説明

レーダ装置、及び方位角検出方法

【課題】異なる周期で動作する画像認識装置からの検出位置を用いて、レーダ装置により物標の方位角を精度良く検出する。
【解決手段】レーダ装置に、前記探索領域の撮影画像に基づいて第1の周期ごとに前記物標の位置を検出する画像認識装置から、当該検出された検出位置が入力される入力手段と、複数の前記入力された検出位置に基づいて、前記第1の周期より短い第2の周期ごとに前記物標の方位角を推定する方位角推定手段と、前記探索領域のうち、前記推定された推定方位角付近では第1の方位角刻み、それ以外の範囲では前記第1の方位角刻みより大きい第2の方位角刻みで前記物標の方位角を検出する方位角検出手段とを備えることで、物標の方位角を精度良く検出できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、探索領域でレーダ波を送受信するレーダ装置に関し、特に、前記探索領域の撮影画像を用いて物標の位置を検出する画像認識装置から検出位置が入力され、当該入力された検出位置を用いて前記物標の方位角を検出するレーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車載用のレーダ装置は、所望の幅に絞ったレーダ波(ビーム)を形成し、このビームで探索領域を走査することにより、物標の方位角を検出する。また、レーダ装置は、このとき周波数変調したミリ波長の連続波(電磁波)によってビームを形成し、送信波と受信波とのビート周波数から物標の相対距離および相対速度を検出する。
【0003】
かかるレーダ装置は、自車両を前方の先行車両へ追従させる追従走行制御ために先行車両を検出する手段として用いられる。また、近年ではこれに加え、対向車両や出会い頭に出くわす他車両との衝突回避動作や安全装置の作動を自車両に実行させる衝突対応制御のための、他車両などを検出する手段としての利用が進められている。よって、ビームの走査範囲の広角化が求められる。
【0004】
ここで、レーダ装置によるビームの走査方式は、一般に機械走査方式と、電子走査方式がある。
【0005】
機械走査方式のレーダ装置は、アンテナを機械的に回動させることでビームの指向方向を変化させて探索領域を走査する。そして、デジタル信号処理装置により、所定の方位角刻みごとに受信波の強度を求め、その分布の極大値が形成される方位角を物標の方位角として検出する。すると、このような機械走査方式のレーダ装置では、走査範囲を広角化する方位角刻みの数が増加するので、デジタル信号処理装置の演算量が増加する。
【0006】
一方、電子走査方式のレーダ装置は、アンテナを回動させる代わりに複数のアンテナを用いて物標が反射したレーダ波を受信し、各アンテナによる受信波の位相を小刻みに変化させることで、アンテナ全体としてのビームの指向方向を変化させる。かかる電子走査方式の一形態であるDBF(Digital Beam Forming)処理方式では、デジタル信号処理装置により、アンテナごとの受信波の位相をパラメータとして変化させて受信波の合成振幅を求める演算を行う。そして、算出した合成振幅が極大値となるときの受信波の位相を求め、そのときのアンテナ間の受信波の位相差、アンテナ間の距離、及び受信波の波長から同位相の受信波が到来した方位角を物標の方位角として算出する演算をデジタル信号処理装置により実行する。
【0007】
このようなDBF処理方式のレーダ装置では、受信信号の位相を変化させる単位はビームの指向方向を変化させる方位角刻みに対応して定められる。すると、走査範囲が広角化すると方位角刻みの数が増加するので、DBF処理のときのパラメータが増加してデジタル信号処理装置の演算量が増加する。
【0008】
このように、機械走査方式および電子走査方式(特にDBF処理方式)のレーダ装置においては、走査範囲を広角化するとデジタル信号処理装置の演算量が増加し、検出結果の出力遅れの原因になる。よって、演算負荷を軽減するために、画像認識装置を併用する方法が提案されている。特許文献1には、画像認識結果を用いて物標検出を行うレーダ装置の例が記載されている。
【0009】
かかる方法によれば、まず画像認識装置が、探索領域をデジタルスチルカメラで撮影し、撮影画像中の被写体の形状を認識して物標の存否を判断する。そして、他の車両などの物標が存在すると判断された検出位置を画像認識装置からレーダ装置に送り、レーダ装置はその位置に基づいて方位角を検出するときの方位角刻みを変化させ、デジタル信号処理装置全体としての演算負荷を軽減する。具体的には、レーダ装置は、画像認識装置から送られる検出位置に対応する方位角付近では小さい方位角刻みにより方位角を検出し、それ以外の探索領域では大きい方位角刻みにより物標の方位角を検出する。
