説明

ロック装置及びこれを備えた作業機械

【課題】駐車ブレーキの効用を長持ちさせることができるロック装置及びこれを備えた作業機械を提供すること。
【解決手段】車軸2bに動力を供給する駆動部14と、この駆動部14に対し下部走行体2を走行させるための指示を入力操作可能なシフトレバー15と、シフトレバー15の入力操作にかかわらず、車軸2bへの動力供給が不可の状態となるように駆動部14をロックするロック部18とを備え、ロック部18は、ブレーキモードとして駐車ブレーキを作動するとともに作動ブレーキの作動を解除するPモードが選択されたときは駆動部14をロックする一方、ブレーキモードとして駐車ブレーキ及び作業ブレーキの作動を解除するDモードが選択されたときは駆動部14のロックを解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め設定されたブレーキモードを切換可能に構成された油圧ショベル等の作業機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、作業機械は、自走式の機体と、この機体に起伏可能に装着されたアタッチメントとを備え、このアタッチメントの起伏動作によって各種作業(油圧ショベルであれば掘削作業)を行なうことが可能とされている。
【0003】
この種の作業機械は、前記機体の車軸の回転を摩擦部材等を利用して機械的に阻止する駐車ブレーキと、作業機械の動力を利用して前記車軸の回転を阻止する作業ブレーキとを備えている。
【0004】
そして、前記作業機械には、前記アタッチメントによる作業を行なうとき、機体を駐車するとき、又は機体を走行させるときに、その状況に応じてオペレータが選択可能なブレーキモードが設定されたものが知られている(例えば、特許文献1)。
【0005】
特許文献1のホイール式ショベルは、作業時に選択されるW位置と、駐車時に選択されるP位置と、走行時に選択されるD位置との間で切換可能とされたブレーキ作動切換スイッチを備え、このブレーキ切換スイッチにより選択された位置に応じてブレーキの作動が切換えられるようになっている。
【0006】
具体的に、前記W位置では駐車ブレーキ及びサービス(作業)ブレーキが作動し、前記P位置では駐車ブレーキのみが作動し、D位置では駐車ブレーキ及びサービスブレーキが解除されるようになっている。
【特許文献1】特開平2−272117号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記特許文献1のホイール式ショベルでは、ブレーキ作動中でも走行用の駆動力を車軸に伝達することが許容されていたため、このようなブレーキ作動中に車軸が駆動されることにより駐車ブレーキに磨耗損傷を生じ、駐車ブレーキの寿命を縮めるおそれがあった。
【0008】
特に、P位置が選択された状態においては車軸の回転が駐車ブレーキのみで阻止されているため、駐車ブレーキ及び作業ブレーキの両ブレーキが作動している場合よりもさらに車軸の動きが著しく大きくなり、このP位置においてオペレータが誤って走行操作(例えば、アクセルの踏み込み操作)を行なった場合には、ホイールを回転不能に保持しようとする駐車ブレーキに対する負荷がより大きくなる。
【0009】
また、特許文献1のホイール式ショベルでは、本来、駐車ブレーキと作業ブレーキの双方を作動させるW位置に切り換えて車体の静止を確実にした上でアタッチメントの作動を行う必要があるが、誤ってP位置が選択された状態でアタッチメントを作動させた場合、つまり、作業ブレーキの作動が解除され、駐車ブレーキのみが作動した状態でアタッチメントによる作業を行なった場合には、当該作業の反力に対して駐車ブレーキの制動力のみでは十分に対抗できず、車体が動いてしまうおそれがある。この場合も車体の動きに伴って駐車ブレーキに磨耗損傷が発生するおそれがある。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、駐車ブレーキの効用を長持ちさせることができるロック装置及びこれを備えた作業機械を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、車軸の回転に応じて走行する機体と、所定の動力の供給を受けて前記車軸を停止状態に保つように作動する作業ブレーキと、この作業ブレーキに動力を供給する動力源と、この動力源からの動力の供給を受けることなく摩擦抵抗を利用して前記車軸の停止状態を保つように作動する駐車ブレーキとを有し、前記駐車ブレーキ及び作業ブレーキの作動状態として複数のブレーキモードが用意された作業機械に設けられ、前記車軸の回転をロックするロック装置であって、前記車軸に動力を供給する走行駆動部と、この走行駆動部に対し前記機体を走行させるための指示を入力操作可能な走行入力部と、この走行入力部の入力操作にかかわらず、前記車軸への動力供給が不可の状態となるように前記走行駆動部をロックするロック部とを備え、このロック部は、前記ブレーキモードとして、前記駐車ブレーキを作動するとともに作業ブレーキの作動を解除する駐車モードが選択されたときは、前記走行駆動部をロックする一方、前記ブレーキモードとして、前記駐車ブレーキ及び作業ブレーキの作動を解除する走行モードが選択されたときは、前記走行駆動部のロックを解除することを特徴とする作業機械のロック装置を提供する。
