説明

レーザ加工装置

【課題】液柱内を導光されたレーザビームの照射によって発生するデブリが被加工物上に付着することを防止可能なレーザ加工装置を提供する。
【解決手段】被加工物11上で加工が進行する方向の下流側から上流側に向かって被加工物にカバー液を供給して被加工物の上面を該カバー液で覆うカバー液供給手段32を具備し、レーザビーム照射手段24は、レーザビーム発生手段25と加工ヘッド28とを含み、加工ヘッドは、該レーザビーム発生手段から発生されたレーザビームを集光する集光レンズ50と、被加工物に液体を噴射して、該集光レンズで集光されたレーザビームが導光される液柱を形成する液体噴射手段52と、液柱を囲繞するとともに、被加工物の上面との間で僅かな隙間を形成して該カバー液の流れが該液柱に衝突するのを防止する防止壁78とを備え、防止壁は該液柱を形成した液体が流出する開口を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエーハ等の被加工物にレーザビームを照射するレーザビーム照射手段を備えたレーザ加工装置に関し、特に、液体噴射手段から噴射されて形成された液柱に導光されたレーザビームによってレーザ加工を施すレーザ加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス製造プロセスにおいては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に形成されたストリートと呼ばれる分割予定ラインによって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイスを形成する。そして、半導体ウエーハをストリートに沿ってダイシングすることにより、個々の半導体デバイスを製造している。
【0003】
近年半導体ウエーハ等の被加工物を分割する方法として、被加工物に形成されたストリートに沿ってパルスレーザビームを照射することにより被加工物にレーザ加工溝を形成し、このレーザ加工溝に沿って機械的ブレーキング装置によって被加工物を割断する方法が提案されている(例えば、特開平10−305421号公報参照)。
【0004】
ところが、半導体ウエーハにレーザビームを照射するとデバイスが加熱されるため、デバイスの品質を低下させるという問題がある。そこで、レーザビームを照射することにより被加工物が加熱されることを防ぐレーザ加工方法として、被加工物に高圧の液体を噴射して液柱を形成するとともに、この液柱内を透過(導光)させたレーザビームを被加工物に照射して、所望の加工を施すレーザ加工装置が提案されている(例えば、特公平2−1621号公報、特開2001―321977号公報、特開2006−255769号公報参照)。
【0005】
これらのレーザ加工装置では、集光されたレーザビームを糸状の液柱を介して被加工物まで導くので、集光レンズの焦点位置に関係なくレーザ加工をすることができる。更に、レーザ加工時に発生する熱が液体で冷却されるため、熱による被加工物の品質低下を防止できるというメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−305421号公報
【特許文献2】特公平2−1621号公報
【特許文献3】特開2001―321977号公報
【特許文献4】特開2006−255769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、被加工物にレーザビームを照射すると、照射された領域に熱エネルギーが集中してデブリと呼ばれる加工屑が発生する。発生したデブリの一部は液柱を形成した液体に取り込まれるが液体に取り込まれなかったデブリは被加工物上に固着する。また、デブリを含んだ液体が被加工物上に滞留した後、乾燥することでデブリは被加工物に固着し、加工後に被加工物を洗浄してもデブリを除去できないという問題がある。
【0008】
また、被加工物に高圧の液体を噴射して液柱を形成するレーザ加工装置においては、液柱を形成した液が被加工物上に局所的に残存する。半導体ウエーハ等の交差する分割予定ラインをレーザ加工装置で切削加工する場合には、この残存した液によって液柱が乱されてレーザビームが屈折してしまうという問題がある。
