つの前記フルート(16A、16B)および2つの前記切刃(20、22)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つのフルート(16A、16B)は螺旋状である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記回転式切削工具(10)の前記切削端(18)は略円錐形である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記レーザビーム(L)によって形成された前記曲面(S)は凹面部分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記レーザビーム(L)によって形成された前記曲面(S)は、前記切刃(20)の一方の側に凹面部分を含み、前記切刃(20)のもう一方の側に凸面部分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記凹面部分は、略螺旋状の形状を含み、前記凸面部分は略円錐形状を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記レーザビーム(L)によって形成された前記曲面(S)は、表面粗さが0.2μmRa未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記レーザビーム(L)はパルス状である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記切刃(20)から離れた位置に配置された、前記回転式切削工具(10)の別の部分を機械加工することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記機械加工することは、前記レーザビームを出すことの前に行われる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記機械加工することは、前記レーザビームを出すことの後に行われる、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記回転式切削工具(10)の前記切削端(18)および前記本体(12)は、前記レーザビーム(L)が前記切削端(18)に出されるときに互いに一体的に形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記レーザビーム(L)が前記切削端(18)に出されるときに、前記切削端(18)は、前記回転式切削工具(10)の前記本体(12)から分離しており、その後、前記本体(12)に固定される、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記回転式切削工具(10)の前記切削端(18)は、セラミック、炭化物、サーメット、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記回転式切削工具(10)の前記切削端(18)は、多結晶ダイヤモンド、立方窒化ホウ素、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記回転式切削工具(10)の前記本体(12)は鋼を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
請求項1の方法によって作製される回転式切削工具(10)。
【請求項26】
本体(12)と、
回転式切削工具(10)の切削端(18)に隣接する切刃(20、22)を画定し、前記本体(12)の全長の少なくとも一部に沿って前記本体(12)に形成された少なくとも1つのフルート(16A、16B)と、
前記切刃(20、22)に隣接する曲面(S)と、
を含む、回転式切削工具(10)において、
前記切刃(20、22)および前記切刃(20、22)に隣接する前記曲面(S)はレーザビーム(L)によって形成される、回転式切削工具(10)。
【請求項1】
回転式切削工具(10)の切刃(20、22)を形成する方法であって、
前記回転式切削工具(10)が本体(12)と、少なくとも1つのフルート(16A、16B)とを有し、前記フルート(16A、16B)が前記回転式切削工具(10)の切削端(18)に隣接する切刃(20)を画定し、前記本体(12)の全長の少なくとも一部に沿って前記本体(12)に形成され、
前記方法は、
レーザビーム(L)を出して前記回転式切削工具(10)の前記切削端(18)から材料を除去して、前記切刃(20、22)と、前記切刃(20、22)に隣接する所定の3次元曲面(S)とを形成することを含む、方法。
【請求項2】
前記レーザビーム(L)は、前記切削端(18)の前記成形面(S)に垂直な方向の成分(CN)を有する角度(θ)で前記回転式切削工具(10)の前記切削端(18)に向かって出される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記レーザビーム(L)の前記角度(θ)は、前記成形面(S)に平行な平面から測定して90°±10°である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記レーザビーム(L)は、前記切削端(18)の前記成形面(S)を複数のパスで横断して出される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のパスの少なくとも一部は互いに平行である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
互いに隣接する前記平行なパスは同じ方向とされる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
互いに隣接する前記平行なパスは反対の方向とされる、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記回転式切削工具(10)はドリルである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記回転式切削工具(10)は、2つの前記フルート(16A、16B)および2つの前記切刃(20、22)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つのフルート(16A、16B)は螺旋状である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記回転式切削工具(10)の前記切削端(18)は略円錐形である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記レーザビーム(L)によって形成された前記曲面(S)は凹面部分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記レーザビーム(L)によって形成された前記曲面(S)は、前記切刃(20)の一方の側に凹面部分を含み、前記切刃(20)のもう一方の側に凸面部分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記凹面部分は、略螺旋状の形状を含み、前記凸面部分は略円錐形状を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記レーザビーム(L)によって形成された前記曲面(S)は、表面粗さが0.2μmRa未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記レーザビーム(L)はパルス状である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記切刃(20)から離れた位置に配置された、前記回転式切削工具(10)の別の部分を機械加工することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記機械加工することは、前記レーザビームを出すことの前に行われる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記機械加工することは、前記レーザビームを出すことの後に行われる、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記回転式切削工具(10)の前記切削端(18)および前記本体(12)は、前記レーザビーム(L)が前記切削端(18)に出されるときに互いに一体的に形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記レーザビーム(L)が前記切削端(18)に出されるときに、前記切削端(18)は、前記回転式切削工具(10)の前記本体(12)から分離しており、その後、前記本体(12)に固定される、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記回転式切削工具(10)の前記切削端(18)は、セラミック、炭化物、サーメット、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記回転式切削工具(10)の前記切削端(18)は、多結晶ダイヤモンド、立方窒化ホウ素、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記回転式切削工具(10)の前記本体(12)は鋼を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
請求項1の方法によって作製される回転式切削工具(10)。
【請求項26】
本体(12)と、
回転式切削工具(10)の切削端(18)に隣接する切刃(20、22)を画定し、前記本体(12)の全長の少なくとも一部に沿って前記本体(12)に形成された少なくとも1つのフルート(16A、16B)と、
前記切刃(20、22)に隣接する曲面(S)と、
を含む、回転式切削工具(10)において、
前記切刃(20、22)および前記切刃(20、22)に隣接する前記曲面(S)はレーザビーム(L)によって形成される、回転式切削工具(10)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2013−508168(P2013−508168A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535332(P2012−535332)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/053362
【国際公開番号】WO2011/050053
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(399031078)ケンナメタル インコーポレイテッド (182)
【氏名又は名称原語表記】Kennametal Inc.
【住所又は居所原語表記】1600 Technology Way Latrobe PA 15650−0231, USA
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/053362
【国際公開番号】WO2011/050053
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(399031078)ケンナメタル インコーポレイテッド (182)
【氏名又は名称原語表記】Kennametal Inc.
【住所又は居所原語表記】1600 Technology Way Latrobe PA 15650−0231, USA
【Fターム(参考)】
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