【0012】
本発明によれば、ロック部が設けられているので、ブレーキモードとして駐車モードが選択されたときにオペレータが誤って走行入力部を入力操作した場合であっても、車軸への動力供給が不可の状態となるように走行駆動部をロックすることにより駐車ブレーキに過剰な負荷が生じるのを抑制することができる。
【0013】
したがって、本発明によれば、駐車ブレーキの効用を長持ちさせることができる。
【0014】
そして、本発明では、ブレーキモードとして走行モードが選択されたときに車軸への動力の供給が許容されるので、当該走行モードにおいては機体の走行が可能となる。
【0015】
一方、前記ブレーキモードとして作業モードが選択されたときには、前記ロック部によって走行駆動部がロックされることが好ましい。
【0016】
このようにすれば、作業モードが選択されて作業が行なわれている間にオペレータが誤って前記走行入力部を操作した場合であっても、作業中の機体が走行するのを阻止することができるので、安全性をより高めることができる。
【0017】
前記ロック装置において、前記走行入力部は、前記機体を走行させるための指示を電気信号として前記走行駆動部に出力するように構成され、前記ロック部は、前記走行入力部から走行駆動部までの電気信号の伝達を阻止することにより前記走行駆動部をロックすることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、走行入力部から走行駆動部に出力される電気信号の伝達を阻止することにより、車軸への動力供給が不可の状態となるように走行駆動部をロックすることができる。
【0019】
具体的に、前記ブレーキモードを選択操作可能で、かつ、特定のモードが選択された場合に当該モードに対応するモード選択信号を出力可能なモード切換手段をさらに備え、前記ロック部は、前記モード切換手段から出力されるモード選択信号の有無に基づいて、前記電気信号の伝達を阻止する状態と電気信号の伝達を許容する状態との間で伝達状態を切換える伝達状態切換手段を備えた構成とすることができる。
【0020】
この構成によれば、前記電気信号の伝達を阻止する状態と許容する状態とを切り換える操作を、モード選択信号の有無に基づいて行うことができるので、特別な制御を要することなく前記操作を行うことができる。
【0021】
また、前記ロック装置において、前記作業機械に設けられ前記機体に対し起伏可能に装着されたアタッチメントに起伏用の動力を供給する起伏駆動部と、この起伏駆動部に対しアタッチメントを起伏させるための指示を入力操作可能な起伏入力部とをさらに備え、前記ロック部は、前記ブレーキモードとして駐車モードが選択されたときに前記起伏入力部の入力操作にかかわらず、前記アタッチメントへの動力供給が不可の状態となるように前記起伏駆動部をロックする一方、前記ブレーキモードとして作業モードが選択されたときに前記アタッチメントへの動力供給を許容するように前記起伏駆動部のロックを解除することが好ましい。
【0022】
この構成によれば、ロック部により起伏駆動部からアタッチメントへの動力の供給をも阻止することができるので、ブレーキモードとして駐車モードが選択された状態でオペレータが誤って起伏入力部を入力操作した場合であっても、アタッチメントによる作業が禁止され、当該作業の反力を受けて機体が移動するといった事態を抑制することができ、駐車ブレーキに過剰な負荷が生じるのを抑制することができる。
【0023】
また、本発明は、前記ロック装置と、車軸の回転に応じて走行する機体と、所定の動力の供給を受けて前記車軸を停止状態に保つように作動する作業ブレーキと、この作業ブレーキに動力を供給する動力源と、この動力源からの動力の供給を受けることなく摩擦抵抗を利用して前記車軸の停止状態を保つように作動する駐車ブレーキと、前記駐車ブレーキ及び作業ブレーキの作動状態として予め設定されたブレーキモードを選択可能なモード選択手段とを備え、前記ブレーキモードには、前記駐車ブレーキを作動するとともに作業ブレーキの作動を解除する駐車モード及び、駐車ブレーキ及び作業ブレーキの作動を解除する走行モードが少なくとも含まれていることを特徴とする作業機械を提供する。
【0024】
さらに、本発明は、車軸の回転に応じて走行する機体と、この機体に対し起伏可能に装着されたアタッチメントと、所定の動力の供給を受けて前記車軸を停止状態に保つように作動する作業ブレーキと、この作業ブレーキに動力を供給する動力源と、この動力源からの動力を受けることなく摩擦抵抗を利用して前記車軸を停止状態に保つように作動する駐車ブレーキとを有し、前記駐車ブレーキ及び作業ブレーキの作動状態として複数のブレーキモードが用意された作業機械に設けられ、前記アタッチメントの起伏をロックするロック装置であって、前記アタッチメントに起伏用の動力を供給する起伏駆動部と、この起伏駆動部に対しアタッチメントを起伏させるための指示を入力操作可能な起伏入力部と、この起伏入力部の入力操作にかかわらず、前記アタッチメントへの動力供給が不可の状態となるように前記起伏駆動部をロックするロック部とを備え、このロック部は、前記ブレーキモードとして、前記駐車ブレーキを作動するとともに作業ブレーキの作動を解除する駐車モードが選択されたときは、前記起伏駆動部をロックする一方、前記ブレーキモードとして、前記駐車ブレーキ及び作業ブレーキを作動させる作業モードが選択されたときは、前記起伏駆動部のロックを解除することを特徴とする作業機械のロック装置を提供する。
