説明

レーダー装置

【課題】後段に接続されるシステムにとって不要な対象物と必要な対象物とを確実に判断することのできるレーダー装置を提供する。
【解決手段】測定範囲内に存在する対象物毎の相対速度、相対距離及び上下角度を測定し、相対距離が予め定めた距離閾値以下、且つ、相対速度が予め定めた速度閾値以下である対象物の上下角度を目標上下角度として設定する。そして、設定した目標上下角度と測定範囲内に存在する対象物の上下角度との相関値が基準値以下である対象物を必要対象物と判断し、当該相関値が基準値を越える対象物を不要対象物として判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーダー装置に関し、より特定的には、自動車などの移動体に搭載されるレーダー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の移動体などに搭載されるPCS(Pre-Crash Safety System:プリクラッシュセーフティシステム)、RCS(Radar Cruise Control System:レーダークルーズコントロールシステム)及びACC(Adaptive Cruise Control)などに必要とされる情報、すなわち、自車両の周囲に存在する対象物との相対距離、相対速度及び方位角などの情報を測定するためのレーダー装置が開発され、実用化されている。このようなレーダー装置として、例えば、特許文献1に記載されるようなレーダー装置(以下、従来技術と称する)が挙げられる。
【0003】
従来技術では、対象物で反射した反射波に基づいて、RCS値(Radar Cross Section:レーダー反射断面積)を算出し、算出したRCS値と予め定められたRCS閾値とを比較する。従来技術では、方位角に応じて変化するRCS閾値を予め設定し、RCS閾値以下のRCS値となる反射波をノイズとみなす、或いは、当該反射波を反射した対象物を測定対象とする必要のない路上反射物とみなして、不要な路上反射物で反射した反射波やノイズなどに基づくデータをカットする。
【特許文献1】特開2004−239744号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術は、以下に示すような課題を有している。従来技術では、対象物のRCS値に基づきノイズや路上反射物などから反射された反射波に基づくデータをカットする。しかし、同一の相対距離に存在する対象物であっても、RCS値は当該対象物の向きや大きさに応じて変化するため、従来技術のように方位角に応じて変化するRCS閾値を予め設定したとしても、不要な路上反射物で反射した反射波やノイズなどに基づくデータのみを確実に判断してカットすることはできない。
【0005】
それ故に、本発明は、後段に接続されるシステムにとって不要な対象物と必要な対象物とを確実に判断することのできるレーダー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するために、以下に述べる特徴を有する。
第1の発明は、車両に搭載され、放射手段によって放射された電磁波と受信手段によって受信された反射波とに基づき対象物との相対距離、相対速度及び相対角を測定するレーダー装置であって、車両の進行方向に対して対象物が上下方向に対してなす上下角度を相対角として測定する上下角測定手段と、上下角測定手段によって測定された対象物の内、相対距離が予め定められた距離閾値以上、且つ、相対速度の絶対値が予め定められた速度閾値以下である対象物の上下角度を目標上下角度として設定する設定手段と、目標上下角度が設定された後に上下角測定手段によって上下角度が測定されたとき、測定された上下角度と目標上下角度との相関値が予め定められた基準値以内である対象物を必要対象物として判断し、相関値が基準値を越える対象物を不要対象物として判断する判断手段とを備える。
【0007】
第2の発明は、第1の発明に従属する発明であって、判断手段は、上下角測定手段によって測定された上下角度と目標上下角度との角度差の絶対値を相関値として演算する。
【0008】
第3の発明は、第2の発明に従属する発明であって、判断手段は、上下角度の符号に対応する正負の閾値を予め記憶し、上下角測定手段によって測定された上下角度の符号に基づき正負の閾値のいずれか一方の絶対値を基準値として選択する。
【0009】
第4の発明は、第1の発明に従属する発明であって、判断手段は、上下角度と目標上下角度との角度差の予め定められた第1の期間における平均値の絶対値を相関値として演算する。
【0010】
第5の発明は、第4の発明に従属する発明であって、判断手段は、平均値の符号に対応する正負の閾値を予め記憶し、平均値の符号に基づき正負の閾値のいずれか一方の絶対値を基準値として選択する。
【0011】
第6の発明は、第1の発明に従属する発明であって、判断手段は、上下角度と目標値上下角度との角度差の絶対値の予め定められた第2の期間における変化の大きさの絶対値を相関値として演算する。
【0012】
第7の発明は、第6の発明に従属する発明であって、判断手段は、変化の大きさの符号に対応する正負の閾値を予め記憶し、平均値の符号に基づき正負の閾値のいずれか一方の絶対値を基準値として選択する。
【0013】
第8の発明は、第1の発明に従属する発明であって、設定手段は、予め定められた第3の期間が経過する度に目標上下角度を設定し直す。
【0014】
第9の発明は、第2の発明に従属する発明であって、判断手段には、相対距離の長さに応じて小さくなる基準値が予め定められる。
【0015】
第10の発明は、第1の発明に従属する発明であって、設定手段は、相対距離が予め定められた距離閾値以上、且つ、相対速度の絶対値が予め定められた速度閾値以下である対象物が2以上の複数であるとき、当該複数の対象物の内、上下角測定手段によって測定された上下角度の絶対値が最も小さい対象物を特定する。
【0016】
第11の発明は、第1の発明に従属する発明であって、反射波の反射点と放射手段とを結ぶ直線の鉛直面に対する水平面に沿った水平角度を電磁波と反射波とに基づき相対角として測定する水平角測定手段をさらに備え、設定手段は、上下角測定手段によって測定された対象物の内、相対距離が予め定められた距離閾値以上、且つ、相対速度の絶対値が予め定められた速度閾値以下である対象物が2以上の複数であるとき、当該複数の対象物の内、水平角測定手段によって測定された水平角度の絶対値が最も小さい対象物の上下角度を目標上下角度として設定する。
【0017】
第12の発明は、第1の発明に従属する発明であって、設定手段は、相対距離が予め定められた距離閾値以上、且つ、相対速度の絶対値が予め定められた速度閾値以下である対象物が2以上の複数であるとき、当該複数の対象物の内、相対距離の最も小さい対象物の上下角度を目標上下角度として設定する。
【0018】
第13の発明は、車両に搭載され、放射手段によって放射された電磁波と受信手段によって受信された反射波とに基づき対象物との相対距離、相対速度及び相対角を測定するレーダー装置で実行される測定方法であって、車両の進行方向に対して対象物が上下方向に対してなす上下角度を相対角として測定する第1の上下角測定ステップと、上下角測定ステップにおいて測定された対象物の内、相対距離が予め定められた距離閾値以上、且つ、相対速度の絶対値が予め定められた速度閾値以下である対象物の上下角度を目標上下角度として設定する設定ステップと、目標上下ステップが設定された後に上下角度を測定する第2の上下角測定ステップと、第2の上下角測定ステップにおいて上下角度が測定されたとき、測定された上下角度と目標上下角度との相関値と予め定められた基準値とを比較する比較ステップと、比較ステップにおいて比較された相関値が基準値以内である対象物を必要対象物として判断し、当該相関値が基準値を越える対象物を不要対象物として判断する判断ステップとを備える。