【特許文献1】特開2006−234513号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来技術は、次のような問題を有する。すなわち、画像認識装置とレーダ装置は、一般的に車両の異なる部位に設けられる。例えば、画像認識装置はフロントガラス上部近傍に設置され、レーダ装置は前部バンパー内部に搭載される。そして、これらは車内LAN(Local Area Network)経由で通信可能に構成される。そして、車内LANには、この他にも各種センサやマイクロプロセッサが多数接続され、ゲートウェイ装置によりアクセス制御が行われる。すると、画像認識装置とレーダ装置とのリアルタイムの通信が困難となる。よって、画像認識された物標の位置に対応する方位角付近をレーダ装置が小さい方位角刻みで方位角を検出するときには、物標がその範囲外に移動しているおそれがある。すると、大きい方位角刻みにより物標の方位角を検出することになるので、物標の方位角検出精度が低下する。
【0011】
また、画像認識処理は一般に演算量が大きいので、画像認識装置が画像認識処理をして物標の検出位置を出力する周期は、レーダ装置が探索領域を走査して物標の方位角を検出する周期より長い。すると、レーダ装置は常に最新の検出位置を用いることができないので、過去の物標の位置に対応する方位角付近でレーダ装置が小さい方位角刻みで方位角検出するときには、物標がその範囲外に移動している蓋然性がさらに大きくなる。
【0012】
そこで、上記問題に鑑みてなされた本発明の目的は、異なる周期で動作する画像認識装置からの検出位置を用いた場合であっても、物標の方位角を精度良く検出できるレーダ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面におけるレーダ装置は、所定の探索領域にレーダ波を送受信するレーダ装置であって、前記探索領域の撮影画像に基づいて第1の周期ごとに前記物標の位置を検出する画像認識装置から、当該検出された検出位置が入力される入力手段と、複数の前記入力された検出位置に基づいて、前記第1の周期より短い第2の周期ごとに前記物標の方位角を推定する方位角推定手段と、前記推定された推定方位角付近で前記物標の方位角を検出する方位角検出手段とを有することを特徴とする。
【0014】
上記側面の好ましい態様によれば、前記方位角検出手段は、前記推定方位角付近では第1の方位角刻み、それ以外では前記第1の方位角刻みより大きい第2の方位角刻みで前記物標を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
上記側面におけるレーダ装置は、複数の入力された検出位置に基づいて第2の周期ごとに前記物標の方位角を推定する方位角推定手段を有するので、画像認識装置とレーダ装置の動作周期が異なる場合であっても、画像認識結果を用いて自らの動作周期で物標の方位角を推定できる。そして、前記推定された推定方位角付近で前記物標の方位角を検出することで、物標が存在する蓋然性が大きい方位角範囲で物標の方位角を検出できるので、確実に物標の方位角を検出することができる。
【0016】
さらに、上記の好ましい態様によれば、前記推定方位角付近では第1の方位角刻み、それ以外では前記第1の方位角刻みより大きい第2の方位角刻みで前記物標を検出することで、デジタル信号処理装置全体の演算負荷を軽減できるとともに、物標の方位角を精度良く検出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
【0018】
図1は、本実施形態におけるレーダ装置が車両に搭載される状況を説明する図である。レーダ装置3は、電子走査方式のレーダ装置、特に、DBF処理方式のレーダ装置であるとともに、ミリ波長の電磁波である連続波(Continuous Wave)に周波数変調(Frequency Modulation)を施したレーダ波を送信するFM−CW(Frequency Modulated-Continuous Wave)方式のレーダ装置である。このレーダ装置3は、車両1の前部バンパー内部に設置され、車両1前方の探索領域SAにレーダ波を送信し、物標による反射波を受信する。
【0019】
画像認識装置2は、車両1のフロントガラス上部近傍の車室内に設置される。画像認識装置2は、フロントガラス越しに車両1前方の撮影範囲PAを撮影するデジタルスチルカメラ2aと、デジタルスチルカメラ2aによる撮影画像データを処理する画像処理部2bとで構成される。
【0020】
なお、画像認識装置2とレーダ装置3とは、デジタルスチルカメラ2aの撮影範囲PAがレーダ装置3の探索領域SAと一致またはこれを含むように位置決めされる。
【0021】
また、車両1には、ブレーキやスロットルなどのアクチュエータを制御する車両ECU8、車両1の速度を検知する車速センサ4、車両1の加速度を検知するGセンサ5、車両1の操舵角を検知するステアリングセンサ6が搭載される。
【0022】
レーダ装置3、画像認識装置2、車両ECU8、車速センサ4、Gセンサ5、及びステアリングセンサ6は車内LAN(Local Area Network)9に接続される。この車内LAN9では、一例としてCAN(Controller Area Network)方式によりデータ通信が行われる。このような構成により、画像認識装置2からは画像認識した物標の検出位置がレーダ装置3に送られる。そして、レーダ装置3は、後に詳述する方法により検出位置を用いて探索領域SAをDBF処理により走査して物標の方位角を求めるとともに、FM−CW方式により物標の相対速度と相対距離とを検出する。そして、検出されたこれらの物標情報は車両ECU8に送られ、車両ECU8は物標情報に基づいて車両1の動作を制御する。このとき、車速センサ4、Gセンサ5、及びステアリングセンサ6の検出結果も車両ECU8に送られ、車両1の制御に用いられる。これにより、車両1は先行車両への追従走行や、対向車両などとの衝突回避あるいは乗員への警告などを行う。