【0025】
本発明によれば、ロック部によりアタッチメントへの動力供給が不可の状態となるように起伏駆動部をロックすることができるので、ブレーキモードとして駐車モードが選択された状態でオペレータが誤って起伏入力部を入力操作した場合であっても、アタッチメントによる作業を阻止することにより当該作業の反力を受けて機体が移動するといった事態を抑制することができ、駐車ブレーキに過剰な負荷が生じるのを抑制することができる。
【0026】
したがって、本発明によれば、駐車ブレーキの効用を長持ちさせることができる。
【0027】
そして、本発明では、ブレーキモードとして作業モードが選択されたときにアタッチメントへの動力の供給が許容されるので、当該作業モードにおいてはアタッチメントによる作業が可能となる。
【0028】
前記ロック装置において、前記起伏駆動部は、油圧ポンプと、この油圧ポンプから作動油の供給を受けて前記アタッチメントを起伏動作させるアクチュエータとを備え、前記起伏入力部は、前記油圧ポンプからアクチュエータへ供給される油圧を調整操作可能に構成され、前記ロック部は、前記起伏入力部の操作にかかわらず、前記油圧ポンプからアクチュエータへの作動油の供給が不可の状態となるように前記起伏駆動部をロックすることが好ましい。
【0029】
この構成によれば、起伏入力部の操作にかかわらず、油圧ポンプからアクチュエータへの作動油の供給を阻止することにより、駐車モードの選択時におけるアタッチメントの起伏動作を禁止することができる。
【0030】
具体的に、前記起伏駆動部は、前記油圧ポンプから前記アクチュエータへの作動油の供給を許容する供給位置と前記アクチュエータへの作動油の供給を停止させる停止位置とを切換可能な電磁弁を備え、前記ロック部は、前記駐車モードが選択されることに応じて前記電磁弁が停止位置となるように当該電磁弁に対する供給電力を調整する構成とすることができる。
【0031】
このようにすれば、電磁弁を供給位置と停止位置との間で操作することにより、油圧ポンプからアクチュエータへの作動油の供給を調整することができる。
【0032】
そして、前記ブレーキモードを選択操作可能で、かつ、特定のモードが選択された場合に当該モードに対応するモード選択信号を出力可能なモード選択手段をさらに備え、前記ロック部は、前記モード選択手段から出力されるモード選択信号の有無に基づいて、前記電磁弁を供給位置に操作する状態と前記電磁弁を停止位置に操作する状態との間で当該電磁弁に対する電力供給の状態を切換える供給状態切換手段を備えていることが特に好ましい。
【0033】
この構成によれば、前記電磁弁を供給位置と停止位置とに切り換える操作を、モード選択信号の有無に基づいて行うことができるので、特別な制御を要することなく前記操作を行うことができる。
【0034】
さらに、本発明は、前記ロック装置と、車軸の回転に応じて走行する機体と、この機体に対し起伏可能に装着されたアタッチメントと、所定の動力の供給を受けて前記車軸を停止状態に保つように作動する作業ブレーキと、この作業ブレーキに動力を供給する動力源と、この動力源からの動力を受けることなく摩擦抵抗を利用して前記車軸の停止状態を保つように作動する駐車ブレーキと、前記駐車ブレーキ及び作業ブレーキの作動状態として予め設定されたブレーキモードを選択可能なモード選択手段とを備え、前記ブレーキモードには、前記駐車ブレーキを作動するとともに作業ブレーキの作動を解除する駐車モード及び、駐車ブレーキ及び作業ブレーキを作動する作業モードが少なくとも含まれていることを特徴とする作業機械を提供する。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、駐車ブレーキの効用を長持ちさせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
【0037】
図1は、本発明の実施形態に係るホイール式ショベルを示す側面図である。
【0038】
図1を参照して、作業機械の一例としてのホイール式ショベル1は、タイヤ2aの車軸2bを有する下部走行体(機体)2と、下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体(機体)3と、この上部旋回体3に起伏可能に支持されたアタッチメント4と、エア圧を利用して車軸2bを停止状態に保つための作業ブレーキ(図示せず)、この作業ブレーキに前記エアを供給するエア源(動力源:図示せず)と、摩擦抵抗を利用して車軸2bを停止状態に保つための駐車ブレーキ(図示せず)と、前記車軸2b及びアタッチメント4を駆動する駆動装置5(図2参照)とを備えている。
【0039】
アタッチメント4は、ブーム6と、このブーム6の先端部に連結されるアーム7とから構成されており、そのアーム7の先端部にバケット8が揺動可能に取り付けられている。