【0019】
第14の発明は、第13の発明に従属する発明であって、比較ステップにおいて、上下角測定ステップにおいて測定された上下角度と目標上下角度との角度差の絶対値を相関値として演算する、請求項13に記載の測定方法。
【0020】
第15の発明は、第14の発明に従属する発明であって、比較ステップにおいて、上下角度の符号に対応する正負の閾値を予め記憶し、第2の上下角測定ステップにおいて測定された上下角度の符号に基づき正負の閾値のいずれか一方の絶対値を基準値として選択する。
【0021】
第16の発明は、第13の発明に従属する発明であって、比較ステップにおいて、上下角度と目標上下角度との角度差の絶対値の予め定められた第1の期間における平均値の絶対値を相関値として演算する。
【0022】
第17の発明は、第16の発明に従属する発明であって、比較ステップにおいて、平均値の符号に対応する正負の閾値を予め記憶し、平均値の符号に基づき正負の閾値のいずれか一方の絶対値を基準値として選択する。
【0023】
第18の発明は、第13の発明に従属する発明であって、比較ステップにおいて、上下角度と目標値上下角度との角度差の絶対値の予め定められた第2の期間における変化の大きさの絶対値を相関値として演算する。
【0024】
第19の発明は、第18の発明に従属する発明であって、比較ステップは、変化の大きさの符号に対応する正負の閾値を予め記憶し、平均値の符号に基づき正負の閾値のいずれか一方の絶対値を基準値として選択する。
【0025】
第20の発明は、第13の発明に従属する発明であって、予め定められた第3の期間が経過する度に設定ステップを繰り返す繰り返しステップをさらに備える。
【0026】
第21の発明は、第14の発明に従属する発明であって、比較ステップにおいて、相対距離の長さに応じて小さくなるように予め定められた基準値と相関値とを比較する。
【0027】
第22の発明は、第13の発明に従属する発明であって、設定ステップにおいて、相対距離が予め定められた距離閾値以上、且つ、相対速度の絶対値が予め定められた速度閾値以下である対象物が2以上の複数であるとき、当該複数の対象物の内、上下角測定手段によって測定された上下角度の絶対値が最も小さい対象物の上下角度を目標上下角度として設定する。
【0028】
第23の発明は、第13の発明に従属する発明であって、反射波の反射点と放射手段とを結ぶ直線の鉛直面に対する水平面に沿った水平角度を電磁波と反射波とに基づき相対角として測定する水平角測定ステップをさらに備え、設定ステップにおいて、上下角測定手段によって測定された対象物の内、相対距離が予め定められた距離閾値以上、且つ、相対速度の絶対値が予め定められた速度閾値以下である対象物が2以上の複数であるとき、当該複数の対象物の内、水平角測定手段によって測定された水平角度の絶対値が最も小さい対象物の上下角度を目標上下角度として設定する。
【0029】
第24の発明は、第13の発明に従属する発明であって、設定ステップにおいて、相対距離が予め定められた距離閾値以上、且つ、相対速度の絶対値が予め定められた速度閾値以下である対象物が2以上の複数であるとき、当該複数の対象物の内、相対距離の最も小さい対象物の上下角度を目標上下角度として設定する。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、後段に接続されるシステムにとって不要な対象物と必要な対象物とを確実に判断することのできるレーダー装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るレーダー装置1の機能構成を示す機能ブロック図である。レーダー装置1は、基準信号生成部101と、分岐部102と、電磁波放射部103と、反射波受信部104と、混合部105と、フィルタ部106と、制御処理部107とを備える。そして、基準信号生成部101と分岐部102と電磁波放射部103とによって放射部108を構成し、反射波受信部104と混合部105とフィルタ部106とによって受信部109を構成している。
【0032】
尚、本実施形態に係るレーダー装置1は、一例として、車両などの移動体に搭載されるものとして説明をする。また、レーダー装置1は、一例として、後段にPCS(Pre-Crash Safety System:プリクラッシュセーフティシステム)、RCS(Radar Cruise Control System:レーダークルーズコントロールシステム)及びACC(Adaptive Cruise Control:アダプティブクルーズコントロール)などのシステム(図示せず)が接続されるものとする。
【0033】
基準信号生成部101は、制御処理部107から与えられる指示に応じた周波数で、一定のレベル(波形の振幅が一定)である第1の基準信号Rf1を生成する。
【0034】
分岐部102は、基準信号生成部101によって生成された第1の基準信号Rf1を電磁波放射部103及び混合部105へそれぞれ分岐する。尚、分岐部102から電磁波放射部103へ分岐される信号を送信信号Ssとし、分岐部102から混合部105へ分岐される信号を第2の基準信号Rf2とする。
【0035】
電磁波放射部103は、送信信号Ssを電磁波として放射する。
【0036】
反射波受信部104は、電磁波放射部103から放射された電磁波が、対象物で反射した反射波を受信する。図1には、一例として、アレイアンテナを構成する複数のアンテナからなる反射波受信部104を示している。
【0037】
混合部105は、分岐部102によって分岐された第2の基準信号Rf2と反射波受信部104によって受信された反射波とを混合し、混合信号Ksを生成する。混合部105によって生成された混合信号Ksは、反射波受信部104によって受信された反射波と第2の基準信号Rf2との相関を示す信号となる。また、第2の基準信号Rf2は、分岐部102によって電磁波放射部103へ分岐された送信信号Ssと同じ信号であるため、混合信号Ksは、電磁波放射部103から放射された電磁波と反射波受信部104によって受信された反射波との相関を示す信号となる。尚、混合信号Ksが示す相関は、後述する目標上下角度と対象物の上下角度との相関値と異なる。
【0038】
フィルタ部106は、混合部105によって生成された混合信号Ksの内、予め定められた帯域幅の信号のみを通過させる。
【0039】
制御処理部107は、予め定められた相関閾値以上の相関を示す混合信号Ksに基づき、対象物との相対距離、相対速度及び相対角などを測定する。混合信号Ksが示す相関が相関閾値以上となるのは、予め定められたレベル閾値以上のレベルの反射波と第2の基準信号Rf2とが混合されたときであるため、換言すれば、制御処理部107は、受信部109によって受信されるレベル閾値以上のレベルの反射波と、放射部108から放射される電磁波とに基づき、対象物との相対距離、相対速度及び相対角などを測定する。
【0040】
また、制御処理部107は、放射部108から放射される電磁波と受信部109によって受信される反射波とに基づき、DBF(Digital Beam Forming:デジタルビームフォーミング)などの手法を用いて、レーダー装置1の測定範囲を水平方向或いは鉛直方向に一端から他端まで走査することにより、測定範囲内に存在する対象物との相対距離、相対速度及び相対角を測定する。
