説明

レーダー検出しきい値を生成するシステムおよび方法

【課題】レーダー検出しきい値を生成するシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】レーダー検出しきい値を生成する方法は、周波数領域信号の周波数領域値に関連する第1の複数のパーセンタイル値を計算することを含む。第1の複数のパーセンタイル値は、検出しきい値を生成するのに使用される。レーダー検出しきい値を生成する装置は、周波数領域信号の周波数領域値に関連する第1の複数のパーセンタイル値を計算するようになっている第1パーセンタイルプロセッサを含む。しきい値プロセッサは、複数のパーセンタイル値を使用して検出しきい値を生成するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にはビークルレーダーシステムに関し、より詳細には、ビークルに近接する他のビークルおよび物体を検出するようになっているビークルレーダーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
相互参照するべき関連出願はない。
該当なし。
【0003】
連邦政府支援研究に関する声明なし。
【0004】
当業者には周知であるように、自動車や船などのビークルに関連する様々な応用例に関するレーダーシステムが開発されている。ビークル上に取り付けられたレーダーシステムは、ビークルに近接する他のビークルを含む物体の存在を検出する。
【0005】
自動車への応用例では、そのようなレーダーシステムをブレーキ系と共に使用して、能動的衝突回避を実現することができ、または自動車巡航制御系と共に使用して、インテリジェント速度制御および交通間隔制御を実現することができる。
【0006】
別の応用例では、ビークルレーダーシステムは、ディスプレイ上でビークルのドライバに障害物の受動的表示を与え、具体的には、ビークルの盲点内の物体を検出する。
【0007】
盲点の視覚化を改善するために、様々なサイズおよび特徴を有するリアミラーおよびサイドミラーが、一般には使用されている。例えば、凸面鏡では、平面鏡よりも広い視界が得られる。しかし、凸面鏡で見た物体は、ビークルからの実際の距離よりも離れて見える。さらに、ミラーを通じての視界は、雨、雪、または暗闇の条件の中では低下する。
【特許文献1】米国特許第6489927号公報
【特許文献2】米国特許第6577269号公報
【特許文献3】米国特許第6683557号公報
【特許文献4】米国特許第6642908号公報
【特許文献5】米国特許第6501415号公報
【特許文献6】米国特許第6492949号公報
【特許文献7】米国特許出願第_______号
【特許文献8】米国特許出願第_______号
【特許文献9】米国特許出願第_______号
【特許文献10】米国特許出願第10/293880号
【特許文献11】米国特許出願第10/619020号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、レーダー検出しきい値を生成するシステムおよび方法に関する。以下に示す方法およびシステムの例は、自動車において使用されるレーダーシステム、具体的には、側方物体検出のために使用されるレーダーシステムを含むが、この方法およびシステムは、限定はしないが、前方および後方監視自動車レーダーシステムを含む、検出しきい値を使用する任意のレーダーシステムに適用しうるものである。
【0009】
本発明による、レーダーに関連するレーダーしきい値を生成する方法は、複数の無線周波数(RF)信号を送信すること、および受信RF信号および雑音信号の少なくとも一方を含む複数の複合信号を受信することを含んでいる。
【0010】
この方法は、複数の複合信号を変換して、複数のベースバンド信号を供給すること、およびその複数のベースバンド信号を周波数領域に変換して、それぞれの複数の周波数領域信号を供給することをさらに含んでいる。複数の周波数領域信号のそれぞれは、対応する複数の周波数領域値およびそれぞれの複数の周波数ビンを有する。
【0011】
この方法は、複数の周波数領域信号のうちの少なくとも2つに関連する複数の周波数領域値から、第1の複数のパーセンタイル値を計算すること、第1の複数のパーセンタイル値に関連する検出しきい値を生成することを、さらに含んでいる。
【0012】
ある実施形態では、レーダーは視野を有し、この方法は、様々な物体が視野を通過するように、レーダーシステムを移動させることを含んでいる。
【0013】
本発明の別の態様による、レーダーしきい値を生成する装置は、複数のRF信号を送信するようになっているレーダー送信機と、受信RF信号および雑音信号の少なくとも一方を含む複数の複合信号を受信するようになっているレーダー受信機とを含んでいる。
【0014】
この装置は、複数の複合信号を変換して、関連する複数のベースバンド信号を供給するようになっているベースバンド変換器と、複数のベースバンド信号を周波数領域に変換して、それぞれの複数の周波数領域信号を供給するようになっている周波数領域プロセッサとをさらに含んでいる。複数の周波数領域信号のそれぞれは、対応する複数の周波数領域値、およびそれぞれの複数の周波数ビンを有する。
【0015】
この装置は、複数の周波数領域信号のうちの少なくとも2つに関連する複数の周波数領域値から、第1の複数のパーセンタイル値を計算するようになっている第1パーセンタイルプロセッサと、第1の複数のパーセンタイル値に関連する検出しきい値を生成するようになっているしきい値プロセッサとをさらに含んでいる。
【0016】
このような特定の構成により、雨、雪、暗闇を含むあらゆる種類の環境条件の中で正確であり、かつ信頼性の高い、ビークル盲点内の、ビークルに近接する障害物を検出するための効果的な手段が提供される。この検出システムは、内部では検出確率が非常に高く、かつ外部では検出確率が非常に低い明確な検出ゾーンを有する。
【0017】
本発明の上述の特徴、ならびに本発明自体は、以下の図面の詳細な説明から、より完全に理解しうると思う。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明を説明する前に、いくつかの基本的概念および用語について説明する。
【0019】
「受信RF信号」という用語は、受信側レーダーアンテナで受信される無線周波数(RF)信号を意味するのに使用する。「送信RF信号」という用語は、送信側レーダーアンテナを介して送信されるRF信号を示すのに使用する。送信アンテナと受信アンテナは、同一の物理的アンテナでもよく(すなわち、1つのアンテナが送信と受信のどちらにも使用される)、また別々のアンテナでもよい。
【0020】
「エコーRF信号」という用語は、送信RF信号が物体に入射し、物体から反射または散乱する結果として生じるRF信号を示すのに使用する。「干渉RF信号」という用語は、別のレーダーシステムに関連する送信RF信号、またはエコーRF信号を示すのに使用する。
【0021】
上記の定義に鑑みて、受信RF信号には、エコーRF信号を含むことがあれば、または含まないこともある。また受信RF信号は、干渉RF信号を含むことがあれば、含まないこともある。
【0022】
本明細書においては、「複合信号」という用語は、受信RF信号および雑音信号、例えば電気的雑音信号の少なくとも一方からの信号を示すのに使用する。
【0023】
「チャープ」という用語は、時間ウィンドウ中に時間と共に変化する周波数を有し、各チャープに関連する開始周波数と、終了周波数を有する信号を示すのに使用する。チャープは、開始周波数と終了周波数の間で、周波数がほぼ線形に変化する線形チャープでもよい。またチャープは、開始周波数と終了周波数の間で周波数がほぼ非線型に変化する非線型チャープでもよい。チャープ信号は、様々な媒体を介して、例えば空気を介して、送信RFチャープ信号として送信することができ、またはワイヤを介して送信することができる。
【0024】
本明細書における、「コントローラエリアネットワーク」または「CAN」という用語は、一般に自動車に配設される制御バス、および関連する制御プロセッサを示すのに使用する。CANバスは、通常、様々なビークルシステムに結合される(例えばエアバッグ、ブレーキなど)。CANプロセッサは、CANバスを介してビークルシステムに結合され、CANバスは、CANプロセッサが様々な自動車機能、例えばアンチロックブレーキ機能を制御することを可能にする。CANネットワークは、有線ネットワークまたはワイヤレスネットワークでよい。
【0025】
次に、時間領域信号の周波数領域への変換を実施する高速フーリエ変換(FFT)について説明するが、限定するものではないが、離散フーリエ変換(DFT)を含む他の様々な変換を使用できることは理解されると思う。
【0026】
図1を参照すると、道路の第1車線16を通行する第1ビークル12は、側部物体検出(SOD)レーダー14を有する。SODレーダー14は、ビークル12の側部に配設されている。具体的には、SODレーダー14は、ビークル14の右後部に配設される。またビークル12は、ビークル12の左後部の側部に配設された第2SODレーダー15を備えている。SODレーダー14、15は、様々な方式で、ビークル12に結合することができる。
【0027】
ある実施形態では、その全体を参照のために本明細書に組み込まれている、2002年12月3日発行の特許文献1に記載のように、SODレーダーをビークル12に結合することができる。第2ビークル18は、第1車線16に隣接する第2車線20を進む。第1および第2ビークル12、18は、共に、矢印30に従う方向に、それぞれ、第1および第2車線16、20内を進む。
【0028】
