説明

レーザ照射装置及びレーザ照射方法

【課題】 レジストパターンを形成するために用いる高品質のレーザ照射装置を提供する。
【解決手段】 基板を保持するステージと、ステージに保持された基板上に、レジスト材料を塗布する塗布装置と、レーザビームを出射するレーザ光源と、レーザ光源を出射したレーザビームを集光して、基板上に伝搬し、伝搬された位置のレジスト材料を硬化させる伝搬光学系とを有するレーザ照射装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジストパターンの形成に用いられるレーザ照射装置及びレーザ照射方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ソルダーレジストは、基材に導体配線が形成されたプリント配線板のはんだ付けのために、必要な導体(銅箔)部分を露出し、はんだ付けが不要な部分にはんだが付かないように配線板上に形成される絶縁膜である。
【0003】
プリント配線板上にソルダーレジストパターンを形成する方法として、たとえば以下の方法が知られている。まずソルダーレジストの密着性を向上させるため、プリント配線板を研磨する。次にレジスト材料を配線板全面に塗布し、溶媒を蒸発させる(仮乾燥)。そしてマスクを介して露光を行い、露光された部分のレジストを硬化させた後、現像により未露光部を除去する。更に熱を加えレジストを硬化させる(熱乾燥)。本明細書においては、便宜上、このソルダーレジスト形成方法を全面塗布法と呼ぶこととする。
【0004】
また、レジスト材料(インク)をレジストパターンの形成領域とその近傍のみに、たとえばインクジェットプリンタを用いて塗布し、硬化させるソルダーレジストパターンの形成方法も公知である(たとえば、特許文献1参照)。この形成方法を部分塗布法と呼ぶこととする。
【0005】
図7(A)〜(C)は、部分塗布法を示す概略図である。
【0006】
図7(A)及び(B)を参照する。プリント配線板13は、チャックプレート12によってステージに保持され、たとえば図の矢印方向(図面右方向)に移動される。インクジェットプリンタ10は、紫外線硬化性インク14をプリント配線板13上の所定位置(レジストパターンの形成領域)に塗布する。プリント配線板13上に塗布されたインク14に、ランプ光源11から紫外線(連続波)が照射され、インク14は硬化される。
【0007】
ランプ光源11からは拡散光が出射され、拡散光は部分的にインク14が塗布されたプリント配線板13の全域に照射される。このとき拡散光は、たとえばインク14、プリント配線板13(インク14非塗布部)、及びチャックプレート12によって反射され、インクジェットプリンタ10のインクジェットノズル(インク出射部、インク吐出部)に入射し、ノズル内部のインク14を硬化させて、ノズル詰まりを生じさせることがある。図7(A)には、プリント配線板13に塗布されたインク14による反射光がインクジェットプリンタ10のノズルに入射する場合、図7(B)にはチャックプレート12による反射光が入射する場合を示した。
【0008】
なお、図7(C)に示すように、ソルダーレジストパターンの形成は、たとえばステージでプリント配線板13を図面左右方向に往復動作させながらインク14を塗布することにより行われる。このためプリント配線板13に塗布されたインク14を硬化させるためのランプ光源11は、インクジェットプリンタ10の両側に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平7−263845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、レジストパターンの形成に用いられる高品質のレーザ照射装置及びレーザ照射方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一観点によると、基板を保持するステージと、前記ステージに保持された基板上に、レジスト材料を塗布する塗布装置と、レーザビームを出射するレーザ光源と、前記レーザ光源を出射したレーザビームを集光して、前記基板上に伝搬し、伝搬された位置のレジスト材料を硬化させる伝搬光学系とを有するレーザ照射装置が提供される。
【0012】
また、本発明の他の観点によると、(a)基板上にレジスト材料を塗布する工程と、(b)前記基板上に塗布された前記レジスト材料に、レーザビームを集光して入射させ、入射位置の前記レジスト材料を硬化させる工程とを有するレーザ照射方法が提供される。
【0013】
更に、本発明の他の観点によると、(a)基板上にレジスト材料を塗布する工程と、(b)前記工程(a)で前記基板上に塗布された前記レジスト材料上の所定領域にレーザビームを集光して入射させ、前記所定領域のレジスト材料を硬化させる工程と、(c)前記工程(a)で塗布され、前記工程(b)で硬化されなかった前記レジスト材料を前記基板上から除去する工程とを有するレーザ照射方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、レジストパターンの形成に用いられる高品質のレーザ照射装置及びレーザ照射方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】(A)及び(B)は、第1の実施例によるレーザ照射装置を示す概略図である。