【0041】
制御処理部107は、対象物の測定をすると、前述の相対角として測定した上下角度に基づき、測定範囲内に存在する対象物が必要対象物であるか不要対象物であるかを判断するための処理をする。そして、制御処理部107は、処理の結果を示す判断情報Hjを生成する。制御処理部107の処理の詳細については後述する。以上が、本実施形態に係るレーダー装置1の各機能構成の説明である。
【0042】
本実施形態に係る制御処理部107は、図1に示す構成により、前述の相対角として対象物の上下角度を測定し、測定した上下角度に基づき、測定範囲内に存在する対象物のそれぞれについて、後段に接続されるシステムにとって重点的な処理の対象とする必要のある必要対象物であるか、重点的な処理の対象とする必要のない不要対象物であるかを判断する処理をする。後段に接続されるシステムにとって重点的な処理の対象とする必要のある必要対象物としては、自車両の周囲に存在する走行車両や停止車両などの他車両が具体的な一例として挙げられる。一方、重点的な処理の対象とする必要のない不要対象物としては、走行路上の相対的に低い位置に存在するリフレクター、鋲、敷き鉄板及び走行路上の相対的に高い位置に設けられている看板などの路上反射物が具体的な一例として挙げられる。以下、制御処理部107の処理の詳細について説明する。
【0043】
制御処理部107は、測定範囲内に存在する対象物の測定をするときに、相対距離及び相対速度と共に、上述したように上下角度を相対角として測定する。この上下角度について、図2を参照しながらより詳細に説明する。図2は、本実施形態に係るレーダー装置1をバンパー内部に搭載した自車両10の前方に先行している他車両11が対象物として1台だけ存在するときを一例とし、この一例としての状況を自車両10の走行方向に向かって右側面方向から見た図を示している。
【0044】
また、図2に示す反射点とは、レーダー装置1の放射部108から放射された電磁波が他車両11で反射する箇所の一例を示す。尚、1つの対象物における反射点は図2に示すように1つには限られないが、本実施形態に係る制御処理部107は、一例として、1つの対象物の反射点の内、レーダー装置1との相対距離が最も近い反射点で電磁波が反射した反射波に基づいて当該対象物との相対距離、相対速度及び相対角などを測定するものとする。これは、1つの対象物で反射したレベル閾値以上の反射波のピークレベルの内、相対距離が最も近い反射点で反射した反射波のレベルが最も高いと考えられるからである。
【0045】
制御処理部107は、図2に示すように、自車両10の進行方向に対する他車両11(対象物)の上下方向に対してなす上下角度を前述した相対角として測定する。換言すれば、制御処理部107は、レーダー装置1と対象物の反射点とを結ぶ直線の水平面に対する鉛直面に沿った上下角度を、レーダー装置1を通る水平面を基準として測定する。また、本実施形態では、一例として、レーダー装置1を通る水平面よりも低い位置の反射点の上下角度の符号は負とし、一方で、当該水平面以上の高さの反射点の上下角度の符号は正とする。
【0046】
以上が、本実施形態に係る制御処理部107が測定する上下角度の一例の説明である。次に、相対距離、相対速度及び上下角度を測定した後の制御処理部107の処理について説明を続ける。
【0047】
制御処理部107は、測定範囲を走査すると、走査することによって得られた対象物毎の相対距離を予め定められた距離閾値とそれぞれ比較する。さらに、制御処理部107は、得られた対象物毎の相対速度の絶対値を予め定められた速度閾値とそれぞれ比較する。そして、制御処理部107は、測定範囲内に存在する対象物の内、前述の距離閾値以上、且つ、前述の速度閾値以下となる対象物の上下角度を目標上下角度として設定する。
【0048】
ここで、制御処理部107が目標上下角度を設定するときに距離閾値と速度閾値とを用いる理由について説明する。まず、制御処理部107が距離閾値を用いる理由を図3A乃至図3Cを参照しながら説明する。
【0049】
図3A及び図3Bは、本実施形態に係るレーダー装置1をバンパー内部に搭載した自車両10と、レーダー装置1に対して走行路面から相対的に高い位置に反射点を有している他車両12が対象物として1台だけ先行している場合を一例として示す図である。
【0050】
図3Aは、自車両10と他車両12との相対距離が距離閾値未満となるときの一例を示している。一方、図3Bは、自車両10と他車両12との相対距離が距離閾値以上となるときの一例を示している。図3Aから明らかなように自車両10と他車両12との相対距離が距離閾値未満となるときの他車両12の上下角度は、他車両12の反射点がレーダー装置1に対して走行路面から相対的に高い位置にあるため、相対的に過度に大きくなる。一方、図3Bから明らかなように自車両10と他車両12との相対距離が距離閾値以上となるときの他車両12の上下角度は、他車両12の反射点がレーダー装置1に対して走行路面から相対的に高い位置にあったとしても、相対的に過度に大きい上下角度にはならない。
【0051】
本実施形態において、目標上下角度は、一例として、反射点の走行路面からの高さが自車両10に搭載されているレーダー装置1の走行路面からの高さと相対的に近い対象物の上下角度に設定されることが好ましい。これは、必要対象物として判断することが好ましい対象物、すなわち、自車両10の周囲に存在する他車両は、図3Cに示すように、自車両10に搭載されるレーダー装置1の走行路面からの高さと相対的に近い走行路面からの高さに反射点を有しており、不要対象物として判断することが好ましい対象物、すなわち、路上反射物は自車両10に搭載されるレーダー装置1の走行路面からの高さと相対的に近くない走行路面からの高さに反射点を有しているためである。
【0052】
さらに、本実施形態に係る制御処理部107は、後述するように目標上下角度を基準として必要対象物と不要対象物とを判断するため、目標上下角度は、一例として、図3Cに示すように、反射点の走行路面からの高さが自車両10に搭載されているレーダー装置1の走行路面からの高さと相対的に近い対象物の上下角度に設定されることが好ましい。
【0053】
しかしながら、図3Aに示すように、レーダー装置1に対して相対的に高い位置に反射点を有する対象物(他車両12)との相対距離が近いときに当該対象物の上下角度を目標上下角度として設定すると、相対的に過度に大きい上下角度が目標上下角度として設定されてしまい、制御処理部107は、自車両10に搭載されるレーダー装置1の走行路面からの高さと相対的に近い走行路面からの高さに反射点を有する他車両を必要対象物と判断できずに、走行路上に存在する路上反射物を必要対象物と誤判断する可能性が高くなる。これは、制御処理部107が、レーダー装置1に対して相対的に低い位置に反射点を有する対象物との相対距離が近いときに目標上下角度を設定するときも同様である。
【0054】
したがって、制御処理部107は、相対的に低い位置、又は、相対的に高い位置に反射点を有する他車両との相対距離が近いときに目標上下角度を設定することによって、相対的に過度に大きい上下角度が目標上下角度として設定されることを避けるために前述の距離閾値を用いて目標上下角度を設定する。尚、距離閾値の具体的な一例としては、100mが挙げられる。
【0055】
次に、制御処理部107が、距離閾値に加えて速度閾値を用いて目標上下角度を設定する理由を説明する。上述したように、目標上下角度は、反射点の走行路面からの高さが自車両10に搭載されているレーダー装置1の走行路面からの高さと相対的に近い対象物の上下角度に設定されることが好ましい。