【0023】
図2は、本実施形態におけるレーダ装置3の構成例を示す。レーダ装置3は、上述したようにDBF処理方式のレーダ装置であり、複数の受信用アンテナ32_1、2、3、…と、不図示の送信用アンテナとを備えたアンテナ部32と、送信用のレーダ波を送信信号として生成してアンテナ32の送信用アンテナから送信するとともに、アンテナ32_1、2、3、…ごとの受信信号と送信信号とのビート信号を生成する送受信機33とを有する。さらに、レーダ装置3は、アンテナ32_1、2、3、…ごとのビート信号をデジタルデータに変換するA/D変換器34と、デジタルデータ化されたビート信号を処理するデジタル信号処理装置35とを有する。
【0024】
デジタル信号処理装置35は、一例として、ビート信号をFFT(高速フーリエ変換)処理するDSP(Digital Signal Processor)などのプロセッサと、FFT結果を用いてDBF処理を実行するマイクロコンピュータとを有する。そして、マイクロコンピュータは、入力されるデータを用いて各種演算を行うCPUと、CPUが実行する演算手順が記述されたプログラムを格納したメモリと、作業領域としてのRAMとを有する。ここで、方位角推定手段38、距離・速度検出手段40、出力判断手段42は、後述する各手順を実行するマイコンのCPUとその処理プログラムにより構成され、方位角検出手段39はFFT処理用のDSP及びその処理プログラムと、マイコンのCPUとその処理プログラムにより構成される。
【0025】
また、デジタル信号処理装置35は、車内LAN9との各種データ通信を行う入出力インターフェース36を備える。ここで、入出力インターフェース36は、画像認識装置2から物標の検出位置や検出時間、あるいは車速センサ4から車速、Gセンサ5とステアリングセンサ6からは車両の進行方向などの情報入力を受け付ける入力手段に対応する。
【0026】
画像認識装置2は、デジタルスチルカメラ2aと、デジタルスチルカメラ2aによる撮影画像データを処理する画像認識部2bとを有する。画像認識部2bは、一例として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)で構成され、撮影画像データを二値化処理し、二値化データのヒストグラム処理を行って被写体のエッジを検出する。これにより、被写体、つまり物標の存否が判断される。そして、画像認識部2bは、検出されたエッジの形状を予め内部のメモリに記憶された形状パターンとマッチングして、物標の種別を識別する。ここで、物標が他の車両であるか、または道路標識やガードレールなどの設置物であるかが、その形状から識別される。そして、画像認識部2bは、車両と認識した物標の撮影画像内での見かけ上の位置を求める。そして、この検出位置と、物標の位置を検出した検出時間とがレーダ装置3の入力手段に向け出力される。なお、物標を撮影した時間を検出時間としてもよい。
【0027】
図3は、上記構成のレーダ装置3の動作手順を示すフローチャート図である。レーダ装置3は、送受信機33により車両1前方の探索領域SAにおいてレーダ波を送受信し(S2)、デジタル信号処理装置35の方位角検出手段39によりアンテナごとのビート信号をFFT処理する(S4)。そして、方位角検出手段39が、FFT処理したビート信号を用いてDBF処理を行うことで探索領域SAを走査し、物標の方位角を検出する(S6)。そして、距離・速度検出手段40が、方位角が検出された物標についてビート信号の周波数を用いて相対距離、相対速度を検出する(S8)。そして、出力判断手段42が、過去の検出履歴との連続性を判定し(S10)、検出結果が制御対象として適切であるか否か、例えば、連続性の接続履歴が所定回数以上であるか否かにより出力可否判断を行って(S12)、出力可と判断した物標情報を車両ECU8に向けて出力する(S14)。
【0028】
上記手順S6で実行されるDBF処理では、方位角検出手段39が、アンテナ32_1、32_2、32_3、…ごとのビート信号の位相をパラメータとして小刻みに変化させることでアンテナ全体のビームの指向方向を所望の方位角刻みごとに変化させ、探索領域SAを走査する。そして、方位角刻みごとにビート信号の合成振幅を算出して合成振幅の分布を求める。ここにおいて、物標が位置する方位角にビームの指向方向が一致したときに各ビート信号が同位相となり、その結果その合成振幅が最大となる。このことを利用し、レーダ装置3は方位角検出手段39により、求めた分布の最大値に対応する方位角を物標の方位角として検出する。
【0029】