【図2】レーザビームの入射領域とインク41の塗布位置との関係を示す概略的な平面図である。
【図3】第1の実施例によるレーザ照射装置の変形例を示す概略図である。
【図4】第2の実施例によるレーザ照射装置を示す概略図である。
【図5】(A)及び(B)は、レーザビームの照射位置を示すプリント配線板60の概略的な平面図である。
【図6】第2の実施例によるレーザ照射装置を用いて行うレーザ照射方法の他の例を示す概略図である。
【図7】(A)〜(C)は、部分塗布法を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1(A)及び(B)は、第1の実施例によるレーザ照射装置を示す概略図である。図1(A)に示すように、第1の実施例によるレーザ照射装置は、レーザ光源21、ホモジナイザ22、光路切り替え装置23、制御装置30、インクジェットプリンタ40、ステージ50を含んで構成される。
【0017】
光路切り替え装置23は折り返しミラー23a、23bを含む。また、制御装置30は、たとえばメモリである記憶装置30aを含む。ステージ50は保持対象物であるプリント配線板(基板)60を吸着保持するためのチャックプレート50aを含み、プリント配線板60をその面内方向に移動させることができる。ステージ50は、たとえばXYθステージである。インクジェットプリンタ40は、紫外線硬化性インク(レジスト材料)41をプリント配線板60上に塗布する。第1の実施例によるレーザ照射装置を用いて、ステージ50に保持されたプリント配線板60上に、部分塗布法によりソルダーレジストパターンを形成する。
【0018】
記憶装置30aには、プリント配線板60上においてソルダーレジストを形成すべき領域(インク41を塗布すべき領域)等のデータ(ガーバデータ)が記憶されている。制御装置30は、記憶装置30aの記憶内容に基いて、プリント配線板60上の一部(プリント配線板60上の所定領域)にインク41が塗布されるように、インクジェットプリンタ40によるインク41の出射(吐出)、及びステージ50による配線板60の移動を制御する。
【0019】
レーザ光源21は、たとえばNd:YAGレーザ発振器及び非線形光学結晶を含み、制御装置30から与えられる制御信号に応じて、Nd:YAGレーザの3倍高調波(波長355nm)であるパルスレーザビーム(紫外光)を出射する。発振周波数は、たとえば10kHz〜100kHzである。レーザビームは、ホモジナイザ22、折り返しミラー23aを経由して、プリント配線板60に塗布されたインク41に入射し、入射領域のインク41を硬化させる。インク41が硬化されることで、ソルダーレジストパターンが形成される。
【0020】
ホモジナイザ22は、インク41上にレーザビームを集光する。また、インク41上のビーム入射領域の形状を、たとえば長軸方向(図面Y軸方向)30mm、短軸方向(図面X軸方向)0.1mmの矩形状に整形するとともに、入射領域内のレーザビームの強度を均一化する。パルスレーザビームは、プリント配線板60に対して垂直な方向から、たとえば1パルス当たり数百μJのエネルギ、短軸方向に重複率20%で、インク41に照射される。
【0021】
折り返しミラー23aは、ホモジナイザ22を出射したレーザビームの光路に着脱可能な反射ミラーである。折り返しミラー23aが光路上に配置されるとき、図1(A)に示すように、レーザビームは折り返しミラー23aで反射されてインク41に入射する。折り返しミラー23aが光路上に配置されないとき、図1(B)に示すように、レーザビームは折り返しミラー23bで反射され、インク41に入射する。折り返しミラー23bは、折り返しミラー23aがレーザビームの光路上に配置されないとき、ホモジナイザ22を出射したレーザビームが入射する固定ミラーである。光路切り替え装置23(折り返しミラー23aの光路への着脱)によるレーザビームの光路の切り替え(プリント配線板60上の異なる位置に、レーザビームを選択的に入射させる制御)は、制御装置30により行われる。
【0022】
制御装置30は、たとえばステージ50によるプリント配線板60の移動方向に応じて光路の切り替えを行う。図1(A)に示すように、プリント配線板60をX軸正方向に移動しながらインク41の塗布を行っているときには、インク41の塗布位置(インクジェットプリンタ40のノズル配設位置)を基準にして、塗布されたインク41の移動方向であるX軸正方向の入射位置にレーザビームを入射させて、インク41を硬化させる。図1(B)に示すように、プリント配線板60をX軸負方向に移動しながらインク41の塗布を行っているときには、インク41の塗布位置を基準にして、X軸負方向の入射位置にレーザビームを入射させる。