【0040】
ブーム6は、ブームシリンダ9の伸縮動作によって起伏し、アーム7は、アームシリンダ10の伸縮動作によって揺動し、バケット8は、バケット用シリンダ11の伸縮動作によってアーム7に対して揺動する。すなわち、本実施形態では、各シリンダ9〜11がアクチュエータ12を構成している。
【0041】
図2は、図1のホイール式ショベルに設けられた駆動装置のうち駆動部を主に示す回路図である。図3は、図1のホイール式ショベルに設けられた駆動装置のうちロック部を主に示す回路図である。
【0042】
図2及び図3を参照して、駆動装置5は、駐車ブレーキ及び作業ブレーキ(図示せず)の作動状態として予め設定されたブレーキモードを切換えるモード切換装置39と、前記車軸2bの回転をロックするロック装置40とを備えている。
【0043】
モード切換装置39は、前記ブレーキモードを選択可能な切換スイッチ(モード切換手段)17と、この切換スイッチ17の選択操作に応じて励磁される電磁弁31又は電磁弁32とを備えている。
【0044】
切換スイッチ17は、前記駐車ブレーキ及び作業ブレーキを作動させる作業モードとしてのWモード、駐車ブレーキを作動するとともに作業ブレーキを解除する駐車モードとしてのPモード及び、駐車ブレーキ及び作業ブレーキの作動を解除する走行モードとしてのDモードのうち特定のブレーキモードを選択可能とされたスイッチである。
【0045】
電磁弁31は、図略の作業ブレーキに対し作動油を供給又は供給停止するために設けられたものである。具体的に、電磁弁31は、電源30からの電力が供給された操作状態で図略のエアシリンダにエアを供給してドラム式の作業ブレーキを作動させる一方、電源30からの電力供給がない操作状態で前記エアシリンダを開放して作業ブレーキの作動を解除する。
【0046】
電磁弁32は、図略の駐車ブレーキに対しエアを供給又は供給停止するために設けられたものである。具体的に、電磁弁32は、電源30からの電力が供給されていない操作状態で図略のスプリングによって付勢されたブレーキパッドを押し付けて駐車ブレーキを作動させる一方、電源30からの電力が供給された操作状態で図略のエアシリンダにエアを供給して前記ブレーキパッドを移動させて駐車ブレーキの作動を解除する。
【0047】
ロック装置40は、前記車軸2b及びアクチュエータ12に動力を供給する駆動部(走行駆動部、起伏駆動部)14と、この駆動部14に対し下部走行体2を走行させるための指示を入力操作可能なシフトレバー(走行入力部)15と、駆動部14に対しアタッチメント4を起伏させるための指示を入力操作可能な操作レバー(起伏入力部)16と、駆動部14による車軸2bへの動力供給が不可の状態となるように前記駆動部14をロックするロック部18とを備えている。
【0048】
駆動部14は、前記車軸2bを回転駆動する油圧モータ19と、前記アタッチメント4を起伏させるアクチュエータ12と、これら油圧モータ19及びアタッチメント4に対し作動油を供給する油圧回路20とを備えている。
【0049】
油圧回路20は、3位置切換弁21を介して油圧モータ19へ作動油を供給するとともに3位置切換弁22を介してアクチュエータ12へそれぞれ作動油を供給するメインポンプ(油圧ポンプ)23と、3位置切換弁(電磁弁)24を介して前記3位置切換弁21のパイロットポート21a、21bに作動油を供給するとともに2位置切換弁(電磁弁)25を介して前記3位置切換弁22のパイロットポートに作動油を供給するパイロットポンプ26と、パイロットポンプ26から3位置切換弁21への作動油の供給流量を調整可能なリモコン弁27とを備えている。
【0050】
また、油圧回路20には、前記操作レバー16が設けられ、この操作レバー16は、パイロットポンプ26から供給された作動油を3位置切換弁22のパイロットポート22a及びパイロットポート22bのうちの一方に供給することによりアクチュエータ12を伸縮させることが可能とされている。なお、図2中の符号28、29はリリーフ弁である。
【0051】
メインポンプ23及びパイロットポンプ26は、それぞれエンジン(図示せず)の駆動により油圧を発生する可変容量型ポンプ及び低容量型ポンプにより構成されている。
【0052】
3位置切換弁21は、パイロットポート21a及びパイロットポート21bの何れにも作動油が供給されていないときには中立位置Cに保持され、パイロットポート21aに作動油が供給されると切換位置Aに切換えられ、パイロットポート21bに作動油が供給されると切換位置Bに切換えられるようになっている。
【0053】
そして、中立位置Cでは、メインポンプ23から油圧モータ19への作動油の供給が停止される一方、切換位置A、Bではメインポンプ23から油圧モータ19へ作動油が供給されて当該油圧モータ19が駆動する。なお、切換位置Aでは下部走行体2が前進する方向に油圧モータ19が駆動する一方、切換位置Bでは下部走行体2が後進する方向に油圧モータ19が駆動する。
【0054】
さらに、3位置切換弁21は、パイロットポート21a、21bに対する作動油のパイロット圧の高低によって中立位置Cから切換位置A又はBへのストロークが変化することにより、油圧モータ19への作動油の供給流量を調整することが可能となっている。