ここで、探索領域SA全域に対しDBF処理を行うときに、探索領域SAが広角であるほど方位角刻みの数が増加するので、パラメータ数が増加する。また、方位角刻みが小さいほどパラメータ数が増加するので、デジタル信号処理装置35全体の演算量が増加し、演算時間がかかる。よって、演算時間がかかることで車両ECU8への物標情報の出力が遅くなるのを防ぐために、方位角検出手段39は、画像認識装置2から送られる物標の検出位置を用いて、小さい方位角刻みで方位角検出を行う範囲と、大きい方位角刻みで方位角検出を行う範囲とを区分して方位角検出を行う。
【0030】
しかし、画像認識装置2が検出位置を出力してからこれをレーダ装置3が車内LAN9経由で受信するとき、車内LAN9のアクセス権調停にかかる時間差が生じる。さらに、画像認識装置2の動作周期とレーダ装置3の動作周期は異なる。すると、レーダ装置3が上記のようにして方位角検出を行うときには、物標は小さい方位角刻みで方位角検出を行う範囲の外へ移動しているおそれがある。
【0031】
そこで、本実施形態では、画像認識装置2から検出位置と共にその位置を検出したときの検出時間をレーダ装置3に送り、レーダ装置3の方位角推定手段38が検出時間を用いてレーダ装置3の動作周期ごとに物標の位置を直線近似し、その位置に対応する方位角を推定する。そして、レーダ装置3の方位角検出手段39は、推定された推定方位角付近では小さい方位角刻みで方位角検出し、それ以外の範囲では大きい方位角刻みで方位角検出する。
【0032】
このようにして、レーダ装置3は、自らの動作周期ごとに車両が存在する蓋然性が大きい方位角付近で小さい方位角刻みで方位角検出し、それ以外の、物標が存在する蓋然性が小さい方位角では大きい方位角刻みで方位角検出する。そうすることで、レーダ装置3は、精度良く物標の方位角を検出できる。
【0033】
ここで、画像認識装置2から送られる物標の検出位置と方位角との対応関係を説明する。画像認識装置2のデジタルスチルカメラ2aは車両前方に向けて固定されており、かつレーダ装置3も固定されているので、デジタルスチルカメラ2aの撮影範囲PAとレーダ装置3の探索領域SAの位置関係も固定されている。よって、撮影画像内における被写体の位置、つまり見かけ上の位置と、探索領域SAにおける方位角とが対応付けられる。
【0034】
撮影画像における物標の見かけ上の位置と方位角の関係の一例を図4に示す。図4(A)は撮影画像Ph、図4(B)は水平面におけるレーダ装置3を基準とした探索領域SAを表す。ここで、撮影画像Phの中心部Mはレーダ装置3の正面(つまり車両1の進行方向)である方位角0度に、撮影画像Phの左右端部EL、ERは探索領域の端部である方位角θL、θRに対応する。また、撮影画像Phにおける見かけ上の位置を、中心Mに対する水平方向の偏差である横位置とする。すると、横位置S1の車両Baと横位置S2の車両Bbが物標として認識された場合に、撮影画像における横位置S1、S2に、探索領域SA内の方位角θa、θbが対応付けられる。
【0035】
かかる対応関係を予めマップデータとしてデジタル信号処理装置35内のメモリに格納しておくことで、方位角検出手段39は車両Ba、Bbの横位置に対応した方位角をマップデータから特定できる。よって、方位角推定手段38は、推定した物標の横位置に対応する方位角をマップデータに基づいて特定することで、物標が存在する方位角を推定できる。
【0036】
なお、物標が検出した検出位置を用いる利点として、次のような点があげられる。すなわち、レーダ装置だけだと、物標からの反射波が路面や静止物などで反射して複数の経路で受信されるいわゆるマルチパス現象が生じることにより、実際に物標が存在しない方位角が誤検出される場合があるが、画像認識装置は被写体の形状に基づき物標を認識するのでかかる誤検出のおそれが小さい。よって、画像認識装置による検出位置に基づき推定した推定方位角付近で方位角検出することで、確度良く物標の方位角を検出できる。
【0037】
次に、レーダ装置3による方位角推定と、方位角検出するときの方位角刻みについて説明する。図5は、本実施形態におけるレーダ装置3の方位角推定について説明する図である。また、図6は、方位角検出するときの方位角刻みの例を示す。
【0038】
図5(A)〜(C)において横軸は経過時間を示し、図5(A)は、画像認識装置2の動作周期を、図5(B)は、レーダ装置3の動作周期を示す。また、図5(C)は、図5(B)に示すレーダ装置3の各周期における物標の推定位置を示す。図5(A)に示すように、画像認識装置2は、例えば30ミリ秒の周期Ca1、Ca2、Ca3、…ごとに、デジタルスチルカメラにより撮影した画像を処理して画像認識を行い、物標の検出位置Pt1、Pt2、Pt3、…と、それぞれの物標の位置が検出されたときの検出時間t1、t2、t3、…を出力する。一方、図5(B)に示すように、レーダ装置3は、例えば10ミリ秒の周期Cb1、Cb2、Cb3、…ごとに探索領域SAを走査して物標の方位角、相対速度、相対距離を検出し、車両ECU8に物標情報を出力する。なお、説明の便宜上、図5(A)の画像認識装置2の動作周期と図5(B)のレーダ装置3の動作周期は同時に開始されるものとする。
【0039】