【0023】
図2は、レーザビームの入射領域とインク41の塗布位置との関係を示す概略的な平面図である。本図には、図1(A)に対応する場合を示した。
【0024】
インクジェットプリンタ40のノズルはY軸方向に沿って配列されている。レーザビームの入射位置とインク41の塗布位置とは、X軸方向に20mm〜30mm離れている。レーザビーム入射領域の長軸方向(Y軸方向)の長さは、インク41の塗布が行われる領域のY軸方向に沿う長さ(ノズルの配列方向の長さ)と等しいか、それよりも幾分長い。
【0025】
第1の実施例によるレーザ照射装置を用いると、集光されたレーザビーム(収束光)をインク41に照射して硬化させるので、インク41等で反射されたレーザビームが、インクジェットプリンタ40のノズルに入射して生じるノズル詰まりを防止することができる。
【0026】
また、光路切り替え装置23により、レーザビームの入射位置を、塗布されたインク41が移動する方向に切り替えるため、たとえばX軸方向にステージ50を往復動作させながら、1つのレーザ光源21で、ソルダーレジストパターンを形成することができる。
【0027】
このように第1の実施例によるレーザ照射装置は、レジストパターンを形成するために用いられる高品質のレーザ照射装置である。また、第1の実施例によるレーザ照射装置を用いて行う、レジストパターン形成のためのレーザ照射方法は、たとえばノズル詰まりに起因する加工品質や加工効率の低下を抑止可能な、高品質のレーザ照射方法である。
【0028】
第1の実施例においては、パルスレーザビームを用いたが、レーザビームは連続波であってもよい。また、光路の切り替えは、音響光学素子やガルバノミラーを用いて行うことも可能である。更に、ホモジナイザ22とインク41との間のレーザビームの光路上に、集光レンズを含んでもよい。
【0029】
なお、第1の実施例においては、レーザビームを、プリント配線板60に対して垂直な方向から入射させた。レーザビームは、インク41の塗布位置(インクジェットプリンタ40のノズル配設位置)に向かわない方向に入射させることが好ましい。たとえば図2に示す態様においては、レーザビームの入射は、X軸負方向に向かう成分をもたないように行うことが好ましい。
【0030】
図3は、第1の実施例によるレーザ照射装置の変形例を示す概略図である。変形例は、インクジェットプリンタ40のノズル部に、遮光機能を有する光ガード部材40aを備える点において第1の実施例と異なる。光ガード部材40aは、レーザビームの入射位置を向く方向に設置される。変形例によるレーザ照射装置は、光ガード部材40aを備えるため、レーザビームをインク41の塗布位置に向かう方向に入射させた場合であっても、ノズルへのレーザビームの入射が防止され、ノズル詰まりが生じない。
【0031】
図4は、第2の実施例によるレーザ照射装置を示す概略図である。第2の実施例は、集光されたレーザビームを2次元方向に走査してインク41に入射させる点において、第1の実施例と異なる。
【0032】
第2の実施例においては、レーザ光源21から出射されたレーザビームは、透光領域と遮光領域をもち、透光領域の形状でレーザビームの断面形状を整形するマスク24に入射する。マスク24の透光領域は、たとえば正方形状である。マスク24の透光領域を透過したレーザビームは折り返しミラー25で反射され、集光レンズ26で集光されてガルバノスキャナ27に入射する。ガルバノスキャナ27は、2枚の揺動ミラーを含んで構成され、入射したレーザビームの出射方向を2次元方向に変化させて出射する。ガルバノスキャナ27を出射したレーザビームは、部分的にインク41が塗布されたプリント配線板60上を走査される。ガルバノスキャナ27を出射するレーザビームの出射方向及びインク41上の入射位置は制御装置30により制御される。
【0033】
図5(A)及び(B)は、レーザビームの照射位置を示すプリント配線板60の概略的な平面図である。図5(A)に示すように、マスク24の透光領域の形状が集光レンズ26によって転写され、レーザビームはたとえば一辺が2mmの正方形状の入射領域を形成して、プリント配線板60に塗布されたインク41上に入射する。レーザビームは、ガルバノスキャナ27によりプリント配線板60上を、たとえば矢印方向に、重複率が20%となるように走査される。矢印方向は、Y軸負方向に対して時計回りに角度θをなす方向である。角度θを設けることで、図5(B)に示すように、レーザビームの照射領域を、ステージ50によるプリント配線板60の一定速度移動方向(X軸正方向)と直交させる。レーザビームの走査は、Y軸負方向に対して時計回りに角度θをなす方向に、かつ、プリント配線板60上においてY軸方向に延びるレーザビームの照射領域が、X軸方向に20%の重複率で形成されるように、繰り返される。レーザビームが照射されることでインク41は硬化され、ソルダーレジストパターンが形成される。