【0009】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、液柱内を導光されたレーザビームの照射によって発生するデブリが被加工物上に付着することを防止可能なレーザ加工装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によると、被加工物を保持する保持手段と、該保持手段で保持された被加工物にレーザビームを照射するレーザビーム照射手段と、該レーザビーム照射手段と該保持手段とを加工送り方向に相対移動させる加工送り手段と、を備えたレーザ加工装置であって、該レーザビーム照射手段から被加工物にレーザビームを照射しつつ該レーザビーム照射手段と該保持手段とを加工送り方向に相対移動させることで被加工物上で加工が進行する方向の下流側から上流側に向かって被加工物にカバー液を供給して被加工物の上面を該カバー液で覆うカバー液供給手段を具備し、該レーザビーム照射手段は、レーザビーム発生手段と加工ヘッドとを含み、該加工ヘッドは、該レーザビーム発生手段から発生されたレーザビームを集光する集光レンズと、該被加工物に液体を噴射して、該集光レンズで集光されたレーザビームが導光される液柱を形成する液体噴射手段と、該液柱の外周側に配設されて該液柱を囲繞するとともに、被加工物の上面との間で僅かな隙間を形成して該カバー液の流れが該液柱に衝突するのを防止する防止壁とを備え、該防止壁は該液柱を形成した液体が流出する該加工が進行する方向の上流側に形成された開口を有していることを特徴とするレーザ加工装置が提供される。
【0011】
好ましくは、加工ヘッドは、防止壁の内周側の被加工物の上面を覆うカバー液の厚みを薄化するために、防止壁の内周側で液柱を囲繞してカバー液に気体を噴出する気体噴出手段を更に具備している。
【発明の効果】
【0012】
本発明のレーザ加工装置によると、加工中の被加工物上面はカバー液で覆われているため、加工によって発生したデブリはカバー液に取り込まれ、カバー液とともに被加工物上面から除去される。従って、デブリが被加工物上面に付着することが防止される。
【0013】
また、液柱を囲繞して配設された防止壁によって、カバー液が液柱に衝突することが防止されるため、カバー液によって液柱の流れが乱されることがなく、液柱によってレーザビームを加工点まで適正に導くことができる。
【0014】
請求項2記載の発明によると、気体噴出手段によって噴出される気体により防止壁の内周側において被加工物の上面を覆うカバー液が薄化されるため、液柱がカバー液によって乱されてレーザビームが屈折することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明第1実施形態に係るレーザ加工装置の概略構成図である。
【図2】加工ヘッド部分の縦断面図である。
【図3】レーザビーム発生ユニットのブロック図である。
【図4】図2に示した加工ヘッドの要部拡大断面図である。
【図5】図2に示した実施形態のカバー液の流れを示す横断面図である。
【図6】図5の実施形態の変形例であり、防止壁の開口を大きく形成した場合のカバー液の流れを示す横断面図である。
【図7】本発明第2実施形態に係るレーザ加工装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明第1実施形態に係るレーザ加工装置2の概略構成図を示している。レーザ加工装置2の前面側には、オペレータが加工条件等の装置に対する指示を入力するための操作手段4が設けられている。装置上部には、オペレータに対する案内画面や後述する撮像手段によって撮像された画像が表示されるCRT等の表示手段6が設けられている。
【0017】
被加工物であるウエーハ11は粘着シートであるダイシングテープTに貼着され、ダイシングテープTの外周縁部は環状フレームFに貼着されている。これにより、ウエーハ11はダイシングテープTを介してフレームFに支持された状態となり、図1に示したウエーハカセット8中にウエーハが複数枚(例えば25枚)収容される。ウエーハカセット8は上下動可能なカセットエレベータ9上に載置される。
【0018】