すると、まず、レーダ装置3が動作を開始した直後の周期Cb1〜Cb3では画像認識装置2が周期Ca1の途中なのでレーダ装置3に検出位置が送られない。よって、このときレーダ装置3は、図6(A)に示すように、探索領域SA全域を同じ方位角刻みで走査し物標の方位角を検出する。このとき、方位角刻みβ1が用いられる。なお、図6では、方位角刻みをβ1、β2、β3(ただし、β1>β2>β3)の3段階で示す。よって、周期Cb1〜Cb3では最も大きい方位角刻みを用いることで、デジタル信号処理装置35全体としての演算負荷を軽減する。
【0040】
次に、レーダ装置3の周期Cb4に、画像認識装置2から周期Ca1で検出された第1の検出位置P1とその検出時間t1が送られる。ここで、物標の位置を直線近似により推定するには2つの検出位置が必要であるが、利用できる検出位置は第1の検出位置P1だけである。よって、図6(B)に示すように、レーダ装置3は、周期Cb4〜Cb6では、位置P1に対応する方位角θ1付近の方位角範囲α1を方位角刻みβ2で、それ以外の範囲を方位角刻みβ1で走査して方位角検出を行う。
【0041】
そして、周期Cb7では、第2の検出位置P2とその撮影検出時間t2が入力されるので、レーダ装置3は、次の周期Cb8〜Cb10では、第1の検出位置P1と第2の検出位置P2を用いて物標の横位置を推定する。このとき、レーダ装置3は、物標推定手段により、検出時間の時間差Δt(=t2−t1)における横位置P1からP2の変位を計算することで、自らの10ミリ秒の動作周期ごとの物標の位置、G8〜G10を直線近似する。そして、レーダ装置3は、周期Cb8〜Cb10では、推定位置G8〜G10に対応する推定方位角付近の方位角範囲を方位角刻みβ3で、それ以外の範囲を方位角刻みβ1で走査して方位角検出を行う。すなわち、図6(C)に推定位置G8の場合を例として示すと、推定位置G8に対応する推定方位角θ8付近の方位角範囲α8(α8は、図6(B)で示したα1より小)を方位角刻みβ3で、それ以外の範囲を方位角刻みβ1で走査して方位角検出を行う。
【0042】
そして、周期Cb10では、第3の検出位置P3とその撮影検出時間t3が入力されるので、レーダ装置3は、次の周期Cb11〜Cb13では、第2の検出位置P2と第3の検出位置P3を用いて、上記同様の推定を行い、方位角検出を行う。
【0043】
ここで、図6(A)〜(C)に示したように、方位角刻みは、探索領域SA全体での演算量が均一になるように割当てられる。すなわち、図6(A)では、方位角が推定されていないので、探索領域SA全体に最も大きいβ1の方位角刻みを用いることにより、演算量を軽減する。図6(B)では、1つの検出位置が与えられているので図6(A)の場合より物標が存在する蓋然性が高い方位角範囲α1が求められるが、時間経過とともに物標がその範囲外に移動するおそれが大きい。よって、方位角α1を広めにすることでかかるおそれを小さくし、さらにその範囲内では中程度の方位角刻みβ2を用い、それ以外の範囲では方位角刻みβ1を用いることで、探索領域SA全体での演算量を軽減する。そして、図6(C)では、2つの検出位置からレーダ装置3の動作周期ごとの位置が直線近似できるので、図6(B)の場合より物標が存在する蓋然性がさらに大きい方位角範囲α8がさらに狭い方位角範囲として求められる。よって、その範囲内では最も小さい方位角刻みβ3を用いることで方位角の検出精度を高くし、それ以外の範囲ではβ1の方位角刻みを用いる。そうすることで、探索領域全体での演算量を軽減する。
【0044】
なお、物標の位置の推定は、過去3回以上の検出位置を用いてもよいし、直線近似ではなく2次近似などの曲線近似を用いてもよい。また、方位角刻みは、上記のような3段階に限られず、2段階、あるいは4段階以上としてもよい。さらに、物標の数に応じて方位角刻みが算出されるような演算を行って求めても良い。いずれの場合であっても、推定位置に対応する推定方位角付近を小さい方位角刻みで方位角検出し、それ以外をより大きい方位角刻みで方位角検出することで、物標の方位角を精度良く検出するとともに、デジタル信号処理装置35全体としての演算負荷を軽減することができる。
【0045】
また、推定方位角付近をさらに小さい方位角刻みで方位角検出し、それ以外の範囲は方位角検出を実行しない手順としてもよい。その場合であっても、物標の方位角を精度良く検出するとともに、デジタル信号処理装置35全体としての演算負荷を軽減することができる。
【0046】
次に、本実施形態におけるレーダ装置3の方位角検出手順を詳述する。
【0047】
図7は、本実施形態におけるレーダ装置3の走査手順を説明するフローチャート図である。図7(A)にレーダ装置3とは別個に動作する画像認識装置2の動作手順を示し、図7(B)にレーダ装置3の動作手順を示す。なお、図7(B)の手順は、図3で示した手順S6のサブルーチンに対応する。
【0048】
まず、画像認識装置2は、図5(A)に示した動作周期ごとに、図7(A)の手順を実行する。すなわち、画像認識部が撮影画像を取り込み(S20)、二値化処理、ヒストグラム処理、エッジ検出処理を行って被写体画像を認識する(S22)。そして、被写体画像が検出対象であるか否かを判別し(S24)、判別した物標の検出位置を求める(S26)。そして、求めた検出位置を出力する(S28)。