第2ビークル18は、第1ビークル12よりも低速または高速で、あるいは同じ速度で移動することができる。図1に示すビークル12、18の相対位置では、第2ビークル18は第1ビークル12の「盲点」内に位置する。盲点は、第1ビークル12の側部に位置するエリアであり、それによって第1ビークル12の運転者は、第1ビークル12のサイドミラー80、84(図2を参照)、またはバックミラー(図示せず)を通して、第2ビークル18を見ることができない。
【0029】
SODレーダー14は、複数の受信ビーム(例えば、受信ビーム22a、受信ビーム22b、受信ビーム22c、受信ビーム22d、受信ビーム22e、受信ビーム22f、および受信ビーム22g)と、縁部24a〜24dを有する関連する検出ゾーン24とを生成する。
【0030】
検出ゾーン24の縁部24a〜24cは、SODレーダー14により、受信ビーム22a〜22gのそれぞれに関連する最大検出範囲、例えば受信ビーム22cに関連する最大検出範囲26によって形成される。受信ビーム22a〜22gのそれぞれは、最小検出範囲(図示せず)をも有し、第1ビークルに最も近い検出ゾーン24の縁部24dを形成する。
【0031】
一実施形態では、SODレーダー14は、持続波チャープRF信号を送信し、それに応じて、受信したレーダー信号を処理する周波数変調持続波(FMCW)レーダーである。
【0032】
ある実施形態では、SODレーダー14は、例えば、参照用として、その全体がすべて本明細書に組み込まれている2003年6月10日発行の特許文献2、2004年1月27日発行の特許文献3、2003年11月4日発行の特許文献4、2002年12月31日発行の特許文献5、および2002年12月10日発行の特許文献6に記載のタイプのものでよい。
【0033】
動作に際しては、SODレーダー14は、第2ビークル18またはクラッタ物体、例えばガードレールまたは植物(図示せず)に入射して反射する部分を有するRF信号を送信する。反射信号(「エコー」RF信号とも呼ばれる)は、受信ビーム22a〜22gのうちの1つまたは複数で受信され、第2ビークル18からエコーRF信号を受信しない他のレーダービーム22a〜22gは、他のレーダー信号、例えば雑音信号を受信または生成する。
【0034】
ある実施形態では、SODレーダー14は、単一広幅送信ビーム(図示せず)として、RFエネルギーを送信することができる。
【0035】
他の実施形態では、SODレーダー14は、複数の送信ビーム(図示せず)、例えば受信ビーム22a〜22gと関連する7つの送信ビームとして、RFエネルギーを送信することができる。
【0036】
動作の際には、SODレーダー14は、受信ビーム22a〜22gのそれぞれに関連する受信レーダー信号を、順番に、並列に、または他の任意の時間順で、処理することができる。
【0037】
SODレーダー14は、第2ビークル18の任意の部分が検出ゾーン24内にあるときに、第2ビークル18に関連するエコーレーダー信号を識別するように適合させることができる。したがって、SODレーダー14は、第2ビークルの少なくとも一部が第1ビークル12の盲点内または盲点付近にあるときに、第2ビークル18を検出するようになっている。
【0038】
この目的で、SODレーダー14によって提供される信号処理は、ある実施形態では、例えば2003年6月10日発行の特許文献2、2004年1月27日発行の特許文献3、____年__月__日出願、「Generating Event Signals in a Radar System」、発明者Dennis HuntおよびWalter Gordon Woodington、整理番号VRS−019PUSの特許文献7、____年__月__日出願、「Method and System for Verifying a Radar Detection」、発明者Steven P. LohmeierおよびYong Liu、整理番号VRS−015PUSの特許文献8、および____年__月__日出願、「Method and System for Generating a Target Alert」、発明者Steven P. Lohmeier、Wilson J. Wimmer、およびWalter Gordon Woodington、整理番号VRS−016PUSの特許文献9に記載のタイプのものでよい。これらの特許および特許出願は、それぞれ、参照のために、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0039】
次に、SODレーダー14による複合信号のさらなる処理について、完全に説明する。
【0040】
次に図2を参照すると、例示的ビークルレーダーシステム50は、54で示す方向に進むビークル52と関連付けられている。しかし、システム50は、ビークル52を含まないことを理解されたい。システム50は、1つまたは複数のSODレーダー56、58を備えている。SODレーダー56、58は、図1のSODレーダー14と同じ、または同様のものでよい。
【0041】
上述のように、様々の方式で、SODレーダー56、58をビークル52に結合することができる。ある実施形態では、参照用として本明細書に組み込まれている、2002年12月3日発行の特許文献1に記載のように、SODレーダーをビークル52に結合してある。
【0042】
SODレーダー56、58を、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス66を介して、中央SODプロセッサ64に結合することができる。他の自動車システム、例えばエアバッグシステム72、ブレーキ系74、速度計76、およびCANプロセッサ78も、CANバス66に結合することができる。
【0043】
システム50は、2つのサイドミラー80、84を有し、それぞれは、サイドミラー80、84内で閲覧可能な警報ディスプレイ82、86を有する。警報ディスプレイ82、86は、ビークル52の盲点内の別の自動車の存在を示す視覚的警報を、ビークル52の運転者に与えるようになっている。この目的のため、動作の際に、SODレーダー56は検出ゾーン60を形成し、SODレーダー58は検出ゾーン62を形成する。
【0044】
検出ゾーン24内の物体(例えば別のビークル)の検出時に、SODレーダー56は、物体の存在を示す警報信号を、CANバス66を介して、警報ディスプレイ82、84の一方または両方に送る。警報信号の受信に応答して、ディスプレイ82、84は、物体の存在を示す標識(例えば視覚的標識、音響標識、または機械的標識)を与える。
【0045】
同様に、検出ゾーン62内の物体の検出時に、SODレーダー58は、別のビークルの存在を示す警報信号をCANバス66を介して、警報ディスプレイ82、86の一方または両方に送る。しかし、別の実施形態として、SODレーダー56は、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)バス68を介して警報信号を、警報ディスプレイ82に通信することができるようにすることもある。同様に、SODレーダー58は、別のヒューマンマシンインターフェース(HMI)バス70を介して、警報信号を別の警報ディスプレイ86に通信することができるようにされる。
【0046】
ある実施形態では、中央プロセッサ64は、検出ゾーン60、62内に存在する他の自動車の検出を行うために、SODレーダー56、58にそれぞれ関連するデータを組合せるか、または「融合」させることができ、その結果、警報ディスプレイ82、86内のさらなるディスプレイ情報が得られる。
【0047】
あるいは、各SODレーダー56、58からのデータを、すべてのSODレーダー56、58の間で共有することができ、各SODレーダー56、58は、各SODレーダー56、58に提供されたすべてのデータを組み合わせる(または融合する)ことができる。
【0048】
2つのSODレーダー56、58を図示したが、システム50は、ただ1つのSODレーダーを有する、任意の数のSODレーダーを含むものとすることができる。警報ディスプレイ82、86がサイドミラーに関連するように図示してあるが、警報ディスプレイを、様々な方式で与えることができる。
【0049】
例えば、他の実施形態として、警報ディスプレイを、中央バックミラーに関連付けることができる。さらに他の実施形態では、警報ディスプレイは、搭乗者がその中に座るビークルの部分内に配設された(または少なくともその内部で可聴である)可聴警報ディスプレイ(例えばスピーカ)である。
【0050】
CANバス66を図示して、説明したが、SODレーダー56、58は、限定するものではないが、イーサネット(登録商標)バスおよびカスタムバスを含む、ビークル52内の様々な他のバスのいずれかを介して、結合することができる。
【0051】
次に図3を参照すると、SODレーダー100は、ガラス繊維回路板102、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)回路板150、低温同時焼成セラミック(LTCC)回路板156がその中にあるハウジング101を備えている。SODレーダー100は、図2のSODレーダー56、58と同じ、または同様のものでよい。
【0052】
ガラス繊維回路板102上には、制御プロセッサ108に結合された信号プロセッサ104が配設されている。一般には、信号プロセッサ104は、信号処理機能、例えば高速フーリエ変換を実施するようになっている。
【0053】
信号プロセッサは、SODレーダー100の検出ゾーン(例えば図1の24)内の標的を検出するようになっている検出プロセッサ104aを備えていることがある。
【0054】
制御プロセッサ108は、デジタル機能を実施して、例えば、SODレーダー100が取り付けられたビークルの運転者に、盲点内のビークルなどの別の物体の存在を警報すべきであるという状態を識別するようになっている。この目的で、制御プロセッサ108は、検出検証プロセッサ108aおよび警報プロセッサ108bを有している。次に、それぞれについて、より完全に説明する。
【0055】