ウエーハカセット8の後方には、ウエーハカセット8から加工前のウエーハ11を搬出するとともに、加工後のウエーハをウエーハカセット8に搬入する搬出入手段10が配設されている。ウエーハカセット8と搬出入手段10との間には、搬出入対象のウエーハが一時的に載置される領域である仮置き領域12が設けられており、仮置き領域12には、ウエーハ11を一定の位置に位置合わせする位置合わせ手段14が配設されている。
【0019】
仮置き領域12の近傍には、ウエーハ11と一体となったフレームFを吸着して搬送する旋回アームを有する搬送手段16が配設されており、仮置き領域12に搬出されたウエーハ11は、搬送手段16により吸着されてチャックテーブル18上に搬送され、このチャックテーブル18に吸引されるとともに、複数のクランプ19によりフレームFが固定されることでチャックテーブル18上に保持される。
【0020】
チャックテーブル18は、回転可能且つX軸方向に往復動可能に構成されており、チャックテーブル18のX軸方向の移動経路の上方には、ウエーハ11のレーザ加工すべきストリートを検出するアライメント手段20が配設されている。
【0021】
アライメント手段20は、ウエーハ11の表面を撮像する撮像手段22を備えており、撮像により取得した画像に基づき、パターンマッチング等の画像処理によってレーザ加工すべきストリートを検出することができる。撮像手段22によって取得された画像は、表示手段6に表示される。
【0022】
アライメント手段20の左側には、チャックテーブル18に保持されたウエーハ11に対してレーザビームを照射するレーザビーム照射手段24が配設されている。レーザビーム照射手段24は、ケーシング26中に収容された図3に示すレーザビーム発生ユニット25と、加工ヘッド28とから構成される。
【0023】
レーザビーム照射手段24はアライメント手段20と一体的に構成されており、両者が連動してY軸方向及びZ軸方向に移動する。アライメント手段20のケーシング21にはカバー液供給源34に接続されたカバー液供給手段32が配設されている。
【0024】
本実施形態では、カバー液供給手段32は、カバー液を供給する複数の細孔を有するパイプ状部材から構成されているが、カバー液供給手段32は、被加工物全体の上面を覆うカバー液を被加工物へ供給できればよく、その形態はパイプ状部材に限定されない。
【0025】
31はレーザ加工の終了したウエーハ11をスピンナ洗浄装置30まで搬送する搬送手段であり、スピンナ洗浄装置30では、加工後のウエーハ11を洗浄するとともにエアノズルからエアを噴出させてウエーハ11を乾燥する。
【0026】
図2を参照すると、加工ヘッド28の縦断面図が示されている。上述したように、レーザ加工装置のレーザビーム照射手段24は、レーザビーム発生ユニット25と、加工ヘッド28とから構成される。
【0027】
レーザビーム発生ユニット25は、図3に示すように、YAGレーザ又はYVO4レーザを発振するレーザ発振器36と、繰り返し周波数設定手段38と、パルス幅調整手段40と、パワー調整手段42とを含んでいる。
【0028】
レーザビーム発生ユニット25のパワー調整手段42により所定パワーに調整されたパルスレーザビーム27は、加工ヘッド28のハウジング44に形成されたビーム導入口46から加工ヘッド28内に導入される。
【0029】
ハウジング44内には、レーザビーム27を反射するミラー48と、レーザビーム27を集光する集光レンズ50が配設されている。ハウジング44と一体的に液体噴射手段52の液体室56を画成する液体室ハウジング58が形成されている。液体室ハウジング58は、円筒状側壁60と、該側壁60の上面及び下面をそれぞれ閉塞する上壁62及び下壁64とから構成されている。
【0030】
液体室ハウジング58を構成する上壁62には透明窓68が配設されている。液体室ハウジング56を構成する下壁64の中心部には、噴射ノズル70が形成されている。集光レンズ50によって集光されるレーザビーム27の集光点は噴射ノズル70の上端部に位置づけられる。
【0031】
円筒状側壁60には液体室56に連通する液体導入口66が形成されており、液体導入口66は高圧液供給源54に接続されている。高圧液供給源54から純水等の高圧液体が液体導入口66を介して液体室56内に供給されると、この高圧液体は噴射ノズル70から噴射されて液柱72を形成する。
【0032】