【0056】
そして、相対速度の絶対値が速度閾値以下となる対象物は、自車両10と略同じ速度で移動している対象物、すなわち、走行車両である。そして、走行車両の反射点の走行路面からの高さは、自車両10に搭載されているレーダー装置1の走行路面からの高さと相対的に近い。
【0057】
つまり、制御処理部107は、相対速度の絶対値が速度閾値以下となる対象物の上下角度を目標上下角度として設定することで、走行車両の上下角度を目標上下角度として設定することができる。さらに、図3Cに示すように、走行車両(走行車両13)の反射点の走行路面からの高さは停止車両(停止車両14)の反射点の走行路面からの高さと相対的に近いため、制御処理部107は、上述したように速度閾値を用いて目標上下角度を設定することにより、自車両10に搭載されているレーダー装置1の走行路面からの高さに対して相対的に近い走行路面からの高さに反射点を有する走行車両や停止車両などの他車両のみの上下角度の中から目標上下角度を設定することができる。
【0058】
以上より、制御処理部107は、距離閾値に加えて速度閾値を用いて目標上下角度を設定することにより、自車両10に搭載されるレーダー装置1の走行路面からの高さに対して相対的に近い走行路面からの高さに反射点を有する他車両の上下角度を目標上下角度として設定することができる。次に、目標上下角度の設定をした後の制御処理部107の処理の説明を続ける。
【0059】
目標上下角度を設定した後も、制御処理部107は、測定範囲内の走査を繰り返して測定を続ける。制御処理部107は、目標上下角度が設定されているときは、測定した対象物毎の上下角度と目標上下角度との相関値を対象物毎に演算し、演算した相関値が予め定められた基準値以内であるか否かを判断する。相関値の詳細については後述する。
【0060】
そして、制御処理部107は、演算した相関値が目標上下角度を基準とする基準値以内となる対象物を前述の必要対象物として判断する。一方、制御処理部107は、演算した相関値が基準値を越える対象物を前述の不要対象物として判断する。以上が、本実施形態に係る制御処理部107の処理の説明である。
【0061】
本実施形態に係る制御処理部107は、一例として、図4に示すように先行している他車両15や、自車両10の走行路の脇に停車している他車両16などの反射点の走行路面からの高さが自車両10に搭載されているレーダー装置1の走行路面からの高さと相対的に近い対象物を必要対象物として判断するのが好ましいことは上述した通りである。さらに、本実施形態に係る制御処理部107は、一例として、図4に路上反射物34、35、36及び37としてそれぞれ模式的に示すように、自車両10の走行路上において、自車両10に搭載されるレーダー装置1に対して相対的に過度に低い位置に存在すると考えられるリフレクター、鋲、敷き鉄板及び相対的に過度に高い位置に存在すると考えられる看板などを不要対象物として判断するのが好ましい。以下、本実施形態に係る制御処理部107が、これらの必要対象物及び不要対象物を判断するために演算する相関値について説明をする。
【0062】
本発明における相関値として考えられる値は、少なくとも3種類ある。まず、1つ目の相関値について説明をする。制御処理部107は、測定した対象物の上下角度と目標上下角度との角度差を対象物毎に演算する。さらに、制御処理部107は、角度差の絶対値を演算し第1の相関値とする。制御処理部107が、角度差の絶対値を第1の相関値として演算するときは、第1の相関値に対する基準値として第1の基準値を予め定めておき、制御処理部107は、第1の相関値が第1の基準値以下となる対象物を必要対象物として判断し、第1の相関値が第1の基準値を越える対象物を不要対象物として判断する。第1の基準値としては、図4に示すように、走行路面からの高さがレーダー装置1と相対的に近い高さの反射点を有する対象物の第1の相関値が第1の基準値以内となるように、目標上下角度を中心とする上下角度の範囲の絶対値を第1の基準値として予め設定する必要がある。
【0063】
これにより、制御処理部107は、図4に示すように、測定範囲内に存在する対象物の内、第1の相関値が第1の基準値以下になる対象物、すなわち、目標上下角度に近い上下角度の対象物を、走行路面からの高さがレーダー装置1と相対的に近い高さの反射点を有する必要対象物と判断することができ、第1の相関値が第1の基準値を越える対象物を不要対象物と判断することができる。尚、第1の基準値としては、不要対象物を判断できるのであればどのような値を用いてもよいが、具体的な一例としては2°が挙げられる。
【0064】
また、制御処理部107が前述の第1の相関値を演算するときは、測定した対象物の相対距離に応じて大きさの変化する第1の基準値を予め定めておいてもよい。このことを図5を参照しながら説明する。
【0065】
図5には、一例として、走行路上において自車両10から相対距離Aの位置に存在する路上反射物38と、相対距離Aよりも長い相対距離Bの位置に存在する路上反射物39とが示されている。さらに、図5には、一例として、相対距離の長さに応じて小さくなるように予め定められた第1の基準値A及び第1の基準値Bを併せて示している。さらに、図5では、制御処理部107は、目標上下角度Aを既に設定しているものとする。
【0066】
図5から明らかなように、制御処理部107は、1つの目標上下角度Aに対して1つの第1の基準値Aのみを用いて処理をすると、路上反射物38の第1の相関値は第1の基準値Aを越えるため不要対象物として判断されるが、路上反射物39は第1の相関値が第1の基準値A以内となるため、不要対象物と判断されるのが好ましいのにもかかわらず、必要対象物として判断されてしまう。
【0067】
したがって、図5に示すように対象物との相対距離の長さに応じて小さくなる第1の基準値Bをさらに設定し、路上反射物39に対して判断をするときは第1の基準値Bを用いて処理をすることにより、制御処理部107は路上反射物39も不要対象物であることを判断できる。ただし、1つの第1の基準値を上述したように定めることにより、1つの第1の基準値のみを用いても、制御処理部107は必要対象物と不要対象物とを正確に判断できることはいうまでもない。
【0068】
また、制御処理部107は、演算した角度差の符号に基づいて第1の基準値を選択してもよい。より詳細には、図6に示すように、自車両10に搭載されるレーダー装置1に対して相対的に過度に低い位置に存在すると考えられる路上反射物40を不要対象物として判断するための負の角度差に対する閾値と、自車両10に搭載されるレーダー装置1に対して相対的に過度に高い位置に存在すると考えられる路上反射物41を不要対象物として判断するための正の角度差に対する閾値とのいずれか一方の絶対値を第1の基準値として選択する。
【0069】
図6に示すように、自車両10に搭載されるレーダー装置1に対して相対的に過度に低い位置に存在すると考えられる路上反射物40と、自車両10に搭載されるレーダー装置1に対して相対的に過度に高い位置に存在すると考えられる路上反射物41とが略同一の相対距離(図6に示す例では略50m)に存在するとき、それぞれの路上反射物との角度差の絶対値の大きさは異なる(図6に示す例では2.5°と0.5°)。そこで、制御処理部107に対して正の角度差に対応する正の閾値と負の角度差に対応する負の閾値とを予め記憶させておき、演算した角度差の符号に基づいて正の閾値、及び負の閾値のいずれか一方の絶対値を第1の基準値として制御処理部107が選択する。第1の基準値を選択すると制御処理部107は、上述したように第1の相関値として演算した角度差の絶対値と、選択した第1の基準値とを比較することにより、制御処理部107は、角度差の絶対値に対して予め定められた第1の基準値と第1の相関値とを比較するときよりも正確に必要対象物と不要対象物との判断をすることができる。