検出プロセッサ104a、検出検証プロセッサ108a、および警報プロセッサ108bが、信号プロセッサ104および制御プロセッサ108の中に特定の方式で配置されているように図示してあるが、機能を様々に分割することも可能である。
【0056】
制御プロセッサ108は、様々な値、例えば後により完全に説明するしきい値を保持するようになっている電気消去可能読取り専用メモリ(EEPROM)112に結合されている。見やすいように、プロセッサプログラムメモリに関連する他の読取り専用メモリは、図示を省略してある。
【0057】
制御プロセッサ108はまた、コネクタ128を介してCANバス136上で通信するようになっているCANトランシーバ120にも結合されている。CANバス136は、図2のCANバス66と同じ、または同様のものでよい。
【0058】
制御プロセッサ108は、任意に選択したヒューマンマシンインターフェース(HMI)ドライバ118にも結合することができる。ヒューマンマシンインターフェース(HMI)ドライバ118は、コネクタ128を介して、HMIバス138と通信することができる。
【0059】
HMIバス138は、図2のHMIバス68、70と同じ、または同様のものでよい。HMIバス138は、限定はしないが、イーサネット(登録商標)フォーマットの光ファイバ媒体、2状態フォーマットのワイヤ媒体を含む、任意の形態の通信媒体、および通信フォーマットを有するものとすることがある。
【0060】
ガラス繊維回路板102は、パワー信号140および信号142を受け取ることができる。米国の自動車では、パワー信号140は、通常、(グランド信号142に対して)12ボルトのDC信号として供給される。コネクタ128を介して、パワー信号140およびグランド信号142を、1つまたは複数の電圧調整器134(図が見やすいように、図3では1つの電圧調整器だけを示す)に結合することができ、その1つまたは複数の電圧調整器134は、1つまたは複数の調整電圧を、SODレーダー100に供給することができる。
【0061】
SODレーダー100は、PTFE回路板150をも有し、PTFE回路板150上には、レーダー送信機152と、送信機152に結合された送信アンテナ154とが配設されている。送信機152は、信号プロセッサ104に結合され、アンテナ154は、送信機に152に結合されている。
【0062】
SODレーダー100は、レーダー受信機158および受信アンテナ160がその上に配設されるLTCC回路板156も有している。受信機158は、信号プロセッサ104および受信アンテナ160に結合されている。
【0063】
受信機158はまた、後に説明する1つまたは複数のRF信号162を供給する送信機152にも結合されている。レーダー送信機152およびレーダー受信機158は、電圧調整器134から調整電圧を受ける。
【0064】
ある実施形態では、送信アンテナ154および受信アンテナ160は、例えば2003年11月4日発行の特許文献4、2002年12月10日発行の特許文献6、2002年11月13日出願の特許文献10、および2003年7月14日出願の特許文献11に記載のタイプのものでよい。これらの特許は、参照用として、本明細書に組み込まれている。
【0065】
動作の際に、信号プロセッサ104は、開始電圧、および終了電圧を、有する1つまたは複数のランプ信号144を生成する。ランプ信号は、送信機152に供給される。ランプ信号144に応答して、かつ受信機158によって供給されるRF信号162に応答して、送信機152は、ランプ信号によって制御される波形特性を有するRFチャープ信号を生成する。RF信号は、送信機から送信アンテナ154に供給され、そこで、信号がRFチャープ信号として放出(または放射)される。
【0066】
送信アンテナ154は、RFチャープ信号を、1つの送信ビームまたは複数の送信ビームとして送信する。どちらの構成でも、送信アンテナ154は、所望の検出ゾーン、例えば図2の検出ゾーン60の範囲を包含するエリア内に、RFチャープ信号を送信する。
【0067】
受信アンテナ160は、複数の受信ビーム、例えば図1に示す7つの受信ビーム22a〜22gを形成することができる。他の実施形態では、5、6、8、9、10、または11個のビームを使用することがある。
【0068】
特定のビーム数に関わらず、各受信ビーム、またはそれに関連するエレクトロニクスは、受信RF信号と雑音信号の少なくとも一方を含む複合信号を受信する。受信ビームと共に検出された信号は、レーダー受信機158に向けて送られる。レーダー受信機158は、限定はしないが、増幅、複合信号とチャープ信号を、ミキシングしてベースバンド信号を与え、かつベースバンド信号のアナログ−デジタル(A/D)変換を含む様々な機能を発揮し、その結果、変換後信号148が得られる。
【0069】
SOD FMCWチャープレーダーシステム100では、変換後信号148は、周波数内容を有し、異なる周波数のピークが異なる範囲で検出した物体に対応している。上述の受信機158の増幅は、例えば信号プロセッサ104によって与えられる制御信号146で制御される時間変化増幅でよい。
【0070】
信号プロセッサ104は、変換後信号148を解析して、上述の検出ゾーン内の物体を識別する。この目的のため、一実施形態では、信号プロセッサ104は、変換後信号148の周波数領域変換を実施する。例示的な一実施形態では、このことは、受信ビームのそれぞれに関連して、FFT(高速フーリエ変換)を実施することにより実施される。
【0071】
信号プロセッサ104によって変換後信号148で検出されたある物体は、ビークルの運転者にはほとんど関係がなく、警報する必要のない物体に対応する可能性がある。例えば、ビークルの運転者は、道端に沿う静止したガードレールの存在の警報を受ける必要はない。したがって、警報信号を生成して運転者に送るべき時を識別するために、別の基準を使用することがある。
【0072】
制御プロセッサ108は、信号プロセッサ104から検出106を受け取る。制御プロセッサ108は、別の基準を使用して、警報信号114の生成を制御することができる。制御プロセッサ108による決定の際に、検出ゾーン内の物体だけでなく、検出ゾーン内の所定の特性を有する物体、例えば移動物体も示す警報信号114を生成することができる。あるいは、制御プロセッサ104は、基準を使用して、警報信号を生成すべきでないことを決定することもできる。
【0073】
CANトランシーバ120によって、CANバス136上で警報信号114を通信することができる。他の実施形態では、任意選択のHMIドライバ118によって、HMIバス138上で警報信号122を通信することができる。
【0074】
ガラス繊維回路板102、PTFE回路板150、LTCC回路板156は、特定の周波数範囲内の信号に対する周知の特性(限定はしないが、挿入損特性を含む)を有する材料からなっている。例えば、ガラス繊維回路板は、最大数百MHzまでの信号周波数で、受け入れられる信号搬送性能を有することが知られている。
【0075】
LTCC回路板およびPTFE回路板は、ずっと高い周波数で、受け入れられる信号搬送性能を有することが知られているが、LTCC板およびPTFE板のコストは、ガラス繊維回路板のコストよりも高い。したがって、SODレーダー100の低周波数機能がガラス繊維回路板102上に配設され、周波数の範囲内の周波数を有する機能が、LTCC回路板156およびPTFE回路板150上に配設されている。
【0076】
3つの回路板102、150、156を図示してあるが、SODレーダー100を、4つ以上または2つ以下の回路板上に設けることもできる。さらに、3つの回路板102、150、156を、本明細書に記載の材料以外の材料で構成することもできる。
【0077】
次に図4を参照すると、曲線204は、レーダーシステム(例えば図1のレーダーシステム12、14)に関する検出しきい値を表す。検出しきい値曲線204が、FFTビン数を表す水平目盛と、FFTの大きさの単位の垂直目盛とを有するグラフ200上にプロットされている。上述の処理のために、FFTビン数は、図1のSODレーダー14と標的との間の範囲に対応していることを理解されたい(例えば、ビークル12に配設されたレーダー14でビークル18を標的として識別することができる)。
【0078】
FFTの大きさの値が検出しきい値曲線204より上である場合、レーダーシステムは標的が存在すると結論し(すなわち、しきい値曲線204より上のFFTの大きさの値は標的を示す)、検出される。一方、しきい値曲線204より下のFFTの大きさの値には、関心がなく、したがって検出されない。
【0079】
標的が存在しないときの、信号プロセッサ104(図3)による周波数領域への変換後の、単一の受信ビーム(例えば図1のビーム22d)に関連するSODレーダー受信機158(図3)からの複数の出力を示す一連の曲線202も、グラフ200上にプロットされる。
【0080】
例えば、SODレーダー14の製造時に、工場での特別な較正工程中に、そのような曲線を生成することができる。FFT曲線202を生成するために、静止中であり、標的がない間にSODレーダー14を操作することができる。したがって、曲線202は、SODレーダー14に関連するバックグラウンドノイズを示す。
【0081】
上述のバックグラウンドノイズは、限定はしないが、送信アンテナ154(図3)、および送信機152(図3)から受信アンテナ160(図3)、および受信機158(図3)へのフィード、熱雑音(kT雑音とも呼ばれる)、量子化雑音、SODレーダー100(図3)内の回路漏話、および範囲サイドローブなどの信号処理アーチファクトを含む可能性がある。各雑音は、SODレーダー100が標的を検出する能力を制限する傾向がある。
【0082】
検出しきい値曲線204は、後で説明する方法で選択される。上述のように、動作の際には、しきい値204より上のFFTの大きさの値は、標的を示す可能性がある。この較正工程の間には、標的が存在しないので、図4には、そのような値を示していない。