液体室ハウジング58の下端部には、パイプ支持ブロック74が装着されている。パイプ支持ブロック74の中心部74aには貫通穴75が形成されており、この貫通穴75中にパイプ76が圧入されている。パイプ76と噴射ノズル70は整列しており、噴射ノズル70から噴射されて形成された液柱72がパイプ76を通過するように位置づけられている。
【0033】
図4の拡大断面図に最もよく示されるように、パイプ支持ブロック74には環状防止壁78と環状内周壁80が固定されている。環状防止壁78の下端とウエーハ11の上面との間の間隙Gは0.1〜1mmに設定されている。
【0034】
図2に示したエア源88からの圧縮エアがパイプ86を介してパイプ支持ブロック74に形成されたエア通路84内に導入され、エア噴出口90から図4に矢印92で示すごとくエアブロウされる。
【0035】
図2で矢印Aはチャックテーブル18の加工送り方向、矢印Bはレーザビームを照射しつつチャックテーブル18をA方向に加工送りすることでウエーハ11上において加工が進行する方向(レーザ加工溝が形成される方向)である。
【0036】
カバー液供給手段32は、加工ヘッド28に対して矢印Bで示す加工が進行する方向の下流側に配置され、カバー液33を供給してウエーハ11の上面をカバー液33で被覆する。
【0037】
カバー液供給手段32の配置位置は、加工ヘッド28に対して加工が進行する方向の下流側であればよく、図7に示す第2実施形態に示すような位置にカバー液供給パイプ96を配設してもよい。
【0038】
図7に示すように、カバー液供給パイプ96の加工が進行する方向の下流側にエアブロウパイプ98等のエアブロウ手段を設けるのが好ましい。このことは、図2に示す第1実施形態でも同様であり、カバー液供給手段32の加工が進行する方向の下流側にエアブロウ手段を設けるのが好ましい。このエアブロウ手段を設けることにより、カバー液33の流れを効果的に形成することができる。
【0039】
図5に示すように、環状防止壁78は加工進行方向の上流側、即ち矢印94で示すカバー液の流れの下流側に開口79を有している。液柱72を形成した液体は矢印Cに示すように環状防止壁78の開口79を通して排出される。
【0040】
環状防止壁78の代替実施形態として、図6に示すように環状防止壁78Aが加工進行方向上流側に形成された大きな開口79Aを有するようにしてもよい。この実施形態の場合には、カバー液の流れ94Aをある程度強くして加工進行方向下流側から上流側に流れたカバー液を環状防止壁78Aの開口79Aから環状防止壁78A内に侵入させないようにするのが好ましい。
【0041】
以下、このように構成されたレーザ加工装置の作用について説明する。レーザビーム発生ユニット25のパワー調整手段42で所定パワーに調整されたレーザビーム27は、加工ヘッド28のビーム導入口46から加工ヘッド28内に導入され、ミラー48で反射されて集光レンズ50で液体噴射手段52の液体室ハウジング58に形成された噴射ノズル70の上端部に集光される。
【0042】
一方、高圧液供給源54から供給された純水等の高圧液体が、液体噴射手段52の液体室ハウジング58に形成された液体導入口66から液体室56内に導入され、液体室ハウジング58の下壁64に形成された噴射ノズル70から噴射されて液柱72を形成し、液柱72がレーザビーム27を導光する。
【0043】
この液柱72は、パイプ支持ブロック74の貫通穴75に圧入されたパイプ76内を通過してウエーハ11の加工点11aに衝突して飛散する。集光レンズ50で集光されたレーザビーム27はパイプ76内を通過する液柱72に導光(案内)されて、そのビーム径が広がらずに加工点11aに照射されてウエーハ11にレーザ加工溝を形成する。
【0044】
一方、ウエーハ11の上面はカバー液供給手段32から供給されたカバー液33で覆われているため、レーザ加工によって発生したデブリ(加工屑)はカバー液33とともに図5の矢印Aに示すように環状防止壁78の開口79を通してウエーハ11の上面から除去される。従って、デブリがウエーハ11上面に付着することが防止される。
【0045】
また、液柱72を囲繞して配設された環状防止壁78によって、カバー液供給手段32から供給されたカバー液33が液柱72に衝突することが防止されるため、カバー液33によって液柱72の流れが乱されることが防止される。
【0046】