【0070】
以上のように、制御処理部107は、演算した角度差の符号に基づいて選択した第1の基準値と第1の相関値とを比較することによっても、他車両及び路上反射物、すなわち、必要対象物及び不要対象物をそれぞれ判断することができる。
【0071】
次に、2つ目の相関値の説明をする。制御処理部107は、2つ目の相関値として、測定した対象物の上下角度と目標上下角度との角度差の予め定められた第1の期間における平均値を対象物毎に演算する。さらに、制御処理部107は、平均値の絶対値を演算し第2の相関値とする。このことを図7を参照しながら説明する。
【0072】
図7は、自車両10が走行しているある期間を通じて、レーダー装置1との相対位置(相対距離、及び上下角度)が略一定である1つの対象物の上下角度の実際の測定値の一例を示す図である。図7から明らかなように、相対位置が略一定である対象物であってもその上下角度と目標上下角度との測定結果は、ノイズなどの影響を受けてばらついてしまう。そこで、制御処理部107は、第2の相関値として、測定した対象物の上下角度と目標上下角度との角度差の予め定められた第1の期間における平均値の絶対値を演算する。制御処理部107が、第2の相関値として前述の平均値の絶対値を演算することにより、前述の測定結果のばらつきを低減することができる。そして、制御処理部107が、演算した第2の相関値と、第2の相関値に対して予め定められた第2の基準値とを比較することにより必要対象物と不要対象物とを判断することができる。
【0073】
以上のように、制御処理部107は、測定した対象物の上下角度と目標上下角度との角度差の絶対値の予め定められた第1の期間における平均値の絶対値を第2の相関値として演算し、第2の基準値と比較することによっても、他車両及び路上反射物、すなわち、必要対象物及び不要対象物をそれぞれ判断することができる。より具体的には、制御処理部107は、第2の相関値が第2の基準値以下となる対象物を必要対象物として判断し、第2の相関値が第2の基準値を越える対象物を不要対象物として判断することができる。
【0074】
尚、第2の基準値としては、前述の第1の基準値と同様に、走行路面からの高さがレーダー装置1と相対的に近い高さの反射点を有する対象物の第2の相関値が第2の基準値以内となるように、目標上下角度を中心とする上下角度の範囲の絶対値を第2の基準値として予め設定する必要がある。第2の基準値としては、制御処理部107が演算した第2の相関値と比較することにより必要対象物及び不要対象物を判断できるのであればどのような値を用いてもよいが、具体的な一例として1.5°が挙げられる。また、前述の第1の期間の長さは、ノイズによる上下角度の測定結果のばらつきを低減できるのであればどのような長さであってもよいが、一例として、数百msec、より具体的には、100msecが挙げられる。また、第1の期間の開始タイミングは、目標上下角度の設定後であれば、どのようなタイミングであってもよい。また、自車両10の走行速度に応じて、第2の基準値を変化させてもよい。より具体的には、自車両10の走行速度が速くなるにつれて第2の基準値が大きくなるようにしてもよい。
【0075】
また、制御処理部107が第2の相関値を演算するときにおいて、第1の基準値と同様に、正の閾値、及び負の閾値を予め記憶させておき、演算した平均値の符号に基づいて、正の閾値、及び負の閾値のいずれか一方の絶対値を第2の基準値として選択してもよい。
【0076】
次に、3つ目の相関値の説明をする。制御処理部107は、3つ目の相関値として、測定した対象物の上下角度と目標上下角度との角度差の予め定められた第2の期間における変化の大きさ(以下、変化率と称する)の絶対値を相関値(以下、必要に応じて第3の相関値と称する)として演算してもよい。このことを図8A〜図8Cを参照しながら説明する。
【0077】
図8Aは、走行中の自車両10に搭載されているレーダー装置1の制御処理部107が、先行して走行している他車両17の上下角度を目標上下角度として設定したときの停止している他車両18、路上反射物42及び43との角度差をそれぞれ示す図である。一方、図8Bは、図8Aに示す時点から第2の期間が経過したときの他車両17、他車両18、路上反射物42及び43の上下角度と目標上下角度との角度差をそれぞれ示す図である。図8A及び図8Bでは、他車両17の相対距離及び相対速度は略変化しないため、他車両17の上下角度は目標上下角度と略同じであるものとする。また、図8A及び図8Bにおける他車両18の角度差については、目標上下角度を基準として、負の値から略ゼロの値に変化していることを付言しておく。
【0078】
図8Aと図8Bとを比較すると明らかなように、それぞれの対象物の角度差の変化率の内、目標上下角度設定時の角度差が相対的に小さい上下角度の他車両17及び18の角度差の変化率が相対的に小さく、目標上下角度設定時の角度差が相対的に大きい上下角度の路上反射物の角度差の変化率が相対的に大きい。
【0079】
そこで、制御処理部107は、第3の相関値として、測定した対象物の上下角度と目標上下角度との角度差の予め定められた第2の期間における前述の変化率の絶対値を演算する。そして、制御処理部107が演算した第3の相関値と、第3の相関値に対して予め定められた複数の閾値の中から選択された第3の基準値とを比較することにより必要対象物と不要対象物とを判断することができる。
【0080】
図8Cは、第3の相関値に対する予め定められた複数の閾値と、相対距離との関係を示す図である。前述の変化率の絶対値は、対象物との相対距離が近いときにある距離だけ変化するときの方が、当該対象物との相対距離が遠いときに同じ距離だけ変化するときよりも大きく変化する。したがって、第3の基準値は、図8Cに示すように対象物との相対距離が近くなるにしたがって大きくなる閾値として定めるのが好ましい。また、変化率の絶対値は、対象物との相対距離が略同一であっても、当該対象物との相対速度が速い方が大きくなる。したがって、第3の基準値は、図8Cに示すように複数の閾値の中から対象物との相対速度に応じて選択する必要がある。
【0081】
以上のように、制御処理部107は、測定した対象物の上下角度と目標上下角度との角度差の絶対値の予め定められた第2の期間における変化率を第3の相関値として演算し、第3の基準値と比較することによっても、必要対象物及び不要対象物をそれぞれ判断することができる。より具体的には、制御処理部107は、対象物との相対速度に応じて第3の基準値を選択し、第3の相関値が第3の基準値以下となる対象物を必要対象物として判断し、第3の相関値が第3の基準値を越える対象物を不要対象物として判断することができる。
【0082】
尚、第2の期間の長さは、好ましい第3の相関値を演算できるのであれば、どのような長さであってもよいが、具体的な値の一例としては、第3の相関値が単位時間あたりの変化率となるように1秒などとしてもよい。
【0083】
また、制御処理部107が第3の相関値を演算するときにおいて、第1の基準値と同様に、符号を有する変化率にそれぞれ対応する正の閾値、及び負の閾値を予め記憶させておき、演算した変化率の符号に基づいて、正の閾値、及び負の閾値のいずれか一方の絶対値を第3の基準値として選択してもよい。図8Dは、符号を有する変化率にそれぞれ対応する正の閾値、及び負の閾値の一例をそれぞれ示す図である。