【0055】
3位置切換弁24は、ソレノイド24a及びソレノイド24bの何れにも電気的な入力がないときには中立位置Fに保持され、ソレノイド24aに入力があると切換位置Dに切換えられ、ソレノイド24bに入力があると切換位置Eに切換えられるようになっている。
【0056】
そして、中立位置F(停止位置)では、パイロットポンプ26からパイロットポート21a、21bへの作動油の供給が停止される一方、切換位置D、E(供給位置)ではパイロットポンプ26からパイロットポート21a、21bへの作動油が供給されて3位置切換弁21を操作する。
【0057】
具体的に、切換位置Dではパイロットポンプ26からの作動油がパイロットポート21aに供給される一方、切換位置Eではパイロットポンプ26から作動油がパイロットポート21bに供給される。
【0058】
このように切換位置D又はEとされた状態で、アクセルペダル27aの踏み込み操作に応じてリモコン弁27が操作されることにより、この踏み込み量に応じて3位置切換弁21が操作されることになる。
【0059】
3位置切換弁22は、パイロットポート22a及びパイロットポート22bの何れにも作動油が供給されていないときには中立位置Iに保持され、パイロットポート22aに作動油が供給されると切換位置Gに切換えられ、パイロットポート22bに作動油が供給されると切換位置Hに切換えられるようになっている。
【0060】
そして、中立位置Iでは、メインポンプ23からアクチュエータ12への作動油の供給が停止される一方、切換位置G、Hではメインポンプ23からアクチュエータ12へ作動油が供給されてアクチュエータ12が伸縮する。
【0061】
2位置切換弁25は、ソレノイド25aに電気的な入力がないときには通常位置Kに保持され、ソレノイド25aに電気的な入力があると切換位置Jに切換えられるようになっている。
【0062】
そして、通常位置K(停止位置)では、パイロットポンプ26から操作レバー16側への作動油の供給が停止される一方、切換位置J(供給位置)では、パイロットポンプ26から操作レバー16側へ作動油が供給される。この切換位置Jの状態において操作レバー16が図2に示す中立位置から左右何れかの方向に傾動操作されることにより、パイロットポンプ26からの作動油が3位置切換弁22のパイロットポート22a又は22bに供給されてアクチュエータ12が伸縮する。
【0063】
ロック部18は、図2に示すように、電源30と、この電源30と3位置切換弁24及び2位置切換弁25のソレノイド24a、24b、25aとの間に設けられた電気回路33(図2参照)と、この電気回路33に設けられた前進用リレー(伝達状態切換手段)34、後進用リレー(伝達状態切換手段)35及び起伏用リレー(供給状態切換手段)36と、これらリレー34〜36の励磁用のコイルと前記切換スイッチ17とを接続する補助回路37(図3参照)とを備えている。
【0064】
電気回路33は、電源30の電力をシフトレバー15の操作に応じて前進用リレー34又は後進用リレー35を介してソレノイド24a又は24bに供給することが可能とされている。すなわち、シフトレバー15を前進側(ドライブ位置)に操作した際に電源30と前進用リレー34とが電気的に接続される一方、シフトレバー15を後進側(バック位置)に操作した際に電源30と後進用リレー35とが電気的に接続される。
【0065】
また、電気回路33は、電源30の電力を起伏用リレー36を介してソレノイド25aに供給することが可能とされている。
【0066】
前進用リレー34は、コイル34aと、このコイル34aが励磁されていない状態で開きコイル34aが励磁されることにより閉じるスイッチ34bとを備え、このスイッチ34bの両接点がそれぞれシフトレバー15の前進側の接点又は3位置切換弁24のソレノイド24aに接続されている。
【0067】
後進用リレー35は、コイル35aと、このコイル35aが励磁されていない状態で開きコイル35aが励磁されることにより閉じるスイッチ35bとを備え、このスイッチ35bの両接点がそれぞれシフトレバー15の後進側の接点又は3位置切換弁24のソレノイド24bに接続されている。
【0068】
起伏用リレー36は、コイル36aと、このコイル36aが励磁されていない状態で開きコイル36aが励磁されることにより閉じるスイッチ36bとを備え、このスイッチ36bの両接点がそれぞれシフトレバー15の後進側の接点又は2位置切換弁25のソレノイド25aに接続されている。
【0069】
補助回路37は、以下説明するように、前記切換スイッチ17によるブレーキモードの切換状況に応じて電源30の電力を各リレー34〜36のコイル34a〜36aに供給することが可能とされている。
【0070】
以下、前記切換スイッチ17によるブレーキモードの切換時の動作について、図2〜図4を参照して説明する。
【0071】
図4は、ブレーキモードの切換に応じた各リレー及びブレーキの状態を示す一覧表である。
【0072】
(1)ブレーキモードがWモードに切換えられた場合
切換スイッチ17のターミナル#1とターミナル#2とが接続され、当該ターミナル#2に接続された電磁弁31が操作される一方、補助回路37に設けられたダイオード38aによって電磁弁32に対する電力供給が阻止される。