【0034】
第2の実施例は、マスク24を使用しない構成とすることができる。この場合レーザビームは、たとえば直径2mmの円形状の入射領域を形成してインク41上に入射する。
【0035】
図6は、第2の実施例によるレーザ照射装置を用いて行うレーザ照射方法の他の例を示す概略図である。レーザビームは、ガルバノスキャナ27により、インク41上に照射され、インク41が塗布されていないプリント配線板60上には照射されないように、走査することも可能である。
【0036】
制御装置30は、記憶装置30aに記憶されている、ソルダーレジストを形成すべき領域等のデータに基づいて、プリント配線板60上のインク41が塗布された領域にレーザビームが入射するように、ガルバノスキャナ27及びステージ50の動作を制御する。この場合、たとえばステージ50は、インク41の塗布領域が、レーザビームの走査線上にあるときには所定の一定速度で、ないときには可能な最大速度で、プリント配線板60を移動させてもよい。
【0037】
このレーザ照射方法によれば、レジストパターン形成を高速に、高エネルギ効率で行うことができる。また、インク41の非塗布部はたとえば銅箔で形成されるため、紫外領域の光の吸収率が高い。したがって、レーザビームの照射による非塗布部の劣化を防ぎ、加工品質を向上させることが可能である。更に、インク41にレーザビームを照射し、吸収させるので、反射光のインクジェットプリンタ40のノズルへの入射防止の効果もある。
【0038】
第2の実施例によるレーザ照射装置に、光ガード部材40aを配設してもよい。また、第2の実施例によるレーザ照射装置を用いて行うレーザ照射方法を、レーザビームを、インク41の塗布位置に向かわない方向に入射させて行うことも可能である。
【0039】
なお、本例においては、ガルバノスキャナ27及びステージ50の動作を制御し、インク41が塗布された領域にレーザビームを入射させたが、これはガルバノスキャナ27、ステージ50のいずれか一方の動作制御で行うこともできる。
【0040】
また、銅がエネルギを吸収しない波長のレーザビームを使用することで、非塗布部にレーザビームが入射しても、非塗布部の品質を保持することが可能である。
【0041】
更に、第2の実施例によるレーザ照射装置を用いて、ソルダーレジストパターンを形成する以下のレーザ照射方法も可能である。まず、ソルダーレジストパターンが形成されるべきプリント配線板60上の所定領域にインク41を塗布するのではなく、その領域よりも広い領域、たとえばレジスト形成面の全面にインク41を塗布する。そしてレーザ光源21から出射されたNd:YAGレーザの3倍高調波を、ガルバノスキャナ27で走査し、ソルダーレジストが形成されるべき領域に集光して入射させて、入射位置のインク41を硬化させる。
【0042】
制御装置30は、記憶装置30aに記憶されている、ソルダーレジストを形成すべき領域等のデータに基づいて、プリント配線板60上のソルダーレジストが形成されるべき領域(所定領域)にレーザビームが入射するように、ガルバノスキャナ27及びステージ50の動作を制御する。制御装置30の制御によって、ソルダーレジストが形成されるべき領域にレーザビームが照射され、当該領域のインク41が硬化される。
【0043】
レーザビームを照射して所定領域のインク41を硬化させた後、プリント配線板60上に塗布されてはいるが、レーザビームが照射されなかった(硬化されなかった)インク41を、たとえば洗浄によってプリント配線板60上から除去する。このようにして所定領域にソルダーレジストパターンを形成することも可能である。
【0044】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0045】
たとえば、実施例においては、レジスト材料としてインクを用いたが樹脂であってもかまわない。
【0046】
また、実施例においては、照射するレーザビームとしてNd:YAGレーザの3倍高調波を用いたが、Nd:YLFレーザ等の他の固体レーザや半導体レーザから出射される紫外光を使用することができる。
【0047】
その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明であろう。
【産業上の利用可能性】
【0048】
たとえば、ソルダーレジストパターンの形成に利用することができる。
【符号の説明】
【0049】
10 インクジェットプリンタ
11 ランプ光源
12 チャックプレート
13 プリント配線板
14 インク
21 レーザ光源
22 ホモジナイザ
23 光路切り替え装置
23a、23b 折り返しミラー
24 マスク
25 折り返しミラー
26 集光レンズ
27 ガルバノスキャナ
30 制御装置
30a 記憶装置
40 インクジェットプリンタ
40a 光ガード部材
41 インク
50 ステージ
50a チャックプレート