【0084】
以上が、本実施形態に係る制御処理部107の処理の説明である。次に、本実施形態に係る制御処理部107の処理を図9に示すフローチャートを用いて説明する。
【0085】
ステップS101において、制御処理部107は、測定範囲内の走査をして、測定範囲内に存在する対象物毎の相対距離、相対速度及び上下角度をそれぞれ測定する。制御処理部107は、ステップS101の処理を完了すると、ステップS102へ処理を進める。
【0086】
ステップS102において、制御処理部107は、目標上下角度が既に設定されているか否かを判断する。制御処理部107は、目標上下角度が既に設定されていると判断したとき、ステップS106へ処理を進める。一方、制御処理部107は、目標上下角度が未だに設定されていないと判断したとき、ステップS103へ処理を進める。
【0087】
ステップS103において、制御処理部107は、ステップS101において測定した相対距離の内、距離閾値(閾値b)以上の相対距離の対象物が存在するか否かを判断する。制御処理部107は、ステップS103において、距離閾値以上の相対距離の対象物が存在すると判断したとき、ステップS104へ処理を進める。一方、制御処理部107は、ステップS103において、距離閾値以上の相対距離の対象物が存在しないと判断したとき、ステップS101へ処理を戻す。
【0088】
ステップS104において、制御処理部107は、ステップS103において距離閾値以上の相対距離であると判断した対象物の内、相対速度の絶対値が前述の速度閾値(閾値c)以下の対象物が存在するか否かを判断する。制御処理部107は、ステップS104において、相対速度の絶対値が速度閾値以下の対象物が存在すると判断したとき、ステップS105へ処理を進める。一方、制御処理部107は、ステップS104において、相対速度の絶対値が速度閾値以下の対象物が存在しないと判断したとき、ステップS101へ処理を戻す。尚、制御処理部107が、ステップS103からステップS105の処理の経路を経るときというのは、上述したように相対距離が前述の距離閾値以上であり、且つ、相対速度の絶対値が前述の速度閾値以下である対象物が存在するときに相当する。
【0089】
ステップS105において、制御処理部107は、ステップS101において測定した上下角度の内、ステップS103及びS104の処理をすることによって相対距離が距離閾値以上であり、且つ、相対速度が前述の速度閾値以下であると判断した対象物の上下角度を目標上下角度として設定する。制御処理部107は、ステップS105の処理を完了すると、ステップS101へ処理を戻す。
【0090】
ステップS106において、制御処理部107は、ステップS101において測定した対象物毎の上下角度と、ステップS105において設定した目標上下角度とに基づき、上述した相関値の少なくともいずれか1つをそれぞれ演算する。制御処理部107は、ステップS106の処理を完了すると、ステップS107へ処理を進める。
【0091】
ステップS107において、制御処理部107は、ステップS101において測定した対象物の内、ステップS106において演算した相関値が、上述した基準値の内、当該相関値に対応する基準値以下となる対象物を必要対象物と判断し、当該相関値に対応する基準値を越える対象物を不要対象物と判断し、判断した結果を示す判断情報Hjを生成する。制御処理部107は、ステップS107の処理を完了するとステップS101へ処理を戻す。
【0092】
以上が、本実施形態に係る制御処理部107の処理を示すフローチャートの説明である。本実施形態に係る制御処理部107が図9のフローチャートに示す処理をすることにより、他車両を必要対象物として判断し、路上反射物を不要対象物として判断し、判断した結果を判断情報Hjとして後段に接続されるシステムに通知することができる。本実施形態に係るレーダー装置1によれば、後段に接続されるシステムにとって重点的な処理の対象とすることが不要な対象物と必要な対象物とを確実に判断し、後段に接続されるシステムにおける必要対象物と不要対象物とを判断する処理の負荷を軽減することができる。
【0093】
また、本実施形態に係る制御処理部107は、上下角度に基づいて必要対象物及び不要対象物の判断をするため、例えば、図4に示すように他車両が勾配を有する走行路を走行していたとしても、勾配の有無に拘わらずに必要対象物及び不要対象物の判断をすることができる。
【0094】
尚、制御処理部107が、目標上下角度を設定するときにおいて測定範囲内に前述の距離閾値以上、且つ、速度閾値以上となる対象物が2以上の複数だけ存在するときは、条件を満たす複数の対象物の内、測定した上下角度の絶対値が最も小さい対象物の上下角度を目標上下角度として設定してもよい。
【0095】
また、制御処理部107が、目標上下角度を設定するときにおいて測定範囲内に前述の距離閾値以上、且つ、速度閾値以上となる対象物が2以上の複数だけ存在するときは、上下角度と共にさらに水平角度を前述の相対角として測定し、条件を満たす複数の対象物の内、測定した水平角度の絶対値が最も小さい対象物の上下角度を目標上下角度としてもよい。制御処理部107が水平角度を測定するときは、レーダー装置1と対象物の反射点とを結ぶ直線のレーダー装置1を通る鉛直面に対する水平面に沿った水平角度を、レーダー装置1を通る鉛直面を基準として測定してもよい。
【0096】
また、制御処理部107が、目標上下角度を設定するときにおいて測定範囲内に前述の距離閾値以上、且つ、速度閾値以上となる対象物が2以上の複数だけ存在するときは、条件を満たす複数の対象物の内、測定した相対距離が最も短い対象物の上下角度を目標上下角度としてもよい。
【0097】
また、本実施形態に係る制御処理部107は、予め定められた第3の期間が経過する度に1度設定した目標上下角度を設定し直してもよい。これにより、本実施形態に係る制御処理部107は、常に最適な目標上下角度を維持することができる。
【0098】
また、本発明において測定のために用いる電磁波は、一般にミリ波と呼ばれる電磁波であってもよく、具体的な周波数の一例としては、24GHz〜26GHz帯及び76.5GHz〜79GHz帯などの周波数の電磁波が挙げられる。また、本発明において測定のために用いる電磁波は、一般にUWB(Ultra Wide Band)と呼ばれる電磁波であってもよく、より具体的な一例としては、比帯域幅(信号レベルが10[dB]以上となる帯域幅÷当該帯域幅の中心周波数)が20%以上、或いは、帯域幅が500[MHz]以上という定義が一例としてあげられる。ただし、他の定義によってUWBとして定義される電磁波を用いてもよい。
【0099】
また、図9のフローチャートの説明では、制御処理部107は、判断情報Hjとして必要対象物又は不要対象物であることを示す情報を生成するものとした。しかしながら、制御処理部107は、不要対象物の情報を消去して必要対象物に関する情報のみを示す判断情報Hjを生成して後段に接続されるシステムに通知してもよい。また、制御処理部107は、測定範囲内に存在する対象物が必要対象物、或いは、不要対象物であることを示す情報を判断情報Hjとして生成するのではなく、測定範囲内に存在する対象物が単に基準値以内であるか基準値を越えるかのみを示す情報を判断情報Hjとして生成してもよい。
【0100】
また、図9のフローチャートの処理は、測定範囲を全て走査する度にしてもよいし、測定範囲の1走査線を走査する度にしてもよい。
【0101】