【0083】
3つの点204a、204b、204cを選択し、それらの間に直線を引くことによって、しきい値204を生成することができる。点204a、204b、204cを、基準に基づいて選択することができる。例えば、点204a、204b、204cを、その特定の点がある周波数ビンで、FFT曲線202の最大値より所定の距離だけ、上となるように選択することができる。
【0084】
しきい値202の生成は、製造工程で行われ、その結果、SODレーダーのコストが高くなる。較正固定具でSODレーダーを取り付けることによってFFT曲線202が生成される場合、FFT曲線202は、SODレーダーをビークルに取り付けたときに、完全にはSODレーダーの挙動を示さない可能性があることも理解されたい。
【0085】
したがって、製造中に、しきい値レベル204を選択するとき、普通なら必要となる可能性のあるしきい値レベルよりも高いしきい値レベルを選択することが必要である。その結果、不必要に高いしきい値が使用されなかった場合に、普通なら検出することができた標的を、レーダーシステムが検出することができなくなる。したがって、レーダーは、普通なら得ることができた検出性能よりも、不十分な検出性能で動作する。
【0086】
次に図5を参照すると、グラフ220は、本明細書で周波数ビンとも呼ぶFFTビン数を表す水平目盛と、やはり本明細書で周波数領域値とも呼ぶFFTの大きさの単位の垂直目盛とを有する。
【0087】
曲線222は、複数のFFT曲線(図が見やすいように図示せず)の上側パーセンタイルを表す。理解しやすいように、本明細書では、90パーセンタイルに等しい例示的上側パーセンタイルを使用する。したがって、言い換えれば、各FFTビン、例えばFFTビンXで、曲線222の値、例えば値222aは、複数のFFT曲線の値の90パーセントが、周波数ビンXで値222a未満となるような値である。
【0088】
曲線228は、複数のFFT曲線(図が見やすいように図示せず)の下側パーセンタイルを表す。理解しやすいように、本明細書では、10パーセンタイルと等しい例示的下側パーセンタイルを使用する。したがって、言い換えれば、各FFTビン、例えばFFTビンXで、曲線228の値、例えば値228aは、複数のFFT曲線の値の10パーセントが、周波数ビンXで値228a未満となるような値である。
【0089】
複数のFFT曲線(図示せず)、および対応する90パーセンタイル曲線222、および10パーセンタイル曲線228は、SODレーダー14(図1)が様々な標的の存在下の通常動作での移動中、すなわち駆動中に生成されることが好ましい。SODレーダー14が大きな標的の存在下にあるとき、SODレーダーは、標的が存在しないとき、または小さい標的の存在下にあるときよりも、高い値を有するFFT曲線を生成する傾向がある。
【0090】
したがって、曲線222は、一般に、通常動作中に標的の存在下で生成された複数のFFT曲線のピークを表し、曲線228は、一般に、通常動作中に標的が存在しないときに生成されたFFT曲線を表す。しかし、曲線222、228は、必ずしも、複数のFFT曲線のうちの個々の曲線による値を表すわけではなく、上述のように、SODレーダーが通常動作で移動中に生成された複数のFFT曲線の90パーセンタイル曲線、および10パーセンタイル境界を、それぞれ表すことを理解されたい。
【0091】
曲線224は、曲線222からオフセット値234を引くことによって生成される。曲線226は、オフセット値236を曲線226に加えることによって生成される。曲線224は、点232で曲線226と交差する可能性がある。しかし、曲線224、226は交差する必要はない。
【0092】
オフセット234、236は、等しくてもよく、または異なっていてもよい。ある実施形態では、オフセット234、236の一方または両方は、ゼロでよく、その場合、曲線224が曲線222となり、または曲線226が曲線228となり、あるいはその両方となる。
【0093】
オフセット234、236と、後に説明する関連するしきい値は、誤った検出を許容できるレベルに低減すると共に、注目の小さい標的、例えばモータサイクルを、高い検出確率で検出することを可能にするように選択される。
【0094】
曲線230は、検出しきい値に対応する。曲線230は、各FFTビンにわたって曲線224、226の最大値を選択することによって生成される。したがって、図示の構成では、曲線230は、点232の生じるFFTビンより下のFFTビンに関して、曲線226をたどる。曲線230は、点232の生じるFFTビンより上のFFTビンに関して、曲線224をたどる。動作の際には、しきい値230より上にあるFFTの大きさの値を有するFFT曲線は、標的を示す可能性がある。
【0095】
曲線224、226を組み合わせて、検出しきい値230を生成するように曲線224、226を図示し、説明したが、他の実施形態では、パーセンタイル曲線222または228の1つだけが、生成され、1つのオフセット値234または236のみが使用されて、曲線224、226の1つだけが生成される。したがって、こうした実施形態では、検出しきい値は、曲線224または226に等しい。
【0096】
さらに、ある実施形態では、オフセット値がゼロであり、その場合、検出しきい値は、曲線222または228と等しい。
【0097】
検出しきい値230は、標的の存在下で、標的戻り信号から生成されたFFT値を使用して生成されるので、SODレーダー14(図1)が取り付けられるビークル12(図1)による通常動作において、SODレーダー14が移動中に検出しきい値230を生成することができる。この構成では、検出しきい値(例えば図4の検出しきい値204)を生成することが普通なら必要となる製造工程が回避される。
【0098】
これは、通常動作中ではなく、製造中に検出しきい値が生成される従来技術の技法(例えば図4に関連して上記で説明した技法)とは対照的であることを理解されたい。
【0099】
標的の存在下で、レーダーシステムが動作中であり、ビークルに取り付けられている間に検出しきい値を生成することを可能にすることにより、検出しきい値を動的にリセットすることが可能である。
【0100】
例えば、高密度物体環境(例えば都市の交通またはラッシュアワーの交通)で、その環境に関して計算されたある検出しきい値を有し、かつ低密度物体環境(例えば同じ車道上に他のビークルが比較的少ない車道上の交通)に関して計算された第2の異なる検出しきい値を有することが望ましいことがある。したがって、SODレーダーは、動的に調節可能な検出しきい値を有することができる。あるいはさらに、検出しきい値を継続的に、例えば2分ごとに1度更新するようにシステムを適合させることもできる。
【0101】
本明細書では一定のパーセンタイル(例えば10および90パーセンタイル)を選択しているが、検出しきい値の選択で、他のパーセンタイルも使用することができる。
【0102】
図6および図8は、SODレーダー100(図3)で実装されることになる、以下で企図される技法に対応する流れ図を示している。本明細書で「処理ブロック」と表す(図6の要素252で代表される)矩形要素は、コンピュータソフトウェア命令または命令のグループを示す。本明細書で「判定ブロック」と表すダイヤモンド形の要素は、処理ブロックで表されるコンピュータソフトウェア命令の実行に影響を及ぼすコンピュータソフトウェア命令または命令のグループを示す。
【0103】
処理ブロックおよび判定ブロックは、デジタル信号プロセッサ回路または特定用途向け集積回路(ASIC)などの機能的に等価な回路で実施されるステップを示す。流れ図は、何らかの特定のプログラミング言語の構文を示すものではない。むしろ、流れ図は、当業者が特定の装置に対して必要な回路を製作し、またはコンピュータソフトウェアを生成するのに必要な機能情報を示す。ループの初期化や、一時変数の使用などの多くのルーチンプログラム要素を示していないことに留意されたい。
【0104】
別段の指示がない限り、記載のブロックの特定のシーケンスは、例に過ぎず、本発明の精神から逸脱することなく、変更できることを当業者は理解されると思う。したがって、別段の記述がない限り、以下に説明するブロックには順序がなく、可能なら、各ステップを、任意の好都合な順序または望ましい順序で、実施できるものである。
【0105】
次に図6を参照する。プロセス250は、ステップ252で始まり、複数のレーダーチャープ信号が、図3のSODレーダー100で生成される。複数の受信ビーム(例えば図1の22a〜22g)のそれぞれに関連する複数の複合信号のそれぞれについて、プロセス250を反復することができ、その結果、受信ビーム22a〜22gのそれぞれに関連するそれぞれの検出しきい値が得られる。
【0106】
受信ビーム22aが、受信ビーム22b〜22gのうちの他の受信ビームを表すと理解して、ブロック254では、複数の複合信号がSODレーダー100(図3)のビーム22aによって受信される。複合信号の一部を、受信アンテナ(例えば図3の160)で受信RF信号として受信することができ、複合信号の他の部分を、SODレーダー100(図3)内の雑音信号として受信できる。
【0107】
SODレーダー14は、受信ビーム22aに関連する複数の複合信号を受信することができ、受信ビーム22bに関連する他の複数の複合信号を受信することができる。以下同様である。
【0108】
受信ビーム22aが受信ビーム22b〜22gのうちの他の受信ビームを表すと理解すると、受信ビーム22aに関連する複数の複合信号の一部は、関連する送信RF信号に関連するそれぞれのエコーを含む可能性がある。エコーは、標的(すなわち周波数領域内のピーク)を示すことを理解されたい。
【0109】