【0049】
一方、レーダ装置3は、図5(B)で示した動作周期ごとに、図7(B)の手順を実行する。まず、入力手段36が、画像認識装置2から検出位置を取得する(S40)。ここで、図5で示したように、レーダ装置3が動作を開始した直後の周期Cb1〜Cb4ではレーダ装置3は検出位置を画像認識装置2から取得できず、周期Cb5以降では検出位置を取得できる。よって、以降の手順は、取得しない場合と取得した場合について場合分けされる。
【0050】
まず、検出位置を取得しない場合(S40のNO)、つまり周期C1b〜Cb4では、方位角検出手段38は、探索領域SA全体に方位角刻みβ1を設定し(S42)、DBF処理を行って方位角を検出する(S54)。一方、検出位置を取得した場合(S40のYES)、つまり周期Cb5以降では、方位角検出手段39は、過去に複数の検出位置が取得されているかを判断する(S44)。
【0051】
そして、過去に複数の検出位置を取得していない場合(S44のNO)つまり周期Cb5〜CB7では、図6(B)で示したように、方位角検出手段39は、1つの検出位置P1に対応する方位角θ1付近の方位角範囲α1を方位角刻みβ2に、それ以外の範囲を方位角刻みβ1に設定し(S46)、DBF処理を実行して方位角を検出する(S54)。一方、過去に複数の検出位置を取得している場合(S44のYES)つまり周期Cb8では、方位角推定手段38が、最新の検出位置P2と前回の位置情P1を用いて一次近似した物標の位置G8に対応する方位角θ8を推定する(S48)。そして、推定方位角θ8付近の方位角範囲α8に方位角刻みβ3、それ以外に方位角刻みβ1を設定し(S50)、DBF処理を実行して方位角を検出する(S54)。
【0052】
なお、周期Cb9以降でも、手順S44でYESであるので、手順S48、S50、S54が実行される。
【0053】
このような手順により、動作周期が異なる場合であっても、画像認識結果を用いて検出位置を推定できる。そして、推定方位角付近を小さい方位角刻みで方位角検出し、それ以外を大きい方位角刻みで方位角検出することで、物標の方位角を精度良く検出できるとともに、デジタル信号処理装置全体の演算負荷を軽減できる。
【0054】
次に、本実施形態における変形例について説明する。この変形例では、レーダ装置3の方位角推定手段38は、自車両1の挙動に関する情報を取得して、物標の推定位置を補正する。具体的には、レーダ装置は、図1で示した車速センサ4からは車両1の走行速度、Gセンサ5からは車両1にかかる横方向の加速度、ステアリングセンサ6からは車両1の操舵角を入力手段により取得する。ここで、走行速度が車両の移動速度に対応し、横方向の加速度、操舵角が移動方向に対応する。
【0055】
そして、レーダ装置3は、方位角推定手段38により、これらの情報に基づいて、例えば車両1が旋回するときの旋回半径と旋回速度を計算し、これに基づき物標の相対的な移動方向と移動速度を求め、物標の推定位置とこれに対応する推定方位角とを補正する。そうすることで、物標が存在する蓋然性が大きい方位角をより精度良く推定できる。
【0056】
図8は、かかる変形例におけるレーダ装置の動作手順を説明するフローチャート図である。図8のフローチャートは、図7のフローチャートに手順S49a、S49bが追加されたものである。すなわち、レーダ装置3は、入力手段により車両の移動速度と移動方向とを取得し(S49a)、方位角推定手段38によりこれらの情報に基づいて物標の推定位置とこれに対応する推定方位角とを補正する(S49b)。そして、そして、補正後の推定方位角付近では小さい方位角刻みで方位角検出し、それ以外の範囲では大きい方位角刻みで方位角検出する(S50、S54)。
【0057】
あるいは、車両1の旋回速度が基準値より大きい場合は、補正量が大きくなりすぎ補正結果の信頼性が低下するので、その場合は探索領域では同じ走査角で走査するような手順としてもよい。具体的には、移動方向(操舵角)と移動速度(車速)の積が基準値より大きければ探索領域全体で同じ方位角刻みで方位角検出を行い、基準値以下であれば補正を行う手順が可能である。そうすることで、方位角検出の精度が低下することを防止できる。
【0058】
上記では、電子走査式のレーダ装置、特にDBF処理方式のレーダ装置を例に説明した。しかし、本発明は、機械走査方式のレーダ装置にも適用できる。次に、本発明を機械走査方式のレーダ装置に適用した実施例について説明する。
【0059】
機械操作式のレーダ装置は、アンテナを機械的に回動させることでビームの指向方向を変化させ、探索領域を走査する。このとき、そして、アンテナの回動角度における所定の方位角刻みごとに送受信信号のビート信号の強度を検出し、その強度分布を形成することで、極大値を形成する角度を物標の中心の方位角として特定する。
【0060】
ここで、走査範囲が広角になると、ビート信号の強度検出をする方位角刻みの数が増加し、その結果演算量が増加するので、車両ECUに物標情報を出力するタイミングが遅れるおそれがある。