また、本発明に係るレーダー装置1は、自車両の前方のみを測定するのではなく、自車両の後方を測定できるようにレーダー装置1の放射部及び受信部を設置し、後方に存在する対象物について必要対象物及び不要対象物であるかの判断をするようにしてもよい。さらに、図9に示すように1以上の本発明に係るレーダー装置1の放射部及び受信部を必要とされる測定範囲に応じて自車両に搭載してもよい。また、本発明に係るレーダー装置1では、図10に示すようにレーダーの中心軸と、相対角の測定範囲の中心軸、すなわち、上下角度或いは水平角度の測定範囲の中心軸とは、必ずしも一致しなくてもよい。
【0102】
また、本発明に係るレーダー装置1の反射波受信部104として、アレイアンテナを用いて反射波を受信するときに生じるサイドローブに起因して、対象物の上下角度が誤って測定されることにより、実際には対象物の相関値が基準値を満たしていないにも関わらず基準値を満たしていると誤判断される場合が考えられる。
【0103】
この場合には、制御処理部107は、相関値が基準値以内であると判断した対象物の上下角度と目標上下角度との角度差の絶対値の予め定められた第4の期間における変化の大きさをさらに演算してもよい。そして、制御処理部107は、第4の期間における角度差の絶対値の変化の大きさが予め定められた第4の閾値を越えているとき、当該角度差の対象物の相関値は実際には基準値を越えていると再判断してもよい。
【0104】
これは、サイドローブに起因して相関値が基準値以内であると判断された対象物の実際の上下角度と目標上下角度との角度差は相対的に大きいと考えられるためである。そして、実際の上下角度と目標上下角度との角度差が相対的に大きい対象物の上下角度のある期間における変化の大きさというのは、同じ期間における目標上下角度との実際の角度差が相対的に近い上下角度の変化の大きさよりも大きくなると考えられる。
【0105】
したがって、制御処理部107は、上述したように目標上下角度と対象物の上下角度との角度差の絶対値の変化の大きさに基づいて前述の再判断をすることにより、サイドローブに起因する誤判断を防ぐことができる。
【0106】
また、混合信号Ksによって示される相関に基づいて制御処理部107が測定をするための図1に示す放射部108及び受信部109の構成はそれぞれ一例であり、放射部108から放射される電磁波及び受信部109によって受信される反射波に基づいて制御処理部107が対象物との相対距離、相対速度及び相対角の測定をすることが可能であれば、どのような構成の放射部108及び受信部109を用いてもよい。
【0107】
また、本実施形態の説明では対象物の相対距離、相対速度及び相対角の測定をDBF方式により測定するものとしたが、本発明に係る制御処理部107が対象物を測定するための測定方式はこれに限られるものではない。対象物の相対距離及び相対速度の他の測定方式の一例としては、2周波CW方式、FM−CW方式、パルスドップラー方式、FSK(Frequency Shift Keying)方式、PSK(Phase Shift Keying)方式などが挙げられる。また、対象物の相対角の他の測定方式の一例としては、位相比較モノパルス方式、振幅比較モノパルス方式、ビームスキャン方式、フェイズドアレイ方式、MUSIC(Multiple Signal Classification)方式、及びESPRIT方式などが挙げられる。
【0108】
そして、本発明では、対象物との相対距離、相対速度及び相対角の測定量を上述した測定方式のいずれを用いて測定するかを制御処理部107に予め定めておき、それぞれの測定量の測定時に適した測定方式を制御処理部107が適宜選択して測定するようにしてもよい。
【0109】
また、上述した制御処理部107の処理は、記憶装置(ROM、RAM、ハードディスク等)に格納された上述した処理手順を実施可能な所定のプログラムデータが、CPUによって解釈実行されることで実現されてもよい。CPUとは、自動車などの移動体に搭載されるECU(Electric Control Unit)を構成するCPUなどであってもよい。また、この場合、プログラムデータは、記憶媒体を介して記憶装置内に導入されてもよいし、記憶媒体上から直接実行されてもよい。尚、記憶媒体とは、ROMやRAMやフラッシュメモリなどの半導体メモリ、フレキシブルディスクやハードディスクなどの磁気ディスクメモリ、CD−ROMやDVDやBDなどの光ディスクメモリ、及びメモリカードなどであってもよい。
【0110】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、上述の説明はあらゆる点において本発明の一例にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明によれば、後段に接続されるシステムにとって不要な対象物と必要な対象物とを確実に判断することのできるレーダー装置を提供でき、例えば、車両などの移動体に搭載されるレーダー装置などに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】第1の実施形態に係るレーダー装置の概略構成を示す図
【図2】上下角度の説明をする図
【図3A】目標上下角度を説明する図
【図3B】目標上下角度を説明する図
【図3C】目標上下角度を説明する図
【図4】制御処理部の判断の方法を説明する図
【図5】複数の基準値を説明する図
【図6】正負の角度差の大きさの違いを説明する図
【図7】角度差の平均値を説明する図
【図8A】角度差の変化の大きさを説明する図
【図8B】角度差の変化の大きさを説明する図
【図8C】変化率の絶対値に対する閾値の一例を示す図
【図8D】符号を有する変化率に対する閾値の一例を示す図
【図9】第1の実施形態に係る制御処理部の処理を示すフローチャート
【図10】本発明に係るレーダー装置の自車両への搭載箇所の一例を示す図
【図11】相対角の測定範囲の中心軸の一例を示す図
【符号の説明】
【0113】
1 レーダー装置
10 自車両
11,12,13,14,15,16,17,18 他車両
30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43 路上反射物
101 基準信号生成部
102 分岐部
103 電磁波放射部
104 反射波受信部
105 混合部
106 フィルタ部
107 制御処理部
108 放射部
109 受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、放射手段によって放射された電磁波と受信手段によって受信された反射波とに基づき対象物との相対距離、相対速度及び相対角を測定するレーダー装置であって、
前記車両の進行方向に対して前記対象物が上下方向に対してなす上下角度を前記相対角として測定する上下角測定手段と、
前記上下角測定手段によって測定された前記対象物の内、前記相対距離が予め定められた距離閾値以上、且つ、前記相対速度の絶対値が予め定められた速度閾値以下である前記対象物の前記上下角度を目標上下角度として設定する設定手段と、
前記目標上下角度が設定された後に前記上下角測定手段によって前記上下角度が測定されたとき、測定された前記上下角度と前記目標上下角度との相関値が予め定められた基準値以内である前記対象物を必要対象物として判断し、前記相関値が前記基準値を越える前記対象物を不要対象物として判断する判断手段とを備える、レーダー装置。
【請求項2】
前記判断手段は、前記上下角測定手段によって測定された前記上下角度と前記目標上下角度との角度差の絶対値を前記相関値として演算する、請求項1に記載のレーダー装置。
【請求項3】