【0073】
したがって、Wモードでは作業ブレーキ及び駐車ブレーキが作動した状態となる。
【0074】
このWモードでは、電源30からの電力(モード選択信号)が補助回路37を介して起伏用リレー36のコイル36aに供給される。これにより、スイッチ36bが閉じて2位置切換弁25が切換位置Jに操作されるため、パイロットポンプ26からの作動油が操作レバー16に供給される。
【0075】
したがって、Wモードでは操作レバー16の傾動操作に応じて3位置切換弁22を操作して、アクチュエータ12を作動することができる。
【0076】
一方、Wモードでは、前記ダイオード38aによって前進用リレー34及び後進用リレー35のソレノイド34b、35bに対する電力(モード選択信号)の供給も阻止されるため、シフトレバー15と3位置切換弁24のソレノイド24a、24bとの電気的接続が解除された状態となる。
【0077】
そのため、Wモードでは、シフトレバー15の操作にかかわらず3位置切換弁24が中立位置Fを維持して油圧モータ19の作動が阻止されることになる。
【0078】
(2)ブレーキモードがPモードに切換えられた場合
切換スイッチ17のターミナル#1とターミナル#3とが接続されるものの、このターミナル#3には電磁弁31、32が接続されていないので、当該電磁弁31、32の双方に対する電力の供給が阻止される。
【0079】
したがって、Pモードでは作業ブレーキの作動が解除されるとともに、駐車ブレーキが作動した状態となる。
【0080】
このPモードでは、ターミナル#3に補助回路37が接続されていないので、電源30から各リレー34〜36のコイル34a〜36aへの電力(モード選択信号)の供給が阻止される。これにより、スイッチ34b〜36bがそれぞれ開放した状態を維持するため、油圧モータ19及びアクチュエータ12の作動が阻止される。
【0081】
すなわち、前進用及び後進用リレー34、35に対する電力供給が阻止されることにより、シフトレバー15と3位置切換弁24のソレノイド24a、24bとの電気的接続が解除された状態となるため、シフトレバー15の操作にかかわらず3位置切換弁24が中立位置Fを維持して油圧モータ19の作動が阻止されることになる。
【0082】
また、起伏用リレー36に対する電力供給が阻止されることにより、電源30と2位置切換弁25のソレノイド25aとの電気的接続が解除された状態となり、当該2位置切換弁25が通常位置Kを維持してパイロットポンプ26から操作レバー16への作動油の供給が停止された状態となるため、操作レバー16の操作にかかわらずパイロットポンプ26から3位置切換弁22への作動油の供給が行なわれず、アクチュエータ12の作動が阻止されることになる。
【0083】
(3)ブレーキモードがDモードに切換えられた場合
切換スイッチ17のターミナル#1とターミナル#4とが接続され、当該ターミナル#4に接続された電磁弁32が操作される一方、補助回路37に設けられたダイオード38bによって電磁弁31に対する電力供給が阻止される。
【0084】
したがって、Dモードでは作業ブレーキ及び駐車ブレーキが作動した状態となる。
【0085】
このDモードでは、電源30からの電力が補助回路37を介して各リレー34〜36のコイル34a〜36aに供給される。これにより、Dモードでは、油圧モータ19及びアクチュエータ12の作動が許容される。
【0086】
すなわち、前進用及び後進用リレー34、35に対して電力が供給されることにより、シフトレバー15と3位置切換弁24のソレノイド24a、24bとが電気的に接続された状態となるため、シフトレバー15の操作に応じて3位置切換弁24を操作して油圧モータ19を作動させることができる。
【0087】
また、起伏用リレー36に対して電力が供給されることにより、電源30と2位置切換弁25のソレノイド25aとが電気的に接続された状態となり、当該2位置切換弁25が切換位置Jに操作されパイロットポンプ26から操作レバー16への作動油が供給されるため、操作レバー16の操作に応じて3位置切換弁22を操作してアクチュエータ12を作動させることができる。
【0088】
以上説明したように、ホイール式ショベル1によれば、ロック部18が設けられているので、ブレーキモードとしてPモードが選択されたときにオペレータが誤ってシフトレバー15を操作した場合であっても、車軸2bへの動力供給が不可の状態となるように駆動部14をロックすることにより駐車ブレーキに過剰な負荷が生じるのを抑制することができる。
【0089】
したがって、ホイール式ショベル1によれば、駐車ブレーキの効用を長持ちさせることができる。
【0090】
そして、前記ホイール式ショベル1では、ブレーキモードがDモードに切換えられたときに車軸2bへの動力の供給が許容されるので、当該Dモードにおいては下部走行体2の走行が可能となる。
【0091】
一方、ブレーキモードとしてWモードに選択されたときには、ロック部18によって車軸2bへの動力供給が不可の状態となるように駆動部14がロックされるので、Wモードが選択されて作業が行なわれている間にオペレータが誤ってシフトレバー15を操作した場合であっても、作業中の下部走行体2が走行するのを阻止することにより、安全性をより高めることができる。