受信ビーム22aに関連する複合信号のうちの別のものは、エコーを含まない可能性があり、すなわち標的を示さない可能性がある。しかし、上述のように、エコーを含む複合信号とエコーを含まない複合信号のどちらも、様々な雑音信号を含む可能性がある。
【0110】
エコーを含まない複合信号は、時間の近接によって関連付けられるだけの場合であっても、なお送信RF信号と関連付けられる可能性があることを理解されたい。複合信号は、送信RF信号に関連する寄与を通じて、様々なフィードも含む可能性があり、その結果、複合信号と送信RF信号とのさらなる関連付けが生じる。
【0111】
ブロック256では、SODレーダー100(図3)は、受信ビーム22aに関連する複数の複合信号を処理し、それぞれの複数のベースバンド信号を与える。
【0112】
ブロック258では、複数のFFTを、受信ビーム22aに関連する複数のベースバンド信号ごとに1つ計算する。各FFTは、複数の周波数ビンおよび複数の周波数領域値を有する。
【0113】
ブロック260では、複数のFFTの中から、下側パーセンタイル値(例えば10パーセンタイル値)を計算する。10パーセンタイル値は、例えば図5の曲線228に対応することができる。10パーセンタイル値は、各周波数ビンで計算することができ、あるいは図7および図8に関連して説明するプロセスで計算することができる。
【0114】
ブロック262では、複数のFFTの中から、上側パーセンタイル値(例えば90パーセンタイル値)を計算する。90パーセンタイル値は、例えば図5の曲線222に対応することができる。90パーセンタイル値を、各周波数ビンで計算することができる。あるいは、図7および図8に関連して説明するプロセスで計算することができる。
【0115】
ブロック264および266では、それぞれ、第1および第2オフセット値を選択する。第1オフセット値は、図5のオフセット値236に対応することができ、第2オフセット値は、図5のオフセット値234に対応することができる。上述のように、オフセット値と、以下で説明する関連するしきい値は、誤った検出を許容できるレベルに低減すると共に、注目の小さい標的、例えばモータサイクルを、依然として高い検出確率で検出することを可能にするように選択される。
【0116】
ブロック268では、第1オフセット値を10パーセンタイル値のそれぞれに加えて、第1しきい値を与える。第1しきい値は、例えば図5の曲線226に対応することができる。
【0117】
ブロック270では、90パーセンタイル値のそれぞれから第2オフセット値を引き、第2しきい値を与える。第2しきい値は、例えば図5の曲線224に対応することができる。
【0118】
ブロック272では、第1しきい値および第2しきい値の中から選ぶことにより、例えば周波数ビンにより、第1しきい値と第2しきい値のうちの大きい方を選択することにより、検出しきい値を生成する。検出しきい値は、例えば図5の曲線230に対応することができる。
【0119】
上述のように、受信ビーム22a〜22g(図1)のそれぞれについて、プロセス250を反復することができ、その結果、ビーム22a〜22gのそれぞれに関連するそれぞれの周波数領域信号(FFT)に適用することができるそれぞれの検出しきい値が得られる。
【0120】
図5に関連して上に説明した他の実施形態では、ブロック272で、2つの複数のパーセンタイル値を組み合わせるように図示して、説明し、検出しきい値を生成するようにしたが、他の実施形態では、ブロック260または262の複数のパーセンタイル値の一方だけが生成され、ブロック264または266のオフセット値の一方だけが使用されて、ブロック268または270の第1しきい値、または第2しきい値の一方だけが生成される
【0121】
したがって、このような実施形態では、検出しきい値は、ブロック268または270の第1しきい値、または第2しきい値に等しい。さらに、ある実施形態では、オフセット値はゼロであり、この場合、検出しきい値は、ブロック260または262のパーセンタイル値に等しい。
【0122】
次に図7を参照すると、グラフ280は、本明細書で周波数ビンとも呼ぶFFTビン数を表す水平目盛を有する。グラフ280はまた、本明細書で周波数領域値とも呼ぶFFTの大きさの単位の垂直目盛も有する。
【0123】
周波数ビンは、5つの周波数ビンをそれぞれ有する0〜4、5〜9、10〜14、15〜19、20〜24、25〜29の6つの範囲にグループ化される。周波数領域値は、0〜4から95〜99までの20個の範囲にグループ化される。6つより多い周波数ビン範囲、または6つより少ない周波数ビンを使用できる。
【0124】
各範囲で、5つよりも少ないビンまたは5つよりも多いビンを使用することもできる。所与の適例に関して、各範囲内に含まれるように特定の周波数ビン範囲数、およびビン数を、どのように選択するかについては、当業者は理解されると思う。
【0125】
曲線282、284、286は、それぞれ、1つの受信ビーム、例えば図1の受信ビーム22aに関連するそれぞれの複合信号から生成された複数のFFT曲線のうちの1つに対応する。見やすいように、関連する周波数領域値のうちの一部だけを、グラフ280上に示してある。
【0126】
曲線282は、周波数ビン0〜4に、それぞれ関連する点282a〜282eを有する。曲線284は、周波数ビン0〜4にそれぞれ関連する点284a〜284eを有する。曲線286は、周波数ビン0〜4にそれぞれ関連する点286a〜286eを有する。曲線286はまた、周波数ビン14に対応する範囲の標的を示すピーク286fも有する。
【0127】
図5に関連して上記で説明したように、SRSレーダー14(図1)が、標的の存在下で、または標的が存在しない中で移動中のとき、90パーセンタイル曲線222(図5)および10パーセンタイル曲線228(図5)を生成するのに使用される複数のFFT曲線が生成される。
【0128】
ピーク286fは、周波数ビン(範囲)の広がりが比較的広い。例えば2003年6月10日発行の特許文献2に記載の処理の詳細を使用して、標的に対する特定の範囲(例えばビン14)を、比較的広いピーク286fで表されるものよりも高い解像度で識別することができる。この特許の全体が、本明細書に組み込まれる。
【0129】
周波数ビン範囲0〜4では、1つの点286eが周波数領域値範囲45〜49にあり、3つの点286a、286c、286dが50〜54にあり、1つの点286bが55〜59にあり、1つの点284eが60〜64にあり、2つの点284a、284dが65〜69にあり、4つの点284b、284c、282a、282bが70〜74にあり、3つの点282c、282d、282eが75〜79にある。
【0130】
したがって、各点より、周波数ビン範囲0〜4に関して、1つの10パーセンタイル値と、1つの90パーセンタイル値を生成することができる。同様に、周波数ビン範囲5〜9に関して、1つの10パーセンタイル値と、1つの90パーセンタイル値を生成することができる。以下同様である。
【0131】
次に図8を参照すると、グラフ290は、FFTビン数(本明細書では周波数ビンまたはFFTビンとも呼ぶ)を表す水平目盛と、FFTの大きさ(本明細書では周波数領域値とも呼ぶ)の単位の垂直目盛とを有する。FFTビンは、5つの周波数ビンをそれぞれ有する0〜4、5〜9、10〜14、15〜19、20〜24、25〜29の6つの範囲にグループ化されている。周波数領域値は、0〜4から95〜99までの20個の範囲にグループ化されている。
【0132】
グラフ290は、90パーセンタイル値291a〜291fを直線で接続することによって生成される上側(例えば90)パーセンタイル曲線291を有する。90パーセンタイル値291bは、291a〜291fと符号を付けた点としてそれぞれ示される他の90パーセンタイル値のほんの一例であり、1つの90パーセンタイル値は、周波数ビン範囲0〜4...25〜29のそれぞれに関連している。90パーセンタイル曲線291は、図5の90パーセンタイル曲線222と同程度であるが、区分的線形の形を有する。
【0133】
グラフ290はまた、10パーセンタイル値を直線で接続することによって生成される下側(例えば10)パーセンタイル曲線294も有する。10パーセンタイル値294bは、294a〜294fと符号を付けた点として、それぞれ示される他の10パーセンタイル値のほんの一例である。1つの10パーセンタイル値は、周波数ビン範囲0〜4...25〜29のそれぞれに関連している。10パーセンタイル曲線294は、図5の10パーセンタイル曲線228と同程度であるが、区分的線形の形を有する。
【0134】
図5に関連した議論から、90パーセンタイル曲線291からオフセット値297を引くことによって、曲線292を生成できることは明らかである。さらに、オフセット値298を10パーセンタイル曲線294に加えることによって、曲線293を生成することができる。曲線292、293は、点296で交差する。検出しきい値295は、各周波数ビンでの曲線291、292の最大値として生成することができる。検出しきい値295は、図5の検出しきい値230と同程度であるが、区分的線形の形を有する。
【0135】
10パーセンタイル値、および90パーセンタイル値が、直線で接続され、区分的線形曲線が形成されるように示したが、他の実施形態では、パーセンタイル値を、水平直線および垂直直線で接続し、階段状線形曲線を形成することができる。さらに別の実施形態では、パーセンタイル値は、非線形曲線、例えば2次曲線で接続され、区分的非線形曲線が得られる。
【0136】
使用する10パーセンタイル曲線294および90パーセンタイル曲線291の形、および得られる検出しきい値295の形の如何に関わらず、得られる検出しきい値を、周波数ビン範囲の数に等しいいくつかの検出しきい値として格納することができることを理解しうると思う。
【0137】