前記判断手段は、前記上下角度の符号に対応する正負の閾値を予め記憶し、前記上下角測定手段によって測定された前記上下角度の符号に基づき前記正負の閾値のいずれか一方の絶対値を前記基準値として選択する、請求項2に記載のレーダー装置。
【請求項4】
前記判断手段は、前記上下角度と前記目標上下角度との角度差の予め定められた第1の期間における平均値の絶対値を前記相関値として演算する、請求項1に記載のレーダー装置。
【請求項5】
前記判断手段は、前記平均値の符号に対応する正負の閾値を予め記憶し、前記平均値の符号に基づき前記正負の閾値のいずれか一方の絶対値を前記基準値として選択する、請求項4に記載のレーダー装置。
【請求項6】
前記判断手段は、前記上下角度と前記目標値上下角度との角度差の絶対値の予め定められた第2の期間における変化の大きさの絶対値を前記相関値として演算する、請求項1に記載のレーダー装置。
【請求項7】
前記判断手段は、前記変化の大きさの符号に対応する正負の閾値を予め記憶し、前記平均値の符号に基づき前記正負の閾値のいずれか一方の絶対値を前記基準値として選択する、請求項6に記載のレーダー装置。
【請求項8】
前記設定手段は、予め定められた第3の期間が経過する度に前記目標上下角度を設定し直す、請求項1に記載のレーダー装置。
【請求項9】
前記判断手段には、前記相対距離の長さに応じて小さくなる前記基準値が予め定められる、請求項2に記載のレーダー装置。
【請求項10】
前記設定手段は、前記相対距離が予め定められた距離閾値以上、且つ、前記相対速度の絶対値が予め定められた速度閾値以下である前記対象物が2以上の複数であるとき、当該複数の対象物の内、前記上下角測定手段によって測定された前記上下角度の絶対値が最も小さい前記対象物を特定する、請求項1に記載のレーダー装置。
【請求項11】
前記反射波の反射点と前記放射手段とを結ぶ直線の鉛直面に対する水平面に沿った水平角度を前記電磁波と前記反射波とに基づき前記相対角として測定する水平角測定手段をさらに備え、
前記設定手段は、前記上下角測定手段によって測定された前記対象物の内、前記相対距離が予め定められた距離閾値以上、且つ、前記相対速度の絶対値が予め定められた速度閾値以下である前記対象物が2以上の複数であるとき、当該複数の対象物の内、前記水平角測定手段によって測定された前記水平角度の絶対値が最も小さい前記対象物の前記上下角度を前記目標上下角度として設定する、請求項1に記載のレーダー装置。
【請求項12】
前記設定手段は、前記相対距離が予め定められた距離閾値以上、且つ、前記相対速度の絶対値が予め定められた速度閾値以下である前記対象物が2以上の複数であるとき、当該複数の対象物の内、前記相対距離の最も小さい前記対象物の前記上下角度を前記目標上下角度として設定する、請求項1に記載のレーダー装置。
【請求項13】
車両に搭載され、放射手段によって放射された電磁波と受信手段によって受信された反射波とに基づき対象物との相対距離、相対速度及び相対角を測定するレーダー装置で実行される測定方法であって、
前記車両の進行方向に対して前記対象物が上下方向に対してなす上下角度を前記相対角として測定する第1の上下角測定ステップと、
前記上下角測定ステップにおいて測定された前記対象物の内、前記相対距離が予め定められた距離閾値以上、且つ、前記相対速度の絶対値が予め定められた速度閾値以下である前記対象物の前記上下角度を目標上下角度として設定する設定ステップと、
前記目標上下ステップが設定された後に前記上下角度を測定する第2の上下角測定ステップと、
前記第2の上下角測定ステップにおいて前記上下角度が測定されたとき、測定された前記上下角度と前記目標上下角度との相関値と予め定められた基準値とを比較する比較ステップと、
前記比較ステップにおいて比較された相関値が前記基準値以内である前記対象物を必要対象物として判断し、当該相関値が前記基準値を越える前記対象物を不要対象物として判断する判断ステップとを備える、測定方法。
【請求項14】
前記比較ステップにおいて、前記上下角測定ステップにおいて測定された前記上下角度と前記目標上下角度との角度差の絶対値を前記相関値として演算する、請求項13に記載の測定方法。
【請求項15】
前記比較ステップにおいて、前記上下角度の符号に対応する正負の閾値を予め記憶し、前記第2の上下角測定ステップにおいて測定された前記上下角度の符号に基づき前記正負の閾値のいずれか一方の絶対値を前記基準値として選択する、請求項2に記載の測定方法。
【請求項16】
前記比較ステップにおいて、前記上下角度と前記目標上下角度との角度差の絶対値の予め定められた第1の期間における平均値の絶対値を前記相関値として演算する、請求項13に記載の測定方法。
【請求項17】
前記比較ステップにおいて、前記平均値の符号に対応する正負の閾値を予め記憶し、前記平均値の符号に基づき前記正負の閾値のいずれか一方の絶対値を前記基準値として選択する、請求項16に記載の測定方法。
【請求項18】
前記比較ステップにおいて、前記上下角度と前記目標上下角度との角度差の絶対値の予め定められた第2の期間における変化の大きさの絶対値を前記相関値として演算する、請求項13に記載の測定方法。
【請求項19】
前記比較ステップは、前記変化の大きさの符号に対応する正負の閾値を予め記憶し、前記平均値の符号に基づき前記正負の閾値のいずれか一方の絶対値を前記基準値として選択する、請求項18に記載の測定方法。
【請求項20】
予め定められた第3の期間が経過する度に前記設定ステップを繰り返す繰り返しステップをさらに備える、請求項13に記載の測定方法。
【請求項21】
前記比較ステップにおいて、前記相対距離の長さに応じて小さくなるように予め定められた前記基準値と前記相関値とを比較する、請求項14に記載の測定方法。
【請求項22】
前記設定ステップにおいて、前記相対距離が予め定められた距離閾値以上、且つ、前記相対速度の絶対値が予め定められた速度閾値以下である前記対象物が2以上の複数であるとき、当該複数の対象物の内、前記上下角測定手段によって測定された前記上下角度の絶対値が最も小さい前記対象物の前記上下角度を前記目標上下角度として設定する、請求項13に記載の測定方法。
【請求項23】
前記反射波の反射点と前記放射手段とを結ぶ直線の鉛直面に対する水平面に沿った水平角度を前記電磁波と前記反射波とに基づき前記相対角として測定する水平角測定ステップをさらに備え、
前記設定ステップにおいて、前記上下角測定手段によって測定された前記対象物の内、前記相対距離が予め定められた距離閾値以上、且つ、前記相対速度の絶対値が予め定められた速度閾値以下である前記対象物が2以上の複数であるとき、当該複数の対象物の内、前記水平角測定手段によって測定された前記水平角度の絶対値が最も小さい前記対象物の前記上下角度を前記目標上下角度として設定する、請求項13に記載の測定方法。
【請求項24】
前記設定ステップにおいて、前記相対距離が予め定められた距離閾値以上、且つ、前記相対速度の絶対値が予め定められた速度閾値以下である前記対象物が2以上の複数であるとき、当該複数の対象物の内、前記相対距離の最も小さい前記対象物の前記上下角度を前記目標上下角度として設定する、請求項13に記載の測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−276084(P2009−276084A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−125055(P2008−125055)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】