【0092】
また、前記ホイール式ショベル1によれば、ロック部18によりアタッチメント4への動力供給が不可の状態となるように駆動部14をロックすることができるので、ブレーキモードとしてPモードが選択された状態でオペレータが誤って操作レバー16を入力操作した場合であっても、アタッチメント4による作業を阻止することにより当該作業の反力を受けて下部走行体2が移動するといった事態を抑制することができ、駐車ブレーキに過剰な負荷が生じるのを抑制することができる。
【0093】
前記実施形態に係るホイール式ショベル1によれば、前進用リレー34及び後進用リレー35を備えているので、シフトレバー15から3位置切換弁24への出力信号の伝達を許容する状態と停止する状態とを切り換える操作(スイッチ34b、35bの開閉操作)を、切換スイッチ17からの電力供給の有無に基づいて、特別な制御を要することなく行うことができる。
【0094】
さらに、前記実施形態に係るホイール式ショベル1によれば、起伏用リレー36を備えているので、2位置切換弁25を供給位置又は停止位置に切り換える操作(スイッチ36bの開閉操作)を、切換スイッチ17からの電力供給の有無に基づいて、特別な制御を要することなく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の実施形態に係るホイール式ショベルを示す側面図である。
【図2】図1のホイール式ショベルに設けられた駆動装置のうち駆動部を主に示す回路図である。
【図3】図1のホイール式ショベルに設けられた駆動装置のうちロック部を主に示す回路図である。
【図4】ブレーキモードの切換に応じた各リレー及びブレーキの状態を示す一覧表である。
【符号の説明】
【0096】
1 ホイール式ショベル(作業機械の一例)
2 下部走行体(機体)
2b 車軸
3 上部旋回体(機体)
4 アタッチメント
12 アクチュエータ
14 駆動部(走行駆動部、起伏駆動部)
15 シフトレバー(走行入力部)
16 操作レバー(起伏入力部)
17 切換スイッチ(モード切換手段)
18 ロック部
19 油圧モータ
23 メインポンプ(油圧ポンプ)
25 2位置切換弁(電磁弁)
34 前進用リレー(伝達状態切換手段)
35 後進用リレー(供給状態切換手段)
36 起伏用リレー
39 モード切換装置
40 ロック装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車軸の回転に応じて走行する機体と、所定の動力の供給を受けて前記車軸を停止状態に保つように作動する作業ブレーキと、この作業ブレーキに動力を供給する動力源と、この動力源からの動力の供給を受けることなく摩擦抵抗を利用して前記車軸の停止状態を保つように作動する駐車ブレーキとを有し、前記駐車ブレーキ及び作業ブレーキの作動状態として複数のブレーキモードが用意された作業機械に設けられ、前記車軸の回転をロックするロック装置であって、
前記車軸に動力を供給する走行駆動部と、
この走行駆動部に対し前記機体を走行させるための指示を入力操作可能な走行入力部と、
この走行入力部の入力操作にかかわらず、前記車軸への動力供給が不可の状態となるように前記走行駆動部をロックするロック部とを備え、
このロック部は、前記ブレーキモードとして、前記駐車ブレーキを作動するとともに作業ブレーキの作動を解除する駐車モードが選択されたときは、前記走行駆動部をロックする一方、前記ブレーキモードとして、前記駐車ブレーキ及び作業ブレーキの作動を解除する走行モードが選択されたときは、前記走行駆動部のロックを解除することを特徴とする作業機械のロック装置。
【請求項2】
前記ロック部は、前記ブレーキモードとして前記駐車ブレーキ及び作業ブレーキを作動させる作業モードが選択されたときは、前記走行駆動部をロックすることを特徴とする請求項1に記載の作業機械のロック装置。
【請求項3】
前記走行入力部は、前記機体を走行させるための指示を電気信号として前記走行駆動部に出力するように構成され、前記ロック部は、前記走行入力部から走行駆動部への電気信号の伝達を阻止することにより前記走行駆動部をロックすることを特徴とする請求項1又は2に記載の作業機械のロック装置。
【請求項4】
前記ブレーキモードを選択操作可能で、かつ、特定のモードが選択された場合に当該モードに対応するモード選択信号を出力可能なモード切換手段をさらに備え、前記ロック部は、前記モード切換手段から出力されるモード選択信号の有無に基づいて、前記電気信号の伝達を阻止する状態と電気信号の伝達を許容する状態との間で伝達状態を切換える伝達状態切換手段を備えていることを特徴とする請求項3に記載の作業機械のロック装置。
【請求項5】