ここで、6つの周波数ビン範囲を示し、すなわち6つの検出しきい値が得られるが、これは図1のビーム22aに関連する。検出しきい値292aは、6つの検出しきい値のほんの一例である。図1の他のビーム22b〜22gのそれぞれについて、別の6つの検出しきい値を生成することができ、合計で42個の検出しきい値が得られる。
【0138】
上述の構成は、得られる検出しきい値を格納するのに必要な必要メモリスペースの低減を実現する。例えば、上述の42個の検出しきい値は、図3のSODレーダー100内のメモリに格納することのできる少数の値を表す。
【0139】
図7および図8に関連して特定の数の周波数ビン、特定の周波数ビン範囲、特定の周波数領域値範囲を説明したが、任意の数の周波数ビン、任意の数周波数ビンを有する周波数ビン範囲、および任意の数の周波数領域値を有する周波数領域値範囲について、上述の技法を適用することができることを理解しうると思う。
【0140】
図5に関連して説明したいくつかの実施形態と同様に、曲線292、293を組み合わせて、検出しきい値295を生成するように、曲線292、293を図示し、説明したが、他の実施形態では、パーセンタイル曲線291または294の1つだけが生成され、1つのオフセット値297または298のみが使用されて、曲線292、293の1つだけが生成される。したがって、これらの実施形態では、検出しきい値は曲線292または293に等しい。さらに、ある実施形態では、オフセット値がゼロであり、その場合、検出しきい値は曲線291または294に等しい。
【0141】
次に、図9を参照すると、プロセス300はブロック302で始まり、FFTの大きさ、すなわち、周波数領域値を複数の周波数値範囲に区分化する。周波数領域値範囲は、図7および図8に示す範囲0〜4...95〜99などと同じか、または同様でよい。同様に、ブロック304では、FFTビンすなわち周波数ビンを、複数の周波数ビン範囲に区分化する。
【0142】
周波数ビン範囲は、図7に示す範囲0〜4...25〜29などと同じか、または同様でよい。周波数値範囲の数、および周波数ビン範囲の数は、以下で説明する、得られるしきい値を格納するのに必要な所望のメモリサイズに従って選択される。
【0143】
ブロック306では、周波数領域値の数を、各周波数ビン範囲について、各周波数領域値範囲でカウントする。
【0144】
ブロック308では、各周波数ビン範囲について、その周波数ビン範囲での各周波数領域値範囲内の関連する周波数領域値の数から、所定の下側パーセンタイル値(例えば10パーセンタイル値)を計算する。
【0145】
ブロック310では、各周波数ビン範囲について、その周波数ビン範囲での各周波数領域値範囲内の関連する周波数領域値の数から、所定の上側パーセンタイル値(例えば90パーセンタイル値)を計算する。
【0146】
プロセス300を使用して、図6のブロック260、262に関連するパーセンタイル値(例えば10および90パーセンタイル値)を与えることができる。
【0147】
次に図10を参照する。図3のSODレーダー100と同じまたは同様でよいSODレーダー350がレーダー送信機352を備えている。レーダー送信機352は、図3の送信機152および送信アンテナ154と同じか、または同様でよい。SODレーダー350は、レーダー受信機354も含む。
【0148】
レーダー受信機304は、無線周波数(RF)信号356を、ベースバンド変換器358に供給することができる。ベースバンド変換器358は、RF信号356をベースバンド信号360に変換するようになっており、ベースバンド信号360はA/D変換器362に供給される。
【0149】
ベースバンド信号360は、RF信号356をより低い周波数に変換することによって生成される。ベースバンド変換器358およびA/D変換器362と組み合わせたレーダー受信機354は、図3の受信機158および受信アンテナ160と同じか、または同様でよい。
【0150】
A/D変換器362は、デジタル信号364を検出プロセッサ366に供給する。検出プロセッサ366は、図3の信号プロセッサ104または制御プロセッサ108で実行することのできる機能を実行することができる要素を含んでいる。検出プロセッサ366は、図3の検出プロセッサ104aと同じまたは同様でよい。
【0151】
検出プロセッサ366は、デジタル信号364を受け取り、デジタル信号364を周波数領域信号373、370に変換するようになっている周波数領域プロセッサ368を含む。周波数領域信号370は、しきい値プロセッサ372で受領され、しきい値プロセッサ372は検出しきい値374を生成する。周波数領域信号373および検出しきい値374は、しきい値適用プロセッサ376で受領される。
【0152】
しきい値適用プロセッサ376は、周波数領域信号373を検出しきい値374と比較し、SODレーダー350の、本明細書では視野(FOV)とも呼ぶ検出ゾーン(例えば図1の24)内の物体の存在または不在を示す検出信号378を供給するようになっている。
【0153】
検出検証プロセッサ380は、検出信号378を受け取り、さらなる基準を適用して物体の検出を確認し、または無効にするために検出信号378をさらに処理するようになっている。検出検証プロセッサ380は、それに応じて、検証後検出信号332を生成することができる。検出検証プロセッサ380は、図3に関連して上記で説明した検出検証プロセッサ108aと同じか、または同様でよい。
【0154】
警報プロセッサ384は、検証後検出信号382を受け取り、警報386を生成するように適用される。警報信号386は、限定はしないが、ビークルの運転者に対する視覚的警報信号および可聴警報信号を含む様々な形態でよい。
【0155】
警報信号386は、SODレーダー350が取り付けられたビークル、例えば図1のビークル12の運転者に、ビークル12の側部の別のビークル(例えば図1のビークル18)を気付かせる。警報プロセッサ384は、図3の警報プロセッサ108bと同じか、または同様でよい。
【0156】
検出プロセッサ366、検出検証プロセッサ380、および警報プロセッサ384の機能は、図3の信号プロセッサ104または制御プロセッサ108で、信号プロセッサ104と制御プロセッサ108の間の何らかの区分化を行って実行することができる。
【0157】
ある実施形態では、検出検証プロセッサ380が省略され、警報プロセッサ384は検証せずに、検出信号378を受け取る。
【0158】
次に図11を参照すると、検出プロセッサ400は、デジタル信号402を受け取って、デジタル信号402を周波数領域信号406、452に変換するようになっている周波数領域プロセッサ404を含む。特定の一実施形態では、周波数領域プロセッサ404は、高速フーリエ変換を実行し、周波数領域信号406、452のそれぞれは、対応する周波数ビンおよび関連する周波数領域値を有する。
【0159】
検出プロセッサ400はまた、周波数領域プロセッサ404から、周波数領域信号406を受け取るようになっている上側(例えば10)パーセンタイルプロセッサ410を備えるしきい値プロセッサ408も含んでいる。
【0160】
検出プロセッサ400、周波数領域プロセッサ404、およびしきい値プロセッサ408は、それぞれ検出プロセッサ366(図10)、周波数領域プロセッサ368(図10)、およびしきい値プロセッサ372(図10)と同じか、または同様でよい。
【0161】
10パーセンタイルプロセッサ410は、周波数領域プロセッサ404から、周波数領域信号406を受け取るようになっている大きさ区分化プロセッサ412、周波数ビン区分化プロセッサ420、および出現プロセッサ416を含んでいる。
【0162】
大きさ区分化プロセッサ412は、周波数領域信号406中の周波数領域値の大きさを複数の大きさ範囲414に区分化し、大きさ範囲414を出現プロセッサ416に供給するようになっている。周波数ビン区分化プロセッサ420は、周波数領域信号406中の周波数ビンを、複数の周波数ビン範囲418に区分化し、周波数ビン範囲418を出現プロセッサ416に供給するようになっている。大きさ範囲414は、図7および8の大きさ範囲0〜4...95〜99と同じか、または同様でよく、周波数ビン範囲416は、図7および図8の周波数ビン範囲0〜4...25〜29と同じかまたは同様でよい。
【0163】
出現プロセッサ416は、各周波数ビン範囲416で各大きさ範囲414内にある周波数領域値の数をカウントするようになっている。出現プロセッサ416はまた、10パーセンタイル値433を計算するようにもなっており、10パーセンタイル値433は、周波数ビン範囲内の周波数領域値の10パーセントが10パーセンタイル値以下であることを示す。
【0164】
しきい値プロセッサ408は、周波数領域プロセッサ404から周波数領域信号406を受け取るようになっている上側(例えば90)パーセンタイルプロセッサ422も含んでいる。90パーセンタイルプロセッサ422は、周波数領域プロセッサ404から、周波数領域信号406を受け取るようになっている大きさ区分化プロセッサ424、周波数ビン区分化プロセッサ432、および出現プロセッサ428を含んでいる。
【0165】
大きさ区分化プロセッサ424は、周波数領域信号406中の周波数領域値の大きさを複数の大きさ範囲426に区分化し、大きさ範囲426を出現プロセッサ428に供給するようになっている。周波数ビン区分化プロセッサ432は、周波数領域信号406中の周波数ビンを、複数の周波数ビン範囲430に区分化し、周波数ビン範囲430を出現プロセッサ428に供給するようになっている。大きさ範囲426は、図7および図8の大きさ範囲0〜4...95〜99と同じか、または同様でよく、周波数ビン範囲430は、図7および8の周波数ビン範囲0〜4...25〜29と同じか、または同様でよい。
【0166】