【0061】
よって、この実施例では、画像認識装置からの検出位置に基づく推定方位角付近では小さい方位角刻みでビート信号の強度検出を行い、それ以外の範囲では角度を間引いて大きい方位角刻みでビート信号の強度検出を行う。そうすることで、物標の方位角を精度良く検出できるとともに、デジタル信号処理装置全体としての演算負荷を軽減する。
【0062】
図9は、機械走査方式のレーダ装置の構成を説明する図である。レーダ装置3aは、機械操作方式のレーダ装置であるとともに、FM−CW方式のレーダ装置である。このレーダ装置3aは、回動可能な送受兼用アンテナ32aと、送信用のレーダ波を送信信号として生成してアンテナ32aから送信するとともに、受信信号と送信信号とのビート信号を生成する送受信機33と、アンテナ32aの回動角度を検出するロータリエンコーダ34とを有し、検出された回動角度は、デジタル信号処理装置35に入力される。
【0063】
デジタル信号処理装置35の構成は、図2で示した構成と同じであるが、後述するように方位角検出手段38の動作手順が異なる。
【0064】
なお、画像認識装置2の構成も図2で示した構成と同じである。
【0065】
図10は、レーダ装置3aの動作手順を説明するフローチャート図である。レーダ装置3aは、アンテナ32aを回動させながら送受信機33により車両1前方の探索領域SAにおいてレーダ波を送受信し(S2)、デジタル信号処理装置35の方位角検出手段39により、アンテナの回動角度ごと、つまり方位角刻みごとにビート信号をFFT処理し、ビート信号の信号強度を検出してその強度分布から物標の方位角を検出する(S6a)。そして、手順S8〜S14は図3で示した手順と同様にして実行される。
【0066】
図11は、レーダ装置3aの方位角検出手順を詳述するフローチャート図である。図11(A)に画像認識装置2の動作手順を示し、図11(B)にレーダ装置3aの動作手順を示す。なお、図11(A)の手順は、図7(A)で示した手順と同じである。また、図11(B)の手順は、図10で示した手順S6aのサブルーチンに対応しており、図7(B)で示した手順S54の代わりに手順S54aが実行されること以外は図7(B)で示した手順と同じである。すなわち、手順S54aでは、レーダ装置3aの方位角検出手段39は、手順S42またはS50で方位角刻みの大きさを設定した後、設定された方位角刻みごとにビート信号をFFTしてその強度分布を求め、その強度分布に基づいて方位角を検出する(S54a)。
【0067】
このような手順によれば、画像認識装置2とレーダ装置3aの動作周期が異なる場合であっても、画像認識結果を用いて物標の位置を推定でき、これに対応する方位角を推定できる。そして、推定方位角付近では小さい方位角刻みで方位角検出し、それ以外では大きい方位角刻みで方位角検出を行うことで、物標の方位角を精度良く検出できるとともに、デジタル信号処理装置全体の演算負荷を軽減できる。
【0068】
なお図11に示した手順には、図9で示した変形例の手順が適用できる。
【0069】
上述した実施形態では、画像認識装置2は、物標の検出位置とともに検出時間をレーダ装置3、3aに送ることで、レーダ装置3、3aでは、経過時間あたりの物標の位置の変化量を算出でき、物標の位置を直線近似できる。しかし、画像認識装置2の動作周期が予めわかっている場合は、これをデジタル信号処理装置35内のメモリに格納しておき、画像認識装置2からは検出位置のみを送る構成としてもよい。その場合、レーダ装置側では時系列に入力される位置の検出時間をメモリから読み出すことができるので、経過時間あたりの物標の位置の変化量を算出できる。よって、画像認識装置2から検出時間が送られなくても、レーダ装置側では物標の位置を推定できる。
【0070】
また、画像認識装置とレーダ装置が同じ周期で動作を行う場合であって、画像認識装置からレーダ装置への検出位置の送信タイミングが一定に保たれる通信方式、例えばFlexRay方式などの通信方式を採用する場合、レーダ装置の方位角推定手段の動作を任意に停止させることが可能な構成としてもよい。そうすることで、レーダ装置の処理負荷をさらに軽減できる。
【0071】
また、画像認識された物標の数が多い場合には、過去の検出履歴に基づいて、例えば、相対距離が小さく衝突の蓋然性が大きい物標の推定方位角付近では小さい方位角刻み、それ以外の物標に対しては大きい方位角刻みの方位角検出を行う手順としてもよい。そうすることで、デジタル信号処理装置35全体としての演算負荷を軽減させることができる。その場合において、方位角刻みを物標の相対距離に応じて決定する手順としてもよい。そうすることでデジタル信号処理装置35全体としてのリソースを最適に割り当てながら、全体としての演算負荷を軽減させることができる。
【0072】