前記作業機械に設けられ前記機体に対し起伏可能に装着されたアタッチメントに起伏用の動力を供給する起伏駆動部と、この起伏駆動部に対しアタッチメントを起伏させるための指示を入力操作可能な起伏入力部とをさらに備え、前記ロック部は、前記ブレーキモードとして駐車モードが選択されたときに前記起伏入力部の入力操作にかかわらず、前記アタッチメントへの動力供給が不可の状態となるように前記起伏駆動部をロックする一方、前記ブレーキモードとして作業モードが選択されたときに前記アタッチメントへの動力供給を許容するように前記起伏駆動部のロックを解除することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の作業機械のロック装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載のロック装置と、車軸の回転に応じて走行する機体と、所定の動力の供給を受けて前記車軸を停止状態に保つように作動する作業ブレーキと、この作業ブレーキに動力を供給する動力源と、この動力源からの動力の供給を受けることなく摩擦抵抗を利用して前記車軸の停止状態を保つように作動する駐車ブレーキと、前記駐車ブレーキ及び作業ブレーキの作動状態として予め設定されたブレーキモードを選択可能なモード選択手段とを備え、前記ブレーキモードには、前記駐車ブレーキを作動するとともに作業ブレーキの作動を解除する駐車モード及び、駐車ブレーキ及び作業ブレーキの作動を解除する走行モードが少なくとも含まれていることを特徴とする作業機械。
【請求項7】
車軸の回転に応じて走行する機体と、この機体に対し起伏可能に装着されたアタッチメントと、所定の動力の供給を受けて前記車軸を停止状態に保つように作動する作業ブレーキと、この作業ブレーキに動力を供給する動力源と、この動力源からの動力を受けることなく摩擦抵抗を利用して前記車軸を停止状態に保つように作動する駐車ブレーキとを有し、前記駐車ブレーキ及び作業ブレーキの作動状態として複数のブレーキモードが用意された作業機械に設けられ、前記アタッチメントの起伏をロックするロック装置であって、
前記アタッチメントに起伏用の動力を供給する起伏駆動部と、
この起伏駆動部に対しアタッチメントを起伏させるための指示を入力操作可能な起伏入力部と、
この起伏入力部の入力操作にかかわらず、前記アタッチメントへの動力供給が不可の状態となるように前記起伏駆動部をロックするロック部とを備え、
このロック部は、前記ブレーキモードとして、前記駐車ブレーキを作動するとともに作業ブレーキの作動を解除する駐車モードが選択されたときは、前記起伏駆動部をロックする一方、前記ブレーキモードとして、前記駐車ブレーキ及び作業ブレーキを作動させる作業モードが選択されたときは、前記起伏駆動部のロックを解除することを特徴とする作業機械のロック装置。
【請求項8】
前記起伏駆動部は、油圧ポンプと、この油圧ポンプから作動油の供給を受けて前記アタッチメントを起伏動作させるアクチュエータとを備え、前記起伏入力部は、前記油圧ポンプからアクチュエータへ供給される油圧を調整操作可能に構成され、前記ロック部は、前記起伏入力部の操作にかかわらず、前記油圧ポンプからアクチュエータへの作動油の供給が不可の状態となるように前記起伏駆動部をロックすることを特徴とする請求項7に記載の作業機械のロック装置。
【請求項9】
前記起伏駆動部は、前記油圧ポンプから前記アクチュエータへの作動油の供給を許容する供給位置と前記アクチュエータへの作動油の供給を停止させる停止位置とを切換可能な電磁弁を備え、前記ロック部は、前記駐車モードが選択されることに応じて前記電磁弁が停止位置となるように当該電磁弁に対する供給電力を調整することを特徴とする請求項8に記載の作業機械のロック装置。
【請求項10】
前記ブレーキモードを選択操作可能で、かつ、特定のモードが選択された場合に当該モードに対応するモード選択信号を出力可能なモード選択手段をさらに備え、前記ロック部は、前記モード選択手段から出力されるモード選択信号の有無に基づいて、前記電磁弁を供給位置に操作する状態と前記電磁弁を停止位置に操作する状態との間で当該電磁弁に対する電力供給の状態を切換える供給状態切換手段を備えていることを特徴とする請求項9に記載の作業機械のロック装置。
【請求項11】
請求項7〜10の何れか1項に記載のロック装置と、車軸の回転に応じて走行する機体と、この機体に対し起伏可能に装着されたアタッチメントと、所定の動力の供給を受けて前記車軸を停止状態に保つように作動する作業ブレーキと、この作業ブレーキに動力を供給する動力源と、この動力源からの動力を受けることなく摩擦抵抗を利用して前記車軸の停止状態を保つように作動する駐車ブレーキと、前記駐車ブレーキ及び作業ブレーキの作動状態として予め設定されたブレーキモードを選択可能なモード選択手段とを備え、前記ブレーキモードには、前記駐車ブレーキを作動するとともに作業ブレーキの作動を解除する駐車モード及び、駐車ブレーキ及び作業ブレーキを作動する作業モードが少なくとも含まれていることを特徴とする作業機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−239363(P2007−239363A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−65429(P2006−65429)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(000246273)コベルコ建機株式会社 (644)
【Fターム(参考)】