出現プロセッサ428は、各周波数ビン範囲430で、各大きさ範囲426内にある周波数領域値の数をカウントするようになっている。出現プロセッサ428はまた、90パーセンタイル値434を計算するようにもなっており、90パーセンタイル値434は、周波数ビン範囲内の周波数領域値の90パーセントが、90パーセンタイル値434以下であることを示す。
【0167】
10パーセンタイル値433および90パーセンタイル値434が、組合せプロセッサ436で受領される。組合せプロセッサ436は、第1および第2オフセット値をそれぞれ選択するようになっている第1オフセット選択プロセッサ438および第2オフセット選択プロセッサ450を含んでいる。
【0168】
第1および第2オフセット値は、それぞれ、図8のオフセット値297、298と同じかまたは同様でよい。第1しきい値プロセッサ440は、10パーセンタイル値433を、第1オフセット選択プロセッサ438からの第1オフセット値と組合せ、第1しきい値442を生成する。第2しきい値プロセッサ448は、90パーセンタイル値434を第2オフセット選択プロセッサ450からの第2オフセット値と組合せ、第2しきい値446を生成するようになっている。
【0169】
選択プロセッサ444は、第1しきい値442、および第2しきい値446の中から選択し、検出しきい値および対応する検出しきい値454を供給するようになっている。特定の一実施形態では、選択プロセッサは、各周波数ビンで第1しきい値442と第2しきい値の大きい方を選択する。
【0170】
検出プロセッサ400はまた、周波数領域信号452を検出しきい値454と比較して、検出信号458を供給するしきい値適用プロセッサ456も含んでいる。検出信号458は、図10の検出信号378と同じか、または同様でよい。
【0171】
ある実施形態では、2つの大きさ区分化プロセッサ412、424は、同じ機能を実行することができる。したがって、ある実施形態では、2つの大きさ区分化プロセッサ412、424は、1つの大きさ区分化プロセッサで置き換えることができる。さらに、ある実施形態では、2つの周波数ビン区分化プロセッサ420、432は、同じ機能を実行することができる。したがって、ある実施形態では、2つの周波数ビン区分化プロセッサ420、432は、1つの周波数ビン区分化プロセッサで置き換えることができる。
【0172】
上記の実施形態では、10および90パーセンタイルならびに関連するパーセンタイル値を使用しているが、他の実施形態では、任意の2つのパーセンタイルおよび関連するパーセンタイル値を使用できることを理解されたい。さらに、使用する2つのパーセンタイル値は、同じパーセンタイル値でよく、この場合、パーセンタイル値の一方は冗長であり、使用されないことを理解されたい。
【0173】
さらに、2つのパーセンタイルプロセッサ410、422について説明したが、他の実施形態では、検出プロセッサ400は、パーセンタイルプロセッサ410、422の一方だけを有し、それに応じて、オフセット選択プロセッサ438、450の一方だけを有し、しきい値プロセッサ440、446の一方だけを有する。
【0174】
本明細書で引用したすべての参考文献は、参照用として、その全体が本明細書に組み込まれるものである。
【0175】
本発明の好ましい実施形態を説明したので、その概念を備える他の実施形態を考えうることは、当業者には今や明らかであると思う。したがって、本発明は、上記に開示した実施形態に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲の精神および範囲のみによって、限定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】道路上を移動中の、側部物体検出(SOD)レーダーが取り付けられたビークルの図である。
【図2】2つのSODレーダーが取り付けられたビークルを示すブロック図である。
【図3】SODレーダーのブロック図である。
【図4】高速フーリエ変換(FFT)の大きさと従来技術レーダーの検出しきい値との関係を示すグラフである。
【図5】本発明に従って生成された、FFTの大きさとFFTビンとの間の関係としてプロットされたレーダー検出しきい値のグラフである。
【図6】検出しきい値を生成するためのプロセスのフローチャートである。
【図7】FFT周波数ビン範囲とFFTの大きさ範囲を示すグラフである。
【図8】図7に示す値を使用して生成された、FFTの大きさとFFTビンとの間の比としてプロットされたグラフである。
【図9】図6のプロセスで使用することのできる例示的記憶データ低減プロセスを示すフローチャートである。
【図10】検出プロセッサを有するSODレーダーのブロック図である。
【図11】図10の検出プロセッサのブロック図である。
【符号の説明】
【0177】
12 第1ビークル
14 側部物体検出(SOD)レーダー
16 第1車線
18 第2ビークル
20 第2車線
22a〜g 受信ビーム
24a〜24d 縁部
50 ビークルレーダーシステム
52 ビークル
56、58 SODレーダー
60 検出ゾーン
62 検出ゾーン
64 中央SODプロセッサ
66 コントローラエリアネットワーク(CAN)バス
68、70 ヒューマンマシンインターフェース(HMI)バス
72 エアバッグシステム
74 ブレーキ系
76 速度計
78 CANプロセッサ
80、84 サイドミラー
82、86 警報ディスプレイ
100 SODレーダー
101 ハウジング
102 ガラス繊維回路板
104 信号プロセッサ
104a 検出プロセッサ
108 制御プロセッサ
108a 検出検証プロセッサ
108b 警報プロセッサ
112 電気消去可能読取り専用メモリ(EEPROM)
118 ヒューマンマシンインターフェース(HMI)ドライバ
120 CANトランシーバ
128 コネクタ
136 CANバス
150 ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)回路板
152 レーダー送信機
154 送信アンテナ
156 低温同時焼成セラミック(LTCC)回路板
158 レーダー受信機
160 受信アンテナ
350 SODレーダー
352 レーダー送信機
354 レーダー受信機
358 ベースバンド変換器
362 A/D変換器
366 検出プロセッサ
368 周波数領域プロセッサ
372 しきい値プロセッサ
376 しきい値適用プロセッサ
380 検出検証プロセッサ
384 警報プロセッサ
400 検出プロセッサ
404 周波数領域プロセッサ
408 しきい値プロセッサ
410 10パーセンタイルプロセッサ
412 大きさ区分化プロセッサ
416 出現プロセッサ
420 周波数ビン区分化プロセッサ
422 パーセンタイルプロセッサ
424 大きさ区分化プロセッサ
428 出現プロセッサ
432 周波数ビン区分化プロセッサ
436 組合せプロセッサ
438 第1オフセット選択プロセッサ
440 第1しきい値プロセッサ
444 選択プロセッサ
448 第2しきい値プロセッサ
450 第2オフセット選択プロセッサ
456 しきい値適用プロセッサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーダーに関連するレーダーしきい値を生成する方法であって、
複数の無線周波数(RF)信号を送信するステップと、
受信RF信号と雑音信号の少なくとも一方をそれぞれ含む複数の複合信号を受信するステップと、
前記複数の複合信号を変換して、複数のベースバンド信号を供給するステップと、
前記複数のベースバンド信号を周波数領域に変換して、それぞれの複数の周波数領域信号を供給するステップであって、前記複数の周波数領域信号のそれぞれが、対応する複数の周波数領域値およびそれぞれの複数の周波数ビンを有するステップと、
前記複数の周波数領域信号のうちの少なくとも2つに関連する前記複数の周波数領域値から、第1の複数のパーセンタイル値を計算するステップと、
前記第1の複数のパーセンタイル値に関連する検出しきい値を生成するステップ
とを有する方法。
【請求項2】
前記複数の複合信号は、同一の単一受信ビームに関連している請求項1に記載の方法。
【請求項3】
送信RF信号は、RFチャープ信号を有する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記生成するステップは、
第1オフセット値を選択するステップと、
前記第1オフセット値を前記第1の複数のパーセンタイル値と組み合わせるステップ
とを有する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記生成するステップは、
前記検出しきい値を前記第1の複数のパーセンタイル値に等しくなるように選択するステップ
とを有する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の複数のパーセンタイル値を計算するステップは、
前記複数の周波数領域値を複数の大きさ範囲に区分化するステップと、
前記複数の周波数ビンを複数の周波数ビン範囲に区分化するステップと、
前記複数の周波数領域値の中から、各周波数ビン範囲で前記複数の大きさ範囲内にある周波数領域値の数をカウントするステップと、
各周波数ビン範囲で前記複数の大きさ範囲内にある周波数領域値の数から前記第1の複数のパーセンタイル値を計算するステップ
とを有する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の周波数領域信号のうちの少なくとも2つに関連する前記複数の周波数領域値から、第2の複数のパーセンタイル値を計算するステップと、
前記第1の複数のパーセンタイル値と前記第2の複数のパーセンタイル値を組み合わせて、1つまたは複数の検出しきい値を提供するステップ