以上説明したとおり、本実施形態によれば、画像認識装置とレーダ装置の動作周期が異なる場合であっても、レーダ装置は、画像認識結果を用いて自らの動作周期で物標の方位角を推定できる。そして、推定方位角付近を小さい方位角刻みで方位角検出または方位角検出処理を行い、それ以外を大きい方位角刻みで方位角検出または方位角検出処理を行うことで、デジタル信号処理装置全体の演算負荷を軽減できるとともに、物標の方位角を精度良く検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本実施形態におけるレーダ装置が車両に搭載される状況を説明する図である。
【図2】本実施形態におけるレーダ装置3の構成例を示す図である。
【図3】レーダ装置3の動作手順を示すフローチャート図である。
【図4】撮影画像における物標の見かけ上の位置と方位角の関係の一例を示す図である。
【図5】本実施形態におけるレーダ装置3の方位角推定について説明する図である。
【図6】方位角検出するときの方位角刻みの例を示す図である。
【図7】本実施形態におけるレーダ装置3の走査手順を説明するフローチャート図である。
【図8】変形例におけるレーダ装置の動作手順を説明するフローチャート図である。
【図9】機械走査方式のレーダ装置の構成を説明する図である。
【図10】レーダ装置3aの動作手順を説明するフローチャート図である。
【図11】レーダ装置3aの方位角検出手順を詳述するフローチャート図である。
【符号の説明】
【0074】
2:画像認識装置、3、3a:レーダ装置、38:方位角推定手段、39:方位角検出手段、40:距離・速度検出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の探索領域にレーダ波を送受信するレーダ装置において、
前記探索領域の撮影画像に基づいて第1の周期ごとに前記物標の位置を検出する画像認識装置から、当該検出された検出位置が入力される入力手段と、
複数の前記入力された検出位置に基づいて、前記第1の周期より短い第2の周期ごとに前記物標の方位角を推定する方位角推定手段と、
前記推定された推定方位角付近で前記物標の方位角を検出する方位角検出手段とを有することを特徴とするレーダ装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記方位角検出手段は、前記推定方位角付近では第1の方位角刻み、それ以外では前記第1の方位角刻みより大きい第2の方位角刻みで前記物標を検出することを特徴とするレーダ装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記レーダ波を受信する複数のアンテナを有し、
前記方位角検出手段は、前記複数のアンテナによる受信波の位相を変化させて当該受信波の合成波の指向方向を前記第1、または第2の方位角刻みごとに変化させ、前記合成波の振幅が極大値を形成するときの前記指向方向を前記物標の方位角として検出することを特徴とするレーダ装置。
【請求項4】
請求項2において、
前記レーダ波を送受信する方位角が前記探索領域内で可変のアンテナを有し、
前記方位角検出手段は、前記第1、または第2の方位角刻みごとに前記アンテナが受信する受信波のレベルを検出し、前記レベルが極大値を形成するときの前記アンテナの方位角を前記物標の方位角として検出することを特徴とするレーダ装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記入力手段は、前記画像認識装置から、前記検出位置が検出されたときの検出時間がさらに入力され、
前記方位角推定手段は、複数の前記入力された検出時間をさらに用いて前記物標の方位角を推定することを特徴とするレーダ装置。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
移動体に搭載され、
前記入力手段は、前記移動体の移動方向と移動速度とがさらに入力され、
前記方位角推定手段は、前記移動方向と移動速度とを用いて前記推定方位角を補正することを特徴とするレーダ装置。
【請求項7】
請求項5において、
移動体に搭載され、
前記入力手段は、前記移動体に搭載された通信網経由で前記画像認識装置から前記検出位置及び検出時間を取得することを特徴とするレーダ装置。
【請求項8】
所定の探索領域にレーダ波を送受信するレーダ装置による物標の方位角検出方法において、
前記探索領域の撮影画像に基づいて第1の周期ごとに前記物標の位置を検出する画像認識装置から、当該検出された検出位置が入力される入力工程と、
複数の前記入力された検出位置に基づいて、前記第1の周期より短い第2の周期ごとに前記物標の方位角を推定する方位角推定工程と、
前記推定された推定方位角付近で前記物標の方位角を検出する方位角検出工程とを有することを特徴とする方位角検出方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図1】
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【公開番号】特開2009−229374(P2009−229374A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−77579(P2008−77579)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】