更に、環状防止壁78の内周側において、エア噴出口90から噴出されるエアブロウ92によってウエーハ11の上面を覆うカバー液33が薄化されるため、液柱72がカバー液33によって乱されてレーザビーム27が屈折することがなく、レーザビーム27は適正な位置の加工点11aに照射されてウエーハ11にレーザ加工溝を形成する。
【実施例1】
【0047】
ウエーハ11としてシリコンウエーハを用い、以下の加工条件で実験を行った。
【0048】
光源 :LD励起Qスイッチ Nd:YVO4レーザ
波長 :532nm
平均出力 :6.6W
繰り返し周波数 :40kHz
ノズル直径 :φ50μm
液圧 :20MPa
パイプ出口とウエーハとの距離 :0.4mm
パイプ内径 :0.5mm
エア量 :5L/min
【0049】
カバー液を供給しない時には、ウエーハ11上に局所的に残存する液柱を形成した液によって液柱が乱されて、一部でレーザ加工溝が形成されない等の加工不良が生じた。本実施例のように、カバー液供給手段32からカバー液33を供給しながら、上記の加工条件で加工を行ったところ、良好なレーザ加工を行うことができた。
【0050】
本実施形態は、カバー液供給手段32からカバー液33を供給し、環状防止壁78でカバー液33の加工点11aへの流入を制御する構成であるので、デブリを含むカバー液は液柱72を形成した液とともに環状防止壁78の開口79を通して排出されるので、ウエーハ11の汚れを最小に保つことができる。
【0051】
また、ウエーハ11はカバー液33で常に覆われているので乾くことがなく、僅かに残ったデブリもウエーハ11に固着することがないので、スピンナ洗浄装置30で効率良く洗い流すことができた。
【符号の説明】
【0052】
2 レーザ加工装置
11 半導体ウエーハ
18 チャックテーブル
25 レーザビーム発生ユニット
28 加工ヘッド
32 カバー液供給手段
33 カバー液
52 液体噴射手段
54 高圧液供給源
70 噴射ノズル
72 液柱
74 パイプ支持ブロック
76 パイプ
78 環状防止壁
88 エア源
90 エア噴出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物を保持する保持手段と、該保持手段で保持された被加工物にレーザビームを照射するレーザビーム照射手段と、該レーザビーム照射手段と該保持手段とを加工送り方向に相対移動させる加工送り手段と、を備えたレーザ加工装置であって、
該レーザビーム照射手段から被加工物にレーザビームを照射しつつ該レーザビーム照射手段と該保持手段とを加工送り方向に相対移動させることで、被加工物上で加工が進行する方向の下流側から上流側に向かって被加工物にカバー液を供給して被加工物の上面を該カバー液で覆うカバー液供給手段を具備し、
該レーザビーム照射手段は、レーザビーム発生手段と加工ヘッドとを含み、
該加工ヘッドは、該レーザビーム発生手段から発生されたレーザビームを集光する集光レンズと、
該被加工物に液体を噴射して、該集光レンズで集光されたレーザビームが導光される液柱を形成する液体噴射手段と、
該液柱の外周側に配設されて該液柱を囲繞するとともに、被加工物の上面との間で僅かな隙間を形成して該カバー液の流れが該液柱に衝突するのを防止する防止壁とを備え、
該防止壁は該液柱を形成した液体が流出する該加工が進行する方向の上流側に形成された開口を有していることを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項2】
前記加工ヘッドは、前記防止壁の内周側の被加工物の上面を覆うカバー液の厚みを薄化するために、該防止壁の内周側で前記液柱を囲繞して該カバー液に気体を噴出する気体噴出手段を更に具備した請求項1記載のレーザ加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−101230(P2012−101230A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249709(P2010−249709)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000134051)株式会社ディスコ (2,397)
【Fターム(参考)】