とをさらに有する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記組み合わせるステップは、前記第1の複数のパーセンタイル値、および前記第2の複数のパーセンタイル値の中から選択して、前記1つまたは複数の検出しきい値を提供するステップを含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記組み合わせるステップは、前記第1の複数のパーセンタイル値および前記第2の複数のパーセンタイル値の中から最大値を選択して、前記1つまたは複数の検出しきい値を提供するステップを含む請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記組み合わせるステップは、
第1オフセット値を選択するステップと、
第2オフセット値を選択するステップと、
前記第1オフセット値を前記第1の複数のパーセンタイル値のそれぞれに加えて、第1しきい値を提供するステップと、
前記第2オフセット値を前記第2の複数のパーセンタイル値のそれぞれから引いて、第2しきい値を提供するステップと、
前記第1しきい値および第2しきい値の中から1つまたは複数の値を選択して、前記1つまたは複数の検出しきい値を提供するステップ
とを含む請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記第1オフセット値および前記第2オフセット値の少なくとも一方が、ゼロに等しい請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1しきい値および前記第2しきい値の中から、1つまたは複数の値を選択するステップが、前記第1しきい値および前記第2しきい値の中から、最大値を選択して、1つまたは複数の検出しきい値を提供するステップを含む請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の複数のパーセンタイル値を計算するステップは、
前記複数の周波数領域値の大きさを複数の大きさ範囲に区分化するステップと、
前記複数の周波数ビンを複数の周波数ビン範囲に区分化するステップと、
前記複数の周波数領域値の中から、各周波数ビン範囲で、前記複数の大きさ範囲内にある周波数領域値の数をカウントするステップと、
各周波数ビン範囲で前記複数の大きさ範囲内にある周波数領域値の数から、前記第1の複数のパーセンタイル値を計算するステップ
とを含み、前記第2の複数のパーセンタイル値を計算するステップが、
前記複数の周波数領域値の大きさを複数の大きさ範囲に区分化するステップと、
前記複数の周波数ビンを複数の周波数ビン範囲に区分化するステップと、
前記複数の周波数領域値の中から、各周波数ビン範囲で前記複数の大きさ範囲内にある周波数領域値の数をカウントするステップと、
各周波数ビン範囲で前記複数の大きさ範囲内にある周波数領域値の数から、前記第2の複数のパーセンタイル値を計算するステップ
とを含む請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記レーダーが視野を有し、様々な物体が前記視野を通過するように、前記レーダーを移動するステップを、さらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項15】
前記レーダーが視野を有し、様々な物体が前記視野を通過するように、前記レーダーを移動するステップを、さらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項16】
レーダーしきい値を生成する装置であって、
複数のRF信号を送信するように適合されたレーダー送信機と、
受信RF信号と雑音信号の少なくとも一方を、それぞれ含む複数の複合信号を受信するようになっているレーダー受信機と、
前記複数の複合信号を変換して、関連する複数のベースバンド信号を供給するようになっているベースバンド変換器と、
前記複数のベースバンド信号を周波数領域に変換して、それぞれの複数の周波数領域信号を供給する周波数領域プロセッサであって、前記複数の周波数領域信号のそれぞれが、対応する複数の周波数領域値、およびそれぞれの複数の周波数ビンを有するようになっている周波数領域プロセッサと、
前記複数の周波数領域信号のうちの少なくとも2つに関連する前記複数の周波数領域値から、第1の複数のパーセンタイル値を計算するようになっている第1パーセンタイルプロセッサと、
前記第1の複数のパーセンタイル値に関連する検出しきい値を生成するようになっているしきい値プロセッサ
とを備える装置。
【請求項17】
前記複数の複合信号のそれぞれは、同一の単一受信ビームに関連している請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記送信RF信号は、RFチャープ信号を有する請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記しきい値プロセッサは、
第1オフセット値を前記第1の複数のパーセンタイル値と組み合わせるように適合された第1しきい値プロセッサを含む請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記しきい値プロセッサは、
前記検出しきい値を前記第1の複数のパーセンタイル値に等しくなるように選択するようになっている選択プロセッサを含む請求項16に記載の装置。
【請求項21】
前記第1パーセンタイルプロセッサは、
前記複数の周波数領域値を複数の大きさ範囲に区分化するようになっている大きさ区分化プロセッサと、
前記複数の周波数ビンを複数の周波数ビン範囲に区分化するようになっている周波数ビン区分化プロセッサと、
前記複数の周波数領域値の中から、各周波数ビン範囲で前記複数の大きさ範囲内にある周波数領域値の数をカウントするようになっており、各周波数ビン範囲で前記複数の大きさ範囲内にある周波数領域値の数から、前記第1の複数のパーセンタイル値を計算するようにさらになっている出現プロセッサ
とを備える請求項16に記載の装置。
【請求項22】
前記複数の周波数領域信号のうちの少なくとも2つに関連する前記複数の周波数領域値から、第2の複数のパーセンタイル値を計算するようになっている第2パーセンタイルプロセッサと、
前記第1の複数のパーセンタイル値と、前記第2の複数のパーセンタイル値を組み合わせて、1つまたは複数の検出しきい値を提供するようになっている組合せプロセッサ
とをさらに備える請求項16に記載の装置。
【請求項23】
前記組合せプロセッサが、さらに、前記第1の複数のパーセンタイル値および前記第2の複数のパーセンタイル値の中から1つまたは複数の値を選択して、前記1つまたは複数の検出しきい値を提供するようになっている請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記組合せプロセッサが、さらに、前記第1の複数のパーセンタイル値および前記第2の複数のパーセンタイル値の中から1つまたは複数の最大値を選択して、前記1つまたは複数の検出しきい値を提供するようになっている請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記組合せプロセッサは、
第1オフセット値を前記第1の複数のパーセンタイル値に加えて、第1しきい値を提供するように適合された第1しきい値プロセッサと、
前記第2オフセット値を前記第2の複数のパーセンタイル値のそれぞれから引いて、第2しきい値を提供するように適合された第2しきい値プロセッサと、
前記第1しきい値および第2しきい値の中から、1つまたは複数の値を選択して、前記1つまたは複数の検出しきい値を提供するようになっている選択プロセッサ
とを備える請求項22に記載の装置。
【請求項26】
前記第1オフセット値および前記第2オフセット値の少なくとも一方が、ゼロに等しい請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記第1しきい値および前記第2しきい値の中から、1つまたは複数の最大値を選択して、前記1つまたは複数の検出しきい値を提供するようになっている請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記第1パーセンタイルプロセッサは、
前記複数の周波数領域値の大きさを複数の大きさ範囲に区分化するようになっている大きさ区分化プロセッサと、
前記複数の周波数ビンを複数の周波数ビン範囲に区分化するようになっている周波数ビン区分化プロセッサと、
前記複数の周波数領域値の中から、各周波数ビン範囲で前記複数の大きさ範囲内にある周波数領域値の数をカウントするようになっており、各周波数ビン範囲で、前記複数の大きさ範囲内にある周波数領域値の数から、前記第1の複数のパーセンタイル値を計算するようになっている適合された出現プロセッサ
とを備え、前記第2パーセンタイルプロセッサは、
前記複数の周波数領域値の大きさを複数の大きさ範囲に区分化するようになっている大きさの区分化プロセッサと、
前記複数の周波数ビンを、複数の周波数ビン範囲に区分化するようになっている周波数ビン区分化プロセッサと、
前記複数の周波数領域値の中から、各周波数ビン範囲で前記複数の大きさ範囲内にある周波数領域値の数をカウントするようになっており、各周波数ビン範囲で、前記複数の大きさ範囲内にある周波数領域値の数から、前記第2の複数のパーセンタイル値を計算するようになっている出現プロセッサ
とを備える請求項22に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−183275(P2007−183275A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−353798(P2006−353798)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(505463113)ヴァレオ レイテオン システムズ インコーポレイテッド (9)
【Fターム(参考)】