60 プリント配線板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持するステージと、
前記ステージに保持された基板上に、レジスト材料を塗布する塗布装置と、
レーザビームを出射するレーザ光源と、
前記レーザ光源を出射したレーザビームを集光して、前記基板上に伝搬し、伝搬された位置のレジスト材料を硬化させる伝搬光学系と
を有するレーザ照射装置。
【請求項2】
前記ステージは、基板を、第1の方向及び第2の方向に移動可能に保持し、
前記伝搬光学系は、前記ステージに保持された基板上の第1及び第2の位置であって、前記塗布装置が基板上にレジスト材料を塗布する位置を基準として、前記第1の方向にある第1の位置、及び、第2の方向にある第2の位置に、選択的にレーザビームを伝搬し、
更に、前記ステージによる基板の移動、及び、前記伝搬光学系によってレーザビームを選択的に伝搬する位置を制御する制御装置を含み、
前記制御装置は、塗布されたレジスト材料が前記ステージによって移動される方向にある位置にレーザビームが伝搬されるように、前記ステージ及び前記伝搬光学系を制御する請求項1に記載のレーザ照射装置。
【請求項3】
前記伝搬光学系は、レーザビームを2次元方向に走査して基板上に伝搬するビーム走査器を含む請求項1または2に記載のレーザ照射装置。
【請求項4】
更に、前記ビーム走査器によって走査されるレーザビームが伝搬される基板上の位置を制御する制御装置と、
前記塗布装置によってレジスト材料を塗布すべき基板上の領域のデータを記憶する記憶装置と
を含み、
前記制御装置は、前記記憶装置に記憶されたデータに基いて、前記ビーム走査器によって走査されるレーザビームが伝搬される基板上の位置を制御する請求項3に記載のレーザ照射装置。
【請求項5】
前記伝搬光学系は、レーザビームが、前記塗布装置が基板上にレジスト材料を塗布する位置に向かわない方向に入射するように、レーザビームを、前記ステージに保持された基板上に伝搬する請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザ照射装置。
【請求項6】
前記塗布装置は、前記レジスト材料を出射する部分に設けられる遮光部材であって、前記伝搬光学系によってレーザビームが伝搬される位置を向く方向に設けられる遮光部材を備える請求項1〜5のいずれか1項に記載のレーザ照射装置。
【請求項7】
(a)基板上にレジスト材料を塗布する工程と、
(b)前記基板上に塗布された前記レジスト材料に、レーザビームを集光して入射させ、入射位置の前記レジスト材料を硬化させる工程と
を有するレーザ照射方法。
【請求項8】
前記工程(a)において、前記レジスト材料の塗布を行う位置に対し、前記基板を相対的に移動させながら、前記基板上に前記レジスト材料を塗布し、
前記工程(b)において、(i)前記基板が、前記レジスト材料の塗布を行う位置に対し、相対的に第1の方向に移動しているときには、前記レジスト材料の塗布を行う位置を基準として前記第1の方向にある第1の位置に、レーザ光源から出射したレーザビームを入射させ、(ii)前記基板が、前記レジスト材料の塗布を行う位置に対し、相対的に第2の方向に移動しているときには、前記レジスト材料の塗布を行う位置を基準として前記第2の方向にある第2の位置に、前記レーザ光源から出射したレーザビームを入射させる請求項7に記載のレーザ照射方法。
【請求項9】
前記工程(b)において、レーザビームを2次元方向に走査して前記レジスト材料に入射させる請求項7または8に記載のレーザ照射方法。
【請求項10】
前記工程(b)において、レーザビームを、前記レジスト材料を塗布すべき前記基板上の領域のデータに基づいて、前記レジスト材料に入射させる請求項9に記載のレーザ照射方法。
【請求項11】
前記工程(b)において、レーザビームが、前記レジスト材料の塗布を行う位置に向かわない方向に入射するように、レーザビームを前記レジスト材料に入射させる請求項7〜10のいずれか1項に記載のレーザ照射方法。
【請求項12】
(a)基板上にレジスト材料を塗布する工程と、
(b)前記工程(a)で前記基板上に塗布された前記レジスト材料上の所定領域にレーザビームを集光して入射させ、前記所定領域のレジスト材料を硬化させる工程と、
(c)前記工程(a)で塗布され、前記工程(b)で硬化されなかった前記レジスト材料を前記基板上から除去する工程と
を有するレーザ照射方法。
【請求項13】
前記工程(a)において、前記レジスト材料を前記基板の塗布面上の全面に塗布する請求項12に記載のレーザ照射方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−84579(P2012−84579A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227378(P2010−227378)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【Fターム(参考)】